説明

プラズマディスプレイパネル部材用易接着性積層フィルム

【課題】 熱処理時の低分子量物の析出が少なく、光学用途に用いられる層との接着力に優れたプラズマディスプレイパネル部材用易接着性積層フィルムを提供する。
【解決手段】 紫外線吸収剤を含有するポリエステル組成物からなるポリエステルフィルム、該フィルムの両面に塗設された皮膜からなる積層フィルムであって、積層フィルムは波長380nmの光線透過率が10%以下であり、皮膜は固形分としてガラス転移点40〜100℃かつ固有粘度が0.4以上0.7未満のポリエステル樹脂(A)50〜95重量%、架橋剤(B)1〜40重量%および平均粒子径0.02〜0.2μmの微粒子(C)0.1〜20重量%の合計100重量%からなることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル部材用易接着性積層フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネル部材用易接着性積層フィルムに関し、さらに詳しくは、オリゴマー及びUV吸収剤のブリードアウトの少ない、プラズマディスプレイパネルフィルターの近赤外線吸収フィルムを保護する性能に優れたプラズマディスプレイパネル部材用易接着性積層フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルフィルムは、近年、各種光学用フィルムの素材として多く用いられ、特に、液晶表示装置の部材のプリズムレンズシート、タッチパネル、バックライト等のベースフィルムや反射防止(AR)用フィルムのベースフィルムやディスプレイの防爆用ベースフィルム等の用途に用いられている。特にプラズマディスプレイパネル(PDP)の反射防止フィルムのベースとして注目されている。
【0003】
一般にPDPは、発光ユニットと前面に配置される光学フィルターユニットから構成されており、光学フィルターユニットには、発光ユニットから放射される近赤外線や各種電磁波をカットする性能が求められる。又、一般的な近赤外線吸収剤は紫外線に対して劣化しやすいと言われており、光学フィルターユニットには紫外線をカットする性能も求められている。紫外線をカットする方法としては、AR用フィルムのベースや粘着層に紫外線吸収剤を練りこむ方法が提案されている。粘着剤に紫外線吸収剤を練りこむ方式は、近赤外線吸収層を保護する効果が不十分で、コストも高いという問題がある。ARフィルムのベースに紫外線吸収剤を練りこむ方式には、以下の問題があり、それらを解決する技術が望まれていた。
【0004】
AR加工工程では、塗膜の高温乾燥が必要な場合がある。特にポリエステルフィルムでは重合時に発生し、残存もしくは熱分解等で発生した低分子量物がこの乾燥理の時に基材表面に析出し、透明性が悪化することがあり、歩留まり低下や洗浄等の余分な工程を増やすことが必要であり、製品の生産性を大きく低下させていた。紫外線吸収剤を添加したフィルムでは、紫外線吸収剤が加熱時に析出するという問題が顕著であり、それらの析出防止技術が求められていた。
【特許文献1】特開2003−171487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリエステルフィルムから発生する低分子量物の発生は基材上に積層物を設けることによって抑制可能である。しかし、易接着能を付与するために塗設するプライマー層のような非常に厚みの薄い層では低分子量物の発生抑制効果を発現することは難い。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、熱処理時の低分子量物の析出が少なく、光学用途に用いられる層との接着力に優れたプラズマディスプレイパネル部材用易接着性積層フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は紫外線吸収剤を含有するポリエステル組成物からなるポリエステルフィルム、該フィルムの両面に塗設された皮膜からなる積層フィルムであって、積層フィルムは波長380nmの光線透過率が10%以下であり、皮膜は固形分としてガラス転移点40〜100℃かつ固有粘度が0.4以上0.7未満のポリエステル樹脂(A)50〜95重量%、架橋剤(B)1〜40重量%および平均粒子径0.02〜0.2μの微粒子(C)0.1〜20重量%の合計100重量%からなることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル部材用易接着性積層フィルムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、熱処理時の低分子量物の析出が少なく、光学用途に用いられる層との接着力に優れたプラズマディスプレイパネル部材用易接着性積層フィルムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
[ポリエステルフィルム]
本発明において積層フィルムのベースとして用いられるポリエステルフィルムは、紫外線吸収剤を含有するポリエステル組成物からなる。ポリエステルとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタリンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカルボン酸といった芳香族ジカルボン酸成分と、例えばエチレングリコール、1,4―ブタンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、1,6―ヘキサンジオールといったグリコール成分とから構成される芳香族ポリエステルを用いることができる。ポリエステルとしては、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタリンジカルボキシレートを用いる。ポリエステルはホモポリマーであってもよく、コポリマーであってもよい。
【0010】
ポリエステルには、製膜時のフィルムの巻取り性や、ハードコート層や粘着剤等を塗設する際のフィルムの搬送性等を良くするため、必要に応じて滑剤としての有機又は無機の微粒子を含有させてもよい。かかる微粒子としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等が例示される。また、微粒子以外にも着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、潤滑剤、触媒、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン―プロピレン―ポリマー、オレフィン系アイオノマーのような他の樹脂等も透明性を損なわない範囲で任意に含有させることができる。
【0011】
[紫外線吸収剤]
ポリエステルフィルムを構成するポリエステルには、プラズマパネルディスプレイに組み込まれる近赤外線除去層を保護する為に、紫外線吸収剤を含有させる。紫外線吸収剤としては、下記式(I)で表わされる環状イミノエステル及び下記式(II)で表わされる環状イミノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物を、未反応の形態で用いることが好ましい。
【0012】
【化1】

