説明

プリンティング装置

【課題】 バリアブル印刷ジョブのように1つのジョブ内に異なる後処理工程を発生させる要因を含むデータが混在する場合を想定しておらず、配布先が特定できる点でどの外部フィニッシング装置に持って行くかまでは指定できるが、具体的な後処理の指示を指定することまではおこなわれていなかった。
【解決手段】 排紙トレイ/スタッカ毎に外部接続の後処理装置用のテンプレートジョブチケットの生成、排紙取り出し検出部での取り出しの検出後のテンプレートジョブチケットの選択や補正、ジョブチケット送信タイミングの管理等を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部フィニッシング装置と連携する印刷装置に関するものであり、特に、印刷指示および印刷データからなる1つの印刷ジョブ内の処理で、複数の外部フィニッシング装置との連携を要する場合の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商業的印刷業界では、第三者(顧客、クライアント)から印刷物(雑誌、新聞、カタログ、広告、グラビア等)の作成依頼を受注し、該クライアントの所望の印刷物を作成し、それを該クライアントに納品することでクライアントから報酬を得ている。
【0003】
商業的印刷業界では、現在でも、オフセット製版印刷機などの大規模な印刷装置等を用いているのが主流である。該印刷業界では、入稿、デザインやレイアウト、カンプ(プリンタ出力によるプレゼンテーション)、校正(レイアウト修正や色修正)、校正刷り(プルーフプリント)、版下作成、印刷、後処理加工、発送といった具合に様々な工程を踏んで作業を進めてきた。これは、上述のような印刷機の利用には版下作成を欠かすことができず、一度版下を作成すると、その修正は容易でなく、且つコスト的にかなり不利であるため、入念な校正、即ちレイアウトのチェックや色の確認作業が必須であったためである事等に起因する。このように、この手の業界では、大掛かりな装置を必要とし、尚且つ、クライアントが所望する印刷物を作成するのにある程度の時間も必要であった。しかもこれらそれぞれの作業には専門知識が必要であり、いわば職人と呼ばれる熟練者のノウハウが必要であった。
【0004】
一方で、上記のような大規模な印刷機、印刷手法に変わって、例えば、デジタル複写機やデジタル複合機等のデジタル画像形成装置を最大限に活用して、電子データを用いたディジタルプリントを実現して、それで商売を行うとする市場も出現しつつある。
【0005】
そのような市場は、プリント・オン・ディマンド(POD)と呼ばれる。
【0006】
大量部数や大量ジョブを、大掛かりな装置、システムを用いずに、短納期で取り扱えることを目指して、このようなPOD市場では、従来の印刷業界に比べてディジタル化が融合し、コンピュータを利用した管理、制御が浸透してきており、コンピュータを利用してある程度、印刷業界のレベルに近づこうとしている。
【0007】
さらには、個々の顧客ニーズに合わせた情報を提供するダイレクトメールがなどのバリアブル印刷が、PODでは版下作成が不要になるため普及しつつあり、バリアブル印刷の発展に応じて、顧客毎に仕上げ加工処理も多様化することが望まれている。
【0008】
また、PODでは、デジタル画像形成装置とフィニッシング装置の連携においてもネットワーク化が進みつつあり、ジョブチケットにて処理の指示が外部フィニッシング装置に送信されるようなった。
【0009】
そのためMFP単体で処理が出来ない仕上げ加工処理は、外部のフィニッシング装置を用いるため、MFPと外部フィニッシング装置の連携用途は増加している。
【0010】
しかし、外部フィニッシング装置への用紙の運搬、用紙の設置、装置側処理のスタート指示、など一連のオペレータによる作業は残っていた。
【0011】
そのような背景において、一回のバリアブル印刷ジョブにおいて、顧客毎に異なる複数の仕上げ加工処理が発生するので、外部フィニッシング装置毎に印刷出力用紙を仕分け、外部フィニッシング装置毎にジョブチケットを送信する必要が生じている。
【0012】
従来、印刷出力用紙の仕分け方法としては、複写物の仕分け作業と同時に配布先を記した配布先シートを自動的に作成、添付し、複写物の配布作業を簡便に行う方法(特許文献1)があった。
