プリント配線板の製造方法
【課題】配線パターン等にダメージを与えたり、プリント配線板に反りを発生させることなく、ブラスト処理によりパッド等の配線パターンを露出させるプリント配線板の製造方法の提供。
【解決手段】絶縁樹脂層から露出させたい配線パターン又は金属箔を覆うように当該絶縁樹脂層よりも低弾性の樹脂からなるブラスト緩和層を形成する工程を有するプリント配線板の製造方法。
【解決手段】絶縁樹脂層から露出させたい配線パターン又は金属箔を覆うように当該絶縁樹脂層よりも低弾性の樹脂からなるブラスト緩和層を形成する工程を有するプリント配線板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス織布またはガラス不織布に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁樹脂層に効率よく開口部を設けることができるとともに、当該開口部形成の際に配線パターンや当該配線パターンが形成されている層の絶縁層にダメージ等を与えることのないプリント配線板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス織布に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁樹脂層に効率よく開口部を設けるプリント配線板の製造例としては、例えば特許文献1に開示された「半導体パッケージ用のプリント配線板」の製造方法がある。
【0003】
斯かる従来の半導体パッケージ用のプリント配線板の製造工程を簡単に説明すると、まず、図9(a)に示したように、半導体パッケージのサブストレートとして、厚さ0.04〜0.15mmのガラスクロス基材銅張り積層板を用いて回路板16(符号17は、回路板16の表裏に形成された図示しない配線パターンを接続する「スルーホール」である)を作製し、回路の表面処理をした当該回路板16の両面に同一厚みのガラスクロス基材熱硬化性樹脂組成物のプリプレグ5を積層する(図9(b)、(c)参照)。次に、サンドブラスト法にてボンディングパッド3a、はんだボールパッド3bに相当する部分のプリプレグ5を除去した後、露出した両パッドに貴金属めっきを施すことによって、図9(d)の半導体パッケージ用のプリント配線板Pcを得るというものである。
【0004】
このように、回路板16に形成された配線パターンの保護手段として、ソルダーレジストの代わりにガラスクロス(上記の「ガラス織布」に相当)を内部に有するプリプレグ5(上記の「絶縁樹脂層」に相当)を積層する構成としたため、腰のない極薄の回路板16においても反りを抑制することができ、また、ガラスクロスを含むプリプレグをソルダーレジストとして形成したとしても、サンドブラスト処理にて一括で開口部(即ち、ボンディングパッド3a等を露出させるための開口部)を形成できるため、極薄の半導体パッケージ用のプリント配線板を容易に形成することができる。
【0005】
しかし、サンドブラスト処理によるパッド露出工法では、以下のような問題点があった。
【0006】
即ち、サンドブラスト処理は、ガラスクロスを含むプリプレグに対して、複数の開口部を一括で形成できるというメリットがある反面、処理が過剰に行われた場合、図10に示したように、パッド3cや当該パッド3cが形成されている絶縁基板1にダメージ18を与えたり、当該露出させるパッド3cがサンドブラストのアタックにより塑性変形(即ち、銅などからなるパッドが伸びてしまう)してプリント配線板に反り(図示せず)を発生させたりするというデメリットを有していた(符号6は「ブラストレジスト」であり、また、図中の「矢印SB」は、サンドブラストが吹き付けられる様子を模式的に示したものである)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−286362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、サンドブラストなどのブラスト処理でパッド等の配線パターン(あるいは当該配線パターンが形成されている絶縁層)を露出させる場合においても、当該配線パターン等にダメージを与えたり、プリント配線板に反りを発生させたりすることなく容易に当該配線パターン等を露出させることができるプリント配線板の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層にブラスト処理を施すことによって、当該絶縁樹脂層の下部に形成されている配線パターンを露出させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、当該絶縁樹脂層から露出させたい配線パターンを覆うように当該絶縁樹脂層よりも低弾性率の樹脂からなるブラスト緩和層を形成する工程と、当該配線パターン形成層のブラスト緩和層形成面側にガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層を積層する工程と、当該絶縁樹脂層から露出させたい配線パターンに相当する部分に開口部を有するブラストレジストを形成する工程と、当該ブラストレジストを介してブラスト処理を行なうことによって、当該配線パターンを覆っているブラスト緩和層を露出させる工程と、露出したブラスト緩和層を除去する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
【0010】
また、ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層にブラスト処理を施すことによって、当該絶縁樹脂層の下部に形成されている金属箔を露出させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、当該絶縁樹脂層から露出させたい金属箔を覆うように当該絶縁樹脂層よりも低弾性率の樹脂からなるブラスト緩和層を形成する工程と、当該ブラスト緩和層の上にガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層を積層する工程と、当該絶縁樹脂層から露出させたい金属箔に相当する部分に開口部を有するブラストレジストを形成する工程と、当該ブラストレジストを介してブラスト処理を行なうことによって、当該金属箔を覆っているサンドブラスト緩和層を露出させる工程と、露出したブラスト緩和層を除去する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0011】
ブラスト処理による配線パターン等の露出方法を本発明の構成とすることによって、当該配線パターン等にダメージを与えたりプリント配線板に反りを発生させたりすることなく容易に当該配線パターン等を露出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明プリント配線板の第一の実施の形態を説明するための概略断面製造工程図。
【図2】本発明プリント配線板の第二の実施の形態を説明するための概略断面製造工程図。
【図3】図2に続く概略断面製造工程図。
【図4】図3に続く概略断面製造工程図。
【図5】本発明プリント配線板の第三の実施の形態を説明するための概略断面製造工程図。
【図6】図5に続く概略断面製造工程図。
【図7】露出させたい配線パターンと当該配線パターンが形成されている絶縁基板の一部をブラスト緩和層でカバーリングした状態を説明するための概略断面図。
