説明

ブレーキ付搬送機構

【課題】本発明は、独立した外部ブレーキ機構を設けることなく、少ない部品構成、且つ小型な構造で大きな制動力を得ることのできるブレーキが付加された搬送機構を提供する。
【解決手段】本発明は、架台に設けられている案内レールと、前記案内レールに取り付けられ、案内レールに沿って走行移動する移動案内部材と、前記移動案内部材に設けられるベースと、前記架台に設けられる固定マグネットレールと、前記固定マグネットレールの表裏両面に設けられ、固定マグネットレールの長手方向に間隔をとって並ぶ多数の走行推力用磁石と、前記ベースに設けられ、前記走行推力用磁石との磁気作用により走行推力を起こすモータコイルと、固定マグネットレールを両面から挟持するブレーキ手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置内のクリーン度を確保するフィルタユニット、作業用ウェハを格納するロードポートと、ウェハ位置を補正するアライメント機構を備え、リニアモータにより走行移動が行なわれるウェハ搬送装置のブレーキ付搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から半導体製造装置などで利用される搬送機構では、ロボットや架台を搭載する垂直走行軸には、ボールネジとモータを組み合わせた昇降機構が多く利用されている。
【0003】
その理由は安価で多くの使用実績があること、また制動機構がシンプルに実現できることもその1つに挙げられる。
【0004】
ただし、その反面ボールネジは、構造上移動ストロークをあまり長くできないことや速度を上げられないこと、さらにボールネジとベアリングの接触部から塵埃が発生するなどの欠点もある。
【0005】
それに代わる走行軸の機構としてリニアモータがある。リニアモータの構造は、ボールネジとは違い推力を発生させる固定マグネットレールとモータコイルが非接触であり、塵埃の発生が少ない。さらにボールネジと比較し高速で長い移動ストロークも可能である。
【0006】
以上の点より、リニアモータの方がボールネジに比べ利点が多く走行軸に適しているが、垂直軸にリニアモータを利用する場合、移動した位置にリニアモータを保持させるための手段が必要である。
【0007】
給電状態では固定マグネットレールにモータコイルの励磁力でリニアモータが保持されるため特別な手段はいらない。
【0008】
しかし、装置の電源遮断時や故障による電源断時にはモータコイルの励磁力が喪失するため搭載物や自重の影響で落下することになる。
【0009】
そのため、従来では外部にエアシリンダや油圧などの力を利用して摩擦物同士を押し付けるブレーキ機構を設けその摩擦力で制動している。
【0010】
ただし、これらのブレーキ機構には、搭載物や自重が重くなるほど大きな制動力が必要となり、それに伴いブレーキ構造自体も大きくなり、価格や装置内の省スペース化に対して構造的な実用面で問題があった。
【0011】
例えば、特開2002−186243号公報(特許文献1)に開示された先行技術のように固定マグネットレールにN、S磁極を交互に並べ敷設した固定子と、固定子との磁気吸着を防ぐため一定の距離を保持しながら表裏両側を複数の電機子で挟み込んだ可動子で構成され、その固定子と可動子の間に働く磁気吸引力で走行推力を発生するリニアモータにおいても保持ブレーキが付加されていないため、垂直走行軸の搬送機構に適用するには外部ブレーキなどの手段を設ける必要がある。
【0012】
また、特開平10−112971号公報(特許文献2)や特開2003−301872号公報(特許文献3)に開示された先行技術には、走行推力のための固定マグネットレールの磁気吸引力を利用したブレーキ機構が公開されている。
【0013】
【特許文献1】特開2002−186243号公報
【特許文献2】特開平10−112971号公報