(式(I)で、X は、上記式に表わされたX からの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の芳香族残基であり;nは1、2又は3であり;R はn価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい、又はR はn=2のとき直接結合であることができる。)
【0013】
【化2】

(式(II)で、Aは下記式(II)−aで表わされる基であるか又は下記式(II)−bで表わされる基であり;R およびR は同一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり;X は4価の芳香族残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい。)
【0014】
【化3】

【0015】
【化4】

【0016】
かかる環状イミノエステルは紫外線吸収剤として公知の化合物であり、例えば特開昭59−12952号公報に記載されている。
【0017】
前記一般式(I)中、X は式(I)に表わされたXからの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある2価の芳香族残基であり;nは1、2又は3であり;Rはn価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい、又はRはn=2のとき直接結合であることができる。
【0018】
としては、好ましくは例えば1,2−フェニレン、1,2−ナフチレン、2,3−ナフチレン、下記式(a)または(b)で表わされる基を挙げることができる。これらのうち、特に1,2−フェニレンが好ましい。
【0019】
【化5】

(式(a)または(b)中、Rは−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−CH2−、−(CH)−または−C(CH−である。)
【0020】
について例示した上記芳香族残基は、例えば炭素数1〜10のアルキル例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等;炭素数6〜12のアリール例えばフェニル、ナフチル等;炭素数5〜12のシクロアルキル例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等;炭素数8〜20のアラルキル例えばフェニルエチル等;炭素数1〜10のアルコキシ例えばメトキシ、エトキシ、デシルオキシ等;ニトロ;ハロゲン例えば塩素、臭素等;炭素数2〜10のアシル例えばアセチル、プロポニル、ゼンゾイル、デカノイル等;などの置換基で置換されていてもよい。
【0021】
はn価(ただし、nは1、2又は3である)の炭化水素残基であるか、又はnが2であるときに限り直接結合であることができる。
【0022】
1価の炭化水素残基(n=1の場合)としては、第一に、例えば炭素数1〜10の未置換脂肪族基、炭素数6〜12の未置換芳香族基、炭素数5〜12の未置換脂環族基が挙げられる。
【0023】
炭素数1〜10の未置換脂肪族基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等を、炭素数6〜12の未置換芳香族基としては、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル等を;炭素数5〜12の未置換脂環族基としては、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0024】
また、上記1価の炭化水素残基としては、第二に、例えば下記式(c)で表わされる基、
【0025】
【化6】

(式(c)中、R は炭素数2〜10のアルキレン、フェニレン又はナフチレンである。)
下記式(d)で表わされる基、
【0026】
【化7】

(式(d)中、R は炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基又はナフチル基である。)
下記式(e)で表わされる基、
【0027】
【化8】

(式(e)中、R およびR の定義は上記に同じであり、R は水素原子又はR に定義された基のいずれかである。)
下記式(f)で表わされる置換された脂肪族残基又は芳香族残基を挙げることができる。
【0028】
【化9】

(式(f)中、R およびR の定義は上記に同じであり、Rは水素原子又はRに定義された基のいずれかである。)
【0029】
また、上記1価の炭化水素残基としては、第三に、上記未置換の芳香族残基が例えば上記X を表わす芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されているものを挙げることができる。それ故、かかる置換基で置換された場合の例としては、例えばトリル、メチルナフチル、ニトロフェニル、ニトロナフチル、クロロフェニル、ベンゾイルフェニイル、アセチルフェニル又はアセチルナフチルを挙げることができる。
【0030】
1価の炭化水素残基としては、上記式(c)、(d)、(e)又は(f)で表わされる基、すなわち置換された脂肪族残基又は芳香族残基、特にそのうち置換された芳香族残基が好ましい。
【0031】
2価の炭化水素残基(n=2の場合)としては、第一に、例えば2価の、炭素数2〜10の未置換の脂肪族残基、炭素数6〜12の未置換の芳香族残基、炭素数5〜12の未置換の脂環族残基が挙げられる。
【0032】
2価の炭素数2〜10の未置換の脂肪族基としては、例えばエチレン、トリメチレン、テトラメチレン、デカメチレンを、2価の炭素数6〜12の未置換の芳香族残基としては、例えばフェニレン、ナフチレン、P,P’−ビフェニレンを;2価の炭素数5〜12の未置換の脂環族残基としては、例えばシクロペンチレン、シクロヘキシレンを挙げることができる。
【0033】
また、上記2価の炭化水素残基としては、第二に、例えば下記式(g)又は下記式(h)で表わされる置換された脂肪族残基又は芳香族残基を挙げることができる。
【0034】
【化10】

