説明

ファクシミリ装置、電話機及び画像形成装置

【課題】ファクシミリデータを送信できない相手機器との接続回線を不要に占有することなく、リダイヤルを制御する。
【解決手段】ファクシミリ装置200のメイン制御部201は、回線接続した相手先の機器から、所定時間内に所定の信号(例えばPB信号)が送信されたことを検出した場合、所定の信号を解析し、その解析結果に応じてリダイヤルを行うか否か、及びリダイヤルを行う場合の条件を制御する。例えば、相手先の機器がファクシミリデータを受信できない電話機の場合、回線を切断してその後のリダイヤルを禁止する。あるいは、相手先の機器がトナー切れや用紙切れで印刷出力ができない状態にあるファクシミリ装置である場合には、所定時間経過した後リダイヤルを行ったり、相手先からの回復を示す通知を受けた後にリダイヤルを行うようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置、電話機及び画像形成装置に関し、より詳細には、リダイヤル機能を備え、相手先の機器からの送信信号に応じてリダイヤル動作を制御するファクシミリ装置と、該ファクシミリ装置からの発呼に応じて所定の信号を返信する電話機と、該ファクシミリ装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ装置は、相手先の機器にファクシミリデータを送信しようとする際に、相手先の機器のダイヤル番号をダイヤルして相手機器との間で回線を接続する。この場合、送信側のファクシミリ装置は、相手先の機器との間で回線が接続されると直ぐにファクシミリデータを送信するわけではなく、必ず60秒間、相手先の機器からのファクス信号を待ち、ファクス信号が検出された場合にファクシミリデータの送信を開始する。
【0003】
このとき、相手先の機器がファクシミリ装置ではない場合や、相手先の機器のファクシミリ装置が用紙切れやトナー切れの状態であった場合、あるいは相手先の機器のファクシミリ装置が使用中の場合には、相手先の機器からファクス信号が送られてくることはない。従って、ファクシミリ装置は、相手先の機器からのファクス信号が検出できない場合に、予め設定された回数まで自動でリダイヤル(再コールともいう)を行って、ファクシミリデータの送信を試みるリダイヤル機能が備えられている。
【0004】
相手先の機器からのファクス信号を送信側で検出できない場合、送信側のファクシミリ装置は、ファクス信号の有無を判断することができるが、その理由までは判断することができない。例えば、相手先の機器がファクシミリ装置ではない場合や、相手先の機器のファクシミリ装置が紙切れやトナー切れの状態である場合等を判別することはできない。
【0005】
特許文献1には、回線が繋がることのない相手機器のダイヤル番号へダイヤルした際、長時間電話回線を占有されることを防止することを目的としたファクシミリ装置が開示されている。このファクシミリ装置は、電話局が送信する音声メッセージを検出し、回線切断および、リダイヤルの停止を行うようにしている。これにより、回線が繋がることのない相手側のダイヤル番号へ何度も繰り返しダイヤルすることがなくなるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−214719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のファクシミリ装置は、上記のように回線が繋がることがない相手先の機器に繰り返しリダイヤルすることを防ぐことができるが、この場合、電話局から提供される音声メッセージのサービスが必要となる。音声メッセージは、相手先の会社の移転や事務所の移動等があったことや、ファクシミリのダイヤル番号が使用されていないことを知らせるものである。このようなサービスが提供されていない場合や、送信側でこのようなサービスに加入していない場合、あるいは移転等の登録が電話局になされていない場合には、上記のような音声メッセージを受け取ることができない。つまり、特許文献1のファクシミリ装置は、電話局からの音声メッセージに依存してリダイヤルを制御しているため、音声メッセージを適切に受け取れない場合には対応することができない、という課題がある。
【0008】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、通信相手先の機器から返信された信号に従ってリダイヤル機能を制御することにより、ファクシミリデータを受信できない相手先の機器との接続回線を不要に占有することなく、リダイヤル解除や所定期間経過後のリダイヤル制御などの適切な処理を実行できるようにしたファクシミリ装置と、該ファクシミリ装置からの発呼に応じて所定の信号を返信する電話機と、該ファクシミリ装置を備えた画像形成装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、ダイヤルにより回線接続した相手先の機器に対してファクシミリデータが送信できなかった場合に、リダイヤルを行ってファクシミリデータの送信を試みる制御を行う制御部を備えたファクシミリ装置において、前記制御部が、回線接続した相手先の機器から、所定時間内に所定の信号が送信されたことを検出した場合、検出した所定の信号を解析し、該解析結果に従ってリダイヤルを実行するか否か、及びリダイヤルを行う場合のリダイヤルの条件を制御することを特徴としたものである。
