説明

プリントコイル

【課題】 インダクタンスを大きく取れるようにし、かつ、引出端子部の位置に融通性を持たせる。
【解決手段】 第1列及び第2列の複数の孔2、孔3からなる二列の孔をプリント基板1に設け、上面に第1列と第2列の孔2、3の各一つを跨いで複数の第一の導電パターン4を並設し、下面に第1列と第2列の孔2、3の各一つを跨いで複数の第二の導電パターン5を並設し、それぞれの一つを、隣り合う二つの第一の導電パターン4の一方は第1列の孔2を通し、他方は第2列の孔3を通し接続部6により接続し、第一と第二の導電パターン4、5を接続してコイル部7を形成し、第一あるいは第二の導電パターン4、5の第1列あるいは第2列側に位置するそれぞれの端部に引き出しパターン9と、引き出しパターン9を接続する接続パターン10を備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧制御発振器に用いられるプリントコイルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のプリントコイルは図12に示すように、プリント基板71と、プリント基板71上に形成されたコイル部72とで構成されている。そして、このコイル部72は、二つの平行に設けられたパターン73、74と、パターン73とパターン74の一端部を接続したパターン75と、パターン73とパターン74との間に形成された複数のパターン76と77とで梯子状に構成され、パターン73と74の他端部には、それぞれ引出端子部73aと74aとが設けられている。
【0003】そして、プリントコイルのインダクタンス、つまり、引出端子部73aと74aとの間のインダクタンスの調整は、パターン76を切断するか、パターン76と77との両方を切断することでおこなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のプリントコイルにおいては、プリント基板71の上面に設けられたパターン73、74が平行に設けられているために、パターン73を流れる電流の向きとパターン74を流れる電流の流れる向きとが逆方向になっている。そのため、プリントコイルのインダクタンスが小さくなって、Qが低下してしまうという問題がある。
【0005】また、引出端子部73a、74aは、パターン73、74の端部に形成されているため、引出端子部73a、74aは、プリント基板71の上面に限定され、引出端子部 73a、74aの位置に融通性が無いという問題がある。
【0006】本発明は、これらの問題を解決するためのもので、その目的は、プリントコイルのインダクタンスを大きく取れるようにし、かつ、引出端子部の位置に融通性を持たせることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するための第一の解決手段として、第1列の複数個の孔と第2列の複数個の孔からなる二列の孔をプリント基板に設け、プリント基板の上面には、第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数個の帯状の第一の導電パターンを並設するとともに、プリント基板の下面には、第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数の帯状の第二の導電パターンを並設し、第二の導電パターンのそれぞれの一つを、隣り合う二つの第一の導電パターンの一方側においては第1列の孔を通して接続部により接続し、他方側の第一の導電パターンにおいては第2列の孔を通して接続部により接続することにより、複数個の第一と第二の導電パターンを接続してコイル部を形成するとともに、プリント基板には、第一の導電パターン、あるいは第二の導電パターンの第1列側、あるいは第2列側に位置するそれぞれの端部から引き出された引き出しパターンと、それぞれの引き出しパターンを接続する接続パターンを備えるように構成した。
【0008】また、第二の解決手段として、接続パターンが、第一の導電パターンの第1列側と第2列側の端部から引き出された引き出しパターン、または第二の導電パターンの第1列側と第2列側の端部から引き出された引き出しパターンとに接続されるように構成した。
【0009】また、第三の解決手段として、引き出しパターンを切断することにより、コイル部のインダクタンスを調整するように構成した。
【0010】また、第四の解決手段として、プリント基板及びプリント基板の下面に設けられた絶縁板とからなる絶縁基板に、第1列の複数個の孔と第2列の複数個の孔からなる二列の孔をプリント基板に設け、プリント基板の上面には、第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数個の帯状の第一の導電パターンを並設するとともに、プリント基板の下面には、第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数の帯状の第二の導電パターンを並設し、第二の導電パターンのそれぞれの一つを隣り合う二つの第一の導電パターンの一方側においては第2列の孔を通して接続部により接続することにより、複数個の第一と第二の導電パターンを接続してコイル部を形成するとともに、接続部を絶縁基板の第1列の孔または第二の孔を通じて絶縁板の下面に導出し、第1列側または第二列側の接続部を接続する接続パターンを絶縁板の下面に設けるように構成した。
