説明

フロントアクスルビームの製造方法

【課題】横貫通穴を形成する機能を付加的にプレス装置に付与して、プレス装置を使ってフロントアクスルビームに横貫通穴を形成する。
【解決手段】プレス装置1のプレス動作によってスライダ駆動体220が下降動し、そして、スライダ駆動体220の傾斜駆動面222が従動スライダ120の傾斜受け面124と当接すると、スライダ駆動体220の傾斜駆動面222と従動スライダ120の傾斜受け面124との協働作用によって、プレス動作が従動スライダ120の横方向の動作に変換される。従動スライダ120は横方向に前進してフロントアクスルビームWに横貫通穴を形成する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントリジッドアクスルサスペンションに含まれるフロントアクスルビームの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の懸架装置として「リジッドアクスル」と略称されるリジッドアクスルサスペンションが知られている。例えば車両の前輪に関するフロントリジッドアクスルサスペンションは、特許文献1にも開示されているように、トラック、バス、オフロード車などでは、車幅方向に延びるフロントアクスルビームと、このアクスルビームの長手方向両端部(車両搭載状態では車幅方向両端部)の左右のバネ座に固定されるリーフスプリングとの組み合わせで構成される。
【0003】
より詳しくは、フロントアクスルビームは、車幅方向に延びるビーム本体の両端から上方に屈曲した正面視でU字状の形状を有し、ビーム本体の端部の上面に左右一対のバネ座が形成されている。リーフスプリングはバネ座の上面に着座した状態でフロントアクスルビームに固定される。
【0004】
【特許文献1】特開平07―215004号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フロントアクスルビームのビーム本体は、直立壁の上端及び下端に夫々水平方向に延びる上フランジ及び下フランジを有する断面I形状を有している。このビーム本体の直立壁に何らかの目的で貫通穴(以下に「横貫通穴」という)を形成する必要性がある場合(例えば軽量化穴)、フロントアクスルビームを横にした状態つまりビーム本体の直立壁が水平状態となるようにフロントアクスルビームを位置決めし、そして、プレス装置の垂直方向のプレス動作をそのまま使って、横向き姿勢の直立壁をポンチで垂直方向に貫く手法を採用するのが一般的と考えられる。
【0006】
しかし、上記の考え方は、貫通穴形成のための専用機としてプレス装置を使うという考えを前提するものである。このことは、成型直後のフロントアクスルビームが熱いうちにプレス装置を使って幾つかの処理をフロントアクスルビームに施す場合、各々の処理毎のプレス装置を設置するのは設備コストが増大する原因となり好ましくない。
【0007】
本発明の目的は、横貫通穴を形成する機能を付加的にプレス装置に付与することができるフロントアクスルビームの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的課題は、本発明にあっては、
車幅方向に延びるビーム本体を備えたフロントアクスルビームの製造方法であって、
下降動によってプレス動作する上型側構造体に固設され且つ傾斜駆動面を備えたスライダ駆動体と、
定置した下型側構造体に設けられ、鍛造又は鋳造により成形された熱間状態のフロントアクスルビームを、該フロントアクスルビームが車両に搭載される状態で位置決めするクランパー機構と、
前記下型側構造体に設けられ、前記クランパー機構により位置決めされた前記フロントアクスルビームの側方に且つ該フロントアクスルビームに対して離間接近可能な従動スライダであって、前記スライダ駆動体の前記傾斜駆動面と相補的な形状の傾斜受け面を備えた従動スライダと、
該従動スライダに設けられ、前記フロントアクスルビームの前記ビーム本体に向けて延びるポンチと、
前記従動スライダを前記フロントアクスルビームから離れる方向に退却させるスライダ駆動手段とを含むプレス装置を用意し、
鍛造又は鋳造によってフロントアクスルビームの成型品を作る成形工程と;
該成形工程の直後の熱間状態の前記フロントアクスルビームからバリ取りするバリ取り工程と;
該バリ取り工程の直後の熱間状態の前記アクスルビームを、前記プレス装置の前記クランパー機構によって、車両に搭載される状態に前記フロントアクスルビームを位置決めする位置決め工程と;
前記ビーム本体に貫通穴を形成する貫通穴形成工程とを有し、
該貫通穴形成工程では、前記プレス装置をプレス動作させることにより前記スライダ駆動体を下降動させ、該スライダ駆動体の前記傾斜駆動面と前記従動スライダの前記傾斜受け面との協働によって前記従動スライダを横方向に且つ前記フロントアクスルビームに接近する方向に駆動して、前記従動スライダの前記ポンチによって前記ビーム本体に横貫通穴を形成し、次いで、前記上型側構造体を上昇させた後に、前記スライダ駆動手段により前記従動スライダを前記フロントアクスルビームから遠ざける方向に退却させることからなるフロントアクスルビームの製造方法を提供することにより達成される。