【0010】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記制御部が、前記所定の信号を解析した結果、前記回線接続した相手先の機器が、ファクシミリデータを受信できない電話機であると判定した場合、接続した回線を切断し、該切断後のリダイヤルを禁止することを特徴としたものである。
【0011】
第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記制御部が、前記所定の信号を解析した結果、前記回線接続した相手先の機器が、トナー切れによりファクシミリデータの印刷出力ができない状態にあるファクシミリ装置であると判定した場合、前記接続した回線を一旦切断し、所定時間経過後にリダイヤルを行うことを特徴としたものである。
【0012】
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1の技術手段において、前記制御部が、前記所定の信号を解析した結果、前記回線接続した相手先の機器が、用紙切れによりファクシミリデータの印刷出力ができない状態にあるファクシミリ装置であると判定した場合、前記接続した回線を一旦切断し、前記相手先の機器から印刷出力できない状態が回復したことを示す通知を受けた後にリダイヤルを行うことを特徴としたものである。
【0013】
第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1の技術手段において、メッセージを表示可能な表示部を備え、前記制御部が、前記相手先の機器から送信された前記所定の信号を解析した結果、前記相手先の機器へのファクシミリデータの送信が不可能であると判断した場合、前記ファクシミリデータの送信が不可能であることを示すメッセージを前記表示部に表示することを特徴としたものである。
【0014】
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、前記所定の信号がプッシュ信号であることを特徴としたものである。
【0015】
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれか1の技術手段において、前記所定時間は、60秒であることを特徴としたものである。
【0016】
第8の技術手段は、第1〜第7のいずれか1の技術手段において、通信相手先から送信されたファクシミリ装置であることを示す識別信号を受信した際、送信されたファクシミリデータの印刷出力が不可能な状態である場合に前記所定の信号を返信し、該所定の信号は、ファクシミリデータの印刷出力を不可能とする原因に応じて定められた信号であることを特徴としたものである。
【0017】
第9の技術手段は、第1〜第7のいずれか1の技術手段のファクシミリ装置に通信回線を介して接続する電話機であって、通信相手先から送信されたファクシミリ装置であることを示す識別信号を受信した際、ファクシミリデータを受信できないことを示す所定の信号を返信することを特徴とした電話機である。
【0018】
第10の技術手段は、原稿の画像を読み取る画像読み取り手段を有し、該画像読み取り手段によって読み取った原稿の画像データを記録媒体に画像形成する画像形成手段を備えた画像形成装置であって、第1〜第8のいずれか1の技術手段のファクシミリ装置を備え、該ファクシミリ装置により受信したファクシミリデータを前記画像形成手段にて画像形成することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、通信相手先の機器から返信された信号に従ってリダイヤル機能を制御することにより、ファクシミリデータを受信できない相手先の機器との接続回線を不要に占有することなく、リダイヤル解除や所定期間経過後のリダイヤル制御などの適切な処理を実行できるようにしたファクシミリ装置と、該ファクシミリ装置からの発呼に応じて所定の信号を返信する電話機と、該ファクシミリ装置を備えた画像形成装置とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るファクシミリ装置を備えた画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明によるファクシミリ装置の構成例を説明するためのブロック図である。
【図3】ファクシミリ装置が備えるパネル制御部の外観構成例を示す図である。
【図4】PB信号について説明するための図である。
【図5】本発明に係るファクシミリ装置のデータ送信時の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図6】相手先の機器から送信されたPB信号を検出したときの表示部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明に係る画像形成装置の構成例を示す図である。画像形成装置100は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファイリング機能などを備えた複合機として構成されている。画像形成装置100のファクシミリ機能を実現する構成は、本発明に係るファクシミリ装置の一実施形態に相当する。ファクシミリ機能の操作は、図示しない操作部と表示部とによるパネル制御部により実行され、ユーザは、操作部のテンキー等から相手先の電話番号を設定して発呼することで、ファクシミリデータの送信が可能となっている。また、ファクシミリ機能により受信したファクシミリデータは、適宜記録用紙に画像形成される。また、画像形成装置100の本体上部には、電話回線を用いてユーザが通話を行うための受話器130が設けられている。
