説明

ファインダユニット、撮像装置および表示制御プログラム

【課題】被写体光学像に撮影範囲の外部領域をフォーカスエリアとともに重畳表示した場合にフォーカスエリアを発光させるための照明光を透過型表示装置に導入すると、フォーカスエリアだけでなく撮影範囲の外部領域も発光してしまう。そのため、ユーザはフォーカスエリアの位置を確認し難くなってしまう。
【解決手段】ファインダユニットは、被写体像に重畳して情報を表示する透過型の表示部と、照明部が表示部を照明する場合に、有効撮影範囲の外部領域の少なくとも一部である第1領域における被写体像の透過率が低下するように第1領域を表示する第1表示状態から、外部領域の一部であって第1領域より面積の小さい第2領域における被写体像の透過率が低下するように第2領域を表示する第2表示状態へ変更する表示制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファインダユニット、撮像装置および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
光の透過および散乱を切換可能な高分子分散液晶を用いる透過型表示装置を結像面近傍に配置し、AFエリアに対応する表示セグメントを散乱状態にして被写体光学像にAFエリアを重畳表示する光学ファインダを備えるカメラが知られている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2000−162695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
撮像素子の有効画素領域の一部を撮影範囲として設定する場合がある。このとき、撮影範囲の外部領域全体をフォーカスエリアとともに被写体光学像に重畳表示して、照明光を透過型表示装置に導光すると、フォーカスエリアとともに撮影範囲の外部領域全体も発光する。すると、相対的に面積の大きな外部領域の照明光が支配的となり、視認性が著しく低下するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様におけるファインダユニットは、被写体像に重畳して情報を表示する透過型の表示部と、照明部が表示部を照明する場合に、有効撮影範囲の外部領域の少なくとも一部である第1領域における被写体像の透過率が低下するように第1領域を表示する第1表示状態から、外部領域の一部であって第1領域より面積の小さい第2領域における被写体像の透過率が低下するように第2領域を表示する第2表示状態へ変更する表示制御部とを備える。
【0005】
本発明の第2の態様における撮像装置は、上述のファインダユニットを備える。
【0006】
本発明の第3の態様における表示制御プログラムは、被写体像に重畳して情報を表示する透過型の表示部を備えるファインダユニットの表示制御プログラムであって、照明部が表示部を照明する場合に、有効撮影範囲の外部領域の少なくとも一部である第1領域における被写体像の透過率が低下するように第1領域を表示する第1表示状態から、外部領域の一部であって第1領域より面積の小さい第2領域における被写体像の透過率が低下するように第2領域を表示する第2表示状態へ変更する表示変更ステップをコンピュータに実行させる。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る一眼レフカメラの要部断面図である。
【図2】本実施形態に係るファインダユニットを構成する部品の分解斜視図である。
【図3】本実施形態に係る一眼レフカメラのシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】透過型表示パネルの表示制御処理を説明する図である。
【図5】透過型表示パネルの表示制御処理の第1変形例を説明する図である。
【図6】透過型表示パネルの表示制御処理の第2変形例を説明する図である。
【図7】本実施形態における透過型表示パネルの表示制御を示すフロー図である。
【図8】透過型表示パネルの表示制御処理の第3変形例を説明する図である。
【図9】透過型表示パネルの表示制御処理の第4変形例を説明する図である。
【図10】第2表示状態の表示態様の変形例を説明する図である。
【図11】透過型表示パネルの表示制御処理の第5変形例を説明する図である。
【図12】透過型表示パネルの表示制御処理の第6変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態に係る一眼レフカメラ10の要部断面図である。一眼レフカメラ10は、レンズユニット20とカメラ本体30が組み合わされて撮像装置として機能する。また、カメラ本体30には、ファインダユニット40が組み込まれている。
【0011】
レンズユニット20は、光軸11に沿って配列されたレンズ群21を備える。レンズ群21は、入射される被写体光束をカメラ本体30へ導く。レンズ群21には、フォーカスレンズ23、ズームレンズ22等が含まれ、焦点調整、画角調整の指示に応じて光軸方向に移動できるように構成されている。レンズユニット20は、カメラ本体30との接続部にレンズマウント24を備え、カメラ本体30が備えるカメラマウント31と係合して、カメラ本体30と一体化する。
【0012】
カメラ本体30は、レンズユニット20から入射される被写体光束を反射するメインミラー32を備える。メインミラー32は、回転軸33周りに回動して、光軸11を中心とする被写体光束中に斜設される斜設状態と、被写体光束から退避する退避状態を取り得る。ファインダユニット40側へ被写体像を導く場合には、メインミラー32は斜設状態を取る。撮像素子52側へ被写体像を導く場合には、メインミラー32は退避状態を取る。
【0013】
ファインダユニット40は、ピント板41、透過型表示パネル42、ペンタプリズム43、接眼光学系44、ファインダ窓45、測光センサ46を備える。ピント板41は、撮像素子52の受光面と共役の位置に配置されている。ピント板41で一次結像した被写体の光学像は、透過型表示パネル42を透過してペンタプリズム43で正立像に変換される。そして、正立像に変換された被写体光学像は、接眼光学系44、ファインダ窓45を介してユーザに観察される。ペンタプリズム43の射出面上方に配置された測光センサ46は、ペンタプリズム43からの被写体光学像により被写体の明るさを検知する。
【0014】
ピント板41とペンタプリズム43の間、すなわち被写体光束の一次結像面近傍には、透過型の表示部としての透過型表示パネル42が配置される。透過型表示パネル42の一例として、高分子分散液晶(PN液晶)が挙げられる。本実施形態では、透過型表示パネル42をピント板41の上面側に設けたが、透過型表示パネル42を設ける位置は一次結像面の近傍であればよく、ピント板41の下面側に設けても良い。
【0015】
透過型表示パネル42は、情報の非表示状態においては被写体光学像を透過する。一方、情報の表示状態においては、透過型表示パネル42は、ピント板41に結像された被写体光学像に重畳して情報を表示する。例えば、焦点検出領域に対応して設けられたセグメントの液晶が拡散状態になり、特定の表示パターンが被写体光学像に重なって視認可能となる。具体的には、情報としての表示パターンが、被写体光学像に重畳され、ペンタプリズム43を介してユーザ側に導かれる。表示する情報としては、焦点検出領域以外にも、後述する有効撮影範囲の外部領域、外部領域の一部であって有効撮影範囲の外周を含む外周枠領域、水平垂直の指標となる水準器インジケータなどが挙げられる。
【0016】
斜設状態におけるメインミラー32の光軸11の近傍領域は、ハーフミラーとして形成されており、入射される被写体光束の一部が透過する。透過した被写体光束は、メインミラー32と連動して回動するサブミラー34で反射されて、AF光学系35へ導かれる。AF光学系35を通過した被写体光束は、AFセンサ36へ入射される。
【0017】
AFセンサ36は、例えば、受光した被写体光束から位相差信号を出力する複数の光電変換素子列である。具体的には、AFセンサ36は、光学像の特定の領域に対応して設けられる複数の焦点調整領域のそれぞれにおいて、合焦状態、前ピン状態、後ピン状態を検出できる。前ピン状態、後ピン状態の場合には、AFセンサ36は合焦状態からのずれ量も検出できる。なお、サブミラー34は、メインミラー32が被写体光束から退避する場合は、メインミラー32に連動して被写体光束から退避する。
【0018】
斜設されたメインミラー32の後方には、光軸11に沿って、フォーカルプレーンシャッタ51、撮像素子52が配列されている。フォーカルプレーンシャッタ51は、撮像素子52へ被写体光束を導くときに開放状態を取り、その他のときに遮蔽状態を取る。撮像素子52は、例えばCCD、CMOSセンサなどの光電変換素子であり、受光面で結像した被写体の光学像を電気信号に変換する。
