説明

プログラマブル表示器、その表示制御装置

【課題】液晶ディスプレイの調光範囲を広くし、特に下限側の範囲を広くする。
【解決手段】グラフィックアクセラレータ53とLCD55との間に、ビットシフトロジック60を設ける。ビットシフトロジック60は、グラフィックアクセラレータ53がLCD55に対して出力した描画データ(RGB信号)に対して、ビットシフトによる色変換(濃淡変更)を行い、特に色を濃くする変換を行うことで、輝度を下げる。これより、バックライトの光量を下限まで下げた後でも、更に輝度を下げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラマブル表示器に係わり、特にその調光制御方式に関する。
【背景技術】
【0002】
プログラマブル表示器は、液晶ディスプレイ(LCD)とタッチパネルを有するものが多い。
プログラマブル表示器に限らず、液晶ディスプレイ(LCD)は、光源(バックライト)を有するものであり、この為、LCD表示の輝度を調整する場合にはバックライトの光量を調整する手法が一般的である。この手法として、例えば、バックライトに電力供給している電源を、PWM制御方式にてON/OFFさせることで点灯時間を制御する手法や、電源電圧を調整することでバックライトの明るさを調整する方法等が知られている。この様な従来手法の一例が、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1には、従来のバックライトの輝度制御装置として、当該バックライトに供給する電圧の大きさを制御する手法や、PWM変調制御によりバックライトの輝度を制御する手法が開示されている。そして、特許文献1の発明では、PWM変調制御に基づいて、目標輝度に対応する目標パルス幅の値に応じて、当該目標パルス幅に収束させるまでのパルス幅の変化率を変化させる手法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−292775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、従来より、液晶ディスプレイに関して、調光範囲を拡大して広範囲の調光を行えることが要望されている。調光範囲は、下限と上限によって規定されるが、特に上限を大きくすることで、最大輝度を大きくすることが要望されてきた。これは、例えばリビング等に設置される液晶テレビに関して、昼間に太陽光等によって室内が非常に明るくなる場合には、画面が見難くなる為、輝度を大きくする必要があるからである。
【0006】
また、調光範囲の拡大に関して、上記の例とは逆に、下限側を拡大して(下限を小さくして)、輝度を出来るだけ小さくすることが出来ることも要望されている。これは一部のユーザからの要望であり、例えば船舶において夜間に出来るだけ外部に光が漏れないようにすることが要望される場合がある。この例に限らず、何らかの理由で暗い環境下で使用する場合には、輝度を限界まで低くしても、まだ不十分であると感じる場合がある。
【0007】
特に、プログラマブル表示器などの液晶ディスプレイを使用する装置を、暗い環境下で操作する場合には(例えば夜間に操作する)、輝度を出来るだけ小さくして使用することが要望されている。
【0008】
上記従来技術のようにバックライトの光量を調整することで輝度を調整する手法では、光量を減少させるにも限界があり、下限を越えるような光量減少を試みると突然消灯してしまう。
【0009】
尚、バックライトが消灯した場合でも、装置内部では画面上の操作ボタン等の表示位置等は管理できており、またタッチパネル上での操作位置も検出可能であるが、液晶ディスプレイの制御の一例としては、バックライトが消灯した場合には操作不能な状況であるものとしてユーザの操作を受け付けない。
【0010】
ここで、何らかの専用の構成を追加することで輝度の下限を下げることが可能になるかもしれないが、その為の回路構成が複雑となってしまいコスト高となる。この様な要望は一部のユーザからである為、その為に専用の構成を追加したコスト高の装置を製造することは、他のユーザの理解が得られず実現困難である。
【0011】
このように、従来のLCDバックライト調光方式では、調光範囲(明るさ(輝度)の調整範囲)に限界があり、充分な低輝度化を実現できなかった。
また、バックライトに冷陰極管を使用した場合、従来方式にて明るさを微小にすると個体差や使用温度環境条件によりバックライトの点灯開始が困難となる。また、PWM制御方式を用いた場合には、LCDに表示される画面がちらついて見える場合がある。
【0012】
本発明の課題は、プログラマブル表示器に係わり、特にその液晶ディスプレイの輝度調整に関して、CPUの負荷を増大させることなく、あるいはハードウェア構成に依る制限を受けることなく、RGBデータを均等にビットシフトすることで色の濃淡を変化させ以って輝度を変化させることで、低輝度化を実現できるプログラマブル表示器、その表示制御装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のプログラマブル表示器は、表示部を備えるプログラマブル表示器であって、前記表示部に任意の表示画面を表示する表示制御装置を有し、該表示制御装置は、入力されるビデオデータ、または/及び、保持されている任意の画面データが、前記表示画面の描画データとして記憶される描画データ記憶手段と、前記描画データ記憶手段に記憶されている前記表示画面の描画データを、前記表示部に対して出力する描画データ出力手段と、前記描画データ出力手段と前記表示部との間に設けられる回路ユニットであって、前記描画データの各画素の表示色を決定する各RGBデータに対して、ビットシフトによる色変換を実行することで、該表示色の濃淡を変更する色変換ユニットとを有し、前記色変換ユニットは、所定の指示操作があった場合には前記表示色を濃くするように前記ビットシフトを行うことで前記表示部に表示される前記表示画面の輝度を低下させる。
【0014】
上記構成のプログラマブル表示器において、例えば更に、前記所定の指示操作を受け付けると共に、該所定の指示操作に応じた制御信号を前記色変換ユニットに対して出力する制御手段を有し、前記色変換ユニットは、該制御信号に応じたシフト量分の前記ビットシフトを実行するものである。
【0015】
また、例えば、前記色変換ユニットは、PLD(プログラマブルロジックデバイス)で実現されるものである。
ここで例えば同色系(例えば青)であっても淡い(明るい)青と濃い(暗い)青があり、表示色の濃淡を変更することは、明暗を変更することを意味する。これより、例えばバックライトの光量を下限まで低下させた状況で更に輝度を低下させたい場合には、例えばユーザ等が所定の指示操作を行うことで、色変換手段によって例えば淡い(明るい)青の表示を濃い(暗い)青の表示へと変更することで、輝度を更に低下させることが可能となる。
【0016】
また、上記表示色の濃淡の変更を、上記色変換ユニットではなく、例えばCPU等である上記制御手段によってソフトウェア処理として実現する場合、制御手段の処理負荷が増大することになるが、上記構成のプログラマブル表示器ではこの様な問題は起こらない。
【0017】
また、上記ビデオデータが、上記制御手段を介さずに、描画データ記憶手段に記憶された後、表示部に対して出力される構成である場合でも、上記表示色の濃淡の変更を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のプログラマブル表示器、その表示制御装置等によれば、プログラマブル表示器に係わり、特にその液晶ディスプレイの輝度調整に関して、CPUの負荷を増大させることなく、あるいはハードウェア構成に依る制限を受けることなく、RGBデータを均等にビットシフトすることで色の濃淡を変化させ以って輝度を変化させることで、従来よりも低輝度とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)、(b)は、本例のプログラマブル表示器の構成例(その1)、(その2)である。
【図2】プログラマブル表示器の構成・機能ブロック図である。
【図3】(a)、(b)は、色変換(ビットシフト)の具体例を示す図である。
【図4】変形例のプログラマブル表示器の構成・機能ブロック図である。
【図5】画面部品表示の具体例を示す図である。
【図6】(a)は従来、(b)は実施例2のプログラマブル表示器の構成例である。
【図7】ビットシフトロジックの回路構成例である。
【図8】ビットシフトセレクタの具体的な構成例である。
【図9】(a)、(b)は、実施例2のプログラマブル表示器の他の構成例(その1)、(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1(a)、(b)は、本例のプログラマブル表示器のハードウェア構成例(その1)、(その2)である。
【0021】
尚、図1(a)、(b)や後述する図2、図4は、プログラマブル表示器の全構成・全機能を示すものではなく、LCDパネル(表示部)における表示画面の表示制御に係わる構成・機能を示すものである。これは、プログラマブル表示器における表示制御装置の構成を示すものということもできる。
【0022】
よって、本例のプログラマブル表示器は、特に図示・説明しないが、他にもプログラマブル表示器としての一般的な構成・機能(例えば、タッチパネル等の入力装置、プログラマブルコントローラ本体やI/Oモジュールとの通信インタフェース、タッチパネル上での操作に応じたプログラマブルコントローラ本体やI/Oモジュールの制御/データ収集処理機能等の各種構成・各種機能)を有するものである。
【0023】
図1(a)は、本例のプログラマブル表示器のハードウェア構成例(その1)であり、プログラマブル表示器10の構成を示すものである。
図1(a)に示すプログラマブル表示器10は、CPU11、FROM12、SDRAM13、グラフィックアクセラレータ14、SDRAM15、LVDSコントローラIC16、LCDパネル17等を有する。尚、SDRAMは、Synchronous・Dynamic Random Access Memory(シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)の略である。LCDは、Liquid Crystal Displayの略である。FROMはフラッシュROMの略である。
【0024】
尚、以下の説明では表示画面の表示に関しては特に色に係わる説明を中心とし、他の説明(形状の表示等)は省略する場合もある。
CPU11は、プログラマブル表示器10全体を制御する中央処理装置であり、既存の各種機能については特に詳細には説明しないが、本例では更に後述する色変換機能を備えている。尚、本例の色変換とは、例えば赤から青に変換することを意味するのではなく、例えば“明るい青”から“暗い青”に変換することを意味する。つまり、色(RGBの3原色の組み合わせのバランス;RGBバランス)はそのままで濃淡変更(階調変更)を行うことを意味する。詳しくは後述する。
