説明

ブラシレスモータを始動させる方法

【課題】ロータ位置センサの位置の公差に厳しい精度が要求されない、ブラシレスモータの始動方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ブラシレスモータを始動させる方法に関する。ブラシレスモータ(1)は、ロータ(2)と、少なくとも1つの相巻線(4)を有するステータ(3)と、ロータ位置センサ(5)を有する。上記方法は、巻線(4)を励起させ、ロータ位置センサ(5)が出力した信号を感知することを含む。信号のエッジを第1期間の間に感知した場合には、エッジに応答して、巻線(4)を整流する。信号のエッジを第1期間の間に感知しない場合には、第1期間の終了時に巻線(4)を整流し、信号を感知し、第2期間の間に感知した信号の2つのエッジのうちの第2のエッジに応答して巻線(4)を整流する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシレスモータを始動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、ブラシレスモータ1を示し、ブラシレスモータ1は、永久磁石ロータ2と、相巻線4を有するステータ3と、HALL効果センサ5を有している。ロータ2は、A〜Dで表記する4つの磁極を有し、ステータ3は、ロータ2の周りに配置された4つの凸形の極6を有している。モータ1は、一方向性であり、正転方向にのみ駆動されるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
モータ1を始動させる従来の方法は、典型的には、以下のように進行する。ロータ2が図1の停止位置にあるとき、HALL効果センサ5がロータ極Aの極性を感知していると仮定する。HALL効果センサ5が出力する信号に基づいて、正しい極性の相電流が巻線4に印加され、ロータ2は正転方向に駆動される。都合の悪いことに、ロータ2が停止位置にあるとき、HALL効果センサ5の角度位置は、ロータ2の極性の移行部に比較的近い。従って、HALL効果センサ5の位置の任意の変化により、モータ1が始動しないことがある。例えば、図2は、同じブラシレスモータ1を示すが、HALL効果センサ5の位置が僅かに右方にずれている。その結果、HALL効果センサ5は、もはやロータ極Aを感知せず、その代わりに、反対の極性のロータ極Bを感知する。結果として、初期の相電流は、間違った極性を有し、かくして、ロータ2は正転方向ではなく逆転方向に駆動される。
【0004】
従って、モータ1を始動させる従来の方法は、HALL効果センサ5の位置について比較的厳しい精度が要求されるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の側面では、本発明は、ブラシレスモータを始動させる方法を提供し、ブラシレスモータは、ロータと、少なくとも1つの相巻線を有するステータと、ロータ位置センサを有し、上記方法では、巻線を励起させ、センサが出力した信号を感知し、信号のエッジを第1期間の間に感知した場合には、エッジに応答して巻線を整流し、信号のエッジを第1期間の間に感知しない場合には、第1期間の終了時に巻線を整流し、信号を感知し、第2期間の間に感知した信号の2つのエッジのうちの第2のエッジに応答して巻線を整流する。
【0006】
巻線を励起させることにより、ロータを正転方向又は逆転方向のいずれかに回転させる。励起の間、ロータ位置センサが出力する信号を感知する。信号のエッジを第1期間の間に感知したら、ロータは正転方向に回転していると仮定する。従って、ロータを正転方向に駆動し続けるために、エッジに応答して、巻線を整流する。他方、信号のエッジを第1期間の間に感知しなければ、ロータは逆転方向に回転したと仮定する。この場合、ロータを正転方向に駆動するために、第1期間の終了時に巻線を整流する。ロータを正転方向に駆動し続けるために、ロータ位置センサが出力した信号を再び感知し、信号の2つのエッジのうちの第2のエッジに応答して巻線を整流する。その結果、センサ位置の公差に関わらず、ロータは正転方向に駆動される。実際には、ロータが停止位置にあるとき、センサの信号を感知することなしに、ロータを正転方向に駆動する。
【0007】
最初の励起により、ロータを正転方向又は逆転方向のいずれかに回転させ、すなわち、励起によって発生させたトルクは、正又は負のいずれかである。最初の励起により正の励起トルクを発生させるとき、第1期間は、ロータが静止しているときから少なくとも360/N度の機械的角度にわたって回転するのに十分な時間で終了するのがよく、Nは、ロータ極の数である。結果として、信号の各エッジがロータ極とロータ極の間の移行部に対応するとき、ロータが正転方向に回転していれば、信号のエッジは、センサ位置の任意の公差に関わらず、第1期間の間に感知されるはずである。
【0008】