【0009】
すなわち、本発明によれば、プレス装置のプレス動作つまり下方への動作を、上型側構造体に設けたスライダ駆動体の傾斜駆動面と相補的な傾斜受け面を備えた従動スライダの横方向の動作に変換し、この従動スライダのポンチによって、車両に搭載される状態で位置決めされたフロントアクスルビームに横貫通穴を形成することができる。横貫通穴を形成するための上記の構造をプレス装置に組み込んで、横貫通穴を形成するための専用機として当該プレス装置を使用してもよいが、フロントアクスルビームに加える他の処理を上記の構造を組み込んだプレス装置で行うようにしてもよい。この他の処理として典型的にはフロントアクスルビームの左右の座押し処理を挙げることができる。
【0010】
座押し処理について説明すると、フロントアクスルビームが鍛造品又は鋳造品である場合、成形型から型抜きするためにフロントアクスルビームの上面及び下面に型抜き勾配が存在し、このことからバネ座の上面に含まれる抜き勾配を除去して平坦なバネ座に成形するのにプレス装置が用いられている。プレス装置でバネ座をプレス成形する処理は「座押し処理」と呼ばれている。従来から、この座押し処理は、成形型からフロントアクスルビーム成型品を取り出し、次いでバリ取りした直後の熱間のアクスルビーム成型品に対して行われる。
【0011】
横貫通穴形成処理と座押し処理とを一台のプレス装置で行うことで、各処理毎に専用機を設置する場合に比べて設備コストを低減することができるだけでなく、複数のプレス装置間でフロントアクスルビームWを搬送する手間や各プレス装置内でフロントアクスルビームWを位置決めする等の工程が不要となり、また、その間にフロントアクスルビームWが冷えてしまうのを防止することができる。
【0012】
すなわち、プレス装置を使って座押し処理するのに、フロントアクスルビームWを車両に搭載した状態で位置決めして、上方向に向いたバネ座の上面を座押し型でプレス成形することになるが、この位置決め状態のままで、横貫通穴を形成する処理を行うことができる。
【0013】
プレス装置が一回のプレス動作によって左右のバネ座をプレス成形するには能力が不足している場合には、一方のバネ座を先行してプレス成形し、続いて他方のバネ座をプレス成形するのがよい。これを目的として、プレス装置の上型側構造体に互いに独立して移動可能な左右の座押し型を設け、一方の座押し型を作動位置にセットしたときには、他方の座押し型を非佐藤位置に退却させるのがよい。このように、独立して移動可能な左右の座押し型を用意することで、上述した横貫通穴形成処理を行うときには、左右の座押し型を共に非作動位置に退却させることで、横貫通穴形成処理のためのプレス動作を左右の座押し処理に関して無効にすることができる。
【0014】
本発明の上記目的及び他の目的並びにその作用効果は以下の本発明の好ましい実施の形態の詳しい説明から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
【0016】
図1はプレス装置の概要を示し、図示のプレス装置は、フロントアクスルビームWのビーム本体に横貫通穴を形成する横穴形成処理と、ビーム本体の両端に位置するバネ座を成形する座押し処理とに用いられる。この図1のプレス装置に含まれる下型側構造体が図2に示され、上型側構造体が図3に示されている。
【0017】
プレス装置1の定置した下型側構造体100は、図2に示すように、下側ボルスター本体102の上に定置された下型ベースプレート104を有し、この下型ベースプレート104にクランパー106が配設されている。熱間状態のフロントアクスルビームWは、その両側からクランパー106によって挟持され、これにより下型ベースプレート104に位置決めされる。
【0018】
図示のフロントアクスルビームWは、この実施例では鍛造による成型品であるが、鋳造品であってよい。このフロントアクスルビームWは、成形後のバリ取り工程の直後にプレス装置1にセットされ、そして、その後のプレス装置1の一連の動作によって、熱間状態のフロントアクスルビームWに対して横穴形成処理と座押し処理が施される。
【0019】
実施例では、フロントアクスルビームWに対して先ず座押し処理を行い、次に横穴形成処理を行うようになっているが、これに限定されず、先ず横穴形成処理を行い、次に座押し処理を行うようにしてもよい。
【0020】
プレス装置1での上記2つの処理を説明する前に、図2を参照して、フロントアクスルビームWの概要を説明する。フロントアクスルビームWは、車幅方向に直線状に延びるビーム本体11を有し、ビーム本体11の断面形状は直立壁11aの上端と下端に横方向に広がる上フランジ11bと下フランジ11cを備えたI形状である(図4)。
