説明

プログラム、情報記憶媒体、ゲーム装置およびゲーム装置管理装置

【課題】 操作入力手段の不具合が、誰が診断しても容易に故障の判断がつく程度まで進行してしまう前に異常を検知すること。
【解決手段】 操作入力部200の操作入力信号の欠落を検出する。そして、検出結果を正常状態基準データ318と比較することで、容易に故障の判断がつく程度まで不具合が進行する前の段階での不具合の兆候を察知する。判定結果は、異常判定報知設定データ326に従って報知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
操作入力手段からの操作入力信号に応じて所与のゲームを実行可能なコンピュータに、前記操作入力手段の異常を判定する機能を実現させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
プレーヤが、方向キーやボタンスイッチ等の操作入力手段からゲーム操作を入力すると、この操作入力に応じた所与のゲームを実行するゲーム装置が知られている。また、そうしたゲーム装置を店舗内に多数配置し、不特定多数のプレーヤに有料でゲームを楽しませる所謂「ゲームセンタ」「アミューズメント施設」などと呼ばれる娯楽施設もまた知られるところである。
【0003】
こうした多数のゲーム装置を配置した娯楽施設では、いかに少ない手間とコストで多数のゲーム装置を管理するかが施設運営における重要な問題である。これに関する技術としては、例えば店舗内に敷設された電力線を用いてゲーム装置からトラブル情報を収集可能にすることで、ゲーム装置の配置レイアウトの変更に容易に対応できる管理システムなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−210067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
娯楽施設に配置されたゲーム装置(以下、「業務用ゲーム装置」と言う。)は、使用頻度が高いために家庭で個人的に使用される家庭用ゲーム装置に比べると、どうしてもハードウェアの故障が発生しやすい。中でも一度のゲームプレイで何度も使用される操作入力手段は他の操作入力手段に比べて格段に使用回数が多いため、故障頻度が高くなる。特にはシューティングゲームで弾の発射や、格闘ゲームで突きや蹴りのタイミングを入力するのに使用されるボタンスイッチは、使用回数が圧倒的に多いため、故障の頻度が高い。上述のような娯楽施設では、ゲームプレイ中に思ったようにプレイできないと感じたプレーヤからの通報に基づいて施設管理者が操作入力手段が正常に機能しているかテスト・診断し、操作入力手段(ボタンスイッチの場合ならば、スイッチごと)を交換するケースが多い。
【0005】
ところが、不具合を通報してくれるプレーヤばかりとは限らず、通報することなく調子の悪いゲーム装置を避けてプレイするケースや、更には他の娯楽施設に移動してしまうといったケースがある。不具合の通報がなされないと、不具合のあるゲーム装置の発見が遅れることでその稼働率が下がり、他施設への客の移動によって店舗収入が低下するといった事態に発展する恐れがある。娯楽施設の管理の観点からは望ましくない。
【0006】
特に、娯楽施設における中心的な客層のひとつにはゲームに習熟した上級者が多く、不具合を通報しない傾向が強い。さらには、そうした上級者の場合、操作入力手段が完全に故障してしまわない前兆段階の不具合(異常)を感じ、そのゲーム装置でのプレイを避け、ひいては同施設を避けるケースが多い。
【0007】
前兆段階の不具合は、ボタンスイッチを明らかに押しているのに入力がされないといった誰でも容易に故障の判断がつく場合に比べ、数十回以上の操作に対して不具合がわずか数回生じるかどうかの発生率である。従って、前兆段階においては、プレーヤから施設管理者に上述のような通報があったとしても再現性に乏しいことから、娯楽施設管理者がチェックしたとしても、不具合の発生を発見することは難しい。そのため、前兆段階で娯楽施設管理者が正常と診断して対処しないままにすると、そう遠くないうちに完全故障に至り、その間にも上級者プレーヤの施設離れが起きてしまうといった事態になる恐れがあった。また、上級者プレーヤからの通報があったからといって、これが100%正しい判断とも限らないのであるから、仮に通報の都度すべてのケースにおいて操作入力手段をまるごと交換することは、コスト的にも適当とは言えない。
