説明

フィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機及びその製造方法

【課題】円筒状筒部品の筒外周面に、熱溶着技術を使って、該筒部品の製造後、後加工でフィルム片を巻付け,接着固定するフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機及びその製造方法を提供する。
【解決手段】スポット固定手段4で帯状フィルム21の先端部分21aを筒部品Pへ固定して切断手段3でフィルム片Fにカットしてなるフィルム片付き筒部品Pか、又は該切断手段3でカットされたフィルム片Fに係る一端部F1が該スポット固定手段4で筒部品Pへ固定されてなるフィルム片付き筒部品Pを作製し、次いで、該フィルム片付き筒部品Pを前記ベルト下面56aと前記基台上面10との間へ挿入し、その後、該ベルト伝動装置5に係るベルト55の動きで筒部品Pを転動させ、該フィルム片Fを筒部品Pの筒外周面P1に巻付けると共に、筒部品Pの筒外周面P1に巻付いたそのフィルム片Fを、前記ヒータ81の加熱による熱溶着で該筒部品に一体化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は円筒状筒部品の筒外周面にフィルム片を巻付け,接着固定するフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、バリア性を有する通称スタンディングパウチと称される自立性袋状容器が存在する。この種の容器には積層フィルム製袋本体の注出口栓が設けられ、該注出口栓の一部は袋本体外へ突出する一方、残り部分たる円筒状筒部が袋本体内に配される。該注出口栓が、袋本体外と袋本体内の境部分で積層フィルム製袋本体に水密に接着固定することによって、自立性袋状容器を完成させている(特開2009−46189等)。
ところで、低コスト化やバリア性向上等のために、該注出口栓を袋本体内の円筒状筒部品と袋本体外の外部品とに分割構成する技術がある。ただ、袋本体内の円筒状筒部の筒外周面に、構造上、フィルム片を巻付け固定することが必要となる。
こうしたフィルム片の固定方法に関し、従来、インサート成形による技術等が開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−34154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1は、椀状凹みの雌型型面に仮保持機構を設け、また吸引通路及びこの吸引通路を利用してフィルム材を吸着させる吸引手段等を設けるなど構造が複雑であった。さらに、インサート成形で、フィルム材(フィルム片)を椀状にセットすることはできても、前記円筒状筒部の筒外周面で筒状に巻かれる状態でフィルム片をセットするとなると難しかった。筒部品の筒外周面へフィルムを綺麗に巻くよう型面にセットするのは至難を極め、該フィルム片にシワが寄ったり浮き上がったりするなどの不具合を招き易かった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するもので、円筒状筒部品の筒外周面に、熱溶着技術を使って、該筒部品の製造後、後加工でフィルム片を巻付け,接着固定するフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、帯状フィルム(21)の先端部分(21a)から帯状フィルム本体寄りへ戻った地点に切刃(32)を設けて、フィルム片(F)を切取る切断手段(3)と、上下動するロッド(42)にスポット固定具(43)が設けられ、前記帯状フィルム(21)の先端部分(21a)又は前記フィルム片(F)の一端部(F1)が載置された円筒状筒部品(P)の筒外周面(P1)よりも高い地点から該ロッド(42)を下降させ、そのスポット固定具(43)で該先端部分(21a)又は該一端部(F1)を該筒部品(P)へ固定するスポット固定手段(4)と、平坦な上面(10)が配設される基台(1)と、該基台(1)の上面(10)に対し、下方側ベルト部(56)のベルト下面(56a)を前記筒部品(P)の筒外径分だけ高い上方位置で且つ平行に配設して、ベルト(55)が平行掛けされたベルト伝動装置(5)と、前記下方側ベルト部(56)の上方で、ヒータ(81)の下面が該下方側ベルト部(56)に近接又は当接するようにして、該下方側ベルト部(56)の移動方向に沿って該ヒータ(81)が配設される加熱装置(8)と、を具備し、該スポット固定手段(4)で帯状フィルム(21)の先端部分(21a)を筒部品(P)へ固定して該切断手段(3)でフィルム片(F)にカットされてなるフィルム片付き筒部品(P)か、又は該切断手段(3)でカットされたフィルム片(F)を該スポット固定手段(4)で筒部品(P)へ固定してなるフィルム片付き筒部品(P)が、前記ベルト下面(56a)と前記基台上面(10)との間へ挿入されて、該ベルト伝動装置(5)に係るベルト(55)の動きで筒部品(P)が転動し、フィルム片(F)が筒部品(P)の筒外周面(P1)に巻付くと共に、筒部品(P)の筒外周面(P1)に巻付いたフィルム片(F)が前記ヒータ(81)の加熱による熱溶着で該筒部品に一体化することを特徴とするフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機にある。
