説明

フレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造

【課題】 高い接続強度および導通信頼性を有するフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造を提供する。
【解決手段】 貫通孔2aを有するフレキシブル基板2と、貫通孔2aの内面から貫通孔2aの周囲にかけての接続導体3と、フレキシブル基板2の主面に形成されて接続導体3に接続された配線4とを有するフレキシブル配線基板1に対して、リード端子6が貫通孔2aに挿入されることでリード端子6と接続導体3とが電気的に接続されるフレキシブル配線基板1とリード端子付き電子部品5との続構造であって、接続導体3は、貫通孔2aの内面および貫通孔2aの周囲のフレキシブル基板2の主面において、一部に切欠きを有していて貫通孔2aの全周にわたって形成されていない。接続導体3が形成されていない部分が変形して貫通孔2aが広がるので、接続導体3が破損することなく高い導通信頼性を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信などに使用される半導体装置等の電子部品のリード端子とフレキシブル配線基板との接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光通信の分野等で使用される半導体レーザダイオード、フォトダイオード等の光半導体素子が搭載された光半導体装置等の電子部品を外部回路基板に電気的に接続する方法として、電子部品のリード端子をフレキシブル配線基板に形成された貫通孔に挿入してはんだによって固定することが行なわれていた(例えば、特許文献1を参照。)。このようにすると、外部からの応力、振動などの影響がフレキシブル配線基板の可撓性によって緩和され、電子部品のリード端子と外部回路基板との接続を強固に保持することができる。
【0003】
しかしながら、はんだ付けによって固定されるこのような接続方法においては、はんだ付けの際の加熱によって、フレキシブル配線基板の変形やリード端子に接続された半導体素子の破損の可能性があった。また、近年は伝送信号の高速化に対応するためにリード数が増加しており、さらに電子部品の小型化によってリード端子間の距離が小さくなっていることから、はんだによるリード端子間のショートが発生することも懸念されていた。
【0004】
このような問題に対して、フレキシブル配線基板の貫通孔の内面から貫通孔の周囲のフレキシブル配線基板の主面にかけて、主面の配線層に接続された導体端子を形成して、この貫通孔に端子を嵌合させる方法が提案されている(例えば特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−80418号公報
【特許文献2】特開2004−289016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、貫通孔に端子を嵌合させる方法では、フレキシブル配線基板の弾性によって端子と貫通孔の内壁面の端子導体とを密着させることで接続するものであることから、高い接続強度を実現するには、貫通孔の内径より端子の径あるいは幅を大きくする必要があった。そのため、貫通孔に端子を挿入すると、端子によって貫通孔が押し広げられ、貫通孔の内面から主面にかけて形成された導体端子に亀裂が生じ、破損に至る場合があり、この亀裂が配線と導体部材との接続部付近に発生して端子と配線との導通が損なわれる場合があるという問題点があった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い接続強度と導通信頼性とを有するフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造は、貫通孔を有するフレキシブル基板と、前記貫通孔の内面から前記貫通孔の周囲の前記フレキシブル基板の主面にかけて形成された接続導体と、前記フレキシブル基板の前記主面に形成されて前記接続導体に接続された配線とを有するフレキシブル配線基板に対して、リード端子付
き電子部品のリード端子が前記貫通孔に挿入されることで前記リード端子と前記接続導体とが電気的に接続される、フレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造であって、前記接続導体は、前記貫通孔の内面および前記貫通孔の周囲の前記フレキシブル基板の主面において、一部に切欠きを有していて前記貫通孔の全周にわたって形成されていないことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造は、上記構成において、前記リード端子は、先端部側から前記リード端子付き電子部品の本体側に向かって幅が漸次大きくなる突出部を有することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造は、上記構成において、前記リード端子の前記突出部と前記リード端子付き電子部品の本体の外面との間の距離は、前記フレキシブル配線基板の厚み以下であることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