説明

プリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法

【課題】スタブ長さを短くして伝送経路の特性劣化を防止できるプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法を提供する。
【解決手段】プリント配線基板10は、ホスト側ボードに接続されるカードエッジコネクタ部12を有するリジッド基板11と、リジッド基板11上において、カードエッジコネクタ部12に配線される主信号配線46〜57と、カードエッジコネクタ部12と接続される端の反対の端において主信号配線46〜57と接続され、他の基板と電気的に接続される接続パッド34〜45と、接続パッド34〜45に接続される引き出し配線58〜69とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カードエッジコネクタに対し、プリント配線板の内側に各コンタクトから引き出された信号線兼用めっきリード線を備えるプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、内側めっきリード線と、これらの内側めっきリード線を接続する内側共通めっきリード線を設けており、内側めっきリード線と、内側共通めっきリード線とにめっき加工を行う。
【0003】
また、基板の製品となる部分に平行に配列された多数の端子の両外側近傍位置で製品の外形線より外側に、捨て端子を配置したプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2は、捨て端子を各端子と同様にめっき引出線にめっきリードを介して接続された状態でパターン形成し、めっき処理後の外形加工で捨て端子が除去される。
【0004】
ところで、近年、データセンター内の装置間のデータ転送に使用されているトランシーバは距離が短いために、低価格な電気インターコネクションを採用している。
しかし、インターネットの普及によるデータセンターの大規模化および高機能化が進むにつれて、広帯域なインターコネクションが必要とされてきている。
そのため、これまで採用してきた電気インターコネクションでは、この広帯域化に対応するためにより大きな消費電力となる。
これにより、データセンター全体の消費電力に大きな影響を与えてしまうことや、電気であるために伝送距離を数m程度しか伸ばせないこと等の理由から、これらを同時に解決する光インターコネクションが注目されている。
この光インターコネクション用の光トランシーバの一つとして、CXPトランシーバ(C(16進法の12),X(extende),P(Pluggable))があるが、複数の送受信ポートを持つために実用的ではない。
【0005】
通常、カードエッジコネクタを有する光トランシーバにおいては、Multi Source Agreement(以下、MSAと言う。)にて、コネクタ部の金めっき厚を指定している場合が多い。
この厚みは、コネクタの挿抜に対する信頼性耐力向上に必要な仕様であり、この仕様に対応するため、厚くめっきすることが難しい金フラッシュを採用せずに、厚くめっきできる電解金めっきを採用している。
しかし、電解金めっきは厚くめっきできる反面、電流を流しながらめっきする必要があるために、電流を流すための引き出し配線を、本来の信号配線から分岐して配線する必要がある。
この分岐配線(以後、引き出し配線と言う。)は、1Gbps程度までの信号を取り扱うトランシーバでは影響は軽微であるが、10Gbps程度の信号では、重大な帯域劣化または信号品質を劣化させるスタブとして見えてくる。
【0006】
そこで、引き出し配線を基板の一端であるコネクタ端から配策したプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法が提案されている。
図5に示すように、プリント配線基板500は、リジッド基板501の一端であるコネクタ端にカードエッジコネクタ部502を備える。
そして、カードエッジコネクタ部502を構成する複数の端子503,504,505・・・のうちの端子504,505に高周波信号線である第1層配線506,507がリジッド基板501の上層において送受信の1チャンネルずつ配線される。
第1層配線506,507は、リジッド基板501のコネクタ端に隣接する縁である側縁部から、例えば1〜2mm程度の近距離に配置される。
そして、リジッド基板501の下層において、第1層配線506に、引き出し配線である第2層配線508が直交して接続され、第1層配線507に、引き出し配線である第2層配線509が直交して接続される。
【0007】
ここで、第2層配線508および第2層配線509は、リジッド基板501の一端であるコネクタ端寄りにおいて接続される。
このように、プリント配線基板500は、リジッド基板501の一端であるコネクタ端において、第1層配線506,507に第2層配線508,509が直交して接続される。