【特許文献3】特開2003−301872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記の問題に鑑み、簡単な構造で大きな制動力が得られるブレーキ付搬送機構を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、外部ブレーキ機構を設けることなく、固定マグネットレールの磁気吸引力を利用したブレーキにすることにより、コンパクトで省スペース化に対応した構造のブレーキ付搬送機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、固定マグネットレールと、前記固定マグネットレールの表裏両面に設けられ、固定マグネットレールの長手方向に間隔をとって並ぶ多数の走行推力用磁石と、前記走行推力用磁石との磁気作用により走行推力を起こすモータコイルと、固定マグネットレールを両面から挟持するブレーキ手段を有することを特徴とする。
【0017】
さらに具体的には、ブレーキ手段は固定マグネットレールの両面に近接して対向するところの鋼板を含む金属で形成された一対のブレーキ板を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、固定マグネットレールを両面からブレーキ手段で挟持するので簡単な構造で大きな制動力を得られるブレーキ付搬送機構を提供することができる。
【0019】
また、鋼板を含む金属で形成された一対のブレーキ板は、固定マグネットレールの磁気吸引力で強く吸着するブレーキになるので、外部ブレーキ機構を設ける必要がなく、コンパクトで省スペース化に対応した構造のブレーキ付搬送機構を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施例について、図を引用して説明する。
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0022】
図1、図2に示すように、固定マグネットレール6とモータコイル3によりリニアモータが形成される。このリニアモータは、走行軸になる固定マグネットレール6が垂直、水平、あるいは傾斜した配置され、半導体製造装置で作られるウェハを搬送する搬送機構に利用される。
【0023】
リニアモータを垂直走行軸の搬送機構に適用した場合、電源給電時はモータコントローラのサーボ制御により制動力が得られ、搭載物や自重の重量を支えながら現在位置を保持するのは可能である。
【0024】
しかし、電源遮断時あるいは電源系統の故障時には、可動側のモータコイル3の励磁電流が遮断される。このため、固定マグネットレール6との間の磁気吸引力を喪失し、制動力を失うので、ブレーキを設ける必要がある。
【0025】
図示されているように、垂直走行軸である固定マグネットレール6は、架台7に固定支持される。
【0026】
架台7は垂直に延びる案内レール5を有する。移動案内部材4は案内レール5に沿って走行移動する。ベース1は移動案内部材4に固定支持される。このベース1にロボットは搭載される。ロボットは、ベース1に載って、垂直方向に上下移動する。
【0027】
移動案内部材4は、図6に示すボールベアリング30を用いて案内レール5に走行移動自在に支持されている。案内レール5の側面溝31に嵌合する二つのボールベアリング30により、移動案内部材4は案内レール5からの脱落が図られる。
【0028】
案内レール5の先端溝42に嵌合する一つのボールベアリング30により移動案内部材4の左右方向のガタが抑えられる。
【0029】
固定マグネットレール6は、案内レール5と並行に延在し、両端が架台7に支持されたところを除いて架台から浮いた状態に置かれる。
【0030】
モータコイル3は、固定マグネットレール6の表裏両面に設けた走行推力用磁石13の磁気吸引力を利用するため、両側から挟みこむ構造となっており、固定マグネットレール6と非接触で一定の距離を保ちながら走行するようにベース1に取り付け固定されている。
【0031】
ブレーキ手段は、ブレーキ板2、ブレーキ押さえ9、回動支点50、ブレーキバネ8、電磁石10、ブレーキ板側摩擦部材12を有する。
【0032】
電源遮断時あるいは電源系統故障時に鋼板を含む金属製のブレーキ板2で固定マグネットレール6を両側から挟み込む。
【0033】