【0013】
また、外部フィニッシング装置との連携においては、予め工程を決めた上で、各工程に必要な指示情報等を送信する方法(特許文献2)や、フィニッシング装置からのジョブチケットの取得要求に応じてジョブチケットを送信する方法(特許文献3)などがあった。
【特許文献1】特開平07-140846
【特許文献2】特開2002-113971
【特許文献3】特開2006-123414
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上述した従来の技術では、バリアブル印刷ジョブのように1つのジョブ内に異なる後処理工程を発生させる要因を含むデータが混在する場合を想定しておらず、特許文献1の方法では、配布先が特定できる点でどの外部フィニッシング装置に持って行くかまでは指定できるが、具体的な後処理の指示を指定することまではおこなわれていなかった。
【0015】
特許文献2の方法では、バリアブル印刷ジョブのように1つのジョブ内に異なる後処理工程を発生させる要因を含むデータが混在した場合、その後処理工程までを含めた全てを予め決定しておくことは困難であった。
【0016】
また、特許文献2や3の場合、印刷出力用紙と後処理工程のジョブチケットの対応の管理は行っていなかった。
【0017】
また、いずれも1つのジョブとしての印刷終了の後にジョブチケットを後処理工程に送信することを前提としているため、1つのMFPからは、全ての印刷が終了するまで、複数の外部フィニッシング装置へジョブチケットを個別に送信することができなかった。
【0018】
また、全ての印刷が終了する前に排出トレイが制限枚数に達してしまった場合に、そこまでの印刷出力物を一旦どこかに待避させておかなければならなかった。
【0019】
なぜならば、外部フィニッシング装置にそこまでの印刷出力物を搬送してもジョブチケットが送信されていないので、外部フィニッシング装置側での処理を始められないためである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述した課題を解決するために、本発明は、
印刷ジョブデータとして、ジョブチケットおよびPDLが入力されると、それらからラスタイメージを生成してプリント処理を行う印刷装置と外部フィニッシング装置がネットワークで連携している印刷システムにおいて、バリアブルデータのデータベースからのバリアブルコンテンツ抽出や、バリアブルコンテンツのコンテンツタイプ情報の抽出などの処理を行うバリアブルデータ処理手段と、排紙機能および排紙トレイ/スタッカの管理を行う排紙管理手段と、印刷出力結果を排紙トレイ/スタッカ等へ仕分け出力する仕分け処理手段と、仕分け先の排紙トレイ/スタッカ等とバリアブルコンテンツや外部フィニッシング処理やテンプレートジョブチケット等の関連付けを管理する仕分けマップ管理手段と、排紙トレイ/スタッカから排紙が取り出されたか否かを検出する排紙取り出し検出手段と、排紙トレイ/スタッカ毎に外部接続の後処理装置用のテンプレートジョブチケットの生成や、排紙取り出し検出部での取り出しの検出後のテンプレートジョブチケットの選択や補正、ジョブチケット送信タイミングの管理等を行う外部フィニッシング処理ジョブチケット管理手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によって、
(1)仕上げ加工毎に、排出トレイ/スタッカ別に仕分けられ、なおかつジョブチケットが生成されるため、排出トレイ/スタッカ毎に後処理が継続できる。
【0022】
(2)全ての印刷が終了する前に排出トレイ/スタッカがフルになっても、そこまでの印刷終了した分で後処理が継続できる。
【0023】
(3)オペレータが排出トレイ/スタッカから印刷出力物を取り出す作業が、自動的に、後工程用ジョブチケットの外部フィニッシング装置への送信処理にもなるので、オペレータの操作手番が削減される。
【0024】
また、後工程に関する特別なワークフロー制御も不要になる。
【0025】
(4)顧客毎に異なる仕上げ処理別にバリアブルデータをあらかじめ分類したり分割する必要がないので、オペレータの負荷が軽減されると共に、トータルな処理時間が短縮される。
