説明

プラズマイオン注入中にドーパント濃度を測定するための方法

【課題】プラズマドーピングプロセス中の所定のドーパント濃度での終点検出のための方法を提供する。
【解決手段】プロセスチャンバー内で基板を位置決めするステップと、基板の上にプラズマを生成し、プラズマによって生成される光を基板を通って伝送するステップであって、ここで光は、基板の表側に入り、裏側から出る、ステップと、基板の下に位置決めされるセンサーによって光を受け取るステップとを包含する。さらに、センサーによって受け取られる光に比例する信号を生成するステップと、ドーピングプロセス中にドーパントを基板に注入するステップと、ドーピングプロセス中にセンサーによって受け取られる光の減少する量に比例する多重光信号を生成するステップと、いったん基板が最終ドーパント濃度を有するとセンサーによって受け取られる光に比例する終点信号を生成するステップと、ドーピングプロセスを中止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は一般に、基板を処理するための方法に関し、より詳細には、ドーピングプロセス中に基板のドーパント濃度を測定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ促進化学的気相堆積(PE−CVD)プロセス、高密度プラズマ化学的気相堆積(HDP−CVD)プロセス、プラズマ浸入イオン注入プロセス(P3I)、およびプラズマエッチングプロセスなどのプラズマプロセス中にイオン線量を制御することは、重要である。集積回路製作でのイオン注入プロセスは特に、半導体基板への所望のイオン線量を達成するために計装制御を必要とする。
【0003】
イオン注入での線量は一般に、処理している基板の表面平面を通過する単位面積当たりのイオンの総数のことである。注入イオンは、基板の体積全体にわたって分布する。注入イオン密度(単位体積当たりのイオン数)の主要な変化は、イオン束の方向、通常は基板表面に対して直交する(垂直な)方向に沿って生じる。垂直方向に沿ったイオン密度(単位体積当たりのイオン)の分布は、イオン注入深さプロファイルと呼ばれる。イオン注入線量(単位面積当たりのイオン)を調整するための計装制御システムは、ときには線量測定と呼ばれる。
【0004】
イオン注入は、イオンビーム注入装置でおよびプラズマ浸入イオン注入装置で行われることもある。基板の表面一面にラスター走査されなければならない狭いイオンビームを生成するイオンビーム注入装置は典型的には、一度に単一原子種だけを注入する。そのような装置でのイオン電流は、実際の線量を計算するために精密に測定され、時間について積分される。全イオンビームは基板に衝突するので、およびビーム内の原子種は周知であるので、イオン注入線量は、正確に決定できる。これは、イオンビーム注入装置では重大であり、なぜならばそれが、その出力電流にかなりのドリフトを受けるDCイオン源を用い、ビーム注入機で用いられるさまざまなグリッドおよび電極が、同様にドリフトする(構成部品表面に堆積される材料の蓄積に対するDC源の感受性に起因して)からである。それに応じて、精密な線量測定が、イオンビーム注入装置では必須である。精密に監視されるイオンビーム電流は、瞬間的な現在の注入線量を計算するために時間について積分され、プロセスは、線量が所定の目標値に達するとすぐに停止される。
【0005】
対照的に、プラズマ浸入イオン注入リアクターは、線量測定での困難な問題を提示する。典型的には、そのようなリアクターは、所望のイオン注入種だけでなく他の種も含有する前駆体ガスを用いるので、基板に入射するイオンの原子量は、精密に決定できない。例えば、ホウ素のプラズマ浸入イオン注入は通常、ホウ素および水素イオンの両方が基板に入射できるように前駆体ジボランなどの多元素化合物を用いる。結果として、測定電流からホウ素線量を決定することは、困難である。プラズマ浸入イオン注入リアクターでの注入線量測定の別の困難は、プラズマイオンが、基板全体に連続的に衝突して、基板への総イオン電流の基板の上での直接測定を成し遂げることが困難になることである。その代わりに、線量は、非常に小さな面積について取得される測定結果から間接的に推測されなければならない。これは特に、RF(ラジオ周波数)プラズマ源電力またはRFプラズマバイアス電力を用いるリアクターに当てはまる。
【0006】
したがって、プラズマドーピングプロセス中に所定のドーパント濃度で終点を決定するための方法に対する必要性がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は一般に、プラズマドーピングプロセス中の所定のドーパント濃度での終点検出のための方法および装置を提供する。一実施形態では、プロセスチャンバー内で基板を位置決めするステップであって、ここで基板は、表側および裏側を有し、約250℃未満の温度である、ステップと、プロセスチャンバー内で基板の上にプラズマを生成するステップと、プラズマによって生成される光を基板を通って伝送するステップであって、ここで光は、基板の表側に入り、裏側から出る、ステップと、基板の下に位置決めされるセンサーによって光を受け取るステップとを包含する、プラズマドーピングプロセス中に基板表面のドーピング濃度を検出するための方法が、提供される。その方法はさらに、センサーによって受け取られる光に比例する信号を生成するステップと、ドーピングプロセス中にドーパントを基板に注入するステップと、ドーピングプロセス中にセンサーによって受け取られる光の減少する量に比例する多重光信号を生成するステップと、いったん基板がドーパントの最終濃度を有するとセンサーによって受け取られる光に比例する終点信号を生成するステップと、基板のドーパント注入を中止するステップとを提供する。
【0008】
ある実施形態では、その方法は、増加するドーパント濃度に比例する多重信号を生成するステップを包含してもよい。プラズマによって生成される光は、赤外光、可視光、紫外光、またはそれらの組合せを含有してもよい。一例では、光は、赤外光を含有する。通常、プラズマドーピングプロセス中の基板の温度は、ドーピングプロセス中に約0℃から約90℃、好ましくは約25℃から約45℃の範囲内であってもよい。
【0009】