【0011】また、第五の解決手段として、絶縁板の下面に導出された第1列側と第2列側の接続部とを接続パターンによって接続するように構成した。
【0012】また、第六の解決手段として、絶縁板の下面の全面に接続パターンを形成するように構成した。
【0013】また、第七の解決手段として、絶縁体の孔に設けた接続部と接続パターンとの接続を絶縁体の下部において切り離すことによって、コイル部のインダクタンスを調整するように構成した。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のプリントコイルの第一の実施例を図1に従って説明すると、プリント基板1には、第1列R1として設けられた複数個の孔2と、この第1列の孔2と並列に形成した第2列R2として設けられた複数個の孔3が設けられている。プリント基板1の上面においては、複数個の帯状の第一の導電パターン4が並設して形成され、これらの第一の導電パターン4は、第1列R1と第2列R2の孔2、3の各一つに跨るように設けられている。
【0015】プリント基板1の下面においては、複数個の帯状の第二の導電パターン5が並設して形成され、これらの第二の導電パターン5は、第1列R1と第2列R2の孔2、3の各一つに跨るように設けられている。そして、導電性を有する接続部6が、第1列R1と第2列R2の孔2、3のそれぞれの内面に設けられており、第1列R1と第2列R2の孔2、3を跨いで設けられている第一の導電パターン4と第二の導電パターン5の端部を接続している。
【0016】そして、第二の導電パターン5のそれぞれの一つは、隣り合う二つの第一の導電パターン4のうちの一方の第一の導電パターン4においては、第2列R2の孔3の接続部6によって接続され、また、他方の第一の導電パターン4においては、第1列R1の孔2の接続部6によって接続されることによって、複数個の第一の導電パターン4と第二の導電パターン5とからなるコイル部7が形成されている。
【0017】また、引出端子部8がプリント基板1の上面に設けられ、この引出端子部8は、第一の導電パターン4の第1列R1側の端部に設けられている。また、引き出しパターン9がプリント基板1の下面に複数個設けられ、そして、引き出しパターン9のそれぞれの一端が第二の導電パターン5の第1列R1側のそれぞれの端部と接続されている。また、接続パターン10がプリント基板1の下面に設けられ、この接続パターン10は、引き出しパターン9のそれぞれの他端に接続されている。
【0018】このように、第一の実施例のプリントコイルは上記のような構成を有し、プリントコイルのインダクタンスを調整するときは、図1において、左側の引き出しパターン9から順次切断し、第1列R1側の引き出しパターン9の接続を接続パターン10から切り離すことで、引出端子部8と接続パターン10との間のインダクタンスを増加させて調整するようになっている。そして、このようなプリントコイルは、接続パターン10を接地側に接続することによって使用されるようになっている。
【0019】次に、図2は、本発明の第二の実施例を示し、この第二の実施例は、プリント基板1の下面に設けた引き出しパターン9を、第二の導電パターン5の第2列R2側の端部に接続するとともに、この引き出しパターン9に接続された接続パターン10を形成したものである。その他の構成は、前記第一の実施例と同様であるので、同一部品に同一番号を付し、ここでは、説明を省略する。
【0020】このように、第二の実施例のプリントコイルは上記のような構成を有し、プリントコイルのインダクタンスを調整するときは、図2において、左側の引き出しパターン9から順次切断し、第2列R2側の引き出しパターン9の接続を接続パターン10から切り離すことで、引出端子部8と接続パターン10との間のインダクタンスを増加させて調整するようになっている。
【0021】なお、第一の実施例及び第二の実施例において、接続パターン10と引き出しパターン9とは、プリント基板1の下面の第二の導電パターン5に設けたが、プリント基板1の上面の第一の導電パターン4に設けてもよい。
【0022】次に、図3は、本発明の第三の実施例を示し、この第三の実施例は、プリント基板1の下面に設けた引き出しパターン9を、第二の導電パターン5の第1列R1側の端部と第2列R2側の端部とに接続するとともに、この引き出しパターン9に接続された接続パターン10を形成したものである。その他の構成は、前記第一の実施例と同様であるので、同一部品に同一番号を付し、ここでは、説明を省略する。