(式(g)中、R はR に定義された基のいずれかである。)
【0035】
【化11】

(式(h)中、R の定義は上記に同じであり、R はR に定義された基のいずれかであり、そしてR10はR に定義された基のいずれかである。)
【0036】
また、上記2価の炭化水素残基としては、第三に、上記未置換の2価の芳香族残基が、例えば上記X1を表わす芳香族基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されているものを挙げることができる。
【0037】
nが2の場合には、R としては、これらのうち直接結合又は上記第一〜第三の群の未置換又は置換された2価の芳香族炭化水素残基が好ましく、特に2本の結合手が最も離れた位置から出ている第一又は第三の群の未置換又は置換された芳香族炭化水素残基が好ましく、就中P−フェニレン、P,P’−ビフェニレン又は2,6−ナフチレンが好ましい。
【0038】
3価の炭化水素残基(n=3の場合)としては、例えば3価の炭素数6〜12の芳香族残基を挙げることができる。
【0039】
かかる芳香族残基としては、例えば下記のもの等を挙げることができる。
【化12】

【0040】
かかる芳香族残基は、上記1価の芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されていてもよい。
【0041】
上記一般式(I)中、R およびR は同一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり、X は4価の芳香族炭化水素残基である。
【0042】
およびR としては、上記式(I)の説明において、n=1の場合のR について例示したと同じ基を例として挙げることができる。
【0043】
4価の芳香族炭化水素残基としては、例えば下記で表わされる基を挙げることができる。
【化13】

(ここで、Rの定義は式(a)に同じ。)
【0044】
上記4価の芳香族残基は、上記式(I)の説明において、R を表わす1価の芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されていてもよい。
【0045】
本発明において用いられる上記式(I)および(II)で表わされる環状イミノエステルの具体例としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
【0046】
(上記式(I)の化合物)
(n=1の場合の化合物)
2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(1−又は2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(4−ビフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−m−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−ベンゾイルフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−o−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−シクロヘキシル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−(又はm−)フタルイミドフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、N−フェニル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−ベンゾイル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、N−ベンゾイル−N−メチル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、2−(p−(N−メチルカルボニル)フェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン。
【0047】
(n=2の場合の化合物)
2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−エチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−テトラメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−デカメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−又は1,5−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−メチル−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−ニトロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−クロロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、N−p−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フェニル、4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−p−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゾイル、4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン。
【0048】
(n=3の場合の化合物)
1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン、2,4,6−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン
【0049】
(上記式(II)の化合物)
2,8−ジメチル−4H,6H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジメチル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,9−ジオン、2,8−ジフェニル−4H,8H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジフェニル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、6,6’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−エチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)。
【0050】
上記例示化合物のうち、上記式(I)の化合物、より好ましくはn=2の場合の上記式(I)の化合物、特に好ましくは下記式(I)−1で表わされる化合物が有利に用いられる。
【0051】
【化14】

