プラスチック容器、特にボトルをブロー成形するためのプラント用成形ユニット
各パリソン(3)からプラスチック容器(2)をブロー成形するためのプラント用の成形ユニットが、各容器(2)をブロー成形するための少なくとも一つのキャビティ(19)の開位置と、閉位置と、の間を互いに関して可動な2つの金型半部(17a,17b)と、前記2つの金型半部(17a,17b)を前記閉位置にロックするためのロック装置(21)と、を備えており、前記ロック装置(21)は、2つの締結要素(22,28)を備え、これらの締結要素は、少なくとも一つの弾性動作要素(30)により、ロック位置に動かされ、常時その位置に維持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器、特にボトルをブロー成形するためのプラント用の成形ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ボトリング産業における、従来技術のプラスチックボトル製造用のプラントは、長手方向軸を中心に回転するように取り付けられるとともに、少なくとも一つのブロー成形ユニットを搭載したブロー成形ホイールを備え、そのブロー成形ユニットは、ブロー成形ホイールによりその長手方向軸の周りで給送されるとともに、2つの金型半部を備えており、これらの半部は、各ボトルをブロー成形するための少なくとも一つのキャビティの閉位置と、開位置と、の間を互いに関して可動である。
【0003】
その2つの金型半部は、各々に取り付けられた計2つのロック要素を備えたロック装置によって所定位置にロックされており、そのうち1つのロック要素は、その金型半部に回転可能に取り付けられるとともに、他方のロック要素に対するロック位置と、ロック解除位置との間を回動するように電気駆動モータによって駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1535719号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロック要素における、ロック位置と、ロック解除位置との間の動作が電気モータによって制御されるため、前述のタイプの従来技術の成形ユニットには、主に電力供給がないとロック装置が正しく動作できないという点によって生じる幾つかの不利な点がある。
【0006】
また、公知の特許文献1には、2つの金型半部をロックするための要素が、2つの弾性要素に接続された、可動ロック要素をそれぞれ反対の方向に動かすように係合、分離できる可動要素を備えた解決方法が開示されている。
【0007】
しかしながら、その可動要素の動作を制御する機構が複雑であり、あまり信頼性が高くないため、この解決方法にも欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、上記の不利点がなく、単純で実装に費用のかからない、プラスチック容器、特にボトル製造用のブロー成形プラントのための成形ユニットを提供することである。
【0009】
従って、本発明は、付記の特許請求の範囲に記載の、プラスチック容器、特にボトルをブロー成形するためのプラント用の成形ユニットを提供する。
【0010】
さらに具体的には、本発明は、各パリソンからプラスチック容器を製造するためのブロー成形プラント(すなわち、ブロー成形機)用の成形ユニットを提供し、この成形ユニットは、規定の経路(P)に沿って移動可能であるとともに、
−各容器をブロー成形するための少なくとも一つのキャビティの開位置と、閉位置と、の間を互いに関して可動な2つの金型半部と、
−2つの金型半部を閉位置にロックするためのロック装置であって、第1の金型半部に関連する第1の締結要素と、第2の金型半部に取り付けられた第2の締結要素と、を備え、前記第1の締結要素が、2つの金型半部のロック位置と、ロック解除位置と、の間で可動な、ロック装置と、を備える。
【0011】
本発明によれば、成形ユニットは、
−締結要素をロック位置に移動させて、常時その位置に維持するように、前記第1の金型半部と前記第1の締結要素との間に配置された少なくとも一つのスプリングを備えた第1の弾性動作手段と、
−スプリングの作用に逆らって第1の締結要素をロック位置からロック解除位置へと移動させる手段であって、所定の軸を中心として前記第1の締結要素を回転させるように前記第1の締結要素に運動学的に取り付けられたロッカを備えた手段と、
を備える。
【0012】
特に、前記第1の締結要素の前記所定の回転軸は、ロッカ自体のピボット軸と平行である。
【0013】
ロッカは、2つの金型半部に対するその位置を一定に保つように特定の経路に沿って可動する。
【0014】
特にロッカは、スプリングに運動学的に連結された第1のアーム部と、タペットを備えた第2のアーム部と、を備える。
【0015】
従って、有利には、第1の締結要素は、非常に単純かつ効果的な方法で動作させることができる。
【0016】
第1の締結要素を(特にロック位置からロック解除位置へと)動作させる装置は、2つの方法により実施される。
【0017】
第1の実施例では、ロッカは、所定の第1のピボット軸を中心として回転するように第1の金型半部にヒンジ留めされるとともに、スプリングに連結された第1のアーム部と、タペットを備えた第2のアーム部と、を備える。
【0018】
第2の実施例では、ロッカは、タペットに連結されたアーム部と、第1の締結要素と一体になったレバーに旋回軸で取り付けられたロッドに連結されたアーム部と、を備える。
【0019】
また本発明は、各パリソンからプラスチック容器を製造するとともに、複数の成形ユニットを備えたブロー成形機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】明確化のために一部が切り取られた本発明のプラントの好適な実施例の略平面図である。
【図2】一部が拡大され、また一部が明確化のために切り取られた、図1のプラントの第1の細部の略平面図である。
【図3】明確化のために一部が切り取られた、図2の細部の2つの異なる動作状態を示す略平面図である。
【図4】明確化のために一部が切り取られた、図3の細部の4つの異なる動作状態を示す略平面図である。
【図5】明確化のために一部が切り取られた、図2における第2の細部の2つの異なる動作状態を示す略平面図である。
【図6】明確化のために一部が切り取られた、図2における第3の細部の略平面図である。
【図7】明確化のために一部が切り取られた、図2における第4の細部の略平面図である。
【図8】明確化のために一部が切り取られた、図1のプラントの第2の細部の略平面図である。
【図9】明確化のために一部が切り取られた、図8の細部の概略側面図である。
【図10】明確化のために一部が切り取られた、図8および図9の細部の、別の実施例を示す略平面図である。
【図11】明確化のために一部が切り取られた図2の細部における、図2の実施例とは異なる別の実施例の略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、符号1は全体として、プラスチック容器、この場合においては、公知のタイプのパリソン3(図5)から、プラスチックボトル2(図9)をブロー成形するためのプラントを示し、パリソン3の各々は、外部にねじ山の付いた開口端5を有する細長いカップ状の本体4と、本体4自体の外側表面から径方向外側に延びる環状ネック部6と、を備える。
【0022】
プラント1は、ボトル2をブロー成形するためのブロー成形機7と、パリソン3を成形機7に供給するためのライン8と、成形機7から通常の充填機10へとボトル2を供給するためのライン9と、を備える。
【0023】
図1,2に示すように、成形機7は、実質的に鉛直で、図1,2の図の平面に対して垂直な長手方向軸12を中心として連続的に回転するように(図1,2において反時計回りに)取り付けられたブロー成形ホイール11を備える。このホイールは、ライン8,9に、それぞれ、第1、第2の移送ステーション13,14で連結されるとともに、このホイールには複数の成形ユニット15が搭載されており、これらの成形ユニットは、ホイール11の縁部の周りに取り付けられるとともに、軸12を中心として所定の間隔に従って等間隔に配置され、ホイール11により、軸12の周りの環状経路Pに沿ってステーション13,14を通過するように前進する。
【0024】
各ユニット15は交換可能な金型16を備えるとともに、図2,3に示す実施例では、2つの金型半部17を備えており、これらの金型半部は、軸12に対して平行かつ実質的に垂直な旋回軸18を中心として、駆動装置(図示せず)の作用で、2つの成形キャビティ19の開位置(図3a)と閉位置(図3b)との間をホイール11に関連して回転するようにそれぞれホイール11にヒンジ留めされており、成形キャビティの各々は、ボトル2の形状を有するとともに軸18に平行な長手方向軸19aを有し、その頂部の開口部においてパリソン3のネック部6よりも小さい直径で外側に開口しており、各ボトル2を成形するようにキャビティ19内のパリソン3に圧縮空気を吹き込むために設計された、図示しない周知のタイプの空気装置と連動して作動する。