第2期間は、巻線の整流後、ロータが静止状態から360/N度以上の機械的角度にわたって回転するのに十分な時間で終了するのがよく、Nはロータ極の数である。結果として、信号の各エッジがロータ極とロータ極の間の移行部に対応するとき、ロータが正転方向に回転していれば、信号の2つのエッジが第2期間の間に感知される。第2期間がこれよりも早期に終了したら、ロータが正転方向に回転する場合であっても、信号の2つのエッジを感知しない可能性がある。
【0009】
第1期間は、所定期間を励起開始後に開始させるのがよい。同様に、第2期間は、所定期間を整流後に開始させるのがよい。従って、センサが出力する信号は、励起又は整流の開始後の所定期間、効果的に無視される。従って、励起又は整流の開始時に生じる信号の任意の偽のエッジは無視される。例えば、ロータ位置センサがHALL効果センサであれば、ステータの磁界は、センサが出力する信号に影響を及ぼすことがある。しかしながら、HALL効果センサを通過するロータの磁界が相対的に弱く、例えば、ロータ極とロータ極の間の移行部にあるとき、ステータの磁界は、HALL効果センサの出力に影響を及ぼす可能性があるに過ぎない。巻線の励起又は整流の直後、ロータは、HALL効果センサを通過するロータの磁界がHALL効果センサを通過するステータの磁界よりもずっと強い位置まで回転する。その結果、ステータの磁界がHALL効果センサの出力に及ぼすことがある任意の悪影響はおそらく、短い期間でなくなるので、励起又は整流開始後の所定期間の間だけ信号を無視することによって、かかる悪影響を回避することができる。
【0010】
巻線を励起させることは、信号を感知し、論理HIGH信号に応答して巻線を第1の方向に励起させ、論理LOW信号に応答して巻線を第2の方向に励起させることを含むのがよい。ロータが非整列位置にあるとき、信号が論理HIGHであれば巻線を第1の方向に励起させ、信号が論理LOWであれば巻線を第2の方向に励起させることによって、正の励起トルクを発生させる。最初、HALL信号を感知し、その後、一般的には、巻線を正のトルクを発生させる方向に励起させることによって、ロータは、ほとんどの場合、即座に正転方向を駆動される。
【0011】
第1期間の間に信号のエッジが感知されず、且つ、第2期間の間に信号の2つのエッジが感知されなければ、このことは、ロータが正転方向に回転していないことを示唆している。従って、本発明による方法は、第2期間の間に信号の2つのエッジが感知されない場合、不良状態を発生させる。
【0012】
いったんロータが正転方向に回転したら、すなわち、第1期間の間に信号のエッジを感知した後、又は、第2期間の間に信号の2つのエッジを感知した後、本発明による方法は、引続いて、信号を感知し、信号の各エッジに応答して巻線を整流する。例えば、信号の各エッジに同期させて、巻線を整流する。変形例において、巻線の整流は、信号の各エッジに対して進めてもよいし、遅らせてもよい。
【0013】
ロータは、永久磁石を有するのがよく、ロータ位置センサは、HALL効果センサであるのがよい。HALL効果センサは、永久磁石の磁界に対して敏感である。永久磁石は、ロータコアの一部分を構成してもよいし、ステータの磁束と相互作用するロータの一部分を構成してもよい。変形例として、永久磁石は、ロータコアと分離していてもよいし、ロータの位置を指示する手段としてのみ設けられてもよい。永久磁石がロータコアの一部分を形成していれば、HALL効果センサを設けることは、ロータの位置を感知するコスト効果の高い手段を構成する。
【0014】
第2の側面では、本発明は、上記段落の任意の1つの方法を実施する制御システムを提供する。
【0015】
第3の側面では、本発明は、モータ組立体を提供し、このモータ組立体は、ブラシレスモータと、上述した制御システムを有し、ブラシレスモータは、永久磁石ロータと、単相の巻線を有するステータと、HALL効果センサを有している。
【0016】
本発明を容易に理解できるように、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を以下に例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ブラシレスモータの断面図である。
【図2】HALL効果センサを右にずらした、図1のブラシレスモータの断面図である。
【図3】本発明によるモータ組立体の図である。
【図4】機械的な1サイクルにわたるモータ組立体の変動トルク、逆起電力、及びHALL信号の波形の図である。
【図5】モータ組立体のロータの2つの停止位置を示す図である。
【図6】モータを始動させるためにモータ組立体によって実施される方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図3のモータ組立体10は、ブラシレスモータ1と、制御システム11を有している。
【0019】
モータ1は、図1に示すものと同じであり、永久磁石ロータ2と、相巻線4を有するステータ3と、HALL効果センサ5を有している。
