説明

フォトレジストポリマー

本発明はリビングフリーラジカル重合技術によるフォトレジストポリマーの調製に関する。立体的にかさばるエステルモノマーが重合成分として用いられる。連鎖移動剤の使用が重合処理条件に含められる。ヘテロ原子を含むポリマー末端基の開裂が記される。本発明は、エッチングおよび/または他の露光後処理工程に耐えるのに十分な厚さでもありながらレジストの底部に光が透過するのを許容するように十分に薄い単層または多層薄レジストを製造するための物質および方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
半導体ウェハにパターン形成するための方法は、典型的には、放射線感受性レジスト物質の薄膜からの所望の画像のリソグラフ転移に依存する。この方法は、フォトリソグラフ的にパターン形成される犠牲的な層、「レジスト」の形成を伴う。一般には、これらのレジストは「フォトレジスト」と呼ばれる。
【0002】
レジストのパターン形成は幾つかの工程を含み、これには、適切なマスクを通して選択された光源にレジストを露出してそのマスクの潜在的な画像を記録した後、現像してそのレジストの選択された領域を除去することが含まれる。「ポジティブ」レジストでは、露出された領域が変形してそのような選択的に除去可能な領域を作製し、それに対して、「ネガティブ」レジストでは、未露出領域がより容易に除去可能である。
【0003】
パターンは、反応性気体でのエッチングにより、残留するパターン形成されたレジストを保護マスキング層として用いて、ウェハの表面生地に転移することができる。その代わりに、ウェハがレジストパターンによって「マスク」されるとき、導電性または半導電性物質の堆積により、またはドーパントの埋込により、それを処理して活動電子装置および回路を形成することができる。
【0004】
単層フォトレジストにおいて光学的リソグラフィーに用いられる物質は幾つかの課題を果たさなければならない。露出波長での低光学密度および画像転移プロセス、例えば、プラズマエッチングに対する耐性が、そのようなフォトレジストが果たすべき2つの重要な課題である。より短い波長の放射線はより高い分解能を可能にする。半導体リソグラフィーにおいて現在用いられる最も一般的な波長は365nm、248nmおよび、より近年では、193nmである。より狭い線幅およびより高い分解能に対する要求は、より短い波長の光によってパターン形成可能であるフォトレジスト材料に対する興味を増幅させた。
【0005】
微小製造の分野においては、より高い集約度を達成するため、処理サイズはますます微細になっている。近年、0.5ミクロン、より好ましくは、0.2ミクロン以下の線幅での安定な微小製造を可能にするリソグラフィープロセスの開発に多大な関心が寄せられている。
【0006】
しかしながら、可視線(波長:700〜400nm)または近紫外線(波長:400〜300nm)を利用する通常の方法を用いて高い精度で微細パターンを形成することは困難である。この問題に取り組むため、より短い波長(波長:300nm以下)の放射線を用いるリソグラフィープロセスが開発されている。そのような短波長放射線は広い範囲の焦点深さを達成することができ、最小寸法での設計ルールを保証するのに有効である。
【0007】
短波長放射線の例、深紫外線、例えば、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)、またはArFエキシマレーザー(波長:193nm)に加えて、X線、例えば、シンクロトロン放射、荷電粒子線、例えば、電子ビーム等を用いることができる。しかしながら、そのようなプロセスで用いられるポリマー物質は、組成、化学的耐性、DUVに対する透明性、および物理的特徴の点で制限される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
当該技術分野において、DUVにおける使用について透明で活性化光の透過を許容し、およびさらなる処理条件に耐えるのに十分な頑強さを有する新規ポリマー物質の需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の簡単な要旨)
一側面において、本発明は式
【0010】
【化15−2】

を有するポリマーを提供し、
式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、各々のRは、独立に、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖、非置換もしくは置換アルキル基または4〜20個の炭素原子を有する架橋もしくは非架橋、非置換もしくは置換一価脂環式炭化水素基を表し、ただし、少なくとも1つのR基は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であり、またはいずれか2つのR基が、それら2つのR基が結合する炭素原子との組み合わせで一緒に、4〜20個の炭素原子を有する架橋もしくは非架橋、非置換もしくは置換二価脂環式炭化水素基を形成し、残りのR基が1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖、非置換もしくは置換アルキル基であり、または−C(R
【0011】
【化16】

のうちの1つであり、ならびに
該ポリマーはリビングフリーラジカル法により式
【0012】
【化17】

を有する連鎖移動剤(CTA)の存在下で調製され、
式中、Rはそのフリーラジカル形態で放出されるのに十分な不安定さである基であり、Tは炭素またはリンであり、およびZは可逆性フリーラジカル付加−断片化反応に向けてC=S二重結合を活性化するあらゆる基である。
【0013】
特定の態様において、Zはヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0014】
他の態様において、Zは水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアロイル、必要に応じて置換されているアルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアルキルスルホニル、必要に応じて置換されているアルキルスルフィニル、必要に応じて置換されているアルキルホスホニル、必要に応じて置換されているアリールスルフィニル、および必要に応じて置換されているアリールホスホニルからなる群より選択される。
【0015】
さらなる側面において、本発明のポリマー樹脂は式
【0016】
【化18】

を有する少なくとも1つの第2反復単位をさらに含むことができ、
式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基または1つ以上のアルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシもしくはオキソ基で置換される、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であり、2つ以上のR基は、存在する場合には、同じであるかもしくは異なり、iは0−(3+k)の整数であり、jは0または1であり、kは1〜3の整数であり、Rは水素原子またはメチル基を表し、Bはメチレン基、酸素原子、またはイオウ原子であり、Rは水素原子、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、または1つ以上のアルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシもしくはオキソ基で置換される、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、ならびにRは水素原子、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、または1つ以上のアルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシもしくはオキソ基で置換される、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表す。
【0017】
本発明のポリマー樹脂は式
【0018】
【化19】

を有する少なくとも1つのさらなる反復単位をさらに含むことができ、
式中、Eは非架橋もしくは架橋、非置換もしくは置換脂環式炭化水素から誘導される基を表し、およびRは水素原子、トリフルオロメチルまたはメチル基である。
【0019】
本発明のポリマー樹脂は、一般には、約2,000〜約30,000の分子量を有する。加えて、これらのポリマー樹脂は、一般には、約1.5以下の多分散性を有する。最後に、本発明の方法によって調製されるポリマー樹脂は、一般には、本明細書を通して開示される方法によって開裂することができるCTA断片を含む。
【0020】
別の側面において、本発明は式
[A][B][C] (I)
を有するポリマーに属し、
式中、A、BおよびCは、各々独立に、
【0021】
【化20】

のうちの1つである。特には、「x」は包括的に約0〜約200であり、「y」は約1と約200との間に含まれ、および「z」は包括的に約1〜約200である。一般には、本発明のポリマーはランダム共重合体であり、バッチ法または半連続重合反応条件下で調製することができる。
【0022】
本発明のポリマーの特定の側面において、xは少なくとも1の値を有する。
【0023】
本発明の他の側面において、本発明のポリマーは約1.7未満の多分散指数を有し、特には、約1.2〜約1.4である。本発明のポリマーの分子量(M)は約2,000〜約30,000の範囲を有する。
【0024】
一態様において、A、BおよびCは、各々独立に、
【0025】
【化21】

から選択され、およびxは少なくとも1である。特定の態様において、A、BおよびCは各々異なる(A≠B≠C)。例えば、3つの異なるメタクリルモノマー(A、BおよびC)で調製される例示ポリマーは
【0026】
【化22】

である。当該技術分野における熟練者は、ポリマー式[A][B][C]において、A、BおよびCのモノマーサブユニットがそれらそれぞれの不飽和オレフィン部分によって得られるポリマー樹脂に重合していることを理解するべきである。
【0027】
別の態様において、A、BおよびCは、各々独立に、
【0028】
【化23】

から選択され、式中、xは少なくとも1である。例えば、3つの異なるアクリルモノマー(A、B、およびC)から調製されるポリマーは、ポリマー樹脂
【0029】
【化24】

によって表すことができる。したがって、立体的にかさばるエステル基を有するアクリルおよびメタクリル両タイプのエステルが調製されており、それらは本発明に包含され、および、例えば、コーティング用途、例えば、フォトレジスト材料において有用である。
【0030】
さらに別の態様において、A、BおよびCは、各々独立に、
【0031】
【化25】

から選択され、式中、xは少なくとも1である。例えば、3つの異なるアクリルモノマー(A、BおよびC)から調製されるポリマーは、
【0032】
【化26】

の様なポリマー樹脂で表すことができる。したがって、立体的にかさばるエステル基を有するアクリルおよびメタクリル両タイプのエステル、およびそれらの混合物が調製されており、それらは本発明に包含され、および、例えば、コーティング用途、例えば、フォトレジスト材料において有用である。
【0033】
本発明の特定の側面において、ポリマー(アクリルまたはメタクリル誘導体)の末端位置はチオカルボニルチオ部分を含む。チオカルボニルチオ部分も開裂条件に処することができ、それ故、一態様において、ポリマーの末端位置は式
【0034】
【化27】