ある実施形態では、ドーパントは、ホウ素、リン、ヒ素、アンチモン、窒素、酸素、水素、炭素、ゲルマニウム、またはそれらの組合せであってもよい。ドーパントの最終濃度は、約1×1014cm−2から約1×1018cm−2、好ましくは約5×1015cm−2から約1×1017cm−2の範囲内であってもよい。一例では、ドーパントは、ホウ素であり、ドーピングプロセスは、トリフルオロボラン、ジボラン、それらのプラズマ、それらの誘導体、またはそれらの組合せなどのホウ素前駆体に基板をさらすステップを包含する。別の例では、ドーパントは、リンであり、ドーピングプロセスは、トリフルオロホスフィン、ホスフィン、それらのプラズマ、それらの誘導体、またはそれらの組合せなどのリン前駆体に基板をさらすステップを包含する。別の例では、ドーパントは、ヒ素であり、ドーピングプロセスは、アルシン、それのプラズマ、またはそれの誘導体などのヒ素前駆体に基板をさらすステップを包含する。
【0010】
別の実施形態では、プロセスチャンバー内で基板を位置決めするステップであって、ここで基板は、表側および裏側を有し、約250℃未満の温度である、ステップと、プロセスチャンバー内で基板の上にプラズマを生成するステップと、基板を通って光を伝送するステップであって、ここで光は、基板の裏側に入り、表側から出て、光は、基板の下に位置決めされる光源によって生成される、ステップと、基板の上に位置決めされるセンサーによって光を受け取るステップとを包含する、プラズマドーピングプロセス中に基板表面のドーピング濃度を検出するための方法が、提供される。その方法はさらに、センサーによって受け取られる光に比例する信号を生成するステップと、ドーピングプロセス中にドーパントを基板に注入するステップと、ドーピングプロセス中にセンサーによって受け取られる光の減少する量に比例する多重光信号を生成するステップと、いったん基板がドーパントの最終濃度を有するとセンサーによって受け取られる光に比例する終点信号を生成するステップと、基板のドーパント注入を中止するステップとを提供する。
【0011】
実施形態は、光源が赤外レーザーなどのレーザーであってもよいと規定する。光は、赤外光、可視光、紫外光、またはそれらの組合せを含有してもよい。一例では、センサーは、プロセスチャンバー内のシャワーヘッドアセンブリ上に配置されるまたは結合されてもよい。光源は、基板支持アセンブリに結合される、内部にある、または上に配置されてもよい。基板支持アセンブリは、静電チャックを有してもよい。
【0012】
特定の例では、センサーは、シャワーヘッドアセンブリ上にまたは中に配置され、光源は、光を実質的にセンサーの方へ向けるように位置決めされる。光源は、レーザービームを放出するレーザー源などの遠隔光源に結合される光ケーブルであってもよい。ある実施形態では、プラズマ光信号の大きさは、較正ステップ中の光信号の大きさから減算されてもよい。
【0013】
別の実施形態では、プロセスチャンバー内で基板を位置決めするステップであって、ここで基板は、表側および裏側を有し、約250℃未満の温度である、ステップと、プロセスチャンバー内で基板の上にプラズマを生成するステップと、基板を通って光を伝送するステップとを包含する、プラズマドーピングプロセス中に基板表面のドーピング濃度を検出するための方法が、提供される。その方法はさらに、センサーによって光を受け取るステップと、センサーによって受け取られる光に比例する初期信号を生成するステップと、ドーパントプロセス中にドーパントを基板に注入するステップと、増加するドーパント濃度に比例してセンサーによって受け取られる光を変調するステップと、いったん基板がドーパントの最終濃度を有するとセンサーによって受け取られる光に比例する終点信号を生成するステップと、基板のドーパント注入を中止するステップとを提供する。
【0014】
一例では、光は、プラズマによって生成され、センサーによって受け取られる光は、増加するドーパント濃度に比例して減少し、センサーは、基板の下に位置決めされる。別の例では、光は、基板の下に位置決めされる光源(例えば、レーザー源)によって生成され、センサーによって受け取られる光は、増加するドーパント濃度に比例して減少し、センサーは、基板の下に位置決めされる。別の例では、光は、基板の上に位置決めされる光源によって生成され、センサーによって受け取られる光は、増加するドーパント濃度に比例して増加し、センサーは、基板の上に位置決めされる。
【0015】
別の実施形態では、プロセスチャンバー内で基板を位置決めするステップであって、ここで基板は、表側および裏側を有し、約250℃未満の温度である、ステップと、プロセスチャンバー内で基板の上にプラズマを生成するステップと、基板の上に位置決めされる光源によって光を生成するステップと、光を光源から基板の表側まで伝送するステップと、光を表側から基板の上に位置決めされるセンサーの方へ反射するステップとを包含する、プラズマドーピングプロセス中に基板表面のドーピング濃度を検出するための方法が、提供される。その方法はさらに、センサーによって受け取られる光に比例する信号を生成するステップと、ドーピングプロセス中にドーパントを基板に注入するステップと、ドーピングプロセス中にセンサーによって受け取られる光の増加する量に比例する多重光信号を生成するステップと、いったん基板がドーパントの最終濃度を有するとセンサーによって受け取られる光に比例する終点信号を生成するステップと、基板のドーパント注入を中止するステップとを提供する。
【0016】
実施形態は、光が、基板の表側を横断して広がる平面に対して約45°から約90°の範囲内の角度で基板の表側の方へ照らされてもよいと規定する。好ましくは、その角度は、約75°から約90°の範囲内、より好ましくは、実質的に約90°であってもよい。一例では、光源は、シャワーヘッドアセンブリに結合されるまたは内部にあってもよく、センサーは、シャワーヘッドアセンブリ上に配置されるまたは結合されてもよく、光源は、光を基板から離れてセンサーの方へ反射するように位置決めされてもよい。
【0017】
別の実施形態では、プロセスチャンバー内で基板を位置決めするステップであって、ここで基板は、表側および裏側を有し、約250℃未満の温度である、ステップと、プロセスチャンバー内で基板の上にプラズマを生成するステップと、光を基板の表側から反射するステップと、センサーによって光を受け取るステップとを包含する、プラズマドーピングプロセス中に基板表面のドーピング濃度を検出するための方法が、提供される。その方法はさらに、センサーによって受け取られる光に比例する初期信号を生成するステップと、ドーパントプロセス中にドーパントを基板に注入するステップと、増加するドーパント濃度に比例してセンサーによって受け取られる光を増加させるステップと、いったん基板がドーパントの最終濃度を有するとセンサーによって受け取られる光に比例する終点信号を生成するステップと、基板のドーパント注入を中止するステップとを提供する。
【0018】
