説明

フマル酸エステルを含む制御放出医薬組成物

本発明は、活性物質としてフマル酸エステルを含む制御放出医薬組成物に関する。該組成物は、例えば乾癬、または他の過剰増殖性、炎症性、もしくは自己免疫疾患の治療に用いるのに適しており、経口投与した消化管内の活性物質が局所的に高濃度になるのを避けことができるように制御された方法でフマル酸エステルを放出するよう設計され、消化管関連副作用を減少させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フマル酸エステルを活性物質として含む制御放出医薬組成物に関する。該組成物は、例えば、乾癬または他の過剰増殖性、炎症性または自己免疫疾患の治療への使用に適しており、経口投与したときに消化管内に活性物質が局所的に高濃度になるのを避けることができるような制御された方法でフマル酸エステルを放出するよう設計され、消化管への副作用を減少させることができる。
【背景技術】
【0002】
フマル酸エステル、すなわちフマル酸ジメチルはフマル酸水素エチルと組み合わせて多年にわたり乾癬の治療に用いられてきた。該合剤は登録商標Fumaderm(登録商標)の名で市販されてきた。それは経口使用を意図した錠剤の形であり、2種類の用量の強さが利用可能である(Fumaderm(登録商標)Initial(イニシャル)およびFumaderm(登録商標))。

【0003】
2種類の強度は、段階的に用量が増すFumaderm(登録商標)initial(イニシャル)で出発し、次いで治療の3週間後にFumaderm(登録商標)に切り替える個々の基礎投与法に適用することを意図する。Fumaderm(登録商標)initialおよびFumaderm(登録商標)はいずれも腸溶性(enteric coated)錠剤である。別の市販組成物には、120mgのフマル酸ジメチルおよび95mgのカルシウム モノエチルフマレートを含むFumaraat 120(登録商標)(TioFarma、Oud-Beijerland、Netherlands)がある。最近の刊行物(Litjens et al. Br. J. Clin. Pharmacol. 2004、vol. 58:4、pp. 429-432)に、Fumaraat 120(登録商標)の薬物動態プロフィールが健常対象について記載されている。結果は、単経口用量のFumaraat 120(登録商標)が血清フマル酸モノメチル濃度の上昇をもたらし、フマル酸ジメチルおよびフマル酸の濃度はごくわずかであることを示す。結果は、フマル酸ジメチルがアルカリ環境下で急速に加水分解されてフマル酸モノメチルとなる(著者によれば酸環境下では生じない)ことを示す。該組成物は腸溶性であるので、フマル酸エステルの摂取は主として小腸で生じ、フマル酸ジメチルが摂取前にアルカリ環境によりモノエステルに加水分解されるか、または循環中でエステラーゼにより急速に変換され得ると考えられる。さらに、該研究は、tmaxおよびCmaxは食物の影響を受け、tmaxが延長し(絶食条件下での平均が182min(分間)であるのに対し、摂食条件下での平均は361 minである)[遅延時間は絶食時が90 min、摂食時が300 minである]、Cmaxは同時に食物摂取すると低下する(絶食時:0.84mg/l、摂食時:0.48mg/l)ことを示す。Fumaderm(登録商標)P forte(フォルテ)の2種類の錠剤を用いた健康対象に対する別の研究(Reddingius W.G. Bioanalysis and Pharmacokinetics of Fumarates in Humans. Dissertation ETH Zurich No. 12199(1997))では、Cmax値(フマル酸モノエチルまたはフマル酸モノメチルとして測定)は1.0〜2.4μg/mlの範囲であり、tmaxは4.8〜6.0時間の範囲であることを示した。
【0004】
US6,277,882およびUS6,355,676は、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、および限局性クローン腸炎を治療するための微小錠剤を製造するためのフマル酸水素アルキルの使用およびフマル酸モノアルキルエステル塩の使用をそれぞれ開示している。US6,509,376は、移植医学または自己免疫疾患の治療に用いるための微小錠剤またはペレットの形の医薬製剤を製造するためのある種のフマル酸ジアルキルの使用を開示している。US 5,424,332は、フマル酸モノアルキルエステルのカルシウム、マグネシウム、亜鉛、および鉄塩を開示する。US 6,359,003は、フマル酸モノアルキルまたはその塩を用いる宿主対移植片反応を選択的に抑制することによる移植拒絶の治療を開示する。US 4,959,389は、フマル酸モノアルキルエステル単独またはフマル酸ジアルキルと組み合わせた異なる塩を含む組成物を開示する。GB 1,153,927は、マレイン酸ジメチル無水物および/またはマレイン酸ジメチルおよび/またはフマル酸ジメチル化合物を含む医薬組成物に関する。症例報告「Treatment of disseminated granuloma annulare with fumaric acid esters」(BMC Dermatology、vol. 2、no.5、2002)はフマル酸エステルを用いる治療に関する。US 2004/0038889は、自己免疫疾患、ミトコンドリア病(mithchondrial diseases)、およびNF-κB介在疾患の治療、および移植医学におけるフマル酸アミドの使用を開示する。WO 89/01830は、乾癬を治療するためのフマル酸ジアミドおよびモノアミドを開示する。
【0005】
しかしながら、例えばFumaderm(登録商標)のようなフマル酸エステルを用いる治療は、例えば肥満、下痢、上腹部の痙攣、鼓腸、および悪心のような消化管の副作用を生じることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、経口投与時の消化管に関連する副作用が低下した改良された治療を提供する1またはそれ以上の治療的または予防的に有効なフマル酸エステルを含む組成物を開発する必要がある。
【0007】
さらに、市販品として利用できる本製品は、1つのエステル(すなわち、フマル酸のモノエチルエステルであるフマル酸水素エチル)が3つの異なる塩の形(すなわち、カルシウム、マグネシウム、および亜鉛塩)で存在する2つの異なるエステルの組み合わせを含む。各個々の形は、それ自身の治療的プロフィールを有してよいが、可能であれば適切な治療効果を得るためにより単純な製品となる利点があろう。
【0008】
本発明者らは、活性物質を制御された方法で、すなわち、市販の製品と比べて延長し、遅く、および/または遅延するように送達されるように設計された医薬組成物の投与により改良された治療方法が得られると考える。さらに、異なるフマル酸エステルの組み合わせを用いる代わりに、フマル酸ジメチルのような1つのフマル酸エステルのみを用いることにより適切な治療反応を達成することができると考えられる。
(図面の簡単な説明)
【0009】
図1は、実施例1に記載のごとく製造した錠剤試料(腸溶コーティングを施す前)のin vitro崩壊プロフィールの例を示す。
【0010】
図2は、実施例2に記載のごとく製造した錠剤試料(腸溶コーティングを施す前)のin vitro崩壊プロフィールの例を示す。
【0011】
図3は、実施例3に記載のごとく製造した錠剤試料(腸溶コーティングを施す前)のin vitro崩壊プロフィールの例を示す。
【0012】
図4は、実施例4に記載のごとく製造した錠剤試料(腸溶コーティングを施す前)のin vitro崩壊プロフィールの例を示す。
【0013】
図5は、実施例5に記載のごとく製造した錠剤試料(腸溶コーティングを施す前)のin vitro崩壊プロフィールの例を示す。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要約)
本発明は、ある局面において、活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる40〜50重量%の1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、8重量%〜15重量%の医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物を含む医薬組成物を提供する。さらなる局面において、本発明は、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えば、クローン病、および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、グレーブス病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(ルポイド)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば、神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫を治療するための医薬を製造するための医薬組成物の使用、ならびにその方法であって本発明の医薬組成物の有効用量をそれを必要とする患者に経口投与することを含む方法を提供する。
【0015】
上記のごとく、本発明者らは、消化管関連副作用を減少させる適切な方法は活性物質を制御放出組成物の形で投与することによると考える。
【0016】
特に適切な制御放出組成物は、活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物と組み合わせたときに得られることがわかった。
【0017】
ある局面において、本発明は、活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物を含む医薬組成物に関する。
【0018】
ある局面において、本発明は、活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる、40〜50重量%の1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、8重量%〜15重量%の医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物を含む医薬組成物に関する。
【0019】
本発明のさらなる局面において、フマル酸エステルの量は42重量%〜48重量%である。
【0020】
本発明の別の局面において、医薬的に許容されるポリマーの量は、9重量%〜14重量%である。
【0021】
さらなる局面において、本発明は、0.1重量%〜5重量%の親水性賦形剤をさらに含む医薬組成物に関する。
【0022】
本発明の別の局面において、該医薬組成物は1重量%〜4重量%の親水性賦形剤を含む。
【0023】
本発明のさらなる局面において、該医薬組成物は錠剤の形である。
【0024】
本発明のさらなる局面において、該医薬組成物は腸溶コーティングされて提供される。
【0025】
すなわち、本発明のある局面において、該医薬組成物は、フマル酸エステルをpH制御放出(pH依存性放出としても知られる)する腸溶コーティングを有する錠剤の形である。通常、該放出は、(もしあれば)小量のみのフマル酸エステルが胃(pH約3以下)で溶出され、残り、すなわち大部分のフマル酸エステルが小腸(pHは約6〜7に変化する)で放出されるよう設計される。そのようなpH制御放出は、腸溶コーティングを有する本発明組成物(全組成物、または該組成物が多粒子組成物の場合は個々の単位)を提供することにより得ることができる。
【0026】
従って、本発明は、さらなる局面において、試験の最初の2時間は崩壊媒質として0.1N塩酸を、次いで崩壊媒質として0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)を用いるin vitro崩壊試験にかけたフマル酸エステルの放出が以下の通りである、活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物を含む経口使用のための制御放出医薬組成物に関する:
試験開始後最初の3時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約50%が放出される、および/または
試験開始後最初の4時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約70%が放出される、および/または
試験開始後最初の5時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約85%が放出される、および/または