を有する終止基を有し、式中、R’はCNまたはCOOMeである。その代わりに、末端位置は、選択される条件に依存して、水素原子、モノマー単位またはRAFT基でキャップすることができる。
【0035】
複数の態様が開示されるが、本発明の説明用の態様を示し、および記載する以下の詳細な説明から当該技術分野における熟練者には本発明のさらに他の態様が明らかになるであろう。理解されるであろうように、本発明は、すべて本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な明白な側面において変更が可能である。したがって、図面および詳細な説明は本質的に説明とみなされるべきであり、制限的なものではない。
【0036】
(詳細な説明)
193または157nmでの高吸収はレジストへの光の透過を制限し、レジスト底部での完全なレジスト露光が見込めない。完全なレジスト露光なしではレジストは正確に画像形成することができない。レジストが完全な露光を保証するのに十分な薄さで製造される場合、引き続く処理工程、例えば、プラズマエッチングまたはイオン注入に耐えるのに十分な厚さではない可能性がある。この問題を補うため、レジスト設計者は、しばしば、より光反応性である第2レジストの頂部に十分薄いレジストが堆積している多層レジストという手段をとる。これらの複合レジストは有効ではあるが、現像の間の露光領域のアンダーカットまたは拡張によって分解能が損なわれる。本発明は、エッチングおよび/または他の露光後処理工程に耐えるのに十分な厚さでもありながらレジストの底部に光が透過するのを許容するように十分に薄い単層または多層薄レジストを製造するための物質および方法を提供する。放射エネルギー源に露光した後に露光された塩基可溶性ポリマーを除去するのに通常の水性現像液を用いることができる。
【0037】
フォトリソグラフパターンを形成する能力はRayleigh式によって定義され、式中、Rは光学系の分解能または線幅を表す。Rayleigh式は:
R=kλ/NA
であり、式中、λは露出光の波長を表し、NAはレンズの開口数であり、およびkは処理因子である。このRayleigh式から、より高い分解能を達成し、すなわち、より小さいRを得るため、露出光の波長λは値が低下しなければならないことが理解されるはずである。例えば、高圧水銀蒸気ランプが波長365nmの定義された放射線帯(「i線」)を放射することはよく知られている。水銀蒸気ランプは、64Mビット以下の集積度を有するダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー(DRAM)の製造に光源として用いられている。同様に、波長248nmで放射エネルギーを放射するKrFエキシマレーザーは256ビットDRAM装置の大量生産において通常用いられる。この製造プロセスは0.25ミクロン未満の処理寸法を必要とする。1Gビットを上回る集積度を有するDRAMの製造にはより短い波長が必要である。そのような装置は0.2ミクロン未満の処理寸法を必要とする。この目的のため、他のエキシマレーザー、例えば、222nmの波長を有するKrClレーザー、193nmの波長を有するArFレーザー、および157nmの波長を有するFレーザーが現在研究されている。
【0038】
一側面において、本発明は式
【0039】
【化28】

を有するポリマーを提供し、
式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、各々のRは、独立に、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖、非置換もしくは置換アルキル基または4〜20個の炭素原子を有する架橋もしくは非架橋、非置換もしくは置換一価脂環式炭化水素基を表し、ただし、少なくとも1つのR基は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であり、またはいずれか2つのR基が、それら2つのR基が結合する炭素原子との組み合わせで一緒に、4〜20個の炭素原子を有する架橋もしくは非架橋、非置換もしくは置換二価脂環式炭化水素基を形成し、残りのR基が1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖、非置換もしくは置換アルキル基であり、または−C(Rは、
【0040】
【化29】

が炭素結合が直接エステル酸素に結合することを示すような
【0041】
【化30】

のうちの1つであり、ならびに
該ポリマーはリビングフリーラジカル法により式
【0042】
【化31】

を有する連鎖移動剤(CTA)の存在下で調製され、
式中、Rはそのフリーラジカル形態で放出されるのに十分な不安定さである基であり、Tは炭素またはリンであり、およびZは可逆性フリーラジカル付加−断片化反応に向けてC=S二重結合を活性化するあらゆる基である。
【0043】
特定の態様において、Zはヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0044】
他の態様において、Zは水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアロイル、必要に応じて置換されているアルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアルキルスルホニル、必要に応じて置換されているアルキルスルフィニル、必要に応じて置換されているアルキルホスホニル、必要に応じて置換されているアリールスルフィニル、および必要に応じて置換されているアリールホスホニルからなる群より選択される。
【0045】
さらなる側面において、本発明のポリマー樹脂は式
【0046】
【化32】

を有する少なくとも1つの第2反復単位をさらに含むことができ、
式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基または1つ以上のアルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシもしくはオキソ基で置換される、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であり、2つ以上のR基は、存在する場合には、同じであるかもしくは異なり、iは0−(3+k)の整数であり、jは0または1であり、kは1〜3の整数であり、Rは水素原子またはメチル基を表し、Bはメチレン基、酸素原子、またはイオウ原子であり、Rは水素原子、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、または1つ以上のアルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシもしくはオキソ基で置換される、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、ならびにRは水素原子、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、または1つ以上のアルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシもしくはオキソ基で置換される、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表す。
【0047】
本発明のポリマー樹脂は式
【0048】
【化33】

を有する少なくとも1つのさらなる反復単位をさらに含むことができ、
式中、Eは非架橋もしくは架橋、非置換もしくは置換脂環式炭化水素から誘導される基を表し、およびRは水素原子、トリフルオロメチルまたはメチル基である。
【0049】
本発明のポリマー樹脂は、一般には、約2,000〜約30,000の分子量を有する。加えて、これらのポリマー樹脂は、一般には、約1.5以下の多分散性を有する。最後に、本発明の方法によって調製されるポリマー樹脂は、一般には、本明細書を通して開示される方法によって開裂することができるCTA断片を含む。
【0050】
すべてのモノマー(およびここで提示されるポリマーから誘導されるモノマー単位)の組み合わせが本発明の範囲内にあることは理解されるべきである。
【0051】
本発明の一側面において、ポリマー樹脂はアルカリに不溶性であるか、またはほとんど可溶ではないが、酸の作用によってアルカリ可溶性となる。上述の一般式(1)を有するポリマー樹脂は、本明細書を通して説明されるように、LFRPによってCTAの存在下において調製される。以下、このポリマー樹脂を「ポリマー樹脂(A)」と呼ぶ。
【0052】
ここで用いられる「アルカリに不溶性であるか、またはほとんど可溶ではない」という用語は、樹脂(A)を含む放射線感受性樹脂組成物で形成されるレジスト膜を用いてレジストパターンを形成するときに用いられるアルカリ性現像条件の下で樹脂(A)のみからなるレジスト膜を現像する場合に、初期膜厚の50%以上が現像後に残る特徴を指す。
【0053】
ポリマー樹脂(A)は本明細書を通して説明される、1つ以上のさらなる反復モノマー単位を含むことができる。例えば、これらの反復単位には、上述の式(3)を有するものとして上で注記されるものが含まれる。ポリマー樹脂(A)は上述の式(4)を有する反復単位を含むこともできる。
【0054】
反復単位(1)において−C(Rによって示される基の具体的な例として、t−ブチル基および以下の式の基、またはそれらの置換体がある。
【0055】
【化34】

上で同定される−C(R基は、独立に、またはポリマー樹脂(A)内の1つ以上のさらなるモノマーとの組み合わせで存在し得ることは理解されるべきである。
【0056】
式(3)を有する反復単位の具体的な例には、
【0057】
【化35】

が含まれ、式中、Rは上で定義される通りである。
【0058】
その代わりに、式(3)を有する反復単位の例には、
【0059】
【化36】

が含まれ、式中、Rは上で定義される通りである。
【0060】
式(4)におけるEは非架橋もしくは架橋脂環式炭化水素から誘導される基であり、より好ましくは、シクロヘキサン、ノルボルナン、トリシクロデカン、アダマンタン、またはこれらの基がメチル基で置換されている1つ以上の水素を有する化合物から誘導される基である。
【0061】
式(4)におけるE構造の適切な例には、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−プロピル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、1−ヒドロキシ−n−ブチル基、2−ヒドロキシ−n−ブチル基、3−ヒドロキシ−n−ブチル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基、3−ヒドロキシシクロペンチル基、4−ヒドロキシシクロヘキシル基、5−ヒドロキシ−2−ノルボルニル基、8−ヒドロキシ−3−トリシクロデカニル基、8−ヒドロキシ−3−テトラシクロドデカニル基、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基、3−オキソシクロペンチル基、4−オキソシクロヘキシル基、5−オキソ−2−ノルボルニル基、8−オキソ−3−トリシクロデカニル基、8−オキソ−3−テトラシクロドデカニル基、4−オキソ−1−アダマンチル基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノ−n−プロピル基、4−シアノ−n−ブチル基、3−シアノシクロペンチル基、4−シアノシクロヘキシル基、5−シアノ−2−ノルボルニル基、8−シアノ−3−トリシクロデカニル基、8−シアノ−3−テトラシクロドデカニル基、3−シアノ−1−アダマンチル基、2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基、3−ヒドロキシ−3,3−ジ(トリフルオロメチル)−n−プロピル基、4−ヒドロキシ−4,4−ジ(トリフルオロメチル)−n−ブチル基、5−[2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル]−2−ノルボルニル基、8−[2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル]−3−トリシクロデカニル基、8−[2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル]−3−テトラシクロドデカニル基、および3−[2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル]−1−アダマンチル基が含まれる。
【0062】
上で同定されるE基のうち、5−ヒドロキシ−2−ノルボルニル基、8−ヒドロキシ−3−トリシクロデカニル基、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基、5−シアノ−2−ノルボルニル基、8−シアノ−3−トリシクロデカニル基、3−シアノ−1−アダマンチル基、5−[2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル]−2−ノルボルニル基、8−[2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル]−3−トリシクロデカニル基が特に興味深い。
【0063】
樹脂(A)における反復単位(1)のパーセンテージは、反復単位の合計含有量の約10〜約80モル%、特には約20〜約70モル%、さらにより厳密には約20〜約60モル%である。樹脂(A)における反復単位(3)または(4)の合計パーセンテージは、反復単位の合計含有量の約20〜約80モル%、特には約20〜約60モル%、さらにより厳密には約30〜約60モル%である。樹脂(A)に組み込むことができる、本明細書を通して説明される他の反復単位の含有率は、一般には、反復単位の合計含有量の約50モル%以下、特には30モル%以下である。
【0064】
樹脂(A)はLFRPによって調製することができる。不飽和モノマーの重合は、本明細書を通して説明されるように、適切な溶媒中で、連鎖移動剤(CTA)、およびラジカル重合開始剤、例えば、過酸化水素、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、またはアゾ化合物の存在下で行う。
【0065】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される樹脂(A)のポリスチレン還元重量平均分子量(以下、「Mw」と呼ぶ)は、一般には約1,000〜約100,000、特には約1,000〜約50,000、さらにより厳密には約2,000〜30,000、さらにより厳密には約4,000〜約12,000である。
【0066】
Mwの、ポリマー樹脂(A)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定されるポリスチレン還元数平均分子量(以下、「Mn」と呼ぶ)に対する比(Mw/Mn)は、一般には約1〜約1.8、特には約1〜約1.5、例えば、約1.6である。
【0067】
樹脂(A)は不純物、例えば、ハロゲンまたは金属をほとんど含まないことが好ましい。そのような不純物の量が少ないほど、コーティング、例えば、フォトレジストにおいて用いるとき、ポリマー樹脂の感度、分解能、処理安定性、パターン形状等が良好である。樹脂(A)は化学的精製方法、例えば、再沈殿、水での洗浄、液−液抽出、または化学的精製方法および物理的精製方法、例えば、限外濾過または遠心の組み合わせを用いて精製することができる。
【0068】
本発明は、少なくとも部分的には、248nm未満の波長、すなわち、193nmまたは157nmで用いられる光感受性組成物を、光−酸生成剤および立体的にかさばるエステル基を含む本発明のアクリルまたはメタクリルベースのポリマー樹脂を組み合わせることによって配合できるという発見に基づく。一側面において、このエステル部分は5個以上の炭素原子を有する単環式、二環式、三環式、または四環式非芳香族環であり、その環状構造内にラクトンをさらに含むことができる。フォトレジスト組成物における光分解による酸の生成はポリマー樹脂内のエステル基の開裂を誘導する。これは、塩基での処理によって除去することができるポリマー性カルボン酸を生じる。
【0069】
適切な立体的にかさばるエステル基には本明細書を通して説明されるものが含まれ、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタンおよびノルボルナンが含まれる。式[A][B][C]を有する、本発明のポリマー樹脂の調製に用いられるモノマーの例には、
【0070】
【化37】

