説明

プリプレグの製造方法、積層板、回路板および測定方法

【課題】プリプレグに形成されている樹脂層の厚さを迅速に、かつ、正確に測定する測定方法、プリプレグの製造方法、積層板、および、回路板を提供すること。
【解決手段】基材1に樹脂成分を塗布して樹脂層2を得る工程と、樹脂層2にエックス線4を照射し、基材1および樹脂層2のいずれか一方または両方から発生する蛍光エックス線5の強度の測定値を測定する工程と、予め、蛍光エックス線5の強度と樹脂層2の厚さとの関係を取得し、測定値および関係に基づいて、樹脂層2の厚さを算出する工程と、樹脂層2の厚さを判別する判別工程と、樹脂層2の厚さが規格外であれば報知するとともに、基材に塗布する樹脂成分の量を調整する工程と、を含む工程からなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリプレグの製造方法、積層板、回路板および測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型化、高機能化に伴い、搭載されるプリント配線板に用いられる材料には、小型化、薄型化、高集積化、高多層化、高耐熱化に対応できる品質が求められている。これらの要求に伴い、プリント配線板の反りが問題となっている。
【0003】
プリント配線板に反りが発生すると、実装工程において、部品の取り付け不良、接続不良、製造ラインでのひっかかりなど不具合が発生する。また実装後の製品においても、冷熱サイクル試験において、プリント配線板が反っていると、プリント配線板と実装部品の間にストレスが発生しやすく、スルーホールの断線、部品接続部分の断線など起きやすい。
プリント配線板の反りを引き起こす要因として、配線パターンの銅残存率、部品位置、表面レジスト開口率などの偏在性が、また、積層時、リフロー時の、成形加工条件などが考えられる。さらに、プリント配線板に使用される積層板についても、構成部材である、銅箔、プリプレグや、基材構成なども、プリント配線板の反りに影響する。
【0004】
プリプレグ起因でプリント配線板が反る要因のひとつに、プリプレグ表面に形成されている樹脂厚の不均一性があげられる。基材と熱硬化性樹脂から構成されるプリプレグの表面樹脂厚さが表裏で偏っているプリプレグを用いた積層板は、樹脂厚みが厚い一方の面側が、他方の面側よりも、熱線膨張係数が高くなる。すなわち、積層板を高温に曝すと、樹脂厚みが大きい面が、樹脂のガラス転移温度に達するまで、凸に反るという現象が発生する。
【0005】
これまで、例えば特許文献1に示されるように、表層の両面側の樹脂組成物重量の比率が45〜55重量%とほぼ均一であることが容易に類推できるものの、表層の樹脂厚さを求める方法として、あらかじめ秤量した粘着テープをプリプレグ表層に強く押し付けて、表層の樹脂組成物を粘着テープに接着させその重量を測定することが提案されている。しかし粘着テープを用いる場合、確実に樹脂を剥離できないために、表層の樹脂量測定の精度に問題があった。
さらに、プリプレグ表面の表裏樹脂厚さを測定する方法としては、プリプレグを切断し、その断面を顕微鏡で観察する方法があるが、切断時の粉落ち、内部ガラスクロスのほつれなどで、断面を正確に観測できない問題がある。また、測定に多大な時間を要するため、プリプレグ表面の樹脂厚さを正確に測定しながらプリプレグを製造することは困難であった。
【特許文献1】特開2000−198113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、プリプレグに形成されている樹脂層の厚さを迅速に、かつ、正確に測定するプリプレグの製造方法、積層板、回路板および測定方法を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるプリプレグの製造方法は、基材の上に形成された樹脂層の厚さを測定するプリプレグの製造方法であって、前記基材に樹脂成分を塗布して樹脂層を得る工程と、前記樹脂層にエックス線を照射し、基材および樹脂層のいずれか一方または両方から発生する蛍光エックス線の強度の測定値を測定する工程と、予め、蛍光エックス線の強度と樹脂層の厚さとの関係を取得し、前記測定値および前記関係に基づいて、前記樹脂層の厚さを算出する工程と、前記樹脂層の厚さを判別する判別手段を有し、前記樹脂層の厚さが規格外であれば報知する報知手段を有するとともに、前記樹脂層の厚さが規格外の時、基材に塗布する樹脂成分の量を調整する調整部材を有する工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明による測定方法は、基材の上に形成された樹脂層の厚さを測定する測定方法であって、 一方に樹脂層が形成された前記基材を用意する工程と、前記樹脂層にエックス線を照射し、基材および樹脂層のいずれか一方または両方から発生する蛍光エックス線の強度の測定値を測定する工程と、予め、蛍光エックス線の強度と樹脂層の厚さとの関係を取得し、前記測定値および前記関係に基づいて、前記樹脂層の厚さを算出する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明において、予め蛍光強度と樹脂層の厚さの関係式に基づいて検量線を作成することにより、迅速にかつ正確にプリプレグに形成された樹脂層の厚さを測定することができる。