試験開始後最初の6時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約95%が放出される、および/または
試験開始後最初の7時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約98%が放出される、および/または
試験開始後最初の9時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約99%が放出される、および/または
試験開始後最初の12時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約99%が放出される。
【0027】
したがって、本発明は、さらなる局面において、試験の最初の2時間は崩壊媒質として0.1N塩酸を、次いで崩壊媒質として0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)を用いるin vitro崩壊試験にかけたフマル酸エステルの放出が以下の通りである、活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる、40〜50重量%の1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、8重量%〜15重量%の医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物を含む経口使用のための制御放出医薬組成物に関する:
試験開始後最初の3時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約50%が放出される、および/または
試験開始後最初の4時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約70%が放出される、および/または
試験開始後最初の5時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約85%が放出される、および/または
試験開始後最初の6時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約95%が放出される、および/または
試験開始後最初の7時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約98%が放出される、および/または
試験開始後最初の9時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約99%が放出される、および/または
試験開始後最初の12時間以内に、該組成物中に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約99%が放出される。
【0028】
本発明の文脈において、制御放出組成物は、類似条件下(例えばin vivo試験については用量等価(標準化食など有りまたは無し)、またはin vitro試験については用量等価、崩壊試験装置、および例えば組成物、使用する崩壊媒質の容量と操作条件、回転速度など)で試験したとき、市販製品であるFumaderm(登録商標)の放出と比較して延長し、遅れ、および/または遅延してフマル酸エステルを放出するよう設計する組成物である。
【0029】
in vivo放出は、予め決定された時間で、目的とするフマル酸エステル(関連があればその代謝物)の血漿濃度を測定し、その血漿濃度対時間プロフィールを測定することにより試験することができる。(例えば、フマル酸ジメチルの場合は、活性物質はフマル酸のモノメチルエステルと予想される。)さらに、代謝は、消化管内で、または消化管粘膜を通過中に、または肝循環の一次通過時にすでに生じると考えられる。したがって、フマル酸ジメチルを投与すると、血漿中を検査すべき関連成分はフマル酸のジメチルエステルではなくモノメチルエステルであろう。
【0030】
他の試験を用いてin vivoで活性物質を決定し、その放出の尺度を得てもよい。すなわち、動物(例えばマウス、ラット、イヌなど)をモデルとして用いてよい。動物は、観察下で該組成物を投与され、一定期間後動物を屠殺し、血漿、特定臓器、または腸内容の抽出物中の活性成分(または関連があればその代謝物)の含有量を測定する。
【0031】
別の試験は動物の腸の特定部分の使用を含む。該部分を、該部分により分離した2つのコンパートメント(ドナーおよびレシピエント)を含む適切な崩壊装置中に置き、観察下で組成物を1つのコンパートメント(ドナーコンパートメント)中の適切な媒質中に置く。該組成物は活性物質を放出し、次いで腸部分を横切って輸送される。したがって、適切な時間間隔で、リザーバーコンパートメント中の活性物質(または関連があれば代謝物)の濃度を測定する。
【0032】
当業者は、上記方法を特定の組成物に適合させることができるであろう。
【0033】
in vitro法に関して、よく確立された方法、特に、例えば、United States Pharmacopeia(米国薬局方)(USP)またはEuropean Pharmacopoeia(欧州薬局方)のような公式の医薬品承認基準に記載の方法が利用可能である。当業者は、どの方法を選択するか、およびin vitro試験を実施するための特定の条件を選択する方法を理解しているであろう。例えば、USPは、in vitro試験を37±1.0、例えば37±0.5℃で行うと規定している。適切な崩壊試験は、例えば米国薬局方に記載のごとく、試験の最初の2時間は崩壊媒質として0.1N塩酸を、次いで残りの試験期間は崩壊媒質として0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)を用い、37℃、100rpmでパドル崩壊装置を用いる。
【0034】
上記のように、活性物質のin vivo放出は、市販のFumaderm(登録商標)組成物と比較して延長し、遅く、および/または遅延する。本発明の文脈において、用語「延長し」は、Fumaderm(登録商標)より長時間、例えばFumaderm(登録商標)より少なくとも1.2倍、例えば少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、または少なくとも5倍長く放出されることを示すことを意図する。すなわち、もし例えば100%のフマル酸ジメチルがFumaderm(登録商標)錠から適切な試験開始後3時間で放出されれば、本発明の組成物中の100%のフマル酸ジメチルは適切な試験開始後少なくとも3.6時間で放出される。
【0035】
本発明の文脈において、用語「遅延して」は、Fumaderm(登録商標)と比べて遅い時点で活性物質の放出が始まることを意味することを意図する(例えば、30分またはそれ以上遅い、例えば45分またはそれ以上遅い、1時間またはそれ以上遅い、または1.5時間またはそれ以上遅いか、あるいは最初の2時間の初期放出がFumaderm(登録商標)に比べてはるかに少ない(すなわち、Fumaderm(登録商標)の80%w/w以下、例えば70%w/w以下、60%w/w以下、または50%w/w以下))。
【0036】
ある局面において、本発明の組成物は、(経口投与すると、等用量のFumaderm(登録商標)の経口投与後に得られるものに比べて)GI関連副作用の減少をもたらす。
【0037】
本発明において用いている、消化管(GI)の副作用には、限定されるものではないが、下痢、腹痛、胃痛、腹部の痛み、腹部の痙攣、悪心、鼓腸、しぶり、メテオリズム、大便回数の増加、膨満感、および上腹部の痙攣が含まれよう。
【0038】
本発明の文脈において、GI関連副作用の減少は、該処置を行った患者ポピュレーションにおいて、本発明の組成物を投与後に観察されるGI副作用がFumaderm(登録商標)の場合に比べて重症度および/または発生率が減少することを示すことを意図する。すなわち、この定義によればGI関連副作用の減少は、上記GI副作用のいずれかの発生率の実質的な減少、例えば、発症率の少なくとも10%の減少、より好ましくは発症率の少なくとも20%の減少、さらにより好ましくは発症率の30%以上の減少と解釈されよう。GI関連副作用の減少は、上記GI副作用のいずれかの重症度の実質的な減少、例えば、下痢、腹痛、胃痛、腹部の痛み、腹部の痙攣、悪心、鼓腸、しぶり、メテオリズム、大便回数の増加、膨満感、または上腹部の痙攣の重症度および/または頻度の減少として表現することもできる。上記のGI関連副作用の減少は、Fumaderm(登録商標)またはプラセボと本発明組成物の投与を比較する臨床試験においてモニターすることができる。プラセボ対照のある臨床試験の場合は、プラセボ群に比べ本発明組成物を投与された患者のGI関連副作用の発生率は、プラセボとFumaderm(登録商標)を比較したヒストリカル臨床試験と比較することができる(例えば、Altmeyer et al、J. Am. Acad. Dermatol. 1994;full reference:Altmeyer P J et al、Antipsoriatic effect of fumaric acid derivatives. Results of a multicenter double-blind study in 100 patients. J. Am. Acad. Dermatol. 1994;30:977-81参照)。典型的には、乾癬に罹患した患者をそのような試験に含め、該患者は典型的には体表面積の10%以上が乾癬(重度の乾癬)に罹患しているだろう。しかしながら、体表面積の2〜10%が罹患している患者も含めることができる(中等度乾癬)。患者は乾癬面積重症度指数(PASI)に基づいて選ぶこともできる。典型的には、PASIがある範囲内の患者、例えば10〜40、または例えば12〜30、または例えば15〜25、または>10または>12または>16を含める。あらゆるタイプの乾癬を有する患者を含んでよいが(慢性斑状型、発疹滴状型、膿疱型、乾癬性紅皮症または掌蹠型)、場合により慢性斑状型の患者のみを含む。ほとんどの場合、各処置群(本発明組成物、およびFumaderm(登録商標)またはプラセボ)につき患者約15〜20人で十分であるが、試験の各治療群につき患者約30〜50人であるのがより好ましい。全試験期間は短ければ1日間〜1週間でありうるが、好ましくは該試験は8週間〜12週間または16週間まで行われるだろう。副作用は、例えば、ある副作用が各群で報告される総回数(副作用を経験した患者数に関わらず)として評価するか、またはある副作用をある回数、例えば、試験期間中に少なくとも1回か、少なくとも2回、または少なくとも3回経験した患者の数として評価することができる。さらに、副作用の重症度をモニターするか、または副作用の一定の重症度を試験における副作用として評価するために要求することができる。副作用の重症度を評価する便法では視覚アナログ尺度(VAS)を用いる。
【0039】
さらなる局面において、本発明組成物は、経口投与すると等用量のFumaderm(登録商標)の経口投与後と比較して、紅潮(頻度および/または重症度)が減少する。
【0040】
本発明の文脈において、用語「紅潮(flushing)」は、顔面、首、および頻度は少ないが体幹上半部および腹部の熱感または灼熱感を伴う皮膚の一時的な発赤の発作を意味する。光線過敏症または急性接触反応の持続的紅斑と紅潮を区別するのが発作が一過性だということである。長期にわたり反復する紅潮は、毛細血管拡張症および時に古典的顔面酒さ(rosacea)を生じうる(Greaves MW. Flushing、and flushing syndromes、rosacea、and perioral dermatitis. 「Champion RH、et al.編 Rook/Wilkinson/Ebling textbook of dermatology、第6版、vol.3.」中、Oxford、UK:Blackwell Scientific、1998:2099-2104参照)。
【0041】
