ブロー成形装置及びブロー成形方法
【課題】。
【解決手段】パリソンPを同一の径にて下方に吐出するノズルと、上記同一の径にて吐出されたパリソンPの左側に配置されてなる一方の金型本体8と、上記パリソンPの右側に配置されてなる他方の金型本体9と、上記一方及び他方の金型本体8,9が互いに接近する方向及び離間する方向に該一方及び他方の金型本体を駆動する駆動手段10,11と、上記一方の金型本体8に配置され他方の金型本体方向9及びその反対方向に移動自在とされてなる一方の移動型12と、上記他方の金型本体9に配置され一方の金型本体8方向及びその反対方向に移動自在とされてなる他方の移動型13と、上記一方の移動型12と他方の移動型13とが型締めされた後に上記パリソンPの内側に空気を圧入する空気圧入手段5,24と、を備えてなるとともに、上記一方及び他方の移動型12,13に形成された成形面12aの幅は、上記パリソンPの外径よりも広いものとされてなる。
【解決手段】パリソンPを同一の径にて下方に吐出するノズルと、上記同一の径にて吐出されたパリソンPの左側に配置されてなる一方の金型本体8と、上記パリソンPの右側に配置されてなる他方の金型本体9と、上記一方及び他方の金型本体8,9が互いに接近する方向及び離間する方向に該一方及び他方の金型本体を駆動する駆動手段10,11と、上記一方の金型本体8に配置され他方の金型本体方向9及びその反対方向に移動自在とされてなる一方の移動型12と、上記他方の金型本体9に配置され一方の金型本体8方向及びその反対方向に移動自在とされてなる他方の移動型13と、上記一方の移動型12と他方の移動型13とが型締めされた後に上記パリソンPの内側に空気を圧入する空気圧入手段5,24と、を備えてなるとともに、上記一方及び他方の移動型12,13に形成された成形面12aの幅は、上記パリソンPの外径よりも広いものとされてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂材料であるパリソンを型締めするとともに該パリソン内に空気を圧入することにより成形する際に使用されるブロー成形装置及びブロー成形方法に関し、特に、パリソンを上方から下方に吐出し、左右両側から該パリソンを金型により挟んだ状態で型締めし成形するブロー成形装置及びブロー成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで中空成形品を成形する場合には、中空成形法(ブロー成形法)が多用されている。この中空成形法は、溶融された成形材料を押出し成形した筒状のパリソンを、中空成形金型内に形成されたキャビティ内に収容し、このパリソンの内側にブローエアーを圧入することにより該パリソンを膨張させ、上記キャビティの形状に対応した形状に成形する方法である。こうした中空成形法によれば、所定の中空形状を比較的に簡便に成形することができる。
【0003】
ところで、図9において破線で示すように、中途部に蛇腹部50aを有し、該蛇腹部50aの上下両側には筒状部50b,50cを備えた製品50を、一方の金型51と他方の金型52とにより成形する場合には、ダイコア(ノズル)53から吐出させるパリソンPの径は、上記一方の金型51の正面を示す図10のように、該一方の金型51のキャビティ51aの幅よりも外径を短くし、図9に示す状態から、上記一方及び他方の金型51,52を型締めし、図示しないパリソン閉塞部材によって上記パリソンPの上端側及び下端側を閉塞し、その後に上記パリソンP内に空気を圧入することにより成形する。すなわち、中途部に上記蛇腹部50aが形成されるとしても全体形状として上下方向にほぼ均一な径を有する製品をブロー成形法により成形する場合には、上記成形される製品の外径よりも短い外径のパリソンPを吐出することで成形され、この方法を採用する場合には、少なくとも上記蛇腹部50aや筒状部50b,50cの外周にはバリが発生せず、また、肉厚も均一なものとすることができる。一方、図11において破線で示すように、蛇腹部60aの上部及び下部に、該蛇腹部60aよりも側方に延出した部位60b,60cを備えているような歪な形状の製品60をブロー成形法により成形する場合には、上記図9及び図10に示す方法では成形不能であり、上記製品60を構成する上記部位60b,60cをもカバーする大径のパリソンPをダイコア(ノズル)63から吐出させ、図11に示す一方の金型61と図示しない他方の金型とを用いて成形する方法が採用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した図11に示すように、大径のパリソンPを吐出させる場合には、成形された製品60全体に多量なバリが発生し、これら全て丹念に取り除く作業が必要となるばかりではなく、上述したように、蛇腹部60aを備えている製品60である場合には、上記一方の金型61と図示しない他方の金型とを型締めした際の接合箇所に対応した部位では、上記蛇腹部60aの内側にやや盛り上がった部位が発生し、他の部位よりも肉厚とされ、このために均等な伸縮作用を得られない。このことは、上述したように、蛇腹部60aを備えた製品ばかりではなく、内側に他の部品が嵌合したり或いは嵌合した状態で回転したりする部位を備えた製品においても同様であり、内周面に盛り上がった部位が形成されることは好ましくない。すなわち、上記従来の成形方法では、均一な肉厚寸法精度を出すことができない。さらにまた、図11に示す従来の成形方法では、全ての部位でパリソンPを接合して成形するものであることから、例えば、製品の一端側から内部に他の部品を圧入した場合には、該圧入された部位(被圧入部)で素材が剥離して破損してしまう危険性も高い。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来のブロー成形方法が有する課題を解決するために提案されたものであって、蛇腹部,嵌合部又は被圧入部を備えた製品であって、これら蛇腹部,嵌合部又は被圧入部の上部及び/又は下部に該蛇腹部,嵌合部又は被圧入部よりも横方向に延在した部位を備えた歪な製品であっても、該蛇腹部,嵌合部又は被圧入部の外側にバリが形成されず肉厚も均等に成形することができ強度にも優れた新規なブロー成形装置及びブロー成形方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため、第1の発明(請求項1記載の発明)は、ブロー成形装置に係るものであって、パリソンを同一の径にて下方に吐出するノズルと、上記同一の径にて吐出されたパリソンの左側に配置されてなる一方の金型本体と、上記パリソンの右側に配置されてなる他方の金型本体と、上記一方及び他方の金型本体が互いに接近する方向及び離間する方向に該一方及び他方の金型本体を駆動する駆動手段と、上記一方の金型本体に配置され他方の金型本体方向及びその反対方向に移動自在とされてなる一方の移動型と、上記他方の金型本体に配置され一方の金型本体方向及びその反対方向に移動自在とされてなる他方の移動型と、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされた後に上記パリソンの内側に空気を圧入する空気圧入手段と、を備えてなるとともに、上記一方及び他方の移動型に形成された成形面の幅は、上記パリソンの外径よりも広いものとされてなることを特徴とするものである。
【0007】
上記第1の発明では、ノズルから下方に向かってパリソンが吐出されると、次いで、例えば、駆動手段の駆動によって一方の金型本体と他方の金型本体が互いに接近する。すると、先ず、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされる。或いは、一方及び他方の金型本体の駆動とは無関係に、上記一方及び他方の移動型が互いに接近し、型締めされる。このとき、上記一方及び他方の移動金型に形成された成形面の幅は、上記パリソンの外径よりも広いことから、一方及び他方の移動金型で型締めされたパリソンは接合されることがない。そして、この状態において、空気圧入手段により上記パリソン内に空気を圧入すると、上記パリソンは変形し一方及び他方の移動型に形成された成形面により成形されるとともに、該一方及び他方の移動型により型締めされた部位以外の部位は外側に膨出する。そして、上記駆動手段の駆動により、上記一方及び他方の金型本体を型締めさせる。このとき、上記一方の移動型と他方の移動型とは、互いに型締めされた状態を維持しながら、上記一方及び他方の金型本体の駆動に伴って相対的に他方の金型本体や一方の金型本体とは反対方向に移動する。そして、上記一方及び他方の金型本体が型締めされると、再度上記空気圧入手段によりパリソン内に空気が圧入され、上記外側に膨出したパリソンが成形される。
