説明

フラットケーブル案内部材及び画像形成装置

【課題】フラットケーブルから発生する電磁波がフラットケーブル同士で干渉し合い信号が乱れてしまうのを抑制できるフラットケーブル案内部材、及び、そのフラットケーブル案内部材を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】構造体に設けられ複数のフラットケーブル16を重ねて保持しつつ同方向にガイドするフラットケーブル案内部材1において、フラットケーブル間に空間が形成されるようにフラットケーブルを仕切る仕切り部材1aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電気機器の電装部等の接続に使用するフラットケーブルをガイドするフラットケーブル案内部材と、そのフラットケーブル案内部材を備えたプリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の電装部品を用いる画像形成装置においては、電装部品同士の接続にハーネスが用いられる。ハーネスは所謂絶縁性樹脂により芯線を被覆したリード線であり、単線で用いられる場合もあるが配線部の構造によってはまとめて用いることが多い。ハーネスをまとめて用いる場合、束ねる場合に比べて設置スペースが小さくて済むように横に並べてまとめたフレキシブルなフラットケーブルとすることがある(特許文献1など)。
【0003】
このフラットケーブルを装置内で這い回せる場合には、フラットケーブル案内部材によってフラットケーブルをガイドしつつ保持することで、フレキシブルなフラットケーブルが大きく撓んで装置内の他の部材と接触し破損してしまうのを抑制することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装置の小型化などにより装置内ではフラットケーブルを這い回すことができるスペースが限られるため、複数のフラットケーブルを重ねて装置内を這い回せる場合がある。しかしながら、フラットケーブルで信号を送るとフラットケーブルに流れる電流によって電磁波が生じるため、その生じた電磁波がフラットケーブル同士で干渉し合い、フラットケーブルで送られる信号が乱れてしまうといった問題が生じる。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、フラットケーブルから発生する電磁波がフラットケーブル同士で干渉し合い信号が乱れてしまうのを抑制できるフラットケーブル案内部材及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、構造体に設けられ複数のフラットケーブルを重ねて保持しつつ同方向にガイドするフラットケーブル案内部材において、フラットケーブル間に空間が形成されるようにフラットケーブルを仕切る仕切り部材を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のフラットケーブル案内部材において、上記仕切り部材がフラットケーブル案内部材本体と一体で構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のフラットケーブル案内部材において、複数のフラットケーブルの内で早い周波数のフラットケーブルを、上記構造体の板金からなる部分の近くを通すように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3のフラットケーブル案内部材において、上記仕切り部材をフラットケーブル長手方向にわたって前記長手方向に直交する方向であるフラットケーブル幅方向で交互に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4のフラットケーブル案内部材において、上記フラットケーブルが上記構造体と上記フラットケーブル案内部材との間に位置するように前記フラットケーブルを保持することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段に設けられた複数の電装部材を電気的に接続するフラットケーブルと、装置構造体に設けられ前記フラットケーブルを複数重ねて保持しつつ同方向にガイドするフラットケーブル案内手段とを備えた画像形成装置において、前記フラットケーブル案内手段として、請求項1、2、3、4または5のフラットケーブル案内部材を用いることを特徴とするものである。
【0007】
本発明においては、フラットケーブル案内部材に重ねて保持されたフラットケーブル間に空間が形成されるように、仕切り部材によってフラットケーブルを仕切るので、フラットケーブル間の距離を一定距離はなすことができる。重ねられたフラットケーブル同士の電磁波の影響は、フラットケーブル間の距離をはなすことで低減させることができる。そのため、仕切り部材によりフラットケーブル間の距離を一定距離はなすことで、フラットケーブル同士が密着している場合よりもフラットケーブル同士の電磁波の影響を低減させることができる。よって、フラットケーブル同士の電磁波の影響が低減される分、フラットケーブルから発生する電磁波がフラットケーブル同士で干渉し合い信号が乱れてしまうのを抑制できる。
【発明の効果】
【0008】
以上、本発明によれば、フラットケーブルから発生する電磁波がフラットケーブル同士で干渉し合い信号が乱れてしまうのを抑制できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】フラットケーブルガイドとステーとの断面図。
【図2】実施形態に係る画像形成装置の斜視図。
【図3】実施形態に係る画像形成装置の概略断面図。
【図4】実施形態に係る画像形成装置の後方半断面図。
