ブレーキバンド、換気ディスクブレーキディスクおよびディスクブレーキディスクの中子を製造するための中子型
【課題】 ブレーキバンド、換気ディスクブレーキディスクおよびディスクブレーキディスクの中子を製造するための中子型を提供することである。
【解決手段】 ディスクブレーキディスク(10)に使用されるブレーキバンド(14)は、軸(Z−Z)と同軸状であり、互いに対面する2つのプレート(16、18)を備えている。前記プレート(16、18)は、柱状要素(24、26、28)が、前記プレートを連結するために、横切って延在する対面する表面(22)を有し、前記柱状要素は、スペース(20)内に一様に分配されるように、前記プレートと同心状の円形リング、あるいは、列に分配され、ブレーキバンド(14)の内側の列に配置される前記柱状要素(24、26)は、菱形の横断面を有している。前記バンドの内側の列にある柱状要素の菱形の横断面は、流れ方向を横切る軸に対して相称的である。
【解決手段】 ディスクブレーキディスク(10)に使用されるブレーキバンド(14)は、軸(Z−Z)と同軸状であり、互いに対面する2つのプレート(16、18)を備えている。前記プレート(16、18)は、柱状要素(24、26、28)が、前記プレートを連結するために、横切って延在する対面する表面(22)を有し、前記柱状要素は、スペース(20)内に一様に分配されるように、前記プレートと同心状の円形リング、あるいは、列に分配され、ブレーキバンド(14)の内側の列に配置される前記柱状要素(24、26)は、菱形の横断面を有している。前記バンドの内側の列にある柱状要素の菱形の横断面は、流れ方向を横切る軸に対して相称的である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキバンドと、換気ディスクブレーキディスクとに関し、特に、独占的に、自動車分野において適用されるものではない。
【0002】
本発明の別の態様は、ディスクブレーキディスクの中子を製造するための中子型に関する。
【0003】
周知のように、上記に明記されるタイプのディスクは、2つの同軸状部分によって構成されている。第1の部分である支持用ベル状体は、自動車の車輪のハブに連結するためのものであり、そして、残りの周辺部分である、いわゆるブレーキバンドは、自動車にブレーキ力をかけるために、ディスクブレーキのキャリパと協働するためのものである。
【0004】
より詳細には、本発明は、いわゆる換気ディスクに、すなわち、ブレーキバンドが、スペースを形成するように間隔をおいて配置されている2つの対面する同軸状のプレートによって構成されているディスクに関する。2つのプレートは、2つのプレート間のスペースを延通する柱状要素によって連結されている。換気ダクトは、従って、それらのプレート間に作成され、空気は、ブレーキバンドの内側から外側に向う方向にダクトを通って流れ、その結果、ブレーキ操作を行う毎に、バンドに生成される熱を環境に放散する助けをする。
【背景技術】
【0005】
様々の形状で、様々なサイズで、ブレーキバンドにおけるスペース周りに様々に分配される柱状要素は、周知である。柱状要素が五の目型の配置で、3列状態であるディスクブレーキディスクは、周知である。しかも、スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域においてとられる各柱状要素の横断面の形状は、列毎に変わる。特に、内側の列の要素は、ブレーキバンドの外側に向かって先細になっている横断面を有している。
【0006】
このタイプのディスクは、例えば、米国特許第4,865,167号に記述されている。
【0007】
ブレーキバンドの内部に向かって円くなっている異なる半径方向範囲の柱状要素を有するディスクも周知である。このタイプのディスクは、例えば、米国特許第6,152,270号に記述されている。
【0008】
柱状要素が設けられている他のディスクは、欧州特許出願第0318687号、同第0989321号およびドイツ特許出願第4210449号から周知である。
【0009】
これらの周知のディスクは、ある観点では十分であるが、それらは、かなりの不都合な点を有している。
【0010】
第1に、不十分な換気効率、すなわち、換言すれば、不十分な冷却能力が、ブレーキバンドに存在するスペースの内側の気流に示される抵抗により留意され、その抵抗は、プレートを連結する要素の周知の形状によって引き起こされる。
【0011】
しかも、熱応力に対する、極端な場合、機械応力に対するブレーキバンドの不十分な抵抗が留意され、この不十分な抵抗は、主に、プレートを連結する要素の周知の幾何学的図形配置によって引き起こされる。
【0012】
さらに、周知のように、ディスクブレーキディスクは、鋳造によって製造され、そして、2つのプレート間の換気ダクトは、中子を使用して、鋳造の間に形成される。その中子は、順番に、中子砂、すなわち、砂および樹脂の集魂を中子型に注入することで形成される。
【0013】
その中子型は2つの半割貝によって構成され、2つの半割貝は、この結合されるとき、それらの内側に、数ある中で、ディスクの内部構造を、特に、2つのプレート間のスペースを再生するキャビティを画定する。この2つの半割貝は、その結果として、ディスクが鋳造されるとき、2つのプレートを連結する柱形状要素を形成する中子の中にキャビティを画定する突出要素を有する。
【0014】
中子を製造する間、中子砂は、最も内側の直径から最も外部の直径に流動されることによって、2つの結合された半割貝の中に注入される。砂は、2つのプレート間のスペースを画定するキャビティを通って流動し始めるとき、突出要素、特に、内側の列は、その結果として、砂の流れへの妨害を引き起こす。
【0015】
中子鋳造ステップは、その結果、上述の妨害のために、重大である。実際に、最も外部の柱状要素の近くにある、特に、ディスクに対して外方に対面する領域にある砂は、溶融金属の鋳造に耐えるのに必要な密集状態を有していない。鋳造の間、溶融金属は、実際に、中子の密集の少ない領域の根元を削り取り、それらを置き換え、さらなる処理ステップとディスクの操作とに不都合に影響を及ぼす望ましくない隆起を生じさせる。
【0016】
その隆起は、ディスクがグリップされ、プレート間のスペース内に挿入される要素を制止することによって位置される第1に続く処理ステップに妨害を引き起こすことがある。しかも、その隆起により、例えば、ディスクの質量がアンバランスとなり、そのために、大量の材料が、処理サイクルの最後におけるバランス工程において取り除かれる必要がある。最後に、そのディスクが使用されるとき、これらの隆起の存在が、換気ダクトを通る気流に対する妨害を構成することがあり、冷却効率の減少が結果として生じ、流れが妨害される。
【0017】
上述の不利な点を防止するために、ディスクブレーキディスクの鋳造の間に実質的に使用される中子のすべての部分における正確な程度の密集状態を達成するためのこの分野における特別の必要条件があるということは、前述のことから明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第4,865,167号明細書
【特許文献2】米国特許第6,152,270号明細書
【特許文献3】欧州特許出願第0318687号
【特許文献4】欧州特許出願第0989321号
【特許文献5】ドイツ特許出願第4210449号
【発明の概要】
【0019】
本発明の目的は、上述の必要条件を満たし、同時に、先行技術に関して述べられている問題点を防止するブレーキバンド、換気ディスクブレーキディスクおよびディスクブレーキディスクの中子を製造するための中子型を考案し、提供することである。
【0020】
この目的は、請求項1に記載のディスクブレーキディスクのためのブレーキバンドによって、請求項19に記載の換気ディスクブレーキディスクによって、そして、請求項22に記載のディスクブレーキディスクの中子を製造する中子型によって達成される。
【0021】
本発明によるバンド、ディスクおよび中子型のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照にして、限定されることのない例として示されている好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるディスクブレーキディスクの部分断面斜視図である。
【図2】図1のディスクの部分的に切断された正面図である。
【図3】図2の線III−IIIについてのディスク全体の断面図である。
【図4】図3のディスクの可能な変形の断面図である。
【図5】本発明による中子型の直径の断面図である。
【図6】異なる操作状態における図5の中子型を示す。
【図7】図5および図6の中子型によって製造される中子の直径の断面図である。
【図8】鋳造による製造の段階でのディスクブレーキディスクを直径の断面図で示している。
【図9】中子型の詳細な部分断面斜視図である。
【図10】図9の詳細な部分断面側面図である。
【図11】中子型の第2の詳細な部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
上述の図面を参照すると、本発明によるディスクブレーキディスク、特に、自動車などの車両のディスクブレーキ(図示せず)に使用される、いわゆる換気ディスクは、概して10で示されている。そのディスク10は、ほぼ円形であり、図面においてZ−Zで示される軸周りに延在している。
【0024】
このディスク10は、支持用のベル状体12と、そのベル状体12と同軸のブレーキバンド14とを備えている。
【0025】
車両にブレーキ力をかけるために、ディスクブレーキキャリパと協働するように意図されるブレーキバンド14は、軸Z−Zと同軸状に配置される第1のプレート16と第2のプレートとを備えている。この第1のプレート16は、ベル状の支持体12と同じ側にあり、第2のプレート18は、反対側にある。
【0026】
2つのプレートは、互いに対面し、気流が、ディスクの回転中に、軸Z−Zからブレーキバンド14の外側に向けて生じるスペース20を形成するために、間隔をおいて配置されている。
【0027】
この2つのプレートは、やはり、通常ピンとして知られている柱状要素24、26、28が、横切って延在する対面する表面22を有している。
【0028】
柱状要素は、2つのプレートを連結するために延在している。特に、第1のプレートには、支持用のベル状体12が連続して形成され、第2のプレート18は、柱状要素によって第1のプレートに連結されている。
【0029】
柱状要素は、プレートの対面する表面22周りに一様に分配され、示されている実施形態において、内側の列、すなわち、軸Z−Zに最も接近する列と、中間の列と、外側の列、すなわち、軸Z−Zから最も遠い列とに対応する3つの同心状の円形リング、あるいは、列に分割されている。記述を簡素にするために、内側の列の柱状要素は24で示し、中間の列の柱状要素は26で示し、最後に、外側の列の柱状要素は28で示す。
【0030】