これにより、プリント配線基板500は、第2層配線509がリジッド基板501の側縁部に極力短く配線されることにより、スタブを減らし、帯域劣化を防止している。
【0008】
また、引き出し配線を側縁部に引き出す方法のほかに、コネクタ端側から引き出す方法も用いられている。例えば、図6および図7に示すように、プリント配線基板510は、リジッド基板511の一端であるコネクタ端にカードエッジコネクタ部512を備える。
そして、カードエッジコネクタ部512を構成する複数の端子513,514,515,516,517,518,519,520,521,522のうちの端子513〜516に、リジッド基板511の上層において高周波信号線である第1層配線523〜526が送受信の1チャンネルずつ配線される。
さらに、カードエッジコネクタ部512を構成する複数の端子513〜522のうちの端子517〜522に、リジッド基板511の下層において第2層配線527〜532が送受信の1チャンネルずつ配線される。
このように、プリント配線基板510は、リジッド基板511のカードエッジコネクタ部512側に、第1層配線523〜524および第2層配線527〜532が配線される。
これにより、プリント配線基板510は、第2層配線527〜532がリジッド基板511の側縁部に極力短く配線されることにより、スタブを減らし、帯域劣化を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−232579号公報
【特許文献2】特開平4−326590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述したように引き出し配線を側縁部に引き出す場合やコネクタ端側に引き出す方法を、高周波信号が複数チャンネルある光トランシーバ(例えば、CXPトランシーバの場合は10Gbpsの差動信号が12チャンネルある)に適用すると、以下に示すような問題がある。
【0011】
まず、引き出し配線を側縁部に引き出す場合について説明する。この問題点は、図5に記載したプリント配線基板500およびプリント配線基板の配線方法に対応するものである。
図8に示すように、プリント配線基板540は、リジッド基板541の一端であるコネクタ端にカードエッジコネクタ部542が設けられている。
プリント配線基板540は、カードエッジコネクタ部542を構成する複数の端子543〜552を備える。
そして、高周波信号線である第1層配線553〜558がリジッド基板531の上層において中央部まで配列されている。
さらに、リジッド基板531の下層において、第1層配線553に第2層配線559が、第1層配線554に第2層配線560が、第1層配線555に第2層配線561が、第1層配線556に第2層配線562が直交して接続される。
そして、リジッド基板531の下層において、第1層配線557に第2層配線563が、第1層配線558に第2層配線564が直交して接続される。
そのため、リジッド基板541の中央部に配置されている第1層配線558から引き出された第2層配線564の長さが、例えば、1cm程度になってスタブができる。
従って、プリント配線基板540は、スタブ長、波長(λ/4)等から、共振周波数が使用する帯域程度まで低くなり、大きな帯域劣化を引き起こす。
【0012】
次に、引き出し配線をコネクタ端側に引き出す場合について説明する。この問題点は、図6および図7に記載したプリント配線基板510およびプリント配線基板の配線方法に対応するものである。
図9に示すように、プリント配線基板570は、リジッド基板571の一端であるコネクタ端にカードエッジコネクタ部572を備える。
プリント配線基板570は、カードエッジコネクタ部572を構成する複数の端子573〜582を有する。
そして、リジッド基板571の下層において、高周波信号線である第1層配線583〜592がカードエッジコネクタ部572側に引き出されている。
しかし、プリント配線基板570は、以下の示す4つの課題を有する。
課題の1つ目は、カードエッジコネクタ部572に有する不図示のパッド直下に配線するとインピーダンスミスマッチが発生することである。
課題の2つ目は、引き出し配線を短くするために、カードエッジコネクタ部572のパッド内に穴埋めパッドを設けた場合、コネクタ挿抜を繰り返しすると、穴埋め箇所のへこみで接触しないことである。
課題の3つ目は、図10に示すように、2層や7層の複層のカードエッジ基板593に配線した場合、カードエッジ基板593の挿入側の面取り部594において配線595,596が露出して見えてしまう。
そのため、光トランシーバをコネクタに挿入した場合に、接触順が狂ってしまうことがあることである。
課題の4つ目は、仮に、8層基板等において、4層および5層に配線して、面取りの影響をなくしたとしても、引き出し配線が長くなって5mm程度のスタブは残るため、帯域制御の影響を受けてしまうことである。