【図5】実施形態に係る画像形成装置の後方半断面図。
【図6】フラットケーブルガイドとステーとの概略斜視図
【図7】フラットケーブルガイドを複写機に取り付けたときに下方となる側から見た場合の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態の一例(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)として、電子写真方式の複写機(以下、単に複写機100という)について説明する。
【0011】
図2は、本実施形態に係る複写機の斜視図であり、図3は、複写機100の概略断面図である。複写機100の前面にはユーザーが各種操作を行う操作部3が設けられており、上部には原稿などを読み取りデータ化する読み取り部4が設けられており、中央部には画像を形成する作像部5が設けられている。さらに、下部には用紙を集積して用紙Pを一枚づつ作像部5に送り出す給紙部6や、給紙部6から搬送路70に給紙された用紙Pを搬送ローラ対71やレジストローラ対72により搬送する搬送部7が設けられている。給紙部6から送り出された用紙Pは搬送部7の搬送路70を通り、画像を作成する作像部5で画像が載せられ、作像部5と読み取り部4の間の排紙トレイ部9に蓄積されるような一連の動作を行う働きをする。
【0012】
複写機100の基本的な構成について説明する。図2は、複写機100の概略構成図である。複写機100は画像を作成する作像部5に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスカートリッジ26Y、M、C、Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスカートリッジ26Yを例にすると、ドラム状の像担持体としての感光体21Y、ドラムクリーニング装置(不図示)、除電装置(不図示)、帯電装置24Y、現像装置25Y等を備えている。このプロセスカートリッジ26Yは、複写機100本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0013】
帯電装置24Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体21Yの表面を一様に帯電せしめる。一様に帯電せしめられた感光体21Yの表面は、レーザ光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このYの静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置25YによってYトナー像に現像される。そして、中間転写ベルト38上に中間転写される。ドラムクリーニング装置は、中間転写工程を経た後の感光体21Y表面に残留したトナーを除去する。また除電装置は、クリーニング後の感光体21Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体21Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他のプロセスカートリッジ26M、C、Kにおいても、同様にして感光体21M、C、K上にM、C、Kトナー像が形成され、中間転写ベルト38上に中間転写される。
【0014】
プロセスカートリッジ26Y、M、C、Kの図中下方には潜像形成手段である露光装置27が配設されている。露光装置27は、画像情報に基づいて発したレーザ光を、プロセスカートリッジ26Y、M、C、Kにおけるそれぞれの感光体21Y、M、C、Kに照射して露光する。この露光により、感光体21Y、M、C、K上にY、M、C、K用の静電潜像が形成される。なお露光装置27は、光源から発したレーザ光をモータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体21Y、M、C、Kに照射するものである。
【0015】
露光装置27の図中下側には、記録体である転写紙Pを収容する紙収容カセット61や給紙ローラ62からなる給紙部6と、搬送路70内で転写紙Pを搬送させる搬送ローラ対71やレジストローラ対72などを有する搬送部7とが配設されている。
【0016】
紙収容カセット61には転写紙Pが複数枚重ねて収納されており、一番上の転写紙Pには給紙ローラ62が当接している。給紙ローラ62が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の転写紙Pが搬送部7の搬送路70内に向けて給紙される。このように搬送部7の搬送路70内に給紙された転写紙Pを搬送ローラ対71によりレジストローラ対72まで搬送する。レジストローラ対72は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転駆動するが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
【0017】
プロセスカートリッジ26Y、M、C、Kの図中上方には、中間転写体たる中間転写ベルト38を張架しながら無端移動せしめる中間転写ユニット35が配設されている。この中間転写ユニット35は、中間転写ベルト38の他、4つの一次転写バイアスローラ29Y、M、C、K、中間転写ベルト38の表面をクリーニングする図示しないクリーニング装置などを備えている。また二次転写バックアップローラ32、張架ローラ33、テンションローラ34なども備えている。
【0018】
中間転写ベルト38は、二次転写バックアップローラ32、張架ローラ33及びテンションローラ34に張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。