(式中、R11は2価の芳香族炭化水素残基である。)
【0052】
式(I)−1の化合物としては、就中2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好ましい。
【0053】
これら環状イミノエステルの紫外線吸収特性は、例えばその代表的化合物について特開昭59−12952号公報に記載されているので、それを援用する。
【0054】
前記環状イミノエステルは、ポリエステルに対して優れた相溶性を有するが、前記特開昭59−12952号公報や米国特許第4291152号明細書に記載されているように、ポリエステルの末端水酸基と反応する能力を有する。そこで、環状イミノエステルが実質的に未反応な状態で含有されるように、環状イミノエステルとポリエステルとを注意深く混合させることが求められる。ただし、ポリエステルとして、主たる割合の末端基がカルボキシル基であるポリエステルや、末端水酸基が該環状イミノエステルと反応性の無い末端封鎖剤で封鎖されているポリエステルを用いる場合、環状イミノエステルを未反応の状態で含有する組成物を製造するのに特別の注意を払う必要は無い。末端基の主たる割合が水酸基であるポリエステルを用いる場合には、溶融混合の時間は、下記式(1)及び式(2)を満足するように、短時間で完了するようにするのが望ましい。
【0055】
Logt≦−0.008T+4.8 (1)
Tm<T<320 (2)
(式(1)及び(2)中、tは溶融混合時間(秒)、Tは溶融混合温度(℃)、
Tmはポリエステルの溶融温度(℃)である。)
【0056】
この場合、環状イミノエステルとポリエステルとが少しの割合で反応する可能性があるが、この反応によってポリエステルの分子量は大きくなるので、この割合によっては可視光吸収剤によるポリエステルの劣化による分子量低下を防ぐことが可能である。なお、環状イミノエステルがポリエステルと反応した場合、紫外線吸収波長領域が、一般に、未反応の状態の紫外線吸収波長領域より低波長側にずれる傾向を示し、それ故高波長側の紫外線を透過する傾向をもつ。
【0057】
前記環状イミノエステルは、紫外線から380nm付近の光線を吸収するのでフィルムの着色が無く、可視光線吸収剤やフィルムの劣化を防止する特性に優れている。
【0058】
前記紫外線吸収剤の添加量は、ポリエステルに対し、0.1〜5重量%が好ましく、さらには0.2〜3重量%が好ましい。この量が0.1%未満では紫外線劣化防止効果が小さく、一方5重量%を超えるとポリエステルの製膜特性が低下し、好ましくない。
【0059】
前記紫外線吸収剤のポリエステルへの添加方法は特に限定されないが、ポリエステル重合工程、フィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込み、二軸延伸フィルムへの含浸、などを挙げることができ、特にポリエステル重合度低下を防止する意味でもフィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込みが好ましい。その際、紫外線吸収剤の練込みは、化合物粉体の直接添加法、マスターバッチ法などにより行うことができる。
【0060】
本発明における光学用易接着性積層フィルムは、ヘーズが3%未満であることが好ましい。このヘーズが3%以上であると、各種ディスプレイ用途において視認性を損なうなど光学用途として適さないことがあり好ましくない。
【0061】
[皮膜]
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムの両面に皮膜を備える。皮膜は、固形分としてガラス転移点40〜100℃かつ固有粘度が0.4以上0.7未満のポリエステル樹脂(A)50〜95重量%、架橋剤(B)1〜40重量%および平均粒子径0.02〜0.2μの微粒子(C)0.1〜20重量%の合計100重量%の組成物からなる。この皮膜は、上記成分を含有する塗液をポリエステルフィルムに塗布して形成される。
【0062】
[ポリエステル樹脂]
皮膜の組成物は、ポリエステル樹脂を好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは60〜90重量%含有する。50重量%未満であると低分子量物の発生抑制効果を発現できず、又、易接着性に劣り、95重量%を超えるとフィルム同士でブロッキングが発生しやすく好ましくない。
【0063】
ポリエステル樹脂は、ガラス転移点が好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは60〜80℃である。この範囲であれば、優れた接着性や耐傷性を得ることができる。他方、ガラス転移温度が40℃未満であるとフィルム同士でブロッキングが発生しやすくなり、100℃を超えると塗膜が硬くて脆くなり、耐傷性が悪化して好ましくない。
【0064】
ポリエステル樹脂の固有粘度は、0.4以上0.7未満、好ましくは0.5以上0.7未満である。この範囲であれば、ポリエステル樹脂自体からの低分子量物の発生を抑制でき、かつポリエステル樹脂の凝集力が高いため優れた接着性や耐傷性を得ることができる。固有粘度が0.4未満であるとポリエステル樹脂自体からの低分子量物の発生が起こり、基材の透明性を悪化さる。
【0065】
また、ポリエステル樹脂は水に可溶性または分散性のものが好ましいが、多少の有機溶剤を含有する水に可溶なものも用いることができる。
【0066】
このポリエステル樹脂として、ジカルボン酸酸成分とジオール成分から得られるポリエステルを用いることができる。多価塩基成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。
【0067】
皮膜のポリエステル樹脂は、2種以上のジカルボン酸成分を用いた共重合ポリエステルを用いることが好ましい。ポリエステル樹脂には、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分が、或いはp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい。
【0068】
ポリエステル樹脂のジオール成分としては、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
【0069】
ポリエステル樹脂は例えば次の方法で製造することができる。ジカルボン酸成分とジオール成分をエステル交換反応器に仕込み、触媒を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃に制御して生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行う。次いで、温度を徐々に255℃まで上昇させ、系内を減圧下にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂を得ることができる。重縮合時に分子量が上昇してくると溶融粘度が高くなり、系内の攪拌が難しくなる。塗布層に使用されるポリエステル樹脂はホモのポリエチレンテレフタレートと比較すると分子量が低い割に溶融粘度が高くなり、系内の攪拌が非常に難しく、攪拌設備のモーターのトルクを上げること、羽根の形状を工夫すること、重合時間を延ばすこと等で固有粘度を上げることができる。
【0070】
[架橋剤]
皮膜の組成物は、架橋剤(B)を1〜40重量%、好ましくは0.1〜30重量%、さらに好ましくは10〜25重量%含有する。1重量%より少ないと塗膜の凝集力が発現しない場合があり、接着性が不足する場合がある。40重量%より多いと塗膜が非常に硬くなり、応力緩和が少なくなり接着性が発現しない場合や塗設したフィルムを回収使用した場合に架橋体による異物が発生する場合がある。
【0071】
架橋剤としては、エポキシ架橋剤、オキサゾリン架橋剤、メラミン架橋剤およびイソシアネート架橋剤が好ましい。これらは1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。オキサゾリン架橋剤が取り扱いやすさや塗布液のポットライフの点から好ましい。
