説明

プリンタ

【課題】本体内スペースを現状維持しつつローコストで用紙搬送部の照明を実現するプリンタを提供すること。
【解決手段】プリンタ1では、本体2の内部に設けられたインク残量センサ11の上方向に位置する設置箇所に反射部61を設ける。5個のインクタンク24〜28を搭載したキャリッジ21がメンテナンス部にある場合に、インク残量センサ11の発光素子を点灯させる。インク残量センサ11の発光素子からの光は、反射部61で反射し、その反射領域11Rをもって、プラテン41上の用紙搬送路を照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体内部の用紙搬送部に光を照射することが可能なプリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプリンタにおいて、本体内でジャムが発生した場合には、ジャム紙を取り除くために、使用者が本体の一部を開放して手等を本体内に入れることがある。このとき、本体内が暗いと、手探り状態となるので、ジャム紙の除去に時間を要したり、触ってはいけない箇所に偶然触れてしまい手に汚れが付着したりすることがあった。
【0003】
そこで、下記特許文献1に記載の画像形成装置では、本体内に照明部材を別途設け、ジャム発生時にその照明部材を手動で点灯させたり、前蓋を開けたときにその照明部材を自動で点灯させたりすることで、本体内でジャムが発生する用紙搬送部を照らしている。それによりジャム紙の除去を迅速に行えるとともに、手に汚れが付着することも防止できる。
【特許文献1】特開昭63−186258号公報(第2−3頁、第1図、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本体内に照明部材を別途設けると、本体内に新たな照明部材が必要となり、さらに、その照明部材を発光させるための配線や制御基板も必要となる。これでは、コスト高になるだけでなく、本体内に設置スペースを新たに確保しなければならないことから、時代の要請である本体の小型化に逆行してしまう。
【0005】
また、上記特許文献1に記載の画像形成装置において、本体内に別途設けられる照明部材として、ミラーやファイバー等で画像を走査するための露光用光源を導く場合でも、同様である。すなわち、この場合には、ミラーやファイバー等に加えて、感光ドラムを遮へいするシャッターも新たに必要となり、コスト高になるだけでなく、本体内に設置スペースを新たに確保しなければならないことから、時代の要請である本体の小型化に逆行してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、本体内スペースを現状維持しつつローコストで用紙搬送部の照明を実現するプリンタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、本体と、前記本体内に設けられた用紙搬送路と、前記用紙搬送路上を移動するとともに第1ポジション及び第2ポジションに停止するキャリッジと、前記キャリッジに搭載されたインクタンクとを有するプリンタであって、前記インクタンクの取付状況を操作者に報知するために前記インクタンクに設けられる報知用の発光部、前記インクタンクのインク残量を検知するために前記本体内に設けられる残量検知用の発光部又は、前記用紙搬送路上を搬送される用紙を検知するために前記キャリッジに設けられる用紙検知用の発光部のうち、少なくも1個以上の発光部を有し、前記キャリッジが前記第1ポジションに停止している際に前記報知用の発光部と対向する第1設置箇所、前記キャリッジが前記第2ポジションに停止している際に前記報知用の発光部と対向する第2設置箇所、前記残量検知用の発光部と対向する第3設置箇所又は、前記キャリッジが前記第1ポジションに停止している際に前記用紙検知用の発光部と対向する第4設置箇所について、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所の少なくも1つに反射部を設けたこと、を特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載するプリンタであって、前記用紙搬送路上で発生する用紙ジャムを検知するためのジャム用検知部と、前記ジャム用検知部が用紙ジャムの発生を検知した際に、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所に前記反射部が設けられたものの中から少なくも2個以上の発光部を点灯させる点灯動作を行う点灯制御部と、を備えたこと、を特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載するプリンタであって、前記ジャム用検知部が用紙ジャムの発生を検知した際に前記第1ポジション又は前記第2ポジションに向かって前記キャリッジを移動させる移動制御部を備え、前記点灯制御部は、前記移動制御部による前記キャリッジの移動方向に応じて、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所に前記反射部が設けられたものの中から点灯対象を選択し、その選択結果に基づいて前記点灯動作を実行すること、を特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載するプリンタであって、前記キャリッジに複数個の前記インクタンクを搭載することにより複数個の前記報知用の発光部を備え、前記点灯制御部は、前記報知用の発光部の全てを1個の発光部として扱って前記点灯動作を行うこと、を特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載するプリンタであって、前記キャリッジに複数個の前記インクタンクを搭載することにより複数個の前記報知用の発光部を備え、前記点灯制御部は、前記報知用の発光部の各々を1個の発光部として扱って前記点灯動作を行うこと、を特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、請求項4又は請求項5に記載するプリンタであって、前記報知用の発光部の各々が発光する色の総数が少なくとも2色以上であること、を特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、本体と、前記本体内に設けられた用紙搬送路と、前記用紙搬送路上を移動するとともに第1ポジション及び第2ポジションに停止するキャリッジと、前記キャリッジに搭載されたインクタンクとを有するプリンタであって、前記インクタンクが前記キャリッジに搭載されたか否かを検知するために前記本体内に設けられた搭載検知用の発光部を有し、前記インクタンクのインク残量を検知するために前記本体内に設けられた残量検知用の発光部又は、前記用紙搬送路上を搬送される用紙を検知するために前