説明

フッ素樹脂積層体

【課題】 含フッ素共重合体に対し、ポリアミド樹脂に加え、ポリオレフィン樹脂等汎用樹脂や各種エンジニアリング樹脂に対しても、強固な接着性を付与した積層体を得る。
【解決手段】
(a)テトラフルオロエチレン及び/又はクロロトリフルオロエチレンに基づく繰り返し単位、(b)これ以外のフッ素含有モノマーに基づく繰り返し単位、及び(c)イタコン酸、無水イタコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、シトラコン酸及び無水シトラコン酸からなる群から選ばれる1種以上に基づく繰り返し単位を特定モル%で含有する特定の容量流速を有する含フッ素共重合体(A)の層(I)と、エチレンに基づく繰り返し単位とエポキシ基含有モノマーに基づく繰り返し単位とからなるエポキシ基含有エチレン系共重合体(B)の層(II)との積層体(I)/(II)を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素共重合体の積層体に関し、より詳しくは熱接着層を備えた含フッ素共重合体の積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレ/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、エチレン/テトラフルロエチレン系共重合体等の含フッ素共重合体は、耐薬品性、耐熱性、耐候性、低摩擦性、電気絶縁性等に優れた特性を有し、半導体産業、航空機・自動車産業等の種々の分野で使用されている。
【0003】
これらの含フッ素共重合体は、その機械的強度の不足や価格が高価なことを補うため、他の汎用樹脂材料等との積層体とすることが試みられている。しかしながら、基本的に、これら含フッ素共重合体は他材料との接着性に乏しく、強固な積層体とすることは困難であった。
【0004】
従来、かかる観点から、フッ素樹脂の接着性を向上される試みは種々なされている。
例えば、特許文献1においては、エチレン/グリシジルメタクリレート/無水マレイン酸共重合体にアクリロニトリル/スチレン共重合体をグラフト化したグラフト共重合体をテトラフルオロエチレン/エチレン系共重合体にブレンドしたフッ素系接着性ポリマーを接着層として用い、フッ素樹脂/当該接着層/ポリアミド12からなる構成が例示されている。しかしながら、この接着層は、汎用性が無くポリオレフィンやポリエステル等の樹脂との接着性に劣るといった問題がある。
【0005】
また、特許文献2では、含フッ素共重合体の主鎖や側鎖末端にカルボニル基、カルボニルジオキシ基、ハロホルミル基等の反応性官能基を導入することが提案されているが、当該ポリマーはカルボニル基等の反応性官能基の官能基密度が低く、ポリアミド樹脂以外の汎用樹脂に対しては、安定した接着性を得にくいといった問題があった。
【0006】
さらに、特許文献3においては、フッ素含有モノマーにイタコン酸、シトラコン酸、これらの酸無水物等を共重合させた接着性の含フッ素共重合体が提案されている。しかしながら、当該含フッ素共重合体はポリアミド樹脂に対しては良好な接着性を示すものの、それ以外のポリオレフィン樹脂や各種エンジニアリング樹脂に対しては、それほどの強固な接着性は認められなかった。
【0007】
【特許文献1】特開平7−41629号公報(特許請求の範囲(請求項1〜4)、〔0014〕)
【特許文献2】特開2003−176394号公報(特許請求の範囲(請求項1〜38))
【特許文献3】特開2004−245411号公報(特許請求の範囲(請求項1〜3)、〔0064〕〜〔0086〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ポリアミド樹脂ばかりでなく、ポリオレフィン樹脂等の汎用樹脂や各種エンジニアリング樹脂に対しても、より強固な接着性を含フッ素共重合体に付与することである。
【0009】
本発明者らはかかる観点から鋭意検討した結果、含フッ素共重合体にイタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、これらの酸無水物等を共重合させた接着性の含フッ素共重合体と、そのポリマー構造中にエポキシ基を含有させた樹脂とは、きわめて強固に接合することを見いだした。本発明はかかる知見にもとづいてなされるに至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に従えば、以下の接着層を備えた積層体が提供される。
【0011】
〔1〕
以下の(1)含フッ素共重合体(A)の層(I)と、(2)エポキシ基含有エチレ系共重合体又はその組成物(B)の層(II)との積層体を最小積層単位とすることを特徴とする積層体。