【0022】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、記録用紙等の記録媒体に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。装置本体110は、光走査装置1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
【0023】
装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。自動原稿処理装置120は、装置本体110とヒンジにて連結され、自動原稿処理装置120はヒンジの回動によって装置本体110に対して開閉可能となっている。
【0024】
装置本体110は、筐体内に収容される画像読取手段90を有している。画像読取手段90は、光源及び第1ミラーを保持する光源ユニット93と、第2及び第3ミラーを保持するミラーユニット94と、レンズ及びCCD95とから構成された縮小光学系の画像読取手段である。
【0025】
本画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0026】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0027】
光走査装置1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。光走査装置1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。光走査装置1としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0028】
光走査装置1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0029】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0030】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0031】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0032】
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
【0033】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0034】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の光走査装置1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。また、装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0035】
また装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0036】
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。またピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0037】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0038】
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。またヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0039】
次にシート搬送経路を詳細に説明する。上述のように、画像形成装置には予めシートを収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
【0040】
各給紙カセット81,82から搬送されるシートは用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0041】
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dに導く。そしてその後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0042】
図2は、本発明によるファクシミリ装置の構成例を説明するためのブロック図である。
ファクシミリ装置200は、以下の構成により、読み込んだ原稿の画像データをファクシミリデータとして送信するとともに、相手機器からファクシミリ送信されたファクシミリデータを受信して記録用紙等の記録媒体に画像形成する。
ファクシミリ装置200は、メイン制御部201、制御用メモリ202、制御用バッファ203、画像メモリ(画像記憶部)204、符号/復号化制御部205、PB(Push Button)信号受信部206、読取制御部207、記録制御部208、パネル制御部209、モデム210、及び網制御部(NCU)211を備えている。
【0043】
メイン制御部201は、CPUなどで実現され、ファクシミリ装置200の制御を行うもので、本発明の制御部に相当する。制御用メモリ202は、不揮発性のメモリ、もしくはバックアップされたメモリなどからなる記憶手段であり、制御プログラムや後述する相手先情報が記憶されている。制御用バッファ203は、RAMであり、プログラムのデータ用として使用される。
