説明

プリフォームの圧縮成形金型、合成樹脂製ブロー成形容器の製造方法及びプリフォーム

【課題】ブロー成形時においてプリフォームの温度調整を軽減又は省略すること。
【解決手段】合成樹脂製ブロー成形容器を形成するための口部、胴部及び底部を有するプリフォームを圧縮成形するための空間を形成し、雌型と雄型とを備えたプリフォーム圧縮成形金型であって、プリフォームの口部上端部の肉厚を形成する空間幅、若しくは口部のカブラ下からネックリング上の肉厚を形成する空間幅に対し、プリフォームの胴部〜底部の少なくとも胴部の肉厚を形成する空間幅が1.18〜2.11倍とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリフォームを連続的にブロー成形する際に、再加熱を軽減若しくは省略して好適な条件にてブロー成形するプリフォームの圧縮成形金型、合成樹脂製ブロー成形容器の製造方法、さらにはそのプリフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製容器は、軽量性や経済性或いは優れた物性などにより、飲料や食品用の容器として日常生活において汎用されている。特に、ポリエチレンテレフタレート(いわゆるPET)から成形される容器(ペットボトル)は、優れた機械的性質や透明性などにより清涼飲料水や嗜好飲料及び食品用の容器として非常に需要が高く、消費者に重用されている。
このように、ポリエチレンテレフタレートに代表される合成樹脂容器は、一般に、プリフォーム(予備成形された有底円筒状成形材料)に成形金型内にて空気などの流体を吹き込み膨張成形する延伸ブロー成形法(単に、延伸成形或いはブロー成形ともいわれる)によって効率的に製造されている。
【0003】
従来から、プリフォームの成形は、射出成形法が用いられていたが、射出成形装置に比べて低価格で、装置の小型化と低温成形が行える成形装置として圧縮成形機が提案されている。量産性を高めて製造効率を向上させるために、多数個の成形金型を回転円盤に取り付けたロータリー圧縮成形機(回転式可動型圧縮成形機)が開発され採用されるに至った。
圧縮成形の場合は、圧縮成形機によって合成樹脂からプリフォームが逐次連続成形され、成形されたプリフォームは搬送ラインによって直ちにブロー成形機へ逐次連続供給され、ブロー成形機において容器に逐次連続成形される。従って、圧縮成形機により成形されたプリフォームは高い温度を保ったまま、かつ、個々のプリフォームは温度のばらつきがほとんど無い状態でブロー成形まで連続的に進めることが可能であり、安定したボトル成形性が得られるばかりではなく、充填システムの無菌性を維持するといった観点からも好ましいと言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−276493号公報
【0005】
該特許文献1には、圧縮成形装置の成形金型からプリフォームを取り出す際に、ガスバーナや熱風などによる外部加熱処理を施すことがなく、プリフォームに歪みが形成されない好適な取り出し温度が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圧縮成形機によって成形されたプリフォームの成形直後の各部位の温度は肉厚によって左右される。一方、プリフォーム成形とブロー成形を直結したシステムにおいて、プリフォーム成形後のコア(雄型)からのプリフォームの取り出しの際やブロー成形時の高圧エアーシールの際にノズル部(口部)にかかる応力による変形や圧縮エアー自体による口部変形を回避するためにはノズル部の温度は一定温度以下に制約される。反面、圧縮成形後のノズル部の温度を下げるために、圧縮成形金型内で長時間過剰に冷やしすぎると、プリフォームの胴部及び(又は)底部の温度も低くなるので、圧縮成形後のプリフォームを加熱工程を簡略にして直ちに延伸ブロー成形する際、十分な延伸成形ができなくなることがある。このためブロー成形するにあたって、プリフォーム温度の低い個所については部分加熱などによる温度調整を要し、温度が著しく低い場合は多大な熱エネルギーが必要となる。
本発明の1つの目的は、このような事情に鑑みてなされたもので、プリフォームのブロー成形時において、加熱装置による温度調整を軽減又は省略することができるプリフォームの圧縮成形金型、および、合成樹脂製ブロー成形容器の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によるプリフォーム圧縮成形金型は、上記課題を解決するために、合成樹脂製ブロー成形容器を形成するための口部、胴部及び底部を有するプリフォームを圧縮成形するための空間を形成する雌型と雄型とを備えたプリフォーム圧縮成形金型であって、前記プリフォームの口部上端部の肉厚を形成する空間幅(t1)に対し、プリフォームの胴部から底部までの肉厚を形成する空間幅のうちの少なくとも胴部の空間幅(t2)が1.18〜2.11倍の範囲にあるようにした。
