説明

プレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法

【課題】プレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法において、特に、リークテスターを用いた検査工程により損傷により生じた貫通欠陥部が発見された場合に、損傷箇所を特定するための探傷検査工程を行うことにより、メンテナンスコストを低減しうるプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供すること。
【解決手段】リークテスターを使用してプレート式熱交換器の熱交換板に損傷により生じた貫通欠陥部の有無を検査するリークテスター検査工程と、上記リークテスター検査工程により貫通欠陥部が発見された場合に、貫通欠陥部を特定する探傷検査工程とを有することを特徴とするプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法に係り、特に、ヘリウムリークテスターを用いた検査工程により損傷により生じた貫通欠陥部が発見された場合に、探傷検査を行うプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法に関する。
【0002】
従来より、プレート式熱交換器のメンテナンス作業において、プレート式熱交換器の熱交換板に生じた亀裂の有無を発見する検査は、まず、熱交換板を検査前に洗浄した後、熱交換板の一方の面に赤色の浸透液、及び他方の面には白色の現像液を塗布し、その後、他方の面側に塗布された現像液により亀裂部分から吸上げられた一方の面に塗布された赤色の浸透液を浮き上がらせ、他方の面側から亀裂の有無を目視により特定する、いわゆる「染色浸透探傷検査」により行われていた。
そして、上記検査方法においては、熱交換板に亀裂が生じているか否かに関わらず、全ての熱交換板について、熱交換板への浸透液の塗布、現像液の塗布、液塗布後の検査、及び洗浄を行うことにより、上記「染色浸透探傷検査」を実施していた。
しかしながら、熱交換板に亀裂が生じていない場合には、亀裂箇所を特定する検査は行う必要がなく、上記「染色浸透探傷検査」工程を省略することができる。
従って、熱交換板の亀裂の有無を検査し、亀裂が生じていない場合には亀裂箇所を特定する検査は行われず、亀裂が生じている場合にのみ亀裂箇所を特定する工程を有するプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法があれば、コストを低減できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明の課題は、プレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法において、特に、リークテスターを用いた検査工程により損傷により生じた貫通欠陥部が発見された場合に、損傷箇所を特定する探傷検査工程を行うことにより、メンテナンスコストを低減しうるプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような課題を解決するために、請求項1記載の発明は、リークテスターを使用してプレート式熱交換器の熱交換板に損傷により生じた貫通欠陥部の有無を検査するリークテスター検査工程と、上記リークテスター検査工程により貫通欠陥部が発見された場合に、貫通欠陥部を特定する探傷検査工程とを有することを特徴とする。
従って、リークテスターを使用して熱交換板に損傷により生じた貫通欠陥部の有無を検査するリークテスター検査工程と、上記リークテスター検査工程により貫通欠陥部が発見された場合に、貫通欠陥部を特定する探傷検査工程とを有することから、リークテスターで上記貫通欠陥部の有無を確実に検査でき、かつ、上記貫通欠陥部が無い場合には、上記貫通欠陥部を特定する上記探傷検査工程が不要となる。
【0005】
請求項2記載の発明は、上記リークテスターはヘリウムリークテスターであることを特徴とする。
従って、上記リークテスターはヘリウムリークテスターであることから、上記貫通欠陥部が微小な場合であっても、ヘリウムガスの漏れにより上記貫通欠陥部の有無をより確実に発見することができる。
【0006】
請求項3記載の発明は、上記探傷検査工程は、熱交換板の一方の面に蛍光液を塗布する塗布工程と、上記熱交換板の他方の面にブラックライトを照射する照射工程とを有することを特徴とする。
従って、従来の両面に液剤を塗布して検査を行う、いわゆる「染色浸透探傷検査」の場合と異なり、片面への塗布により検査することができる。
また、暗室内において、ブラックライトを照射することにより塗布された蛍光液の発光を検知することができることから、容易に上記貫通欠陥部を特定することができる。
【0007】
請求項4記載の発明は、上記探傷検査工程の後に上記塗布された蛍光液を自動制御により洗浄しうる自動洗浄工程を有することを特徴とする。
従って、上記探傷検査工程の後に上記塗布された蛍光液を自動制御により洗浄しうる自動洗浄工程を有することから、従来のような人手の作業により洗浄する場合に比して、斑無く洗浄することができると共に所定の洗浄環境を維持管理することができる。
【0008】
請求項5記載の発明は、上記自動洗浄工程により生じた廃液を自動制御により処理しうる自動廃液処理工程を有し、上記自動洗浄工程と上記自動廃液処理工程とが一連の工程として自動制御により行われ、上記自動廃液処理工程は、廃液に油水分離処理を施すことにより洗浄水を分離して、上記洗浄水を上記自動洗浄工程に再使用させうることを特徴とする。