【0021】
フロントアクスルビームWの両端部つまりビーム本体11の左右の各端には、その上面にバネ座10が設けられており、このバネ座10の上にリーフスプリング(図示せず)が載置された状態でリーフスプリングがフロントアクスルビームWに固定される。なお、左右のバネ座10に関して、これを識別するために、車両に搭載された状態のフロントアクスルビームWを正面から見たときに左側に位置するバネ座には「L」を付記し、右側に位置するバネ座には「R」を付記してある。
【0022】
フロントアクスルビームWは、図2から分かるように、ビーム本体11の両端から上方の延びる左右の起立端部12を備えており、これによりフロントアクスルビームWを正面視したときに全体としてU字状の形状を有している。そして、左右の起立端部12の外端には、夫々、上下に延びる軸受け穴13が形成されており、この軸受け穴13を使って前輪(図示せず)が操舵可能に組み付けられる。このようなフロントアクスルビームWの構成は従来から周知であるので詳しい説明は省略する。
【0023】
成形直後のフロントアクスルビームWの上面及び下面にはフロントアクスルビームWを成形型から型抜きするための勾配が存在しており、この型抜き勾配を含むバネ座10の上面がプレス装置1による座押し処理によって平坦に成形される。
【0024】
また、上記の横穴形成処理によって、フロントアクスルビームWのビーム本体11における直立壁11aに貫通穴が形成される。この貫通穴は、フロントアクスルビームWの軽量化を目的とした穴であってもよいし、何らの部材を固定するためのボルト挿通穴であってもよく、貫通穴の目的や形状は任意である。
【0025】
図2を参照して、クランパー機構106は、フロントアクスルビームWの起立端部12の上端部をクランプする左右の一対の第1クランパー106a、106aと、ビーム本体11の長手方向中央部分をクランプする第2クランパー106bと、ビーム本体11の左右のバネ座10の部分を夫々クランプする左右一対の第3クランパー106c、106cとで構成されており、上記第1クランパー106aは、下型ベースプレート104に設置されて上方に延びる受け台108の上部に設置されている。ワークである熱間状態のフロントアクスルビームWは、車両に搭載される状態つまりバネ座10を上に向けた状態で、全てのクランパー機構106を開放することによって形成されるワーク収容空間に挿入され、そしてクランパー機構106のクランプ動作によって、フロントアクスルビームWはその両側が把持されることにより位置決めされる。
【0026】
下側ボルスター本体102は、クランパー機構106で位置決めしたフロントアクスルビームWのビーム本体11の側方に位置し且つフロントアクスルビームWに対して直交する方向に離間接近動作が可能な従動スライダ120と、この従動スライダ120を案内するためのガイド溝(図示せず)とを更に有している。従動スライダ120は、ビーム本体11に向けて突出したポンチ122を有し、このポンチ122の形状は、ビーム本体11に形成する貫通穴の目的によって設定される。この実施例では、ビーム本体11に形成する貫通穴はフロントアクスルビームWの軽量化を目的とするものである。例示として断面矩形のポンチ122が横方向に並んで3つ設けられているが、これに限定されないことは勿論である。
【0027】
従動スライダ120は、その上面が傾斜受け面124で構成され、また、フロントアクスルビームW側に垂直面126を有している。従動スライダ120はスライダ駆動手段としての横穴用エアシリンダ128によってフロントアクスルビームWから遠ざかる位置に強制的に駆動されると共に準備位置にセットされる。従動スライダ120のこの傾斜受け面124の役割や従動スライダ120及び横穴用エアシリンダ128の動作については後に説明する。
【0028】
下降動によってプレス動作する上型側構造体200を示す図3は上下を反転した状態で図示してある。図3を参照して、上型側構造体200は、上側ボルスター本体202に設置された上型ベースプレート204を有し、この上側ベースプレート204の左右一対の座押し型206が設置されている。左右の座押し型206を識別するために、左側の座押し型には「L」を付記し、右側に位置する座押し型には「R」を付記してある。左右の座押し型206L、206Rに関連して、上側ベースプレート204には左右一対の平行ガイド溝208L、208Rが形成されている。平行ガイド溝208L、208Rは、左右の座押し型206L、206Rの並び方向と直交する方向に延びている。左右の座押し型206L、206Rは、対応する左右一対の平行ガイド溝208L、208Rに案内されて前後に移動可能である。
【0029】
上型側構造体200は、また、左側の座押し型206Lと右側の座押し型206Rとの間に位置する中央押さえ型210と、左右の座押し型206L、206Rよりも外側に位置する左右一対の端部押さえ型212L、212Rとを有し、中央押さえ型210及び左右の端部押さえ型212L、212Rは上型ベースプレート204に固定されている。