本発明の第2の態様によるプリフォーム圧縮成形金型は、上記課題を解決するために、合成樹脂製ブロー成形容器を形成するための口部、胴部及び底部を有するプリフォームを圧縮成形するための空間を形成する雌型と雄型とを備えたプリフォーム圧縮成形金型であって、前記プリフォームの口部のカブラ部下方からネックリング部上方までの肉厚を形成する空間幅(t3)に対し、プリフォームの胴部から底部までの肉厚を形成する空間幅のうちの少なくとも胴部の空間幅(t2)が1.18〜2.11倍の範囲にあるようにした。
本発明の第1または第2の態様における合成樹脂製ブロー成形容器の製造方法は、上記課題を解決するために、溶融温度以上に加熱・溶融された合成樹脂を、上記第1または第2の態様のプリフォーム圧縮成形金型によってブロー成形容器のプリフォームへ圧縮成形する圧縮成形工程と、圧縮成形後の金型冷却の後、プリフォームを圧縮成形金型から取り出す金型取り出し工程と、金型取り出し工程後のプリフォームをブロー成形して容器を形成するブロー成形工程とを含んでいる。
本発明の第1の態様におけるプリフォームは、上記第1の態様のプリフォーム圧縮成形金型によって圧縮成形及び冷却され金型から取り出された直後の、合成樹脂製ブロー成形容器を形成するためのプリフォームであって、プリフォームの口部上端部の肉厚(t1’)に対し、プリフォームの胴部から底部までの肉厚うちの少なくとも胴部の肉厚(t2’)が1.18〜2.11倍である。
本発明の第2の態様におけるプリフォームは、上記第2の態様のプリフォーム圧縮成形金型によって圧縮成形及び冷却され金型から取り出された直後の、合成樹脂製ブロー成形容器を形成するためのプリフォームであって、プリフォームの口部のカブラ部下方からネックリング部上方までの肉厚(t3’)に対し、プリフォームの胴部から底部までの肉厚うちの少なくとも胴部の肉厚(t2’)が1.18〜2.11倍である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1の態様によるプリフォーム圧縮成形金型、合成樹脂製ブロー成形容器の製造方法、及びプリフォームは、合成樹脂製ブロー成形容器を形成するための口部、胴部及び底部を有するプリフォームを圧縮成形するための空間を形成する雌型と雄型とを備えたプリフォーム圧縮成形金型であって、前記プリフォームの口部上端部の肉厚(t1’)を形成する空間幅(t1)に対し、プリフォームの胴部から底部までの肉厚を形成する空間幅のうちの少なくとも胴部肉厚(t2’)の空間幅(t2)が1.18〜2.11倍の範囲にあるとしたので、この金型を使って圧縮成形したプリフォームは金型冷却され取り出され後、口部上端は好適に冷え、かつ、胴部は十分高い温度である状態を容易に得やすい。したがってプリフォーム口部上端については、熱による変形を防止し、胴部についてはブロー成形処理時における加熱処理を軽減若しくは省略できるようになった。
本発明の第2の態様によるプリフォーム圧縮成形金型、合成樹脂製ブロー成形容器の製造方法、及びプリフォームは、合成樹脂製ブロー成形容器を形成するための口部、胴部及び底部を有するプリフォームを圧縮成形するための空間を形成する雌型と雄型とを備えたプリフォーム圧縮成形金型であって、前記プリフォームの口部のカブラ部下方からネックリング部上方までの肉厚(t3’)を形成する空間幅(t3)に対し、プリフォームの胴部から底部までの肉厚を形成する空間幅のうちの少なくとも胴部肉厚(t2’)の空間幅(t2)が1.18〜2.11倍の範囲にあるとしたので、この金型を使って圧縮成形したプリフォームは金型冷却され取り出された後、口部のカブラ部下方からネックリング部上方までは好適に冷え、かつ、胴部は十分高い温度である状態を容易に得やすい。したがって、口部のカブラ部下方からネックリング部上方については、熱による変形を防止し、胴部についてはブロー成形処理時における加熱処理を軽減若しくは省略できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態によるプリフォーム圧縮成形金型を備えているPETボトル飲料無菌充填システムの概略図である。
【図2】図1のPETボトル飲料無菌充填システムのボトル製造部を主体とした概略平面図である。
【図3】図2の圧縮成形装置とその前工程における樹脂供給装置の概略拡大平面図である。
【図4】本発明の実施形態におけるプリフォームを上下方向に切断した状態の断面図であり、Aはプリフォームの全体の断面図、Bはプリフォームの口部上端部がシャープな形状である場合を示す拡大断面図、Cは口部上端部にテーパ面が形成されている形状である場合を示す拡大断面図である。
【図5】図3に示す圧縮成形装置のプリフォームの圧縮成形金型の初期位置の断面図である。
【図6】図3に示すプリフォームの圧縮成形金型の型締め状態における断面図である。