【0023】このように、第三の実施例のプリントコイルは上記のような構成を有し、プリントコイルのインダクタンスを調整するときは、図3において、左側の引き出しパターン9から第1列R1側、第2列R2側、第1列R1側の順に、交互に切断し、第1列R1側及び第2列R2側の引き出しパターン9を接続パターン10から切り離すことで、引出端子部8と接続パターン10との間のインダクタンスを増加させて調整するようになっている。このような構成によって、第三の実施例は、第一、第二の実施例に比べて、インダクタンスの調整を微細にすることが出来る。なお、第三の実施例においては、接続パターン10と引き出しパターン9とは、プリント基板1の下面に設けたが、プリント基板1の上面に設けても、同様の結果を得ることが出来る。
【0024】次に、図4、図5、図6図7は、本発明の第四の実施例を示し、この第四の実施例においては、絶縁基板11は、プリント基板12と、そのプリント基板12の下面に設けた絶縁板13とから構成されている。そして、絶縁基板11には、第1列R1として設けられた複数個の孔14と、この第1列の孔14と並列に形成した第2列R2として設けられた複数個の孔15が設けられている。
【0025】また、プリント基板12の上面においては、複数個の帯状の第一の導電パターン16が並設して形成され、これらの第二の導電パターン16は、第1列R1と第2列R2の孔14、15の各一つに跨るように設けられている。
【0026】プリント基板12の下面においては、複数個の帯状の第二の導電パターン17が並設して形成され、これらの第二の導電パターン17は、第1列R1と第2列R2の孔14、15の各一つに跨るように設けられている。そして、導電性を有する接続部18が、第1列R1と第2列R2の孔14、15のそれぞれの内面に設けられており、第1列R1と第2列R2の孔14、15を跨いで設けられている第一の導電パターン16と第二の導電パターン17の端部を接続している。
【0027】そして、第二の導電パターン17のそれぞれの一つは、隣り合う二つの第一の導電パターン16のうちの一方の第一の導電パターン16においては、第2列R2の孔15の接続部18によって接続され、また、他方の第一の導電パターン16においては、第1列R1の孔14の接続部18によって接続されることによって、複数個の第一の導電パターン16と第二の導電パターン17とからなるコイル部19が形成されている。
【0028】また、引出端子部20がプリント基板12の上面に設けられ、この引出端子部20は、第一の導電パターン16の第1列R1側の端部に設けられている。
【0029】また、接続パターン21が絶縁板13の下面に設けられ、この接続パターン21は、第1列R1側の孔14に設けられた接続部18に接続されている。
【0030】このように、第四の実施例のプリントコイルは、上記のような構成を有し、プリントコイルのインダクタンスを調整するときは、図5において、図6の状態から図7に示すように、第1列R1の孔14に設けられた接続部18と接続パターン21との接続を切り離すように、座繰り等の加工を施して、引出端子部20と接続パターン21との間のインダクタンスを増加させて調整するようになっている。そして、このようなプリントコイルは、接続パターン21を接地側に接続することによって使用されるようになっている。
【0031】次に、図8、図9は、本発明の第五の実施例を示し、この第五の実施例は、絶縁板13の下面に設けた接続パターン21を、第2列R2の孔15に設けられた接続部18に接続して形成したものである。その他の構成は、前記第四の実施例と同様であるので、同一部品に同一番号を付し、ここでは、説明を省略する。
【0032】このように、第五の実施例のプリントコイルは上記のような構成を有し、プリントコイルのインダクタンスを調整するときは、図9において、前記実施例と同様に、図6の状態から図7に示すように、第2列R2の孔15に設けられた接続部18と接続パターン21との接続を切り離すように、座繰りなどの加工を施して、引出端子部20と接続パターン21との間のインダクタンスを増加させて調整するようになっている。
【0033】次に、図10、図11は、本発明の第六の実施例を示し、この第六の実施例は、絶縁板13の下面に設けた接続パターン21を、第1列R1の孔14に設けられた接続部18及び第2列R2の孔15に設けられた接続部18に接続して形成したものである。その他の構成は、前記第四の実施例と同様であるので、同一部品に同一番号を付し、ここでは、説明を省略する。
【0034】このように、第六の実施例のプリントコイルは上記のような構成を有し、プリントコイルのインダクタンスを調整するときは、図11において、前記実施例と同様に、図6の状態から図7に示すように、第1列R1の孔14に設けられた接続部18及び第2列R2の孔15に設けられた接続部18と接続パターン21との接続を切り離すように、左側から第1列R1側、第2列R2側、第1列R1側の順に、交互に接続パターン21を座繰り等の加工を施して、引出端子部20と接続パターン21との間のインダクタンスを増加させて調整するようになっている。