1つの実施形態によれば、柱状要素は、1つ以上の中間の列(中間の柱状要素26)、例えば、内側の列(内側の柱状要素24)と外側の列(外側の柱状要素28)との間に配置される2つの中間の列を備えている。
【0031】
内側の列の柱状要素24は、軸Z−Zに対面するブレーキバンド14の縁部の付近に配置される柱状要素を構成する。スペース内の気流方向にほぼ平行な領域内のこれらの柱状要素のそれぞれの横断面は、軸Z−Zに向かって先細になっている。より詳細には、柱状要素は、プレートの軸Z−Zの方と、ブレーキバンド14の外側の方との両方に向かって先細になっており、ほぼ菱形の横断面を形成している。
【0032】
1つの実施形態によれば、内側の列と少なくとも1つの中間の列とを意味するバンドの内側の列に配置されている柱状要素24、26は、菱形の横断面を有し、横断面とは、さらに以下に記述されるように、スペース20を通る気流方向にほぼ平行な領域において熟考される断面を意味している。
【0033】
菱形の横断面は、4つの少なくとも部分的に平坦な側を有する横断面である。菱形の横断面を有する柱状要素は、以下により詳細に記述される方法で、ブレーキバンドの換気ダクトを画定するのに適し、かつ、ディスクの内部から外部に向かって気流を方向付けるのに適している4つの少なくとも部分的に平坦な面を備えている横表面、つまり、壁を有している要素である。
【0034】
1つの実施形態によれば、柱状要素24、26は、菱形の横断面を画定するリンクされた平坦な表面を有している。
【0035】
特に、1つの実施形態によれば、内側の列の柱状要素24および中間の列の柱状要素26は、半径方向に、1.5mmから2.5mmまで可変の、好ましくは、2mmのリンク半径R1を有する端部を有している。外側の列の柱状要素28は、半径方向に、1.5mmから2.5mmまで可変の、好ましくは、2mmのリンク半径R1を有する第1の端部と、4mmから5mmまで可変の、好ましくは、4.5mmのリンク半径R4を有する第2の端部、好ましくは、外側端部とを有している。内側の列の柱状要素24は、流れ方向を横切る方向に、平坦な表面の間に3mmから3.5mmまで可変のリンク半径R2を有している。少なくとも1つの中間の列の柱状要素26は、流れ方向を横切る方向に、平坦な表面の間に3.5mmから4mmまで可変のリンク半径R3を有している。
【0036】
柱状要素24、26、28のすべては、3mmから4mmまで可変の、好ましくは、3.5mmのリンク半径R5で、プレート16、18に連結されることが好ましい(図3および図4)。
【0037】
有利には、バンド14の内側の列にある柱状要素24、26の菱形の横断面は、流れ方向を横切る軸に対して相称的であり、プレート16、18間の連結に適している各要素24、26、28は、1つのプレート16からもう1つのプレート18に延在するとはいえ、スペース20の内側にとどまっている。換言すれば、最大接線範囲、あるいは、最大寸法の中央部分から始まり、バンドの内部の列(内側の列、あるいは、軸Z−Zに最も接近する列および少なくとも1つの中間の列)の柱状要素は、等しい範囲の部分でディスクの内部に向かって、および外部に向かって先細になっており、有利には、スペース内に画定されるダクト、あるいは、チャンネルを通って、制御された方法で空気を方向付けるように配置される複数対の平行面を互いに形成する。
【0038】
しかも、プレートを連結する役割を果たす各要素は、スペース20の外側に突出、あるいは、隆起せず、スペースからプレートの外部に放出する気流を変えるための要素を形成することを回避する。換言すれば、スペース20の内側開口および外側開口には、気流の自由循環に対する障害がない。
【0039】
さらなる利点に関して、隣接した列の横断面の半径方向端部は、ほぼ同じ円形に整列されている(図2)。換言すれば、例えば、内側の列と中間の列、あるいは、中間の列と外側の列などの隣接した列の間に、柱状要素24、26、28間に接線方向にオーバーラップ部がない(プレート16、18の軸Z−Zと同心であり、1つの列の柱状要素を延通するあらゆる円形は、別の列の柱状要素を延通しない)。
【0040】
有利には、各列の柱状要素24、26、28のそれぞれは、前記横断面においてほぼ同じ半径方向範囲Dを有している。換言すれば、プレートの連結要素は、プレートのための連結領域、ゆえに、全体として、プレートの範囲全体に一様に分配される補強領域でもある。
【0041】
有利には、柱状要素24、26、28は、各プレートの対面する表面全体の15%〜25%を超えない、好ましくは、20%の領域全体にプレート16、18を相互連結している。換言すれば、内側横方向表面領域全体(ブレーキシステム、あるいは、ブレーキ表面のパッドと相互に作用するのに適している外側表面領域にほぼ等しい)を有する対面する表面は、対面する表面の領域全体の15%から25%まで可変の、好ましくは、20%の領域全体を連結要素によってカバーされている。
【0042】
1つの実施形態によれば、2つのプレート16、18は、互いに同心状である少なくとも1つの内側の列と1つの外側の列とに沿って配列される柱状要素24、28によって連結されている。
【0043】
別の実施形態によれば、柱状要素26の1つあるいは2つの別の中間の列が設けられている。
【0044】
好ましくは、少なくとも1つの中間の列の柱状要素26は、内側の列の柱状要素24と外側の列の柱状要素28とに対してオフセットされている。
【0045】
さらなる利点に関して、柱状要素24、26、28は、2つのプレート16、18間に、五の目型の配置状態に分配されている。
【0046】
柱状要素の寸法は、ディスクが意図される車両を基礎として変えることができる。例えば、周辺方向の寸法、すなわち、菱形の短い対角線dは、車両のタイプにより変えられる値であり、例えば、自動車には6mm、あるいは、商業乗物には10mm〜12mmであるのに対して、半径方向の寸法、すなわち、長い対角線Dは、ブレーキバンドの幅hによる値であり、ブレーキバンドの外側半径と内側半径との間の差異を意味する。菱形の横断面の両側は、互いにリンクされている。
【0047】
1つの実施形態によれば、内側の列の柱状要素24は、スペース20を通る気流方向にほぼ平行な領域において、6mmと7mmとの間の寸法を有する流れの方向を横切る菱形の横断面の対角線を有している。
【0048】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの中間の列の柱状要素26は、スペース20を通る気流方向にほぼ平行な領域において、7mmと8mmとの間の寸法を有する流れの方向を横切る菱形の横断面の対角線を有している。
【0049】
この横断面は、例として、ディスクおよびブレーキバンドの正面図である図2に示され、その図2には、第2のプレート18が、部分的に切断され、少なくとも3つの列の柱状要素の形状を示している。この横断面は、それゆえ、スペースを通る気流方向にほぼ平行な上述の領域に対応し、2つのプレートによって、およびスペースによって構成される形状により、ディスクの軸Z−Zを横切る平面に、あるいは、アーチ形の領域に対応する場合がある。
【0050】
スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域内の外側の列の柱状要素28のそれぞれの横断面は、ドロップ形状である。特に、この横断面は、プレートの軸Z−Zに向かって先細になり、例えば、5mmの半径を有する外側リンク部分を有する。
【0051】
しかも、スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域における中間の列の柱状要素26のそれぞれの横断面は、プレートの軸Z−Zの方と、ブレーキバンドの外側の方との両方に向かって先細になっている。中間列の柱形状要素は、従って、内側の列の柱状要素のものと類似するほぼ菱形の横断面を有している。
【0052】
下述のことは、スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域のいくつかの可能な輪郭の描写である。
【0053】
図3の実施形態は、実際に、ブレーキバンドを構成する2つのプレートが、軸Z−Zに直交する平面にほぼ平行であり、スペース20は、相応じて、軸Z−Zと同軸状のリング内に延在するディスクを有している。第1のプレート16とベル状体12との間の連結は、それらが適切にリンクされるが、互いにほぼ直交する壁の間に形成されている。この構成において、2つのプレートの対面する表面22は、柱状要素24〜28が、垂直に突出する2つの平面に延在している。この実施形態によれば、気流は、軸Z−Zに最も接近する領域の付近にあるスペース20に入り、ブレーキバンドの外側に向かってそれを通過する。その結果、スペース20を通る気流方向にほぼ平行な領域は、図3の線30によって示されるスペースの中間の平面によって構成されることが可能である。
【0054】
図4の例は、軸Z−Zに対して、第1のプレート16の外側部分が、軸Z−Zに直交する平面にほぼ平行であるのに対して、第1のプレート16の内側部分が、偏向し、第2のプレート18に向かってカーブしているディスクの別の実施形態を示している。スペース20は、相応じて、バンドの外側部分において少なくとも軸Z−Zと同軸のリング内に延在するのに対して、第1のプレート16の偏向の領域において、スペースは、ベル状体から離れて偏向している。実際に、第1のプレート16とベル状体との間の連結は、互いにほぼ傾斜され、適切にリンクされる壁の間に形成されている。この構成において、第2のプレート18の表面22は、軸Z−Zに直交する平面内に延在するのに対して、第1のプレートの表面22は、カーブした形状を有している。柱状要素の3つの列は、ブレーキバンドの範囲全体にわたって分配されている。特に、柱状要素24によって示される最も内側の列は、さらに、そのアーチ形状によって、スペースのアーチ形部分の形状に追従し、ブレーキバンドの内側に向かって先細になっている。このタイプの実施形態において、気流は、ディスクの表面にほとんど対面して配置されている軸Z−Zに接近する領域付近のスペースに入り、バンドの外側に向かってスペースを通過する。その結果、スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域が、例えば、図4において線32で示されるスペースの中央領域によって構成されている。
【0055】
示されている実施形態において、例えば、図2を参照すると、中間の列の柱形状の要素は、内側の列と外側の列との柱形状の要素に対してオフセットされている。特に、柱状要素24、26、28は、五の目型配置状態に2つのプレート間に分配されている。
【0056】
しかも、図1〜図4に示されるように、ベル状体12およびブレーキバンド14は、鋳造によって製造される単一要素として形成され、その鋳造において、ブレーキバンドは、支持用のベル状体から連続的に延在している。
【0057】
ベル状体とブレーキバンドとの間の連結部分は、異なる形状を構成することができ、それらの2つは、例えば、上述されるように、図3および図4に示されている。