請求項2の発明たるフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機は、請求項1で、基台(1)の下面側に固着された第二シリンダ本体(61)から第二ロッド(62)が基台上面(10)と平行に進退動し、該第二ロッド先端に受具(64)の基端が固着された移送手段(6)を、さらに具備し、且つ該受具(64)に上面が平坦な受具本体(65)とその先端部位に隆起部(66)とを設けて、該第二ロッド(62)の進出状態で、該隆起部(66)に筒外周面(P1)側を係止させて該受具本体(65)に載置した前記筒部品(P)の上方に、前記スポット固定具(43)が配設される一方、該第二ロッド(62)の退動状態で、該受具本体(65)が前記基台(1)に当接して、両者の上面(65a,10)が同一面上となり、且つ該受具本体(65)の上方に、前記下方側ベルト部(56)のベルト下面(56a)が配されるようにしたことを特徴とする。請求項3の発明たるフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機は、請求項2で、第二ロッド(62)の進出状態で、前記隆起部(66)に筒外周面(P1)側を係止させて前記受具本体(65)に載置される前記筒部品(P)上に、フィルムロール(20)から間欠移動で繰り出される前記帯状フィルム(21)の先端部分(21a)を載せるようにするフィルム供給手段(2)を、さらに具備することを特徴とする。
請求項4に記載の発明の要旨は、基台(1)の上面(10)に対し、ベルト(55)が平行掛けされたベルト伝動装置(5)に係る下方側ベルト部(56)のベルト下面(56a)を筒部品(P)の筒外径分だけ高い上方位置で且つ平行に配設し、さらに、該下方側ベルト部(56)の上方で、加熱装置(8)に係るヒータ(81)の下面が該下方側ベルト部(56)に近接又は当接するようにして、該下方側ベルト部(56)の移動方向に沿って該ヒータ(81)を配設し、スポット固定手段(4)で帯状フィルム(21)の先端部分(21a)を筒部品(P)へ固定して切断手段(3)でフィルム片(F)にカットしてなるフィルム片付き筒部品(P)か、又は該切断手段(3)でカットされたフィルム片(F)に係る一端部(F1)が該スポット固定手段(4)で筒部品(P)へ固定されてなるフィルム片付き筒部品(P)を作製し、次いで、該フィルム片付き筒部品(P)を前記ベルト下面(56a)と前記基台上面(10)との間へ挿入し、その後、該ベルト伝動装置(5)に係るベルト(55)の動きで筒部品(P)を転動させ、該フィルム片(F)を筒部品(P)の筒外周面(P1)に巻付けると共に、筒部品(P)の筒外周面(P1)に巻付いたそのフィルム片(F)を、前記ヒータ(81)の加熱による熱溶着で該筒部品に一体化させることを特徴とするフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造方法にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明のフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機及びその製造方法は、帯状フィルムからフィルム片とすると共にスポット固定手段でそのフィルム片の一部を筒部品に溶着固定した後、該フィルム片をベルト伝動装置のベルトで筒部品に巻付け、さらに基台とベルトによる適度の挟着状態を保って巻き付いたフィルム片を熱溶着技術で筒部品外周面に綺麗に貼着一体化でき、品質向上,生産性向上等に優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係るフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機の概略正面図である。
【図2】図1のフィルム供給手段,切断手段,スポット固定手段周りの拡大図である。
【図3】(イ)が基台,移送手段周りの平面図、(ロ)が(イ)のIII-III線矢視図である。
【図4】(イ)がベルト伝動装置,加熱装置,冷却装置周りの平面図、(ロ)が(イ)のIV-IV線矢視図である。
【図5】図2の状態からスポット固定手段,切断手段が作動してフィルム片にカットし、その一端部を筒部品に接着固定する説明拡大図である。
【図6】図5で接着固定されたフィルム片付き筒部品の斜視図である。
【図7】図5の受具が退動した後、ベルトが回転する様子を示す拡大断面図である。
【図8】(イ)〜(ハ)がベルトの回転によって、一端部を接着固定した図6のフィルム片付き筒部品が形状変化する概略側面図、(ニ)がフィルム片の巻付き一体筒部品の斜視図である。
【図9】フィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機及びその製造方法について詳述する。