【0019】
撮像素子52で光電変換された電気信号は、メイン基板53に搭載されたDSPである画像処理部54で画像データに処理される。メイン基板53には、画像処理部54の他に、カメラ本体30のシステムを統合的に制御するMPUであるカメラシステム制御部55が搭載されている。カメラシステム制御部55は、カメラシーケンスを管理すると共に、各構成要素の入出力処理等を行う。
【0020】
カメラ本体30の背面には液晶モニタ等による背面表示部56が配設されており、メイン基板53上の画像処理部54で処理された被写体画像が表示される。背面表示部56は、撮影後の静止画像に限らず、ビューファインダとしてのEVF画像、各種メニュー情報、撮影情報等を表示する。
【0021】
傾斜センサ57は、カメラ本体30の傾斜角を検出する。傾斜センサ57は、例えば3軸加速度センサを用いることができる。カメラ本体30には、着脱可能な二次電池58が収容され、カメラ本体30に限らず、レンズユニット20にも電力を供給する。
【0022】
図2は、本実施形態に係るファインダユニット40を構成する部品の分解斜視図である。ファインダユニット40は、図1で示した部品以外に、ペンタボックス61、閉塞板65、ペンタ基板66、ライトガイド67およびLED68を備える。なお、図2において、図1で示した接眼光学系44、ファインダ窓45および測光センサ46は省略する。また、図2において、カメラ本体30内でのファインダユニット40を構成する部品の位置関係を明確にするために、ファインダユニット40以外に、カメラマウント31およびメインミラー32を示す。
【0023】
ペンタボックス61は、ペンタプリズム43を収容して支持する支持部材である。ペンタボックス61自体は、カメラ本体30の前板に固定される。ペンタボックス61は、図2に示すように、被写体光束をペンタプリズム43へ入射させる入射開口部63と、ペンタプリズム43が射出する被写体光束をユーザへ導く射出開口部64を備える。
【0024】
透過型表示パネル42は、ペンタボックス61のうち、メインミラー32に対して被写体光束が入射する側の側面に設けられた穴部62に挿入されて組み込まれ、ペンタボックス61に支持される。このとき、穴部62と透過型表示パネル42の隙間からペンタボックス61内へ進入する迷光および塵埃を遮断すべく、閉塞板65が、透過型表示パネル42が挿入された穴部62を閉塞する。
【0025】
ペンタ基板66は、ペンタプリズム43のうちペンタボックス61に支持される面の側(ピント板41に対向する入射面側)とは反対側の上面に隣接して配置される。ペンタ基板66にはさまざまな回路が集積されている。また、透過型表示パネル42はペンタ基板66に電気的に接続される。
【0026】
ライトガイド67は、ペンタボックス61のうち、入射開口部63と射出開口部64が設けられた両面に直交する側面に配設される。ライトガイド67は、透過型表示パネル42の側面へ、照明部としてのLED68の照明光を入射させる。透過型表示パネル42へ入射された照明光は、拡散状態にある液晶領域で拡散され、ユーザに視認される。
【0027】
なお、透過型表示パネル42の特定の液晶領域の拡散状態を、特定の表示領域のオン状態と称し、透過型表示パネル42の特定の液晶領域の非拡散状態を、特定の表示領域のオフ状態と称する。また、透過型表示パネル42の特定の液晶領域を拡散状態にすることを、特定の表示領域をオンにすると称し、透過型表示パネル42の特定の液晶領域を非拡散状態にすることを、特定の表示領域をオフにすると称する。
【0028】
図3は、本実施形態に係る一眼レフカメラ10のシステム構成を概略的に示すブロック図である。一眼レフカメラ10は、レンズユニット20とカメラ本体30のそれぞれに対応して、レンズシステム制御部120を中心とするレンズ制御系と、カメラシステム制御部55を中心とするカメラ制御系により構成される。そして、レンズ制御系とカメラ制御系は、レンズマウント24とカメラマウント31によって接続される接続部を介して、相互に各種データ、制御信号の授受を行う。
【0029】
レンズ制御系には、レンズメモリ121およびモータ駆動回路122が含まれる。レンズメモリ121は、電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM(登録商標)等により構成される。レンズメモリ121は、レンズユニット20の動作時に必要な定数、変数、プログラム等を、レンズユニット20の非動作時にも失われないように記録している。レンズシステム制御部120は、モータ駆動回路122を介して、ズームレンズ22を移動させるモータおよびフォーカスレンズ23を移動させるモータを制御する。
【0030】
カメラ制御系に含まれる画像処理部54は、カメラシステム制御部55からの指令に則して、撮像素子52で光電変換された撮像信号を、規格化された画像フォーマットに従った画像データに処理する。例えば、静止画像としてJPEGファイルを生成する場合は、色変換処理、ガンマ処理、ホワイトバランス処理等の画像処理を行った後に適応離散コサイン変換等を施して圧縮処理をする。また、動画像としてMPEGファイルを生成する場合は、所定の画素数に縮小して生成した連続する静止画としてのフレーム画像に対して、フレーム内符号化、フレーム間符号化を施して圧縮処理をする。
【0031】
本実施形態において、撮像素子52の画素群のうち撮像すべき画素範囲である撮像範囲として2つの画素範囲が予め規定されている。第1の範囲は、撮像素子52の有効画素領域の画素範囲である。本実施形態において、撮像素子52の有効画素領域の画素範囲は、35mm版フィルムのサイズと同程度の36mm×24mm、対角線長約43mmである。この有効画素領域の画素範囲をFXサイズと表す。第2の撮像範囲は、FXサイズより小さいAPS版フィルムのCサイズと同程度の24mm×16mm、対角線長約29mmで構成される画素範囲である。この画素範囲をDXサイズと表す。
【0032】
ユーザは、FXサイズおよびDXサイズのうちの一つを撮像範囲として選択することができる。FXサイズが選択された場合には、撮像素子52は、有効画素領域全体の被写体像を光電変換し、画像処理部54は、有効画素領域全体に対応する画像データを生成する。
【0033】
DXサイズが選択された場合には、撮像素子52は、有効画素領域のうちDXサイズに対応する領域の被写体像を出力し、画像処理部54は、DXサイズに対応する領域に相当する画像データを生成する。また、撮像素子52は有効画素領域全体の被写体像を出力し、画像処理部54は、有効画素領域のうちDXサイズに対応する領域の画像データをクロップするようにしてもよい。
【0034】
カメラメモリ131は、電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM(登録商標)等により構成される。カメラメモリ131は、一眼レフカメラ10の動作時に必要な定数、変数、プログラム等を、一眼レフカメラ10の非動作時にも失われないように記録している。ワークメモリ132は、例えばRAMなどの高速アクセスできるメモリであり、処理中の画像データを一時的に保管する役割などを担う。
【0035】
背面表示制御部133は、カメラシステム制御部55の指示に従って、背面表示部56に各種情報を表示させるべく表示制御を実行する。例えば、背面表示制御部133は、画像処理部54によって生成された撮影画像表示データ、カメラメモリ131に記憶されているメニュー項目を背面表示部56に表示させる。
【0036】
ファインダ表示制御部134は、カメラシステム制御部55の指示に従って、透過型表示パネル42に各種情報を表示させるべく表示制御を実行する。例えば、ファインダ表示制御部134は、焦点検出領域、有効撮影範囲の外部領域、有効撮影範囲の外周枠領域、水平垂直の指標となる水準器インジケータを透過型表示パネル42に表示させる。本実施形態において、ファインダ表示制御部134は、ファインダユニット40のペンタ基板66に搭載される。
【0037】
操作検知部135は、カメラ本体30に設けられた十字キー、決定ボタン等の操作部材が操作されたことを検知し、検知結果をカメラシステム制御部55へ出力する。操作部材には、押下げ方向に2段階に検知できる押しボタンで構成されるレリーズスイッチが含まれる。カメラシステム制御部55は、レリーズスイッチの1段階目の押下げであるSW1のオンを検知することにより撮影準備動作であるAF制御、AE制御等を実行する。そして、カメラシステム制御部55は、レリーズスイッチの2段階目の押下げであるSW2のオンを検知することにより撮像素子52による被写体像の取得動作を実行する。
【0038】
