説明

フロントフォーク

【課題】フロントフォークの軽量化、コスト低減を図りながら、ダンパ脚のスプリング脚に対する反力不足を補うこと。
【解決手段】フロントフォークAであって、ダンパ脚10におけるダンパシリンダ21の外周に圧側絞り部材60を設け、圧側絞り部材60は、ダンパシリンダ21の外周に取付けられる環状部と、環状部の外面の周方向に沿う複数位置のそれぞれに設けられて該環状部の軸方向に延在する複数のリブ62とを有し、相隣るリブ62の間に溝状絞り流路63を形成し、圧側行程の高ピストン速度かつ大ストローク時に、ダンパ脚10における圧側絞り部材60の絞り流路63が油溜室24の作動油に及ぼす流路抵抗に起因して生ずる圧側減衰力により、ダンパ脚10のダンパ20で発生する圧側減衰力がスプリング脚110のばね反力に対する反力不足を補うもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動二輪車等に用いて好適なフロントフォークに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フロントフォークの軽量化、コスト低減を図るため、ダンパを内蔵したダンパ脚と、懸架スプリングを内蔵したスプリング脚とを平行に配置したフロントフォークがある。このフロントフォークでは、圧側行程の大ストローク時に、スプリング脚の懸架スプリングが大きなばね反力を生ずるのに対し、ダンパ脚の減衰力発生装置で発生する減衰力はピストン速度に依存するものであって、ストロークに依存して高くならない。このため、圧側行程の大ストローク時には、ダンパ脚の減衰力に起因して生ずる反力が、スプリング脚の大きなばね反力に対してアンバランスになり、結果として外乱入力時のハンドルの振られ(ヨー方向)が助長される傾向がある。
【0003】
そこで、特許文献1に記載のフロントフォークでは、ダンパ脚にゴム、発泡ウレタン等からなる弾性体を内装している。弾性体は、車体側チューブの上端キャップと、車軸側チューブに立設したダンパシリンダの上部との間に介装される。これにより、圧側行程の大ストローク時に、ダンパ脚に内装した弾性体が発生することになるばね反力により、ダンパ脚のダンパで発生する圧側減衰力がスプリング脚の大きなばね反力に対する反力不足を補う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-74910
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のフロントフォークは、ダンパ脚のスプリング脚に対する反力不足を補うため、ダンパ脚にゴム、発泡ウレタン等からなる弾性体を内装するものである。ダンパ脚に内装する弾性体は、大ストローク時に一定のばね反力を発生させるものであり、一定の断面、長さを必要とし、フロントフォークの軽量化、コスト低減に反する。
【0006】
本発明の課題は、フロントフォークの軽量化、コスト低減を図りながら、ダンパ脚のスプリング脚に対する反力不足を補うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、ダンパを内蔵したダンパ脚と、懸架スプリングを内蔵したスプリング脚とを平行に配置し、ダンパ脚が、車体側と車軸側の一方に取付けられるアウタチューブに、車体側と車軸側の他方に取付けられるインナチューブを挿入し、アウタチューブとインナチューブの内部にダンパを配置し、ダンパのダンパシリンダを車体側に取付けられたアウタチューブ又はインナチューブの中央に吊下げ、車軸側に取付けられたインナチューブ又はアウタチューブの中央に立設したピストンロッドのピストンをダンパシリンダに挿入し、ダンパの外側を油溜室としてなるフロントフォークであって、ダンパ脚におけるダンパシリンダの外周に圧側絞り部材を設け、圧側絞り部材は、ダンパシリンダの外周に取付けられる環状部と、環状部の外面の周方向に沿う複数位置のそれぞれに設けられて該環状部の軸方向に延在する複数のリブとを有し、相隣るリブの間に溝状絞り流路を形成し、圧側行程の高ピストン速度かつ大ストローク時に、ダンパ脚における圧側絞り部材の絞り流路が油溜室の作動油に及ぼす流路抵抗に起因して生ずる圧側減衰力により、ダンパ脚のダンパで発生する圧側減衰力がスプリング脚のばね反力に対する反力不足を補うようにしたものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記圧側絞り部材の絞り流路を形成するリブが、環状部の軸方向に沿う方向に傾斜して延在する傾斜リブであるようにしたものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