【0008】
本発明は、こうした事情を鑑みて考案されたものであり、操作入力手段が完全故障に至る前の異常を検知することで、前兆段階の不具合に速やかに対処可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、操作入力手段(例えば、図2のボタンスイッチ1310)からの操作入力信号に応じて所与のゲームを実行可能なコンピュータ(例えば、図2の業務用ゲーム装置1300)を、前記操作入力手段の不具合時に発生するとして予め定められた信号欠落が生じていることを前記操作入力手段からの操作入力信号をもとに検出する検出手段(例えば、図3の異常検知部120、図4の一次異常判定部122)、前記検出手段による検出の履歴を記憶する検出履歴記憶手段(例えば、図3の異常検知部120、記憶部300、図4の一次異常判定履歴管理部130)、前記検出履歴記憶手段により記憶された検出履歴に基づいて、前記操作入力手段の異常を判定する異常判定手段(例えば、図3の異常検知部120、二次異常判定部132)、前記異常判定手段による判定結果に基づいた報知を行う報知手段(例えば、図3の異常報知制御部140)、として機能させるためのプログラム(例えば、図3のゲームプログラム302、異常検知プログラム304)である。
【0010】
また、第14の発明は、操作入力手段からの操作入力信号に応じてゲームを実行するゲーム装置であって、前記操作入力手段の不具合時に発生するとして予め定められた信号欠落が生じていることを前記操作入力手段からの操作入力信号をもとに検出する検出手段と、前記検出手段による検出の履歴を記憶する検出履歴記憶手段と、前記検出履歴記憶手段により記憶された検出履歴に基づいて、前記操作入力手段の異常を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段による判定結果に基づいた報知を行う報知手段とを備えたゲーム装置である。
【0011】
第1,14の発明によれば、操作入力手段からの操作入力信号をもとに信号の欠落が生じていることを検出し、その検出の履歴から異常を判定して報知することができる。つまり、操作入力手段が完全な故障に至るまでの前兆段階を検出することができるため、容易に故障の判断がつく程度まで不具合が進行する前の段階で不具合を察知して、操作入力手段の異常を報知することが可能になる。したがって、前述のような娯楽施設を管理する立場からすると、通報を受けて施設管理者がテストしても再現性に乏しいような前兆段階の異常であっても的確に異常を把握し、早期に不具合に対処することができる。その結果、ゲーム装置の稼動率低下、ひいては店舗からの客離れを未然に防ぐことができる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明であって、前記異常判定手段が、前記検出手段による検出頻度の変化に基づいて異常度合(例えば、図10の一次判定320cの「低」「中」「高」、図11の二次判定の「異常無し」「注意」「警告」)を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0013】
また、第15の発明は、第14の発明のゲーム装置であって、前記異常判定手段が、前記検出手段による検出頻度の変化に基づいて異常度合を判定することを特徴とするゲーム装置である。
【0014】
操作入力手段の故障に至る経過は、極めて稀にしか現れなかった不具合が徐々にその出現頻度を高め、ついには使用に堪えなくなる状態に至るといった傾向を有する。
第2,15の発明によれば、第1,14の発明と同様の効果を奏するとともに、検出手段による検出頻度の変化に基づいて異常度合を判定することができる。したがって、上述のような故障に至る経過を想定した場合に、現在どのあたりの異常の程度なのかを判定し報知することができる。
【0015】
上述のような娯楽施設では、比較的初級者レベルの客層をターゲットにするケースと上級者を主たるターゲットとするケースとが有る。操作入力手段の交換をどの程度の異常度合で実施するかは、ゲーム装置の稼動率をどの程度に維持し施設経営の売り上げにつなげるかに係る重要な要素である。本発明によれば、施設運営の観点から重要な判断材料を提供することが可能になると言える。