【0025】
2つの金型半部17は、実質的に経路Pに接するクローズ面20で閉じるとともに、円筒ロッド22を備えたロック装置21により所定の位置にロックされるように指向されており、円筒ロッド22は、軸12に平行な長手方向軸23を有するとともに、2つの金型半部17のうちの一方(以下、符号17aとして示す)を通して鉛直線24に沿って延在し、金型半部17aに関連して、軸23自体を中心として回転するように金型半部17aに回転可能に取り付けられる。
【0026】
ロッド22は、軸23に平行な全面座によって画定された少なくとも一つのアンダーカット部22aを備えるとともに、それに適合された、軸23と同軸上に取り付けられたロッカ25を有し、そしてまた、軸23自体から径方向外側に延在する2つのアーム部26,27を備える。
【0027】
ロック装置21はまた、鉛直線24に対して横方向に延在する細長い形状のラッチ28を備え、このラッチ28は、他方の金型半部17(以下、符号17bとして示す)に固定されるとともに、アンダーカット部22aを受けてこれを留めておくように鉛直線24に沿ってラッチ28に形成された窪み29を有する。
【0028】
ステーション13からステーション14へとユニット15が移動する際、2つの金型半部17a,17bは閉位置にあり、アーム部26と金型半部17aとの間に挿入されたスプリング30がロッド22およびラッチ28を常時ロック位置(図4a)に維持し、ここでアンダーカット部22aが窪み29と係合して、金型16が開くのを防ぐ。
【0029】
ステーション14からステーション13へとユニット15が移動する際、軸23を中心とするロッカ25の角位置を制御するように設計されたカム(図示せず)に、アーム部27に取り付けられたタペット・ローラ31を係合させることにより、ロッド22はスプリング30の作用に逆らって解放位置へと移動し(図4b)、アンダーカット部22aが窪み29を解放して、2つの金型半部17a,17bが開位置に移動できるようにする(図4c,4d)。
【0030】
図11は、ロッド22を下記のように移動させる別の実施例の機構を示す。
【0031】
第2の実施例では、ロッカ25は、タペット31に連結されたアーム部(望ましくはカム311に取り付けられるが、必ずしも取り付けられる必要はない)と、第1の締結要素22(すなわち、ロッド22を有する)と一体になったレバー313に旋回軸で取り付けられたロッド312に連結されたアーム部と、を備える。レバー313は、スプリング30により第1の金型半部17aに連結される。
【0032】
この場合、ロッカ25はその回転軸を中心として回転するとともに、金型半部17から同じ距離を保ちながら同時に回転ラックとともに動くように回転ラックに連結される。
【0033】
有利には、細長いラッチ28およびロッド22は、金型半部17a,17bが自動的に閉じることができるように成形される。
【0034】
さらに詳細には、金型半部17bが開位置から閉位置へと動いたとき、金型半部17bが金型半部17aにロックされるところでは、ロッド22がラッチ28のソケット29に係合することができるようにロッド22を作動させる必要はない。なぜなら、ラッチがロッド22に接触したとき、ラッチがその他の手段からの補助なしにロッドを自動的に移動させるからである。
【0035】
実際、ソケット29が係合できるためには、ロッド22が約15°の非常に小さい角度を回動するだけで十分である。
【0036】
このロッドの回動は、金型半部17bが閉位置に移動するときにラッチ28によりロッドに加えられる圧力によって自動的に付与され、この圧力は、ロッド22がソケット29と係合した後にロッド22を閉位置に戻すように移動させるスプリングの力に打ち勝つのに十分である。
【0037】
さらに、一旦ロッド22がソケット29と係合すれば、形はどうあれロッド22の後方への移動が防止される。
【0038】
上記の点は重要な利点を形成する:金型半部17a,17bの自動的な閉鎖(ロッド22を作動させる必要なしに)と、ラッチ28のソケット29を係合させるためにロッド22に要求される回転角が小さいおかげで、金型16を開閉するのに必要な時間が著しく短くなり、全体としてボトル2のブロー成形サイクルに必要な時間が低減される。
【0039】
さらに、金型の交換時(たとえば、1つの成形キャビティから2つの成形キャビティへの切り替え、もしくはその逆を行う場合)に、作業者は、ロック装置を解放するための機械装置や電子装置を用いることなく非常に簡単に金型半部を開閉することができる。
【0040】
上記のことに関連して留意すべきは、2つの金型半部17a,17bが金型16の開閉位置の間を互いに関して異なる角度で動く点である。さらに具体的には、経路Pの外側に向かって径方向に配置された金型半部17、すなわち金型半部17bの移動角は、経路Pの内側に向かって径方向に配置された金型半部、すなわち金型半部17aの移動角に比べて大きい。
【0041】
図5を参照すると、成形ユニット15はまた、金型16の上部に取り付けられたストレッチング・ユニット32を備え、この特定の実施例では、互いに平行かつ線24に対して平行な3つのストレッチング・ロッド33を備え、このうちの2つ(以下、符号33aとして示す)はキャビティ19と同軸の位置に取り付けられ、残りの1つ(以下、符号33bとして示す)はロッド33aの間に延在する。
【0042】
ロッド33a,33bは、ホイール11に固定された取付けブラケット34と、ブラケット34に固定された電気モータ37の出力軸36に送りナット・スクリュー機構によって連結された取付け板35と、の両方に摺動可能に取り付けられるとともに、図示しない通常の締結スクリューにより線24に沿ってブラケット34もしくは取付け板35に選択的にロックされる。
【0043】
図5aに示すように、金型16すなわち2つの成形キャビティ19を有する金型がホイール11に取り付けられた場合、ロッド33bはブラケット34に軸方向にロックされ、ロッド33aは取付け板35に軸方向にロックされるとともに、ロッド33aが各パリソン3の実質的に外側に配置される上昇位置(図5a)と、ロッド33aを線24に沿って軸方向に伸ばすようにロッド33aが各パリソン3と係合する下降位置(図示せず)と、の間をモータ37により線24に沿って駆動される。
【0044】
図5bに示すように、より大型のボトル2をブロー成形するための単一の成形キャビティをそれぞれ中央に有する金型(図示せず)に金型16が交換された場合、ロッド33aはブラケット34に軸方向にロックされ、ロッド33bは取付け板35に軸方向にロックされるとともに、ロッド33bが各パリソン3の実質的に外側に配置される上昇位置(図5b)と、ロッド33bを線24に沿って軸方向に伸ばすようにロッド33bがパリソン3と係合する下降位置(図示せず)と、の間をモータ37により線24に沿って駆動される。
【0045】
前述のことから推測されるように、ブロー成形ユニット15の金型の変更は、それに関連するストレッチング・ユニット32の変更を必要とせず、これにより設置所要時間が相対的に短くなる。
【0046】
図示されていない実施例では、ホイール11が金型16すなわち2つの成形キャビティ19を有する金型を搭載する場合、ロッド33bは取り外されなければならず、金型16がそれぞれ中央に単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)に交換される場合、ロッド33aは取り外されなければならない。
【0047】
図1、図2を参照すると、供給ライン8は、パリソン3が形成されるプラスチック材料をそのガラス転移温度よりも高い温度に熱調節する加熱装置38と、この加熱装置38に移送ステーション40で連結されるとともにブロー成形ホイール11に移送ステーション13で連結される移送ホイール39と、を備える。
【0048】
加熱装置38は、エンドレス・チェーン・コンベヤ41を備え、このコンベヤは、線24に平行な各長手方向軸42aの周りを回転するように回転可能に取り付けられた2つのプーリ42(図1,2にはその一つのみを示す)の周りに連結されるとともに、図示しない少なくとも一つの通常のオーブンを通して延在しており、コンベヤ41に沿って均等に配置されるとともにコンベヤ41により環状経路Sに沿って前進する複数のピックアップおよび移送部材43を搭載する。
【0049】
図2,図6に示すように、移送部材43の各々は管状案内要素44を備え、その案内要素は、コンベヤ41に取り付けられるとともに、線24に沿って延在し、カム46においてタペット・ローラ45と係合することにより正しい位置に保たれ、その長手方向軸47aが線24と平行なピックアップ・ロッド47によって摺動可能に係合される。