本発明の文脈において、紅潮の減少は、本発明組成物の投与後に観察される紅潮の重症度および/または発生率/頻度がFumaderm(登録商標)投与後に観察される紅潮と比べて該処置患者ポピュレーションで減少することを示すことを意図し、例えばO'toole et al. Cancer 2000、88(4):p. 770-776に記載のごとく測定することができる。すなわち、この定義によれば紅潮の減少は、紅潮の発生率または重症度の実質的な減少と解釈されよう。本発明のある局面において、紅潮の発生率は、少なくとも約1/3減少し、本発明の別の局面では該発生率は1/2減少し、本発明のさらなる局面では紅潮の発生率が約2/3またはそれ以上減少する。同様に、重症度は、本発明のある局面では少なくとも約1/3減少し、本発明の別の局面では少なくとも1/2減少し、本発明のさらなる局面では少なくとも約2/3減少する。明らかに、紅潮の発生率および重症度の100%の減少が最も好ましいが、必要ではない。上記のごとく紅潮の減少は、例えば本発明化合物の投与と例えばFumaderm(登録商標)の投与による処置を比較する臨床試験においてモニターすることができる。対照のあるFumaderm(登録商標)臨床試験では、Fumaderm(登録商標)群と比較した、本発明の化合物を投与された患者の紅潮の軽度、中等度、または重度で定義した発生率および重症度を比較することができる。典型的には、乾癬に罹患した患者をそのような試験に含め、典型的には体表面積の10%以上が乾癬(重症乾癬)に罹患しているであろう。しかしながら、体表面積の2〜10%が罹患している患者も含めることができる(中等度乾癬)。患者は乾癬面積重症度指数(PASI)に基づいて選ぶこともできる。典型的には、PASIがある範囲内の患者、例えば10〜40、または例えば12〜30、または例えば15〜25、または>10または>12または>16を含める。あらゆるタイプの乾癬を有する患者を含んでよいが(慢性斑状型、発疹滴状型、膿疱型、乾癬性紅皮症または掌蹠型)、場合により慢性斑状型の患者のみを含む。ほとんどの場合、各処置群につき患者約15〜20人で十分であるが、試験の各治療群につき患者約30〜50人であるのがより好ましい。全試験期間は短ければ1日間〜1週間でありうるが、好ましくは該試験は8週間〜12週間または16週間まで行われるだろう。副作用は、例えば、ある副作用が各群で報告される総回数(副作用を経験した患者数に関わらず)として評価するか、またはある副作用をある回数、例えば、試験期間中に少なくとも1回か、少なくとも2回、または少なくとも3回経験した患者の数として評価することができる。さらに、副作用の重症度をモニターするか、または副作用の一定の重症度を試験における副作用として評価するために要求することができる。副作用の重症度を評価する便法では視覚アナログ尺度(VAS)を用いる。
(活性物質)
【0042】
本発明組成物中の活性物質はあらゆるフマル酸エステルである。本発明のある態様において、フマル酸エステルは、好ましくは、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジペンチル、フマル酸メチルエチル、フマル酸メチルプロピル、フマル酸メチルブチル、フマル酸メチルペンチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノブチル、およびフマル酸モノペンチル(その医薬的に許容される塩を含む)からなる群から選ばれる。
【0043】
本発明の特定の態様において、フマル酸エステルは、医薬的に許容される塩の形で存在するフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルである。適切な塩は、Fumaderm(登録商標)金属塩、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、または亜鉛塩を含むアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる塩である。
【0044】
用語「(C1-C5)アルキル」は、炭素数1〜5(含む)の分岐または非分岐アルキル基、例えば、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-プロピル、およびペンチルを表す。
【0045】
別の態様において、本発明組成物はフマル酸ジメチルを活性物質として含む。
【0046】
さらなる態様において、本発明組成物は、所望により医薬的に許容される塩、例えばそのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および/または亜鉛塩の形のフマル酸モノメチルを活性物質として含む。
【0047】
別の態様において、本発明組成物は、本質的に活性物質がフマル酸ジメチルからなる。
【0048】
別の態様において、本発明組成物は、活性物質がフマル酸ジメチルからなる。
【0049】
さらなる態様において、本発明組成物は、本質的に活性物質が所望により医薬的に許容される塩、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および/または亜鉛塩の形のフマル酸モノメチルからなる。
【0050】
さらなる態様において、本発明組成物は、活性物質が所望により医薬的に許容される塩、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および/または亜鉛塩の形のフマル酸モノメチルからなる。
【0051】
さらなる態様において、本発明組成物は、重量比約1:10〜約10:1のフマル酸ジメチル、およびフマル酸モノメチル(所望により、医薬的に許容される塩、例えばそのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および/または亜鉛塩の形の)を活性物質として含む。
【0052】
さらなる態様において、本発明組成物は、本質的に活性物質が重量比約1:10〜約10:1のフマル酸ジメチル、およびフマル酸モノメチル(所望により、医薬的に許容される塩、例えばそのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および/または亜鉛塩の形の)からなる。
【0053】
さらなる態様において、本発明組成物は、活性物質が重量比約1:10〜約10:1のフマル酸ジメチル、およびフマル酸モノメチル(所望により、医薬的に許容される塩、例えばそのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および/または亜鉛塩の形の)からなる。
化粧品および/または医薬組成物
【0054】
本発明の課題は、フマル酸エステルの経口投与時における消化管の副作用の出現に関する。該組成物からの活性物質の放出を延長および/または遅延させることにより、消化管の特定部位における活性物質の局所濃度を減少させ(Fumaderm(登録商標)に比べて)、消化管の副作用を減少させると予想される。したがって、上記のようにフマル酸エステルの延長されたおよび/または遅い放出を可能にする組成物が本発明の範囲内である。
【0055】
特定の態様において、本発明は、1日に1回、2回またはそれ以上、例えば1日に1回、2回、または3回投与することができる制御放出医薬組成物に関する。本発明のある局面において、該組成物は1日1回投与用である。本発明のさらなる局面において、該組成物は1日2回投与用である。さらに、該組成物は、比較的pHと独立してフマル酸エステルを放出する、すなわち、放出が消化管のpHに左右されないように設計することができる。そのような組成物の例には、例えば制御放出コーティングでコートされた固体剤形(例えば錠剤、カプセル剤、丸薬、粒剤など)の形の組成物である。制御放出コーティング用の適切な物質には、例えば、セルロース、ならびにメチルセルロース、エチルセルロース、およびセルロースアセテート、またはポリ(エチレンコビニルアセテート)、ポリ(塩化ビニル)を含むセルロース誘導体がある。
【0056】
フマル酸エステルの放出は、典型的には拡散制御膜でコートされた組成物から3段階で生じる:
i)第一に、水(消化管由来)が周囲から剤形内に拡散する、
ii)第二に、剤形中に存在するフマル酸エステルの少なくともいくらかは水の作用により溶解する、
iii)溶解したフマル酸エステルは、剤形から周囲(すなわち、消化管)内に拡散する。
【0057】
他の例には、例えば複数単位をそれぞれマトリックス系の形で含む剤形またはマトリックス錠が含まれる。活性物質は、例えば、セルロース、ならびに微晶質セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびメチルセルロース、ポビドン、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、キサンタンゴム、カラギーナン、および他の合成物質を含むセルロース誘導体を含むマトリックス中に包埋される。医薬的に許容される賦形剤または添加剤として通常用いる物質をマトリックス組成物に加えてよい。
【0058】
適切な組成物の他の例には、例えば、活性物質が水膨潤性ネットワークポリマー中に包埋されているヒドロゲル、すなわちモノリシック系がある。使用に適した物質には、例えば親水性ビニルおよびおよびアクリル酸ポリマー、多糖(例えばアルギネート)、およびポリ(エチレンオキシド)が含まれる。
【0059】
上記のように、本発明組成物は、ある局面においてフマル酸エステルをpH制御放出(pH依存性放出としても知られる)する。通常、該放出は、(もしあれば)小量のみのフマル酸エステルが胃(pH約3以下)で溶出され、フマル酸エステルが小腸(pHは約6〜7に変化する)で放出されるよう設計される。そのようなpH制御放出は、腸溶コーティングを有する本発明組成物(全組成物、または該組成物が多粒子組成物の場合は個々の単位)を提供することに得ることができる。
【0060】
腸溶コーティング物質として用いるための適切な物質の例には、ポリアクリルアミド、フタレート誘導体、例えば炭化水素の酸フタレート、アミロースアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート、他のセルロースエステルフタレート、セルロースエーテルフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルエチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ポリアクリル酸メタクリル酸コポリマー、シェラック、およびビニルアセテート、およびクロトン酸コポリマーなどが含まれる。
【0061】
さらに、該組成物はフマル酸エステルの放出の初期遅延が得られるように製剤化することができる。そのような遅延は、例えば時間制御的に分解する(例えば腐食する)一番外側のコーティングを選択することにより得ることができ、この一番外側のコーティングが腐食されて除去されたときのみフマル酸エステルの放出が始まる。
【0062】
フマル酸エステルがpH依存性に放出され、その放出パターンが1日2回またはそれ以上投与される組成物に適している具体的態様を以下に記載する。適切な製剤原理の例には、例えばZentner et al(US 6,537,584)、およびBae(US 5,484,610)(この内容は本明細書の一部を構成する)に記載のタイプの腸溶コーティングまたはヒドロゲルを用いて提供される組成物がある。適切な製剤原理のさらなる例には、上記のあらゆる製剤原理を含み、所望により腸溶コーティングを有する、例えば、拡散コーティング、例えば制御放出コーティング、マトリックス微粒子またはマトリックス錠、ヒドロゲル、パルス用量ドラッグデリバリーシステム、ビタミンE濃縮物またはエタノールとの合製剤、TPGS、コーン油、およびワックスなどを用いて提供される組成物がある。
【0063】
本発明のさらに別の局面において、USPに従って最初の2時間は0.1N塩酸を、次いでpH 6.5または6.8の0.05Mリン酸緩衝液を用いて測定したときのin vitro崩壊プロフィールに従って予め決定された時間にわたりフマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよび/またはモノ-(C1-C5)アルキルエステル、またはその医薬的に許容される塩を放出するのに適合した制御放出剤形からなることを特徴とする、活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物を含む制御放出医薬組成物であって、該試験開始後最初の2時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ5%w/wが放出される、
該試験開始後最初の3時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約20%〜約50%w/wが放出される、および/または
該試験開始後最初の4時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約45%〜約70%w/wが放出される、および/または
該試験開始後最初の5時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約65%〜約85%w/wが放出される、および/または
該試験開始後最初の6時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約75%〜約90%w/wが放出される該組成物を提供する。
【0064】