記キャリッジに設けられた用紙検知用の発光部を有し、前記搭載検知用の発光部と対向する第5設置箇所、前記残量検知用の発光部と対向する第3設置箇所又は、前記キャリッジが前記第1ポジションに停止している際に前記用紙検知用の発光部と対向する第4設置箇所について、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所の少なくも1つに反射部を設けたこと、を特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、請求項7に記載するプリンタであって、前記用紙搬送路上で発生する用紙ジャムを検知するためのジャム用検知部と、前記ジャム用検知部が用紙ジャムの発生を検知した際に、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所に前記反射部が設けられたものの中から少なくも2個以上の発光部を点灯させる点灯動作を行う点灯制御部と、を備えたこと、を特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る発明は、請求項8に記載するプリンタであって、前記ジャム用検知部が用紙ジャムの発生を検知した際に前記第1ポジション又は前記第2ポジションに向かって前記キャリッジを移動させる移動制御部を備え、前記点灯制御部は、前記移動制御部による前記キャリッジの移動方向に応じて、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所に前記反射部が設けられたものの中から点灯対象を選択し、その選択結果に基づいて前記点灯動作を実行すること、を特徴とする。
【0016】
また、請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか一つに記載するプリンタであって、前記本体内が露出する開口部をカバーするために前記本体に開閉可能に設けられた蓋と、前記蓋の開閉状態を検知するための開閉用検知部を備え、前記点灯制御部は、前記開閉用検知部で前記蓋の開状態を検知した際に前記点灯動作の実行を開始し、前記開閉用検知部で前記蓋の閉状態を検知した際に前記点灯動作の実行を終了すること、を特徴とする。
【0017】
また、請求項11に係る発明は、請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載するプリンタであって、前記反射部が非対称であること、を特徴とする。
【0018】
また、請求項12に係る発明は、請求項1乃至請求項11のいずれか一つに記載するプリンタであって、前記用紙搬送路を形成するプラテンが黒色であること、を特徴する。
【0019】
また、請求項13に係る発明は、請求項1乃至請求項12のいずれか一つに記載するプリンタであって、前記キャリッジが黒色であること、を特徴する。
【発明の効果】
【0020】
すなわち、請求項1に係る発明のプリンタでは、本体内で発光部と対向する設置箇所に反射部を設けており、発光部からの光が反射部で反射することによって、少なくとも本体内の一部を明るくすることから、本体内スペースを現状維持しつつローコストで用紙搬送部の照明を実現することができる。
【0021】
また、請求項2に係る発明のプリンタでは、用紙搬送路上で用紙ジャムが発生したときに、少なくも2個以上の発光部からの光がそれぞれの反射部で反射するので、本体内の照明ムラ(影の発生)を抑えることができる。
【0022】
また、請求項3に係る発明のプリンタでは、キャリッジの移動方向に応じて発光部の点灯を制御するので、キャリッジに隠れて照明機能が失われる発光部の無駄な点灯を事前に防止できる。
【0023】
また、請求項4に係る発明のプリンタでは、キャリッジ上の複数個の発光部が点灯する際は同時点灯するので、本体内の照度を十二分に確保することができる。
【0024】
また、請求項5に係る発明のプリンタでは、キャリッジ上の複数個の発光部が点灯する際は個別点灯するので、本体内の照度を必要最低限以上で確保することができる。
【0025】
また、請求項6に係る発明のプリンタでは、キャリッジ上の複数個の発光部が点灯する際は、点灯対象を選択することにより、本体内の照度を確保する上でより適した発光色の発光部を点灯させ得る。
【0026】
また、請求項7に係る発明のプリンタでは、本体内で発光部と対向する設置箇所に反射部を設けており、発光部からの光が反射部で反射することによって、少なくとも本体内の一部を明るくすることから、本体内スペースを現状維持しつつローコストで用紙搬送部の照明を実現することができる。
【0027】
また、請求項8に係る発明のプリンタでは、用紙搬送路上で用紙ジャムが発生したときに、少なくも2個以上の発光部からの光がそれぞれの反射部で反射するので、本体内の照明ムラ(影の発生)を抑えることができる。
【0028】
また、請求項9に係る発明のプリンタでは、キャリッジの移動方向に応じて発光部の点灯を制御するので、キャリッジに隠れて照明機能が失われる発光部の無駄な点灯を事前に防止できる。
【0029】
また、請求項10に係る発明のプリンタでは、蓋が開状態になると発光部が点灯し、蓋が閉状態になると発光部が消灯するので、使用者が本体内の照明を必要とするときに限って本体内を照明させることができる。
【0030】
また、請求項11に係る発明のプリンタでは、反射部が非対称であることによって、発光部からの光が照明する領域やその明るさを本体内で必要な場所に向けることができる。
【0031】
また、請求項12に係る発明のプリンタでは、プラテンとジャム紙の色の明暗によって、プラテンで詰まったジャム紙の発見を容易にする。
【0032】
また、請求項13に係る発明のプリンタでは、キャリッジとジャム紙の色の明暗によって、キャリッジで詰まったジャム紙の発見を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
<本発明の構成>
本実施の形態に係るプリンタ1の構成について、図1乃至図14を用いて説明する。
【0034】
図1乃至図7は、メンテナンス部(「第1ポジション」の一例)にキャリッジ21があるときの本実施の形態に係るプリンタ1を示した図である。図1は、本実施の形態に係るプリンタ1を図3の線B−Bで切断した断面図である。図2は、本実施の形態に係るプリンタ1を示した斜視図である。図3は、本実施の形態に係るプリンタ1を示した平面図である。図4は、本実施の形態に係るプリンタ1を図3の線A−Aで切断した断面図である。図5は、本実施の形態に係るプリンタ1を図4の領域Fで大きく示した拡大図である。図6は、本実施の形態に係るプリンタ1を図3の線C−Cで切断した断面図である。図7は、本実施の形態に係るプリンタ1を図3の線D−Dで切断した断面図である。
【0035】