【0058】
前述の記述から明らかなように、スペース内に全体にわたって配置され、そして、内側の列の柱状要素の場合、相称的な菱形の形状である柱状連結要素によって連結されるプレートが設けられているブレーキバンドを供給することによって、先行技術のディスクの不利な点を解消することが可能であり、特に、著しく改良された点は、スペースの換気ダクト、あるいは、チャンネルを通る気流にあることが分かった。
【0059】
しかも、前述の記述から明らかなように、横断面の半径方向端部が、同じ円形にほぼ整列され、そして、各列の柱状要素24、26、28のそれぞれが、前記横断面においてほぼ同じ半径範囲を有している隣接した列状態に配置される柱状連結要素によって連結されるプレートを有するブレーキバンドを供給することによって、先行技術のディスクの不利な点を解消することが可能であり、特に、著しく改良された点が、ブレーキバンドの抵抗にある、例えば、かなりの熱の勾配によって生じる大きな応力だけではなく、それらが、過酷で、かつ、繰り返しのブレーキ操作によって応力が加えられるときでさえ、プレートにおける分裂、あるいは、ひび割れの発生率が低いことが分かった。
【0060】
先行技術による幾何学的図形の配置を有するディスクと、本発明による幾何学的図形の配置を有するディスクとの2つのプレート間のスペースに設けられる換気ダクト、あるいは、チャンネル内の気流の動きについてのテストの比較は、ここに提案されている解決法の幾何学的図形の配置によって達成される換気において著しい改良を示した。特に、周知のディスク、および、ここに提案される解決法の結果として生ずる幾何学的図形の配置を有するディスクのスペースの部分を通過する気流の速度のベクトル範囲を評価することが可能であり、そのベクトル範囲は、スペース全体の周囲に繰り返される。周知の幾何学的図形の配置と、ここに提案される解決法の幾何学的図形の配置との間の比較テストは、条件として、1500rpm(毎分回転数)でのディスクの回転と、スペースの入力および出力における周囲圧力と、20℃の温度とを設定して、計算流体力学プログラムによって行われた。このテストによって、ベクトル範囲を比較することと、ここに提案される解決法における気流が、スペースへの入力と、スペースからの出力との両方において、いっそう一様であり、そして、いっそう良く柱状要素周りを通過した、換言すれば、柱状要素に対する衝撃によって偏向されることが少なかったという結論を下すこととができた。量的な比較から、ここに提案される解決法において、空気が達する最大速度は、周知の解決法の最大速度と比較すると、わずかに減少し、最小空気速度においてかなりの増加となり、その結果として、周知のディスクの流速と比較すると、5%より大きい体積流量(空気の毎秒リットルにおいて)が改良され、あるいは、増大することになることが分かった。
【0061】
提案されている解決法の別の利点は:
−内側の列と中間の列(バンドの内部の列)との要素の提案された横切る範囲は、スペースにおける気流の改良された制御が達成されることを可能とし、
−隣接した列間のオ−バーラップ、あるいは、スペースの不足は、ディスク全体の局部剛性を同質にし、隣接した列の連結要素のオーバーラップ(少量だが)の場合に存在する不利な点を回避し、換言すれば、他の部分より多数の連結要素を2倍有する円形部分を回避し、従って、非同質の剛性を有するバンドの領域を回避することと、
−相称的な菱形の横断面を有する連結要素の提供により、換気効率における改良、特に、時間単位のスペースを通過する気流が増大することを可能とすることと、
−連結要素の平坦な表面間の提案されたリンク半径によって、両方の場合に、空気の制御された移動に不都合に影響を及ぼすとがった角ときわめて丸くされた要素との提供の間の著しい妥協の達成と;特に、柱状要素とプレートとをリンクする提案された半径は、達成することが難しい角度と、所望の気流に不適当な横断面とを回避することと
−連結要素によってカバーされるプレートの対面する表面全体の提案されたパーセンテージによって、ブレーキ表面のひび割れに対する著しい抵抗を達成し、ブレーキ作用によって応力が加えられるプレートの熱膨張に対する制御された抵抗を可能とすることができることと、
−ディスクの少ない重量と、
である。
【0062】
鋳造により、本発明によるディスクを製造する主なステップは、図5〜図8に例示されている。図5および図6は、頂部に配置される半割貝36と、底部に配置される半割貝38とを備えている中子型34を示している。図5において、2つの半割貝は分離されているのに対して、図6では、それらは、結合され、キャビティ40が、それらの内側に画定されている。
【0063】
上方の半割貝36は、軸X−X周りに延在するほぼ円形構造を有している。軸X−Xと同心の中央部分には、キャビティ40を占めることによって、例えば、図7に示される中子44を生じさせる中子砂のためのダクト42がある。
【0064】
上述の半割貝の内側表面37の少なくとも一部は、第1のプレート16とベル状体12との内側表面の形状に実質的に追随する。特に、関連するプロフィルは、図4に示されるタイプのものであり、すなわち、第1のプレート16が、ベル状体の付近に配置される平坦な部分とアーチ形部分とを有するプロフィルであることが分かる。
【0065】
下方の半割貝38は、さらに、軸X−X周りに延在するほぼ円形構造を有している。軸X−Xと同心の中央部分には、上方の半割貝36のダクトと42に対面する円筒状隆起部46がある。
【0066】
下方の半割貝38においても、少なくとも内側表面38の一部は、実質的に、ディスクの一部の、特に、第2のプレート18の内側表面の形状に追従する。
【0067】
2つの半割貝が、図6に示されるように、結合されるとき、キャビティ40の周辺部分は、キャビティの隣接した部分の深さよりも大きい深さを有するリング48の構造を有し、中子に対して周辺に延在する中子部分50を生じさせることが可能である。
【0068】
図6を参照すると、プロセスの次のステップにおいて、ブレーキバンドにおけるスペースを生じさせるキャビティ40の領域、すなわち、延環状のリング48と隆起部46との間に実質的に介在する領域は、51で示されている。ディスクの柱状要素24〜28の形状および分配に左右される突出要素52、54、56の形状および分配は、この領域を延通する。
【0069】
特に、突出要素52は、中子44内に、順番に、ディスク10の内側の列の柱状要素24を生じさせることが可能な対応するキャビティを形成するようなものである。同様に、突出要素54は、中子44内に、順番に、中間の列の柱状要素26を生じさせることが可能な対応するキャビティを形成するようなものであり、最後に、突出要素56は、中子44内に、順番に、外側の列の柱状要素28を生じさせることが可能な対応するキャビティを形成するようなものである。
【0070】
その結果として、キャビティ40を通る砂の流れ方向に平行な領域において、突出要素52〜56は、それぞれの柱形状要素24〜28の横断面に類似する横断面を有している。図5、図6、図10および図11に示されているように、突出要素54、56は、この深さのほぼ半分に等しい2つの半割貝間のキャビティ40の深さの部分を延通する。実際に、1つの半割貝の突出要素54、56は、もう1つの半割貝のそれぞれの突出要素54、56と接触する表面58を有している。
【0071】
図5、図6、図10および図11から、柱状要素24の内側の列に対応する突出要素52は、2つの半割貝の1つのみ、すなわち、該実施形態において、上方の半割貝36のみと連結され、2つの半割貝間のキャビティ40の深さ全体を延通し、下方の半割貝38の内側表面39と直接接触するということも明らかである。特に、図10から、突出要素52の高さは、突出要素54、56の高さよりも高く、その突出要素54、56の高さは、実際に、突出要素52の高さのほぼ半分であるということが明らかである。
【0072】
この構成は、例えば、図4に示されているように、ブレーキバンド14とベル状体12との間の連結部分がアーチ形である場合でも、鋳型から中子44を取り外すために、2つの半割貝36、38が軸X−Xに沿って開かれることを可能とする。実際に、ディスク10の形状は、中子型34の内側表面37、39において、同様な方法で再生され、上方の半割貝36と一体化する突出要素52の存在により、アンダーカットの存在を回避する。
【0073】
上述されるようなディスクを製造する方法、その結果として、上述されるような中子型および中子が使用される方法が、下記に記述されている。
【0074】
図5は、2つの半割貝が軸X−Xに沿って結合される段階における2つの半割貝を示している。2つの半割貝が、図6に示されるように結合されるとき、中子砂は、ダクト42を通って、2つの半割貝によって画定されるキャビティ40に送られる。中子砂は、中子型の壁の加熱の結果として重合される砂および樹脂の集魂である。
【0075】
突出要素52の特別の形状である柱状要素24の形状に左右される形状は、中子型への砂の流れに好都合であり、鋳造の続いて起こる成功に必要とされる密集性が、ブレーキバンドの周辺領域においてでも達成されることを確実とする。
【0076】
砂は、実際に、中子の周辺まで高速を維持し、これは、砂の流れにおける乱れを制限する突出要素52(柱状要素24に対応する)の先細形状によって、積極的に影響を及ぼされる。
【0077】
砂がぎっしり詰められると、2つの半割貝は、軸X−Xによって画定される方向に取り外され、中子44は、図7に示されるように、鋳型から取り外される。
【0078】
中子44は、次に、ディスク10の鋳造のために、砂で形成される鋳型内に挿入される。
【0079】
軸Z−Zに向かって先細になっている、特に、スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域において菱形の横断面を形成するために、両方向において先細になっている横断面を有するために、軸Z−Zに向かって対面するブレーキバンドの縁部の付近に配置される柱状要素24の供給は、特に、利点であるということが前述のことから明らかである。
【0080】
このタイプの構成は、実際に、突出要素52の同様な構成に、ゆえに、ディスクの鋳造に使用される中子の最適な程度の密集性に反映されている。
【0081】
最適な特性の密集性を有する中子を使用することが可能であるという事実は、その結果として、製造されるディスクの品質に影響を及ぼし、続いて起こる処理を減少する。特に、多量のディスクは、一様に分配され、多量のディスクのバランスをとるステップは、少しも煩わしくなく、特に、多量の質量に関して取り除かれる。
【0082】
しかも、中子型の、その結果として、中子の好都合な構成は、スペース20の端から端まで、中の気流に不利に影響を及ぼす実質的に欠陥、あるいは、妨害のないディスクの製造を可能とする。
【0083】
上述されるもののような柱状要素24の内側の列の存在は、柱状要素の存在が、さらに、ベル状体の付近に延在されることを可能とし、特に、その実施形態において、例えば、図4に示されるように、第1のプレート16とスペース20との偏向をもたらす。