が含まれる。本発明のポリマー樹脂の合成において有用なモノマーは、例えば、対応するヒドロキシアダマンタンまたはノルボルナンをメタクリル酸またはアクリル酸のいずれかの誘導体、例えば、塩化アシルまたは無水酢酸と反応させることによって生成することができる。
【0071】
典型的には、2種類以上の上で同定されるモノマーをバッチ処理、連続または半連続供給処理のいずれかで重合させる。
【0072】
本発明のポリマー樹脂は式
[A][B][C] (I)
を有し、式中、A、BおよびCは、各々独立に、本明細書を通して説明されるモノマーのうちの1つである。
【0073】
本発明の一側面において、「x」は包括的に約0〜約200であり、「y」は約1と約200との間に含まれ、および「z」は包括的に約1〜約200である。別の側面において、「x」、「y」および「z」は約5〜約90、約10〜約75、および約25〜約50の範囲内にある。本発明のポリマー樹脂の特定の側面において、xは少なくとも1の値を有する。
【0074】
本発明の別の側面において、「y」および「z」はゼロであり、ならびに「x」は、一般には約10を上回る値を有する、非ゼロの整数であり、したがって、本明細書を通して同定されるモノマーのホモポリマーが提供される。特定の側面において、これらのホモポリマーは本発明の方法(1つ以上)によって調製される。他の側面において、これらのホモポリマーにはN1またはN2のホモポリマーは含まれない。本明細書を通して考察されるように、これらのホモポリマーは約2,000〜約30,000の重量平均分子量を有する。したがって、「x」は約10〜約150である。そのような本発明のホモポリマーは、約2未満、特には約1.7未満、さらにより詳しくは約1.1〜約1.4の多分散性を有する。
【0075】
本発明のさらに別の側面において、「x」は少なくとも1であり、x+y+zは合計で少なくとも10に等しい。別の側面において、「x」、「y」および「z」は、各々独立に、約5〜約90、約10〜約75、および約25〜約50の範囲内にある。一般には、x+y+zは少なくとも約10、特には少なくとも約20、より厳密には少なくとも約25に等しい。
【0076】
一般には、本発明のポリマー樹脂は約2,000〜約30,000の重量平均分子量(M)を一般に有する。本発明の特定の側面において、ポリマー樹脂の分子量は約2,000〜約20,000、約3,000〜約12,000、およびその上に、約3,000〜約8,000である。
【0077】
本発明によって包含される新規ポリマーの他の重要な特徴はそれらの狭い多分散性である。「多分散性」および「多分散指数」(PDI)という用語は当該技術分野において認知されており、重量平均分子量の数平均分子量に対する比を指す。本発明のポリマー樹脂は、典型的には、約2未満、一般には約1.7未満、特には約1.2〜約1.4のPDIを有する。幾つかの場合において、PDI値は約1.1〜約1.2以下である。
【0078】
一態様において、A、BおよびCは、各々独立に、
【0079】
【化38】

から選択され、xは少なくとも1である。特定の態様において、A、BおよびCは各々異なる(A≠B≠C)。一側面において、モノマーA、BおよびCの比は、重量パーセントに基づいて、それぞれ50、35および15に配分される。より具体的には、例示ポリマー樹脂は前述の3つの異なるメタクリルモノマー(A、BおよびC)の各々を利用し、式
【0080】
【化39】

を有する。ここでもやはり、ポリマー式[A][B][C]において、A、BおよびCのモノマーサブユニットがそれらそれぞれの不飽和オレフィン部分を介して結果として生じるポリマー樹脂に重合していることを当該技術分野における熟練者は理解するべきである。式(II)に属するポリマー樹脂は、一般には、約3,000〜約12,000のMおよび約1.1〜約1.2のPDIを有する。
【0081】
別の側面において、A、BおよびCは、各々独立に、
【0082】
【化40】

から選択され、式中、xは少なくとも1である。特定の態様において、A、BおよびCは各々異なる(A≠B≠C)。一側面において、モノマーA、BおよびCの比は、重量パーセントに基づいて、それぞれ55、35および10に配分される。例えば、前記3種類の異なるアクリルモノマー(A、BおよびC)から調製されるポリマーは、式
【0083】
【化41】

を有するポリマー樹脂として表すことができる。式(III)に属するポリマー樹脂は、一般には、約3,000〜約10,000のMおよび約1.3のPDIを有する。
【0084】
さらに別の態様において、A、BおよびCは、各々独立に、
【0085】
【化42】

から選択され、式中、xは少なくとも1である。特定の態様において、A、BおよびCは各々異なる(A≠B≠C)。一側面において、モノマーA、BおよびCの比は、重量パーセントに基づいて、それぞれ55、35および10に配分される。例えば、アクリルモノマーおよびメタクリルモノマー(A、BおよびC)から調製されるポリマーは、
【0086】
【化43】

の様なポリマー樹脂によって表すことができる。
【0087】
したがって、立体的にかさばるエステル基を有するアクリルエステル、メタクリルエステル、およびそれらの混合物が本発明の方法によって重合されており、それらは本発明によって包含され、ならびに、例えば、コーティング用途、例えば、フォトレジスト材料において有用である。
【0088】
本発明は化学適用型の光感受性ポリマー樹脂を提供する。これらのポリマー樹脂は、エキシマレーザーリソグラフィー、例えば、ArFレーザーリソグラフィー、KrFレーザーリソグラフィー等が用いられるフォトレジスト系における使用に適する。本発明のポリマー樹脂は、フォトレジストにおいて用いられるとき、優れた特性、例えば、分解能、プロフィール、感度、乾燥エッチング耐性、付着性等を提供する。
【0089】
モノマー(例えば、A、BおよびC)の重合は通常の方法、例えば、バルク重合に従って、または半連続重合によって行うことができる。例えば、ポリマー樹脂(I)は、必要なモノマーを有機溶媒に溶解した後、重合開始剤、例えば、アゾ化合物の存在下で重合反応を実施することによって得ることができる。重合プロセスの間の連鎖移動剤(CTA)の使用が有利であり得る。
【0090】
本発明の重合反応に適する有機溶媒には、例えば、ケトン、エーテル、極性非プロトン性溶媒、エステル、芳香族溶媒および脂肪族炭化水素(直鎖および環状の両者)が含まれる。例示的ケトンには、メチルエチルケトン(2−ブタノン)(MEK)、アセトン等が含まれる。例示的なエーテルには、アルコキシアルキルエーテル、例えば、メトキシメチルエーテルもしくはエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4ジオキサン等が含まれる。極性非プロトン性溶媒には、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が含まれる。適切なエステルには、酢酸アルキル、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル等が含まれる。芳香族溶媒には、アルキルアリール溶媒、例えば、トルエン、キシレン等およびハロゲン化芳香族化合物、例えば、クロロベンゼン等が含まれる。炭化水素型溶媒には、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン等が含まれる。
【0091】
用いることができる重合条件には、典型的には約20℃〜約110℃の範囲、より厳密には約50℃〜約90℃の範囲、さらにより厳密には約60℃〜約80℃の範囲にある重合温度が含まれる。雰囲気は制御することができ、不活性雰囲気、例えば、窒素またはアルゴンが有利である。ポリマーの分子量は、モノマーのCTAに対する比を調整することによって制御される。一般には、モノマーのCTAに対するモル比は約5:1〜200:1の範囲、より厳密には約10:1〜約100:1、最も詳しくは10:1〜約50:1である。
【0092】
加熱での自発的フリーラジカル生成から、または、一側面においては、フリーラジカル開始剤(ラジカル源生成剤)から生じ得るフリーラジカル源が重合混合物中にもたらされる。後者の場合、許容可能な重合速度(例えば、以下に列挙されるような、特定の期間での商業的に重要な変換)に十分な高さの濃度で開始剤を重合混合物に添加する。反対に、高すぎるフリーラジカル開始剤対CTA比は、特徴が制御されないポリマー物質につながる、ラジカル−ラジカルカップリング反応による望ましくないデッドポリマー形成を助ける。重合用のフリーラジカル開始剤のCTAに対するモル比は、典型的には、約0.5:1〜約0.02:1の範囲、例えば、0.2:1である。
【0093】
本発明の文脈内の「フリーラジカル源」という句は、適切な作業条件(熱的活性化、照射、酸化還元条件等)の下でラジカル種の形成を導き得るあらゆるすべての化合物または化合物の混合物を広範に指す。
【0094】
重合条件には反応時間も含まれ、これは約0.5時間〜約72時間、より詳しくは約1時間〜約24時間の範囲、さらにより詳しくは約2時間〜約12時間の範囲であり得る。モノマーのポリマーへの変換は少なくとも約50%、より詳しくは少なくとも約75%、さらにより詳しくは少なくとも90%以上である。
【0095】
本発明において用いられる開始剤は商業的に入手可能なフリーラジカル開始剤であり得る。しかしながら、一般には、重合温度で短い半減期を有する開始剤が特に用いられる。開始プロセスの速度が生じるポリマーの多分散指数に影響を及ぼし得るため、そのような開始剤が用いられる。すなわち、制御されたリビング重合の速度論は、すべての鎖の重合開始が実質的に同時におこる場合には多分散性に劣るポリマー試料が調製されるようなものである。より具体的には、適切なフリーラジカル開始剤にはあらゆる熱的、酸化還元または光開始剤が含まれ、これには、例えば、アルキル過酸化物、置換アルキル過酸化物、アリール過酸化物、置換アリール過酸化物、アシル過酸化物、アルキルヒドロ過酸化物、置換アルキルヒドロ過酸化物、アリールヒドロ過酸化物、置換アリールヒドロ過酸化物、ヘテロアルキル過酸化物、置換ヘテロアルキル過酸化物、ヘテロアルキルヒドロ過酸化物、置換ヘテロアルキルヒドロ過酸化物、ヘテロアリール過酸化物、置換ヘテロアリール過酸化物、ヘテロアリールヒドロ過酸化物、置換ヘテロアリールヒドロ過酸化物、アルキル過エステル、置換アルキル過エステル、アリール過エステル、置換アリール過エステル、アゾ化合物およびハロゲン化化合物が含まれる。具体的な開始剤には、ヒドロ過酸化クメン(CHP)、ヒドロ過酸化t−ブチル(TBHP)、過安息香酸t−ブチル(TBPB)、過酸化炭酸ナトリウム、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウロイル(LPO)、過酸化メチルエチルケトン45%、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)(VAZO(登録商標)−65)、1,1−アゾビス(シクロ−ヘキサンカルボニトリル)(VAZO(登録商標)−40)、二塩酸2,2−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)(VAZO(登録商標)−044)、二塩酸2,2−アゾビス(2−アミジノ−プロパン)(VAZO(登録商標)−50)および二塩酸2,2−アゾビス(2−アミド−プロパン)が含まれる。酸化還元対、例えば、過硫酸塩/亜硫酸塩およびFe(2)/過酸化物も有用である。開始は、当該技術分野において公知のように、実施される態様に依存して、熱またはUV光によるものでもあり得る(例えば、改変開始剤またはここで考察されるRAFTもしくはMADIX技術にUV光が用いられることがある)。当該技術分野における熟練者は本発明の範囲内で適正な開始剤を選択することができる。
【0096】
連鎖移動剤(CTA)は当該技術分野において公知であり、フリーラジカル重合の制御の促進に用いられる。最終的には、以下でさらに説明されるように、多くの異なる型のCTAをポリマーの末端に組み込むことができる。本発明において有用である適切なCTAの例には、米国特許第6,512,021号、WO98/01478、WO99/35177、WO99/31144、WO99/05099およびWO98/58974(これらの各々は参照によりここに組み込まれる)に記載されるものが含まれる。
【0097】
さらなる例には、米国特許第6,395,850号、第6,518,364号、「リビング型フリーラジカル重合によって製造されるポリマーからのチオ制御剤部分の開裂および置換(”Cleaving and Replacing Thio Control Agent Moieties from Polymers made by Living−Type Free Radical Polymerization”)」と題する、2003年4月3日出願の米国出願第10/407,405号(代理人整理番号2000−089CIP3)および2002年3月22日出願の米国出願第10/104,740号(これらの教示は参照によりそれら全体がここに組み込まれる)に記載されるCTAが含まれる。
【0098】
フリーラジカル重合のための可逆的制御剤の使用および機構は今や一般に公知であり、RAFT(可逆的付加開裂連鎖移動)と呼ばれる。例えば、米国特許第6,153,705号、WO 98/01478、WO 99/35177、WO 99/31144、およびWO 98/58974(これらの各々は参照によりここに組み込まれる)を参照のこと。近年、最も短い可能な反応時間および低温での高い変換を含む商業的に許容し得る条件下での所望のモノマーの重合に容易に利用可能である新規薬剤が開示されている。例えば、米国特許第6,380,335号、第6,395,850号、および第6,518,364号(これらの各々は参照によりここに組み込まれる)を参照のこと。
【0099】
一般には、本発明において有用なCTAは一般式:
【0100】
【化44】

