説明

フェニルオキシアニリン誘導体類

本発明は、フェニルオキシアニリン誘導体類、それらの生成方法、及びそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェニルオキシアニリン誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
末梢ベンゾジアゼピン受容体(PBR)は、ほとんどの器官において発現され、そしてその発現は、中枢神経(CNS)の免疫細胞として作用する最小型のグリア細胞である、脳における活性化された小膠細胞であることが報告されている。小膠細胞は、マクロファージ及び樹状突起細胞を包含する他の食細胞に関連する。小膠細胞は、神経系の保護において多くの重要な役割を演じる高い移動性の細胞であると思われる。それらはまた、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病、痴呆症、多発生硬化症及び筋萎縮性外側硬化症において役割を演じると思われる。小膠細胞は傷害に対して炎症反応を生成するために応答する(J. Neuroinflammation, 2004, Jul 30;l(l):14.)。PK11195のC-11異性体ラベルされたバージョン(1)は、神経炎症及びPBRのインビボイメージングのために広く使用されてきたが、しかし脳におけるそのシグナルは安定した定量的分析のためには十分に高くなかった:
【0003】
【化1】

【0004】
さらに、PBRの可視化のための[11C]DAA1106 (2) (例えば Eur J Pharmacol. 1999 Apr 29;371(2-3): 197-204 and Life Sci. 1999;64(16): 1455-64) 及び[18F]フルオロエチル-DAA1106 (3) (例えばJ. Nucl. Med., (2006), 47, 43- 50)のような卓越した陽電子−放射性リガンドの開発が可能であることが示されている。化合物2及び3は、[11C]PK11195(1)よりも、PBRに対して高い結合親和性及び脳における高い蓄積を有する:
【0005】
【化2】

【0006】
化合物2の非放射性バージョンは、WO99/006353号に関連する特許グループにより請求されており、そして化合物3は、アメリカ特許第6,870,069号に関連する特許グループにより請求されている。
【0007】
化合物3は、スキーム1に示されているように、[18F]−1−ブロモ−2−フルオロ−エタン(5)によるフェノールDAA1123(4)のアルキル化反応により合成され得る。この反応の欠点は、試薬[18F]−1−ブロモ−2−フルオロ−エタン(5)が、フェノールアルキル化(4→3)の前、トリフルオロメタンスルホンサウレ−2−ブロモ−エチルエステル(6)から合成されるべきであることである。18F異性体はわずか111分の半減期を有する事実のために、ちょうど良い時点で[18F]−1−ブロモ−2−フルオロ−エタン(5)を生成し、そして良好な収率で、続くアルキル化を実施することが要求される。スキーム1に示されるこの連続2段階についての全体の放射性化学収率は、通常10%よりも低い。
【0008】
【化3】

【0009】
1段階方法での18Fラベリングにより、トシレート7から出発して、化合物3を直接的に合成する試みが行われて来た(J. Med. Chem., (2004), 2228)。この反応は、80℃〜120℃で実施された。しかしながら、放射性化学収率は再現できなかった(2%〜60%)。さらに、反応混合物からの[18F]−(3)の精製はしばしば、標的物及び反応に起因する多くの不純物が効率を非常に低めるので、困難であった(J. Med. Chem., (2004), 2228)。
【0010】
【化4】

【0011】
化合物7が、市販されている1,2−ビス−トシルオキシ−エタンのアルキル化により4から調製され得ることは文献(Biorg. Med. Chem., (2004), 12, 423)から知られている(スキーム3を参照のこと)。
【0012】
【化5】

【0013】
化合物4は、触媒性水素化により、ベンジルエーテル8から調製される(スキーム4を参照のこと)。
【0014】
【化6】

【0015】
ベンジルエーテル8は、ニトロ化合物9及びアルデヒド10からのワンポット反応により調製される(スキーム5を参照のこと)。
【0016】
【化7】

【0017】
ニトロ化合物9は、求核性芳香族置換反応により、ジフルオリド(11)及びフェノールから合成される。化合物10は、フェノール12及び臭化ベンジルから調製される(スキーム6を参照のこと)。
【0018】
【化8】

【0019】
放射性化学のニ段階方法においてよりもわずか一段階での方法による18F-(3)の合成のための実験的及び十分な技法を有することが有用であろう。副生成物のプロフィールは、所望する生成物18F-(3)が容易に精製され得るためには十分に単純である必要がある。さらに、18F-(3)への1段階ラベリングを可能にする、化合物及び中間体への便利な合成路を有することが有用であろう。
【発明の概要】
【0020】
本発明は、式Iの新規化合物を供給する。
本発明は、式IIの新規化合物を供給する。
本発明はさらに、N−(5−フルオロ−2−フェノキシフェニル)−N−(5−メトキシ−2−(2−トシルオキシ−エトキシ)−ベンジル)アセトアミド(7)及び式I又はIIにより表される化合物の新規調製方法を提供する。
本発明はさらに、N−(5−フルオロ−2−フェノキシフェニル)−N−(2−(2−[18F]フルオロエトキシ)−5−メトキシベンジル)アセトアミド(3)の新規調製方法を提供する。
【0021】
第1の観点においては、本発明は、下記式I:
【化9】

【0022】
[式中、Rは、個々に、
a)-OS(O)2-L、
b)クロロ、
c)ブロモ、又は
d)ヨードである]
で表される化合物に向けられる。
【0023】
式Iの化合物の好ましい態様においては、
Rは、
a)−OS(O)2-L、
b)ブロモ、又は
c)クロロである。
【0024】
式Iの化合物のさらに好ましい態様においては、
Rは、
a)−OS(O)2-L又は
b)ブロモである。
【0025】
Lは、
a)枝分かれ鎖及び枝なしのアルキル、
b)ペルハロアルキル、
c)アラルキル、
d)アルキル−フェニル、
e)(ジ−アルキル)−フェニル、
f)(トリ−アルキル)−フェニル
g)(アルコキシ−フェニル)、
h)(ニトロ−フェニル)、
i)(ハロ−フェニル)、
j)ナフチル、又は
k)ヘテロアリールであり、但しLは(パラ−メチル)−フェニルではない。
【0026】
式Iの化合物の好ましい態様においては、
Lは、
a)メチル、
b)トリフルオロメチル、
c)ノナフルオロブチル、
d)(ニトロ−フェニル)、
e)(ハロ−フェニル)、
f)C1−C6アルキルフェニル、又は
g)(2,4,6−Cl−C6トリアルキル)フェニルであり、但しLは(パラ−メチル)−フェニルではない。
【0027】
式Iの化合物のさらに好ましい態様においては、
Lは、
a)メチル、
b)トリフルオロメチル、又は
c)ノナフルオロブチルである。
【0028】
式Iの好ましい一連の化合物は、下記構造:
【化10】

【0029】
を有するメシルオキシ及びブロモ誘導体を包含する。
第2の観点においては、本発明は、式Iの化合物の可能性ある出発材料である下記式II:
【0030】
【化11】

【0031】
[式中、Aは、
a) 水素、
b) SiR13
c) CH2-G 、
d) C(O)-Q 、
e) C(O)O-E 、
f) -(R2-フェニル) 、
g) -((R2)2-フェニル)、
h) テトラヒドロピラニル、
i) (l-アルコキシ)-アルキル、
j) (l-アルコキシ)-シクロアルキル、
k) アリル、又は
1) tert-ブチルである]で表される化合物に向けられる。
【0032】
式II化合物の好ましい態様においては、
Aは、
a) 水素、
b) SiR13
c) CH2-G 、
d) テトラヒドロピラニル、
e) アリル 、又は
f) tert-ブチルである。
【0033】
式II化合物のさらに好ましい態様においては、
Aは、
a) 水素、
b) SiR13
c) CH2-G 、
d) テトラヒドロピラニル、又は
e) tert-ブチルである。
【0034】
Gは、
a) フェニル、
b) アルコキシ 、
c) ジメトキシフェニル 、
d) ニトロフェニル、
e) ハロフェニル 、
f) ジ-ハロフェニル、
g) シアノフェニル、
h) p-ビフェニル、
i) アシルアミノフェニル 、
j) トリフェニル 、
k) (メトキシフェニル) フェニル、
1) ジ(メトキシフェニル) フェニル、
m) α-ナフチルジフェニル、又は
n) 水素である。
【0035】
式II化合物の好ましい態様においては、
Gは、
a) フェニル、
b) メトキシ 、
c) p−メトキシフェニル 、
d) p−ニトロフェニル、
e) p−クロロフェニル 、又は
f) トリフェニルである。
【0036】
式II化合物のさらに好ましい態様においては、
Gは、
a) フェニル、
b) メトキシ 、又は
c) p−メトキシフェニルである。
Qは、
a) 水素 、
b) C1-C5枝分かれ鎖及び枝なしのアルキル、
c) ハロメチル、
d) ジハロメチル、
e) トリハロメチル、
f) フェニル、
g) ビフェニル、
h) トリフェニルメトキシメチル、又は
i) フェノキシメチルである。
【0037】
式II化合物の好ましい態様においては、
Qは、
a) 水素、
b) メチル 、
c) フェニル、又は
d) フェノキシメチルである。
【0038】
式II化合物のさらに好ましい態様においては、
Qは、
a) メチル、又は
b) フェニルである。
【0039】
Eは、
a) 低級枝分かれ鎖及び枝なしのアルキル、
b) メトキシメチル、
c) ビニル、
d) アリル、
e) ベンジル、
f) メトキシフェニル、
g) ジメトキシフェニル、又は
h) ニトロフェニルである。
【0040】
式II化合物の好ましい態様においては、
Eは、
a) メチル、
b) tert−ブチル 、
c) メトキシメチル、又は
d) フェニルである。
【0041】
式II化合物のさらに好ましい態様においては、
Eは、お互い独立して、
a) メチル、
b) tert−ブチル 、又は
c) フェニルである。
【0042】
R1は、お互い独立して、
a) 低級枝分かれ鎖及び枝なしのアルキル、
b) フェニル、又は
c) ベンジルである。
【0043】
式II化合物の好ましい態様においては、
R1は、お互い独立して、
a) メチル、
b) エチル 、
c) イソプロピル、
d) tert−ブチル、
e) フェニル、又は
f) ベンジルである。
【0044】
式II化合物のさらに好ましい態様においては、
R1は、お互い独立して、
a) メチル、
b) エチル、
c) イソプロピル、
d) tert−ブチル、及び
e) フェニルである。
【0045】
R2は、お互い独立して、
a) メトキシ、
b) ニトロ、
c) ハロ、又は
d) シアノである。
【0046】
式II化合物の好ましい態様においては、
R2は、お互い独立して、
a) メトキシ、
b) ニトロ 、又は
c) クロロである。
【0047】
式II化合物のさらに好ましい態様においては、
R2は、お互い独立して、
a) メトキシ、又は
b) ニトロである。
【0048】
式IIの好ましい一連の化合物は、次の構造を有する誘導体を包含する:
【化12】