【図8】サンドブラスト処理による配線パターンへの影響を説明するための概略断面図。
【図9】従来のプリント配線板の製造工程を説明するための概略断面製造工程図。
【図10】従来のサンドブラスト法の問題点を説明するための概略断面図。
【図11】(a)はブラスト緩和層上に絶縁樹脂層の樹脂残りが発生した状態を説明するための概略拡大断面図、(b)は樹脂残りとブラスト緩和層をデスミア処理で除去する際に、ブラスト緩和層に抉れ部が発生する状態を説明するための概略拡大断面図。
【図12】絶縁樹脂層から露出させる配線パターンに、ブラスト処理の過剰切削確認用の変色層を設けた状態を説明するための概略拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第一の実施の形態を、図1に示した半導体パッケージ用のプリント配線板Pを得るための概略断面製造工程図を用いて説明する。
【0014】
まず、図1(a)に示したように、ガラスエポキシ基板などの絶縁基板1の表裏にボンディングパッド3aと半田ボールパッド3bを含む配線パターン3を形成した後、両パッドを含む配線パターンを覆うようにブラスト緩和層4を形成し、次いで、当該配線パターン形成層上にガラス織布2にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸したプリプレグ5を積層する(当該「プリプレグ」は、本来、層間接着剤層として用いる半硬化状態のものであり、図1のように、硬化した状態では、例えば本発明の請求の範囲に記載しているように「絶縁樹脂層」等の表記が適当と思われるが、説明の便宜上、「半硬化状態」、「硬化状態」にかかわらず「絶縁樹脂層」を「プリプレグ」に統一して説明を進めていく)。
【0015】
ここで、ブラスト緩和層4としては、ブラスト処理により、ボンディングパッド等へのダメージを防止できるものであればどのようなものでもよく、例えば、エポキシ樹脂とエラストマー(「エラストマー」とは、シリコンゴムのような合成ゴムなどの弾性重合体のことで、エポキシ等の樹脂に弾力性を付与する効果がある)からなる熱硬化性樹脂(例えば、三井金属社製の「プライマーレジン」等)などが好適に挙げられ、特に、3GPa以下の弾性率を有するものであれば、ブラスト処理による過剰切削を確実に防止できるため、当該ブラスト緩和層4の薄型化を図る上で好ましい(ブラスト緩和層4は、本来製品内には不要なものであるため、なるべく薄くするのがプリント配線板の薄型化とデスミア処理の容易化の観点から好ましい)。
【0016】
また、上記3GPa以下の弾性率を有する熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂とエラストマーからなる熱硬化性樹脂)として、プリプレグ5の樹脂よりも最低溶融粘度が高いものを用いるのが、プリプレグ5の積層の際に、当該プリプレグ5中のガラス織布2がブラスト緩和層4中に溶け込む懸念がなく、安定してブラスト緩和層4を確保できるため、当該ブラスト緩和層4の薄型化とデスミア性の向上をより一層向上させる上で好ましい(因みに、最低溶融粘度で管理しない場合は、ブラスト緩和層4の厚さで管理するため、薄型化が難しい)。
【0017】
更に、ブラスト緩和層4は、図7に示したように、少なくとも露出させたい配線パターン3(例えば、図1の「ボンディングパッド3a」等)または配線パターン3と当該配線パターン3に隣接する絶縁基板1の一部がカバーリングされていれば、本発明の効果(配線パターンや配線パターンが形成されている絶縁基板の一部にダメージを与えない、プリント配線板に反りを発生させないなどの効果)を得るには十分であるが、図1に示したように、露出させない配線パターン3もプリプレグ5の樹脂よりも最低溶融粘度の高いブラスト緩和層4でカバーリングすれば、プリプレグ5として薄型のものを積層した場合においても、当該プリプレグ5のガラス織布2と配線パターン3が接触することがなくなるため、当該プリプレグ5のガラス織布2と配線パターン3の接触により発生するCAF(conductive anodic filament:ガラス繊維に沿って進行するマイグレーション)の懸念もなくすことができる(ブラスト緩和層4を厚さで調整する場合は、ブラスト緩和層4が厚い分、プリプレグ5のガラス織布2と配線パターン3が接触しないため、CAFの懸念はない)。
【0018】
次に、図1(b)に示したように、プリプレグ5から露出させたいボンディングパッド3a及びはんだボールパッド3bの位置に相当する部分に、レジスト開口部6aを有するブラストレジスト6を周知の露光・現像処理などで形成し、次いで、サンドブラスト法などのブラスト処理を行なうことによって、当該レジスト開口部6aから露出しているプリプレグ5を除去する(図1(c)参照)。
【0019】
ここで、当該ブラスト処理としては、「サンドブラスト処理」あるいは「ウェットブラスト処理」の何れの手段でも加工は可能であるため、用途に応じて何れかを選択すればよい。
例えば、サンドブラスト処理は、ウェットブラスト処理と比較して、吹き付ける砥粒のアタックが強いため切削時間を短縮できる反面、図8に示したように、パッド3cの外周部に僅かな丸み19(製品としては殆ど問題のないレベルの丸み)が発生する場合があり、一方、ウェットブラスト処理は、サンドブラスト処理よりも切削時間がかかるものの、外周部に丸みのないパッド3cを確実に露出できるという特徴がある。
従って、例えば、「微細で且つボンディングに支障のないパッドを確実に露出させたい場合にはウェットブラスト処理」、「寸法的に余裕のあるパッドを露出させる場合には、切削時間の短いサンドブラスト処理」という具合に用途に応じて選択することができる。
尚、本発明の実施の形態では、説明の便宜上、「サンドブラスト処理」に限定して説明することとする。
【0020】
次に、デスミア処理(例えば、過マンガン酸ナトリウム系、過マンガン酸カリウム系などのデスミア処理)を行なうことによって、露出したブラスト緩和層4を除去し、次いで、更に露出したボンディングパッド3a、はんだボールパッド3bにニッケル/金めっき7を形成することによって、図1(d)のプリント配線板Pを得る。
【0021】
本実施の形態の注目すべき点は、サンドブラスト処理により切削されるプリプレグ5と、当該プリプレグ5から露出させる配線パターン形成層との間にブラスト緩和層4を設けた点にある。
【0022】
これにより、サンドブラスト処理で一旦ブラスト緩和層4を露出させ、その後、デスミア処理で配線パターン(図中の「ボンディングパッド3a」等)を露出させることができるため、従来のように、一挙に配線パターンを露出させる場合と比較して、配線パターン(あるいは配線パターンと配線パターンに隣接する絶縁基板の一部)にダメージを与えたり最終的に出来上がるプリント配線板に反りを発生させたりすることなく、容易に配線パターン等を露出させることができる。
【0023】
続いて、図2〜図4に示した上下方向に隣接する配線パターン間をブラインドバイアホール(以降これを「BVH」と表記する)で接続するビルドアップタイプのプリント配線板Paを得るための概略断面製造工程図を用いて説明する。
【0024】
まず、図2(a)に示したように、絶縁基板1の表面に形成された導体層9(当該「導体層9」は絶縁基板1の表面に予め積層された「金属箔」上に、絶縁基板1に設けられる図示しないスルーホール等を形成するための「めっき」が析出された状態を示したものである)上に、感光性のブラスト緩和層4a(例えば、感光性ポリイミドからなるブラスト緩和層)を積層し、次いで、図2(b)に示したように、周知の露光・現像処理で所望のパターンのブラスト緩和層4aを形成した後、当該ブラスト緩和層4aから露出している導体層9をエッチング処理することによって、ビア底部ランド3dを含む配線パターン3を形成する(図2(c)参照)。