【0084】
これらの状態において、突出要素52の存在は、中子が、アンダーカットを回避することによって、中子型から容易に取り外されることを可能とする。
【0085】
しかも、上述の構成は、特に、例えば、ベル状体およびバンドが、単一の要素を画定するディスクに好都合である。この場合、ディスクが構成する必要のある形状のために、キャビティを通る中子砂のための通路は、実際に、ベル状体とブレーキバンドとの間の連続的な壁の存在のために、特に、曲がりくねっている場合がある。上述の配置は、さらに、ブレーキバンドが、ブレーキバンドに固定される第1の端部と、ベル状体とスライド可能に連結される第2の端部とを有する連結要素によってベル状体に連結されるディスクに好都合である。この場合、実際に、中子型に沿う砂の流れもまた、曲がりくねっている場合があり、特に、柱状要素28に対応する突出要素56の外側の列の領域におけるバンドの外側に対面する領域において、中子の密集性を制限する乱れを被りやすい。
【0086】
当然の変形および/または追加は、上述され、例示されている実施形態に行われることができる。柱状要素および対応する突出要素の構成は、変更することができる。この場合、上述されるように、内側列の柱状要素の好都合な構成は、軸Z−Zに対面するブレーキバンドの縁部の付近に配置される柱状要素のいずれにも適用される。これらの柱状要素は、中子44を形成する間に中子砂の流れが第一に達する突出要素に対応する。
【0087】
当然のことながら、柱状要素の数、および、軸Z−Zに対面するブレーキバンドの縁部の付近に配置されない外側の列と中間の列のとの要素、あるいは、いずれにしろ、柱状要素の要素の横断面の形状は、変更することができる。
【0088】
偶然事項および特定の必要条件を満たすために、当業者は、とはいえ、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、機能的に同等の他の要素を有する要素の多数の変更、改作および置き換えをディスクと中子型とのブレーキバンドの上述の好ましい実施形態に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
10…ディスク、12…ベル状体、14…ブレーキバンド、16…プレート、18…プレート、20…スペース、22…表面、24…柱状要素、26…柱状要素、28…柱状要素、34…中子型、36…半割貝、37…内側表面、38…半割貝、39…内側表面、40…キャビティ、42…ダクト、44…中子、46…円筒状隆起部、48…リング、50…中子部分、52…突出要素、54…突出要素、56…突出要素、58…表面、R1…リンク半径、R2…リンク半径、R3…リンク半径、R4…リンク半径、R5…リンク半径。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキバンドと、換気ディスクブレーキディスクとに関し、特に、独占的に、自動車分野において適用されるものではない。
【0002】
本発明の別の態様は、ディスクブレーキディスクの中子を製造するための中子型に関する。
【0003】
周知のように、上記に明記されるタイプのディスクは、2つの同軸状部分によって構成されている。第1の部分である支持用ベル状体は、自動車の車輪のハブに連結するためのものであり、そして、残りの周辺部分である、いわゆるブレーキバンドは、自動車にブレーキ力をかけるために、ディスクブレーキのキャリパと協働するためのものである。
【0004】
より詳細には、本発明は、いわゆる換気ディスクに、すなわち、ブレーキバンドが、スペースを形成するように間隔をおいて配置されている2つの対面する同軸状のプレートによって構成されているディスクに関する。2つのプレートは、2つのプレート間のスペースを延通する柱状要素によって連結されている。換気ダクトは、従って、それらのプレート間に作成され、空気は、ブレーキバンドの内側から外側に向う方向にダクトを通って流れ、その結果、ブレーキ操作を行う毎に、バンドに生成される熱を環境に放散する助けをする。
【背景技術】
【0005】
様々の形状で、様々なサイズで、ブレーキバンドにおけるスペース周りに様々に分配される柱状要素は、周知である。柱状要素が五の目型の配置で、3列状態であるディスクブレーキディスクは、周知である。しかも、スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域においてとられる各柱状要素の横断面の形状は、列毎に変わる。特に、内側の列の要素は、ブレーキバンドの外側に向かって先細になっている横断面を有している。
【0006】
このタイプのディスクは、例えば、米国特許第4,865,167号に記述されている。
【0007】
ブレーキバンドの内部に向かって円くなっている異なる半径方向範囲の柱状要素を有するディスクも周知である。このタイプのディスクは、例えば、米国特許第6,152,270号に記述されている。
【0008】
柱状要素が設けられている他のディスクは、欧州特許出願第0318687号、同第0989321号およびドイツ特許出願第4210449号から周知である。
【0009】
これらの周知のディスクは、ある観点では十分であるが、それらは、かなりの不都合な点を有している。
【0010】
第1に、不十分な換気効率、すなわち、換言すれば、不十分な冷却能力が、ブレーキバンドに存在するスペースの内側の気流に示される抵抗により留意され、その抵抗は、プレートを連結する要素の周知の形状によって引き起こされる。
【0011】
しかも、熱応力に対する、極端な場合、機械応力に対するブレーキバンドの不十分な抵抗が留意され、この不十分な抵抗は、主に、プレートを連結する要素の周知の幾何学的図形配置によって引き起こされる。
【0012】
さらに、周知のように、ディスクブレーキディスクは、鋳造によって製造され、そして、2つのプレート間の換気ダクトは、中子を使用して、鋳造の間に形成される。その中子は、順番に、中子砂、すなわち、砂および樹脂の集魂を中子型に注入することで形成される。
【0013】
その中子型は2つの半割貝によって構成され、2つの半割貝は、この結合されるとき、それらの内側に、数ある中で、ディスクの内部構造を、特に、2つのプレート間のスペースを再生するキャビティを画定する。この2つの半割貝は、その結果として、ディスクが鋳造されるとき、2つのプレートを連結する柱形状要素を形成する中子の中にキャビティを画定する突出要素を有する。
【0014】
中子を製造する間、中子砂は、最も内側の直径から最も外部の直径に流動されることによって、2つの結合された半割貝の中に注入される。砂は、2つのプレート間のスペースを画定するキャビティを通って流動し始めるとき、突出要素、特に、内側の列は、その結果として、砂の流れへの妨害を引き起こす。
【0015】
中子鋳造ステップは、その結果、上述の妨害のために、重大である。実際に、最も外部の柱状要素の近くにある、特に、ディスクに対して外方に対面する領域にある砂は、溶融金属の鋳造に耐えるのに必要な密集状態を有していない。鋳造の間、溶融金属は、実際に、中子の密集の少ない領域の根元を削り取り、それらを置き換え、さらなる処理ステップとディスクの操作とに不都合に影響を及ぼす望ましくない隆起を生じさせる。
【0016】
その隆起は、ディスクがグリップされ、プレート間のスペース内に挿入される要素を制止することによって位置される第1に続く処理ステップに妨害を引き起こすことがある。しかも、その隆起により、例えば、ディスクの質量がアンバランスとなり、そのために、大量の材料が、処理サイクルの最後におけるバランス工程において取り除かれる必要がある。最後に、そのディスクが使用されるとき、これらの隆起の存在が、換気ダクトを通る気流に対する妨害を構成することがあり、冷却効率の減少が結果として生じ、流れが妨害される。
【0017】
上述の不利な点を防止するために、ディスクブレーキディスクの鋳造の間に実質的に使用される中子のすべての部分における正確な程度の密集状態を達成するためのこの分野における特別の必要条件があるということは、前述のことから明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第4,865,167号明細書
【特許文献2】米国特許第6,152,270号明細書
【特許文献3】欧州特許出願第0318687号
【特許文献4】欧州特許出願第0989321号
【特許文献5】ドイツ特許出願第4210449号
【発明の概要】
【0019】
本発明の目的は、上述の必要条件を満たし、同時に、先行技術に関して述べられている問題点を防止するブレーキバンド、換気ディスクブレーキディスクおよびディスクブレーキディスクの中子を製造するための中子型を考案し、提供することである。
【0020】
この目的は、請求項1に記載のディスクブレーキディスクのためのブレーキバンドによって、請求項19に記載の換気ディスクブレーキディスクによって、そして、請求項22に記載のディスクブレーキディスクの中子を製造する中子型によって達成される。
【0021】
本発明によるバンド、ディスクおよび中子型のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照にして、限定されることのない例として示されている好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるディスクブレーキディスクの部分断面斜視図である。
【図2】図1のディスクの部分的に切断された正面図である。
【図3】図2の線III−IIIについてのディスク全体の断面図である。
【図4】図3のディスクの可能な変形の断面図である。
【図5】本発明による中子型の直径の断面図である。
【図6】異なる操作状態における図5の中子型を示す。
【図7】図5および図6の中子型によって製造される中子の直径の断面図である。
【図8】鋳造による製造の段階でのディスクブレーキディスクを直径の断面図で示している。
【図9】中子型の詳細な部分断面斜視図である。
【図10】図9の詳細な部分断面側面図である。
【図11】中子型の第2の詳細な部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
上述の図面を参照すると、本発明によるディスクブレーキディスク、特に、自動車などの車両のディスクブレーキ(図示せず)に使用される、いわゆる換気ディスクは、概して10で示されている。そのディスク10は、ほぼ円形であり、図面においてZ−Zで示される軸周りに延在している。
【0024】
このディスク10は、支持用のベル状体12と、そのベル状体12と同軸のブレーキバンド14とを備えている。
【0025】
車両にブレーキ力をかけるために、ディスクブレーキキャリパと協働するように意図されるブレーキバンド14は、軸Z−Zと同軸状に配置される第1のプレート16と第2のプレートとを備えている。この第1のプレート16は、ベル状の支持体12と同じ側にあり、第2のプレート18は、反対側にある。