【発明を実施するための形態】
【0049】
本明細書及び請求の範囲において使用される場合、特にことわらない限り、用語“枝なしの又は枝分かれ鎖の低級アルキル”とは、次の意味を有するであろう:炭素及び水素から実質的に成り、不飽和を含まず、そして1〜8個の炭素原子を有する置換された又は置換されていない、直鎖又は枝分かれ鎖の一価又は二価の基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、n−ヘプチル及び同様のもの。
【0050】
用語“アリール”とは、単独で又は他の基の一部として、本明細書において使用される場合、環部分に6〜12個の炭素、好ましくは環部分に6〜10個の炭素を含む、単環又は二環式芳香族基、例えばフェニル、ナフチル又はテトラヒドロナフチルを言及する。
【0051】
用語“ヘテロアリール”とは、本明細書において使用される場合、4〜14個の環原子;環配列において供給する、6,10又は14個のπ電子;及び炭素原子及び1,2,3又は4個の酸素、窒素又は硫黄へテロ原子を有する基を言及する(ここでヘテロアリール基の例は次のものである:チエニル、 ベンゾ[b]チエニル、 ナフト[2、3-b]チエニル、 チアンテレニル、 フリル、 ピラニル、 イソベンゾフラニル、 ベンゾキサゾリル、 クロメニル、 キサンテニル、 フェノキサチイニル、 2H-ピロリル、 ピロリル、 イミダゾリル、 ピラゾリル、 ピリジル、 ピラジニル、 ピリミジニル、 ピリダジニル、 インドリジニル、 イソインドリル、 3H-インドリル、 インドリル、 インダゾリル、 プリニル、 4H-キノリジニル、 イソキノリル、 キノリル、フタラジニル、 ナフチリジニル、 キナゾリニル、 シンノリニル、 プテリジニル、 4aH-カルバゾリル、カルバゾリル、 カルボニリル、 フェナントリジニル、 アクリジニル、 ペリミジニル、 フェナントロリニル、 フェナジニル、 イソチアゾリル、 フェノチアジニル、 イソキサゾリル、 フラザニル 及びフェノキサジニル基)。
【0052】
異性体中心のキラル中心又は他の形が本発明の式I又はIIの化合物に存在する場合、そのような異性体、例えば鏡像異性体及びジアステレオマーのすべての形が本明細書において包含される。キラル中心を含む化合物は、ラセミ混合物として、又は鏡像異性体的に富化された混合物として使用され得、又はラセミ混合物は良く知られている技法を用いて分離され得、そして個々の鏡像異性体は単独で使用され得る。化合物が不飽和の炭素−炭素ニ重結合を有する場合、シス−異性体及びトランス−異性体の両者は本発明の範囲内である。化合物が互変異体形、例えばケト−エノール互変異体形で存在する場合、個々の互異性体形は、均衡に又は優先的に1つの形で存在しても、本発明内に包含されるものとして企画される。
【0053】
第3の観点においては、本発明は、
a)下記式III :
【化13】

【0054】
[式中、Xは、
a)ニトロ、又は
b)アミノである]で表される化合物を、下記式IV:
【0055】
【化14】

【0056】
[式中、Zは独立して、
a)R、
b)トシルオキシ、又は
c)O-Aを含んで成る群から選択され、そして
R及びAは、上記に定義された通りである]で表されるアルデヒドにより、還元的にN−アルキル化し、そして続いてN−アセチル化するか;あるいは
【0057】
b)下記式V:
【化15】

【0058】
で表されるアニリンを、下記式VI:
【化16】

【0059】
[式中、Zは独立して、
a)R、
b)トシルオキシ、又は
c)O-Aを含んで成る群から選択され、そして
R及びAは、上記に定義された通りである]で表される求電子試薬によりN−アルキル化し、そして続いてN−アセチル化するか;あるいは
【0060】
c)下記式4:
【化17】

【0061】
で表されるフェノール4を、下記式VII :
【化18】

【0062】
[式中、Zは独立して、
a)R、
b)トシルオキシ、又は
c)O-Aを含んで成る群から選択され、そして
R及びAは、上記に定義された通りである]
で表される求電子試薬によりアルキル化するか;あるいは
【0063】
d)下記式VIII:
【化19】

【0064】
で表される化合物を、式VIの求電子試薬によりN−アルキル化することにより特徴づけられる、N−(5−フルオロ−2−フェノキシフェニル)−N−(5−メトキシ−2−トシルオキシエトキシベンジル)アセトアミド(7)、又は式I又はIIにより表される化合物の調製方法に向けられる。
【0065】
式VII の化合物の好ましい態様においては、
Zは、
a) メタンスルホニルオキシ、
b) トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
c) ノナフルオロブタンスルホニルオキシ、
d) トシルオキシ、
e) ブロモ、又は
f) O-Aであり、ここでAは、上記に定義された通りである。
【0066】
式VII の化合物のさらに好ましい態様においては、
Zは、
a) メタンスルホニルオキシ、
b) トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
c) ノナフルオロブタンスルホニルオキシ、
d) トシルオキシ、
e) ブロモ、
f) ヒドロキシ、
g) (tert-ブチルジメチル) シリルオキシ、
h) (トリイソプロピル) シリルオキシ、
i) フェニル、
j) テトラヒドロピラニル、又は
k) tert-ブチルである。
【0067】
式VII の化合物のさらに好ましい態様においては、
Zは、
a) メタンスルホニルオキシ、
b) トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
c) ノナフルオロブタンスルホニルオキシ、
d) トシルオキシ、
e) ブロモ、
f) ヒドロキシル、
g) (tert-ブチルジメチル) シリルオキシ、
h) (トリイソプロピル) シリルオキシ、
ii) (フェニル-メチル)オキシ、
jj) (2-テトラヒドロピラニル)オキシ、及び
kk) tert-ブチルオキシである。
【0068】
R3は、
a)R、又は
b)トシルオキシであり、ここでRは上記に定義される通りである。
式VIの化合物の好ましい態様においては、
R3
a)Rであり、ここでRは上記に定義された通りである。
【0069】
化合物7、又は式I及びIIの化合物を形成するための上記方法は、スキーム4及び6に示されるように、及びBiorg. Med. Chem., (2004), 12,423に報告されるように、面倒な保護基手段を回避する。この言及される出版物においては、フェノールの保護“ベンジル”は、比較的短い配列内に配置され、そして保護解除されるべきである。本発明の第3の観点は、後での放射性弗素化反応のための適合された前躯体を合成するためのより類似するアプローチを提供する。
【0070】
本発明の第4の観点は、わずか1つの放射性化学段階における化合物7又は式Iの化合物の求核性18F放射性弗素化により特徴づけられる、化合物3の調製方法に向けられる。公開されている1段階18Fラベリング方法(J. Med. Chem., (2004), 2228)に比較して、本発明の第4の観点は、費用がかかり、又は分離するのに困難である不都合な量の副生成物を生成しないで、N−(5−フルオロ−2-フェノキシフェニル)−N−(2−(2−[18F]フルオロエトキシ)−5−メトキシベンジル)アセトアミド(3)への18F弗素化を可能にする、追加の出発材料及び/又は新規パラメーターを提供する。
【0071】
本発明は、
a)121℃〜160℃の範囲の温度で、及び任意には、酸の続く使用により反応される、化合物7及び18Fアニオン、又は
b)50℃〜160℃の範囲の温度で反応される、式Iの化合物及び18Fアニオンにより表される出発材料の使用により特徴づけられるN−(5−フルオロ−2-フェノキシフェニル)−N−(2−(2−[18F]フルオロエトキシ)−5−メトキシベンジル)アセトアミド(3)への求核性18F放射性弗素化のためのアプローチを含んで成る。
【0072】
N−(5−フルオロ−2-フェノキシフェニル)−N−(2−(2−[18F]フルオロエトキシ)−5−メトキシベンジル)アセトアミド(3)への18F放射性弗素化の好ましい態様においては、反応は、
a)121℃〜160℃の範囲の温度で、及び任意には、0.5N〜6Nの濃度を有する鉱酸の続く使用により反応される、化合物7及び18Fアニオン、又は
b)75℃〜150℃の範囲の温度で反応される、式Iの化合物及び18Fアニオンにより表される出発材料の使用により特徴づけられる。
【0073】
N−(5−フルオロ−2-フェノキシフェニル)−N−(2−(2−[18F]フルオロエトキシ)−5−メトキシベンジル)アセトアミド(3)への18F放射性弗素化のさらに好ましい態様においては、反応は、
a)121℃〜160℃の範囲の温度で、及び任意には、2N〜6Nの濃度を有する鉱酸の続く使用により反応される、化合物7及び18Fアニオン、又は
b)85℃〜140℃の範囲の温度で反応される、式Iの化合物及び18Fアニオンにより表される出発材料の使用により特徴づけられる。
【0074】
本発明の目的はまた、下記式(3):
【化20】