【0010】
また、前記算出された前記樹脂層の厚さが所定の規格を外れる場合、外れたことを報知する報知工程を含んでいてもよい。これにより、樹脂層の厚さが規格を外れたとしても、迅速に厚さを制御する製造工程に測定値をフィードバックすることが可能となる。
【0011】
さらに、前記樹脂層にエックス線を照射し、発生する蛍光強度の測定値を測定する工程が、前記基材の両面側に設けられていてもよい。これにより、基材の両面側に測定する工程を設けることにより、基材の両面側に形成された樹脂層の厚さをより正確に、均一にでき、基材としてガラス織布を用い樹脂層を形成したプリプレグとしたとき、このプリプレグを少なくとも一枚以上用いて積層成形して得られた積層板は、反りの少ない積層板を提供することができる。
【0012】
また、これらの製造方法で得られたプリプレグを、少なくとも一枚積層成形してなる積層板を提供することができる。
【0013】
さらに、積層板を、回路加工してなる回路板を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、プリプレグに形成されている樹脂層の厚さを迅速に、かつ、正確に測定する測定方法、プリプレグの製造方法、積層板、および、回路板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の測定方法、プリプレグについて説明する。
【0016】
本発明による測定方法の好適な実施形態について説明する。図1、図2に示すように、基材1の上に形成された樹脂層2の厚さを測定する測定方法であって、一方に樹脂層2が形成された基材1を用意する工程と、樹脂層2にエックス線4を照射し、基材1および樹脂層2のいずれか一方または両方から発生する蛍光エックス線5の強度の測定値を測定する工程と、予め、蛍光エックス線5の強度と樹脂層2の厚さとの関係を取得し、測定値および関係に基づいて、樹脂層2の厚さを算出する工程と、を含む測定方法である。ここで樹脂層2の厚さとは、基材1の表面と、樹脂層2の基材1とは反対側の表面の、平均的な距離をあらわす。また樹脂層2の厚みを算出する工程において、X線厚み計、超音波厚み計、光学式厚み計、接触式厚み計などを補助的に用いてもよく、また算出値は代用できるものであれば何れでもかまわない(実施例の検量線の作成など)。
【0017】
エックス線4を樹脂層2に照射すると、図1、図2に示すように、基材1または樹脂層2に存在する元素から蛍光エックス線5が発生し、各種元素の存在量に対応する反射蛍光値が得られる。ここで基材1中から発生する蛍光エックス線5は、樹脂層2の厚さによって減衰するので、予め蛍光強度と樹脂層2の厚さとの関係(検量線)を作成することによって、樹脂層2の厚さを定量することができる。また、樹脂層2から発生する蛍光エックス線5についても、樹脂層2が厚くなると、蛍光値が増大することから、予め検量線を作成することによって、樹脂層2の厚さを定量することができる。いずれも樹脂層2の厚さを、非接触でかつ高速に、さらに正確に測定することができる。これにより、例えば、基材1の樹脂層を制御しながら塗布するプリプレグを製造することができるので、樹脂厚み差が制御されたプリプレグを製造することが可能になる。また、発生する蛍光エックス線5は、照射されたエックス線4によって、基材1または樹脂層2から反射した蛍光エックス線を測定している。そして、蛍光エックス線5の強度は、エックス線4を所定の角度で入射させ、正反射方向に発生する蛍光エックス線5の強度を測定することにより検出感度が増大するため好ましい。
【0018】
樹脂層2にエックス線4を照射し、発生する蛍光エックス線5の強度の測定値を測定する工程が、基材1の両面側に設けられていてもよい。例えば片面のみの測定であると、基材1に樹脂成分が一定の割合で塗布されていなければ、樹脂層2が基材1に対して、表裏に均等に塗布されていることが確認できない。両面からの反射蛍光強度を測定することによって、表裏の樹脂厚さを迅速に測定することが可能になるため、この測定方法をプリプレグの製造に適用した場合、表裏の樹脂厚さを一定に制御されたプリプレグを製造することが可能になるため、積層板としたとき、反りの少ない積層板とすることができる。
【0019】
