説明

プリンタ

【課題】印字用紙やプリンタ側のアンテナ位置を規制することなく印字用紙に含まれるRFIDタグに対してデータの書き込みまたは読み出しを行うことができるようにする。
【解決手段】ラベル41に含まれるRFIDタグ500のアンテナ412の位置を指定するコマンドを受信し、このコマンドに基づいて、プリンタ側のRFIDリードライト部のアンテナ24が配置された位置とRFIDタグ500のアンテナ412の位置とが搬送方向に対して直角の方向に引いた直線上になるように、印字用紙200が搬送され、RFIDタグ500のICチップ411に対してデータの書き込みまたは読み出しが行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリンタに関し、特に、RFIDに対するデータの書き込みおよび読み込みが可能なプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、RFID(Radio Frequency−Identification)タグを有する印字用紙に対してデータの書き込みまたは読み出しを行う場合、印字用紙を停止させたときに、RFIDタグのアンテナの位置と、RFIDタグに対してデータの書き込みまたは読み出しを行うRFIDリーダライタのアンテナの位置との間の距離が所定の基準値内となるように位置合わせを行う必要があった。
また、IC(Integrated Circuit)検出手段がIC付シートのICと非接触で通信することにより、ICの位置を検出し、ICの位置を示すマークを付した特殊な用紙を用いることなく、サーマルヘッドとプラテンローラの離間を制御し、ICの厚みによるサーマルヘッドの損傷を防止するようにしたものがある。
【特許文献1】特開2004−1351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、背景技術では、RFIDタグの位置を規制すると、用紙サイズや印字範囲が規制され、また、RFIDリーダライタのアンテナを可動式にしても、プリンタの大きさに制限されるため、自由なレイアウトができないという問題があった。
また、IC検出手段がIC付シートのICと非接触で通信することにより、ICの位置を検出し、ICの位置を示すマークを付した特殊な用紙を用いることなく、サーマルヘッドとプラテンローラの離間を制御し、ICの厚みによるサーマルヘッドの損傷を防止するようにしたものがあるが、印字用紙に含まれるRFIDタグのアンテナと、RFIDリーダライタのアンテナとの位置合わせをするという機能はなかった。
【0004】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、RFIDタグの位置を示すコマンドに基づいて、印字用紙に含まれるRFIDタグのアンテナと、RFIDリーダライタのアンテナとが所定範囲内に存在するように位置合わせを行った後、RFIDタグに対するデータの書き込みまたは読み出しを行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載のプリンタは、RFIDタグが設けられた印字用紙に印字を行うプリンタであって、印字用紙を搬送する搬送手段と、印字用紙に所定の印字データを印字する印字手段と、印字用紙に設けられたRFIDタグに対して所定のデータの書き込みまたは読み出しを行うRFIDリードライト手段と、RFIDタグの位置を指定するコマンドを受信する受信手段と、印字用紙のピッチを検出する検出手段とを備え、搬送手段は、受信手段によって受信されたコマンドにより指定されたRFIDタグの位置および検出手段の検出結果に基づいて、RFIDタグとRFIDリードライト手段との間の距離が通信可能な範囲内になるように印字用紙を所定の方向に所定の距離だけ搬送し、RFIDリードライト手段は、RFIDタグとRFIDリードライト手段との間の距離が通信可能な範囲内になったとき、RFIDタグに対するデータの書き込みまたは読み出しを行うことを特徴とする。
また、搬送手段は、RFIDタグとRFIDリードライト手段との間の距離が通信可能な範囲内になったとき、印字用紙の搬送を停止させるようにすることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明のプリンタによれば、コマンドによって印字用紙に含まれるRFIDタグの位置を指定することができるので、このコマンドを受信することにより、RFIDタグの位置を認識し、RFIDタグとRFIDリードライト手段とが所定範囲内に存在するように位置合わせを行った後、RFIDタグへのデータの書き込みまたは読み出しを行うことができる。