【0025】
ここで、ブラスト緩和層4aとして用いられるポリイミドとして、弾性率が8GPa以下のものを用いるのが、ブラスト処理の過剰切削を確実に防止でき、当該ブラスト緩和層4の薄型化を図る上で好ましい。
【0026】
次に、図2(d)に示したように、エッチング処理後のブラスト緩和層4aを残した状態の絶縁基板1と、銅箔などの金属箔8の片面にプリプレグ5が積層された樹脂付き金属箔10を、配線パターン3とプリプレグ5が向き合うように配置し、次いで、両者を加熱加圧プレスすることによって、絶縁基板1上にビルドアップ層(図中の「BU」に相当)を積層する(図2(e)参照)。
【0027】
次に、図3(a)に示したように、金属箔8上に、絶縁基板1に形成されているビア底部ランド3dの位置に相当する部分にレジスト開口部6aが形成されたブラストレジスト6を形成し、次いで、レジスト開口部6aから露出した金属箔8をエッチング除去して、当該金属箔8にウィンドウ部11を形成する。
【0028】
ここで、ウィンドウ部11を形成する際のエッチングレジストとして、製造工程の簡略化の観点から、ブラストレジスト6を用いる例を示したが(即ち、エッチングレジストとブラスト緩和層を兼用する例)、もちろん両工程を分けて加工することも可能である。
【0029】
次に、図3(b)に示したように、ブラストレジスト6を介してサンドブラスト処理を行うことによって、レジスト開口部6aから露出しているプリプレグ5を除去し、次いで、ブラストレジスト6を苛性ソーダなどで剥離する(図3(c)参照)。
【0030】
次に、図3(d)に示したように、露出したビア底部ランド3d上に形成されているブラスト緩和層4aをデスミア処理で除去することによって非貫通孔12を形成し、次いで、非貫通孔12を含む全面に図示しない無電解めっき(例えば「無電解銅めっき」)を形成した後、当該無電解めっきを給電層とする電解めっき処理(例えば「電解銅めっき処理」)を行うことによって、非貫通孔12を含む全面にめっき13(例えば「銅めっき」)を析出させる(図4(a)参照)。
【0031】
そして最後に、周知のサブトラクティブ法(フォトエッチングレジストの露光・現像工程、エッチングによる配線パターン形成工程、レジスト剥離工程からなる回路形成方法)により外層の回路形成を行うことによって、上下方向の配線パターン間を接続するBVH14とビアランド14aを含む配線パターン3が形成された図4(b)のプリント配線板Paを得る。
【0032】
本実施の形態における注目すべき点は、ブラスト緩和層4aとして感光性のものを用い、エッチングレジストと兼用にした点にある。
【0033】
これにより、本来、絶縁基板1上の配線パターン3(ビア底部ランド3dを含む)の形成とブラスト緩和層4aの形成の2工程が必要なところ1工程で行うことができるため、製造工程を簡略化できる。
【0034】
続いて、図5及び図6に示した表裏の配線パターンをBVHで接続する両面タイプ(即ち、配線層が二層)のプリント配線板Pbを用いて本発明の第三の実施の形態を説明する。
【0035】
まず、図5(a)に示したように、銅箔などの金属箔8、ガラス織布2と熱硬化性樹脂などからなる絶縁基板1(第一、第二の実施の形態における「プリプレグ」に相当)、ブラスト緩和層4(第一の実施の形態と同様のもの)、金属箔8aの順に積層された両面金属箔張り積層板15を用意し、後にBVH14を形成する部分にレジスト開口部6aを有するブラストレジスト6を、絶縁基板1のブラスト緩和層4が設けられていない方の面(即ちサンドブラストが吹き付けられる方の面)に積層されている金属箔8の表面に形成する(図5(b)参照)。
【0036】
次に、図5(c)に示したように、レジスト開口部6aから露出する金属箔8をエッチング除去してウィンドウ部11を形成した後、サンドブラスト処理を行うことによって、露出している絶縁基板1を除去し(図5(d)参照)、次いで、図5(e)に示したように、ブラストレジスト6を苛性ソーダなどで剥離した後、露出しているブラスト緩和層4をデスミア処理(例えば、過マンガン酸ナトリウム系、過マンガン酸カリウム系などのデスミア処理)で除去することによって、BVH14を形成するための非貫通孔12を形成する(図6(a)参照)。
【0037】
次に、非貫通孔12を含む全面に図示しない無電解めっき(例えば「無電解銅めっき」)を形成した後、当該無電解めっきを給電層とする電解めっき処理(例えば「電解銅めっき処理」)を行うことによって、非貫通孔12を含む全面にめっき13(例えば「銅めっき」)を析出させ(図6(b)参照)、次いで、周知のサブトラクティブ法(フォトエッチングレジストの露光、現像、エッチングによる配線パターン形成、レジスト剥離)により回路形成を行うことによって、図6(c)のプリント配線板Pbを得る。
【0038】
本実施の形態の注目すべき点は、複数の非貫通孔10をサンドブラスト処理で一括穿孔する場合において、絶縁基板1と非貫通孔10の底部側(サンドブラスト吹き付け面とは反対の面)に積層されている金属箔8aとの間にブラスト緩和層4を設けた点にある。
【0039】
これにより、サンドブラスト処理で切削される絶縁基板1の厚さバラツキによって発生する金属箔8aの貫通不良を容易に防止することができ、以って、接続信頼性の高いBVH14を容易に形成することができる。
【0040】
本発明を説明するにあたって、プリプレグの強化繊維として、ガラス織布を内部に有する例を用いて説明したが、ガラス不織布を用いることももちろん可能である。
【0041】
また、第一、第三の実施の形態におけるブラスト緩和層の例として、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂とエラストマーからなる熱硬化性樹脂)の例を用いて説明したが、第二の実施の形態のようにポリイミドを用いることも可能であり、もちろん8GPa以下の弾性率を有するポリイミドを設けることによって、薄型化を図ることも可能である。
【0042】
また、ブラスト処理によって切削されるプリプレグ(または「絶縁基板」)としては、加工時間の短縮及びブラスト緩和層上への樹脂残りを防止する上で、切削性の高いもの(即ち、切削ムラのない均一な切削が可能なプリプレグや絶縁基板)を選択するのが好ましい。即ち、切削性が低いと、切削時間がかかる上に、図11(a)に示したようにブラスト緩和層4上にプリプレグや絶縁基板の樹脂が残る場合があり(図中の「樹脂残り20」参照)、この場合、ブラスト緩和層4をデスミアで除去する際、当該樹脂残り20の分、デスミア処理時間を長くする必要があるのだが、このような処理を行った場合、今度はブラスト緩和層4が過剰に除去されて抉れ部21が発生してしまい(図11(b)参照)、当該抉れ部21で、「薬液残渣」や「めっき付き回り性の低下」などが発生する可能性があるからである。
【0043】
因みに、「切削性の高いプリプレグや絶縁基板」とは、ガラス織布またはガラス不織布の繊維間の隙間(即ち樹脂のみの部分)が少ないものであり(ブラスト処理は、樹脂のみの柔らかい部分は切削されにくく、ガラス繊維や無機フィラーのように硬い部分が切削されやすいという特性があるため)、例えば、繊維間の隙間が殆どない「超扁平ガラス織布入りのプリプレグ」などが挙げられるが、この「超扁平ガラス織布入りのプリプレグ」は非常に高価であるため、コスト的に不利な手段である。従って、「扁平ガラス織布入りのプリプレグ」、または「ガラス不織布入りのプリプレグ」に、少なくとも無機フィラーを20体積%以上含有させたものを用いるのが、容易で且つ安価であるため好ましい。