本発明の上に列挙された特徴が、詳細に理解できるように、上で簡潔に要約された本発明のより詳しい記述が、実施形態を参照することによってなされてもよく、それのいくつかは、添付の図面で例示される。しかしながら、本発明は、他の同等に有効な実施形態を認めてもよいので、添付の図面は、この発明の典型的な実施形態だけを例示し、したがってその範囲を制限すると考えられるべきではないことが留意されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に従うプラズマチャンバーの等角横断面図を概略的に例示する図である。
【図2】図1のプラズマチャンバーの等角上面図を概略的に例示する図である。
【図3】本明細書の実施形態で述べられるように、プラズマドーピングプロセス中に最終ドーパント濃度で終点を検出するためのプロセスを描写するフローチャートを例示する図である。
【図4】本明細書の実施形態で述べられるように、プラズマドーピングプロセス中に最終ドーパント濃度で終点を検出するための別のプロセスを描写するフローチャートを例示する図である。
【図5】どのようにして基板中のドーパント濃度が、図1で示されるプラズマチャンバーで提供される光センサーを使って実時間で制御されるかを例示する簡易図である。
【図6】本明細書の別の実施形態で述べられるように、プラズマドーピングプロセス中に最終ドーパント濃度で終点を検出するための別のプロセスを描写するフローチャートを例示する図である。
【図7】プラズマイオン注入プロセスの終点を検出するために光センサーを使用する代替実施形態を例示する図である。
【図8】本明細書の別の実施形態で述べられるように、プラズマドーピングプロセス中に最終ドーパント濃度で終点を検出するための別のプロセスを描写するフローチャートを例示する図である。
【図9A】プラズマイオン注入プロセスの終点を検出するために光センサーを使用する他の代替実施形態を例示する図である。
【図9B】プラズマイオン注入プロセスの終点を検出するために光センサーを使用する他の代替実施形態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態は、光センサーを使用してプラズマイオン注入システムでドーピング濃度を測定するための方法および装置を提供する。プラズマイオン注入の終点は、それによって効果的な仕方で制御できる。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に従うプラズマチャンバー100の等角横断面図を概略的に例示する。プラズマチャンバー100は、プラズマ促進化学的気相堆積(PE−CVD)プロセス、高密度プラズマ化学的気相堆積(HDP−CVD)プロセス、プラズマ促進原子層堆積(PE−ALD)プロセス、イオン注入プロセス、エッチングプロセス、および他のプラズマプロセスのために構成されてもよい。
【0022】
プラズマチャンバー100は、プラズマチャンバー100の本体102に結合されるトロイダルプラズマ源100を含有する。本体102は、蓋106および底部108に結合される側壁104を含有し、それは、内部容積110の境界を示す。プラズマチャンバー100の他の例は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,939,434号および第6,893,907号で見いだすことができる。
【0023】
内部容積120は、ガス分配アセンブリ121と基板支持アセンブリ123との間に形成される処理領域125を包含する。ポンピング領域122は、基板支持アセンブリ123の部分を取り囲む。ポンピング領域122は、底部128に形成されるポート127に配置されるバルブ126を通じて真空ポンプ124と選択的に連通する。一実施形態では、バルブ126は、内部容積120からポート127を通って真空ポンプ124までのガスまたは蒸気の流れを制御するように適合されるスロットルバルブである。一実施形態では、バルブ126は、Oリングを使用することなく動作し、参照によりその全体が組み込まれる、2005年4月26日に出願され、米国特許出願公開第2006−0237136号として公開される米国特許出願第11/115,956号でさらに述べられる。
【0024】
トロイダルプラズマ源101は、本体110の蓋106上に配置される。一実施形態では、トロイダルプラズマ源101は、全体的な「U」形状を有する第1の導管150A、および全体的な「M」形状を有する第2の導管150Bを有する。第1の導管150Aおよび第2の導管150Bは各々、少なくとも1つのアンテナ170Aおよび170Bをそれぞれ包含する。アンテナ170Aおよび170Bは、導管150A/150Bの各々の内部領域155A/155B内に誘導結合プラズマをそれぞれ形成するように構成される。図2で示されるように、各アンテナ170A/170Bは、RFプラズマ電力源171A/172Aなどの電力源に結合される巻き線またはコイルであってもよい。RFインピーダンス整合システム171B/172Bがまた、各アンテナ170A/170Bに結合されてもよい。ヘリウム、アルゴン、および他のガスなどのプロセスガスは、導管150A、150Bの各々の内部領域155A、155Bにそれぞれ提供されてもよい。一実施形態では、プロセスガスは、各導管150A/150Bの内部領域155A/155Bに供給されるドーパント前駆体ガスを含有してもよい。一実施形態では、プロセスガスは、ガスパネル136からトロイダルプラズマ源101に配送されてもよい。別の実施形態では、プロセスガスは、プラズマチャンバー100の本体110に形成されるポート130に接続されるガスパネル135からガス分配アセンブリ121を通って配送されてもよい。
【0025】
一実施形態では、導管150A/150Bの各対向する端部は、プラズマチャンバー100の蓋106に形成されるそれぞれのポート131A〜131D(131Aおよび131Bだけがこの図で示される)に結合される。処理中は、プロセスガスが、導管150A/150Bの各々の内部領域155A/155Bに供給され、RF電力が、各アンテナ170A/170Bに印加されて、ポート131A〜131Dおよび処理領域125を通って進む循環プラズマ経路を生成する。特に、図1では、循環プラズマ経路は、ガス分配アセンブリ121と基板支持アセンブリ123との間の処理領域125を通って、ポート131Aから131Bへ、または逆に進む。各導管150A/150Bは、導管150A/150Bのそれぞれの端部とポート131A〜131Dとの間に結合されるプラズマチャネリング手段140を有する。一実施形態では、プラズマチャネル140は、導管150A/150Bの各々内に形成されるプラズマ経路を分割し、拡大するように構成される。
【0026】