図1〜図9は本発明のフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機(以下、「フィルム片の巻付け固着製造機」又は単に「巻付け固着製造機」ともいう。)及びその製造方法の一形態で、図1はその概略正面図、図2は図1のフィルム供給手段,切断手段,スポット固定手段周りの拡大図、図3は(イ)が基台,移送手段周りの平面図、(ロ)が(イ)のIII-III線矢視図である。図4は(イ)がベルト伝動装置,加熱装置,冷却装置周りの平面図、(ロ)が(イ)のIV-IV線矢視図である。図5は図2の状態からスポット固定手段,切断手段が作動して帯状フィルムからフィルム片をカットすると共にその一端部を筒部品に接着固定する説明拡大図、図6は図5で接着固定されたフィルム片付き筒部品の斜視図、図7は図5の状態から受具が退動し、さらにベルトが回転する様子を示す拡大断面図、図8は(イ)〜(ハ)がベルトの回転によって、一端部を接着固定した図6のフィルム片付き筒部品が形状変化する概略側面図、(ニ)が巻付いたフィルム片が筒部品に溶着で一体化した製品の斜視図、図9は巻付け固着製造機の概略平面図を示す。尚、図面を判り易くするため断面表示のハッチングを一部で省く。
【0010】
(1)フィルム片の巻付け固着製造機
フィルム片の巻付け固着製造機は、基台1とフィルム供給手段2と切断手段3とスポット固定手段4と移送手段6とベルト伝動装置5とストッパ手段7と加熱装置8と冷却装置9とを具備する。
図1に示すような櫓状のフレーム枠FR上に、ベース板Sを載置固定すると共に、同図で、フレーム枠FRの紙面奥方部位から上方へ延びる金属製立板R,門形枠Kを固定し、これらに基台1,フィルム供給手段2等が取付けられたフィルム片の巻付け固着製造機になっている。同図左側に設置したフィルム供給手段2のフィルムロール20から帯状フィルム21が同図右側方向(下流方向)へ供給され、切断手段3によってフィルム片Fになり、スポット固定手段4で図6のようなフィルム片F付き筒部品Pをつくる。または、スポット固定手段4で帯状フィルム21の先端部分21aを筒部品Pに固定してから、切断手段3によってフィルム片F付き筒部品Pをつくる。該フィルム片付き筒部品が移送手段6でベルト伝動装置5の上流側へ送られ、さらにベルト55に運ばれ、下流方向に進む過程でフィルム片Fが筒部品Pの筒外周面P1に巻付き、加熱装置8によって該フィルム片Fが筒部品Pに熱溶着で一体化するフィルム片の巻付け固着製造機になっている。
フィルム供給手段2のフィルムロール20から受具64上に繰り出す帯状フィルム21、切断手段3の切刃32、移送手段6の受具64、ベルト伝動装置5のベルト55は、図9のごとく平面視で同一線上にある。
【0011】
基台1は主ベース板S1上に載置固定される上面が平坦な細長板状体である(図1,図3)。基礎ビームFR1に柱FR2,上梁FR3を組付けて図1の櫓状フレーム枠FRを完成し、その右方上面に主ベース板S1を固着する。該主ベース板の上に基台1が水平に配設される。基台上面10はベルト伝動装置5の下方側ベルト部56のベルト下面56aと平行になるよう配設される(図7)。ここでの基台1は、ベルト下面56aの上流地点にあたる前プーリ50真下の領域を少し開けた状態にして、基台1上流側の一端面11がスタートし、後プーリ51真下域を越える地点まで他端面12が延びる平板体とする。基台上面10が水平面になるが、後プーリ51を越えた下流側部位には、出来上がった製品の払出しを容易にする傾斜面13が形成される。符号Gは細長長方形の基台上面10の両側に筒部品Pの筒長を確保して、基台上面10よりも隆起するガイド板を示す。
【0012】
フィルム供給手段2は、リール201とフィルムロール20と送りローラ25を具備し、フィルムロール20から間欠移動で帯状フィルム21を繰り出し供給する定幅帯状フィルム21の供給装置である。図1の櫓状フレーム枠FRの左方上面に副ベース板S2を固着し、これよりも同図左上方に位置する立板Rにリール201を設け、該リール201に帯状フィルム21を巻回したフィルムロール20を取付ける。該帯状フィルム21は内面側にポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなる接着層を有するラミネートフィルムである。ここでは、真ん中にアルミ薄層Fを設け、その両側に接着層F,Fを設けた三層構造の帯状ラミネートフィルムで、且つ外層Fよりも内層Fの方が溶融温度の低い接着層でできたラミネートフィルムとする(図8のイ)。内層Fはスポット固定手段4に係るスポット加熱装置や加熱装置8の熱溶着で、帯状フィルム21が樹脂製筒部品Pへ接合一体化できる接着層になっている。
ここで、該筒部品Pは円筒状の樹脂製部材で、本実施形態は図8(ニ)に示すような筒外径よりも筒長が長い文字通りの円筒形筒部品Pとする。該筒長に前記帯状フィルム21の帯幅を合わせている。図8中、符号P2は筒穴、符号P3は端面を示す。
【0013】