【0075】
で表される化合物の調製方法であって、
a)下記式(7):
【0076】
【化21】

【0077】
で表される化合物と、18Fアニオンとを、121℃〜160℃の範囲の温度で反応せしめ、そして任意には、化合物3を得た後、酸を添加するか;あるいは
b)請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iの化合物と、18Fアニオンとを、50℃〜160℃の範囲の温度で反応せしめることにより特徴づけられる方法により解決される。
【0078】
1つの態様においては、
a)化合物7と、18Fアニオンとを、121℃〜150℃の範囲の温度で反応し、そして任意には、化合物3の入手後、0.5N〜6Nの範囲の濃度を有する、少なくとも1つの鉱酸を添加するか;あるいは
b)式Iの化合物と、18Fアニオンとを、75℃〜150℃の範囲の温度で反応する。
【0079】
好ましくは、
a)化合物7と、18Fアニオンとを、121℃〜140℃の範囲の温度で反応し、そして任意には、化合物3の入手後、2N〜6Nの範囲の濃度を有する、少なくとも1つの鉱酸を添加するか;あるいは
b)式Iの化合物と、18Fアニオンとを、85℃〜140℃の範囲の温度で反応する。
【0080】
1つの態様のおいては、反応a)及びb)のそれぞれにおいて、18Fアニオンとの反応が、1〜60、好ましくは5〜50分、より好ましくは10〜40分の間、行われる。
本発明の目的はまた、好ましくは請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iの化合物、及び医薬的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を含んで成る組成物によっても解決される。
本発明の目的はさらに、好ましくは、請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iの化合物を含む、より好ましくは予定された量の前記化合物を含む密封されたバイアルを含んで成るキットによって解決される。
【0081】
本発明の目的はさらに、医薬剤としての使用のためへの請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iの化合物により解決される。
本発明の目的はさらに、診断用イメージング剤の製造のためへの請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iの化合物の使用により解決され、ここで好ましくは、前記診断イメージン剤は、中枢神経系の疾患を映像化するためである。
【0082】
用語“酸”とは本明細書において使用される場合、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:鉱酸、例えば塩酸、臭酸、葉酸、過塩素酸、リン酸、炭酸、硝酸 又は硫酸、又は適切な有機酸、例えば脂肪族、脂環式、芳香族、脂芳香族(araliphatic)、複素環式、カルボン酸 及びスルホン酸、例えば蟻酸、酢酸トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、琥珀酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、ピルビン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、フマル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンンボン酸(embonic)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸(phantothenic)、トルエンスルホン酸及びスルファニル酸。
【0083】
化合物3の調製方法に関して、用語“0.5N〜6Nの範囲の濃度を有する少なくとも1つの鉱酸”が使用される場合、これは、少なくとも1つの鉱酸が示される範囲の濃度を有する、1つのシナリオを意味する。しかしながら、この用語はまた、1つよりも多くの鉱酸、例えばいくつかの鉱酸の混合物が使用され、そして合計の酸濃度、すなわちすべての個々の鉱酸濃度の合計が0.5N〜6Nの示される範囲にあるシナリオを包含するものとして理解されるべきである。
【0084】
18Fアニオンの供給は、当業者に知られており、そして1つの態様におては、塩基が、炭酸カリウム又はテトラアルキルアンモニウムカーボネートの形で添加される水性H18Fを供給することにより達成される。水性H18Fは、シンクロトロンから得られる。
放射性弗素化が、所望する生成物の困難な精製を回避するために、できるだけ少ない副生成物を引起すことが重要である。
【0085】
スキーム7aに示されるように、式Iの化合物、例えば化合物13は、放射性弗素化され、所望する生成物3が得られる(図1aを参照のこと)。前記反応は、化合物7がいずれかの温度で3に転換される反応に比較して、より少ない非放射性副生成物(図1bを参照のこと)を引起す(例えば、図2bと3b及び4bとを比較せよ)。出発材料としての化合物7は、また驚くべきことには、温度が120℃以上である場合、18Fアニオンによる処理により、放射性弗素化に関する副生成物の改良されたプロフィールを示す(図7bと4bとを比較せよ)。式Iの化合物と化合物7との求核性放射性弗素化反応を比較する場合、式Iの化合物の放射性弗素化がすべての温度で行われ得ることは明白である(例えば、図5a及び5bを参照のこと)。
【0086】
放射性弗素化反応は例えば、当業者に知られている典型的反応容器(例えば、Wheatonバイアル)、又はマイクロリアクターにおいて実施され得る。前記反応は、典型的な方法、例えば油浴、加熱ブロック又はマイクロウェーブにより加熱され得る。さらに、化合物3の方への化合物7又は式Iの化合物の放射性弗素化が行われた後、粗生成物又は反応混合物に酸を添加することが有用である。酸による処理は、驚くべきことには、副生成物の改良されたプロフィールを導くことができる。
【0087】
放射性弗素化反応は、塩基としての炭酸カリウム及びクラウン−エーテルとしての“kryptofix”と共にジメチルホルムアミドにおいて実施される。しかしまた、当業者に良く知られている他の溶媒も使用され得る。それらの可能性ある条件は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:溶媒としてのジメチルスルホキシド及びアセトニトリル、及び塩基としてのテトラアルキルアンモニウム及びテトラアルキルホスホリウムカーボネート、水及び/又はアルコールは、補助溶媒として、そのような反応に包含され得る。放射性弗素化反応は、1〜60分間、行われる。好ましい反応時間は、5〜50分である。さらなる好ましい反応時間は、10〜40分である。
【0088】
【化22】

【表1】

【0089】
【表2】

【0090】
スキーム8は、式IIの化合物を通して式Iの化合物を形成するための合成路の例を示す。
【0091】
【化23】

【0092】
化合物4(J. Med. Chem.; 47; 9; (2004); 2228 - 2235)が、例えばジメチルホルムアミド中、ベンジル保護されたブロモエタノール((Bioorg. Med. Chem. Lett.; 15; 22; (2005); 4989 - 4993)、炭酸カリウム及びヨウ化ナトリウムの使用によりアルキル化され、エーテル15が得られる。しかしまた、他の塩基、例えば炭酸セシウム又はナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化テトラアルキル、水素化ナトリウム及び他の溶媒、例えばアセトン、テトラヒドロフラン(結局、水と共に混合される)が可能であるが、但しそれらだけには限定されない。適切な反応条件は、例えば炭素上パラジウム及びイソプロパノールである。
【0093】
保護解除のこの種類の反応のための他の可能性ある試薬及び溶媒は、当業者に知られており、そしてT. Greene, "Protective Groups in Organic Synthesis", Wiley & Sons, 1999に列挙されている。次に、得られるアルコール13は、例えば塩化メシル、トリエチルアミン及びジクロロメタンの使用により化合物16に転換される。他の可能性ある溶媒及び塩基は、ジクロロエタン、エーテル、酢酸エチル、ジイソプロピルエチルアミン、DABCO、等であるが、但しそれらだけには限定されない。
【0094】
スキーム9は、式Iの化合物を形成するための合成路のもう1つの例を示す。
【化24】

【0095】
フェノール4は、ジメチルホルムアミド中、1,2−ビス−メタンスルホニルオキシ−エタン(J. Med. Chem.; 47; 17; (2004); 4300 - 4315)、炭酸カリウム、及びヨウ化ナトリウムの使用によりアルキル化され、メシレート13が得られる。しかしまた、他の塩基、例えば炭酸セシウム又はナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化テトラアルキル、水素化ナトリウム及び他の溶媒、例えばアセトン、テトラヒドロフラン(結局、水と共に混合される)が可能であるが、但しそれらだけには限定されない。
【0096】
スキーム10は、式III の化合物を通して、式Iの化合物を形成する還元的N−アルキル化のための合成路のもう1つの例を示す:
【0097】
【化25】