測光センサ46は、被写体光学像により被写体の明るさを検知し、測光データをカメラシステム制御部55へ出力する。カメラシステム制御部55は、測光センサ46の測光データを解析して露出値を算出する。
【0039】
AFセンサ36は、位相差信号をカメラシステム制御部55へ出力する。カメラシステム制御部55は、レンズシステム制御部120およびモータ駆動回路122と協働して、AFセンサ36の出力に応じたAF制御を実行する。カメラシステム制御部55は、AFセンサ36の位相差信号からフォーカスレンズ23の駆動量を算出する。そして、カメラシステム制御部55は、フォーカスレンズ23の駆動量を示す駆動制御信号をレンズシステム制御部120へ出力する。
【0040】
カメラシステム制御部55は、レリーズボタンのSW1のオンが継続している間に、ピントが合った時点でAFをロックするシングルAF制御を実行する。あるいは、カメラシステム制御部55は、レリーズボタンのSW1のオンが継続している間、被写体の動きに対してピントを合わせ続けるコンティニュアスAF制御を実行する。ユーザは、操作部材を操作して、シングルAF制御またはコンティニュアスAF制御を選択することができる。
【0041】
傾斜センサ57は、カメラ本体30の傾斜角を検出し、傾斜角データをカメラシステム制御部55へ出力する。カメラシステム制御部55は、傾斜センサ57の傾斜データからカメラ本体30の姿勢を算出する。
【0042】
図4は、透過型表示パネル42の表示制御処理を説明する図である。図4(a)は、FXサイズが撮像範囲として選択された場合のファインダ窓45から観察される被写体光学像の表示例である。ファインダユニット40の視野率が100%である場合、FXサイズの被写体光学像の範囲とファインダ窓45から観察される被写体光学像の範囲とが一致する。
【0043】
ファインダ表示制御部134は、カメラシステム制御部55のAF制御が完了した場合に、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201に対応する表示領域をオンにする。図4(a)に示すように、透過型表示パネル42においてオンにした表示領域では、焦点検出領域201における被写体光学像の透過率が低下し、焦点検出領域201は他の領域の被写体光学像より暗く視認される。したがって、ユーザは合焦領域を容易に把握することができる。
【0044】
DXサイズが撮像範囲として選択された場合であっても、ファインダ窓45から観察される被写体光学像の範囲は、FXサイズを基準にした視野率に応じた範囲となる。そこで、ファインダ表示制御部134は、ファインダ窓45から観察される被写体光学像を、DXサイズにおける被写体光学像とそれ以外の被写体光学像とに区別できるように透過型表示パネル42を制御する。
【0045】
図4(b)は、DXサイズが撮像範囲として選択された場合のファインダ窓45から観察される被写体光学像の第1の表示例である。ファインダ表示制御部134は、DXサイズにおける被写体光学像の範囲である有効撮影範囲202の外部領域203全体に対応する表示領域をオンにする。外部領域203全体における被写体光学像の透過率は低下し、外部領域203は有効撮影範囲202における被写体光学像より暗く視認される。したがって、ユーザはDXサイズでの撮影範囲を容易に把握することができる。なお、本実施形態において、外部領域203全体における被写体光学像の透過率が低下するように、外部領域203全体に対応する表示領域をオンにした状態を第1表示状態という。
【0046】
また、ファインダ表示制御部134は、図4(a)と同様に、カメラシステム制御部55のAF制御が完了した場合に、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201に対応する表示領域をオンにする。図4(b)に示すように、焦点検出領域201における被写体光学像の透過率が低下し、焦点検出領域201は他の有効撮影範囲202の被写体光学像より暗く視認される。したがって、ユーザは合焦領域を容易に把握することができる。
【0047】
レリーズスイッチのSW1がオンになった場合など、LED68による透過型表示パネル42の照明を行って焦点検出領域201を発光させたい場合がある。しかしながら、図4(b)のように、外部領域203全体に対応する表示領域がオンになった透過型表示パネル42をLED68が照明すると、焦点検出領域201だけでなく外部領域203全体も発光してしまう。そのため、相対的に面積の大きな外部領域203の照明光が支配的となり、視認性が著しく低下する。また、上述のとおり、LED68の照明光は、ライトガイド67により、透過型表示パネル42の側面から導入されて、透過型表示パネル42全体に拡散していく。そのため、透過型表示パネル42におけるLED68の照明光の強度分布は不均一となる。これにより、外部領域203全体の照明面にムラが表れ、ファインダ窓45から観察される画像の品位が悪化する。
【0048】
そこで、ファインダ表示制御部134は、LED68が透過型表示パネル42を照明する場合に、透過型表示パネル42の表示状態を上述の第1表示状態から変更する。LED68が透過型表示パネル42を照明する場合における表示状態について図4(c)を用いて説明する。
【0049】
図4(c)は、DXサイズが撮像範囲として選択された場合のファインダ窓45から観察される被写体光学像の第2の表示例である。ファインダ表示制御部134は、外部領域203の全体の代わりに外部領域203の一部であって有効撮影範囲202の外周を含む外周枠領域204に対応する表示領域をオンにする。外周枠領域204における被写体光学像の透過率は低下し、外周枠領域204は、有効撮影範囲202における被写体光学像より暗く視認される。
【0050】
一方、外部領域203のうち外周枠領域204以外の領域である枠外領域205に対応する表示領域はオフにされる。そのため、枠外領域205における被写体光学像の透過率は有効撮影範囲202における被写体光学像の透過率と同等である。なお、カメラシステム制御部55のAF制御が完了後において、ファインダ表示制御部134は、表示状態が切り替わっても、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201の表示を継続する。
【0051】
この表示状態でLED68が透過型表示パネル42を照明すると、焦点検出領域201および外周枠領域204が発光する。外周枠領域204の面積と焦点検出領域201の面積との差は、外部領域203の面積と焦点検出領域201の面積との差より小さい。したがって、外周枠領域204の照明光と焦点検出領域201の照明光との差は、外部領域203全体の照明光と焦点検出領域201の照明光との差より小さくなり、第1表示状態でLED68による照明を行った場合に比べ視認性が良い。そのため、ユーザは、第1表示状態でLED68による照明を行った場合に比べ、合焦位置、撮影可能範囲を容易に確認することができる。
【0052】
また、外周枠領域204の照明面のムラは外部領域203より少なく、ユーザは、第1表示状態でLED68による照明を行った場合に比べ、ファインダ窓45から画像を確認し易い。なお、本実施形態において、外周枠領域204における被写体光学像の透過率が低下するように、外周枠領域204に対応する表示領域をオンにした状態を第2表示状態という。
【0053】
有効撮影範囲202における被写体光学像とともに枠外領域205における被写体光学像が視認される。有効撮影範囲202における被写体光学像と枠外領域205における被写体光学像とに挟まれている外周枠領域204を発光させない場合には、外周枠領域204が目立たなくなってしまう。そのため、LED68が透過型表示パネル42を照明しない場合において透過型表示パネル42の表示状態を第2表示状態にすると、ユーザは、枠外領域205の外周、すなわちFXサイズでの被写体光学像の範囲を撮影可能範囲と誤認してしまうことがある。
【0054】
そこで、ファインダ表示制御部134は、LED68が透過型表示パネル42を照明していない場合には透過型表示パネル42の表示状態を第1表示状態にする。そして、ファインダ表示制御部134は、LED68が透過型表示パネル42を照明する場合に、透過型表示パネル42の表示状態を第2表示状態へ変更する。このようにLED68による照明の有無で透過型表示パネル42の表示状態を変更することにより、ユーザはどちらの状況であっても合焦領域および撮影可能範囲を容易に確認することができる。なお、ファインダ表示制御部134は、図4(b)、(c)に示すとおり、LED68による照明の有無に関わらず、焦点検出領域201に対応する表示領域をオン状態のまま継続する。
【0055】