フィルムロール20から繰り出される帯状フィルム21は、テンションローラ22,ガイドローラ23,24を経て、送りローラ25,小ローラ281に巻かれた断面円形の丸ベルト291によって移送手段6の受具64上へと向かう(図2)。移送手段6の第二ロッド62が進出状態下の受具本体65に載置,セットされる筒部品P上に、帯状フィルム21の先端部分21aが載るようにしている。詳細は後述するが、移送手段6に係る受具64の隆起部66に筒外周面P1側を係止させて受具本体65に載る筒部品P上に、フィルムロール20から繰り出す帯状フィルム21の先端部分21aを載せるようにしている。
送りローラ25と小ローラ281に巻付けた前記丸ベルト291と、送り補助ローラ27と小ローラ282に巻付けた丸ベルト292と、によってフィルムロール20から繰り出された帯状フィルム21の先端部が挟着される。次に述べる切断手段3で帯状フィルム21の先端部からフィルム片Fがカットされると(図5)、新たな筒部品Pが受具本体65上にセットされ、さらにモータ26が作動して、帯状フィルム21の先端部分21aが新たな筒部品P上に載るよう、フィルムロール20から帯状フィルム21が繰り出す。帯状フィルム21を幅方向に、丸ベルト291,292が複数本(図9は三本だけの簡便図示)配設されており、これらが互い違いにして上下から該帯状フィルム21を挟むので、薄くて垂れ下がり易い帯状フィルム21の先端部分21aが図1,図2のように略水平状態を保って筒部品P上に載せることができる。
【0014】
切断手段3は、切刃32と第三アクチュエータたるエアシリンダ35とを備えたフィルムカッター装置である(図2)。帯状フィルム21の先端部分21aから帯状フィルム本体寄りへ戻った地点に切刃32を設けて、フィルム片Fを切取る。帯状フィルム21の先端部からフィルム片Fの長さをカットする。フィルム片Fの長さが筒部品Pの筒外周長さ以上になるよう設定する。移送手段6の受具本体65に載置される筒部品P上に、フィルムロール20から繰り出す帯状フィルム21の先端部分21aが載るが、その先端部分21aからフィルムロール20寄りにフィルム片Fの長さ分だけ戻った地点に、切刃32が設けられる。図2,図5のごとく副ベース板S2にL型片30が固着され、該L型片の起立部に補助刃31が上方に突き出すよう固着される。また、該補助刃31の上方で、立板Rから突出する止片38に、第三アクチュエータたるエアシリンダ35の第三シリンダ本体36が固着される。第三シリンダ本体36の第三ロッド37の下端に保持片33を介して切刃32が取付けられる。該第三ロッド37の伸長で切刃32が下降し、該切刃32と補助刃31とで帯状フィルム21を挟んで、フィルム先端部分21aからフィルム片Fの長さだけフィルムロール20側へ戻った地点をカットする。帯状フィルム21から該フィルム片Fが分離カットされる。このフィルム片Fの切離しと相前後して、スポット固定手段4によって該フィルム片Fの一端部F1(又は帯状フィルム21の先端部分21a)が筒部品Pに接着固定される。
【0015】
スポット固定手段4は、上下動するロッド42にスポット固定具43が設けられ、帯状フィルム21の先端部分21a(又はフィルム片Fの一端部F1)が載置された円筒状筒部品Pの筒外周面P1よりも高い地点からロッド42を下降させ、そのスポット固定具43で先端部分21a(又は該一端部F1)を筒部品Pへ固定する接合固定手段である。スポット固定手段4に用いるスポット固定具43は、帯状フィルム21の先端部分21a(又はフィルム片Fの一端部F1)を、筒部品Pへ接合固定できればよい。例えば熱溶着,超音波溶着,インパルスシール、さらに接着剤等を用いることができ、その接合固定手段は問わない。
【0016】
本実施形態は、スポット固定手段4として熱溶着を利用したスポット加熱装置を採用し、スポット固定手段4のスポット固定具43に熱溶着用加熱子を採用する。
スポット加熱装置4は、上下動するロッド42の下端に加熱子43が設けられた装置である(図2)。前記帯状フィルム21の先端部分21a又は前記フィルム片Fの一端部F1が載置された円筒状筒部品Pの筒外周面P1よりも高い地点から、該ロッド42を下降させ且つ該加熱子43を加熱して、該先端部分21a又は該一端部F1を該筒部品Pへ押圧し熱溶着により固定する。アクチュエータたるエアシリンダ40と加熱子43を備えて、帯状フィルム21の先端部分21aを筒部品Pへ押圧し熱溶着により固定する。これに代え、筒部品Pの筒外周面P1上に配設されたフィルム片Fの一端部F1を、筒部品Pへ押圧し熱溶着により接着固定することもできる。フィルム片Fの一端部F1は、フィルム片Fに切取られる前の帯状フィルム先端部分21aに該当する。
【0017】
ここでは、フレーム枠FR上に側面視冂状の門形枠Kを形成し、該門形枠の梁K1にスポット加熱装置4を取着する。該梁K1にエアシリンダ本体41が固着され、該エアシリンダ本体41から下方へ向け上下動するロッド42の先端に加熱子43が設けられる。加熱子43は下端部位に帯状フィルム21の幅に対応する線状加熱部を備える。該線状加熱部は帯状フィルム21の繰り出し方向と交差するように配される。そして、前述のごとく、受具本体65に載置される筒部品P上に帯状フィルム21の先端部分21aが載った状態下、ロッド42が下降して筒部品P上に在る帯状フィルム先端部分21aを、該筒部品Pへ押圧且つ加熱してヒートシールの要領で接着固定する。図6で、符号F2は線状加熱部により形成された熱溶着固定部を示す。