において更に、前記圧側絞り部材の環状部がダンパシリンダの外周に回転自在に取付けられるようにしたものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に係る発明において更に、前記圧側絞り部材の傾斜リブが相隣る溝状絞り流路のそれぞれを形成する2個の溝壁面を両側に備えるとき、油溜室の圧側行程で加圧される側に臨む一方の溝壁面が環状部の周方向に対してなす角度を、他方の溝壁面が環状部の周方向に対してなす角度より小さくしてなるようにしたものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項2〜4のいずれかに係る発明において更に、前記圧側絞り部材の絞り流路を挟んで相隣る傾斜リブの相互間で、一方の傾斜リブの該絞り流路を形成する溝壁面と、他方の傾斜リブの該絞り流路を形成する溝壁面とが、環状部の軸方向視で一部重なるようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
(請求項1)
(a)ダンパ脚に設けた圧側絞り部材は、車体側チューブに取付けられたダンパシリンダとともに圧側行程で油溜室内をその油面の上下に渡ってストロークする。このとき、伸縮基準位置(オフロード車については、車両が空中姿勢を採ったときを基準とし、即ち、フロントフォークに車体側荷重が作用することのない最大自由伸長状態又はその近辺で自由伸長させたときの伸縮長さをなす位置をいい、また、オンロード車については、乗員1名の荷重を受けた車両制止時を基準として、このときの車体側荷重がフロントフォークに作用している状態の伸縮長さをなす位置をいう)からの圧側行程の小ストローク時には、油溜室の油面上方でほとんど減衰力を発生させず、気泡の混入が多い油面近傍で低い減衰力を発生させる。そして、圧側行程の高ピストン速度かつ大ストローク時には、油溜室の気泡の混入の少ない底部側で、圧側絞り部材の流路抵抗に起因するストローク依存の高い減衰力を発生する。即ち、ダンパ脚の圧側絞り部材は、圧側行程で、ストロークに依存する圧側減衰力を発生し、大ストローク時に安定した高い減衰力を発生する。
【0013】
また、ダンパ脚の圧側絞り部材は、圧側行程で、油溜室内を高ピストン速度でストロークするとき、圧側絞り部材より下方の油室を加圧し、加圧した油を溝状絞り流路にて絞り、圧側絞り部材の流路抵抗に起因する速度依存の高い減衰力を発生する。このとき、圧側絞り部材は下方の油室で加圧した油を溝状絞り流路にてガイドされる高速流に整流し、圧側絞り部材の上方の油室に向けてダンパシリンダの周囲を八方に乱れて拡散することなく安定的に流出させる。従って、油溜室において、圧側絞り部材を挟む上下の油室で油の流れが安定化し、圧側絞り部材はこれによっても高ピストン速度かつ大ストローク時に一層安定した高い減衰力を発生するものになる。
【0014】
従って、ダンパ脚とスプリング脚を平行に配置したフロントフォークで、圧側行程の高ピストン速度かつ大ストローク時に、ダンパ脚における圧側絞り部材の絞り流路が油溜室の作動油に及ぼす流路抵抗に起因して生ずる高い圧側減衰力により、ダンパ脚のダンパに装備してある減衰力発生装置で発生する速度依存の圧側減衰力がスプリング脚のばね反力に対する反力不足を補う。圧側行程の大ストローク時に、ダンパ脚の減衰力に起因して生ずる反力と、スプリング脚の発生するばね反力がバランスするものになり、外乱入力時のハンドルの振られ(ヨー方向)を抑制できる。
【0015】
(b)ダンパ脚の圧側絞り部材は環状部の外面の周方向に沿う複数位置のそれぞれに設けられて該環状部の軸方向に延在する複数のリブを有し、相隣るリブの間に溝状絞り流路を形成する。ダンパ脚に作用する横方向外力(走行方向に沿う前後方向外力)により、車体側チューブと車軸側チューブがそれらの中心軸の横曲げ変形を生ずるときには、車体側チューブの中央に吊下げられているダンパシリンダの下端寄りの外周に設けた圧側絞り部材が、車体側チューブ又は車軸側チューブの内周に対して図7に示す如くに偏心するに至ることがある。このとき、ダンパシリンダに設けた圧側絞り部材の外周と、車体側チューブ又は車軸側チューブの内周とが近接又は接触する側でも、圧側絞り部材の外周はその一部に設けてあるリブが車体側チューブ又は車軸側チューブの内周に近接又は接触するものの、車体側チューブ又は車軸側チューブの内周との間に必ず図7(A)、(B)に示す如くに溝状絞り流路を確保する。従って、圧側絞り部材の外周が車体側チューブ又は車軸側チューブの内周に近接又は接触しても、その範囲において絞り流路を一気に塞ぐ如くがなく、圧側絞り部材が油溜室の油に及ぼす流路抵抗の急激な変化を引き起こすおそれがない。圧側絞り部材は、ダンパ脚に横曲げ変形を生ずるときにも、安定した減衰力を発生することができる。