【0044】
更に、プリプレグや絶縁基板から露出させたいパッドなどの配線パターンや金属箔の露出される側の面の色を、他の導体部分と異なる色に変色させれば、過剰切削による不良確認が容易にでき、以って、製品不良の流出を容易に防止できる(図12の「変色層22」参照)。
【符号の説明】
【0045】
1:絶縁基板
2:ガラス織布
3:配線パターン
3a:ボンディングパッド
3b:はんだボールパッド
3c:パッド
3d:ビア底部ランド
4、4a:ブラスト緩和層
5:プリプレグ
6:ブラストレジスト
6a:レジスト開口部
7:ニッケル/金めっき
8、8a:金属箔
9:導体層
10:樹脂付き金属箔
11:ウィンドウ部
12:非貫通孔
13:めっき
14:ブラインドバイアホール(BVH)
14a:ビアランド
15:両面金属箔張り積層板
16:回路板
17:スルーホール
18:ダメージ
19:丸み
20:樹脂残り
21:抉れ部
22:変色層
P、Pa、Pb、Pc:プリント配線板
SB:ブラスト
BU:ビルドアップ層
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス織布またはガラス不織布に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁樹脂層に効率よく開口部を設けることができるとともに、当該開口部形成の際に配線パターンや当該配線パターンが形成されている層の絶縁層にダメージ等を与えることのないプリント配線板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス織布に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁樹脂層に効率よく開口部を設けるプリント配線板の製造例としては、例えば特許文献1に開示された「半導体パッケージ用のプリント配線板」の製造方法がある。
【0003】
斯かる従来の半導体パッケージ用のプリント配線板の製造工程を簡単に説明すると、まず、図9(a)に示したように、半導体パッケージのサブストレートとして、厚さ0.04〜0.15mmのガラスクロス基材銅張り積層板を用いて回路板16(符号17は、回路板16の表裏に形成された図示しない配線パターンを接続する「スルーホール」である)を作製し、回路の表面処理をした当該回路板16の両面に同一厚みのガラスクロス基材熱硬化性樹脂組成物のプリプレグ5を積層する(図9(b)、(c)参照)。次に、サンドブラスト法にてボンディングパッド3a、はんだボールパッド3bに相当する部分のプリプレグ5を除去した後、露出した両パッドに貴金属めっきを施すことによって、図9(d)の半導体パッケージ用のプリント配線板Pcを得るというものである。
【0004】
このように、回路板16に形成された配線パターンの保護手段として、ソルダーレジストの代わりにガラスクロス(上記の「ガラス織布」に相当)を内部に有するプリプレグ5(上記の「絶縁樹脂層」に相当)を積層する構成としたため、腰のない極薄の回路板16においても反りを抑制することができ、また、ガラスクロスを含むプリプレグをソルダーレジストとして形成したとしても、サンドブラスト処理にて一括で開口部(即ち、ボンディングパッド3a等を露出させるための開口部)を形成できるため、極薄の半導体パッケージ用のプリント配線板を容易に形成することができる。
【0005】
しかし、サンドブラスト処理によるパッド露出工法では、以下のような問題点があった。
【0006】
即ち、サンドブラスト処理は、ガラスクロスを含むプリプレグに対して、複数の開口部を一括で形成できるというメリットがある反面、処理が過剰に行われた場合、図10に示したように、パッド3cや当該パッド3cが形成されている絶縁基板1にダメージ18を与えたり、当該露出させるパッド3cがサンドブラストのアタックにより塑性変形(即ち、銅などからなるパッドが伸びてしまう)してプリント配線板に反り(図示せず)を発生させたりするというデメリットを有していた(符号6は「ブラストレジスト」であり、また、図中の「矢印SB」は、サンドブラストが吹き付けられる様子を模式的に示したものである)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−286362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、サンドブラストなどのブラスト処理でパッド等の配線パターン(あるいは当該配線パターンが形成されている絶縁層)を露出させる場合においても、当該配線パターン等にダメージを与えたり、プリント配線板に反りを発生させたりすることなく容易に当該配線パターン等を露出させることができるプリント配線板の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層にブラスト処理を施すことによって、当該絶縁樹脂層の下部に形成されている配線パターンを露出させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、当該絶縁樹脂層から露出させたい配線パターンを覆うように当該絶縁樹脂層よりも低弾性率の樹脂からなるブラスト緩和層を形成する工程と、当該配線パターン形成層のブラスト緩和層形成面側にガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層を積層する工程と、当該絶縁樹脂層から露出させたい配線パターンに相当する部分に開口部を有するブラストレジストを形成する工程と、当該ブラストレジストを介してブラスト処理を行なうことによって、当該配線パターンを覆っているブラスト緩和層を露出させる工程と、露出したブラスト緩和層を除去する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
【0010】
また、ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層にブラスト処理を施すことによって、当該絶縁樹脂層の下部に形成されている金属箔を露出させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、当該絶縁樹脂層から露出させたい金属箔を覆うように当該絶縁樹脂層よりも低弾性率の樹脂からなるブラスト緩和層を形成する工程と、当該ブラスト緩和層の上にガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層を積層する工程と、当該絶縁樹脂層から露出させたい金属箔に相当する部分に開口部を有するブラストレジストを形成する工程と、当該ブラストレジストを介してブラスト処理を行なうことによって、当該金属箔を覆っているサンドブラスト緩和層を露出させる工程と、露出したブラスト緩和層を除去する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0011】