図8乃至図13は、フラッシング部(「第2ポジション」の一例)にキャリッジ21があるときの本実施の形態に係るプリンタ1を示した図である。図8は、本実施の形態に係るプリンタ1を示した斜視図である。図9は、本実施の形態に係るプリンタ1を示した平面図である。図10は、本実施の形態に係るプリンタ1を図9の線A−Aで切断した断面図である。図11は、本実施の形態に係るプリンタ1を図9の線B−Bで切断した断面図である。図12は、本実施の形態に係るプリンタ1を図9の線C−Cで切断した断面図である。図13は、本実施の形態に係るプリンタ1を図9の線E−Eで切断した断面図である。
【0036】
尚、図3及び図9の両平面図に示されている線A−A、線B−B、線C−Cは、それぞれ同一の切断線を示している。また、図2及び図8の両斜視図に示されている蓋4は、説明の便宜上、それら以外の図面では示していない。
図14は、本実施の形態に係るプリンタ1のブロック図である。
【0037】
先ず、本実施の形態に係るプリンタ1を外観から説明すると、図2、図3、図8、図9に示すように、本体2の開口部3に対し蓋4が回動可能に設けられている。蓋4が開いた状態では、開口部3からは、プラテン41、インク残量センサ11、不図示の記録ヘッドを搭載したキャリッジ21、シャフト22、ベルト23などが視認できる。尚、プラテン41及びキャリッジ21は黒色の樹脂からなる。
【0038】
一方、本実施の形態に係るプリンタ1を内部から説明すると、図1、図4、図6、図7、図10、図11、図12、図13に示すように、本体2内には、上述したシャフト22やベルト23に加え、駆動モータ29(図13参照)や図示しないエンコーダが設けられており、これらの部品などによって、フラッシング部とメンテナンス部の間で移動するキャリッジ21の駆動系を構成している。
【0039】
また、キャリッジ21には、5個のインクタンク24〜28が着脱可能に搭載されている。各インクタンク24〜28は、光透過性の樹脂で形成されており、異なる色のインクがそれぞれ充填されている。また、各インクタンク24〜28には、図1、図4、図6、図7、図10、図11、図12、図13の各断面図では示されていないが、LEDで構成される発光部24L〜28L(「報知用の発光部」の一例、図14参照)がそれぞれ設けられている。
【0040】
また、キャリッジ21が移動するフラッシング部とメンテナンス部の間には、キャリッジ21の下方においてプラテン41が設けられている。さらに、図7や図13に示すように、プラテン41の背後には給紙ローラ42が設けられ、プラテン41の手前には排紙ローラ43が設けられている。従って、給紙ローラ42によって内部に送られた用紙(不図示)は、プラテン41上を摺動した後、排紙ローラ43によって外部に送られる。これにより、プラテン41の上面には、「用紙搬送路」が形成される。尚、給紙ローラ42と排紙ローラ43の駆動系の構成については省略する。
【0041】
さらに、プラテン41上を摺動する用紙(不図示)の搬送方向は、フラッシング部とメンテナンス部の間を移動するキャリッジ21の移動方向と直交しており、キャリッジ21に搭載されたインクタンク24〜28のインクがキャリッジ21に搭載されている記録ヘッド(不図示)を介してプラテン41上の用紙(不図示)に選択的に吐出されることにより、カラー若しくはモノクロのインクジェットプリントを行うことができる。尚、記録ヘッドの駆動系の構成については省略する。
【0042】
また、メンテナンス部にあるキャリッジ21の下方向には、キャリッジ21の記録ヘッド(不図示)をメンテナンスするための吸引キャップやワイパ等を備えたメンテナンス装置5が設けられている。
【0043】
また、図7に示すように、本体2の内部には搭載検知部13が設けられている。搭載検知部13は、キャリッジ21の方向(水平方向)に向けられた受光素子を有しており、搭載検知部13の横をキャリッジ21が移動中に各インクタンク24〜28の発光部24L〜28L(図14参照)からの光を受光素子が検出することにより、各インクタンク24〜28がキャリッジ21に搭載されているかどうかを検知することができる。各インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lからの射出光は、各インクタンク24〜28に設けられている導光体(不図示)を介して搭載検知部13に向けて導かれるが、これらの光は搭載検知部13の方向のみならず、各インクタンク24〜28の上方に向けても出射される。
【0044】
また、図4や図10に示すように、キャリッジ21の下端にはメディアセンサ12が設けられている。メディアセンサ12は、プラテン41の方向(下方向)にそれぞれ向けられた発光素子(「用紙検知用の発光部」の一例)と受光素子を有しており、発光素子からの光を受光素子が検出することにより、プラテン41上に用紙(不図示)があるかどうかを、あるいは用紙の端部を検知することができる。
【0045】
さらに、図4や図10に加え、図5の拡大図でも示すように、プラテン41には反射部62が設けられている。この点、反射部62の設置箇所(「第4設置箇所」の一例)は、キャリッジ21がメンテナンス部にあるときにメディアセンサ12の下方向に位置する。また、反射部62の反射面(上面)を、プラテン41の上面(用紙搬送面)に対し斜めに固定し、これにより、反射部62を非対称とする。
【0046】
そして、キャリッジ21がメンテナンス部にあるときにメディアセンサ12の発光素子を点灯させると、図4に示すように、メディアセンサ12の発光素子からの光が反射部62で反射し、その反射光で形成される反射領域12Rをもって、プラテン41上の用紙搬送路を照射する。
【0047】
また、図1、図6、図11、図12、図13に示すように、本体2の上部内側に反射部63が設けられている。この点、反射部63の設置箇所(「第1設置箇所」の一例)は、キャリッジ21がメンテナンス部にあるときにキャリッジ21の上方向に位置する。また、反射部63の反射面(下面)を、本体2の上部内面に対し斜めに固定し、これにより、反射部63を非対称とする。
【0048】
そして、キャリッジ21がメンテナンス部にあるときに各インクタンク24〜28の発光部24L〜28L(図14参照)を点灯させると、図6に示すように、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28L(図14参照)からの光が反射部63で反射し、それらの反射光で形成される各反射領域24R、28Rなどをもって、プラテン41上の用紙搬送路を照射する。
【0049】
尚、図6では、キャリッジ21の一端に搭載されたインクタンク24の発光部24L(図14参照)からの光が反射部63で反射することによって形成される反射領域24Rと、キャリッジ21の他端に搭載されたインクタンク28の発光部28L(図14参照)からの光が反射部63で反射することによって形成される反射領域28Rとを記載している。しかし、キャリッジ21の中間にそれぞれ搭載されたインクタンク25、26、27の各発光部25L〜27L(図14参照)からの光が反射部63で反射することによって形成される各反射領域は記載されていない。もっとも、これらの各反射領域は、反射領域24Rと反射領域28Rの論理和で形成される反射領域内に含まれる。