画像メモリ204は、符号化された画像データもしくはフォーマット変換後のデータを記憶するとともに、読取制御部207から読み込んだデータ、またはファクシミリ受信したデータなどを記憶する。
【0044】
読取制御部207は、CCDを利用したスキャナで、原稿を所定の解像度の原稿画像として読み取り、ドットイメージデータを出力する。記録制御部208は、電子写真方式のプリンタ装置を備え、ファクシミリ通信により受信したデータをハードコピー(プリントアウト)する。
【0045】
パネル制御部209では、原稿の読み込み、相手先入力などの指示が行われ、対応した画面が表示される。
パネル制御部209は、図3に示すような構成を有し、表示部212及び操作部213を備えている。表示部212は、液晶表示装置(LCD)またはCRTディスプレイ等の表示装置により構成されるものであり、動作状態や送信先などを表示する。
操作部213は、操作するために必要なキー(入力装置)を備えている。本実施形態のパネル制御部209は、表示部212及び操作部213を一体としたタッチパネルとして構成されている。
【0046】
図2に戻って説明する。本実施形態ではパネル制御部209のタッチパネルから、相手先の設定を行う。設定された相手先情報は、制御用メモリ202に格納される。
符号/復号化制御部205は、読み込んだ原稿データの符号化またはファクシミリ受信時の復号化を行う。すなわち、符号/復号化制御部205は、画像信号を符号化圧縮したり、符号化圧縮されている画像情報を元の画像信号に復号化する。符号/復号化制御部205は、ファクシミリ通信で一般に使用されている、MH(Modified Huffman)、MR(Modified READ)、MMR(Modified Modified READ)、及びJBIG(Joint Bi-level Image Experts Group)などの符号化方式を用いることができる。
【0047】
モデム210は、ファクシミリ通信が可能なファクシミリモデムから構成されており、ファクシミリ通信を行う。また、モデム210は、網制御部(NCU:Network Control Unit)211と直接的に接続されている。網制御部211は、電話回線と接続され、回線の制御を行う。網制御部211は、アナログの公衆電話回線網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)との回線の閉結及び開放の動作を行なうハードウェアであり、必要に応じてモデム210を公衆電話回線網と接続する。
【0048】
PB信号受信部206は、網制御部211を経由してモデム210で受信した信号がPB信号である場合に、そのPB信号の値を判定する。PB信号の受信の流れを図中、PBにより示している。本実施形態では、ファクシミリ装置200が相手先の機器に回線接続してファクシミリデータを送信しようとするときに、相手先の機器がファクシミリデータを受信できない電話機であったり、もしくは紙切れやトナー切れ等によってファクシミリデータを印刷出力できないファクシミリ装置であった場合に、PB信号を返信してくるものとする。このときに紙切れやトナー切れなどの原因に応じてそれぞれ異なるPB信号を返信する。また、ファクシミリデータを受信できない電話機であることを示すPB信号を返信する。PB信号受信部206では、そのPB信号を受信して、メイン制御部201に知らせる。
【0049】
メイン制御部201は、ファクシミリデータを送信しようとするときに、リダイヤルの実行や解除(リダイヤルの停止)に係る制御を行う。そして相手先の機器にダイヤルして回線接続し、相手先の機器から返信された所定の信号(この例では、PB信号)をPB信号受信部206で受信した場合、メイン制御部201は、受信したPB信号を解析し、相手先の機器の種類や相手先の機器の状態を判別し、その判別結果に応じてリダイヤルの有無、及びリダイヤルを行う場合のリダイヤルの条件を制御する。
【0050】
例えば、相手先の機器がファクシミリ装置であるがトナー切れによりファクシミリデータの印刷出力ができない場合には、一旦回線を切断した後、所定時間(例えば10分間)経過後にリダイヤルを行う。あるいは、相手先の機器がファクシミリ装置であるが紙切れによりファクシミリデータの印刷出力ができない場合には、一旦回線を切断し、紙の補充により受信が可能となったことを示すPB信号を待って再度リダイヤルを行う。あるいは、相手先の機器がファクシミリデータを受信できない電話機である場合には、回線を切断してその後のリダイヤルを禁止する。
【0051】
受信したPB信号に応じて処理を判断するための情報は、制御用メモリ202に予め保持しておき、メイン制御部201は、相手先の機器からPB信号を受信した際に、制御用メモリ202の情報を参照してPB信号に応じた処理を実行する。また、ファクシミリデータを受信できない電話機からPB信号が送信された場合、その電話機の接続情報(電話番号等)を制御用メモリ202に保持し、以後、ファクシミリ送信を行う際にその情報を参照して、ファクシミリデータを受信できない電話機に接続しようとしている場合には、そのダイヤルを禁止することもできる。
このような処理により、不要に回線を占有することなく、相手先の機器にも迷惑をかけずに、効率的に機器を動作させることができる。
【0052】