【0020】
永久磁石ロータ2は、A〜Dで示す4つの磁極を有し、ステータ3は、ロータ3の周りに配置された4つの凸形の極6を有している。
【0021】
HALL効果センサ5は、ステータ3のスロット開口内に配置され、永久磁石ロータ2の磁界を感知可能である。HALL効果センサ5は、デジタル信号「HALL」を出力し、このデジタル信号は、HALL効果センサ5を通る磁束の方向に応じて、論理的にHIGH又はLOWである。従って、HALL信号の各エッジは、永久磁石ロータ2の極性の変化を表す。
【0022】
制御システム11は、モータ1の駆動を行うことができ、インバータ12と、ゲートドライバモジュール13と、コントローラ14を有している。
【0023】
インバータ12は、巻線4をDC電圧に接続する4つのパワースイッチQ1〜Q4のフルブリッジを備える。
【0024】
ゲートドライバモジュール13は、コントローラ14からの制御信号に応答してスイッチQ1〜Q4の開閉を行う。
【0025】
コントローラ14は、2つの制御信号DIR1、DIR2をゲートドライバモジュール13に出力する。DIR1及びDIR2は、インバータ12、従って巻線4を通る電流の方向を制御する。DIR1が論理HIGHにプルされ且つDIR2が論理LOWにプルされると、ゲートドライバモジュール13は、スイッチQ1及びQ4を閉じて、スイッチQ2及びQ3を開き、かくして、巻線4の中を左から右に流れる電流を生じさせる。逆に、DIR2が論理HIGHにプルされ且つDIR1が論理LOWにプルされると、ゲートドライバモジュール13は、スイッチQ2及びQ3を閉じ且つスイッチQ1及びQ4を開き、かくして、巻線4の中を右から左に流れる電流を生じさせる。従って、巻線4の電流は、DIR1及びDIR2を逆にすることによって整流される。DIR1及びDIR2の両方が論理LOWにプルされると、ゲートドライバモジュール13は、全てのスイッチQ1〜Q4を開く。以下、用語「セット」及び「クリア」はそれぞれ、信号が論理HIGH及び論理LOWにプルされたことを表すのに使用する。
【0026】
モータ1は、一方向性であり、正転方向にのみ駆動されるように構成されている。図1に示す特定の実施例において、モータ1は時計回りに駆動されるように構成されている。
【0027】
ステータ極6とロータ2との間の隙間は非対称である。その結果、変動(コギング)トルクのゼロ交差点は逆起電力のゼロ交差点に対してオフセットしている。その結果、ロータ2が静止しているとき、ロータ2は、励起トルクがゼロではない位置で停止し、かくして、ロータ2を始動させることができる。図4は、ロータ2の機械的な1回転にわたる変動トルク、逆起電力、及びHALL信号の波形を示す。
【0028】
図5は、ロータの2つの可能な停止位置を示す。各停止位置は、変動トルクのゼロ交差点に対応し、それらを図4においてP及びQで表記する。一般的に、停止位置Pは、安定停止位置と呼ばれ、停止位置Qは、不安定停止位置と呼ばれる。停止位置Qは、不安定であるが、それにもかかわらず、ロータ2は、例えばロータ2の摩擦によりこの位置に停止することがある。HALL効果センサ5は、理想的には、ロータ2がどちらかの位置に停止したときにHALL効果センサ5がロータ極Aの極性を感知するようにスロット開口内に配置される。しかしながら、HALL効果センサ5の位置の公差のため、HALL効果センサ5は、位置Pに停止したときのロータ極Bの極性を感知することがある。
【0029】
コントローラ14は、モータ1を始動させ、それに続いてモータを駆動するように作動する。
【0030】
従来、コントローラ14は、以下の方法で、モータ1を始動させることを試行する。最初、コントローラ14はHALL信号を感知する。コントローラ14は、ロータ2が位置P、Qのいずれに停止しているかに関わらず、HALL効果センサ5がロータ極Aの極性を感知していると仮定する。従って、HALL信号に基づいて、コントローラ14は、正の励起トルクを発生させる方向に巻線4を励起させる。ロータ2が位置Qに停止しているとき、HALL効果センサ5は、HALL効果センサ5の位置の公差に関わらず、ロータ極Aの極性を感知する。従って、ロータ2が位置Qに停止しているとき、励起トルクの極性は正であり、ロータ2は正転方向に駆動される。これに対して、ロータ2が位置Pに停止しているとき、HALL効果センサ5は、ロータ極Aを感知することもあるし、ロータ極Bの極性を感知することもある。HALL効果センサ5がロータ極Aの極性を感知していれば、励起トルクの極性は正であり、ロータ2は正転方向に駆動される。他方、HALL効果センサ5がロータ極Bの極性を感知していれば、励起トルクの極性は負であり、ロータ2は逆転方向に駆動される。
【0031】