【図7】プリフォームの圧縮成形金型の作業手順を示す工程図であり、Aはプリフォームの圧縮成形金型の成形時における初期位置でキャビティ金型に把持部材が溶融樹脂を搬送した状態の断面図、Bはキャビティ金型に溶融樹脂が供給されてコア金型とスライドインサート金型が下降している状態の断面図、Cは型締め直前の断面図、DはCから図6の型締めが終了した後、コア金型とスライドインサート金型から脱離した状態の断面図である。
【図8】圧縮成形されるプリフォーム肉厚(に相当する金型空間幅)に対する、所望の最高温度まで到達させるのに必要な圧縮成形金型の型締め時間(型閉による金型冷却時間)の関係を示す線図で、所望の最高温度ごとに線図化している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例によるプリフォームの圧縮成形金型及びブロー成形容器の製造方法について、PETボトル飲料無菌充填システムAを用いて説明する。
図1に示すように、このPETボトル飲料無菌充填システムAは、合成樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET)からプリフォーム(以下、PFと略す場合あり)を成形し容器製造部であるボトル製造部Cへ供給するPF供給部Bと、プリフォームから二軸延伸ブローにより容器の本体となるPETボトルを製造する上述したボトル製造部Cと、PETボトルに飲料または食料を充填して殺菌処理済みの封止部材である「殺菌処理済みキャップ」にて密封する充填密封部Dと、容器の封止部材であるキャップを殺菌し充填機に供給するキャップ殺菌部Eと、キャップを供給するキャップ供給部Fと、調合済み飲料を供給する飲料供給部Gと、調合済み飲料を加熱殺菌する飲料加熱殺菌機Hとを具備して構成されている。点線部は、クリーンボックスIを示す。
【0011】
PF供給部Bには図2に示すように樹脂供給装置1が設けられ、樹脂供給装置1はシリンダ状の溶融樹脂の押出機2とカッタホイール8を設けている。押出機2は、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂素材を加熱溶融及び混練して、溶融樹脂を安定に搬送するため内部のギヤポンプに搬送する。ギヤポンプは、導管を介して下向きの押出ノズル4に接続され、押出ノズル4はその下端部に押出開口を形成し、押出開口から略円柱形状に形成されて連続的に下方に押し出されて、カッタホイール8に供給される。カッタホイール8には、回転ターレット9に設けられたカッタで切断された溶融樹脂を把持する把持部材9a(図7のA)が設けられている。
【0012】
ボトル製造部Cには、圧縮成形装置31とブロー成形機52が配設され、圧縮成形装置31には、回転支持体32及び回転支持体32に配設された複数個のキャビティ金型34が備えられている。回転支持体32は、図3に示す場合では、カッタホイール8と反対方向の反時計方向に回転駆動させられる。キャビティ金型34は、回転支持体32の周方向に等間隔をおいて複数個配設されている。
カッタホイール8は、溶融樹脂把持部材の回転軌道とキャビティ金型34の回転軌道の接線が同方向に接し、それらの周速が一致するようにしている。それらの回転軌道の位置または区間では、溶融樹脂の把持部材9a(図7のA)が圧縮成形装置31における圧縮成形金型33のキャビティ金型34の直上方に位置するように同調回転される。こうして、溶融樹脂はキャビティ金型34に配設される。
【0013】
次に、プリフォームの圧縮成形金型とこの圧縮成形金型で成形されるプリフォームについて、詳細に説明する。
先ず、図4に示すプリフォーム5から説明する。
図4のAに示すように、プリフォーム5は、上部から下部に向かって、口部5a、胴部5b及び底部5cを備えている。口部5aには、容器の成形時に飲料などの注入・注出口となる開口5d、キャップの雌ネジが螺着する雄ネジ部5e、該雄ネジ部5eの下部に配置される環状のカブラ部5f、及びネックリング部5gとからなる。プリフォーム5の胴部5bは、ネックリング部5gの下方に形成されるが、本実施形態においては、口部5aと胴部5bとを接続する、接続部5kが設けられている。本実施形態において、接続部5kはプリフォーム5の内壁が該ネックリング部5gの上端部〜下端部から、下方内側に減径し、円錐台の斜面に近い形状の傾斜部5hを経て、口部5aの上部肉厚t1’よりも厚い肉厚t2’を備えた胴部5bへと接続されている。胴部5bは、接続部5kから連続する胴部上5mと、接続部5pを介して接続されている胴部下5nとを備えている。接続部5pはプリフォームの内壁が下方内周面側に減径し、円錐台の斜面に近い傾斜面5qを形成している。胴部上5mは、通常はネックリング下から20mmまでの範囲であり、胴部上5mの肉厚は胴部下5nの肉厚よりも薄く形成しているが、同じにして接続部5pを略してもよい。なお、本方式では少なくともネックリング部5gの下5mmから下部に向かっては後述の肉厚条件を満足させることにより、好適のプリフォーム金型取り出し温度を具現化できる。