また、算出された樹脂層2の厚さが所定の規格を外れる場合、外れたことを報知する報知工程を含んでいてもよい。報知する方法としては、特に限定されないが、例えば音を利用した警報器、光を利用したランプなどを用いることができる。また、報知すると同時に、後述する規制手段を同時に制御することにより自動的に樹脂層の厚さを所定の規格値内に入るようにするようにしてもよい。これにより、均一な樹脂層2をもったプリプレグとすることができる。また、基材1の一方の面側の樹脂層2aと、他方の面側の樹脂層2bとにエックス線4を照射し、発生する蛍光値の強度差が所定の規格値を外れたとき報知するようにしてもよい。両面からの反射蛍光強度5を測定することによって、表裏の樹脂厚さをより一定に制御することが可能になるため、積層板としたとき、反りの少ない積層板とすることができる。
【0020】
蛍光エックス線5は、基材1または樹脂層2の特定の原子から発生する蛍光エックス線5の強度の測定値を測定することにより得られる。例えば、基材1としては、ガラス繊維基材であることが好ましい。これは、樹脂基材、紙基材に比べガラス基材成分には、比較的重元素であるケイ素、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムが含まれており、基材1からの蛍光エックス線5を測定しやすく好ましい。中でもカルシウムからの蛍光エックス線は強度が空気中でも減衰されにくいのでより好ましい。このように、エックス線4をプリプレグに照射したとき、ガラス繊維基材に含まれるCa成分の蛍光エックス線5が発生し、この蛍光エックス線5がガラス繊維基材に形成されている樹脂層2を通過するとき減衰する。この減衰量を、予め樹脂層2を形成する樹脂成分毎に厚さとの関係を取得しておけば、樹脂層2の厚さを測定することが可能となる。
【0021】
樹脂成分は、ハロゲン化合物を含んでいてもよい。ハロゲン化合物の蛍光X線強度は、炭素、窒素、酸素などの一般的な樹脂成分に比べ蛍光エックス線強度が強いので検量線の作成精度を向上することができる。このように、ハロゲン化合物を含む樹脂層2にエックス線4を照射すると、樹脂成分中のハロゲン成分から蛍光エックス線5が発生し、ガラス繊維基材の場合とは逆に、樹脂層2の厚さが厚いほど発生する蛍光エックス線量が積算されることになる。この積算量を、予め樹脂層2を形成する樹脂成分毎に取得しておけば、樹脂層2の厚さを測定できることになる。これにより、樹脂層2にハロゲン成分が含まれない場合は、ガラス繊維基材に含まれるCa成分からの蛍光エックス線5の減衰量から算出される。また、樹脂層2にハロゲン成分が含まれる場合には、ハロゲン成分からの蛍光エックス線5の積算量、または、ガラス繊維基材に含まれるCa成分からの蛍光エックス線5の減衰量のいずれかを選択することにより、樹脂層2の厚さを測定することができる。
【0022】
次に、プリプレグの製造方法について説明する(図3)。
【0023】
本発明のプリプレグの製造方法は、基材1の上に形成された樹脂層2の厚さを測定するプリプレグの製造方法であって、基材1に樹脂成分を塗布して樹脂層2を得る工程と、樹脂層2にエックス線4を照射し、基材1および樹脂層2のいずれか一方または両方から発生する蛍光エックス線5の強度の測定値を測定する工程と、予め、蛍光エックス線5の強度と樹脂層2の厚さとの関係を取得し、測定値および関係に基づいて、樹脂層2の厚さを算出する工程と、樹脂層2の厚さを判別する判別工程と、樹脂層2の厚さが規格外であれば報知するとともに、基材に塗布する樹脂成分の量を調整する工程と、を含む工程からなっている。
【0024】
基材1は、長尺の基材であって、基材1を一定方向に送りながらプリプレグの製造を連続しておこなってもよい。これにより、樹脂層2の厚さを連続して測定することが可能となる。(図3)
【0025】
また、調整手段としては、長尺の基材1に樹脂層を形成する工程において、長尺の基材1の送り方向に対して略直交する幅方向の全幅に設けられ、基材1と所定の間隙(クリアランス)を有し、このクリアランスを調整することにより、基材1に塗布する樹脂成分の量を変える調整部材10が設けられていることが好ましい。これにより、例えば、樹脂層表面からの反射蛍光値を、基材1の幅方向に測定し、測定値が幅方向で一定になるよう樹脂成分量を調整することで、面内の平滑性に優れるプリプレグ15を作成することができる。また、プリプレグ15の送り方向と略直交する幅方向に、エックス線4の照射箇所を移動させるようにしてもよい。これにより、幅方向に対しても、連続して樹脂層厚さを測定することが可能となる。
【0026】
調整部材10としては、特に長尺状のプリプレグの表裏樹脂厚み差を全面にわたって均一に製造する場合、幅方向に樹脂成分量を調整できることが好ましく、例えば、ディップ法であれば、含浸ロール、天頂ロール、スクイーズロール、キスロールなど各種中間のロールの位置調整部材、またコンマコーター、スクイーズロールコーター、ワイヤーバー、サポートバー、など一旦付着した樹脂を幅方向に調整する調整部材10、さらに、ダイコーター、キスコーター、グラビアコーターのような付着樹脂量を調整できるような調整部材10などがあげられるが、これらを組み合わせて使用してもよい。流れ方向の樹脂成分量についても、ラインスピード調整機構以外に幅方向調整装置と同様な装置が使用できる。幅方向および流れ方向の調整部材は、蛍光エックス線測定装置と連動していることが好ましく、オンラインで調整できることがさらに好ましい。