本発明のさらに別の局面において、USPに従って最初の2時間は0.1N塩酸を、次いでpH 6.5または6.8の0.05Mリン酸緩衝液を用いて測定したときのin vitro崩壊プロフィールに従って予め決定された時間にわたりフマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよび/またはモノ-(C1-C5)アルキルエステル、またはその医薬的に許容される塩を放出するのに適合した制御放出剤形からなることを特徴とする、活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物を含む制御放出医薬組成物であって、該試験開始後最初の2時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ5%w/wが放出される、
該試験開始後最初の3時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約20%〜約50%w/wが放出される、
該試験開始後最初の4時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約45%〜約70%w/wが放出される、
該試験開始後最初の5時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約65%〜約85%w/wが放出される、
該試験開始後最初の6時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約75%〜約90%w/wが放出される、および
該試験開始後最初の7時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の少なくとも80%w/wが放出される該組成物を提供する。
【0065】
本発明のさらに別の局面において、USPに従って最初の2時間は0.1N塩酸を、次いでpH 6.5または6.8の0.05Mリン酸緩衝液を用いて測定したときのin vitro崩壊プロフィールに従って予め決定された時間にわたりフマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよび/またはモノ-(C1-C5)アルキルエステル、またはその医薬的に許容される塩を放出するのに適合した制御放出剤形からなることを特徴とする、活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる40%〜50%(重量)の1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、8%〜15%(重量)の医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物を含む制御放出医薬組成物であって、該試験開始後最初の2時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ5%w/wが放出される、
該試験開始後最初の3時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約20%〜約50%w/wが放出される、
該試験開始後最初の4時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約45%〜約70%w/wが放出される、
該試験開始後最初の5時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約65%〜約85%w/wが放出される、および
該試験開始後最初の6時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約75%〜約90%w/wが放出される該組成物を提供する。
【0066】
本発明のさらに別の局面において、USPに従って最初の2時間は0.1N塩酸を、次いでpH 6.5または6.8の0.05Mリン酸緩衝液を用いて測定したときのin vitro崩壊プロフィールに従って予め決定された時間にわたりフマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよび/またはモノ-(C1-C5)アルキルエステル、またはその医薬的に許容される塩を放出するのに適合した制御放出剤形からなることを特徴とする、活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物を含む制御放出医薬組成物であって、該試験開始後最初の2時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ5%w/wが放出される、
該試験開始後最初の3時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約20%〜約50%w/wが放出される、
該試験開始後最初の4時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約45%〜約70%w/wが放出される、
該試験開始後最初の5時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約65%〜約85%w/wが放出される、
該試験開始後最初の6時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約75%〜約95%w/wが放出される、および
該試験開始後最初の7時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の少なくとも80%w/wが放出される該組成物を提供する。
【0067】
本発明のさらに別の局面において、USPに従って最初の2時間は0.1N塩酸を、次いでpH 6.5または6.8の0.05Mリン酸緩衝液を用いて測定したときのin vitro崩壊プロフィールに従って予め決定された時間にわたりフマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよび/またはモノ-(C1-C5)アルキルエステル、またはその医薬的に許容される塩を放出するのに適合した制御放出剤形からなることを特徴とする、活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる40%〜50%(重量)の1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、8%〜15%(重量)の医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物を含む制御放出医薬組成物であって、該試験開始後最初の2時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ5%w/wが放出される、
該試験開始後最初の3時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約20%〜約50%w/wが放出される、
該試験開始後最初の4時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約45%〜約70%w/wが放出される、
該試験開始後最初の5時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約65%〜約85%w/wが放出される、および
該試験開始後最初の6時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量の約75%〜約95%w/wが放出される該組成物を提供する。
【0068】
典型的には、上記のごとく本発明の組成物は、延長される方法で活性物質(すなわち、フマル酸のモノアルキルエステル。これは代謝されてフマル酸となり、次いで急速な排除プロセスを受ける。)を送達するよう設計される。本明細書に記載の特徴的なin vitro放出パターンだけでなく、そのような延長放出も臨床試験後に得られる薬物動態パラメーターに反映される。したがって、フマル酸のモノアルキルエステル(投与した該ジアルキルエステルが加水分解または代謝されると血漿中に出現する)のCmaxは、同様なまたは等価な用量を投与すると先の文献に記載したものと同じ桁(指標)である(すなわち、120〜240mgフマル酸ジメチルの経口用量に対応する約0.4〜約2.0mg/lの範囲のフマル酸モノメチルのCmax)。しかしながら、1日の頻回投与(2〜4錠1〜3回/日)を避けるために、濃度が治療濃度域内である期間を延長することを目的とする。したがって、W50(すなわち、血漿濃度がCmaxの50%またはそれ以上である期間)が市販の治療に比べて少なくとも10%、例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%延長すると考えられる。適切なW50は、少なくとも2時間、例えば約2〜約15時間、または約2.5〜約10時間、または約3〜約8時間の範囲であると考えられる。
【0069】
さらに、本発明の制御放出組成物は、血漿プロフィールの個体間および/または個体内変動の減少および組成物を食物と一緒に服用するか否かへの依存の減少(医薬組成物を食事摂取と同時かまたは同時にではなく投与した時のフマル酸モノメチルの血漿濃度プロフィールの変動の減少)をもたらし得ると考えられる。したがって、本発明の制御放出組成物は、Fumaderm(登録商標)に比べて投与頻度の減少、および/または平均1日総用量の減少、および/または活性物質の同じ1日総用量での効果の増加をもたらし得る。
【0070】
異なる動態モデル、例えばゼロ次(1)、一次(2)、平方根(Higuchiの方程式)(3)を、薬物放出導体の解釈に適用することができる。
1: Mt = M0 + k0*t
2: InMt = InM + k1*t
3: Mt = M0 + kH*t1/2
【0071】
これら方程式において、Mtはあらゆる特定の時点で放出された薬剤の累積量であり、M0は、医薬組成物に組み込まれた活性物質の用量である。k0、k1、およびkHは、それぞれゼロ次、一次、およびHiguchiの方程式の速度定数である。
【0072】
本発明のある局面は、ゼロ次崩壊放出プロフィールに関する。別の局面は、一次崩壊放出プロフィールに関する。さらなる局面は平方根(Higuchiの方程式)崩壊放出プロフィールに関する。
【0073】
本発明のある局面において、医薬的に許容されるポリマーはフィルム結合ポリマーである。「医薬的に許容されるポリマー」の例には、限定されるものではないが、エチルセルロース(例えばEthocel(登録商標)NF)、メタクリル酸コポリマー、およびアクリル酸コポリマー、例えば、アンモニオメタクリレートコポリマータイプA(例えば、Eudragit(登録商標)RL30D)および/またはB、またはメタクリル酸コポリマーAおよび/またはBからなる群から選ばれる1またはそれ以上が含まれる。他の例には、限定されるものではないが、ポリビニルアセテートコポリマー(例えばKollicoat SR30D)、およびメタクリルアセテートポリマー(例えばKollicoat MAE 30DP)が含まれる。
【0074】
本発明のある局面において、「医薬的に許容されるポリマー」の例には、限定されるものではないが、エチルセルロース(例えばEthocel(登録商標)NF)、メタクリル酸コポリマー、例えばメタクリル酸コポリマーAおよび/またはB、アクリル酸コポリマー、例えばビニル-ピロリドンアクリル酸コポリマー、およびエチルアクリル酸コポリマー、およびアンモニオメタクリレートコポリマー、例えば、アンモニオメタクリレートコポリマータイプA(例えばEudragit(登録商標)RL30D)および/またはB(例えばEudragit(登録商標)RS30D)からなる群から選ばれる1またはそれ以上が含まれる。他の例には、限定されるものではないが、ポリビニルアセテートコポリマー(例えばKollicoat SR30D)、およびメタクリルアセテートポリマー(例えばKollicoat MAE 30DP)が含まれる。
【0075】
混合物のある局面において、該医薬的に許容されるポリマーは、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、およびアクリル酸コポリマーからなる群から選ばれる1またはそれ以上である。
【0076】
本発明のさらなる局面において、該医薬的に許容されるポリマーは、アンモニオメタクリレートコポリマータイプA、アンモニオメタクリレートコポリマーB、メタクリル酸コポリマーA、メタクリル酸コポリマーB、ポリビニルアセテートコポリマー、およびメタクリルアセテートポリマーからなる群から選ばれる1またはそれ以上である。
【0077】