図5は、透過型表示パネル42の表示制御処理の第1変形例を説明する図である。第1変形例では、上述した焦点検出領域、外部領域、外周枠領域以外の表示パターンである水準器インジケータを被写体光学像に重畳する表示制御処理を示す。
【0056】
LED68による照明が行われていない場合に、透過型表示パネル42のファインダ表示制御部134は、図5(a)に示すとおり、焦点検出領域201、外部領域203と共に、水準器インジケータ300に対応する表示領域をオンにする。水準器インジケータ300は、水平垂直の指標であり、光軸11周りのカメラ本体30の傾きを示す。水準器インジケータ300は、有効撮影範囲202内に配置される。ファインダ表示制御部134は、カメラシステム制御部55が傾斜センサ57の傾斜データから算出したカメラ本体30の姿勢に対応する水準器インジケータ300を透過型表示パネル42に表示させる。
【0057】
LED68による照明が行われる場合に、ファインダ表示制御部134は、外部領域203および水準器インジケータ300に対応する表示領域をオフにする。そして、ファインダ表示制御部134は、外周枠領域204に対応する表示領域を焦点検出領域201の表示領域とともにオンにして、図5(b)の表示状態に切り替える。このように水準器インジケータ300の発光を阻止することにより、ユーザは合焦領域および撮影可能範囲を容易に確認することができる。
【0058】
なお、第1変形例では、上述した焦点検出領域、外部領域、外周枠領域以外の表示パターンとして水準器インジケータを用いたがこれに限らない。ファインダ表示制御部134は、LED68による照明が行われない場合に、カメラシステム制御部55が算出した露出値に対応する絞り値、シャッタ速度、二次電池58の充電状態等の表示パターンに対応する表示領域をオンにしてもよい。そして、LED68による照明が行われる場合に、ファインダ表示制御部134は、これら表示パターンに対応する表示領域をオフにする。
【0059】
図6は、透過型表示パネル42の表示制御処理の第2変形例を説明する図である。第2変形例では、カメラシステム制御部55がコンティニュアスAF制御を実行する場合の透過型表示パネル42の表示制御処理を示す。コンティニュアスAFが選択されている場合、ファインダ表示制御部134は、透過型表示パネル42の表示状態を上述の第2表示状態にする。
【0060】
本実施形態において、図5に示すとおり、第1焦点検出領域401、第2焦点検出領域402、第3焦点検出領域403、第4焦点検出領域404および第5焦点検出領域405の5つの焦点検出領域が割り当てられている。そして、ファインダ表示制御部134は、合焦された焦点検出領域に対応する表示領域のみをオンにし、それ以外の焦点検出領域に対応する表示領域をオフにする。図5(a)において、ファインダ表示制御部134は、第3焦点検出領域403に対応する表示領域のみオンにする。
【0061】
コンティニュアスAF制御が実行されると、被写体の移動に伴い合焦される焦点検出領域は遷移する。被写体が図5(a)の状態から図5(b)の状態に移動すると、合焦される焦点検出領域は、第3焦点検出領域から第4焦点検出領域に遷移する。そこで、ファインダ表示制御部134は、図5(b)に示すように、透過型表示パネル42においてオンとなる表示領域を、第3焦点検出領域に対応する表示領域から第4焦点検出領域に対応する表示領域に遷移する。
【0062】
コンティニュアスAF制御の実行中において、カメラシステム制御部55は、LED68による照明を禁止してもよい。あるいは、遷移後の焦点検出領域を強調することを目的として、カメラシステム制御部55は、ある焦点検出領域で合焦されてから予め定められた期間、例えば1秒間経過するまで、LED68による照明を行って当該焦点検出領域を発光させてもよい。
【0063】
LED68による照明を行う場合、LED68の照明の有無に応じて上述の第1表示状態と第2表示状態を切り替えると、合焦される焦点検出領域の遷移の状況によっては、表示が頻繁に切り替わり、ユーザが視認し難くなることがある。そこで、ファインダ表示制御部134は、コンティニュアスAF制御が実行されている場合には、LED68による照明の有無に関わらず、透過型表示パネル42の表示状態を第2表示状態に固定する。
【0064】
図7は、本実施形態における透過型表示パネル42の表示制御処理を示すフロー図である。本フローの処理は、DXサイズが撮像範囲として選択されている場合に実行される。本フローは、例えば、カメラ本体30の電源がオンにされたときに開始される。本実施形態において、ファインダ表示制御部134がカメラシステム制御部55等と協働して本フローの処理を実行する。
【0065】
ステップS101では、カメラシステム制御部55は、コンティニュアスAFが選択されているか否かを判断する。シングルAF制御が選択されている場合にはステップS102へ移行し、コンティニュアスAFが選択されている場合にはステップS115へ移行する。
【0066】
ステップS102では、ファインダ表示制御部134は、有効撮影範囲の外部領域全体に対応する表示領域をオンにし、透過型表示パネル42を第1表示状態にする。ステップS103では、カメラシステム制御部55は、レリーズスイッチのSW1がオンになったか否かを検知する。SW1がオンになるまでステップS103で待機し、SW1のオンになった場合、ステップS104へ移行する。
【0067】
ステップS104では、カメラシステム制御部55は、レンズシステム制御部120およびモータ駆動回路122と協働して、AFセンサ36の位相差信号に応じてシングルAF制御を実行する。シングルAF制御が完了すると、ファインダ表示制御部134は、合焦された焦点検出領域に対応する表示領域を、外部領域全体に対応する表示領域とともにオンにする。
【0068】
ステップS105では、カメラシステム制御部55は、測光センサ46の測光データを取得して露出値を決定する。なお、ステップS105の段階でLED68を照明すると、LED68の照明光の影響により、測光センサ46に到達する被写体光学像の明るさがピント板41での被写体光学像の明るさと異なってしまう。そこで、カメラシステム制御部55は、ステップS105の測光処理において、LED68による照明を禁止する。
【0069】
ステップS106では、ファインダ表示制御部134は、外部領域全体に対応する表示領域をオフにする。そして、ファインダ表示制御部134は、外部領域の一部であって有効撮影範囲の外周を含む外周枠領域に対応する表示領域をオンにして、透過型表示パネル42の表示状態を第2表示状態へ変更する。なお、ファインダ表示制御部134は、焦点検出領域に対応する表示領域のオン状態を継続する。
【0070】
ステップS107では、カメラシステム制御部55は、タイマーtを0に設定して計時を開始する。ステップS108では、カメラシステム制御部55は、LED68を駆動して、透過型表示パネル42を照明する。LED68の照明光はライトガイド67を介して透過型表示パネル42へ入射し、焦点検出領域および外周枠領域が発光する。ステップS109では、カメラシステム制御部55は、tが予め定められた時間t、例えば1秒を超えたか否かを判断する。tがtを超えるまでステップS109で待機し、tがtを超えた場合、ステップS110へ移行する。
【0071】
ステップS110では、カメラシステム制御部55は、LED68の駆動を停止してLED68による照明を終了させる。ステップS111では、ファインダ表示制御部134は、外周枠領域に対応する表示領域をオフにする。そして、ファインダ表示制御部134は、外部領域に対応する表示領域をオンにして、透過型表示パネル42の表示状態を第1表示状態に戻す。なお、ファインダ表示制御部134は、焦点検出領域に対応する表示領域のオン状態を継続する。
【0072】
ステップS112では、カメラシステム制御部55は、レリーズスイッチのSW2がオンになったか否かを検知する。SW2がオンになるまでステップS112で待機し、SW2のオンを検知した場合にステップS113に移行する。なお、SW1のオンを検知してから一定時間内、例えば5秒以内にSW2のオンを検知しなかった場合にはステップS114へ移行する。
【0073】
ステップS113では、カメラシステム制御部55および画像処理部54は、撮影処理を実行する。具体的には、カメラシステム制御部55は、ステップS105で決定した露出値に応じてAE制御を実行する。画像処理部54は、撮像素子52の出力を規格化された画像フォーマットの画像データに変換する。ステップS114では、カメラシステム制御部55は、ユーザによる撮影終了の操作、例えば電源オフ操作がなされたか否かを判断する。撮影終了の操作がなされていない場合にはステップS101へ戻り、撮影終了の操作がなされた場合には本フローを終了する。