【0019】
一次転写バイアスローラ29Y、M、C、Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト38を感光体21Y、M、C、Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。これらは中間転写ベルト38の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものである。一次転写バイアスローラ29Y、M、C、Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。
【0020】
中間転写ベルト38は、その無端移動に伴ってY、M、C、K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体21Y、M、C、K上のY、M、C、Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト38上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0021】
二次転写バックアップローラ32は、二次転写ローラ39との間に中間転写ベルト38を挟み込んで二次転写ニップを形成している。中間転写ベルト38上に形成された4色トナー像は、この二次転写ニップで転写紙Pに転写される。二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト38には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、図示しないクリーニング装置によって中間転写ベルト38上から除去される。
【0022】
二次転写ニップにおいては、転写紙Pが互いに順方向に表面移動する中間転写ベルト38と二次転写ローラ39との間に挟まれて、二次転写ニップよりも転写紙搬送方向下流側にある定着装置40に向けて搬送される。二次転写ニップから送り出された転写紙Pは、定着装置40のローラ間を通過する際に熱と圧力とにより、表面に転写された4色トナー像が定着される。その後、転写紙Pは、排紙ローラ対91のローラ間を経て機外へと排出される。複写機本体の上面には、スタック部30が形成されており、排紙ローラ対91によって機外に排出された転写紙Pは、このスタック部30に順次スタックされる。
【0023】
中間転写ユニット35と、これよりも上方にあるスタック部30との間には、ボトル収容部81が設けられている。このボトル収容部81は、Y、M、C、Kトナーを収容する現像剤収容器としてのトナーボトル82Y、M、C、Kを収容している。トナーボトル82Y、M、C、K内のY、M、C、Kトナーは、それぞれ図示しないトナー補給装置により、プロセスカートリッジ26Y、M、C、Kの現像装置25Y、M、C、Kに適宜補給される。これらのトナーボトル82Y、M、C、Kと、プロセスカートリッジ26Y、M、C、Kとはそれぞれ独立して複写機100本体に脱着可能である。
【0024】
図4は複写機100の後方半断面図であり、図5は図4よりもより複写機100の内部に近い部分が見えるよう半断面化した場合の複写機100の後方半断面図である。
【0025】
複写機100の操作部3を前とした場合の後方右側には、外部端末とのアクセスが可能な差込口、例えばUSBや、ネットケーブル、電話線などの接続部をもつインターフェイス面10が設けられている。インターフェイス面10の内側には、外部端末からの情報を処理して制御するコントローラ基板11があり、すぐ隣に設置されている露光装置27や読み取り部4を制御するIPU基板12が接続されている。
【0026】
IPU基板12とコントローラ基板11の下には、外部からの交流電源を取り入れて、5Vや24Vの直流電源に変換し、電力を供給するPSU基板13が設けられている。また、IPU基板12とコントローラ基板11の下、PSU基板13の上には、複写機100の構造体の一部であり、板金部材で作製されたステー14が横方向設置されている。
【0027】
PSU基板13の複写機100の内部側には、作像部5や給紙部6や搬送部7などを制御するBCU基板15があり、BCU基板15とIPU基板12とが2本のフラットケーブル16で接続されている。
【0028】
BCU基板15の上部から出たフラットケーブル16は、板金部材からなるステー14の上を通りIPU基板12の図5中左側に出てIPU基板12に接続されている。このとき、2本のフラットケーブル16は、ステー14上において樹脂部品一体で構成されたフラットケーブルガイド1でBCU基板15からIPU基板12への経路をガイドされた状態で保持されている。
【0029】
図6はフラットケーブルガイド1とステー14の概略斜視図であり、図1はフラットケーブルガイド1とステー14との断面図であり、図7はフラットケーブルガイド1を複写機100に取り付けたときに下方となる側から見た単体斜視図である。
【0030】
図1に示すようにフラットケーブルガイド1には、フラットケーブルガイド1の本体に一体で形成された上板部1cと下板部1dとの間で重なり合う2本のフラットケーブル16a,16bの間に入り込み、フラットケーブル間に適当な距離で空間を形成させるようにフラットケーブル16aとフラットケーブル16bとを仕切る仕切り板1aが、フラットケーブルガイド1の本体と一体で複数設けられている。本実施形態においては、フラットケーブルガイド1の仕切り板1aと上板部1cとの間にフラットケーブル16bが組み付けられ、仕切り板1aと下板部1dとの間にフラットケーブル16aが組み付けられる。仕切り板1aは図7に示すように、フラットケーブルガイド1に対してフラットケーブル長手方向であるフラットケーブル16a,16bの信号線通電方向にわたって前記長手方向に直交する方向であるフラットケーブル幅方向で交互に設けられている。これにより、組み付け時にフラットケーブル16bの変形量を少なくしてフラットケーブルガイド1の仕切り板1aと上板部1cとの間に組み付けることが可能となるので、フラットケーブルガイド1に対するフラットケーブル16bの組み付け性を向上させることができる。
