説明

プレキャストコンクリート階段の製造方法と型枠装置

【課題】多数の型板11を高精度に位置決めして、蹴上げ面14の高さが異なる何種類もの階段用の型枠装置を、要求どおり効率よく組み立てたり、組み替えたりする。
【解決手段】断面L字状の型板11は、設計上の奥行寸法に合致させた踏面12と設計上の高さ以上の寸法の蹴上げ面14とが折れ線15を介して連続し、折れ線15を軸にして両者の挟む角を可変とする。全ての型板11の両端近傍に設けられたサイドリブ16を、一対の位置決め板18に固定し、傾きと型板相互の間隔とを決める。この状態で、全ての型板11のバックリブ24を、隣接する型板11の蹴上げ面14に固定する。位置決め板18を平行に直立させ、側板30で型板11の両側面を覆い、コンクリートを流し込む、

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート階段の成型に使用される型枠装置と、この型枠装置を使用したプレキャスト階段の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の階段をプレキャストにより製造する場合に、階高に応じて、階段の段数や蹴上高を個別に設計する必要が生じる。しかしながら、設計が異なる毎に別々の型枠を用意するので、階段の製造コストが高くなるという問題がある。そこで、階段の段数や蹴上高を自由に選定することができる階段の型枠装置が開発されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許2550885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既知の従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
同一のビルディングで、踏面の寸法と段数が同一でも、階高が微妙に異なるものがある。この場合には、蹴上げ面の高さの差が数ミリメートルから数センチメートルといったものも少なく無い。既知の型枠装置では、全ての型板の蹴上げ面の高さを高精度にしかもスピーディに位置決めすることが容易でない。
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明は、多数の型板を高精度に位置決めして、蹴上げ面の高さが異なる何種類もの階段用の型枠装置を、要求どおり効率よく組み立てたり、組み替えたりすることができる、プレキャストコンクリート階段の製造方法と型枠装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
〈構成1〉
設計上の奥行寸法に合致させた踏面と設計上の高さ以上の寸法の蹴上げ面とが折れ線を介して連続しており、上記折れ線を軸にして両者の挟む角を可変とした断面L字状の型板と、上記全ての型板の少なくとも踏面両端近傍に設けられたサイドリブを固定して、全ての型板の傾きと型板相互の間隔とを位置決めする、少なくとも左右一対の位置決め板と、上記全ての型板が上記位置決め板により位置決めされた状態で、全ての型板の踏面背縁に設けられたバックリブを隣接する型板の蹴上げ面に固定する連結固定手段と、上記一対の位置決め板を長手方向に平行に直立させる底枠と、上記型板の両側面を覆い、型板とともにコンクリートを流し込む型枠を形成する側板とを備えたことを特徴とするプレキャストコンクリート階段の型枠装置。
【0006】
設計図面では、踏面の奥行寸法と蹴上げ面の高さとが指定されている。踏面の寸法と階段の段数は不変で、階高のみが異なる場合には、始めに全ての型板の傾きと型板相互の間隔とを位置決め板により位置決めする。このとき、型板の踏面背縁に設けられたバックリブを隣接する型板の蹴上げ面に押し付けるように固定して、設計どおりの蹴上げ面高さに設定できる。
【0007】
〈構成2〉
構成1に記載のプレキャストコンクリート階段の型枠装置において、上記連結固定手段は、型板の踏面背縁に設けられたバックリブを、隣接する型板の蹴上げ面に対して、階段の高さ方向へスライド可能にするルーズな固定手段から成ることを特徴とするプレキャストコンクリート階段の型枠装置。
【0008】
型板が位置決め板により位置決めされた状態で、型板のバックリブを適切な高さで型板の蹴上げ面に固定できる。
【0009】
〈構成3〉
構成1または2に記載のプレキャストコンクリート階段の型枠装置において、上記挟む角は上記踏面と蹴上げ面とを一体に構成する金属板の弾性限界以下の範囲で可変とされることを特徴とするプレキャストコンクリート階段の型枠装置。