造は、上記各構成において、前記電子部品は複数の前記リード端子を有し、前記フレキシブル配線基板は前記リード端子の配列に対応する複数の前記貫通孔を有しており、前記接続導体は隣接する2つの前記貫通孔間において前記切欠きと前記切欠き以外の部分とが対向しないように形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造は、上記各構成において、前記電子部品は複数の前記リード端子を有し、前記フレキシブル配線基板は前記リード端子の配列に対応する複数の前記貫通孔を有しており、前記リード端子の前記突出部は隣接する2つの前記リード端子間において対向しないことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造によれば、接続導体は、貫通孔の内面および貫通孔の周囲のフレキシブル基板の主面において、一部に切欠きを有していて貫通孔の全周にわたって形成されていないことから、貫通孔の周囲において、フレキシブル基板の接続導体が形成されていない部分は接続導体が形成されている部分より変形しやすい構造となっている。そのため、リード端子を貫通孔に挿入した際に、接続導体が形成されていない部分が変形して貫通孔が広がり、貫通孔の内面から貫通孔の周囲にかけて形成された接続導体が変形することが抑えられるので、接続導体が破損することなくリード端子と接続導体とを密着させることが可能となり、高い接続強度および導通信頼性を実現することができる。
【0014】
また、本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造によれば、上記構成において、リード端子が、先端部側からリード端子付き電子部品の本体側に向かって幅が漸次大きくなる突出部を有するときには、突起部がストッパーとなり、リード端子がフレキシブル配線基板の貫通孔から抜けない構造となる。
【0015】
また、本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造によれば、上記各構成において、リード端子の突出部とリード端子付き電子部品の距離がフレキシブル配線基板の厚み以下であるときには、突出部と電子部品の外面とでフレキシブル配線基板を強固に挟み込んで固定することができるので、外部からの力によってフレキシブル配線基板が動くことがなく、より高い接続強度および導通信頼性を得ることができる。
【0016】
また、本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造によれば
、上記各構成において、電子部品が複数のリード端子を有し、フレキシブル配線基板がリード端子の配列に対応する複数の貫通孔を有しており、接続導体は隣接する2つの貫通孔間において切欠きと切欠き以外の部分とが対向しないように形成されているときには、フレキシブル基板の、リード端子を貫通孔に挿入した際に大きく変形する、接続導体の切欠きに近い部分に、隣接する接続導体および接続導体に接続された配線が形成されないので、フレキシブル基板の変形によって、接続導体および配線がフレキシブル基板から剥がれたり、破損して断線したりする可能性が低減された、より接続信頼性の高いものとなる。
【0017】
また、本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造によれば、上記各構成において、リード端子の突出部が隣接する2つのリード端子間において対向しないときには、フレキシブル配線基板にリード端子を挿入する際、2つのリード端子がそれぞれ挿入される2つの貫通孔間におけるフレキシブル基板の変形は、1つのリード端子だけによるものとなるので、フレキシブル基板の変形を最小限にすることができ、フレキシブル基板上に形成された配線や接続導体の破損が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造の実施の形態の他の例の要部を拡大して示す断面図である。
【図4】(a)〜(e)は、それぞれ本発明の実施形態であるフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造に用いるリード端子の一例を示す斜視図である。
【図5】(a)〜(d)は、それぞれ本発明の実施形態であるフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造に用いるフレキシブル配線基板の要部の一例を示す平面図である。
【図6】本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造の実施の形態の他の例の要部を示す断面図である。
【図7】本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造における電子部品の要部を示す斜視図である。
【図8】本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造の実施の形態の他の例の要部を示す断面図である。
【図9】本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図10】(a)および(b)は、図9に示すフレキシブル配線基板の要部の一例を示す平面図である。