ロータ2が逆転方向に駆動されるならば、ロータ2は、励起トルクが変動トルクと釣合う位置、即ち、励起トルクの大きさが変動トルクと等しいが向きが反対である整列位置で停止する。その後、ロータ2はもはや動いていないので、HALL効果センサ5は、ロータ2の極性の更なる変化を感知できず、かくして、コントローラ14は、不良状態が発生したと仮定することになる。
【0032】
この問題を回避するモータ1の始動方法を、図6を参照して次に説明する。
【0033】
最初、S20において、コントローラ14は、HALL信号を感知する。S21において、コントローラ14は、HALL信号に基づいて、正の励起トルクを発生させるように巻線4を励起させる。従って、例えば、HALL信号が論理HIGHであるとき、巻線4は、左から右に励起され、HALL信号が論理LOWであるとき、巻線4は右から左に励起される。
【0034】
S22において、コントローラ14は、励起中に引き続きHALL信号を感知する。S23において、HALL信号のエッジを第1所定期間内に感知すると、S24において、コントローラ14は、エッジに応答して巻線4を整流する。第1所定期間は、励起の開始から始まり、励起トルクが正のとき、ロータ2が静止状態から少なくとも90度の機械的角度にわたって回転するのに十分な時間の後に終了する。少なくとも90度の機械的角度にわたって回転することによって、正転方向に回転しているとき、HALL効果センサ5は、ロータ2の極性の移行部を感知する。その結果、S23において、コントローラ14がHALL信号のエッジを第1所定期間に感知したら、ロータ2は正転方向に回転していると仮定される。従って、コントローラ14は、S24において、HALL信号のエッジに応答して巻線4を整流し、それにより、正の励起トルクを維持し、結果的にロータ2の正転方向を維持する。
【0035】
S23において、HALL信号が第1所定期間に感知されないならば、コントローラ14は、以下の一連のステップを実行する。最初、S25において、コントローラ14は、巻線4を第1所定期間の終了時に整流する。次に、S26において、コントローラ14は、HALL信号を感知する。コントローラ14は、HALL信号の第1のエッジに応答して、巻線4を同じ方向に励起し続け、すなわち、整流は行われない。S28において、コントローラ14は、HALL信号の第2のエッジに応答して、巻線を整流する。S27において、コントローラ14がHALL信号の2つのエッジを第2所定期間に感知しなかったならば、S29において、コントローラ14は、不良状態を発生させ、全てのパワースイッチQ1〜Q4を開放する。
【0036】
S23において、HALL信号のエッジが第1所定期間に感知されなかったならば、最初の励起が負のトルクを発生させ且つロータ2が逆回転して整列位置、すなわち、励起トルクと変動トルクが釣合う位置で停止していると仮定する。従って、S25において、コントローラ14は、正の励起トルクを発生させてロータ2を正転方向に駆動するために、巻線4を第1所定期間の終了時に整流する。負の励起は、ロータ2が位置Pに停止し且つHALL効果センサ5がロータ極Bを感知するときにだけ起こると仮定される。従って、ロータ2が整列位置から正転方向に駆動されるとき、HALL効果センサ5は、最初、ロータ極Bとロータ極Aの間の移行部を感知する。コントローラ14がHALL信号の最初のエッジに応答して巻線4を整流するのであれば、結果として得られた励起トルクは負であり、ロータ2は、整列位置まで戻されるように駆動される。従って、コントローラ14は、HALL信号の最初のエッジに応答して、巻線4を同じ方向に励起し続ける。ロータ2が90度の機械的角度にわたって更に回転した後、HALL効果センサ5は、ロータ極Aとロータ極Dの間の移行部を感知する。コントローラ14は、このHALL信号の第2のエッジに応答して、巻線28を整流し、それにより、正の励起トルクを維持し、結果的にロータ2の正転方向駆動を維持する。
【0037】
第2所定期間は、励起トルクが正であるとき、整流の時点から始まり、ロータ2が静止しているとき(例えば、整列位置にあるとき)から180度の機械的角度にわたって回転するのに十分な時間の後で終了する。その結果、ロータ2が整列位置から正転方向に駆動されば、HALL信号の2つのエッジは、第2所定期間内に感知されるはずである。
【0038】
ロータ2が整列位置で停止しているとき、ロータ極Aとロータ極Bの間の移行部とHALL効果センサ5を分ける機械的角度は一般に小さい。図1に示すモータについて、この角度は、約4度の機械的角度である。従って、HALL効果センサ5の位置の公差を考慮したとしても、HALL信号の第1のエッジは、比較的小さい機械的角度、すなわち、90度未満の機械的角度の後必ず感知される。従って、第2所定期間は、上述したときよりも早く終了することがある。それにも関わらず、HALL信号の2つのエッジを感知するために、第2所定期間は、ロータ2が静止しているときから90度の機械的角度よりも大きい角度にわたって回転するのに十分な時間の後で終了しなければならない。
【0039】