【0030】
左右の座押し型206L、206Rは、下型ベースプレート104に位置決めされたフロントアクスルビームWの左右のバネ座10L、10Rに夫々対応して位置している。中央押さえ型210は、フロントアクスルビームWの上フランジ11bの長手方向中央部分に対応して位置している。左右一対の端部押さえ型212L、212Rは、フロントアクスルビームWの左右端の軸受け穴13L、13Rに夫々対応して位置している。
【0031】
なお、図3に示す参照符号214L、214Rは、座押し型用駆動手段としての左右の座押し型用エアシリンダであり、この左右一対の座押し型用エアシリンダ214L、214Rによって左右一対の座押し型206L、206Rが、互いに独立して前記平行ガイド溝208L、208Rに案内されて移動することができ、そして、各座押し型206L(206R)は、個別的に、各バネ座10L(10R)に対応した作動位置と、各バネ座10L(10R)から遠ざかった非作動位置とを取ることができる。
【0032】
図2に示す参照符号110はガイドポストであり、下側ボルスター本体102から直立する一対のガイドポスト110は、上側ボルスター本体202に設けられたガイドブッシュ216に受け入れられ、これにより上側ボルスター本体202はガイドポスト110によって案内されて上下動することができる。
【0033】
上型側構造体200は、左右のガイドブッシュ216の間に、スライダ駆動体220が上側ボルスター本体202に固設されている。スライダ駆動体220は、上述した従動スライダ120の傾斜受け面124と相補的な傾斜駆動面222を有し、また、従動スライダ120の垂直面126と対抗する側に対抗垂直面224を有している
【0034】
座押し処理を行うときには、前述した従動スライダ120がスライダ駆動体220と干渉しない非作動位置まで退却される。この従動スライダ120の退却動作は、横穴用エアシリンダ128が短縮動作することによって行われる。他方、横穴形成処理を行うときには、その準備工程として、横穴用エアシリンダ128が伸長動作することによってスライダ駆動体220と干渉する待機位置に位置決めされる。
【0035】
座押し処理
上述したプレス装置1を使ってバネ座10の上面を平坦に成形する座押し処理を以下に説明する。鍛造によって成形したフロントアクスルビームWの左右のバネ座10L、10Rは、成形型からフロントアクスルビームWを離型するための抜き勾配を有しており、この抜き勾配を備えたバネ座10はプレス装置1によって平坦面に成形される。
【0036】
成形型から取り出されたフロントアクスルビームWは、成形直後にバリ取りが行われる。次いで熱間状態のフロントアクスルビームWはプレス装置1によって左右のバネ座10L、10Rの上面がプレス成形される。
【0037】
図2は、バリ取りしたフロントアクスルビームWをプレス装置1にセットする工程を示す。プレス装置1は、全てのクランパー機構106が開放された状態で待機しており、この開放状態のクランパー機構106のワーク収容空間の中にフロントアクスルビームWが挿入される。
【0038】
クランパー機構106の中にフロントアクスルビームWをセットしたら、全てのクランパー機構106が動作してフロントアクスルビームWをクランプする。つまり、第1〜第3のクランパー106a〜106cによってフロントアクスルビームWがその両側からクランプされ、これによりフロントアクスルビームWは下型ベースプレート104に位置決めされる。この位置決めされたフロントアクスルビームWは、車両に搭載される状態と同様に、ビーム本体11の両端の左右一対のバネ座10L、10Rの上面が上方に向いた状態となる。
【0039】
クランパー機構106のクランプ動作が完了すると、傾斜プレート112と、第2、第3のクランパー106b、106cとの間にできる隙間にスペーサー114が挿入され(図5)、これにより第2、第3のクランパー106b、106cがクランプ状態で位置固定される。
【0040】
上記のフロントアクスルビームWの位置決めとは別に、左右のバネ座10L、10Rを1回のプレス動作によってプレス成形するには能力的に不足するプレス装置1を用いる場合には、上型側構造体200は、左右の座押し型用シリンダ214L、214Rが動作して左右の座押し型206L、206Rのいずれか一方が作動位置にセットされ、他方が非作動位置にセットされる。図示の例では、左側の座押し型206Lが作動位置にセットされ、右側の座押し型206Rが非作動位置にセットされる。また、従動スライダ120がスライダ駆動体220と干渉しない非作動位置まで退却される。
【0041】
第1回目のプレス動作