【図11】本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図12】本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。図1〜図12において、1はフレキシブル配線基板、2はフレキシブル配線基板1の絶縁基体であるフレキシブル基板、2aはフレキシブル基板2に設けられた貫通孔、2bは貫通孔2aの内面から貫通孔2aの周囲のフレキシブル基板2の主面にかけて形成された接続導体、3はフレキシブル基板2の主面に形成された配線、5はリード端子付き電子部品、6はリード端子、6aはリード端子6の突出部、6bはリード端子6のネイルヘッド部、7はフレキシブル配線基板1の接地導体である。
【0020】
図1〜図12は、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示すものであり、フレキシブル配線基板1およびリード端子付き電子部品5は、各図に示されていない任意の構成部材を備え得るものである。また、各図中の各部の寸法、形状、数および配置も各図に示すものに限られるものではない。
【0021】
図1および図2に示す例のように、フレキシブル配線基板1は、貫通孔2aを有するフレキシブル基板2と、貫通孔2aの内面から貫通孔2aの周囲のフレキシブル基板2の主面にかけて形成された接続導体2bと、フレキシブル基板2の主面に形成されて接続導体2bに接続された配線3とを有する。
【0022】
また、リード端子付き電子部品5は、図1に示す例では、基体10aと枠部10bとからなる箱状のパッケージ10と、パッケージ10の基体10a上に搭載された半導体素子11と、枠部10bを貫通して配置された配線導体12aを備える配線基板12と、配線導体12aの枠体10bから外に突出した側の端部に接続されたリード端子6と、枠部10bの上部に接続された蓋体14とで構成されている。半導体素子11は、配線導体12aのパッケージ10内に位置する端部にボンディングワイヤ12によって電気的に接続されている。これによって、半導体素子11とリード端子6とが電気的に接続されている。
【0023】
本発明は、このようなフレキシブル配線基板1の貫通孔2aにリード端子付き電子部品5のリード端子6が挿入されることでリード端子6と接続導体2bとが電気的に接続されるフレキシブル配線基板1とリード端子付き電子部品5との接続構造であって、図2に示す例のように、フレキシブル配線基板1の接続導体2bは、貫通孔2aの内面および貫通孔2aの周囲のフレキシブル基板2の主面において、一部に切欠きを有していて貫通孔2aの全周にわたって形成されていないものである。
【0024】
本発明のフレキシブル配線基板1とリード端子付き電子部品5との接続構造では、貫通孔2aにリード端子6を挿入するだけで接続するものであり、はんだ等の接合材によって固定する必要はない。そのため、はんだ付けの際の加熱によって、フレキシブル配線基板1が変形したり、リード端子6を通して半導体素子11が加熱されて破損してしまったりすることがないものとなる。また、リード端子6をフレキシブル配線基板1の貫通孔2aに挿入するだけで接続が完了するため、はんだを用いた接続方法に比べて作業効率が格段に向上するとともに、接続した後の取り外しが容易である。
【0025】
このような接続構造の場合は、高い接続強度を実現するためには、リード端子6の大きさ(径または幅)を貫通孔2aの径以上とするものである。このようにすることでリード端子6を貫通孔2aに挿入してリード端子6が貫通孔2aを押し広げると、フレキシブル基板2の弾性によって貫通孔2aの内面がリード端子6に押さえ付けられ、リード端子6と貫通孔2aの内面に形成された接続導体2bとが密着して高い接続強度が得られる。
【0026】
そして、図2に示す例のようにフレキシブル配線基板1の接続導体3が上述したような構成となっていることから、貫通孔2aの周囲において、フレキシブル基板2の接続導体2bが形成されていない部分は接続導体2bが形成されている部分より変形しやすい構造となっている。そのため、リード端子6を挿入した際に、接続導体2bが形成されていない部分が変形して貫通孔2aが広がり、貫通孔2aの内面から貫通孔2aの周囲にかけて形成された接続導体2bが変形することが抑えられるので、接続導体2bが破損することなくリード端子6と貫通孔2aの内面の接続導体2bとを密着させることが可能となり、高い接続強度および導通信頼性を実現することができる。
【0027】
このような構成において、図3および図4に示す例のように、リード端子6が、先端部
側からリード端子付き電子部品5の本体側に向かって幅が漸次大きくなる突出部6aを有するのが好ましい。このようにすると、突出部6aがストッパーとなり、リード端子6がフレキシブル配線基板1の貫通孔2aから抜けない構造となる。また、より幅の大きい突出部を有していても、その幅は漸次大きくなることから、貫通孔2aにリード端子6を挿入する際には、貫通孔2aは徐々に押し広げられることとなるので、貫通孔2aおよび接続導体2bに急激に応力が加わることがなく、接続導体2bが損傷してしまうことを抑えることができる。
【0028】