【0050】
ロッド47は、軸47aの周りに均等に配置された複数のボール48を搭載し、これらのボール48は、要素44の外側に突出するロッド47のボトムエンドに径方向に形成されたハウジング49の各々に配置されるとともに、各ハウジング49の内側に線24に対して横方向に取り付けられた各スプリング50のプッシュ作用により各ハウジング49から径方向外側に突出している。
【0051】
カム52と接触するように配置されたタペット・ローラ51のプッシュ作用により、ロッド47は、このロッド47が各パリソン3内部に延伸して、各スプリング50のプッシュ作用によりボール48でパリソン3を把持する下降位置(図示せず)と、ロッド47がパリソン3を分離する上昇位置(図6)と、の間を線24に沿って移動することができる。
【0052】
部材43は、パリソン3の端部5と接触するように軸47aと同軸上に要素44から下方へ突出した互換性のリミットストップ・ブロック44aをさらに備え、このリミットストップ・ブロックは、要素44に着脱可能に取り付けられるとともに、端部5自体のサイズおよび/または形状に応じて交換することができる。
【0053】
図2、図7を参照すると、移送ホイール39は、実質的に垂直かつ線24に対して平行な長手方向軸54の周りを連続的に回転するように取り付けられたドラム53と、複数のピックアップ・移送ユニット55(この特定の実施例では、6つのピックアップ・移送ユニット)と、を備え、これらのピックアップ・移送ユニットは、ドラム53の周辺端部に沿って取り付けられるとともに、ドラム53から径方向外側に突出し、ドラム53自体により軸54の周りを、ステーション13,40を通るように前進する。
【0054】
各ユニット55は、支持ロッカ56を備え、この支持ロッカは、線24に対して実質的に平行なピボット軸57の周りをドラム53に対して回動するようにトラム53にヒンジ留めされるとともに、その第1のアーム部58には、軸57を中心とするロッカ56の各位置を制御するように設計されたカム60と接触する、タペット・ローラ59を備える。
【0055】
またロッカ56は、スライダ62によって摺動可能に係合された第2の細長いアーム部61を備え、スライダ62は、アーム部61に沿ったスライダ62の位置を制御するように設計されたカム64と接触するタペット・ローラ63を備えるとともに、アーム部61の外側に突出するその自由端でピックアップ・ユニット65を支持しており、このピックアップ・ユニット65は、この実施例では、スライダ62に取り付けられた電気モータ67の作用により、線24に平行なピボット軸68の周りをスライダ62に関して回動するように、スライダ62にヒンジ留めされたロッカ66を備える。
【0056】
ロッカ66は、互いに正反対の位置に2つのアーム部69,70を有する。アーム部69は、フォーク形の形状を有する一対のアーム部72を備えたピックアップ要素71を備え、それら一対のアーム部72は、それぞれ線24に平行な各ピボット軸73を中心として、解放位置(図示せず)と、クランプ位置(図7)との間を揺動するように取り付けられるとともに、通常、一対のアーム部72の間に配置されたスプリング74により、パリソン3をネック部6の上部で把持するクランプ位置にアーム部72が維持される。
【0057】
アーム部70は、要素71と完全に同等の2つのピックアップ要素75を備え、これらのピックアップ要素は、互いに平行に並んで配置されるとともに、要素71の陥凹部から見て反対側を向いた2つの陥凹部を有しており、それぞれ、線24に対して平行かつ、単一の金型16における2つの成形キャビティ19の各長手方向軸19a間の距離D2に等しい距離D1だけ互いに離間された長手方向軸75aを有する。
【0058】
前述のことに関連して、以下のことに留意すべきである:
各金型16の成形キャビティ19の数に応じて、ピックアップ要素71,75は、各々の軸68を中心として各電気モータ67により、ピックアップ要素71,75がホイール39の外側に向かって指向される作動位置と、ピックアップ要素71,75がホイール39の内側に向かって指向される停止位置と、の間で選択的に指向される;
各ピボット軸57を中心としたロッカ56の動作を、各アーム部61に沿ったスライダ62の動作、および、各ピボット軸68を中心としたロッカ66の動作と組み合わせることにより、作動位置にある要素71,75は、実質的にステーション13では経路Pに平行に、かつステーション40においては経路Sに平行に保たれる;そして、
コンベヤ41からホイール39にパリソン3を移送するためのステーション40は、経路Sの曲線状の区間Tに沿って配置され、好ましくは、プーリ42のうちの一つの周りの区間Tにおける、ロッド47間の間隔すなわちパリソン3の間の間隔P1が、距離D1すなわち距離D2と等しい位置に沿って配置され、これは経路Sの直線区間に沿ったロッド47間の間隔すなわちパリソン3の間の間隔とは異なる。
【0059】
上記の点から、そのステーション40の位置およびホイール39の形状により、2つの成形キャビティ19を有する金型16を用いるだけでなく単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)を用いるプラント1を、迅速かつ容易に設置することが可能となることが推測される。
【0060】
図示されていない別の実施例では、ロッカ66が排除されて、互換性のピックアップ・ユニットに置き換えられており、その各々が、カムと係合するタペット・ローラの制御により各々のピボット軸68を中心として揺動するように各スライダ62にヒンジ留めされるとともに、1つのピックアップ要素71もしくは2つのピックアップ要素75を備える。
【0061】
図1に示すように、供給ライン9は、ステーション14においてホイール11と連結された移送ホイール76(移送ホイール39と全く同等のものであるため、更に詳細には述べない)と、移送ホイール76のピックアップ要素71,75からボトル2を取り出すためのホイール77と、分配装置80を介してホイール77に連結されるとともに充填機10にボトル2を供給するように設計された、複数の供給ホイール79の輪列78と、を備える。
【0062】
図8を参照すると、ホイール77は、線24に平行なその長手方向軸81を中心に連続的に回転するように取り付けられるとともに、ホイール77の周辺端部に沿って形成された、径方向外側に開口する複数の半円筒状ポケット82を備えており、それらのポケットの各々は、ボトル2を収容、保持するように設計されるとともに、軸81の周りに等間隔に離間されたポケット82の複数のグループ83に分割されており、そのグループの各々は、この特定の実施例では、3つのポケット82を備え、そのうちの一つ(以下、符号82aで示す)は、互いが距離D1およびD2と等しい距離D3で離間された残りの2つ(以下、符号82bで示す)の間に配置される。
【0063】
各ホイール79は、線24に平行なその長手方向軸84を中心に連続的に回転するように取り付けられるとともに、ホイール79の周辺端部に沿って形成された、径方向外側に開口する複数の半円筒状ポケット85を備えており、それらのポケットの各々は、ボトル2を収容、保持するように設計されるとともに、充填機10の分配ノズル(図示せず)の間隔と等しい間隔P2と一致するように軸84の周りに均等に配置される。
【0064】
これに関連して、間隔P2は、距離D3よりも大きく、かつ、隣接する2つのポケット82aの間の距離D4よりも小さく、また距離D4は、ブロー成形ホイール11上の金型16間の間隔と等しく、したがって距離D2とは異なる点に留意されたい。
【0065】
図8、図9に示すように、分配装置80は、この実施例では、スクリューフィーダ86を備え、このスクリューフィーダ86は、その長手方向の、線24に対して実質的に横方向の水平軸87を中心として連続的に回転するように取り付けられるとともに、ホイール77と、供給ホイール79の輪列78の送込みホイール79(以下、符号79aで示す)との間に延在し、2つの起点(start)88、すなわち、単一の金型16の成形キャビティ19の数と等しい数の起点を有するとともに、ボトル2の各々のネック部6より上方で係合するように設計されており、ガイドチャンネル89と連動して作動する。ガイドチャンネル89は、軸87と平行に延在するとともに、ボトル2によってスライド可能なように係合されており、各々のネック部6の下方でボトル2を支持するように設計された2つの側壁90によって画定される。
【0066】
図10に示す実施例は、これまで述べてきた図面に示す実施例とは以下の点のみにおいて異なる:
2つの成形キャビティ19を有する金型16が取り外されるとともに、ただ一つの成形キャビティを有する金型(図示せず)に置き換えられる;
ピックアップ要素71,75が、上記のものとは異なる位置で作動、停止する;および、