【0050】
また、図1、図2、図3、図6、図7、図8、図9、図11、図12、図13に示すように、本体2の内部にインク残量センサ11が設けられている。インク残量センサ11は、上方向にそれぞれ向けられた発光素子(「残量検知用の発光部」の一例)と受光素子を有しており、インク残量センサ11の上をキャリッジ21が移動中に発光素子からの光を受光素子が検出することにより、キャリッジ21に搭載された各インクタンク24〜28のインク残量を検知することができる。
【0051】
また、本体2の上部内側には反射部61が設けられている。この点、反射部61の設置箇所(「第3設置箇所」の一例)は、インク残量センサ11の上方向に位置する。また、反射部61の反射面(下面)を、本体2の上部内面に対し斜めに固定し、これにより、反射部61を非対称とする。
【0052】
そして、インク残量センサ11の発光素子を点灯させると、図1、図11、図13に示すように、インク残量センサ11の発光素子からの光が反射部61で反射し、その反射光で形成される反射領域11Rをもって、プラテン41上の用紙搬送路を照射する。
【0053】
また、図1、図6、図7、図11、図12に示すように、本体2の上部内側に反射部64が設けられている。この点、反射部64の設置箇所(「第2設置箇所」の一例)は、キャリッジ21がフラッシング部にあるときにキャリッジ21の上方向に位置する。また、反射部64の反射面(下面)を、本体2の上部内面に対し斜めに固定し、これにより、反射部64を非対称とする。
【0054】
そして、キャリッジ21がフラッシング部にあるときに各インクタンク24〜28の発光部24L〜28L(図14参照)を点灯させると、図12に示すように、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28L(図14参照)からの光が反射部64で反射し、それらの反射光で形成される各反射領域24R、28Rなどをもって、プラテン41上の用紙搬送路を照射することができる。
【0055】
尚、各インクタンク25〜27の発光部25L〜27L(図14参照)からの光が反射部64で反射することによって形成される各反射領域については、上述したように、図12でも省略されている。
【0056】
また、本実施の形態に係るプリンタ1は、図14のブロック図に示すように、制御系を司るCPU301(「点灯制御部」や「移動制御部」の一例)やRAM302やROM303などが設けられた制御回路300を有している。さらに、制御回路300には、上述したインク残量センサ11や、キャリッジ21、駆動モータ29、エンコーダ30、搭載検知部13に加え、ジャム用検知部304や、開閉用検知部305、表示部306、指示部307、スピーカ308などが接続されている。
【0057】
この点、ジャム用検知部304は、本体2の内部に設けられており、プラテン41上の用紙(不図示)が詰まったか(ジャムが発生したか)どうかを検知する。開閉用検知部305は、本体2の内部に設けられており、本体2の開口部3に対する蓋4の開閉状態を検知する。表示部306は、本体2の外側に設けられており、例えば、液晶モニタで構成される。指示部307は、本体2の外側に設けられており、例えば、使用者が操作可能な各種のボタンを備えた操作パネルで構成される。スピーカ308は、本体2の内部に設けられており、音声が出力される。
【0058】
さらに、制御回路300には、キャリッジ21を介して、上述したメディアセンサ12や、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lが接続されている。尚、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lは、説明の便宜上、図14では、第1インクタンク発光部24L、第2インクタンク発光部25L、第3インクタンク発光部26L、第4インクタンク発光部27L、第5インクタンク発光部28Lと記載されている。
【0059】
<本発明の動作>
次に、本実施の形態に係るプリンタ1の動作について、図15と図16を用いて説明する。図15と図16は、本実施の形態に係るプリンタ1の動作を制御するプログラムの内容を示したフローチャート図である。本プログラムは、ROM303に記憶されており、RAM302に読み出されて、CPU301により実行される。
【0060】
そして、本プログラムがCPU301により実行されると、先ず、図15に示すステップ(以下、「S」と略記する)11において、CPU301は記録指示が有るかどうかを判断する。この判断は、使用者の操作に対応した指示部307からの指令信号に基づいて行われる。ここで、CPU301は、記録指示がないと判断したときは(S11:NO)、本プログラムを終了する。
【0061】
一方、CPU301は、記録指示が有ると判断したときは(S11:YES)、S12に進んで、給紙を行う。このとき、CPU301は、給紙ローラ42や排紙ローラ43を駆動制御することにより、プラテン41上にて用紙(不図示)を摺動させる。その後は、S13に進む。
【0062】
S13では、CPU301は、ジャムが発生したかどうかを判断する。この判断は、ジャム用検知部304からの検知信号に基づいて行われる。ここで、CPU301は、ジャムが発生したと判断したときは(S13:YES)、後述するS18に進む。一方、CPU301は、ジャムが発生していないと判断したときは(S13:NO)、S14に進んで、記録を行う。このとき、CPU301は、駆動モータ29やエンコーダ30を用いてキャリッジ21を移動制御しつつ、キャリッジ21の記録ヘッド(不図示)を駆動制御することにより、プラテン41上の用紙に対してプリントを行う。その後は、S15に進む。
【0063】
S15では、CPU301は、ジャムが発生したかどうかを判断する。この判断は、ジャム用検知部304の検知信号に基づいて行われる。ここで、CPU301は、ジャムが発生したと判断したときは(S15:YES)、後述するS18に進む。一方、CPU301は、ジャムが発生していないと判断したときは(S15:NO)、S16に進む。
【0064】
S16では、CPU301は、1頁の記録が終了したかどうかを判断する。この判断は、プリントデータなどに基づいて行われる。ここで、CPU301は、1頁の記録が終了していないと判断したときは(S16:NO)、上記S14に戻って、上述した処理を繰り返す。一方、CPU301は、1頁の記録が終了したと判断したときは(S16:YES)、S17に進む。
【0065】