【0026】
2つのプレートは、互いに対面し、気流が、ディスクの回転中に、軸Z−Zからブレーキバンド14の外側に向けて生じるスペース20を形成するために、間隔をおいて配置されている。
【0027】
この2つのプレートは、やはり、通常ピンとして知られている柱状要素24、26、28が、横切って延在する対面する表面22を有している。
【0028】
柱状要素は、2つのプレートを連結するために延在している。特に、第1のプレートには、支持用のベル状体12が連続して形成され、第2のプレート18は、柱状要素によって第1のプレートに連結されている。
【0029】
柱状要素は、プレートの対面する表面22周りに一様に分配され、示されている実施形態において、内側の列、すなわち、軸Z−Zに最も接近する列と、中間の列と、外側の列、すなわち、軸Z−Zから最も遠い列とに対応する3つの同心状の円形リング、あるいは、列に分割されている。記述を簡素にするために、内側の列の柱状要素は24で示し、中間の列の柱状要素は26で示し、最後に、外側の列の柱状要素は28で示す。
【0030】
1つの実施形態によれば、柱状要素は、1つ以上の中間の列(中間の柱状要素26)、例えば、内側の列(内側の柱状要素24)と外側の列(外側の柱状要素28)との間に配置される2つの中間の列を備えている。
【0031】
内側の列の柱状要素24は、軸Z−Zに対面するブレーキバンド14の縁部の付近に配置される柱状要素を構成する。スペース内の気流方向にほぼ平行な領域内のこれらの柱状要素のそれぞれの横断面は、軸Z−Zに向かって先細になっている。より詳細には、柱状要素は、プレートの軸Z−Zの方と、ブレーキバンド14の外側の方との両方に向かって先細になっており、ほぼ菱形の横断面を形成している。
【0032】
1つの実施形態によれば、内側の列と少なくとも1つの中間の列とを意味するバンドの内側の列に配置されている柱状要素24、26は、菱形の横断面を有し、横断面とは、さらに以下に記述されるように、スペース20を通る気流方向にほぼ平行な領域において熟考される断面を意味している。
【0033】
菱形の横断面は、4つの少なくとも部分的に平坦な側を有する横断面である。菱形の横断面を有する柱状要素は、以下により詳細に記述される方法で、ブレーキバンドの換気ダクトを画定するのに適し、かつ、ディスクの内部から外部に向かって気流を方向付けるのに適している4つの少なくとも部分的に平坦な面を備えている横表面、つまり、壁を有している要素である。
【0034】
1つの実施形態によれば、柱状要素24、26は、菱形の横断面を画定するリンクされた平坦な表面を有している。
【0035】
特に、1つの実施形態によれば、内側の列の柱状要素24および中間の列の柱状要素26は、半径方向に、1.5mmから2.5mmまで可変の、好ましくは、2mmのリンク半径R1を有する端部を有している。外側の列の柱状要素28は、半径方向に、1.5mmから2.5mmまで可変の、好ましくは、2mmのリンク半径R1を有する第1の端部と、4mmから5mmまで可変の、好ましくは、4.5mmのリンク半径R4を有する第2の端部、好ましくは、外側端部とを有している。内側の列の柱状要素24は、流れ方向を横切る方向に、平坦な表面の間に3mmから3.5mmまで可変のリンク半径R2を有している。少なくとも1つの中間の列の柱状要素26は、流れ方向を横切る方向に、平坦な表面の間に3.5mmから4mmまで可変のリンク半径R3を有している。
【0036】
柱状要素24、26、28のすべては、3mmから4mmまで可変の、好ましくは、3.5mmのリンク半径R5で、プレート16、18に連結されることが好ましい(図3および図4)。
【0037】
有利には、バンド14の内側の列にある柱状要素24、26の菱形の横断面は、流れ方向を横切る軸に対して相称的であり、プレート16、18間の連結に適している各要素24、26、28は、1つのプレート16からもう1つのプレート18に延在するとはいえ、スペース20の内側にとどまっている。換言すれば、最大接線範囲、あるいは、最大寸法の中央部分から始まり、バンドの内部の列(内側の列、あるいは、軸Z−Zに最も接近する列および少なくとも1つの中間の列)の柱状要素は、等しい範囲の部分でディスクの内部に向かって、および外部に向かって先細になっており、有利には、スペース内に画定されるダクト、あるいは、チャンネルを通って、制御された方法で空気を方向付けるように配置される複数対の平行面を互いに形成する。
【0038】
しかも、プレートを連結する役割を果たす各要素は、スペース20の外側に突出、あるいは、隆起せず、スペースからプレートの外部に放出する気流を変えるための要素を形成することを回避する。換言すれば、スペース20の内側開口および外側開口には、気流の自由循環に対する障害がない。
【0039】
さらなる利点に関して、隣接した列の横断面の半径方向端部は、ほぼ同じ円形に整列されている(図2)。換言すれば、例えば、内側の列と中間の列、あるいは、中間の列と外側の列などの隣接した列の間に、柱状要素24、26、28間に接線方向にオーバーラップ部がない(プレート16、18の軸Z−Zと同心であり、1つの列の柱状要素を延通するあらゆる円形は、別の列の柱状要素を延通しない)。
【0040】
有利には、各列の柱状要素24、26、28のそれぞれは、前記横断面においてほぼ同じ半径方向範囲Dを有している。換言すれば、プレートの連結要素は、プレートのための連結領域、ゆえに、全体として、プレートの範囲全体に一様に分配される補強領域でもある。
【0041】
有利には、柱状要素24、26、28は、各プレートの対面する表面全体の15%〜25%を超えない、好ましくは、20%の領域全体にプレート16、18を相互連結している。換言すれば、内側横方向表面領域全体(ブレーキシステム、あるいは、ブレーキ表面のパッドと相互に作用するのに適している外側表面領域にほぼ等しい)を有する対面する表面は、対面する表面の領域全体の15%から25%まで可変の、好ましくは、20%の領域全体を連結要素によってカバーされている。
【0042】
1つの実施形態によれば、2つのプレート16、18は、互いに同心状である少なくとも1つの内側の列と1つの外側の列とに沿って配列される柱状要素24、28によって連結されている。
【0043】
別の実施形態によれば、柱状要素26の1つあるいは2つの別の中間の列が設けられている。
【0044】
好ましくは、少なくとも1つの中間の列の柱状要素26は、内側の列の柱状要素24と外側の列の柱状要素28とに対してオフセットされている。
【0045】
さらなる利点に関して、柱状要素24、26、28は、2つのプレート16、18間に、五の目型の配置状態に分配されている。
【0046】
柱状要素の寸法は、ディスクが意図される車両を基礎として変えることができる。例えば、周辺方向の寸法、すなわち、菱形の短い対角線dは、車両のタイプにより変えられる値であり、例えば、自動車には6mm、あるいは、商業乗物には10mm〜12mmであるのに対して、半径方向の寸法、すなわち、長い対角線Dは、ブレーキバンドの幅hによる値であり、ブレーキバンドの外側半径と内側半径との間の差異を意味する。菱形の横断面の両側は、互いにリンクされている。
【0047】
1つの実施形態によれば、内側の列の柱状要素24は、スペース20を通る気流方向にほぼ平行な領域において、6mmと7mmとの間の寸法を有する流れの方向を横切る菱形の横断面の対角線を有している。
【0048】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの中間の列の柱状要素26は、スペース20を通る気流方向にほぼ平行な領域において、7mmと8mmとの間の寸法を有する流れの方向を横切る菱形の横断面の対角線を有している。
【0049】
この横断面は、例として、ディスクおよびブレーキバンドの正面図である図2に示され、その図2には、第2のプレート18が、部分的に切断され、少なくとも3つの列の柱状要素の形状を示している。この横断面は、それゆえ、スペースを通る気流方向にほぼ平行な上述の領域に対応し、2つのプレートによって、およびスペースによって構成される形状により、ディスクの軸Z−Zを横切る平面に、あるいは、アーチ形の領域に対応する場合がある。
【0050】
スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域内の外側の列の柱状要素28のそれぞれの横断面は、ドロップ形状である。特に、この横断面は、プレートの軸Z−Zに向かって先細になり、例えば、5mmの半径を有する外側リンク部分を有する。
【0051】
しかも、スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域における中間の列の柱状要素26のそれぞれの横断面は、プレートの軸Z−Zの方と、ブレーキバンドの外側の方との両方に向かって先細になっている。中間列の柱形状要素は、従って、内側の列の柱状要素のものと類似するほぼ菱形の横断面を有している。
【0052】
下述のことは、スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域のいくつかの可能な輪郭の描写である。
【0053】
図3の実施形態は、実際に、ブレーキバンドを構成する2つのプレートが、軸Z−Zに直交する平面にほぼ平行であり、スペース20は、相応じて、軸Z−Zと同軸状のリング内に延在するディスクを有している。第1のプレート16とベル状体12との間の連結は、それらが適切にリンクされるが、互いにほぼ直交する壁の間に形成されている。この構成において、2つのプレートの対面する表面22は、柱状要素24〜28が、垂直に突出する2つの平面に延在している。この実施形態によれば、気流は、軸Z−Zに最も接近する領域の付近にあるスペース20に入り、ブレーキバンドの外側に向かってそれを通過する。その結果、スペース20を通る気流方向にほぼ平行な領域は、図3の線30によって示されるスペースの中間の平面によって構成されることが可能である。
【0054】
図4の例は、軸Z−Zに対して、第1のプレート16の外側部分が、軸Z−Zに直交する平面にほぼ平行であるのに対して、第1のプレート16の内側部分が、偏向し、第2のプレート18に向かってカーブしているディスクの別の実施形態を示している。スペース20は、相応じて、バンドの外側部分において少なくとも軸Z−Zと同軸のリング内に延在するのに対して、第1のプレート16の偏向の領域において、スペースは、ベル状体から離れて偏向している。実際に、第1のプレート16とベル状体との間の連結は、互いにほぼ傾斜され、適切にリンクされる壁の間に形成されている。この構成において、第2のプレート18の表面22は、軸Z−Zに直交する平面内に延在するのに対して、第1のプレートの表面22は、カーブした形状を有している。柱状要素の3つの列は、ブレーキバンドの範囲全体にわたって分配されている。特に、柱状要素24によって示される最も内側の列は、さらに、そのアーチ形状によって、スペースのアーチ形部分の形状に追従し、ブレーキバンドの内側に向かって先細になっている。このタイプの実施形態において、気流は、ディスクの表面にほとんど対面して配置されている軸Z−Zに接近する領域付近のスペースに入り、バンドの外側に向かってスペースを通過する。その結果、スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域が、例えば、図4において線32で示されるスペースの中央領域によって構成されている。