【0027】
また、予め、蛍光エックス線5の強度と樹脂層2の厚さとの関係を取得し検量線を作成しておく(図4および図5)。これにより、作成した検量線に基づいて、樹脂層2の厚さを算出することができる。そして、算出した樹脂層2の厚さを判別する。樹脂層2の厚さが規格外であれば報知する。報知する方法としては、特に限定はされないが、例えば、音(ブザー、警報音)および光(パトライト、点滅灯)、振動などを単独または組合わせて用いることができる。
【0028】
基材1の両面側に対してエックス線照射して測定するプリプレグの製造方法としてもよい。これにより、両面からの反射蛍光強度を測定することによって、表裏の樹脂厚さを一定に制御することが可能になるため、積層板としたとき、反りの少ない積層板とすることができる。また、基材1の一方の面側の樹脂層2aと、他方の面側の樹脂層2bとにエックス線を照射し、発生する蛍光値の強度差が規格値以内であることが好ましい。これにより、表裏樹脂厚差の小さい、高品質なプリプレグが製造可能となり好ましい。また、積層板としたとき、反りが小さいので、回路板に使用した場合、実装時の不良、不具合を低減でき、また製品としても、スルーホール、部品接続部分の信頼性が向上し好ましい。以上のようにしてプリプレグを得ることができる。
【0029】
次に、基材に樹脂成分を含浸させてプリプレグとするための樹脂成分について説明する。
【0030】
本発明に用いる樹脂成分は、特に限定はされないが、熱硬化性樹脂が好ましい。例えばエポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノキシ樹脂、又はポリイミド樹脂等が挙げられ、これらを併用しても良い。
【0031】
エポキシ樹脂としては、特に限定はされないが、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられ、これらを単独又は複数種併用してもよい。
【0032】
シアネート樹脂としては、特に限定はされないが、例えばハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。具体的には、ノボラック型シアネート樹脂やビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等を挙げることができ、これらを単独又は複数種併用してもよい。
【0033】
フェノキシ樹脂としては、特に限定はされないが、例えばビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ノボラック骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられ、これらの骨格を複数種類有した構造のフェノキシ樹脂を用いることもできる。またこれらを単独、又は複数種併用してもよい。
【0034】
ポリイミド樹脂としては、特に限定はされないが、その前駆体であるものも含み、公知のジアミンと酸無水物を反応させて成るものである。用いられるジアミンとしては、例えば、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2’-メトキシ-4,4’-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。また、酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、3,3’, 4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’, 4,4’-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸無水物が挙げられる。ジアミン、酸無水物はそれぞれ、その1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。
【0035】
さらに、用いる熱硬化性樹脂にあわせ、適宜硬化剤を用いることができる。硬化剤としては、公知のものを使用することがでる。例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドルキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系化合物が挙げられる。
【0036】
樹脂成分には、無機充填材を含んでも良い。前記無機充填材としては、特に限定はされないが、例えばタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。