プレス装置1は、上型側構造体200が下降して第1回目のプレス動作を行う。図6は、この第1回目のプレス動作を説明するための図である。図6から分かるように、作動位置にセットされている左側の座押し型206LによってフロントアクスルビームWの左側のバネ座10Lの上面がプレス成形され、この左側のバネ座10Lのプレス成形の際に、フロントアクスルビームW(ビーム本体11)の中央部分は中央部分押さえ型210によって押し付けられ、また、フロントアクスルビームW(ビーム本体11)の左右の起立端部12L、12Rの上端面は端部押さえ型212L、212Rによって押し付けられる。
【0042】
換言すれば、第1回目のプレス動作においては右側の座押し型206Rが非作動位置にあるため、この第1回目のプレス動作は右側のバネ座10Rに対しては無効である。そして、第1回目のプレス動作によって左側のバネ座10Lのプレス加工が完了すると、上型側構造体200が上昇し、次いで、左右の座押し型用シリンダ214L、214Rが動作して、それまで作動位置にあった左側の座押し型206Lが非作動位置に移動され、逆に右側の座押し型206Rが作動位置にセットされる。
【0043】
第2回目のプレス動作
次に、上型側構造体200が下降して第2回目のプレス動作を行う。図7は、この第2回目のプレス動作を説明するための図である。作動位置にセットされている右側の座押し型206RによってフロントアクスルビームWの右側のバネ座10Rの上面がプレス成形される。この右側のバネ座10Rのプレス成形の際に、フロントアクスルビームW(ビーム本体11)の中央部分は中央部分押さえ型210によって押し付けられ、また、フロントアクスルビームW(ビーム本体11)の左右の起立端部12L、12Rの上端面は端部押さえ型212L、212Rによって押し付けられる。
【0044】
換言すれば、第2回目のプレス動作においては左側の座押し型206Lが非作動位置にあるため、この第2回目のプレス動作は左側のバネ座10Lに対しては無効である。この座押し処理における2回目のプレス動作によって右側のバネ座10Rのプレス成形が完了すると、上型側構造体200は上昇し、作動位置にセットされている右側の座押し型206Rが非作動位置に退却される。
【0045】
如上の説明から分かるように、実施例での座押し処理によれば、左右一対のバネ座10L、10Rを備えたフロントアクスルビームWに対して、一回のプレス動作で一つのバネ座10L(10R)をプレス成形し、合計2回のプレス動作でフロントアクスルビームWの左右のバネ座10L、10Rのプレス成形を完了するようにしてある。
【0046】
したがって、フロントアクスルビームWの左右のバネ座10L、10Rを一回のプレス動作によって同時に成形するには能力が不足する比較的小型のプレス装置1であったとしても、実施例の座押し処理によれば、各バネ座10L(10R)を個々にプレス成形する能力を備えているのであれば、2回のプレス動作を実行させることでフロントアクスルビームWのバネ座10L、10Rに対する座押し処理を行うことができる。フロントアクスルビームWの左右のバネ座10L、10Rを従来のように一回のプレス動作で同時に成形するのに1,300〜1,500tonのプレス能力を備えたプレス装置が必要とされる場合に、実施例の座押し処理によれば、半分の約700tonのプレス能力のプレス装置であっても当該フロントアクスルビームWの左右のバネ座10L、10Rをプレス成形することができる。
【0047】
また、各バネ座10L(10R)を個々にプレス成形する際に、ビーム本体11の左右のバネ座10L、10Rの間に位置する中央部分を中央押さえ型210で押し付けることから、各バネ座10L(10R)をプレス成形するのに伴ってフロントアクスルビームWが変形してしまうのを防止することができる。
【0048】
プレス装置1が、左右のバネ座10L、10Rを1回のプレス動作によってプレス成形できる能力を備えているときには、左右の座押し型206L、206Rを共に作動位置にセットしてプレス動作を行ってもよいことは言うまでもない。
【0049】
横穴形成処理
図10〜図12は、横穴形成処理の一連の動作を説明するための図である。前述したように座押し処理では、従動スライダ120が非作動位置(図8に図示の(I)位置)に位置決めされていることから、座押し処理が完了すると、左右の座押し型206L、206Rが非作動位置に退却されると共に、横穴用エアシリンダ128の伸長動作によって従動スライダ120が非作動位置(図8の(I)位置)から待機位置(図8の(II)位置)にセットされる。
【0050】
非作動位置(I)は、従動スライダ120がフロントアクスルビームWから遠ざかってスライダ駆動体220が下降動したときに該スライダ駆動体220と干渉しない位置である。待機位置(II)は、下降動するスライダ駆動体220の傾斜駆動面222を従動スライダ120の傾斜受け面124によって受け止めることのできる位置である。
【0051】