【0008】
なお、上記一方及び他方の移動型は、弾性手段により常に他方の金型本体方向又は一方の金型本体方向に突出するように付勢されているもの(請求項2記載の発明)であっても良いが、この第1の発明においては、こうした構成に限定されることなく、例えば、エアーシリンダー等の駆動手段により、一方の移動型が他方の移動型方向及びそれとは逆方向に駆動し、また、他方の移動型が一方の移動型方向及びそれとは逆方向に駆動するように構成されたものであっても良い。したがって、このように一方及び他方の移動型がエアーシリンダー等の駆動手段により移動自在とされている場合には、上述したように、一方及び他方の金型本体が駆動手段により互いに接近する方向に駆動することに伴って一方及び他方移動型が型締めされものではなく、一方及び他方の金型本体の駆動とは無関係に、上記エアーシリンダー等の駆動により一方及び他方の移動型が移動して型締めされ、また、一方及び他方の金型本体による成形が終了した後においても、一方及び他方の移動型は、一方及び他方の金型本体との位置関係が何ら変更されないままの状態で、該一方及び他方の移動型と一方及び他方の金型本体とが一体的に移動し、その後(例えば、一方及び他方の金型本体の初期位置に復帰した後)他方の金型本体方向又は一方の金型本体方向に突出するように移動するものであっても良い。
【0009】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記一方の移動型は、一方の弾性部材により前記他方の金型本体側に付勢されてなり、前記他方の移動型は、他方の弾性部材により前記一方の金型本体側に付勢されてなり、前記駆動手段の駆動により、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされると、そのまま上記一方及び他方の弾性部材の弾性力に抗して上記一方の金型本体と他方の金型本体とが型締めされることを特徴とするものである。
【0010】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明において、前記一方及び他方の移動金型の成形面には、蛇腹を成形する蛇腹成形面,成形された製品に他の部材が嵌合する被嵌合部を形成する嵌合部成形面、又は成形された製品に他の部材が圧入される被圧入部を成形する被圧入部成形面の何れかが形成されてなることを特徴とするものである。
【0011】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、ブロー成形方法に係るものであって、パリソンをノズルから同一の径にて吐出するパリソン吐出工程と、このパリソンの中途部を、該パリソンの外径よりも広い成形面を有する一方の移動型と他方の移動型により左右両側から挟む第1次金型締結工程と、上記一方及び他方の移動型により締結された状態で上記パリソン内に空気を圧入することにより、該一方及び他方の移動型により締結された部位以外の部位を膨張させる第1次ブロー成形工程と、上記パリソンであって上記膨張した部位を、一方の金型本体と他方の金型本体とにより左右両側から挟む第2次金型締結工程と、上記一方及び他方の金型本体により締結された状態で上記パリソン内に空気を圧入する第2次ブロー成形工程と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)は、上記第4の発明において、 前記一方の移動型は、一方の弾性部材により前記他方の金型本体側に付勢されてなり、前記他方の移動型は、他方の弾性部材により前記一方の金型本体側に付勢されてなり、前記駆動手段の駆動により、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされると、そのまま上記一方及び他方の弾性部材の弾性力に抗して上記一方の金型本体と他方の金型本体とが型締めされることを特徴とするものである。
【0013】
また、第6の発明(請求項6記載の発明)は、上記第4又は第5の何れかの発明において、前記一方及び他方の移動金型の成形面には、蛇腹を成形する蛇腹成形面,成形された製品に他の部材が嵌合する被嵌合部を形成する嵌合部成形面、又は成形された製品に他の部材が圧入される被圧入部を成形する被圧入部成形面の何れかが形成されてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)及び第4の発明によれば、成形された製品において、一方及び他方の移動型により成形された部位の外側には、バリが形成されず、また、肉厚も均等なものとなるとともに、該部位では、成形工程中にパリソンが接合されることがないことから、強度にも優れたものとすることができる。したがって、これらの発明によれば、成形後にバリを取り除く作業を緩和することができるばかりではなく、上記一方及び他方の移動型により成形された部位の肉厚は均等なものとなり、内側に膨出した部位が発生しないことから、例えば、第3の発明(請求項3記載の発明)や第6の発明(請求項6記載の発明)のように、上記部位が蛇腹部である場合においては、均等な伸縮作用を得ることができ、また、上記部位が他の部材が嵌合する嵌合部である場合にあっては、該他の部材の外周面と該嵌合部の内周面との間に隙間が発生することを防止できる。また、さらに、上記部位が、他の部材が圧入される被圧入部である場合にあっては、該他の部材が圧入されることにより剥離し破損する危険性を有効に防止することができる。
【0015】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)及び第5の発明(請求項5記載の発明)では、一方及び他方の移動型は、一方の弾性部材又は他方の弾性部材により前記他方の金型本体側又は一方の金型本体側に付勢されてなり、エアーシリンダー等の装置を構成要素とするものではないことから、装置全体のコストの上昇を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、この実施の形態に係るブロー成形装置について詳細に説明した後に、このブロー成形装置を使用したブロー成形方法を各工程順に説明する。なお、この実施の形態は、本発明を、自動車の製品として使用されるホースエアークリーナーを成形するために使用されるブロー成形装置(及びその製造方法)に適用したものである。
【0017】
このブロー成形装置1は、図1に示すように、上方にはパリソンPを吐出する図示しないノズルが下面に形成されたパリソン吐出部2が配置されている。このパリソン吐出装置2は、パリソンPを押し出す押出装置3に接続され、この押出装置3にはパリソンPの樹脂原料が投入されるホッパー4が設けられている。上記押出装置3は、上記ホッパー4から投入された樹脂原料を加熱し溶融させる図示しない加熱手段と、この加熱されて溶融した樹脂材料を押し出す図示しないスクリューとを備えてなるものである。なお、上記パリソン吐出部2には、吐出されるパリソンPの肉厚を制御する図示しないパリソンコントローラが内蔵されており、このブロー成形装置1においては、このパリソンコントローラにより、後述する蛇腹部が形成される部位以外は、該蛇腹部が形成される部位よりもやや肉厚が厚いパリソンが連続して吐出されるように構成されている。すなわち、このブロー成形装置1では、上記パリソンコントローラにより、吐出されるパリソンPの肉厚は、当初はやや厚く、その後はやや薄く、またその後はやや厚くなるように制御される。また、上記パリソン吐出部2の下面には、該パリソン吐出部2から吐出されたパリソンPの内側にエアーを供給する第1のエアー供給管5が垂設されている。また、上記パリソン吐出部2の下方の左側には、該パリソン吐出部2から吐出されたパリソンPの上端側中途部を閉塞する左側上部閉塞部材6が配置され、右側には、右側上部閉塞部材7が配置されている。これら左側上部閉塞部材6と右側上部閉塞部材7とは、それぞれ互いに接近しパリソンPを挟む方向及び離間する方向に、図示しない駆動手段の駆動により移動自在とされている。