【0013】
一方、特許文献1は、隣接するコンタクト間の距離に関係なく、除去のための加工を容易にでき、コンタクトの数によらず、1回のミーリング加工等で内側共通めっきリード線を容易に削除できる。
しかし、特許文献1は、基板の一端であるコネクタ端またはカードエッジコネクタ部側に引き出し配線を配置していたために、引き出し配線を短くできずにスタブができる。
【0014】
他方、特許文献2は、すべての端子が同じ状態で金めっきされたカードエッジコネクタ部を、確実にしかも製造工程を変更することなく製造できる。
しかし、特許文献2は、特許文献1と同様に、基板の一端であるコネクタ端またはカードエッジコネクタ部側に引き出し配線を配置していたために、引き出し配線を短くできずにスタブができる。
【0015】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、スタブ長さを短くして伝送経路の特性劣化を防止できるプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係るプリント配線基板は、ホスト側ボードに接続されるカードエッジコネクタ部を有するリジッド基板と、前記リジッド基板上において、前記カードエッジコネクタ部に配線される主信号配線と、前記カードエッジコネクタ部と接続される端の反対の端において前記主信号配線と接続され、他の基板と電気的に接続される接続パッドと、前記接続パッドに接続される引き出し配線とを備えるプリント配線基板。
【0017】
本発明に係るプリント配線基板の配線方法は、ホスト側ボードに接続されるカードエッジコネクタ部を有するリジッド基板上において前記カードエッジコネクタ部に主信号配線を配線し、前記カードエッジコネクタ部と接続される端の反対の端において他の基板と電気的に接続される接続パッドを前記主信号配線に接続し、前記接続パッドに引き出し配線に接続する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法によれば、スタブ長さを短くして伝送経路の特性劣化を防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る第1実施形態のプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法のリジッド基板の平面図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態のプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法のフレキシブル配線基板を接続する場合の平面図である。
【図3】本発明に係る第2実施形態のプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法のリジッド基板の平面図である。
【図4】本発明に係る第2実施形態のプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法のフレキシブル配線基板を接続する場合の平面図である。
【図5】プリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法の平面図である。
【図6】図5とは異なるプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法の平面図である。
【図7】図6のプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法の縦断面図である。
【図8】図5とは異なるプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法の平面図である。
【図9】図8とは異なるプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法の平面図である。
【図10】図9のプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る複数の実施形態のプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態のプリント配線基板10は、リジッド基板11を備える。
リジッド基板11は、その側端部に、不図示のホスト側ボードに接続されるカードエッジコネクタ部12を備える。
カードエッジコネクタ部12には、例えば、21個の端子13〜33が装備される。
【0021】
そして、カードエッジコネクタ部12とは反対側のリジッド基板11の一端であるコネクタ端の端縁部から、例えば1〜2mm程度の位置に、接続パッド34〜45が形成されている。
