説明

ファン及びそのモータ

【課題】本発明は、ノイズと振動を抑制すると同時に、素子の磨耗を軽減して、応用性を高めるファン及びそのモータを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のモータ20は、ベース26、軸カバー27、軸受構造21、ステータ構造22、ロータ構造23及び磁性素子24を備える。ベース26は、受け台260を有し、軸カバー27とベース26は接続する。軸受構造21は、軸カバー27内に設置される。ステータ構造22は、軸カバー27の外にはめ込まれる。ロータ構造23は、回転軸234を有し、且つ、回転軸234は、軸受構造21を貫通して設置される。磁性素子24は、回転軸234に対応して受け台260に設置され、磁性素子24の磁性が回転軸235に作用する。本発明は、上述のモータ20に配置されるファン2も共に開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン及びそのモータに関し、特に、磁性素子を配置して磁性によって回転軸を吸引することで、安定した回転を提供するファン及びそのモータに関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aは、従来のファン1A及びそのモータ10を示した図である。
このうち、ファン1Aは、モータ10及び羽根車40を備える。
モータ10は、羽根車40に接続して、これを駆動して回転させる。
羽根車40は、ハブ41及び複数の羽根42を有する。
モータ10は、ロータユニット11、ステータユニット12及びハウジング13を有する。
ロータユニット11は、ワッシャー14によってステータユニット12に接続される。
ロータユニット11のマグネットテープ111とステータユニット12のコイル121の中心点は同一の高さであり、すなわち、マグネットテープ111の磁力の中心Aとコイル121の磁力の中心Bは、同一の水平線上に位置する。
このため、ロータユニット11が回転すると、風を吸い込み、風を排出すると同時に、ロータユニット11に対して上に向かう反抑制力が形成されて、ロータユニット11に往復の上、下の振動を発生させて、ロータユニット11の回転軸112を動かし、同時に上、下に移動させて、ファン1Aの運転中にノイズを発したり、ワッシャー14またはその他の素子に磨耗が生じて劣化が進む。
【0003】
ノイズを抑え、磨耗を少なくするため、ファン1B及びそのモータが提供された。
図1Bは、ファン1Bのマグネットテープ111の磁力の中心Aがコイル121の磁力の中心Bよりやや高く設置されている。
つまり、マグネットテープ111の中心点がコイル121の中心点より高いことで、両者の磁力の中心に高低差が形成されるということである。
このため、ロータユニット11が回転すると、コイル121の周囲の磁場がロータユニット11を動かして回転させる時、マグネットテープ111に対して吸引力が発生して、ロータユニット11を下に向かって引っ張る牽制力となって、ロータユニット11の磁気浮上力を軽減する。
【0004】
ファンのモータは、例えば、高速回転または逆付けのような、様々な異なる回転速度や環境に運用される。
しかしながら、逆付けの状況で運用される場合、ファン1Bは、位置がずれたことで、その吸引力によってロータユニット11を吸引することができず、ファン1Bの応用性に大きく影響する。
また、ロータユニット11部分の運転力が磁気浮上力に変化することより、ファン1Bの回転速度を高めることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、ノイズと振動を抑制すると同時に、素子の磨耗を軽減して、応用性を高めるファン及びそのモータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、安定した運転が可能で、ノイズと振動を抑制すると同時に、素子の磨耗を軽減して、応用性を高めるファン及びそのモータを提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のモータは、ベース、軸カバー、軸受構造、ステータ構造、ロータ構造及び磁性素子を備える。
ベースは、受け台を有し、軸カバーとベースは接続する。
軸受構造は、軸カバー内に設置される。
ステータ構造は、軸カバーの外にはめ込まれる。
ロータ構造は、回転軸を有し、且つ、回転軸は、軸受構造を貫通して設置される。
磁性素子は、回転軸に対応して受け台に設置され、磁性素子の磁性が回転軸に作用する。
【0008】
本発明の一実施形態において、ベースは、全て導磁性材料によって製造される。導磁性材料は、例えば、金属または合金であるが、これに限るものではない。
ゆえに、ベースは、金属ベースであり、金属は、例えば、鉄である。