【0025】
尚、RGBは光の3原色であり、Rは赤色、Gは緑色、Bは青色である。これらRGB3色の組み合わせにより、様々な色を表現できる。
FROM12は、フラッシュメモリ等であり、LCDパネル17に表示させる画面の描画データが格納される。また、FROM12には、各種アプリケーションプログラムが記憶されてもよく、例えば本例の色変換機能をCPU11で実行させる為のアプリケーションプログラムが記憶されていてもよい。
【0026】
SDRAM13には、例えばセンサからの収集データや各種設定値等が格納されるが、ここでは関係ないのでこれ以上説明しない。
LCDパネル17上に画面を表示する場合には、CPU11が上記FROM12から描画データを読み出して、例えばそのRGBデータに基づいてSDRAM15のRGBレジスタに表示画面の全画素のRGBデータをセットする。但し、本手法では、場合によってはCPU11が描画データにおけるRGBデータに対して色変換(濃淡変更)を行ってからSDRAM15のRGBレジスタに全画素のRGBデータをセットする。
【0027】
尚、SDRAM15は既存の構成(ビデオメモリ)であり、更にグラフィックアクセラレータ14、LVDSコントローラIC16も既存の一般的な構成であるので、ここでは簡単に説明する。グラフィックアクセラレータ14は、上記SDRAM15(ビデオメモリ)のRGBレジスタにセットされたRGBデータ等を読出し、これをLVDSコントローラIC16に渡す。LVDSコントローラIC16は、このRGB信号をLVDS(Low voltage differential signaling)信号に変換してLCDパネル17に送る。
【0028】
SDRAM15(ビデオメモリ)のRGBレジスタにセットされた描画データが、CPU11による色変換(濃淡変更)後のデータである場合には、基本的には、当該色変換を行わない場合に比べて輝度が低い画面が、LCDパネル17上に表示されることになる。
【0029】
LCDパネル17は、液晶セルと当該液晶セルの背面に位置するバックライト等から成り、例えばCPU11(あるいは不図示の他のマイクロコンピュータ等)が、バックライトに対してPWM調光信号を出力して、バックライトの光量を調整制御している。尚、バックライトの光量のPWM制御については、例えば上記特許文献1等に記載のように既存技術であるので、ここでは特に詳細には説明しない。
【0030】
液晶セルは、各画素(ピクセル)毎にRGB3色のサブピクセルから成り、各サブピクセルを透過する光量によって、目に見える色が決まる。尚、以下の説明では、R(赤色)に対応するサブピクセルをサブピクセルR等と記す場合もある(緑や青についても同様である)。
【0031】
現在では、各サブピクセル毎に透過させる光量を256段階に調整可能であり、これはRGBの各色毎に256段階の濃淡(階調)をもつことを意味する。例えば、サブピクセルR,Gは光を透過させず、サブピクセルBのみ光を透過させた場合、目に見える色は“青”となるが、サブピクセルBについて上記256段階の階調調整を行うことで、「明るい(淡い)青」、「暗い(濃い)青」等を表示することができる。(以下では256段階のサブピクセルを保有する場合の例を記載するが、この最大階調数が変化した場合でも適用可能である。)
上記各ピクセル毎の色を例えば(R,G,B)=(0〜255,0〜255,0〜255)で表現するならば、上記青色は(R,G,B)=(0,0,1〜255)等と定義でき、また同じ青であっても例えば(0,0,63)は(0,0,127)よりも濃い(暗い)青色と定義できる。
【0032】
あるいは、例えば“黄色”を表示したい場合には、通常、サブピクセルBのみ光を透過させず、サブピクセルR,Gは光を透過させると共に階調は略同一とする。つまり、例えば、(127,127,0)、(63,63,0)、(31,31,0)等とする。(63,63,0)に比べて、(127,127,0)はより明るい(淡い)黄色、(31,31,0)はより暗い(濃い)黄色ということになる。
【0033】
この様に、濃淡調整(階調調整)を行うことで、明るさを調整できることになる。これを利用して本手法では、上記色変換機能としての濃淡(明暗)変更を行う。すなわち、例えば輝度を徐々に低下させていきたい場合には、例えばまずPWM調光によってバックライトの光量を徐々に低下させていくことで輝度を低下させていき、バックライトの光量が下限に達したらPWM調光を止める(上記の通り、下限を越えるとバックライトが消灯してしまうので)。その後は本手法による濃淡調整によって色を徐々に濃く(暗く)していくことで、輝度を更に低下させていく。
【0034】
勿論、これは一例であり、このような例に限らず、例えばバックライトの光量を低下させつつ同時に濃淡調整によって色を濃く(暗く)していくようにしてもよい。
ここで、図2に、上記プログラマブル表示器10の構成・機能ブロック図を示す。尚、図2は、後述する図1(b)のプログラマブル表示器20の構成・機能ブロック図であるということもできる。
【0035】
図2において、画面データ保持メモリ(フラッシュメモリ等)31は、上記FROM12に相当する構成であり、上記描画データにおける色データ(RGBデータ)に相当する“オリジナルアプリケーション画面データ”が格納される。この“オリジナルアプリケーション画面データ”は、例えば、不図示のエディタ装置(アプリケーション画面データ作成ツール)上でプログラマ等によって任意に作成されてプログラマブル表示器10にダウンロードされた所謂“画面データ”の一部であると考えてよい。
【0036】
また、このオリジナルアプリケーション画面データ”には、上記エディタ装置上での作成の際にユーザが任意に設定した“変換度合いデータ(シフト量)”が含まれていてもよい。尚、本例では上記色変換(濃淡変更)はビットシフトによって実現するものとし、例えばシフト量=‘1’であったならば、後述する一例のように1ビットずつビットシフトすることになる。
【0037】
また、図2に示す変換(ビットシフト)部32は、上記CPU11の色変換機能(濃淡変更による輝度調整機能)に相当するものであり、上記FROM12に格納されている描画データを用いて上記SDRAM15のRGBレジスタにデータセットする際に、上記“オリジナルアプリケーション画面データ”に対して上記“シフト量”に応じて色変換(濃淡変更;ビットシフト)を行い、この変換結果(“変換後アプリケーション画面データ”と呼ぶ)をビデオメモリ33に格納する。
【0038】
但し、変換部32が上記色変換を行うのは、基本的にはユーザによる所定の指示があった場合である。この指示が無い場合には変換部32は機能しないが、ここではこの場合でもビデオメモリ33に格納されるデータは“変換後アプリケーション画面データ”と呼ぶものとする。
【0039】
ここで、上記画面データ保持メモリ31やビデオメモリ33には図示のように色データ(RGBデータ)が格納され、これは例えば上記のように(R,G,B)=(0〜255,0〜255,0〜255)で示されるものである。
【0040】
そして、例えば、ビデオメモリ33に格納される変換後アプリケーション画面データは、画面上の全画素について各ピクセル毎のRGBデータが格納されたものとなっている。仮に、表示画面が1万画素であれば、1万個のRGBデータが格納されることになる。これは、上記画面データ保持メモリ31に格納されるRGBデータについても同様であってよいが、この例に限らない。すなわち、上記描画データは、後に図5で説明するように、各画面部品毎の各パーツ毎に指定される色のRGBデータと座標データ、各画面部品の形状データ等であってもよい。この場合には、CPU11は、描画データに基づいてビデオメモリ33上に既存の描画処理を行うことになるが、これについては後に図5を参照して説明するものとする。
【0041】
図2に示すグラフィックコントローラ34は、上記グラフィックアクセラレータ14及びLVDSコントローラIC16に相当するものであり、また図2に示す表示部35は上記LCDパネル17に相当するものであり、上述したように何れも既存の構成なのでここでは特に詳細には説明しないが、グラフィックコントローラ34は、ビデオメモリ33に格納される上記“変換後アプリケーション画面データ”に基づいて表示部35に画面表示する。
【0042】
ここで、図2に示すように、表示部35に対してはPWM制御部36が既存のPWM制御(バックライト制御)によるバックライト光量制御も行っている。このPWM制御部36は、例えばCPU11が実現してもよいし、不図示の専用ICチップ等が実現してもよい。本説明ではCPU11が実現するものとして説明するが、この例に限らない。
【0043】
上記画面データに基づいて表示部35に表示される画面上には、通常、メータ、スイッチ、グラフ、ボタン、数値表示等の各種画面部品が表示され、画面部品によってはそのときの状態(ON/OFF、収集したデータ等)を反映させた表示内容となる。そして、例えば輝度調整に係わる何らかの機能が割り当てられたボタン等も表示される。この表示画面については特に図示しないが、PWM制御部36の既存のPWM制御(バックライト制御)によるバックライト光量調整指示用のボタンとして、従来より例えば「輝度UP」、「輝度DOWN」等のボタンがあるものとする。
【0044】
CPU11は、従来と同様に、ユーザによるこれら「輝度UP」/「輝度DOWN」ボタン操作に応じて、バックライト光量をUP/DOWNする制御を行う。
そして、本例のプログラマブル表示器10では、上記表示部35に表示される画面上には更に、ユーザが上記変換部32による上記色変換実行を指示する為の操作ボタンとして例えば不図示の「色濃(暗)」/「色淡(明)」ボタンが表示されるものとする。
【0045】
これら「色濃(暗)」/「色淡(明)」ボタン操作に応じた色変換の具体例について、図3(a)、(b)を参照して説明する。但し、これは一例であり、この例に限らない。例えば、上記「輝度UP」、「輝度DOWN」ボタンを操作すると、バックライト光量をUP/DOWNすると共に、色変換(濃淡変更;階調変更)も行うようにしてもよい。
【0046】
まず、本例では上記のようにRGB各色毎に256段階の階調をもつので、図3(a)に示すように、RGB各色毎に8bitで構成される。これらRGBの組み合わせによって約1677万のカラーパターンが存在する。尚、図3(a)の上側に示す対応ビット‘7’〜‘0’は上記8bitの各ビットを意味し、ここでは最も左の‘7’が最上位ビット、最も右の‘0’が最下位ビットであるものとする。
【0047】
図3(a)には簡単な例として白と黒の表示パターンを示す。
図示の通り、白表示パターンでは、RGB3色全てにおいて、8bit全てがONしている(=255)。つまり、白表示パターンの(R,G,B)=(255,255,255)である。同様に、黒表示パターンでは、RGB3色全てにおいて、8bit全てがOFFしている(=0)。つまり、黒表示パターンの(R,G,B)=(0,0,0)である。