こうして、スポット加熱装置4で帯状フィルム21の先端部分21aを筒部品Pへ固定し、その後、直ちに該切断手段3でフィルム片Fにカットして、フィルム片F付き筒部品Pが得られる(図6)。勿論、これに代え、前述のごとく切断手段3でカットされたフィルム片Fをスポット加熱装置4で筒部品Pへ固定してなるフィルム片F付き筒部品Pが得られるようにしてもよい。
【0018】
移送手段6は、フィルム片F付き筒部品Pの製造受具64兼ベルト伝動装置5への橋渡し装置である(図3)。前記基台1の下面側に固着された第二アクチュエータたるエアシリンダ60の第二シリンダ本体61から第二ロッド62が基台上面10と平行にフィルムロール20側へ進退動し、該第二ロッド62先端に受具64の基端が固着される。受具64が基台1の一端面11から離れ、フィルムロール20側へ進出できるようにしている(図3の鎖線)。受具64には、上面が平坦な受具本体65とその先端部位に隆起部66とが設けられる。そして、第二ロッド62の進出状態下、該隆起部66に筒外周面P1側を係止させて該受具本体65に載置した筒部品Pの上方に、前記加熱子43が配設される(図2)。一方、第二ロッド62の退動状態下、受具本体65が前記基台1に当接して、両者の上面65a,10が同一面上となり、且つ該受具本体65の上方に、下方側ベルト部56のベルト下面56aが配されるようにしている(図7)。
【0019】
本実施形態は、また受具本体65に隆起部66から後方へ向けて筒部品Pの筒外径幅を越えた地点に通孔68が設けられ、ストッパ手段7をさらに備える(図3)。ストッパ手段7は、受片75を介して柱FR2に第四アクチュエータたるエアシリンダ70の第四エアシリンダ本体71を固着する。該第四エアシリンダ本体71から上下動する第四ロッド72に接続部材73を介して軸部材74を上下方向に取付ける。第四ロッド72の上動で、軸部材74が通孔68を貫通して受具本体65上に突出し、該軸部材74は、受具本体65上へ投入セットされた筒部品Pが隆起部66に筒外周面P1側を係止させて動かぬようにする(図2の鎖線,図5)。尚、第四ロッド72はフィルム片F付き筒部品Pが得られた時点で下降し、軸部材74が通孔68よりも下がる。
【0020】
図3のように、帯状フィルム21の帯幅方向に筒長方向を合わせた筒部品Pが、図示しない供給装置によって受具本体65に載置される。本実施形態の受具64には、筒部品Pの筒外周面P1が係止される隆起部66のみならず、筒部品Pの両端面P3にあてがわれるサイド堰67が設けられる。隆起部66,サイド堰67によって平面視コ字形部が造られ、受具本体65上のフィルム片F付き筒部品Pは、第二ロッド62の退動状態下、ベルト伝動装置5に係る下方側ベルト部56のベルト下面56aへの円滑移動が可能になっている。
【0021】
ベルト伝動装置5は、前プーリ50,後プーリ51、及び耐熱性ベルト55を備える伝動装置である(図4,図7)。基台1の上面10に対し、下方側ベルト部56のベルト下面56aを前記筒部品Pの筒外径分だけ高い上方位置で且つ平行に配設して、ベルト55が平行掛けされる。前プーリ50と後プーリ51にベルト55が巻回し、且つ減速機付きモータ52のモータ軸52aが後プーリ51に連結して、ベルト55が図7の矢印のように回る。第二ロッド62の退動状態で、受具本体65上の前記フィルム片F付き筒部品Pが、ベルト下面56aと基台上面10との間へ挿入される。ベルト伝動装置5に係るベルト55の動きで筒部品Pが転動し、フィルム片Fが筒部品Pの筒外周面P1に巻付く構成になっている。
【0022】
詳しくは、下方側ベルト部56のベルト下面56aと基台上面10とが平行配設され、両者間に筒部品Pの筒外径分の隙間幅εが確保される。基台端面11よりも前プーリ50真下のベルト下面56aの方がフィルムロール20の在る側に突出する(図7)。そのため、第二ロッド62の退動状態で、受具64が基台端面11に当接し、受具本体65上のフィルム片F付き筒部品Pが、ベルト下面56aに潜り込む。図7のごとく、特に挿入手段等を要せずに、ベルト下面56aと基台上面10との間へフィルム片F付き筒部品Pが挿入される構造で、基台上面10とベルト下面56aの間に挟まれる。減速機付きモータ52の作動で、該フィルム片F付き筒部品Pは、ベルト下面56aの動き(図7の矢印方向)に転動しながら同伴し、図8(イ)の状態から(ロ)の状態、さらに(ハ)の状態へと進む。筒部品Pの筒外周面P1にフィルム片Fが巻付く。そして、次に述べる加熱装置8によって、巻付いたフィルム片Fが筒部品Pに一体化される。
【0023】
加熱装置8は、下方側ベルト部56の上方で、ヒータ81の下面81aが該下方側ベルト部56に近接(又は当接する)ようにして、下方側ベルト部56の移動方向に沿って該ヒータ81を配設する装置になっている(図4)。
本実施形態は、図7,図9のごとく、立板Rに保持具85を取着し、該保持具85の下端に接続部材84を介して連結する吊板83を、水平前方(図7の紙面手前方向)の上下ベルト部56,57間に入り込むよう配設する。そして、該吊板83の下面に固着した軸状部材82で、下面が下方側ベルト部56に近接するように配したヒータ81を吊設する。保持具85は保持具本体86とここから下方に伸びる軸材87とからなる。