または、例えば、軽量化を考え、ベースの受け台のみを導磁性材料によって製造し、ベースのその他の部分は、例えば、金属、合金または剛性の比較的高いプラスチックのような非導磁性材料によって製造されることも可能である。
【0009】
本発明の一実施形態において、磁性素子が設置される受け台は、導磁性材料によって製造されるため、磁性素子は受け台を吸引する。
または、磁性素子は、例えば、粘着、はめ込み、ねじによる固定等、その他の接続手段によって受け台に設置されることも可能である。
【0010】
本発明の一実施形態において、軸カバーは、例えば、ベースまたは受け台の材質と異なるプラスチック材質を採用することも可能である。
射出によるオーバーモールド方式によってベースの受け台に接続され、軸カバーが前記ベースにオーバーモールド方式で射出されることにより、ベースと軸カバーが一体成型によって単一パーツとなることで、異なる材質間の接続強度を高めることが可能である。
また、ベースは、少なくとも一つの貫通穴(貫通する穴)またはめくら穴(貫通しない穴)を有する。
軸カバーの材料(例えば、プラスチック樹脂)が貫通穴またはめくら穴を覆うことで、異なる材料間の接触面積を大きくして、接続強度を高める。
本発明において言うところの貫通穴またはめくら穴は、円形とは限らず、いかなる規則的または不規則な形状の開口も可能である。
同様に、いずれも軸カバーの材料が開口部分を覆って、ベースと緊密に接続させる。
【0011】
本発明の一実施形態において、軸受構造は、スリーブ軸受(sleeve bearing)であり、モータはさらに、オイルシーリング構造を備える。
オイルシーリング構造は軸カバー内に設置されて、軸受構造の先端に隣接し、回転軸は、オイルシーリング構造の貫通穴を貫通する。
オイルシーリング構造は、モータ運転時に、スリーブ軸受潤滑油が軸カバーの先端の開口部から噴出するのを防止し、オイル漏れにより、回転軸運転の自己潤滑性機能に影響するのを回避する。
【0012】
本発明の一実施形態において、磁性素子は、磁鉄または磁石であり、回転軸は導磁性材料から製造される。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明のファンは、羽根車及びモータを備える。
モータは、羽根車に接続して、駆動して回転させる。
このうち、モータの構成及びその変化様態はすでに記述済みであるため、ここでは再述しない。
【0014】
本発明の一実施形態において、羽根車は、ハブ(hub)及び複数の羽根(blades)を有する。
【0015】
本発明の一実施形態において、ファンは、軸流式ファンまたは遠心式ファンである。
【0016】
このように、本発明のファン及びそのモータは、磁性素子を配置して、磁性によって回転軸を吸引することで、安定した回転が可能で、モータの等速回転時にはノイズ及び振動を低くし、さらに、モータが加速回転時には、ノイズ及び振動が大きくなり過ぎるのを回避することで、ノイズ及び振動を抑制すると同時に、素子の磨耗を軽減して、応用性を高める。
【発明の効果】
【0017】
本発明のファン及びそのモータは、磁性素子を配置して、磁性によって回転軸を吸引することで、安定した回転が可能で、モータの等速回転時にはノイズ及び振動を低くし、さらに、モータが加速回転時には、ノイズ及び振動が大きくなり過ぎるのを回避することで、ノイズ及び振動を抑制すると同時に、素子の磨耗を軽減して、応用性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】従来のファン及びそのモータを示した図である。
【図1B】他の従来のファン及びそのモータを示した図である。
【図2】本発明の好適な実施形態におけるファン及びそのモータを示した図である。
【図3A】本発明の好適な実施形態におけるモータのベースに穴を有する状態を示した図である。
【図3B】本発明の好適な実施形態におけるモータのベースに穴を有する状態を示した図である。
【図4A】本発明の好適な実施形態におけるモータのベースに穴を有する状態を示した図である。
【図4B】本発明の好適な実施形態におけるモータのベースに穴を有する状態を示した図である。
【図5A】本発明の好適な実施形態におけるモータのベースに穴を有する状態を示した図である。
【図5B】本発明の好適な実施形態におけるモータのベースに穴を有する状態を示した図である。
【図6A】本発明の好適な実施形態におけるファンと従来のファンの振動値を測定した比較図である。
【図6B】本発明の好適な実施形態におけるファンと従来のファンの振動値を測定した比較図である。
【図7】本発明のファン及びそのモータの異なる変化様態を示した図である。
【図8】本発明のファン及びそのモータの異なる変化様態を示した図である。
【図9】本発明のファン及びそのモータの異なる変化様態を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図を参照しながら、本発明の好適な実施形態におけるファン及びそのモータについて説明する。