を有し、
式中、Rは、一般には、そのフリーラジカル形態で放出されるのに十分な不安定さであるあらゆる基であり、Tは炭素またはリンであり、およびZは可逆的フリーラジカル付加−断片化反応に向けてC=S二重結合を活性化するあらゆる基であってアミノおよびアルコキシからなる群より選択することができる。他の態様において、Zは炭素原子(ジチオエステル)、窒素原子(ジチオカルバメート)、イオウ原子(トリチオカーボネート)または酸素原子(ジチオカーボネート)を介してC=Sに結合する。Zの具体的な例はWO98/01478、WO99/35177、WO99/31144、およびWO98/58974(これら各々は参照によりここに組み込まれる)に見出すことができる。幾つかの態様において、Zはヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、およびそれらの組み合わせから選択される。より具体的には、Zは水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアロイル、必要に応じて置換されているアルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアルキルスルホニル、必要に応じて置換されているアルキルスルフィニル、必要に応じて置換されているアルキルホスホニル、必要に応じて置換されているアリールスルフィニル、および必要に応じて置換されているアリールホスホニルからなる群より選択することができる。
【0101】
特には、本発明において有用である適切なCTAには、米国特許第6,380,335号(その内容は参照によりここに組み込まれる)において同定されるものが含まれる。より具体的には、本明細書を通して用いられるモノマーとの組み合わせで特に興味深いCTAは一般式:
【0102】
【化45】

によって特徴付けることができ、式中、DはS、TeまたはSeである。一側面において、Dはイオウである。Rは、一般には、以下にスキームA(DをSとして示す)において示されるように、付加−断片化反応の際にそのフリーラジカル形態:
【0103】
【化46】