【0010】
型板に無理な力を加えずに、蹴上げ面の高さを微調節できる。
【0011】
〈構成4〉
構成1乃至3のいずれかに記載のプレキャストコンクリート階段の型枠装置において、上記位置決め板は、上記型板のサイドリブを固定する型板固定部と、型板固定後に上記連結固定手段を操作するための手を挿入できる作業窓を有することを特徴とするプレキャストコンクリート階段の型枠装置。
【0012】
型板が位置決め板により位置決めされた後で、手作業で型板のバックリブを型板の蹴上げ面に固定できる。
【0013】
〈構成5〉
構成1乃至4のいずれかに記載のプレキャストコンクリート階段の型枠装置において、上記位置決め板は、長手方向に複数に分割されており相互に着脱自在な縦続固定手段で固定されていることを特徴とするプレキャストコンクリート階段の型枠装置。
【0014】
分割された位置決め手段を1個ずつ交換でき、型枠の切り替え作業が簡単にできる。
【0015】
〈構成6〉
設計上の奥行寸法に合致させた踏面と設計上の高さ以上の寸法の蹴上げ面とが折れ線を介して連続しており、上記折れ線を軸にして両者の挟む角を可変とした断面L字状の型板を、上記折れ線を平行にして必要段数だけ配列し、少なくとも一対の位置決め板を長手方向に平行に直立させ、上記全ての型板の踏面両端近傍に設けられたサイドリブを上記位置決め板に固定して、全ての型板の傾きと型板相互の間隔とを位置決めした後、上記全ての型板の踏面背縁に設けられたバックリブを、隣接する型板の蹴上げ面に連結固定手段を用いて固定し、上記型板の両側面を側板で覆い、上記型板と側板で形成された型枠にコンクリートを流し込んで硬化させることを特徴とするプレキャストコンクリート階段の製造方法。
【0016】
〈構成7〉
構成6に記載のプレキャストコンクリート階段の製造方法において、上記位置決め板は、長手方向に複数に分割されており相互に着脱自在な縦続固定手段で固定されており、型枠装置を、蹴上げ面の高さの異なる階段用に変更するときは、上記縦続固定手段を除去して分割された位置決め板を1枚ずつ新たな位置決め板に交換することを特徴とするプレキャストコンクリート階段の製造方法。
【0017】
〈構成8〉
構成6または7に記載のプレキャストコンクリート階段の製造方法において、上記踏面と蹴上げ面とを一体に構成する金属板の弾性限界以下の範囲で、両者の上記挟む角を変更して、要求された蹴上げ面高さに設定することを特徴とするプレキャストコンクリート階段の製造方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は実施例1のプレキャストコンクリート階段の型枠装置の分解斜視図である。
この型枠装置10は、階段の必要段数分の型板11とこれを支持する位置決め板18と、これらの両側に配置される側板30を備えている。型板11は、踏面12と蹴上げ面14とを備えている。型板11は断面L字状をしており、踏面12と蹴上げ面14とは、例えば、1枚の鉄板を折り曲げて形成される。即ち、踏面12と蹴上げ面14とは折れ線15を介して連続している。
【0020】
全ての型板11の少なくとも踏面12の両端近傍には、サイドリブ16が設けられている。サイドリブ16は位置決め板18の固定部20に固定される。位置決め板18は、全ての型板11の傾きと型板11相互の間隔とを位置決めするためのものである。位置決め板18は、少なくとも型板11の左右の、サイドリブ16に対応する場所に一対配置される。型板11の踏面12の背縁には、バックリブ24が設けられている。バックリブ24は、全ての型板11が位置決め板18により位置決めされた状態で、隣接する型板11の蹴上げ面14に固定される。
【0021】
図2(a)は2個の型板11の側面図、(b)は型板11を位置決め板18に固定した状態の部分斜視図である。
図2(a)に示すように、型板11の踏面12は、設計上の奥行寸法Wに合致させてある。また、蹴上げ面14の寸法Lは、設計上の高さH以上の寸法にされている。踏面12と蹴上げ面14とは、折れ線15を軸にして両者の挟む角αを変化させることができる。即ち、図示しない設計図面では、踏面12の奥行寸法Wと蹴上げ面14の高さHとが指定されている。
【0022】