プレス装置1は、上述したように、左右の座押し型206L、206Rが非作動位置にセットされており、また、従動スライダ120が、下降動するスライダ駆動体220の傾斜駆動面222の作用を受けることのできる待機位置(図8の(II)位置)にセットされている。したがって、プレス装置1のプレス動作(第3回目のプレス動作)によってスライダ駆動体220が下降動し、そして、スライダ駆動体220の傾斜駆動面222が従動スライダ120の傾斜受け面124と当接すると、スライダ駆動体220の傾斜駆動面222と従動スライダ120の傾斜受け面124との協働作用によって、第3回目のプレス動作が従動スライダ120の横方向の動作に変換され、これにより、従動スライダ120は横方向に前進してフロントアクスルビームWに横貫通穴を形成する(図9)。なお、フロントアクスルビームWに横貫通穴を形成するために従動スライダ120が前進する際には、横穴用エアシリンダ128はフリーの状態にセットされている。また、この第3回目のプレス動作は、フロントアクスルビームWの左右のバネ座10L、10Rに対しては無効である。
【0052】
この従動スライダ120の横方向の動作によって従動スライダ120はフロントアクスルビームWに接近し、やがて従動スライダ120のポンチ122がビーム本体11の直立壁11aを貫通して(図9の(III)位置)、この直立壁11aに横貫通穴20が形成される(図10)。
【0053】
横貫通穴20を形成するためのプレス動作が完了して、スライダ駆動体220が原位置まで上昇すると、横穴用エアシリンダ128が短縮動作を開始して、従動スライダ120が原位置である非作動位置(I)まで退却される。
【0054】
図11は、プレス装置1の第3回目のプレス動作が開始した状態を示している。この図11から分かるように、第3回目のプレス動作にあっても、フロントアクスルビームWの中央部分が中央押さえ型210によって押さえ付けられた状態にある。つまり、車両に搭載する状態に位置決めされたフロントアクスルビームWに対して横貫通穴20を形成する際に、ビーム本体11の中央部分は中央押さえ型210によって押さえ付けられた状態にある。なお、前述したように、フロントアクスルビームWに横貫通穴を形成するためにプレス装置1が第3回目のプレス動作を行うときには横穴用エアシリンダ128はフリーの状態にセットされて、外力によって横穴用エアシリンダ128は自由に伸長することができる。
【0055】
図12は、図9に対応した図であり、フロントアクスルビームWにポンチ122が横方向から突き刺さった状態を示す。図13は、第3回目のプレス動作が完了し、その後にスライダ駆動体220が原位置に戻った状態を示す。図14は、図10に対応する図であり、横穴用エアシリンダ128の短縮動作によって従動スライダ120が原位置つまり非作動位置に戻った状態を示す。
【0056】
次いで、スペーサー114が撤去される。そして、その後に全てのクランパー機構106が開放状態となってフロントアクスルビームWは解放され、そして、その後、フロントアクスルビームWはプレス装置1から取り出される(図15)。
【0057】
比較的小型のプレス装置1の一連の3回のプレス動作によって、車両に搭載される状態で位置決めされたフロントアクスルビームWに対して、左右のバネ座10に対する座押し処理及び直立壁11aに対する貫通穴の形成つまり横穴形成処理を施すことができる。
【0058】
換言すれば、フロントアクスルビームWのバネ座10の座押し処理のためのプレス装置の他に、フロントアクスルビームWに横貫通穴を形成するための追加のプレス装置を用意する必要無しに、1台のプレス装置1によって、座押し処理と横穴形成処理を行うことができる。換言すれば、座押し処理と横穴形成処理を別のプレス装置で行うとしたら、座押し処理するときにフロントアクスルビームWを位置決めし、そして、その後フロントアクスルビームWを搬送し、次のプレス装置にフロントアクスルビームWを位置決めするという工程が必要となる。
【0059】
実施例のプレス装置1から座押し処理のための要素を省いて、フロントアクスルビームWに対して横穴形成処理だけを行う専用プレス装置にしてもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に適用可能なプレス装置の外観図である。
【図2】図1のプレス装置の下型側の構造を説明するための図である。
【図3】図1のプレス装置の上型側の構造を説明するための図である。
【図4】ワークのフロントアクスルビームの断面形状を説明するための図であり、図2のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図1のプレス装置の下型側構造体に含まれるクランパー機構によって熱間状態のフロントアクスルビームがクランプされた状態を説明するための図である。
【図6】第1回目のプレス動作で一方のバネ座を成形する工程を説明するための図である。
【図7】第2回目のプレス動作で他方のバネ座を成形する工程を説明するための図である。
【図8】ワークであるフロントアクスルビームに横貫通穴を形成するための準備工程を説明するための図である。