【0012】
(1)(a)テトラフルオロエチレン及び/又はクロロトリフルオロエチレンに基づく繰り返し単位、(b)フッ素含有モノマー(ただし、テトラフルオロエチレン及びクロロトリフルオロエチレンを除く。)に基づく繰り返し単位、及び(c)イタコン酸、無水イタコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、シトラコン酸及び無水シトラコン酸からなる群から選ばれる1種以上に基づく繰り返し単位を含有し、((a)+(b)+(c))に対して(a)が30〜99.8モル%、(b)が0.1〜69.99モル%、(c)が0.01〜5モル%であり、容量流速が0.1〜1000mm3/秒である含フッ素共重合体(A)。
【0013】
(2)エチレンに基づく繰り返し単位とエポキシ基含有モノマーに基づく繰り返し単位とからなるエポキシ基含有エチレン系共重合体、又はこれを50質量%以上含有する当該エチレン系共重合体組成物(B)。
【0014】
〔2〕
前記含フッ素共重合体(A)が、さらに(d)非フッ素含有モノマーに基づく繰り返し単位を含有し、(d)の含有量が((a)+(b)+(c))/(d)のモル比で100/5〜100/100であることを特徴とする〔1〕項に記載の積層体。
【0015】
〔3〕
前記最小積層単位からなる積層体〔(I)/(II)〕の当該(2)エチレン系共重合体、又はこれを50質量%以上含有するエチレン系共重合体組成物の層(II)側に、更にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミドの単体又は混合物又はそれらをマトリックスとしたカーボンブラック、各種のエラストマー成分、ガラス繊維及びカーボン繊維との混合物の少なくとも一つからなる層(III)を積層した多層積層体〔(I)/(II)/(III)〕であることを特徴とする〔1〕項又は〔2〕項に記載の積層体。
【0016】
〔4〕
上記積層体が、多層押し出し成形、多層射出成形、又は多層ラミネート成形により加熱下で接着されたものであることを特徴とする〔1〕項〜〔3〕項のいずれかに記載の積層体。
【発明の効果】
【0017】
以下に詳述するように、本発明の積層体によれば、ポリアミド樹脂ばかりでなく、ポリオレフィン樹脂等の汎用樹脂や各種エンジニアリング樹脂に対しても、強固な接着性を有する含フッ素共重合体積層体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体は、(1)含フッ素共重合体(A)の層(I)と、(2)エポキシ含有エチレン系共重合体又はその組成物(B)の層(II)との積層体を最小積層単位とするものである。
【0019】
(含フッ素共重合体(A))
本発明における含フッ素共重合体(A)は、(a)テトラフルオロエチレン(以下「TFE」という。)及び/又はクロロトリフルオロエチレン(以下「CTFE」という。)に基づく繰り返し単位、(b)フッ素含有モノマー(ただし、TFE及びCTFEを除く。)に基づく繰り返し単位、及び(c)イタコン酸(以下「IAC」という。)、無水イタコン酸(以下「IAH」という。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸(以下「NAC」という。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(以下「NAH」という。)、シトラコン酸(以下「CAC」という。)及び無水シトラコン酸(以下「CAH」という。)からなる群から選ばれる1種以上に基づく重合単位を含有する。
【0020】
本発明の含フッ素共重合体(A)においては、((a)+(b)+(c))に対して(a)が30〜99.8モル%、(b)が0.1〜69.99モル%、(c)が0.01〜5モル%である。ここで、((a)+(b)+(c))は、(a)と(b)と(c)との合計を表す。
【0021】
そして好ましくは、(a)が50〜99.5モル%、(b)が0.2〜49.9モル%、(c)が0.01〜3モル%であり、より好ましくは(a)が50〜99モル%、(b)が0.3〜49.9モル%、(c)が0.03〜1モル%である。(a)、(b)及び(c)のモル%がこの範囲にあると、含フッ素共重合体は、耐熱性、耐薬品性に優れる。さらに、(b)のモル比がこの範囲にあると、含フッ素共重合体は、成形性に優れ、耐ストレスクラック性等の機械物性に優れる。(c)のモル比がこの範囲にあると、含フッ素共重合体は、他材料との接着性に優れる。
【0022】
(フッ素含有モノマー)