【0074】
一方、コンティニュアスAFが選択されている場合、ステップS115では、ファインダ表示制御部134は、有効撮影範囲の外部領域の一部であって有効撮影範囲の外周を含む外周枠領域に対応する表示領域をオンにして、透過型表示パネル42の表示状態を第2表示状態にする。ステップS116では、カメラシステム制御部55は、レリーズスイッチのSW1がオンになったか否かを検知する。SW1がオンになるまでステップS116で待機し、SW1のオンになった場合、ステップS117へ移行する。
【0075】
ステップS117では、カメラシステム制御部55は、AFセンサ36の位相差信号に応じて、コンティニュアスAF制御を開始する。ステップS118では、ファインダ表示制御部134は、図6を用いて説明したように、被写体の移動にあわせて、合焦される焦点検出領域の表示を遷移させる。ステップS119では、カメラシステム制御部55は、測光センサ46が検知した測光データを取得し、測光データに応じて露出値を決定する。ステップS120では、カメラシステム制御部55は、レリーズスイッチのSW2がオンになったか否かを検知する。SW2がオンでない場合にはステップS118へ戻り、SW2がオンになった場合にステップS121へ移行する。
【0076】
ステップS121では、カメラシステム制御部55および画像処理部54は、ステップS113と同様の撮影処理を実行する。ステップS122では、カメラシステム制御部55は、レリーズスイッチのSW1がオフになったか否かを判断する。SW1がオンのまま継続されている場合にはステップS118へ戻り、SW1がオフになった場合にはステップS114へ移行する。
【0077】
上述のステップS105またはステップS109の測光処理では、測光センサ46に到達する被写体光学像の明るさがピント板41での被写体光学像の明るさに近いほど測光の精度が高くなる。透過型表示パネル42で重畳される表示パターンは測光センサ46に到達する被写体光学像の明るさに影響を与える。
【0078】
そこで、ステップS105において、ファインダ表示制御部134は、透過型表示パネル42の表示状態を、第1表示状態より表示パターンの面積の少ない第2表示状態に変更してもよい。また、上述のステップS105またはS119の測光処理において、ファインダ表示制御部134は、透過型表示パネル42の表示領域をすべてオフにしてもよい。なお、測光処理が完了した場合に、ファインダ表示制御部134は、透過型表示パネル42の表示状態を測光処理の前の状態に戻す。
【0079】
上述のステップS106からS110において、常に第2表示状態に切り替えて焦点検出領域を発光させたが、ファインダ窓45で観察される画像が明るい場合には焦点検出領域を発光させなくてもユーザは焦点検出領域を把握できる。そこで、ステップS106からステップS110において、ファインダ表示制御部134は、ステップS105の測光処理の結果に応じて、透過型表示パネル42の表示状態を第2表示状態へ変更してもよい。
【0080】
具体的には、まず、ステップS106において、カメラシステム制御部55は、ステップS105で算出した露出値からEV値を決定する。そして、ファインダ表示制御部134は、EV値が予め定められた閾値以上であるか否かを判断する。閾値として、ユーザが第1表示状態で焦点検出領域を容易に視認できるEV値を実験的またはシミュレーション的に予め規定される。
【0081】
ファインダ表示制御部134は、EV値が閾値未満であれば、透過型表示パネル42の表示状態を、第1表示状態から第2表示状態へ変更する。そして、上述のステップS107からS110において、ファインダ表示制御部134は、焦点検出領域および外周枠領域を発光させる。一方、ファインダ表示制御部134は、EV値が閾値以上であれば、透過型表示パネル42の表示状態を第1表示状態のまま維持し、焦点検出領域の発光を行わずステップS112へ移行する。
【0082】
上述のステップS111において、ファインダ表示制御部134は、LED68が透過型表示パネル42の照明を終了するタイミングで、透過型表示パネル42の表示状態を第1表示状態に戻したが、これに限らない。ファインダ表示制御部134は、LED68が透過型表示パネル42の照明を終了してから予め定められた期間、例えば3秒間経過したタイミング等の予め定められたタイミングで、透過型表示パネル42の表示状態を第1表示状態に戻してもよい。また、ファインダ表示制御部134は、ステップS113の撮影処理が完了したタイミングで、透過型表示パネル42の表示状態を第1表示状態に戻してもよい。
【0083】
なお、上述のフローはDXサイズが撮像範囲として選択された場合の処理を示すが、FXサイズが撮像範囲として選択された場合には、ファインダ表示制御部134は、図4(a)に示すとおり、外部領域または外周枠領域の表示は行わない。そして、ファインダ表示制御部134は、SW1がオンになり、かつカメラシステム制御部55のAF制御によって合焦された焦点検出領域が決定された場合に、焦点検出領域に対応する表示領域をオンにする。そして、カメラシステム制御部55は、LED68による照明を実行し、焦点検出領域を発光させる。
【0084】
上述の実施形態において、ファインダ表示制御部134は、コンティニュアスAF制御が実行される場合に、透過型表示パネル42の表示状態を第2表示状態に固定したが、これに限らない。ファインダ表示制御部134は、コンティニュアスAF制御が実行される場合に、透過型表示パネル42の表示状態を第1表示状態に固定するとともにLED68による照明を禁止してもよい。
【0085】
上記の実施形態において、FXサイズおよびDXサイズのうちから撮像範囲を選択するがこれに限らない。ユーザが撮像素子52の有効画素領域における任意の画素範囲を上述の撮像範囲として指定できるようにしてもよい。例えば、カメラシステム制御部55は、上述の撮像範囲として、FXサイズの有効撮影範囲に対するトリミング範囲を、ユーザから操作検知部135を介して受け付ける。また、例えば、カメラシステム制御部55は、FXサイズのアスペクト比3:2(横:縦)と異なるアスペクト比を、ユーザから操作検知部135を介して受け付け、当該アスペクト比に対応する撮像範囲を決定する。
【0086】
上述の実施形態において、ファインダ表示制御部134は、LED68が透過型表示パネル42を照明していない場合に、透過型表示パネル42の表示状態を、有効撮影範囲の外部領域における被写体光学像の透過率が低下するように外部領域を第1領域として表示する第1表示状態にした。そして、ファインダ表示制御部134は、LED68が透過型表示パネル42を照明する場合に、透過型表示パネル42の表示状態を、第1表示状態から、外部領域の一部であって有効撮影範囲の外周を含む外周枠領域における被写体光学像の透過率が低下するように外周枠領域を第2領域として表示する第2表示状態へ変更した。しかしながら、第1表示状態および第2表示状態の表示態様はこれに限らない。
【0087】
ファインダ表示制御部134は、第1表示状態として、有効撮影範囲の外部領域の少なくとも一部である第1領域における被写体光学像の透過率が低下するように第1領域を表示し、第2表示状態として、外部領域の一部であって第1領域より面積の小さい第2領域における被写体光学像の透過率が低下するように第2領域を表示してもよい。このように第1表示状態および第2表示状態の表示態様を構成すれば、ユーザは、LED68による照明が行われている場合でも行われていない場合でも、合焦領域および撮影可能範囲を容易に確認することができる。第1表示状態および第2表示状態の表示態様の変形例について以下説明する。
【0088】
図8は、透過型表示パネルの表示制御処理の第3変形例を説明する図である。第3変形例では、ユーザがFXサイズのアスペクト比3:2より縦長のアスペクト比1:1を指定した場合の表示制御処理を示す。なお、アスペクト比に対応する撮像範囲は、予め規定められており、アスペクト比に対応する撮像範囲の情報は、カメラメモリ131に記録されている。
【0089】
図8(a)は、第3変形例において、LED68による照明が行われていない場合のファインダ窓45から観察される被写体光学像の表示例である。すなわち、図8(a)は、第3変形例の第1表示状態における表示例である。ファインダ表示制御部134は、上述の実施形態と同様に、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201に対応する表示領域をオンにする。また、ファインダ表示制御部134は、アスペクト比1:1における被写体光学像の範囲である有効撮影範囲501の外部領域502全体に対応する表示領域をオンにする。すなわち、ファインダ表示制御部134は、外部領域502全体を第1領域として表示する。