【0031】
また、図7のようにフラットケーブルガイド1には爪1bが数箇所設けられており、フラットケーブルガイド1の下板部1dの下面とステー14の上板部14aの上面とが接するようにステー14上でフラットケーブルガイド1を長手方向にスライドさせながら、ステー14の上板部14aに爪1bを引掛けることで、ステー14にフラットケーブルガイド1を容易に組み付けることができる。
【0032】
樹脂部品で構成されたフラットケーブルガイド1と単独では大きく撓んだりして形状が定まらないフラットケーブル16とを組み合わせてから、フラットケーブル16が収められたフラットケーブルガイド1をステー14に取り付けることにより、フラットケーブル16とフラットケーブルガイド1とが一体化されているので、装置にフラットケーブル16を容易に組み付けることができるようになる。
【0033】
また、フラットケーブル16a,16bがフラットケーブルガイド1に保持されることで、フラットケーブル16a,16bが大きく撓んでしまうことを抑制できる。よって、フラットケーブル16a,16bが撓んで他の部材などと干渉し破損するのを抑えつつ狭い空間にフラットケーブル16a,16bを配置することや、省スペースなケーブル這い回しを行うことができる。
【0034】
ここで、上下方向で重ねられたフラットケーブル同士の電磁波の影響は、フラットケーブル間の距離の二乗に影響し、フラットケーブル同士がほぼ密着した状態から、フラットケーブル間の距離を上下方向に僅かにはなすだけで大きく減少することがわかっている。そのため、仕切り板1aによりフラットケーブル16aとフラットケーブル16bとの間に空間を設け、フラットケーブル同士を一定距離はなすことで、フラットケーブル同士の電磁波的干渉の影響を少なくすることができる。よって、フラットケーブル同士を離すことで、一方のフラットケーブルに電流が流れて生じる電磁波による他方のフラットケーブルへの干渉で他方の信号が乱れてしまうこと(クロストーク)を抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態のようにフラットケーブルガイド1の本体と一体で設けられた仕切り板1aでフラットケーブル間に空間を設けるようにすることで、フラットケーブルガイド1の本体とは別体の仕切り板を取り付けたり、フラットケーブル間に導電性の遮蔽部材を入れたりした場合よりも部品点数を減らせるので、その分、組み付け性の向上や低コスト化を図ることができる。
【0036】
そして、このようにフラットケーブル16aやフラットケーブル16bから発生する電磁波がフラットケーブル同士で干渉し合い信号が乱れてしまうのを抑制できることで、フラットケーブル16a,16bが接続された、IPU基板12によって制御される書込部及び読み取り部4や、BCU基板15によって制御される作像部5、給紙部6及び搬送部7などに、フラットケーブ16a,16bの信号の乱れに伴う誤動作が生じるのを抑制することができる。
【0037】
また、フラットケーブル16aとフラットケーブル16bとのうちフラットケーブル16aはBCU基板15とIPU基板12との画像信号を伝える早い周波数(例えば50[MHz]以上)の信号線であり、フラットケーブル16aが板金部材であるステー14の近くを這うようにフラットケーブルガイド1でフラットケーブル16aをガイドしながら保持している。
【0038】
導体の傍に周波数をもった電流を流すと、逆の磁界が発生することにより電磁波が抑えられる効果があることが判っている。そのため、早い周波数の信号が送られるフラットケーブル16aを板金部材でできたステー14の近くを這わせることにより、フラットケーブル同士の電磁波の相互干渉をより少なくすることができ、EMC(Electromagnetic Compatibility)的に良くすることができる。
【0039】
また、フラットケーブル16a,16bがステー14とフラットケーブルガイド1との間に保持されることで、フラットケーブル16a,16bがフラットケーブルガイド1により覆われる。これにより、装置内で可動する可動部材などがフラットケーブル16a,16bに衝突するのを抑制することができ、外力によりフラットケーブル16a,16bが損傷するのを抑制することができる。
【0040】
以上、本実施形態によれば、構造体に設けられ複数のフラットケーブルであるフラットケーブル16a,16bを重ねて保持しつつ同方向にガイドするフラットケーブル案内部材であるフラットケーブルガイド1において、フラットケーブル間に空間が形成されるようにフラットケーブル16aとフラットケーブル16bと仕切る仕切り部材である仕切り板1aを有する。フラットケーブル16aとフラットケーブル16bとの間に空間が形成されるように仕切り板1aによってフラットケーブル16aとフラットケーブル16bとを仕切ることで、フラットケーブル間の距離を一定距離はなすことができる。これにより、フラットケーブル同士の電磁波の影響を少なくすることができる。よって、その分、フラットケーブル16a,16bから発生する電磁波がフラットケーブル同士で干渉し合い信号が乱れてしまうのを抑制できる。