【0026】
という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(実施例1)
〔第1実施形態〕
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0028】
〔システムの概要説明〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す複数の機能を具備する複合機能デバイス(MFP)の構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
MFPは、例えば、CPU,ROM,RAM,HD等を有するコンピュータ装置(情報処理ユニット)を含み、CPUがROM,HD又はその他の記憶媒体に格納されるプログラムを実行して各機能を実現するものである。
【0030】
図に示すように、本実施形態のMFPを構成する各機能は内部バス117で接続されている。
【0031】
また、このMFPには、スキャナ機能(106)も具備している。
【0032】
本形態のMFPは、印刷機能(DigitialPrinting機能)111やスキャナ機能等の複数種類の機能を有している。
【0033】
これら複数の機能は、互いに、内部バス117等の所定の通信媒体を介して、データ(画像データや印刷条件データや制御データ、ステータスリクエストデータ、ステータスデータ等)の授受が可能なように構成されている。
【0034】
図1において、
101は、ジョブ送受信部であり、コンピュータやデバイス、印刷システムと本MFPの間でやり取りされる全てのジョブの送受信を行う。
【0035】
例えば、印刷処理等の処理が実行中である実行中ジョブ、印刷要求がなされて処理開始を待機する待機中ジョブ、出力処理が完了した終了ジョブ、エラーが発生したエラージョブ等の、様々なステータスの本システムにて処理対象の各ジョブを含む。
【0036】
102は、ジョブチケットParserであり、XMLで記述されたジョブチケットをXML的にパースしてエレメントや属性等の抽出や木構造化における包含関係の解析など、構造解析を行う。
【0037】
103は、ジョブチケット解釈部であり、ジョブチケットの構造的な解析を行った後に、各エレメントや属性、さらには構造的な包含等から処理指示の意味解釈を行う。
【0038】
104は、MFP管理部であり、本MFPで具備している機能の把握、各機能とジョブチケット指示を関連付けた統合的な管理を行う。
【0039】
105は、ジョブ管理部であり、ジョブチケットのファイル保存や保存ジョブの取り出し、ジョブの終了判断などの管理を行う。
【0040】
106は、Scanning部であり原稿のスキャンを行う。
【0041】
107は、PDLインタープリターであり、ページ記述データの解釈を行う。
【0042】
108は、RIPであり、PDLインタープリターによって解釈された結果を用いてラスタライズされたページデータを生成する。
【0043】
109は、ファイル保管管理部であり、MFP内部のストレージにジョブチケットやPDLデータ等を保管する。
【0044】
110は、バリアブルデータ処理部であり、バリアブルデータのデータベースからのバリアブルコンテンツ抽出や、バリアブルコンテンツのコンテンツタイプ情報の抽出などの処理を行う。
【0045】
111は、印刷処理をおこなうDigitalPrinting機能である。
【0046】
112は、排紙管理部であり、排紙機能および排紙トレイ/スタッカの管理を行う。
【0047】
113は、仕分け処理部であり、印刷出力結果を排紙トレイ/スタッカ等へ仕分け出力する。
【0048】
115は、仕分けマップ管理部であり、仕分け先の排紙トレイ/スタッカ等とバリアブルコンテンツや外部フィニッシング処理やテンプレートジョブチケット等の関連付けを管理する。
【0049】
116は、排紙取り出し検出部であり、排紙トレイ/スタッカから排紙が取り出されたか否かを検出する。
【0050】
117は、外部フィニッシング処理ジョブチケット管理部であり、排紙トレイ/スタッカ毎に外部接続の後処理装置用のテンプレートジョブチケットの生成を行う。
【0051】