所定の信号として使用するPB信号は、規格化された信号であり、通信キャリアによって一般に使用されているため、例えばファクシミリ装置の製造メーカの独自の仕様等に影響されることなく、規格に合った機器であれば必ず送受信を行うことでき、相手先の機器から送信されたPB信号を確実に認識することができる。
【0053】
PB信号は、プッシュボタン(PB)式電話機などから発するトーン信号であって、DTMF(dual tone multiple frequency)信号とも呼ばれる。図4(A)に示すように、トーン信号は、一般に電話機のキーの1,2,3,4,5,6,7,8,9,0,*、♯の12種類のキー(範囲eに示す)を押したときに発するトーン信号である。図4(B)のDTMFマトリックスに示すように、トーン信号は、4種類の低音(697〜941Hz)と4種類の高音(1163〜1477Hz)の組み合わせで16種類の信号を表現する。そして高音の4種類の音のうちの1種類は使用せずに、4×3=12種類の音で0〜9までの数字と、「*」、「#」を表現するものが一般的である。例えば、“1”は697Hzと1209Hzの2つの音声信号の合成音によって表される。その他の数字や記号についても同様である。トーン信号は、回線接続後でも通話相手に送ることができるため、アンケートの集計やメニューの選択にも使うことができる。
【0054】
トーン信号の規格としては、ITU−T勧告Q.24やJATE(電気通信端末機器審査協会)などにより規定されている。
例えばJATEでは以下のように規定されている。国によって、以下の範囲は異なるが、周波数のセンター値は全世界で共通となる。
【0055】
信号周波数偏差 :信号周波数の±1.5%以内
信号送出電力 :絶対レベルで表した値。Lは、電気通信事業者交換設備から端末設備の接続点までの1500Hzにおける通信線路伝送損失。
低群周波数 :(−16.5+0.8L)dB以上(−6.5+0.8L)dB以下で、かつ−3.5dbを超えない信号
高群周波数 :(−16.0+L)dB以上(−6.5+L)dB以下で、かつ−2.5dBを超えない信号
信号送出時間 :50ms以上
ミニマムポーズ :隣接する信号間の休止時間の最小値。30ms以上
周期 :120ms以上
【0056】
上記のように、受信側が用紙切れやトナー切れ等によって印刷出力できないファクシミリ装置やファクシミリデータを受信できない電話機である場合、受信側の装置は、ファクス信号ではなく所定の信号を返信する。所定の信号はPB信号である。このときに、受信側のファクシミリ装置は、受信できない理由に応じて異なるPB信号を送出する。例えば、トナー切れの場合と用紙切れの場合とで、それぞれ異なるPB信号を送出する。異なるPB信号とは、例えば、0〜9までの数字及び「*」、「#」のいずれかに相当する信号、もしくはこれらを組み合わせた信号で、ファクシミリ装置の状態に応じて区別可能なものとする。送出するPB信号とトラブルの内容との関係は、発呼側(送信側)と受信側とで予め認識できるようになっている。
発呼側のファクシミリ装置では、受信側のファクシミリ装置から返信された信号がPB信号である場合には、そのPB信号を解析して、その解析結果に応じて処理を行うことができる。
【0057】
図5は、本発明に係るファクシミリ装置におけるファクシミリデータ送信時の動作例を説明するためのフローチャートである。ここでは、図2の構成を参照しながらその動作を説明する。
ファクシミリ装置200からファクシミリデータを送信しようとする場合、まずファクシミリ装置200は、パネル制御部209より入力されたファクス送信を行う相手先の機器のファクス番号に基づいて、モデム210及び網制御部211を介して回線にダイヤリングを行う(ステップS1)。そしてT0タイマーをスタートさせる(ステップS2)。
【0058】
次にファクシミリ装置200は、モデム210及び網制御部211を介して相手先の機器に対してCNG(CalliNG)信号を送出する(ステップS3)。CNG信号は、送信側のファクシミリ装置が送信する信号であり、相手先の機器に対して送信側がファクシミリ装置であることを通知するために用いられるファクス識別信号である。ここでは発呼側より、0.5秒間の1,100Hzのトーン信号を3秒間の休止期間をおいて断続させる。このCNG信号により、被呼側の相手先の機器では相手がファクス送信してきていることが分かる。
【0059】
そしてファクシミリ装置200は、相手先の機器から返信されるファクス信号を判断する(ステップS4)。ここでは、ファクス信号として、ANSam、CED、DIS、またはV.21信号のいずれかが検出されたか否かを判断する。これらファクス信号が検出された場合には、相手先の機器が正常に動作しているファクシミリ装置であることがわかるため、ファクシミリ装置200は、ITU−T T.30に規定の手順に従ってファクシミリデータの送信を行う(ステップS5)。
【0060】
ステップS4で相手先の機器からのファクス信号が検出できない場合、本発明に係る実施形態の特徴とする処理として、PB信号受信部206によりPB信号が検出されたか否かを判別する(ステップS6)。PB信号が検出されない場合、T0時間が経過(タイムアップ)したかどうかを判別する(ステップS16)。T0時間が経過していない場合には、ステップ3に戻り、CNG信号の送出を行う。また、T0時間が経過している場合には、回線を切断し(ステップS17)、リダイヤルを行う(ステップS18)。リダイヤルはステップS1からの処理を再度実行するものであり、最初の発呼からリダイヤルできる回数と、回線切断からリダイヤルまでの時間間隔とが予め定められ、これらの条件に従って実行される。ステップS18でリダイヤルの回数が所定の回数に達したときは、次のリダイヤルを行わず、回線を切断して(ステップS12)、処理を終了する。