前記ベルト伝動装置5と基台1とによって筒部品Pに巻付けられたフィルム片Fは、ヒータ81による熱溶着、及び下方側ベルト部56と基台1との挟着で該筒部品Pに一体化固定する。符号80はヒータ81に組み込まれる熱源80を示す。ヒータ81が下方側ベルト部56を介してフィルム片Fの裏面側接着層Fを加熱し、フィルム片Fを筒部品Pに熱溶着する。筒部品Pの筒外周面P1にフィルム片Fが巻付いた図8(ハ)の状態後、ヒータ81による筒部品Pへのフィルム片Fの熱溶着固定を図るべく、図1,図7の正面視でヒータ81は前プーリ50から少し下流側へ離して設置される。フィルム片Fの全域を熱溶着で筒部品Pに一体固定できるよう、ヒータ81は下方側ベルト部56の移動方向に沿って必要長さ分が確保される。
本実施形態はさらに冷却装置9が設けられる。
【0024】
冷却装置9は、下方側ベルト部56の上方で、放冷体91の下面が該下方側ベルト部56に近接(又は当接する)ようにして、該下方側ベルト部56の移動方向に沿って前記ヒータ81の位置よりも該移動方向下流域にその放冷体91が配設される装置になっている(図4)。該放冷体91で、前記加熱装置8によって温度上昇したフィルム片Fの巻付き一体化筒部品Pを冷却する。
本実施形態は、図4,図9のごとく、立板Rに第二保持具95を取着し、該第二保持具の下端に第二接続部材(図示せず)を介して連結する第二吊板93を、水平前方(図4のロでは紙面手前方向)の上下ベルト部56,57間に入り込むよう配設する。そして、該第二吊板93の下面に固着した第二軸状部材92で、下面が下方側ベルト部56に近接するように配した放冷体91を吊設する。第二保持具95は第二保持具本体96とここから下方に伸びる第二軸材97とからなる。放冷体91はアルミニウム製の矩形ブロック体で、符号90は放冷効果を促進する放冷孔を示す。また、図1の符号CRは制御盤を示す。
【0025】
(2)フィルム片の巻付き一体化筒部品の製造方法
フィルム片の巻付き一体化筒部品の製造方法は、例えば前記巻付け固着製造機を用いて次のように行なわれる。
まず、スポット固定手段4で帯状フィルム21の先端部分21aを筒部品Pへ固定して切断手段3でフィルム片Fにカットしてなるフィルム片付き筒部品Pか、又は該切断手段3でカットされたフィルム片Fに係る一端部F1が該スポット固定手段4で筒部品Pへ固定されてなるフィルム片付き筒部品Pを作製する。次いで、該フィルム片付き筒部品Pを前記ベルト下面56aと前記基台上面10との間へ挿入する。その後、ベルト伝動装置5に係るベルト55の動きで筒部品Pを転動させ、フィルム片Fを筒部品Pの筒外周面P1に巻付けると共に、筒部品Pの筒外周面P1に巻付いたそのフィルム片Fを、前記ヒータ81の加熱による熱溶着で該筒部品に一体化させる。
【0026】
詳しくは、まず、移送手段6の第二ロッド62が進出し、受具64がスポット固定手段4たるスポット加熱装置の加熱子43の真下に配される。この時点では、帯状フィルム21の先端部分21aが補助刃31の所に位置する。
次いで、図示しない供給装置によって筒部品Pが受具本体65上に投入セットされる。これと相前後して、第四ロッド72が上動し、軸部材74が通孔68を貫通し受具本体65上に突き出す。該軸部材74が筒部品Pが隆起部66に筒外周面P1側を係止させて受具本体65に載置,セットされるよう補助する。
【0027】
続いて、モータ26が作動し、送りローラ25が回転して丸ベルト291,292で挟着している帯状フィルム21を繰り出し、その先端部分21aが受具64に載置された筒部品P上に載るまで繰り出す(図2)。この繰り出しで、フィルム供給手段2のフィルムロール20から帯状フィルム21が引き出される。
そして、スポット加熱装置4のロッド42を下降させ且つ加熱子43を加熱して、筒部品P上に載置された帯状フィルム21の先端部分21aを押圧し熱溶着により該先端部分21aを筒部品Pに固定する(図5)。これと同時又はこれに若干遅れて、切断手段3の第三ロッド37が下降して切刃32で帯状フィルム21の先端部からフィルム片Fを切り離す。こうして、受具64上に図6のようなフィルム片F付き筒部品Pを得る。ストッパ手段7の軸部材74はこの時点で下降する。尚、図6で、フィルム片Fの幅を筒部品Pの筒長よりも小さく描くが、フィルム片Fが筒部品Pを覆わない部分k,jは極力小さくする。
【0028】
その後、移動手段の第二ロッド62が退動し、受具本体65に載るフィルム片F付き筒部品Pが、図7のごとくベルト伝動装置5の前プーリ50寄りのベルト下面56aに潜り込む。斯かる状態になってから、ベルト55が同図矢印方向へ動き出し、この動きに伴って筒部品Pが転がる。そうして、該フィルム片Fが筒部品Pの筒外周面P1に巻付く。尚、ガイド板Gが筒部品Pの転がりをガイドする(図3参照)。フィルム片Fが巻き付いた筒部品Pは下方側ベルト部56と基台上面10との間で挟着状態が保たれたまま、加熱装置8の領域へと向かう。さらに、加熱装置8の領域では、筒部品Pの筒外周面P1に巻付いたフィルム片Fがヒータ81の加熱による熱溶着で該筒部品Pに一体化する。ヒータ81の加温は、内層Fが熱溶融して筒部品Pに一体化する一方、外層Fは未だ熱溶融しない温度に設定される。