従って、上記自動洗浄工程と上記自動廃液処理工程とが一連の工程として自動制御により行われ、上記自動廃液処理工程は、廃液に油水分離処理を施すことにより洗浄水を分離して、上記洗浄水を上記自動洗浄工程に再使用させうることから、上記自動洗浄工程及び上記自動廃液処理工程を一連の工程を一括して管理することができる。
また、上記洗浄水を再使用できることから、廃液を生じさせることがない。
【0009】
請求項6記載の発明は、上記自動洗浄工程は高圧水洗浄により行われ、上記熱交換板を投入する投入工程と、上記投入工程の後に行われる粗く洗浄する粗洗い工程と、上記粗洗い工程の後に行われる仕上げ洗い工程と、上記仕上げ洗い工程の後に行われる上記水道水洗い工程と、上記水道水洗い工程の後に行われる水切り工程と、上記水切り工程の後に行われる排出工程とを有することを特徴とする。
従って、上記自動洗浄工程は高圧水洗浄により行われ、上記熱交換板を投入する投入工程と、上記投入工程の後に行われる粗く洗浄する粗洗い工程と、上記粗洗い工程の後に行われる仕上げ洗い工程と、上記仕上げ洗い工程の後に行われる上記水道水洗い工程と、上記水道水洗い工程の後に行われる水切り工程と、上記水切り工程の後に行われる排出工程とを有することから、上記熱交換板を蛍光液が残存しない状態に洗浄できる。
【0010】
請求項7記載の発明は、上記自動洗浄廃液処理工程は、上記粗洗い工程に供給する洗浄水を貯水しうる粗水タンクと、上記仕上げ洗い工程に供給する洗浄水を貯水しうる仕上げ水タンクと、上記水道水洗い工程に供給する洗浄水を貯水しうる水道水タンクと、上記水道水洗い工程により生じた廃液を貯水しうる水道水廃液タンクとを有し、上記仕上げ水タンク及び上記水道水タンクには水道水が供給され、上記粗水タンクには、上記粗洗い工程により生じた廃液と、上記仕上げ洗い工程により生じた廃液と、上記水道水洗い工程により生じた水道水廃液タンクに貯水された廃液と、上記仕上げ水タンクに貯水された洗浄水とが貯水され、上記粗水タンクに貯水された洗浄液の油分を分離しうる油水分離装置と、上記粗水タンクに貯水された洗浄液に含まれた油分及び上記油水分離装置により分離された油分とを廃液として回収する油分回収装置と、上記油水分離装置により分離された水分と上記仕上げ水タンクに貯水された洗浄水とを貯水しうる分離水タンクとを有し、上記分離水タンクに貯水された水分を上記粗水タンクへ供給すると共に、上記分離水タンクに貯水された水分をろ過装置によりろ過して上記仕上げ水タンクへ供給しうる自動洗浄廃液処理工程を有することを特徴とする。
従って、上記油水分離装置により分離された水分を上記粗水タンク及び上記仕上げ水タンクへ洗浄水として供給することができる。
また、上記粗水タンクに貯水された洗浄液に含まれた油分及び上記油水分離装置により分離された油分とを上記油分回収装置にて廃液として回収することができる。
【0011】
請求項8記載の発明は、リークテスターを使用してプレート式熱交換器の熱交換板に損傷により生じた貫通欠陥部の有無を検査するリークテスター検査工程を行い、上記リークテスター検査工程によって貫通欠陥部が発見された場合には、熱交換板の一方の面に蛍光液を塗布する工程を行い、上記熱交換板の他方の面にブラックライトを照射して貫通欠陥部を探傷する探傷検査工程を行い、上記探傷検査工程の後に上記探傷検査工程により塗布された蛍光液を自動洗浄しうる自動洗浄工程を行い、上記自動洗浄工程の後に行われる上記自動洗浄工程により生じた廃液を自動制御により処理しうる自動廃液処理工程を行い、上記リークテスター検査工程によって貫通欠陥部が発見されない場合には、上記リークテスター検査工程の後に、上記探傷検査工程、上記自動洗浄工程及び上記自動廃液処理工程を行わないことを特徴とする。
従って、リークテスターで上記貫通欠陥部の有無を確実に検査でき、かつ、上記リークテスター検査工程によって貫通欠陥部が発見されない場合には、上記リークテスター検査工程の後に、上記貫通欠陥部を特定する上記探傷検査工程が不要となることから、上記熱交換板の一方の面に蛍光液を塗布する工程、上記熱交換板の他方の面にブラックライトを照射して貫通欠陥部を探傷する探傷検査工程、上記自動洗浄工程及び上記自動廃液処理工程が省略される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明にあっては、リークテスターを使用してプレート式熱交換器の熱交換板に損傷により生じた貫通欠陥部の有無を検査するリークテスター検査工程と、上記リークテスター検査工程により貫通欠陥部が発見された場合に、貫通欠陥部を特定する探傷検査工程とを有しており、リークテスターで上記貫通欠陥部の有無を確実に検査でき、かつ、上記貫通欠陥部が無い場合には、上記貫通欠陥部を特定する上記探傷検査工程が不要となることから、メンテナンス作業の迅速化及び効率化を図ることができ、その結果、上記探傷検査工程により生ずるメンテナンスコストを低減させることができるプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することができる。
【0013】
請求項2記載の発明にあっては、上記リークテスターはヘリウムリークテスターであることから、上記貫通欠陥部が微小な場合であっても、ヘリウムガスの漏れにより上記貫通欠陥部の有無をより確実に発見することができる信頼性の高いプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することができる。
【0014】
請求項3記載の発明にあっては、従来の両面に液剤を塗布して検査を行う、いわゆる「染色浸透探傷検査」の場合と異なり、片面への塗布により検査することができることから、塗布作業を削減できるため、塗布作業コスト及び液剤の使用コストを軽減することができると共に、液剤の使用量の削減により資源を削減することができるプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することができる。