S17では、CPU301は、全頁の記録が終了したかどうかを判断する。この判断は、プリントデータなどに基づいて行われる。ここで、CPU301は、全頁の記録が終了していないと判断したときは(S17:NO)、上記S12に戻って、上述した処理を繰り返す。これにより、プラテン41上に新たな用紙を摺動させ、その新たな用紙に対してプリントを開始することができる。一方、CPU301は、全頁の記録が終了したと判断したときは(S17:YES)、本プログラムを終了する。これにより、プリントが完了する。
【0066】
また、上記S13又は上記S15において、CPU301が、ジャムが発生したと判断したときは(S13:YES、S15:YES)、上述したように、S18に進む。S18では、CPU301は、表示部36の表示やスピーカ308の出力音により、ジャム報知を行う。その後は、S19に進む。
【0067】
S19では、CPU301は、図16に示されたキャリッジ移動処理を行う。すなわち、CPU301は、図16のS41に進んで、ジャム発生直前のキャリッジ21の移動方向がフラッシング部からメンテナンス部に向かった方向であるかどうかを判断する。この判断は、エンコーダ30からの出力信号などに基づいて行われる。ここで、CPU301は、ジャム発生直前のキャリッジ21の移動方向がメンテナンス部からフラッシング部に向かった方向であると判断したときは(S41:NO)、S42に進む。
【0068】
S42では、CPU301は、駆動モータ29やエンコーダ30を用いてキャリッジ21を移動制御することにより、フラッシング部からメンテナンス部に向かった方向へキャリッジ21を移動させる。その後は、S43に進む。
【0069】
S43では、CPU301は、キャリッジ21の移動がメンテナンス部で完了したかどうかを判断する。この判断は、エンコーダ30からの出力信号などに基づいて行われ、キャリッジ21がメンテナンス部に到達すれば、キャリッジ21の移動がメンテナンス部で完了したとされる。ここで、CPU301は、キャリッジ21の移動がメンテナンス部で完了したと判断したときは(S43:YES)、駆動モータ29を停止し、S50に進む。
【0070】
S50では、CPU301は、メンテナンス装置5を用いて、キャリッジ21の記録ヘッド(不図示)に対してキャッピングを行う。その後は、図15に戻って、S20に進む。
【0071】
一方、図16の上記S43において、CPU301は、キャリッジ21の移動がメンテナンス部で完了していないと判断したときは(S43:NO)、S44に進んで、上記S42の動作開始時から所定時間が経過したかどうかを判断する。ここで、CPU301は、所定時間が経過していないと判断したときは(S44:NO)、上記S42以降の処理を繰り返す。一方、CPU301は、所定時間が経過したと判断したときは(S44:YES)、S45に進む。
【0072】
S45では、CPU301は、駆動モータ29を停止することにより、キャリッジ21の駆動停止を行う。その後は、S46に進む。
【0073】
S46では、CPU301は、駆動モータ29やエンコーダ30を用いてキャリッジ21を移動制御することにより、メンテナンス部からフラッシング部に向かった方向へキャリッジ21を移動させる。その後は、S47に進む。
【0074】
S47では、CPU301は、キャリッジ21の移動がフラッシング部で完了したかどうかを判断する。この判断は、エンコーダ30からの出力信号などに基づいて行われ、キャリッジ21がフラッシング部に到達すれば、キャリッジ21の移動がフラッシング部で完了したとされる。ここで、CPU301は、キャリッジ21の移動がフラッシング部で完了したと判断したときは(S47:YES)、駆動モータ29を停止し、その後は、図15に戻って、S20に進む。
【0075】
一方、図16の上記S47において、CPU301は、キャリッジ21の移動がフラッシング部で完了していないと判断したときは(S47:NO)、S48に進んで、上記S46の動作開始時から所定時間が経過したかどうかを判断する。ここで、CPU301は、所定時間が経過していないと判断したときは(S48:NO)、上記S46以降の処理を繰り返す。一方、CPU301は、所定時間が経過したと判断したときは(S48:YES)、S49に進む。
【0076】
S49では、CPU301は、駆動モータ29を停止することにより、キャリッジ21の駆動停止を行う。その後は、図15に戻って、S20に進む。
【0077】
一方、図16の上記S41において、CPU301が、ジャム発生直前のキャリッジ21の移動方向がフラッシング部からメンテナンス部に向かった方向であると判断したときは(S41:YES)、S51に進む。
【0078】
S51では、CPU301は、駆動モータ29やエンコーダ30を用いてキャリッジ21を移動制御することにより、メンテナンス部からフラッシング部に向かった方向へキャリッジ21を移動させる。その後は、S52に進む。
【0079】
S52では、CPU301は、キャリッジ21の移動がフラッシング部で完了したかどうかを判断する。この判断は、エンコーダ30からの出力信号などに基づいて行われ、キャリッジ21がフラッシング部に到達すれば、キャリッジ21の移動がフラッシング部で完了したとされる。ここで、CPU301は、キャリッジ21の移動がフラッシング部で完了したと判断したときは(S52:YES)、駆動モータ29を停止し、その後は、図15に戻って、S20に進む。
【0080】
一方、図16の上記S52において、CPU301は、キャリッジ21の移動がフラッシング部で完了していないと判断したときは(S52:NO)、S53に進んで、上記S51の動作開始時から所定時間が経過したかどうかを判断する。ここで、CPU301は、所定時間が経過していないと判断したときは(S53:NO)、上記S51以降の処理を繰り返す。一方、CPU301は、所定時間が経過したと判断したときは(S53:YES)、S54に進む。
【0081】
S54では、CPU301は、駆動モータ29を停止することにより、キャリッジ21の駆動停止を行う。その後は、S55に進む。
【0082】
S55では、CPU301は、駆動モータ29やエンコーダ30を用いてキャリッジ21を移動制御することにより、フラッシング部からメンテナンス部に向かった方向へキャリッジ21を移動させる。その後は、S56に進む。
【0083】
S56では、CPU301は、キャリッジ21の移動がメンテナンス部で完了したかどうかを判断する。この判断は、エンコーダ30からの出力信号などに基づいて行われ、キャリッジ21がメンテナンス部に到達すれば、キャリッジ21の移動がメンテナンス部で完了したとされる。ここで、CPU301は、キャリッジ21の移動がメンテナンス部で完了したと判断したときは(S56:YES)、駆動モータ29を停止し、S59に進む。
【0084】