また、排紙取り出し検出部での取り出しの検出後のテンプレートジョブチケットの選択や補正、ジョブチケット送信タイミングの管理等も行う。
【0052】
図2は、本発明の第1実施形態を示すMFPを有する印刷システムの一例を示す模式図である。
【0053】
201のジョブ生成アプリケーションのジョブチケット生成部およびPDL生成部にて生成された印刷ジョブ(204)は、MFP(207)へと配信される。
【0054】
207はMFPを模式化した図で、その内部は、図1に示すような構成を有する。
【0055】
特に、MFPの各機能を統合管理するMFP管理部(104)と、排紙機能および排紙トレイ/スタッカの管理を行う排紙管理部(112)と、排紙トレイ/スタッカ(209)のみを図示しておく。
【0056】
また、MFPには複数の外部接続の後処理装置(208)がネットワーク(210)で連携している。
【0057】
MFPから出力されるジョブチケット(205)が、後処理装置(210)にオンラインで入力される一方、紙出力(214)がオペレータによって搬送される。
【0058】
図3は、上記の構成からなるMFPが、バリアブル印刷ジョブを受付けてから外部接続の後処理装置にジョブチケットを送信するところまでの処理全体を示すフローチャートである。
【0059】
ステップS301にて、MFPは、ジョブ送受信部(101)およびジョブ管理部(105)は、ジョブ(204)を受信し、ジョブチケットをファイル保管管理部(109)に保存する。
【0060】
ステップS302にて、MFPのジョブチケットParser(102)は、XMLで記述されたジョブチケットをXML的にパースしてエレメントや属性等の抽出や木構造化における包含関係の解析など、構造解析を行う。
【0061】
また、それとともに、MFPのジョブチケット解釈部(103)は、各エレメントや属性、さらには構造的な包含等から処理指示の意味解釈を行い、MFPへの指示情報として抽出する。
【0062】
ステップS303にて、MFPの排紙管理部(112)は、排紙仕分けマップおよびテンプレートジョブチケットの生成を行う。
【0063】
ステップS304にて、MFPのバリアブルデータ処理部(110)は、顧客データ数のカウンタ(c)を1に初期化する。
【0064】
ステップS305にて、MFPのバリアブルデータ処理部(110)は、顧客データをバリアブルデータDB(202)から読み込む。
【0065】
ステップS306にて、MFPのバリアブルデータ処理部(110)は、顧客データに関連するバリアブルコンテンツをバリアブルデータDB(202)から読み込み、バリアブルコンテンツのコンテンツタイプの情報を抽出する。
【0066】
ステップS307にて、MFPの排紙管理部(112)は、バリアブルデータ処理部(110)が抽出したコンテンツタイプを排紙仕分けマップと照らし合わせ、当該シートの外部フィニッシング処理を選択する。
【0067】
ステップS308にて、MFPの排紙管理部(112)は、バリアブルデータ処理部(110)が抽出したコンテンツタイプを排紙仕分けマップと照らし合わせ、当該シートの排紙先トレイ/スタッカを選択する。
【0068】
ステップS309にて、MFPのPDLインタープリター(107)ならびにRIP部(108)が、ジョブチケットの面付けレイアウト指示に従い、バリアブルコンテンツを用いて、1シート分のRIP処理を行い1シート分の印刷画像データを生成する。
【0069】
ステップS310にて、MFPのDigitalPrinting部(111)が印刷する。
【0070】
ステップS311にて、MFPの仕分け処理部(113)は、印刷されたシートを、ステップS308にて選択した排紙トレイ/スタッカに仕分けながら排紙し、排紙管理部(112)にて排紙枚数を記憶する。
【0071】
ステップS312にて、MFPの排紙管理部(112)が、当該排紙トレイ/スタッカに排紙したシートの排紙枚数が、当該排紙トレイ/スタッカの排紙枚数制限に達したと検出した場合は、ステップS318の処理に進む。
【0072】
ステップS318にて、MFPの排紙管理部(112)は、UI(100)に、オペレータに排紙を取り出すことを促す排紙取り出し勧告表示を行う。
【0073】
ステップS319にて、MFPの排紙取り出し検出部(115)は、排紙取り出しを検知を行う。
