説明

プラズマディスプレイパネル電極用感光性ペースト組成物、プラズマディスプレイパネル電極及びこれを備えるプラズマディスプレイパネル

エッジカール現象、すなわち焼成工程時に電極パターン部分の端が巻き上がる現象を最小化することができ、それにより、耐電圧特性を向上できるプラズマディスプレイパネル(PDP)電極用感光性ペースト組成物が開示される。PDP電極用感光性ペースト組成物は、導電性粉末40〜55重量%、無機バインダー5〜15重量%、有機ビヒクル35〜55重量%及び残量の溶媒を含み、ここで、導電性粉末100重量部に対して無機バインダーが15〜35重量部存在する。また、前記組成物を用いて製造したプラズマディスプレイパネル(PDP)電極及び前記電極を備えるプラズマディスプレイパネル(PDP)も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、感光性ペースト組成物、これを用いて製造されたプラズマディスプレイパネル電極及びこれを備えるプラズマディスプレイパネルに関する。より詳細には、焼成工程時に電極パターン部分の端が巻き上がるエッジカール現象を最小化することによって、耐電圧特性を向上させることができるプラズマディスプレイパネル(PDP)電極用感光性ペースト組成物、プラズマディスプレイパネル(PDP)電極及びこれを備えるプラズマディスプレイパネル(PDP)に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
近年、ディスプレイ装置において、大型化、高密度化、高精密化及び高信頼性への要求が高くなるに伴って、様々なパターン加工技術の開発がなされている。このような多様な技術がプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という)の製造に適用されている。
【0003】
大面積のディスプレイデバイス製造に適した高精密な電極回路を形成するための方法としては、感光性導電ペーストを用いたフォトリソグラフィ法が近年開発されている。フォトリソグラフィは、感光性導電ペーストをガラス基板に全面印刷した後、この基板を乾燥し、フォトマスクを備えた紫外線露光装置を用いて露光した後、フォトマスクで遮光された未硬化の部分を現像液で現像して除去し、その後、残っている硬化膜を所定の温度で焼成することによってパターン化された電極を形成する方法である。
【0004】
感光性相の組成物に関しては、大韓民国特許公開第10−2005−122498号明細書に導電性粉末、無機バインダー及び有機ビヒクルを用いて製造することが提案されている。
【0005】
上記のように、従来は、電極の重要な特性である抵抗、端子部の耐サンディング性(sanding resistance)及び耐電圧特性を向上させるために、感光性ペーストに導電性粉末及び無機バインダーを追加していた。
【0006】
しかし、従来の方法では、導電性粉末及び無機バインダーの混合比率により、電極パターンが正常に形成されない問題が発生している。
【0007】
電極パターンが正常に形成されない原因は、以下のとおりである。まず、現像工程後にパターン形状が逆台形を有するようになる現象、即ちアンダーカット現象が発生する。
【0008】
結果として、最終工程すなわち焼成工程でパターンの端が巻き上がるエッジカール現象が発生するようになる。
【0009】
このようなエッジカール現象は、耐電圧特性を損なうこととなり、PDP製品の寿命及び発光効率特性を減少させる結果となる。また、サンディング工程時に端子部電極が損傷を受けるようになり、PDPスクリーンが正常な画面表示しないという不具合を発生させる。
【0010】
このような問題を解決するために、アンダーカット現象を抑制する方法の研究が進められている。それらの方法は、露光感度及び現像条件の改善に基づいているが、十分な成果を得られずにいる。
【0011】
また、エッジカール現象を防止するための方法として、大韓民国特許公開第10−2005−0116431号明細書は、焼成時の電極パターンの厚み収縮率を最小化する方法を開示している。しかし、電極パターンの厚み制御によりエッジカール現象を防止するには限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国特許公開第10−2005−122498号明細書
【特許文献2】大韓民国特許公開第10−2005−0116431号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
技術的課題
本発明の第一の目的は、ペースト組成物を用いたPDP電極形成時にPDP電極パターンの端が巻き上がる現象、即ちエッジカール現象を最小化することにより、耐電圧特性を向上させることができるPDP電極用ペースト組成物を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、前記ペースト組成物を用いて製造されたPDP電極及び前記電極を備えるPDPを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、PDP電極のエッジカール現象を防止するために、電極の端を無機バインダーで満たすことを技術的特徴とする。