【0014】
また、本実施形態において底部5cはほぼ半球形状を有しているが、底部5cの肉厚の少なくとも胴部5bに連続する部分も口部5aの上部肉厚t1’,t3’よりも厚く形成されている。底部5c自体の肉厚はこの部分を延伸若しくはブロー成形するかどうかにより、適宜肉厚を設定してよく、成形する場合はt1’,t3’より厚く、成形しない場合は同等、若しくは薄くする。
後述の圧縮成形金型においては、図6に示すようにプリフォームの肉厚部分を形成する空間が形成され、空間幅t1,t2,t3はそれぞれ、プリフォームの肉厚t1’,t2’,t3’に近い値に設定されるが、圧縮成形する樹脂によっては、収縮率等を考慮して適宜t1’,t2’,t3’に対し僅かに大きい値に設定する。
【0015】
なお、口部5aの上端は、図4のBに示すように角隅がシャープエッジになっている場合でもよいし、図4のCのように、多少、角落としのため面取りが行われるか、若しくは、丸められていてもよい。多少の角落しがされている場合、t1を決めるのにあたり、図4のCに示すように、口部5a外径部上端を形成する金型内径Do(プリフォーム製品の外径doに対応する径)と内径部上端を形成する金型外径di(プリフォーム製品での内径Diに対応する径)を決め、t1=(Do−di)/2とする。なお、内外径部の上端での外径または内径の検査測定が困難な場合は、内外径部の上端近傍で、内外径部の上端と径の値が大きく変わらず検査測定しやすい箇所、例えば口部5aの天面から0.7mm下若しくは2.5mm下など、検査しやすい箇所の寸法を決めてt1を設定・製作してもよい。
【0016】
図5及び図6は、圧縮成形金型を示し、図5は圧縮成形金型が開かれている状態の断面図、図6は圧縮成形金型が閉じられた状態の断面図である。
圧縮成形金型33は、雌型であるキャビティ金型34、雄型であるコア金型35、分割型であるスライドインサート金型36及びキャビティ金型34の外周囲に配設されるガイドリング37を備えている。そして、上下方向の上方にコア金型35が配設され、コア金型35の下部にスライドインサート金型36が配設され、これらの下部にキャビティ金型34が配設される。
【0017】
キャビティ金型34は、ほぼ円柱形状であって、中央部内側上方に円形の開口34aを有するキャビティ38を形成し、キャビティ38は開口34aからほぼ直下方に延びるようにして形成されている。キャビティ38の内周面はプリフォームの外周面を形成する。
コア金型35は上部に支持部35aを設け、支持部35aの下部には支持部35aの下面の中央から下方に延びる略円柱形状のコア本体35bが設けられている。このコア本体35bの外周面は、プリフォームの内面を形成する。そして、コア本体35bが口部5aと胴部5bの境界部である接続部5kの内壁を形成する部分には、下側に向かって半径方向内側へ縮径する縮径部35dを形成し、上述したプリフォーム5の傾斜部5hの部位を形成する。
支持部35aの下面には、コア本体35bと同心円上に配置されている環状凹部35cが上向きに窪むようにして形成されている。
スライドインサート金型36は左右に2分割され、垂直面に対して対称の半円環であり、両者が一体となって環状になる。スライドインサート金型36は、分割型が組み付けられた状態で中央を上下に貫通するノズル形成孔36aが形成されている。ノズル形成孔36aはプリフォーム5の口部(ノズル部ともいう)5aの外周面及び口部5aの上側一部を形成し、雄ネジ5eやカブラ部5f,ネックリング部5gなどを形成するノズル形成部となる。
【0018】
円筒状のガイドリング37は、キャビティ金型34の外周面34eに配置され、その外周面34eを上下方向へ摺動することができる。ガイドリング37の上端部には、上方に向かって半径方向外側に拡径するテーパ状の内円錐台面41aを形成している。プリフォーム圧縮成形金型33の型締め時では、内側円錐台面41aが、スライドインサート金型36の外円錐台面41bを若干摺動した後、当接する初期嵌合部41(図6)を形成する。
図6に示すように、プリフォームの圧縮成形金型33の型締め時では、図4に示すプリフォーム5と同じ空間が形成され、コア本体35bとインサート金型36との間には、プリフォーム5の口部上部肉厚t1’と同じ大きさの隙間t1が形成され、コア本体35bとキャビティ金型34との間には、プリフォーム5のカブラ部5f下からネックリング部5g上までの肉厚t3’、胴部肉厚t2’及び底部肉厚を形成する、肉厚とほぼ同じ大きさの隙間が形成される。
また、説明は省略するが、コア金型35及びスライドインサート金型36には、これらを上下動させる移動手段、スライドインサート金型36にはこれを左右に開閉するスライド機構を備えている。
【0019】