【0061】
ステップS18のリダイヤルは、被発呼側の相手先の機器からファクス信号が返ってこないときにリダイヤルを行う従来の通常処理に相当するものであり、リダイヤルまでの時間はユーザ設定が可能となっている。例えばリダイヤルの実行を判断するためのT0タイマーの時間としては、60秒を設定することができる。60秒間の間にファクス信号もPB信号も返信されなかった場合にのみ、リダイヤルにより再度相手先の機器を確認する処理を行うようにすることができる。
【0062】
一方、ステップS6でPB信号が検出された場合、メイン制御部201は、そのPB信号を解析してその解析結果に応じた処理を行う。ここで相手先の機器から送信されたPB信号が、ファクシミリデータを受信できない電話機であることを示すPB信号であった場合(ステップS7-Yes)、リダイヤル禁止処理を行って(ステップS15)、回線を切断する(ステップS12)。リダイヤル禁止処理では、メイン制御部201は、回線切断後のリダイヤルを禁止する。このときに、発呼した電話機の接続情報(電話番号等)を制御用メモリ202に保持し、以後、ファクシミリ送信を行うために相手先の機器を発呼する際、制御用メモリ202に保持した電話機の接続情報が使用されているときには、そのダイヤリングを禁止することもできる。
【0063】
相手先の機器から送信されたPB信号が電話機を示すものではなく(ステップS7−No)、ファクシミリ装置のトナー切れを示すPB信号であった場合(ステップS8−Yes)、一旦回線を切断し(ステップS13)、所定時間経過後に再度リダイヤルを行う(ステップS14)。この場合の所定時間は、ステップS12の通常処理時のリダイヤルまでの時間よりも長い時間とし、例えば10分後にリダイヤルを行うように設定する。リダイヤルまでの時間を長くとることで、相手先のファクシミリ装置でトナーが補充されることにより受信が可能となることが期待できる。ファクシミリデータの送信が成功せず、リダイヤルが所定回数に達した場合には、回線を切断して(ステップS12)処理を終了する。
【0064】
さらに相手先の機器から送信されたPB信号がトナー切れに相当するPB信号でもなく(ステップS8―No)、ファクシミリ装置の用紙切れを示すPB信号であった場合(ステップS9−Yes)、一旦回線を切断し(ステップS10)、解除通知後にリダイヤルを行う(ステップS11)。つまり、相手先の機器であるファクシミリ装置は、用紙が補充されると受信不可原因解除通知として所定のPB信号を発呼側に送信する。発呼側のファクシミリ装置では、この通知を受信した後にリダイヤルを行うことで、相手先の機器にファクシミリデータを送信することができるようになる。リダイヤルによるファクシミリデータの送信が成功せず、リダイヤルが所定回数に達した場合には回線を切断して(ステップS12)、処理を終了する。
【0065】
また、ステップS9で用紙切れではない場合には、回線を切断して処理を終了する。所定のPB信号を送信する機器は基本的にファクシミリデータを受信できない状態にあるため、ステップS7〜9で定めた所定の条件に該当しない場合にもただちに回線を切断する。
【0066】
図6は、相手先の機器から送信されたPB信号を検出したときの表示部の表示例を示す図である。本発明に係る実施形態のファクシミリ装置は、相手先の機器から送信されたPB信号を検出した場合に、パネル制御部209の表示部212にそのPB信号に応じたメッセージを表示させることができる。
例えば、受信したPB信号によって、通信相手先の機器がファクシミリデータを受信できない電話機であることが判定された場合、図6に示すように“ダイヤルした相手はファクシミリ装置ではありません! 電話番号を確認して下さい!”とのメッセージを表示部212に表示させることができる。これにより、ダイヤルした相手先の機器が使用できない状態の機器であることをユーザに認知させることができる。
【0067】
この他、受信したPB信号によって、通信相手先の機器がファクシミリ装置であるが、トナーや紙切れによってファクシミリデータを印刷出力できない状態であることが判定された場合には、表示部212にその旨を示すメッセージを適宜表示することで、相手先の機器の状態をユーザに確実に認知させることができる。
【0068】
また、本発明に係る実施形態のファクシミリ装置は、相手先の機器から送信されたPB信号を解析した結果、相手先の機器がファクシミリデータを受信できない電話機の場合には、その相手先の機器の電話番号を制御用メモリ202に記憶しておく。そして、ファクシミリデータを送信するために相手先の機器にダイヤルした際、制御用メモリ202に記憶されている電話番号と同じ電話番号にダイヤルした場合には、ファクシミリデータ送信が不可能であることを示すメッセージを表示部212に表示することができ、通信しようとしている相手先の機器が電話機であることをユーザに認知させることができる。また、ファクシミリ装置のメイン制御部201は、上記のメッセージの表示とともに、接続した回線を切断し、もしくはダイヤルを停止または禁止させるような制御を行ってもよい。これにより相手先の機器に迷惑をかけることなく、回線の有効利用を図ることができる。
【符号の説明】
【0069】