【0016】
本発明の一態様によれば、導電性粉末40〜55重量%、無機バインダー5〜15重量%、有機ビヒクル35〜55重量%及び残量の溶媒を含むPDP電極用感光性ペースト組成物が提供される。
【0017】
本発明の別の態様によれば、前記電極形成用組成物を用いてスクリーン印刷法、オフセット印刷法またはフォトリソグラフィ法のうちの一方法により形成された電極及びこれを備えるプラズマディスプレイパネルが提供される。
【0018】
本発明のその他の態様の詳細および具体的な実施形態は、以下の詳細な説明及び添付の図面に含まれている。
【0019】
本発明の利点及び特徴、またそれらを達成する方法は、添付の図面と共に以下の詳細な説明からより明確に理解される。しかし、この技術分野で通常の知識を有する者であれば、添付の請求の範囲に開示された発明の範囲を逸脱することなく、具体的な実施形態の多様な改変、添加、及び置換が可能であることは理解されるであろう。これらの実施形態は、説明の目的で掲載するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。明細書全体に渡って、同一の参照符号は、同一または同様の構成要素を指す。
【0020】
本発明の一実施形態において、電極形成用ペースト組成物は、導電性粉末、無機バインダー、有機ビヒクル及び溶媒を含む。
【0021】
本発明に用いられる導電性粉末は、導電性に優れた有機および無機材料がいずれも用いられる。
【0022】
好ましくは、導電性粉末は金属粉末であり、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、アルミニウム、これらの合金、およびこれらの二種のコーティングから選択され得る。これらのうち、特に銀粉末が好ましく用いられる。
【0023】
導電性粉末は、球形の粒子であることが好ましい。これは球形の粒子が板形や無定形粒子に比較してより優れた充填率及び紫外線透過特性を示すためである。
【0024】
導電性粉末の直径(D50)は、好ましくは0.1〜2μmであり、より好ましくは0.5〜1.8μmである。
【0025】
導電性粉末の含量は、ペースト組成物の全重量に対して40〜55重量%で存在することが好ましく、より好ましくは44〜53重量%である。
【0026】
導電性粉末の含量が40重量%未満であれば、導電率が低すぎて通電が困難になる問題があり、導電性粉末が55重量%を超えると、無機バインダーが電極パターンの端を十分に充填できず、エッジカールが大きくなる問題がある。
【0027】
無機バインダーは、焼成工程時に導電性粉末の焼結を促進し、導電性粉末とガラス基板との間に接着力を付与する役割をする。
【0028】
好ましくは、本発明で用いられる無機バインダーは、PbO、Bi、SiO、B、P、ZnO、Alなどの金属酸化物系ガラスである。無機バインダーは、有鉛系または無鉛系に制限されない。無機バインダーの形状は好ましくは球形であるが、特にそれに限定はされない。直径は0.1〜5μmであることが好ましい。
【0029】
また、無機バインダーの軟化点は、400〜600℃の範囲であることが好ましい。
【0030】
無機バインダーの含量は、ペースト組成物の全重量に対して5〜15重量%で存在することが好ましい。好ましくは、導電性粉末100重量部の全量に対して無機バインダーは15〜35重量部で存在する。
【0031】
特に、本発明の従来技術とは異なる必須の特徴は、電極固有の最小物性値を満たす範囲内で無機バインダーの含量を最大限に増加させることである。
【0032】
無機バインダーをその量にする理由は、以下のとおりである。前記含量範囲未満の場合には、電極パターンの端を十分に充填できず、エッジカールが発生し得るためである。加えて、前記含量範囲を超えれば、焼成後に電極の通電性が損なわれる可能性がある。したがって、本発明は無機バインダーの含量範囲を所望の程度に調節することを最優先とする。
【0033】
本発明で使用する有機ビヒクルは、導電性粉末及び無機バインダーを分散させ、互いに結合させ、乾燥後、焼成に先立ってそれらにガラス基板とペースト組成物との接着力を付与する役割を果たす。
【0034】
本発明で用いる前記有機ビヒクルとしては、カルボキシル基などの親水性基を有するアクリルモノマーを共重合させたアクリル系ポリマー;エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースポリマーなどのセルロース系ポリマー、およびそれらの混合物が含まれる。有機ビヒクルは、架橋剤、光開始剤をさらに含むことができる。
【0035】
本発明で使用される光重合開始剤は、200〜400nmの紫外線波長域で優れた光反応を示すことができるものであれば、いかなるものでも用いることができる。一般に光開始剤は、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、トリアジン系化合物およびそれらの組み合わせからなる群より選択され得る。
【0036】