で容易に放出され得るあらゆる基である:
【0104】
【化47】

スキームAにおいて、
【0105】
【化48】

はフリーラジカル、典型的には、マクロラジカル、例えば、ポリマー鎖である。より具体的には、Rはヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される。さらにより具体的には、Rは必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアルキルチオ、必要に応じて置換されているアミノおよび必要に応じて置換されているポリマー鎖からなる群より選択される。さらにより具体的には、Rは−CHPh、−CH(CH)COCHCH、−CH(COCHCH、−C(CHCN、−CH(Ph)CN、−C(CHCOR(アルキル、アリール等)および−C(CHPhからなる群より選択される。
【0106】
同様に、CTAのRおよびRは、各々独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される。より具体的には、RおよびRは、各々独立に、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアロイル、必要に応じて置換されているアルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアルキルスルホニル、必要に応じて置換されているアルキルスルフィニル、必要に応じて置換されているアルキルホスホニル、必要に応じて置換されているアリールスルフィニル、および必要に応じて置換されているアリールホスホニルからなる群より選択することができる。Rおよび/またはRの具体的な態様は上記定義において列挙されており、加えて、ペルフルオロ化芳香族環、例えば、ペルフルオロフェニルが含まれる。その上、必要に応じて、RおよびRは一緒に窒素原子から分かれる二重結合アルケニル部分を形成することができ、その場合、RおよびRは一緒になって必要に応じて置換されているアルケニル部分である。
【0107】
最後に、CTAのRは水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択され、そして必要に応じて、RはRおよび/またはRと結合して、3〜50個の非水素原子を有する環構造を形成する。特には、Rは水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアリール、アミノ、チオ、必要に応じて置換されているアリールオキシおよび必要に応じて置換されているアルコキシからなる群より選択される。具体的なR基にはメチルおよびフェニルが含まれる。
【0108】
ここで用いられる場合、「構造を有する」という句は限定しようとするものではなく、「含む」という用語が通常用いられるものと同じ方法で用いられる。「からなる群より独立に選択される」という用語は、ここでは、列挙される要素、例えば、R基等が同一であっても異なっていてもよいことを示すのに用いられる(例えば、式(1)におけるRおよびRはすべて置換アルキル基であってもよく、またはRがヒドリドであってRがメチルであってもよい、等)。
【0109】
「任意の」または「必要に応じて」は、引き続き記載される事象または状況が生じても生じなくてもよく、その記述が該事象または環境が生じる場合およびそれが生じない場合を含むことを意味する。例えば、「必要に応じて置換されているヒドロカルビル」という句は、ヒドロカルビル部分が置換されていてもいなくてもよく、その記載が非置換ヒドロカルビルおよび置換が存在するヒドロカルビルの両者を含むことを意味する。
【0110】
「アルキル」という用語は、ここで用いられる場合、必ずではないが典型的には1〜24個の炭素原子を含む、分岐または非分岐飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシル等に加えて、シクロアルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル等を指す。一般には、やはり必ずではないが、ここでのアルキル基は1〜約12個の炭素原子を含む。「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子のアルキル基を意図する。「置換アルキル」は1つ以上の置換基で置換されているアルキルを指し、「ヘテロ原子含有アルキル」および「ヘテロアルキル」という用語は少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されているアルキルを指す。
【0111】
「アルケニル」という用語は、ここで用いられる場合、必ずではないが典型的には2〜約24個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を含む、分岐または非分岐炭化水素基、例えば、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル等を指す。一般には、やはり必ずではないが、ここでのアルケニル基は2〜約12個の炭素原子を含む。「低級アルケニル」という用語は、2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子のアルケニル基を意図する。「置換アルケニル」は1つ以上の置換基で置換されているアルケニル基を指し、「ヘテロ原子含有アルケニル」および「ヘテロアルケニル」という用語は少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されているアルケニルを指す。
【0112】
「アルキニル」という用語は、ここで用いられる場合、必ずではないが典型的には2〜約24個の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する、分岐または非分岐炭化水素基、例えば、エチニル、n−プロピニル、イソプロピニル、n−ブチニル、イソブチニル、オクチニル、デシニル等を指す。一般には、やはり必ずではないが、ここでのアルキニル基は2〜約12個の炭素原子を含む。「低級アルキニル」という用語は、2〜6個の炭素原子、好ましくは3または4個の炭素原子のアルキニル基を意図する。「置換アルキニル」は1つ以上の置換基で置換されているアルキニルを指し、「ヘテロ原子含有アルキニル」および「ヘテロアルキニル」という用語は少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されているアルキニルを指す。
【0113】
「アルコキシ」という用語は、ここで用いられる場合、単一の末端エーテル連結を介して結合するアルキル基を意図する。すなわち、「アルコキシ」基は−O−アルキルと表すことができ、式中、アルキルは上で定義される通りである。「低級アルコキシ」は、1〜6個、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含むアルコキシ基を意図する。「アリールオキシ」という用語は、以下で定義されるアリールを用いて同様の方法で用いられる。
【0114】
同様に、「アルキルチオ」という用語は、ここで用いられる場合、単一の末端チオエーテル連結を介して結合するアルキル基を意図する。すなわち、「アルキルチオ」基は−S−アルキルと表すことができ、式中、アルキルは上で定義される通りである。「低級アルキルチオ」基は1〜6個、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含むアルキルチオ基を意図する。
【0115】
「アレニル」という用語は、ここでは、通常の意味で、構造−CH=C=CHを有する分子断片を指すのに用いられる。「アレニル」基は非置換であっても、1つ以上の非水素置換基で置換されていてもよい。
【0116】
「アリール」という用語は、ここで用いられる場合、および他に指定されない限り、単一の芳香族環または、互いに融合し、共有結合し、もしくは共通の基、例えば、メチレンもしくはエチレン部分に連結する複数の芳香族環を含む芳香族置換基を指す。共通の連結基は、ベンゾフェノンにおけるようなカルボニル、ジフェニルエーテルにおけるような酸素原子、またはジフェニルアミンにおけるような窒素原子でもあり得る。好ましいアリール基は1つの芳香族環または2つの融合もしくは連結する芳香族環を含み、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノン等である。特定の態様において、アリール置換基は1〜約200個の炭素原子、典型的には1〜約50個の炭素原子、好ましくは1〜約20個の炭素原子を有する。「置換アリール」は1つ以上の置換基で置換されているアリール部分を指し(例えば、トリル、メシチルおよびペルフルオロフェニル)、「ヘテロ原子含有アリール」および「ヘテロアリール」という用語は少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置換されているアリールを指す。
【0117】
「アラルキル」という用語はアリール置換基を有するアルキル基を指し、「アラルキレン」という用語はアリール置換基を有するアルキレン基を指す。「アルカリール」という用語はアルキル置換基を有するアリール基を指し、「アルカリーレン」という用語はアルキル置換基を有するアリーレン基を指す。
【0118】
「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、一般的な意味で、クロロ、ブロモ、フルオロまたはヨード置換基を指すのに用いられる。「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」もしくは「ハロアルキニル」(または「ハロゲン化アルキル」、「ハロゲン化アルケニル」もしくは「ハロゲン化アルキニル」)という用語は、その基内の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されている、それぞれ、アルキル、アルケニルもしくはアルキニル基を指す。
【0119】
「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル基」におけるような「ヘテロ原子含有」という用語は、1個以上の炭素原子が炭素以外の原子、例えば、窒素、酸素、イオウ、リンまたはケイ素で置換されている分子または分子断片を指す。同様に、「ヘテロアルキル」という用語はヘテロ原子含有であるアルキル置換基を指し、「複素環の」という用語はヘテロ原子含有である環状置換基を指し、「ヘテロアリール」という用語はヘテロ原子含有であるアリール置換基を指す、などである。「ヘテロ原子含有」という用語が可能なヘテロ原子含有基のリストに先立って表される場合、この用語がその基の各構成要素に適用されることが意図される。すなわち、「ヘテロ原子含有アルキル、アルケニルおよびアルキニル」という句は、「ヘテロ原子含有アルキル、ヘテロ原子含有アルケニルおよびヘテロ原子含有アルキニル」と解釈される。
【0120】
「ヒドロカルビル」は、分岐もしくは非分岐、飽和もしくは不飽和種を含む、1〜約30個の炭素原子、好ましくは1〜約24個の炭素原子、最も好ましくは1〜約12個の炭素原子を含む一価ヒドロカルビル遊離基、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基等を指す。「低級ヒドロカルビル」という用語は、1〜6個の炭素原子、好ましくは、1〜4個の炭素原子のヒドロカルビル基を意図する。「置換ヒドロカルビル」は1つ以上の置換基で置換されているヒドロカルビルを指し、「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル」および「ヘテロヒドロカルビル」という用語は少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置換されているヒドロカルビルを指す。
【0121】
「置換ヒドロカルビル」、「置換アリール」、「置換アルキル」、「置換アルケニル」等における「置換」が意味するところは、上述の定義の幾つかにおいて暗示されるように、ヒドロカルビル、ヒドロカルビレン、アルキル、アルケニルまたは他の部分において、炭素原子に結合する少なくとも1個の水素原子が、ヒドロキシル、アルコキシ、チオ、ホスフィノ、アミノ、ハロ、シリル等のような基である置換基の1つ以上で置換されていることである。「置換」という用語が可能な置換されている基のリストに先立って現れるとき、その用語がその基の各構成要素に適用されることが意図される。すなわち、「置換アルキル、アルケニルおよびアルキニル」という句は「置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル」と解釈される。同様に、「必要に応じて置換されているアルキル、アルケニルおよびアルキニル」は「必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルケニルおよび必要に応じて置換されているアルキニル」と解釈される。
【0122】
ここで用いられる場合、「シリル」という用語は−SiZ1Z2Z3遊離基を指し、式中、Z1、Z2、およびZ3の各々はヒドリドならびに必要に応じて置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリール、複素環、アルコキシ、アリールオキシおよびアミノからなる群より独立に選択される。
【0123】
ここで用いられる場合、「ホスフィノ」という用語は基−PZ1Z2を指し、式中、Z1およびZ2の各々はヒドリドならびに必要に応じて置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリール、複素環およびアミノからなる群より独立に選択される。
【0124】
「アミノ」という用語は、ここでは、基−NZ1Z2を指すのに用いられ、式中、Z1およびZ2の各々はヒドリドならびに必要に応じて置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリールおよび複素環からなる群より独立に選択される。
【0125】
「チオ」という用語は、ここでは、基−SZ1を指すのに用いられ、式中、Z1はヒドリドならびに必要に応じて置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルカリールおよび複素環からなる群より選択される。
【0126】
ここで用いられる場合、元素周期律表の元素および族に対するすべての参照は、基のナンバリングの新規IUPACシステムを記載する、Handbook of Chemistry and Physics,CRC Press,1995によって公開される版の表に対するものである。
【0127】
特定の態様において、RはRまたはRと結合して置換または非置換ピラゾール部分を形成する。
【0128】
例示的CTAには、例えば、
【0129】
【化49】

が含まれる。
【0130】
幾つかの態様において、上述の生じる本発明のポリマーは、例えば(CTA由来の)チオ基を有する、1つ以上の末端を有する。そのポリマーが意図する用途に依存して、チオ基は望ましくないものであり得る。したがって、本発明は、CTAがポリマー樹脂末端から排除されているポリマー樹脂も提供する。
【0131】
本明細書を通して説明される特定の態様において、生じるポリマーはCTA部分(CTAの一部、例えば、ジチオカルボニル部分)を、それが主鎖の終端、星形の腕、櫛の終端、分岐端、またはグラフトであろうとも、末端に含む。CTAの除去は以下に説明される幾つかの方法によって達成することができる。機構的には、フリーラジカル連鎖移動反応は、外部ラジカル源を付加することによってポリマー端から残基、例えば、ジチオCTA部分を脱カップリングするものと信じられる。
【0132】
一態様においては、幾つかの場合において、CTA部分(例えば、チオカルボニルチオ部分、チオ基)をポリマー末端から開裂することにより、CTAの少なくともイオウ含有部分をポリマー末端(存在する場合)位置から除去することが有利である。一態様において、これは、フリーラジカル開始剤および不安定な水素原子を坦持する化合物を用いるジチオカルボニルまたはジチオホスホリルのラジカル還元によって達成することができる。この方法は望ましくない基をポリマー鎖の終端から本質的に除去し、それを水素原子で置換する。例えば、WO 02/090397(これは参照によりその全体がここに組み込まれる)を参照のこと。
【0133】
別の側面においては、「リビング型フリーラジカル重合によって製造されるポリマーからのチオ制御剤部分の開裂および置換(”Cleaving and Replacing Thio Control Agent Moieties from Polymers made by Living−Type Free Radical Polymerization”)」と題する、2003年4月3日出願の米国出願第10/407,405号(代理人整理番号2000−089CIP3)(その教示は参照によりそれらの全体がここに組み込まれる)において記載されるように、過剰の開始剤を用い、それによりポリマーの末端でCTAを開始剤の分解生成物で置換させることによってCTAを置換することができる。
【0134】
さらに別の側面においては、「リビング型フリーラジカル重合によって製造されるポリマーからのチオ制御剤部分の開裂および置換(”Cleaving and Replacing Thio Control Agent Moieties from Polymers made by Living−Type Free Radical Polymerization”)」と題する、2003年4月3日出願の米国出願第10/407,405号(代理人整理番号2000−089CIP3)(その教示は参照によりそれらの全体がここに組み込まれる)において記載されるように、開始剤をRAFT剤と組み合わせて用いることによってCTAを置換することができる。
【0135】
さらに別の側面においては、「ポリマーのチオカルボニルチオまたはチオホスホリルチオ末端基の除去およびそれらのさらなる分解(”Removal of the Thiocarbonylthio or Thiophosphorylthio End Group of Polymers and Further Functionalization Thereof”)」と題する、2003年6月26日出願の米国出願第10/609,255号(代理人整理番号2003−042)(その教示は参照によりそれらの全体がここに組み込まれる)において記載されるように、ラジカル源と共に導入される非ホモ重合性モノマーによってCTAを置換することができる。
【0136】
いかなる特定の理論にも結びつけられないことを願うが、ポリマーからのチオ基の開裂は以下にスキーム1および2において説明される一組の反応によって進行するものと考えられる:
【0137】
【化50】