【0037】
熱硬化性樹脂と無機充填材とを用いる場合は、さらにカップリング剤を含むことが好ましい。カップリング剤は、特に限定はされないが、例えばエポキシシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、及びシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられ、それらを単独または複数併用してもよい。カップリング剤を含むことで、熱硬化性樹脂と無機充填材との界面の濡れ性が向上し、界面強度が高くなり、溶融粘度が低くなる。
【0038】
樹脂成分は、さらに必要に応じて消泡剤、レベリング剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有することができる。
【0039】
本発明に用いる基材1は、例えば、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等を主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材等の有機繊維基材等の繊維基材、ポリエステル、ポリイミド等の樹脂フィルム等を含んでも良い。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、絶縁樹脂層の弾性率を高くすることができる。また、絶縁樹脂層の熱膨張係数を小さくすることができる。
【0040】
また、基材1の両面側に樹脂層2を形成する方法としては、特に限定はされないが、溶剤で樹脂成分を希釈した溶液の中に基材1を含浸するディップ法、基材1の両側からダイコーターなどを用いて溶剤で樹脂成分を希釈した溶液を塗布する方法、また基材1の両側から噴霧装置などを用いて、溶剤に希釈した樹脂成分をスプレイする方法などが挙げられ、これらを単独又は複数種併用してもよい。
【0041】
本発明の反射蛍光値を測定する工程において、蛍光エックス線5の測定方法としては、測定装置を製造ライン上に備え、連続的に、オンラインで測定してもよいし、プリプレグを製造しながら、1部サンプルを抜取り、オフラインで測定してもよい。測定結果を製造条件に迅速にフィードバックできることから、前者の測定方法が好ましい。
本発明に用いる反射蛍光エックス線の分光方法としては、結晶を用いて分光する波長分散型、および半導体検出器を用いるエネルギー分散型が挙げられるが、特に限定されない。波長分散型は結晶により分光するため、エネルギー分解能は高いが、スリットを使うので発生した蛍光エックス線の一部しか使えないため検出効率はあまりよくない。一方エネルギー分
散型は、エネルギー分解能はあまりよくないが検出効率がよい。
反射蛍光X線は、基材1、樹脂層2に含まれる、いずれかの元素を用いても良いが、基材1および樹脂層2に同時に存在しないもの、または同時に存在するとしても、単位面積あたりの重量比が1%以下であることが好ましい。さらに反射蛍光X線を測定する元素濃度は、基材1および樹脂層2ともに一定であることが好ましく、単位体積あたりの含有率バラツキは平均値±10%以下であることが好ましい。
【0042】
次に、積層板について説明する。
【0043】
本発明の積層板は、プリプレグを、少なくとも一枚積層成形してなる積層板である。プリプレグ、銅箔、アルミ箔などの金属箔を積層し、加熱・加圧することにより得ることができる。前記加熱する温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。また、前記加圧する圧力は、特に限定されないが、1〜5MPaが好ましく、特に2〜4MPaが好ましい。
【0044】
次に回路板について説明する。
【0045】
本発明の回路板は、積層板を、回路加工してなる回路板である。回路板は、積層板から得られる。回路板、は一般的にコアと呼ばれる内層回路基板上にプリプレグあるいはビルドアップ材と呼ばれるフィルム付き絶縁樹脂シート、または銅箔付き絶縁樹脂シートを積層することにより得られる。本発明のプリプレグおよび銅張積層板は、前記内層回路基板、あるいは内層回路基板上のプリプレグ、フィルム付き絶縁樹脂シートとして好適に使用される。
【実施例】
【0046】
以下、本発明の測定方法、プリプレグの製造方法、積層板の実験例について説明するが、これに限定されるものではない。
【0047】
(液状樹脂組成物の調製)
(樹脂成分A)
テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製・「エピコート5047」、エポキシ当量550)85重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製・「エピクロンN−690」、エポキシ当量210) 15重量郎、ジシアンジアミド2.3重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.1重量部をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、不揮発分濃度55重量%の液状樹脂組成物を調製した。