【0074】
ステップS320にて、排紙が取り出させれたと検知された場合は、S321のジョブチケット出力処理へ進む。
【0075】
ステップS320にて、排紙が取り出されていない場合は、S318に戻る。
【0076】
図4は、S321の排紙トレイ/スタッカ毎のジョブチケット出力処理の例を示すフローチャートである。
【0077】
ステップS701にて、MFPの排紙管理部(112)は、検知された当該排紙トレイ/スタッカの外部フィニシング用テンプレートジョブチケットを、排紙仕分けマップから選択する。
【0078】
ステップS702にて、MFPの外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、選択したテンプレートジョブチケットの属性値などを、実際に印刷実行された値を鑑みて補正する(図5の802)。
【0079】
ステップS703にて、MFPの外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、補正後のテンプレートジョブチケット(図5の802)をジョブ送受信部(101)を介して外部フィニッシング装置に送信する。
【0080】
ステップS704にて、MFPの外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、外部フィニシング用ジョブチケットの送信成功後、当該排紙トレイ/スタッカのジョブチケットをテンプレート(図5の801)に戻す。
【0081】
次に、図3に戻り、
ステップS322にて、顧客データの残りがまだ有る場合は、ステップS316にて、顧客データ数のカウンタ(c)をインクリメント処理して、S305にて、再び顧客データ読み込み処理を行う。
【0082】
ステップS322にて、顧客データの残りがもう無い場合は、本印刷ジョブは終了となる。
【0083】
ステップS312にて、MFPの排紙管理部(112)が、当該排紙トレイ/スタッカに排紙したシートの排紙枚数が、当該排紙トレイ/スタッカの排紙枚数制限に達したと検出していない場合は、ステップS313の処理に進む。
【0084】
ステップS313にて、MFPの排紙取り出し検出部(115)は、排紙取り出しを検知を行う。
【0085】
ステップS314にて、排紙が取り出させれたと検知された場合は、S321へジョブチケット出力処理へ進む。
【0086】
ステップS314にて、排紙が取り出されていない場合は、S315に進む。
【0087】
ステップS315にて、顧客データの残りがまだ有る場合は、ステップS316にて、顧客データ数のカウンタ(c)をインクリメント処理して、S305にて、再び顧客データ読み込み処理を行う。
【0088】
ステップS315にて、顧客データの残りがもう無い場合は、
ステップS317にて、MFPの排紙管理部(112)は、UI(100)に、オペレータに排紙を取り出すことを促す排紙取り出し勧告表示を行う。
【0089】
ステップS313に進み、排紙取り出し検知を繰り返す。
【0090】
以上のようにして、
一回の印刷ジョブ内で異なる仕上げ加工処理が発生する場合でも、排紙の取り出しに連動して外部フィニッシング装置毎にジョブチケットを送信することで、オペレータの負荷を軽減し、処理効率を向上させることが可能になる。
【0091】
(実施例2)
図6は、本発明の第2実施形態における、仕分け先トレイ/スタッカの排紙枚数が、それらの排紙枚数制限に達した場合に、空きトレイ/空きスタッカを自動的に検出して排紙処理の受け継ぎを行う場合の一例を示すフローチャートである。
【0092】
ステップS901にて、MFPは、ジョブ送受信部(101)およびジョブ管理部(105)は、ジョブ(204)を受信し、ジョブチケットをファイル保管管理部(109)に保存する。
【0093】
ステップS902にて、MFPのジョブチケットParser(102)は、XMLで記述されたジョブチケットをXML的にパースしてエレメントや属性等の抽出や木構造化における包含関係の解析など、構造解析を行う。
【0094】
また、それとともに、MFPのジョブチケット解釈部(103)は、各エレメントや属性、さらには構造的な包含等から処理指示の意味解釈を行い、MFPへの指示情報として抽出する。
【0095】