(b)フッ素含有モノマーはTFE及びCTFE以外のフッ素含有モノマーであって、例えば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン(以下「VDF」という。)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(以下「HFP」という。)、CF2=CFOR1(ここで、R1は炭素数1から10のエーテル性酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキル基。)、CF2=CFOR2SO21(ここで、R2は炭素数1から10のエーテル性酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基、X1はハロゲン原子又は水酸基。)、CF2=CFOR3CO22(ここで、R3は炭素数1から10のエーテル性酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基、X2は水素原子又は炭素数3以下のアルキル基。)、CF2=CF(CF2pOCF=CF2(ここで、Pは1又は2を示す。)、CH2=CX3(CF2Q4(ここで、X3は水素原子又はフッ素原子、Qは2〜10の整数、X4は水素原子又はフッ素原子。)及びペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)等が挙げられる。
【0023】
好ましくは、フッ素含有モノマーは、VDF、HFP、CF2=CFOR1及びCH2=CX3(CF2Q4であり、より好ましくは、CF2=CFOR1及びCH2=CX3(CF2Q4である。
【0024】
CF2=CFOR1の具体例を例示すれば、CF2=CFOCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF2CF3、CF2=CFO(CF28F等が挙げられ、好ましくは、CF2=CFOCF2CF2CF3である。
【0025】

また、CH2=CX3(CF2Q4の例としては、CH2=CH(CF22F、CH2=CH(CF23F、CH2=CH(CF24F、CH2=CF(CF23H、CH2=CF(CF24H等が挙げられ、好ましくは、CH2=CH(CF24F及びCH2=CH(CF22Fである。
【0026】
(酸及びその無水物)
(c)酸または酸無水物としては、IAC、IAH、NAC、NAH、CAC及びCAHからなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位である。より好ましくは、(c)は、IAH、CAH及びNAHに基づく繰り返し単位である(以下、IAC、IAH、NAC、NAH、CAC及びCAHを合わせて「酸モノマー」という。)。
【0027】
含フッ素共重合体(A)の製造時に、当該特定の酸モノマーを用いると、従来、例えば特開平11−193312に記載の無水マレイン酸を用いた場合に必要となる特殊な重合方法を用いることなく、酸モノマーに基づく繰り返し単位を有する含フッ素共重合体を容易に製造できるので好ましい。
【0028】
(非フッ素含有モノマー)
本発明の含フッ素共重合体(A)は、上記(a)、(b)、(c)に加えて、さらに(d)非フッ素含有モノマーに基づく繰り返し単位を含有し、(d)の含有量が((a)+(b)+(c))/(d)のモル比が100/5〜100/100であることが好ましい。(d)がこれより少ない場合は、重合時に(d)の含有量を制御することが難しく、これより多い場合は、含フッ素共重合体(A)から成形されるチューブ等の成形体の耐熱性、耐薬品性が充分でない。
【0029】
このような(d)非フッ素含有モノマーとしては、エチレン、プロピレン等の炭素数3以下のオレフィン、酢酸ビニル等のビニルエステル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル等が挙げられる。このうち、エチレン、プロピレン及び酢酸ビニルが好ましく、エチレンがより好ましい。
【0030】
(含フッ素共重合体(A)の例)
繰り返し単位(a)、(b)、(c)を含有し、さらに所望により繰り返し単位(d)を含有する本発明における含フッ素共重合体(A)の最も好ましい具体例としては、TFE/CF2=CFOCF2CF2CF3/IAH共重合体、TFE/CF2=CFOCF2CF2CF3/CAH共重合体、TFE/CF2=CFOCF2CF2CF3/NAH共重合体、TFE/HFP/IAH共重合体、TFE/HFP/CAH共重合体、TFE/HFP/NAH共重合体、TFE/VDF/IAH共重合体、TFE/VDF/CAH共重合体、TFE/VDF/NAH共重合体等の三元共重合体;
【0031】
TFE/HFP/VDF/IAH共重合体、TFE/HFP/VDF/CAH共重合体、TFE/HFP/VDF/NAH共重合体等の四元共重合体;