【0055】
示されている実施形態において、例えば、図2を参照すると、中間の列の柱形状の要素は、内側の列と外側の列との柱形状の要素に対してオフセットされている。特に、柱状要素24、26、28は、五の目型配置状態に2つのプレート間に分配されている。
【0056】
しかも、図1〜図4に示されるように、ベル状体12およびブレーキバンド14は、鋳造によって製造される単一要素として形成され、その鋳造において、ブレーキバンドは、支持用のベル状体から連続的に延在している。
【0057】
ベル状体とブレーキバンドとの間の連結部分は、異なる形状を構成することができ、それらの2つは、例えば、上述されるように、図3および図4に示されている。
【0058】
前述の記述から明らかなように、スペース内に全体にわたって配置され、そして、内側の列の柱状要素の場合、相称的な菱形の形状である柱状連結要素によって連結されるプレートが設けられているブレーキバンドを供給することによって、先行技術のディスクの不利な点を解消することが可能であり、特に、著しく改良された点は、スペースの換気ダクト、あるいは、チャンネルを通る気流にあることが分かった。
【0059】
しかも、前述の記述から明らかなように、横断面の半径方向端部が、同じ円形にほぼ整列され、そして、各列の柱状要素24、26、28のそれぞれが、前記横断面においてほぼ同じ半径範囲を有している隣接した列状態に配置される柱状連結要素によって連結されるプレートを有するブレーキバンドを供給することによって、先行技術のディスクの不利な点を解消することが可能であり、特に、著しく改良された点が、ブレーキバンドの抵抗にある、例えば、かなりの熱の勾配によって生じる大きな応力だけではなく、それらが、過酷で、かつ、繰り返しのブレーキ操作によって応力が加えられるときでさえ、プレートにおける分裂、あるいは、ひび割れの発生率が低いことが分かった。
【0060】
先行技術による幾何学的図形の配置を有するディスクと、本発明による幾何学的図形の配置を有するディスクとの2つのプレート間のスペースに設けられる換気ダクト、あるいは、チャンネル内の気流の動きについてのテストの比較は、ここに提案されている解決法の幾何学的図形の配置によって達成される換気において著しい改良を示した。特に、周知のディスク、および、ここに提案される解決法の結果として生ずる幾何学的図形の配置を有するディスクのスペースの部分を通過する気流の速度のベクトル範囲を評価することが可能であり、そのベクトル範囲は、スペース全体の周囲に繰り返される。周知の幾何学的図形の配置と、ここに提案される解決法の幾何学的図形の配置との間の比較テストは、条件として、1500rpm(毎分回転数)でのディスクの回転と、スペースの入力および出力における周囲圧力と、20℃の温度とを設定して、計算流体力学プログラムによって行われた。このテストによって、ベクトル範囲を比較することと、ここに提案される解決法における気流が、スペースへの入力と、スペースからの出力との両方において、いっそう一様であり、そして、いっそう良く柱状要素周りを通過した、換言すれば、柱状要素に対する衝撃によって偏向されることが少なかったという結論を下すこととができた。量的な比較から、ここに提案される解決法において、空気が達する最大速度は、周知の解決法の最大速度と比較すると、わずかに減少し、最小空気速度においてかなりの増加となり、その結果として、周知のディスクの流速と比較すると、5%より大きい体積流量(空気の毎秒リットルにおいて)が改良され、あるいは、増大することになることが分かった。
【0061】
提案されている解決法の別の利点は:
−内側の列と中間の列(バンドの内部の列)との要素の提案された横切る範囲は、スペースにおける気流の改良された制御が達成されることを可能とし、
−隣接した列間のオ−バーラップ、あるいは、スペースの不足は、ディスク全体の局部剛性を同質にし、隣接した列の連結要素のオーバーラップ(少量だが)の場合に存在する不利な点を回避し、換言すれば、他の部分より多数の連結要素を2倍有する円形部分を回避し、従って、非同質の剛性を有するバンドの領域を回避することと、
−相称的な菱形の横断面を有する連結要素の提供により、換気効率における改良、特に、時間単位のスペースを通過する気流が増大することを可能とすることと、
−連結要素の平坦な表面間の提案されたリンク半径によって、両方の場合に、空気の制御された移動に不都合に影響を及ぼすとがった角ときわめて丸くされた要素との提供の間の著しい妥協の達成と;特に、柱状要素とプレートとをリンクする提案された半径は、達成することが難しい角度と、所望の気流に不適当な横断面とを回避することと
−連結要素によってカバーされるプレートの対面する表面全体の提案されたパーセンテージによって、ブレーキ表面のひび割れに対する著しい抵抗を達成し、ブレーキ作用によって応力が加えられるプレートの熱膨張に対する制御された抵抗を可能とすることができることと、
−ディスクの少ない重量と、
である。
【0062】
鋳造により、本発明によるディスクを製造する主なステップは、図5〜図8に例示されている。図5および図6は、頂部に配置される半割貝36と、底部に配置される半割貝38とを備えている中子型34を示している。図5において、2つの半割貝は分離されているのに対して、図6では、それらは、結合され、キャビティ40が、それらの内側に画定されている。
【0063】
上方の半割貝36は、軸X−X周りに延在するほぼ円形構造を有している。軸X−Xと同心の中央部分には、キャビティ40を占めることによって、例えば、図7に示される中子44を生じさせる中子砂のためのダクト42がある。
【0064】
上述の半割貝の内側表面37の少なくとも一部は、第1のプレート16とベル状体12との内側表面の形状に実質的に追随する。特に、関連するプロフィルは、図4に示されるタイプのものであり、すなわち、第1のプレート16が、ベル状体の付近に配置される平坦な部分とアーチ形部分とを有するプロフィルであることが分かる。
【0065】
下方の半割貝38は、さらに、軸X−X周りに延在するほぼ円形構造を有している。軸X−Xと同心の中央部分には、上方の半割貝36のダクトと42に対面する円筒状隆起部46がある。
【0066】
下方の半割貝38においても、少なくとも内側表面38の一部は、実質的に、ディスクの一部の、特に、第2のプレート18の内側表面の形状に追従する。
【0067】
2つの半割貝が、図6に示されるように、結合されるとき、キャビティ40の周辺部分は、キャビティの隣接した部分の深さよりも大きい深さを有するリング48の構造を有し、中子に対して周辺に延在する中子部分50を生じさせることが可能である。
【0068】
図6を参照すると、プロセスの次のステップにおいて、ブレーキバンドにおけるスペースを生じさせるキャビティ40の領域、すなわち、延環状のリング48と隆起部46との間に実質的に介在する領域は、51で示されている。ディスクの柱状要素24〜28の形状および分配に左右される突出要素52、54、56の形状および分配は、この領域を延通する。
【0069】
特に、突出要素52は、中子44内に、順番に、ディスク10の内側の列の柱状要素24を生じさせることが可能な対応するキャビティを形成するようなものである。同様に、突出要素54は、中子44内に、順番に、中間の列の柱状要素26を生じさせることが可能な対応するキャビティを形成するようなものであり、最後に、突出要素56は、中子44内に、順番に、外側の列の柱状要素28を生じさせることが可能な対応するキャビティを形成するようなものである。
【0070】
その結果として、キャビティ40を通る砂の流れ方向に平行な領域において、突出要素52〜56は、それぞれの柱形状要素24〜28の横断面に類似する横断面を有している。図5、図6、図10および図11に示されているように、突出要素54、56は、この深さのほぼ半分に等しい2つの半割貝間のキャビティ40の深さの部分を延通する。実際に、1つの半割貝の突出要素54、56は、もう1つの半割貝のそれぞれの突出要素54、56と接触する表面58を有している。
【0071】
図5、図6、図10および図11から、柱状要素24の内側の列に対応する突出要素52は、2つの半割貝の1つのみ、すなわち、該実施形態において、上方の半割貝36のみと連結され、2つの半割貝間のキャビティ40の深さ全体を延通し、下方の半割貝38の内側表面39と直接接触するということも明らかである。特に、図10から、突出要素52の高さは、突出要素54、56の高さよりも高く、その突出要素54、56の高さは、実際に、突出要素52の高さのほぼ半分であるということが明らかである。
【0072】
この構成は、例えば、図4に示されているように、ブレーキバンド14とベル状体12との間の連結部分がアーチ形である場合でも、鋳型から中子44を取り外すために、2つの半割貝36、38が軸X−Xに沿って開かれることを可能とする。実際に、ディスク10の形状は、中子型34の内側表面37、39において、同様な方法で再生され、上方の半割貝36と一体化する突出要素52の存在により、アンダーカットの存在を回避する。
【0073】
上述されるようなディスクを製造する方法、その結果として、上述されるような中子型および中子が使用される方法が、下記に記述されている。
【0074】
図5は、2つの半割貝が軸X−Xに沿って結合される段階における2つの半割貝を示している。2つの半割貝が、図6に示されるように結合されるとき、中子砂は、ダクト42を通って、2つの半割貝によって画定されるキャビティ40に送られる。中子砂は、中子型の壁の加熱の結果として重合される砂および樹脂の集魂である。
【0075】
突出要素52の特別の形状である柱状要素24の形状に左右される形状は、中子型への砂の流れに好都合であり、鋳造の続いて起こる成功に必要とされる密集性が、ブレーキバンドの周辺領域においてでも達成されることを確実とする。
【0076】
砂は、実際に、中子の周辺まで高速を維持し、これは、砂の流れにおける乱れを制限する突出要素52(柱状要素24に対応する)の先細形状によって、積極的に影響を及ぼされる。
【0077】
砂がぎっしり詰められると、2つの半割貝は、軸X−Xによって画定される方向に取り外され、中子44は、図7に示されるように、鋳型から取り外される。
【0078】
中子44は、次に、ディスク10の鋳造のために、砂で形成される鋳型内に挿入される。
【0079】