【0020】
まず、図2を参照しながら説明する。
図2は、本発明の好適な実施形態におけるファン2及びそのモータ20である。
このうち、ファン2は、モータ20及び羽根車30を備える。
モータ20は、羽根車30に接続されて、これを駆動して回転させる。
ファンは、軸流式ファンまたは遠心式ファンである。
以下、軸流式ファンの場合を例として説明するが、これに限るものではない。
羽根車30は、ハブ31及び複数の羽根32を有する。
詳述すると、モータ20は、ハブ31に接続され、モータ20がハブ31を駆動して回転させると、複数の羽根32が気流を動かしてファンを構成する。
モータが羽根車を動かして回転させることで構成されるファンの全体構成及び実施方式は、本分野において通常の知識を有する者は周知の事柄であるため、ここでは再述しない。
【0021】
モータ20は、ベース26、軸カバー27、軸受構造21、ステータ構造22、ロータ構造23及び磁性素子24を備える。
軸カバー27とベース26は接続し、軸受構造21は軸カバー27内に設置される。
ステータ構造22は、軸カバー27の外にはめ込まれる。
ロータ構造23は、回転軸234を有して、回転軸234は、軸受構造21を貫通して設置される。
回転軸234は、導磁性材料によって製造される。
モータの全体構成と実施方式は、本分野において通常の知識を有する者は周知の事柄であるため、ここでは再述しない。
【0022】
軸受構造21がスリーブ軸受(sleeve bearing)である時、モータ20はさらに、オイルシーリング構造28を備える。
オイルシーリング構造28は、軸カバー27内に設置されて、軸受構造21の先端に隣接する。
回転軸234は、オイルシーリング構造28の貫通穴281を貫通する。
オイルシーリング構造28は、モータ20運転時に、軸受構造(スリーブ軸受)21の潤滑油が軸カバー27先端の開口部から噴出するのを防止して、オイル漏れにより回転軸234運転の際の自己潤滑性機能に影響するのを回避する。
【0023】
ベース26は、受け台260を有する。
ベース26は、全て導磁性材料により製造され、導磁性材料は、例えば、金属または合金であるが、これに限るものではない。
金属は、例えば、鉄であるため、ベース26は、金属ベースである。
また、例えば、軽量化を考え、ベース26の受け台260のみを導磁性材料によって製造し、ベース26のその他の部分は、非導磁性材料によって製造することも可能である。
例えば、金属、合金または剛性の高いプラスチックである。
実際の運用上は、ベース26は、単一金属、合金または金属とプラスチックの組み合わせによって構成される。
無論ベース26の材質が何であるにせよ、その受け台260が導磁性材料によって構成されていればそれでよい。
この時、ベース26部分の導磁性材料によって構成される受け台260の範囲は、例えば、軸カバー27の投影範囲に対応する範囲が好ましいが、それに限るものではない。
【0024】
磁性素子24は、回転軸234に対応して、受け台260及び軸カバー27が形成する収納空間Sに設置される。
さらに、磁性素子24は、受け台260に設置される。
磁性素子24は、磁鉄または磁石である。
受け台260は、磁性素子24をその上に設置させる。
磁性素子24が設置される受け台260は、導磁性材料により製造されるため、磁性素子24は、受け台260を吸引する。
または、磁性素子24は、例えば、粘着、はめ込み、ねじによる固定等、その他の接続手段によって受け台260に設置されることも可能であるが、本発明はこれを制限するものではない。
磁性素子24のサイズ及び形状は、実際のモータ製品の設計及びニーズに応じて選択使用される。
例えば、円柱状または環状で、且つ、磁性素子24の直径は、等しいか、回転軸234の直径より大きいものも可能である。
また、磁性素子24のサイズは、モータ20の設計及びニーズに応じて決定される。
且つ、磁力は距離の二乗に反比例する。
磁性素子24と回路板Pは間隔をおいて設置される。
磁性素子24は、導磁能力を有する受け台260に設置されることで、磁性素子24が発生する磁性の回路が回路板P上の電子素子の作用に影響することがない。
【0025】
磁性素子24、導磁性材料により構成される受け台260、導磁性材料により製造される回転軸234が磁気回路を形成し、その磁性作用により回転軸234回転時に比較的安定したスムーズな運転が可能となり、ノイズ及び振動を抑制し、モータの等速運転時にはノイズ及び振動を低くし、さらに、モータの加速運転時には、ノイズ及び振動が大きくなりすぎるのを回避する。
また、回転軸234底部と磁性素子24の間には、磨耗防止片29が設置されて、回転軸234回転を安定させてスムーズにし、回転軸234の磨耗を軽減する。
【0026】