【0072】
以下、架橋剤を例示する。
エポキシ架橋剤は、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物、グリシジルアミン化合物等が挙げられ、ポリエポキシ化合物としては、例えば、ソルビトール、ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアミン化合物としてはN,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0073】
オキサゾリン架橋剤は、オキサゾリン基を含有する重合体が好ましい。付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によって作成できる。付加重合性オキサゾリン基含有モノマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。他のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば制限なく、例えばアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2ーエチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等のア(メタ)クリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸のエステル部にポリアルキレンオキシドを付加させたもの等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα、β−不飽和モノマー類;スチレン、α−メチルスチレン、等のα、β−不飽和芳香族モノマー等を挙げることができ、これらの1種または2種以上のモノマーを使用することができる。
【0074】
メラミン架橋剤は、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に低級アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を反応させてエーテル化した化合物およびそれらの混合物が好ましい。メチロールメラミン誘導体としては、例えば、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等が挙げられる。
【0075】
イソシアネート架橋剤は、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、1,6−ジイソシアネートヘキサン、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ポリオール変性ジフェニルメタン−4、4´−ジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3´−ビトリレン−4,4´ジイソシアネート、3,3´ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0076】
[微粒子]
皮膜の組成物は、微粒子(C)を0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%を含有する。0.1重量%未満であると十分な滑性、耐傷性が得られず、20重量%を超えると塗膜の凝集力が低くなり接着性が悪化する。この微粒子は、平均粒子径20〜200nm、好ましくは40〜120nmである。200nmより大きいと微粒子の落脱が発生しやすくなり、20nmよりも小さいと十分な滑性、耐傷性が得られない場合があり好ましくない。微粒子は通常、塗布層の組成物中に含有される。
【0077】
微粒子としては例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデン等の無機微粒子;アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂等の有機微粒子を用いることができる。これらは1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
【0078】
[ワックス]
皮膜は、好ましくはワックスを含有する。ワックスを含有する場合、含有量はワックスを含む皮膜の組成物100重量部あたり好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1重量%〜10重量%である。含有量が0.5重量%未満ではフィルム表面の滑性が得られないことがあり好ましくない。20重量%を超えるとポリエステルフィルム基材への密着やハードコートや粘着剤等に対する易接着性が不足する場合があり好ましくない。
【0079】
ワックスは脂肪族ワックスを用いることが好ましく、脂肪族ワックスの具体例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスを挙げることができる。就中、ハードコートや粘着剤等に対する易接着性と滑性が良好なことから、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが特に好ましい。これらは環境負荷の低減が可能であることおよび取扱のし易さから水分散体として用いることが好ましい。
【0080】
皮膜には、上記の成分以外に、例えば帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤が配合されていてもよい。
【0081】
[製造方法]
本発明においては、ポリエステルフィルムの両面に前記成分を用いた皮膜を塗設するが、例えば延伸可能なポリエステルフィルムに皮膜を形成する成分を含む水性液を塗布した後、乾燥、延伸し、必要に応じて熱処理することにより塗設することができる。この水性液の固形分濃度は、通常30重量%以下であり、10重量%以下がさらに好ましい。
【0082】
前記の延伸可能なポリエステルフィルムとは、未延伸ポリエステルフィルム、一軸延伸ポリエステルフィルム又は二軸延伸ポリエステルフィルムである。このうちフィルムの押出し方向(縦方向)に一軸延伸した縦延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。
【0083】
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。
【0084】
かかる界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促進するものであり、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン―脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する組成物中に、1〜10重量%含まれていることが好ましい。この範囲であれば40mN/m以下にすることができ、塗布層のハジキを防止可能である。
【0085】
ポリエステルフィルムへ水性液を塗布する場合は、通常の塗工工程、即ち二軸延伸熱固定したポリエステルフィルムに該フィルムの製造工程と切り離した工程で行うと、芥、塵埃等を巻込み易く、好ましくない。かかる観点より、クリーンな雰囲気での塗布、即ちフィルム製造工程での塗布が好ましい。そして、この塗布によれば、皮膜(塗膜)のポリエステルフィルムへの密着性がさらに向上する。
【0086】
塗布方法としては、公知の任意の塗布法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法及びカーテンコート法などを単独または組合せて用いることができる。塗布量は走行しているフイルム1m2 当り、0.5〜20g、さらには1〜10gが好ましい。水性液は水分散液又は乳化液として用いるのが好ましい。なお、塗膜は、必要に応じ、フィルムの片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