【0090】
図8(a)に示すように、有効撮影範囲501の中心は、FXサイズの有効撮影範囲の中心、すなわちファインダ窓45から観察される被写体光学像の範囲の中心と同一に規定されている。そして、有効撮影範囲501の縦方向の幅すなわち図の上下方向の幅は、FXサイズの有効撮影範囲の縦方向の幅、すなわちファインダ窓45から観察される被写体光学像の範囲の縦方向の幅と同一に規定されている。そのため、外部領域502は、横方向すなわち図の左右方向において、有効撮影範囲501を挟んで対向する一対の領域として形成される。
【0091】
図8(b)は、第3変形例において、LED68による照明が行われる場合のファインダ窓45から観察される被写体光学像の表示例である。すなわち、図8(b)は、第3変形例の第2表示状態における表示例である。ファインダ表示制御部134は、外部領域502の全体の代わりに外部領域502の一部であって有効撮影範囲501の一対の辺を含む辺領域503に対応する表示領域をオンにする。すなわち、ファインダ表示制御部134は、辺領域503を第2領域として表示する。なお、カメラシステム制御部55のAF制御が完了後において、ファインダ表示制御部134は、表示状態が切り替わっても、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201の表示を継続する。
【0092】
辺領域503における被写体光学像の透過率は低下し、辺領域503は、有効撮影範囲501における被写体光学像より暗く視認される。一方、外部領域502のうち辺領域503以外の他領域504に対応する表示領域はオフにされる。そのため、他領域504における被写体光学像の透過率は有効撮影範囲501における被写体光学像の透過率と同等である。LED68による照明の有無で透過型表示パネル42の表示状態を変更することにより、ユーザはどちらの状況であっても合焦領域および撮影可能範囲を容易に確認することができる。
【0093】
図9は、透過型表示パネルの表示制御処理の第4変形例を説明する図である。第4変形例では、ユーザがFXサイズのアスペクト比3:2より横長のアスペクト比16:9を指定した場合の表示制御処理を示す。なお、第3変形例と同様に、アスペクト比に対応する撮像範囲は、予め規定められており、アスペクト比に対応する撮像範囲の情報は、カメラメモリ131に記録されている。
【0094】
図9(a)は、第4変形例において、LED68による照明が行われていない場合のファインダ窓45から観察される被写体光学像の表示例である。すなわち、図9(a)は、第4変形例の第1表示状態における表示例である。ファインダ表示制御部134は、上述の実施形態と同様に、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201に対応する表示領域をオンにする。また、ファインダ表示制御部134は、アスペクト比16:9における被写体光学像の範囲である有効撮影範囲601の外部領域602全体に対応する表示領域をオンにする。すなわち、ファインダ表示制御部134は、外部領域602全体を第1領域として表示する。
【0095】
図9(a)に示すように、有効撮影範囲601の中心は、FXサイズの有効撮影範囲の中心、すなわちファインダ窓45から観察される被写体光学像の範囲の中心と同一に規定されている。そして、有効撮影範囲601の横方向の幅すなわち図の左右方向の幅は、FXサイズの有効撮影範囲の横方向の幅、すなわちファインダ窓45から観察される被写体光学像の範囲の横方向の幅と同一に規定されている。そのため、外部領域602は、縦方向すなわち図の上下方向において、有効撮影範囲601を挟んで対向する一対の領域として形成される。
【0096】
図9(b)は、第4変形例において、LED68による照明が行われる場合のファインダ窓45から観察される被写体光学像の表示例である。すなわち、図9(b)は、第4変形例の第2表示状態における表示例である。ファインダ表示制御部134は、外部領域602の全体の代わりに外部領域602の一部であって有効撮影範囲601の一対の辺を含む辺領域603に対応する表示領域をオンにする。すなわち、ファインダ表示制御部134は、辺領域603を第2領域として表示する。なお、カメラシステム制御部55のAF制御が完了後において、ファインダ表示制御部134は、表示状態が切り替わっても、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201の表示を継続する。
【0097】
辺領域603における被写体光学像の透過率は低下し、辺領域603は、有効撮影範囲601における被写体光学像より暗く視認される。一方、外部領域602のうち辺領域603以外の他領域604に対応する表示領域はオフにされる。そのため、他領域604における被写体光学像の透過率は有効撮影範囲601における被写体光学像の透過率と同等である。LED68による照明の有無で透過型表示パネル42の表示状態を変更することにより、ユーザはどちらの状況であっても合焦領域および撮影可能範囲を容易に確認することができる。
【0098】
次に、第2表示状態の他の表示態様について説明する。図10は、第2表示状態の表示態様の変形例を説明する図である。なお、第1表示状態は、図4(b)を用いて説明した表示状態、すなわち焦点検出領域201と有効撮影範囲202の外部領域203全体とに対応する表示領域をオンにした状態とする。
【0099】
図10(a)は、第2表示状態の表示態様の第1変形例である。LED68による照明が行われる場合、ファインダ表示制御部134は、外部領域203の全体の代わりに外部領域203の一部であって有効撮影範囲202の外周の4つの角を含む角領域701に対応する表示領域をオンにする。すなわち、ファインダ表示制御部134は、角領域701を第2領域として表示する。なお、カメラシステム制御部55のAF制御が完了後において、ファインダ表示制御部134は、表示状態が切り替わっても、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201の表示を継続する。
【0100】
角領域701における被写体光学像の透過率は低下し、角領域701は、有効撮影範囲202における被写体光学像より暗く視認される。一方、外部領域203のうち角領域701以外の他領域702に対応する表示領域はオフにされる。そのため、他領域702における被写体光学像の透過率は有効撮影範囲202における被写体光学像の透過率と同等である。なお、図4を用いて説明した外周枠領域は、角領域を含んで構成される。
【0101】
上述の例では、有効撮影範囲202の外周のすべての角に対応する角領域が用いられたが、これに限らない。有効撮影範囲202のすべての角の中から、ユーザが有効撮影範囲202を視認できるように予め定められた複数の角をそれぞれ含む複数の角領域が用いられてもよい。例えば、ファインダ表示制御部134は、有効撮影範囲202の外周の1つの対角線上に位置する2つの角をそれぞれ含む2つの角領域701に対応する表示領域をオンにする。
【0102】
また、複数の角領域701の代わりに若しくは複数の角領域701とともに、外部領域の一部であって有効撮影範囲202の外周を構成する辺の一部を含む部分辺領域が用いられてもよい。部分辺領域は、例えば有効撮影範囲202の外周を構成する一対の辺のそれぞれに対応して設けられる。また、部分辺領域は、有効撮影範囲202の外周を構成する各辺に対して設けられてもよい。
【0103】
図10(b)は、第2表示状態の表示態様の第2変形例である。LED68による照明が行われる場合、ファインダ表示制御部134は、外部領域203の全体の代わりに、外部領域203の全体に表示された複数の線801に対応する表示領域をオンにする。すなわち、ファインダ表示制御部134は、外部領域203の全体を複数の線801で表示することで複数の線801を第2領域として表示する。複数の線801は、有効撮影範囲202を取り囲むように配置される。なお、カメラシステム制御部55のAF制御が完了後において、ファインダ表示制御部134は、表示状態が切り替わっても、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201の表示を継続する。
【0104】
複数の線801における被写体光学像の透過率は低下し、複数の線801は、有効撮影範囲202における被写体光学像より暗く視認される。一方、外部領域203のうち複数の線801以外の他領域802に対応する表示領域はオフにされる。そのため、他領域802における被写体光学像の透過率は有効撮影範囲202における被写体光学像の透過率と同等である。
【0105】