【0018】
また、上記パリソン吐出部2から吐出されたパリソンPの左側には、一方の金型本体8が配置され、右側には、他方の金型本体9が配置されている。なお、上記一方の金型本体8も他方の金型本体9も、それぞれ油圧シリンダー等の駆動手段10,11により互いに接近する方向及び離間する方向に駆動自在とされている。そして、上記一方の金型本体8には、一方の移動金型12が配置され、他方の金型本体9には、他方の移動金型13が配置されている。上記一方の移動金型12と他方の移動金型13とは、この実施の形態に係るブロー成形装置1においては、上記一方の金型本体8と他方の金型本体9との各対抗面の中央にそれぞれ配置されてなるものであり、図1に示すような初期状態においては、他方の金型本体9方向又は一方の金型本体8方向に突出している。すなわち、上記一方の金型本体8の中央には、上記一方の移動金型12の全てが収容される凹部8aが形成され、この凹部8a内に該一方の移動金型12が収容されてなり、該一方の移動金型12は2つのコイルスプリング14,15の弾性力により他方の金型本体9方向に押圧され、この結果、上述したように、初期状態においては、この一方の移動型12は、他方の金型本体9方向に突出している。また、上記他方の金型本体9の中央には、上記他方の移動金型13の全てが収容される凹部9aが形成され、この凹部9a内に該他方の移動金型13が収容されてなるとともに、2つのコイルスプリング16,17の弾性力により一方の金型本体8方向に押圧され、この結果、上述したように、初期状態においては、この他方の移動型13は、一方の金型本体8方向に突出している。
【0019】
そして、上記一方の金型本体8と一方の移動金型12及び他方の金型本体9と他方の移動金型13とには、成形する製品の形状に対応したキャビティが形成されている。なお、この製品の形状は、図3に示すように、上記一方の金型本体8に形成されたキャビティ8b,8c、一方の移動金型12に形成されているキャビティ12aと、図示しない他方の金型本体9に形成されたキャビティ及び他方の移動金型に形成されたキャビティに対応したものであり、上記一方及び他方の移動金型12,13による成形される蛇腹部と、上記一方の金型本体8のキャビティ8b及び他方の金型本体9の図示しないキャビティにより成形され上記蛇腹部の上端から側方に延設されてなる上部延設部と、上記一方の金型本体8のキャビティ8cと他方の金型本体9のキャビティにより成形され上記蛇腹部の下端から側方に延設されてなる下部延設部とから構成されている。なお、この製品では、上記上部延設部には、突出片が形成され、また、上記下部延設部には、ニップルが形成されており、上記一方の金型本体8に形成されているキャビティ8b,8c及び他方の金型本体9の図示しないキャビティには、上記突出片及びニップルを形成する部位が形成されている。
【0020】
また、上記一方の金型本体8の下方には、図1に示すように、上記パリソン吐出部2から吐出されたパリソンPの下端側を閉塞する左側下部閉塞部材20が配置され、上記他方の金型本体9の下方には、右側下部閉塞部材21が配置されている。これら左側下部閉塞部材20と右側下部閉塞部材21とは、それぞれ互いに接近しパリソンPを挟む方向及び離間する方向に、図示しない駆動手段の駆動により移動自在とされている。そして、後述するように、上記一方の金型本体8と他方の金型本体9とが接合される位置の下方には、膨張したパリソンPの内側にエアーを供給する第2のエアー供給管22が起立されている。この第2のエアー供給管22の上端は、先鋭(針)状に成形され、昇降装置23により昇降駆動自在とされてなるとともに、エアーコンプレッサー24に接続されている。なお、上記第1のエアー供給管5もこのエアーコンプレッサー24に接続されている。なお、上記第2のエアー供給管22は、後述するように、一方及び他方の移動型12,13を型締めし且つパリソンを膨張させた後に、該パリソンの内側にエアーを供給することができるものであれば良く、必ずしも一方の金型本体8と他方の金型本体9とが接合される位置の下方に配置されている必要は無く、例えば、上記一方又は他方の金型本体8,9内に配置されたものであっても良い。
【0021】
以下、上述したブロー成形装置1を用いたブロー成形方法に付いて、図面を参照しながら工程順に説明する。先ず、このブロー成形装置1が、初期状態においては、図1に示すように、一方及び他方の金型本体8,9は互いに離間してなるとともに、上記一方の移動型12は、コイルスプリング14,15の弾性力により他方の金型本体9方向に突出しており、他方の移動金型13は上記コイルスプリング16,17の弾性力により一方の金型本体8方向に突出している。この状態において、上記パリソン吐出部2からパリソンPが図1に示される位置まで吐出される(パリソン吐出工程)と、上記駆動手段10,11の駆動が開始され、上記一方の金型本体8及び一方の移動型12と、上記他方の金型本体9及び他方の移動型13とが、それぞれ互いに接近する方向に移動し、やがて該一方の移動型12と他方の移動型13とがパリソンPを挟んだ状態で型締めされる(第1次金型締結工程)。なお、上記パリソンPの外径寸法は、図3に示すように、一方の移動型12(及び他方の移動型13)に形成されたキャビティ12aの幅よりも短い寸法とされている。そして、このように一方及び他方の移動型12,13の型締めが完了すると、次いで、図示しない駆動手段の駆動により、上記第1のエアー供給管5を逃がした状態で、上記左側上部閉塞部材6と右側上部閉塞部材7とによりパリソンPの上端側を閉塞し、また、上記左側下部閉塞部材20と右側下部閉塞部材21とによりパリソンPの下端側を閉塞する。その後、上記第1のエアー供給管5からパリソンP内に加圧エアーを圧入する(第1次ブロー成形工程)。すると、上記一方及び他方の移動型12,13により型締めされた部位では、該一方及び他方の移動型12,13に形成されたキャビティ12aの形状(蛇腹形状)にブロー成形されるとともに、図4及び図5に示すように、上記一方及び他方の移動型12,13により型締めされた部位以外の部位、すなわちパリソンPの上端側P1と下端側P2とは、それぞれ外側に膨出し、上記一方の金型本体8(及び他方の金型本体9)に形成されたキャビティ8a,8bの広さよりも大きなものに変形する。
【0022】
そして、パリソンPがこのように膨張変形すると、次いで、上記一方の金型本体8と他方の金型本体9とを、図6に示すように、完全に型締めする(第2次金型締結工程)。こうした一方及び他方の金型本体8,9の型締めにより、上記一方の移動型12と他方の移動型13とは、上記コイルスプリング14,15,16,17の弾性力に抗して上記凹部8a,9a内に没入して行き、該一方の金型本体8の接合面(符号は省略する。)や他方の金型本体9の接合面(符号は省略する。)と面一となる。そして、このように、一方及び他方の金型本体8,9が完全に型締めされると、次いで、上記昇降装置23の駆動により、上記第2のエアー供給管22が上昇し、図7に示すように、一方の金型本体8と他方の金型本体9との間から、先端がキャビティ8cの位置に到達するまで該第2のエアー供給管22が差し込まれる。なお、このように第2のエアー供給管22の先端が差し込まれる位置は、図7に示すように、上記一方の金型本体8に形成されたキャビティ8cに対応した位置であって、且つ、後述するように、成形された後に切断される部位である。そして、このように、第2のエアー供給管22が差し込まれると、該第2のエアー供給管22から加圧エアーが上記膨張した上端側P1や下端側P2を含めたパリソンP内に圧入され、ブロー成形がされる(第2次ブロー成形工程)。
【0023】