【0048】
(樹脂成分B)
ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量275、日本化薬社製NC−3000)28.6重量%、ビフェニルノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量205、明和化成社製MEH−7851)21.4重量%、水酸化アルミニウム (ナトリウム含有率0.04%、平均粒径4.5μm、住友化学社製CL−303)49.9重量%、2−メチルイミダゾール0.1重量%にメチルエチルケトンを加え、不揮発分濃度65重量%の液状樹脂組成物を調整した。
【0049】
(基材)
(基材C)
厚さ0.18mm、幅1000mmの長尺シート状のガラス織布( 日東紡社製・「WEA−7628」)を用いた。
(基材D)
厚さ0.027mm、幅1000mmの長尺シート状のガラス織布( 日東紡社製・「WEA−1035」)を用いた。
【0050】
(蛍光X線の測定条件)
測定は下記の装置および条件で行った。
装置:日本電子製JSX3211
ターゲット:Rh
電圧:30Kv
電流:0.096mA
測定時間:300s
サンプルサイズおよびエックス線照射面積:φ30mm
測定環境:真空
測定位置:500mm x 500mmのプリプレグを切り出し、200mm間隔の格子上の9点における、表裏の蛍光X線強度の平均を求めた。
【0051】
(検量線の作成)
図3に示す装置を用いて、基材Cに樹脂成分Aを塗布し、コンマコータを調整し樹脂層の含有量が50重量%でかつ、表面の樹脂厚みの異なるプリプレグを5水準作製した。このものを170℃の加熱乾燥装置で15分間加熱乾燥し、任意のφ30mmにおける、一方の面の蛍光X線を測定した。また蛍光X線を測定した部分の樹脂厚みはマイクロスコープの断面観察により以下のように求めた。まず蛍光X線測定面から、基材の中心位置までの距離を求め、そこから基材の半分の距離(0.09mm)を差し引いて求めた。蛍光X線の積分強度と樹脂厚みの関係を検量線1(図3)に示す。
また基材Cの代わりに基材D、樹脂成分Aの代わりに樹脂成分Bを用いて表面の樹脂厚みの異なる樹脂層の含有量が60重量%プリプレグを作製し、検量線1と同様検量線2(図4)を作成した。
【0052】
(積層板の作製)
下記条件で銅張積層板を作製した。
サイズ:500mm x 500mm
構成:プリプレグ5枚を両面銅箔粗化面で挟む。
銅箔:厚み18μ(日本電解製YGP−18)
プレス条件: 加熱温度 130℃25分、180℃50分
圧力 3MPa
真空度 30mmHg
【0053】
(反りの測定)
500mm x 500mmの積層板の中央部から、180mm x 180mmの基板を4枚切り出し、3次元寸法測定機(Mitutoyo製QVC-2)を用いて、各基板の最大高さと最小高さの差の平均を求め、反り量とした。
【0054】
(実験例)
図3に示す装置を用いて、基材Cに樹脂成分Aを塗布して樹脂層を得た。基材の搬送速度は5m/分とし、塗布後の基材を180℃の加熱乾燥装置で2分間加熱乾燥して、樹脂層の含有量が50重量%であるプリプレグを製造した。樹脂成分にハロゲン成分が含まれるので、樹脂層にエックス線を照射し、樹脂層から発生する蛍光エックス線の強度(ハロゲン成分の積算量)の測定値を測定した。樹脂層の厚さが規格外であったため報知装置が作動した。その時の蛍光線量は19564カウントであり、裏面は6304カウントであった(実験例1)。予め、蛍光エックス線の強度と樹脂層の厚さとの関係を取得した測定値および関係(検量線1)に基づいて、樹脂層の厚さを算出した。表面が44μm、裏面が62μmであったので、調整部材としてコンマコータを用いて、基材とコンマコータとのクリアランスを調整し樹脂厚さが規格内にはいるようにした。その時の蛍光線量は11980カウントであり、裏面は16014カウントであった。予め、蛍光エックス線の強度と樹脂層の厚さとの関係を取得し、測定値および関係(検量線1)に基づいて、樹脂層の厚さを算出し、表面が54μm、裏面が49μmであった(実験例2)。
【0055】