【0016】
樹脂等からなる小型軽量の圧側絞り部材を用いたから、フロントフォークの軽量化、コスト低減を図りながら、ダンパ脚のスプリング脚に対する反力不足を補うことができる。
【0017】
(請求項2)
(c)前記圧側絞り部材の絞り流路を形成するリブが、環状部の軸方向に沿う方向に傾斜して延在する傾斜リブである。圧側行程で、圧側絞り部材が高ピストン速度でストロークし、圧側絞り部材により下方の油室を加圧し、加圧した油を溝状絞り流路によりガイドして高速流に整流するとき、この高速流は傾斜リブにより環状部の軸方向に沿う方向に対して傾斜する螺旋流に整流され、その整流効果を高めるものになる。
【0018】
(請求項3)
(d)上述(c)の圧側絞り部材の環状部がダンパシリンダの外周に回転自在に取付けられる。圧側絞り部材による上述(c)の整流効果を一層高めるものになる。
【0019】
(請求項4)
(e)前記圧側絞り部材の傾斜リブが相隣る溝状絞り流路のそれぞれを形成する2個の溝壁面を両側に備えるとき、油溜室の圧側行程で加圧される側に臨む一方の溝壁面が環状部の周方向に対してなす角度θaを、他方の溝壁面が環状部の周方向に対してなす角度θbより小さくする。これにより、圧側行程で圧側絞り部材により加圧される下方の油室の油が圧側絞り部材の溝状絞り流路に入るときに衝突する傾斜リブの溝壁面が、この油に及ぼす抵抗が大きくなり、圧側絞り部材の流路抵抗に起因して生ずる減衰力は一層高くなる。逆に、伸側行程で、圧側絞り部材より上方の油室から圧側絞り部材の溝状絞り流路に入る油は、これが衝突する傾斜リブの溝壁面から受ける抵抗が小さくなり、圧側絞り部材の下方の油室にスムースに戻り、圧側反転時に備えるものになる。
【0020】
圧側絞り部材で下方の油室から上方の油室へ流れる油が、圧側絞り部材の溝状絞り流路を通過するとき、2個の溝壁面の角度θa、θbの差、それらの溝壁面の流れ方向に沿う壁長さの差により、一方の溝壁面に接して流れる油の流れは、他方の溝壁面に接して流れる油の流れに対し、遅くなる。このため、圧側絞り部材の溝状絞り流路内で、一方の溝壁面の側の流れが、他方の溝壁面の側の流れに引き込まれ、例えば右ねじ流れを生成するに至る。圧側絞り部材の外周に設けた複数の各溝状絞り流路内で生じた上述の右ねじ流れが、それらの各溝状絞り流路から上方の油室に向けてダンパシリンダの周囲を流れるものになる。圧側絞り部材の各溝状絞り流路から流出した油がダンパシリンダの周囲で八方に乱れて拡散することなく、一層確実に整流され続け、その整流効果を一層高めるものになる。
【0021】
(請求項5)
(f)前記圧側絞り部材の絞り流路を挟んで相隣る傾斜リブの相互間で、一方の傾斜リブの該絞り流路を形成する溝壁面と、他方の傾斜リブの該絞り流路を形成する溝壁面とが、環状部の軸方向視で一部重なる。ダンパ脚が横曲げ変形を生じたとき、圧側絞り部材の傾斜リブが、車体側チューブ又は車軸側チューブの内周面の全周を周方向に隙間なく支持できる。圧側絞り部材の環状部がダンパシリンダの外周で空転し、車体側チューブ又は車軸側チューブの内周面に対する取付角度位置が変化する等、圧側絞り部材の組付方向に関係なく、それらの内周面の全周を周方向に隙間なく支持できる。従って、ダンパ脚の横曲げ変形に対する剛性を簡易かつ確実に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1はフロントフォークを示す模式断面図である。
【図2】図2はダンパ脚を示す模式断面図である。
【図3】図3はスプリング脚を示す模式断面図である。
【図4】図4はダンパ脚の要部を示す縦断面図である。
【図5】図5はダンパ脚の要部を示す横断面図である。
【図6】図6は圧側絞り部材を示し、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【図7】図7は圧側絞り部材の使用状態を示す模式図である。
【図8】図8は圧側絞り部材の変形例を示し、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【図9】図9は圧側絞り部材の変形例を示し、(A)は斜視図、(B)は縦断面図、(C)は平面図である。
【図10】図10は圧側絞り部材の変形例を示し、(A)は斜視図、(B)は縦断面図、(C)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