ここで、接続パッド34〜45は、それぞれ端子14〜30に対応して配置されている。具体的には、接続パッド34は端子14に対応して配置されている。また、接続パッド35は端子15に対応して配置されている。また、接続パッド36は端子17に対応して配置されている。また、接続パッド37は端子18に対応して配置されている。また、接続パッド38は端子20に対応して配置されている。また、接続パッド39は端子21にそれぞれ対応して配置されている。また、接続パッド40は端子23に対応して配置されている。また、接続パッド41は端子24に対応して配置されている。また、接続パッド42は端子26に対応して配置されている。また、接続パッド43は端子27に対応して配置されている。また、接続パッド44は端子29に対応して配置されている。また、接続パッド45は端子30に対応して配置されている。
【0022】
そして、リジッド基板11の上層において、端子14〜30と接続パッド34〜45とに主信号配線46〜57がそれぞれ接続されている。具体的には、端子14と接続パッド34とに主信号配線46が接続されている。また、端子15と接続パッド35とに主信号配線47が接続されている。また、端子17と接続パッド36とに主信号配線48が接続されている。また、端子18と接続パッド37とに主信号配線49が接続されている。また、端子20と接続パッド38とに主信号配線50が接続されている。また、端子21と接続パッド39とに主信号配線51が接続されている。また、端子23と接続パッド40とに主信号配線52が接続されている。また、端子24と接続パッド41とに主信号配線53がそれぞれ接続されている。また、端子26と接続パッド42とに主信号配線54が接続されている。また、端子27と接続パッド43とに主信号配線55が接続されている。また、端子29と接続パッド44とに主信号配線56が接続されている。また、端子30と接続パッド45とに主信号配線57が接続されている。
【0023】
また、リジッド基板11の下層において、接続パッド34〜45と引き出し配線58〜69とがそれぞれ接続されている。具体的には、接続パッド34に引き出し配線58が接続されている。また、接続パッド35に引き出し配線59が接続されている。また、接続パッド36に引き出し配線60が接続されている。また、接続パッド37に引き出し配線61が接続されている。また、接続パッド38に引き出し配線62が接続されている。また、接続パッド39に引き出し配線63が接続されている。また、接続パッド40に引き出し配線64が接続されている。また、接続パッド41に引き出し配線65が接続されている。また、接続パッド42に引き出し配線66が接続されている。また、接続パッド43に引き出し配線67が接続されている。また、接続パッド44に引き出し配線68が接続されている。そして、接続パッド45に引き出し配線69が接続されている。
【0024】
このとき、これら引き出し配線58〜69は、リジッド基板11の側端部に位置するカードエッジコネクタ部12を形成する面よりリジッド基板11の下層に位置する。
そして、これら引き出し配線58〜69は、接続パッド34〜45に接続され、主信号配線46〜57の延在方向に延びるように設けられて、主信号配線46〜57に交差せずに、リジッド基板11におけるカードエッジコネクタ部12とは反対側のリジッド基板11の一端であるコネクタ端から引き出されている。
引き出し配線58〜69は、リジッド基板11におけるカードエッジコネクタ部12とは反対側のリジッド基板11の一端であるコネクタ端から引き出されるために、直交して接続される場合と比べて、長さが均一で短くなる。
従って、引き出し配線58〜69は、カードエッジコネクタ部12とは反対側のリジッド基板11の一端であるコネクタ端から引き出されることにより、1mm以下の長さに設定できる。
【0025】
次に、プリント配線基板10の配線方法について説明する。
まず、リジッド基板11の一端であるコネクタ端に、21個の端子13〜33を有するカードエッジコネクタ部12を形成する。
次に、カードエッジコネクタ部12とは反対側のリジッド基板11の一端であるコネクタ端の端縁部から、1〜2mm程度の位置に、接続パッド34〜45を形成する。
そして、リジッド基板11の上層において、端子14〜33と接続パッド34〜45とに主信号配線46〜57を接続する。
続いて、リジッド基板11の下層において、接続パッド34〜45に引き出し配線58〜69を接続する。
【0026】
次に、プリント配線基板10にフレキシブル配線基板を接続する場合について説明する。
図2に示すように、プリント配線基板10は、接続パッド34〜45に半田ボール70〜81が搭載される。
フレキシブル配線基板82は、主信号配線83〜94を備えている。
そして、リフロー実装を実行することにより、リジッド基板11の半田ボール70〜81に、フレキシブル配線基板82の主信号配線83〜94が接続される。