そして、上記第2次ブロー成形工程が終了すると、上記駆動手段10,11の駆動が開始し、上記一方の金型本体8と他方の金型本体9とが互いに離間する方向に駆動し、図1に示す初期状態に復帰する。こうした一方及び他方の金型本体8,9の駆動により、図8に示す成形品Cが成形される。この成形品Cは、上記一方及び他方の移動型12,13により成形された蛇腹部C1と、この蛇腹部C1の上端に形成されてなるとともに該蛇腹部C1よりも側方に延設された上側延設部C2と、上記蛇腹部C1の下端に成形されてなるとともに該蛇腹部C1よりも側方に延設された下側延設部C3と、上記上側延設部C2の周りに形成されたバリB1と、上記下側延設部C3の周りに形成されたバリB2とから構成されている。なお、上記上側延設部C2には、突出片C4が形成され、また、上記下部延設部C3には、ニップルC5が形成されている。そして、このような成形品Cの成形が終了すると、上記上側延設部C2からバリB1を取り除き、また、上記下側延設部C3からバリB2を取り除くとともに、図8中L1及びL2の各符号で示した位置から切断し、最終製品としてのホースエアークリーナーを得る。
【0024】
このように、上記ブロー成形装置1やこのブロー成形装置1を用いたブロー成形方法によれば、上記蛇腹部C1は、上記一方及び他方の移動型12,13により、該一方及び他方の移動型12,13に形成されたキャビティの幅よりも細い外径とされたパリソンPを用いてブロー成形することから、該蛇腹部C1の外周にはバリが発生することがないばかりではなく、高精度に均一な肉厚とすることができる。すなわち、従来のブロー成形方法による製品のように、内側に膨出した部位が発生せず、均一な伸縮作用を得ることができる。
【0025】
なお、上述した実施の形態では、蛇腹部C1を構成要素とするホースエアークリーナーを成形するブロー成形装置1やブロー成形方法に本発明を適用したものであるが、本発明は、こうした蛇腹部C1を構成要素とする製品ばかりではなく、図示しない他の部材が嵌合する嵌合部を構成要素とする製品や、図示しない他の部材が圧入される被圧入部が構成要素とされる製品を成形するものに適用されたものであっても良い。すなわち、他の部材が嵌合する嵌合部が構成要素とされてなるとともに、この嵌合部よりも側方に延設部が形成された製品を成形する場合においても、該嵌合部を成形する一方及び他方の移動型を用い、各移動型に形成されたキャビティの幅よりも外径の細いパリソンを、該一方及び他方の移動型で挟んで型締めするとともに、圧縮エアーをパリソン内に圧入することにより該パリソンの他の部位を膨張させ、その後に該膨張させた部位を一方及び他方の金型本体によりブロー成形する方法であっても良い。こうしたブロー成形装置やブロー方法を用いることにより、上記嵌合部の肉厚は高精度に均一化され、他の部材が嵌合されなかったり、嵌合した部位に隙間が生したりすることを有効に防止することができる。また、他の部材が圧入される被圧入部が構成要素とされてなるとともに、該被圧入部から側方に延設された延設部が形成された製品を成形する場合においても、該被圧入部を成形する一方及び他方の移動型を用い、各移動型に形成されたキャビティの幅よりも外径の細いパリソンを、該一方及び他方の移動型で挟んで型締めするとともに、圧縮エアーをパリソン内に圧入することにより該パリソンの他の部位を膨張させ、その後に該膨張させた部位を一方及び他方の金型本体によりブロー成形する方法であっても良い。こうしたブロー成形装置やブロー方法を用いることにより、上記被圧入部の肉厚は高精度に均一化され、他の部材が圧入されることにより、該被圧入部が形成された部位において剥離し破損する危険性を有効に防止することができる。
【0026】
また、上記実施の形態では、一方の移動型12は、第1及び第2のコイルスプリング14,15により他方の金型本体9方向に押圧された状態で支持され、また、他方の移動型13は、第3及び第4のコイルスプリング16,17により一方の金型本体8方向に押圧された状態で支持され、該一方及び他方の金型本体8,9の移動によりそれぞれ型締めされたり互いに離間されたりする構成を採用したが、本発明を構成する一方及び他方の移動型は、一方及び他方の金型本体の移動又は駆動とは無関係に単独で互いに接近する方向及び離間する方向に移動するよう構成されてなるものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態に係るブロー成形装置の構成を模式的に示す正面図である。
【図2】一方及び他方の移動型が型締めされた状態を模式的に示す正面図である。
【図3】一方の金型本体及び一方の移動型とパリソンとを示す側面図である。
【図4】パリソン内に圧縮エアーが圧入された状態を模式的に示す正面図である。
【図5】図4に示す状態において、一方の金型本体及び一方の移動型とパリソンとを示す側面図である。
【図6】図4に示す状態から一方及び他方の金型本体を型締めした状態を模式的に示す正面図である。
【図7】第2のエアー供給管が上昇した状態を模式的に示す側断面図である。
【図8】一方及び他方の金型本体と一方及び他方の移動型により成形された製品を示す側面図である。
【図9】従来のブロー成形装置の構成を模式的に示す正面図である。
【図10】図9に示す金型とパリソンとを模式的に示す側面図である。
【図11】他の従来のブロー成形装置とパリソンとを模式的に示す側断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 ブロー成形装置
2 パリソン吐出部
5 第1のエアー供給管
8 一方の金型本体
8a,8b キャビティ
9 他方の金型本体
10,11 駆動手段
12 一方の移動型
12a キャビティ
13 他方の移動型
14 第1のコイルスプリング
15 第2のコイルスプリング
16 第3のコイルスプリング
17 第4のコイルスプリング
24 コンプレッサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂材料であるパリソンを型締めするとともに該パリソン内に空気を圧入することにより成形する際に使用されるブロー成形装置及びブロー成形方法に関し、特に、パリソンを上方から下方に吐出し、左右両側から該パリソンを金型により挟んだ状態で型締めし成形するブロー成形装置及びブロー成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで中空成形品を成形する場合には、中空成形法(ブロー成形法)が多用されている。この中空成形法は、溶融された成形材料を押出し成形した筒状のパリソンを、中空成形金型内に形成されたキャビティ内に収容し、このパリソンの内側にブローエアーを圧入することにより該パリソンを膨張させ、上記キャビティの形状に対応した形状に成形する方法である。こうした中空成形法によれば、所定の中空形状を比較的に簡便に成形することができる。
【0003】
ところで、図9において破線で示すように、中途部に蛇腹部50aを有し、該蛇腹部50aの上下両側には筒状部50b,50cを備えた製品50を、一方の金型51と他方の金型52とにより成形する場合には、ダイコア(ノズル)53から吐出させるパリソンPの径は、上記一方の金型51の正面を示す図10のように、該一方の金型51のキャビティ51aの幅よりも外径を短くし、図9に示す状態から、上記一方及び他方の金型51,52を型締めし、図示しないパリソン閉塞部材によって上記パリソンPの上端側及び下端側を閉塞し、その後に上記パリソンP内に空気を圧入することにより成形する。すなわち、中途部に上記蛇腹部50aが形成されるとしても全体形状として上下方向にほぼ均一な径を有する製品をブロー成形法により成形する場合には、上記成形される製品の外径よりも短い外径のパリソンPを吐出することで成形され、この方法を採用する場合には、少なくとも上記蛇腹部50aや筒状部50b,50cの外周にはバリが発生せず、また、肉厚も均一なものとすることができる。一方、図11において破線で示すように、蛇腹部60aの上部及び下部に、該蛇腹部60aよりも側方に延出した部位60b,60cを備えているような歪な形状の製品60をブロー成形法により成形する場合には、上記図9及び図10に示す方法では成形不能であり、上記製品60を構成する上記部位60b,60cをもカバーする大径のパリソンPをダイコア(ノズル)63から吐出させ、図11に示す一方の金型61と図示しない他方の金型とを用いて成形する方法が採用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した図11に示すように、大径のパリソンPを吐出させる場合には、成形された製品60全体に多量なバリが発生し、これら全て丹念に取り除く作業が必要となるばかりではなく、上述したように、蛇腹部60aを備えている製品60である場合には、上記一方の金型61と図示しない他方の金型とを型締めした際の接合箇所に対応した部位では、上記蛇腹部60aの内側にやや盛り上がった部位が発生し、他の部位よりも肉厚とされ、このために均等な伸縮作用を得られない。