フロントフォークAは、ダンパ20を内蔵し、金属ばねからなる懸架スプリングを内蔵しないダンパ脚10と、ダンパを内蔵せず、金属ばねからなる懸架スプリング150を内蔵するスプリング脚110とを平行配置した。
【0024】
(ダンパ脚10)(図1、図2、図4)
ダンパ脚10は、図1、図2に示す如く、車体側チューブ(アウタチューブ)11に、車軸側チューブ(インナチューブ)12をシール部材13を介し密封して摺動自在に挿入し、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部に単筒型ダンパ20を配置している。ダンパ20は、ダンパシリンダ21を車体側チューブ11の内部の中央に吊下げ、車軸側チューブ12の内部の中央に立設したピストンロッド22のピストン23をダンパシリンダ21に挿入し、ダンパ20(ダンパシリンダ21及びピストンロッド22)の外側を油溜室24としている。油溜室24では、油室25と空気室26が自由界面を介して接している。
【0025】
車体側チューブ11は車体側に支持され、車軸側チューブ12は車軸に結合される。車体側チューブ11の上端部にはダンパシリンダ21の上端部が螺着、密封され、ダンパシリンダ21の上部開口端はフォークボルト31により閉塞、密封される。
【0026】
車軸側チューブ12の下端部には車軸ブラケット32が螺着、密封され、車軸側チューブ12の内部の車軸ブラケット32上にはピストンロッド22の下端部が立設され、このピストンロッド22まわりの車軸ブラケット32上にはオイルロックカラー33Aが固定されている。ピストンロッド22はダンパシリンダ21の下部開口端に螺着したロッドガイド34のブッシュ35、シール部材36に摺動自在、密封されて支持され、ダンパシリンダ21の内部に挿入されている(図4)。尚、ロッドガイド34の外周部にはオイルロックピース33Bが設けられている。
【0027】
ダンパ20は、メインバルブ装置(伸側減衰力発生装置)40と、サブバルブ装置(圧側減衰力発生装置)50とを有している。ダンパ20は、メインバルブ装置40とサブバルブ装置50が発生する減衰力により、スプリング脚110の懸架スプリング150による衝撃力の吸収に伴う車体側チューブ111と車軸側チューブ112の伸縮振動を制振する。
【0028】
(メインバルブ装置40)
メインバルブ装置40は、ピストンロッド22の上端部のピストン23により、ダンパシリンダ21の内部をピストン側油室41Aと、ロッド側油室41Bに区画する。ピストン23は、伸側減衰バルブ42Aを備えてピストン側油室41Aとロッド側油室41Bを連絡する伸側流路42と、圧側減衰バルブ(チェックバルブ)43Aを備えてピストン側油室41Aとロッド側油室41Bを連絡する圧側流路43とを備える。
【0029】
(サブバルブ装置50)
サブバルブ装置50は、ダンパシリンダ21の上部開口端に設けたフォークボルト31の中央にガイドパイプ51を吊下げ、ガイドパイプ51の下端部のサブピストン52をダンパシリンダ21の内部でピストン23に相対配置し、ピストン側油室41Aの上方にサブタンク室53を区画形成する。サブピストン52は、圧側減衰バルブ54Aを備えてピストン側油室41Aとサブタンク室53を連絡する圧側流路54と、伸側減衰バルブ(チェックバルブ)55Aを備えてピストン側油室41Aとサブタンク室53を連絡する伸側流路55とを備える。
【0030】
サブバルブ装置50は、ダンパシリンダ21の内部のガイドパイプ51まわりにフリーピストン56を移動可能に設けるとともに、フリーピストン56とフォークボルト31との間に介装される圧縮コイルばねからなる加圧スプリング57によりフリーピストン56をサブピストン52の側に向けて付勢する。
【0031】
サブバルブ装置50は、ピストンロッド22の外周に付着した油溜室24の油をシール部材36からダンパシリンダ21の内部に持ち込み、油室41A、41B、サブタンク室53の油圧を高圧化する。この高圧化した油圧によりフリーピストン56が上昇端まで移動すると、ダンパシリンダ21に設けてある油孔58がサブタンク室53を油溜室24の空気室26に連通し、サブタンク室53の高圧油を油溜室24の側に戻す。
【0032】
(スプリング脚110)(図1、図3)
スプリング脚110は、図1、図3に示す如く、車体側チューブ(アウタチューブ)111に、車軸側チューブ(インナチューブ)112がシール部材113を介して摺動自在、密封されて挿入する。スプリング脚110は、ガイドシリンダ121を車軸側チューブ112の内部の中央に立設し、車体側チューブ111の内部の中央に吊下げたガイドロッド122の先端ガイド123をガイドシリンダ121に摺動自在に挿入している。