前述した一対のブレーキ板2を支持し、かつ回動支点50を介して回動自在に支持される一対のブレーキ押さえ9は、固定マグネットレール6を両面から挟持する挟持力を付勢するブレーキバネ8と、ブレーキバネ8の挟持力に抗してブレーキ手段の挟持を解くように作動する電磁石10を有する。
【0034】
このような構成にブレーキ手段が構成されているので、ブレーキ手段は次のように作動する。
【0035】
装置電源が遮断され保持ブレーキ機構が動作している状態からのブレーキ押さえ9の一連の流れとしては、電源給電開始後にモータコイル3が励磁され、ベース1に搭載されたロボットや架台7と自重を十分に保持できる推力を得た時点でブレーキ解除とする。
【0036】
すなわち、ブレーキ解除の時点で電磁コイル10に励磁電流を流すことでブレーキ押さえ9の片端を引き付け、走行推力用磁石13に磁気吸着されているブレーキ板2を固定マグネットレール6から引き離す。
【0037】
その作用により、固定マグネットレール側摩擦部材11とブレーキ側摩擦部材12の摩擦力が喪失(解かれ)される。
【0038】
また逆に電源遮断時あるいは電源系統故障時には、モータコイル3の励磁電流が遮断され、搭載物や自重を保持できる推力が無くなると同時に電磁コイル10の励磁電流が遮断される。
【0039】
これと同時にブレーキバネ8の引っ張り力で瞬時にブレーキ板2が固定マグネットレール6の挟み込みを始動し、走行推力用磁石13の磁気吸着が作用して、応答性の高い大きな制動力を得られる。ロボットは自然落下移動することなく、電源遮断された位置に停止保持される。
【0040】
モータコイル3と電磁コイル10の励磁電流の制御は、垂直走行方向の位置制御と併せてモータコントローラが行うものとする。
【0041】
図2に示すように、固定マグネットレール6の中心には、十分な走行推力を得るために磁気特性の高い希土類ネオジウムなどを素材とした走行推力用磁石13をN、S極と交互に配置している。
【0042】
その走行推力用磁石13の両側の干渉しない位置に固定マグネットレール6と並行して固定マグネットレール側摩擦部材11を敷設する。
【0043】
前述したように電源遮断などの垂直走行の制動時は、ブレーキ板2に設けられたブレーキ板側摩擦部材12がマグネット6の磁気吸引により固定マグネットレール側摩擦部材11をブレーキ押さえ9で挟み込み、両面で摩擦部材同士が押し付け合い摩擦力が発生するため簡単な構造で大きな制動力が得られる。
【0044】
摩擦部材は、ブレーキ板2がばね8の引っ張り力と走行推力用磁石13の吸引力で瞬時に挟み込む時に発生する衝撃で走行推力用磁石13を破損させないための緩衝材の役目も兼ねている。
【0045】
摩擦部材としてコルクを用いると、良好な緩衝効果が期待でき、音の発生を抑えることができる。
【0046】
また、このブレーキ手段であるブレーキ機構は片側にあるブレーキ押さえ9を回動支点50を介して各摩擦部材を挟み込む形となるが、走行推力用磁石13はブレーキ板2の中心を磁気吸引するため、摩擦力は左右の摩擦部材均等に発生する。
【0047】
一方、電源給電時の保持ブレーキ解除動作であるが、走行推力用磁石13により吸着されたブレーキ板2を引き離して制動力を喪失するために電磁コイル10はブレーキ押さえ9の片端を強力な力で引き付ける必要がある。
【0048】
その場合は、複数個の電磁コイル10を備えることも可能である。
【0049】
また、このブレーキ手段は、二枚のブレーキ板2で固定マグネットレール6の表裏の両面を挟持するので、図6に示すボールベアリング30に無理な力がかからない。
【0050】
すなわち、前述した特許文献2に示す片側から押し付けるブレーキ機構の場合には、走行推力用磁石の磁気吸引に伴い、案内レールのボールベアリングに押し付け力が作用する。
【0051】
本実施例の場合には、固定マグネットレール6を両面から挟持するので、そのような押し付け力が作用せず、ボールベアリング30に無理な力がかからない。ボールベアリング30や案内レール5の側面溝31の摩滅が生じ難く、高精度の走行移動が維持される。
【0052】
次に図3に示す実施例について説明する。
【0053】
この実施例によれば、図1、図2に比べ、ブレーキ動作開始直後から最大限の制動力を得ることができる。
【0054】
