説明

プリント基板の検査装置

【課題】本発明は、プリント基板の検査装置に関する。
【解決手段】本発明によるプリント基板の検査装置は、第1レーザー光源と、第1レーザー光源から出射された光を基板に集光させる第1集光部と、第1集光部によって集光される光によって基板から発生した蛍光と第1レーザー光源から出射された光とを分離する第1二色性ビーム分離部と、第1二色性ビーム分離部を透過した光から基板の未メッキ状態を判定するための判定部と、を含み、基板に形成されたビアホールの内部側面にはメッキされていない未メッキ部分を含み、第1集光部から出射された光は基板と第1角度を有して入射され、ビアホールの内部側面の未メッキ部分に集光されることができる。これにより、回路基板の不良を迅速に判別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板の検査装置に関し、より詳細には、基板に形成されたビアホールの未メッキ部分を検査するためのプリント基板の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に多層構造を有する回路基板は、多数の回路基板を積層し、夫々の回路基板に形成された回路パターンをコンタクト(contact)やビアホール(via hole)を介して互いに連結することにより構成する。図1はこのような多数の回路基板を積層した後、積層された回路基板のパターンの間にビアホールを形成するプロセスを図示したものである。
【0003】
図1を参照すると、樹脂r上に銅箔パターンcが形成された多数の回路基板が積層された回路基板100を準備する。その後、準備された回路基板100にレーザーを用いてビアホールvを形成する。図面符号101は、レーザーによってビアホールvが形成された回路基板を示す。次に、形成されたビアホールvに金属メッキを行うことにより、上下層の回路基板のパターンを互いに連結する(図面符号102参照)。しかし、ビアホールvの直径が次第に小さくなり、深さが次第に深くなることにより、特に直径が100μm以下、深さが100μm以上の場合はメッキ液がビアホールvの内部まで循環されず、未メッキ部分Xが発生する(図面符号103参照)。このような未メッキ部分Xには、回路基板の不良を引き起こすという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7365842明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、回路基板に形成されたビアホールの内部側面の未メッキ部分を高速で検査することができるプリント基板の検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するための手段として本発明は、第1レーザー光源と、第1レーザー光源から出射された光を基板に集光させる第1集光部と、第1集光部によって集光される光によって基板から発生した蛍光と第1レーザー光源から出射された光とを分離する第1二色性ビーム分離部と、第1二色性ビーム分離部を透過した光から基板の未メッキ状態を判定するための判定部と、を含み、基板に形成されたビアホールの内部側面にはメッキされていない未メッキ部分を含み、第1集光部から出射された光は基板と第1角度を有して入射され、ビアホールの内部側面の未メッキ部分に集光されることができるプリント基板の検査装置を提供する。
【0007】
上述した第1角度は、0度超過90度未満であることができる。
また、上記第1集光部は、第1レーザー光源から出射された光を基板の一側面の第1方向に集光させることができる。
【0008】
また、上記プリント基板の検査装置は、基板を固定させ、第1方向と垂直の第2方向に基板を移動させるX−Yステージをさらに含むことができる。
【0009】
また、上記第1集光部は、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、共鳴ミラー及びAOD(音響光学偏向器(Acoustic Optic Deflector))のうち何れか一つを含むことができる。
【0010】
また、上記プリント基板の検査装置は、判定部に入力される特定波長を有した光のみを通過させるための蛍光フィルタをさらに含むことができる。
【0011】
また、上記第1二色性ビーム分離部はダイクロイックミラーを含むことができる。
【0012】
また、上記判定部は、フォトダイオードまたはPMT(フォトマルチプライヤー(Photomultiplier))のうち何れか一つを含むことができる。
【0013】
また、上記プリント基板の検査装置は、第2レーザー光源と、第2レーザー光源から出射された光を基板に集光させる第2集光部と、第2集光部によって集光される光によって基板から発生した蛍光と第2レーザー光源から出射された光とを分離する第2二色性ビーム分離部をさらに含み、判定部は、第2二色性ビーム分離部を透過した光から基板の未メッキ状態を判定し、第2集光部から出射された光は基板と第2角度を有して入射され、上記第1集光部から出射された光と対向する方向に入射して、第2集光部から出射された光は第1集光部によって集光されるビアホールの内部側面と対向する内部側面の未メッキ部分に集光されることができる。
【0014】
また、上記第2角度は、0度超過90度未満であることができる。