式中、Pはポリマーを表し、Tは炭素またはリンであり、Sはイオウであり、Iはフリーラジカル源であり、I・はI分解から生じるフリーラジカルであり、およびZは上で定義される通りである。スキーム1は、ラジカルI・を生じる、フリーラジカル開始剤の活性化を表し、およびスキーム2は、ポリマーラジカルP・を生じる、ジチオ末端ポリマーに対するI・の付加−分解を表す。
【0138】
幾つかの態様において、外部ラジカル源は通常のラジカル開始剤、例えば、上に列挙されるあらゆる開始剤である。その正確な性質に関係なく、本発明による手順において実施されるフリーラジカル源はフリーラジカルの生成を可能にする開裂反応条件下で用いられ、その生成は、一態様においては、熱的活性化により、すなわち、反応媒体の温度を通常はほぼ室温(約20℃)〜約200℃、厳密には約40℃〜約180℃、より厳密には約50℃〜約120℃の範囲の温度まで上昇させることによって達成される。他の態様においては、光活性化によってフリーラジカルを生成する。これはUV光によって活性化可能なフリーラジカル源、例えば、ベンゾインエーテル、およびベンゾフェノンを含む。高エネルギー放射線、例えば、ガンマ線および電子ビームもラジカルを生成することが公知である。
【0139】
用いられるフリーラジカル源は一段階の増量で反応媒体に導入することができる。しかしながら、部分的または連続的のいずれかによって、徐々に導入することもできる。
【0140】
用いることができる開裂反応条件には、温度、圧力、雰囲気、反応時間および反応成分の比などの条件が含まれる。有用な温度は、ほぼ室温(約20℃)〜約200℃、厳密には約40℃〜約180℃、より厳密には約50℃〜約120℃の範囲のものである。幾つかの態様において、雰囲気は制御することができ、不活性雰囲気、例えば、窒素またはアルゴンが用いられる。他の態様においては、周囲雰囲気が用いられる。開裂反応条件には周囲条件での開放または閉鎖雰囲気および圧力も含まれる。開裂反応を閉鎖雰囲気で行ない、温度が室温を上回る態様においては、加熱される溶媒の結果として圧力が上昇する可能性がある。幾つかの態様においては、光制御も望ましい。具体的には、反応を可視光、またはUV光の下で行うことができる。
【0141】
フリーラジカル源の量はその有効性、その源が導入される様式、および所望の最終生成物に依存する。用いられるフリーラジカル源は、その源によって放出され得るフリーラジカルの量が、開裂が望まれるポリマー中の基の合計モル量に対して約1%〜約800%(モル)、厳密には約50%〜約400%(モル)、より厳密には約100%〜約300%(モル)、より厳密には約200%〜約300%であるような量で導入することができる。幾つかの態様においては、完全な除去または可能な限り完全に近くが望ましく、それらの態様においては、過剰のフリーラジカル源が導入される。
【0142】
過剰のフリーラジカル源は、フリーラジカルプロセスにおいて公知の副反応、例えば、以下で言及されるもの(例えば、スキーム5)に加えて、ケージ効果によって生じる、起こり得るフリーラジカル損失の原因であることが意図される。利用可能であるとき、活性ラジカルのフリーラジカル源分解の際に生じる合計ラジカルに対する比として定義されるフリーラジカル源効率因子fをIの濃度の調整に用いることができる。
【0143】
(その後にフリーラジカル源の半分が消費されている時間として定義される)半減期が約10分〜20時間である限り、最も公知のフリーラジカル源を用いることができる。
【0144】
フリーラジカル源として用いることができる典型的な開始剤は、アルキル過酸化物、置換アルキル過酸化物、アリール過酸化物、置換アリール過酸化物、アシル過酸化物、アルキルヒドロ過酸化物、置換アルキルヒドロ過酸化物、アリールヒドロ過酸化物、置換アリールヒドロ過酸化物、ヘテロアルキル過酸化物、置換ヘテロアルキル過酸化物、ヘテロアルキルヒドロ過酸化物、置換ヘテロアルキルヒドロ過酸化物、ヘテロアリール過酸化物、置換ヘテロアリール過酸化物、ヘテロアリールヒドロ過酸化物、置換ヘテロアリールヒドロ過酸化物、アルキル過エステル、置換アルキル過エステル、アリール過エステル、置換アリール過エステル、ジアルキルペルジカーボネート、無機過酸化物、次亜硝酸塩およびアゾ化合物のうちから選択される。具体的な開始剤にはラウロイルおよびベンゾイル過酸化物(BPO)ならびにAIBNが含まれる。幾つかのアゾ化合物には、1、1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1−[(シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン二硫酸塩二水和物、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、および2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}が含まれる。これにはUVによって活性化可能な開始剤、例えば、ベンゾインエーテル、およびベンゾフェノンが含まれる。他の開始剤は高エネルギー、例えば、ガンマ線および電子ビームによって活性可能である。半減期は反応温度を必要な範囲に設定することによって調整することができる。後者は、供給者の情報パッケージを通して、または文献(例えば、“The Chemistry of Free Radical Polymerization,G.Moad,D.H.Salomon,Eds.Pergamon Pub.1995)において入手可能な、開始剤分解速度の温度依存性によって決定される。分解速度、したがって、ラジカル生成も、特には開始剤が酸化性を有する、例えば、過酸化物であるとき、還元剤を添加することによって調整可能である。例えば、メタ重亜硫酸塩、アスコルビン酸、亜硫酸−ホルムアルデヒド付加物、アミン、および低酸化状態金属等を過酸化物型開始剤と共に用いてラジカル流を促進することができる。
【0145】
開裂反応条件には反応時間も含まれ、これは約0.5時間〜約72時間、より詳しくは約1時間〜約24時間の範囲、さらにより詳しくは約2時間〜約12時間の範囲であり得る。例えば、ポリマーからのチオ基の開裂は少なくとも約50%、より厳密には少なくとも約75%、より厳密には少なくとも約85%、さらにより厳密には少なくとも約95%である。チオ基の置換は少なくとも約50%、より厳密には少なくとも約75%、より厳密には少なくとも約85%、さらにより厳密には少なくとも約95%である。
【0146】
チオ基は上で詳述される様々な異なる部分、様々なRAFT剤等で置換することができる。一態様においては、WO 02/090397(Rhodia Chimieに譲渡されている)に記載されるように、CTAのチオ部分を水素原子で置換することができる。別の態様においては、チオ基を非ホモ重合性モノマー単位で置換することができる。さらに別の態様においては、フリーラジカル源はポリマー末端をキャップするためのみに導入される。
【0147】
開裂反応混合物は、典型的には溶媒である反応媒体を用いることができる。開裂反応条件には反応媒体の攪拌または還流も含まれる。生じるポリマーラジカルP・は、次に、以下にスキーム3、4および5において示されるような3つの方法のうちの1つでキャップすることができる:
【0148】
【化51】