また、上記構成において、リード端子6の突出部6aと電子部品5の本体の外面との間の距離(図3に示す例では、リード端子6の突出部6aと配線基板12の側面との距離D)がフレキシブル配線基板1の厚み以下であることが好ましい。このような構成とすることで、突出部6aと電子部品5の外面とでフレキシブル配線基板1を強固に挟み込んで固定することができるので、外部からの力によってフレキシブル配線基板1が動くことがなく、より高い接続強度および導通信頼性を得ることができる。
【0029】
また、上記各構成において、図1,図5および図9〜図12に示す例のように、電子部品5が複数のリード端子6を有し、フレキシブル配線基板1がリード端子6の配列に対応する複数の貫通孔2aを有している場合には、接続導体2bは隣接する2つの貫通孔2a・2a間において切欠きと切欠き以外の部分とが対向しないように形成されていることが好ましい。このような構成とすると、フレキシブル基板2の、リード端子6を貫通孔2aに挿入した際に大きく変形する、接続導体2bの切欠きに近い部分に、隣接する貫通孔2aの周囲に形成された接続導体2bおよび接続導体2bに接続された配線3がないので、フレキシブル基板2の変形によって、接続導体2bおよび配線3がフレキシブル基板2から剥がれたり、破損して断線したりする可能性が低減された、より接続信頼性の高いものとなる。なお、図5は、図1に示す例のフレキシブル配線基板1の要部の一例を示す平面図である。図5(a)および図5(c)はそれぞれ配線3が形成された主面側の平面図であり、図5(b)は図5(a)の裏面を、図5(d)は図5(c)の裏面をそれぞれ示すものである。また、図10は、図9に示す例のフレキシブル配線基板1の要部の一例を示す平面図である。図10(a)は配線3が形成された主面側の平面図であり、図10(b)は図10(a)の裏面をそれぞれ示すものである。
【0030】
図1,図5(a)および図5(b)に示す例では、フレキシブル配線基板1は横1列に並べられた3つの貫通孔2aを有しており、3つの接続導体2bの切欠きはいずれも貫通孔2aの下側に設けられている。また、図5(c)および図5(d)に示す例では、横1列に並べられた3つの貫通孔2aのうち中央の貫通孔2aの内面から周囲にかけて形成された接続導体2bは貫通孔2aの下側に切欠きを有しており、左側の接続導体2bは貫通孔2aの左側に、右側の接続導体2bは貫通孔2aの右側にそれぞれ切欠きを有している。そして、図9〜図12に示す例では、上下に3つずつ2列に並べられた計6つの貫通孔2aを有しており、上側の3つの接続導体2bの切欠きはいずれもそれぞれ貫通孔2aの下側に設けられ、下側の3つの接続導体2bの切欠きはいずれもそれぞれ貫通孔2aの上側に設けられており、上側の接続導体2bの切欠きと下側の接続導体2bの切欠きとが対向している。
【0031】
また、上記各構成において、図12に示す例のように、リード端子6の突出部6aが隣接する2つのリード端子6・6間において対向しないときには、フレキシブル配線基板1にリード端子6を挿入する際、2つのリード端子6がそれぞれ挿入される2つの貫通孔2a・2a間におけるフレキシブル基板2の変形は、1つのリード端子6だけによるものとなるので、フレキシブル基板1の変形を最小限にすることができ、フレキシブル基板1上に形成された配線3や接続導体2bの破損が抑制される。また、このようにすると、リード端子6の間隔を小さくすることができ、電子部品5およびフレキシブル配線基板1を小型
化することができる。
【0032】
フレキシブル配線基板1は、ポリイミド等の樹脂フィルムからなるフレキシブル基板2の主面上に所定形状に加工された金属箔を転写するなどして配線3が形成されたものである。フレキシブル基板2には、金型による打ち抜き加工やレーザー加工等の孔開け加工によって貫通孔2aが形成されている。この貫通孔2aの内面から貫通孔2aの周囲のフレキシブル基板2の主面にかけて接続導体2bが形成されている。
【0033】
貫通孔2aの周囲のフレキシブル基板2の主面上の接続導体2bは、配線3と同時に金属箔を転写することによって形成することができる。配線3とフレキシブル基板2の主面上の接続導体2bとが接続されたパターン形状に加工された金属箔を転写すればよい。また、フレキシブル基板2の主面上の接続導体2bは、配線3が形成された主面だけでなく、この主面と対向する主面、すなわち配線3が形成された面に対する裏面にも形成してよい。金属箔は、通常は導電率の高い銅(Cu)の箔が用いられる。
【0034】
貫通孔2aの内面の接続導体2bは、貫通孔2aの内面の接続導体2bは、主面上の接続導体2bを形成した後に電解めっき法で形成することができる。主面上の接続導体2bを、切欠きを有する形状にしておくことで、貫通孔2aの内周面の接続導体2bも切欠きを有する形状とすることができる。上述したように、フレキシブル基板2の配線3が形成された面とは反対側の面にも接続導体2bを形成しておくと、貫通孔2aの両方の開口からめっき皮膜を形成することができる。ので、貫通孔2aの内周面の接続導体2bを短時間で形成でき、その厚みが厚くなりすぎることがない。
【0035】
フレキシブル配線基板1の配線3の一端は接続導体2bに接続されるが、他端はフレキシブル配線基板1が接続される外部回路基板等に応じたものとなる。他端も同様の貫通孔2aおよび接続導体2bに接続されていてもよいし、例えば、コネクタや端子等を接続してもよい。