ブラスト処理による配線パターン等の露出方法を本発明の構成とすることによって、当該配線パターン等にダメージを与えたりプリント配線板に反りを発生させたりすることなく容易に当該配線パターン等を露出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明プリント配線板の第一の実施の形態を説明するための概略断面製造工程図。
【図2】本発明プリント配線板の第二の実施の形態を説明するための概略断面製造工程図。
【図3】図2に続く概略断面製造工程図。
【図4】図3に続く概略断面製造工程図。
【図5】本発明プリント配線板の第三の実施の形態を説明するための概略断面製造工程図。
【図6】図5に続く概略断面製造工程図。
【図7】露出させたい配線パターンと当該配線パターンが形成されている絶縁基板の一部をブラスト緩和層でカバーリングした状態を説明するための概略断面図。
【図8】サンドブラスト処理による配線パターンへの影響を説明するための概略断面図。
【図9】従来のプリント配線板の製造工程を説明するための概略断面製造工程図。
【図10】従来のサンドブラスト法の問題点を説明するための概略断面図。
【図11】(a)はブラスト緩和層上に絶縁樹脂層の樹脂残りが発生した状態を説明するための概略拡大断面図、(b)は樹脂残りとブラスト緩和層をデスミア処理で除去する際に、ブラスト緩和層に抉れ部が発生する状態を説明するための概略拡大断面図。
【図12】絶縁樹脂層から露出させる配線パターンに、ブラスト処理の過剰切削確認用の変色層を設けた状態を説明するための概略拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第一の実施の形態を、図1に示した半導体パッケージ用のプリント配線板Pを得るための概略断面製造工程図を用いて説明する。
【0014】
まず、図1(a)に示したように、ガラスエポキシ基板などの絶縁基板1の表裏にボンディングパッド3aと半田ボールパッド3bを含む配線パターン3を形成した後、両パッドを含む配線パターンを覆うようにブラスト緩和層4を形成し、次いで、当該配線パターン形成層上にガラス織布2にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸したプリプレグ5を積層する(当該「プリプレグ」は、本来、層間接着剤層として用いる半硬化状態のものであり、図1のように、硬化した状態では、例えば本発明の請求の範囲に記載しているように「絶縁樹脂層」等の表記が適当と思われるが、説明の便宜上、「半硬化状態」、「硬化状態」にかかわらず「絶縁樹脂層」を「プリプレグ」に統一して説明を進めていく)。
【0015】
ここで、ブラスト緩和層4としては、ブラスト処理により、ボンディングパッド等へのダメージを防止できるものであればどのようなものでもよく、例えば、エポキシ樹脂とエラストマー(「エラストマー」とは、シリコンゴムのような合成ゴムなどの弾性重合体のことで、エポキシ等の樹脂に弾力性を付与する効果がある)からなる熱硬化性樹脂(例えば、三井金属社製の「プライマーレジン」等)などが好適に挙げられ、特に、3GPa以下の弾性率を有するものであれば、ブラスト処理による過剰切削を確実に防止できるため、当該ブラスト緩和層4の薄型化を図る上で好ましい(ブラスト緩和層4は、本来製品内には不要なものであるため、なるべく薄くするのがプリント配線板の薄型化とデスミア処理の容易化の観点から好ましい)。
【0016】
また、上記3GPa以下の弾性率を有する熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂とエラストマーからなる熱硬化性樹脂)として、プリプレグ5の樹脂よりも最低溶融粘度が高いものを用いるのが、プリプレグ5の積層の際に、当該プリプレグ5中のガラス織布2がブラスト緩和層4中に溶け込む懸念がなく、安定してブラスト緩和層4を確保できるため、当該ブラスト緩和層4の薄型化とデスミア性の向上をより一層向上させる上で好ましい(因みに、最低溶融粘度で管理しない場合は、ブラスト緩和層4の厚さで管理するため、薄型化が難しい)。
【0017】
更に、ブラスト緩和層4は、図7に示したように、少なくとも露出させたい配線パターン3(例えば、図1の「ボンディングパッド3a」等)または配線パターン3と当該配線パターン3に隣接する絶縁基板1の一部がカバーリングされていれば、本発明の効果(配線パターンや配線パターンが形成されている絶縁基板の一部にダメージを与えない、プリント配線板に反りを発生させないなどの効果)を得るには十分であるが、図1に示したように、露出させない配線パターン3もプリプレグ5の樹脂よりも最低溶融粘度の高いブラスト緩和層4でカバーリングすれば、プリプレグ5として薄型のものを積層した場合においても、当該プリプレグ5のガラス織布2と配線パターン3が接触することがなくなるため、当該プリプレグ5のガラス織布2と配線パターン3の接触により発生するCAF(conductive anodic filament:ガラス繊維に沿って進行するマイグレーション)の懸念もなくすことができる(ブラスト緩和層4を厚さで調整する場合は、ブラスト緩和層4が厚い分、プリプレグ5のガラス織布2と配線パターン3が接触しないため、CAFの懸念はない)。
【0018】
次に、図1(b)に示したように、プリプレグ5から露出させたいボンディングパッド3a及びはんだボールパッド3bの位置に相当する部分に、レジスト開口部6aを有するブラストレジスト6を周知の露光・現像処理などで形成し、次いで、サンドブラスト法などのブラスト処理を行なうことによって、当該レジスト開口部6aから露出しているプリプレグ5を除去する(図1(c)参照)。
【0019】
ここで、当該ブラスト処理としては、「サンドブラスト処理」あるいは「ウェットブラスト処理」の何れの手段でも加工は可能であるため、用途に応じて何れかを選択すればよい。
例えば、サンドブラスト処理は、ウェットブラスト処理と比較して、吹き付ける砥粒のアタックが強いため切削時間を短縮できる反面、図8に示したように、パッド3cの外周部に僅かな丸み19(製品としては殆ど問題のないレベルの丸み)が発生する場合があり、一方、ウェットブラスト処理は、サンドブラスト処理よりも切削時間がかかるものの、外周部に丸みのないパッド3cを確実に露出できるという特徴がある。
従って、例えば、「微細で且つボンディングに支障のないパッドを確実に露出させたい場合にはウェットブラスト処理」、「寸法的に余裕のあるパッドを露出させる場合には、切削時間の短いサンドブラスト処理」という具合に用途に応じて選択することができる。
尚、本発明の実施の形態では、説明の便宜上、「サンドブラスト処理」に限定して説明することとする。
【0020】
次に、デスミア処理(例えば、過マンガン酸ナトリウム系、過マンガン酸カリウム系などのデスミア処理)を行なうことによって、露出したブラスト緩和層4を除去し、次いで、更に露出したボンディングパッド3a、はんだボールパッド3bにニッケル/金めっき7を形成することによって、図1(d)のプリント配線板Pを得る。
【0021】
本実施の形態の注目すべき点は、サンドブラスト処理により切削されるプリプレグ5と、当該プリプレグ5から露出させる配線パターン形成層との間にブラスト緩和層4を設けた点にある。
【0022】
これにより、サンドブラスト処理で一旦ブラスト緩和層4を露出させ、その後、デスミア処理で配線パターン(図中の「ボンディングパッド3a」等)を露出させることができるため、従来のように、一挙に配線パターンを露出させる場合と比較して、配線パターン(あるいは配線パターンと配線パターンに隣接する絶縁基板の一部)にダメージを与えたり最終的に出来上がるプリント配線板に反りを発生させたりすることなく、容易に配線パターン等を露出させることができる。