【0048】
上記本例の色変換(濃淡変更)処理は、一例としてはビットシフトを行うものであり、上記白表示パターンをビットシフトさせ、最終的には黒表示パターンへと変化させるプロセスを、図3(b)に示す。この色変換(ビットシフト)は、ユーザが上記「色濃(暗)」/「色淡(明)」ボタンを操作することで行われる。尚、本例では、上記シフト量=1とする。従って、操作毎に1ビットずつシフトする。
【0049】
図3(b)に示す例では、まず、最初は図上最上部に示すように白表示パターンが表示されている。すなわち、RGB各色全てにおいて8bit=“11111111”となっている。
この状態でユーザが上記「色濃(暗)」ボタンを1回操作した場合、CPU11はRGB各色全てにおいて各ビットを右へ(下位側へ)1bitシフトする(均等にビットシフトする)色変換を実行することになる。この色変換実行の結果、図3(b)の(1)に示すように、RGB各色全てにおいて8bit=“01111111”(=127)となる。つまり、(R,G,B)=(127,127,127)となる。
【0050】
この状態でユーザが更に上記「色濃(暗)」ボタンを1回操作した場合(合計2回操作した場合)、CPU11はRGB各色全てにおいて各ビットを右へ2bitシフトする(均等にビットシフトする)色変換を実行することになる。この色変換実行の結果、図3(b)の(2)に示すように、RGB各色全てにおいて8bit=“00111111”(=63)となる。つまり、(R,G,B)=(63,63,63)となる。
【0051】
同様に、この状態でユーザが更に上記「色濃(暗)」ボタンを1回操作した場合(合計3回操作した場合)、CPU11はRGB各色全てにおいて各ビットを右へ3bitシフトする(均等にビットシフトする)色変換を実行することになる。この色変換実行の結果、図3(b)の(3)に示すように、RGB各色全てにおいて8bit=“00011111”(=31)となる。つまり、(R,G,B)=(31,31,31)となる。
【0052】
尚、上記ビットシフト(1bitシフト〜3bitシフト)は、全て、白表示パターンに対して行うものとして説明している。現在の表示パターンに対して行うものとするならば、全て1bitシフトとなる。
【0053】
以降、同様にして、上記「色濃(暗)」ボタンの操作回数に応じて、色変換結果は図3(b)の(4)〜(7)に示す状態となり、最終的には上記黒表示パターンとなる。但し、実際には、黒表示パターンにすることはなく、その直前の図3(b)(7)の状態でストップする(見えなくなってしまうので)。またはユーザでの使用条件に合わせて、その範囲を任意設定することも可能である。
【0054】
何れの場合でも、各ビットを右(下位ビット側)へシフトすることで、上位ビットが空くことになるが、空いた上位ビットは全て‘0’とする。
また、例えば上記図3(b)(3)の状態において、ユーザが上記「色淡(明)」ボタンを操作すると、左(上位ビット側)に1bitシフトすることで、図3(b)(2)の状態に戻る。この場合には、左(上位ビット側)にシフトすることで下位ビットが空くことになるが、空いた下位ビットは元の状態に戻す。すなわち、1ビット右にシフトする毎にそのときの最下位ビットをスタック等に格納するものとし、これより例えば図3(b)(3)の状態では‘111’がスタック等に保持されていることになる。そして、左シフトの場合にはスタックからデータを戻すことにする。よって、上記図3(b)(3)の状態で上記「色淡(明)」ボタンを操作されて1bitずつ左にシフトすることで空いた最下位ビットには‘1’が戻されると共に、新たなスタック保持状態は‘11’となる。
【0055】
尚、上記シフト量=2の場合には上記「色濃(暗)」ボタンを1回操作するだけで図3(b)の(1)に示す変換結果となり、上記シフト量=3の場合には上記「色濃(暗)」ボタンを1回操作するだけで図3(b)の(2)に示す変換結果となる。
【0056】
また、尚、例えば変換部32は、シフト数を示す変数Jを保持している。この変数Jは、初期値=‘0’であり、上記シフト量=1の場合には、「色濃(暗)」ボタンが1回操作される毎に+1インクリメントされ、「色淡(明)」ボタンが1回操作される毎に−1デクリメントされる。変換部32は、例えば定周期でまたは表示画面内容が変更される毎に、上記FROM12に格納されている描画データに基づいて、SDRAM15の格納データを更新するものであり、その際に上記変数Jに応じた色変換(ビットシフト)処理を実行する。但し、変数J=0の場合には、実質的に色変換は行われないことになる。
【0057】
尚、上記の例では変数Jの最大値は‘7’とし、それ以上インクリメントすることはない(黒表示は行わない;見えなくなるので)。
また、表示色が“青”の場合であってオリジナルでは(R,G,B)=(0,0,255)である場合には、これを上記図3(b)(1)の場合と同様に右に(下位ビット側へ)1bitシフトすると(均等にビットシフトすると)、(R,G,B)=(0,0,127)となる。同様に、図3(b)(2)の場合と同様に右に2bitシフトすると(均等にビットシフトすると)、(R,G,B)=(0,0,63)となり、図3(b)(3)の場合と同様に右に3bitシフトすると(均等にビットシフトすると)、(R,G,B)=(0,0,31)となり、淡い(明るい)青から徐々に濃い(暗い)青へと変化していくことになる。
【0058】
同様に、例えば“黄色”の場合であってオリジナルでは(R,G,B)=(255,255,0)である場合には、これを上記図3(b)(1)の場合と同様に右に(下位ビット側へ)1bitシフトすると(均等にビットシフトすると)、(R,G,B)=(127,127,0)となる。同様に、図3(b)(2)の場合と同様に右に2bitシフトすると(均等にビットシフトすると)、(R,G,B)=(63,63,0)となり、図3(b)(3)の場合と同様に右に3bitシフトすると(均等にビットシフトすると)、(R,G,B)=(31,31,0)となり、淡い(明るい)黄色から徐々に濃い(暗い)黄色へと変化していくことになる。
【0059】
何れにしても、RGB3色全てに対して同じビットシフトを行うことで(均等にビットシフトすることで)、RGBの3原色の組み合わせのバランス(RGBバランス)を略同様に保ちながら濃淡(明るさ)を変化させることができ、バックライトの光量を下限まで落とした後でも、更に表示画面の輝度を低下させることができる。
【0060】
上記ビットシフトによる色変換(濃淡(明るさ)変更)は、CPU11が所定のアプリケーションプログラム実行することで行われる(ソフトウェア的に行われる)。このアプリケーションプログラムは、例えば予めFROM12に格納されている。ハードウェア的には図1に示す構成は全て既存の構成であり、ソフトウェア的に上記変換部32等の機能を実現することができるので、何らかの専用の構成を追加することなく(よってコスト高となることなく)、輝度の下限を従来よりも小さくすることができる。
【0061】
また、本手法では、複雑な演算処理を用いずに、RGBデータに対するビットシフト処理のみで輝度低減を実現できるので、CPUを用いる例に限らず、例えば基板上のPLD等でも簡易的に実現可能である(後に実施例2として説明する)。これにより、CPUに一切負荷を掛けずに済み、また低コストで実現可能となる。
【0062】
また、上記のようにCPU11等で実現する場合においても、複雑な演算処理を必要としないため、CPUに掛かる負荷を最小限に抑え、プログラマブル表示器の他の機能に大きな影響を及ぼさずに済む。
【0063】
図1(b)は、本例のプログラマブル表示器のハードウェア構成例(その2)である。
図1(b)に示すプログラマブル表示器20は、上記グラフィックアクセラレータ14やLVDSコントローラIC16等が無いだけであり、基本的には上記プログラマブル表示器10と略同様と見做してよい。
【0064】
すなわち、プログラマブル表示器20は、CPU21、FROM22、SDRAM23、LCDパネル24等を有する。
CPU21は、FROM22に格納されている描画データを読み出して、これに基づいてSDRAM23のRGBレジスタに表示画面の全画素のRGBデータをセットする。これは、例えば、LCDパネル24上の表示画面の変更時等に行なわれる。その際、場合によっては(上記「色濃(暗)」ボタン等によってユーザから指示があった場合等)、CPU21は、例えば上記変換部32の色変換機能によって、上記描画データが示すRGBデータに対して色変換を行って、SDRAM23のRGBレジスタに変換後のRGBデータをセットする。この色変換自体は、上記プログラマブル表示器10の場合と略同様であり、ここでは特に説明しない。
【0065】
また、本例では、上記グラフィックアクセラレータ14やLVDSコントローラIC16等が無いので、CPU21が上記SDRAM23のRGBレジスタにセットされたRGBデータ(場合によっては色変換後となる)等を用いて、LCDパネル24上に画面表示を行うことになるが、これについては既存の動作と略同様であり、また本手法の特徴は主に上記変換部32の色変換機能であるので、特に詳細には説明しない。
【0066】
この様に、図1(b)に示すプログラマブル表示器20は、機能的には上記プログラマブル表示器10と略同様と見做してよく、従ってその構成・機能ブロック図は、図2に示すものと略同様と見做してよい。よって、プログラマブル表示器20の機能については、ここではこれ以上説明しないものとする。
【0067】
本手法は、上記図1(a)の構成に限らず、例えば上記図1(b)の構成等にも適用可能であり、また特に図示しない他の構成についても適用可能である。
図4は、変形例のプログラマブル表示器30の構成・機能ブロック図である。
【0068】
上記本例のプログラマブル表示器10,20の色変換機能は、特に夜間等に暗い場所で使用する際に、出来るだけ光が漏れないようにする、または暗闇でもまぶしくないように出来るだけ輝度を低くする等という要望に応じた機能であるが、そのまま朝を迎えて明るい環境下になると画面が見難くなるという問題が生じる。
【0069】
すなわち、画面の内容を視認できる為の最低限の輝度は、周囲の明るさ等に影響されて変わるので、本手法の色変換機能によって輝度を非常に低くしても、例えば夜間の海上(船舶上等)のように周囲が非常に暗い場合には画面内容を視認できるが、明るくなってくると視認できなくなる。
【0070】
この為、輝度を上げる必要があるが、既に明るくなり始めた状態で画面内容を視認し難くなっていると、輝度を上げることが困難になるという問題が生じる。すなわち、輝度を上げる為にはユーザが上記表示部35上の画面内に表示される上記「輝度UP」ボタンまたは「色淡(明)」ボタンを操作する必要があるが、何れも既に見難くなっている可能性が高く、ボタンの位置が分からない等の理由で操作困難となってしまう。