S59では、CPU301は、メンテナンス装置5を用いて、キャリッジ21の記録ヘッド(不図示)に対してキャッピングを行う。その後は、図15に戻って、S20に進む。
【0085】
一方、図16の上記S56において、CPU301は、キャリッジ21の移動がメンテナンス部で完了していないと判断したときは(S56:NO)、S57に進んで、上記S55の動作開始時から所定時間が経過したかどうかを判断する。ここで、CPU301は、所定時間が経過していないと判断したときは(S57:NO)、上記S55以降の処理を繰り返す。一方、CPU301は、所定時間が経過したと判断したときは(S57:YES)、S58に進む。
【0086】
S58では、CPU301は、駆動モータ29を停止することにより、キャリッジ21の駆動停止を行う。その後は、図15に戻って、S20に進む。
【0087】
そして、図15のS20では、CPU301は、カバーオープン表示を行う。このとき、CPU301は、蓋4を開ける旨のメッセージを表示部306に表示する。その後は、S21に進む。
【0088】
S21では、CPU301は、カバーが開いたかどうかを判定する。この判定は、開閉用検知部305からの検知信号に基づいて行われ、蓋4が開いた状態にあれば、カバーが開いたとされる。ここで、CPU301は、カバーが開いていないと判定したときは(S21:NO)、上記S20以降の処理を繰り返す。一方、CPU301は、カバーが開いたと判定したときは(S21:YES)、S22に進む。
【0089】
S22では、CPU301は、カバーオープン表示の消去を行う。このとき、CPU301は、蓋4を開ける旨のメッセージを表示部306から消去する。その後は、S23に進む。
【0090】
S23では、CPU301は、センサ点灯を行う。このとき、キャリッジ21の移動がメンテナンス部で完了した状態にあり(図16のS43:YES、S56:YES)、または、フラッシング部からメンテナンス部に向かった方向へキャリッジ21を移動させた途中で駆動モータ29を停止した状態にあれば(図16のS58)、CPU301は、インク残量センサ11の発光素子や、メディアセンサ12の発光素子や、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lを同時点灯させる。これにより、図1や図4や図6に示した各反射領域11R、12R、24R、28Rなどが形成され、これらの各反射領域11R、12R、24R、28Rなどによって、プラテン41上の用紙搬送路が照射される。その後は、S24に進む。
【0091】
一方、上記S23において、キャリッジ21の移動がフラッシング部で完了した状態にあり(図16のS47:YES、S52:YES)、または、メンテナンス部からフラッシング部に向かった方向へキャリッジ21を移動させた途中で駆動モータ29を停止した状態にあれば(図16のS49)、CPU301は、インク残量センサ11の発光素子や、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lを同時点灯させる。これにより、図11や図12や図13に示した各反射領域11R、24R、28Rなどが形成され、これらの各反射領域11R、24R、28Rなどによって、プラテン41上の用紙搬送路が照射される。その後は、S24に進む。
【0092】
S24では、CPU301は、カバーが閉じたかどうかを判定する。この判定は、開閉用検知部305からの検知信号に基づいて行われ、蓋4が閉じた状態にあれば、カバーが閉じたとされる。ここで、CPU301は、カバーが閉じていないと判定したときは(S24:NO)、上記S23以降の処理を繰り返す。一方、CPU301は、カバーが閉じたと判定したときは(S24:YES)、S25に進む。
【0093】
S25では、CPU301は、センサ消灯を行う。このとき、CPU301は、上記S23により点灯した最中にある発光素子や発光部を消灯させる。その後は、S26に進む。
【0094】
S26では、CPU301は、所定の記録部初期化処理を行った後、上記S12に戻って、プリント動作を再び実行する。
【0095】
<まとめ>
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るプリンタ1では、インク残量センサ11の発光素子や、メディアセンサ12の発光素子や、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lが同時点灯すると(S23)、非対称である各反射部61、62、63で光が反射することにより、図1や図4や図6に示す各反射領域11R、12R、24R、28Rなどが形成され、これらの各反射領域11R、12R、24R、28Rなどによって、プラテン41上の用紙搬送路が照射される。
【0096】
また、インク残量センサ11の発光素子や、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lが同時点灯すると(S23)、非対称である各反射部61、64で光が反射することにより、図11や図12や図13に示す各反射領域11R、24R、28Rなどが形成され、これらの各反射領域11R、24R、28Rなどによって、プラテン41上の用紙搬送路が照射される。
【0097】
この点、各反射部61、62、63、64は、本体2の内部にある各設置箇所に設けられ、各設置箇所における設置スペースが僅かで済むことから、本体2の内スペースを現状維持しつつローコストで、プラテン41上の用紙搬送路の照明を実現することができる。
【0098】
また、本実施の形態に係るプリンタ1では、プラテン41上の用紙搬送路でジャムが発生すると、ジャム用検知部304により検知され(S13:YES、S15:YES)、インク残量センサ11の発光素子や、メディアセンサ12の発光素子や、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lが同時点灯したり(S23)、あるいは、インク残量センサ11の発光素子や、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lが同時点灯する(S23)。
【0099】
このとき、各反射領域11R、12R、24R、28Rなどによって、あるいは、各反射領域11R、24R、28Rなどによって、プラテン41上の用紙搬送路が照射されており、これらの各反射領域11R、12R、24R、28Rなどは、異なる設置箇所にある各反射部61、62、63、64から発することから、複数の異なる角度からプラテン41上の用紙搬送路が照射されることになり、照明ムラ(影の発生)を抑えることができる。
【0100】