ガス分配アセンブリ121は、環状壁122および多孔板132を有する。環状壁122、多孔板132および蓋106は、プレナム134を画定する。多孔板132は、対称的または非対称的パターンもしくは複数パターンでそれを通って形成される複数の穴133を包含する。一実施形態では、ドーパント前駆体ガスは、ガスパネル130Aに接続されるガス分配アセンブリ121から処理領域125に配送されてもよい。ドーパント前駆体ガスなどのプロセスガスは、ポート130からプレナム134に提供されてもよい。一般に、ドーパント前駆体ガスは、ホウ素(シリコンでのp型伝導性不純物)またはリン(シリコンでのn型伝導性不純物)などの所望のドーパント元素のドーパント前駆体を含有する。ホウ素、リンまたはヒ素、アンチモンなどの他のドーパント元素のフッ化物および/または水素化物は、ドーパント前駆体ガスとして使用されてもよい。例えば、ドーパント前駆体ガスは、ホウ素ドーパントを注入している間三フッ化ホウ素(BF)またはジボラン(B)を含有してもよい。ガスは、穴133を通って、多孔板132の下の処理領域125に流入してもよい。一実施形態では、多孔板132は、処理領域125でプラズマを生成させるおよび/または維持するのを助けるためにRFバイアスをかけられる。
【0027】
基板支持アセンブリ123は、上板142およびカソードアセンブリ144を有する。上板142は、その上に基板を支持するように構成される滑らかな基板支持表面143を有する。上板142は、プロセス中に基板と上板142の基板支持表面143との間の静電引力を促進するためにDC電力源146に接続される埋め込み電極145を有する。一実施形態では、埋め込み電極145はまた、容量性RFエネルギーを処理領域125に提供するための電極として使用されてもよい。埋め込み電極145は、RFインピーダンス整合回路147Bを介してRFプラズマバイアス電力147Aに結合されてもよい。
【0028】
基板支持アセンブリ123はまた、上板142の上に基板を選択的に持ち上げ、支持することによって1つまたは複数の基板を転送するように構成され、ロボットブレードがそれらの間に位置決めすることを許容するように間隔をあけられる複数のリフトピン162を含有するリフトピンアセンブリ160を包含してもよい。
【0029】
図2は、図1で示されるプラズマチャンバー100の等角上面図を概略的に例示する。プラズマチャンバー100の側壁105は、スリットバルブ(図示されず)によって選択的に密封されてもよい基板ポート107を有する。プロセスガスは、ポート130に結合されるガスパネル130Aによってガス分配アセンブリ121に供給される。1つまたは複数のプロセスガスが、ガスパネル130Bを通じてトロイダル源150A、150Bに供給されてもよい。
【0030】
図1を再び参照すると、プラズマチャンバー100はさらに、プラズマチャンバー100で行われるプロセスを監視し、制御するように構成されるコントローラ170を含有する。コントローラ170は、1つまたは複数のセンサーと接続され、センサーデータをサンプリングし、分析し、保存するように構成されてもよい。一実施形態では、コントローラ170は、異なるプロセスのための制御タスクを行う能力を有してもよい。コントローラ170は、プラズマチャンバー100の作動部品に接続され、作動部品に制御信号を送ってもよい。コントローラ170は、所望のプロセス結果を達成するためにセンサーデータに応じてプロセスパラメータを調節することによって閉ループ制御タスクを行ってもよい。本発明の一実施形態では、コントローラ170は、1つまたは複数の種の線量制御、終点検出、および他の制御タスクを行うように構成されてもよい。
【0031】
一実施形態では、光センサー730は、基板支持表面143の真下に導入され、コントローラ170に結合される。光センサー730は、処理領域125で生成されるプラズマから放出される光を所定の波長または周波数で検出するように適合される。放出光は、赤外光、可視光、紫外光、またはそれらの組合せを含有してもよい。一実施形態では、光センサー730は、赤外光を検出するように構成される。基板が処理領域125で処理されるとき、放出光は、光センサー730に達する前に基板支持表面143に置かれる基板を通って伝送される。基板中のドーパント濃度が低いとき、プラズマから放出される光は、実質的に基板を通って伝わり、下にある光センサー730に達する。基板の上面のドーパント濃度が増加するにつれて、基板の上面は、不透明になり、光センサー730に達する光がより少なくなる。基板のドーパント濃度と基板を通って伝送される光の検出量との間の関係に基づいて、コントローラ170はそれ故に、基板の目標ドーパント濃度を決定する働きをする。続いて、イオン注入プロセスは、終了されてもよい。
【0032】
図3は、本明細書の実施形態で述べられるように、プラズマイオン注入プロセスの終点を検出するために使用されてもよいプロセス300のステップを例示するフローチャートを描写する。例示される方法は、図4〜9Bで示される実施形態のいずれにも応用できる可能性がある。
【0033】
ステップ302では、処理すべき基板702は、多孔板132と基板支持アセンブリ123との間の処理領域25に置かれる。ステップ304では、光センサー730およびコントローラ170は、イオン注入プロセスを開始する前に較正される。一実施形態では、較正は、基板702に入射する放射を生成し、光センサー730によって受け取られる放射の量を検出し、次いでドーパント濃度基準を放射の検出量と関連づけることによって行われてもよい。ステップ306では、プラズマイオン注入が次いで、ドーパントを基板702に注入するために行われる。ステップ308では、イオン注入が実施されている間に、コントローラ170は、光センサー730によって受け取られる放射の量に基づいて基板702に注入されたドーパントの現在のドーパント濃度を導出する。光センサー730によって検出される放射は、基板702を通って伝送されるまたは基板702から反射される放射を含有してもよい。ステップ310では、ドーパント濃度が所望のまたは最終濃度に達するとき、コントローラ170は、制御信号を出力してプラズマイオン注入プロセスを止める。
【0034】
図4は、本明細書の実施形態で述べられるように、プラズマドーピングプロセス中に最終ドーパント濃度で終点を検出するために使用されてもよいプロセス400を描写するフローチャートを例示する。ステップ402では、基板は、プロセスチャンバー内で位置決めされてもよく、ここで基板は、表側および裏側を有する。ステップ404でのドーピングプロセス中に、基板は、加熱するかまたは冷却することによって、約250℃未満、好ましくは約0℃から約90℃、より好ましくは約25℃から約45℃の範囲内の温度に維持されてもよい。ステップ406では、プラズマは、プロセスチャンバー内で基板の上に生成される。プラズマによって生成される光は、ステップ408中に基板を通って伝送される。光は、赤外光、可視光、紫外光、またはそれらの組合せを含有してもよい。一例では、光は、赤外光を含有する。光は、基板の表側に入り、裏側から出る。その後、光は、ステップ410中に基板の下に位置決めされるセンサーによって受け取られてもよい。