本発明のさらなる局面において、該医薬的に許容されるポリマーはアンモニオメタクリレートコポリマータイプAである。
【0078】
本発明のさらなる局面において、該医薬的に許容されるポリマーはアンモニオメタクリレートコポリマーBである。
【0079】
本発明のさらなる局面において、該医薬的に許容されるポリマーはメタクリル酸コポリマーAである。
【0080】
本発明のさらなる局面において、該医薬的に許容されるポリマーはメタクリル酸コポリマーBである。
【0081】
本発明のさらなる局面において、該医薬的に許容されるポリマーはポリビニルアセテートコポリマーである。
【0082】
本発明のさらなる局面において、該医薬的に許容されるポリマーはメタクリルアセテートポリマーである。
【0083】
「親水性賦形剤」の例には、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)、ポビドン、ヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、または同様の特性を有する物質、またはその組み合わせを含む。
【0084】
本発明のさらなる局面において、医薬的に許容されるポリマーがエチルセルロースである制御放出医薬組成物を提供する。本発明のさらなる局面において、医薬的に許容されるポリマーがメタクリル酸コポリマーAである制御放出医薬組成物を提供する。
【0085】
本発明の別の局面において、親水性賦形剤がヒドロキシルプロピルセルロースである制御放出医薬組成物を提供する。
【0086】
本発明の別の局面において、親水性賦形剤がポリエチレングリコールである制御放出医薬組成物を提供する。
【0087】
錠剤は、典型的には直接圧縮法、湿式造粒法、または乾式造粒法により製造される。該製剤は、通常、医薬的に許容される賦形剤または添加剤、例えば希釈剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、流動促進剤、分解剤(溶解促進剤)、および可塑剤(軟化剤)を組み込む。典型的希釈剤には、例えば種々のタイプのデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウムまたは硫酸カルシウム、無機塩、例えば塩化ナトリウム、および粉砂糖が含まれる。粉末セルロース誘導体も有用である。典型的錠剤結合剤には、デンプン、ゼラチン、および糖、例えばラクトース、フルクトース、グルコースなどのような物質がある。アカシア、アルギネート、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどを含む天然および合成ゴムも好都合である。
ポリエチレングリコール、エチルセルロース、およびワックスも結合剤として用いることができる。
【0088】
潤滑剤は、錠剤の製剤化において錠剤および打ち抜き機(punch)が金型にくっつくのを防ぐのに必要なことがある。潤滑剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、および硬化植物油のような滑りやすい固体から選ぶことができる。錠剤分解剤は、湿ると膨潤して錠剤を崩壊させ、化合物を放出させる物質である。それには、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、およびゴムが含まれる。より具体的には、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、木材セルロース、粉末天然海綿、陽イオン交換樹脂、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、およびカルボキシメチルセルロースもラウリル硫酸ナトリウムと同様に用いることができる。
【0089】
クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、トリセチン、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、ポリエチレングリコール、グリセロール、およびポリソルベートを軟化剤として用いてよい。軟化剤の機能の1つは、ポリマーのガラス転移点を低下させることであり、これはフィルム形成温度の低下をもたらすだろう。
【0090】
典型的界面活性剤および表面活性剤は、既知の医薬的賦形剤、例えばゼラチン、カゼイン、レシチン、アカシアゴム、ステアリン酸、または他の脂肪酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセリルモノステアレートまたは他の脂肪酸塩、ポリエチレングリコール、二酸化ケイ素、メチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロース、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、アルギネート、または当該分野で知られたあらゆる他の表面修飾化合物から選ぶことができる。
【0091】
腸溶製剤は、しばしば胃の強酸内容物から活性成分を保護するために用いられる。そのような製剤は、酸環境で不溶性であり、塩基性環境で溶解性のポリマーのフィルムで固体剤形をコーティングすることにより製造することができる。典型的フィルムには、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートがある。
【0092】
錠剤の端が壊れるのを防ぐため、錠剤表面を硬化させることができる。そのために錠剤を1〜2mg/cm2錠剤表面の量の5%Kollidon 25の溶液でコートすることができる。PVP(ポリビニルピロリドン)溶液は、プロセス(流動層、ドラジーコルドロン(drageecauldron))に応じて水、水/イソプロパノール、またはイソプロパノール-ベースである。
【0093】
本発明の範囲を限定せずに本発明を例示する種々の制御放出製剤を以下に記載する(濃度はすべて最終錠剤に基づく):
顆粒剤
ある局面において、顆粒は、濃度約10〜約90%、例えば、約20〜約80%、約30〜約75%、または約40〜約70%、特に約50〜約70%の活性物質を、顆粒化用賦形剤、例えば、医薬的に許容されるポリマー、例えばエチルセルロース、例えばEthocel(登録商標)NFプレミアム、またはメタクリル酸/アクリル酸コポリマー、またはアンモニオメタクリレートコポリマー、例えば、アンモニオメタクリレートコポリマータイプAまたはB、またはメタクリル酸コポリマーAまたはB、またはポリビニルアセテートコポリマー、またはメタクリル-酢酸エチルポリマー(約8%〜約15%の濃度で組み込む)と混合し、および/または顆粒化(造粒)することにより製造することができる。濃度約0.1〜約5%の親水性賦形剤、例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポビドン、ヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、および/または濃度約0.01〜約3%、HLB値8以上の医薬的に許容される界面活性剤を組み込むことができる。
錠 剤
【0094】
錠剤は顆粒をベースにしてよい。特にロータリー式機械を用いて大規模に錠剤を製造するときは、流動性を増すか、または打錠挙動を改善するためにさらに賦形剤が必要かもしれない。必要であれば充填および結合用の賦形剤として、例えば、微晶質セルロース、例えば、Avicel(登録商標)102、および濃度約1〜約60%のセルロース、結晶、スプレー乾燥または顆粒化ラクトース1水和物、例えばTablettose(登録商標)、および濃度約5〜約60%の無水ラクトース、濃度約0〜約40%の糖アルコール、例えばソルビトールおよびマンニトール、および濃度約0〜約40%の修飾デンプンを挙げることができる。さらに、崩壊剤、例えばデンプン、およびデンプン誘導体、例えば、ナトリウムデンプングリコレート(濃度約0.2〜約10%)、クロスポビドン(濃度約0.2〜約10%)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(濃度約0.1〜約10%)、流動促進剤、例えばコロイド状無水および水和シリカ(濃度約0.2〜約4%)、および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ベヘン酸カルシウム、およびカルシウムアラキネート(濃度約0.2〜約3%)、またはフマル酸ステアリルナトリウム(濃度約1〜約8%)を加えることができる。
【0095】
ある局面において、錠剤は活性物質を含む顆粒と活性物質を含まないプラセボ顆粒の混合物をベースにしてよい。
用 量
【0096】
存在するフマル酸含有量の異なる組成物を提供する他にも、本発明は、例えば種々の量のフマル酸を含む組成物を含む、例えば2またはそれ以上の容器を含むキットも提供する。そのようなキットは、長期にわたり用量の増加が必要な状況で用いるのに適している。用量の通常の増量は以下の通りである。

【0097】
Aは、約30mgフマル酸ジメチル(または対応する有効量の別のフマル酸エステル)のような低強度に対応する。
【0098】
Bは、約120mgフマル酸ジメチル(または対応する有効量の別のフマル酸エステル)のような高強度に対応する。
【0099】
本発明のある局面において、制御放出医薬組成物は、剤形中のフマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩の量が、50mg〜1000mg活性物質、例えば90mg〜600mg活性物質である制御放出医薬組成物を提供する。
【0100】
混合物のある局面において、剤形中のフマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩の量が、90mg〜500mg活性物質、例えば、90mg〜360mg活性物質、例えば、90、120、180、240、360、450、480、または500mg活性物質である制御放出医薬組成物を提供する。本発明のさらなる局面において、活性物質の量は、120、180、または240mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、活性物質の量は、180または360mgである。
【0101】
本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、120mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、180mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、240mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、360mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、450mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、480mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、500mg活性物質である。
【0102】
本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、50mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、100mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、150mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、200mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、250mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、300mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、350mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、400mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、450mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、600mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、700mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、800mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、900mg活性物質である。本発明のさらなる局面において、剤形中の活性物質の量は、1000mg活性物質である。