ロータ2が静止しているときから90度の機械的角度にわたって回転するのに必要とされる時間は、最終的には、モータ1の設計に依存し、かかる設計は、例えば、ロータ2の直径、モータ1の磁束鎖交特性、DC電圧の大きさである。また、この時間はある程度、モータ1内の公差に依存し、かかる公差は、例えば、HALL効果センサ5の位置、ロータ極の磁化バランスである。従って、第1所定期間及び第2所定期間の長さは、モータ1の設計及び公差に依存する。
【0040】
モータ1を停止位置P、Qから始動させる方法の作動を以下に詳細に説明する。この説明のために、HALL効果センサ5がロータ極A、Cを感知しているときのHALL信号が論理HIGHであり、HALL効果センサ5がロータ極B、Dを感知しているときのHALL信号が論理LOWであると仮定する。更に、巻線4が左から右に励起され且つHALL信号が論理HIGHであるとき、又は、巻線4が右から左に励起され且つHALL信号が論理LOWであるとき、一般的に正の励起トルクを発生させると仮定する。
【0041】
ロータ2が位置Qで停止しているとき、HALL効果センサ5は、ロータ極Aを感知し、かくして、HALL信号は論理HIGHである。コントローラ14は、論理HIGHのHALL信号に応答して、巻線4を左から右に励起させるために、DIR1をセットし且つDIR2をクリアする。結果として得られた励起は、ロータ2を正転方向(つまり、時計回り)に駆動する正のトルクを発生させる。約45度の機械的角度にわたって回転した後、ロータ極Aとロータ極Dの間の移行部は、HALL効果センサ5を通り過ぎる。結果として得られるHALL信号のエッジは、第1所定期間に生じる。その結果、コントローラ14は、上記エッジに応答して、巻線4を右から左に励起させるために、DIR1をクリアし且つDIR2をセットすることによって、巻線4を整流する。HALL信号のエッジに応答して巻線4を整流することによって、正の励起トルクが維持され、かくして、ロータ2は正転方向に駆動され続ける。
【0042】
ロータ2が位置Pで停止しているとき、HALL効果センサ5は、ロータ極A又はロータ極Bのいずれかを感知する。最初、HALL効果センサ5がロータ極Aを感知している場合を考える。コントローラ14は、論理HIGHのHALL信号に応答して、巻線4を左から右に励起させるために、DIR1をセットし且つDIR2をクリアする。結果として得られた励起は、ロータ2を正転方向(つまり、時計回り)に駆動する正のトルクを発生させる。90度よりも小さい機械的角度にわたる回転の後、ロータ極Aとロータ極Dの間の移行部は、HALL効果センサ5を通り過ぎる。各ロータ極は90度の機械的角度にわたって延びているので、ロータ極Aとロータ極Dの間の移行部は、90度以内の機械的角度で生じるのが当然である。従って、結果として得られたHALL信号のエッジは、第1所定期間内に起こる。コントローラ14は、HALL信号のエッジに応答して巻線4を右から左に励起させるために、DIR1をクリアし且つDIR2をセットすることによって、巻線4を整流する。従って、正の励起トルクが維持され、ロータ2は、正転方向に駆動され続ける。
【0043】
HALL効果センサ5がロータ極Bを感知している場合を考える。コントローラ14は、論理LOWのHALL信号に応答して、巻線4を右から左に励起させるために、DIR1をクリアし且つDIR2をセットする。結果として得られた励起は、ロータ2を逆転方向(つまり、反時計回り)に駆動する負のトルクを発生させる。ロータ2は、負の励起トルクが正の変動トルクと釣合う整列位置で止まる。従って、HALL信号のエッジは、第1所定期間に感知されない。その結果、コントローラ14は、第1所定期間の終了時、巻線4を左から右に励起させるために、DIR1をセットし且つDIR2をクリアすることによって巻線4を整流する。結果として得られた正の励起トルクは、ロータ2を正転方向(つまり、時計回り)に駆動する。比較的小さい機械的角度にわたる回転の後、ロータ極Bとロータ極Aの間の移行部は、HALL効果センサ5を通り過ぎる。コントローラ14は、結果として得られたHALL信号のエッジを無視して、巻線4を同じ方向、つまり左から右の方向に励起し続ける。その結果、正の励起トルクが維持され、ロータ2は正転方向に駆動され続ける。ロータ2が更に90度の機械的角度にわたって回転した後、ロータ極Aとロータ極Dの間の移行部は、HALL効果センサ5を通り過ぎる。コントローラ14は、巻線を右から左に励起させるために、HALL信号の第2のエッジに応答してDIR1をクリアし且つDIR2をセットすることによって、巻線4を整流する。HALL信号の第2のエッジに応答して巻線4を整流することによって、正の励起トルクが維持され、ロータ2は正転方向に駆動され続ける。
【0044】
従って、コントローラ14は、ロータ2の停止位置に関わらず、且つ、HALL効果センサ5の位置の公差に関わらず、モータ1を始動させることができる。