有機ビヒクルの含量は、ペースト組成物の全重量に対して、35〜55重量%を含む。
【0037】
有機ビヒクルの含量が35重量%未満であればペーストの印刷性が損なわれる可能性があり、有機ビヒクルの含量が55重量%を超えればペーストの露光及び現像中にパターンの直進性が低下する恐れがある。
【0038】
本発明で用いる溶媒は、電極形成用組成物に汎用されている120℃以上の沸点を有するものから選択される。溶媒の例としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、脂肪族アルコール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ブチルセロソルブアセテート、およびテキサノールが挙げられる。溶媒は、これらを単独または組み合わせて用いることができる。
【0039】
また、本発明では、電極組成物の流動特性及び加工特性および安定性を向上させるために、必要に応じて紫外線安定剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、酸化防止剤および熱重合禁止剤から選択された1種以上の添加剤をさらに含むことができる。これらは全て当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、容易に購入して用いることができる程度に公知となったものである。したがって、添加剤の具体的な例とこれに関する説明は省略する。
【0040】
本発明の他の態様では、前述した感光性ペースト組成物を用いて製造したPDP電極が提供される。
【0041】
前記電極形成用組成物から、スクリーン印刷法、オフセット印刷法およびフォトリソグラフィ法から選択された少なくとも1つの方法を用いて電極を製造することができる。
【発明の効果】
【0042】
有利な効果
上述したように、本発明によれば、電極パターンの端を無機バインダーで充填することにより、構造的にエッジカール現象を防止できる。即ち、本発明は、エッジカール現象を防止しながら、耐電圧特性及び耐サンディング性向上のための最適な無機バインダーの含量を提案し、最終的にPDP製品の寿命、発光効率及び歩留まりを向上させることができる感光性ペースト組成物、これを用いて製造されたPDP電極及びこれを備えるPDPを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
上記のおよび他の本発明の目的、特徴および他の効果は、添付の図面を参照した以下の詳細な説明により、より明確に理解される。
【図1】図1は、本発明の実施形態による組成物を用いて製造されたプラズマディスプレイパネルを示す分解斜視図である。
【図2】実施例1で調製したペースト組成物で製造された電極断面のSEM写真である。
【図3】比較例1で調製したペースト組成物で製造された電極断面のSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
発明の実施形態
以下では、スクリーン印刷法を用いて電極を形成する工程について詳細に説明する。
【0045】
電極は、微細パターンの形成及びその後の焼成によって製造される。
【0046】
微細パターンの形成は、前記のように製造した感光性ペースト組成物を、SUS 325メッシュやSUS 400メッシュなどのスクリーンマスクを備えたスクリーン印刷機を用いて基板表面に印刷し、コーティングされた試片をIR乾燥炉で80〜150℃の温度で、5〜30分間乾燥し、ペーストコーティング膜上に300〜450nmの光の光源により露光してパターンを形成し、そのパターンをNaCO溶液、KOH溶液、TMAH(tetramethyl−ammonium hydroxide)などの適当なアルカリ現像液で約30℃で現像することによってなされる。
【0047】
さらに、焼成は、加熱炉中で、500〜600℃で10〜30分間行われる。
【0048】
本発明の組成物を用いて製造されたPDP電極の耐電圧は、450〜550Vを有する。
【0049】
別の態様では、本発明は、前記のように製造されたPDP電極を含むPDPを提供する。
【0050】
図1は、本発明の一実施形態により調製された組成物を用いて製造されたプラズマディスプレイパネルを示す分解斜視図である。
【0051】
本発明の組成物で製造されたPDP電極は、白色バス電極112及びアドレス電極117の製造に用いられる。
【0052】
図1に示すように、本発明の一実施形態による組成物を用いて製造されたプラズマディスプレイパネル10は、前面基板100と背面基板150とを含む。
【0053】
背面基板150に対向する前面電極100の表面上には、透明電極110が前面基板100に並行して配列されている。バス電極112は透明電極110上に配列されている。前記透明電極110上には、パネル内部で発生した電荷を貯蔵するための第1誘電体層114が配置されている。透明電極110上には、第1誘電体層114を保護し電荷の放出を促進するためのMgO層118が形成されている。
【0054】
前面基板100に対向する背面基板150の表面上に、背面電極150に垂直に複数のアドレス電極117が配列されている。