【0015】
また、上記第2集光部は、第2レーザー光源から出射された光を基板の一側面の第1方向に集光させることができる。
【0016】
また、上記プリント基板の検査装置は、基板を固定させ、第1方向と垂直の第2方向に基板を移動させるX−Yステージをさらに含むことができる。
【0017】
また、第2集光部は、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、共鳴ミラー及びAOD(Acoustic Optic Deflector)のうち何れか一つを含むことができる。
【0018】
また、上記プリント基板の検査装置は、判定部に入力される特定波長を有した光のみを通過させるための蛍光フィルタをさらに含むことができる。
【0019】
また、上記第2二色性ビーム分離部はダイクロイックミラーを含むことができる。
【0020】
また、上記判定部は、フォトダイオードまたはPMT(Photomultiplier)のうち何れか一つを含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、プリント基板の未メッキ部分の樹脂がレーザー光を受けると蛍光を発するという点を利用して、基板の未メッキ部分を判定することができる。また、基板に形成されたビアホールの内部側面の未メッキ部分を判定するために、レーザー光源から出射された光が基板と一定角度を有して入射されるようにすることにより、ビアホールの内部側面まで未メッキの有無を判定することができる効果がある。一方、集光部と基板を固定させるX−Yステージが一定方向に移動可能であるようにすることにより、より高速でプリント基板の不良有無を判定することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術によって積層された回路基板のパターンの間にビアホールを形成するプロセスを示した図面である。
【図2】本発明の一実施形態によるプリント基板の検査装置の一例を示した図面である。
【図3】本発明の一実施形態によるビアホールの側面を図示した側断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によってプリント基板の第1方向に集光される光及び第2方向に沿って移動するX−Yステージを示した図面である。
【図5】本発明の他の実施形態によるプリント基板の検査装置の一例を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して本発明の多様な実施形態をより詳細に説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面に図示された構成要素の形状及び大きさ等はより明確な説明のために誇張されることがあることに留意すべきである。
【0024】
図2は本発明の一実施形態によるプリント基板の検査装置の一例を示した図面であり、図3は本発明の一実施形態によるビアホールの側面を図示した側断面図であり、図4は本発明の一実施形態によってプリント基板の第1方向に集光される光及び第2方向に沿って移動するX−Yステージを図示した図面である。
【0025】
本発明の一実施形態によるプリント基板の検査装置200は、第1レーザー光源201と、第1レーザー光源201から出射された光を基板Sに集光させる第1集光部203と、第1集光部203によって集光される光によって基板Sから発生した蛍光と第1レーザー光源201から出射された光を分離する第1二色性ビーム分離部202と、第1二色性ビーム分離部202を透過した光から基板Sの未メッキ状態を判定するための判定部206とを含み、基板Sに形成されたビアホールvの内部側面にはメッキされていない未メッキ部分Xを含み、第1集光部203から出射された光は基板と第1角度θ1を有して入射され、ビアホールvの内部側面の未メッキ部分Xに集光されることができる。
【0026】
以下、図2から図4を参照して本発明の一実施形態によるプリント基板の検査装置200を詳細に説明する。
【0027】
第1レーザー光源201はレーザー光を出射するための一般的なレーザーである。プリント基板Sにおいて、金属でメッキされた部分はレーザー光を受けると蛍光が発生しないが、金属でメッキされていない部分の樹脂(resin)はレーザー光を受けると蛍光が発生する。つまり、本発明はこのような点を利用するものである。蛍光効率を高めるために、レーザーは紫外線(UV)のような短波長のレーザーを用いることができる。
【0028】
第1集光部203は、第1レーザー光源201から出射された光を基板Sに集光させると同時に、光によって基板Sから発生する蛍光を後述する第1二色性ビーム分離部202に伝達する。第1集光部203は、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、共鳴ミラー(resonant scanner)またはAOD(Acoustic Optic Deflector)のうち何れか一つを含むことができる。一方、本発明によると、第1集光部203は図4に示されたように、基板の一側面の第1方向400に光を高速で移動させることにより、未メッキ判定のための速度を高めることができる。
【0029】