【0103】
患者を治療するために投与する本発明の制御放出医薬組成物の1日用量は、限定されるものではないが、体重、年齢、および治療する病状または疾患の根本原因を含む多くの要因に依存し、決定する医師の技術の範囲内である。本発明のある局面において、1日用量は、例えば240〜360mg活性物質(1〜3用量で投与)であり得、別の局面では360〜480mg活性物質(1〜3用量で投与)、別の局面では480〜600mg活性物質(1〜3用量で投与)、別の局面では600〜720mg活性物質(1〜3用量で投与)、別の局面では720〜840mg活性物質(1〜3用量で投与)、別の局面では840〜960mg活性物質(1〜3用量で投与)、さらに別の局面では960〜1080mg活性物質(1〜3用量で投与)、さらに別の局面では700〜1500mg活性物質(1〜3用量で投与)でありうる。
【0104】
本発明の別の局面において、錠剤、例えば患者が飲み込みやすくするのに好都合な形を有する錠剤、例えば、丸形またはいかなる鋭角な端もない棒状形の錠剤の形の制御放出医薬組成物を提供する。
【0105】
本発明の別の局面において、2またはそれ以上の部分に分割されるよう設計された錠剤の形の医薬組成物を提供する。
【0106】
本発明の組成物は、食事と一緒にかまたは食事に関連して、例えば、食事前少なくとも約30分間〜食事後約2時間の範囲に対応する時間に投与するか、または1日のあらゆる特定の時点で投与することができる。
【0107】
ある態様において、1日の総用量は、就寝時、例えば就寝前約30分間またはそれ以下、就寝前約60分間またはそれ以下、就寝前約90分間またはそれ以下、就寝前約120分間またはそれ以下、就寝前約180分間またはそれ以下に投与される。
【0108】
本発明の組成物およびキットは以下の1またはそれ以上の病状の治療に用いるのに適していると考えられる。
a. 乾癬
b. 乾癬性関節炎
c. 神経皮膚炎
d. 炎症性腸疾患、例えば
i. クローン病
ii. 潰瘍性大腸炎
e. 多発性関節炎
f. 多発性硬化症(MS)
g. 若年発症糖尿病
h. 橋本甲状腺炎
i. グレーブス病
j. SLE(全身性エリテマトーデス)
k. シェーグレン症候群
l. 悪性貧血
m. 慢性活動性(ルポイド)肝炎
n. 関節リウマチ(RA)
o. 視神経炎
【0109】
さらに、本発明の新規組成物またはキットは以下の治療に用いることができる:
1. 痛み、例えば、神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み
2. 臓器移植(拒絶の予防)
3. サルコイドーシス
4. リポイド類壊死症
5. 環状肉芽腫。
【0110】
さらに、本発明の新規組成物またはキットは、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、または強皮症の治療に用いることができる。
【0111】
乾癬は、クローン病(Najarian DJ、Gottlieb AB、Connections between psoriasis and Crohn's disease. J Am Acad Dermatol. 2003 Jun;48(6):805-21)、セリアック病(Ojetti V et al、High prevalence of celiac disease in psoriasis. Am J Gastroenterol. 2003 Nov;98(11):2574-5.)、精神(psychiatricまたはpsychological)病、例えば鬱病または人生の大事件(Gupta MA、Gupta AK、Psychiatric and psychological co-morbidity in patients with dermatologic disorders:epidemiology and management. Am J Clin Dermatol. 2003;4(12):833-42、およびMallbris L et al、Psoriasis phenotype At disease onset:clinical characterization of 400 adult cases. J Invest Dermatol. 2005 Mar;124(3):499-504)、肥満、糖尿病、アルコールの過剰摂取/アルコール中毒、および乾癬性関節炎と潜在的に関連があると提唱されている。
【0112】
すなわち、本発明は、ある局面において、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、グレーブス病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(ルポイド)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば、神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫の治療方法であって、有効量の本発明の制御放出医薬組成物をそれを必要とする患者に経口投与することを含む方法に関する。
【0113】
本発明は、別の局面において、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えば、クローン病、および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、グレーブス病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(ルポイド)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば、神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫を治療するための医薬を製造するための本発明の制御放出医薬組成物の使用に関する。
【0114】
さらに、本発明は、上記病状の1つ、より具体的には乾癬または乾癬性関節炎に罹患した個体の治療に関し、該個体はさらに以下のものを用いて治療されている:
a)局所抗乾癬薬、例えば、1)ビタミンDまたはその誘導体(カルシポトリオール、カルシポトリエン)、2)コルチコステロイド(例えば、ベタメタゾン、デソキシメタゾン、フルオシノロン、モメタゾン、ヒドロコルチゾンアセポネート、フルチカゾン、クロベタゾール、クロベタゾン、ヒドロコルチゾンブチレート、デソニド、トリアムシノロン、またはヒドロコルチゾン)、3)テザロテン、4)ジトラノール、5)タクロリムス(FK-506)、および他のカルシネウリン阻害剤、例えばピメクロリムス、または6)1〜5のあらゆる組み合わせ、および/または
b)経口抗乾癬薬、例えば、1)経口用レチノイド(例えば、アシトレチンまたはエトレチネート)(PUVAと組み合わせるか組み合わせない)、2)シクロスポリン、および他のカルシネウリン阻害剤、例えば、ISA247、タクロリムス、およびピメクロリムス、3)メトトレキセート、4)ヒドロキシウレア、5)アザチオプリン、6)スルファサラジン、7)フマル酸誘導体(例えば、Fumaderm(登録商標)またはBG-12)、8)ロシグリタゾン(Avandia)、および他のペルオキシソーム増殖剤活性化-γ(PPARγ)アゴニストまたはモジュレーター、例えば、ピオグリタゾン、ファルグリタザール、GW1929、GW7845、MC-555、MBX-102/MBX-10、MBX-1828、MBX-2044、CLX-0921、R-483、レグリタザール、ナベグリタザール(LY-519818/LY-818)、ネトグリタゾン(MCC-555)、CS-7017、トログリタゾン、シグリタゾン、テサグリタザール、イサグリタゾン、バラグリタゾン、ムラグリタザール、TAK-654、LBM642、DRF 4158、EML 4156、T-174、TY-51501、TY-12780、VDO-52、またはAMG-131(T131)、または1〜8のあらゆる組み合わせ、および/または
c)非経口投与される抗乾癬薬、例えば、1)アレファセプト(Amevive)、2)エタネルセプト(Enbrel)、3)エファリズマブ(Raptiva)、4)オネルセプト、5)アサリムマブ(Humira)、または1〜5のあらゆる組み合わせ、および/または
d)腸内または非経口経路で投与される、上記c)項に記載していないTNF-α阻害剤(例えば、CDP870またはインフリキシマブ(Remicade))、および/または
e)チソカリシトレートおよび/またはNCX1022および/またはIDEC-131および/またはMEDI-507、および/または
f)NSAIDまたはCOXまたはLOX阻害剤、例えばCOX-2阻害剤またはCOX/5-LOX阻害剤、および/または
g)抗糖尿病薬または抗肥満薬、例えば、ビグアニド、例えばメトホルミン;メトホルミンXR;スルホニルウレア、例えばクロルプロパミド、グリピジド、グリクラジド、グリブリド/ブリベンクラミドまたはグリメピリド;Glucovance(メトホルミン+グリブリド);Metaglip(グリピジド+メトホルミン);ペルオキシソーム増殖剤活性化-γ(PPARγ)アゴニストまたはモジュレーター、例えば、ロシグリタゾン(Avandia)、ピログリタゾン、ファルグリタザール、GW1929、GW7845、MC-555、MBX-102/MBX-10、MBX-1828、MBX-2044、CLX-0921、R-483、レグリタザール、ナベグリタザール(LY-519818/LY-818)、ネトグリタゾン(MCC-555)、CS-7017、トログリタゾン、シグリタゾン、テサグリタザール、イサグリタゾン、バラグリタゾン、ムラグリタザール、TAK-654、LBM642、DRF 4158、EML 4156、T-174、TY-51501、TY-12780、VDO-52、またはAMG-131(T131);Avandamet(ロシグリタゾン+メトホルミン);Actos(ピオグリタゾン+メトホルミン);Avandaryl(ロシグリタゾンマレエート+グリメピリド);ベンゾイミダゾール、例えばFK-614;CS-917;TA-1095;ONO-5129;TAK-559;TAK-677/AJ-9667;d-フェニルアラニン誘導剤、例えばセナグリニド;c-3347;NBI-6024;イングリホリブ;BVT 3498;LY 929;SGLT2阻害剤;CS 011;BIM 51077;R1438;R1439;R1440;R1498;R1499;AVE 0847;AVE 2268;AVE 5688;AVE 8134;TA-6666;AZD 6370;SSR 162369;TLK-17411;NN 2501;MK 431;KGA-2727;MK-767;CS-872;β-3レセプターアンタゴニスト、例えばN-5984;α-グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース、ボグリボース、またはミグリトール;グリニチド/メグリチニド類似体またはカルバモイルメチル安息香酸誘導体、例えばミチグリニド、レパグリニド、またはナテグリニド;DPP-IV阻害剤、例えばLAF 237(ビリダグリプチン)、DPP728、P93/01、P32/98、PT-630、またはサキサグリプチン;GLP-1またはGLP-1類似体、例えば、エキセナチド、Exenatide-LAR、リラグルチド(NN 2211)、ZP 10/AVE 0010、LY 307161、ベタトロピン、CJC-1131、GTP-010、SUN E7001、またはAZM 134;プラムリニチドアセテート;インスリンまたはインスリン類似体、例えば、Humalog(インスリンリスプロ)、Humulin、Novolin、Novolog/NovoRapid(インスリンアスパルト)、Apidra(インスリングルリシン)、Lantus(インスリングラルギン)、Exubera、Levemir/NN 304(インスリンデテミル)、AERx/NN 1998、Insuman、肺インスリンまたはNN 344;シブトラミン、または他の、セロトニンおよびノルアドレナリンのシナプス前再吸収遮断薬;オルリスタットおよび他のGIリパーゼ阻害剤;β3-アドレナリンレセプターアゴニスト;脱共役タンパク質;PPARγ(ペルオキシソーム増殖剤活性化レセプターγ)の(特異的)アンタゴニスト;インスリン分泌促進剤;リモナバンドおよび他のCB1エンドカンナビノイドレセプターアンタゴニスト;ブプロピオン;トピラメート;レプチンアゴニスト;毛様体神経栄養因子;ヒト成長ホルモン断片177-191のペプチド類似体;コレシストキニン-Aレセプターアゴニスト;メラノコルチン-3アゴニスト;ノルアドレナリン作動薬、例えばフェンテルミン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジンまたはベンズフェタミン;または上記抗糖尿病薬また抗肥満薬のあらゆる組み合わせ、および/または