【図9】プレス動作によってフロントアクスルビームに横貫通穴を形成している状態を説明するための図である。
【図10】横貫通穴を形成した後にプレス装置に含まれる従動スライダをエアシリンダによって原位置に戻す工程を説明するための図である。
【図11】横貫通穴を形成するためのプレス動作を示す図である。
【図12】プレス動作によって横貫通穴を形成する工程を示す図である。
【図13】横貫通穴を形成した後、従動スライダを原位置に戻す工程を示す図である。
【図14】座押し処理及び横穴形成処理が完了した後のプレス装置の状態を示す図である。
【図15】プレス装置のクランプ機構を開放してワークであるフロントアクスルビームをプレス装置から取り出す工程を示す図である。
【図16】座押し処理及び横穴形成処理が終わったフロントアクスルビームの背面図である。
【符号の説明】
【0061】
W フロントアクスルビーム
1 プレス装置
10 フロントアクスルビームのバネ座
11 フロントアクスルビームのビーム本体
12 フロントアクスルビームの起立端部
13 フロントアクスルビームの軸受け穴
100 プレス装置の下型側構造体
106 クランパー機構
106a 第1クランパー(起立端部の上端部を把持)
106b 第2クランパー(ビーム本体の中央部分の直立壁を把持)
106c 第3クランパー(バネ座の部分を把持)
120 従動スライダ
122 従動スライダのポンチ
124 従動スライダの傾斜受け面
126 従動スライダ垂直面
128 横穴用エアシリンダ
200 プレス装置の上型側構造体
204 上側ベースプレート
206 座押し型
208 平行溝
210 中央押さえ型
212 端部押さえ型
214 座押し型用シリンダ
220 スライダ駆動体
222 傾斜駆動面
224 対抗垂直面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向に延びるビーム本体を備えたフロントアクスルビームの製造方法であって、
下降動によってプレス動作する上型側構造体に固設され且つ傾斜駆動面を備えたスライダ駆動体と、
定置した下型側構造体に設けられ、鍛造又は鋳造により成形された熱間状態のフロントアクスルビームを、該フロントアクスルビームが車両に搭載される状態で位置決めするクランパー機構と、
前記下型側構造体に設けられ、前記クランパー機構により位置決めされた前記フロントアクスルビームの側方に且つ該フロントアクスルビームに対して離間接近可能な従動スライダであって、前記スライダ駆動体の前記傾斜駆動面と相補的な形状の傾斜受け面を備えた従動スライダと、
該従動スライダに設けられ、前記フロントアクスルビームの前記ビーム本体に向けて延びるポンチと、
前記従動スライダを前記フロントアクスルビームから離れる方向に退却させるスライダ駆動手段とを含むプレス装置を用意し、
鍛造又は鋳造によってフロントアクスルビームの成型品を作る成形工程と;
該成形工程の直後の熱間状態の前記フロントアクスルビームからバリ取りするバリ取り工程と;
該バリ取り工程の直後の熱間状態の前記アクスルビームを、前記プレス装置の前記クランパー機構によって、車両に搭載される状態に前記フロントアクスルビームを位置決めする位置決め工程と;
前記ビーム本体に貫通穴を形成する貫通穴形成工程とを有し、
該貫通穴形成工程では、前記プレス装置をプレス動作させることにより前記スライダ駆動体を下降動させ、該スライダ駆動体の前記傾斜駆動面と前記従動スライダの前記傾斜受け面との協働によって前記従動スライダを横方向に且つ前記フロントアクスルビームに接近する方向に駆動して、前記従動スライダの前記ポンチによって前記ビーム本体に横貫通穴を形成し、次いで、前記上型側構造体を上昇させた後に、前記スライダ駆動手段により前記従動スライダを前記フロントアクスルビームから遠ざける方向に退却させることからなるフロントアクスルビームの製造方法。
【請求項2】
前記ビーム本体が、直立壁と、該直立壁の上端の上フランジと、前記直立壁の下端の下フランジとを有し、
前記ビーム本体の直立壁に前記横貫通穴が形成される、請求項1に記載のフロントアクスルビームの製造方法。
【請求項3】
前記貫通穴形成工程の前に、前記スライダ駆動手段によって前記従動スライダが移動し、前記スライダ駆動体が下降動したときに該スライダ駆動体と干渉しない非作動位置から、下降動する前記スライダ駆動体の傾斜駆動面を従動スライダの傾斜受け面によって受け止めることのできる待機位置にセットされる、請求項1又は2に記載のフロントアクスルビームの製造方法。
【請求項4】
前記ビーム本体に貫通穴を形成する貫通穴形成工程では、前記ビーム本体の長手方向中央部分が前記上型側構造体に設けられた中央押さえ型によって押し付けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフロントアクスルビームの製造方法。
【請求項5】