【0087】
水性液を塗布した延伸可能なポリエステルフィルムは、乾燥、延伸処理工程に導かれるが、かかる処理は、従来から当業界に蓄積された条件で行うことができる。好ましい条件としては、例えば乾燥条件は90〜130℃×2〜10秒であり、延伸温度は90〜130℃、延伸倍率は縦方向3〜5倍、横方向3〜5倍、必要ならば再縦方向1〜3倍であり、熱固定する場合は180〜240℃×2〜20秒である。
【0088】
[物性]
かかる処理後の本発明の積層フィルムは、波長380nmの光線透過率が10%以下であることが好ましく、100℃30分加熱後のオリゴマー、紫外線吸収剤の析出によるヘーズ変化が2.5%以下であることが好ましい。光線透過率が10%を超えると紫外線の遮蔽性能に劣り、すなわち赤外線吸収フィルム保護性能が不足て好ましくない。ヘーズ変化が2.5%を超えると低分子量物の発生抑制効果が乏しく好ましくない。
【0089】
積層フィルムの厚さは、好ましくは50〜250μm、塗膜の厚さは好ましくは0.02〜1μmである。積層フィルムの厚さが50μ未満であるとフィルムのこしがなく好ましくなく、250μmを超えると取り扱いが困難でありこの用途には好ましくない。塗膜の厚さが0.02μm未満であると低分子量物の発生抑制効果が乏しく好ましくなく、1μmを超えるとフィルム同士のブロッキングが発生しやすくなり好ましくない。
【実施例】
【0090】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
各種物性は下記の方法により評価した。
【0091】
(1)ヘイズ変化
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘイズ測定器(NDH−2000)を使用してフィルムのヘイズ値を測定した。更に、フィルムを150℃、30分で熱処理した後のヘイズを同様の方法で測定し、熱処理前後でのヘイズ値変化量を下記の基準で評価した。
◎: ヘイズ値変化量≦0.5 ……フィルムのオリゴマー封止性極めて良好
○: 0.5<ヘイズ値変化量≦2.5%……フィルムのオリゴマー封止性良好
×: 2.5%<ヘイズ値変化量 ……フィルムのオリゴマー封止性不良
ヘイズ値変化量=熱処理後のフィルムのヘイズ値−熱処理前のフィルムのヘイズ値
【0092】
(2)固有粘度
固有粘度([η]dl/g)は、25℃のo−クロロフェノール溶液で測定した。
【0093】
(3)二次転移点(Tg)
デュポン製Thermal Analyst 2000型示差熱量計にて、20℃/分の昇温速度にて測定した。
【0094】
(4)赤外線吸収層の保護性能の評価
フィルムをPDPフィルターに用いる赤外線吸収フィルム上に積層し、本発明のフィルム上から、60℃で144時間キセノンランプを照射し、赤外線吸収フィルムの近赤外線(950nm)透過率の変化を測定した。
赤外線吸収フィルムは、紫外線により劣化すると近赤外線の透過率が高くなってしまう。本発明のフィルムの赤外線吸収フィルム保護性能を、以下の基準で評価した。
◎: 950nmの透過率変化 ≦ 5%
○: 5% < 950nmの透過率変化 ≦ 10%
×: 20% ≦ 950nmの透過率変化
キセノンランプには、東洋精機 SUNTEST CPS+を用い、照射強度は550mJ/mとした。透過スペクトルの測定には、(株)島津製作所製 分光光度計MPC3100を用いた。
【0095】
また、近赤外線吸収フィルムには、下記を用いた。
<赤外線吸収フィルム>
赤外線吸収フィルムは、日本触媒(株)製近赤外線吸収剤EX814Kを0.40重量%、三井化学(株)製金赤外線吸収剤S13を0.20重量%、平均粒径1.7μmの多孔質シリカを0.007重量%含有した溶融ポリエチレンテレフタレート(PET;[η]=0.65)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に90℃の温度で延伸倍率3.5倍で延伸した後、引き続いて横方向に120℃で3.8倍に延伸し、230℃で熱固定して得た厚さ75μmの易接着性二軸配向フィルムを用いた。
【0096】
(5)波長380nmの光線透過率
島津製作所(株)製分光光度計UV−3101PCを用い、スキャン速度200nm、スリット幅20nm、サンプリングピッチ1.0nmの条件は、波長380nmの光線透過率を測定した。
【0097】
(6)固有粘度
固有粘度([η]dl/g)は、25℃のo−クロロフェノール溶液で測定した。
【0098】
(7)フィルム製造時のスクラッチ傷耐性
製造直後のフィルムにて、面積4m2範囲で塗布層スクラッチ傷の有無を蛍光灯及びハロゲン光の反射光を用いて目視で観察し、あった場合はその場所をマジックでマーキングし、そのスクラッチ傷をキーエンス社製のレーザー光学顕微鏡(VF−750)で長さ、幅及び深さを測定する。長さ1mm以上、幅0.5mm以上、深さ0.5μm以上のスクラッチ傷個数を求めた。
◎:長さ1mm以上、幅0.5mm以上、深さ0.2μm以上のスクラッチ傷皆無
……極めて良好
○:長さ1mm以上、幅0.5mm以上、深さ0.5μm以上のスクラッチ傷皆
……良好
×:長さ1mm以上、幅0.5mm以上、深さ0.5μm以上のスクラッチ傷が1個以上存在……不良
【0099】
(8)接着性
・ハードコート
易接着性ポリエステルフィルムの塗膜形成面に厚さ10μmのハードコート層を形成して碁盤目のクロスカット(1mm2 のマス目を100個)を施し、その上に24mm幅のセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、180°の剥離角度で急激に剥がした後、剥離面を観察し、下記の基準で評価した。
5:剥離面積が10%未満 ……接着力極めて良好
4:剥離面積が10%以上20%未満 ……接着力良好
3:剥離面積が20%以上30%未満 ……接着力やや良好
2:剥離面積が30%以上40%未満 ……接着力不良
1:剥離面積が40%を超えるもの ……接着力極めて不良
【0100】
・粘着剤(PSA)
易接着性ポリエステルフィルムの塗膜形成面に厚さ20μmの粘着剤(PSA)層を形成してフロートガラスに粘着剤層面を貼付、23℃、65%RHの雰囲気下で1日経時させ、90°の剥離角度にて剥離し、ガラス表面に粘着剤(PSA)の残留状態を観察し、下記の基準で評価した。
5:粘着剤(PSA)残留面積が10%未満 ……接着力極めて良好
4:粘着剤(PSA)残留面積が10%以上20%未満 ……接着力良好
3:粘着剤(PSA)残留面積が20%以上30%未満 ……接着力やや良好
2:粘着剤(PSA)残留面積が30%以上40%未満 ……接着力不良
1:粘着剤(PSA)残留面積が40%を超えるもの ……接着力極めて不良
【0101】
(9)耐ブロッキング性
2枚のフィルムを、塗膜形成面と非形成面が接するように重ね合せ、これに、60℃、80%RHの雰囲気下で17時間にわたって0.6kg/cm2 の圧力をかけ、その後、剥離して、その剥離力により耐ブロッキング性を下記の基準で評価した。
◎: 剥離力<98mN/5cm ……耐ブロッキング性極めて良好
○:98mN/5cm≦剥離力<147mN/5cm ……耐ブロッキング性良好
△:147mN/5cm≦剥離力<196mN/5cm……耐ブロッキング性やや良好
×:196mN/5cm≦剥離力 ……耐ブロッキング性不良
【0102】
[実施例1〜4、比較例1、2、5、6]
下記式(A)に示す紫外線吸収剤を1重量%含有するポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.62)を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出しして未延伸フィルムとした。
【0103】
【化15】