なお、上述の例では、ファインダ表示制御部134は、外部領域203の全体を複数の線801で表示したが、外部領域203の一部を複数の線801で表示してもよい。例えば、ファインダ表示制御部134は、図4(c)を用いて説明した外周枠領域204を複数の線801で表示する。外部領域が図8を用いて説明した外部領域502の場合には、ファインダ表示制御部134は、図8(b)を用いて説明した辺領域503を複数の線801で表示してもよい。外部領域が図9を用いて説明した外部領域602の場合には、ファインダ表示制御部134は、図9(b)を用いて説明した辺領域603を複数の線801で表示してもよい。
【0106】
また、ファインダ表示制御部134は、上述した複数の線の代わりに、外部領域203の全体または一部に表示された複数のドットに対応する表示領域をオンにしてもよい。すなわち、ファインダ表示制御部134は、外部領域203の全体または一部を複数のドットで表示することで複数のドットを第2領域として表示してもよい。例えば、複数のドットは、有効撮影範囲202を取り囲むように配置される。
【0107】
上述の実施形態において、外部領域全体に対応する表示領域をオンにした状態が第1表示状態として用いられたが、これに限らない。外部領域の一部に対応する表示領域をオンにした状態が、第1表示状態として用いられてもよい。
【0108】
図11は、透過型表示パネルの表示制御処理の第5変形例を説明する図である。第5変形例では、外部領域が図4を用いて説明した外部領域203の場合に、外部領域203の一部であって有効撮影範囲202の外周を含む第1外周枠領域に対応する表示領域をオンにした状態が、第1表示状態として用いられる。そして、外部領域203の一部であって有効撮影範囲202の外周を含み、かつ第1外周枠領域より面積の小さい第2外周枠領域に対応する表示領域をオンにした状態が、第2表示状態として用いられる。
【0109】
図11(a)は、第5変形例において、LED68による照明が行われていない場合のファインダ窓45から観察される被写体光学像の表示例である。すなわち、図11(a)は、第5変形例の第1表示状態における表示例である。ファインダ表示制御部134は、上述の実施形態と同様に、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201に対応する表示領域をオンにする。また、ファインダ表示制御部134は、外部領域203の一部であって有効撮影範囲202の外周を含む第1外周枠領域901に対応する表示領域をオンにする。すなわち、ファインダ表示制御部134は、第1外周枠領域901を第1領域として表示する。
【0110】
第1外周枠領域901における被写体光学像の透過率は低下し、第1外周枠領域901は、有効撮影範囲202における被写体光学像より暗く視認される。一方、外部領域203のうち第1外周枠領域901以外の第1枠外領域902に対応する表示領域はオフにされる。そのため、第1枠外領域902における被写体光学像の透過率は有効撮影範囲202における被写体光学像の透過率と同等である。
【0111】
図11(b)は、第5変形例において、LED68による照明が行われる場合のファインダ窓45から観察される被写体光学像の表示例である。すなわち、図11(b)は、第5変形例の第2表示状態における表示例である。ファインダ表示制御部134は、第1外周枠領域901の代わりに、外部領域203の一部であって有効撮影範囲202の外周を含み、かつ第1外周枠領域901より面積の小さい第2外周枠領域903に対応する表示領域をオンにする。すなわち、ファインダ表示制御部134は、第2外周枠領域を第2領域として表示する。なお、カメラシステム制御部55のAF制御が完了後において、ファインダ表示制御部134は、表示状態が切り替わっても、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201の表示を継続する。
【0112】
第2外周枠領域903における被写体光学像の透過率は低下し、第2外周枠領域903は、有効撮影範囲202における被写体光学像より暗く視認される。一方、外部領域203のうち第2外周枠領域903以外の第2枠外領域904に対応する表示領域はオフにされる。そのため、第2枠外領域904における被写体光学像の透過率は有効撮影範囲202における被写体光学像の透過率と同等である。LED68による照明の有無で透過型表示パネル42の表示状態を変更することにより、ユーザはどちらの状況であっても合焦領域および撮影可能範囲を容易に確認することができる。なお、第1外周枠領域901が外部領域203の全体で構成すれば、当該構成は図4を用いて説明した形態に対応する。
【0113】
図12は、透過型表示パネルの表示制御処理の第6変形例を説明する図である。第6変形例では、外部領域が図8を用いて説明した外部領域502の場合に、外部領域502の一部であって有効撮影範囲501の一対の辺を含む第1辺領域に対応する表示領域をオンにした状態が、第1表示状態として用いられる。そして、外部領域502の一部であって有効撮影範囲501の一対の辺を含み、かつ第1辺領域より面積の小さい第2辺領域に対応する表示領域をオンにした状態が、第2表示状態として用いられる。
【0114】
図12(a)は、第6変形例において、LED68による照明が行われていない場合のファインダ窓45から観察される被写体光学像の表示例である。すなわち、図12(a)は、第6変形例の第1表示状態における表示例である。ファインダ表示制御部134は、上述の実施形態と同様に、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201に対応する表示領域をオンにする。また、ファインダ表示制御部134は、外部領域502の一部であって有効撮影範囲202の一対の辺を含む第1辺領域1001に対応する表示領域をオンにする。すなわち、ファインダ表示制御部134は、第1辺領域1001を第1領域として表示する。
【0115】
第1辺領域1001における被写体光学像の透過率は低下し、第1辺領域1001は、有効撮影範囲501における被写体光学像より暗く視認される。一方、外部領域502のうち第1辺領域1001以外の第1他領域1002に対応する表示領域はオフにされる。そのため、第1他領域1002における被写体光学像の透過率は有効撮影範囲501における被写体光学像の透過率と同等である。
【0116】
図12(b)は、第6変形例において、LED68による照明が行われる場合のファインダ窓45から観察される被写体光学像の表示例である。すなわち、図12(b)は、第6変形例の第2表示状態における表示例である。ファインダ表示制御部134は、第1辺領域1001の代わりに、外部領域502の一部であって有効撮影範囲501の外周を含み、かつ第1辺領域1001より面積の小さい第2辺領域1003に対応する表示領域をオンにする。すなわち、ファインダ表示制御部134は、第2辺領域1003を第2領域として表示する。なお、カメラシステム制御部55のAF制御が完了後において、ファインダ表示制御部134は、表示状態が切り替わっても、AF制御によって合焦された領域を示す焦点検出領域201の表示を継続する。
【0117】
第2辺領域1003における被写体光学像の透過率は低下し、第2辺領域1003は、有効撮影範囲501における被写体光学像より暗く視認される。一方、外部領域502のうち第2辺領域1003以外の第2他領域1004に対応する表示領域はオフにされる。そのため、第2他領域1004における被写体光学像の透過率は有効撮影範囲501における被写体光学像の透過率と同等である。LED68による照明の有無で透過型表示パネル42の表示状態を変更することにより、ユーザはどちらの状況であっても合焦領域および撮影可能範囲を容易に確認することができる。なお、第1辺領域1001が外部領域502の全体で構成すれば、当該構成は図8を用いて説明した形態に対応する。
【0118】
同様に、外部領域が図9を用いて説明した外部領域602の場合には、外部領域602の一部であって有効撮影範囲601の一対の辺を含む第1辺領域に対応する表示領域をオンにした状態が、第1表示状態として用いられてもよい。LED68による照明が行われない場合、ファインダ表示制御部134は、第1辺領域に対応する表示領域をオンにする。そして、LED68による照明が行われる場合、ファインダ表示制御部134は、透過型表示パネル42の状態を、第1表示状態から、外部領域602の一部であって有効撮影範囲601の一対の辺を含みかつ第1辺領域より面積の小さい第2辺領域に対応する表示領域をオンにした第2表示状態へ変更する。なお、第1辺領域が外部領域602の全体で構成すれば、当該構成は図9を用いて説明した形態に対応する。
【0119】