【0023】
続いて、図2〜図4に示した上下方向に隣接する配線パターン間をブラインドバイアホール(以降これを「BVH」と表記する)で接続するビルドアップタイプのプリント配線板Paを得るための概略断面製造工程図を用いて説明する。
【0024】
まず、図2(a)に示したように、絶縁基板1の表面に形成された導体層9(当該「導体層9」は絶縁基板1の表面に予め積層された「金属箔」上に、絶縁基板1に設けられる図示しないスルーホール等を形成するための「めっき」が析出された状態を示したものである)上に、感光性のブラスト緩和層4a(例えば、感光性ポリイミドからなるブラスト緩和層)を積層し、次いで、図2(b)に示したように、周知の露光・現像処理で所望のパターンのブラスト緩和層4aを形成した後、当該ブラスト緩和層4aから露出している導体層9をエッチング処理することによって、ビア底部ランド3dを含む配線パターン3を形成する(図2(c)参照)。
【0025】
ここで、ブラスト緩和層4aとして用いられるポリイミドとして、弾性率が8GPa以下のものを用いるのが、ブラスト処理の過剰切削を確実に防止でき、当該ブラスト緩和層4の薄型化を図る上で好ましい。
【0026】
次に、図2(d)に示したように、エッチング処理後のブラスト緩和層4aを残した状態の絶縁基板1と、銅箔などの金属箔8の片面にプリプレグ5が積層された樹脂付き金属箔10を、配線パターン3とプリプレグ5が向き合うように配置し、次いで、両者を加熱加圧プレスすることによって、絶縁基板1上にビルドアップ層(図中の「BU」に相当)を積層する(図2(e)参照)。
【0027】
次に、図3(a)に示したように、金属箔8上に、絶縁基板1に形成されているビア底部ランド3dの位置に相当する部分にレジスト開口部6aが形成されたブラストレジスト6を形成し、次いで、レジスト開口部6aから露出した金属箔8をエッチング除去して、当該金属箔8にウィンドウ部11を形成する。
【0028】
ここで、ウィンドウ部11を形成する際のエッチングレジストとして、製造工程の簡略化の観点から、ブラストレジスト6を用いる例を示したが(即ち、エッチングレジストとブラスト緩和層を兼用する例)、もちろん両工程を分けて加工することも可能である。
【0029】
次に、図3(b)に示したように、ブラストレジスト6を介してサンドブラスト処理を行うことによって、レジスト開口部6aから露出しているプリプレグ5を除去し、次いで、ブラストレジスト6を苛性ソーダなどで剥離する(図3(c)参照)。
【0030】
次に、図3(d)に示したように、露出したビア底部ランド3d上に形成されているブラスト緩和層4aをデスミア処理で除去することによって非貫通孔12を形成し、次いで、非貫通孔12を含む全面に図示しない無電解めっき(例えば「無電解銅めっき」)を形成した後、当該無電解めっきを給電層とする電解めっき処理(例えば「電解銅めっき処理」)を行うことによって、非貫通孔12を含む全面にめっき13(例えば「銅めっき」)を析出させる(図4(a)参照)。
【0031】
そして最後に、周知のサブトラクティブ法(フォトエッチングレジストの露光・現像工程、エッチングによる配線パターン形成工程、レジスト剥離工程からなる回路形成方法)により外層の回路形成を行うことによって、上下方向の配線パターン間を接続するBVH14とビアランド14aを含む配線パターン3が形成された図4(b)のプリント配線板Paを得る。
【0032】
本実施の形態における注目すべき点は、ブラスト緩和層4aとして感光性のものを用い、エッチングレジストと兼用にした点にある。
【0033】
これにより、本来、絶縁基板1上の配線パターン3(ビア底部ランド3dを含む)の形成とブラスト緩和層4aの形成の2工程が必要なところ1工程で行うことができるため、製造工程を簡略化できる。
【0034】
続いて、図5及び図6に示した表裏の配線パターンをBVHで接続する両面タイプ(即ち、配線層が二層)のプリント配線板Pbを用いて本発明の第三の実施の形態を説明する。
【0035】
まず、図5(a)に示したように、銅箔などの金属箔8、ガラス織布2と熱硬化性樹脂などからなる絶縁基板1(第一、第二の実施の形態における「プリプレグ」に相当)、ブラスト緩和層4(第一の実施の形態と同様のもの)、金属箔8aの順に積層された両面金属箔張り積層板15を用意し、後にBVH14を形成する部分にレジスト開口部6aを有するブラストレジスト6を、絶縁基板1のブラスト緩和層4が設けられていない方の面(即ちサンドブラストが吹き付けられる方の面)に積層されている金属箔8の表面に形成する(図5(b)参照)。
【0036】
次に、図5(c)に示したように、レジスト開口部6aから露出する金属箔8をエッチング除去してウィンドウ部11を形成した後、サンドブラスト処理を行うことによって、露出している絶縁基板1を除去し(図5(d)参照)、次いで、図5(e)に示したように、ブラストレジスト6を苛性ソーダなどで剥離した後、露出しているブラスト緩和層4をデスミア処理(例えば、過マンガン酸ナトリウム系、過マンガン酸カリウム系などのデスミア処理)で除去することによって、BVH14を形成するための非貫通孔12を形成する(図6(a)参照)。
【0037】
次に、非貫通孔12を含む全面に図示しない無電解めっき(例えば「無電解銅めっき」)を形成した後、当該無電解めっきを給電層とする電解めっき処理(例えば「電解銅めっき処理」)を行うことによって、非貫通孔12を含む全面にめっき13(例えば「銅めっき」)を析出させ(図6(b)参照)、次いで、周知のサブトラクティブ法(フォトエッチングレジストの露光、現像、エッチングによる配線パターン形成、レジスト剥離)により回路形成を行うことによって、図6(c)のプリント配線板Pbを得る。
【0038】
本実施の形態の注目すべき点は、複数の非貫通孔10をサンドブラスト処理で一括穿孔する場合において、絶縁基板1と非貫通孔10の底部側(サンドブラスト吹き付け面とは反対の面)に積層されている金属箔8aとの間にブラスト緩和層4を設けた点にある。
【0039】
これにより、サンドブラスト処理で切削される絶縁基板1の厚さバラツキによって発生する金属箔8aの貫通不良を容易に防止することができ、以って、接続信頼性の高いBVH14を容易に形成することができる。
【0040】
本発明を説明するにあたって、プリプレグの強化繊維として、ガラス織布を内部に有する例を用いて説明したが、ガラス不織布を用いることももちろん可能である。
【0041】
また、第一、第三の実施の形態におけるブラスト緩和層の例として、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂とエラストマーからなる熱硬化性樹脂)の例を用いて説明したが、第二の実施の形態のようにポリイミドを用いることも可能であり、もちろん8GPa以下の弾性率を有するポリイミドを設けることによって、薄型化を図ることも可能である。
【0042】
また、ブラスト処理によって切削されるプリプレグ(または「絶縁基板」)としては、加工時間の短縮及びブラスト緩和層上への樹脂残りを防止する上で、切削性の高いもの(即ち、切削ムラのない均一な切削が可能なプリプレグや絶縁基板)を選択するのが好ましい。即ち、切削性が低いと、切削時間がかかる上に、図11(a)に示したようにブラスト緩和層4上にプリプレグや絶縁基板の樹脂が残る場合があり(図中の「樹脂残り20」参照)、この場合、ブラスト緩和層4をデスミアで除去する際、当該樹脂残り20の分、デスミア処理時間を長くする必要があるのだが、このような処理を行った場合、今度はブラスト緩和層4が過剰に除去されて抉れ部21が発生してしまい(図11(b)参照)、当該抉れ部21で、「薬液残渣」や「めっき付き回り性の低下」などが発生する可能性があるからである。