スクリューフィーダ86が取り外されるとともに、単一の起点92を有するスクリューフィーダ91に置き換えられる。
【0067】
図示しない実施例では、分配装置80が取り外されるとともに、一般的な可変間隔式移送ホイールに置き換えられる。
【0068】
プラント1の動作について、これから2つの成形キャビティ19を有する金型16を参照して、移送ホイール39,76のピックアップ要素71,75が、それぞれ、停止位置および作動位置に移動する瞬間から開始するように説明する。
【0069】
コンベヤ41は、パリソン3をステーション40へと次々に供給し、ここでは、各ピックアップ・ユニット65が1対のパリソン3をコンベヤ41から取り出すことができるように、パリソン3の間隔P1は、ホイール39の各ピックアップ・ユニット65における各ピックアップ要素75の間の距離D1と等しい。
【0070】
次いで各ピックアップ・ユニット65は、金型16のロッド22が解放位置に移動したのちにステーション14において金型半部17a,17bが開いた各金型16に合わせて、各成形キャビティ19内にパリソン3を送るように、ホイール39により移送ステーション13を通るように前進する。
【0071】
この時点では、2つの金型半部17a,17bは閉じている:ロッド22はスプリング30によりラッチ28のロック位置に動かされ、金型16がステーション13からステーション14へと移動するに従い、ボトル2が成形され、ここで金型16が開いて、移送ホイール76における一つのピックアップ・ユニット65のピックアップ要素75によりちょうど成形されたボトル2が取り出される。
【0072】
次いで、ボトル2は、まずホイール76により、取り出しホイール77上のポケット82のうちの一つのグループ83におけるポケット82bに移送され、次いで、ホイール77によりガイドチャンネル89の送込み端部へと進み、スクリューフィーダ86によりチャンネル89に沿って前進し、最後に、スクリューフィーダ86により、前述の間隔P2に一致したホイール79aのポケット85へと移送される。
【0073】
単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)を有するプラント1の動作は、単純に金型16を別の金型に交換し、移送ホイール39,76のピックアップ要素71,75を、それぞれ、作動位置および停止位置に移動させ、スクリューフィーダ86をスクリューフィーダ91に交換することを含む。この場合、各ボトル2は、まずホイール76により、取り出しホイール77上のポケット82のうちの一つのグループ83におけるポケット82aに移送され、次いで、ホイール77によりガイドチャンネル89の送込み端部へと進み、スクリューフィーダ91によりチャンネル89に沿って前進し、最後に、スクリューフィーダ91により、前述の間隔P2に一致したホイール79aのポケット85へと移送されることに留意されたい。
【0074】
上記の点から、ステーション40の位置、移送ホイール39,76の形状、およびスクリューフィーダ86,91の存在により、2つの成形キャビティ19を有する金型16を用いるだけでなく単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)を用いるプラント1を、迅速かつ容易に設置することが可能となるとともに、2つの成形キャビティ19を有する金型16のみならず単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)で形成された異なるサイズのボトル2を同じ間隔P2に従って同じ充填機10に供給することが可能となることが推測される。
【0075】
最後に、好ましくは、ブロー成形ホイール11、移送ホイール39,76、取り出しホイール77、およびスクリューフィーダ86,91から構成されるアセンブリは一つの駆動モータ(図示せず)によって駆動されるが、チェーンコンベヤ41、および供給ホイール79の輪列78は、単一の駆動モータ(図示せず)か、あるいは、互いに同期する別々のモータ(図示せず)か、のどちらで駆動されてもよいことに留意されたい。実際には、2つの成形キャビティ19を有する金型16を使用することにより、ブロー成形機7には、単一の成形キャビティの金型(図示せず)を使用するブロー成形機7によって得られる生産能力の2倍の生産能力が付与されるため、成形機7が2つの成形キャビティ19を有する金型16を搭載する場合、コンベヤ41および供給ホイール79の輪列78の供給速度は、実質的に、成形機7が単一の成形キャビティの金型(図示せず)を搭載する場合にコンベヤ41および供給ホイール79の輪列78に付与される速度の2倍となるように、選択的に制御される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器、特にボトルをブロー成形するためのプラント用の成形ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ボトリング産業における、従来技術のプラスチックボトル製造用のプラントは、長手方向軸を中心に回転するように取り付けられるとともに、少なくとも一つのブロー成形ユニットを搭載したブロー成形ホイールを備え、そのブロー成形ユニットは、ブロー成形ホイールによりその長手方向軸の周りで給送されるとともに、2つの金型半部を備えており、これらの半部は、各ボトルをブロー成形するための少なくとも一つのキャビティの閉位置と、開位置と、の間を互いに関して可動である。
【0003】
その2つの金型半部は、各々に取り付けられた計2つのロック要素を備えたロック装置によって所定位置にロックされており、そのうち1つのロック要素は、その金型半部に回転可能に取り付けられるとともに、他方のロック要素に対するロック位置と、ロック解除位置との間を回動するように電気駆動モータによって駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1535719号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロック要素における、ロック位置と、ロック解除位置との間の動作が電気モータによって制御されるため、前述のタイプの従来技術の成形ユニットには、主に電力供給がないとロック装置が正しく動作できないという点によって生じる幾つかの不利な点がある。
【0006】
また、公知の特許文献1には、2つの金型半部をロックするための要素が、2つの弾性要素に接続された、可動ロック要素をそれぞれ反対の方向に動かすように係合、分離できる可動要素を備えた解決方法が開示されている。
【0007】
しかしながら、その可動要素の動作を制御する機構が複雑であり、あまり信頼性が高くないため、この解決方法にも欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、上記の不利点がなく、単純で実装に費用のかからない、プラスチック容器、特にボトル製造用のブロー成形プラントのための成形ユニットを提供することである。
【0009】
従って、本発明は、付記の特許請求の範囲に記載の、プラスチック容器、特にボトルをブロー成形するためのプラント用の成形ユニットを提供する。
【0010】
さらに具体的には、本発明は、各パリソンからプラスチック容器を製造するためのブロー成形プラント(すなわち、ブロー成形機)用の成形ユニットを提供し、この成形ユニットは、規定の経路(P)に沿って移動可能であるとともに、
−各容器をブロー成形するための少なくとも一つのキャビティの開位置と、閉位置と、の間を互いに関して可動な2つの金型半部と、
−2つの金型半部を閉位置にロックするためのロック装置であって、第1の金型半部に関連する第1の締結要素と、第2の金型半部に取り付けられた第2の締結要素と、を備え、前記第1の締結要素が、2つの金型半部のロック位置と、ロック解除位置と、の間で可動な、ロック装置と、を備える。
【0011】
本発明によれば、成形ユニットは、
−締結要素をロック位置に移動させて、常時その位置に維持するように、前記第1の金型半部と前記第1の締結要素との間に配置された少なくとも一つのスプリングを備えた第1の弾性動作手段と、
−スプリングの作用に逆らって第1の締結要素をロック位置からロック解除位置へと移動させる手段であって、所定の軸を中心として前記第1の締結要素を回転させるように前記第1の締結要素に運動学的に取り付けられたロッカを備えた手段と、
を備える。
【0012】
特に、前記第1の締結要素の前記所定の回転軸は、ロッカ自体のピボット軸と平行である。
【0013】
ロッカは、2つの金型半部に対するその位置を一定に保つように特定の経路に沿って可動する。
【0014】
特にロッカは、スプリングに運動学的に連結された第1のアーム部と、タペットを備えた第2のアーム部と、を備える。
【0015】
従って、有利には、第1の締結要素は、非常に単純かつ効果的な方法で動作させることができる。
【0016】