【0035】このような構成によって、第六の実施例は、第四、第五の実施例に比べて、インダクタンスの調整を微細にすることができる。なお、第六の実施例においては、接続パターン21を絶縁板の一部に設けたが、絶縁板13の下面の全面に接続パターン21を設けても良い。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明のプリントコイルは、第1列の複数個の孔と第2列の複数個の孔からなる二列の孔をプリント基板に設け、プリント基板の上面には、第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数個の帯状の第一の導電パターンを並設するとともに、プリント基板の下面には、第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数の帯状の第二の導電パターンを並設し、第二の導電パターンのそれぞれの一つを、隣り合う二つの第一の導電パターンの一方側においては第1列の孔を通して接続部により接続し、他方側の第一の導電パターンにおいては第2列の孔を通して接続部により接続することにより、複数個の第一と第二の導電パターンを接続してコイル部を形成するとともに、プリント基板には、第一の導電パターン、あるいは第二の導電パターンの第1列側、あるいは第2列側に位置するそれぞれの端部から引き出された引き出しパターンと、それぞれの引き出しパターンを接続する接続パターンを備えたことで、プリントコイルに流れる電流の向きが同一方向になるので、プリントコイルのインダクタンス及びQが大きくなる。また、引出端子部8は、プリント基板1の上面または下面のどちらかに設ければ良く、その位置に融通性を持たせることができる。
【0037】また、本発明のプリントコイルは、接続パターンが、第一の導電パターンの第1列側と第2列側の端部から引き出された引き出しパターン、または第二の導電パターンの第1列側と第2列側の端部から引き出された引き出しパターンとに接続されるようにしたことで、プリントコイルのインダクタンスの調整を行うときは、左側の引き出しパターン9から順次切断し、第1列R1側の引き出しパターン9の接続を接続パターン10から切り離すことで、引出端子部8と接続パターン10との間のインダクタンスを増加させて調整ことができるので、プリントコイルのインダクタンスを微細に調整することができる。
【0038】また、本発明のプリントコイルは、引き出しパターンを切断することにより、コイル部のインダクタンスを調整するようにしたことで、その切断が簡単で、調整作業が容易にできる。
【0039】また、本発明のプリントコイルは、プリント基板及びプリント基板の下面に設けられた絶縁板とからなる絶縁基板に、第1列の複数個の孔と第2列の複数個の孔からなる二列の孔をプリント基板に設け、プリント基板の上面には、第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数個の帯状の第一の導電パターンを並設するとともに、プリント基板の下面には、第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数の帯状の第二の導電パターンを並設し、第二の導電パターンのそれぞれの一つを隣り合う二つの第一の導電パターンの一方側においては第2列の孔を通して接続部により接続することにより、複数個の第一と第二の導電パターンを接続してコイル部を形成するとともに、接続部を絶縁基板の第1列の孔または第二の孔を通じて絶縁板の下面に導出し、第1列側または第二列側の接続部を接続する接続パターンを絶縁板の下面に設けたことで、プリントコイルに流れる電流の向きが同一方向になるので、プリントコイルのインダクタンス及びQが大きくなる。
【0040】また、本発明のプリントコイルは、絶縁板の下面に導出された第1列側と第2列側の接続部とを接続パターンによって接続したことで、第1列R1の孔14の接続部18及び第2列R2の孔15の接続部18と接続パターンとの接続を切り離すように、左側から第1列R1側、第2列R2側、第1列R1側の順に、交互に接続パターン21を座繰り等の加工を施して、引出端子部20と接続パターン21との間のインダクタンスを増加させて調整することができるので、プリントコイルのインダクタンスを微細の調整することができる。
【0041】また、本発明のプリントコイルは、絶縁板の下面の全面に接続パターンを形成したことで、絶縁板13の下面の一部に接続パターン21を設ける場合に比べ、制作が容易になる。
【0042】また、本発明のプリントコイルは、絶縁体の孔に設けた接続部と接続パターンとの接続を絶縁体の下部において切り離すことによって、コイル部のインダクタンスを調整するようにしたことで、座繰りなどによって、その調整ができ、調整作業を簡単、容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリントコイルの第一の実施例を示す上面図である。
【図2】本発明のプリントコイルの第二の実施例を示す上面図である。
【図3】本発明のプリントコイルの第三の実施例を示す上面図である。