【0043】
因みに、「切削性の高いプリプレグや絶縁基板」とは、ガラス織布またはガラス不織布の繊維間の隙間(即ち樹脂のみの部分)が少ないものであり(ブラスト処理は、樹脂のみの柔らかい部分は切削されにくく、ガラス繊維や無機フィラーのように硬い部分が切削されやすいという特性があるため)、例えば、繊維間の隙間が殆どない「超扁平ガラス織布入りのプリプレグ」などが挙げられるが、この「超扁平ガラス織布入りのプリプレグ」は非常に高価であるため、コスト的に不利な手段である。従って、「扁平ガラス織布入りのプリプレグ」、または「ガラス不織布入りのプリプレグ」に、少なくとも無機フィラーを20体積%以上含有させたものを用いるのが、容易で且つ安価であるため好ましい。
【0044】
更に、プリプレグや絶縁基板から露出させたいパッドなどの配線パターンや金属箔の露出される側の面の色を、他の導体部分と異なる色に変色させれば、過剰切削による不良確認が容易にでき、以って、製品不良の流出を容易に防止できる(図12の「変色層22」参照)。
【符号の説明】
【0045】
1:絶縁基板
2:ガラス織布
3:配線パターン
3a:ボンディングパッド
3b:はんだボールパッド
3c:パッド
3d:ビア底部ランド
4、4a:ブラスト緩和層
5:プリプレグ
6:ブラストレジスト
6a:レジスト開口部
7:ニッケル/金めっき
8、8a:金属箔
9:導体層
10:樹脂付き金属箔
11:ウィンドウ部
12:非貫通孔
13:めっき
14:ブラインドバイアホール(BVH)
14a:ビアランド
15:両面金属箔張り積層板
16:回路板
17:スルーホール
18:ダメージ
19:丸み
20:樹脂残り
21:抉れ部
22:変色層
P、Pa、Pb、Pc:プリント配線板
SB:ブラスト
BU:ビルドアップ層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層にブラスト処理を施すことによって、当該絶縁樹脂層の下部に形成されている配線パターンを露出させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、当該絶縁樹脂層から露出させたい配線パターンを覆うように当該絶縁樹脂層よりも低弾性率の樹脂からなるブラスト緩和層を形成する工程と、当該配線パターン形成層のブラスト緩和層形成面側にガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層を積層する工程と、当該絶縁樹脂層から露出させたい配線パターンに相当する部分に開口部を有するブラストレジストを形成する工程と、当該ブラストレジストを介してブラスト処理を行なうことによって、当該配線パターンを覆っているブラスト緩和層を露出させる工程と、露出したブラスト緩和層を除去する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
当該ブラスト緩和層を、当該配線パターンの周囲に位置する当該配線パターンの形成層たる絶縁層上にも形成することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
当該ブラスト緩和層として、熱硬化性樹脂にエラストマーを含有した3GPa以下の弾性率を有する樹脂を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
当該熱硬化性樹脂にエラストマーを含有した3GPa以下の弾性率を有する樹脂として、ガラス織布またはガラス不織布入り絶縁樹脂層の樹脂よりも最低溶融粘度が高いものを用いることを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
当該ブラスト緩和層を、感光性ポリイミド(ポリイミド前駆体)の露光・現像により形成し、現像後のポリイミドをエッチングレジストとしても利用することを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
当該ポリイミドとして、弾性率が8GPa以下のものを用いることを特徴とする請求項5に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
当該ブラスト緩和層を、ガラス織布またはガラス不織布入り絶縁樹脂層から露出させない配線パターン上にも被覆形成することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項8】
当該ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層として、少なくとも無機フィラーを20体積%以上含んでいる扁平ガラス織布入りの絶縁樹脂層、または少なくとも無機フィラーを20体積%以上含んでいるガラス不織布入りの絶縁樹脂層を用いることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項9】
絶縁樹脂層から露出させたい配線パターンの露出される側の面の色を、他の導体部分と異なる色に変色させることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項10】
ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層にブラスト処理を施すことによって、当該絶縁樹脂層の下部に形成されている金属箔を露出させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、当該絶縁樹脂層から露出させたい金属箔を覆うように当該絶縁樹脂層よりも低弾性率の樹脂からなるブラスト緩和層を形成する工程と、当該ブラスト緩和層の上にガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層を積層する工程と、当該絶縁樹脂層から露出させたい金属箔に相当する部分に開口部を有するブラストレジストを形成する工程と、当該ブラストレジストを介してブラスト処理を行なうことによって、当該金属箔を覆っているサンドブラスト緩和層を露出させる工程と、露出したブラスト緩和層を除去する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項11】
当該ブラスト緩和層として、熱硬化性樹脂にエラストマーを含有した3GPa以下の弾性率を有する樹脂を用いることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項12】
当該熱硬化性樹脂にエラストマーを含有した3GPa以下の弾性率を有する樹脂として、ガラス織布またはガラス不織布入り絶縁樹脂層の樹脂よりも最低溶融粘度が高いものを用いることを特徴とする請求項11に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項13】
当該ブラスト緩和層として、弾性率が8GPa以下のポリイミドを用いることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項14】