第1の締結要素を(特にロック位置からロック解除位置へと)動作させる装置は、2つの方法により実施される。
【0017】
第1の実施例では、ロッカは、所定の第1のピボット軸を中心として回転するように第1の金型半部にヒンジ留めされるとともに、スプリングに連結された第1のアーム部と、タペットを備えた第2のアーム部と、を備える。
【0018】
第2の実施例では、ロッカは、タペットに連結されたアーム部と、第1の締結要素と一体になったレバーに旋回軸で取り付けられたロッドに連結されたアーム部と、を備える。
【0019】
また本発明は、各パリソンからプラスチック容器を製造するとともに、複数の成形ユニットを備えたブロー成形機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】明確化のために一部が切り取られた本発明のプラントの好適な実施例の略平面図である。
【図2】一部が拡大され、また一部が明確化のために切り取られた、図1のプラントの第1の細部の略平面図である。
【図3】明確化のために一部が切り取られた、図2の細部の2つの異なる動作状態を示す略平面図である。
【図4】明確化のために一部が切り取られた、図3の細部の4つの異なる動作状態を示す略平面図である。
【図5】明確化のために一部が切り取られた、図2における第2の細部の2つの異なる動作状態を示す略平面図である。
【図6】明確化のために一部が切り取られた、図2における第3の細部の略平面図である。
【図7】明確化のために一部が切り取られた、図2における第4の細部の略平面図である。
【図8】明確化のために一部が切り取られた、図1のプラントの第2の細部の略平面図である。
【図9】明確化のために一部が切り取られた、図8の細部の概略側面図である。
【図10】明確化のために一部が切り取られた、図8および図9の細部の、別の実施例を示す略平面図である。
【図11】明確化のために一部が切り取られた図2の細部における、図2の実施例とは異なる別の実施例の略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、符号1は全体として、プラスチック容器、この場合においては、公知のタイプのパリソン3(図5)から、プラスチックボトル2(図9)をブロー成形するためのプラントを示し、パリソン3の各々は、外部にねじ山の付いた開口端5を有する細長いカップ状の本体4と、本体4自体の外側表面から径方向外側に延びる環状ネック部6と、を備える。
【0022】
プラント1は、ボトル2をブロー成形するためのブロー成形機7と、パリソン3を成形機7に供給するためのライン8と、成形機7から通常の充填機10へとボトル2を供給するためのライン9と、を備える。
【0023】
図1,2に示すように、成形機7は、実質的に鉛直で、図1,2の図の平面に対して垂直な長手方向軸12を中心として連続的に回転するように(図1,2において反時計回りに)取り付けられたブロー成形ホイール11を備える。このホイールは、ライン8,9に、それぞれ、第1、第2の移送ステーション13,14で連結されるとともに、このホイールには複数の成形ユニット15が搭載されており、これらの成形ユニットは、ホイール11の縁部の周りに取り付けられるとともに、軸12を中心として所定の間隔に従って等間隔に配置され、ホイール11により、軸12の周りの環状経路Pに沿ってステーション13,14を通過するように前進する。
【0024】
各ユニット15は交換可能な金型16を備えるとともに、図2,3に示す実施例では、2つの金型半部17を備えており、これらの金型半部は、軸12に対して平行かつ実質的に垂直な旋回軸18を中心として、駆動装置(図示せず)の作用で、2つの成形キャビティ19の開位置(図3a)と閉位置(図3b)との間をホイール11に関連して回転するようにそれぞれホイール11にヒンジ留めされており、成形キャビティの各々は、ボトル2の形状を有するとともに軸18に平行な長手方向軸19aを有し、その頂部の開口部においてパリソン3のネック部6よりも小さい直径で外側に開口しており、各ボトル2を成形するようにキャビティ19内のパリソン3に圧縮空気を吹き込むために設計された、図示しない周知のタイプの空気装置と連動して作動する。
【0025】
2つの金型半部17は、実質的に経路Pに接するクローズ面20で閉じるとともに、円筒ロッド22を備えたロック装置21により所定の位置にロックされるように指向されており、円筒ロッド22は、軸12に平行な長手方向軸23を有するとともに、2つの金型半部17のうちの一方(以下、符号17aとして示す)を通して鉛直線24に沿って延在し、金型半部17aに関連して、軸23自体を中心として回転するように金型半部17aに回転可能に取り付けられる。
【0026】
ロッド22は、軸23に平行な全面座によって画定された少なくとも一つのアンダーカット部22aを備えるとともに、それに適合された、軸23と同軸上に取り付けられたロッカ25を有し、そしてまた、軸23自体から径方向外側に延在する2つのアーム部26,27を備える。
【0027】
ロック装置21はまた、鉛直線24に対して横方向に延在する細長い形状のラッチ28を備え、このラッチ28は、他方の金型半部17(以下、符号17bとして示す)に固定されるとともに、アンダーカット部22aを受けてこれを留めておくように鉛直線24に沿ってラッチ28に形成された窪み29を有する。
【0028】
ステーション13からステーション14へとユニット15が移動する際、2つの金型半部17a,17bは閉位置にあり、アーム部26と金型半部17aとの間に挿入されたスプリング30がロッド22およびラッチ28を常時ロック位置(図4a)に維持し、ここでアンダーカット部22aが窪み29と係合して、金型16が開くのを防ぐ。
【0029】
ステーション14からステーション13へとユニット15が移動する際、軸23を中心とするロッカ25の角位置を制御するように設計されたカム(図示せず)に、アーム部27に取り付けられたタペット・ローラ31を係合させることにより、ロッド22はスプリング30の作用に逆らって解放位置へと移動し(図4b)、アンダーカット部22aが窪み29を解放して、2つの金型半部17a,17bが開位置に移動できるようにする(図4c,4d)。
【0030】
図11は、ロッド22を下記のように移動させる別の実施例の機構を示す。
【0031】
第2の実施例では、ロッカ25は、タペット31に連結されたアーム部(望ましくはカム311に取り付けられるが、必ずしも取り付けられる必要はない)と、第1の締結要素22(すなわち、ロッド22を有する)と一体になったレバー313に旋回軸で取り付けられたロッド312に連結されたアーム部と、を備える。レバー313は、スプリング30により第1の金型半部17aに連結される。
【0032】
この場合、ロッカ25はその回転軸を中心として回転するとともに、金型半部17から同じ距離を保ちながら同時に回転ラックとともに動くように回転ラックに連結される。
【0033】
有利には、細長いラッチ28およびロッド22は、金型半部17a,17bが自動的に閉じることができるように成形される。
【0034】
さらに詳細には、金型半部17bが開位置から閉位置へと動いたとき、金型半部17bが金型半部17aにロックされるところでは、ロッド22がラッチ28のソケット29に係合することができるようにロッド22を作動させる必要はない。なぜなら、ラッチがロッド22に接触したとき、ラッチがその他の手段からの補助なしにロッドを自動的に移動させるからである。
【0035】
実際、ソケット29が係合できるためには、ロッド22が約15°の非常に小さい角度を回動するだけで十分である。
【0036】
このロッドの回動は、金型半部17bが閉位置に移動するときにラッチ28によりロッドに加えられる圧力によって自動的に付与され、この圧力は、ロッド22がソケット29と係合した後にロッド22を閉位置に戻すように移動させるスプリングの力に打ち勝つのに十分である。
【0037】
さらに、一旦ロッド22がソケット29と係合すれば、形はどうあれロッド22の後方への移動が防止される。
【0038】
上記の点は重要な利点を形成する:金型半部17a,17bの自動的な閉鎖(ロッド22を作動させる必要なしに)と、ラッチ28のソケット29を係合させるためにロッド22に要求される回転角が小さいおかげで、金型16を開閉するのに必要な時間が著しく短くなり、全体としてボトル2のブロー成形サイクルに必要な時間が低減される。
【0039】
さらに、金型の交換時(たとえば、1つの成形キャビティから2つの成形キャビティへの切り替え、もしくはその逆を行う場合)に、作業者は、ロック装置を解放するための機械装置や電子装置を用いることなく非常に簡単に金型半部を開閉することができる。
【0040】