【0055】
アドレス電極117が形成された背面基板150上には、第2誘電層115が配置される。第2誘電体層115上には、各RGB蛍光物質132を備える隔壁120が配置され画素領域を決定している。
【0056】
前面基板100と背面基板150との間の空間には、Ne+Ar、Ne+Xeなどの不活性ガスが注入され、電極へのしきい電圧以上の電圧印加時には、放電により発光する。
【0057】
前記PDP構造において、バス電極112とアドレス電極117とは、本発明による組成物を用いて製造される。具体的には、スクリーン印刷法、オフセット印刷法およびフォトリソグラフィ法のうちの1つの方法により製造される。
【0058】
以下では、前記電極形成用ペースト組成物を使用することが構造的なエッジカール現象を最小化でき、それにより、耐電圧特性及び耐サンディング性を向上でき、最終的にPDP製品の寿命、発光効率及び歩留まりを向上させることができる事実を具体的な実施例及び比較例を挙げて説明する。ただし、ここに記載されていない内容は、この技術分野で通常の技術を有する者であれば技術的に理解できるため、その説明を省略する。
【実施例】
【0059】
<実施例1>
導電性粉末として球形銀粉末50重量%、無機バインダーとして軟化点480℃の無定形PbO−SiO−B系バインダー9重量%(導電性粉末100重量部に対して無機バインダー量は18重量部に相当する)、並びに、コポリマーバインダーとしてpoly−MMA−MAA、モノマーとしてジペンタエリスリトールジアクリレート)及び光開始剤として2−ベンジル−2−ジエチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノンを含む有機ビヒクル40重量%を混合し、攪拌機によって攪拌し、3−ロールミルを用いて混練した。その後、粘度調節のために溶媒としてテキサノール1重量%を反応混合物に添加して、感光性ペースト組成物を製造した。
【0060】
<実施例2>
導電性粉末として球形銀粉末45重量%、無機バインダーとして軟化点480℃の無定形PbO− SiO−B系バインダー11重量%(導電性粉末100重量部に対して無機バインダー量は24.44重量部に相当する)、並びに、コポリマーバインダーとしてpoly−MMA−MAA、モノマーとしてジペンタエリスリトールジアクリレート及び光開始剤として2−ベンジル−2−ジエチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノンを含む有機ビヒクル43重量%を混合し、攪拌機によって攪拌し、3−ロールミルを用いて混練した。その後、粘度調節のために溶媒としてテキサノール1重量%を反応混合物に添加して、感光性ペースト組成物を製造した。
【0061】
<比較例1>
導電性粉末として球形の銀粉末65重量%、無機バインダーとして軟化点480℃の無定形PbO− SiO−B系バインダー5重量%、並びに、コポリマーバインダーとしてpoly−MMA−MAA、モノマーとしてジペンタエリスリトールジアクリレート及び光開始剤として2−ベンジル−2−ジエチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノンを含む有機ビヒクル29重量%を混合し、攪拌機によって攪拌し、3−ロールミルを用いて混練した。その後、粘度調節のために溶媒としてテキサノール1重量%を反応混合物に添加して、感光性ペースト組成物を製造した。
【0062】
(性能評価試験)
実施例1、実施例2および比較例1の組成物を用いて下記製造条件でPDP電極を製造した後、その特性を評価した。
【0063】
1)印刷:30cm×30cmの大きさのガラス基板上にスクリーン印刷した。
【0064】
2)乾燥:IR乾燥炉中で120℃10分間乾燥した。
【0065】
3)露光:高圧水銀ランプを装着した紫外線露光装置を用いて400mJ/cmで紫外線を照射した。
【0066】
4)現像:0.4%の炭酸ナトリウム水溶液をノズル圧1.5kgf/cmで噴霧した。
【0067】
5)焼成:電気炉を用いて560℃で20分間焼成した。
【0068】
6)焼成後膜厚の測定:焼成後に、膜厚測定装置を用いて膜厚を測定した。
【0069】
7)エッジカール現象の評価:走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて焼成した膜の断面を観察することによってエッジカール現象を評価した。
【0070】
*エッジカール(μm):エッジカール高さ(μm)−焼成後膜厚(μm)
8)誘電体膜の形成:焼成膜上に誘電体を印刷、乾燥及び焼成して誘電体膜を形成した。
【0071】
9)耐電圧特性の評価:耐電圧評価装置(Chroma Ate社、AC/DC/IR Hipot Tester Model 19052)を用いて耐電圧値を測定した。
【0072】
下記表1は、実施例および比較例で製造した組成物に関する性能評価の結果を示す。
【0073】
図2は、実施例1で製造した電極のSEM写真である。
【0074】
図3は、比較例1で製造した電極のSEM写真である。
【0075】
【表1】

【0076】