【0029】
前記熱溶着で筒部品Pにフィルム片Fが巻付き一体化した製品は、ベルト55で次の冷却装置9の場所へ運ばれて冷やされ、所望のフィルム片Fの巻付き一体筒部品Pが完成する(図8のニ)。
図8中、符号Fa1は内層Fが筒部品Pに固着した接着固定層を示す。フィルム片Fの長さが筒部品Pの筒外周長さになるよう設定しており、該筒部品へのフィルム片の巻付き,接合一体化で、その一端部F1と他端部F3とが当接するか、一端部F1の上に他端部F3が溶着される。該フィルム片Fの巻付き一体筒部品Pは、下方側ベルト部56から解放された所で、傾斜面13を下って容器Zに収容される。
後は、前記動作を順次繰り返せば、フィルム片Fの巻付き一体筒部品Pが次々と製造される。これら一連動作は制御盤CRに組み込まれ、自動化されている。
【0030】
(3)効果
このように構成したフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機及びその製造方法は、フィルム片F付き筒部品Pが、ベルト下面56aと基台上面10との間へ挿入されて、ベルト伝動装置5に係るベルト55の動きで筒部品Pが転動し、フィルム片Fが筒部品Pの筒外周面P1に巻付くので、インサート成形でフィルム片Fを金型にセットする苦労から解放される。効率的で且つ生産性に富み、またインサート成形した際に生じるフィルム片Fのシワや浮き上がりといった不具合もない。
そして、フィルム片Fが筒部品Pの筒外周面P1に巻付くと共に、ベルト55と基台1との適度の挟着状態、及びヒータ81の加熱で、筒部品Pの筒外周面P1に巻付いたフィルム片Fが該筒部品Pに熱溶着で一体化するので、筒部品Pの外周面にフィルム片Fを簡単且つ綺麗に巻付け一体化できる。特に、本発明はベルト伝動装置5が多目的機能を発揮し、ベルト55でフィルム片付き筒部品Pを川下へ移動させながら、フィルム片Fを筒部品Pに巻きつける巻付け工程、さらに加熱装置8による溶融を伴わせながら基台1との挟着で該フィルム片Fを筒部品Pへ溶着固定を図る一体化工程等を順次効率的になし、製品の品質向上と共にフィルム片の巻付け固着製造機のコンパクト化を実現する。
【0031】
また、本フィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機及びその製造方法は、第一段階として、帯状フィルム21の先端部分21a又はフィルム片Fの一端部F1を、ヒートシール原理を使ったスポット加熱装置4で筒部品Pに固定すると共に、切断手段3で帯状フィルム21からフィルム片Fを切り離すので、帯状フィルム21からフィルム片F付き筒部品Pを容易に製造できる。
さらに、移送手段6を備えて、第二段階の第二ロッド62の退動状態で、受具本体65が基台1に当接して、両者の上面65a,10が同一面上となり、且つ受具本体65の上方に、下方側ベルト部56のベルト下面56aが配されるようにしているので、ベルト下面56aと基台上面10との間へのフィルム片F付き筒部品Pの挿入が自動化でき、省力化に貢献する。
【0032】
加えて、第二ロッド62の進出状態で、隆起部66に筒外周面P1側を係止させて受具本体65に載置される筒部品P上に、フィルムロール20から間欠移動で繰り出される帯状フィルム21の先端部分21aを載せるようにするフィルム供給手段2を備えると、フィルムロール20の材料供給だけで、筒部品Pからフィルム片Fの巻付き一体筒部品Pを次々と製造できるので、更なる省力化に貢献する。インサート成形する場合に比べ、生産性向上,品質向上等に優れた効果を発揮する。
【0033】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。基台1,フィルム供給手段2,切断手段3,スポット固定手段4,ベルト伝動装置5,移送手段6,ストッパ手段7,加熱装置8,冷却装置9等の形状,大きさ,個数,材料,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
【符号の説明】
【0034】
1 基台
10 上面
2 フィルム供給手段
20 フィルムロール
21 帯状フィルム
21a 帯状フィルムの先端部分(先端部分)
3 切断手段
32 切刃
4 スポット固定手段(スポット加熱装置)
42 ロッド
43 スポット固定具(加熱子)
5 ベルト伝動装置
55 ベルト
56 下方側ベルト部
56a ベルト下面
6 移送手段
61 第二シリンダ
62 第二ロッド
64 受具
65 受具本体
66 隆起部
8 加熱装置
81 ヒータ
F フィルム片
F1 一端部
P 筒部品
P1 外周面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状フィルム(21)の先端部分(21a)から帯状フィルム本体寄りへ戻った地点に切刃(32)を設けて、フィルム片(F)を切取る切断手段(3)と、