【0032】
TFE/CH2=CH(CF24F/IAH/エチレン共重合体、TFE/CH2=CH(CF24F/CAH/エチレン共重合体、TFE/CH2=CH(CF22F/IAH/エチレン共重合体、TFE/CH2=CH(CF22F/CAH/エチレン共重合体、CTFE/CH2=CH(CF24F/IAH/エチレン共重合体、CTFE/CH2=CH(CF24F/CAH/エチレン共重合体、CTFE/CH2=CH(CF22F/IAH/エチレン共重合体、CTFE/CH2=CH(CF22F/CAH/エチレン共重合体等の四元共重合体が挙げられる。
【0033】
(成形温度等)
本発明における含フッ素共重合体(A)は、成形方法に適した成形温度を有することが好ましい。このため、(a)、(b)、(c)及び必要に応じて(d)の含有量を上記範囲内で適宜調節し、含フッ素共重合体の融点を最適化することが好ましい。
【0034】
本発明における含フッ素共重合体(A)の容量流速(以下「Q値」という。)は、0.1〜1000mm3/秒であり、好ましくは、1〜500mm3/秒、さらに好ましくは、2〜200mm3/秒である。Q値は、含フッ素共重合体の溶融流動性を表す指標であり、分子量の目安となる。すなわち、Q値が大きいと分子量が低く、小さいと分子量が高いことを示す。本発明におけるQ値は、後記実施例に示すように、島津製作所社製フローテスタを用いて、樹脂の融点より50℃高い温度において、荷重7kg下に直径2.1mm、長さ8mmのオリフィス中に押出すときの含フッ素共重合体の押出し速度である。Q値が小さすぎると溶融流動性が低下し均一で表面が平滑な被覆面が得られず、大きすぎると含フッ素共重合体の機械的強度が低下する
【0035】
本発明における含フッ素共重合体の融点は120〜310℃が好ましく、150〜300℃がより好ましく、180〜300℃が最も好ましい。
【0036】
本発明における含フッ素共重合体(A)の製造方法については特に制限はなく、TFE及び/又はCTFE、フッ素含有モノマー、酸モノマー、所望によりさらに非フッ素含有モノマーを反応器に装入し、一般に用いられているラジカル重合開始剤を用いて共重合させる方法が採用でき、例えば特許文献3に記載の重合方法に準じて製造すればよい。すなわち、重合方法の例としては、それ自身公知の、塊状重合;フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等の有機溶媒を使用する溶液重合;水性媒体及び必要に応じて適当な有機溶剤を使用する懸濁重合;水性媒体及び乳化剤を使用する乳化重合が挙げられるが、溶液重合が最も好ましい。重合は、一槽ないし多槽式の撹拌型重合装置、管型重合装置等を使用し、回分式又は連続式操作として実施することができる。
【0037】
(エポキシ基含有エチレン系共重合体又はその組成物(B))
本発明におけるエポキシ基含有エチレン系共重合体(B)は、エチレンに基づく繰り返し単位とエポキシ基含有モノマーに基づく繰り返し単位とからなるエポキシ基含有エチレン系共重合体であるが、又はこれを50質量%以上含有する当該エチレン系共重合体組成物であってもよい。
【0038】
エチレンに基づく繰り返し単位を構成するモノマーとしては、エチレンを主体とするが、エチレンとプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜10程度のα−オレフィン等の混合モノマーであってもよい。
【0039】
エポキシ基含有モノマーとしては、例えばエチレンと共重合しうるエチレン性不飽和基を有するグリシジルエステル類、グリシジルエーテル類、グリシジルアミン類等が挙げられ、具体的には、グリシジルエステル類としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノグリシジル、マレイン酸ジグリシジル、フマル酸モノグリジル、フマル酸ジグリシジル、クロトン酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、シトラコン酸モノグリシジル、シトラコン酸ジグリシジル、グルタコン酸モノグリシジルエステル、グルタコン酸ジグリシジルエステル、メサコン酸モノグリシジルエステル、メサコン酸ジグリシジルエステル等が例示される。
【0040】
また、同様に不飽和基グリシジルエーテル類としては、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、イソプロペニルグリシジルエーテル、1−ブテニルグリシジルエーテル、2−ブテニルグリシジルエーテル、2−ペンテニルグリシジルエーテル等が例示される。これらのなかでは、メタクリル酸グリシジルが入手容易性、価格、効果等の点から最も好ましい。