【0098】
ニトロ−化合物9が、その対応するアニリン18に還元される。この反応のための可能な還元剤は、炭素上パラジウムと共に水素である。アニリン18は、ジクロロメタン中、トリス−アセトキシ硼水素化ナトリウム及びアルデヒド21による還元性アミノ化反応、及び無水酢酸による続くアセチル化により転換され、アセチル化された第ニアニリン22が得られる。次の他の有用な還元剤は当業者に良く知られている:メタノール又は水素中、ナトリウムシアノ硼水素化物及び不均質触媒(例えば、炭素上パラジウム(Bioorg. Med. Chem. Lett.; 15; 22; 2005; 4989 - 4993)又は酸化白金)、塩化ジブチル錫及びフェニルシラン(Org. Lett.; 25; 2005; 5653 - 5656)。メタノール中、トシル酸による酸性条件下でのテトラヒドロピラニルエーテル22の保護解除は、アルコール16をもたらした。続く化合物13へのメシル化はスキーム8にすでに記載されている。
【0099】
スキーム11は、式III の化合物及び式Vのアルデヒドの還元性N−アルキル化を通して、式Iの化合物を形成するためのもう1つの合成路を示す。
【0100】
【化26】

【0101】
アニリン18(式Vの化合物)が、ジクロロメタン中、トリス−アセトキシナトリウム硼水素化物及び酢酸及びアルデヒド23による還元性アミノ化反応、及び例えば無水酢酸による続くアセチル化において転換され、アセチル化された第ニアニリン13が得られる。次の他の有用な還元剤は当業者に良く知られている:メタノール又は水素中、ナトリウムシアノ硼水素化物及び不均質触媒(例えば、炭素上パラジウム(Bioorg. Med. Chem. Lett.; 15; 22; 2005; 4989 - 4993)又は酸化白金)、塩化ジブチル錫及びフェニルシラン(Org. Lett.; 25; 2005; 5653 - 5656)。
【0102】
アルデヒド23は、炭酸カリウムの使用により、及びジメチルホルムアミド中、市販のフェノール19及び1,2−ビス−メタンスルホニルオキシ−エタン(J. Med. Chem.; 47; 17; (2004); 4300 - 4315)とのアルキル化反応において調製される。しかしまた、他の塩基、例えば炭酸セシウム又はナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化テトラアルキル、水素化ナトリウム及び他の溶媒、例えばアセトン、テトラヒドロフラン(結局、水と共に混合される)が可能であるが、但しそれらだけには限定されない。
【0103】
スキーム12は、式III の化合物及び第Vのアルデヒドの還元性N−アルキル化を通して化合物7を形成するための非常に類似する合成路を示す。
【0104】
【化27】

【0105】
スキーム13は、式IIの化合物から第Iの化合物を形成するためのもう1つの合成路を示し、そしてブロミド25は、化合物3の方への求核性18F−放射性弗素化反応のための前駆体(出発材料)として適切である。
【0106】
【化28】

【0107】
アルコール16は、当業者に良く知られている方法により、その対応するブロミド25に転換される。例えば、アルコール16は、ジクロロメタン中、トリフェニルホスフィン及びテトラブロモメタンにより処理され、ブロミド25が得られる。
スキーム14は、式Vの化合物及び式VIの求電子試薬の使用及び続くN−アセチル化により、式I又はIIの化合物を形成するための合成路を示す。
【0108】
【化29】

【0109】
アニリン18が、ビス−メシレート24によりアルキル化される。アルキル化は、より活性化されたベンジル脱離基のために高い選択性である。無水酢酸、又は当業者により良く知られている他のアセチル化剤による続くN−アセチル化が化合物13をもたらした。ビス−メシレート24は、当業者に良く知れている典型的な方法によるビス−アルコール26のメシル化反応の生成物である。ビス−アルコール(26)は、2位置で脱離基を有する、2−クロロ−エタノール又はもう1つの2−置換されたエタノール誘導体により、フェノール25(Rarechem)から調製され得る(例えば、2−ブロモ−エタノール;Farmaco Ed. Sci.; 14; (1959); 159, 170 及び Tetrahedron; 59; 29; 2003; 5457 - 5468)。
【0110】
スキーム15は、式VIIIの化合物及び式VIの求電子試薬の使用により、式I及びIIの化合物を形成するための合成路を示す。
【0111】
【化30】