また、本実施の形態に係るプリンタ1では、S23のセンサ点灯において、インク残量センサ11の発光素子や、メディアセンサ12の発光素子や、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lを同時点灯させるか、あるいは、インク残量センサ11の発光素子や、メディアセンサ12の発光素子や、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lを同時点灯させるかを、キャリッジ21の移動状況に応じて決定している。これにより、キャリッジ21に隠れて照明機能が失われる無駄な点灯を事前に防止することが可能となる。
【0101】
また、本実施の形態に係るプリンタ1では、S23のセンサ点灯において、全てのインクタンク24〜28の発光部24L〜28Lを点灯させるので、プラテン41上の用紙搬送路に対する照度を十二分に確保することができる。
【0102】
また、本実施の形態に係るプリンタ1では、蓋4が開いた状態になると、開閉用検知部305により検知され(S21:YES)、S23のセンサ点灯が実行され、さらに、蓋4が閉じた状態になると、開閉用検知部305により検知され(S24:YES)、S25のセンサ消灯が実行される。
【0103】
この点、本体2の内部点検などを行う際には使用者は蓋4を開けることから、使用者が本体2内の照明を必要とするときに限って、本体2の内部(プラテン41上の用紙搬送路)を照明させることができる。
【0104】
このとき、プラテン41やキャリッジ21は、黒色であることから、用紙の色との明暗がこれらの照明により一層に明瞭となり、プラテン41やキャリッジ21などで詰まったジャム紙の発見が容易となる。
【0105】
<その他>
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態に係るプリンタ1において、S23のセンサ点灯では、インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lのうち、全ての5つを点灯させるのではなく、いずれか1つ、いずれか2つ、いずれか3つ、いずれか4つを点灯対象として選んでもよい。このようにしても、プラテン41上の用紙搬送路に対する照度を必要最低限以上で確保することができる。
【0106】
さらに、インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lの発光色を異なるものとし、その発光色に基づいて、インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lの点灯対象を決定してもよい。このような場合には、より適した発光色でプラテン41上の用紙搬送路に対する照度を確保することができる。また、インクタンク24〜28の発光部24L〜28Lの発光色によって、用紙の搬送エラーに関する情報を使用者に知らせてもよい。
【0107】
また、本実施の形態に係るプリンタ1において、図7に示す搭載検知部13を、発光素子(「搭載検知用の発光部」の一例)と受光素子で構成し、搭載検知部13の横を移動中のキャリッジ21に向けて発光素子から光を発し、その反射光を受光素子が検出することにより、キャリッジ21に各インクタンク24〜28が搭載されているかどうかを検知するようにしてもよい。
【0108】
そして、図17(本実施の形態に係るプリンタ1を図3の線D−Dで切断した断面図)に示すように、本体2の内部向側正面に反射部65を設ける。この点、反射部65の設置箇所(「第5設置箇所」の一例)は、搭載検知部13の横方向に位置する。また、反射部65の反射面(側面)を、本体2の内部向側正面に対し斜めに固定し、これにより、反射部65を非対称とする。
【0109】
さらに、S23のセンサ点灯において、キャリッジ21の移動状況に応じて搭載検知部13の発光素子も点灯させると、図17に示すように、搭載検知部13の発光素子からの光が反射部65で反射し、それらの反射光で形成される反射領域13Rをもって、プラテン41上の用紙搬送路を照射することができる。このような場合であっても、上述した各効果を奏することは可能である。
【0110】
尚、本実施の形態に係るプリンタ1では、インク残量センサ11の発光素子、メディアセンサ12の発光素子、各インクタンク24〜28の発光部24L〜28L、搭載検知部13の発光素子の各発光部のうち、少なくとも一つ以上の発光部を備え、さらに、各反射部61、62、63、64、65のうち、その装備された発光部に対応するものが設けられていれば、本体2の内スペースを現状維持しつつローコストで、プラテン41上の用紙搬送路の照明を実現することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、プリンタ内の紙搬送経路に光を照射する技術に適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本実施の形態に係るプリンタを図3の線B−Bで切断した断面図である
【図2】本実施の形態に係るプリンタを示した斜視図である。
【図3】本実施の形態に係るプリンタを示した平面図である。
【図4】本実施の形態に係るプリンタを図3の線A−Aで切断した断面図である。
【図5】本実施の形態に係るプリンタを図4の領域Fで大きく示した拡大図である。
【図6】本実施の形態に係るプリンタを図3の線C−Cで切断した断面図である。
【図7】本実施の形態に係るプリンタを図3の線D−Dで切断した断面図である。
【図8】本実施の形態に係るプリンタを示した斜視図である。
【図9】本実施の形態に係るプリンタを示した平面図である。
【図10】本実施の形態に係るプリンタを図9の線A−Aで切断した断面図である。
【図11】本実施の形態に係るプリンタを図9の線B−Bで切断した断面図である。
【図12】本実施の形態に係るプリンタを図9の線C−Cで切断した断面図である。
【図13】本実施の形態に係るプリンタを図9の線E−Eで切断した断面図である。
【図14】本実施の形態に係るプリンタのブロック図である。
【図15】本実施の形態に係るプリンタの動作を制御するプログラム内容を示したフローチャート図である。
【図16】本実施の形態に係るプリンタの動作を制御するプログラム内容を示したフローチャート図である。
【図17】本実施の形態に係るプリンタを図3の線D−Dで切断した断面図である。
【符号の説明】
【0113】
1 プリンタ
2 本体
3 開口部
4 蓋
11 インク残量センサ
12 メディアセンサ
13 搭載検知部
21 キャリッジ
24〜28 インクタンク
24L〜28L インクタンク発光部
41 プラテン
61 第3設置箇所にある反射部
62 第4設置箇所にある反射部
63 第1設置箇所にある反射部
64 第2設置箇所にある反射部
65 第5設置箇所にある反射部
301 CPU
304 ジャム用検知部
305 開閉用検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体内に設けられた用紙搬送路と、前記用紙搬送路上を移動するとともに第1ポジション及び第2ポジションに停止するキャリッジと、前記キャリッジに搭載されたインクタンクとを有するプリンタであって、