従って、フレキシブル配線基板82と接続する際に、端子(ピン数)が多く、例えば半田ゴテで接続する等、目視しながら接続することが難しい場合、リフロー実装にて基板間を精度良く一括接続することができる。
なお、例えば、TOSA,ROSA(E/O、O/E変換するモジュール)等の接続は、通常、半田ごてなどによるものであるが、光トランシーバでは、多チャンネルの半田接続であるために、BGAパッドのようにファインピッチの半田接続となる。
このような半田付けも、同時にリフロー実装することにより、実装工程の大幅な工数削減および高精度な実装が可能である。
【0027】
以上、説明したように、第1実施形態のプリント配線基板10によれば、引き出し配線58〜69が、接続パッド34〜45に接続され、主信号配線46〜57の延在方向に延びるように設けられて、主信号配線46〜57に交差せずに引き出される。
従って、プリント配線基板10によれば、引き出し配線58〜69を1mm以下の長さに設定できるために、スタブ長さを短くして伝送経路の特性劣化を防止できる。
【0028】
また、第1実施形態のプリント配線基板10によれば、引き出し配線58〜69が、接続パッド34〜45に接続され、主信号配線46〜57の延在方向に延びるように設けられて、主信号配線46〜57に交差せずに、リジッド基板11におけるカードエッジコネクタ部12とは反対側のリジッド基板11の一端であるコネクタ端から引き出されている。
従って、プリント配線基板10によれば、引き出し配線58〜69が、カードエッジコネクタ部12とは反対側のリジッド基板11の一端であるコネクタ端から引き出されることにより、1mm以下の長さに設定されて、スタブ長さを短くして伝送経路の特性劣化を防止できる。
【0029】
また、第1実施形態のプリント配線基板10によれば、フレキシブル配線基板82と接続する際に、端子(ピン数)が多く、例えば半田ゴテで接続する等、目視しながら接続することが難しい場合、リフロー実装にて基板間を精度良く一括接続することができる。
【0030】
そして、第1実施形態のプリント配線基板の配線方法によれば、引き出し配線58〜69を1mm以下の長さに設定することにより、スタブ長さを短くして伝送経路の特性劣化を防止できる。
【0031】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態のプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法について説明する。
なお、以下の第2実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0032】
図3に示すように、本発明に係る第2実施形態のプリント配線基板100は、CXPのように主信号配線が非常に多く(主信号配線だけで60個近くになる。)なる場合である。
このような場合、リジッド基板11のサイズの問題により、リジッド基板11の側端部に接続パッドを並べられなくなる。
第2実施形態のプリント配線基板100は、リジッド基板11の側端部のカードエッジコネクタ部12に、例えば、21個の端子13〜33が装備される。
【0033】
そして、プリント配線基板100は、カードエッジコネクタ部12とは反対のリジッド基板11の一端であるコネクタ端寄りに、複数のくり抜き部101,102が形成されている。
くり抜き部101,102は、リジッド基板11の厚み方向に、三角形状に切除されており、内側に引き出し配線収容部103,104がそれぞれ形成されている。
くり抜き部101は、その周縁である内端縁部に、複数の接続パッド105〜116がV字形状に配置されている。
くり抜き部102は、その内端縁部に、複数の接続パッド117〜128がV字形状に配置されている。
そして、端子14と接続パッド108とに主信号配線129が接続され、端子15と接続パッド109とに主信号配線130が接続されている。
また、端子17と接続パッド112とに主信号配線131が接続され、端子18と接続パッド113とに主信号配線132が接続されている。
【0034】
そして、端子20と接続パッド114とに主信号配線133が接続され、端子21と接続パッド115とに主信号配線134が接続されている。
また、端子23と接続パッド118とに主信号配線135が接続され、端子24と接続パッド119とに主信号配線136が接続されている。
そして、端子26と接続パッド120とに主信号配線137が接続され、端子27と接続パッド121とに主信号配線138が接続されている。
また、端子29と接続パッド124とに主信号配線139が接続され、端子30と接続パッド125とに主信号配線140が接続されている。
そして、端子32と接続パッド126とに主信号配線141が接続され、端子33と接続パッド127とに主信号配線142が接続されている。
【0035】