当該ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層として、少なくとも無機フィラーを20体積%以上含んでいる扁平ガラス織布入りの絶縁樹脂層、または少なくとも無機フィラーを20体積%以上含んでいるガラス不織布入りの絶縁樹脂層を用いること特徴とする請求項10〜13の何れか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項15】
絶縁樹脂層から露出させたい金属箔の露出される側の面の色を、他の導体部分と異なる色に変色させることを特徴とする請求項10〜14の何れか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項1】
ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層にブラスト処理を施すことによって、当該絶縁樹脂層の下部に形成されている配線パターンを露出させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、当該絶縁樹脂層から露出させたい配線パターンを覆うように当該絶縁樹脂層よりも低弾性率の樹脂からなるブラスト緩和層を形成する工程と、当該配線パターン形成層のブラスト緩和層形成面側にガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層を積層する工程と、当該絶縁樹脂層から露出させたい配線パターンに相当する部分に開口部を有するブラストレジストを形成する工程と、当該ブラストレジストを介してブラスト処理を行なうことによって、当該配線パターンを覆っているブラスト緩和層を露出させる工程と、露出したブラスト緩和層を除去する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
当該ブラスト緩和層を、当該配線パターンの周囲に位置する当該配線パターンの形成層たる絶縁層上にも形成することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
当該ブラスト緩和層として、熱硬化性樹脂にエラストマーを含有した3GPa以下の弾性率を有する樹脂を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
当該熱硬化性樹脂にエラストマーを含有した3GPa以下の弾性率を有する樹脂として、ガラス織布またはガラス不織布入り絶縁樹脂層の樹脂よりも最低溶融粘度が高いものを用いることを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
当該ブラスト緩和層を、感光性ポリイミド(ポリイミド前駆体)の露光・現像により形成し、現像後のポリイミドをエッチングレジストとしても利用することを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
当該ポリイミドとして、弾性率が8GPa以下のものを用いることを特徴とする請求項5に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
当該ブラスト緩和層を、ガラス織布またはガラス不織布入り絶縁樹脂層から露出させない配線パターン上にも被覆形成することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項8】
当該ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層として、少なくとも無機フィラーを20体積%以上含んでいる扁平ガラス織布入りの絶縁樹脂層、または少なくとも無機フィラーを20体積%以上含んでいるガラス不織布入りの絶縁樹脂層を用いることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項9】
絶縁樹脂層から露出させたい配線パターンの露出される側の面の色を、他の導体部分と異なる色に変色させることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項10】
ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層にブラスト処理を施すことによって、当該絶縁樹脂層の下部に形成されている金属箔を露出させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、当該絶縁樹脂層から露出させたい金属箔を覆うように当該絶縁樹脂層よりも低弾性率の樹脂からなるブラスト緩和層を形成する工程と、当該ブラスト緩和層の上にガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層を積層する工程と、当該絶縁樹脂層から露出させたい金属箔に相当する部分に開口部を有するブラストレジストを形成する工程と、当該ブラストレジストを介してブラスト処理を行なうことによって、当該金属箔を覆っているサンドブラスト緩和層を露出させる工程と、露出したブラスト緩和層を除去する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項11】
当該ブラスト緩和層として、熱硬化性樹脂にエラストマーを含有した3GPa以下の弾性率を有する樹脂を用いることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項12】
当該熱硬化性樹脂にエラストマーを含有した3GPa以下の弾性率を有する樹脂として、ガラス織布またはガラス不織布入り絶縁樹脂層の樹脂よりも最低溶融粘度が高いものを用いることを特徴とする請求項11に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項13】
当該ブラスト緩和層として、弾性率が8GPa以下のポリイミドを用いることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項14】
当該ガラス織布またはガラス不織布入りの絶縁樹脂層として、少なくとも無機フィラーを20体積%以上含んでいる扁平ガラス織布入りの絶縁樹脂層、または少なくとも無機フィラーを20体積%以上含んでいるガラス不織布入りの絶縁樹脂層を用いること特徴とする請求項10〜13の何れか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項15】
絶縁樹脂層から露出させたい金属箔の露出される側の面の色を、他の導体部分と異なる色に変色させることを特徴とする請求項10〜14の何れか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−44552(P2011−44552A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191187(P2009−191187)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000228833)日本シイエムケイ株式会社 (169)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000228833)日本シイエムケイ株式会社 (169)
【Fターム(参考)】
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