圧縮成形装置31の下流側には、回転式のプリフォームの取り出し機構50(図2,3)が配設され、プリフォーム5を圧縮成形装置31から、ブロー成形機52に移送する。ブロー成形機52は、プリフォームを高圧空気で延伸してPETボトルを成形する。
ボトル製造部Cと下流側連続ラインの充填密封部Dの間には、殺菌処理済み隔壁として、WBZ(Wet Blocking Zone)54(図1)が設けられている。WBZ54は、飲料の一部がボトル製造部Cへ飛散して、成形されるPETボトルの無菌性レベルを劣化させることを阻止する。
【0020】
充填密封部Dは、所定量の飲料をPETボトルに充填する充填機56と、キャップ殺菌部Eから供給されるPETボトルを密封する巻締機58とを備えている。充填機56には、飲料供給部Gで調合され、飲料加熱殺菌機60によって殺菌された飲料などが供給される。
キャップ殺菌部Eは、キャップ供給部Fで供給されるネジ式キャップの殺菌処理を行うキャップ殺菌機59を備えている
圧縮成形装置31、ブロー成形機52、充填機56、巻締機58及びキャップ殺菌機59は、クリーンボックスIに配設される。
クリーンボックスIは、内部を一般環境とほぼ遮断し、清浄化された空気を内部に導入することにより内部を清浄かつ陽圧に保つ、機械設置環境の清浄化手段の一つである。この清浄化された空気は、一般環境からの空気をHEPAフィルタ或いはULPAフィルタを通過させることにより生成される。
【0021】
次に、プリフォームの圧縮成形金型33によるプリフォームの成形手順について説明する。
図3と図7のAを参照にして、キャビティ金型34は回転支持体32によって円軌道を移動する。一方、カッタホイール8に設けられている溶融樹脂43を把持する把持部材9aが、キャビティ金型34とは別途の円軌道上を回転する。なお、図7のAは、圧縮成形装置31の複数ある圧縮成形金型33の1つを示している。初期状態ではキャビティ金型34、スライドインサート金型36及びコア金型35は上下に離間して配置されている。把持部材9aとキャビティ金型34の円軌道は上下方向に1接点(接線)を共通にして、キャビティ金型34のキャビティ38の底部に溶融樹脂43(ドロップ)を供給するように構成されている。
【0022】
把持部材9aは、溶融樹脂43をキャビティ金型34に供給すると、キャビティ金型34の軌道から離れ、図7のBに示すように、コア金型35及びスライドインサート金型36が下降する。次に、左右に開状態であるスライドインサート金型36をコア金型35方向に向けて前進させて、スライドインサート金型36を閉じて環状にする。コア金型35のコア本体35bが、ノズル形成孔36aを貫通した状態となる。
図7のCに示すように、さらにコア金型35が下降すると、コア本体35bの先端部がキャビティ38内に進入し、スライドインサート金型36がガイドリング37に当接する。すなわち、スライドインサート金型36の下側外周部にある外側凸部36dの外円錐台面41bが、ガイドリング37の上側内周面の内円錐台面41aに一時的に当接後、これらの面が互いに嵌合して摺動し、ガイドリング37とスライドインサート金型36とが芯出しされた状態で当接する。また、スライドインサート金型36は、上部で環状突部36bが環状凹部35cと嵌合・当接して嵌合部42を形成する。スライドインサート金型36の下部では外側凸部36dがガイドリング37に嵌合・当接する。
【0023】
図7のCの状態から、さらにコア金型35が下降すると、コア本体35bが溶融樹脂43を圧縮し始める。コア金型35が下降することによって、スライドインサート金型36とキャビティ金型34とが嵌合部40と嵌合部39とで接触する。そして、コア金型35が最下端位置に下降すると、図6に示すように、キャビティ金型34、コア金型35及びスライドインサート金型36によって、溶融樹脂43がプリフォーム形状の隙間が形成され、溶融樹脂43がその隙間を充填し、型締めがなされる。
スライドインサート金型36、コア金型35、キャビティ金型34は、図示しない冷却水の循環により15℃に冷却されているので、型締め時には、図6に示す状態で溶融樹脂43も冷却されていき、型締め時間が長ければ、口部5aの表面温度が低くなる。本実施形態では、プリフォーム5の口部5aの肉厚が薄いので口部5aの表面だけでなく肉厚内部寄りも比較的すばやく冷却されるが、胴部5bと底部5cは口部5aよりも肉厚が厚いので、表面はやや冷え始めても肉厚内部寄りはまだ温度が高い状態である。溶融樹脂43が冷却されて成形金型からの取り出し温度に達すると、圧縮成形金型33の開動作が行われ、コア金型35とスライドインサート金型36が共に上昇する。プリフォーム5は、ノズル形成部がコア金型35によって挟まれているので、コア本体35bと共に上昇する。
【0024】
次いで、図7のDに示すように、コア金型35とスライドインサート金型36との離型が行われ、コア本体35bからプリフォーム5が引き抜かれる。そして、スライドインサート金型36が左右に開かれることによって、プリフォーム5がスライドインサート金型36から取り除かれる。