【0041】
エポキシ基含有エチレン系共重合体(B)において、エチレンに基づく繰り返し単位の含有量は、90〜99.9モル%、好ましくは95〜99.5モル%であり、エポキシ基含有モノマーに基づく繰り返し単位の含有量は、10〜0.1モル%、好ましくは5〜0.5モル%である。なお、エチレンとα−オレフィンを共重合させる場合は、その合計量を、このエチレンに基づく繰り返し単位の含有量とする。
【0042】
(エチレン系不飽和エステル)
本発明におけるエポキシ基含有エチレン系共重合体(B)は、エチレンに基づく繰り返し単位、エポキシ基含有モノマーに基づく繰り返し単位及び、さらにエチレン系不飽和エステルに基づく繰り返し単位からなる三元系エチレン系共重合体でもよい。
【0043】
上記エチレン系不飽和エステルとしては、例えば酢酸ビニルやα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル等が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとは、炭素数が3から11個程度の不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ウンデシレン酸などのアルキルエステルであって、具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル及びメタクリル酸イソブチル;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル;クロトン酸n−プロピル、クロトン酸イソプロピル、クロトン酸n−ブチル、クロトン酸t−ブチル、クロトン酸イソブチル;イソクロトン酸メチル、イソクロトン酸エチル、イソクロトン酸n−プロピル、イソクロトン酸イソプロピル、イソクロトン酸n−ブチル、イソクロトン酸t−ブチル、イソクロトン酸イソブチル等が挙げられる。これらの中でも、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
【0044】
エポキシ基含有エチレン系共重合体(B)が、上記のように三元系のエチレン系共重合体である場合、エチレンに基づく繰り返し単位の含有量は、70〜99.9モル%、好ましくは80〜95.5モル%、エポキシ基含有モノマーに基づく繰り返し単位の含有量は、10〜0.1モル%、好ましくは5〜0.5モル%、エチレン系不飽和エステルに基づく繰り返し単位の含有量は0〜20モル%、好ましくは1〜15モル%である。
【0045】
なお、本発明におけるエポキシ基含有エチレン系共重合体(B)の製造方法については特に制限はなく、例えば、50〜250MPaの圧力下に、上記エチレン、α−オレフィン、メタクリル酸グリシジル等を装入し、120〜300℃で、適当なラジカル発生剤の存在下に、ラジカル重合を行えばよい。重合方法の例としては、それ自身公知の、塊状重合、溶液重合、懸濁重合等が挙げられる。重合は、一槽ないし多槽式の撹拌型重合装置、管型重合装置等を使用し、回分式又は連続式操作として実施することができる。なお、エポキシ基含有エチレン系共重合体(B)は市販のものを、適宜使用することも可能である。
【0046】
また当該エチレン系重合体(B)には、その目的を阻害しない範囲で、さらに公知の各種改質材を含ませることもできる。このような改質材としては、例えばゴム、熱可塑性エラストマー、その他のエチレン共重合体が挙げられる。上記その他のエチレン共重合体の中でも、エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体は、エチレンに基づく繰り返し単位とエポキシ基含有モノマーに基づく繰り返し単位とからなるエチレン系共重合体との相溶性に優れるため、特に好ましい。また同様にその目的を阻害しない範囲で、エチレン系共重合体に使用される、熱安定剤、滑剤、顔料等の各種添加剤を含ませることもできる。
【0047】
(積層体)
本発明は、(1)上記の含フッ素共重合体(A)の層(I)と、(2)エポキシ基含有エチレン系共重合体又はその組成物(以下「エポキシ基含有エチレ系共重合体等」ということがある。)(B)の層(II)との積層体〔(I)/(II)〕を形成し、これを最小の積層単位とする。
【0048】
当該積層体〔(I)/(II)〕は、これを熱積層で形成した場合、極めて強固に接合した積層体となる。これは、当該(I)層を形成する含フッ素共重合体(A)中の(c)IAC、IAH、NAC、NAH、CAC、CAH等の特定の酸基又は酸無水物基と、当該(II)層を形成するエポキシ基含有エチレ系共重合体中のエポキシ基とが、その積層界面において何らかの反応(例えば酸によるエポキシの開環反応等)を行って結合することにより、含フッ素共重合体(A)の層(I)と、エポキシ基含有エチレ系共重合体等(B)の層(II)は、強固に接合するものと推定される。