次に、図3に示す装置を用いて、基材Dに樹脂成分Bを塗布して樹脂層を得た。基材の搬送速度は5m/分とし、塗布後の基材を180℃の加熱乾燥装置で2分間加熱乾燥して、樹脂層の含有量が65重量%であるプリプレグを製造した。樹脂成分にハロゲンが含まれていないので、基材にエックス線を照射し、基材から発生する蛍光エックス線の強度(樹脂層厚さによる減衰量)の測定値を測定した。樹脂層の厚さが規格外であったため報知装置が作動した。その時の蛍光線量は表面が42900カウントであり、裏面が55900カウントであった(実験例3)。予め、蛍光エックス線の強度と樹脂層の厚さとの関係を取得した測定値および関係(検量線2)に基づいて、樹脂層の厚さを算出した。表面が25μm、裏面が19μmであったので、調整部材としてコンマコータを用い、基材とコンマコータとのクリアランスを調整し樹脂厚さが規格内にはいるようにした。その時の蛍光線量は49508カウントであり、裏面は50173カウントであった。予め、蛍光エックス線の強度と樹脂層の厚さとの関係を取得し、測定値および関係(検量線2)に基づいて、樹脂層の厚さを算出し、表面が20μm、裏面が20μmであった(実験例4)。
【0056】
実験例1〜4で得られたプリプレグを用いてそれぞれ積層板を作成した。それぞれの評価結果を表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
実施例1および2の場合、蛍光エックス線の強度差によりコンマコータで塗布の樹脂量を調整することにより、規格値50±5μmに対し、表裏の樹脂厚さの差が10μm以下であった。また、樹脂厚さが規格値内であったので積層板としての反りも小さかった。また実施例3および4の場合においても、規格値が、20±2μmに対して、表裏の樹脂厚さの差が4μm以下であった。また、樹脂厚さが規格値内であったので、積層板としての反りもを小さくすることができた。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の測定方法、プリプレグの製造法、プリプレグを積層板として用いることができる。また、部品の小型化や薄型化、および高信頼性が要求される電子機器用、車載用のプリント配線板が得られるので、小型化、薄型化、および信頼性に優れた電子製品、あるいは車載用電子製品などに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】エックス線を照射し、反射蛍光強度の測定方法を示す概略図である。
【図2】エックス線を照射し、反射蛍光強度の測定方法を示す概略図である。
【図3】プリプレグの製造方法を示す概略図である。
【図4】蛍光エックス線の積分強度と樹脂厚みの関係を示す検量線の一例である。
【図5】蛍光エックス線の積分強度と樹脂厚みの関係を示す検量線の一例である。
【符号の説明】
【0061】
1 :基材
2 :樹脂層
3 :エックス線管
4 :エックス線
5 :蛍光エックス線
6 :検出器
7 :巻だし装置
8 :含浸ロール
9 :塗布液
10 :調整部材
11 :乾燥炉
12 :エックス線装置
13 :巻き取り装置
14 :報知手段
15 :プリプレグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に樹脂成分を塗布して樹脂層を得る工程と、
前記樹脂層にエックス線を照射し、前記基材および前記樹脂層のいずれか一方または両方から発生する蛍光エックス線の強度の測定値を測定する工程と、
予め、前記蛍光エックス線の強度と樹脂層の厚さとの関係を取得し、前記測定値および前記関係に基づいて、前記樹脂層の厚さを算出する工程と、
算出された前記樹脂層の厚さが、所定の範囲を外れたときに、前記所定の範囲を外れたことを報知する工程と、
を含むことを特徴とするプリプレグの製造方法。
【請求項2】
算出された前記樹脂層の厚さが所定の範囲を外れたとき、前記基材に塗布する前記樹脂成分の量を調整する工程を含む請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項3】
前記発生する蛍光エックス線は、照射されたエックス線によって前記基材または前記樹脂層において発生した蛍光エックス線である請求項1または2に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項4】
前記蛍光エックス線の強度は、前記エックス線を所定の角度で入射させ、正反射方向に発生する蛍光エックス線の強度を測定するものである請求項1ないし3のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
【請求項5】
前記蛍光エックス線は、前記基材または前記樹脂層の特定の元素から発生する蛍光エックス線の強度の測定値を測定するものである請求項1ないし4のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
【請求項6】
前記基材は、ガラス繊維基材である請求項1ないし5のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
【請求項7】
前記ガラス繊維基材中に含まれるカルシウム成分から発生する蛍光値を測定するものである請求項6に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項8】