【0035】
プロセス400はさらに、センサーによって受け取られる光に比例する信号を生成するためのステップ412を提供する。プロセス400は、図5で構成されるようなプラズマチャンバーで行われてもよい。通常、その方法は、ドーパントの増加する濃度に比例する多重信号を生成するステップを包含する。ステップ414中に、基板は、ドーピングプロセス中にドーパントを注入される。センサーによって受け取られる光の減少する量に比例する多重光信号は、ドーピングプロセス中にステップ416で生成される。いったん基板がドーパントの最終濃度を有するとセンサーによって受け取られる光に比例する終点信号が、ステップ418で生成される。続いて、ドーピングプロセスは、いったん基板が所望の最終ドーパント濃度を含有するとステップ420で中止される。
【0036】
基板は、ホウ素、リン、ヒ素、アンチモン、窒素、酸素、水素、炭素、ゲルマニウム、またはそれらの組合せなどのドーパントをドープされてもよい。基板の最終ドーパント濃度は、約1×1014cm−2から約1×1018cm−2、好ましくは約5×1015cm−2から約1×1017cm−2の範囲内であってもよい。一例では、ドーパントは、ホウ素であり、ドーピングプロセスは、トリフルオロボラン、ジボラン、それらのプラズマ、それらの誘導体、またはそれらの組合せなどのホウ素前駆体に基板をさらすステップを包含する。別の例では、ドーパントは、リンであり、ドーピングプロセスは、トリフルオロホスフィン、ホスフィン、それらのプラズマ、それらの誘導体、またはそれらの組合せなどのリン前駆体に基板をさらすステップを包含する。別の例では、ドーパントは、ヒ素であり、ドーピングプロセスは、アルシン、それのプラズマ、またはそれの誘導体などのヒ素前駆体に基板をさらすステップを包含する。
【0037】
図5は、ドーパント濃度を測定している間にドーピングプロセスの終点を決定するための装置を描写する。光センサー730を含有する装置は、図1のプラズマチャンバー100内に組み込まれるだけでなく、プロセス400を行うために使用されてもよい。基板702は、多孔板132と基板支持アセンブリ123との間に生成されるプラズマ704にさらされる。例示されるように、多孔板121は、接地されてもよく、基板支持アセンブリ123は、RFインピーダンス整合回路147Bを介してRFプラズマバイアス電力147Aに結合されてもよい。プラズマ704は、RFプラズマバイアス電力147Aによって供給されるRF電力によって生成される。コントローラ170に結合される光センサー730は、基板702の下に位置付けられる。
【0038】
基板702は、約250℃未満、好ましくは約100℃未満、より明確には約0℃から約90℃、好ましくは約25℃から約45℃の範囲内の温度で処理されてもよい。基板702はプラズマ環境で処理されるので、プラズマ704から放出される放射706は、基板702を通って伝わり、光センサー730にぶつかる。一実施形態では、基板702は、約250℃未満の温度環境で放射に対して透明である。検出される放射に応答して、光センサー730は、検出される放射の量に比例する対応測定信号をコントローラ170に出す。
【0039】
動作中に、イオン不純物がまた、基板702にドープするために与えられてもよい。使用されるドーパントの例は、ホウ素、リン、ヒ素、アンチモン、窒素、酸素、水素、炭素、ゲルマニウム、およびそれらの組合せを、制限なく、含有してもよい。例示される実施形態では、ホウ素ドーパントが、プラズマ前駆体としてジボラン(B)を使用するプラズマ注入中に基板702に例として注入されてもよい。プラズマはそれ故に、基板702の上面に入射するホウ素イオン種を包含してもよい。基板702に注入されるホウ素ドーパントの線量を制御するために、コントローラ170は、光センサー730によって提供される測定信号に基づいて注入ホウ素ドーパントのドーパント濃度を導出する。イオン注入が進行する間に、コントローラ170によって実時間で導出される基板702のホウ素ドーパントのドーパント濃度は、基板702を通って伝送される放射がより少なくなるにつれて増加する。所望のまたは最終ドーパント濃度が達せられるとき、コントローラ170は、制御信号を出力してプラズマ前駆体の供給を止め、それによってイオン注入プロセスを終了させる。一実施形態では、目標ドーパント濃度は、約1×1014cm−2から約1×1018cm−2、より好ましくは約5×1015cm−2から約1×1017cm−2の範囲内である。
【0040】
上で述べられたように、基板を通って伝送される放射の検出量はそれ故に、基板中のドーパント濃度を導出するために使用される。しかしながら、基板の目標ドーパント濃度が比較的より高いある種の場合には、プラズマから放出される放射の強度は、基板がより不透明になるので基板を通過するのに十分ではない可能性がある。
【0041】
図6は、本明細書の実施形態で述べられるように、プラズマドーピングプロセス中に最終ドーパント濃度で終点を検出するために使用されてもよいプロセス600を描写するフローチャートを例示する。プロセス600は、図7で構成されるようなプラズマチャンバーで行われてもよい。ステップ602では、基板は、プロセスチャンバー内で位置決めされてもよく、ここで基板は、表側および裏側を有する。ステップ604中に、基板は、加熱するかまたは冷却することによって、約250℃未満、好ましくは約100℃未満、より明確には約0℃から約90℃、好ましくは約25℃から約45℃の範囲内の温度に維持されてもよい。ステップ606では、プラズマは、プロセスまたはプラズマチャンバー内で基板の上に生成される。
【0042】
光源(例えば、レーザー源)によって生成される光は、ステップ608中に基板を通って伝送される。光源は、基板の下に位置決めされ、センサーは、基板の上に位置決めされる。したがって、光は、基板の裏側に入り、表側から出る。光は、ステップ610中に基板の上に位置決めされるセンサーによって受け取られる。光は、赤外光、可視光、紫外光、またはそれらの組合せを含有してもよい。一例では、光は、赤外レーザーからなどの赤外光を含有する。
【0043】