【0036】
フレキシブル配線基板1の貫通孔2aの大きさ(直径)は、フレキシブル基板2の材質や厚みにもよるが、リード端子6の径または幅に対して3%〜10%程度小さくすればよい。3%未満では、リード端子6によって貫通孔2aがあまり押し広げられず、フレキシブル基板2の弾性による貫通孔2aの内面がリード端子6を押さえ付ける力が小さいものとなるので、リード端子6と貫通孔2aの内面に形成された接続導体2bとの接続強度が小さいものとなり、接続信頼性が低いものとなりやすく、また、この接続部における電気抵抗値が高くなりやすい。一方、10%を越えると、切欠きがあっても接続導体2bが形成された部分まで変形しやすくなって、接続導体2bが破損してしまう場合がある。
【0037】
貫通孔2aの形状に特に制限はないが、矩形等の角を有する形状であると、リード端子6を挿入して貫通孔2aを押し広げた際に角部を起点としてフレキシブル基板2に亀裂が入りやすくなるので、通常は角部を有さない、図1,図2,図5および図9〜図11に示すような円形状とする。
【0038】
接続導体2bの切欠きは、貫通孔2aをはさんで配線3との接続部の反対側に設けるのが望ましい。このようにすると、貫通孔2aが大きく変形する部分、即ち接続導体2bが破断する可能性が最も高い部分が、接続導体2bと配線3との接続部より最も遠い位置にあるので、配線3と接続導体2bとの導通信頼性をより高くすることができる。
【0039】
接続導体2bの切欠きの、貫通孔2aの周に沿った方向の長さは、平面視した貫通孔2a周の2分の1より短い長さ、より好ましくは3分の1以下の長さである。これより切欠きが長いと、接続導体2bとリード端子6との接続信頼性が低下し、また、接続部での抵
抗値が高くなりやすいからである。切欠きの長さが短すぎると、貫通孔2aにリード端子6を挿入した際の貫通孔2aの変形によって、接続導体2bが破損しやすくなる。フレキシブル基板2の材質(弾性率)や厚みにもよるが、切欠きの長さが貫通孔2a周の8分の1程度以上であれば、貫通孔2aにリード端子6を挿入した際に、貫通孔2aは主に切欠き部分で変形して接続導体2bが破損し難くなる。
【0040】
具体的には、直径が0.3mmのリード端子6を接続するフレキシブル配線基板1として
、フレキシブル基板2が厚さ0.05mmのポリイミド樹脂からなり、貫通孔2aを直径0.27mmとして、フレキシブル基板2の片側主面上の配線3および接続導体2を厚さ0.04mmの銅箔で形成し、貫通孔2aの内面の接続導体2を厚さ0.02mm程度の銅めっき皮膜で形成して、これに接続してフレキシブル基板2の主面上に延びる接続導体2bを、外径が0.47mmで内径が0.27mmの貫通孔2aの開口に沿った円環に切欠きを有する形状とする場合であれば、接続導体2bの切欠きは、貫通孔2aの内面では貫通孔2bの周に沿った長さが0.1mm程度で、フレキシブル基板2の主面上の接続導体2bの外周部では、この外
周に沿った長さが0.18mm(即ち、貫通孔2aの内面から貫通孔2aの周囲の主面上にかけて形成された円環状の接続導体2bを周方向の長さの8分の1を切り欠いた形状)とすればよい。
【0041】
フレキシブル配線基板1は、配線3で伝送する電気信号が高周波信号である場合には、フレキシブル基板2の配線3が形成された主面やその反対側の主面上に接地導体7を形成することによって、コプレナー線路やマイクロストリップ線路等の高周波信号の伝送に適した構造とするのが好ましい。
【0042】
図5(a)および図5(b)に示す例は、フレキシブル基板2の一方の主面上に3つの信号用の配線3が形成され、他方の主面上には接地導体7が形成されてマイクロストリップ線路構造となっている。図5(c)および図5(d)に示す例は、フレキシブル基板2の一方の主面上には、1つの信号用の配線3と、配線3と一定の間隔をあけて接地導体7が形成され、他方の主面上には接地導体7が形成されて所謂グランド付きコプレナー線路構造となっている。いずれの例においても、他方主面の接地導体7は、接続導体2bとは絶縁されており、また、一方主面の接続導体2bの切欠きに対応する位置に、接地導体7の非形成部を設けている。このようにすることで、他方主面に接地導体7を設けても、切欠きを設けた部分が変形しやすい部分となることから、貫通孔2aにリード端子6を挿入した際に接続導体2bが変形することが抑えられ、接続導体2bが破損することがないので好ましい。また、同様の理由で、図5(c)および図5(d)に示す例では、配線3の周囲に形成された接地導体7にも非形成部(切欠き)が設けられている。図5(c)および図5(d)に示すフレキシブル配線基板1は、広面積に形成された接地導体7にリード端子6を接続することができるようにした例である。接地導体7は、接地導体7が形成された領域内の貫通孔2aの内面の接続導体2bと接続されており、この接続導体2bにも切欠きが設けられ、接地導体7にもこれに対応するように切欠きが設けられている。広面積の接地導体7は、貫通孔2aにリード端子6を挿入しても、断線するような大きな破損が発生する可能性は低いが、このようにすることで同様に接続信頼性が向上するので好ましい。また、図5(c)に示す例では、接地導体7の非形成部は、貫通孔2aを挟んで配線3が接続された接続導体2bとは反対側に設けられている。このようにすることで、非形成部を設けることによる、配線3による高周波信号の伝送に与える影響を小さくすることができる。