【0112】
化合物18が、無水酢酸及びピリジンを用いて、標準方法によりアセチル化される。化合物25のフェノール官能基が、塩基として炭酸セシウム及び溶媒としてDMFを用いて、ブロミド28によりアルキル化される(J. Med. Chem.; 47; 25; 2004; 6124 - 6127)。また、他の塩基/溶媒の組合せ、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルが可能であるが、但しそれらだけには制限されない。ベンジルアルコール29は、テトラヒドロフラン中、テトラブロモメタン及びトリフェニルホスフィンによる“Appel反応”により化合物30に臭素化される。アミド27は、THF中、水素化ナトリウムにより脱プロトン化され、そしてブロミド30により置換され、化合物31が得られる。シリルエーテル31が、例えばテトラヒドロフラン中、酸又はフルオリドアニオンのいずれかを用いて、化合物16(スキーム8)の方に保護解除され得る(例えば、J. Am. Chem. Soc; 128; 13; 2006; 4356 - 4364に類似する)。
【0113】
実験部分
一般方法A(O−保護された2−ブロモエタノールによるフェノール誘導体のアルキル化):
60mlの無水DMF中、フェノール誘導体(30mモル)の溶液に、35mモルの炭酸セシウムを0℃で添加した。反応混合物を30分間、撹拌した。35mモルのO−保護された2−ブロモ−エタノールを、10mlのDMFに少しづつ溶解する。反応混合物を室温で10〜16時間、撹拌する。溶媒を蒸発し、そして残留物を酢酸エチル及び水により希釈する。有機相を分離する。水性相を酢酸エチルにより3度、抽出する。組合された有機相は、ブラインにより洗浄され、硫酸マグネシウム上で乾燥され、そして蒸発された。残渣は、グラジエントとして酢酸エチル/ヘキサン溶媒混合物を用いて、シリカクロマトグラフィーにより精製された。
【0114】
一般方法B(その対応するブロミドの方へのベンジルアルコール誘導体のAppel反応):
ベンジルアルコール誘導体(20mモル)、PPh3(30mモル)及びCH2Cl2(500ml)の0℃に冷却された溶液に、CBr4(30mモル)を少しずつ添加した。氷浴を除き、そしてその溶液を一晩、撹拌した。シリカゲルを、前記混合物に添加し、そして溶媒を真空下で除去した。
【0115】
一般方法C(N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−アセトアミドのアルキル化):
200mlの無水THF中、12mモルの水素化ナトリウムの懸濁液に、5mlの無水THFに溶解された10mモルのN−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−アセトアミドを0℃で滴下した。その反応混合物を室温で30分間、撹拌した。12mモルの臭化物を、5mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、そして反応混合物に0℃で滴下した。その反応混合物を4時間、還流した。その混合物を室温に冷却し、そして激しく撹拌されたジエチルエーテル−水混合物上に注いだ。有機相を分離した。水性相を、酢酸エチルにより3度、抽出した。組合された有機相を、ブラインにより洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。残渣を、グラジエントとして酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いて、シリカクロマグラフィーにより精製する。
【0116】
一般方法D(酸感受性ヒドロキシル保護基の酸性保護解除):
5mlのジオキサン中、3mモルのヒドロキシル保護された化合物の溶液に、ジオキサン(Aldrich)中、4NのHCl溶液3mlを0℃で滴下する。その反応混合物を40℃で6時間、撹拌する。ジエチルエーテル及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液を0℃で添加する。ニ相混合物を20分間、激しく撹拌する。有機相を分離する。水性相を酢酸エチルにより3度、抽出する。組合された有機相を、ブラインにより洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発する。残渣を、グラジエントとして酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いて、シリカクロマトグラフィーにより精製する。
【実施例】
【0117】
例1
a)5−メトキシ−2−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−ベンズアルデヒド(1a)の合成
0℃での350mlのDMF中、15.2g(100mモル)の2−ヒドロキシ−5−メトキシ−ベンズアルデヒド及び42.4g(130mモル)の炭酸セシウムの激しく撹拌された溶液に、50mlのDMF中、26.1g(125mモル)の2−(2−ブロモ−エトキシ)−テトラヒドロ−ピラン(J. Org. Chem.; 50; 22; (1985); 4238-4245)を滴下した。反応混合物を70℃で6時間、激しく撹拌した。
【0118】
溶媒を蒸発した。200mlの水及び200mlの酢酸エチルを添加した。有機相を分離した。水性相を、それぞれ100mlの酢酸エチルにより3度、抽出した。組合された有機相を、50mlの水及び50mlのブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)により精製した。所望する生成物1aを、黄色の油状物として、81%の収率(22.7g、81mモル)で得た。
MS-ESI: 281 (M+ + 1 , 100).
元素分析: C 64.27% H 5.34%
測定値: C 64.25% H 5.35%
【0119】
b)5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニルアミン(1b)の合成
20℃での150mlのイソプロパノール中、11.6g(50mモル)の4−フルオロ−2−ニトロ−1−フェノキシ−ベンゼン及び触媒量の炭素上パラジウムの撹拌溶液上の雰囲気を、水素により飽和した。反応混合物を、25℃で8時間、激しく撹拌した。反応混合物を、セライト上で濾過した。濾液を蒸発した。200mlの水及び200mlのジクロロメタンを添加した。有機相を分離した。水性相を、それぞれ100mlのジクロロメタンにより3度、抽出した。組合された有機相を、50mlの水及び50mlのブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。粗生成物1bを、精製しないで使用した。所望する粗生成物1bを、黄色の油状物として94%の収率(9.54g、47mモル)で得た。
MS-ESI: 204 (M+ + 1 , 100).
元素分析: C 70.93% H 4.96% F 9.35% N 6.89%
測定値: C 71.00% H 4.92% F 9.33% N 6.87%
【0120】
c)(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−{5−メトキシ−2−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−ベンジル}−アミン(1c)の合成
60mlのジクロロエタン(pH=5)中、9.1g(45mモル)の1b、12.6g(45mモル)の1a及び1滴の氷酢酸の撹拌溶液に、14.8g(70mモル)のナトリウムトリス−アセトキシヒドロボランを添加した。その反応混合物を一晩、撹拌し、そして5mlの水により希釈した。pH値を、水酸化ナトリウム水溶液により、pH=8〜9に調節した。混合物をジクロロメタンにより3度抽出した。組合された有機相を、水及びブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。所望する粗生成物1cを、黄色の油状物として、66%の収率(13.9g、29.7mモル)で得た。粗生成物1cを、さらに精製しないで使用した。
MS-ESI: 468 (M++ 1 , 89)。
【0121】
d)N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−N−{5−メトキシ−2−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル−オキシ)−エトキシ]−ベンジル}−アセトアミド(1d)の合成
50mlのピリジン中、5.0g(10.7mモル)の粗1cの溶液に、4.37g(42.8mモル)の無水酢酸を添加した。反応混合物を一晩、撹拌し、そして氷冷却された酢酸エチル中に注いだ。有機相を水及びブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサングラジエント 1:8→1:4)により精製した。所望する生成物1dを、84%の収率(4.5g、8.9mモル)で得た。
MS-ESI: 510 (M++ 1 , 100).
元素分析: C 68.36% H 6.33% F 3.73% N 2.75%
測定値: C 68.34% H 6.34% F 3.71% N 2.74%
【0122】
e)N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−N−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンジル]−アセトアミド(1c)の合成
15mlのメタノール中、1.53g(3.0mモル)の1dの溶液に、触媒量のトシル酸を添加した。反応混合物を25℃で4時間、撹拌した。反応混合物を、氷冷却された酢酸エチルに注いだ。その溶液を、氷冷却された希釈炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインにより2度、洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサングラジエント 1:4→1:2)により精製した。所望する生成物1eを、71%の収率(0.91g、2.13mモル)で得た。
MS-ESI: 426 (M++ 1 , 100).
元素分析: C 67.75% H 5.69% F 4.47% N 3.29%
測定値: C 67.72% H 5.71% F 4.46% N 3.28%
【0123】
f)N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−N−[2−(2−メシルオキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンジル]−アセトアミド(1f)の合成
5mlのジクロロメタン中、300mg(0.71mモル)の1e及び139mg(1.06mモル)のジイソプロピルエチルアミンの溶液に、0.5mlのジクロロメタン中、97mg(0.85mモル)の塩化メシルを、-10℃で滴下した。その撹拌反応混合物を室温に4時間にわたって暖め、そしてジクロロメタンにより希釈した。有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及びブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサングラジエント 1:6→1:2)により精製した。所望する生成物1fを、88%の収率(346mg、0.62mモル)で得た。
MS-ESI: 559 (M+ + 1 , 60).
元素分析: C 59.63% H 5.20% F 3.77% N 2.78%
測定値: C 59.62% H 5.20% F 3.78% N 2.77%
【0124】
g)N−(5−フルオロ−2−フェノキシフェニル)−N−(2−(2−[18F]フルオロ−エトキシ)−5−メトキシベンジル)アセトアミド(1g)の合成
0.75mlのアセトニトリル中、2.5mgのKryptofix222、及び0.5mgの炭酸カリウムにより充填されたWheatonバイアル(5ml)に、弗素含有水(2.2GBq、250μl)を添加した。溶媒を、窒素流下で120℃で10分間、加熱することにより除去した。無水MeCN(1ml)を添加し、そして前記のようにして蒸発した。この段階を再び反復した。0.705mlの無水DMF中、1g(2mg)の溶液を添加する。130℃での30分間の加熱の後、粗反応混合物を、分析用HPLCを用いて分析する:ACE3-C18 50mm*4.6mm;溶媒:7分での水中、5%アセトニトリル−95%アセトニトリル、流速:2ml/分。F-18ラベルされた生成物1gを、分析用HPLC上に、非放射性F−19フルオロ標準と共に同時注入することにより確認する。粗生成物(160MBq)を、分離用HPLCカラムにより精製した:ACE5-C18-HL 250mm*10mm;溶媒62%アセトニトリル−38%水、無勾配20分、流速:3ml/分。分析用HPLC上に非放射性F-19フルオロ標準と共に同時注入することにより再確認される場合、所望する生成物1gを得た(45MBq)。
【0125】
例2
a)2−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンズアルデヒド(2a)の合成
0℃での350mlのDMF中、15.2g(100mモル)の2−ヒドロキシ−5−メトキシ−ベンズアルデヒド及び42.4g(130mモル)の炭酸セシウムの激しく撹拌された溶液に、50mlのDMF中、26.9g(125mモル)の(2−ブロモ−エトキシメチル)−ベンゼン(Adrich)を滴下した。反応混合物を70℃で6時間、激しく撹拌した。溶媒を蒸発した。200mlの水及び200mlの酢酸エチルを添加した。
【0126】
有機相を分離した。水性相を、それぞれ100mlの酢酸エチルにより3度、抽出した。組合された有機相を、50mlの水及び50mlのブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(グラジエント酢酸エチル:ヘキサン=1:3→1:2)により精製した。所望する生成物2aを、黄色の油状物として、86%の収率(24.6g、86mモル)で得た。
MS-ESI: 287 (M++ 1 , 100).
元素分析: C 71.31% H 6.34%
測定値: C 71.29% H 6.35%
【0127】
b)[2−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンジル]−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−アミン(2b)の合成
35mlのジクロロエタン(pH=5)中、4.6g(23mモル)の1b、6.3g(23mモル)の2a及び1滴の氷酢酸の撹拌溶液に、7.4g(35mモル)のナトリウムトリス−アセトキシヒドロボランを添加した。その反応混合物を一晩、撹拌し、そして3mlの水により希釈した。pH値を、水酸化ナトリウム水溶液により、pH=8〜9に調節した。混合物をジクロロメタンにより3度抽出した。組合された有機相を、水及びブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。所望する粗生成物2bを、黄色の油状物として、78%の収率(8.5g、17.9mモル)で得た。粗生成物2bを、さらに精製しないで使用した。
MS-ESI: 475 (M++ 1 , 81)。
【0128】
c)N−[2−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンジル]−N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−アセトアミド(2c)の合成
50mlのピリジン中、5.08g(10.7mモル)の粗2bの溶液に、4.37g(42.8mモル)の無水酢酸を添加した。反応混合物を一晩、撹拌し、そして氷冷却された酢酸エチル中に注いだ。有機相を水、希釈された水性硫酸水素ナトリウム、水及びブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサングラジエント 1:8→1:4)により精製した。所望する生成物2cを、79%の収率(4.36g、8.45mモル)で得た。
MS-ESI: 517 (M++ 1 , 100).
元素分析: C 72.22% H 5.86% F 3.68% N 2.72%
測定値: C 72.20% H 5.87% F 3.67% N 2.71%
【0129】
d)N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−N−(2−ヒドロキシ−5−メトキシ−ベンジル)−アセトアミド(2d)の合成
20℃での35mlのイソプロパノール中、2.58g(5mモル)の4−フルオロ−2−ニトロ−1−フェノキシ−ベンゼン(5−メトキシ−2−ヒドロキシ−1−トシルオキシ−フェニルを含む)及び触媒量の炭素上パラジウムの撹拌溶液上の雰囲気を、水素により飽和した。反応混合物を、25℃で7時間、激しく撹拌した。反応混合物を、セライト上で濾過した。濾液の溶媒を蒸発した。
【0130】
10mlの水及び10mlのジクロロメタンを添加した。有機相を分離した。水性相を、それぞれ10mlのジクロロメタンにより3度、抽出した。組合された有機相を、10mlの水及び10mlのブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。粗生成物2dを、精製しないで使用した。所望する粗生成物2dを、黄色の油状物として89%の収率(1.7g、4.45mモル)で得た。
MS-ESI: 382 (M+ + 1 , 100).
元素分析: C 69.28% H 5.29% F 4.98% N 3.67%
測定値: C 69.25% H 5.30% F 4.97% N 3.66%
【0131】
例3
a)化合物4c又は13に対応するN−(5−フルオロ−2−フェノキシフェニル)−N−[2−(2−メシルオキシ−エトキシ)−5−メトキシベンジル]アセトアミド(3a)の合成
0℃での350mlのDMF中、38.1g(100mモル)のN−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−N−(2−ヒドロキシ−5−メトキシ−ベンジル)−アセトアミド(Biorg. Med. Chem., (2004) 12,423)及び42.4g(130mモル)の炭酸セシウムの激しく撹拌された溶液に、50mlのDMF中、27.3g(125mモル)の1,2−ビス−メタンスルホニルオキシ−エタン(J. Med. Chem.; 47; 17; (2004); 4300-4315)を滴下した。反応混合物を70℃で6.5時間、激しく撹拌した。
【0132】
溶媒を蒸発した。200mlの水及び200mlの酢酸エチルを添加した。有機相を分離した。水性相を、それぞれ100mlの酢酸エチルにより3度、抽出した。組合された有機相を、50mlの水及び50mlのブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(グラジエント酢酸エチル:ヘキサン=1:6→1:2)により精製した。所望する生成物3aを、黄色の油状物として、85%の収率(42.8g、85mモル)で得た。
MS-ESI: 505 (M+ + 1 , 78).
元素分析: C 59.63% H 5.20% F 3.77% N 2.78%
測定値: C 59.62% H 5.21% F 3.76% N 2.78%
【0133】
例4
a)5−メトキシ−2−(2−メシルオキシエトキシ)−ベンズアルデヒド(4a)の合成