【0071】
変形例のプログラマブル表示器30は、この様な問題に対応できるものである。
まず、変形例のプログラマブル表示器30は、ハードウェア構成自体は上記図1(a)または図1(b)に示す構成であり、ここでは図1(a)であるものとして説明する。
【0072】
図4において、グラフィックコントローラ44、表示部45、PWM制御部46は、上記グラフィックコントローラ34、表示部35、PWM制御部36と略同様であり、ここでは特に説明しない。
【0073】
また、画面データ保持メモリ41やビデオメモリ43も、上記画面データ保持メモリ31やビデオメモリ33と略同様であってよい(図4ではデータ格納形式が多少異なるが、これについては後に説明する)。
【0074】
変換部42または/及びPWM制御部46は、上記変換部32、PWM制御部36と同様にユーザ操作に応じた色変換(濃淡変更)またはバックライト光量制御を行うが、本例では更に、設定部47に応じて自動的に色変換(濃淡変更)またはバックライト光量制御を行う機能(輝度の自動復帰機能)も備える。
【0075】
設定部47には、上記輝度の自動復帰機能を実現させる為の設定データが格納される。この設定データは、例えば上記エディタ装置(アプリケーション画面データ作成ツール)においてプログラマ等が任意の画面データを作成した際に、任意に設定したものであり、作成された画面データと共にプログラマブル表示器30にダウンロードされて例えばFROM12内の所定の記憶領域に記憶されるものである。但し、この例に限らず、設定部47は、例えばプログラマブル表示器上でユーザに任意の設定を行わせてこの設定データを記憶するものであってもよい。
【0076】
設定部47に格納される設定データは、任意の各設定時刻に対応付けて、輝度を上げる為の何らかの情報(「復帰データ」と呼ぶものとする;例えば、上記変数Jの値の指定、上記変数Jを−1デクリメントする、バックライトの光量を所定量分アップする等、例えば上記「輝度UP」ボタンまたは「色淡(明)」ボタンが操作されたことに相当するコマンド等)が格納されているものである。
【0077】
上記任意の各設定時刻とは、例えば朝の各時刻であり、AM4:00、AM5:00、AM6:00等の徐々に明るくなっていく時間帯における任意の各時刻である。
上記設定データは、一例としては、例えば、「AM4:00:変数J=4」、「AM5:00:変数J=3」、「AM6:00:変数J=1」等としてもよい。つまり、任意の設定時刻に任意の変数Jの設定値を対応付けるものとしてもよい。
【0078】
上記変換部42は、上記変換部32と同様に、例えばユーザ操作による色変換指示に応じた上記変数Jを保持しており、この変数Jに応じた色変換を行うことになる。しかし、上記変換部42の場合には、上記設定データの設定時刻になると現在の変数Jの値に関係なく強制的に変数Jの値を設定値に変更する。そして、変更後の変数Jを用いて色変換を行うことになる。基本的には上記一例のように周囲が明るくなっていくことに応じて徐々に明るい(淡い)色へとシフトしていくことで、輝度を上げていくことになる。
【0079】
尚、この例に限らず、上記「輝度UP」ボタンが操作されたことに相当する設定データとしてもよく、この場合にはバックライト光量を徐々に増加していくことで輝度を上げていくことになる。あるいは、明るい(淡い)色への色変換とバックライト光量増加の両方を行うような設定データとしてもよい。
【0080】
尚、タイマ48は、プログラマブル表示器が有する既存のクロック機能であり、例えば変換部42(CPU11)は、タイマ48から現在時刻を取得して上記設定時刻と比較することで、設定時刻になったか否かを判定できる。
【0081】
上述した設定部47の設定データに基づく輝度復帰処理は、上記の説明では画面全体に対して行ったが、画面内の一部について行っても良い。すなわち、上記の通り、基本的には「輝度UP」ボタンまたは/及び「色淡(明)」ボタンの表示位置さえ分かれば、ユーザがこれらのボタンを操作して輝度を上げることが出来るので、例えばこれらの所定の画面部品(ボタン)の表示のみ、上述した設定部47の設定データに基づく輝度復帰処理の対象としてもよい。尚、この様な輝度復帰処理は、部分的な輝度復帰処理と呼ぶものとする。
【0082】
その為に、例えば、図4に示すように、上記画面データ保持メモリ41やビデオメモリ43において、予め、上記「輝度UP」ボタンまたは/及び「色淡(明)」ボタンのような特定の設定用ボタンに係わる色データ(RGBデータ)を格納する領域(輝度設定用画面データ記憶領域41b、43b)と、他の画面部品の色データ(RGBデータ)を格納する領域(アプリケーション画面データ記憶領域41a,43a)とを区別しておく。
【0083】
そして、変換部42は、ユーザ操作による色変換指示に応じて色変換を行う場合には、上記2つの領域について特に区別することなく色変換(濃淡変更)処理を実行する。一方、変換部42は、上記輝度復帰処理に関しては輝度設定用画面データ記憶領域の画面データのみを対象とする。
【0084】
例えば設定データが上記「AM4:00:変数J=4」であったとした場合、更に仮にユーザ操作によって変数J=5になっていたとした場合、変換部42は、AM4:00になる前は、上記画面データ保持メモリ41の記憶領域41a、41bのRGBデータに対して、変数J=5に応じた色変換を行って、色変換後のRGBデータを、それぞれ上記ビデオメモリ43の記憶領域43a、43bに格納する。
【0085】
一方、現在時刻がAM4:00になった後には、変換部42は、上記画面データ保持メモリ41の記憶領域41aのRGBデータに対しては、変数J=5に応じた色変換を行って、色変換後のRGBデータをビデオメモリ43の記憶領域43aに格納する。一方、変換部42は、上記画面データ保持メモリ41の記憶領域41bのRGBデータに対しては、上記設定データに従って変数J=4に応じた色変換を行って、色変換後のRGBデータをビデオメモリ43の記憶領域43bに格納する。
【0086】
このようにすることで、輝度設定用画面データ記憶領域の画面データすなわち例えば上記「輝度UP」ボタンまたは/及び「色淡(明)」ボタンのような輝度の設定に係わるボタンに係わる画面データは、周囲が明るくなっていくことに対応して自動的に明るく表示されるので、ユーザがこれらのボタンの表示位置が分からなくなるようなことはなく、これらのボタンを操作して輝度を上げることで、これらボタン以外の他の画面部品も明るく表示され、周囲が明るくなってきても見難くなることを防ぐことができる。
【0087】
尚、上述したことは一例であり、設定部47の設定内容によって、様々な処理を実現させることができる。例えば、最初は上記画面全体の輝度復帰を行い、その後に上記部分的な輝度復帰を行わせること等もできる。
【0088】
また、変形例の他の例としては、図4に示す物理ボタン51(ファンクションスイッチ)を用いるようにしてもよい。物理ボタン51は、「輝度UP」ボタンや「色淡(明)」ボタンのようにディスプレイ上に表示されてタッチパネルによって操作するボタンではなく、物理的に押すことができるボタン(物理的な操作ボタン;物質的な操作ボタン)を意味する。従って、たとえ表示画面が真っ暗になったとしても、物理ボタン51は何等問題なく操作できる。この様にタッチパネルによって操作するボタン(表示ボタン)とは別に複数の物理ボタン51を備えるプログラマブル表示器は少なくない。
【0089】
この様な複数の物理ボタン51の一部(少なくとも1つ)に、上記「輝度UP」ボタンや「色淡(明)」ボタンに相当する機能を割り当てるようにしてもよい。これによって、夜間の暗さに応じて輝度を小さくした為に、明るくなったときに画面の内容が見難くなったとしても、物理ボタン51は何等関係なく見ることができるので、物理ボタン51を操作して画面全体の輝度を上げることで、対応可能となる。あるいは、画面全体ではなく、部分的に(予め任意に決められたボタン、スイッチ等)のみ、物理ボタン51を操作して輝度を上げることができるようにすることも可能である。
【0090】
あるいは、夜間においても、輝度を小さくすることで上記“ディスプレイ上に表示されてタッチパネルによって操作するボタン”等が見え難くなる場合もある。この様な場合には、操作するときだけ一時的に輝度を上げたいことになる。これは、ユーザによる操作対象(ボタンやスイッチ等)が見えればよいので、上記部分的な輝度復帰処理を実現する機能を、任意の物理ボタン51に割り当てればよい。
【0091】
この様な物理ボタン51をユーザが操作した場合、上述した部分的な輝度復帰処理によって、上記記憶領域43bの画面データのみが、輝度が上がって明るくなることになる。尚、物理ボタン51操作時点から所定時間(例えば1、2分程度)経過したら、輝度を元に戻して、再び画面を暗くするようにしてもよい。あるいは、他の物理ボタン51に、輝度を元に戻す(輝度復帰処理を止める)機能を割り当てるようにしてもよい。
【0092】
あるいは、任意の物理ボタン51に対して、所定の画面部品のみ現状の表示状態のままとし、他の表示領域は全て真っ暗(上記黒表示パターン)とする機能を割り当てるようにしてもよい。
【0093】
ここで、例えば図4に示す例では図上に記すように、画面データ保持メモリ41及びビデオメモリ43には、表示画面上の全画素のRGBデータが格納されている(表示画面のドット数分のRGBデータが存在している)。但し、これは一例であり、この例に限らない。例えば、画面データ保持メモリ41に格納されるRGBデータは、全画素のデータではなくてもよい。これについて、以下、図5を参照して説明する。
【0094】
まず、一般的に、プログラマブル表示器の場合、そのLCDパネル17に表示させる表示画面は、複数の画面部品をそれぞれ所定の位置に表示させることで成り立つものである。画面部品とは、例えば、ボタン、スイッチ、グラフ、メータ等の各種画面部品である。尚、これらの画面部品の形状データ等は、描画データに含まれるか、あるいは予めFROM12に格納されている。
【0095】
図5には、この様な画面部品の一例と、その画面データを示す。
図5には、ON/OFFするスイッチの画面部品が表示画面上の所定の位置に表示されている様子と、このスイッチ表示の為の画面部品データの一例を示している。
【0096】
図示の例では、画面部品データには、まず、このスイッチの枠の座標データ(矩形;(x1、y1)−(v2、y2))と枠の色(=白)とがある。更に、この枠内を所定の色で塗り潰すことを指定するデータも有する。本例では所定の色は、スイッチOFF時には青、スイッチON時には赤である。更に、文字表示に係わるデータとして、始点座標(x3、y3)と文字列データ“ON”と文字の色(=緑)を指定するデータも有する。尚、上記スイッチOFF時の青は(R,G,B)=(0,0,255)であるものとする。