また、本実施形態によれば、仕切り板1aがフラットケーブルガイド1の本体と一体で構成されていることで、仕切り板1aをフラットケーブルガイド1の本体と別体で設けた場合よりも低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、複数のフラットケーブル16a,16bの内で早い周波数のフラットケーブル16aを、上記構造体の板金からなる部分であるステー14の近くを通すように構成した。導体の傍に周波数をもった電流を流すと、逆の磁界が発生することにより電磁波が抑えられる効果がある。よって、早い周波数のフラットケーブル16aを板金部材でできたステー14の近くを這わせることにより、フラットケーブル同士の電磁波の相互干渉をより少なくすることができ、EMC的に良くすることができる。
また、本実施形態によれば、仕切り板1aをフラットケーブル長手方向であるフラットケーブル16a,16bの信号線通電方向にわたって前記長手方向に直交する方向であるフラットケーブル幅方向で交互に設けたことで、組み付け時にフラットケーブル16bの変形量を少なくしてフラットケーブルガイド1に組み付けることが可能になるため、フラットケーブルガイド1に対するフラットケーブル16bの組み付け性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、フラットケーブル16a,16bがステー14とフラットケーブルガイド1との間に位置するようにフラットケーブルガイド1でフラットケーブル16a,16bを保持する。これにより、フラットケーブル16a,16bがフラットケーブルガイド1により覆われるので、装置内で可動する可動部材などがフラットケーブル16a,16bに衝突するのが抑えられ、外力によりフラットケーブル16a,16bが損傷するのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、本発明のフラットケーブルガイド1を複写機100などの画像形成装置に用いることで、フラットケーブル16aやフラットケーブル16bから発生する電磁波がフラットケーブル同士で干渉し合い信号が乱れてしまうのを抑制できることにより、フラットケーブル16a,16bが接続された、IPU基板12によって制御される書込部及び読み取り部4や、BCU基板15によって制御される作像部5、給紙部6及び搬送部7などに、フラットケーブ16a,16bの信号の乱れに伴う誤動作が生じるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 フラットケーブルガイド
1a 仕切り板
1b 爪
1c 上板部
1d 下板部
2 画像形成装置
3 操作部
4 読み取り部
5 作像部
6 給紙部
7 搬送部
9 排紙トレイ部
10 インターフェイス面
11 コントローラ基板
12 IPU基板
13 PSU基板
14 ステー
14a 上板部
15 BCU基板
16 フラットケーブル
21 感光体
24 帯電装置
25 現像装置
26 プロセスカートリッジ
27 露光装置
29 一次転写バイアスローラ
30 スタック部
32 二次転写バックアップローラ
33 張架ローラ
34 テンションローラ
35 中間転写ユニット
38 中間転写ベルト
39 二次転写ローラ
40 定着装置
61 紙収容カセット
62 給紙ローラ
70 搬送路
71 搬送ローラ対
72 レジストローラ対
81 ボトル収容部
82 トナーボトル
91 排紙ローラ対
100 複写機
【先行技術文献】
【特許文献】
【0042】
【特許文献1】特開2002−171047号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体に設けられ複数のフラットケーブルを重ねて保持しつつ同方向にガイドするフラットケーブル案内部材において、
フラットケーブル間に空間が形成されるようにフラットケーブルを仕切る仕切り部材を有することを特徴とするフラットケーブル案内部材。
【請求項2】
請求項1のフラットケーブル案内部材において、
上記仕切り部材がフラットケーブル案内部材本体と一体で構成されていることを特徴とするフラットケーブル案内部材。
【請求項3】
請求項1または2のフラットケーブル案内部材において、
複数のフラットケーブルの内で早い周波数のフラットケーブルを、上記構造体の板金からなる部分の近くを通すように構成したことを特徴とするフラットケーブル案内部材。
【請求項4】
請求項1、2または3のフラットケーブル案内部材において、
上記仕切り部材をフラットケーブル長手方向にわたって前記長手方向に直交する方向であるフラットケーブル幅方向で交互に設けたことを特徴とするフラットケーブル案内部材。
【請求項5】
請求項1、2、3または4のフラットケーブル案内部材において、
上記フラットケーブルが上記構造体と上記フラットケーブル案内部材との間に位置するように前記フラットケーブルを保持することを特徴とするフラットケーブル案内部材。
【請求項6】
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段に設けられた複数の電装部材を電気的に接続するフラットケーブルと、
装置構造体に設けられ前記フラットケーブルを複数重ねて保持しつつ同方向にガイドするフラットケーブル案内手段とを備えた画像形成装置において、
前記フラットケーブル案内手段として、請求項1、2、3、4または5のフラットケーブル案内部材を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−55143(P2012−55143A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198078(P2010−198078)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】