車幅方向に延びるビーム本体の両端部にリーフスプリングが着座する左右のバネ座を備えたフロントアクスルビームの製造方法であって、
下降動によってプレス動作する上型側構造体に固設され且つ傾斜駆動面を備えたスライダ駆動体と、
前記フロントアクスルビームの左右のバネ座に対応して前記上型側構造体に設けられ且つ互いに独立して移動可能な左右の座押し型と、
定置した下型側構造体に設けられ、鍛造又は鋳造により成形された熱間状態のフロントアクスルビームを、該フロントアクスルビームが車両に搭載される状態で位置決めするクランパー機構と、
前記下型側構造体に設けられ、前記クランパー機構により位置決めされた前記フロントアクスルビームの側方に且つ該フロントアクスルビームに対して離間接近可能な従動スライダであって、前記スライダ駆動体の前記傾斜駆動面と相補的な形状の傾斜受け面を備えた従動スライダと、
該従動スライダに設けられ、前記フロントアクスルビームの前記ビーム本体に向けて延びるポンチと、
前記従動スライダを前記フロントアクスルビームから離れる方向に退却させるスライダ駆動手段とを含むプレス装置を用意し、
鍛造又は鋳造によってアクスルビームの成型品を作る成形工程と;
該成形工程の直後の熱間状態の前記フロントアクスルビームからバリ取りするバリ取り工程と;
該バリ取り工程の直後の熱間状態の前記アクスルビームを、前記プレス装置の前記クランパー機構によって、車両に搭載される状態に前記フロントアクスルビームを位置決めする位置決め工程と;
前記ビーム本体の左右のバネ座を前記左右の座押し型によってプレス成形する座押し工程と;
前記ビーム本体に貫通穴を形成する貫通穴形成工程とを有し;
前記座押し工程では、該座押し工程に先だって、前記従動スライダが、前記スライダ駆動手段によって、前記スライダ駆動体が下降動したときに該スライダ駆動体と干渉しない非作動位置に退却され;
前記貫通穴形成工程では、該貫通穴形成工程に先だって、前記従動スライダが、前記スライダ駆動手段によって、前記非作動位置から、下降動する前記スライダ駆動体の傾斜駆動面を前記従動スライダの傾斜受け面によって受け止めることのできる待機位置にセットされ;
前記座押し工程では、前記座押し型が前記フロントアクスルビームの左右のバネ座をプレス成形可能な作動位置にセットされ、
該貫通穴形成工程では、前記プレス装置をプレス動作させることにより前記スライダ駆動体を下降動させ、該スライダ駆動体の前記傾斜駆動面と前記従動スライダの前記傾斜受け面との協働によって前記従動スライダを横方向に且つ前記フロントアクスルビームに接近する方向に駆動して、前記従動スライダの前記ポンチによって前記ビーム本体に横貫通穴を形成し、次いで、前記上型側構造体を上昇させた後に、前記スライダ駆動手段により前記従動スライダを前記フロントアクスルビームから遠ざける方向に退却させることからなるフロントアクスルビームの製造方法。
【請求項6】
前記座押し工程では、前記左右の座押し型の一方の座押し型を前記フロントアクスルビームの一方のバネ座に対応した作動位置にセットし、他方の座押し型を前記フロントアクスルビームの他方のバネ座から遠ざけた非作動位置に退却させた状態で第1回目のプレス動作を行うことにより、前記フロントアクスルビームの前記一方のバネ座がプレス成形され、次いで、前記他方の座押し型を前記フロントアクスルビームの他方のバネ座に対応した作動位置にセットし、前記一方の座押し型を前記フロントアクスルビームの一方のバネ座から遠ざけた非作動位置に退却させた状態で第2回目のプレス動作を行うことにより、前記フロントアクスルビームの前記他方のバネ座がプレス成形される、請求項5に記載のフロントアクスルビームの製造方法。
【請求項7】
前記プレス装置の前記上型側構造体が、前記左右の座押し型を前記作動位置と前記非作動位置とに移動させるための左右の座押し用駆動手段を更に含む、請求項5又は6に記載のフロントアクスルビームの製造方法。
【請求項8】
前記プレス装置の上型側構造体が、前記フロントアクスルビームの左右のバネ座の間に位置する中央部分に対応した中央押さえ型を更に含み、
前記座押し工程では、前記中央押さえ型によって前記フロントアクスルビームの中央部分を押さえつけ、
前記貫通穴形成工程では、前記従動スライダの前記ポンチによって前記ビーム本体に前記横貫通穴を形成する際に、前記中央押さえ型によって前記フロントアクスルビームの中央部分を押さえ付ける、請求項5〜7のいずれか一項に記載のフロントアクスルビームの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−106956(P2009−106956A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280433(P2007−280433)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(506070279)テクノメタル株式会社 (7)
【Fターム(参考)】