【0043】
また、図10に示す例では、上下2列に配列された貫通孔2aの内の下側(フレキシブル配線基板1の一端側)の3つの貫通孔2aに形成された接続導体2bには裏面の接地導体7が接続され、上側(フレキシブル配線基板1の他端側)の3つの貫通孔2aに形成された接続導体2bには配線3が接続されている。上側の3つの貫通孔2aには、電子部品5
のリード端子6の内の信号用のものが挿入され、下側の3つの貫通孔2aには接地用の信号端子6が挿入される。この例のように、フレキシブル配線基板1の他端側の貫通孔2aに形成された接続導体2bに配線3を接続すると、配線3の長さを短くすることができるとともに、引き回すために配線3を屈曲させなくてもよいので、高周波信号の伝送特性がより優れたものとなる。接地用のリード端子6が1つである場合であっても、上記の理由から信号用のリード端子6を上側に3つ並べ、下側に接地導体7に接続する接続導体2bを形成する貫通孔2aを設けるとよい。そのとき、ダミーのリード端子6aを2本設けて貫通孔2aもそれに対応して6つ設けると、フレキシブル配線基板1とリード端子6とを接続した後にフレキシブル配線基板1に外力が加わってもその力は6つの貫通孔2aに分散されるので、接続信頼性が高まるのでよい。
【0044】
図1に示す例では、フレキシブル配線基板1の配線3が形成された主面をリード端子6の先端側に向けてリード端子6とフレキシブル配線基板1とを接続しているが、これとは逆に、フレキシブル配線基板1の配線3が形成された主面を電子部品5側に向けて接続するのが好ましい。このようにすると、フレキシブル配線基板1の厚み分だけ、リード端子6から配線3への信号の伝送経路が短くなる。リード端子6は大きなインダクタンス成分を有するため、配線3までのリード端子6の長さを短くすることで、信号の伝送特性のより良好なものとなり、この効果は伝送する信号が高周波である場合にはより顕著になる。
【0045】
また、伝送する信号が高周波である場合には、図6に示す例のように、外部回路基板に接続するためにフレキシブル配線基板1が電子部品5とは反対側の方向に折り曲げられるような場合にも、フレキシブル配線基板1の配線3が形成された主面を電子部品5側に向けて接続するのが好ましい。フレキシブル配線基板1の配線3が形成された主面をリード端子6の先端側に向けて接続すると、折り曲げられた内側で、フレキシブル配線基板1の配線3が対向することとなり、対向する配線3・3間において電磁界結合が発生して、配線3において余分な容量、相互インダクタンス等が発生するので、伝送損失が大きくなってしまうからである。フレキシブル配線基板1の配線3が形成された主面を電子部品5側に向けて接続した場合には、対向する配線3・3間には接地導体7が存在することとなるので、このような問題は生じない。
【0046】
リード端子6は、銅,銅−亜鉛(Cu−Zn)合金,タングステン(W),鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金,鉄−ニッケル−コバルト(Fe−Ni−Co)合金等の金属材料が用いられ、必要に応じて表面にニッケル,金(Au),銅等のめっき皮膜を被着させた、棒状のものである。その断面形状は、特に制限はなく、図1に示す例のような円形状であってもよいし、矩形状であってもよい。上述したように、貫通孔2aが、通常は円形状であるので、その内面の接続導体2bとの接続面積が大きくなるように、リード端子6の断面形状は円形状であるのが好ましい。
【0047】
また、リード端子6は、上述したように、先端部側からリード端子付き電子部品5の本体側に向かって幅が漸次大きくなる突出部6aを有するのが好ましい。図4(a)に示す例は、円柱状のリード端子6に、その全周に渡って径が大きくなるような、円錐状の突出部6aが形成されたものである。これに対して、図4(b)に示す例は、同じ円柱状のリード端子6に、一部の径が大きくなるような、平板状の突出部6aが形成されたものである。また、図4(c)に示す例は、断面が矩形のリード端子6の1つの幅方向だけが大きくなっている例である。図4(b)および図4(c)に示す例のように、リード端子6の1方向のみの幅が大きくなるような突出部6bであると、突出部6bが貫通孔2aを押し広げる際に、貫通孔2aの変形量が小さく、接続導体2bの変形も小さくなるので好ましい。また、突出部6aの大きさは、リード端子6本体に対して0.5mm程度以上突出して
いれば、上述したように突出部6aがストッパーとして機能する。リード端子6の幅または径方向の突出部6aの大きさが大きいほどストッパーとしての機能は高まるが、突出部
6aが、大きすぎると突出部6bが貫通孔2aを押し広げる際に接続導体2bが破損してしまう場合があるので、フレキシブル基板2の材質や厚みに応じて適宜設定すればよい。貫通孔2aの大きさ(直径)は、リード端子6の径または幅に対して3%〜10%程度小さいのがよいとしたが、突出部6bが貫通孔2aを押し広げる時間は短いので、突出部6aの径または幅に対して貫通孔2aの径が10%以上小さくなってもその影響は小さい。