また、暗室内において、ブラックライトを照射することにより塗布された蛍光液の発光を検知することができることから、従来のような両面に液剤を塗布して現像液の浸透液の吸い上げによる色彩を視認することにより行う、いわゆる「染色浸透探傷検査」の場合と異なり視認感度が優れており、容易に上記貫通欠陥部を特定することができるプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することができる。
また、いわゆる「染色浸透探傷検査」の現像液の塗布は一般的に人手によるスプレー噴射で行われる場合が多く、現像液の塗布が適正でない場合には、上記貫通欠陥部を特定できない可能性があるため、請求項3記載の発明にあっては、いわゆる「染色浸透探傷検査」に比して、容易に上記貫通欠陥部を特定することができるプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することができる。
【0015】
請求項4記載の発明にあっては、上記探傷検査工程の後に上記塗布された蛍光液を自動制御により洗浄しうる自動洗浄工程を有することから、従来のような人手の作業により洗浄する場合に比して、斑無く洗浄することができると共に所定の洗浄環境を維持管理することができるプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することができる。
【0016】
請求項5記載の発明にあっては、上記自動洗浄工程と上記自動廃液処理工程とが一連の工程として自動制御により行われ、上記自動廃液処理工程は、廃液に油水分離処理を施すことにより洗浄水を分離して、上記洗浄水を上記自動洗浄工程に再使用させうることから、上記自動洗浄工程及び上記自動廃液処理工程を一連の工程を一括して管理することができるプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することができる
また、洗浄水を再使用しうる廃液を生じさせることのない環境に優しいプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することができる。
【0017】
請求項6記載の発明にあっては、上記自動洗浄工程は高圧水洗浄により行われ、上記熱交換板を投入する投入工程と、上記投入工程の後に行われる粗く洗浄する粗洗い工程と、上記粗洗い工程の後に行われる仕上げ洗い工程と、上記仕上げ洗い工程の後に行われる上記水道水洗い工程と、上記水道水洗い工程の後に行われる水切り工程と、上記水切り工程の後に行われる排出工程とを有していることから、上記熱交換板を蛍光液が残存しない状態に確実に洗浄できるプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することができる。
【0018】
請求項7記載の発明にあっては、上記油水分離装置により分離された水分を上記粗水タンク及び上記仕上げ水タンクへ洗浄水として供給することができ、上記粗水タンクに貯水された洗浄液に含まれた油分及び上記油水分離装置により分離された油分とを上記油分回収装置にて廃液として回収することができることから、洗浄水を再使用しうる廃液を生じさせることのない環境に優しいプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することができる。
【0019】
請求項8記載の発明にあっては、リークテスターで上記貫通欠陥部の有無を確実に検査でき、かつ、上記リークテスター検査工程によって貫通欠陥部が発見されない場合には、上記リークテスター検査工程の後に、上記貫通欠陥部を特定する上記探傷検査工程を不要とすることから、上記熱交換板の一方の面に蛍光液を塗布する工程、上記熱交換板の他方の面にブラックライトを照射して貫通欠陥部を探傷する探傷検査工程、上記自動洗浄工程及び上記自動廃液処理工程を不要とすることができることから、上記探傷検査工程により生ずる上記蛍光液を塗布する工程、蛍光液を塗布する工程、上記自動洗浄工程及び上記自動廃液処理工程に関するメンテナンスコストを低減させることができると共に環境に優しいプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法10は、図3に示すようなリークテスター11を使用して図2に示すような熱交換板12に損傷により生じた、例えば、図3(b)に示すような貫通欠陥部13の有無を検査するリークテスター検査工程14と、上記リークテスター検査工程14により貫通欠陥部13が発見された場合に、貫通欠陥部13を特定する探傷検査工程15とを有している。
また、図3に示すような上記リークテスター11はヘリウムリークテスターにより構成されている。
また、図1に示すように、上記探傷検査工程15は、図2(b)に示すような熱交換板12の一方の面に蛍光液を塗布する塗布工程16と、図4に示すような上記熱交換板12の他方の面にブラックライトを照射する照射工程17とを有している。
また、上記探傷検査工程15の後に上記塗布された蛍光液を自動制御により洗浄しうる自動洗浄工程18を有している。
また、上記自動洗浄工程18により生じた廃液を自動制御により処理しうる自動廃液処理工程19を有し、上記自動洗浄工程18と上記自動廃液処理工程19とが一連の工程として自動制御により行われ、上記自動廃液処理工程19は、廃液に油水分離処理を施すことにより洗浄水を分離して、上記洗浄水を上記自動洗浄工程18に再使用させうるように構成されている。
【0021】