前記インクタンクの取付状況を操作者に報知するために前記インクタンクに設けられる報知用の発光部、前記インクタンクのインク残量を検知するために前記本体内に設けられる残量検知用の発光部又は、前記用紙搬送路上を搬送される用紙を検知するために前記キャリッジに設けられる用紙検知用の発光部のうち、少なくも1個以上の発光部を有し、
前記キャリッジが前記第1ポジションに停止している際に前記報知用の発光部と対向する第1設置箇所、前記キャリッジが前記第2ポジションに停止している際に前記報知用の発光部と対向する第2設置箇所、前記残量検知用の発光部と対向する第3設置箇所又は、前記キャリッジが前記第1ポジションに停止している際に前記用紙検知用の発光部と対向する第4設置箇所について、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所の少なくも1つに反射部を設けたこと、を特徴とするプリンタ。
【請求項2】
請求項1に記載するプリンタであって、
前記用紙搬送路上で発生する用紙ジャムを検知するためのジャム用検知部と、
前記ジャム用検知部が用紙ジャムの発生を検知した際に、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所に前記反射部が設けられたものの中から少なくも2個以上の発光部を点灯させる点灯動作を行う点灯制御部と、を備えたこと、を特徴とするプリンタ。
【請求項3】
請求項2に記載するプリンタであって、
前記ジャム用検知部が用紙ジャムの発生を検知した際に前記第1ポジション又は前記第2ポジションに向かって前記キャリッジを移動させる移動制御部を備え、
前記点灯制御部は、前記移動制御部による前記キャリッジの移動方向に応じて、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所に前記反射部が設けられたものの中から点灯対象を選択し、その選択結果に基づいて前記点灯動作を実行すること、を特徴とするプリンタ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載するプリンタであって、
前記キャリッジに複数個の前記インクタンクを搭載することにより複数個の前記報知用の発光部を備え、
前記点灯制御部は、前記報知用の発光部の全てを1個の発光部として扱って前記点灯動作を行うこと、を特徴とするプリンタ。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載するプリンタであって、
前記キャリッジに複数個の前記インクタンクを搭載することにより複数個の前記報知用の発光部を備え、
前記点灯制御部は、前記報知用の発光部の各々を1個の発光部として扱って前記点灯動作を行うこと、を特徴とするプリンタ。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載するプリンタであって、
前記報知用の発光部の各々が発光する色の総数が少なくとも2色以上であること、を特徴とするプリンタ。
【請求項7】
本体と、前記本体内に設けられた用紙搬送路と、前記用紙搬送路上を移動するとともに第1ポジション及び第2ポジションに停止するキャリッジと、前記キャリッジに搭載されたインクタンクとを有するプリンタであって、
前記インクタンクが前記キャリッジに搭載されたか否かを検知するために前記本体内に設けられた搭載検知用の発光部を有し、
前記インクタンクのインク残量を検知するために前記本体内に設けられた残量検知用の発光部又は、前記用紙搬送路上を搬送される用紙を検知するために前記キャリッジに設けられた用紙検知用の発光部を有し、
前記搭載検知用の発光部と対向する第5設置箇所、前記残量検知用の発光部と対向する第3設置箇所又は、前記キャリッジが前記第1ポジションに停止している際に前記用紙検知用の発光部と対向する第4設置箇所について、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所の少なくも1つに反射部を設けたこと、を特徴とするプリンタ。
【請求項8】
請求項7に記載するプリンタであって、
前記用紙搬送路上で発生する用紙ジャムを検知するためのジャム用検知部と、
前記ジャム用検知部が用紙ジャムの発生を検知した際に、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所に前記反射部が設けられたものの中から少なくも2個以上の発光部を点灯させる点灯動作を行う点灯制御部と、を備えたこと、を特徴とするプリンタ。
【請求項9】
請求項8に記載するプリンタであって、
前記ジャム用検知部が用紙ジャムの発生を検知した際に前記第1ポジション又は前記第2ポジションに向かって前記キャリッジを移動させる移動制御部を備え、
前記点灯制御部は、前記移動制御部による前記キャリッジの移動方向に応じて、前記各発光部のうち当該プリンタが有するものに対向する設置箇所に前記反射部が設けられたものの中から点灯対象を選択し、その選択結果に基づいて前記点灯動作を実行すること、を特徴とするプリンタ。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一つに記載するプリンタであって、
前記本体内が露出する開口部をカバーするために前記本体に開閉可能に設けられた蓋と、
前記蓋の開閉状態を検知するための開閉用検知部を備え、
前記点灯制御部は、前記開閉用検知部で前記蓋の開状態を検知した際に前記点灯動作の実行を開始し、前記開閉用検知部で前記蓋の閉状態を検知した際に前記点灯動作の実行を終了すること、を特徴とするプリンタ。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載するプリンタであって、
前記反射部が非対称であること、を特徴とするプリンタ。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか一つに記載するプリンタであって、
前記用紙搬送路を形成するプラテンが黒色であること、を特徴するプリンタ。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか一つに記載するプリンタであって、
前記キャリッジが黒色であること、を特徴するプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−6482(P2009−6482A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167057(P2007−167057)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】