【0049】
そして、当該積層体〔(I)/(II)〕は、当該エポキシ基含有エチレ系共重合体又はその組成物(B)の層(II)において、当該共重合体中にエポキシ基を有しているためか、他の多くの樹脂、特に熱可塑性樹脂との良好な接着性を有する。すなわち、当該層(II)を接着層としてこの上に他の樹脂層(III)を熱積層することにより、両者は強固に接合し、層間が強固に接合した積層体〔(I)/(II)/(III)〕を形成することができる。
【0050】
本発明の最小積層単位〔(I)/(II)〕の〔II〕側に、好適に積層し、積層体〔(I)/(II)/(III)〕を形成することができる樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ABS樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリスルホン、ポリフエニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリチオエーテルスルホン、ポリエーテルニトリル、ポリフェニレンエーテル、熱硬化性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フラン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の単体又は混合物、又は、それらをマトリックスとしたカーボンブラック、各種のエラストマー成分、ガラス繊維、カーボン繊維等の混合物が挙げられ、これらを(III)層として積層した多層積層体が提供される。さらに同様にして、本発明の最小積層単位〔(I)/(II)〕を含む三層以上の積層体〔(I)/(II)/(III)/(IV)〕、〔(I)/(II)/(III)/(IV)/(V)〕・・・・等を形成することもできる。
【0051】
なお、当該積層体の厚みについては特に限定するものではないが、例えば(I)層は、3〜2000μm、(II)層は、2〜1500μm、(III)層は、50〜100000μm程度である。
【0052】
(積層体の形成)
本発明の積層体〔(I)/(II)〕または、当該最小積層単位を含む(I)/(II)/(III)〕等の多層積層体を得る方法としては、成形の簡便性、生産性から多層押し出し成形(共押し出し成形)、押し出しラミネート成形、加熱ロール、加熱プレスを用いたラミネート成形、多層射出成形、多層ブロー成形等の熱積層を含む方法を好適に適用することができる。また、まず、〔(I)/(II)〕を多層押し出し成形や押し出しラミネート成形で形成し、これに第三層(III)等を熱プレスして多層体〔(I)/(II)/(III)〕とすることもできるし、例えば多層押し出し形成や多層ラミネート成形により一段で最小積層単位〔(I)/(II)〕を含む多層体を形成することもできる。
【0053】
本発明においては、熱積層することを基本とするが、積層する温度としては150〜340℃、より好ましくは180〜320℃である。これより温度が低い場合には、接着力が充分でない。又、これより温度が高い場合には、特に上記エポキシ基含有エチレン系共重合体のエポキシ基含有モノマーに基づく繰り返し単位の熱分解が進む。
【0054】
また加熱保持時間は0.1秒〜1時間が好ましい。0.1秒未満だと接着力が安定しない場合があり、これよりあまり長いと著しく生産性が低下する。なお、特に高温で積層体を成形する場合には、上記エチレン系共重合体(B)のエポキシ基含モノマーに基づく繰り返し単位の熱分解を抑制する為に、成形雰囲気を窒素等の不活性ガス中に保持したり、真空中で加工する方法も好ましく用いられる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。なお、%とあるものは、とくに断りなき限り、質量%である。
【0056】
〔実施例1〕
(1)内容積が94リットルの撹拌機付き重合槽を脱気し、1−ヒドロトリデカフルオロヘキサンの71.3kg、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(旭硝子社製、AK225cb、以下「AK225cb」という。)の20.4kg、CH2=CH(CF22Fの562g、IAHの4.45gを仕込み、重合槽内を66℃に昇温し、TFE/Eのモル比で89/11のガスで1.5MPa/Gまで昇圧した。重合開始剤としてtert−ブチルペルオキシピバレートの0.7%1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン溶液の1Lを仕込み、重合を開始させた。重合中圧力が一定になるようにTFE/Eの60/40モル比のモノマー混合ガスを連続的に仕込んだ。また、重合中に仕込むTFEとEの合計モル数に対して3.3モル%に相当する量のCH2=CH(CF22Fと0.5モル%に相当する量のIAHを連続的に仕込んだ。重合開始9.9時間後、モノマー混合ガスの7.28kgを仕込んだ時点で、重合槽内温を室温まで降温するとともに常圧までパージした。