軸カバー27は、ベース26または受け台260の材質と異なるものを採用することが可能である。
例えば、プラスチックであるが、これに限るものではない。
射出によるオーバーモールド方式によって、軸カバー27をベース26に成形する。
まず、ベース26を型内に設置してから、射出成形方式によって樹脂を射出する。
したがって、軸カバー27を射出成形すると同時に、軸カバー27をベース26の受け台260に接続するため、ベース26と軸カバー27が一体成型で単一パーツとなり、異なる材質間の接続強度を高める。
図2に示したように、軸カバー27に射出成形を行う時、射出された樹脂が受け台260の底部を覆うことで、接続強度を高める。
本実施形態において、樹脂は、冷却固化型樹脂材料、熱固化型樹脂材料または光固化型樹脂材料である。
【0027】
また、図3Aから図5Bに示したように、ベース26は、少なくとも一つの貫通穴(貫通する穴)261を有する。
本実施形態においては、複数の貫通穴261を有する場合を例として説明するが、本発明はこれに限るものではない。
前記貫通穴261は、対称または非対称に配置される。
前記貫通穴261は、互いの形状またはサイズもまた、同一または異なることが可能である。
磁性素子24に対応して設置される受け台に近い中間の位置に、貫通穴を設置しなくても(例えば、図3A、図4A、図5A)よいし、貫通穴を設置してもよい(例えば、図3B、図4B、図5B)。
射出成形時、軸カバー27を構成する材料(例えば、プラスチック樹脂)は、貫通穴261と近隣の貫通穴261周囲のベース26底部を覆うことにより、異なる材料間の接触面積が大きくなり、接続強度を高める。
以上は、貫通穴の場合を例としているが、めくら穴(貫通しない穴、図示はしない)の場合も可能で、射出成形時に軸カバー27を構成する材料(例えば、プラスチック樹脂)を同様にめくら穴に補填して、同様に接続強度を高める効果を有する。
【0028】
ステータ構造22は、軸カバー27の外周縁に嵌め込まれる。
ステータ構造22は、コイル221及び磁極片222を備える。
このうち、コイル221は、磁極片222に巻きつけられる。
また、磁極片222は、例えば、シリコン鋼片である。
ロータ構造23は、金属カバー232、マグネットテープ233及び回転軸234を有する。
このうち、マグネットテープ233は、金属カバー232の内側に環状に設置され、コイル221及び磁極片222を構成するステータ構造22に対応して巻き付けられる。
【0029】
上述の構造により、モータ20が起動すると、ステータ構造22のコイル221は、電力磁化によって、磁力が磁極片222を経由して、ロータ構造23のマグネットテープ233に磁作用力を発生させて、ロータ構造23を回転させる。
ロータ構造23の回転軸234は、磁性素子24の磁性作用に吸引されて、ロータ構造23がさらに安定して運転し、振動とノイズが発生するのを抑制すると同時に、素子の磨耗を軽減する。
【0030】
また、磁性素子24は、ベース26及び軸カバー27によって形成された収納空間Sに設置されるため、磁性素子24は、直接軸カバー27を通して水平方向の定位を行う。
さらに、ベース26の磁吸力と垂直方向に定位を行うことにより、その他の定位及び固定のための素子を追加する必要がなく、モータ20の全体設計をシンプルにする。
【0031】
図6A及び図6Bを参照しながら説明する。
図6A及び図6Bは、磁性素子24を配置したファン2と磁性素子を配置しないファン1Aの二者が、ファンを起動させた瞬間及び定速回転時の振動値を測定した比較図である。
図6Aからわかるように、磁性素子を配置しないファン1Aの起動した瞬間の振動波形W1とファン2の振動波形W2を比較すると、振動波形W1は大きな波動を有し、さらに、振動波形W1の最大値は、振動波形W2の最大値を大きく上回る。
また、図6Bに示した定速回転時の測定比較図からわかるように、ファン1Aで発生した振動もまた、ファン2の振動状況を大きく上回る。
このため、ファン2と従来のファン1Aを比較すると、ファン2は、過渡状態運転または定常状態運転時の振動波形W2が、いずれもファン1Aの振動波形W1より優れている。
言い換えれば、ファン2は確実に効果的に振動及びその発生するノイズを抑制するということである。
【0032】
次に、図7から図9を参照しながら説明する。
図7から図9は、本発明の好適な実施形態におけるファン及びそのモータの異なる変化様態を示した図である。
図7に示したように、ファン3とファン2の違いは、ファン3の受け台260が貫通穴261を有する点である。
このうち、ファン3は、軸カバー27を構成する材料(例えば、プラスチック樹脂)が貫通穴261と貫通穴261に近い周囲のベース26底部を覆うことで、異なる材料間の接触面積を大きくして、接続強度を高める。
したがって、ファン3は、潤滑油が漏れる心配がない。
【0033】