また、上記自動洗浄工程18は高圧水洗浄により行われ、図5に示すように、上記熱交換板を投入する投入工程34と、上記投入工程34の後に行われる粗く洗浄する粗洗い工程35と、上記粗洗い工程35の後に行われる仕上げ洗い工程36と、上記仕上げ洗い工程36の後に行われる水道水洗い工程37と、上記水道水洗い工程37の後に行われる水切り工程38と、上記水切り工程38の後に行われる排出工程39とを有している。
また、上記自動洗浄廃液処理工程19は、図6に示すように、上記粗洗い工程35に供給する洗浄水を貯水しうる粗水タンク44と、上記仕上げ洗い工程36に供給する洗浄水を貯水しうる仕上げ水タンク46と、上記水道水洗い工程37に供給する洗浄水を貯水しうる水道水タンク48と、上記水道水洗い工程37により生じた廃液を貯水しうる水道水廃液タンク55とを有し、上記仕上げ水タンク46及び上記水道水タンク48には水道水が供給され、上記粗水タンク44には、上記粗洗い工程55により生じた廃液と、上記仕上げ洗い工程36により生じた廃液と、上記水道水洗い工程37により生じた水道水廃液タンク55に貯水された廃液と、上記仕上げ水タンク46に貯水された洗浄水とが貯水され、上記粗水タンク44に貯水された洗浄液の油分を分離しうる油水分離装置49と、上記粗水タンク44に貯水された洗浄液に含まれる油分及び上記油水分離装置49により分離された油分とを廃液として回収する油分回収装置51と、上記油水分離装置49により分離された水分と上記仕上げ水タンク46に貯水された洗浄水とを貯水しうる分離水タンク52とを有し、上記分離水タンク52に貯水された水分を上記粗水タンク44へ供給すると共に、上記分離水タンク52に貯水された水分をろ過装置53によりろ過して上記仕上げ水タンク46へ供給しうる自動洗浄廃液処理工程19を有している。
【0022】
また、図1に示すように、図3に示すようなリークテスター11を使用して熱交換板12に損傷により生じた貫通欠陥部13の有無を検査するリークテスター検査工程14を行い、上記リークテスター検査工程14によって貫通欠陥部13が発見された場合には、熱交換板12の一方の面に蛍光液を塗布する工程16を行い、図4に示すような上記熱交換板12の他方の面にブラックライトを照射して貫通欠陥部13を探傷する探傷検査工程15を行い、上記探傷検査工程15の後に上記探傷検査工程15により塗布された蛍光液を自動洗浄しうる自動洗浄工程18を行い、上記自動洗浄工程18の後に行われる上記自動洗浄工程18により生じた廃液を自動制御により処理しうる自動廃液処理工程19を行い、上記リークテスター検査工程14によって貫通欠陥部13が発見されない場合には、上記リークテスター検査工程14の後に、上記探傷検査工程15、上記自動洗浄工程18及び上記自動廃液処理工程19を行わないように構成されている。
【実施例】
【0023】
以下に、本発明に係るプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法10の実施例について、図面を用いて詳細を説明する。
サニタリープラントにおいて使用後の図2(a)に示すような熱交換板12の損傷状況を検査するメンテナンス方法は、図1に示すように、まず、熱交換板12の受け入れ工程20を行った後に、パッキン剥がし工程22により図2(a)に示すようなパッキン21が取り付けられた熱交換板12のパッキン21を図2(b)に示すように剥がす。
その後、酸性槽に浸漬する酸洗浄と、アルカリ槽に浸漬するアルカリ洗浄とからなる図1に示す浸漬洗浄工程23により上記熱交換板12を洗浄する。
そして、図1に示すように、人手による高圧水洗浄工程24により上記浸漬洗浄工程23で付着した薬品を除去し、乾燥室で低温除湿乾燥を行うことにより乾燥させる乾燥工程25を行う。
そして、上記浸漬洗浄工程23、上記高圧水洗浄工程24、及び乾燥工程25の後、本実施例に係るプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法10における、損傷により上記熱交換板12に生じた、例えば、図3(b)に示すような貫通欠陥部13の有無を検査するヘリウムリークテスター検査工程14を行う。
【0024】
ここで、上記ヘリウムリークテスター検査工程14に関して詳細に説明する。
上記ヘリウムリークテスター検査工程14は、図3(a)及び(b)に示すようなヘリウムリークテスター11を使用することにより、損傷により図2に示すような熱交換板12に生じた、例えば、図3(b)に示すような貫通欠陥部13の有無を検査する。
上記ヘリウムリークテスター11は、図3に示すように、内部を真空状態にしうる真空チャンバー部26と上記真空チャンバー部26に通路部27により接続された所定の厚さ寸法を有する直方体箱状のプレート取り付けチャンバー部28とを有している。
また、上記通路部27は上記プレート取り付けチャンバー部28の厚さ方向の一方の端部に連設され、上記プレート取り付けチャンバー部28の厚さ方向の他方の端部にはヘリウムガス供給部29が開設されている。
また、上記プレート取り付けチャンバー部28は、厚さ方向の一方の端部から少し内側の位置において、上記プレート取り付けチャンバー部28の縦断面における周縁部全域に亘って上記熱交換板12を挟持しうる固定部材30a,30bが設けられ、上記固定部材30a,30bに上記熱交換板12の外周縁部を固定することにより上記熱交換板12を上記プレート取り付けチャンバー部28の縦断面に沿うように固定した場合に、上記熱交換板12は上記プレート取り付けチャンバー部28を、真空チャンバー部側空間部31とヘリウムガス供給部29側空間部32とを有する厚さ方向に2つの領域に気密状態で分断するように構成されている。