従って、印字用紙のRFIDタグの位置やRFIDリードライト手段の位置が規制されることがなく、印字用紙を比較的自由にレイアウトすることができ、プリンタ側のRFIDリードライト手段の配置を比較的自由に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明に係るプリンタの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、本実施の形態のプリンタは、後述するROM(Read Only Memory)12に記憶されている制御プログラムに従って動作し、各部を制御するとともに、各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)11と、制御プログラムおよびフォントデータ等を記憶するROM12と、CPU11が各種処理を実行する上で必要となる各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)13と、各種コマンドや各種データを入力するためのテンキー等からなる操作部15と、各種データを表示するための液晶ディスプレイ等からなる表示部16と、ステッピングモータ18にパルス信号を供給し、ステッピングモータ18を介してプラテンローラ31(図2)を回転駆動するプラテン制御部17と、サーマルヘッド20に対して所定の印字データに対応する制御信号を供給し、印字動作を行わせるヘッド制御部19と、所定の光を出射する発光部と、発光部から出射された光の所定の印字用紙からの反射光を受光し、受光した光の強度(単位時間あたりの受光量)に対応する電気信号を出力する受光部とからなり、所定の印字用紙の裏面の側に発光部と受光部を並べて配置し、印字用紙の有無や、印字用紙の裏面に印刷された各種識別マーク(後述する後端位置検出マーク等)を受光部の受光量に基づいて検出し、検出信号を後述する用紙センサ制御部21に供給する用紙センサ22と、用紙センサ22を制御するとともに、用紙センサ22からの検出信号に対応する検出データをバス26を介してCPU11に供給する用紙センサ制御部21と、予め設定された各種設定値や後述するアンテナ位置テーブル等を記憶するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)25と、アンテナ24を介して所定の信号を電波によって送信するとともに、アンテナ24を介して所定の信号を受信することにより、RFID(Radio Frequency−Identification)タグ500に対してデータの書き込みまたは読み出しを行うRFIDリードライト部23とから構成されている。また、操作部15から入力された各種データやコマンドは、インタフェース(I/F)14を介してバス26経由でCPU11に供給されるようになっている。また、表示部16は、CPU11からバス26経由でインタフェース14を介して供給された表示データを表示するようになっている。
【0008】
図2は、本実施の形態の動作を説明するための模式図である。同図に示すように、サーマルヘッド20とプラテンローラ31とによって印字用紙200が挟持され、プラテンローラ31がステッピングモータ18によって回転駆動されることにより、印字用紙200が搬送されるようになっている。印字用紙200は、台紙42と複数のラベル41とから構成され、台紙42上に複数のラベル41が後述する粘着層416を介して等間隔で仮着されている。台紙42の裏面には、ラベル41の終端位置に対応する位置にラベル41の終端を検出するための1本の黒の矩形のマークからなる終端位置検出マーク44が印刷等によって形成されている。また、台紙42の裏面側には、アンテナ24と用紙センサ22が配置されている。
【0009】
図3は、ラベル41の透視平面図である。ラベル41には、図3に示すように、ICチップ411とアンテナ412からなるRFIDタグ500が埋め込まれている。ICチップ411は、ICチップ411を構成する図示しないメモリに記憶されているデータをアンテナ412を介して電波により送信し、アンテナ24を介してRFIDリードライト部23に供給したり、RFIDリードライト部23からアンテナ24を介して電波により送信されてきたデータをアンテナ412を介して受信し、ICチップ411を構成するメモリに書き込むようになっている。また、この例では、ラベル41の先端から、RFIDタグ500の中央付近まで、距離Xミリメートル(mm)だけ離れているものとする。
【0010】
図4は、ラベル41の断面図である。同図に示すように、ラベル41は、透明フィルム414と透明フィルム415とをICチップ411およびアンテナ412からなるRFIDタグ500を介して接着し、透明フィルム414の透明フィルム415に接着されていない面に印字層413が形成され、透明フィルム415の透明フィルム414に接着されていない面にラベル41を台紙42に仮着させるための粘着層416が形成されて構成されている。印字層413の表面は、サーマルヘッド20によって所定の印字データが印字できるようになっている。
【0011】
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施の形態の動作について説明する。プリンタの電源がオンされると、CPU11は、ROM12に記憶されている制御プログラムに従って、まず、ステップS1において、初期化処理を実行する。即ち、CPU11は、プラテン制御部17に対して印字用紙200を所定の距離だけ搬送するように指令するとともに、用紙センサ制御部21に対して印字用紙200を構成する台紙42の裏面に形成された終端位置検出マーク44を検出するよう指令する。
【0012】
CPU11からの指令に従ってプラテン制御部17はステッピングモータ18に対してパルス信号を供給し、ステッピングモータ18を回転駆動すると、ステッピングモータ18の回転駆動力がプラテンローラ31に伝達され、プラテンローラ31が回転駆動される。これにより、プラテンローラ31とサーマルヘッド20に挟持された印字用紙200が所定の搬送方向(図2の紙面に対して左方向)に搬送される。