【0097】
例えば上記FROM12に格納される描画データは、表示画面上に表示される様々な画面部品に関する上記の様な画面部品データを含んでいる。そして、例えばCPU11が、この描画データと現在の状態とに基づいて、ビデオメモリ43上で表示画面を描画する。例えば、現在の状態がスイッチOFFであった場合には、ビデオメモリ43上で上記矩形「(x1、y1)−(v2、y2)」の枠内を青色で塗り潰すことになる。これにより、ビデオメモリ43において、この枠内の全ての画素のRGBデータが、(R,G,B)=(0,0,255)となる。
【0098】
一方、もし色変換が行われる場合には、CPU11は、まず上記スイッチOFF時の青「(R,G,B)=(0,0,255)」に対して色変換を行って例えば(R,G,B)=(0,0,63)の青にする。そして、変換後の青「(R,G,B)=(0,0,63)」を用いて上記矩形「(x1、y1)−(v2、y2)」の枠内を変換後の青色で塗り潰すことになる。これにより、ビデオメモリ43において、この枠内の全ての画素のRGBデータが、(R,G,B)=(0,0,63)となる。
【0099】
また、例えば、上記スイッチON/OFF操作に伴って表示色が変わる(赤/青)ことや、センサ等の収集データ(数値)を表示する画面部品に関してはデータ内容が変わることで、表示画面の内容が変わることになり、例えばCPU11等は表示画面の内容が変わる毎に、SDRAM15のRGBレジスタに変更後の表示画面に係わるRGBデータを格納することになり、その際に上記色変換等を行ってから格納することになる。但し、この例に限らず、SDRAM15のRGBレジスタの格納データの更新(表示画面の更新)は、例えば定周期で実行してもよいし、あるいは変数Jの更新時に実行してもよいし、これらを組み合わせて実行してもよい。
【0100】
また、上記表示画面の更新は、各画面部品毎に行うこともできる。例えば図5に示すスイッチのON/OFF切換時に、このスイッチの描画のみを更新することもできる。
あるいは、各画面部品毎に識別IDが割り当てられているので、たとえば各識別IDに対応付けて上記変数Jを登録/変更できるようにしてもよい。これは、上記自動的/手動の何れにおいても実現できる。これによって、例えば上記色変換に関して、各画面部品毎に輝度が異なるようにすることもできる。
【0101】
以上説明した実施例を実施例1とするものとする。
以下、実施例2について説明する。
上述したように、実施例1では、CPU11(21)が本手法のビットシフト処理を行う必要がある。これは、たとえグラフィックアクセラレータ14が備えられる構成であっても、グラフィックアクセラレータ14では本手法のビットシフト処理を行えないので、CPU11が行う必要がある。この為、CPU11の処理負荷が増大してしまう(CPU11のソフトウェアアプリケーションを描画サイクルに合わせて実行する必要がある為、CPU11の処理負荷が増大してしまう)。
【0102】
あるいは、ハードウェアに依って、本手法のビットシフト処理が実現できるか否かが決まってしまう。
すなわち、従来、例えば図6(a)に示す構成例のプログラマブル表示器がある。すなわち、図示のプログラマブル表示器では、ビデオ51で撮影されたビデオデータ(動画/静止画)は、CPU52を経由せずに、グラフィックアクセラレータ53を経由してVRAM54に直接展開されて表示等される。ビデオデータを扱うプログラマブル表示器の場合、この様なハードウェア構成である場合が少なくない。
【0103】
尚、図示のグラフィックアクセラレータ53、VRAM54、LCD55、FROM56は、例えば図1のグラフィックアクセラレータ14、SDRAM15、LCDパネル17、FROM12に相当する構成であると見做しても構わない。尚、LVDSコントローラIC16に相当する構成は無くてもよいし、あるいはグラフィックアクセラレータ53が「グラフィックアクセラレータ14+LVDSコントローラIC16」に相当する構成であると見做してもよい。
【0104】
また、CPU52は、上記CPU11(21)から本手法のビットシフト処理機能が削除されたものに相当すると見做してよい。CPU52は、例えば、FROM56に格納されている画面データを読み出して、この画面データをグラフィックアクセラレータ53に渡すことで(あるいは、直接、VRAM54(その不図示のRGBレジスタ)に格納することで)、LCD55に画面表示させる(画面データが、表示画面上の全画素のRGBデータである場合)。これは、例えば、図2において変換部32が無いことに相当することから、図2におけるオリジナルアプリケーション画面データを、画像データ保持メモリ31から読み出して、そのまま(変換せずに)ビデオメモリ33に格納し、これをグラフィックコントローラ34により表示部35へ出力させることに相当する。
【0105】
尚、実施例2の説明では、例えば上記SDRAM15のRGBレジスタにセットされるようなデータ(RGBデータ等)を、“描画データ”と呼ぶものとする。
グラフィックアクセラレータ53は、例えば、上記画面データやビデオデータを描画データとしてVRAM54(そのRGBレジスタ)に保管し、その後、この描画データを読出してLCD55に出力(RGB信号の出力)して表示させるものである。また、従来より、グラフィックアクセラレータ53は、例えば画面データとビデオデータとを合成して成る描画データを生成する機能等も有する。この場合、LCD55には、例えば図6(a)の図上左下に示すように、画面データによる画面上の所定領域に、ビデオデータの画像(動画/静止画)が表示されることになる。
【0106】
ここで、上記CPU52が実施例1のCPU11(21)に相当するものである場合を考える。すなわち、CPU52に、実施例1のビットシフト処理(色変換)機能を備えさせた場合を考える。
【0107】
この場合、CPU52は、FROM56に格納されている画面データに対しては、ビットシフト処理(色変換)を行うことができる。そして、CPU52は、色変換後の画面データをグラフィックアクセラレータ53に渡すことで、LCD55に画面表示させる。しかしながら、上記の構成ではビデオデータはCPU52を経由しないので、色変換機能があってもビデオデータに対して色変換(濃淡変更)を行うことはできない。
【0108】
上述したように、プログラマブル表示器が例えば上記図6(a)のような構成の場合には、ビデオデータはCPU52を経由しないので、CPU52に実施例1のビットシフト処理機能を備えさせたとしても、ビデオデータに対するビットシフト処理は行えないことになる。つまり、図6(a)のようなハードウェア構成の場合、本手法のビットシフト処理が実現できないことになり、ハードウェアに依って、本手法のビットシフト処理が実現できるか否かが決まってしまうことになる。
【0109】
これに対して、実施例2では、ハードウェア構成に依ることなく、ビットシフト処理が実現できる。また、実施例1の場合、CPU11等は、例えばLCDパネル17の描画サイクル毎に色変換処理を行うが、実施例2ではCPU52での色変換処理が不要になることから、ソフトウェアのアプリケーションにも依存せずにビットシフト処理が実現できる。
【0110】
実施例2では、例えば上記図6(a)に示す構成例に対しては、例えば図6(b)に示す構成とするものである。すなわち、図6(b)は、実施例2のプログラマブル表示器の構成例である。
【0111】
図6(b)において、図6(a)と略同様の構成要素には同一符号を付してあり、その説明は簡略化/省略するものとする。図示の通り、図6(b)のプログラマブル表示器の構成は、図6(a)の構成に対して、グラフィックアクセラレータ53−LCD55間に、ビットシフトロジック60を設けた構成となっている。
【0112】
ビットシフトロジック60は、上記CPU11(21)のビットシフト処理機能(色変換機能)を、例えばPLD(プログラマブル・ロジック・デバイス(programmable logic device)で実現するものである。
【0113】
よく知られているPLDの利用方法により、例えばユーザ等が上記CPU11等のビットシフト処理機能(色変換機能)に相当するロジックを作成し、このロジックをPLDに適用することで、このロジックを実現する回路構成の上記ビットシフトロジック60が実現されることになる。これについては、よく知られていることであるので、ここではこれ以上は説明しないものとし、ビットシフトロジック60の回路構成の一例を図7、図8に示し、これについて後に簡単に説明するものとする。
【0114】
上記のように、上記CPU11等のビットシフト処理機能(色変換機能)と同等の機能を実現する回路構成のビットシフトロジック60を設けたことにより、CPU52にはビットシフト処理機能(色変換機能)を設ける必要がなくなる。また、ビットシフトロジック60は例えば図示のようにLCD55の手前に設ける。これによって、例えば、上記のようにCPU52を経由せずに表示されるビデオデータ(動画/静止画)に対しても、本手法のビットシフト処理(色変換)を行うことができる。すなわち、ビデオデータに対しても、RGBデータを均等にビットシフトすることで色の濃淡を変化させ以って輝度を変化させることで、従来よりも低輝度とすることができる。
【0115】
また、上記FROM56に格納される上記“画面データ”に関しても、CPU52に色変換機能を備える必要なく、ビットシフトロジック60によってビットシフト(色変換)を行って、表示させることができる。
【0116】
図6(b)の構成の場合には、CPU52は、後述するビットシフトロジック60に対する制御等を行うだけであり、処理負荷が掛かることはない(少なくともビットシフト処理(色変換;濃淡変更)を行う場合に比べれば、処理負荷は非常に少なくて済む)。尚、VRAM54は、上記SDRAM15に相当する構成であるが、本例の場合にはビットシフトされていない画面データ(表示画面の全画素のRGBデータ)が、そのRGBレジスタにセットされることになる。
【0117】
そして、グラフィックアクセラレータ53は、VRAM54にセットされた描画データを読み出してLCD55に対して出力するが、この描画データは途中に設けられた上記ビットシフトロジック60によってビットシフト処理(色変換)が施されてから、LCD55に表示されることになる。
【0118】
更に、グラフィックアクセラレータ53は、従来から存在する既存機能として、画面データとビデオデータとを合成して1つにまとめてVRAM54にセットすることが行われている。これは、例えば画面データの画面上の所定領域を、ビデオデータを表示させる領域として予め確保しておき、この所定領域にビデオデータを挿入するものであるが、この例に限らない。上記図6(b)の構成では、VRAM54にセットされた描画データに対して、ビットシフト処理(色変換)を行うものである。よって、上記のように画面データ”とビデオデータとを合成して1つにまとめた描画データを、色変換することになり、一度にまとめて色変換されることになるので、効率よく色変換を行ってLCD55に出力して表示させることができる。