例えば、高層マンションの階段では、平面図で見ると全く同一寸法の階段であっても、低階部分の階高と高階部分の階高とがわずかに異なることがある。このとき、階段の段数を変更することなく、全ての段の蹴上げ面14の高さHをわずかに変更して対応する。そのプレキャストコンクリート階段の型枠を、図の装置で兼用する。従って、型板11の踏面12の背縁に設けられたバックリブ24を隣接する型板11の蹴上げ面14に対して、階段の高さ方向へスライド可能にするルーズな固定手段を設けておく。
【0023】
これには、連結固定手段26を挿通する固定孔19を縦方向に長い長孔にしておけばよい。バックリブ24と蹴上げ面14との間の固定をする前に、全ての型板11の傾きと型板11相互の間隔とを位置決め板18により位置決めする。その後、バックリブ24を蹴上げ面14に押し付けるようにすれば、設計どおりの蹴上げ面14の高さHに設定できる。連結固定手段26はバックリブ24に切ったタップにねじ込むボルト等により構成する。
【0024】
固定部20は、階高毎に正確に設計加工したものを用意する。他の部品は階高に係わらず共通に使用できる。蹴上げ面14の高さHが異なると、踏面12と蹴上げ面14の挟む角αはわずかに変化する。従って、この挟む角αが、踏面12と蹴上げ面14とを一体に構成する金属板の弾性限界以下の範囲で可変とされるように、素材等を選定しておく。これにより、無理な外力で蹴上げ面14が歪む等の問題を防止できる。
【0025】
図2(b)に示すように、型板11のサイドリブ16の外側に、位置決め板18の固定部20を固定する。このとき、始めに、サイドリブ16のピン孔17と固定部20のピン孔21とを一致させる。これには、例えば、図示しないノックピンを使用する。ノックピンを使用すると、二枚の板の正確な位置決めができる。その後、サイドリブ16のボルト孔43と位置決め板18のボルト孔45を使用して、ボルト締めにより、位置決め板18の固定部20を一体化する。用済み後にノックピンを外す。また、位置決め板18には、上記のサイドリブ16を固定する型板固定部20の他に、作業窓22が設けられている。この作業窓22は、型板11を固定部20に固定後に、連結固定手段26を操作するための手を挿入するためのものである。これにより、バックリブ24と蹴上げ面14とを突き合わせて、連結固定手段26を強固に確実に固定できる。これは作業性の面できわめて重要な構造である。
【0026】
図3(a)は型板11の平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図のように、型板11の踏面12には、階段の滑り止めを形成するための凸条13が設けられている。また、踏面12の左右両側にサイドリブ16とガイド板28とが設けられている。ガイド板28は例えば、溶接等の手段で蹴上げ面14に固定される。型板11の中央裏面には補強のためのリブが任意の数だけ溶接される。しかし、いずれも、踏面12と蹴上げ面14との挟む角を変化させることができるように、踏面12か蹴上げ面14のいずれか一方にのみ固定されている。なお、型板11を固定支持するために、3箇所以上にガイド板28を設けても構わない。
【0027】
図4は、位置決め板18の実施例正面図である。
位置決め板18は、階段の長手方向に平行に配置される。その全長は階段の長さにより定まる。この実施例では、位置決め板18は、長手方向に複数に分割されており、相互に着脱自在な縦続固定手段、例えば、ボルトで連結固定されている。このように、位置決め板18を長手方向に分割しておくと、単に運搬上の問題だけでなく、型枠装置全体の組み替えのとき、非常に有効に機能する。この説明はあとで行う。位置決め板18には、図2で説明したように、型板11のサイドリブ16を固定するためのボルト孔45と、側板30(図1)を固定するためのボルト孔46(図2(b))が設けられている。即ち、側板30(図1)は、側板30に設けたボルト孔とサイドリブ16のボルト孔44と位置決め板18のボルト孔46を貫通するボルトにより支持固定される。
【0028】
図5と図6は、階段の最上部と最下部用の型枠装置部分側面図である。
図5のように、位置決め板18の最上端には、最上部型板34が固定される。最上部型板34は型板11の幅を延長したもので、背当て板35を固定している。また、図6のように、位置決め板18の最下端には、最下部型板36が固定される。最下部型板36は型板11の幅を延長したもので、底当て板37を固定している。位置決め板18はこのように、最上部型板34と最下部型板36とを固定するように、その両端の形状を定めている。
【実施例2】
【0029】