すなわち、前述した図1、図2の搬送機構のブレーキ機構は、片側を支点としたブレーキ押さえ9で摩擦部材同士を挟み込み摩擦力を発生する構造である。
【0055】
このため、ブレーキ動作を開始した挟み込み始動時にブレーキ板2は、円軌道を描くように先ず支点の近くに設けた片側のみのマグネットレール側摩擦部材11とブレーキ板側摩擦部材12を押し付け合う作用をする。
【0056】
最終的に走行推力用磁石13はブレーキ板2の中心を磁気吸引するため、摩擦力は左右の摩擦部材均等に発生するが、動作開始直後の制動力は半減する結果となる。そのため、装置電源が遮断された瞬間に最大限の制動力を発生できない問題点がある。
【0057】
その問題を解消する手段を設けた図3は、前述した図1、図2の搬送機構のブレーキ機構を片側の支点で挟み込む構造から、マグネットレール6の表裏両面に並行に設けたブレーキ板2により摩擦部材同士を押し付ける構造に改良したものである。
【0058】
言い換えると、ブレーキ機構は、一対のブレーキ板2を固定マグネットレール6に押し付けるように一対のブレーキ板2の背面側に設けられた複数のブレーキバネ8と、ブレーキバネ8を介して一対のブレーキ板2と対向するように置かれる一対のブレーキ押さえ9と、ブレーキバネ8に抗して固定マグネットレール6に押し付けられている一対のブレーキ板2を固定マグネットレール6から離間させるように作動する電磁石10を有する構成になっている。
【0059】
電源給電時は保持ブレーキ解除のため、ブレーキ板2を電磁石10の励磁による磁気吸引力で引っ張り上げ摩擦力が喪失する位置で保持する。
【0060】
電源遮断時あるいは電源系統故障時は、電磁石10は非励磁となり吸着力を喪失すると同時にブレーキバネ8の伸長力が働き、ブレーキ板2は固定マグネットレール6に対して並行に挟み込み動作を開始する。
【0061】
さらに、走行推力用磁石13の磁気吸引力も加わり左右の摩擦部材同士が均等に押し付け合うことにより、ブレーキ動作開始直後から最大限の制動力を得ることができる。
【0062】
図4は、ブレーキ制御のタイミング図で電源電圧と制動力の関係を示したものである。
【0063】
電源電圧100%で制動力が働いていない搬送機構の運転動作中に装置の電源が遮断あるいは故障した場合、電源電圧は通常電源内部の電解コンデンサに蓄積されたエネルギー(電荷)やモータにブレーキを掛けた時に発生する回生エネルギー(誘起電圧)の影響でゆるやかに電圧降下をする。
【0064】
電源電圧が約70%まで低下した時に電磁コイル10は励磁電流を遮断されブレーキ板2を保持する力を喪失し、ばね8の伸長力で制動を開始する(a部)。
【0065】
aの時点では制動力は小さいが、ブレーキの応答性を上げる作用と摩擦部材の挟み込み始動の引き金になるため必要な動作である。
【0066】
その後、ブレーキ板2とマグネットレール6間の距離が一定値以内に近づくとマグネット13の磁気吸引力により発生した摩擦部材同士を押し付け合う応力が、前記ばね8の伸長力に加わり、急激に制動力が大きくなる(b部)。
【0067】
そして、電源電圧が50%以下に低下するタイミングにはブレーキ板2とマグネットレール6は磁気吸着状態となり、完全な制動状態を保持している(c部)。
【0068】
また、電源給電開始においては、電源電圧は短時間で上昇するので、約80%付近まで上昇した時に電磁コイル10の励磁電流が流れ始めブレーキ板2を引き付ける動作を開始する(d部)。
【0069】
マグネットレール6に磁気吸着したブレーキ板2を完全に引き離すタイミングでは、すでに電源電圧は100%まで上昇しているので、モータコイル3は架台や自重を十分に保持できる推力を得ている。この時点で保持ブレーキ解除となる(e部)。
【0070】
図5は、コントローラのブロック図である。
【0071】
ブロック図のコントローラにより、前述した図4のタイミングで制御が行なわれる。
【0072】
AC検出部fは、常に電源電圧を監視し、ブレーキの動作(70%)/解除(80%)電圧を判断し、演算部gに検出信号を送る。
【0073】