【0048】
リード端子6が突出部6aを有する場合は、突出部6bと電子部品5の本体の外面との間の部分が貫通孔2aの内面の接続導体2bと密着する部分なので、この部分の径または幅が貫通孔2aの径に対して3%〜10%程度大きいものであればよい。そのため、図4(d)に示す例のように、リード端子6の突出部6aよりも先端側の部分の径または幅を、貫通孔2aの径よりも小さくしてもよい。また、図4(e)に示す例のように、リード端子6の突出部6aよりも先端側の部分の径または幅を、先端に行くほど小さくなるようにしてもよい。このようにすると、貫通孔2aがリード端子6によって押し広げられて接続導体2bや配線3が変形したり、リード端子6と貫通孔2aの内面の接続導体2bとが擦れ合ったりする時間がより短くなり、接続導体2bや配線3が破損してしまう可能性をより低減することができる。また、貫通孔2aにリード端子6を挿入しやくなり、リード端子6とフレキシブル配線基板1との接続作業を容易にすることができる。
【0049】
上述したように、リード端子6の突出部6aと電子部品5の本体の外面との間の距離がフレキシブル配線基板1の厚み以下であることが好ましい。具体的には、リード端子6の突出部6aと電子部品5の本体の外面との間の距離が、フレキシブル配線基板1の厚みより10%程度小さければよい。これより小さくなると、フレキシブル配線基板1が変形してしまう。この突出部6aと電子部品5との距離のコントロールを容易にするには、図7に示す例のように、電子部品5に溝部12bを設けるとよい。溝部12bの電子部品5の外面からの長さを所定の長さにして、リード端子6の端部を溝部12bの壁面に突き当てるようにすることで、突出部6aと電子部品5との距離が所定の長さに定まる。図7に示す例のように、溝部12bの幅をリード端子6の幅に合わせて、リード端子6が嵌合するような形状とすれば、リード端子6の位置も定まるのでより好ましい。また、溝部12bにリード端子6を嵌合させることで、リード端子6の電子部品5本体への接続強度を高めることもできる。なお、図7に示す例のように、溝部12bの内面にも配線導体12aを形成しておくことで、リード端子6と配線導体12aとの電気的接続も容易になる。
【0050】
また、上述したように、リード端子6の突出部6aが隣接する2つのリード端子6・6間において対向しないことが好ましい。図12に示す例では、フレキシブル配線基板1の貫通孔2aは上下にそれぞれ3つずつ2列の計6つが縦横に配列されて設けられており、電子部品5のリード端子6もこれに対応する位置に、リード端子6は上下(縦)方向に突出する突出部6aを有するものと、左右(横)方向に突出する突出部6aを有するものとが交互に配置されている。突出部6aが隣接する2つのリード端子6・6間において対向しなければよいので、突出部6aの突出する方向は、必ずしも縦横交互にする必要はなく、また斜めでもよい。図12に示す例のようにリード端子6および貫通孔2aが縦横に配列されている場合は、突出部6aが縦方向に突出する突出部6aを有するものと、横方向に突出する突出部6aを有するものとが交互に配置されていると、それぞれの貫通孔2aの周囲に発生するフレキシブル基板2の突出部6aによって変形する部分同士を最も離すことができ、フレキシブル基板2の変形をより小さいものとすることができるので好ましい。さらには、全てのリード端子6が突出部6aを有していなくてもよく、例えば、突出部6aを有するリード端子6と突出部6aを有さないリード端子6とを交互に配置しても、突出部6aが隣接する2つのリード端子6・6間において対向しないのでよい。図4(a)に示す例のように全周に渡って径が大きくなるような突出部6aを有するリード端子6の場合などはこのようにすればよい。
【0051】
図9〜図12に示す例では、電子部品5の6つのリード端子6は、上下にそれぞれ3つずつ2列に並べられている。このように、複数のリード端子6を複数列に配列すると、横1列に配列する場合に比較して電子部品5を外部回路基板への実装面積の小さいものとすることができるので好ましい。
【0052】
また、図11に示す例のように、リード端子6を複数列に並べた場合は、リード端子6の長さを列毎に異なる長さにしてもよい。このようにすると、リード端子6をフレキシブル配線基板1の貫通孔2aに挿入する際、全てのリード端子6と貫通孔2aとを同時に位置合わせする必要がないので作業性が飛躍的に向上する。また、全てのリード端子6を1度に貫通孔2aに挿入しないので、挿入に必要な力が小さくてすむ。多数のリード端子6を1度に貫通孔2aに挿入する場合には、大きな力を加える必要があり、この大きな力を加える方向がずれてリード端子6が変形してしまう場合があるが、このような可能性を低減することができる。図11に示す例では、上下の2列間でリード端子6の長さを異ならせているが、横方向の3列間で長さを異ならせてもよいし、複数のリード端子6それぞれの間で長さを異ならせても構わない。図11に示す例のように、リード端子6が突出部6aを有する場合は、突出部6aより先端側の長さを異ならせるものである。また、上述したような、リード端子6の突出部6aよりも先端側の部分の径または幅を貫通孔2aの径よりも小さくする構造と組み合わせると、リード端子6とフレキシブル配線基板1との接続作業の更なる効率向上を実現することができる。