【0033】
車体側チューブ111は車体側に支持され、車軸側チューブ112は車軸に結合される。車体側チューブ111の上部開口端はフォークボルト131により閉塞、密封され、フォークボルト131の中央にはばね荷重調整装置140のばねアジャスタ141が回転操作可能に密封状態で枢支され、ばねアジャスタ141の下端部にはガイドロッド122が連結されて吊下げられる。
【0034】
車軸側チューブ112の下端部には車軸ブラケット132が螺着、密封され、車軸側チューブ112の内部の車軸ブラケット132上にはガイドシリンダ121の下端部が立設されている。ガイドロッド122はガイドシリンダ121の上部開口端に螺着したロッドガイド133のブッシュ134に摺動自在に支持され、ガイドシリンダ121の内部に挿入されている。
【0035】
ばね荷重調整装置140は、車体側チューブ111の内部に挿入されたばねアジャスタ141の外周の軸方向に抜け止めプレート141A、アジャスタボルト142を設け、ばねアジャスタ141に固定的に設けたアジャスタボルト142にアジャスタナット143を螺着している。
【0036】
アジャスタナット143は、その外周突起143Aをフォークボルト131の内周の軸方向に設けたキー溝131Aに係合して軸方向移動可能に回り止めし、アジャスタナット143の下端面に設けたスペーサ144を介してばね受145を支持している。車体側チューブ111と車軸側チューブ112の内周とガイドシリンダ121とガイドロッド122の外周の環状間隙からなるばね収容室151には、金属製圧縮コイルばねからなる懸架スプリング150が配置される。懸架スプリング150は、ばね荷重調整装置140のばね受145と、車軸ブラケット132の上面に設けたばね受146の間に介装される。ばね荷重調整装置140のばねアジャスタ141によるアジャスタボルト142の位置調整により、懸架スプリング150の初期荷重を調整できる。
【0037】
尚、ガイドシリンダ121は、ガイド123の下部に油室124を、上部に空気室125を区画し、それらの油室124、空気室125をガイドシリンダ121の外部のばね収容室151に連通する連通孔124A、125Aを備える。ガイド123も、油室124と空気室125を連通する連通路127を備える。そして、油室124及びばね収容室151には油が収容され、この油により車体側チューブ111と車軸側チューブ112のシール部材113、ロッドガイド133のブッシュ134、懸架スプリング150と車軸側チューブ112又はガイドシリンダ121との摺接部の潤滑がなされる。
【0038】
従って、フロントフォークAにあっては、ダンパ脚10のダンパ20における伸側減衰力発生装置40の伸側減衰バルブ42Aと圧側減衰力発生装置50の圧側減衰バルブ54Aが発生する減衰力により、スプリング脚110の懸架スプリング150による衝撃力の吸収に伴う車体側チューブ111と車軸側チューブ112の伸縮振動を制振する。
【0039】
しかるに、フロントフォークAは、軽量化、コスト低減を図りながら、ダンパ脚10のスプリング脚110に対する反力不足を補うため、以下の構成を具備する。
【0040】
ダンパ脚10は、図4、図5に示す如く、ダンパシリンダ21の外周に圧側絞り部材60を設けた。圧側絞り部材60は、樹脂成形体等から構成され、車体側チューブ11の中央に吊下げたダンパシリンダ21の下端側の外周に、上下の止め輪71A、72Aにより位置決めされている上下の取付部材71、72により、軸方向の上下両側から挟み止め支持される。圧側絞り部材60は、ダンパシリンダ21の外周で周方向の取付位置を規制されず、ダンパシリンダ21の外周で回転自由とされている(回転不能に固定しても可)。
【0041】
圧側絞り部材60は、図6に示す如く、ダンパシリンダ21の外周に取付けられる環状部61と、環状部61の外面の周方向に沿う複数位置(本実施例では6位置)のそれぞれに設けられて該環状部61の軸方向に延在する複数のリブ62とを有し、相隣るリブ62の間に溝状絞り流路63を形成する。圧側絞り部材60の環状部61は、前述の如く、ダンパシリンダ21の外周に回転自在に取付けられている。
【0042】
フロントフォークAは、ダンパ脚10の圧側行程の高ピストン速度かつ大ストローク時に、ダンパ脚10における圧側絞り部材60の絞り流路63が油溜室24の油室25の作動油に及ぼす流路抵抗に起因して生ずる圧側減衰力により、ダンパ脚10のダンパ20の減衰力発生装置40、50(特に圧側減衰力発生装置50の圧側減衰バルブ54A)で発生する圧側減衰力がスプリング脚110の懸架スプリング150のばね反力に対する反力不足を補うものである。