ステップS903にて、MFPの排紙管理部(112)は、排紙仕分けマップおよびテンプレートジョブチケットの生成を行う。
【0096】
図7は、S903の排紙仕分けマップの生成およびテンプレートジョブチケットの生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0097】
ステップS1001にて、MFPのジョブチケットParser(102)は、XMLで記述されたジョブチケットに付属する後処理インテント部をXML的にパースしてエレメントや属性等の抽出や木構造化における包含関係の解析など、構造解析を行う。
【0098】
ステップS1002にて、MFPのジョブチケット解釈部(103)はContentsType属性の値から、バリアブルコンテンツタイプ情報を抽出を行う。
【0099】
ステップS1003にて、MFPのジョブチケット解釈部(103)はFinishingType属性の値から、外部フィニッシング処理の抽出を行う。
【0100】
ステップS1004にて、MFPの排紙管理部(112)は、上記処理より抽出されたバリアブルコンテンツタイプと外部フィニッシング処理を分類し、それぞれに、トレイ/スタッカを割り当てる。
【0101】
ステップS1005にて、MFPの仕分けマップ管理部(114)は、上記処理により分類と割り当てが行われる時に、排紙仕分けマップを生成する。
【0102】
ステップS1006にて、MFPの外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、排紙トレイ/スタッカ毎の外部フィニッシング処理用に属性値の欄を空欄にしたテンプレートジョブチケット(図5の801)を生成する。
【0103】
ステップS1007にて、MFPの排紙管理部(112)は、未使用のトレイ/スタッカを空きトレイ/スタッカ登録情報(図9)に“空き”と登録保存する。
【0104】
次に、図6に戻り、
ステップS904にて、MFPのバリアブルデータ処理部(110)は、顧客データ数のカウンタ(c)を1に初期化する。
【0105】
ステップS905にて、MFPのバリアブルデータ処理部(110)は、顧客データをバリアブルデータDB(202)から読み込む。
【0106】
ステップS906にて、MFPのバリアブルデータ処理部(110)は、顧客データに関連するバリアブルコンテンツをバリアブルデータDB(202)から読み込み、バリアブルコンテンツのコンテンツタイプの情報を抽出する。
【0107】
ステップS907にて、MFPの排紙管理部(112)は、バリアブルデータ処理部(110)が抽出したコンテンツタイプを排紙仕分けマップと照らし合わせ、当該シートの外部フィニッシング処理を選択する。
【0108】
ステップS908にて、MFPの排紙管理部(112)は、バリアブルデータ処理部(110)が抽出したコンテンツタイプを排紙仕分けマップと照らし合わせ、当該シートの排紙先トレイ/スタッカを選択する。
【0109】
ステップS909にて、MFPのPDLインタープリター(107)ならびにRIP部(108)が、ジョブチケットの面付けレイアウト指示に従い、バリアブルコンテンツを用いて、1シート分のRIP処理を行い1シート分の印刷画像データを生成する。
【0110】
ステップS910にて、MFPのDigitalPrinting部(111)が印刷する。
【0111】
ステップS911にて、MFPの仕分け処理部(112)は、印刷されたシートを、ステップS908にて選択した排紙トレイ/スタッカに仕分けながら排紙し、排紙管理部(112)は、排紙枚数を記憶する。
【0112】
ステップS912にて、MFPの排紙管理部(112)が、当該排紙トレイ/スタッカに排紙したシートの排紙枚数が、当該排紙トレイ/スタッカの排紙枚数制限に達したと検出した場合は、ステップS918の処理に進む。
【0113】
ステップS918にて、MFPの排紙管理部(112)は、空きトレイ/スタッカの登録情報(図9)から、空きトレイ/スタッカを検出する。
【0114】
ステップS919にて、空きトレイ/スタッカが有った場合は、ステップS920に進む。
【0115】