【図4】本発明のプリントコイルの第四の実施例を示す上面図である。
【図5】本発明のプリントコイルの第四の実施例を示す下面図である。
【図6】図4における要部の断面図である。
【図7】本発明のプリントコイルの第四の実施例の調整方法を示す説明図である。
【図8】本発明のプリントコイルの第五の実施例を示す上面図である。
【図9】本発明のプリントコイルの第五の実施例を示す下面図である。
【図10】本発明のプリントコイルの第六の実施例を示す上面図である。
【図11】本発明のプリントコイルの第六の実施例を示す下面図である。
【図12】従来のプリントコイルの上面図である。
【符号の説明】
1,12 プリント基板
2,14 第1列R1の複数個の孔
3,15 第2列R2の複数個の孔
4,16 第一の導電パターン
5,17 第二の導電パターン
6,18 接続部
7,19 コイル部
8,20 引出端子部
9 引き出しパターン
10,21 接続パターン
11 絶縁基板
13 絶縁板

【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1列の複数個の孔と第2列の複数個の孔からなる二列の孔をプリント基板に設け、該プリント基板の上面には、前記第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数個の帯状の第一の導電パターンを並設するとともに、前記プリント基板の下面には、前記第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数の帯状の第二の導電パターンを並設し、前記第二の導電パターンのそれぞれの一つを、隣り合う二つの前記第一の導電パターンの一方側においては前記第1列の孔を通して接続部により接続し、他方側の第一の導電パターンにおいては前記第2列の孔を通して接続部により接続することにより、複数個の前記第一と第二の導電パターンを接続してコイル部を形成するとともに、前記プリント基板には、前記第一の導電パターン、あるいは第二の導電パターンの前記第1列側、あるいは第2列側に位置するそれぞれの端部から引き出された引き出しパターンと、それぞれの前記引き出しパターンを接続する接続パターンを備えたことを特徴とするプリントコイル。
【請求項2】 前記接続パターンが、前記第一の導電パターンの前記第1列側と前記第2列側の端部から引き出された前記引き出しパターン、または前記第二の導電パターンの前記第1列側と前記第2列側の端部から引き出された前記引き出しパターンとに接続されるようにしたことを特徴とする請求項1記載のプリントコイル。
【請求項3】 前記引き出しパターンを切断することにより、コイル部のインダクタンスを調整するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のプリントコイル。
【請求項4】 プリント基板及び該プリント基板の下面に設けられた絶縁板とからなる絶縁基板に、第1列の複数個の孔と第2列の複数個の孔からなる二列の孔を設け、前記プリント基板の上面には、前記第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数個の帯状の第一の導電パターンを並設するとともに、前記プリント基板の下面には、前記第1列と第2列の孔の各一つに跨るように複数の帯状の第二の導電パターンを並設し、前記第二の導電パターンのそれぞれの一つを隣り合う二つの前記第一の導電パターンの一方側においては前記第2列の孔を通して接続部により接続することにより、複数個の前記第一と第二の導電パターンを接続してコイル部を形成するとともに、前記接続部を前記絶縁基板の前記第1列の孔または前記第二の孔を通じて前記絶縁板の下面に導出し、前記第1列側または前記第二列側の接続部を接続する接続パターンを前記絶縁板の下面に設けたことを特徴とするプリントコイル。
【請求項5】 前記絶縁板の下面に導出された前記第1列側と前記第2列側の接続部とを前記接続パターンによって接続したことを特徴とする請求項4記載のプリントコイル。
【請求項6】 前記絶縁板の下面の全面に前記接続パターンを形成したこと特徴とする請求項5記載のプリントコイル。
【請求項7】 前記絶縁体の孔に設けた接続部と前記接続パターンとの接続を前記絶縁体の下部において切り離すことによって、前記コイル部のインダクタンスを調整するようにしたことを特徴とする請求項4または請求項5または請求項6記載のプリントコイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2000−150240(P2000−150240A)
【公開日】平成12年5月30日(2000.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−320414
【出願日】平成10年11月11日(1998.11.11)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】