図7は、本発明のプレキャストコンクリート階段の型枠装置全体構成を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。
この図を用いて型枠装置の全体構成と型枠装置の組み立て方法とプレキャストコンクリート階段の製造方法を説明する。図(a)のように、この装置は、一対の位置決め板18を長手方向に平行に直立させる底枠32を備えている。底枠は、枕41とその上に階段長手方向に平行に一体化固定された横柱42を備える。いずれも、断面がコ字状の鋼材から構成される。位置決め板18は横柱42に下部を固定されて直立する。なお、この図は、型板11の両側面を覆う側板30(図1)の図示を省略したものである。図7(c)の破線に示すレベルまで、コンクリートを流し込むと、プレキャストコンクリート階段が製造できる。
【0030】
このような型枠装置を初めて組み立てるときは、まず、底枠32の上に一対の位置決め板を長手方向に平行に直立させる。このとき、位置決め板18の分割部分は高精度に連結させておく。次に、型板11を必要段数だけ用意し、1個ずつ、位置決め板18のサイドリブ16(図2)を型板固定部20(図2)に固定していく。その後、全ての型板のバックリブ24(図2)を、隣接する型板11の蹴上げ面14に固定する。最後に型板11の両側面を側板30(図1)で、図7(c)の破線のレベルまで覆う。これで、型枠は完成する。あとは、コンクリートを流し込めばよい。
【0031】
次に、型枠装置を蹴上げ面の高さの異なる階段用に変更する手順を説明する。始めに、側板30(図1)を外す。次に、隣接する型板11の間を固定している連結固定手段26(図2)を緩める。完全に外す必要はない。バックリブ24が蹴上げ面14に対して階段の高さ方向へスライド可能な程度にボルト等をゆるめれば足りる。その後、長手方向に複数に分割された位置決め板18のうちの一枚を取り外す。サイドリブ16を固定していたボルトを除去し、縦続固定手段29(図4)を取り外せばよい。いずれも図7(a)の矢印に示す方向に1枚ずつ取り外すことができる。1枚取り外したとしても、型板11はばらばらにならない。また、型枠全体の形状が大きくくずれることはない。
【0032】
従って、取り外した位置決め板18の代わりに、新たな位置決め板18を嵌め込むことができる。寸法に大きな違いが無いので、全体として無理な力は加わらない。同じ作業を、分割された全ての位置決め板18について行なう。その後、位置決め板18の縦続固定手段29(図4)を固定してから、各型板11のサイドリブ16を位置決め板18の型板固定部20に固定する。これで、全ての型板11を前回と異なる蹴上げ面の高さに切り替えることができる。その後の作業は既に説明したとおりである。このように、本発明の型枠装置は、位置決め板18だけを交換すれば、蹴上げ面の高さが異なる様々なプレキャストコンクリート階段用として使用できる。しかも、位置決め板18を用いるため、一挙に全ての型板11の位置決めを高精度に行うことができる。また、複雑な調整機構も不用で、全体のコストも軽減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施例1のプレキャストコンクリート階段の型枠装置の分解斜視図である。
【図2】(a)は2個の型板11の側面図、(b)は型板11を位置決め板18に固定した状態の部分斜視図である。
【図3】(a)は型板11の平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図4】位置決め板18の実施例正面図である。
【図5】階段の最上部用の型枠装置部分側面図である。
【図6】階段の最下部用の型枠装置部分側面図である。
【図7】本発明のプレキャストコンクリート階段の型枠装置全体構成を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。
【符号の説明】
【0034】
10 型枠装置
11 型板
12 踏面
13 凸条
14 蹴上げ面
15 折れ線
16 サイドリブ
17 ピン孔
18 位置決め板
19 固定孔
20 型板固定部
21 ピン孔
22 作業窓
23 ピン孔
24 バックリブ
26 連結固定手段
28 ガイド板
29 分割部
30 側板
32 底枠
34 最上部型板
35 背当て板
36 最下部型板
37 底当て板
41 枕
42 横柱