ある例では、センサーは、プロセスチャンバー内のシャワーヘッドアセンブリ上に配置されるまたは結合されてもよい。また、光源は、基板支持アセンブリに結合される、内部にある、または上に配置されてもよい。一例では、基板支持アセンブリは、静電チャックであってもよい。
【0044】
特定の例では、センサーは、シャワーヘッドアセンブリ上にまたは中に配置され、光源は、光を実質的にセンサーの方へ向けるように位置決めされる。光源は、レーザービームを放出するレーザー源などの遠隔光源に結合される光ケーブルであってもよい。代替実施形態では、プラズマ光信号は、プラズマから放出される光から導出され、センサーによって生成される。プラズマ光信号の大きさは、較正ステップ中の光信号の大きさから減算されてもよい。
【0045】
プロセス600はさらに、センサーによって受け取られる光に比例する信号を生成するためのステップ612を提供する。通常、その方法は、ドーパントの増加する濃度に比例する多重信号を生成するステップを包含する。ステップ614中に、基板は、ドーピングプロセス中にドーパントを注入される。センサーによって受け取られる光の減少する量に比例する多重光信号は、ドーピングプロセス中にステップ616で生成される。いったん基板が基板の最終ドーパント濃度を有するとセンサーによって受け取られる光に比例する終点信号は、ステップ618で生成される。続いて、ドーピングプロセスは、いったん基板が所望のドーパント濃度を含有するとステップ620で中止される。
【0046】
基板は、ホウ素、リン、ヒ素、アンチモン、窒素、酸素、水素、炭素、ゲルマニウム、またはそれらの組合せなどのドーパントをドープされてもよい。基板の最終ドーパント濃度は、約1×1014cm−2から約1×1018cm−2、好ましくは約5×1015cm−2から約1×1017cm−2の範囲内であってもよい。一例では、ドーパントは、ホウ素であり、ドーピングプロセスは、トリフルオロボラン、ジボラン、それらのプラズマ、それらの誘導体、またはそれらの組合せに基板をさらすステップを包含する。別の例では、ドーパントは、リンであり、ドーピングプロセスは、トリフルオロホスフィン、ホスフィン、それらのプラズマ、それらの誘導体、またはそれらの組合せに基板をさらすステップを包含する。別の例では、ドーパントは、ヒ素であり、ドーピングプロセスは、アルシン、それのプラズマ、またはそれの誘導体に基板をさらすステップを包含する。
【0047】
図7は、ドーパント濃度を測定している間にドーピングプロセスの終点を決定するための装置を描写し、それは、図1のプラズマチャンバー100内に組み込まれるだけでなく、プロセス600を行うために使用されてもよい。その装置は、光ケーブル722に接続されるレーザー源などの光源720を含有する。光ケーブル722は、基板支持アセンブリ123を通って案内されてもよい。光センサー730は、基板支持アセンブリ123の上面の上に準備され、光ケーブル722の位置と向かい合う。一実施形態では、光センサー730は、多孔板132に埋め込まれてもよい。
【0048】
動作時には、光ケーブル722は、レーザービームなどの光ビーム724をケーブル端部723から基板702の裏側に放出する。光ビーム724は、赤外光、可視光、紫外光、またはそれらの組合せを含有してもよい。放出された光ビーム724は、基板702を通って伝わり、次いで光センサー730にぶつかる。イオン注入プロセス中に、光センサー730によって受け取られる光ビーム724の伝送部分725は、基板702がその中のドーパントの量の増加のせいでより透明でなくなるので、次第に減少する。光センサー730によって受け取られる伝送レーザー放射の量に基づいて、コントローラ170はそれ故に、基板702の実際のドーパント濃度を導出することができる。基板702の目標ドーパント濃度が達せられるとき、コントローラ170は、制御信号を出力してイオン注入プロセスを終了させることができる。
【0049】
図8は、本明細書の実施形態で述べられるように、プラズマドーピングプロセス中に最終ドーパント濃度で終点を検出するために使用されてもよいプロセス800を描写するフローチャートを例示する。プロセス800は、図9A〜9Bで構成されるようなプラズマチャンバーで行われてもよい。ステップ802では、基板は、プロセスチャンバー内で位置決めされてもよく、ここで基板は、表側および裏側を有する。ステップ804中に、基板は、加熱するかまたは冷却することによって、約250℃未満、好ましくは約100℃未満、より明確には約0℃から約90℃、好ましくは約25℃から約45℃の範囲内の温度に維持されてもよい。ステップ806では、プラズマは、プロセスチャンバー内で基板の上に生成される。
【0050】
基板の上に位置決めされる光源(例えば、レーザー源)によって生成される光は、ステップ808中に基板の表側へ伝送され、そこから反射される。反射された光は、ステップ810中に基板の上に位置決めされるセンサーによって受け取られる。光は、赤外光、可視光、紫外光、またはそれらの組合せを含有してもよい。一例では、光は、赤外レーザーからなどの赤外光を含有する。
【0051】
実施形態は、光が、基板の表側を横断して広がる平面に対して約45°から約90°の範囲内の角度で基板の表側の方へ照らされてもよいと規定する。好ましくは、その角度は、約75°から約90°の範囲内、より好ましくは実質的に約90°であってもよい。光源は、シャワーヘッドアセンブリに結合されるまたは内部にあってもよく、センサーは、シャワーヘッドアセンブリ上に配置されるまたは結合されてもよく、光源は、光を基板から離れてセンサーの方へ反射するように位置決めされてもよい。
【0052】
光源は、レーザービームを放出するレーザー源などの遠隔光源に結合される光ケーブルであってもよい。一例では、基板支持アセンブリは、静電チャックであってもよい。他の実施形態では、プラズマ光信号の大きさは、較正ステップ中の光信号の大きさから減算されてもよい。
【0053】
プロセス800はさらに、センサーによって受け取られる光に比例する信号を生成するためのステップ812を提供する。通常、その方法は、ドーパントの増加する濃度に比例する多重信号を生成するステップを包含する。ステップ814中に、基板は、ドーピングプロセス中にドーパントを注入される。センサーによって受け取られる光の増加する量に比例する多重光信号は、ドーピングプロセス中にステップ816で生成される。いったん基板が基板の最終ドーパント濃度を有するとセンサーによって受け取られる光に比例する終点信号は、ステップ818で生成される。続いて、ドーピングプロセスは、いったん基板が所望のドーパント濃度を含有するとステップ820で中止される。
【0054】