プリフォーム5は、圧縮成型金型33から離型すると、プリフォーム5の内部温度が高温であるので、内部から外側へ熱が伝わって表面温度は上昇する。プリフォームの肉厚,金型冷却条件にもよるが、プリフォーム表面の温度は通常、プリフォーム5が金型から取り出されてから2秒〜10秒でほぼ最高温度に近い温度に達し、プリフォーム内部との温度差がブロー成形の際の好適範囲まで少なくなる。
【0025】
ところで、圧縮成形終了後の雄型(コア金型)からのプリフォームの取り出しやブロー成形における圧縮エアーのシール(ノズルシール)の際にプリフォーム5の口部5aの変形を防止する観点から口部5aの温度は低い方が好ましく、一方、ブロー成形するためには、胴部5bの温度が低いと近赤外などの赤外線ヒータや熱風、輻射熱などで熱を加える必要がある。胴部5b及び底部5cのブロー成形を行うための表面温度条件は、例えばガラス転移温度が約78℃のPET樹脂の場合、好適な表面温度の下限はプリフォームのガラス転移温度を越えた80℃であり、上限はブロー成形時に白化または偏肉を防ぎ、安定した成形性を得るため120℃に制約され、この温度範囲内でプリフォームの胴部5bに温度分布をつけてブロー成形することで、成形後のボトルの肉厚分布を調整するようにしてよい。なお、下限値を若干下回る表面温度(70℃程度)であればプリフォームの肉厚内部寄りの温度は表面より高いので、加熱なしでもブロー成形が可能な場合もあり、プリフォームに温度分布をつける必要があれば該当部分を赤外線ヒータ等の加熱装置により短時間で加熱することにより、多大な加熱装置を用いないでもブロー成形が可能となる。また、プリフォームが上限値を超える表面温度(例えば130℃程度)の場合や、下げ方向でプリフォームに温度分布を付ける場合、圧縮成形からブロー成形までの間にプリフォーム表面の該当部分を僅かに空冷することにより良好なブロー成形性が得られる。
【0026】
圧縮成形において型締め時間が長いとプリフォームの冷却時間が長くなり、口部5aの変形のおそれは少なくなるが、ブロー成形に必要な温度にプリフォームを加熱する必要が生じる。型締め時間が短いと、ブロー成形に必要な温度には達するが、口部5aの変形が生じる。したがって、口部5aの冷却と、胴部5bをブロー成形するための温度を同時に制御するのが困難であり、口部5aの変形を防止するため口部5aの温度を低く調整すると、胴部5bの温度も低くなり、加熱装置などの多大な付帯設備を必要とした。
本実施形態では、プリフォームの口部5aの上部肉厚t1’,カブラ下乃至ネックリング上肉厚t3’を薄くし、胴部5bの肉厚t2’を大きく(;金型においては前述のt1,t3を狭く、t2を広く)しているので、口部5aは速く冷却し、胴部5b及び底部5cの温度が高く維持される。したがって、赤外線ヒータなどの加熱装置の使用を軽減、さらには不要にすることができる。
【0027】
なお、口部5aの上部はキャップとの嵌合による内容物の密封性を確保する上で、寸法安定性を確保することが重要であるため、口部5aの上部肉厚t1’を形成する金型の空間幅t1を胴部5bの肉厚t2’を形成する金型の空間幅t2の基準とした。また、口部5aのうち、口部5aの先(上)端部の肉厚を問題としているのは、ブロー成形時には高圧エアーのシール(密封)のために口部先端に1000N程度の荷重がかかるため、口部先端がその荷重に耐えうるようにするためである。
また、カブラ下の肉厚が胴部の肉厚に近いとブロー成形時にこの部分もブロー成形圧力(圧縮エアー圧力;約3MPa)により変形してしまうため、カブラ下の肉厚t3’を形成する金型の空間幅t3もt2の基準とした。
また、殺菌に関する観点から、プリフォームの取り出し温度は、高ければ高いほどプリフォームの「加熱殺菌状態」にとって好ましい。本実施形態では、プリフォーム5の表面の最低温度箇所は少なくとも60℃以上とすることにより、プリフォーム5の殺菌状態が維持される。
【0028】
図1に示すように、圧縮成形装置31の回転方向の下流側には、キャビティ金型34から成形されたプリフォーム5を取り出す取り出し機構50を配設し、図7のDに示すように、スライドインサート金型36から取り除かれたプリフォーム5は、図示しない取り出し機構50によって下流側のブロー成形機に回転搬送される。
成形されたプリフォーム5は、取り出し機構50に受け渡される。この取り出し機構50において、プリフォームの搬送中に温度が低い場合は、赤外線ヒータなどでプリフォーム5を加熱する必要があるが、本実施形態では胴部5b及び底部5cの温度が高いので、赤外線ヒータによる加熱を省略、又は軽減することができる。