表1および図2の結果から分かるように、実施例1で製造した電極の場合には、エッジカール現象が現れていなかった。さらに、470Vと非常に優れた耐電圧特性を示した。
【0077】
実施例2の電極の場合にも、エッジカール現象は現れず、耐電圧特性は510Vと非常に優れた値を示した。
【0078】
一方で、比較例1の電極の場合には、図3の電子顕微鏡写真から分かるように、エッジカールの程度が大きく、耐電圧特性が395Vと実施例に比べて特性が劣ることが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性粉末40〜55重量%、無機バインダー5〜15重量%、有機ビヒクル35〜55重量%及び残量の溶媒を含む感光性ペースト組成物。
【請求項2】
前記無機バインダーは、前記導電性粉末100重量部に対して15〜35重量部で存在する請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項3】
前記導電性粉末は、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、アルミニウムおよびこれらの合金から選択される1種、並びに、これらの2種のコーティングで構成されている請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項4】
前記導電性粉末は球形であり、その直径(D50)が0.1〜2μmである請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項5】
前記無機バインダーは、PbO、Bi、SiO、B、P、ZnOまたはAlを含む金属酸化物ガラスである請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項6】
前記無機バインダーの直径(D50)は、0.1〜5μmである請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項7】
前記無機バインダーの軟化点は、400〜600℃である請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項8】
前記有機ビヒクルは、親水性基を有するアクリルモノマーを共重合させたアクリル系ポリマー及びセルロース系ポリマーのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項9】
前記セルロース系ポリマーは、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースおよびこれらの混合物から選択される請求項8に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項10】
前記有機ビヒクルは、架橋剤及び光開始剤の少なくとも1種をさらに含んでいる請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項11】
前記溶媒は、120℃以上の沸点を有する請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項12】
前記溶媒は、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、脂肪族アルコール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ブチルセロソルブアセテート、テキサノール及びこれらの混合物から選択される請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項13】
前記ペースト組成物は、紫外線安定剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、酸化防止剤、及び熱重合禁止剤のうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいる請求項1に記載の感光性ペースト組成物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載されたペースト組成物を用いて製造されたプラズマディスプレイパネル(PDP)電極。
【請求項15】
前記電極の耐電圧は、450〜550Vである請求項14に記載のPDP電極。
【請求項16】
請求項14に記載の電極を備えるプラズマディスプレイパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−529487(P2010−529487A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510199(P2010−510199)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002770
【国際公開番号】WO2008/147063
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】