ステップS920にて、MFPの仕分けマップ管理部(114)は、排紙仕分けマップの当該コンテンツタイプに対する排紙トレイ/スタッカを、上記で検出した空きトレイ/スタッカに変更する。また、MFPの仕分けマップ管理部(114)は、空きトレイ/スタッカ登録情報(図9)上では“使用中”に変更保存する。
【0116】
ステップS913にて、MFPの排紙取り出し検出部(115)は、排紙取り出しを検知を行う。
【0117】
ステップS914にて、排紙が取り出させれたと検知された場合は、S924のジョブチケット出力処理へ進む。
【0118】
図8は、S924の排紙トレイ/スタッカ毎のジョブチケット出力処理の例を示すフローチャートである。
【0119】
ステップS1101にて、MFPの排紙管理部(112)は、検知された当該排紙トレイ/スタッカの外部フィニシング用テンプレートジョブチケットを、排紙仕分けマップから選択する。
【0120】
ステップS1102にて、MFPの外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、選択したテンプレートジョブチケットの属性値などを、実際に印刷実行された値を鑑みて補正する(図5の802)。
【0121】
ステップS1103にて、MFPの外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、補正後のテンプレートジョブチケット(図5の802)をジョブ送受信部(101)を介して外部フィニッシング装置に送信する。
【0122】
ステップS1104にて、MFPの外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、外部フィニシング用ジョブチケットの送信成功後、当該排紙トレイ/スタッカのジョブチケットをテンプレート(図5の801)に戻す。
【0123】
ステップS1105にて、MFPの排紙管理部(112)と仕分けマップ管理(114)は、当該トレイ/スタッカが排紙仕分けマップに登録されているかをチェックし、排紙仕分けマップにて使用中のトレイ/スタッカであれば、そのままとする。
【0124】
ステップS1105にて、当該トレイ/スタッカが排紙仕分けマップにて使用中のトレイ/スタッカでないならば、ステップS1106に進む。
【0125】
ステップS1106にて、MFPの排紙管理部(112)は、当該トレイ/スタッカが空きトレイ/スタッカ登録情報(図9)に“空き”と登録されているかをチェックし、“空き“と登録されているならば、そのままとする。
【0126】
ステップS1106にて、当該トレイ/スタッカが空きトレイ/スタッカ登録情報(図9)に“使用中”と登録されているならば、ステップS1107に進む。
【0127】
ステップS1107にて、MFPの排紙管理部(112)は、当該トレイ/スタッカを空きトレイ/スタッカ登録情報(図9)に“空き”と登録する。
【0128】
次に、図3に戻り、
ステップS925にて、顧客データの残りがまだ有る場合は、ステップS917にて、顧客データ数のカウンタ(c)をインクリメント処理して、S905にて、再び顧客データ読み込み処理を行う。
【0129】
ステップS925にて、顧客データの残りがもう無い場合は、本印刷ジョブは終了となる。
【0130】
ステップS912にて、MFPの排紙管理部(112)が、当該排紙トレイ/スタッカに排紙したシートの排紙枚数が、当該排紙トレイ/スタッカの排紙枚数制限に達したと検出していない場合は、ステップS913の処理に進む。
【0131】
ステップS913にて、MFPの排紙取り出し検出部(115)は、排紙取り出しを検知を行う。
【0132】
ステップS914にて、排紙が取り出されていない場合は、S915に進む。
【0133】
ステップS915にて、顧客データの残りがまだ有る場合は、ステップS917にて、顧客データ数のカウンタ(c)をインクリメント処理して、S905にて、再び顧客データ読み込み処理を行う。
【0134】
ステップS915にて、顧客データの残りがもう無い場合は、
ステップS916にて、MFPの排紙管理部(112)は、UI(100)に、オペレータに排紙を取り出すことを促す排紙取り出し勧告表示を行う。
【0135】
ステップS913に進み、排紙取り出し検知を繰り返す。
【0136】
ステップS919にて、空きトレイ/スタッカが無い場合は、ステップS921に進む。