【0045】
いったんモータ1を始動させて、ロータ2を正しく正転方向に回転させたら、コントローラ14は、モータ1を加速させたりその他の方法で駆動させたりするために、従来の方法を採用してもよい。例えば、モータ1を始動させた後、コントローラ14は、モータ1を加速させるために、HALL信号のエッジに同期して巻線4を整流する。
【0046】
本出願人は、モータ1を始動させるための代替方法を元々考えていた。しかしながら、代替方法は、モータ1が特定の状況で始動できないという特有の問題があった。上述した方法は上記問題を解決するので、代替方法及びその問題点を説明することは価値があると思われる。
【0047】
モータ1を始動させるための代替方法は以下のように進む。最初、コントローラ14は、HALL信号を感知する。コントローラ14は、HALL信号に基づいて、負の励起トルクを発生させるように巻線4を励起させる。所定時間後、コントローラ14は、HALL信号を再び感知し、正の励起トルクを発生させるように巻線4を励起させる。これについて、巻線4の整流を伴っていてもよいし、伴っていなくてもよい。モータ1を停止位置P、Qから始動させる代替法の作動を以下に検討する。
【0048】
ロータ2が位置Qに停止しているとき、HALL効果センサ5は、ロータ極Aを感知し、かくして、初期の励起トルクは負である。従って、ロータ2は、逆転方向に駆動され、整列位置で停止する。所定期間の終了時、HALL効果センサ5は、ロータ極Aを感知し続け、かくして、巻線5は整流され、正の励起トルクを発生させる。その結果、ロータ2は、正転方向に駆動される。
【0049】
ロータ2が位置Pに停止し且つHALL効果センサ5がロータ極Bを感知しているとき、初期の励起トルクは、負ではなくて正である。その結果、ロータ2は、正転方向に駆動される。所定期間、ロータ極Bとロータ極Aの間の移行部は、HALL効果センサ5を通る。従って、所定期間の終了時、HALL効果センサ5は、ロータ極Aを感知する。従って、コントローラ14は、正の励起トルクを発生させるように巻線4を同じ方向に励起し続け、ロータ2を正転方向に駆動し続ける。
【0050】
ロータ2が位置Pに停止し且つHALL効果センサ5がロータ極Aを感知しているとき、潜在的な問題が起こる。初期の励起トルクは負であり、したがって、ロータ2は、逆転方向に駆動されて整列位置で停止する。所定期間の終了時、コントローラ14は、HALL信号を再び感知する。残念ながら、HALL効果センサ5の位置の公差のため、ロータ2が整列位置で止まる場合に、センサ5はロータ極Aを感知することもあるし、ロータ極Bを感知することもある。HALL効果センサ5がロータ極Aを感知していれば、コントローラ14は、正の励起トルクを発生させるように巻線4を整流し、かくして、ロータ2を正転方向に駆動する。しかしながら、HALL効果センサ5がロータ極Bを感知していれば、コントローラ14は、巻線4を同じ方向に励起し続け、かくして、ロータ2は、整列位置から移動しない。
【0051】
本発明の方法は、上記課題を解決し、ロータ2の停止位置に関わらず且つHALL効果センサ5の位置の公差に関わらず、モータ1を首尾よく始動させることができる。
【0052】
HALL効果センサ5は、ロータ2の磁界に加えて、巻線4が励起されたときにステータ3によって発生した磁界に対して敏感である。理想的には、HALL効果センサ5は、それがステータ3の磁界に対してほぼ鈍感であるように、ステータ3の磁力線に対して平行な向きに配置される。しかしながら、HALL効果センサ5の位置及び向きの公差のため、HALL効果センサ5がステータ3の磁界に対して敏感であることがある。結果として、HALL信号は、巻線4が励起されたり整流されたりするときに変化することがある。この場合、コントローラ14は、HALL信号の変化をロータ2の極性の移行部として間違って解釈し、モータ1は始動しない。
【0053】
HALL効果センサ5の向きのため、HALL効果センサ5は、ロータ2の磁界に対してより敏感である。従って、ロータ2の磁界が比較的に弱いときだけ、すなわち、ロータ極とロータ極の間の移行部のときだけ、ステータ3の磁界がHALL信号に影響を与える傾向がある。従って、例えば、ロータ2が位置Pに停止しているとき、最初の巻線4の励起により、HALL信号を変化させることがある。同様に、ロータ2が整列位置にあるとき、巻線4の整流により、HALL信号を変化させることがある。両方の場合において、コントローラ14は、HALL信号の変化をロータ2の極性の移行部として間違って解釈する。このことが起こらないように、コントローラ14は、以下に説明するように、巻線4の励起又は整流の直後に起こる任意のHALL信号のエッジを無視する。
【0054】