【0013】
用紙センサ22は、終端位置検出マーク44を検出すると、所定の検出信号を用紙センサ制御部21に供給する。用紙センサ制御部21は、用紙センサ22から供給された検出信号に対応する検出データをバス26を介してCPU11に供給する。この検出データを受け取ったCPU11は、この検出データが供給されたタイミングとその時点での印字用紙200の搬送距離と、ピッチ(ラベル41の終端(または先端)と、このラベル41に隣接するラベル41の終端(または先端)との間の距離)とに基づいて、終端位置検出マーク44の現在位置と、ラベル41の先端の位置を算出する。ピッチは、予めEEPROM25に記憶されており、適宜CPU11が読み出すことができるようになっている。その他に、EEPROM25には、サーマルヘッド20の発熱体、用紙センサ22、およびアンテナ24の相対的な位置関係を表すデータや、ラベル41の搬送方向の長さ等を表す
データが記憶されている。その後、CPU11は、印字用紙200を所定の停止位置で停止させる。この停止位置は、印字開始位置(ラベル41の先端部がサーマルヘッド200の図示しない発熱体と接する位置)である。
【0014】
次に、ステップS2において、ラベル41にRFIDタグ500が埋め込まれており、かつRFIDタグ500に対して書き込むべきデータまたは読み出すべきデータがあるか否かが判定される。例えば、オペレータによって操作部15が操作され、RFIDタグ500が埋め込まれた印字用紙200を使用し、このRFIDタグ500に対して書き込むべきデータまたは読み出すべきデータがあることを示すデータが入力されたとき、ラベル41に埋め込まれたRFIDタグ500に対して書き込むべきデータまたは読み出すべきデータがあると判定され、ステップS3に進む。一方、ラベル41にRFIDタグ500が埋め込まれていない、または、ラベル41にRFIDタグ500が埋め込まれているが、そのRFIDタグ500に対して書き込むべきデータおよび読み出すべきデータがないと判定された場合、ステップS7に進む。
【0015】
ステップS3においては、プリンタに接続された図示しないコンピュータからアンテナ位置指定コマンドが送信されてきたか否かが判定される。このアンテナ位置指定コマンドは、ラベル41の種類を示すデータと、RFIDタグ500のアンテナ412の位置とプリンタ側のアンテナ24の位置とが一致するように印字用紙200を搬送するよう指示する命令とからなる。その結果、アンテナ位置指定コマンドが送信されてきていないと判定された場合、ステップS3の処理が繰り返し実行される。一方、アンテナ位置指定コマンドが送信されてきたと判定された場合、ステップS4に進む。
【0016】
ステップS4においては、CPU11の制御により、RFIDタグ500のアンテナ412と、RFIDリードライト部23のアンテナ24との間の距離が所定の基準値内となるように、印字用紙200が搬送される。これにより、RFIDタグ500のアンテナ412の中央の位置とアンテナ24の位置とが一致する。この例では、アンテナ24と交わる鉛直線上(印字用紙200の搬送方向と直角の方向に延び、かつアンテナ24と交わる直線上)にアンテナ412の中央付近が存在するような位置関係となる。この状態で、印字用紙200の搬送は停止される。
【0017】
いま、ラベル41の先端は、サーマルヘッド20の発熱体に接する位置にあるので、CPU11の制御により、図3の距離X(ラベル41の先端からRFIDタグ500のアンテナ412の中央付近までの距離)と、発熱体からアンテナ24までの搬送方向の距離Yの差の分だけ、印字用紙200が搬送される。この差をZで表し、Z=X−Yと定義すると、図7(A)に示すように、差Zの値が0より小さいとき、印字用紙200は、差Zの絶対値の分だけバックフィードされる。
【0018】
距離Xによってアンテナ412の位置を特定することができるので、距離Xは以下では適宜アンテナ位置と記載する。アンテナ位置はラベル41の種類に応じて決められており、ラベル41の種類を示すデータと、その種類毎のアンテナ位置を表すデータと、そのアンテナ位置を表す各データに対応するユニークなコードとからなるアンテナ位置テーブルがアンテナ位置記憶部として機能するEEPROM25に予め記憶されている。
【0019】
図6はこのアンテナ位置テーブルの例を示している。この例では、ラベル41の種類が「No.1」の場合、アンテナ位置は40ミリメートル(mm)とされ、そのコードは「A」とされている。また、ラベル41の種類が「No.2」の場合、アンテナ位置は60mmとされ、そのコードは「B」とされている。また、ラベル41の種類が「No.3」の場合、アンテナ位置は50ミリメートルmmとされ、そのコードは「C」とされている。
【0020】
従って、CPU11は、プリンタに接続された図示しないコンピュータから送信されてきたアンテナ位置指定コマンドに含まれるラベル41の種類に対応するアンテナ位置を示すデータをEEPROM25から読み出すことにより、ラベル41の種類に対応するアンテナ位置(即ち距離X)を特定することができる。或いは、プリンタに接続されたコンピュータから送信されてきたアンテナ位置指定コマンドに含まれるアンテナ位置を示すコードに対応するデータをEEPROM25から読み出すことにより、そのコードに対応するアンテナ位置を特定することもできる。