【0137】
ステップS921にて、MFPの排紙管理部(112)は、UI(100)に、オペレータに排紙を取り出すことを促す排紙取り出し勧告表示を行う。
【0138】
ステップS922にて、MFPの排紙取り出し検出部(115)は、排紙取り出しを検知を行う。
【0139】
ステップS923にて、排紙が取り出されていない場合は、S921に戻る。
【0140】
以上のように、排紙トレイ/スタッカ毎に排紙枚数制限があっても、空きトレイ/スタッカにて後処理装置用の排紙処理を受け継ぐことで、排紙トレイ/スタッカの排紙枚数制限以上の処理が可能になり、オペレータ負荷の軽減や、処理効率向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】実施例1の、複数の機能を具備する複合機能デバイス(MFP)の構成の一例を示すブロック図。
【図2】実施例1の、印刷システムの構成例を示す模式図。
【図3】実施例1の、MFPがバリアブル印刷ジョブを受付けてから外部接続の後処理装置にジョブチケットを送信するところまでの処理全体を示すフローチャート。
【図4】実施例1の、MFPにおける排紙トレイ/スタッカ毎のジョブチケット出力処理の例を示すフローチャート。
【図5】実施例1の、排紙トレイ/スタッカ毎のテンプレートジョブチケットの例。
【図6】実施例2の、MFPが空きトレイ/空きスタッカを自動的に検出して排紙処理を続行させる場合の一例を示すフローチャート。
【図7】実施例2の、MFPにおける排紙仕分けマップの生成およびテンプレートジョブチケットの生成処理の一例を示すフローチャート。
【図8】実施例2の、MFPにおける排紙トレイ/スタッカ毎のジョブチケット出力処理の例を示すフローチャート。
【図9】実施例2の、空きトレイ/スタッカ登録情報の例。
【符号の説明】
【0142】
801 排紙トレイ/スタッカ毎のテンプレートジョブチケットの例
802 テンプレートジョブチケットの属性値を補正した後のジョブチケットの例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブデータとして、ジョブチケットおよびPDLが入力されると、それらからラスタイメージを生成してプリント処理を行う印刷装置と外部フィニッシング装置がネットワークで連携している印刷システムにおいて、バリアブルデータのデータベースからのバリアブルコンテンツ抽出や、バリアブルコンテンツのコンテンツタイプ情報の抽出などの処理を行うバリアブルデータ処理手段と、排紙機能および排紙トレイ/スタッカの管理を行う排紙管理手段と、
印刷出力結果を排紙トレイ/スタッカ等へ仕分け出力する仕分け処理手段と、
仕分け先の排紙トレイ/スタッカ等とバリアブルコンテンツや外部フィニッシング処理やテンプレートジョブチケット等の関連付けを管理する仕分けマップ管理手段と、
排紙トレイ/スタッカから排紙が取り出されたか否かを検出する排紙取り出し検出手段と、
排紙トレイ/スタッカ毎に外部接続の後処理装置用のテンプレートジョブチケットの生成や、排紙取り出し検出部での取り出しの検出後のテンプレートジョブチケットの選択や補正、ジョブチケット送信タイミングの管理等を行う外部フィニッシング処理ジョブチケット管理手段を有することを特徴とするプリンティング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排紙管理手段が、トレイ/スタッカの使用/未使用を、空きトレイ/スタッカ登録情報として管理し、請求項1に記載の仕分けマップ管理手段が、排紙仕分けマップの当該コンテンツタイプに対する排紙トレイ/スタッカを、空きトレイ/スタッカに変更することで、トレイ/スタッカ毎に異なる後処理装置用の排紙処理を受け継ぐことを特徴とする、プリンティング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−137744(P2009−137744A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318507(P2007−318507)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】