すなわち、圧縮成型金型33より圧縮成形が終わったプリフォームが逐次連続して取り出されブロー成形機52に投入されるため、ブロー成形機52の成形速度が圧縮成形金型33の成形速度以上であれば、圧縮成形されたプリフォームはブロー成形までの待機時間がなく、すぐさまブロー成形が可能となる。取り出し機構50からブロー成形機に搬送されたプリフォーム5はブロー成形金型にセットされ、高圧空気が注入され縦、横方向に延伸して容器に成形される。なお、圧縮成形装置31、取り出し機構50およびブロー成形機52を歯車等により機械的に連結させるか、若しくはサーボモータにより電気的に同期させ、圧縮成形されたプリフォームがブロー成形までの時間を一定とすると、ブロー成形直前の個々のプリフォーム温度のばらつきを抑えることができるので、安定したブロー成形が可能となる。
【0029】
充填機56は、予め高温無菌水によって加熱殺菌処理された充填ライン(送液ライン)を介して所定量の飲料をPETボトルに充填する。巻締機58は、キャップ殺菌部Eから供給される殺菌処理済みのネジ式キャップを飲料充填済みPETボトルの口部に巻き締めて密封する。キャップ殺菌部Eでは、例えば、EB(電子線)照射装置、UV(紫外線)照射装置、または過酢酸リンサーなどを使用できる。
このように本実施形態では、各装置をクリーンボックスIによって内部と外部とをほぼ遮断することによって、殺菌効果を高くして飲料をPETボトルに充填することができる。クリーンボックスIの内部は、定期的に殺菌洗浄され、従って定期的に初期の無菌性レベルにリセットされる。
【実施例】
【0030】
以下、本発明の実施例について説明する。
図8は、15℃に設定された金型内で、ガラス転移温度が約78℃であるPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂製のプリフォームを金型取り出し後、プリフォーム肉厚(に相当する金型空間幅)に対する、所望の最高温度まで到達させるのに必要な圧縮成形金型の型締め時間(型閉による金型冷却時間)の関係を示す線図である。縦軸が金型冷却時間(秒)を示し、横軸にプリフォームの肉厚(に相当する金型空間幅)(mm)を示す。
図8から、所望の最高到達温度と金型冷却時間が決まっているときは、逆にプリフォームの肉厚も求めることができ、例えば所望の最高到達温度を60℃として、冷却時間を4秒とした場合、プリフォーム肉厚(に相当する金型空間幅)は1.70mm,冷却時間を5秒としたときは1.82mmである。(線図では読み取り難いため、正確な数値を示す。)なお、肉厚(に相当する金型空間幅)が1.40mm未満では、プリフォームの圧縮成形が困難なため、線図を描いていない。
【0031】
上述したように、ブロー成形を行うためのプリフォームの成形直後の好適な表面温度はプリフォームのガラス転移温度(;約78℃)以上であり、概ね80℃〜120℃である。この温度範囲内でプリフォームの胴部5bに温度分布をつけてブロー成形することで、成形後のボトルの肉厚分布を調整する。容器について殺菌効果を必要としない場合では、プリフォームの5の口部(ノズル部)5aの変形を抑制するため、口部5aの温度は低い方が好ましく、60℃以下とすればよい。
一方、ブロー成形するための条件として胴部5bは上述したように、80〜120℃の範囲にする必要があり口部5aの温度と温度差がある。この温度差を解決するため、口部5aの肉厚(に相当する金型空間幅)を胴部5bの肉厚(に相当する金型空間幅)よりも薄くして、口部5aの冷却を速く行うようにした。
そこで、ブロー成形を行うための条件を、口部5aの上部肉厚(に相当する金型空間幅)t1またはカブラ下乃至ネックリング上の肉厚(に相当する金型空間幅)t3と、胴部5bの肉厚(に相当する金型空間幅)t2との比(t2/t1)または(t2/t3)を図8の線図を参照にして求めた。
【0032】
【表1】

【0033】
表1は、左1列に圧縮成形金型の型締め時間と、左2列と左3列に型締め時間毎のプリフォームの成形後の最大到達表面温度を上限30℃、60℃とするための口部5aの肉厚(に相当する金型空間幅)を図8から求めている。また、左4列と左5列にプリフォーム成形後のブロー成形条件の下限温度80℃、上限温度120℃を満たすための胴部5bの肉厚(に相当する金型空間幅)を図8から求めている。
そして、左6列から左8列では、本実施例の目的である左2列および左3列で求めた口部5aの上部肉厚(に相当する金型空間幅)t1またはカブラ下乃至ネックリング上の肉厚t3と、左4列および左5列で求めた各温度の胴部5bの肉厚(に相当する金型空間幅)t2の肉厚(に相当する金型空間幅)比(t2/t1)または(t2/t3)を求めた。
その結果、ノズル温度を30℃から60℃までとすると、型締め時間が3〜8秒の範囲内では、肉厚(に相当する金型空間幅)比を1.18〜2.11倍の範囲内にすれば、ブロー成形の条件を満たす。また、ノズル温度を60℃にする場合は、型締め時間が3〜8秒の範囲内では、肉厚(に相当する金型空間幅)比を1.18〜1.56倍の範囲内にすれば、ブロー成形の条件を満たす。
【0034】
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の変形あるいは変更が可能である。