スキーム3はスキーム2において生成されるポリマーラジカルおよびスキーム1において生成されるフリーラジカルのラジカルカップリングを表し、これは結果としてのキャップされたポリマーP−Iを生じる。スキーム4は、スキーム2において生成されるポリマーラジカルと開裂ポリマーを生じるフリーラジカル開始剤との間の移動反応に加えて、新たなフリーラジカル源を表す。スキーム5は2つのポリマーラジカルの間のカップリング反応を表す。
【0149】
一態様においては、スキーム3および4が望ましい反応である。スキーム5は、バルクポリマー試料の分子量の増加および分子量分布の拡大に寄与する副反応である。望ましい開裂反応条件は、例えば分子量特性(Mwおよび多分散指数)の変化をほとんど、またはまったく伴わない、ジチオ化合物の定量的開裂を導くことが見出されている。
【0150】
一態様においては、開裂反応条件下でポリマーをフリーラジカル源、例えば、開始剤で処理し、したがって、反応3および4が優勢である。これらの条件には、ラジカル源を、その源によって放出され得るフリーラジカルの量が、開裂が望まれるポリマー中の基の合計モル量に対して約200%〜約500%(モル)、厳密には約200%〜約300%(モル)であるような量で導入することが含まれる。
【0151】
結果としてのポリマーは新たな基をその末端に有し、それはそのポリマーを特定の用途により望ましいものとする。例えば、上記ポリマーは、修飾前のポリマー中に存在する量でのイオウの存在を許容することができない用途、例えば、臭気が問題を提起し得る住宅およびパーソナルケア製品により望ましいものであり得る。
【0152】
CTA末端基を有していようといまいと、重合反応の完了後に反応生成物を再沈殿等によって生成することが有利である。典型的な沈殿剤には、低分子量アルコール、例えば、イソプロピル、メチル、エチル、およびブチルアルコールが含まれる。
【実施例】
【0153】
(本発明によって包含されるメタクリレートおよびアクリレートモノマーのリビング重合のための手順)
以下は、CTAと共に用いるための(表I、C欄を参照)、モノマーを重合して望ましい公称組成を有するポリマーを形成するための(表I、H欄)および100%変換で異なる分子量(Mx)を持たせることを標的とする一般的な手順である。重合は有機溶媒、すなわち、MEK(2−ブタノン)(3回の凍結−くみ出し−解凍サイクルによって脱気)中で行い、開始剤MAIB(WAKOからのV601、2,2’−ジメチルアゾビス(メチルプロピオネート))を反応の維持に用いた。原料溶液は、モノマー、CTAおよび開始剤を秤量した後、精製MEKが加えられている酸素フリーボックスに真空で循環させることによって作製した。
【0154】
同様の条件を他のコモノマー混合物に、また他のCTAに関して用いることができる。標的分子量はモノマーのCTAに対するモル比として設定する。供給時間も変化させることができる(表I、G欄)。供給時間は標的分子量、ポリマー組成(反応性比および引き続くモノマードリフトのため)の他にPDIをもたらす。
【0155】
例えば、CTA H−AB−1とアクリレートとの反応条件は、一般には、3時間の供給時間に続いて6時間の65℃での継続加熱を必要とする。対照的に、CTA H−T−3とメタクリレートとの反応条件は、一般には、6時間の供給時間に続いて2時間の80℃での継続加熱を必要とする。
【0156】
(公称組成N1/P1/Q1(50/35/15)および100%変換で6000g/モルを目標とするMwを有するポリマーをCTA−HT3を制御剤として用いて調製するための例)
原料溶液(ss)は以下の通りである:
1)「モノマー混合物」:17.830g N1+16.708g P1+6.315g Q1+145mL MEK
2)「MAIB溶液」:1.271g MAIB+30mL MEK
3)「CTA溶液」:1.417g CTA−H−T−3+7.044mL MEKで8.804mLの原料溶液を得る
4)「MEK」(純粋):29.150mL MEK
反応:
1)磁気攪拌棒および還流濃縮器を備える500mLガラス反応フラスコをグローブボックス内に循環させた。
【0157】
2)すべての「CTA溶液」(8.804mL)およびすべての「MEK」に加えて、1.918mLの「MAIB溶液」および19.285mLの「モノマー混合物」(これらの溶液各々の10%)を反応フラスコに添加した。
【0158】
3)次に、反応フラスコをグローブボックスから取り出し、3回の凍結−汲み出し−解凍サイクルによって混合物を脱気した後、系を高純度窒素またはアルゴンで戻し充填した(および不活性気体の発泡器の下に放置した)。
【0159】
4)次いで、「モノマー混合物」および「MAIB溶液」を2台の供給ポンプで用意した後、それらを反応フラスコに接続した(これら2種類の原料溶液の密封ボトルを不活性気体発泡器の下に配置した)。
【0160】
5)フラスコを85℃の油浴に浸漬し、攪拌を400rpmに設定した。
【0161】
6)ひとたび反応混合物が85℃に到達したら、173.57mLの「モノマー混合物」および17.27mLの「MAIB溶液」の半連続添加を開始し、85℃の内部温度を維持しながら、次の6時間にわたって一連の100回等容積注入で添加した。
【0162】
7)反応混合物の85℃での加熱を供給の終了後さらに2時間継続した。
【0163】
8)次に、反応器を室温に冷却した(約45〜50分)。溶媒(MEK)の半分を除去することにより反応混合物を濃縮した。その後、混合物を2Lのイソプロパノール中で徐々に沈殿させてさらに500mLのイソプロパノールで洗浄し、真空下、45℃で2日間乾燥させた。
【0164】
9)35.2gの乾燥ポリマーがMw=6200g/モル、およびPDI=1.30で単離された(試料11693911)。他の試料を同様の方法で調製し、単離されたポリマーは沈殿後の収量が0.5グラム〜50グラムの範囲であった。
【0165】
(公称組成N2/P5/Q3(55/35/10)および100%変換で15000g/モルを目標とするMwを有するポリマーをCTA−HAB1を制御剤として用いて調製するための例)
原料溶液(ss)は以下の通りである:
1)「モノマー混合物」:20.95g N2+18.86g P5+4.47g Q3+110mL MEK
2)「MAIB溶液」:0.636g MAIB+15mL MEK
3)「CTA溶液」:0.763g CTA−H−AB−1+3.79mL MEK
4)「MEK」(純粋):91mL MEK
反応:
5)磁気攪拌棒および還流濃縮器を備える500mLガラス反応フラスコをグローブボックス内に循環させた。
【0166】
6)すべての「CTA溶液」およびすべての「MEK」に加えて、0.461mLの「MAIB溶液」および15.0mLの「モノマー混合物」(これらの溶液各々の10%)を反応フラスコに添加した。
【0167】
7)次に、反応フラスコをグローブボックスから取り出し、3回の凍結−汲み出し−解凍サイクルによって混合物を脱気した後、系を高純度窒素またはアルゴンで戻し充填した(および不活性気体の発泡器の下に放置した)。
【0168】
8)次いで、「モノマー混合物」および「MAIB溶液」を2台の供給ポンプで用意した後、それらを反応フラスコに接続した(これら2種類の原料溶液の密封ボトルを不活性気体発泡器の下に配置した)。
【0169】
9)フラスコを70℃の油浴に浸漬し、攪拌を400rpmに設定した。
【0170】
10)ひとたび反応混合物が65℃に到達したら、135mLの「モノマー混合物」および4.145mLの「MAIB溶液」の半連続添加を開始し、65℃の内部温度を維持しながら、次の3時間にわたって一連の100回等容積注入で添加した。
【0171】
11)反応混合物の65℃での加熱を供給の終了後さらに3時間継続した。
【0172】
12)次に、反応器を室温に冷却し(約45〜50分)、反応混合物を2Lのイソプロパノール中で徐々に沈殿させてさらに500mLのイソプロパノールで洗浄し、真空下、45℃で2日間乾燥させた。
【0173】
13)26gの乾燥ポリマーがMw=6900、およびPDI=1.35で単離された(試料11692711(A4))。他の試料を同様の方法で調製し、単離されたポリマーは沈殿後の収量が0.5グラム〜50グラムの範囲であった。
【0174】
(公称組成N1/P1/Q1(50/35/15)を異なる分子量で有するポリマーをCTA−HT3を制御剤として用いてライブラリー形式(116959)で調製するための例)
原料溶液(ss)は不活性雰囲気中で調製し、それらは典型的には以下の通りであった:
1)「モノマー混合物」:17.215g N1+16.13g P1+6.097g Q1+140mL MEK
2)「MAIB溶液」:1.896g MAIB+50mL MEK
3)「CTA溶液」:1.242g CTA−H−T−3+3.6mL MEKで5.143mLの原料溶液を得た
4)「MEK」(純粋):29.150mL MEK
反応:
5)すべての「CTA溶液」(ss−CTA−HT3)を、半連続平行加圧反応器(Semi−Continuous Parallel Pressurized Reactor)の24の個別の反応器に予め等しく添加した(表3、“ss−CTA−HT)。
【0175】
6)3つの個別のライン(2、3および4)に溶媒(MEK)、ss−MAIBおよびモノマー溶液をそれぞれ用意した後、反応容器を密封した。
【0176】
7)反応容器を、加圧、圧力解放および不活性サイクル下での高純度アルゴンでの戻し充填によって脱気した。
【0177】
8)24の反応容器の各々に分配された溶液を表3に示した(μL表記)。すべての「MEK」(ライン2)に加えて10%の「ss−MAIB溶液」(ライン3)および「ss−モノマー混合物」(ライン4)を反応フラスコに添加した。
【0178】
9)温度を80℃に設定し、攪拌を400rpmに設定した。
【0179】
10)ひとたび反応混合物が79℃に到達したら、残りの「モノマー混合物」(ライン4)および「MAIB溶液」(ライン3)の半連続添加を開始し、80℃の内部温度を維持しながら、続く6時間にわたって一連の100回等容積注入で添加した。
【0180】
11)80℃での反応混合物の加熱を供給の終了後さらに2時間継続した。
【0181】
12)室温に冷却するために反応容器を放置し、開放して溶液を集めた。反応混合物を濃縮した結果、溶媒(MEK)の半分が除去された。
【0182】
(公称組成N1/P1/Q1(50/35/15)を異なる分子量で有するポリマーをCTA−HT3を制御剤として用いてライブラリー形式(116964)で調製するための例)
原料溶液は不活性雰囲気中で調製し、それらは以下の通りである:
1)「モノマー溶液」:16.506g N1+15.466g P1+5.846g Q1+80mL MEK
2)「MAIB溶液」:2.388g MAIB+30mL MEKで32.967mLの原料溶液を得る
3)「CTA溶液」:1.300g CTA−H−T−3+3mL MEKで4.615mLの原料溶液を得る
4)「MEK」(純粋):11.776mL MEK
反応:
5)すべての「CTA溶液」(ss−CTA−HT3)を、半連続平行加圧反応器の8つの反応容器に予め添加した(表5、ss−CTA−HT3)。
【0183】
6)3つの個別のライン(2、3および4)に溶媒(MEK)、ss−MAIBおよびメタクリレート原料溶液(ss−メタクリレート)をそれぞれ用意した後、反応容器を密封した。
【0184】
7)反応容器を、加圧、圧力解放および不活性サイクル下での高純度アルゴンでの戻し充填によって脱気した。
【0185】
8)8つの反応容器の各々に分配された溶液を表5において同定した(マイクロリットル表記)。すべての「MEK」(ライン2)に加えて10%のss−MAIB(ライン3)および「ss−メタクリレート」(ライン4)を反応容器に添加した。
【0186】
9)温度を80℃に設定し、攪拌を400rpmに設定した。
【0187】
10)ひとたび反応混合物が79℃に到達したら、残りの「モノマー混合物」(ライン4)および「MAIB溶液」(ライン3)の半連続添加を開始し、80℃の内部温度を維持しながら、続く6時間にわたって一連の100回等容積注入で添加した。
【0188】
11)80℃での反応混合物の加熱を供給が終了するまで継続した。
【0189】
12)室温に冷却するために反応容器を放置し、開放して溶液を集めた。溶媒(MEK)の半分を除去することによって反応混合物を濃縮した。単離されたポリマーの物理的結果を116964についての表5および6に示す。
【0190】
(公称組成N1/Q1/P6(45/15/40)を有し、100%変換でMw=8,500g/モルを目標とする試料B15(11695004)の、CTA−HAB1を制御剤として用いたライブラリー形式での調製)
B15を含む全ライブラリー116950用に調製された原料溶液
1)モノマー混合物「ss−B15」:30mL MEK中に3.82963g N1+1.357287g Q1+2.576706g P6
2)「MAIB溶液」:1.906579g MAIB+45mL MEK
3)「CTA溶液」:284.118mg CTA−H−AB−1+2mL MEK
4)「MEK」(純粋):55.559mL MEK
バイアル11695004に分配される容積は以下の通りであった:
1)「ss−B15」:6577.054μL
2)「MAIB溶液」:433.4494μL
3)「CTA−HAB1」:341.8227μL
4)「MEK」:647.6735μL
反応条件:
1)CTA溶液(バイアル4内の「CTA−HAB1」341.8μL)を、Symyx半連続平行重合反応器(Symyx’s Semi continuous Parallel Polymerization Reactor)(SCPPR)の反応容器に予め添加した。
【0191】
2)反応器のラインに溶媒、MAIBおよびメタクリレート溶液をそれぞれ用意した後、密封した。
【0192】
3)加圧、圧力解放および不活性サイクル下での高純度アルゴンでの戻し充填によってバイアルを脱気した。
【0193】
4)11695004の合成のため、上で同定されるように溶液を分配した。すべての「MEK」(647.6735μL)に加えて10%の「MAIB溶液」(43.34μL)および10%の「モノマー混合物」(657.70μL)を反応フラスコに添加した。
【0194】
5)温度を80℃に設定し、攪拌を400rpmに設定して、反応器を120psiで加圧した。
【0195】
6)ひとたび反応混合物が79℃に到達したら、残りの「モノマー混合物」(ライン4)および「MAIB溶液」(ライン3)の半連続添加を開始し、80℃の内部温度を維持しながら、続く6時間にわたって添加した。
【0196】
7)80℃での反応混合物の加熱を供給の終了後さらに2時間継続した。
【0197】
8)室温に冷却するために反応器を放置し、開放して溶液を集めた。
【0198】
9)イソプロパノール中での沈殿の後、約880mgのポリマーを収集した(沈殿後の收率70%)。ナローキャリブレーションGPCではMw#7,000g/モルおよびPDI#1.17が得られた。通常GPCではMw#7,000g/モルおよびPDI#1.29が得られた。
【0199】
(表1、2、3、4、5および6についての重合プロセス(G))
1:10%のラジカル源(ssMAIB、V601、MAIB)および10%のモノマーを最初に投入し、3時間の供給(100回注入)の後、6時間の反応
2:10%のラジカル源(ss−MAIB、V601)および10%のモノマーを最初に投入し、6時間の供給(100回注入)の後、2時間の反応
3:10%のラジカル源(ss−MAIB、V601)および10%のモノマーを最初に投入した後、5時間の供給(100回注入)のみ
4:10%のラジカル源(ss−MAIB、V601)および10%のモノマーを最初に投入した後、12時間の供給(100回注入)のみ
5:10%のラジカル源(ss−MAIB、V601)および10%のモノマーを最初に投入し、3時間の供給(100回注入)の後、2時間の反応
6:ポリマーを4当量のラジカル源(AIBN、ラウロイル過酸化物またはMAIB)の存在下でMEKに溶解し(20%w/w)、85℃で1時間加熱した。その後、イソプロパノール中での沈殿によりポリマーを精製する。
【0200】
7:80℃で3時間のバッチプロセス重合
8:供給を7時間にわたって行った後、さらに1時間の反応
9:80℃で8時間のバッチプロセス重合
10:供給を8時間にわたって行った。
【0201】
11:10%のラジカル源(ss−MAIB)および10%のモノマーを最初に投入し、9時間の供給(100回注入)の後、3時間の反応
12:10%のラジカル源(ss−MAIB)および10%のモノマーを最初に投入した後、8時間の連続供給(100回注入)
13:10%のラジカル源(ss−MAIB)および10%のモノマーを最初に投入し、15時間の供給(100回注入)の後、5時間の反応
14:10%のラジカル源(ss−MAIB)および10%のモノマーを最初に投入した後、20時間の連続供給(100回注入)
15:10%のラジカル源(ss−MAIB)および10%のモノマーを最初に投入し、3時間の供給(100回注入)の後、1時間の反応。
【0202】
【表1−1】