このことは、上述したように、蛇腹部60aを備えた製品ばかりではなく、内側に他の部品が嵌合したり或いは嵌合した状態で回転したりする部位を備えた製品においても同様であり、内周面に盛り上がった部位が形成されることは好ましくない。すなわち、上記従来の成形方法では、均一な肉厚寸法精度を出すことができない。さらにまた、図11に示す従来の成形方法では、全ての部位でパリソンPを接合して成形するものであることから、例えば、製品の一端側から内部に他の部品を圧入した場合には、該圧入された部位(被圧入部)で素材が剥離して破損してしまう危険性も高い。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来のブロー成形方法が有する課題を解決するために提案されたものであって、蛇腹部,嵌合部又は被圧入部を備えた製品であって、これら蛇腹部,嵌合部又は被圧入部の上部及び/又は下部に該蛇腹部,嵌合部又は被圧入部よりも横方向に延在した部位を備えた歪な製品であっても、該蛇腹部,嵌合部又は被圧入部の外側にバリが形成されず肉厚も均等に成形することができ強度にも優れた新規なブロー成形装置及びブロー成形方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため、第1の発明(請求項1記載の発明)は、ブロー成形装置に係るものであって、パリソンを同一の径にて下方に吐出するノズルと、上記同一の径にて吐出されたパリソンの左側に配置されてなる一方の金型本体と、上記パリソンの右側に配置されてなる他方の金型本体と、上記一方及び他方の金型本体が互いに接近する方向及び離間する方向に該一方及び他方の金型本体を駆動する駆動手段と、上記一方の金型本体に配置され他方の金型本体方向及びその反対方向に移動自在とされてなる一方の移動型と、上記他方の金型本体に配置され一方の金型本体方向及びその反対方向に移動自在とされてなる他方の移動型と、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされた後に上記パリソンの内側に空気を圧入する空気圧入手段と、を備えてなるとともに、上記一方及び他方の移動型に形成された成形面の幅は、上記パリソンの外径よりも広いものとされてなることを特徴とするものである。
【0007】
上記第1の発明では、ノズルから下方に向かってパリソンが吐出されると、次いで、例えば、駆動手段の駆動によって一方の金型本体と他方の金型本体が互いに接近する。すると、先ず、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされる。或いは、一方及び他方の金型本体の駆動とは無関係に、上記一方及び他方の移動型が互いに接近し、型締めされる。このとき、上記一方及び他方の移動金型に形成された成形面の幅は、上記パリソンの外径よりも広いことから、一方及び他方の移動金型で型締めされたパリソンは接合されることがない。そして、この状態において、空気圧入手段により上記パリソン内に空気を圧入すると、上記パリソンは変形し一方及び他方の移動型に形成された成形面により成形されるとともに、該一方及び他方の移動型により型締めされた部位以外の部位は外側に膨出する。そして、上記駆動手段の駆動により、上記一方及び他方の金型本体を型締めさせる。このとき、上記一方の移動型と他方の移動型とは、互いに型締めされた状態を維持しながら、上記一方及び他方の金型本体の駆動に伴って相対的に他方の金型本体や一方の金型本体とは反対方向に移動する。そして、上記一方及び他方の金型本体が型締めされると、再度上記空気圧入手段によりパリソン内に空気が圧入され、上記外側に膨出したパリソンが成形される。
【0008】
なお、上記一方及び他方の移動型は、弾性手段により常に他方の金型本体方向又は一方の金型本体方向に突出するように付勢されているもの(請求項2記載の発明)であっても良いが、この第1の発明においては、こうした構成に限定されることなく、例えば、エアーシリンダー等の駆動手段により、一方の移動型が他方の移動型方向及びそれとは逆方向に駆動し、また、他方の移動型が一方の移動型方向及びそれとは逆方向に駆動するように構成されたものであっても良い。したがって、このように一方及び他方の移動型がエアーシリンダー等の駆動手段により移動自在とされている場合には、上述したように、一方及び他方の金型本体が駆動手段により互いに接近する方向に駆動することに伴って一方及び他方移動型が型締めされものではなく、一方及び他方の金型本体の駆動とは無関係に、上記エアーシリンダー等の駆動により一方及び他方の移動型が移動して型締めされ、また、一方及び他方の金型本体による成形が終了した後においても、一方及び他方の移動型は、一方及び他方の金型本体との位置関係が何ら変更されないままの状態で、該一方及び他方の移動型と一方及び他方の金型本体とが一体的に移動し、その後(例えば、一方及び他方の金型本体の初期位置に復帰した後)他方の金型本体方向又は一方の金型本体方向に突出するように移動するものであっても良い。
【0009】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記一方の移動型は、一方の弾性部材により前記他方の金型本体側に付勢されてなり、前記他方の移動型は、他方の弾性部材により前記一方の金型本体側に付勢されてなり、前記駆動手段の駆動により、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされると、そのまま上記一方及び他方の弾性部材の弾性力に抗して上記一方の金型本体と他方の金型本体とが型締めされることを特徴とするものである。
【0010】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明において、前記一方及び他方の移動金型の成形面には、蛇腹を成形する蛇腹成形面,成形された製品に他の部材が嵌合する被嵌合部を形成する嵌合部成形面、又は成形された製品に他の部材が圧入される被圧入部を成形する被圧入部成形面の何れかが形成されてなることを特徴とするものである。
【0011】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、ブロー成形方法に係るものであって、パリソンをノズルから同一の径にて吐出するパリソン吐出工程と、このパリソンの中途部を、該パリソンの外径よりも広い成形面を有する一方の移動型と他方の移動型により左右両側から挟む第1次金型締結工程と、上記一方及び他方の移動型により締結された状態で上記パリソン内に空気を圧入することにより、該一方及び他方の移動型により締結された部位以外の部位を膨張させる第1次ブロー成形工程と、上記パリソンであって上記膨張した部位を、一方の金型本体と他方の金型本体とにより左右両側から挟む第2次金型締結工程と、上記一方及び他方の金型本体により締結された状態で上記パリソン内に空気を圧入する第2次ブロー成形工程と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)は、上記第4の発明において、 前記一方の移動型は、一方の弾性部材により前記他方の金型本体側に付勢されてなり、前記他方の移動型は、他方の弾性部材により前記一方の金型本体側に付勢されてなり、前記駆動手段の駆動により、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされると、そのまま上記一方及び他方の弾性部材の弾性力に抗して上記一方の金型本体と他方の金型本体とが型締めされることを特徴とするものである。
【0013】