【0043】
即ち、フロントフォークAは、以下の如くの作用効果を奏する。
(a)ダンパ脚10に設けた圧側絞り部材60は、車体側チューブ11に取付けられたダンパシリンダ21とともに圧側行程で油溜室24内をその油面の上下に渡ってストロークする。このとき、伸縮基準位置(オフロード車については、車両が空中姿勢を採ったときを基準とし、即ち、フロントフォークAに車体側荷重が作用することのない最大自由伸長状態又はその近辺で自由伸長させたときの伸縮長さをなす位置をいい、また、オンロード車については、乗員1名の荷重を受けた車両制止時を基準として、このときの車体側荷重がフロントフォークAに作用している状態の伸縮長さをなす位置をいう)からの圧側行程の小ストローク時には、油溜室24の油面上方でほとんど減衰力を発生させず、気泡の混入が多い油面近傍で低い減衰力を発生させる。そして、圧側行程の高ピストン速度かつ大ストローク時には、油溜室24の気泡の混入の少ない底部側で、圧側絞り部材60の流路抵抗に起因するストローク依存の高い減衰力を発生する。即ち、ダンパ脚10の圧側絞り部材60は、圧側行程で、ストロークに依存する圧側減衰力を発生し、大ストローク時に安定した高い減衰力を発生する。
【0044】
また、ダンパ脚10の圧側絞り部材60は、圧側行程で、油溜室24内を高ピストン速度でストロークするとき、圧側絞り部材60より下方の油室25Aを加圧し、加圧した油を溝状絞り流路63にて絞り、圧側絞り部材60の流路抵抗に起因する速度依存の高い減衰力を発生する。このとき、圧側絞り部材60は下方の油室25Aで加圧した油を溝状絞り流路63にてガイドされる高速流に整流し、圧側絞り部材60の上方の油室25Bに向けてダンパシリンダ21の周囲を八方に乱れて拡散することなく安定的に流出させる。従って、油溜室24において、圧側絞り部材60を挟む上下の油室25A、25Bで油の流れが安定化し、圧側絞り部材60はこれによっても高ピストン速度かつ大ストローク時に一層安定した高い減衰力を発生するものになる。
【0045】
従って、ダンパ脚10とスプリング脚110を平行に配置したフロントフォークAで、圧側行程の高ピストン速度かつ大ストローク時に、ダンパ脚10における圧側絞り部材60の絞り流路63が油溜室24の作動油に及ぼす流路抵抗に起因して生ずる高い圧側減衰力により、ダンパ脚10のダンパ20に装備してある減衰力発生装置40、50で発生する速度依存の圧側減衰力がスプリング脚110のばね反力に対する反力不足を補う。圧側行程の大ストローク時に、ダンパ脚10の減衰力に起因して生ずる反力と、スプリング脚110の発生するばね反力がバランスするものになり、外乱入力時のハンドルの振られ(ヨー方向)を抑制できる。
【0046】
(b)ダンパ脚10の圧側絞り部材60は環状部61の外面の周方向に沿う複数位置のそれぞれに設けられて該環状部61の軸方向に延在する複数のリブ62を有し、相隣るリブ62の間に溝状絞り流路63を形成する。ダンパ脚10に作用する横方向外力(走行方向に沿う前後方向外力)により、車体側チューブ11と車軸側チューブ12がそれらの中心軸の横曲げ変形を生ずるときには、車体側チューブ11の中央に吊下げられているダンパシリンダ21の下端寄りの外周に設けた圧側絞り部材60が、車体側チューブ11又は車軸側チューブ12の内周に対して図7に示す如くに、偏心するに至ることがある。このとき、ダンパシリンダ21に設けた圧側絞り部材60の外周と、車体側チューブ11又は車軸側チューブ12の内周とが近接又は接触する側でも、圧側絞り部材60の外周はその一部に設けてあるリブ62が車体側チューブ11又は車軸側チューブ12の内周に近接又は接触するものの、車体側チューブ11又は車軸側チューブ12の内周との間に必ず図7(A)、(B)に示す如くに溝状絞り流路63を確保する。従って、圧側絞り部材60の外周が車体側チューブ11又は車軸側チューブ12の内周に近接又は接触しても、その範囲において絞り流路63を一気に塞ぐ如くがなく、圧側絞り部材60が油溜室24の油に及ぼす流路抵抗の急激な変化を引き起こすおそれがない。圧側絞り部材60は、ダンパ脚10に横曲げ変形を生ずるときにも、安定した減衰力を発生することができる。
【0047】
図7(C)はリブを有していない圧側絞り部材60を示しており、車体側チューブ11又は車軸側チューブ12の内周に近接又は接触した範囲における絞り流路を一気に塞ぐ。
【0048】
樹脂等からなる小型軽量の圧側絞り部材60を用いたから、フロントフォークAの軽量化、コスト低減を図りながら、ダンパ脚10のスプリング脚110に対する反力不足を補うことができる。
【0049】