第1二色性ビーム分離部202は、第1集光部203によって集光される光によって基板Sから発生した蛍光と、第1レーザー光源201から出射された光とを分離する役割をする。具体的には、第1二色性ビーム分離部202は第1レーザー光源201から出射された光を反射し、基板Sから発生した蛍光をそのまま通過させる。このような第1二色性ビーム分離部202は、ダイクロイックミラー(dichroic mirror)を含むことができる。
【0030】
ピンホール204は第1二色性ビーム分離部202と蛍光フィルタ205との間に設けられ、第1二色性ビーム分離部202を通過した蛍光に対して不要な情報を遮断する役割をする。
【0031】
蛍光フィルタ205は判定部206とピンホール204との間に設けられ、判定部206に入力される特定波長を有した光のみを通過させるフィルタである。蛍光フィルタ205を通過した蛍光は判定部206に入力される。
【0032】
判定部206は、蛍光フィルタ205を通過した蛍光から基板Sに形成されたビアホールvの未メッキ状態を判定する役割をする。このような判定部206は、基板Sから発生した蛍光が弱い場合はPMT(Photomultiplier)を含み、蛍光が十分に強い場合はフォトダイオードを含むことができる。
【0033】
一方、X−Yステージ207は基板Sを固定させ、第1集光部203のスキャン方向400と垂直の第2方向401に移動する。このように、第1集光部203とX−Yステージ207によって基板Sのスキャン速度を向上させることができるため、全体的に基板Sに形成されたビアホールvの未メッキ判定のための速度を高めることができる効果がある。
【0034】
以下、図2から図4を参照して本発明の一実施形態によるプリント基板の検査装置200の動作原理を詳細に説明する。
【0035】
図2から図4を参照すると、第1レーザー光源201から出射された光は第1二色性ビーム分離部202によって反射して第1集光部203に伝達される。第1集光部203は、図4で示されたように、第1方向400に基板S上に光を集光させる。この際、図3に示されたように、光は基板Sと所定の入射角度θ1を有するようになり、このような入射角度θ1によってビアホールvの内部側面に光が集光されるようになる。
【0036】
その後、ビアホールvの内部側面の未メッキ部分Xに集光された光によって未メッキ部分Xは蛍光を発生するようになり、発生した蛍光は再び第1集光部203を経て第1二色性ビーム分離部202に伝達される。第1二色性ビーム分離部202は蛍光を通過させ、第1二色性ビーム分離部202を通過した蛍光はピンホール204と蛍光フィルタ205を経て判定部206に伝達される。判定部206は、蛍光の有無によって基板Sに形成されたビアホールvの内部が完全にメッキされたかを判定することができる。一方、第1集光部203が光を第1方向400に集光することとは別に、基板Sを固定させるX−Yステージ207を第2方向401に移動させることにより、検査速度をさらに向上させることができる。
【0037】
一方、図5は本発明の他の実施形態によるプリント基板の検査装置の一例を示した図面である。図5の実施形態は、ビアホールvの内部側面を二つのレーザー光を用いてより精密に検査するためのものである。図3に示されたように、一つのレーザー光を用いる場合、ビアホールvの内部の反対側の未メッキ部分にはレーザー光が至らないため精密な検査が行われない可能性がある。このために、本発明の他の実施形態は一つのビアホールvに対して二つのレーザー光が至るようにするためのものである。
【0038】
本発明の他の実施形態によるプリント基板の検査装置は、図2で説明された構成要素の他にも、第2レーザー光源501と、第2レーザー光源501から出射された光を基板Sに集光させる第2集光部503と、第2集光部503によって集光される光によって基板Sから発生した蛍光と第2レーザー光源501から出射された光とを分離する第2二色性ビーム分離部502と、判定部206に入力される特定波長を有した光のみを通過させる第2蛍光フィルタ505と、第2蛍光フィルタ505と第2二色性ビーム分離部502の間で不要な情報を遮断する第2ピンホール504と、を含むことができる。
【0039】
図5による動作原理は図2から図4に係る説明と同様である。但し、一つのビアホールvに対して二つの光が内部側面に集光される。即ち、第2集光部503から出射された光は基板Sと第2入射角θ2を有して入射され、第1集光部203から出射された光と対向する方向に入射する。従って、第2集光部503から出射された光は第1集光部203によって集光されるビアホールvの内部側面と対向する内部側面の未メッキ部分に集光される。その他の部分は図2から図4に係る説明と重複されるため、詳細な説明は省略する。
【0040】
以上、本発明の具体的な実施形態を参照して本発明について詳細に説明したが、本発明の範囲を外れない限度内で多様な変形が可能であることは勿論のことである。従って、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されず、添付する特許請求の範囲と均等なものによって決められるべきである。
【符号の説明】
【0041】
201、501:第1及び第2レーザー光源
202、502:第1及び第2二色性ビーム分離部
203、503:第1及び第2集光部
204、504:第1及び第2ピンホール
205、505:第1及び第2蛍光フィルタ
206:判定部
207:X−Yステージ
r:樹脂