ロータ2が位置Pに停止しているとき、HALL効果センサ5は、ロータ極A又はロータ極Bを感知する。これから説明する挙動は、両方のロータ極に対して同じであるので、HALL効果センサ5がどちらのロータ極を感知しているかは重要でない。以下の説明のために、HALL効果センサ5がロータ極Aを感知していると仮定する。従って、HALL信号は、最初、論理HIGHである。次に、コントローラ14は、ロータ2を正転方向に駆動するように巻線4を整流する。HALL効果センサ5を通過するロータ2の磁界が比較的弱いので、結果として得られたステータ3の磁界は、HALL信号を論理HIGHから論理LOWに変化させる。HALL信号のこの変化は、コントローラ14によって無視され、かくして、ロータ2は、正の励起トルクによって正転方向に駆動される。ロータ2が回転するとき、HALL効果センサを通過するロータの磁界の強度は増大する。比較的短い期間の後、HALL効果センサ5を通過するロータの磁界は、HALL効果センサ5を通過するステータ3の磁界に勝つ。結果として、HALL信号は再び変化し、今回は、論理LOWから論理HIGHへの変化である。コントローラ14は、このHALL信号の変化を再び無視する。従って、比較的短い期間の後、HALL信号は元の値に戻される。HALL信号を励起後の短い期間だけ無視することによって、ステータ3の磁界がHALL信号に及ぼす任意の悪影響が防止される。従って、コントローラ14は、励起開始後のセット期間を開始させる第1所定期間を採用する。
【0055】
同じ挙動(すなわち、HALL信号の2つのエッジが短期間に連続すること)は、ロータ2が整列位置に停止しているとき、巻線4を整流した直後に観測されることがある。従って、コントローラ14は、整流後の短い期間に起こる任意のHALL信号のエッジを無視する。従って、第2所定期間は、もはや整流の時点から開始せず、その代わりに、整流後のセット期間を開始させる。
【0056】
第1所定期間及び第2所定期間が開始するセット期間は、最終的には、モータの設計に依存し、かかる設計は、例えば、HALL効果センサ5の位置の及び向きの公差、ロータ2の磁界強度、励起中のステータ3の磁界強度、励起中にロータ2が回転する角速度等である。
【0057】
モータ1の回転を開始させた後、ステータ3の磁界は、ロータ極の移行部のところで、HALL信号に影響を及ぼし続けるのがよい。この影響の正味の効果は、HALL信号の各エッジが、逆起電力のゼロ交差点に対して僅かにずれることである。従って、この効果は、HALL効果センサ5の位置の公差により生じる効果と同様である。
【0058】
図6に示し且つ上述した方法は、HALL信号を感知することによって開始する。HALL信号に基づいて、巻線4を、正の励起トルクを発生させる方向に励起させる。しかしながら、HALL信号を感知する最初のステップは、省略してもよく、本発明による方法は、単に巻線4を特定の方向に励起させることによって開始してもよい。上述したように、ロータ2が位置Qに停止しているとき、HALL効果センサ5は、常にロータ極Aを感知し、ロータ2が位置Pで停止しているとき、ほとんどのモータについて、HALL効果センサ5は、ロータ極Aを感知する。従って、ほとんどの場合、HALL信号を感知し、その後、巻線4を正のトルクを発生させる方向に励起させることによって、ロータ2は即座に正転方向に駆動される。
【0059】
過大な相電流は、パワースイッチQ1〜Q4に損傷を与えたり、ロータ2を消磁させたりすることがある。従って、制御システム11は、巻線4内の相電流の大きさを制限する電流制御部を採用するのがよい。かくして、巻線4の励起を参照すれば、巻線4を励起させるのに使用されるDC電圧はチョッパ駆動されてもよいことを理解すべきである。
【0060】
上述した実施形態において、ロータ2の位置は、HALL効果センサ5を用いて感知される。しかしながら、他のタイプのセンサが、ロータ2の位置を感知するのに等しく使用されてもよい。例えば、センサは、光学エンコーダの形態を有し、光学エンコーダは、ロータ2に取付けられたエンコーダディスクと、光学センサを有する。エンコーダディスクは、4つのセグメントを有し、各セグメントは、ロータ2の極に対応する。この場合、光学センサは、エンコーダディスクの各セグメントと一緒に変化するデジタル信号を出力する。
【0061】
ロータ2の位置を感知するのにHALL効果センサ以外のセンサを使用してもよいので、ロータ2は、永久磁石を含む必要はない。従って、モータ1は、非永久磁石ロータを有するリラクタンスモータであってもよい。
【0062】
かくして、単一の相巻線4と、4つのロータ極A〜Dと、4つのステータ極6を有するブラシレスモータ1を参照した。しかしながら、上述した方法は、複数の相巻線及び/又はそれよりも多い又は少ない数のロータ極及びステータ極を有するモータを始動させるのに等しく使用されてもよい。
【0063】