【0104】
次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、その両面に下記塗膜用組成物(表1)の濃度4%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。尚、塗膜の厚さは0.06μmであった。
【0105】
次いで、この塗布フィルムを95℃で乾燥し、横方向に120℃で3.7倍に延伸し、230℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、厚さ100μmの積層フィルムを得た。なお、塗膜の厚さは0.10μmであった。これらの評価結果を表2に示す。
【0106】
【表1】

【0107】
ポリエステル1:酸成分がテレフタル酸95モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=72℃、固有粘度0.57)。
【0108】
ポリエステル2:酸成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸75モル%/イソフタル酸20モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=80℃、固有粘度0.38)。
【0109】
ポリエステル3:酸成分がテレフタル酸80モル%/イソフタル酸15モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール60モル%/ジエチレングリコール40モル%で構成されている(Tg=43℃、固有粘度0.50)。
【0110】
ポリエステル4:酸成分がテレフタル酸80モル%/イソフタル酸15モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール5モル%/1,4−ブタンジオール90モル%で構成されている(Tg=25℃、固有粘度0.56)。
【0111】
ポリエステル5:酸成分が2,6―ナフタレンジカルボン酸85モル%/イソフタル酸10モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=105℃、固有粘度0.35)。
【0112】
架橋剤1:メチルメタクリレート30モル%/2−イソプロペニル−2−オキサゾリン30モル%/ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリレート10モル%/アクリルアミド30モル%で構成されている(Tg=50℃)。なお、アクリルは、特開昭63−37167号公報の製造例1〜3に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、四つ口フラスコに、イオン交換水302部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、更にモノマー類である、メタクリル酸メチル23.3部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン22.6部、ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリル酸40.7部、アクリルアミド13.3部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が25%のアクリルの水分散体を得た。
【0113】
微粒子1:シリカ及びチタニアの複合無機粒子(平均粒径:100nm)。なお、微粒子1は、特開平7−2520号公報の製造例及び実施例に記載の方法に準じて下記の通り製造した。撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応容器にメタノール140g、イソプロパノール260g、およびアンモニア水(25重量%)100gを仕込み、反応液を調製し、反応液の温度を40℃に保持しつつ攪拌した。次に、3リットルの三角フラスコに、シリコンテトラメトキシド(Si(OMe)4、コルコート(株)、商品名;メチルシリケート39)542gを仕込み、撹拌しながら、メタノール195gと0.1重量%塩酸水溶液(35%塩酸、和光純薬工業(株)を1/1000に水で希釈)28gを加え、約10分間撹拌した。続いて、チタニウムテトライソプロポキシド(Ti(O−i−Pr)4、日本曹達(株)、品名;A−1(TPT))300gをイソプロパノール634gで希釈した液を加え、透明な均一溶液(シリコンテトラアルコキシドとチタニウムテトラアルコキシドの共縮合物)を得た。上記均一溶液1699gとアンモニア水(25重量%)480gの各々を前記反応液中に、最初は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大きくして、2時間かけて同時に滴下した。滴下終了後、得られた共加水分解物をろ過し、50℃で有機溶媒を乾燥させ、その後、水に分散化させ、濃度10重量%の微粒子1を得た。
【0114】
微粒子2:シリカフィラー(平均粒径:80nm)(触媒化成工業社製 商品名カタロイドSI−80P)
微粒子3:アクリルフィラー(平均粒径:80nm)(日本触媒社製 商品名MX−80W)
添加剤:カルナバワックス(中京油脂社製 商品名セロゾール524)
濡れ剤:ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成社製 商品名ナロアクティーN−70)
【0115】
[比較例3、4]
ポリエステルに含有させる紫外線吸収剤とその配合割合を、比較例3では下記式(B)に示す紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製:商品名TINUVIN157)を1重量%含有、比較例4では紫外線吸収剤を含まないポリエステルを使用した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性を表2に示す。
【0116】
【化16】