軸Z−Zに向かって先細になっている、特に、スペースを通る気流方向にほぼ平行な領域において菱形の横断面を形成するために、両方向において先細になっている横断面を有するために、軸Z−Zに向かって対面するブレーキバンドの縁部の付近に配置される柱状要素24の供給は、特に、利点であるということが前述のことから明らかである。
【0080】
このタイプの構成は、実際に、突出要素52の同様な構成に、ゆえに、ディスクの鋳造に使用される中子の最適な程度の密集性に反映されている。
【0081】
最適な特性の密集性を有する中子を使用することが可能であるという事実は、その結果として、製造されるディスクの品質に影響を及ぼし、続いて起こる処理を減少する。特に、多量のディスクは、一様に分配され、多量のディスクのバランスをとるステップは、少しも煩わしくなく、特に、多量の質量に関して取り除かれる。
【0082】
しかも、中子型の、その結果として、中子の好都合な構成は、スペース20の端から端まで、中の気流に不利に影響を及ぼす実質的に欠陥、あるいは、妨害のないディスクの製造を可能とする。
【0083】
上述されるもののような柱状要素24の内側の列の存在は、柱状要素の存在が、さらに、ベル状体の付近に延在されることを可能とし、特に、その実施形態において、例えば、図4に示されるように、第1のプレート16とスペース20との偏向をもたらす。
【0084】
これらの状態において、突出要素52の存在は、中子が、アンダーカットを回避することによって、中子型から容易に取り外されることを可能とする。
【0085】
しかも、上述の構成は、特に、例えば、ベル状体およびバンドが、単一の要素を画定するディスクに好都合である。この場合、ディスクが構成する必要のある形状のために、キャビティを通る中子砂のための通路は、実際に、ベル状体とブレーキバンドとの間の連続的な壁の存在のために、特に、曲がりくねっている場合がある。上述の配置は、さらに、ブレーキバンドが、ブレーキバンドに固定される第1の端部と、ベル状体とスライド可能に連結される第2の端部とを有する連結要素によってベル状体に連結されるディスクに好都合である。この場合、実際に、中子型に沿う砂の流れもまた、曲がりくねっている場合があり、特に、柱状要素28に対応する突出要素56の外側の列の領域におけるバンドの外側に対面する領域において、中子の密集性を制限する乱れを被りやすい。
【0086】
当然の変形および/または追加は、上述され、例示されている実施形態に行われることができる。柱状要素および対応する突出要素の構成は、変更することができる。この場合、上述されるように、内側列の柱状要素の好都合な構成は、軸Z−Zに対面するブレーキバンドの縁部の付近に配置される柱状要素のいずれにも適用される。これらの柱状要素は、中子44を形成する間に中子砂の流れが第一に達する突出要素に対応する。
【0087】
当然のことながら、柱状要素の数、および、軸Z−Zに対面するブレーキバンドの縁部の付近に配置されない外側の列と中間の列のとの要素、あるいは、いずれにしろ、柱状要素の要素の横断面の形状は、変更することができる。
【0088】
偶然事項および特定の必要条件を満たすために、当業者は、とはいえ、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、機能的に同等の他の要素を有する要素の多数の変更、改作および置き換えをディスクと中子型とのブレーキバンドの上述の好ましい実施形態に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
10…ディスク、12…ベル状体、14…ブレーキバンド、16…プレート、18…プレート、20…スペース、22…表面、24…柱状要素、26…柱状要素、28…柱状要素、34…中子型、36…半割貝、37…内側表面、38…半割貝、39…内側表面、40…キャビティ、42…ダクト、44…中子、46…円筒状隆起部、48…リング、50…中子部分、52…突出要素、54…突出要素、56…突出要素、58…表面、R1…リンク半径、R2…リンク半径、R3…リンク半径、R4…リンク半径、R5…リンク半径。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクブレーキディスク(10)のためのブレーキバンド(14)であって、軸(Z−Z)と同軸状で、互いに対面し、そして、前記軸(Z−Z)から前記バンド(14)の外側に向かって気流のためのスペース(20)を形成するために間隔をおいて配置される2つのプレート(16、18)を備え、前記プレート(16、18)は、柱状要素(24、26、28)が、前記プレート(16、18)を連結するために、横切って延在する対面する表面(22)を有し、前記柱状要素(24、26、28)が、前記スペース(20)内に一様に分配されるように、前記プレート(16、18)と同心状の円形リング、あるいは、列に分配され、前記バンドの内側の列に配置されるそれらの柱状要素(24、26)が、菱形の横断面を有し、前記横断面が、前記スペース(20)を通る気流方向にほぼ平行な領域において熟考され、前記バンド(14)の内側の列にある前記柱状要素(24、26)の菱形の横断面が、流れ方向を横切る軸に対して相称的であることと、前記プレート(16、18)間の連結に適している各要素(24、26、28)が、1つのプレート(16)からもう1つのプレート(18)に延在するとはいえ、前記スペース(20)内にとどまっていることを特徴とする、ブレーキバンド(14)。
【請求項2】
前記スペース(20)を通る気流方向にほぼ平行な領域において熟考される隣接した列の前記横断面の半径方向端部が、共通の円形に実質的に整列されている、請求項1に記載のブレーキバンド。
【請求項3】
各列の前記柱状要素(24、26、28)のそれぞれが、前記横断面において、ほぼ同一の半径方向範囲を有する、請求項1または2に記載のブレーキバンド。
【請求項4】
前記柱状要素(24、26、28)が、各プレートの対面する表面領域全体の15%〜25%を超えない、好ましくは、20%の領域全体にわたって前記プレート(16、18)を相互に連結している、請求項1〜3の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項5】
前記柱状要素(24、26)が、前記菱形の横断面を画定するリンクされた平坦な表面を有する、請求項1〜4の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項6】
前記2つのプレート(16、18)が、互いに同心状である少なくとも1つの内側の列と1つの外側の列とに沿って配置される柱状要素(24、28)によって連結されている、請求項1〜5の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項7】
前記外側の列の柱状要素(28)が、前記スペース(20)を通る前記気流方向にほぼ平行な領域においてほぼドロップ形状の横断面を有する、請求項6に記載のブレーキバンド。
【請求項8】
前記外側の列の柱状要素(28)の前記ほぼドロップ形状の横断面が、前記プレート(16、18)の軸(Z−Z)に向かって先細になっている、請求項7に記載のブレーキバンド。
【請求項9】
柱状要素(26)の1つ、あるいは、2つの別の中間の列が設けられている、請求項6〜8の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項10】
前記内側の列の柱状要素(24)が、前記スペース(20)を通る前記気流方向にほぼ平行な領域において、6mmと7mmとの間の大きさを有する流れ方向を横切る前記菱形の横断面の対角線を有する、請求項1〜9の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項11】
前記少なくとも1つの中間の列の柱状要素(26)が、前記スペース(20)を通る前記気流方向にほぼ平行な領域において、7mmと8mmとの間の大きさを有する流れ方向を横切る前記菱形の横断面の対角線を有する、請求項1〜10の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項12】
前記少なくとも1つの中間の列の柱状要素(26)が、前記内側の列の柱状要素(24)および前記外側の列の前記柱状要素(28)に対してオフセットされている、請求項1〜11の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項13】
前記柱状要素(24、26、28)が、前記2つのプレート(16、18)間に五の目型配置状態に分配されている、請求項1〜12の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項14】
前記内側の列の柱状要素(24)および前記中間の列の柱状要素(26)が、半径方向に、1.5mmから2.5mmまで可変の、好ましくは、2mmのリンク半径を有する端部を有する、請求項1〜13の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項15】
前記外側の列の柱状要素(28)が、半径方向に、1.5mmから2.5mmまで可変の、好ましくは、2mmのリンク半径を有する第1の端部と、4mmから5mmまで可変の、好ましくは、4.5mmのリンク半径を有する第2の端部とを有する、請求項1〜14の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項16】
前記内側の列の柱状要素(24)が、流れ方向を横切る方向に、前記平坦な表面間に3mmから3.5mmまで可変のリンク半径を有する、請求項1〜15の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項17】
前記少なくとも1つの中間の列の柱状要素(26)が、流れ方向を横切る方向に、前記平坦な表面間に3.5mmから4mmまで可変のリンク半径を有する、請求項1〜16の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項18】
前記柱状要素(24、26、28)が、3mmから4mmまで可変の、好ましくは、3.5mmのリンク半径で前記プレート(16、18)に連結されている、請求項1〜17の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載のブレーキバンド(14)を備えている、ディスクブレーキディスク(10)。
【請求項20】
前記ブレーキバンド(14)が、ベル状体(12)に連結するための要素を有しておらず、前記ベル状体(12)が、前記ブレーキバンド(14)に固定される第1の端部と、スライド可能に前記ベル状体(12)と連結される第2の端部とを有する、請求項19に記載のディスクブレーキディスク。
【請求項21】
前記ブレーキバンド(14)のプレート(16)が、ベル状体(12)に連結されている、請求項19に記載のディスクブレーキディスク。
【請求項22】