【0203】
【表1−2】

【0204】
【表1−3】

【0205】
【表1−4】

【0206】
【表1−5】

【0207】
【表2−1】

【0208】
【表2−2】

【0209】
【表2−3】

nd=決定せず。
【0210】
迅速スクリーニング用の自動迅速GPCシステムを用いてサイズ排除クロマトグラフィーを行った(WO 99/51980を参照、これは参照によりここに組み込まれる)。自動通常GPCシステムを第2スクリーニングに用いた。現行の構成においては、0.1%のトリフルオロ酢酸を含有するN,N−ジメチルホルムアミドを溶離液として迅速GPCシステムに用い、それに対してTHFを通常システムおよびポリマーベースのカラムに用いた。得られたすべての分子量の結果は直線ポリスチレン標準に対するものである。NMRはBruker分光器(300MHz)を溶媒としてのCDCl(クロロホルム−d)と共に用いて行った。
【0211】
迅速キャリブレーションGPCは、3本のカラム(PLgel、5μm Mixed D 300×7.5mm)THF 1.0mL/分;検出器RI、UV220および290nm;キャリブレーション用標準:EsiCal PS−2を用いた。
【0212】
通常キャリブレーションGPCは、3本のカラム(PLgel、10μm Mixed−B 300×7.5mm)THF 1.0 mL/分;検出器RI、UV280nm;キャリブレーション用標準:EsiCal PS−1を用いた。
【0213】
(表3:アレー方式で分配される、マイクロリットル表記の原料溶液(ss)の容積:半連続平行重合反応(SCPPR)によるポリマー樹脂の調製)
【0214】
【表3】


【0215】
(表4:80℃でのライブラリー116959を用いる重合結果)
重合はすべて80℃で、初期モル比MAIB/CTA=0.5、制御剤としてCTA−H−T−3、モルパーセントで50%N1、35%P1および15%Q1を目標組成として行った。
【0216】
11698401および11698402はシュレンク管内でバッチプロセスとして行った。
【0217】
変換はラマン分光測定(1600cm−1の振動ピークの消失を測定)およびH NMRにより11698401および11698402について推定した(NMLの%)。
【0218】
【表4−1】

【0219】
【表4−2】

機械的破損、結果なし
11698401および11698402はバッチプロセスで調製した。
【0220】
(表5:原料溶液の容積(μL表記、SCPPRを用いてアレー方式で分配))
【0221】
【表5】


【0222】
(表6:80℃でのライブラリー116964を用いる重合結果)
重合はすべて80℃、初期モル比MAIB/CTA=0.5、制御剤としてCTA−H−T−3、モルパーセントで50%N1、35%P1および15%Q1を目標組成として行った。
【0223】
変換はラマン分光測定(1600cm−1の振動ピークの消失を測定)によって推定した。
【0224】
【表6】


【0225】
半連続重合反応器(SCPPR)を用いる一般合成に関するさらなる情報については、例えば、2001年6月1日出願の、「平行半連続または連続反応器(Parallel Semicontinuous or continuous reactors)」と題する米国特許出願第09/873,176号(代理人整理番号1998−014)(その内容は参照によりそれら全体がここに組み込まれる)を参照のこと。
【0226】
本発明を好ましい態様を参照して説明したが、当該技術分野における熟練者は形態および詳細において本発明の精神および範囲から逸脱することなく変更をなし得ることを認めるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
[A][B][C]
を含むポリマーであって、式中、A、BおよびCは、各々独立に、
【化1】

のうちの1つであり、式中、xは約0と約200との間に含まれ、yは約1と約200との間に含まれ、そしてzは約1と約200との間に含まれ、ただし、B≠Cであり、
ここで、該ポリマーは、式:
【化2】

を有する連鎖移動剤(CTA)の存在下におけるリビングフリーラジカル法(LFRP)によって調製され、
式中、Rは付加−断片化反応においてそのフリーラジカル形態として放出され得るあらゆる基であり;
およびRは、各々独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択され、そして必要に応じてRおよびRは一緒になって、必要に応じて置換されているアルケニル部分の二重結合を形成し;
は水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択され;そして必要に応じて、RはRおよび/またはRと結合して環構造を形成し、該環は3〜50個の非水素原子を有し;そして
Dはイオウ、セレンまたはテルルのいずれかである、
ポリマー。
【請求項2】
xが少なくとも1である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
多分散指数が1.7未満である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
多分散指数が約1.2〜約1.4の間である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
が約3,000〜約20,000の間である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項6】
が約3,000〜約10,000の間である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
A、BおよびCが、各々独立に、
【化3】

のうちの1つであり;そして
xが少なくとも1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項8】
A、BおよびCが、各々独立に、
【化4】

のうちの1つであり、そしてxが少なくとも1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項9】
前記式が
【化5】

である、請求項8に記載のポリマー。
【請求項10】
が約3,000〜10,000の間である、請求項9に記載のポリマー。
【請求項11】
多分散指数が約1.3である、請求項9のポリマー。
【請求項12】
A、BおよびCが、各々独立に、
【化6】

のうちの1つであり、そしてxが少なくとも1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項13】
前記式が
【化7】

である、請求項12に記載のポリマー。
【請求項14】
が約3,000〜約12,000の間である、請求項13に記載のポリマー。
【請求項15】
多分散指数が約1.1〜約1.2の間である、請求項13に記載のポリマー。
【請求項16】
A、BおよびCが、各々独立に、
【化8】

のうちの1つであり、そしてxが少なくとも1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項17】
前記式が
【化9】

である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリマーのMが約3,000〜約12,000の間である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ポリマーの多分散指数が約1.1〜約1.2の間である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
末端位置がチオカルボニルチオ部分を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項21】
前記末端位置が、式:
【化10】

を有する終止基を含み、式中、R’はCNまたはCOOMeである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項22】
ポリマーであって、該ポリマーは、式:
【化11】

(式中、Rは水素原子、トリフルオロメチル基またはメチル基を表し、各Rは、独立に、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖の、非置換もしくは置換のアルキル基、または4〜20個の炭素原子を有する架橋もしくは非架橋の、非置換もしくは置換の一価脂環式炭化水素基を表し、ただし、少なくとも1つのR基は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であるか、あるいはいずれか2つのR基が、それら2つのR基が結合する炭素原子との組み合わされて一緒になって、4〜20個の炭素原子を有する架橋もしくは非架橋の、非置換もしくは置換の二価脂環式炭化水素基を形成し、残りのR基が1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖の、非置換もしくは置換のアルキル基であるか、あるいは−C(R
【化12】

が、炭素結合がエステル酸素に直接結合することを示すような
【化13】

のうちの1つである)
を有する少なくとも1つの反復単位;および
以下:
【化14】

(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、または、1つ以上のアルキルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基もしくはオキソ基で置換される1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、2つ以上のR基は、存在する場合には、同じであるかもしくは異なるかのいずれかであり、iは0−(3+k)の整数であり、jは0または1であり、kは1〜3の整数であり、Rは水素原子またはメチル基を表し、Bはメチレン基、酸素原子、またはイオウ原子であり、Rは、水素原子、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、または、1つ以上のアルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシもしくはオキソ基で置換される1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、そしてRは水素原子、1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表す)
から選択される少なくとも1つの第2反復単位
を含み、
ここで、該ポリマーは、リビングフリーラジカル法(LFRP)によって、式:
【化15−1】

(式中、Rはそのフリーラジカル形態で放出されるのに十分に不安定である基であり、Tは炭素またはリンであり、そしてZは可逆性フリーラジカル付加−断片化反応に向けてC=S二重結合を活性化するあらゆる基である)
を有する連鎖移動剤(CTA)の存在下で調製される、
ポリマー。
【請求項23】
Zが、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項22に記載のポリマー。
【請求項24】
Zが、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニル、必要に応じて置換されているアシル、必要に応じて置換されているアロイル、必要に応じて置換されているアルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロアリール、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアルキルスルホニル、必要に応じて置換されているアルキルスルフィニル、必要に応じて置換されているアルキルホスホニル、必要に応じて置換されているアリールスルフィニル、および必要に応じて置換されているアリールホスホニルからなる群より選択される、請求項22に記載のポリマー。
【請求項25】
Eが、2−メチル−2−トリシクロデカニル基、2−エチル−2−トリシクロデカニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、および1−エチルシクロヘキシルからなる群より選択される、請求項22に記載のポリマー。
【請求項26】
が約2,000〜30,000の間である、請求項22に記載のポリマー。
【請求項27】
多分散指数が約1.5以下である、請求項22に記載のポリマー。
【請求項28】
CTA断片を有するポリマーの末端基が、CTA断片が開裂するように処理される、請求項22に記載のポリマー。

【公表番号】特表2007−522262(P2007−522262A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517642(P2006−517642)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020352
【国際公開番号】WO2005/000924
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(500006557)シミックス・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】Symyx Technologies,Inc.
【住所又は居所原語表記】3100 Central Expressway,Santa Clara,California,USA
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】