基板は、ホウ素、リン、ヒ素、アンチモン、窒素、酸素、水素、炭素、ゲルマニウム、またはそれらの組合せなどのドーパントをドープされてもよい。基板の最終ドーパント濃度は、約1×1014cm−2から約1×1018cm−2、好ましくは約5×1015cm−2から約1×1017cm−2の範囲内であってもよい。一例では、ドーパントは、ホウ素であり、ドーピングプロセスは、トリフルオロボラン、ジボラン、それらのプラズマ、それらの誘導体、またはそれらの組合せに基板をさらすステップを包含する。別の例では、ドーパントは、リンであり、ドーピングプロセスは、トリフルオロホスフィン、ホスフィン、それらのプラズマ、それらの誘導体、またはそれらの組合せに基板をさらすステップを包含する。別の例では、ドーパントは、ヒ素であり、ドーピングプロセスは、アルシン、それのプラズマ、またはそれの誘導体に基板をさらすステップを包含する。
【0055】
別の実施形態では、図9A〜9Bは、基板の上面のドーパント濃度を測定している間にドーピングプロセスの終点を決定するための装置を描写し、それは、図1のプラズマチャンバー100内に組み込まれるだけでなく、プロセス800を行うために使用されてもよい。図9A〜9Bで示されるように、光源720は、基板の光センサー730と同じ側で、基板支持アセンブリ123の上面のほぼ上に置かれる。基板702は、多孔板132と基板支持アセンブリ123との間に生成されるプラズマ704にさらされる。
【0056】
一実施形態では、光源720は、基板702の上面の法線にほとんど直交するレーザービームなどの入射光ビーム726を放出するように構成される。光ビーム726は、それが光センサー730に達する前に基板702の上面を照らし、それから反射する。ドーパントが基板702に注入されるとき、光センサー730によって受け取られる入射光ビーム726の反射部分728は、基板702内の次第に増加するドーパント濃度によって変調される。光センサー730によって検出される反射部分728に基づいて、コントローラ170はそれ故に、基板702の実際のドーパント濃度を導出することができる。基板702の所望の最終ドーパント濃度が達せられるとき、コントローラ170は、制御信号を出力してイオン注入プロセスを終了させる。光ビーム726は、赤外光、可視光、紫外光、またはそれらの組合せを含有してもよい。
【0057】
図9Aは、基板702の上に両方とも位置決めされる光源720および光センサー730を例示する。光源720および光センサー730は独立して、チャンバー側壁、チャンバー蓋、多孔板132などのガス分配アセンブリ、またはプラズマチャンバーの別の内面(図示されず)に結合されるまたは固定されてもよい。図9Bもまた、基板702の上に両方とも位置決めされる光源720および光センサー730を描写する。一実施形態では、光源720は、光ケーブル722に接続されるレーザー源などの遠隔光源であってもよい。光ケーブル722は、多孔板132を通って案内されてもよい。動作時には、光ケーブル722は、光ケーブル722のケーブル端部721からレーザービームなどの光ビーム726を放出する。
【0058】
本明細書で述べられる方法およびメカニズムは一般に、基板に注入されているドーパントの濃度を実時間で測定するために応用できる可能性があると理解される。これは、較正中に赤外放射の特定のレベルをドーパントの1つの特定の種類と関連づけることによって達成されてもよい。それ故に、本発明の方法および装置は、ヒ素、リン、水素、酸素、フッ素、シリコン、およびプラズマプロセスで使用される他の種などのさまざまなドーパントの線量を監視し、制御するために使用されてもよい。
【0059】
別の実施形態では、プロセスチャンバー内で基板を位置決めするステップであって、ここで基板は、表側および裏側を有し、約250℃未満の温度である、ステップと、プロセスチャンバー内で基板の上にプラズマを生成するステップと、基板を通って光を伝送するステップとを包含する、プラズマドーピングプロセス中に基板表面のドーパント濃度を検出するための方法が、提供される。その方法はさらに、センサーによって光を受け取るステップと、センサーによって受け取られる光に比例する初期信号を生成するステップと、ドーパントプロセス中にドーパントを基板に注入するステップと、増加するドーパント濃度に比例してセンサーによって受け取られる光を変調するステップと、いったん基板が基板の最終ドーパント濃度を有するとセンサーによって受け取られる光に比例する終点信号を生成するステップと、ドーパントによる基板の注入を中止するステップとを提供する。
【0060】
一例では、光は、プラズマによって生成され、センサーによって受け取られる光は、増加するドーパント濃度に比例して減少し、センサーは、基板の下に位置決めされる。別の例では、光は、基板の下に位置決めされる光源(例えば、レーザー源)によって生成され、センサーによって受け取られる光は、増加するドーパント濃度に比例して減少し、センサーは、基板の下に位置決めされる。別の例では、光は、基板の上に位置決めされる光源によって生成され、センサーによって受け取られる光は、増加するドーパント濃度に比例して増加し、センサーは、基板の上に位置決めされる。
【0061】
別の実施形態では、プロセスチャンバー内で基板を位置決めするステップであって、ここで基板は、表側および裏側を有し、約250℃未満の温度である、ステップと、プロセスチャンバー内で基板の上にプラズマを生成するステップと、基板の表側から光を反射するステップと、センサーによって光を受け取るステップとを包含する、プラズマドーピングプロセス中に基板表面のドーパント濃度を検出するための方法が、提供される。その方法はさらに、センサーによって受け取られる光に比例する初期信号を生成するステップと、ドーパントプロセス中にドーパントを基板に注入するステップと、増加するドーパント濃度に比例してセンサーによって受け取られる光を増加させるステップと、いったん基板が基板の最終ドーパント濃度を有するとセンサーによって受け取られる光に比例する終点信号を生成するステップと、ドーパントによる基板の注入を中止するステップとを提供する。
【0062】
別の実施形態では、多重光センサーは、基板支持アセンブリ内などの基板の下に配置され、光センサーは、基板表面を横断してドーパント濃度の均一性を監視するように適合されてもよい。
【0063】
前述のものは、本発明の実施形態を対象にするが、本発明の他のおよびさらなる実施形態は、それの基本的範囲から逸脱することなく考案されてもよく、それの範囲は、次に来る特許請求の範囲によって決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマドーピング中にドープし且つ基板表面上に配置された材料のドーピング濃度を検出するための装置であって、