c:銅箔パターン
v:ビアホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レーザー光源と、
前記第1レーザー光源から出射された光をビアホールを有する基板に集光させる第1集光部と、
前記第1集光部によって集光される光によって基板から発生した蛍光と第1レーザー光源から出射された光とを分離する第1二色性ビーム分離部と、
前記第1二色性ビーム分離部を透過した光から基板の未メッキ状態を判定するための判定部と、を含み、
前記基板に形成されたビアホールの内部側面にはメッキされていない未メッキ部分を含み、
前記第1集光部から出射された光は前記基板と第1角度を有して入射され、前記ビアホールの内部側面の未メッキ部分に集光されるプリント基板の検査装置。
【請求項2】
前記第1角度は、0度超過90度未満である請求項1に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項3】
前記第1集光部は、第1レーザー光源から出射された光を前記基板の一側面の第1方向に集光させる請求項1に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項4】
前記プリント基板の検査装置は、
前記基板を固定させ、前記第1方向と垂直の第2方向に前記基板を移動させるX−Yステージをさらに含む請求項3に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項5】
前記第1集光部は、
ガルバノミラー、ポリゴンミラー、共鳴ミラー及び音響光学偏向器のうち何れか一つを含む請求項1に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項6】
前記プリント基板の検査装置は、
前記判定部に入力される特定波長を有した光のみを通過させるための蛍光フィルタをさらに含む請求項1に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項7】
前記第1二色性ビーム分離部は、
ダイクロイックミラーを含む請求項1に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項8】
前記判定部は、
フォトダイオードまたはフォトマルチプライヤーのうち何れか一つを含む請求項1に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項9】
前記プリント基板の検査装置は、
第2レーザー光源と、
前記第2レーザー光源から出射された光を基板に集光させる第2集光部と、
前記第2集光部によって集光される光によって基板から発生した蛍光と第2レーザー光源から出射された光とを分離する第2二色性ビーム分離部をさらに含み、
前記判定部は、前記第2二色性ビーム分離部を透過した光から前記基板の未メッキ状態を判定し、
前記第2集光部から出射された光は前記基板と第2角度を有して入射され、前記第1集光部から出射された光と対向する方向に入射して、
前記第2集光部から出射された光は前記第1集光部によって集光される前記ビアホールの内部側面と対向する内部側面の未メッキ部分に集光される請求項1に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項10】
前記第2角度は、0度超過90度未満である請求項9に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項11】
前記第2集光部は、
前記第2レーザー光源から出射された光を前記基板の一側面の第1方向に集光させる請求項9に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項12】
前記プリント基板の検査装置は、
前記基板を固定させ、前記第1方向と垂直の第2方向に基板を移動させるX−Yステージをさらに含む請求項11に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項13】
前記第2集光部は、
ガルバノミラー、ポリゴンミラー、共鳴ミラー及び音響光学偏向器のうち何れか一つを含む請求項9に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項14】
前記プリント基板の検査装置は、
前記判定部に入力される特定波長を有した光のみを通過させるための蛍光フィルタをさらに含む請求項9に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項15】
前記第2二色性ビーム分離部は、ダイクロイックミラーを含む請求項9に記載のプリント基板の検査装置。
【請求項16】
前記判定部は、
フォトダイオードまたはフォトマルチプライヤーのうち何れか一つを含む請求項9に記載のプリント基板の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−159488(P2012−159488A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94807(P2011−94807)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】