図8に示した圧側絞り部材60Aは、圧側絞り部材60の変形例であり、絞り流路63を形成するリブ62をテーパ状にし、相隣るリブ62の間の絞り流路63の流路抵抗が、油溜室24の圧側行程で加圧される下方の油室25Aに臨む側から、上方の油室25Bに向けて徐々に減縮するものである。ダンパ脚10の圧側行程で、圧側絞り部材60Aにより一層高い減衰力を発生できる。
【0050】
図9に示した圧側絞り部材80は、圧側絞り部材60の変形例であり、ダンパシリンダ21の外周に取付けられる環状部81と、環状部81の外面の周方向に沿う複数位置のそれぞれに設けられて該環状部81の軸方向に延在する複数のリブ82とを有し、相隣るリブ82の間に溝状絞り流路83を形成する。そしてこのとき、絞り流路83を形成するリブ82を、環状部81の軸方向に沿う方向に傾斜して延在した傾斜リブ82とするものである。圧側行程で、圧側絞り部材80が高ピストン速度でストロークし、圧側絞り部材80により下方の油室25Aを加圧し、加圧した油を溝状絞り流路83によりガイドして高速流に整流するとき、この高速流は傾斜リブ82により環状部81の軸方向に沿う方向に対して傾斜する螺旋流に整流され、その整流効果を高めるものになる。
【0051】
圧側絞り部材80の環状部81がダンパシリンダ21の外周に回転自在に取付けられるとき、圧側絞り部材80による上述の整流効果を一層高めるものになる。
【0052】
また、圧側絞り部材80(後述する圧側絞り部材80Aでも可)にあっては、絞り流路83を挟んで相隣る傾斜リブ82の相互間で、一方の傾斜リブ82の該絞り流路83を形成する溝壁面82Aと、他方の傾斜リブ82の該絞り流路83を形成する溝壁面82Bとが、環状部81の軸方向視で一部重なるものとすることができる。ダンパ脚10が横曲げ変形を生じたとき、圧側絞り部材80の傾斜リブ82が、車体側チューブ11又は車軸側チューブ12の内周面の全周を周方向に隙間なく支持できる。圧側絞り部材80の環状部81がダンパシリンダ21の外周で空転し、車体側チューブ11又は車軸側チューブ12の内周面に対する取付角度位置が変化する等、圧側絞り部材80の組付方向に関係なく、それらの内周面の全周を周方向に隙間なく支持できる。従って、ダンパ脚10の横曲げ変形に対する剛性を簡易かつ確実に向上できる。
【0053】
図10に示した圧側絞り部材80Aは、圧側絞り部材80の変形例であり、傾斜リブ82が相隣る溝状絞り流路83のそれぞれに形成する2個の溝壁面82A、82Bを両側に備えるとき、油溜室24の圧側行程で加圧される下側の油室25Aに臨む一方の溝壁面82Aが環状部81の周方向に対してなす角度θaを、他方の溝壁面82Bが環状部81の周方向に対してなす角度θbより小さくするものである。これにより、圧側行程で圧側絞り部材80Aにより加圧される下方の油室25Aの油が圧側絞り部材80Aの溝状絞り流路83に入るときに衝突する傾斜リブ82の溝壁面82Aが、この油に及ぼす抵抗が大きくなり、圧側絞り部材80Aの流路抵抗に起因して生ずる減衰力は一層高くなる。逆に、伸側行程で、圧側絞り部材80Aより上方の油室25Bから圧側絞り部材80Aの溝状絞り流路83に入る油は、これが衝突する傾斜リブ82の溝壁面82Bから受ける抵抗が小さくなり、圧側絞り部材80Aの下方の油室25Aにスムースに戻り、圧側反転時に備えるものになる。
【0054】
圧側絞り部材80Aで下方の油室25Aから上方の油室25Bへ流れる油が、圧側絞り部材80Aの溝状絞り流路83を通過するとき、2個の溝壁面82A、82Bの角度θa、θbの差、それらの溝壁面82A、82Bの流れ方向に沿う壁長さの差により、一方の溝壁面82Aに接して流れる油の流れは、他方の溝壁面82Bに接して流れる油の流れに対し、遅くなる。このため、圧側絞り部材80Aの溝状絞り流路83内で、一方の溝壁面82Aの側の流れが、他方の溝壁面82Bの側の流れに引き込まれ、例えば右ねじ流れを生成するに至る。圧側絞り部材80Aの外周に設けた複数の各溝状絞り流路83内で生じた上述の右ねじ流れが、それらの各溝状絞り流路83から上方の油室25Bに向けてダンパシリンダ21の周囲を流れるものになる。圧側絞り部材80Aの各溝状絞り流路83から流出した油がダンパシリンダ21の周囲で八方に乱れて拡散することなく、一層確実に整流され続け、その整流効果を一層高めるものになる。