例えばプリフォーム胴部5bを形成する金型空間幅t2が本発明の条件を満たしていれば、その条件範囲内で幅を変更してもよい。また、底部5c,接続部5kの金型空間幅については本発明の条件を満たしていてもよいし、狭くなる方向であれば満たしていなくてもよい。それは、例えば底部を十分に延伸する必要のない容器であれば、プリフォーム底部中心近傍を比較的薄肉にして冷える条件に設定していても問題ないためである。接続部5kについても、同様である。
また、接続部5kまたは5pは、プリフォーム外面側を形成する金型の径を変更することによって設けてもよい。
さらに、円錐台形状の傾斜部5hを備えた接続部5kは省略して、口部5aと胴部5bが内面側で階段状に(;5hの箇所が水平になるよう)接続してもよい。
また、圧縮成形金型はキャビティ(金型空間)さえ、本発明の条件を満たせば、分割組み付け位置,機構は問わず、公知のものを使ってよい。
また、圧縮成形装置、ブロー成形装置についても、プリフォームを圧縮成形後、(必要に応じて加えられた簡易な温度調整装置を通り、)速やかにブロー成形機にてブロー成形できる構成であれば、レイアウトは特に問わない。
さらに本発明は、無菌環境下におけるプリフォーム成形,ボトル成形,飲料充填システム上での運用に限らず、通常環境下で、プリフォーム圧縮成形からボトル成形まで連続成形する際に運用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、圧縮成形後、金型から取り出されたプリフォームは高い温度を有しているため、無菌性の望まれる容器製造・内容液充填システムに好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0036】
2 押出機
5 プリフォーム
5a 口部(ノズル)
5b 胴部
5c 底部
5f カブラ部
5g ネックリング部
5h 傾斜部
8 カッタホイール
31 圧縮成形装置
33 圧縮成形金型
34 キャビティ金型
35 コア金型
36 スライドインサート金型
52 ブロー成形機
A PETボトル無菌充填システム
C ボトル製造部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製ブロー成形容器を形成するための口部、胴部及び底部を有するプリフォームを圧縮成形するための空間を形成する雌型と雄型とを備えたプリフォーム圧縮成形金型であって、
前記プリフォームの口部上端部の肉厚を形成する空間幅(t1)に対し、
プリフォームの胴部から底部までの肉厚を形成する空間幅のうちの少なくとも胴部の空間幅(t2)が1.18〜2.11倍の範囲にあるとしたプリフォーム圧縮成形金型。
【請求項2】
合成樹脂製ブロー成形容器を形成するための口部、胴部及び底部を有するプリフォームを圧縮成形するための空間を形成する雌型と雄型とを備えたプリフォーム圧縮成形金型であって、
前記プリフォーム口部のカブラ部下方からネックリング部上方までの肉厚を形成する空間幅(t3)に対し、
プリフォームの胴部から底部までの肉厚を形成する空間幅のうちの少なくとも胴部の空間幅(t2)が1.18〜2.11倍の範囲にあるとしたプリフォーム圧縮成形金型。
【請求項3】
溶融温度以上に加熱・溶融された合成樹脂を請求項1または2に記載の圧縮成形金型によってブロー成形容器のプリフォームへ圧縮成形する圧縮成形工程と、
前記圧縮成形後の金型冷却の後、プリフォームを圧縮成形金型から取り出す金型取り出し工程と、
金型取り出し工程後のプリフォームをブロー成形して容器を形成するブロー成形工程とを含む合成樹脂製ブロー成形容器の製造方法。
【請求項4】
合成樹脂製ブロー成形容器を形成するための、請求項1に記載の圧縮成形金型によって圧縮成形及び冷却され金型から取り出されたプリフォームであって、
プリフォームの口部上端部の肉厚(t1’)に対し、
プリフォームの胴部から底部までの肉厚うちの少なくとも胴部の肉厚(t2’)が1.18〜2.11倍であるプリフォーム。
【請求項5】
合成樹脂製ブロー成形容器を形成するための、請求項2に記載の圧縮成形金型によって圧縮成形及び冷却され金型から取り出されたプリフォームであって、
プリフォームの口部のカブラ部下方からネックリング部上方までの肉厚(t3’)に対し、
プリフォームの胴部から底部までの肉厚うちの少なくとも胴部の肉厚(t2’)が1.18〜2.11倍であるプリフォーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−247336(P2010−247336A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95940(P2009−95940)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】