【0053】
また、図8に示す例のように、リード端子6は電子部品5の外面に立設されていてもよい。この場合のリード端子6は、電子部品5本体との接合強度を高めるために、電子部品5との接合部に、所謂ネイルヘッド6bを有する形状とすればよい。この場合の突出部6aとネイルヘッド6bとの距離(図8に示すD)を、フレキシブル配線基板1の厚み以下になるように形成すると、突起部6aとネイルヘッド6bとでフレキシブル配線基板1を強固に挟み込むことができ、フレキシブル配線基板1を強固に固定することができる。
【0054】
リード端子6およびフレキシブル配線基板1の配線3を伝送する信号が10GHz程度以上の高周波信号である場合は、フレキシブル配線基板1の貫通孔2aに電子部品5のリード端子6を挿入して固定した状態で、配線3からリード端子6の先端までの長さ(図3および図6に示すL)は、信号の波長の4分の1未満であるのが好ましい。このようにすると、リード端子6の、配線3からリード端子6の先端までの部分において信号の共振が発生することが抑えられるので、共振による伝送損失が大きくなってしまうことが抑えられ、高周波信号の伝送特性に優れた接続構造となる。具体的には、リード端子6およびフレキシブル配線基板1の配線3を伝送する信号の周波数が30GHzである場合には、配線3からリード端子6の先端までの長さを2.5mm未満とすればよい。
【0055】
電子部品5は、その外面から突出するリード端子6を備えるものであれば、図1に示す例のような半導体装置に限らず、コンデンサや光通信装置などに用いられるレーザダイオードやフォトダイオード等であってもよい。また、半導体装置である場合も、図1に示す例のような形態に限られるものではない。例えば、図1に示す例では、リード端子6は、パッケージ10の枠部10bを貫通して配置された配線基板12に接続されているが、枠部10bに設けた貫通孔内に、ガラス等の封止材によって固定されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1:フレキシブル配線基板
2:フレキシブル基板
2a:貫通孔
3:接続導体
4:配線
5:リード端子付き電子部品
6:リード端子
6a:突出部
6b:ネイルヘッド部
7:接地導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有するフレキシブル基板と、前記貫通孔の内面から前記貫通孔の周囲の前記フレキシブル基板の主面にかけて形成された接続導体と、前記フレキシブル基板の前記主面に形成されて前記接続導体に接続された配線とを有するフレキシブル配線基板に対して、リード端子付き電子部品のリード端子が前記貫通孔に挿入されることで前記リード端子と前記接続導体とが電気的に接続される、フレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造であって、前記接続導体は、前記貫通孔の内面および前記貫通孔の周囲の前記フレキシブル基板の主面において、一部に切欠きを有していて前記貫通孔の全周にわたって形成されていないことを特徴とするフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造。
【請求項2】
前記リード端子は、先端部側から前記リード端子付き電子部品の本体側に向かって幅が漸次大きくなる突出部を有することを特徴とする請求項1記載のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造。
【請求項3】
前記リード端子の前記突出部と前記リード端子付き電子部品の本体の外面との間の距離は、前記フレキシブル配線基板の厚み以下であることを特徴とする請求項2記載のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造。
【請求項4】
前記電子部品は複数の前記リード端子を有し、前記フレキシブル配線基板は前記リード端子の配列に対応する複数の前記貫通孔を有しており、前記接続導体は隣接する2つの前記貫通孔間において前記切欠きと前記切欠き以外の部分とが対向しないように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造。
【請求項5】
前記電子部品は複数の前記リード端子を有し、前記フレキシブル配線基板は前記リード端子の配列に対応する複数の前記貫通孔を有しており、前記リード端子の前記突出部は隣接する2つの前記リード端子間において対向しないことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のフレキシブル配線基板とリード端子付き電子部品との接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−187915(P2011−187915A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183183(P2010−183183)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】