モータが複数の相巻線を有する場合、すべての相巻線が一度に励起されるわけではないことを理解すべきである。従って、巻線を励起させることを言うとき、正又は負のトルクを発生させる相巻線だけが励起されることを理解すべきである。同様に、巻線を整流することを言うとき、相巻線の励起が切替えられることを理解すべきであり、かかる切替えは、ロータが正転方向に回転していれば、正のトルクを維持するように行われ、ロータが整列位置で停止すれば、トルク極性を逆にするように行われる。
【0064】
第1所定期間を、励起トルクが正であるときにロータ2が静止しているときから90度の機械的角度にわたって回転するのに十分な時間で終了する期間として説明した。この期間は、各ロータ極が90度の機械的角度の間隔で配置される4極ロータ2に適している。他の数のロータ極を有するモータについて、第1所定期間は、ロータが静止しているときから少なくとも360/N度の機械的角度にわたって回転するのに十分な時間で終了し、Nはロータ極の数である。同様に、第2所定期間は、ロータが静止しているときから360/N度以上の機械的角度にわたって回転するのに十分な時間で終了する。
【符号の説明】
【0065】
1 ブラシレスモータ
2 ロータ
3 ステータ
4 相巻線
5 HALL効果センサ(ロータ位置センサ)
10 モータ組立体。
11 制御システム
A〜D 磁極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシレスモータを始動させる方法であって、
前記ブラシレスモータは、ロータと、少なくとも1つの相巻線を有するステータと、ロータ位置センサとを有し、前記方法は、
巻線を励起させ、
前記ロータ位置センサが出力した信号を感知し、
前記信号のエッジを第1期間の間に感知した場合には、前記エッジに応答して、前記巻線を整流し、
前記信号のエッジを前記第1期間の間に感知しない場合には、前記第1期間の終了時に前記巻線を整流し、前記信号を感知し、第2期間の間に感知した前記信号の2つのエッジのうちの第2のエッジに応答して前記巻線を整流する、ことを含む方法。
【請求項2】
前記ロータはN個の極を有し、
前記巻線を励起させて正の励起トルクを発生させるとき、前記第1期間は、前記ロータが静止状態から少なくとも360/N度の機械的角度にわたって回転するのに十分な時間で終了する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロータはN個の極を有し、
前記第2期間は、前記第1期間の終了時に前記巻線を整流した後、前記ロータが静止状態から360/N度よりも大きい機械的角度にわたって回転するのに十分な時間で終了する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1期間は、励起の開始後の所定期間内に開始する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2期間は、整流の開始後の所定期間内に開始する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記巻線を整流することは、前記信号を感知し、論理HIGH信号に応答して前記巻線を第1の方向に励起させ、論理LOW信号に応答して前記巻線を第2の方向に励起させることを含み、
前記ロータが非整列位置にあるとき、論理HIGH信号であれば前記巻線を第1の方向に励起させ、論理LOW信号であれば前記巻線を第2の方向に励起させることにより、正の励起トルクを発生させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記信号の2つのエッジが前記第2期間の間に感知されないとき、不良状態を発生させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
引続いて、前記信号を感知し、前記信号の各エッジに応答して、前記巻線を整流する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ロータは、永久磁石を有し、前記ロータ位置センサは、HALL効果センサである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法を実行する、ブラシレスモータのための制御システム。
【請求項11】
ブラシレスモータと、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法を実行する制御システムとを有し、前記ブラシレスモータは、永久磁石ロータと、単相の巻線を有するステータと、HALL効果センサとを有する、モータ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−90573(P2013−90573A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−239580(P2012−239580)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【Fターム(参考)】