43〜47 ボルト孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計上の奥行寸法に合致させた踏面と設計上の高さ以上の寸法の蹴上げ面とが折れ線を介して連続しており、前記折れ線を軸にして両者の挟む角を可変とした断面L字状の型板と、
前記全ての型板の少なくとも踏面両端近傍に設けられたサイドリブを固定して、全ての型板の傾きと型板相互の間隔とを位置決めする、少なくとも左右一対の位置決め板と、
前記全ての型板が前記位置決め板により位置決めされた状態で、全ての型板の踏面背縁に設けられたバックリブを隣接する型板の蹴上げ面に固定する連結固定手段と、
前記一対の位置決め板を長手方向に平行に直立させる底枠と、
前記型板の両側面を覆い、型板とともにコンクリートを流し込む型枠を形成する側板とを備えたことを特徴とするプレキャストコンクリート階段の型枠装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプレキャストコンクリート階段の型枠装置において、
前記連結固定手段は、型板の踏面背縁に設けられたバックリブを、隣接する型板の蹴上げ面に対して、階段の高さ方向へスライド可能にするルーズな固定手段から成ることを特徴とするプレキャストコンクリート階段の型枠装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプレキャストコンクリート階段の型枠装置において、
前記挟む角は前記踏面と蹴上げ面とを一体に構成する金属板の弾性限界以下の範囲で可変とされることを特徴とするプレキャストコンクリート階段の型枠装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のプレキャストコンクリート階段の型枠装置において、
前記位置決め板は、前記型板のサイドリブを固定する型板固定部と、型板固定後に前記連結固定手段を操作するための手を挿入できる作業窓を有することを特徴とするプレキャストコンクリート階段の型枠装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のプレキャストコンクリート階段の型枠装置において、
前記位置決め板は、長手方向に複数に分割されており相互に着脱自在な縦続固定手段で固定されていることを特徴とするプレキャストコンクリート階段の型枠装置。
【請求項6】
設計上の奥行寸法に合致させた踏面と設計上の高さ以上の寸法の蹴上げ面とが折れ線を介して連続しており、前記折れ線を軸にして両者の挟む角を可変とした断面L字状の型板を、前記折れ線を平行にして必要段数だけ配列し、
少なくとも一対の位置決め板を長手方向に平行に直立させ、
前記全ての型板の踏面両端近傍に設けられたサイドリブを前記位置決め板に固定して、全ての型板の傾きと型板相互の間隔とを位置決めした後、
前記全ての型板の踏面背縁に設けられたバックリブを、隣接する型板の蹴上げ面に連結固定手段を用いて固定し、
前記型板の両側面を側板で覆い、
前記型板と側板で形成された型枠にコンクリートを流し込んで硬化させることを特徴とするプレキャストコンクリート階段の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載のプレキャストコンクリート階段の製造方法において、
前記位置決め板は、長手方向に複数に分割されており相互に着脱自在な縦続固定手段で固定されており、
型枠装置を、蹴上げ面の高さの異なる階段用に変更するときは、
前記縦続固定手段を除去して分割された位置決め板を1枚ずつ新たな位置決め板に交換することを特徴とするプレキャストコンクリート階段の製造方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載のプレキャストコンクリート階段の製造方法において、
前記踏面と蹴上げ面とを一体に構成する金属板の弾性限界以下の範囲で、両者の前記挟む角を変更して、要求された蹴上げ面高さに設定することを特徴とするプレキャストコンクリート階段の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−281106(P2009−281106A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136637(P2008−136637)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(591160589)プレハブ機工株式会社 (1)
【Fターム(参考)】