0℃での350mlのDMF中、15.2g(100mモル)の2−ヒドロキシ−5−メトキシ−ベンズアルデヒド及び42.4g(130mモル)の炭酸セシウムの激しく撹拌された溶液に、50mlのDMF中、27.3g(125mモル)の1,2−ビス−メタンスルホニルオキシ−エタン(J. Med. Chem.; 47; 17; (2004); 4300 - 4315)を滴下した。反応混合物を70℃で5時間、激しく撹拌した。
【0134】
溶媒を蒸発した。200mlの水及び200mlの酢酸エチルを添加した。有機相を分離した。水性相を、それぞれ100mlの酢酸エチルにより3度、抽出した。組合された有機相を、50mlの水及び50mlのブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(グラジエント酢酸エチル:ヘキサン=1:6、酢酸エチル→1:2)により精製した。所望する生成物4aを、黄色の油状物として、78%の収率(21.4g、78mモル)で得た。
MS-ESI: 275 (M++ 1 , 100).
元素分析: C 48.17% H 5.14%
測定値: C 48.19% H 5.15%
【0135】
b)(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−{5−メトキシ−2−[2−(メシルオキシ)−エトキシ]−ベンジル}−アミン(4b)の合成
60mlのジクロロエタン(pH=5)中、9.1g(45mモル)の1b、12.3g(45mモル)の4a及び1滴の氷酢酸の撹拌溶液に、14.8g(70mモル)のナトリウムトリス−アセトキシヒドロボランを添加した。その反応混合物を一晩、撹拌し、そして5mlの水により希釈した。pH値を、水酸化ナトリウム水溶液により、pH=8〜9に調節した。混合物をジクロロメタンにより3度抽出した。組合された有機相を、水及びブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。所望する粗生成物4bを、黄色の油状物として、62%の収率(12.9g、27.9mモル)で得た。粗生成物4bを、さらに精製しないで使用した。
MS-ESI: 463 (M+ + 1 , 65)。
【0136】
c)化合物3a又は13に対応するN−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−N−[2−(2−メシルオキシ−エトキシ)−5−メトキシベンジル]−アセトアミド(4c)の合成
50mlのピリジン中、4.94g(10.7mモル)の粗4bの溶液に、4.37g(42.8mモル)の無水酢酸を添加した。反応混合物を一晩、撹拌し、そして氷冷却された酢酸エチル中に注いだ。有機相を水及びブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサングラジエント 1:8→1:4)により精製した。所望する生成物4cを、80%の収率(4.3g、8.56mモル)で得た。
MS-ESI: 504 (M+ + 1 , 78).
元素分析: C 59.63% H 5.20% F 3.77% N 2.78%
測定値: C 59.61% H 5.19% F 3.79% N 2.77%
【0137】
例5
a)5−メトキシ−2−(2−トシルオキシ−エトキシ)−ベンズアルデヒド(5a)の合成
0℃での350mlのDMF中、15.2g(100mモル)の2−ヒドロキシ−5−メトキシ−ベンズアルデヒド及び42.4g(130mモル)の炭酸セシウムの激しく撹拌された溶液に、50mlのDMF中、46.3g(125mモル)のエチレングリコールビス−トルエンスルホネート(Adrich)を滴下した。反応混合物を70℃で5時間、激しく撹拌した。溶媒を蒸発した。200mlの水及び200mlの酢酸エチルを添加した。
【0138】
有機相を分離した。水性相を、それぞれ100mlの酢酸エチルにより3度、抽出した。組合された有機相を、50mlの水及び50mlのブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(グラジエント酢酸エチル:ヘキサン=1:6、酢酸エチル→1:2)により精製した。所望する生成物5aを、黄色の油状物として、75%の収率(26.3g、75mモル)で得た。
MS-ESI: 351 (M+ + 1 , 100).
元素分析: C 58.27% H 5.18%
測定値: C 58.27% H 5.17%
【0139】
b)(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−{5−メトキシ−2−[2−(トシルオキシ)−エトキシ]−ベンジル}−アミン(5b)の合成
60mlのジクロロエタン(pH=5)中、9.1g(45mモル)の1b、15.8g(45mモル)の5a及び1滴の氷酢酸の撹拌溶液に、14.8g(70mモル)のナトリウムトリス−アセトキシヒドロボランを添加した。その反応混合物を一晩、撹拌し、そして5mlの水により希釈した。pH値を、水酸化ナトリウム水溶液により、pH=8〜9に調節した。混合物をジクロロメタンにより3度抽出した。組合された有機相を、水及びブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。所望する粗生成物5bを、黄色の油状物として、71%の収率(17.2g、32.0mモル)で得た。粗生成物5bを、さらに精製しないで使用した。
MS-ESI: 539 (M+ + 1 , 64)。
【0140】
c)N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−N−[2−(2−トシルオキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンジル]−アセトアミド(5c)の合成
50mlのピリジン中、5.75g(10.7mモル)の粗5bの溶液に、4.37g(42.8mモル)の無水酢酸を添加した。反応混合物を一晩、撹拌し、そして氷冷却された酢酸エチル中に注いだ。有機相を水及びブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサングラジエント 1:8→1:4)により精製した。所望する生成物5cを、74.5%の収率(4.62g、7.97mモル)で得た。
MS-ESI: 581 (M+ + 1 , 100).
元素分析: C 64.24% H 5.22% F 3.28% N 2.42%
測定値: C 64.22% H 5.23% F 3.26% N 2.41%
【0141】
例6
a)N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−N−[2−(2−ブロモ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンジル]−アセトアミド(6a)の合成
無水ジクロロメタン(35ml)中、1.69g(5.1mモル)のCBr4及び2.89g(11mモル)のPPh3の撹拌溶液に、2.04g(4.8mモル)の1eを0℃で添加した。反応混合物を室温に暖め、そして一晩、撹拌し、次にエーテルにより希釈し、そしてガラス漏斗を通して濾過した。濾液を濃縮し、そして残渣を、シリカカラムクロマトグラフィー(グラジエントへキサン−酢酸エチル6:1→2:1)により精製した。所望する生成物6aを、64%の収率(1.37g、3.07mモル)で得た。
MS-ESI: 446 (MBr79 + + 1 , 100).
元素分析: C 59.21% H 4.74% F 4.26% N 3.14%
測定値: C 59.20% H 4.74% F 4.25% N 3.13%
【0142】
例7
a)2−(2−ヒドロキシメチル−4−メトキシ−フェノキシ)−エタノールの合成
300mlのエタノール及び150mlの水中、7.7g(50mモル)の2−ヒドロキシメチル−4−メトキシ−フェノール(Rarechem)及び4.0g(100mモル)の水酸化ナトリウムの撹拌溶液に、5.6g(70mモル)の2−クロロエタノールを0℃で添加した。反応混合物を、70℃で一晩、激しく撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、3NのHClの使用によりpH=7に中和した。混合物の体積をその体積の1/5に減じた。ジクロロメタンをその残渣に添加した。混合物を濾過し、そして濾液を150mlの水及び150mlのジクロロメタンにより希釈した。有機相を分離した。
【0143】
水性相を200mlのジクロロメタンにより3度、抽出した。組合された有機相を、50mlの水及び50mlのブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した(グラジエント ヘキサン:酢酸エチル1:1→ヘキサン:酢酸エチル:メタノール1:10:0.1)。所望する精製物7aを、65%の収率(6.44g、32.5mモル)で得た。
MS-ESI: 199 (M++ 1 , 100).
元素分析: C 60.59% H 7.12%
測定値: C 64.22% H 5.23%
【0144】
b)メタンスルホン酸2−(2−メタンスルホニルオキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンジルエステルの合成
25mlのジクロロメタン中、6.41g(32.3mモル)の7a及び13.9g(106mモル)のジイソプロピルエチルアミンの溶液に、5mlのジクロロメタン中、9.7g(85mモル)の塩化メシルを、−10℃で滴下した。その撹拌反応混合物を、室温に4時間にわたって暖め、そしてジクロロメタンにより希釈した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及びブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサングラジエント 1:4→1:1)により精製した。所望する生成物7bを、黄色の油状物として、72%の収率(8.25g、23.3mモル)で得た。
MS-ESI: 355 (M++ 1 , 100).
元素分析: C 40.67% H 5.12%
測定値: C 40.70% H 5.13%
【0145】
c)N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−N−[2−(2−メシルオキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンジル]−アセトアミド(7c)の合成
0℃での50mlのDMF中、1.01g(5mモル)の1b及び4.24g(13.0mモル)の炭酸セシウムの溶液に、2mlのDMF中、531mg(1.5mモル)の7bを滴下した。反応混合物を70℃で5時間、激しく撹拌した。溶媒を蒸発した。50mlの水及び50mlの酢酸エチルを添加した。有機相を分離した。水性相を、それぞれ50mlの酢酸エチルにより3度、抽出した。組合された有機相を、10mlの水及び10mlのブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。
【0146】
粗生成物を5mlのピリジンに希釈した。2.17g(21.0mモル)の無水酢酸を添加した。反応混合物を一晩撹拌し、そして氷冷却された酢酸エチル中に注いだ。有機相を水及びブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサングラジエント 1:8→1:4)により精製した。所望する生成物7cを、黄色の油状物として72%の収率(543mg、1.08mモル)で得た。
MS-ESI: 504 (M+ + 1 , 89).
元素分析: C 59.63% H 5.20% F 3.77% N 2.78%
測定値: C 59.61% H 5.21% F 3.77% N 2.78%
【0147】
例8
a)化合物7を通してのN−(5−フルオロ−2−フェノキシフェニル)−N−(2−(2−[18F]フルオロエトキシ)−5−メトキシベンジル)アセトアミド(8a)の合成
0.75mlのアセトニトリル中、2.5mgのKryptofix222、及び0.5mgの炭酸カリウムにより充填されたWheatonバイアル(5ml)に、弗素含有水(2.5GBq、250μl)を添加した。溶媒を、窒素流下で120℃で10分間、加熱することにより除去した。無水MeCN(1ml)を添加し、そして前記のようにして蒸発した。この段階を再び反復した。0.705mlの無水DMF中、7(2mg)の溶液を添加する。
【0148】
130℃での30分間の加熱の後、粗反応混合物を、分析用HPLCを用いて分析する:ACE3-C18 50mm*4.6mm;溶媒:7分での水中、5%アセトニトリル−95%アセトニトリル、流速:2ml/分。F-18ラベルされた生成物1gを、分析用HPLC上に、非放射性F−19フルオロ標準と共に同時注入することにより確認する。粗生成物(221MBq)を、分離用HPLCカラムにより精製した:ACE5-C18-HL 250mm*10mm;溶媒62%アセトニトリル−38%水、無勾配20分、流速:3ml/分。分析用HPLC上に非放射性F-19フルオロ標準と共に同時注入することにより再確認される場合、所望する生成物1gを得た(55MBq)。
【0149】
例9
a)5−メトキシ−2−(2−トリイソプロピルシラニルオキシ−エトキシ)−フェニル]−メタノールの合成
一般方法Aを、(2−ブロモ−エトキシ)−トリイソプロピル−シラン(J. Med. Chem.; 47; 25; 2004; 6124 - 6127)及び2−ヒドロキシメチル−4−メトキシ−フェノール(Aldrich)に適用した。所望する化合物9aを、87%の収率で得た。
MS-ESI: 355 (M+ + 1 , 100).
元素分析: C 64.36% H 9.67%
測定値: C 64.38% H 9.68%
【0150】
b)[2−(2−ブロモメチル−4−メトキシ−フェノキシ)−エトキシ]−トリイソプロピル−シラン(9b)の合成
一般方法Bを、9aに適用した。所望する化合物9bを、73%の収率(14.6mモル、6.07g)で得た。
MS-ESI: 418 (M+ + 1 , 100).
元素分析: C 54.67% H 7.97%
測定値: C 54.68% H 7.96%
【0151】
c)N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−N−[5−メトキシ−2−(2−トリイソプロピルシラニルオキシ−エトキシ)−ベンジル]−アセトアミド(9c)の合成
一般方法Cを、N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−アセトアミド及び9bに適用した。所望する化合物9cを、56%の収率(3.27g、5.61mモル)で得た。
MS-ESI: 583 (M++ 1 , 100).
元素分析: C 68.13% H 7.62%
測定値: C 68.14% H 7.63%
【0152】
d)9cからの1eの合成
一般方法Dを、9cに適用した。所望する化合物1eを、89%の収率(2.67mモル、1.14g)で得た。
MS-ESI: 426 (M+ + 1 , 100).
元素分析: C 67.75% H 5.69% N 3.29%
測定値: C 67.74% H 5.70% N 3.29%
【0153】
例10
a)2−(2−アリルオキシ−エトキシ)−5−メトキシ−フェニル]−メタノール(10a)の合成
一般方法Aを、3−(2−ブロモ−エトキシ)−プロパン(Chem. Soc. Jpn.; 55; 5; 1982; 1498-1503)及び2−ヒドロキシメチル−4−メトキシ−フェノール(Aldrich)に適用した。所望する化合物10aを、75%の収率(22.5mモル、5.4g)で得た。
MS-ESI: 239 (M+ + 1 , 100).
元素分析: C 65.53% H 7.61%
測定値: C 65.54% H 7.60%
【0154】
b)1−(2−アリルオキシ−エトキシ)−2−ブロモメチル−4−メトキシ−ベンゼン(10b)の合成
一般方法Bを、10aに適用した。所望する化合物10bを、67%の収率(13.4mモル、4.03g)で得た。
MS-ESI: 301/303 (M+ + 1 , 80).
元素分析: C 51.84% H 5.69%
測定値: C 51.83% H 5.70%
【0155】
c)N−[2−(2−アリルオキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンジル]−N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−アセトアミド(10c)の合成
一般方法Cを、N−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)−アセトアミド及び10bに適用した。所望する化合物10cを、49%の収率(4.9mモル、2.28g)で得た。
MS-ESI: 467 (M+ + 1 , 80).
元素分析: C 69.66% H 6.06%
測定値: C 69.64% H 6.07%
【0156】
d)10cからの1eの合成(10d)
Syn. Lett. (2003), 1061-1063からのわずかに改良されたプロトコールに従って、10mのテトラヒドロフラン中、2mモル(932mg)の10c及び4mモルのN, N−ジメチルバルビツール酸の溶液に、0.04mモルのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを添加した。反応混合物を一晩、還流した。ジエチルエーテル及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液を0℃で添加した。2相混合物を20分間、激しく撹拌した。有機相を分離した。水性相を、酢酸エチルにより3度、抽出した。組合された有機相を、ブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。残渣を、シリカカラムクロマトグラフィー(グラジエントとして酢酸エチル/ヘキサン溶媒混合物を用いる)により精製した。所望する生成物1eを、84%の収率(710mg、1.68mモル)で得た。
MS-ESI: 426 (M+ + 1 , 100).
元素分析: C 67.75% H 5.69% N 3.29%
測定値: C 67.72% H 5.71% N 3.28%
【0157】
e)トリフルオロ−メタンスルホン酸2−(2−{[アセチル−(5−フルオロ−2−フェノキシ−フェニル)アミノ]−メチル}−4−メトキシ−フェノキシ)−エチルエステル(10e)の合成
6mlの無水ジクロロメタン中、426mg(1mモル)及び400mg(5mモル)のピリジンの溶液に、423mg(1.5mモル)のトリフルオロスルホン酸無水物を−10℃で滴下した。反応混合物を6時間、撹拌し、そして激しく撹拌されたジエチルエーテル−水の混合物上に注いだ。有機相を分離した。
【0158】
水性相を、酢酸エチルにより3度、抽出した。組合された有機相を、ブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発した。残渣を、シリカカラムクロマトグラフィー(グラジエントとして酢酸エチル/ヘキサン溶媒混合物を用いる)により精製した。所望する生成物10eを、77%の収率(430mg、0.77mモル)で得た。
MS-ESI: 426 (M+ + 1 , 100).
元素分析: C 53.86% H 4.16% N 2.51%
測定値: C 53.88% H 4.17% N 2.51%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式I:
【化1】