前記樹脂成分は、ハロゲン化合物を含むものである請求項1ないし7のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
【請求項9】
前記樹脂成分中に含まれる臭素成分から発生する蛍光値を測定するものである請求項8に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項10】
前記基材は、長尺の基材であって、当該基材を一定方向に送りながら、前記樹脂層を得る工程と、前記樹脂層にエックス線を照射し、発生する蛍光強度の測定値を測定する工程と、前記樹脂層の厚さを算出する工程と、前記基材に塗布する樹脂成分の量を調整する工程とを連続的に行う請求項1ないし9のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
【請求項11】
前記樹脂層にエックス線を照射し、発生する蛍光強度の測定値を測定する前記工程が、前記基材の両面側に設けられている請求項10に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項12】
前記樹脂成分の量を調整する前記工程において、前記長尺の基材の送り方向に対して略直交する幅方向の全幅に設けた調整部材を用い、前記調整部材と前記基材の所定の間隙を有するとともに、前記間隙を調整することにより、基材に塗布する樹脂成分の量を調整する調整部材が設けられている請求項10または11に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項13】
前記長尺の基材の送り方向と略直交する幅方向に、エックス線の照射箇所を移動させるとともに、前記照射箇所の樹脂層の厚さを測定する請求項10ないし12のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
【請求項14】
前記基材の両面側に対してエックス線照射して測定する請求項1ないし13のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかの製造方法で得られたプリプレグ。
【請求項16】
請求項15で得られたプリプレグを、少なくとも一枚積層成形してなる積層板。
【請求項17】
請求項16に記載の積層板を、回路加工してなる回路板。
【請求項18】
基材の上に形成された樹脂層の厚さを測定する測定方法であって、
一方に樹脂層が形成された前記基材を用意する工程と、
前記樹脂層にエックス線を照射し、前記基材および前記樹脂層のいずれか一方または両方から発生する蛍光エックス線の強度の測定値を測定する工程と、
予め、前記蛍光エックス線の強度と前記樹脂層の厚さとの関係を取得し、前記測定値および前記関係に基づいて、前記樹脂層の厚さを算出する工程と、
を含むことを特徴とする測定方法。
【請求項19】
前記発生する蛍光エックス線は、照射された前記エックス線によって前記基材または前記樹脂層において発生した蛍光エックス線である請求項18に記載の測定方法。
【請求項20】
前記蛍光エックス線の強度は、前記エックス線を所定の角度で入射させ、正反射方向に発生する蛍光エックス線の強度を測定するものである請求項18または19に記載の測定方法。
【請求項21】
前記蛍光エックス線は、前記基材または前記樹脂層の特定の原子から発生する蛍光エックス線の強度の測定値を測定するものである請求項18ないし20のいずれかに記載の測定方法。
【請求項22】
前記基材は、ガラス繊維基材である請求項18ないし21のいずれかに記載の測定方法。
【請求項23】
前記ガラス繊維基材中に含まれるカルシウム成分から発生する蛍光値を測定するものである請求項22に記載の測定方法。
【請求項24】
樹脂成分は、ハロゲン化合物を含むものである請求項18ないし23のいずれかに記載の測定方法。
【請求項25】
前記樹脂成分中に含まれる臭素成分から発生する蛍光値を測定するものである請求項24に記載の測定方法。
【請求項26】
前記算出された前記樹脂層の厚さが所定の規格を外れる場合、外れたことを報知する報知工程を含む請求項18ないし25のいずれかに記載の測定方法。
【請求項27】
前記基材の一方の面側の樹脂層と、他方の面側の樹脂層とにエックス線を照射し、発生する蛍光値の強度差が規格値より外れたとき報知する請求項26に記載の測定方法。
【請求項28】
前記樹脂層にエックス線を照射し、発生する蛍光強度の測定値を測定する工程が、前記基材の両面側に設けられている請求項18ないし27のいずれかに記載の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−263554(P2009−263554A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116720(P2008−116720)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】