上記のことに関連して留意すべきは、2つの金型半部17a,17bが金型16の開閉位置の間を互いに関して異なる角度で動く点である。さらに具体的には、経路Pの外側に向かって径方向に配置された金型半部17、すなわち金型半部17bの移動角は、経路Pの内側に向かって径方向に配置された金型半部、すなわち金型半部17aの移動角に比べて大きい。
【0041】
図5を参照すると、成形ユニット15はまた、金型16の上部に取り付けられたストレッチング・ユニット32を備え、この特定の実施例では、互いに平行かつ線24に対して平行な3つのストレッチング・ロッド33を備え、このうちの2つ(以下、符号33aとして示す)はキャビティ19と同軸の位置に取り付けられ、残りの1つ(以下、符号33bとして示す)はロッド33aの間に延在する。
【0042】
ロッド33a,33bは、ホイール11に固定された取付けブラケット34と、ブラケット34に固定された電気モータ37の出力軸36に送りナット・スクリュー機構によって連結された取付け板35と、の両方に摺動可能に取り付けられるとともに、図示しない通常の締結スクリューにより線24に沿ってブラケット34もしくは取付け板35に選択的にロックされる。
【0043】
図5aに示すように、金型16すなわち2つの成形キャビティ19を有する金型がホイール11に取り付けられた場合、ロッド33bはブラケット34に軸方向にロックされ、ロッド33aは取付け板35に軸方向にロックされるとともに、ロッド33aが各パリソン3の実質的に外側に配置される上昇位置(図5a)と、ロッド33aを線24に沿って軸方向に伸ばすようにロッド33aが各パリソン3と係合する下降位置(図示せず)と、の間をモータ37により線24に沿って駆動される。
【0044】
図5bに示すように、より大型のボトル2をブロー成形するための単一の成形キャビティをそれぞれ中央に有する金型(図示せず)に金型16が交換された場合、ロッド33aはブラケット34に軸方向にロックされ、ロッド33bは取付け板35に軸方向にロックされるとともに、ロッド33bが各パリソン3の実質的に外側に配置される上昇位置(図5b)と、ロッド33bを線24に沿って軸方向に伸ばすようにロッド33bがパリソン3と係合する下降位置(図示せず)と、の間をモータ37により線24に沿って駆動される。
【0045】
前述のことから推測されるように、ブロー成形ユニット15の金型の変更は、それに関連するストレッチング・ユニット32の変更を必要とせず、これにより設置所要時間が相対的に短くなる。
【0046】
図示されていない実施例では、ホイール11が金型16すなわち2つの成形キャビティ19を有する金型を搭載する場合、ロッド33bは取り外されなければならず、金型16がそれぞれ中央に単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)に交換される場合、ロッド33aは取り外されなければならない。
【0047】
図1、図2を参照すると、供給ライン8は、パリソン3が形成されるプラスチック材料をそのガラス転移温度よりも高い温度に熱調節する加熱装置38と、この加熱装置38に移送ステーション40で連結されるとともにブロー成形ホイール11に移送ステーション13で連結される移送ホイール39と、を備える。
【0048】
加熱装置38は、エンドレス・チェーン・コンベヤ41を備え、このコンベヤは、線24に平行な各長手方向軸42aの周りを回転するように回転可能に取り付けられた2つのプーリ42(図1,2にはその一つのみを示す)の周りに連結されるとともに、図示しない少なくとも一つの通常のオーブンを通して延在しており、コンベヤ41に沿って均等に配置されるとともにコンベヤ41により環状経路Sに沿って前進する複数のピックアップおよび移送部材43を搭載する。
【0049】
図2,図6に示すように、移送部材43の各々は管状案内要素44を備え、その案内要素は、コンベヤ41に取り付けられるとともに、線24に沿って延在し、カム46においてタペット・ローラ45と係合することにより正しい位置に保たれ、その長手方向軸47aが線24と平行なピックアップ・ロッド47によって摺動可能に係合される。
【0050】
ロッド47は、軸47aの周りに均等に配置された複数のボール48を搭載し、これらのボール48は、要素44の外側に突出するロッド47のボトムエンドに径方向に形成されたハウジング49の各々に配置されるとともに、各ハウジング49の内側に線24に対して横方向に取り付けられた各スプリング50のプッシュ作用により各ハウジング49から径方向外側に突出している。
【0051】
カム52と接触するように配置されたタペット・ローラ51のプッシュ作用により、ロッド47は、このロッド47が各パリソン3内部に延伸して、各スプリング50のプッシュ作用によりボール48でパリソン3を把持する下降位置(図示せず)と、ロッド47がパリソン3を分離する上昇位置(図6)と、の間を線24に沿って移動することができる。
【0052】
部材43は、パリソン3の端部5と接触するように軸47aと同軸上に要素44から下方へ突出した互換性のリミットストップ・ブロック44aをさらに備え、このリミットストップ・ブロックは、要素44に着脱可能に取り付けられるとともに、端部5自体のサイズおよび/または形状に応じて交換することができる。
【0053】
図2、図7を参照すると、移送ホイール39は、実質的に垂直かつ線24に対して平行な長手方向軸54の周りを連続的に回転するように取り付けられたドラム53と、複数のピックアップ・移送ユニット55(この特定の実施例では、6つのピックアップ・移送ユニット)と、を備え、これらのピックアップ・移送ユニットは、ドラム53の周辺端部に沿って取り付けられるとともに、ドラム53から径方向外側に突出し、ドラム53自体により軸54の周りを、ステーション13,40を通るように前進する。
【0054】
各ユニット55は、支持ロッカ56を備え、この支持ロッカは、線24に対して実質的に平行なピボット軸57の周りをドラム53に対して回動するようにトラム53にヒンジ留めされるとともに、その第1のアーム部58には、軸57を中心とするロッカ56の各位置を制御するように設計されたカム60と接触する、タペット・ローラ59を備える。
【0055】
またロッカ56は、スライダ62によって摺動可能に係合された第2の細長いアーム部61を備え、スライダ62は、アーム部61に沿ったスライダ62の位置を制御するように設計されたカム64と接触するタペット・ローラ63を備えるとともに、アーム部61の外側に突出するその自由端でピックアップ・ユニット65を支持しており、このピックアップ・ユニット65は、この実施例では、スライダ62に取り付けられた電気モータ67の作用により、線24に平行なピボット軸68の周りをスライダ62に関して回動するように、スライダ62にヒンジ留めされたロッカ66を備える。
【0056】
ロッカ66は、互いに正反対の位置に2つのアーム部69,70を有する。アーム部69は、フォーク形の形状を有する一対のアーム部72を備えたピックアップ要素71を備え、それら一対のアーム部72は、それぞれ線24に平行な各ピボット軸73を中心として、解放位置(図示せず)と、クランプ位置(図7)との間を揺動するように取り付けられるとともに、通常、一対のアーム部72の間に配置されたスプリング74により、パリソン3をネック部6の上部で把持するクランプ位置にアーム部72が維持される。
【0057】
アーム部70は、要素71と完全に同等の2つのピックアップ要素75を備え、これらのピックアップ要素は、互いに平行に並んで配置されるとともに、要素71の陥凹部から見て反対側を向いた2つの陥凹部を有しており、それぞれ、線24に対して平行かつ、単一の金型16における2つの成形キャビティ19の各長手方向軸19a間の距離D2に等しい距離D1だけ互いに離間された長手方向軸75aを有する。
【0058】
前述のことに関連して、以下のことに留意すべきである:
各金型16の成形キャビティ19の数に応じて、ピックアップ要素71,75は、各々の軸68を中心として各電気モータ67により、ピックアップ要素71,75がホイール39の外側に向かって指向される作動位置と、ピックアップ要素71,75がホイール39の内側に向かって指向される停止位置と、の間で選択的に指向される;
各ピボット軸57を中心としたロッカ56の動作を、各アーム部61に沿ったスライダ62の動作、および、各ピボット軸68を中心としたロッカ66の動作と組み合わせることにより、作動位置にある要素71,75は、実質的にステーション13では経路Pに平行に、かつステーション40においては経路Sに平行に保たれる;そして、
コンベヤ41からホイール39にパリソン3を移送するためのステーション40は、経路Sの曲線状の区間Tに沿って配置され、好ましくは、プーリ42のうちの一つの周りの区間Tにおける、ロッド47間の間隔すなわちパリソン3の間の間隔P1が、距離D1すなわち距離D2と等しい位置に沿って配置され、これは経路Sの直線区間に沿ったロッド47間の間隔すなわちパリソン3の間の間隔とは異なる。