従って、上記熱交換板12を上記固定部材30a,30bに保持固定させた場合、上記熱交換板12は上記プレート取り付けチャンバー部28を厚さ方向に気密状態で分断することにより、上記通路部27を介して接続された上記真空チャンバー部26とヘリウムガス供給部29側空間部32は気密状態で分断された状態となる。
また、上記真空チャンバー部26には、上記真空チャンバー部26内の圧力変化を検知できるリークディテクタ部33が接続されている。
【0025】
図3に示すように、上記ヘリウムリークテスター検査工程14は、まず、上記固定部材30a,30bに上記熱交換板12を固定することにより上記真空チャンバー部26とヘリウムガス供給部29側空間部32を気密状態で分断した後に上記真空チャンバー26内を真空ポンプにより真空状態にする。
そして、上記ヘリウムガス供給部29からヘリウムガスを供給することにより上記ヘリウムガス供給部29側空間部32を加圧する。
この場合、例えば、図3(a)に示すように、上記熱交換板12に貫通欠陥部がない場合には、上記真空チャンバー部26内へのヘリウムガスの漏出がないことから、上記リークディテクタ部33で検知される上記真空チャンバー部26の圧力変化はない。
また、図3(b)に示すように、上記熱交換板12に貫通欠陥部13がある場合には、上記真空チャンバー部26内へのヘリウムガスの漏出により、上記真空チャンバー部26の圧力変化が生じ、上記リークディテクタ部33で圧力変化を検知することができる。
従って、上記ヘリウムリークテスター検査工程14においては、上記熱交換板12の記貫通欠陥部13が微小な場合であっても、ヘリウムガスの漏出により上記貫通欠陥部13の有無をより確実に発見することができる信頼性の高いプレート式熱交換器の熱交換板12のメンテナンス方法10を提供することができる。
【0026】
また、上記ヘリウムリークテスター検査工程14により、例えば、図3(b)に示すような貫通欠陥部13が発見された場合には、図2(b)に示すような熱交換板12の一方の面に蛍光液を塗布する蛍光液塗布工程16を行った後に、図4(a)に示すように、上記熱交換板12を暗室に配置した後にブラックライトを使用して365nmの波長からなる紫外線を上記熱交換板12の他方の面に照射させる照射工程17を行う。
この場合、熱交換板12に上記貫通欠陥部13がある場合には、一方の面に蛍光液が塗布されていることから、他方の面からのブラックライトの照射により上記蛍光液が発光して、図4(b)に示すように、上記貫通欠陥部13の位置を容易に特定することができる。
また、従来の両面に液剤を塗布して検査を行う、いわゆる「染色浸透探傷検査」の場合と異なり、片面への塗布により検査することができることから、塗布作業コスト及び液剤の使用コストを軽減することができると共に、液剤の使用量の削減により資源を削減することができる。
また、暗室内において、ブラックライトを照射することにより塗布された蛍光液の発光を検知することができることから、従来のような両面に液剤を塗布して現像液の浸透液の吸い上げによる色彩を視認することにより行う、いわゆる「染色浸透探傷検査」の場合と異なり視認感度が優れており、容易に上記貫通欠陥部13を特定することができる。
また、従来のいわゆる「染色浸透探傷検査」における現像液の塗布は一般的に人手によるスプレー噴射で行われる場合が多く、現像液の塗布が適正でない場合には、上記貫通欠陥部13を特定できない可能性があるため、いわゆる「染色浸透探傷検査」に比して、容易に上記貫通欠陥部13を特定することができる。
【0027】
その後、上記蛍光液塗布工程16において上記熱交換板12に塗布されたの蛍光液を、図1に示すような自動洗浄工程18による洗浄により除去する。
この場合、上記自動洗浄工程18により上記蛍光液が含まれた廃液が発生するが、次工程における自動廃液処理工程19を行い上記廃液を処理することにより最終的に廃液が工場外に排出されないような処理を行う。
【0028】
一方、上記ヘリウムリークテスター検査工程14によって、例えば、貫通欠陥部13が発見されなかった場合には、上記貫通欠陥部13を特定する必要がないことから、図1に示すように、上記ヘリウムリークテスター検査工程14の後に、上記探傷検査工程15、上記自動洗浄工程18及び上記自動廃液処理工程19は行わない。
従って、上記熱交換板12の一方の面に蛍光液を塗布する蛍光液塗布工程16と、上記熱交換板12の他方の面にブラックライトを照射する照射工程17とからなる貫通欠陥部13を探傷する探傷検査工程15、上記自動洗浄工程18及び上記自動廃液処理工程19を不要となることから、作業コストの軽減、蛍光液や水等の資源の削減等により、上記不要とする工程15,16,17,18,19に関するメンテナンスコストを低減させることができると共に環境に優しいプレート式熱交換器の熱交換板12のメンテナンス方法を提供することができる。
【0029】
また、図1に示すような上記探傷検査工程15の後に上記蛍光液塗布工程16により塗布された蛍光液を連続・自動にて洗浄及び水切りを行う上記自動洗浄工程18について詳細に説明する。
上記自動洗浄工程18は、図5に示すように、上記探傷検査工程15の後に上記熱交換板12を上記自動洗浄工程18の投入工程34により投入した場合に、まず、高圧の洗浄水を噴出させて粗く洗浄する粗洗い工程35を行い、上記粗洗い工程35の後に高圧の洗浄水を噴出させて洗浄する仕上げ洗い工程36を行い、上記仕上げ洗い工程36の後に高圧の洗浄水を噴出させて洗浄する水道水洗い工程37を行い、上記水道水洗い工程37の後に水切り工程38を行い、上記水切り工程38の後に上記熱交換板12が排出工程39により排出されるように制御され、上記熱交換板12を連続かつ自動に洗浄するように構成されている。
また、後述する自動廃液処理工程18で処理された洗浄水を循環させる水循環処理装置40により洗浄水の供給や廃液処理が行われている。