h)薬物乱用、例えばアルコール乱用の治療に潜在的に有用な薬剤、例えばナルトレゾン、アカンプロセート、ジズルフィラム、またはVivitrex(ナルトレゾン長期作用注射剤)、および/または
i)クローン病の治療に潜在的に有用な薬剤、例えば、
1. 5-ASA化合物、例えばスルファサラジン、経口5-ASA製剤または直腸5-ASA製剤、
2. グルココルチコイド、例えば全身性ステロイド(例えばブデソニドまたはプレドニゾロン)または局所作用ステロイド(例えばブデソニド)、
3. 抗生物質、例えばメトロニダゾールまたはキノロン(例えばシプロフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシンまたはモキシフロキサシン)、
4. 免疫抑制剤、例えばアザチオプリン、6-メルカプトプリンまたはメトトレキセート、
5. 栄養療法、例えば元素またはポリマー製品、またはプレ-およびプロバイオティクス、
6. 生物療法、例えばTNF-α阻害剤、例えばインフリキシマブ、アダリムマブ、CDP870、CDP571、エタネルセプト、またはオネルセプト、
7. 対症療法薬(symptomatic agent)、例えば、止瀉薬または抗痙攣薬。
【0115】
適切なNSAIDの例には、ピロキシカム、ジクロフェナク、ナブメトン、プロピオン酸(ナプロキセンを含む)、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、およびイブプロフェン、フェナメート(メフェナム酸を含む)、パラセタモール、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、アパゾン、ピラゾロン(フェニルブタゾンを含む)、サリチレート(アスピリンを含む)がある。
【0116】
適切なCOX-2阻害剤の例には、ロフェコキシブ(Vioxx)、バルデコキシブ(Bextra)、セレコキシブ(Celebrex)、エトリコキシブ(Arcoxia)、ルミラコキシブ(Prexige)、パレコキシブ(Dynastat)、デラコキシブ(Deram)、チラコキシブ、メロキシカム、ニメソリド、(1,1-ジメチルヘプチル)-6a,7,10,10a-テトラヒドロ-1-ヒドロキシ-6,6-ジメチル-6H-ジベンゾ[b,d]ピランカルボン酸(CT-3)、2(5H)-フラノン、5,5-ジメチル(1-メチルエトキシ)[4(メチルスルホニル)フェニル]-(DFP);カルプロフェン(RIMADYL)、(アセチルオキシ)-安息香酸、3-[(ニトロオキシ)メチルフェニルエステル(NCX4016)、P54(CAS Reg.No.130996 0)、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)[(E)-(2-エチル-1,1-ジオキソイソチアゾリジニリデン)メチル]フェノール(S-2474)、5(R)-チオスルホンアミド-3(2H)-ベンゾフラノン(SVT-2016)、およびN-[3-(ホニル-アミノ)オキソフェノキシ-4H-ベンゾピラニル]メタンスルホンアミド(「T-614」)、またはその医薬的に許容される塩がある。
【0117】
適切なCOX/5-LOX阻害剤の例には、リコフェロン(ML-3000または[2,2-ジメチル-6-(4-クロロフェニル)-7-フェニル-2,3,ジヒドロ-1H-ピロリジン-5-イル]-酢酸)、ジ-tert-ブチルフェノール、例えば、(E)-(5)-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジリデンス)-2-エチル-1,2-イソチアゾリジン-1,1-ジオキシド(S-2474)、ダルブフェロンまたはテブレロン、および薬理活性代謝物および誘導体、例えば、ジヒドロ-ジメチル-ベンゾフラン、およびPGV-20229、ジヒドロ-ジメチル-ベンゾフラン、チオフェン由来化合物、例えばRWJ-63556、N-ヒドロキシ-N-メチル-4-(2,3-ビス-(4-メトキシフェニル)-チオフェン-5-イル)-ブタナミド(S19812)、メトキシテトラヒドロピラン誘導体、酸化キサントン、例えば、1,3,6,7-テトラヒドロキシキサントン(ノルアトリオール(norathyriol))-ピラゾールチオカルバメート、ピラゾール、例えばフェニル含有化合物の修飾形またはトリフルオロベンゾール置換ピラゾリン誘導体BW-755C、テポキサリンおよび誘導体、およびジ-tert-ブチルピリミジンがある。
【0118】
そのような組み合わせ(併用)療法は、本発明の組成物またはキットを用いずに治療した患者に比べて、治療反応の改善および/または個体に対する便宜の増大をもたらすと考えられる。
【0119】
さらなる局面において、本発明は、上記病状a〜eおよび1〜5のいずれかの経口治療に伴う副作用の低減方法に関するものであって、該方法では該病状を治療するための該医薬活性成分を1またはそれ以上の以下の薬剤と組み合わせて用いる。
a)制酸薬、例えば、1)水酸化マグネシウム、2)マグネシウムトリシリケート、3)水酸化アルミニウムゲル、3)炭酸水素ナトリウム、4)メガルドラド、または1〜5のあらゆる組み合わせ、および/または
b)ヒスタミンH-2アンタゴニスト、例えば、1)チメチジン、2)ラニチジン、3)ニザチジン、4)ファモチジン、5)ロキサチジン、6)ラフタジン、または1〜6のあらゆる組み合わせ、および/または
c)細胞保護剤、例えば1)スクラルファート、2)トリカリウムジクチトラボビスムテート、3)カルベノキソロン、4)プロスタグランジンE-2類似体、例えばミソプロストール、5)エカルベト、6)セトラキセートHCl、7)テプレノン、8)トロキシピド、9)ジシクロミン・塩酸、10)ソファルコン、または1〜10のあらゆる組み合わせ、および/または
d)プロトンポンプ阻害剤(PPI)、例えば、1)オメプラゾール、2)エソペプラゾール、3)ランソプロアゾール、4)パントプラゾール、5)ラベプラゾール、6)CS-526/R-105266、7)AZD 0865、8)ソラプラザン、または1〜8のあらゆる組み合わせ、および/または
e)NSAIDまたはCOXまたはLOX阻害剤、例えばCOX-2阻害剤またはCOX/5-LOX阻害剤、および/または
f)例えば用量範囲400〜800mg/日のペントキシフィリン。
【0120】
本発明は、記載した特定の態様に限定されず、もちろんそれ自体が変化してよいと理解すべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で用いた専門用語は特定の態様を説明するためだけに用い、限定を意図しないと理解すべきである。値の範囲を示す場合は、各中間値は、特記しない限り下限の1/10単位まで、該範囲の上限〜下限、および記載した範囲が本発明内に含まれるあらゆる他の記載したまたは中間の値であると理解される。これら小範囲の上限および下限は、独立して該小範囲に含まれてよく、記載した範囲のあらゆる具体的に排除した限界を前提として本発明内に含まれる。記載した範囲が限界の一方または両方を含む場合は、該含まれる限界のいずれかまたは両方も本発明に含まれる。特記しない限り、本明細書で用いている全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者が普通に理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載したものと同様または等価なあらゆる方法および物質を本発明の実施または試験に用いることもできるが、好ましい方法および物質を記載する。本明細書に記載のすべての刊行物は、該刊行物が記載した方法および/または物質の開示および記載を参照して本明細書に取り込まれる。本明細書および添付の特許請求の範囲で用いている単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないと示さない限り複数形への言及を含む。本明細書に記載の特許および刊行物は、単に本出願の出願日前のそれらの開示を示すために提供する。本明細書のいずれの記載も、本発明が先行発明によりそのような特許や刊行物に先立つ権利がないことの承認と解釈すべきではない。さらに、記載した刊行物の日付は実際の公開日と異なることがあり、個々に確認する必要があるかもしれない。この開示を読んだ当業者に明らかなように、本明細書に記載し、例示した各個々の態様は、本発明の範囲または精神から逸脱することなくあらゆる他の種々の態様の特徴と組み合わせるかまたはそれらから容易に分離することができる分離した要素と特徴を有する。本明細書に記載の図面は必ずしも一定の縮尺で記載しておらず、ある要素と特徴は明確にするために誇張している。前記発明は、明確に理解されるように例示と実施例により詳細に記載されているが、本発明の開示に照らして、添付の特許請求の範囲の精神や範囲から逸脱することなくある種の変更や修飾を行ってよいことは当業者に容易に理解される。
【実施例】
【0121】
実施例1
造粒(顆粒化)工程において、50g DMF(以下のDMF中のフマル酸ジメチル)を、12gエチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標)NFプレミアム)および3gポリエチレングリコール400(150mlの96%エタノールに溶解する)と混合し、1.0mmシーブに通し、50〜60℃で30分間乾燥し、再度1.0mmシーブに通す。プラセボ顆粒を以下のごとく製造する:Tablettose(登録商標)およびAvicel(登録商標)102を均等に混合し、水(q.s.)に溶解した2%ポビドン(例えばKollidon(登録商標)25)で造粒し、1.0mmシーブに通し、50〜60℃で30分間乾燥し、再度1.0mmシーブに通す。DMF-顆粒60部とプラセボ-顆粒38部をTurbulaシェイカーミキサーで30分間混合する。Aerosil(登録商標)200を1部とステアリン酸マグネシウムを1部加え、混合物を再度5分間混合する。
【0122】
混合物を圧縮して、直径10mm、重量約260mg、および硬さ約50Nの錠剤とする。該錠剤を実施例6に記載の方法を用いて腸溶コートする。
実施例2
【0123】
造粒工程において、50g DMFを、12gエチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標)NFプレミアム)および3gポリエチレングリコール400(150mlの96%エタノールに溶解する)と混合し、1.0mmシーブに通し、50〜60℃で30分間乾燥し、再度1.0mmシーブに通す。プラセボ顆粒を以下のごとく製造する:Tablettose(登録商標)およびAvicel(登録商標)102を均等に混合し、水(q.s.)に溶解した2%ポビドン(例えばKollidon(登録商標)25)で造粒し、1.0mmシーブに通し、50〜60℃で30分間乾燥し、再度1.0mmシーブに通す。DMF-顆粒60部とプラセボ-顆粒37部をTurbulaシェイカーミキサーで30分間混合する。カルボキシメチルセルロース(例えばAc-Di-Sol(登録商標))を1部、Aerosil(登録商標)200を1部、およびステアリン酸マグネシウムを1部加え、混合物を再度5分間混合する。
【0124】
混合物を圧縮して、直径10mm、重量約260mg、および硬さ約50Nの錠剤とする。該錠剤を実施例6に記載の方法を用いて腸溶コートする。
実施例3
【0125】
造粒工程において、50g DMFを、50g Eudragit RS D30、0.75gセバシン酸ジブチル、および0.0075g Tween80と混合し、1.0mmシーブに通し、50〜60℃で60分間乾燥し、再度1.0mmシーブに通す。プラセボ顆粒を以下のごとく製造する:Tablettose(登録商標)およびAvicel(登録商標)102を均等に混合し、水(q.s.)に溶解した2%ポビドン(例えばKollidon(登録商標)25)で造粒し、1.0mmシーブに通し、50〜60℃で30分間乾燥し、再度1.0mmシーブに通す。DMF-顆粒60部、プラセボ-顆粒37部、およびカルボキシメチルセルロース(例えばAc-Di-Sol(登録商標))Acdisolを1部をTurbulaシェイカーミキサーで30分間混合する。Aerosil(登録商標)200を1部、およびステアリン酸マグネシウムを1部加え、混合物を再度5分間混合する。
【0126】
混合物を圧縮して、直径10mm、重量約260mg、および硬さ約50Nの錠剤とする。該錠剤を実施例6に記載の方法を用いて腸溶コートする。
実施例4
【0127】