【0059】
上記の点から、そのステーション40の位置およびホイール39の形状により、2つの成形キャビティ19を有する金型16を用いるだけでなく単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)を用いるプラント1を、迅速かつ容易に設置することが可能となることが推測される。
【0060】
図示されていない別の実施例では、ロッカ66が排除されて、互換性のピックアップ・ユニットに置き換えられており、その各々が、カムと係合するタペット・ローラの制御により各々のピボット軸68を中心として揺動するように各スライダ62にヒンジ留めされるとともに、1つのピックアップ要素71もしくは2つのピックアップ要素75を備える。
【0061】
図1に示すように、供給ライン9は、ステーション14においてホイール11と連結された移送ホイール76(移送ホイール39と全く同等のものであるため、更に詳細には述べない)と、移送ホイール76のピックアップ要素71,75からボトル2を取り出すためのホイール77と、分配装置80を介してホイール77に連結されるとともに充填機10にボトル2を供給するように設計された、複数の供給ホイール79の輪列78と、を備える。
【0062】
図8を参照すると、ホイール77は、線24に平行なその長手方向軸81を中心に連続的に回転するように取り付けられるとともに、ホイール77の周辺端部に沿って形成された、径方向外側に開口する複数の半円筒状ポケット82を備えており、それらのポケットの各々は、ボトル2を収容、保持するように設計されるとともに、軸81の周りに等間隔に離間されたポケット82の複数のグループ83に分割されており、そのグループの各々は、この特定の実施例では、3つのポケット82を備え、そのうちの一つ(以下、符号82aで示す)は、互いが距離D1およびD2と等しい距離D3で離間された残りの2つ(以下、符号82bで示す)の間に配置される。
【0063】
各ホイール79は、線24に平行なその長手方向軸84を中心に連続的に回転するように取り付けられるとともに、ホイール79の周辺端部に沿って形成された、径方向外側に開口する複数の半円筒状ポケット85を備えており、それらのポケットの各々は、ボトル2を収容、保持するように設計されるとともに、充填機10の分配ノズル(図示せず)の間隔と等しい間隔P2と一致するように軸84の周りに均等に配置される。
【0064】
これに関連して、間隔P2は、距離D3よりも大きく、かつ、隣接する2つのポケット82aの間の距離D4よりも小さく、また距離D4は、ブロー成形ホイール11上の金型16間の間隔と等しく、したがって距離D2とは異なる点に留意されたい。
【0065】
図8、図9に示すように、分配装置80は、この実施例では、スクリューフィーダ86を備え、このスクリューフィーダ86は、その長手方向の、線24に対して実質的に横方向の水平軸87を中心として連続的に回転するように取り付けられるとともに、ホイール77と、供給ホイール79の輪列78の送込みホイール79(以下、符号79aで示す)との間に延在し、2つの起点(start)88、すなわち、単一の金型16の成形キャビティ19の数と等しい数の起点を有するとともに、ボトル2の各々のネック部6より上方で係合するように設計されており、ガイドチャンネル89と連動して作動する。ガイドチャンネル89は、軸87と平行に延在するとともに、ボトル2によってスライド可能なように係合されており、各々のネック部6の下方でボトル2を支持するように設計された2つの側壁90によって画定される。
【0066】
図10に示す実施例は、これまで述べてきた図面に示す実施例とは以下の点のみにおいて異なる:
2つの成形キャビティ19を有する金型16が取り外されるとともに、ただ一つの成形キャビティを有する金型(図示せず)に置き換えられる;
ピックアップ要素71,75が、上記のものとは異なる位置で作動、停止する;および、
スクリューフィーダ86が取り外されるとともに、単一の起点92を有するスクリューフィーダ91に置き換えられる。
【0067】
図示しない実施例では、分配装置80が取り外されるとともに、一般的な可変間隔式移送ホイールに置き換えられる。
【0068】
プラント1の動作について、これから2つの成形キャビティ19を有する金型16を参照して、移送ホイール39,76のピックアップ要素71,75が、それぞれ、停止位置および作動位置に移動する瞬間から開始するように説明する。
【0069】
コンベヤ41は、パリソン3をステーション40へと次々に供給し、ここでは、各ピックアップ・ユニット65が1対のパリソン3をコンベヤ41から取り出すことができるように、パリソン3の間隔P1は、ホイール39の各ピックアップ・ユニット65における各ピックアップ要素75の間の距離D1と等しい。
【0070】
次いで各ピックアップ・ユニット65は、金型16のロッド22が解放位置に移動したのちにステーション14において金型半部17a,17bが開いた各金型16に合わせて、各成形キャビティ19内にパリソン3を送るように、ホイール39により移送ステーション13を通るように前進する。
【0071】
この時点では、2つの金型半部17a,17bは閉じている:ロッド22はスプリング30によりラッチ28のロック位置に動かされ、金型16がステーション13からステーション14へと移動するに従い、ボトル2が成形され、ここで金型16が開いて、移送ホイール76における一つのピックアップ・ユニット65のピックアップ要素75によりちょうど成形されたボトル2が取り出される。
【0072】
次いで、ボトル2は、まずホイール76により、取り出しホイール77上のポケット82のうちの一つのグループ83におけるポケット82bに移送され、次いで、ホイール77によりガイドチャンネル89の送込み端部へと進み、スクリューフィーダ86によりチャンネル89に沿って前進し、最後に、スクリューフィーダ86により、前述の間隔P2に一致したホイール79aのポケット85へと移送される。
【0073】
単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)を有するプラント1の動作は、単純に金型16を別の金型に交換し、移送ホイール39,76のピックアップ要素71,75を、それぞれ、作動位置および停止位置に移動させ、スクリューフィーダ86をスクリューフィーダ91に交換することを含む。この場合、各ボトル2は、まずホイール76により、取り出しホイール77上のポケット82のうちの一つのグループ83におけるポケット82aに移送され、次いで、ホイール77によりガイドチャンネル89の送込み端部へと進み、スクリューフィーダ91によりチャンネル89に沿って前進し、最後に、スクリューフィーダ91により、前述の間隔P2に一致したホイール79aのポケット85へと移送されることに留意されたい。
【0074】
上記の点から、ステーション40の位置、移送ホイール39,76の形状、およびスクリューフィーダ86,91の存在により、2つの成形キャビティ19を有する金型16を用いるだけでなく単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)を用いるプラント1を、迅速かつ容易に設置することが可能となるとともに、2つの成形キャビティ19を有する金型16のみならず単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)で形成された異なるサイズのボトル2を同じ間隔P2に従って同じ充填機10に供給することが可能となることが推測される。
【0075】
最後に、好ましくは、ブロー成形ホイール11、移送ホイール39,76、取り出しホイール77、およびスクリューフィーダ86,91から構成されるアセンブリは一つの駆動モータ(図示せず)によって駆動されるが、チェーンコンベヤ41、および供給ホイール79の輪列78は、単一の駆動モータ(図示せず)か、あるいは、互いに同期する別々のモータ(図示せず)か、のどちらで駆動されてもよいことに留意されたい。実際には、2つの成形キャビティ19を有する金型16を使用することにより、ブロー成形機7には、単一の成形キャビティの金型(図示せず)を使用するブロー成形機7によって得られる生産能力の2倍の生産能力が付与されるため、成形機7が2つの成形キャビティ19を有する金型16を搭載する場合、コンベヤ41および供給ホイール79の輪列78の供給速度は、実質的に、成形機7が単一の成形キャビティの金型(図示せず)を搭載する場合にコンベヤ41および供給ホイール79の輪列78に付与される速度の2倍となるように、選択的に制御される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パリソン(3)からプラスチック容器(2)をブロー成形するためのプラント用の成形ユニットであって、該成形ユニットは、所定の経路(P)に沿って移動可能であるとともに、