1…光走査装置、2…現像器、3…感光体ドラム、4…クリーナユニット、5…帯電器、6…中間転写ベルトユニット、7…定着ユニット、10…転写ローラ、11a,11b…ピックアップローラ、12a…搬送ローラ、12b…搬送ローラ、12c,12d…搬送ローラ、13…レジストローラ、61…中間転写ベルト、62…中間転写ベルト駆動ローラ、63…中間転写ベルト従動ローラ、64…中間転写ローラ、65…中間転写ベルトクリーニングユニット、71…ヒートローラ、72…加圧ローラ、73…外部加熱ベルト、81,82…給紙カセット、90…画像読取手段、91…排紙トレイ、92…原稿載置台、93…光源ユニット、94…ミラーユニット、95…CCD、100…画像形成装置、110…装置本体、120…原稿処理装置、130…受話器、200…ファクシミリ装置、201…メイン制御部、202…制御用メモリ、203…制御用バッファ、204…画像メモリ、205…復号化制御部、206…PB信号受信部、207…読取制御部、208…記録制御部、209…パネル制御部、210…モデム、211…網制御部、212…表示部、213…操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤルにより回線接続した相手先の機器に対してファクシミリデータが送信できなかった場合に、リダイヤルを行ってファクシミリデータの送信を試みる制御を行う制御部を備えたファクシミリ装置において、
前記制御部は、回線接続した相手先の機器から、所定時間内に所定の信号が送信されたことを検出した場合、検出した所定の信号を解析し、該解析結果に従ってリダイヤルを実行するか否か、及びリダイヤルを行う場合のリダイヤルの条件を制御することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のファクシミリ装置において、
前記制御部は、前記所定の信号を解析した結果、前記回線接続した相手先の機器が、ファクシミリデータを受信できない電話機であると判定した場合、接続した回線を切断し、該切断後のリダイヤルを禁止することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のファクシミリ装置において、
前記制御部は、前記所定の信号を解析した結果、前記回線接続した相手先の機器が、トナー切れによりファクシミリデータの印刷出力ができない状態にあるファクシミリ装置であると判定した場合、前記接続した回線を一旦切断し、所定時間経過後にリダイヤルを行うことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1に記載のファクシミリ装置において、
前記制御部は、前記所定の信号を解析した結果、前記回線接続した相手先の機器が、用紙切れによりファクシミリデータの印刷出力ができない状態にあるファクシミリ装置であると判定した場合、前記接続した回線を一旦切断し、前記相手先の機器から印刷出力できない状態が回復したことを示す通知を受けた後にリダイヤルを行うことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載のファクシミリ装置において、
メッセージを表示可能な表示部を備え、
前記制御部は、前記相手先の機器から送信された前記所定の信号を解析した結果、前記相手先の機器へのファクシミリデータの送信が不可能であると判断した場合、前記ファクシミリデータの送信が不可能であることを示すメッセージを前記表示部に表示することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1に記載のファクシミリ装置において、前記所定の信号は、プッシュ信号であることを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1に記載のファクシミリ装置において、前記所定時間は、60秒であることを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1に記載のファクシミリ装置において、通信相手先から送信されたファクシミリ装置であることを示す識別信号を受信した際、送信されたファクシミリデータの印刷出力が不可能な状態である場合に前記所定の信号を返信し、該所定の信号は、ファクシミリデータの印刷出力を不可能とする原因に応じて定められた信号であることを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1に記載のファクシミリ装置に通信回線を介して接続する電話機であって、通信相手先から送信されたファクシミリ装置であることを示す識別信号を受信した際、ファクシミリデータを受信できないことを示す所定の信号を返信することを特徴とする電話機。
【請求項10】
原稿の画像を読み取る画像読み取り手段を有し、該画像読み取り手段によって読み取った原稿の画像データを記録媒体に画像形成する画像形成手段を備えた画像形成装置であって、請求項1〜8のいずれか1のファクシミリ装置を備え、該ファクシミリ装置により受信したファクシミリデータを前記画像形成手段にて画像形成することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−100133(P2012−100133A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247188(P2010−247188)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】