上述の実施形態において、第1表示状態および第2表示状態の表示態様は予め規定されているが、ユーザが第1表示状態および第2表示状態の表示態様を指定できるようにしてもよい。例えば、背面表示制御部133は、第1表示状態および第2表示状態の表示態様の設定画面を背面表示部56に表示させ、カメラシステム制御部55は、ユーザの指定を、操作検知部135を介して受け付ける。
【0120】
上述の実施形態において、光学式のファインダユニット40が用いられたが、電子ビューファインダユニットに対しても本実施形態に係る概念を適用することができる。具体的には、電子ビューファインダユニットの液晶モニタ等の表示装置とファインダ窓との間に、表示装置に表示された被写体像に重畳して情報を表示する透過型表示パネルが設けられる。また、LEDと、透過型表示パネルの側面へLEDの照明光を入射させるライトガイドが設けられる。透過型表示パネル、LEDおよびライトガイドは、上述した透過型表示パネル42、LED68およびライトガイド67と同様の機能を果たす。そして、ファインダ表示制御部が、上述したように、LEDによる照明の有無に応じて透過型表示パネルの表示状態を制御する。
【0121】
上述の実施形態において、撮像装置として一眼レフカメラ10全体を例に説明したが、カメラ本体30を撮像装置として捉えてもよい。上述の実施形態において、撮像装置としてレンズ交換式カメラを例に説明したが、レンズ光学系が一体的に構成されたレンズ一体型カメラに対しても本実施形態に係る概念を適用することができる。
【0122】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。上記の実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0123】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0124】
10 一眼レフカメラ、11 光軸、20 レンズユニット、21 レンズ群、22 ズームレンズ、23 フォーカスレンズ、24 レンズマウント、30 カメラ本体、31 カメラマウント、32 メインミラー、33 回転軸、34 サブミラー、35 AF光学系、36 AFセンサ、40 ファインダユニット、41 ピント板、42 透過型表示パネル、43 ペンタプリズム、44 接眼光学系、45 ファインダ窓、46 測光センサ、51 フォーカルプレーンシャッタ、52 撮像素子、53 メイン基板、54 画像処理部、55 カメラシステム制御部、56 背面表示部、57 傾斜センサ、58 二次電池、61 ペンタボックス、62 穴部、63 入射開口部、64 射出開口部、65 閉塞板、66 ペンタ基板、67 ライトガイド、68 LED、120 レンズシステム制御部、121 レンズメモリ、122 モータ駆動回路、131 カメラメモリ、132 ワークメモリ、133 背面表示制御部、134 ファインダ表示制御部、135 操作検知部、201 焦点検出領域、202 有効撮影範囲、203 外部領域、204 外周枠領域、205 枠外領域、300 水準器インジケータ、401 第1焦点検出領域、402 第2焦点検出領域、403 第3焦点検出領域、404 第4焦点検出領域、405 第5焦点検出領域、501 有効撮影範囲、502 外部領域、503 辺領域、504 他領域、601 有効撮影範囲、602 外部領域、603 辺領域、604 他領域、701 角領域、702 他領域、801 線、802 他領域、901 第1外周枠領域、902 第1枠外領域、903 第2外周枠領域、904 第2枠外領域、1001 第1辺領域、1002 第1他領域、1003 第2辺領域、1004 第2他領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像に重畳して情報を表示する透過型の表示部と、
照明部が前記表示部を照明する場合に、有効撮影範囲の外部領域の少なくとも一部である第1領域における前記被写体像の透過率が低下するように前記第1領域を表示する第1表示状態から、前記外部領域の一部であって前記第1領域より面積の小さい第2領域における前記被写体像の透過率が低下するように前記第2領域を表示する第2表示状態へ変更する表示制御部と
を備えるファインダユニット。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記照明部による照明の有無に関わらず、焦点検出領域の表示を継続する請求項1に記載のファインダユニット。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第2表示状態へ変更する場合には、前記焦点検出領域および前記第2領域の表示以外の表示を禁止する請求項2に記載のファインダユニット。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記焦点検出領域が遷移する場合は、前記照明部による照明を禁止する請求項2または3に記載のファインダユニット。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記焦点検出領域が遷移する場合は、前記照明部による照明の有無に関わらず、前記第2表示状態とする請求項2から4のいずれか1項に記載のファインダユニット。
【請求項6】
前記表示制御部は、測光センサが前記被写体像により測光を実行する場合は、前記照明部による照明を禁止すると共に、前記第2表示状態とする請求項1から5のいずれか1項に記載のファインダユニット。
【請求項7】
前記表示制御部は、測光センサが前記被写体像により測光を実行する場合は、前記照明部による照明を禁止すると共に、前記表示部による表示を禁止する請求項1から5のいずれか1項に記載のファインダユニット。
【請求項8】
前記表示制御部は、予め定められたタイミングで前記第2表示状態から前記第1表示状態へ変更する請求項1から7のいずれか1項に記載のファインダユニット。
【請求項9】
前記タイミングは、前記照明部が前記表示部の照明を終了するタイミングである請求項8に記載のファインダユニット。
【請求項10】
前記第1領域は、前記有効撮影範囲の外周を含む第1外周枠領域である請求項1から9のいずれか1項に記載のファインダユニット。
【請求項11】
前記第1領域は、前記外部領域の全体である請求項10に記載のファインダユニット。
【請求項12】
前記第2領域は、前記有効撮影範囲の外周の複数の角を含む角領域である請求項10または11に記載のファインダユニット。
【請求項13】
前記第2領域は、前記外周を含む第2外周枠領域である請求項12に記載のファインダユニット。
【請求項14】
前記第1領域は、前記有効撮影範囲の外周を構成する一対の辺を含む第1辺領域である請求項1から9のいずれか1項に記載のファインダユニット。
【請求項15】
前記第1領域は、前記外部領域の全体である請求項14に記載のファインダユニット。
【請求項16】
前記第2領域は、前記有効撮影範囲の外周を構成する一対の辺を含む第2辺領域である請求項14または15に記載のファインダユニット。
【請求項17】
前記表示制御部は、前記第1領域を複数の線または複数のドットで表示することで前記第2領域として表示する請求項1から16のいずれか1項に記載のファインダユニット。
【請求項18】
前記照明部を更に備える請求項1から17のいずれか1項に記載のファインダユニット。
【請求項19】
ミラー部に反射された被写体光束を結像させるピント板を更に備える請求項1から18のいずれか1項に記載のファインダユニット。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか1項に記載のファインダユニットを備える撮像装置。
【請求項21】
被写体像に重畳して情報を表示する透過型の表示部を備えるファインダユニットの表示制御プログラムであって、
照明部が前記表示部を照明する場合に、有効撮影範囲の外部領域の少なくとも一部である第1領域における前記被写体像の透過率が低下するように前記第1領域を表示する第1表示状態から、前記外部領域の一部であって前記第1領域より面積の小さい第2領域における前記被写体像の透過率が低下するように前記第2領域を表示する第2表示状態へ変更する表示変更ステップをコンピュータに実行させる表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−57927(P2013−57927A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−118259(P2012−118259)
【出願日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】