造粒工程において、50g DMFを、50g Eudragit RS D30と混合し、1.0mmシーブに通し、50〜60℃で60分間乾燥し、再度1.0mmシーブに通す。プラセボ顆粒を以下のごとく製造する:Tablettose(登録商標)およびAvicel(登録商標)102を均等に混合し、水(q.s.)に溶解した2%ポビドン(例えばKollidon(登録商標)25)で造粒し、1.0mmシーブに通し、50〜60℃で30分間乾燥し、再度1.0mmシーブに通す。DMF-顆粒60部、プラセボ-顆粒37部、およびカルボキシメチルセルロース(例えばAc-Di-Sol(登録商標))を1部をTurbulaシェイカーミキサーで30分間混合する。Aerosil(登録商標)200を1部、およびステアリン酸マグネシウムを1部加え、混合物を再度5分間混合する。
【0128】
混合物を圧縮して、直径10mm、重量約260mg、および硬さ約50Nの錠剤とする。該錠剤を実施例6に記載の方法を用いて腸溶コートする。
実施例5
【0129】
造粒工程において、50g DMFを、50g Eudragit RS D30と混合し、1.0mmシーブに通し、50〜60℃で60分間乾燥し、再度1.0mmシーブに通す。プラセボ顆粒を以下のごとく製造する:Tablettose(登録商標)およびAvicel(登録商標)102を1:2の比で混合し、水(q.s.)に溶解した2%ポビドン(例えばKollidon(登録商標)25)で造粒し、1.0mmシーブに通し、50〜60℃で30分間乾燥し、再度1.0mmシーブに通す。DMF-顆粒60部、プラセボ-顆粒37部、およびカルボキシメチルセルロース(例えばAc-Di-Sol(登録商標))を1部をTurbulaシェイカーミキサーで30分間混合する。Aerosil(登録商標)200を1部、およびステアリン酸マグネシウムを1部加え、混合物を再度5分間混合する。
【0130】
混合物を圧縮して、直径10mm、重量約260mg、および硬さ約50Nの錠剤とする。該錠剤を実施例6に記載の方法を用いて腸溶コートする。
実施例6
錠剤の腸溶コーティング
【0131】
腸溶コーティング前に、1〜2mg/cm2錠剤表面の量の5% Kollidon 25の溶液でコーティングすることにより錠剤を硬化させてよい。PVP溶液は、方法(流動層、ドラジーコルドロン)に応じて水、水/イソプロパノール、またはイソプロパノールベースである。
【0132】
5mg/cm2の量のEudragit L 30D分散剤をスプレーして錠剤を腸溶コートする。以下の製剤において、二酸化チタンの部分を着色色素で置き換えることができる。
腸溶コーディングの懸濁液

【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】実施例1に記載のごとく製造した錠剤試料(腸溶コーティングを施す前)のin vitro崩壊プロフィールの例を示す。
【図2】実施例2に記載のごとく製造した錠剤試料(腸溶コーティングを施す前)のin vitro崩壊プロフィールの例を示す。
【図3】実施例3に記載のごとく製造した錠剤試料(腸溶コーティングを施す前)のin vitro崩壊プロフィールの例を示す。
【図4】実施例4に記載のごとく製造した錠剤試料(腸溶コーティングを施す前)のin vitro崩壊プロフィールの例を示す。
【図5】実施例5に記載のごとく製造した錠剤試料(腸溶コーティングを施す前)のin vitro崩壊プロフィールの例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性物質として、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる、40重量%〜50重量%の1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、8重量%〜15重量%の医薬的に許容されるポリマー、および所望により医薬的に許容される賦形剤または添加物を含む医薬組成物。
【請求項2】
フマル酸エステルの量が42重量%〜48重量%である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
医薬的に許容されるポリマーの量が9重量%〜14重量%である請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
さらに0.1重量%〜5重量%の親水性賦形剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
医薬的に許容されるポリマーが、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、およびアクリル酸コポリマーからなる群から選ばれる1またはそれ以上である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
医薬的に許容されるポリマーが、アンモニオメタクリレートコポリマータイプA、アンモニオメタクリレートコポリマーB、メタクリル酸コポリマーA、メタクリル酸コポリマーB、ポリビニルアセテートコポリマー、およびメタクリルアセテートポリマーからなる群から選ばれる1またはそれ以上である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
医薬的に許容されるポリマーがエチルセルロースである請求項1〜5記載の組成物。
【請求項8】
医薬的に許容されるポリマーがアンモニオメタクリレートコポリマーBである請求項1〜6記載の組成物。
【請求項9】
親水性賦形剤がポリエチレングリコールである請求項1〜8記載の組成物。
【請求項10】
親水性賦形剤がヒドロキシルプロピルセルロースである請求項1〜8記載の組成物。
【請求項11】
試験の最初の2時間は崩壊媒質として0.1N塩酸を用い、次いで崩壊媒質として0.05Mリン酸緩衝液、pH6.5を用いるin vitro崩壊試験にかけた時のフマル酸エステルの放出が以下の通りである請求項1〜10のいずれかに記載の組成物:
試験開始後の最初の3時間以内に該組成物に含まれるフマル酸エステルの総量のほぼ約50%w/wが放出される。
【請求項12】
試験の最初の2時間は崩壊媒質として0.1N塩酸を用い、次いで崩壊媒質として0.05Mリン酸緩衝液、pH6.5を用いるin vitro崩壊試験にかけた時のフマル酸エステルの放出が以下の通りである請求項1〜11のいずれかに記載の組成物:
試験開始後の最初の4時間以内に該フマル酸エステルの総量のほぼ約70%w/wが放出される。
【請求項13】
試験の最初の2時間は崩壊媒質として0.1N塩酸を用い、次いで崩壊媒質として0.05Mリン酸緩衝液、pH6.5を用いるin vitro崩壊試験にかけた時のフマル酸エステルの放出が以下の通りである請求項1〜12のいずれかに記載の組成物:
試験開始後の最初の5時間以内に該フマル酸エステルの総量のほぼ約85%w/wが放出される。
【請求項14】
試験の最初の2時間は崩壊媒質として0.1N塩酸を用い、次いで崩壊媒質として0.05Mリン酸緩衝液、pH6.5を用いるin vitro崩壊試験にかけた時のフマル酸エステルの放出が以下の通りである請求項1〜13のいずれかに記載の組成物:
試験開始後の最初の6時間以内に該フマル酸エステルの総量のほぼ約95%w/wが放出される。
【請求項15】
該放出がゼロ次、一次、または平方根(Higuchiの方程式)反応速度論的放出プロフィールを有する先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
該放出が平方根(Higuchiの方程式)反応速度論的放出プロフィールを有する請求項15記載の組成物。
【請求項17】
経口投与すると、等用量のFumaderm(登録商標)錠の経口投与後に比べてGI関連副作用の低下が得られる請求項1〜16記載の組成物。
【請求項18】
錠剤の形の請求項1〜17記載の組成物。
【請求項19】
腸溶コーティングを有する請求項1〜18記載の組成物。
【請求項20】
フマル酸エステルが、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジペンチル、フマル酸メチルエチル、フマル酸メチルプロピル、フマル酸メチルブチル、フマル酸メチルペンチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノブチル、およびフマル酸モノペンチル(その医薬的に許容される塩を含む)からなる群から選ばれる、先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
フマル酸エステルが医薬的に許容される塩の形で存在するフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルである先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
該塩が、金属塩、例えば、アルカリ金属塩、およびアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる塩である請求項21記載の組成物。
【請求項23】
該塩が、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および亜鉛塩からなる群から選ばれる請求項21または22記載の制御放出組成物。
【請求項24】
フマル酸ジメチルを活性物質として含む先の請求項のいずれかに記載の制御放出医薬組成物。
【請求項25】
フマル酸モノメチルを活性物質として含む先の請求項のいずれかに記載の制御放出医薬組成物。
【請求項26】
フマル酸モノメチルが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および亜鉛塩からなる群から選ばれる塩の形で存在する請求項25記載の組成物。
【請求項27】
1日に1回、2回、または3回投与するための先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項28】
1日に1回投与するための請求項27記載の組成物。
【請求項29】
1日に2回投与するための請求項27記載の組成物。
【請求項30】
剤形中の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステル、またはその医薬的に許容される塩から選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステルの量が、活性成分90mg〜500mgである、先の請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項31】
乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、グレーブス病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(ルポイド)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば、神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫の治療方法であって、有効量の請求項1〜30のいずれかに記載の医薬組成物をそれを必要とする患者に経口投与することを含む方法。
【請求項32】
乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、グレーブス病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(ルポイド)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば、神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫を治療するための医薬を製造するための請求項1〜30のいずれかに記載の医薬組成物の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−510137(P2009−510137A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533870(P2008−533870)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000561
【国際公開番号】WO2007/042034
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(506387214)アディテック・ファルマ・アクチボラゲット (3)
【氏名又は名称原語表記】AdiTech Pharma AB
【Fターム(参考)】