上下動するロッド(42)にスポット固定具(43)が設けられ、前記帯状フィルム(21)の先端部分(21a)又は前記フィルム片(F)の一端部(F1)が載置された円筒状筒部品(P)の筒外周面(P1)よりも高い地点から該ロッド(42)を下降させ、そのスポット固定具(43)で該先端部分(21a)又は該一端部(F1)を該筒部品(P)へ固定するスポット固定手段(4)と、
平坦な上面(10)が配設される基台(1)と、
該基台(1)の上面(10)に対し、下方側ベルト部(56)のベルト下面(56a)を前記筒部品(P)の筒外径分だけ高い上方位置で且つ平行に配設して、ベルト(55)が平行掛けされたベルト伝動装置(5)と、
前記下方側ベルト部(56)の上方で、ヒータ(81)の下面が該下方側ベルト部(56)に近接又は当接するようにして、該下方側ベルト部(56)の移動方向に沿って該ヒータ(81)が配設される加熱装置(8)と、を具備し、
該スポット固定手段(4)で帯状フィルム(21)の先端部分(21a)を筒部品(P)へ固定して該切断手段(3)でフィルム片(F)にカットされてなるフィルム片付き筒部品(P)か、又は該切断手段(3)でカットされたフィルム片(F)を該スポット固定手段(4)で筒部品(P)へ固定してなるフィルム片付き筒部品(P)が、前記ベルト下面(56a)と前記基台上面(10)との間へ挿入されて、該ベルト伝動装置(5)に係るベルト(55)の動きで筒部品(P)が転動し、フィルム片(F)が筒部品(P)の筒外周面(P1)に巻付くと共に、筒部品(P)の筒外周面(P1)に巻付いたフィルム片(F)が前記ヒータ(81)の加熱による熱溶着で該筒部品に一体化することを特徴とするフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機。
【請求項2】
前記基台(1)の下面側に固着された第二シリンダ本体(61)から第二ロッド(62)が基台上面(10)と平行に進退動し、該第二ロッド先端に受具(64)の基端が固着された移送手段(6)を、さらに具備し、且つ該受具(64)に上面が平坦な受具本体(65)とその先端部位に隆起部(66)とを設けて、
該第二ロッド(62)の進出状態で、該隆起部(66)に筒外周面(P1)側を係止させて該受具本体(65)に載置した前記筒部品(P)の上方に、前記スポット固定具(43)が配設される一方、該第二ロッド(62)の退動状態で、該受具本体(65)が前記基台(1)に当接して、両者の上面(65a,10)が同一面上となり、且つ該受具本体(65)の上方に、前記下方側ベルト部(56)のベルト下面(56a)が配されるようにした請求項1記載のフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機。
【請求項3】
前記第二ロッド(62)の進出状態で、前記隆起部(66)に筒外周面(P1)側を係止させて前記受具本体(65)に載置される前記筒部品(P)上に、フィルムロール(20)から間欠移動で繰り出される前記帯状フィルム(21)の先端部分(21a)を載せるようにするフィルム供給手段(2)を、さらに具備する請求項2記載のフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造機。
【請求項4】
基台(1)の上面(10)に対し、ベルト(55)が平行掛けされたベルト伝動装置(5)に係る下方側ベルト部(56)のベルト下面(56a)を筒部品(P)の筒外径分だけ高い上方位置で且つ平行に配設し、さらに、該下方側ベルト部(56)の上方で、加熱装置(8)に係るヒータ(81)の下面が該下方側ベルト部(56)に近接又は当接するようにして、該下方側ベルト部(56)の移動方向に沿って該ヒータ(81)を配設し、
スポット固定手段(4)で帯状フィルム(21)の先端部分(21a)を筒部品(P)へ固定して切断手段(3)でフィルム片(F)にカットしてなるフィルム片付き筒部品(P)か、又は該切断手段(3)でカットされたフィルム片(F)に係る一端部(F1)が該スポット固定手段(4)で筒部品(P)へ固定されてなるフィルム片付き筒部品(P)を作製し、次いで、該フィルム片付き筒部品(P)を前記ベルト下面(56a)と前記基台上面(10)との間へ挿入し、その後、該ベルト伝動装置(5)に係るベルト(55)の動きで筒部品(P)を転動させ、該フィルム片(F)を筒部品(P)の筒外周面(P1)に巻付けると共に、筒部品(P)の筒外周面(P1)に巻付いたそのフィルム片(F)を、前記ヒータ(81)の加熱による熱溶着で該筒部品に一体化させることを特徴とするフィルム片の巻付き一体化筒部品の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−179885(P2012−179885A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46106(P2011−46106)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(393008511)小倉工業株式会社 (8)
【出願人】(000143880)株式会社細川洋行 (130)
【Fターム(参考)】