【0021】
次に、プリンタに接続された図示しないコンピュータからRFIDタグ500に書き込むべきデータが送信されてきたか否かが判定される。その結果、RFIDタグ500に書き込むべきデータが送信されてきていないと判定された場合、ステップS5の処理が繰り返し実行される。一方、RFIDタグ500に書き込むべきデータが送信されてきたと判定された場合、ステップS6に進む。
【0022】
ステップS6においては、外部インタフェース27に接続された図示しないコンピュータから送信されてきたデータがバス26を介してCPU11に供給される。このデータは、CPU11の制御により一旦RAM13に供給され記憶される。その後、CPU11はRAM13に記憶されたこのデータを読み出し、RFIDリードライト部23に供給するとともに、このデータをRFIDタグ500に書き込むよう指令する。
【0023】
RFIDリードライト部23は、CPU11より供給されたデータに対応する信号をアンテナ24より電波により送信する。RFIDタグ500のICチップ411は、アンテナ24より電波により送信されたデータをアンテナ412を介して受信すると、受信したデータをICチップ411を構成する図示しないメモリに書き込む。その後、CPU11の制御下、プラテン制御部17の制御により、ラベル41の先端がサーマルヘッド20の発熱体に接するように、印字用紙200が搬送される。
【0024】
ステップS6における処理が終了した場合、または、ステップS2において、RFIDタグ500に対するデータの書き込みおよび読み込みを行わないと判定された場合、ステップS7に進み、プリンタに接続された図示しないコンピュータから印字データが送信されてきたか否かが判定される。その結果、印字データが送信されてきていないと判定された場合、ステップS7の処理が繰り返し実行される。一方、印字データが送信されてきたと判定された場合、CPU11の制御によりこの印字データがRAM13に供給され、一旦記憶された後、ステップS8に進む。
【0025】
ステップS8において、CPU11は、RAM13に記憶されている印字データを読み出し、ROM12に記憶されているフォントデータ等に基づいてこの印字データに対応するビットマップイメージデータを生成し、生成したビットマップイメージデータをヘッド制御部19に供給するとともに、このビットマップイメージデータを印字するよう指令する。また、プラテン制御部17に対して印字用紙200を搬送するよう指令する。
【0026】
CPU11からの指令を受けたプラテン制御部17は、ステッピングモータ18に対して制御信号を供給し、回転駆動させる。ステッピングモータ18の回転駆動力はプラテンローラ31に伝達され、プラテンローラ31が回転駆動され、印字用紙200が搬送される。また、CPU11からの指令を受けたヘッド制御部19は、CPU11より供給された印字データに対応するビットマップイメージデータに基づいてサーマルヘッド20を制御し、所定のタイミングで印字データをラベル41の印字層413の表面に印字させる。印字用紙200に印字データを印字するタイミングは、CPU11が、用紙センサ制御部21から供給される検出データに基づいて決定する。印字終了後、CPU11の制御により、次のラベル41の先端がサーマルヘッド20の発熱体に接するように印字用紙200が搬送される。
【0027】
次に、ステップS9において、処理を終了すべきか否かが判定される。その結果、処理を終了すべきではないと判定された場合、ステップS2に戻り、ステップS2以降の処理が繰り返し実行される。一方、処理を終了すべきであると判定された場合、本処理を終了する。例えば、ラベル発行枚数が指定された場合、指定された枚数分のラベル41に対する印字処理およびRFIDタグ500へのデータの書き込みが終了したか否かが判定される。その結果、指定された枚数分のラベル41に対する印字処理およびRFIDタグ500へのデータの書き込みが終了していないと判定された場合、ステップS2に戻り、ステップS2以降の処理が繰り返し実行される。一方、指定された枚数分のラベル41に対する印字処理およびRFIDタグ500へのデータの書き込みが終了したと判定された場合、本処理を終了する。
【0028】
図7は、本実施の形態におけるラベル41の動きを説明するための模式図である。まず、図5のステップS1の処理が終了したとき、ラベル41は、図7(A)に示すように、ラベル41の先端がサーマルヘッド20の発熱体と接する位置にある。次に、図5のステップS4において、印字用紙200が距離Zだけバックフィードされ、図7(B)に示すように、ラベル41のRFIDタグ500のアンテナ412の中央付近の位置とアンテナ24の位置とが一致する。この状態で、CPU11の制御により、ラベル41の搬送が一旦停止される。
【0029】