ディスクブレーキディスク(10)のための中子(44)を製造するための中子型(34)であって、結合されるとき、キャビティ(40)を画定する2つの半割貝(36、38)を備え、2つの半割貝の少なくとも1つは、中子(44)内に、請求項1〜18のいずれか一項に記載されるように、前記ディスクのブレーキバンド(14)を構成するプレート(16、18)を連結するために延在する柱状要素(24)を形成するキャビティを生成するために、前記キャビティ(40)を通るもう1方の半割貝に向かって突出する要素(52)を有する、中子型(34)。
【請求項23】
前記突出要素(52)が、前記それぞれの半割貝(36)と同心状の円形リンク、あるいは、列周りに分配されている、請求項22に記載の中子型。
【請求項24】
前記2つの半割貝(36、38)のそれぞれが、さらに、前記2つの半割貝の間の前記キャビティ(40)の深さの部分を延通する別の突出要素(54、56)を備える、請求項23に記載の中子型。
【請求項25】
1つの半割貝の別の突出要素(54、56)が、前記もう1つの半割貝のそれぞれの別の突出要素(54、56)と接触する表面(58)を有する、請求項24に記載の中子型。
【請求項26】
前記別の突出要素(54、56)が、前記それぞれの半割貝と同心状の少なくとも1つの円形リング、あるいは、列周りに分配されている、請求項24または25に記載の中子型。
【請求項1】
ディスクブレーキディスク(10)のためのブレーキバンド(14)であって、軸(Z−Z)と同軸状で、互いに対面し、そして、前記軸(Z−Z)から前記バンド(14)の外側に向かって気流のためのスペース(20)を形成するために間隔をおいて配置される2つのプレート(16、18)を備え、前記プレート(16、18)は、柱状要素(24、26、28)が、前記プレート(16、18)を連結するために、横切って延在する対面する表面(22)を有し、前記柱状要素(24、26、28)が、前記スペース(20)内に一様に分配されるように、前記プレート(16、18)と同心状の円形リング、あるいは、列に分配され、前記バンドの内側の列に配置されるそれらの柱状要素(24、26)が、菱形の横断面を有し、前記横断面が、前記スペース(20)を通る気流方向にほぼ平行な領域において熟考され、前記バンド(14)の内側の列にある前記柱状要素(24、26)の菱形の横断面が、流れ方向を横切る軸に対して相称的であることと、前記プレート(16、18)間の連結に適している各要素(24、26、28)が、1つのプレート(16)からもう1つのプレート(18)に延在するとはいえ、前記スペース(20)内にとどまっていることを特徴とする、ブレーキバンド(14)。
【請求項2】
前記スペース(20)を通る気流方向にほぼ平行な領域において熟考される隣接した列の前記横断面の半径方向端部が、共通の円形に実質的に整列されている、請求項1に記載のブレーキバンド。
【請求項3】
各列の前記柱状要素(24、26、28)のそれぞれが、前記横断面において、ほぼ同一の半径方向範囲を有する、請求項1または2に記載のブレーキバンド。
【請求項4】
前記柱状要素(24、26、28)が、各プレートの対面する表面領域全体の15%〜25%を超えない、好ましくは、20%の領域全体にわたって前記プレート(16、18)を相互に連結している、請求項1〜3の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項5】
前記柱状要素(24、26)が、前記菱形の横断面を画定するリンクされた平坦な表面を有する、請求項1〜4の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項6】
前記2つのプレート(16、18)が、互いに同心状である少なくとも1つの内側の列と1つの外側の列とに沿って配置される柱状要素(24、28)によって連結されている、請求項1〜5の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項7】
前記外側の列の柱状要素(28)が、前記スペース(20)を通る前記気流方向にほぼ平行な領域においてほぼドロップ形状の横断面を有する、請求項6に記載のブレーキバンド。
【請求項8】
前記外側の列の柱状要素(28)の前記ほぼドロップ形状の横断面が、前記プレート(16、18)の軸(Z−Z)に向かって先細になっている、請求項7に記載のブレーキバンド。
【請求項9】
柱状要素(26)の1つ、あるいは、2つの別の中間の列が設けられている、請求項6〜8の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項10】
前記内側の列の柱状要素(24)が、前記スペース(20)を通る前記気流方向にほぼ平行な領域において、6mmと7mmとの間の大きさを有する流れ方向を横切る前記菱形の横断面の対角線を有する、請求項1〜9の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項11】
前記少なくとも1つの中間の列の柱状要素(26)が、前記スペース(20)を通る前記気流方向にほぼ平行な領域において、7mmと8mmとの間の大きさを有する流れ方向を横切る前記菱形の横断面の対角線を有する、請求項1〜10の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項12】
前記少なくとも1つの中間の列の柱状要素(26)が、前記内側の列の柱状要素(24)および前記外側の列の前記柱状要素(28)に対してオフセットされている、請求項1〜11の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項13】
前記柱状要素(24、26、28)が、前記2つのプレート(16、18)間に五の目型配置状態に分配されている、請求項1〜12の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項14】
前記内側の列の柱状要素(24)および前記中間の列の柱状要素(26)が、半径方向に、1.5mmから2.5mmまで可変の、好ましくは、2mmのリンク半径を有する端部を有する、請求項1〜13の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項15】
前記外側の列の柱状要素(28)が、半径方向に、1.5mmから2.5mmまで可変の、好ましくは、2mmのリンク半径を有する第1の端部と、4mmから5mmまで可変の、好ましくは、4.5mmのリンク半径を有する第2の端部とを有する、請求項1〜14の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項16】
前記内側の列の柱状要素(24)が、流れ方向を横切る方向に、前記平坦な表面間に3mmから3.5mmまで可変のリンク半径を有する、請求項1〜15の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項17】
前記少なくとも1つの中間の列の柱状要素(26)が、流れ方向を横切る方向に、前記平坦な表面間に3.5mmから4mmまで可変のリンク半径を有する、請求項1〜16の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項18】
前記柱状要素(24、26、28)が、3mmから4mmまで可変の、好ましくは、3.5mmのリンク半径で前記プレート(16、18)に連結されている、請求項1〜17の少なくとも1項に記載のブレーキバンド。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載のブレーキバンド(14)を備えている、ディスクブレーキディスク(10)。
【請求項20】
前記ブレーキバンド(14)が、ベル状体(12)に連結するための要素を有しておらず、前記ベル状体(12)が、前記ブレーキバンド(14)に固定される第1の端部と、スライド可能に前記ベル状体(12)と連結される第2の端部とを有する、請求項19に記載のディスクブレーキディスク。
【請求項21】
前記ブレーキバンド(14)のプレート(16)が、ベル状体(12)に連結されている、請求項19に記載のディスクブレーキディスク。
【請求項22】
ディスクブレーキディスク(10)のための中子(44)を製造するための中子型(34)であって、結合されるとき、キャビティ(40)を画定する2つの半割貝(36、38)を備え、2つの半割貝の少なくとも1つは、中子(44)内に、請求項1〜18のいずれか一項に記載されるように、前記ディスクのブレーキバンド(14)を構成するプレート(16、18)を連結するために延在する柱状要素(24)を形成するキャビティを生成するために、前記キャビティ(40)を通るもう1方の半割貝に向かって突出する要素(52)を有する、中子型(34)。
【請求項23】
前記突出要素(52)が、前記それぞれの半割貝(36)と同心状の円形リンク、あるいは、列周りに分配されている、請求項22に記載の中子型。
【請求項24】
前記2つの半割貝(36、38)のそれぞれが、さらに、前記2つの半割貝の間の前記キャビティ(40)の深さの部分を延通する別の突出要素(54、56)を備える、請求項23に記載の中子型。
【請求項25】
1つの半割貝の別の突出要素(54、56)が、前記もう1つの半割貝のそれぞれの別の突出要素(54、56)と接触する表面(58)を有する、請求項24に記載の中子型。
【請求項26】
前記別の突出要素(54、56)が、前記それぞれの半割貝と同心状の少なくとも1つの円形リング、あるいは、列周りに分配されている、請求項24または25に記載の中子型。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−71470(P2010−71470A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−256539(P2009−256539)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【分割の表示】特願2002−579678(P2002−579678)の分割
【原出願日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【出願人】(501016696)フレニ・ブレンボ エス・ピー・エー (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256539(P2009−256539)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【分割の表示】特願2002−579678(P2002−579678)の分割
【原出願日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【出願人】(501016696)フレニ・ブレンボ エス・ピー・エー (18)
【Fターム(参考)】
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