また、第6の発明(請求項6記載の発明)は、上記第4又は第5の何れかの発明において、前記一方及び他方の移動金型の成形面には、蛇腹を成形する蛇腹成形面,成形された製品に他の部材が嵌合する被嵌合部を形成する嵌合部成形面、又は成形された製品に他の部材が圧入される被圧入部を成形する被圧入部成形面の何れかが形成されてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)及び第4の発明によれば、成形された製品において、一方及び他方の移動型により成形された部位の外側には、バリが形成されず、また、肉厚も均等なものとなるとともに、該部位では、成形工程中にパリソンが接合されることがないことから、強度にも優れたものとすることができる。したがって、これらの発明によれば、成形後にバリを取り除く作業を緩和することができるばかりではなく、上記一方及び他方の移動型により成形された部位の肉厚は均等なものとなり、内側に膨出した部位が発生しないことから、例えば、第3の発明(請求項3記載の発明)や第6の発明(請求項6記載の発明)のように、上記部位が蛇腹部である場合においては、均等な伸縮作用を得ることができ、また、上記部位が他の部材が嵌合する嵌合部である場合にあっては、該他の部材の外周面と該嵌合部の内周面との間に隙間が発生することを防止できる。また、さらに、上記部位が、他の部材が圧入される被圧入部である場合にあっては、該他の部材が圧入されることにより剥離し破損する危険性を有効に防止することができる。
【0015】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)及び第5の発明(請求項5記載の発明)では、一方及び他方の移動型は、一方の弾性部材又は他方の弾性部材により前記他方の金型本体側又は一方の金型本体側に付勢されてなり、エアーシリンダー等の装置を構成要素とするものではないことから、装置全体のコストの上昇を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、この実施の形態に係るブロー成形装置について詳細に説明した後に、このブロー成形装置を使用したブロー成形方法を各工程順に説明する。なお、この実施の形態は、本発明を、自動車の製品として使用されるホースエアークリーナーを成形するために使用されるブロー成形装置(及びその製造方法)に適用したものである。
【0017】
このブロー成形装置1は、図1に示すように、上方にはパリソンPを吐出する図示しないノズルが下面に形成されたパリソン吐出部2が配置されている。このパリソン吐出装置2は、パリソンPを押し出す押出装置3に接続され、この押出装置3にはパリソンPの樹脂原料が投入されるホッパー4が設けられている。上記押出装置3は、上記ホッパー4から投入された樹脂原料を加熱し溶融させる図示しない加熱手段と、この加熱されて溶融した樹脂材料を押し出す図示しないスクリューとを備えてなるものである。なお、上記パリソン吐出部2には、吐出されるパリソンPの肉厚を制御する図示しないパリソンコントローラが内蔵されており、このブロー成形装置1においては、このパリソンコントローラにより、後述する蛇腹部が形成される部位以外は、該蛇腹部が形成される部位よりもやや肉厚が厚いパリソンが連続して吐出されるように構成されている。すなわち、このブロー成形装置1では、上記パリソンコントローラにより、吐出されるパリソンPの肉厚は、当初はやや厚く、その後はやや薄く、またその後はやや厚くなるように制御される。また、上記パリソン吐出部2の下面には、該パリソン吐出部2から吐出されたパリソンPの内側にエアーを供給する第1のエアー供給管5が垂設されている。また、上記パリソン吐出部2の下方の左側には、該パリソン吐出部2から吐出されたパリソンPの上端側中途部を閉塞する左側上部閉塞部材6が配置され、右側には、右側上部閉塞部材7が配置されている。これら左側上部閉塞部材6と右側上部閉塞部材7とは、それぞれ互いに接近しパリソンPを挟む方向及び離間する方向に、図示しない駆動手段の駆動により移動自在とされている。
【0018】
また、上記パリソン吐出部2から吐出されたパリソンPの左側には、一方の金型本体8が配置され、右側には、他方の金型本体9が配置されている。なお、上記一方の金型本体8も他方の金型本体9も、それぞれ油圧シリンダー等の駆動手段10,11により互いに接近する方向及び離間する方向に駆動自在とされている。そして、上記一方の金型本体8には、一方の移動金型12が配置され、他方の金型本体9には、他方の移動金型13が配置されている。上記一方の移動金型12と他方の移動金型13とは、この実施の形態に係るブロー成形装置1においては、上記一方の金型本体8と他方の金型本体9との各対抗面の中央にそれぞれ配置されてなるものであり、図1に示すような初期状態においては、他方の金型本体9方向又は一方の金型本体8方向に突出している。すなわち、上記一方の金型本体8の中央には、上記一方の移動金型12の全てが収容される凹部8aが形成され、この凹部8a内に該一方の移動金型12が収容されてなり、該一方の移動金型12は2つのコイルスプリング14,15の弾性力により他方の金型本体9方向に押圧され、この結果、上述したように、初期状態においては、この一方の移動型12は、他方の金型本体9方向に突出している。また、上記他方の金型本体9の中央には、上記他方の移動金型13の全てが収容される凹部9aが形成され、この凹部9a内に該他方の移動金型13が収容されてなるとともに、2つのコイルスプリング16,17の弾性力により一方の金型本体8方向に押圧され、この結果、上述したように、初期状態においては、この他方の移動型13は、一方の金型本体8方向に突出している。
【0019】
そして、上記一方の金型本体8と一方の移動金型12及び他方の金型本体9と他方の移動金型13とには、成形する製品の形状に対応したキャビティが形成されている。なお、この製品の形状は、図3に示すように、上記一方の金型本体8に形成されたキャビティ8b,8c、一方の移動金型12に形成されているキャビティ12aと、図示しない他方の金型本体9に形成されたキャビティ及び他方の移動金型に形成されたキャビティに対応したものであり、上記一方及び他方の移動金型12,13による成形される蛇腹部と、上記一方の金型本体8のキャビティ8b及び他方の金型本体9の図示しないキャビティにより成形され上記蛇腹部の上端から側方に延設されてなる上部延設部と、上記一方の金型本体8のキャビティ8cと他方の金型本体9のキャビティにより成形され上記蛇腹部の下端から側方に延設されてなる下部延設部とから構成されている。なお、この製品では、上記上部延設部には、突出片が形成され、また、上記下部延設部には、ニップルが形成されており、上記一方の金型本体8に形成されているキャビティ8b,8c及び他方の金型本体9の図示しないキャビティには、上記突出片及びニップルを形成する部位が形成されている。
【0020】
また、上記一方の金型本体8の下方には、図1に示すように、上記パリソン吐出部2から吐出されたパリソンPの下端側を閉塞する左側下部閉塞部材20が配置され、上記他方の金型本体9の下方には、右側下部閉塞部材21が配置されている。これら左側下部閉塞部材20と右側下部閉塞部材21とは、それぞれ互いに接近しパリソンPを挟む方向及び離間する方向に、図示しない駆動手段の駆動により移動自在とされている。そして、後述するように、上記一方の金型本体8と他方の金型本体9とが接合される位置の下方には、膨張したパリソンPの内側にエアーを供給する第2のエアー供給管22が起立されている。この第2のエアー供給管22の上端は、先鋭(針)状に成形され、昇降装置23により昇降駆動自在とされてなるとともに、エアーコンプレッサー24に接続されている。なお、上記第1のエアー供給管5もこのエアーコンプレッサー24に接続されている。なお、上記第2のエアー供給管22は、後述するように、一方及び他方の移動型12,13を型締めし且つパリソンを膨張させた後に、該パリソンの内側にエアーを供給することができるものであれば良く、必ずしも一方の金型本体8と他方の金型本体9とが接合される位置の下方に配置されている必要は無く、例えば、上記一方又は他方の金型本体8,9内に配置されたものであっても良い。
【0021】