図8に示したように、ファン4とファン2の違いは、ベース26には貫通穴261が設置されていない点である。
ファン4は、軸カバー27を射出成形する際、軸カバー27を構成する材料(例えば、プラスチック樹脂)がベース26の底部を覆う時、少なくとも一つの貫通穴Oを開けてある。
本発明において、この貫通穴Oは、あってもなくてもよい。
ファン4の受け台260は、貫通穴を有さない。
このため、構造の安定性に影響せず、潤滑油が漏れないという前提の下、射出成形時に貫通穴Oを開けて樹脂の用量を節約してコストの削減を図ると同時に、ファン4製作時に、治具(図示はしない)の挟む空間を増加することで製造工程の進行を便利にする。
また、軸カバー27の射出成形時、実際のニーズに応じて複数の貫通穴Oを設置することも可能である。
【0034】
さらに、図9を参照しながら説明する。
本実施形態において、ファン5とファン2の違いは、ファン5の受け台260が貫通穴261を有して、さらに、軸カバー27の射出成形時に、二個の貫通穴Oを開ける点である。
さらに言及するが、本発明において、この貫通穴Oはあってもなくてもよい。
このうち、貫通穴261と貫通穴Oは、位置をずらして設置するため、ファン5は、潤滑油が漏れる心配がない。
【0035】
このように、本発明のファン及びそのモータは、磁性素子を配置して磁性によって吸引することで、回転軸を安定に回転させて、モータの等速運転時にはノイズ及び振動の発生を抑制し、さらに、モータの加速運転時には、ノイズ及び振動が大きくなりすぎるのを回避することで、ノイズ及び振動を低く抑えると同時に、素子の磨耗を低減して応用性を高める。
【0036】
以上、本発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1A、1B、2、3、4、5 ファン
10、20 モータ
11 ロータユニット
111、233 マグネットテープ
112、234 回転軸
12 ステータユニット
121、221 コイル
13 ハウジング
14 ワッシャー
21 軸受構造
22 ステータ構造
222 磁極片
23 ロータ構造
232 金属カバー
24 磁性素子
26 ベース
260 受け台
261 貫通穴
27 軸カバー
28 オイルシーリング構造
281 貫通穴
29 磨耗防止片
30、40 羽根車
31、41 ハブ
32、42 羽根
A、B 磁力の中心
O 通口
P 回路板
S 収納空間
W1、W2 振動波形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け台を有するベースと、
前記ベースに接続する軸カバーと、
前記軸カバー内に設置される軸受構造と、
回転軸を有して、さらに、前記回転軸は、前記軸受構造を貫通して設置されるステータ構造と、
前記回転軸に対応して前記受け台に設置されて、その磁性が前記回転軸に作用する磁性素子とを備えることを特徴とする
モータ。
【請求項2】
前記ベースまたは前記受け台は、導磁性材料によって製造されることを特徴とする
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記磁性素子は前記受け台を吸引することを特徴とする
請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記ベースと前記軸カバーは、一体成型によって単一パーツとなることを特徴とする
請求項1に記載のモータ。
【請求項5】
前記軸カバーは、射出によるオーバーモールド方式によって前記ベースの前記受け台に接続されることを特徴とする
請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記ベースの材質は、前記軸カバーの材質と異なることを特徴とする
請求項5に記載のモータ。
【請求項7】
前記ベースは、少なくとも一つの貫通穴またはめくら穴を有して、前記軸カバーの材料が前記貫通穴またはめくら穴を覆うことを特徴とする
請求項5に記載のモータ。
【請求項8】
前記磁性素子は、磁鉄または磁石であり、前記回転軸は、導磁性材料により製造されることを特徴とする
請求項1に記載のモータ。
【請求項9】
羽根車を備えるファンであって、
請求項1から8に記載のいずれか一つのモータで、前記モータが、前記羽根車に接続して、駆動し回転させることを特徴とする
ファン。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−200129(P2012−200129A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240841(P2011−240841)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(502330713)台達電子工業股▲ふん▼有限公司 (54)
【Fターム(参考)】