【0057】
(2)得られたスラリ状の含フッ素共重合体(以下「含フッ素共重合体1」という。)を、水の77kgを仕込んだ200Lの造粒槽に投入し、撹拌下に105℃まで昇温して溶媒を留出除去しながら造粒した。得られた造粒物を150℃で15時間乾燥することにより、6.9kgの含フッ素共重合体1の造粒物(以下「造粒物1」という。)が得られた。
含フッ素共重合体1についての、溶融NMR分析、フッ素含有量分析及び赤外吸収スペクトル分析の結果から、当該含フッ素共重合体1は、テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位/CH2=CH(CF22Fに基づく繰り返し単位/無水イタコン酸に基づく繰り返し単位/エチレンに基づく繰り返し単位の比が、96.2/3.3/0.5/64.2(モル比)であった。また、含フッ素共重合体1のQ値(島津製作所社製、フローテスタにて測定。)は、28mm3/秒、融点は240℃であった。
【0058】
(3)一方、グリシジルメタクリレートに基づく繰り返し単位/エチレンに基づく繰り返し単位=2.62/97.38モル%のエチレン系共重合体(商品名;BONDFAST E、住友化学社製)と高密度ポリエチレン(商品名;Hizex HD7000F、三井化学社製)をそれぞれ準備した。
【0059】
(4)三層のチューブ成形ダイを用い、内層が上記含フッ素共重合体1、中間層がBONDFASTE、外層がHD7000Fとなるように押し出し成形した。内層用の押し出し機としては口径30mmのものを用い、シリンダー温度を270〜300℃に設定した。中間層用押し出し機としては口径40mmのものを用い、シリンダー温度を200〜280℃に設定した。外層用押し出し機としては口径50mmのものを用い、シリンダー温度を250〜280℃に設定した。又三層を形成する樹脂が合流後のダイの温度は320℃に設定した。なお、中間層押し出し機の供給部は、材料の熱分解を抑制する目的で、窒素雰囲気に保持した。最終チューブ形状が内径6mm、外径8mm、肉厚が内層0.15mm、中間層0.1mm、外層0.75mmとなるように、各押し出し機の吐出量及びチューブの引き取り速度を調整した。この結果、引き取り速度は21.3m/分とした。ダイより吐出したチューブは真空サイジング部を通り、その後水槽内で冷却して最終形状を固定した。
【0060】
(5)得られた三層チューブは、(1)含フッ素共重合体の層(I)と、(2)エポキシ基含有エチレン系共重合体の層(II)との積層体〔(I)/(II)〕を最小積層単位とし、これのエチレン共重合体層側に、高密度ポリエチレン層(III)を積層した三層積層〔(I)/(II)/(III)〕チューブに相当する。
当該積層体の外径は冷却後に赤外線外径測定器で読みとり、内径及び各層肉厚は成形チューブを切断してその断面を光学顕微鏡で20倍の拡大写真にとり読みとった。
【0061】
このチューブを中心で長手方向に沿って切断し、接着力を測定する長さ75mmのサンプルを準備し、その層(I)と層(II)との積層界面を長手方向に約1cm剥がして試験片を作成した。接着強度としてこの試験片を引っ張り試験装置にて50mm/分で剥がしたときの荷重を試験片幅で除して剥離強度を算出した。剥離強度は27N/cmと高いものであった。
【0062】
〔実施例2〕
実施例1において、最小積層単位に積層する高密度ポリエチレンを、ポリカーボネート(商品名;レキサン9103R−114、ゼネラルエレクトリック社製)に変更する以外は、実施例1と同様にして成形して三層チューブを製造した。このチューブの剥離強度は25N/cmと高いものであった。
【0063】
〔比較例1〕
実施例1において、中間層としてエポキシ基含有エチレン系共重合体を、無水マレイン酸/エチレン=3.0/97.0モル%のエチレン系共重合体(商品名;ナックエースGB−301、日本ユニカー社製)に変更する以外は、実施例1と同様にして成形して三層チューブを製造した。このチューブの剥離強度は2.3N/cmと非常に低いものであった。
【0064】
〔比較例2〕
実施例1において中間層としてのエポキシ基含有エチレン共重合体を使用せずに、二層チューブを形成した。すなわち、内層として実施例1の含フッ素共重合体1、外層として、同じく高密度ポリエチレンを使用する二層チューブを形成した。