[式中、Rは、個々に、
a)-OS(O)2-L、
b)クロロ、
c)ブロモ、又は
d)ヨード
を含んで成る群から独立して選択され、そしてLは、
a)枝分かれした及び枝なしのアルキル、
b)ペルハロアルキル、
c)アラルキル、
d)アルキル−フェニル、
e)(ジ−アルキル)−フェニル、
f)(トリ−アルキル)−フェニル
g)(アルコキシ−フェニル)、
h)(ニトロ−フェニル)、
i)(ハロ−フェニル)、
j)ナフチル、及び
k)ヘテロアリール
を含んで成る群から選択され、但しLは(パラ−メチル)−フェニルではない]
で表される化合物。
【請求項2】
Rが、
a)−OS(O)2-L、
b)ブロモ、又は
c)クロロ
である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Rが、
a)−OS(O)2-L、又は
b)ブロモ
である請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
Lが、
a)メチル、
b)トリフルオロメチル、
c)ノナフルオロブチル、
d)(ニトロ−フェニル)、
e)(ハロ−フェニル)、
f)C1−C6アルキルフェニル、又は
g)(2,4,6−Cl−C6トリアルキル)フェニル
であり、但しLは(パラ−メチル)−フェニルではない、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
Lが、
a)メチル、
b)トリフルオロメチル又は
c)ノナフルオロブチル、
である請求項4記載の化合物。
【請求項6】
下記構造体:
【化2】