このように、洗浄工程を、上記粗洗い工程35,上記仕上げ洗い工程36,上記水道水洗い工程37の3つの段階に分けると共に連続して自動で洗浄を行うように構成することにより、上記熱交換板12に付着した蛍光液を、段階的に除去し、最終的には、蛍光液の付着がない状態まで自動で洗浄することができる。
また、自動洗浄工程18により自動に洗浄されることから、従来のような人手の作業により洗浄する場合に比して、斑無く洗浄することができると共に人手を介することのない良好な洗浄作業環境を形成することができる。
【0030】
ここで、図1に示すような、上記自動廃液処理工程19により廃液処理された洗浄水を上記自動洗浄工程18に再使用させることができる仕組みについて、洗浄水の流れにより説明する。
上記自動洗浄工程18と上記自動廃液処理工程19は、図6に示すように、一連の工程として、一つの洗浄装置41内で行われ、上記自動洗浄工程18における、図5に示すような、上記粗洗い工程35、上記仕上げ洗い工程36、上記水道水洗い工程37の各工程の際に洗浄を行うことができるように、上記熱交換板12が自動で上記洗浄装置18内を移動するように構成されている。
ここで、洗浄後の廃液は、各タンクに貯水された場合に、油分は上方へ浮上し、水分は下方へ沈殿する傾向がある。
【0031】
上記洗浄装置41は、図6に示すように、水道水を供給しうる給水部42と、図5に示すような粗洗い工程35を形成する粗水洗いシャワー43と、上記粗水洗いシャワー43へ供給する洗浄水を貯水しうる粗水タンク44と、図5に示すような仕上げ洗い工程36を形成する仕上げ水洗いシャワー45と、上記仕上げ水洗いシャワー45へ供給する洗浄水を貯水しうる仕上げ水タンク46と、図5に示すような水道水洗い工程37を形成する水道水シャワー47と、上記水道水シャワー47へ供給する洗浄水を貯水しうる水道水タンク48と、上記粗水タンク44の洗浄水の油分を分離しうる油水分離装置49と、上記油水分離装置49により分離された油分と上記粗水タンク44に貯水された洗浄水に含まれる油分とを回収しうる油分回収装置51と、上記油水分離装置49により分離された水分を貯水しうる分離水タンク52と、上記仕上げ水タンク46へ供給する洗浄水を上記分離水タンク52の水分をろ過して生成しうるろ過装置53を有している。
また、上記粗水タンク44に貯水された洗浄水を殺菌しうる滅菌ヒータ装置54を備えている。
また、水道水シャワー47にて洗浄された廃液を貯水しうる水道水廃液タンク55を有し、上記水道水廃液タンク55に貯水された廃液は、上記水道水廃液タンク55に貯水された廃液をろ過しうるろ過装置56を通過させて下水道へ流出し、上記水道水廃液タンク55に貯水された廃液を粗水タンク44へ供給しうるように構成されている。
また、上記粗水洗いシャワー43と上記仕上げ水洗いシャワー45の洗浄による廃液は、上記粗水タンク44に貯水されるように構成されている。
また、上記仕上げ水タンク46の洗浄水は上記分離水タンク52へ供給され、上記分離水タンク52の水分は粗水タンク44へ供給されるように構成されている。
【0032】
ここで、具体的に洗浄水の流れについて説明する。
図6に示すように、まず、給水口42から供給された水道水が、水道水タンク48、仕上げ水タンク46に夫々供給される。
まず、図5に示すような粗洗い工程35の場合には、図6に示すように、上記粗水タンク44に貯水された洗浄水をポンプにより汲み上げて粗水洗いシャワー43によって高圧の洗浄水を噴出させることにより上記熱交換板12に付着している蛍光液を除去するように洗浄する。
この場合、上記粗水洗いシャワー43の洗浄により生じた蛍光液を含む廃液は上記粗水タンク44へ貯水される。
そして、次の工程である図5に示すような仕上げ洗い工程36へ移行して、図6に示すように、仕上げ水タンク46に貯水された洗浄水をポンプにより汲み上げて仕上げ水洗いシャワー45によって高圧の洗浄水を噴出させることにより上記熱交換板12に残存している蛍光液を除去するように洗浄する。この段階で蛍光液がほとんど残存しない状態まで洗浄することができる。
この場合、上記仕上げ水洗いシャワー45の洗浄により生じた蛍光液を含む廃液は、上記粗水洗いシャワー43の洗浄の場合と同様に、上記粗水タンク44へ貯水される。
そして、最後の工程である図5に示すような水道水洗い工程37へ移行して、図6に示すように、水道水タンク48に貯水された洗浄水をポンプにより汲み上げて水道水シャワーによって高圧の洗浄水を噴出させることにより上記熱交換板12に残存している蛍光液を除去するように洗浄する。この段階では、上記粗洗い工程35及び上記仕上げ洗い工程36を経ているため、残存蛍光液がほとんどない状態での最終洗浄となる。
また、上記水道水洗い工程37は最終洗浄となるため、洗浄水の再使用はしない。
また、この場合、上記水道水シャワー47の洗浄により生じた蛍光液を含む廃液は、水道水廃液タンク55に貯水された後に、上記粗水洗いシャワー43の洗浄の場合と同様に、上記粗水タンク44へ貯水される。
また、上記水道水シャワー47の洗浄により生じた廃液は、ろ過装置56によりろ過されて下水道へ流出される。
この場合、水道水廃液タンク55に貯水された廃液は、残存蛍光液がほとんどない状態での最終洗浄工程による廃液であり、かつ、仮りに、微少の廃液による油分が含まれている場合であっても、油分が含まれる廃液は上記粗水タンク44へ供給され、油分が含まれない廃液は活性炭によるろ過装置56でろ過されて廃液とはならないため下水道へ流出させることができる。
【0033】
また、上記粗水洗いシャワー43、上記仕上げ水洗シャワー45及び上記水道水シャワー47による洗浄により生じた蛍光液を含む廃液が貯水された上記粗水タンク44の油分が含まれる洗浄液は、油分回収装置51に回収される。