【0119】
以下、図7、図8を参照して、ビットシフトロジック60の具体例について説明する。
図7に示すビットシフトロジック60の回路構成は、主に、レジスタ61とビットシフトセレクタ62から成るものである。尚、ここでは、RGB3色のうちR(赤)に係る構成のみを示すが、G(緑)、B(青)についても略同様の構成であってよい。また、ここでは、図3の例に応じて、RGB各色のデータはそれぞれ8ビットであるものとする。
【0120】
ビットシフトセレクタ62には、描画データの各画素のRGBデータが入力されるものであり、図ではそのうちのR(赤)データ(図上、R[7,,0]で示す)の入力のみ示すが、図示していないだけでありB(青)データとG(緑)データも入力される。
【0121】
また、ビットシフトセレクタ62の出力は、上記入力されたRGB3色全てに対して、レジスタ61の記憶内容に応じて同じシフト量のビットシフトを行うことで(均等にビットシフトすることで)、RGBの3原色の組み合わせのバランス(RGBバランス)を略同様に保ちながら濃淡(明るさ)を変化させてなる“色変換後のRGBデータ”となる。尚、入力と同様に出力についても、図では色変換後のR(赤)データ(図上、R’[7,,0]で示す)のみを示すが、図示していないだけであり色変換後のB(青)データと色変換後のG(緑)データも出力される。尚、レジスタ61の記憶内容次第では、色変換が行われない場合(出力=入力)もある。
【0122】
また、レジスタ61には、CPU52から設定データ(図上、D[7,,0]で示す)が入力される。レジスタ61は、この設定データを保持すると共に、ビットシフトセレクタ62へ出力する。設定データは、例えば上記不図示の「色濃(暗)」/「色淡(明)」ボタンの操作に応じて、CPU52が決定・出力するものである。つまり、ボタン操作が行われる毎に、レジスタ61の記憶内容が変更されることになる。
【0123】
ここでは、図3(b)の例に応じて、設定データは、色データの0ビットシフト〜8ビットシフトまでに対応する9種類あるものとする。設定データの具体例は、ビットシフトセレクタ62の具体例に応じたものとなる。
【0124】
ビットシフトセレクタ62は、上記レジスタ61に設定されてレジスタ61から出力される設定データに応じたシフト量分、入力データ(RGBデータ;R[7,,0]等)をビットシフトして出力する。例えば、入力データが図3(b)に示す白表示パターンであり、設定データが2Bitシフトすることを示すものであった場合には、ビットシフトセレクタ62からの出力データ(色変換後のRGBデータ;R’[7,,0]等)は、図3(b)の(2)パターンに示す内容となる。
【0125】
図8は、ビットシフトセレクタ62の具体的な構成例である。
尚、本例では上記設定データは4ビットで済むものであり、従って図7ではD[7,,0]で示したが、D[3,,0]で示すものと考えてよい。
【0126】
図示の例では、ビットシフトセレクタ62は、デコーダ71とセレクタ72と有する。
CPU52は、上記「色濃(暗)」/「色淡(明)」ボタンの操作に応じて、例えばデフォルト状態(通常の色表示状態)では上記設定データは‘0000’を出力するものとし、そこから「色濃(暗)」ボタンが操作される毎に設定データを+1インクリメントしていく(但し、16進データとして1ずつ増やしていく)。つまり、「色濃(暗)」ボタンが操作される毎に設定データは、‘0000’→‘0001’→‘0010’→‘0011’→‘0100’→‘0101’→‘0110’→‘0111’→‘1000’と更新されていく。設定データはこれら9種類のデータである。
【0127】
但し、これは、実施例1におけるシフト量が‘1’の場合に相当すると見做してよく、この例に限らない。例えば、シフト量=‘2’の場合には、CPU52は、「色濃(暗)」ボタンが操作される毎に設定データを、‘0000’→‘0010’→‘0100’→‘0110’→‘1000’と更新していくことになる。
【0128】
デコーダ71は、図示の0〜8の9個の出力端子を有しており、レジスタ61にセットされる上記9種類の設定データに応じて、何れか1つの出力端子のみが‘H’出力するようになっている。すなわち、‘0000’では出力0がHとなり、‘0001’では出力1がHとなり、‘0010’では出力2がHとなる。他も同様であり一部省略するが、‘0111’では出力7がHとなり、‘1000’では出力8がHとなる。
【0129】
一方、セレクタ72は、8ビットの入力(R7〜R0)を、デコーダ71からの出力に応じて、そのまま又はビットシフトして、8ビット出力(R7OUT〜R0OUT)する。デコーダ71からの出力が、例えば出力0がHの場合には入力(R7〜R0)をビットシフトせずにそのまま8ビット出力(R7OUT〜R0OUT)する。尚、R7が最上位ビット、R0が最下位ビットであり、R7OUTが最上位ビット、R0OUTが最下位ビットである。
【0130】
上記“そのまま”出力するとは、最上位(1番目の)ビットR7の入力信号は最上位(1番目の)ビットR7OUTに出力し、最下位ビットR0の入力信号は最下位ビットR0OUTに出力することを意味する。また、ビットシフトは、図3に示す例と同様、下位方向へとシフトするものであり、従って例えば1ビットシフトの場合には、例えば、最上位ビットR7の入力信号は2番目ビットR6OUTに出力され、7番目のビットR1の入力信号は最下位ビットR7OUTに出力され、最下位ビットR0の入力信号は出力されないことになる。
【0131】
セレクタ72は、デコーダ71からの出力が、出力0がHの場合以外は、8ビットの入力(R7〜R0)を、デコーダ71からの出力に応じた所定量分、ビットシフトして出力する。例えば、デコーダ71からの出力が、例えば出力1がHの場合には1ビットシフトして出力し、例えば出力2がHの場合には2ビットシフトして出力する。2ビットシフトの場合、最上位ビットR7の入力信号は3番目ビットR5OUTに出力されることになる。
【0132】
他も略同様であり、ここでは特に説明しないが、図示の例ではデコーダ71の出力8は、セレクタ72に接続されていないので、これについて説明する。すなわち、出力8がHになる場合には、8ビットシフトすることになるが、これは図3に示すことから、セレクタ72の出力は全ビットが‘0’になることになる。
【0133】
デコーダ71の出力8がHになる場合、当然、他の出力0〜7はHではないので、図示の回路構成ではセレクタ72において選択出力される入力信号は存在しない状態になる。よって、当然、セレクタ72の出力は全ビットが0となる。
【0134】
セレクタ72は、上記動作を実現する為、例えば図示のように複数のANDゲートと複数のORゲートから成る構成となっている。これについて以下、簡単に説明する。
まず、上述したように、セレクタ72は、入力データをそのまま又は最大7ビットシフトして出力するか、もしくは出力は全ビットが‘0’になるが(これを8ビットシフトと見做してもよい)、7ビットシフトされて出力され得るのは、最上位ビットR7のみであり、2番目ビットR6は最大で6ビットシフト、3番目ビットR5は最大で5ビットシフトであり、最下位ビットR0に至ってはそのまま出力されるか出力されないかの何れかである(1ビットでもシフトされたら、出力されなくなる)。
【0135】
これより、セレクタ72の各出力(R7OUT〜R0OUT)毎に対応付けて、その出力のレベル以上のレベルの全ての入力が、そこから出力され得る構成を設けている。例えば、最上位出力のR7OUTに対しては、そのレベル以上のレベルの入力は、同レベルであるR7のみであるので、このR7のみを出力し得る構成として図示のANDゲート91が設けられている。ANDゲート91には、R7と、デコーダ71の出力0とが入力している。
【0136】
尚、ここでは、上記最上位ビット(R7、R7OUT)が最上位レベル(=レベル7)とし、最下位ビット(R0、R0OUT)が最下位レベル(=レベル0)として扱うものとする。
【0137】
同様に、最上位から2番目の出力であるR6OUTに対しては、そのレベル以上のレベルの入力は、R7とR6であるので、これらR6、R7のみを出力し得る構成として図示のANDゲート92、93及びORゲート94が設けられている。ANDゲート92には、R7と、デコーダ71の出力1とが入力している。ANDゲート93には、R6と、デコーダ71の出力0とが入力している。ORゲート94には、ANDゲート92、93の出力が入力している。
【0138】
同様に、最上位から3番目の出力であるR5OUTに対しては、そのレベル以上のレベルの入力は、R7とR6とR5であるので、これらR5,R6、R7のみを出力し得る構成として図示のANDゲート95、96、97及びORゲート98が設けられている。ANDゲート95には、R7と、デコーダ71の出力2とが入力している。ANDゲート96には、R6と、デコーダ71の出力1とが入力している。ANDゲート96には、R5と、デコーダ71の出力0とが入力している。ORゲート98には、ANDゲート95、96、97の出力が入力している。
【0139】
上記のように、各レベル毎に、そのレベルの入力に対するANDゲートには必ず出力0が入力しており、そのレベルの1つ上のレベルの入力に対するANDゲートには必ず出力1が入力しており、そのレベルの2つ上のレベルの入力に対するANDゲートには必ず出力2が入力している。まとめるならば、各レベル毎に、そのレベルよりMつ上のレベルの入力に対するANDゲートには、デコーダ71の出力Mが入力している(M=0,1,2,3、・・・;M=0の場合は同レベルを意味する)。
【0140】
セレクタ72の他の出力R4OUT〜R0OUTに関しても、上記R6OUT、R5OUT等と略同様であり、その説明は省略するものとし、上記R7OUT〜R5OUTについて更に説明する。尚、本説明では図3の例に準じて入力は白表示パターンであるものとする。よって、上記入力R0〜R7は全て‘1’であることになる。
【0141】
この例において、例えばデコーダ71の出力が、出力0のみが‘1’となるものである場合には、セレクタ72の出力は、全てのレベルにおいて、そのレベルと同レベルの入力が、出力されることになる。つまり、この場合には、セレクタ72においてビットシフトが行われることなく、そのまま出力されることになる。例えば、セレクタ72のレベル5出力の場合(最上位から3番目の出力であるR5OUTの場合)、デコーダ71の出力0のみが‘1’となる場合には、ANDゲート97のみが、入力を反映させた出力となる。上記の例では、入力R5は‘1’であるので、ANDゲート97の出力は‘1’となる。よって、当然、ORゲート98の出力は‘1’となる。つまり、R5OUTからは、同レベルの入力である入力R5の値が、出力されることになる。
【0142】