内部容積を取り囲む側壁と蓋と底部とを有する本体を含むプラズマチャンバと、
基板を支持するように構成された基板支持表面を有する、前記本体内に配置された基板支持アセンブリと、
前記基板支持表面上に配置された多孔板を含むガス分配アセンブリであって、処理領域が前記内部容積内に位置付けられ且つ前記ガス分配アセンブリと前記基板支持表面との間に配置される、前記ガス分配アセンブリと、
内部領域内で前記基板支持表面上に誘導結合プラズマを形成するように構成された、前記本体に結合されたプラズマ源と、
前記基板支持表面の下に配置され且つコントローラに結合された光センサーであって、前記コントローラが前記光センサーによって受け取られる放射量に対する現在のドーパント濃度を導出するように構成されている、前記光センサーと、
を備えた装置。
【請求項2】
前記光センサーが、前記基板を通って伝送される放射量を受け取るように位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記放射量が誘導結合プラズマによって生成される光であり、且つ前記光センサーが、増加するドーパント濃度に比例して減少する光の量を受け取るように位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
更に、前記基板支持表面上に配置されたレーザー源を備え、前記放射量が前記レーザー源によって生成された光であり、前記光センサーが、増加するドーパント濃度に比例して減少する光の量を受け取るように位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光センサーが、前記内部領域内で前記基板支持表面上に生成された誘導結合プラズマから放出される所定の波長又は周波数の光を検出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記放出される光が、赤外光、可視光、紫外光、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記放出される光が赤外光である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記プラズマ源が、トロイダルプラズマ源である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記放射量が光であり、前記コントローラが、前記光センサーによって受け取られる前記光に比例する初期信号を生成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記コントローラが、ドーパント注入プロセス中に前記基板にドーパントを注入するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記コントローラが、増加するドーパント濃度に比例して、前記光センサーによって受け取られる光を変調するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記コントローラが、いったん前記基板が最終ドーパント濃度を有すると、前記光センサーによって受け取られる前記光に比例する終点信号を生成するように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コントローラが、前記ドーパント注入プロセスを中止するように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
プラズマドーピング中にドープし且つ基板表面上に配置された材料のドーピング濃度を検出するための装置であって、
内部容積を取り囲む側壁と蓋と底部とを有する本体を含むプラズマチャンバと、
基板を支持するように構成された基板支持表面を有する、前記本体内に配置された基板支持アセンブリと、
前記基板支持表面上に配置された多孔板を含むガス分配アセンブリであって、処理領域が前記内部容積内に位置付けられ且つ前記ガス分配アセンブリと前記基板支持表面との間に配置される、前記ガス分配アセンブリと、
内部領域内で前記基板支持表面上に誘導結合プラズマを形成するように構成された、前記本体に結合されたプラズマ源と、
前記基板支持表面上に配置され且つコントローラに結合された光センサーであって、前記コントローラが前記光センサーによって受け取られる放射量に対する現在のドーパント濃度を導出するように構成されている、前記光センサーと、
を備えた装置。
【請求項15】
前記光センサーが、前記基板から反射される放射量を受け取るように位置決めされる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記放射量が誘導結合プラズマによって生成される光であり、且つ前記光センサーが、増加するドーパント濃度に比例して増加する光の量を受け取るように位置決めされる、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
更に、前記基板支持表面上に配置されたレーザー源を備え、前記放射量が前記レーザー源によって生成された光であり、前記光センサーが、増加するドーパント濃度に比例して増加する光の量を受け取るように位置決めされる、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
更に、前記基板支持表面の下に配置されたレーザー源を備え、前記放射量が前記レーザー源によって生成された光であり、前記光センサーが、増加するドーパント濃度に比例して減少する光の量を受け取るように位置決めされる、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記光センサーが、赤外光、可視光、紫外光、及びそれらの組合せからなる群から選択される放出光を検出するように構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項20】
前記放出光が赤外光である、請求項19に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2012−129530(P2012−129530A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−279194(P2011−279194)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【分割の表示】特願2010−550727(P2010−550727)の分割
【原出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】