また、油分の含有率が低い洗浄液は、粗水洗いシャワー43に再使用されるか、油水分離装置49で油分が分離される。
また、上記油水分離装置49により分離された油分は、上記油分回収装置51に回収される。
そして、上記油分回収装置51に回収された廃液は産業廃棄物として業者に引き渡される。
【0034】
また、上記油水分離装置49により分離された水分は、分離水タンク52に貯水され、上記分離水タンク52の水分は洗浄水として上記粗水タンク44に供給されることにより、図5に示すような粗洗い工程35の洗浄水として再使用される。
また、上記分離タンク52の水分は活性炭によるろ過装置53でろ過されて仕上げ水タンク46に貯水されることにより、図5に示すような仕上げ洗い工程36の洗浄水として再使用される。
また、上記仕上げ水タンク46に貯水された洗浄水は上記分離水タンク52へ供給され、上記分離水タンク52に貯水された洗浄水は上記粗水タンク44へ供給される。
このように構成されることにより、油分が含まれている可能性を有する洗浄水を図5に示すような最初の洗浄工程である粗水洗い工程35に再使用し、より油分が含まれていない洗浄水をろ過して次工程としての仕上げ洗い工程36に再使用することにより、上記熱交換板12の洗浄の際に使用する洗浄水として再使用できるように構成されている。
従って、図1に示すような上記自動洗浄工程18及び上記自動廃液処理工程19を一連の工程を一括して管理することができ、洗浄水を再使用することができる廃液を生じさせることのない環境に優しいプレート式熱交換器の熱交換板12のメンテナンス方法10を提供することができる。
【0035】
また、図1に示すように、本実施例に係るプレート式熱交換器の熱交換板12のメンテナンス方法10を使用して、上記ヘリウムリークテスター検査工程14により貫通欠陥部13が発見されなかった場合、又は、上記リークテスター検査工程14により貫通欠陥部13が発見された場合において上記貫通欠陥部13を探傷する探傷検査工程15、上記自動洗浄工程18、自動廃液処理工程19を経た場合には、次工程へ移行する。
具体的には、図1に示すように、目視検査及びマイクロメータ計測による寸法外観検査工程57を行い、その後、マイクロハイスコープにより行う不良板詳細検査工程58を行い、検査終了後のプレート熱交換器12を立体倉庫格納工程59により立体倉庫に保管する。
その後、出荷する場合に、上記熱交換板12にパッキンを装着するパッキン装着工程60を経て、梱包出荷工程61により出荷される。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明はプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法に係り、特に、ヘリウムリークテスターを用いた検査工程により損傷により生じた貫通欠陥部が発見された場合に、探傷検査を行うプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法の一実施の形態を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係るプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法が使用される熱交換板の一実施の形態を示す平面図であり、(a)はパッキンが装着されている状態を示す図であり、(b)はパッキンを剥がした状態を示す図である。
【図3】本発明に係るプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法の一実施の形態を示すヘリウムリークテスターを示す図であり、(a)は貫通欠陥部が無い場合の検査状態を示す図であり、(b)は貫通欠陥部が有る場合の検査状態を示す図である。
【図4】本発明に係るプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法の一実施の形態を示す照射工程を示す図であり、(a)は熱交換板を照射工程に投入する前の状態を示す図であり、(b)は照射した場合に貫通欠陥部から蛍光液の発光を検知した状態を示す図である。
【図5】本発明に係るプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法の一実施の形態を示す自動洗浄工程を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係るプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法の一実施の形態を示す洗浄水の流通経路を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10 プレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法
11 リークテスター
12 熱交換板
13 貫通欠陥部
14 リークテスター検査工程
15 探傷検査工程
16 塗布工程
17 照射工程
18 自動洗浄工程
19 自動廃液処理工程
20 受け入れ工程
21 パッキン
22 パッキン剥がし工程
23 浸漬洗浄工程
24 高圧水洗浄工程
25 乾燥工程
26 真空チャンバー部
27 通路部
28 プレート取り付けチャンバー部
29 ヘリウムガス供給部
30a 固定部材
30b 固定部材
31 真空チャンバー部側空間部
32 ヘリウムガス供給部側空間部
33 リークディテクタ部
34 投入工程
35 粗洗い工程
36 仕上げ洗い工程
37 水道水洗い工程
38 水切り工程
39 排出工程
40 水循環処理装置