また、上記の例において、例えばデコーダ71の出力が、出力2のみが‘1’となるものである場合には、セレクタ72の出力は、全てのレベルにおいて、そのレベルより2つ上のレベルの入力が、出力されることになる。つまり、2ビットのビットシフトが行われることになる。例えば、セレクタ72のレベル5の出力の場合(最上位から3番目の出力であるR5OUTの場合)、デコーダ71の出力2のみが‘1’となる場合には、ANDゲート95のみが、入力を反映させた出力となる。上記の例では、ANDゲート95の他方の入力はR7であり、入力R7の値は‘1’であるので、ANDゲート95の出力は‘1’となる。よって、当然、ORゲート98の出力は‘1’となる。つまり、R5OUTからは、その2つ上のレベルの入力である入力R7の値が、出力されることになる。
【0143】
尚、上記構成では、デコーダ71の出力が、出力N(N=0,1,2,3、・・・)のみが‘1’となるものである場合には、最上位からN番目までの出力は全て一律‘0’になる。例えば、上記デコーダ71の出力2のみが‘1’となる例の場合には、最上位及び最上位から2番目の出力に係る全てのANDゲート91,92,93は、その一方の入力(デコーダ71からの出力)は全て‘0’であるので、その他方の入力である入力R7,R6の値に関係なく一律‘0’出力となる。よって、この例では、セレクタ72の出力R7OUT、R6OUTは、入力R7,R6の値に関係なく‘0’出力となる。
【0144】
尚、セレクタ72に関しては、RGB3色のうち、図8ではR(赤色)に対応する構成のみを示したが、当然、他の色であるG(緑)やB(青)に対するセレクタ72に関しても同様の構成となっている。
【0145】
すなわち、図8に示すように、G(緑)に対するセレクタ72には、8ビットの入力G7〜G0に対して8ビットの出力R7OUT〜R0OUTがあると共に、デコーダ71の出力(出力0〜出力7)が入力しており、上記R(赤)と同じ量だけビットシフトされることになる。つまり、図3(b)に示す例と略同様のビットシフトが行われることになる。
【0146】
また、B(青)に関しても同様に、B(青)に対する図示のセレクタ72には、8ビットの入力B7〜B0に対して8ビットの出力B7OUT〜B0OUTがあると共に、デコーダ71の出力(出力0〜出力7)が入力しており、上記R(赤)やG(緑)と同じ量だけビットシフトされることになる。つまり、図3(b)に示す例と略同様のビットシフトが行われることになる。
【0147】
上述したように、ビットシフトロジック60は、例えば上記図7、図8に示す回路構成であり、上記の通り、ユーザの操作に応じたCPU52からの設定データによって(レジスタ61にセットされる設定データによって)、この設定データが示す所定量分、入力データ(RGB信号)をビットシフトして出力する回路機能を有する。
【0148】
ここで、実施例2に係わる構成は、上述した図6(b)の例に限らない。例えば、図9(a)、(b)等に示す構成であっても構わない。
図9(a)に示す構成例において、図6(b)に示す構成と略同様の構成には、同一符号を付してあり、その説明は簡略化/省略する。これより、図示の通り、図9(a)の構成例は、図6(b)の構成からビデオ51が除外されたものに相当すると見做してよい。
【0149】
図6(b)の場合、上述したように、VRAM54には“ビデオデータ”または“画面データ”もしくは“画面データ+ビデオデータ”が格納されるものであり、これより、ビットシフトロジック60は、“ビデオデータ”または“画面データ”もしくは“画面データ+ビデオデータ”に対してビットシフト処理(色変換)を行って、LCD55に表示させるものであった。
【0150】
これに対して、図9(a)の例の場合、VRAM54には“画面データ”のみが格納されるものであり、これより、ビットシフトロジック60は、“画面データ”に対してビットシフト処理(色変換)を行って、LCD55に表示させる。つまり、実施例1の図1(a)、(b)と略同様のことを、CPUに処理負荷を掛けることなく、実現することが可能となるものである。換言すれば、実施例2において、“ビデオデータ”に対するビットシフト処理(色変換)は、必須のものではないということである。
【0151】
尚、この場合、CPU52は、FROM56に格納されている画面データを、ビットシフト処理(色変換)することなく、(例えばグラフィックアクセラレータ53を介して)VRAM54にセットすることになる。
【0152】
また、上記実施例1では、図1(a)の構成に限らず図1(b)の構成であってもよいのと同様に、実施例2でも(“ビデオデータ”が無い場合には)グラフィックアクセラレータ53は必ずしも存在しなくても構わない。すなわち、図9(b)に示すような構成であっても構わない。
【0153】
図9(b)に示す構成例において、図9(a)に示す構成と略同様の構成には、同一符号を付してあり、その説明は簡略化/省略する。これより、図示の通り、図9(b)の構成例は、図9(a)の構成からグラフィックアクセラレータ53が除外されたものに相当すると見做してよい。この場合、上記図1(b)の場合と略同様に(但し、勿論、CPU52は色変換は行わないが)、CPU52は、FROM56から画面データを読み出して描画データとしてVRAM54にセットした後、VRAM54に格納された描画データをLCD55に対して出力する。この描画データは、途中で、ビットシフトロジック60によって色変換されてから、LCD55に表示されることになる。
【0154】
上記の通り、実施例2に関して様々な構成があって構わないが、CPU52にはビットシフト処理(色変換)機能を設ける必要がなく、よってCPU52はビットシフト処理(色変換)を行わない点(CPUの処理負荷が軽減される点)では同じである。さらに、“ビデオデータ”のようにCPU52を経由しないデータであっても、ビットシフト処理(色変換)することができ、ハードウェア構成に依らずに色変換(濃淡変更)を行うことができる。当然、実施例1と同様、色の濃淡を変化させ以って輝度を変化させることで、従来よりも低輝度とすることができる。
【0155】
あるいは、例えば、“画面データ+ビデオデータ”のような合成画面に対しても、ビットシフト処理(色変換)して、色の濃淡を変化させ以って輝度を変化させることで、従来よりも低輝度とすることができる。これに関しては、まとめて一度に効率よく色変換を行えるという効果も得られる。
【0156】
また、実施例2のプログラマブル表示器では、上記図6〜図9で説明したように、CPU52からの設定データ(制御信号)によって、ビットシフトロジック60によるビットシフト量を決定できるのであるから、これを利用することで、実施例1における他の特徴・機能を、実施例2の構成において実現することも可能である。
【0157】
実施例1における他の特徴・機能とは、例えば、上述した設定時刻に応じた機能である。
すなわち、実施例1に関して既に『上記変換部42は、上記変換部32と同様に、例えばユーザ操作による色変換指示に応じた上記変数Jを保持しており、この変数Jに応じた色変換を行うことになる。しかし、上記変換部42の場合には、上記設定データの設定時刻になると現在の変数Jの値に関係なく強制的に変数Jの値を設定値に変更する。そして、変更後の変数Jを用いて色変換を行うことになる。基本的には上記一例のように周囲が明るくなっていくことに応じて徐々に明るい(淡い)色へとシフトしていくことで、輝度を上げていくことになる。』との説明を行った。
【0158】
これに対して、実施例2のCPU52は、上記変換部42の機能の一部を有する。CPU52は、当然、上記「変更後の変数Jを用いて色変換を行う」機能は、有していない。しかし、CPU52は、『上記設定データの設定時刻になると現在の変数Jの値に関係なく強制的に変数Jの値を設定値に変更する』機能は有している。ここで、CPU52は、元々、変数Jの値に応じた上記設定データを、上記レジスタ61に対して出力してレジスタ61に記憶させていたものと見做すこともできる。この様なCPU52による制御によって、ビットシフトロジック60は、現在時刻が設定時刻になると、ユーザ操作結果に関係なく、そのシフト量を、設定時刻に応じて設定されている設定値へと変更することになる。
【0159】
これは例えば、CPU52において、上記実施例1で説明した「AM4:00:変数J=4」、「AM5:00:変数J=3」、「AM6:00:変数J=1」等のように、複数の設定時刻に対してそれぞれ任意の変数Jの設定値を対応付けて記憶しておくことで(例えば、CPU52内の不図示のメモリに記憶しておく)、例えば例えば周囲が明るくなっていくことに応じて徐々に明るい(淡い)色へとシフトさせるような上記設定データを、上記レジスタ61に対して出力していくことになる。これによって、夜明け等、周囲が徐々に明るくなるに従って、ビットシフトロジック60は、上記CPU52からの制御信号(設定データ)に応じて画面の輝度を上げていくことになる。
【0160】
尚、実施例1でも説明したように、複数の設定時刻に対応付けて記憶する情報は、上記変数Jの設定値に限るものではなく、輝度を上げる為の何らかの情報(「復帰データ」と呼ぶ)であればよい。CPU52は、現在時刻が複数の設定時刻の何れかの時刻となったら、この設定時刻に対応する上記「復帰データ」に応じた制御信号(設定データ)を、上記レジスタ61に対して出力してレジスタ61に記憶させることになる。ビットシフトロジック60は、この設定データに応じたシフト量分、入力データ(RGBデータ)をビットシフトして出力することになる。これによって、例えば、夜明け等、周囲が徐々に明るくなると、ビットシフトロジック60は、CPU52の制御に従って、画面の表示色が現状より淡くなるようにビットシフトを行うことで、画面の輝度を上げていくことになる。
【0161】
あるいは、実施例2においても、上記実施例1の場合と同様、上記「復帰データ」を、上記「輝度UP」ボタンが操作されたことに相当するデータとしてもよく、この場合にはバックライト光量を徐々に増加していくことで輝度を上げていくことになる。この様な「復帰データ」に応じたバックライト光量の制御は、CPU52が実行することになる。
【0162】
あるいは、明るい(淡い)色への色変換とバックライト光量増加の両方を行うような「復帰データ」としてもよい。この場合には、CPU52は、現在時刻に該当する設定時刻に対応する「復帰データ」に基づいて、ビットシフトロジック60に対してこの「復帰データ」に応じた制御信号(設定データ)を出力することで表示色が現状より淡くなるようにビットシフトを行わせると共に、自身はバックライト光量を増加させる制御を行うことになる。
【0163】
また、例えば、実施例2のプログラマブル表示器においても、上記実施例1の図4の例と略同様に、上述した物理ボタン51(ファンクションスイッチ)を用いるようにしてもよい。物理ボタン51については、既に実施例1において説明してあるので、ここでの説明は省略する。