の1つにより表される請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
下記式II:
【化3】

[式中、Aは、
a) 水素、
b) SiR13
c) CH2-G 、
d) C(O)-Q 、
e) C(O)O-E 、
f) -(R2-フェニル) 、
g) -((R2)2-フェニル)、
h) テトラヒドロピラニル、
i) (l-アルコキシ)-アルキル、
j) (l-アルコキシ)-シクロアルキル、
k) アリル、及び
1) tert-ブチル
を含んで成る群から選択され、
Gは、
a) フェニル、
b) アルコキシ 、
c) ジメトキシフェニル 、
d) ニトロフェニル、
e) ハロフェニル 、
f) ジ-ハロフェニル、
g) シアノフェニル、
h) p-ビフェニル、
i) アシルアミノフェニル 、
j) トリフェニル 、
k) (メトキシフェニル) フェニル、
1) ジ(メトキシフェニル) フェニル、
m) α-ナフチルジフェニル、及び
n) 水素
を含んで成る群から選択され、
Qは、
a) 水素 、
b) C1-C5枝分かれした及び枝なしのアルキル、
c) ハロメチル、
d) ジハロメチル、
e) トリハロメチル、
f) フェニル、
g) ビフェニル、
h) トリフェニルメトキシメチル、及び
i) フェノキシメチル
を含んで成る群から選択され、
Eは、
a) 低級枝分かれした及び枝なしのアルキル、
b) メトキシメチル、
c) ビニル、
d) アリル、
e) ベンジル、
f) メトキシフェニル、
g) ジメトキシフェニル、及び
h) ニトロフェニル
を含んで成る群から選択され、
R1は、
a) 低級枝分かれした及び枝なしのアルキル、
b) フェニル、及び
c) ベンジル
を含んで成る群から選択され、そして
R2は、
a) メトキシ、
b) ニトロ、
c) ハロ、及び
d) シアノ
を含んで成る群から選択される]で表される化合物。
【請求項8】
Aが、
a) 水素、
b) SiR13
c) CH2-G 、
d) テトラヒドロピラニル、
e) アリル 、及び
f) tert-ブチル
を含んで成る群から選択される請求項7記載の化合物。
【請求項9】
Aが、
a) 水素、
b) SiR13
c) CH2-G 、
d) テトラヒドロピラニル、及び
e) tert-ブチル
を含んで成る群から選択される請求項8記載の化合物。
【請求項10】
Gは、
a) フェニル、
b) メトキシ 、
c) p−メトキシフェニル 、
d) p−ニトロフェニル、
e) p−クロロフェニル 、及び
f) トリフェニル
を含んで成る群から選択される請求項7〜9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
Gは、
a) フェニル、
b) メトキシ 、及び
c) p−メトキシフェニル
を含んで成る群から選択される請求項9記載の化合物。
【請求項12】
Qは、
a) 水素、
b) メチル 、
c) フェニル、及び
d) フェノキシメチル
を含んで成る群から選択される請求項7〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
Qは、
a) メチル、及び
b) フェニル
を含んで成る群から選択される請求項12記載の化合物。
【請求項14】
Eは、
a) メチル、
b) tert−ブチル 、
c) メトキシメチル、及び
d) フェニル
を含んで成る群から選択される請求項7〜13のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
Eは、
a) メチル、
b) tert−ブチル 、及び
c) フェニル
を含んで成る群から選択される請求項14記載の化合物。
【請求項16】
R1は、
a) メチル、
b) エチル 、
c) イソプロピル、
d) tert−ブチル、
e) フェニル、及び
f) ベンジル
を含んで成る群から選択される請求項7〜15のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
R1は、
a) メチル、
b) エチル 、
c) イソプロピル、
d) tert−ブチル、及び
e) フェニル
を含んで成る群から選択される請求項16記載の化合物。
【請求項18】
R2は、
a) メトキシ、
b) ニトロ 、及び
c) クロロ
を含んで成る群から選択される請求項7〜17のいずれか1項記載の化合物。
【請求項19】
R2は、
a) メトキシ、及び
b) ニトロ
を含んで成る群から選択される請求項18記載の化合物。
【請求項20】
下記群:
【化4】

から選択される構造体により表される請求項7〜19のいずれか1項記載の化合物。
【請求項21】
請求項1〜6又は7〜20のいずれか1項記載の化合物、又はLが(パラ−メチル)−フェニルである式Iの化合物の調製方法であって、
a)下記式III :
【化5】

[式中、Xは、
a)ニトロ、又は
b)アミノである]
で表される化合物を、下記式IV:
【化6】

[式中、Zは独立して、
a)R、
b)トシルオキシ、及び
c)O-A、
を含んで成る群から選択され、そして
R及びAは、請求項1〜3及び7〜9のいずれか1項記載の通りである]
で表されるアルデヒドにより、還元的にN−アルキル化し、そして続いてN−アセチル化するか;あるいは
b)下記式V:
【化7】

で表されるアニリンを、下記式VI:
【化8】

[式中、Zは独立して、
a)R、
b)トシルオキシ、及び
c)O-Aを含んで成る群から選択され、そして
R及びAは、請求項1〜3及び7〜9のいずれか1項記載の通りであり、そして
R3は、
a)R、及び
b)トシルオキシ、
を含んで成る群から独立して選択され、そして
Rは、請求項1〜3のいずれか1項記載の通りである]
で表される求電子試薬によりN−アルキル化し、そして続いてN−アセチル化するか;あるいは
c)下記式4:
【化9】

で表されるフェノールを、下記式VII :
【化10】

[式中、Zは独立して、
a)R、
b)トシルオキシ、及び
c)O-Aを含んで成る群から選択され、そして
R及びAは、請求項1〜3及び7〜9のいずれか1項記載の通りである]
で表される求電子試薬によりアルキル化するか;あるいは
d)下記式VIII:
【化11】

で表される化合物を、式VIの求電子試薬によりN−アルキル化する、
段階を含んで成る方法。
【請求項22】
Zが、
a) メタンスルホニルオキシ、
b) トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
c) ノナフルオロブタンスルホニルオキシ、
d) トシルオキシ、
e) ブロモ、及び
f) O-A
を含んで成る群から選択され、ここでAは、請求項7〜9のいずれか1項記載の通りである請求項21記載の方法。
【請求項23】
Zが、
a) メタンスルホニルオキシ、
b) トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
c) ノナフルオロブタンスルホニルオキシ、
d) トシルオキシ、
e) ブロモ、
f) ヒドロキシル、
g) (tert-ブチルジメチル) シリルオキシ、
h) (トリイソプロピル) シリルオキシ、
ii) (フェニル-メチル)オキシ、
jj) (2-テトラヒドロピラニル)オキシ1、及び
kk) tert-ブチルオキシ、
を含んで成る群から選択される請求項22記載の方法。
【請求項24】
R3が、
a) Rであり、
ここでRは、請求項1〜3のいずれか1項記載の通りである請求項21〜23のいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
下記式(3):
【化12】

で表される化合物の調製方法であって、
a)下記式(7):
【化13】

で表される化合物と、18Fアニオンとを、121℃〜160℃の範囲の温度で反応せしめ、そして任意には、化合物3を得た後、酸を添加するか;あるいは
b)請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iの化合物と、18Fアニオンとを、50℃〜160℃の範囲の温度で反応せしめる、
ことにより特徴づけられる方法。
【請求項26】
a)化合物7と、18Fアニオンとを、121℃〜150℃の範囲の温度で反応し、そして任意には、化合物3の入手後、0.5N〜6Nの範囲の濃度を有する、少なくとも1つの鉱酸を添加するか;あるいは
b)式Iの化合物と、18Fアニオンとを、75℃〜150℃の範囲の温度で反応する、
請求項25記載の方法。
【請求項27】
a)化合物7と、18Fアニオンとを、121℃〜140℃の範囲の温度で反応し、そして任意には、化合物3の入手後、2N〜6Nの範囲の濃度を有する、少なくとも1つの鉱酸を添加するか;あるいは
b)式Iの化合物と、18Fアニオンとを、85℃〜140℃の範囲の温度で反応する、
請求項25又は26記載の方法。
【請求項28】
反応a)及びb)のそれぞれにおいて、18Fアニオンとの反応が、1〜60、好ましくは5〜50分、より好ましくは10〜40分の間、行われることを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
好ましくは請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iの化合物、及び医薬的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を含んで成る組成物。
【請求項30】
好ましくは、請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iの化合物を含む、より好ましくは予定された量の前記化合物を含む密封されたバイアルを含んで成るキット。
【請求項31】
医薬剤としての使用のためへの請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iの化合物。
【請求項32】
診断用イメージング剤の製造のためへの請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iの化合物の使用。
【請求項33】
前記診断イメージング剤が、中枢神経系の疾患を映像化するためである請求項32記載の使用。

【公表番号】特表2010−502578(P2010−502578A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525936(P2009−525936)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006148
【国際公開番号】WO2008/028533
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】