演算部gは、検出信号がノイズなどの過渡的な信号か正規の検出信号かを判断するため、検出信号をA/D変換し取り込みフィルタ・平均処理を行う。正規な検出信号の場合は、励磁電流制御部hで電磁コイルの励磁電流を制御し励磁/遮断の処理を行う。
【0074】
ブレーキiでは、電磁コイルの励磁/非励磁動作に伴い図4に示すタイミングで搬送機構のブレーキ動作を行う。
【0075】
上述したブレーキ付搬送機構を半導体ウェハ搬送装置に適用した例について説明する。
【0076】
電源遮断時や電源系統の故障時は、ロボットの下敷きやアームなどの伸長物にぶつかる危険のないよう瞬時にブレーキを動作させ、インターロックをかけることにより作業者の安全を確保する必要がある。
【0077】
また、ロボットハンドにウェハを吸着したままである場合、ブレーキ作動が遅れることにより周辺装置に接触しウェハを破損する恐れがある。
【0078】
本実施例では、電源遮断時、瞬時に大きな制動力が必要なロボットなどの固定マグネットレール(垂直走行軸)を有する構成にとって特に有効である。この場合の固定マグネットレール(垂直走行軸)は、一般的な垂直角度で90°±5°の範囲で搬送を行う走行軸を指す。
【0079】
また、半導体製造装置のステージなどにおいては、今後益々高クリーン度、高精度、小型化の要求が強くなることが予測されるため、従来のボールねじを利用した垂直走行軸の搬送機構では限界がある。
【0080】
本実施例は搬送機構をリニアモータに移行した場合の課題である外部ブレーキ機構の解消を実現したもので、その他の半導体製造装置にも適用できる。
【0081】
本実施例におけるリニアモータは、固定マグネットレールをモータコイルで挟み込み表裏両面の磁気吸引力を利用して走行推力を発生する構造なので、固定マグネットレールは土台となる架台から両端を支点として浮いて設置される状態となる。
【0082】
本実施例によれば、前述した構造を元に固定マグネットレールの両面に設けた摩擦部材をブレーキ機構の摩擦部材で両側から挟み込み制動させるため、固定マグネットレールが片一方からの摩擦部材の応力で反りが発生するなどの問題も無く、大きな制動力を得ることができる。
【0083】
また、ブレーキ機構が固定マグネットレールと一体化になっているため、外部に独立したブレーキ構造(外部ブレーキ機構)を設けた場合と比べ、構成部品の少ない安価な構造で省スペース化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施例に係わるもので、固定マグネットレール(垂直走行軸)の走行方向を手前に見た断面図。
【図2】本発明の実施例に係わるもので、リニアモータおよびブレーキ機構の斜視図。
【図3】本発明の他の実施例に係わるもので、固定マグネットレール(垂直走行軸)の走行方向を手前に見た断面図。
【図4】本発明の実施例に係わるもので、ブレーキ制御のタイミング図。
【図5】本発明の実施例に係わるもので、コントローラのブロック図。
【図6】本発明の実施例に係わるもので、案内レール、移動案内部材、ボールベアリングの関係を示した図。
【符号の説明】
【0085】
1…ベース、2…ブレーキ板、3…モータコイル、4…移動案内部材、5…案内レール、6…固定マグネットレール、7…架台、8…フレーキバネ、9…ブレーキ押さえ、10…電磁石、11…マグネットレール側摩擦部材、12…ブレーキ板側摩擦部材、13…走行推力用磁石。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定マグネットレールと、前記固定マグネットレールの表裏両面に設けられ、固定マグネットレールの長手方向に間隔をとって並ぶ多数の走行推力用磁石と、前記走行推力用磁石との磁気作用により走行推力を起こすモータコイルと、固定マグネットレールを両面から挟持するブレーキ手段を有することを特徴とするブレーキ付搬送機構。
【請求項2】
架台に設けられている案内レールと、前記案内レールに取り付けられ、案内レールに沿って走行移動する移動案内部材と、前記移動案内部材に設けられるベースと、前記架台に設けられる固定マグネットレールと、前記固定マグネットレールの表裏両面に設けられ、固定マグネットレールの長手方向に間隔をとって並ぶ多数の走行推力用磁石と、前記ベースに設けられ、前記走行推力用磁石との磁気作用により走行推力を起こすモータコイルと、固定マグネットレールを両面から挟持するブレーキ手段を有することを特徴とするブレーキ付搬送機構。