【0164】
ここで、上記実施例2のプログラマブル表示器の各構成は、例えば下記の機能を有するものと言うことができる。
すなわち、まず、上記VRAM54は、例えば、ビデオ51などから入力されるビデオデータ、または/及び、FROM56に保持されている任意の画面データが、LCD55の表示画面の描画データとして記憶される描画データ記憶部であると言える。
【0165】
また、上記グラフィックアクセラレータ53は、例えば、上記描画データ記憶部に記憶されている上記表示画面の描画データを、表示部(LCD55)に対して出力する描画データ出力部であると言える。
【0166】
また、上記ビットシフトロジック60は、上記描画データ出力部と上記表示部(LCD55)との間に設けられる回路ユニットであって、上記描画データの各画素の表示色を決定する各RGBデータに対して、ビットシフトによる色変換を実行することで、該表示色の濃淡を変更する色変換ユニットであると言える。
【0167】
この色変換ユニットは、所定の指示操作(上記不図示の「色濃(暗)」ボタン操作など)があった場合には、上記表示色を濃くするようにビットシフトを行うことで、上記表示部に表示される表示画面の輝度を低下させる。
【0168】
また、色変換ユニットは、他の所定の指示操作(上記不図示の「色淡(明)」ボタン操作など)があった場合には、上記表示色を淡くするようにビットシフトを行うことで、上記表示部に表示される表示画面の輝度を上げる。
【0169】
また、CPU52は、例えば、上記所定の指示操作を受け付けると共に、該所定の指示操作に応じた制御信号を色変換ユニットに対して出力する制御部であるものと言える。色変換ユニットは、該制御信号に応じたシフト量分のビットシフトを実行する。
【0170】
また、上記制御部は、上記FROM56に保持されている任意の画面データを読み出して、これを上記LCD55の表示画面の描画データとして上記描画データ記憶部に記憶させる機能も有する。
【0171】
また、上記グラフィックアクセラレータ53は、例えば、上記入力されるビデオデータを上記描画データとして上描画データ記憶部に記憶するか、あるいは上記入力されるビデオデータと上記画面データとを合成して成る描画データを、上記描画データ記憶部に記憶するグラフィック制御部としての機能も有するものと見做してもよい。
【0172】
また、上記色変換ユニットは、上記制御信号を記憶する上記レジスタ61と、このレジスタ61に記憶されている制御信号の値に応じた選択信号を出力する上記デコーダ71と、上記RGBデータと上記選択信号とを入力して、該RGBデータを該選択信号に応じたシフト量分ビットシフトする上記セレクタ72とを有するものと見做すことができる。
【0173】
あるいは、上記制御部は、任意の設定時刻に対応付けて所定の復帰データが記憶された復帰データ記憶部を有している。そして、制御部は、現在時刻が設定時刻になったら、該設定時刻に対応する復帰データに応じた制御信号を、上記色変換ユニットに対して出力する。
【0174】
一方、上記色変換ユニットは、上記制御部から出力される上記設定時刻に対応する復帰データに応じた制御信号に従って、上記表示色が現状より淡くなるように上記ビットシフトを行うことで、上記輝度が低下させられた表示画面の輝度を上げる。
【0175】
例えば、上記設定時刻とこれに対応する復帰データは、複数記憶されており、各設定時刻になる毎にそれに対応する復帰データを用いて上記表示画面の輝度を徐々に上げるようにしてもよい。これは、例えば、夜明け等、周囲が徐々に明るくなるにしたがって、色変換ユニットは、上記制御部からの制御信号に従って、表示画面の表示色が現状より淡くなるようにビットシフトを行うことを繰り返すことで、表示画面の輝度を徐々に上げていくことになる。
【0176】
また、例えば、上記制御部は、上記表示部のバックライトの光量を調整制御するバックライト制御部を有しており、このバックライト制御部は、現在時刻が上記設定時刻になったら、該設定時刻に対応する復帰データに応じて上記バックライトの光量を増加することで、上記輝度が低下させられた表示画面の輝度を上げるようにしてもよい。
【0177】
また、上記制御部は、上記色変換ユニットを制御して表示画面の輝度を上げさせることと、上記バックライトの光量を増加することの両方を行うようにしてもよい。
また、上記実施例2のプログラマブル表示器は、例えば、上記表示部上に表示される画面部品としての操作ボタンとは異なる、物質的な操作ボタンを更に有し、該物質的な操作ボタンには、上記表示画面の輝度を上げるためのコマンドが割り当てられているものであってもよい。
【符号の説明】
【0178】
10 プログラマブル表示器
11 CPU
12 FROM
13 SDRAM
14 グラフィックアクセラレータ
15 SDRAM
16 LVDSコントローラIC
17 LCDパネル
20 プログラマブル表示器
21 CPU
22 FROM
23 SDRAM
24 LCDパネル
31 画面データ保持メモリ
32 変換(ビットシフト)部
33 ビデオメモリ
34 グラフィックコントローラ
35 表示部
36 PWM制御部
41 画面データ保持メモリ
42 変換(ビットシフト)部
43 ビデオメモリ
44 グラフィックコントローラ
45 表示部
46 PWM制御部
47 設定部
48 タイマ
51 ビデオ
52 CPU
53 グラフィックアクセラレータ
54 VRAM
55 LCD
56 FROM
60 ビットシフトロジック
61 レジスタ
62 ビットシフトセレクタ
71 デコーダ
72 セレクタ
91 ANDゲート
92,93 ANDゲート
94 ORゲート
95,96,97 ANDゲート
98 ORゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備えるプログラマブル表示器であって、
前記表示部に任意の表示画面を表示する表示制御装置を有し、
該表示制御装置は、
入力されるビデオデータ、または/及び、保持されている任意の画面データが、前記表示画面の描画データとして記憶される描画データ記憶手段と、
前記描画データ記憶手段に記憶されている前記表示画面の描画データを、前記表示部に対して出力する描画データ出力手段と、
前記描画データ出力手段と前記表示部との間に設けられる回路ユニットであって、前記描画データの各画素の表示色を決定する各RGBデータに対して、ビットシフトによる色変換を実行することで、該表示色の濃淡を変更する色変換ユニットとを有し、
前記色変換ユニットは、所定の指示操作があった場合には前記表示色を濃くするように前記ビットシフトを行うことで前記表示部に表示される前記表示画面の輝度を低下させることを特徴とするプログラマブル表示器。
【請求項2】
前記所定の指示操作を受け付けると共に、該所定の指示操作に応じた制御信号を前記色変換ユニットに対して出力する制御手段を更に有し、
前記色変換ユニットは、該制御信号に応じたシフト量分の前記ビットシフトを実行することを特徴とする請求項1記載のプログラマブル表示器。
【請求項3】
前記入力されるビデオデータを前記描画データとして前記描画データ記憶手段に記憶するか、あるいは前記入力されるビデオデータと前記画面データとを合成して成る前記描画データを前記描画データ記憶手段に記憶するグラフィック制御手段を更に有することを特徴とする請求項1または2記載のプログラマブル表示器。
【請求項4】
前記色変換ユニットは、PLD(プログラマブルロジックデバイス)で実現されるものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプログラマブル表示器。
【請求項5】
前記色変換ユニットは、前記制御信号を記憶するレジスタ部と、該レジスタ部に記憶されている制御信号の値に応じた選択信号を出力するデコーダ部と、前記RGBデータと前記選択信号とを入力して、該RGBデータを該選択信号に応じたシフト量分ビットシフトするセレクタ部を有することを特徴とする請求項2記載のプログラマブル表示器。
【請求項6】
前記制御手段は、任意の設定時刻に対応付けて所定の復帰データが記憶された復帰データ記憶手段を有し、現在時刻が前記設定時刻になったら、該設定時刻に対応する前記復帰データに応じた前記制御信号を、前記色変換ユニットに対して出力することを特徴とする請求項2記載のプログラマブル表示器。
【請求項7】
前記色変換ユニットは、前記制御手段からの前記設定時刻に対応する前記復帰データに応じた前記制御信号に従って、前記表示色が現状より淡くなるように前記ビットシフトを行うことで、前記輝度が低下させられた表示画面の輝度を上げることを特徴とする請求項2記載のプログラマブル表示器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記表示部のバックライトの光量を調整制御するバックライト制御手段を有し、
該バックライト制御手段は、現在時刻が前記設定時刻になったら、該設定時刻に対応する前記復帰データに応じて前記バックライトの光量を増加することで、前記輝度が低下させられた表示画面の輝度を上げることを特徴とする請求項2または6記載のプログラマブル表示器。
【請求項9】
前記表示部上に表示される画面部品としての操作ボタンとは異なる、物質的な操作ボタンを更に有し、
該物質的な操作ボタンには、前記表示画面の輝度を上げるためのコマンドが割り当てられていることを特徴とする請求項1記載のプログラマブル表示器。
【請求項10】
表示部と、該表示部に任意の表示画面を表示する表示制御装置を有するプログラマブル表示器における該表示制御装置であって、
入力されるビデオデータ、または/及び、保持されている任意の画面データが、前記表示画面の描画データとして記憶される描画データ記憶手段と、
前記描画データ記憶手段に記憶されている前記表示画面の描画データを、前記表示部に対して出力する描画データ出力手段と、
前記描画データ出力手段と前記表示部との間に設けられる回路ユニットであって、前記描画データの各画素の表示色を決定する各RGBデータに対して、ビットシフトによる色変換を実行することで、該表示色の濃淡を変更する色変換ユニットとを有し、
前記色変換ユニットは、所定の指示操作があった場合には前記表示色を濃くするように前記ビットシフトを行うことで前記表示部に表示される前記表示画面の輝度を低下させることを特徴とするプログラマブル表示器の表示制御装置。



【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−73119(P2013−73119A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213540(P2011−213540)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(591016253)発紘電機株式会社 (23)
【Fターム(参考)】