41 洗浄装置
42 供給部
43 粗水洗いシャワー
44 粗水タンク
45 仕上げ水洗いシャワー
46 仕上げ水タンク
47 水道水シャワー
48 水道水タンク
49 油水分離装置
51 油分回収装置
52 分離水タンク
53 ろ過装置
54 滅菌ヒーター装置
55 水道水廃液タンク
56 ろ過装置
57 寸法外観検査工程
58 不良板詳細検査工程
59 立体倉庫格納工程
60 パッキン装着工程
61 梱包出荷工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リークテスターを使用してプレート式熱交換器の熱交換板に損傷により生じた貫通欠陥部の有無を検査するリークテスター検査工程と、上記リークテスター検査工程により貫通欠陥部が発見された場合に、貫通欠陥部を特定する探傷検査工程とを有することを特徴とするプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法。
【請求項2】
上記リークテスターはヘリウムリークテスターであることを特徴とする請求項1記載のプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法。
【請求項3】
上記探傷検査工程は、上記熱交換板の一方の面に蛍光液を塗布する塗布工程と、上記熱交換板の他方の面にブラックライトを照射する照射工程とを有することを特徴とする請求項1記載のプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法。
【請求項4】
上記探傷検査工程の後に上記塗布された蛍光液を自動制御により洗浄しうる自動洗浄工程を有することを特徴とする請求項3記載のプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法。
【請求項5】
上記自動洗浄工程により生じた廃液を自動制御により処理しうる自動廃液処理工程を有し、
上記自動洗浄工程と上記自動廃液処理工程とが一連の工程として自動制御により行われ、
上記自動廃液処理工程は、廃液に油水分離処理を施すことにより洗浄水を分離して、上記洗浄水を上記自動洗浄工程に再使用させうることを特徴とする請求項4記載のプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法。
【請求項6】
上記自動洗浄工程は高圧水洗浄により行われ、上記熱交換板を投入する投入工程と、上記投入工程の後に行われる粗く洗浄する粗洗い工程と、上記粗洗い工程の後に行われる仕上げ洗い工程と、上記仕上げ洗い工程の後に行われる上記水道水洗い工程と、上記水道水洗い工程の後に行われる水切り工程と、上記水切り工程の後に行われる排出工程とを有することを特徴とする請求項4記載のプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法。
【請求項7】
上記自動洗浄廃液処理工程は、上記粗洗い工程に供給する洗浄水を貯水しうる粗水タンクと、上記仕上げ洗い工程に供給する洗浄水を貯水しうる仕上げ水タンクと、上記水道水洗い工程に供給する洗浄水を貯水しうる水道水タンクと、上記水道水洗い工程により生じた廃液を貯水しうる水道水廃液タンクとを有し、
上記仕上げ水タンク及び上記水道水タンクには水道水が供給され、
上記粗水タンクには、上記粗洗い工程により生じた廃液と、上記仕上げ洗い工程により生じた廃液と、上記水道水洗い工程により生じた水道水廃液タンクに貯水された廃液と、上記仕上げ水タンクに貯水された洗浄水とが貯水され、
上記粗水タンクに貯水された洗浄液の油分を分離しうる油水分離装置と、上記粗水タンクに貯水された洗浄液に含まれた油分及び上記油水分離装置により分離された油分とを廃液として回収する油分回収装置と、上記油水分離装置により分離された水分と上記仕上げ水タンクに貯水された洗浄水とを貯水しうる分離水タンクとを有し、
上記分離水タンクに貯水された水分を上記粗水タンクへ供給すると共に、上記分離水タンクに貯水された水分をろ過装置によりろ過して上記仕上げ水タンクへ供給しうる自動洗浄廃液処理工程を有することを特徴とする請求項6記載のプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法。
【請求項8】
リークテスターを使用してプレート式熱交換器の熱交換板に損傷により生じた貫通欠陥部の有無を検査するリークテスター検査工程を行い、
上記リークテスター検査工程によって貫通欠陥部が発見された場合には、熱交換板の一方の面に蛍光液を塗布する工程を行い、上記熱交換板の他方の面にブラックライトを照射して貫通欠陥部を探傷する探傷検査工程を行い、上記探傷検査工程の後に上記探傷検査工程により塗布された蛍光液を自動洗浄しうる自動洗浄工程を行い、上記自動洗浄工程の後に行われる上記自動洗浄工程により生じた廃液を自動制御により処理しうる自動廃液処理工程を行い、
上記リークテスター検査工程によって貫通欠陥部が発見されない場合には、上記リークテスター検査工程の後に、上記探傷検査工程、上記自動洗浄工程及び上記自動廃液処理工程を行わないことを特徴とするプレート式熱交換器の熱交換板のメンテナンス方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−121989(P2010−121989A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294145(P2008−294145)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000157946)岩井機械工業株式会社 (37)
【Fターム(参考)】