各々の容器(2)をブロー成形するための少なくとも一つのキャビティ(19)における開位置と、閉位置と、の間を互いに関して可動な2つの金型半部(17a,17b)と、
前記2つの金型半部(17a,17b)を前記閉位置にロックするためのロック装置(21)と、を備え、前記ロック装置(21)は、前記第1の金型半部(17a)に関連する第1の締結要素(22)と、前記第2の金型半部(17b)に取り付けられた第2の締結要素(28)と、を備え、前記第1の締結要素(22)は、前記2つの金型半部(17a,17b)のロック位置と、ロック解除位置と、の間を可動である、成形ユニットにおいて、
前記ロック装置(21)は、
前記締結要素(22,28)を前記ロック位置に移動させて、常時その位置に維持するように、前記第1の金型半部(17a)と、前記第1の締結要素(22)と、の間に配置された少なくとも一つのスプリング(30)を備えた第1の弾性動作手段(30)と、
スプリング(30)の作用に逆らって前記第1の締結要素(22)を前記ロック位置から前記ロック解除位置へと移動させる手段であって、所定の軸を中心として前記第1の締結要素(22)を回転させるように該第1の締結要素(22)に運動学的に取り付けられたロッカ(25)を備えた手段と、
の組み合わせを備えることを特徴とする成形ユニット。
【請求項2】
前記第1の締結要素(22)の前記所定の回転軸は、前記ロッカ(25)のピボット軸(23)と平行であることを特徴とする請求項1に記載の成形ユニット。
【請求項3】
前記ロッカ(25)は、前記2つの金型半部(17)に対するその位置を一定に保つように特定の経路に沿って可動することを特徴とする請求項1もしくは2に記載の成形ユニット。
【請求項4】
前記ロッカ(25)は、前記スプリング(30)に運動学的に連結された第1のアーム部(26)と、タペット(31)を備えた第2のアーム部(27)と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形ユニット。
【請求項5】
前記ロッカ(25)が、所定の第1のピボット軸(23)を中心として回転し、かつ前記第1の締結要素(22)を前記第1のピボット軸(23)を中心として移動させるように、前記第1の金型半部(17a)にヒンジ留めされるとともに、前記スプリング(30)に連結された第1のアーム部(26)と、前記タペット(31)を備えた第2のアーム部(27)と、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の成形ユニット。
【請求項6】
前記ロッカ(25)が、前記タペット(31)に連結されたアーム部と、前記第1の締結要素(22)と一体になったレバーに旋回軸で取り付けられたロッドに連結されたアーム部と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形ユニット。
【請求項7】
前記第1の締結要素(22)は、実質的に全面座によって画定された円筒状であり、前記第2の締結要素(28)は、前記第1の締結要素(22)を受け入れてこれを留めておくように設計されたソケット(29)を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の成形ユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の複数の成形ユニットを備えた、パリソン(3)からプラスチック容器(2)をブロー成形するためのブロー成形機。
【請求項1】
パリソン(3)からプラスチック容器(2)をブロー成形するためのプラント用の成形ユニットであって、該成形ユニットは、所定の経路(P)に沿って移動可能であるとともに、
各々の容器(2)をブロー成形するための少なくとも一つのキャビティ(19)における開位置と、閉位置と、の間を互いに関して可動な2つの金型半部(17a,17b)と、
前記2つの金型半部(17a,17b)を前記閉位置にロックするためのロック装置(21)と、を備え、前記ロック装置(21)は、前記第1の金型半部(17a)に関連する第1の締結要素(22)と、前記第2の金型半部(17b)に取り付けられた第2の締結要素(28)と、を備え、前記第1の締結要素(22)は、前記2つの金型半部(17a,17b)のロック位置と、ロック解除位置と、の間を可動である、成形ユニットにおいて、
前記ロック装置(21)は、
前記締結要素(22,28)を前記ロック位置に移動させて、常時その位置に維持するように、前記第1の金型半部(17a)と、前記第1の締結要素(22)と、の間に配置された少なくとも一つのスプリング(30)を備えた第1の弾性動作手段(30)と、
スプリング(30)の作用に逆らって前記第1の締結要素(22)を前記ロック位置から前記ロック解除位置へと移動させる手段であって、所定の軸を中心として前記第1の締結要素(22)を回転させるように該第1の締結要素(22)に運動学的に取り付けられたロッカ(25)を備えた手段と、
の組み合わせを備えることを特徴とする成形ユニット。
【請求項2】
前記第1の締結要素(22)の前記所定の回転軸は、前記ロッカ(25)のピボット軸(23)と平行であることを特徴とする請求項1に記載の成形ユニット。
【請求項3】
前記ロッカ(25)は、前記2つの金型半部(17)に対するその位置を一定に保つように特定の経路に沿って可動することを特徴とする請求項1もしくは2に記載の成形ユニット。
【請求項4】
前記ロッカ(25)は、前記スプリング(30)に運動学的に連結された第1のアーム部(26)と、タペット(31)を備えた第2のアーム部(27)と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形ユニット。
【請求項5】
前記ロッカ(25)が、所定の第1のピボット軸(23)を中心として回転し、かつ前記第1の締結要素(22)を前記第1のピボット軸(23)を中心として移動させるように、前記第1の金型半部(17a)にヒンジ留めされるとともに、前記スプリング(30)に連結された第1のアーム部(26)と、前記タペット(31)を備えた第2のアーム部(27)と、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の成形ユニット。
【請求項6】
前記ロッカ(25)が、前記タペット(31)に連結されたアーム部と、前記第1の締結要素(22)と一体になったレバーに旋回軸で取り付けられたロッドに連結されたアーム部と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形ユニット。
【請求項7】
前記第1の締結要素(22)は、実質的に全面座によって画定された円筒状であり、前記第2の締結要素(28)は、前記第1の締結要素(22)を受け入れてこれを留めておくように設計されたソケット(29)を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の成形ユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の複数の成形ユニットを備えた、パリソン(3)からプラスチック容器(2)をブロー成形するためのブロー成形機。
【図1】
【図2】
【図3a)】
【図3b)】
【図4a)】
【図4b)】
【図4c)】
【図4d)】
【図5a)】
【図5b)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3a)】
【図3b)】
【図4a)】
【図4b)】
【図4c)】
【図4d)】
【図5a)】
【図5b)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−529412(P2011−529412A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520649(P2011−520649)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053305
【国際公開番号】WO2010/013211
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(510208295)サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053305
【国際公開番号】WO2010/013211
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(510208295)サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ (9)
【Fターム(参考)】
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