【0117】
【表2】

【0118】
表2に示す結果から明らかなように、本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、熱処理時の低分子量物の析出が少なく、PDPフィルターの赤外線吸収フィルムの保護性能に優れ、しかも耐候性に優れた光学用易接着性積層フィルムとして有用である。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明のプラズマディスプレイパネル部材用易接着性積層フィルムは、プラズマディスプレイパネルの部材として好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線吸収剤を含有するポリエステル組成物からなるポリエステルフィルム、該フィルムの両面に塗設された皮膜からなる積層フィルムであって、積層フィルムは波長380nmの光線透過率が10%以下であり、皮膜は固形分としてガラス転移点40〜100℃かつ固有粘度が0.4以上0.7未満のポリエステル樹脂(A)50〜95重量%、架橋剤(B)1〜40重量%および平均粒子径0.02〜0.2μmの微粒子(C)0.1〜20重量%の合計100重量%からなることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル部材用易接着性積層フィルム。
【請求項2】
架橋剤(B)が、オキサゾリン基含有ポリマー、尿素系樹脂、メラミン系樹脂及びエポキシ系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項3】
皮膜が、固形分としてガラス転移点40〜100℃かつ固有粘度が0.4以上0.7未満のポリエステル樹脂(A)50〜95重量%、架橋剤(B)1〜40重量%および粒子径0.02〜0.2μmの微粒子(C)0.1〜20重量%ならびにワックス0.5〜20重量%の合計100重量%からなる、請求項1記載の積層フィルム。
【請求項4】
100℃30分加熱後のオリゴマー、紫外線吸収剤の析出によるヘーズ変化が2.5%以下である、請求項1記載の積層フィルム。
【請求項5】
紫外線吸収剤が、下記式(I)で表わされる環状イミノエステル及び下記式(II)で表わされる環状イミノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1記載の積層フィルム。
【化1】

(式(I)で、X は、上記式に表わされたX からの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の芳香族残基であり;nは1、2又は3であり;R はn価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい、又はR はn=2のとき直接結合であることができる。)
【化2】

(式(II)で、Aは下記式(II)−aで表わされる基であるか又は下記式(II)−bで表わされる基であり;R およびR は同一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり;X は4価の芳香族残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい。)
【化3】

【化4】


【公開番号】特開2006−212815(P2006−212815A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−25139(P2005−25139)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(301020226)帝人デュポンフィルム株式会社 (517)
【Fターム(参考)】