次に、図5のステップS6におけるRFIDタグ500へのデータの書き込みが終了すると、CPU11の制御下、プラテン制御部17の制御により、印字用紙200が距離Zだけフォワードフィードされ、ラベル41は、図7(C)に示すように、ラベル41の先端がサーマルヘッド20の発熱体と接する位置に戻る。その後、図5のステップS8において印字処理が開始されると、図7(D)に示すように、印字用紙200は搬送方向に搬送される。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態では、コンピュータから送信されてきたコマンドに基づいてRFIDタグ500のアンテナ412の中央付近の位置とプリンタ側のアンテナ24の位置が一致し、RFIDタグ500へのデータの書き込みおよび読み出しが可能となる。従って、印字用紙200のラベル41の種類に対応するコマンドをプリンタ側に送信するだけで、印字用紙200の種類に拘わらず、RFIDタグ500へのデータの書き込みまたは読み出しが確実に行われるようにすることができる。このため、印字用紙200のラベル41にRFIDタグ500を埋め込む位置が規制されるということがなく、また、印字用紙200のサイズ、印字範囲等に関する規制も少なくすることができる。さらに、アンテナ24を印字用紙200の搬送路中に自由に配置することができる。
【0031】
また、本実施の形態では、コマンドを受信した段階で、RFIDタグ500のアンテナ412の位置が分かるので、最初に印字用紙を搬送してアンテナ412の位置を検出する従来の方法と比較して処理を迅速に行うことができる。
【0032】
なお、上記実施の形態においては、台紙42の裏面にラベル41の終端位置に対応して終端位置検出マークを形成するようにしたが、ラベル41の先端位置に対応して先端位置検出マークを形成し、用紙センサ22がラベル41の先端位置を検出するようにしてもよい。
【0033】
また、上記実施の形態においては、RFIDタグ500に対してデータの書き込みを行う場合について説明したが、RFIDタグ500からデータを読み出す場合にも本発明を適用することができる。
【0034】
また、印字データをラベル41に印字する方法としては、インクリボンによる熱転写や、感熱発色剤を有するサーマル紙に感熱発色させて印字する方法等がある。
【0035】
また、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のプリンタの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の動作を説明するための模式図である。
【図3】ラベルに埋め込まれたRFIDタグを示す図である
【図4】RFIDタグを有するラベルの断面図である。
【図5】本実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】アンテナ位置テーブルの例を示す図である。
【図7】本実施の形態におけるラベルの動きを説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0037】
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 インタフェース(I/F)
15 操作部
16 表示部
17 プラテン制御部
18 ステッピングモータ
19 ヘッド制御部
20 サーマルヘッド
21 用紙センサ制御部
22 用紙センサ
23 RFIDリードライト部
24 アンテナ
25 EEPROM
26 バス
27 外部インタフェース(I/F)
31 プラテンローラ
41 ラベル
42 台紙
44 終端位置検出マーク
411 ICチップ
412 アンテナ
413 印字層
414,415 透明フィルム
416 粘着層
500 RFIDタグ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグが設けられた印字用紙に印字を行うプリンタであって、
前記印字用紙を搬送する搬送手段と、
前記印字用紙に所定の印字データを印字する印字手段と、
前記印字用紙に設けられた前記RFIDタグに対して所定のデータの書き込みまたは読み出しを行うRFIDリードライト手段と、
前記RFIDタグの位置を指定するコマンドを受信する受信手段と、
前記印字用紙のピッチを検出する検出手段と
を備え、
前記搬送手段は、前記受信手段によって受信された前記コマンドにより指定された前記RFIDタグの位置および前記検出手段の検出結果に基づいて、前記RFIDタグと前記RFIDリードライト手段との間の距離が通信可能な範囲内になるように前記印字用紙を所定の方向に所定の距離だけ搬送し、
前記RFIDリードライト手段は、前記RFIDタグと前記RFIDリードライト手段との間の距離が通信可能な範囲内になったとき、前記RFIDタグに対する前記データの書き込みまたは読み出しを行う
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記搬送手段は、前記RFIDタグと前記RFIDリードライト手段との間の距離が通信可能な範囲内になったとき、前記印字用紙の搬送を停止させる
ことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−116886(P2006−116886A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309090(P2004−309090)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】