以下、上述したブロー成形装置1を用いたブロー成形方法に付いて、図面を参照しながら工程順に説明する。先ず、このブロー成形装置1が、初期状態においては、図1に示すように、一方及び他方の金型本体8,9は互いに離間してなるとともに、上記一方の移動型12は、コイルスプリング14,15の弾性力により他方の金型本体9方向に突出しており、他方の移動金型13は上記コイルスプリング16,17の弾性力により一方の金型本体8方向に突出している。この状態において、上記パリソン吐出部2からパリソンPが図1に示される位置まで吐出される(パリソン吐出工程)と、上記駆動手段10,11の駆動が開始され、上記一方の金型本体8及び一方の移動型12と、上記他方の金型本体9及び他方の移動型13とが、それぞれ互いに接近する方向に移動し、やがて該一方の移動型12と他方の移動型13とがパリソンPを挟んだ状態で型締めされる(第1次金型締結工程)。なお、上記パリソンPの外径寸法は、図3に示すように、一方の移動型12(及び他方の移動型13)に形成されたキャビティ12aの幅よりも短い寸法とされている。そして、このように一方及び他方の移動型12,13の型締めが完了すると、次いで、図示しない駆動手段の駆動により、上記第1のエアー供給管5を逃がした状態で、上記左側上部閉塞部材6と右側上部閉塞部材7とによりパリソンPの上端側を閉塞し、また、上記左側下部閉塞部材20と右側下部閉塞部材21とによりパリソンPの下端側を閉塞する。その後、上記第1のエアー供給管5からパリソンP内に加圧エアーを圧入する(第1次ブロー成形工程)。すると、上記一方及び他方の移動型12,13により型締めされた部位では、該一方及び他方の移動型12,13に形成されたキャビティ12aの形状(蛇腹形状)にブロー成形されるとともに、図4及び図5に示すように、上記一方及び他方の移動型12,13により型締めされた部位以外の部位、すなわちパリソンPの上端側P1と下端側P2とは、それぞれ外側に膨出し、上記一方の金型本体8(及び他方の金型本体9)に形成されたキャビティ8a,8bの広さよりも大きなものに変形する。
【0022】
そして、パリソンPがこのように膨張変形すると、次いで、上記一方の金型本体8と他方の金型本体9とを、図6に示すように、完全に型締めする(第2次金型締結工程)。こうした一方及び他方の金型本体8,9の型締めにより、上記一方の移動型12と他方の移動型13とは、上記コイルスプリング14,15,16,17の弾性力に抗して上記凹部8a,9a内に没入して行き、該一方の金型本体8の接合面(符号は省略する。)や他方の金型本体9の接合面(符号は省略する。)と面一となる。そして、このように、一方及び他方の金型本体8,9が完全に型締めされると、次いで、上記昇降装置23の駆動により、上記第2のエアー供給管22が上昇し、図7に示すように、一方の金型本体8と他方の金型本体9との間から、先端がキャビティ8cの位置に到達するまで該第2のエアー供給管22が差し込まれる。なお、このように第2のエアー供給管22の先端が差し込まれる位置は、図7に示すように、上記一方の金型本体8に形成されたキャビティ8cに対応した位置であって、且つ、後述するように、成形された後に切断される部位である。そして、このように、第2のエアー供給管22が差し込まれると、該第2のエアー供給管22から加圧エアーが上記膨張した上端側P1や下端側P2を含めたパリソンP内に圧入され、ブロー成形がされる(第2次ブロー成形工程)。
【0023】
そして、上記第2次ブロー成形工程が終了すると、上記駆動手段10,11の駆動が開始し、上記一方の金型本体8と他方の金型本体9とが互いに離間する方向に駆動し、図1に示す初期状態に復帰する。こうした一方及び他方の金型本体8,9の駆動により、図8に示す成形品Cが成形される。この成形品Cは、上記一方及び他方の移動型12,13により成形された蛇腹部C1と、この蛇腹部C1の上端に形成されてなるとともに該蛇腹部C1よりも側方に延設された上側延設部C2と、上記蛇腹部C1の下端に成形されてなるとともに該蛇腹部C1よりも側方に延設された下側延設部C3と、上記上側延設部C2の周りに形成されたバリB1と、上記下側延設部C3の周りに形成されたバリB2とから構成されている。なお、上記上側延設部C2には、突出片C4が形成され、また、上記下部延設部C3には、ニップルC5が形成されている。そして、このような成形品Cの成形が終了すると、上記上側延設部C2からバリB1を取り除き、また、上記下側延設部C3からバリB2を取り除くとともに、図8中L1及びL2の各符号で示した位置から切断し、最終製品としてのホースエアークリーナーを得る。
【0024】
このように、上記ブロー成形装置1やこのブロー成形装置1を用いたブロー成形方法によれば、上記蛇腹部C1は、上記一方及び他方の移動型12,13により、該一方及び他方の移動型12,13に形成されたキャビティの幅よりも細い外径とされたパリソンPを用いてブロー成形することから、該蛇腹部C1の外周にはバリが発生することがないばかりではなく、高精度に均一な肉厚とすることができる。すなわち、従来のブロー成形方法による製品のように、内側に膨出した部位が発生せず、均一な伸縮作用を得ることができる。
【0025】
なお、上述した実施の形態では、蛇腹部C1を構成要素とするホースエアークリーナーを成形するブロー成形装置1やブロー成形方法に本発明を適用したものであるが、本発明は、こうした蛇腹部C1を構成要素とする製品ばかりではなく、図示しない他の部材が嵌合する嵌合部を構成要素とする製品や、図示しない他の部材が圧入される被圧入部が構成要素とされる製品を成形するものに適用されたものであっても良い。すなわち、他の部材が嵌合する嵌合部が構成要素とされてなるとともに、この嵌合部よりも側方に延設部が形成された製品を成形する場合においても、該嵌合部を成形する一方及び他方の移動型を用い、各移動型に形成されたキャビティの幅よりも外径の細いパリソンを、該一方及び他方の移動型で挟んで型締めするとともに、圧縮エアーをパリソン内に圧入することにより該パリソンの他の部位を膨張させ、その後に該膨張させた部位を一方及び他方の金型本体によりブロー成形する方法であっても良い。こうしたブロー成形装置やブロー方法を用いることにより、上記嵌合部の肉厚は高精度に均一化され、他の部材が嵌合されなかったり、嵌合した部位に隙間が生したりすることを有効に防止することができる。また、他の部材が圧入される被圧入部が構成要素とされてなるとともに、該被圧入部から側方に延設された延設部が形成された製品を成形する場合においても、該被圧入部を成形する一方及び他方の移動型を用い、各移動型に形成されたキャビティの幅よりも外径の細いパリソンを、該一方及び他方の移動型で挟んで型締めするとともに、圧縮エアーをパリソン内に圧入することにより該パリソンの他の部位を膨張させ、その後に該膨張させた部位を一方及び他方の金型本体によりブロー成形する方法であっても良い。こうしたブロー成形装置やブロー方法を用いることにより、上記被圧入部の肉厚は高精度に均一化され、他の部材が圧入されることにより、該被圧入部が形成された部位において剥離し破損する危険性を有効に防止することができる。
【0026】
また、上記実施の形態では、一方の移動型12は、第1及び第2のコイルスプリング14,15により他方の金型本体9方向に押圧された状態で支持され、また、他方の移動型13は、第3及び第4のコイルスプリング16,17により一方の金型本体8方向に押圧された状態で支持され、該一方及び他方の金型本体8,9の移動によりそれぞれ型締めされたり互いに離間されたりする構成を採用したが、本発明を構成する一方及び他方の移動型は、一方及び他方の金型本体の移動又は駆動とは無関係に単独で互いに接近する方向及び離間する方向に移動するよう構成されてなるものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態に係るブロー成形装置の構成を模式的に示す正面図である。
【図2】一方及び他方の移動型が型締めされた状態を模式的に示す正面図である。
【図3】一方の金型本体及び一方の移動型とパリソンとを示す側面図である。
【図4】パリソン内に圧縮エアーが圧入された状態を模式的に示す正面図である。
【図5】図4に示す状態において、一方の金型本体及び一方の移動型とパリソンとを示す側面図である。
【図6】図4に示す状態から一方及び他方の金型本体を型締めした状態を模式的に示す正面図である。
【図7】第2のエアー供給管が上昇した状態を模式的に示す側断面図である。
【図8】一方及び他方の金型本体と一方及び他方の移動型により成形された製品を示す側面図である。
【図9】従来のブロー成形装置の構成を模式的に示す正面図である。
【図10】図9に示す金型とパリソンとを模式的に示す側面図である。
【図11】他の従来のブロー成形装置とパリソンとを模式的に示す側断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 ブロー成形装置