そのため、くり抜き部101内の接続パッド108〜115に引き出し配線143が接続され、くり抜き部102内の接続パッド118〜127に引き出し配線144が接続される。
このとき、接続パッド108〜115に引き出し配線143を接続し、接続パッド118〜127に引き出し配線144を接続した後に、めっき処理が行われる。
そして、めっき処理が行われた後に、くり抜き部101,102が基板加工により、くり抜かれる。
これにより、リジッド基板11は、くり抜き部101,102により、端部の長さ寸法が実質的に増大することになる。
従って、くり抜き部101,102内において引き出し配線143,144が接続されることにより、引き出し配線143,144を1mm以下の長さに設定できる。
【0036】
次に、プリント配線基板100にフレキシブル配線基板を接続する場合について説明する。
プリント配線基板100は、接続パッド105〜116に不図示の半田ボールが接続される。
そして、リフロー実装を実行することにより、引き出し配線143,144のうちの引き出し配線144にフレキシブル配線基板145に有する主信号配線146,147がそれぞれ接続される。引き出し配線143にも不図示の主信号配線が接続される。
【0037】
第2実施形態のプリント配線基板100およびプリント配線基板の配線方法によれば、リジッド基板11にくり抜き部101,102が形成され、くり抜き部101,102に接続パッド105〜116が形成される。
そのため、プリント配線基板100およびプリント配線基板の配線方法によれば、くり抜き部101,102内において引き出し配線143,144または主信号配線146,147が接続される。
従って、プリント配線基板100およびプリント配線基板の配線方法によれば、引き出し配線143,144を1mm以下の長さに設定できる。
【0038】
なお、本発明のプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上述べたように、本発明のプリント配線基板およびプリント配線基板の配線方法によれば、スタブ長さを短くして伝送経路の特性劣化を防止できるものである。
以上の結果として、特にカードエッジタイプの光トランシーバにて、カードエッジコネクタ部に厚い金めっき(電解金めっき)を必要とする所に有用であり、金めっきと特性劣化とを同時に防げるために、本発明の産業上の利用可能性は大といえる。
【符号の説明】
【0040】
10 プリント配線基板
11 リジッド基板
12 カードエッジコネクタ部
34〜45、105〜128 接続パッド
46〜57 主信号配線
58〜69,143,144 引き出し配線
70〜81 半田ボール
100 プリント配線基板
101,102 くり抜き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト側ボードに接続されるカードエッジコネクタ部を有するリジッド基板と、
前記リジッド基板上において、前記カードエッジコネクタ部に配線される主信号配線と、
前記カードエッジコネクタ部と接続される端の反対の端において前記主信号配線と接続され、他の基板と電気的に接続される接続パッドと、
前記接続パッドに接続される引き出し配線とを備えるプリント配線基板。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント配線基板において、
前記引き出し配線が、前記リジッド基板において、前記カードエッジコネクタ部とは反対側に配置されるプリント配線基板。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプリント配線基板において、
前記接続パッドに半田ボールが形成され、
前記半田ボールを介して前記リジッド基板の主信号配線にフレキシブル配線基板に有する主信号配線が接続されるプリント配線基板。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載のプリント配線基板において、
前記リジッド基板にくり抜き部を形成し、前記くり抜き部の周縁に前記接続パッドが配置されるプリント配線基板。
【請求項5】
ホスト側ボードに接続されるカードエッジコネクタ部を有するリジッド基板上において前記カードエッジコネクタ部に主信号配線を配線し、前記カードエッジコネクタ部と接続される端の反対の端において他の基板と電気的に接続される接続パッドを前記主信号配線に接続し、前記接続パッドに引き出し配線に接続するプリント配線基板の配線方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−65657(P2013−65657A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202868(P2011−202868)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】