【0065】
実施例1において、グリシジルメタクリレート/エチレン系共重合体を押し出した孔径40mmの押出機を外層用として使用し、これに高密度ポリエチレンを投入し、シリンダー温度を250〜280℃に設定して以下実施例1と基本的に同様に押し出し成形して二層チューブを成形した。得られた二層チューブの外径は8mm、内径は6mm、内層厚さ0.25mm、外層1.75mmであった。
【0066】
この二層チューブについて、実施例1と同様の方法で剥離強度試験片を作成しようとしてが、チューブの切断工程において二層の積層面(界面)が剥離してしまった。これは剥離力が測定できないほど低いものであることを示している。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明によれば、ポリオレフィン樹脂等の汎用樹脂や各種エンジニアリング樹脂に対して、強固な接着性を有する含フッ素共重合体の積層体が提供される。
【0068】
本発明の積層体は、最小積層体〔(I)/(II)〕として、それ自体で積層型プリント配線基板、配線・配管カバーダクト(保護管)、航空機部品、車両部品等の外壁保護、内層壁等の建築部材、電気部品用等に有用である。また、汎用樹脂等を積層した三層〔(I)/(II)/(III)〕以上の積層体は、油類、薬液、塗料、果汁、ペースト状食品等の輸送用等の工業用ホース、ガソリン、軽油、アルコール等の燃料輸送用ホース、給湯用ホース、薬液タンク、燃料タンク、包装、農業用ハウス等の工業用フィルム、キャストフィルム製造用離型フィルム、半導体グリーンシート、ICチップ製造用離型フィルム等の離型フィルム、食品フィルム、電線被覆、ゴム加工用芯材等に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(1)含フッ素共重合体(A)の層(I)と、(2)エポキシ基含有エチレ系共重合体又はその組成物(B)の層(II)との積層体を最小積層単位とすることを特徴とする積層体。
(1)(a)テトラフルオロエチレン及び/又はクロロトリフルオロエチレンに基づく繰り返し単位、(b)フッ素含有モノマー(ただし、テトラフルオロエチレン及びクロロトリフルオロエチレンを除く。)に基づく繰り返し単位、及び(c)イタコン酸、無水イタコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、シトラコン酸及び無水シトラコン酸からなる群から選ばれる1種以上に基づく繰り返し単位を含有し、((a)+(b)+(c))に対して(a)が30〜99.8モル%、(b)が0.1〜69.99モル%、(c)が0.01〜5モル%であり、容量流速が0.1〜1000mm3/秒である含フッ素共重合体(A)。
(2)エチレンに基づく繰り返し単位とエポキシ基含有モノマーに基づく繰り返し単位とからなるエポキシ基含有エチレン系共重合体、又はこれを50質量%以上含有する当該エチレン系共重合体組成物(B)。
【請求項2】
前記含フッ素共重合体(A)が、さらに(d)非フッ素含有モノマーに基づく繰り返し単位を含有し、(d)の含有量が((a)+(b)+(c))/(d)のモル比で100/5〜100/100であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記最小積層単位からなる積層体〔(I)/(II)〕の当該(2)エチレン系共重合体、又はこれを50質量%以上含有するエチレン系共重合体組成物の層(II)側に、更にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミドの単体又は混合物又はそれらをマトリックスとしたカーボンブラック、各種のエラストマー成分、ガラス繊維及びカーボン繊維との混合物の少なくとも一つからなる層(III)を積層した多層積層体〔(I)/(II)/(III)〕であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
上記積層体が、多層押し出し成形、多層射出成形、又は多層ラミネート成形により加熱下で接着されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。

【公開番号】特開2006−297843(P2006−297843A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−125916(P2005−125916)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【出願人】(393021370)第一化成株式会社 (4)
【Fターム(参考)】