【請求項3】
請求項1または2記載のブレーキ付搬送機構において、
ブレーキ手段は、前記固定マグネットレールの両面に近接して対向するところの鋼板を含む金属で形成された一対のブレーキ板を有することを特徴とするブレーキ付搬送機構。
【請求項4】
請求項3記載のブレーキ付搬送機構において、
前記固定マグネットレールの長手方向に沿って延びるように両面に設けられるマグネットレール側摩擦部材と、前記ブレーキ板に設けられ、前記マグネットレール側摩擦部材に摺接するブレーキ板側摩擦部材を有することを特徴とするブレーキ付搬送機構。
【請求項5】
請求項3記載のブレーキ付搬送機構において、
前記一対のブレーキ板を支持し、かつ回動支点を介して回動自在に支持される一対のブレーキ押さえと、前記ブレーキ手段が前記固定マグネットレールを両面から挟持する挟持力を付勢するブレーキバネと、前記ブレーキバネの挟持力に抗して前記ブレーキ手段の挟持を解くように作動する電磁石を有することを特徴とするブレーキ付搬送機構。
【請求項6】
請求項3記載のブレーキ付搬送機構において、
前記一対のブレーキ板を前記固定マグネットレールに押し付けるように一対のブレーキ板の背面側に設けられたブレーキバネと、前記ブレーキバネを介して前記一対のブレーキ板と対向するように置かれる一対のブレーキ押さえと、前記ブレーキバネに抗して前記固定マグネットレールに押し付けられている前記一対のブレーキ板を固定マグネットレール
から離間させるように作動する電磁石を有することを特徴とするブレーキ付搬送機構。
【請求項7】
請求項1または2記載のブレーキ付搬送機構において、
前記固定マグネットレールが垂直に設けられたことを特徴とするブレーキ付搬送機構。
【請求項8】
請求項1または2記載のブレーキ付搬送機構において、
前記走行推力用磁石は、希土類を含む永久磁石であることを特徴とするブレーキ付搬送機構。
【請求項9】
固定マグネットレールと、前記固定マグネットレールの表裏両面に設けられ、固定マグネットレールの長手方向に間隔をとって並ぶ多数の走行推力用磁石と、前記走行推力用磁石との磁気作用により走行推力を起こすモータコイルと、固定マグネットレールを両面から挟持するブレーキ手段と、前記ブレーキ手段の挟持を解くように作動する電磁石と、前記モータコイル、および電磁石の励磁電流を制御する励磁電流制御部を有することを特徴とするブレーキ付搬送機構。
【請求項10】
装置内のクリーン度を確保するフィルタユニット、作業用ウェハを格納するロードポートと、ウェハ位置を補正するアライメント機構を有するウェハ搬送装置において、
架台に設けられている案内レールと、前記案内レールに取り付けられ、案内レールに沿って走行移動する移動案内部材と、前記移動案内部材に設けられるベースと、前記架台に設けられる固定マグネットレールと、前記固定マグネットレールの表裏両面に設けられ、固定マグネットレールの長手方向に間隔をとって並ぶ多数の走行推力用磁石と、前記ベースに設けられ、前記走行推力用磁石との磁気作用により走行推力を起こすモータコイルと、前記ベースに設けられたロボットと、固定マグネットレールを両面から挟持するブレーキ手段、前記ブレーキ手段の挟持を解くように作動する電磁石と、前記モータコイル、および電磁石の励磁電流を制御する励磁電流制御部を有することを特徴とするブレーキ付搬送機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−160937(P2008−160937A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−344718(P2006−344718)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000233549)株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ (130)
【Fターム(参考)】