2 パリソン吐出部
5 第1のエアー供給管
8 一方の金型本体
8a,8b キャビティ
9 他方の金型本体
10,11 駆動手段
12 一方の移動型
12a キャビティ
13 他方の移動型
14 第1のコイルスプリング
15 第2のコイルスプリング
16 第3のコイルスプリング
17 第4のコイルスプリング
24 コンプレッサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パリソンを同一の径にて下方に吐出するノズルと、上記同一の径にて吐出されたパリソンの左側に配置されてなる一方の金型本体と、上記パリソンの右側に配置されてなる他方の金型本体と、上記一方及び他方の金型本体が互いに接近する方向及び離間する方向に該一方及び他方の金型本体を駆動する駆動手段と、上記一方の金型本体に配置され他方の金型本体方向及びその反対方向に移動自在とされてなる一方の移動型と、上記他方の金型本体に配置され一方の金型本体方向及びその反対方向に移動自在とされてなる他方の移動型と、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされた後に上記パリソンの内側に空気を圧入する空気圧入手段と、を備えてなるとともに、上記一方及び他方の移動型に形成された成形面の幅は、上記パリソンの外径よりも広いものとされてなることを特徴とするブロー成形装置。
【請求項2】
前記一方の移動型は、一方の弾性部材により前記他方の金型本体側に付勢されてなり、前記他方の移動型は、他方の弾性部材により前記一方の金型本体側に付勢されてなり、前記駆動手段の駆動により、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされると、そのまま上記一方及び他方の弾性部材の弾性力に抗して上記一方の金型本体と他方の金型本体とが型締めされることを特徴とする請求項1記載のブロー成形装置。
【請求項3】
前記一方及び他方の移動金型の成形面には、蛇腹を成形する蛇腹成形面,成形された製品に他の部材が嵌合する被嵌合部を形成する嵌合部成形面、又は成形された製品に他の部材が圧入される被圧入部を成形する被圧入部成形面の何れかが形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかのブロー成形装置。
【請求項4】
パリソンをノズルから同一の径にて吐出するパリソン吐出工程と、
このパリソンの中途部を、該パリソンの外径よりも広い成形面を有する一方の移動型と他方の移動型により左右両側から挟む第1次金型締結工程と、
上記一方及び他方の移動型により締結された状態で上記パリソン内に空気を圧入することにより、該一方及び他方の移動型により締結された部位以外の部位を膨張させる第1次ブロー成形工程と、
上記パリソンであって上記膨張した部位を、一方の金型本体と他方の金型本体とにより左右両側から挟む第2次金型締結工程と、
上記一方及び他方の金型本体により締結された状態で上記パリソン内に空気を圧入する第2次ブロー成形工程と、を備えてなることを特徴とするブロー成形方法。
【請求項5】
前記一方の移動型は、一方の弾性部材により前記他方の金型本体側に付勢されてなり、前記他方の移動型は、他方の弾性部材により前記一方の金型本体側に付勢されてなり、前記駆動手段の駆動により、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされると、そのまま上記一方及び他方の弾性部材の弾性力に抗して上記一方の金型本体と他方の金型本体とが型締めされることを特徴とする請求項4記載のブロー成形方法。
【請求項6】
前記一方及び他方の移動金型の成形面には、蛇腹を成形する蛇腹成形面,成形された製品に他の部材が嵌合する被嵌合部を形成する嵌合部成形面、又は成形された製品に他の部材が圧入される被圧入部を成形する被圧入部成形面の何れかが形成されてなることを特徴とする請求項4又は5記載の何れかのブロー成形方法。
【請求項1】
パリソンを同一の径にて下方に吐出するノズルと、上記同一の径にて吐出されたパリソンの左側に配置されてなる一方の金型本体と、上記パリソンの右側に配置されてなる他方の金型本体と、上記一方及び他方の金型本体が互いに接近する方向及び離間する方向に該一方及び他方の金型本体を駆動する駆動手段と、上記一方の金型本体に配置され他方の金型本体方向及びその反対方向に移動自在とされてなる一方の移動型と、上記他方の金型本体に配置され一方の金型本体方向及びその反対方向に移動自在とされてなる他方の移動型と、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされた後に上記パリソンの内側に空気を圧入する空気圧入手段と、を備えてなるとともに、上記一方及び他方の移動型に形成された成形面の幅は、上記パリソンの外径よりも広いものとされてなることを特徴とするブロー成形装置。
【請求項2】
前記一方の移動型は、一方の弾性部材により前記他方の金型本体側に付勢されてなり、前記他方の移動型は、他方の弾性部材により前記一方の金型本体側に付勢されてなり、前記駆動手段の駆動により、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされると、そのまま上記一方及び他方の弾性部材の弾性力に抗して上記一方の金型本体と他方の金型本体とが型締めされることを特徴とする請求項1記載のブロー成形装置。
【請求項3】
前記一方及び他方の移動金型の成形面には、蛇腹を成形する蛇腹成形面,成形された製品に他の部材が嵌合する被嵌合部を形成する嵌合部成形面、又は成形された製品に他の部材が圧入される被圧入部を成形する被圧入部成形面の何れかが形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかのブロー成形装置。
【請求項4】
パリソンをノズルから同一の径にて吐出するパリソン吐出工程と、
このパリソンの中途部を、該パリソンの外径よりも広い成形面を有する一方の移動型と他方の移動型により左右両側から挟む第1次金型締結工程と、
上記一方及び他方の移動型により締結された状態で上記パリソン内に空気を圧入することにより、該一方及び他方の移動型により締結された部位以外の部位を膨張させる第1次ブロー成形工程と、
上記パリソンであって上記膨張した部位を、一方の金型本体と他方の金型本体とにより左右両側から挟む第2次金型締結工程と、
上記一方及び他方の金型本体により締結された状態で上記パリソン内に空気を圧入する第2次ブロー成形工程と、を備えてなることを特徴とするブロー成形方法。
【請求項5】
前記一方の移動型は、一方の弾性部材により前記他方の金型本体側に付勢されてなり、前記他方の移動型は、他方の弾性部材により前記一方の金型本体側に付勢されてなり、前記駆動手段の駆動により、上記一方の移動型と他方の移動型とが型締めされると、そのまま上記一方及び他方の弾性部材の弾性力に抗して上記一方の金型本体と他方の金型本体とが型締めされることを特徴とする請求項4記載のブロー成形方法。
【請求項6】
前記一方及び他方の移動金型の成形面には、蛇腹を成形する蛇腹成形面,成形された製品に他の部材が嵌合する被嵌合部を形成する嵌合部成形面、又は成形された製品に他の部材が圧入される被圧入部を成形する被圧入部成形面の何れかが形成されてなることを特徴とする請求項4又は5記載の何れかのブロー成形方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−21989(P2007−21989A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209983(P2005−209983)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(390017558)株式会社オプコ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(390017558)株式会社オプコ (2)
【Fターム(参考)】
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