【0055】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、ダンパ脚において、車体側チューブをインナチューブにし、車軸側チューブをアウタチューブにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、ダンパを内蔵したダンパ脚と、懸架スプリングを内蔵したスプリング脚とを平行に配置し、ダンパ脚が、車体側と車軸側の一方に取付けられるアウタチューブに、車体側と車軸側の他方に取付けられるインナチューブを挿入し、アウタチューブとインナチューブの内部にダンパを配置し、ダンパのダンパシリンダを車体側に取付けられたアウタチューブ又はインナチューブの中央に吊下げ、車軸側に取付けられたインナチューブ又はアウタチューブの中央に立設したピストンロッドのピストンをダンパシリンダに挿入し、ダンパの外側を油溜室としてなるフロントフォークであって、ダンパ脚におけるダンパシリンダの外周に圧側絞り部材を設け、圧側絞り部材は、ダンパシリンダの外周に取付けられる環状部と、環状部の外面の周方向に沿う複数位置のそれぞれに設けられて該環状部の軸方向に延在する複数のリブとを有し、相隣るリブの間に溝状絞り流路を形成し、圧側行程の高ピストン速度かつ大ストローク時に、ダンパ脚における圧側絞り部材の絞り流路が油溜室の作動油に及ぼす流路抵抗に起因して生ずる圧側減衰力により、ダンパ脚のダンパで発生する圧側減衰力がスプリング脚のばね反力に対する反力不足を補うものにした。これにより、フロントフォークの軽量化、コスト低減を図りながら、ダンパ脚のスプリング脚に対する反力不足を補うことができる。
【符号の説明】
【0057】
A フロントフォーク
10 ダンパ脚
11 車体側チューブ
12 車軸側チューブ
20 ダンパ
21 ダンパシリンダ
22 ピストンロッド
23 ピストン
24 油溜室
25 油室
26 空気室
40 伸側減衰力発生装置
50 圧側減衰力発生装置
60、60A、80、80A 圧側絞り部材
61、81 環状部
62、82 リブ
63、83 絞り流路
82A、82B 溝壁面
110 スプリング脚
150 懸架スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンパを内蔵したダンパ脚と、懸架スプリングを内蔵したスプリング脚とを平行に配置し、
ダンパ脚が、車体側と車軸側の一方に取付けられるアウタチューブに、車体側と車軸側の他方に取付けられるインナチューブを挿入し、アウタチューブとインナチューブの内部にダンパを配置し、ダンパのダンパシリンダを車体側に取付けられたアウタチューブ又はインナチューブの中央に吊下げ、車軸側に取付けられたインナチューブ又はアウタチューブの中央に立設したピストンロッドのピストンをダンパシリンダに挿入し、ダンパの外側を油溜室としてなるフロントフォークであって、
ダンパ脚におけるダンパシリンダの外周に圧側絞り部材を設け、
圧側絞り部材は、ダンパシリンダの外周に取付けられる環状部と、環状部の外面の周方向に沿う複数位置のそれぞれに設けられて該環状部の軸方向に延在する複数のリブとを有し、相隣るリブの間に溝状絞り流路を形成し、
圧側行程の高ピストン速度かつ大ストローク時に、ダンパ脚における圧側絞り部材の絞り流路が油溜室の作動油に及ぼす流路抵抗に起因して生ずる圧側減衰力により、ダンパ脚のダンパで発生する圧側減衰力がスプリング脚のばね反力に対する反力不足を補うフロントフォーク。
【請求項2】
前記圧側絞り部材の絞り流路を形成するリブが、環状部の軸方向に沿う方向に傾斜して延在する傾斜リブである請求項1に記載のフロントフォーク。
【請求項3】
前記圧側絞り部材の環状部がダンパシリンダの外周に回転自在に取付けられる請求項2に記載のフロントフォーク。
【請求項4】
前記圧側絞り部材の傾斜リブが相隣る溝状絞り流路のそれぞれを形成する2個の溝壁面を両側に備えるとき、油溜室の圧側行程で加圧される側に臨む一方の溝壁面が環状部の周方向に対してなす角度を、他方の溝壁面が環状部の周方向に対してなす角度より小さくしてなる請求項2又は3に記載のフロントフォーク。
【請求項5】
前記圧側絞り部材の絞り流路を挟んで相隣る傾斜リブの相互間で、一方の傾斜リブの該絞り流路を形成する溝壁面と、他方の傾斜リブの該絞り流路を形成する溝壁面とが、環状部の軸方向視で一部重なる請求項2〜4のいずれかに記載のフロントフォーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−202702(P2011−202702A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68918(P2010−68918)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000146010)株式会社ショーワ (715)
【Fターム(参考)】