【0016】
第3の発明は、第2の発明であって、前記ゲームは、制御データが異なることによってゲーム進行が多様に変化する単位ゲームを、前記制御データを変えて実行可能なゲームであり、前記異常判定手段が、実行された単位ゲーム毎の前記検出手段の検出結果の変化に基づいて異常度合を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0017】
また、第16の発明は、第15の発明のゲーム装置であって、前記ゲームは、制御データが異なることによってゲーム進行が多様に変化する単位ゲームを、前記制御データを変えて実行可能なゲームであり、前記異常判定手段が、実行された単位ゲーム毎の前記検出手段の検出結果の変化に基づいて異常度合を判定することを特徴とするゲーム装置である。
【0018】
ここで言う「単位ゲーム」とは、ゲームの種類に応じて、例えばロールプレイングゲームのストーリの章やシーン、攻略すべきダンジョン等に該当し、シューティングゲームなら一つのステージ、格闘ゲームなら一つの対戦試合に相当する。ゲーム中に挿入される所謂ボーナスステージもこれに該当する。
【0019】
そして、単位ゲームをプレイすると、そのプレイ結果に応じて制御データ(例えば、攻略した単位ゲームのリスト、ヒットポイントやアイテムリスト、攻略した敵キャラクタの種類や数といったものを示す各種パラメータがこれに該当する。)が変更され、その状態に応じて次にプレイ可能な単位ゲームが変化することで、全体として一つのゲームであるが内容としては多様性に富んだものとなる。
【0020】
こうしたゲームの場合、ゲームが終了してから操作入力手段の異常が報知される構成では、プレーヤに、長い時間をかけてやったことが無駄になったような失望感を与える恐れがある。第3,16の発明によれば、第2,15の発明と同様の効果を奏するとともに、単位ゲームごとに異常の判定をすることができるのでこれを未然に防ぐことができる。
【0021】
第4の発明は、第1〜3の何れかの発明であって、前記ゲームの進行状況が予め定められた特定状況であることを検出する特定状況検出手段(例えば、図3の異常検知部120、図4の特定状況検出部126)として前記コンピュータを機能させ、前記検出手段が、前記特定状況検出手段により検出がなされている際の操作入力信号をもとに、信号欠落の発生を検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0022】
また、第17の発明は、第14〜16の何れかの発明のゲーム装置であって、前記ゲームの進行状況が予め定められた特定状況であることを検出する特定状況検出手段を更に備え、前記検出手段が、前記特定状況検出手段により検出がなされている際の操作入力信号をもとに、信号欠落の発生を検出することを特徴とするゲーム装置である。
【0023】
操作入力の傾向を統計的に観察すると、不特定多数のプレーヤに使用される条件であっても、ゲームの進行状況がある特定の条件を満たす場合には、プレーヤの個性の影響が小さくなり操作入力に特定の傾向がみられる。
したがって、第4,17の発明によれば、ゲームの進行状況が特定の状況である場合の操作入力に注視して異常の判定をするので、操作入力信号の欠落の検出精度を高めることができる。
【0024】
第5の発明は、第4の発明であって、前記特定状況検出手段が、前記操作入力手段から時間間隔の短い連続入力をすることによって好成績が望める状況を前記特定状況として検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0025】
第5の発明によれば、第4の発明と同様の効果を奏するとともに、時間間隔の短い連続入力をする場合に注視して、このときの操作入力における入力信号の欠落を検知し異常判定をすることができる。
【0026】
時間間隔の短い連続入力をすることによって好成績が望める状況では、誰しもできるだけ早く入力しようとするので、操作入力に見られる傾向は、不特定多数間で比較しても、或いは特定のプレーヤに限って観察してもバラつきが小さくなり、ある程度の範囲に収まる。すなわち、時間間隔の短い連続入力をすることによって好成績が望める状況を前記特定状況とすることによって、操作入力手段が正常状態であることを表す基準状態を特定し易く、入力信号の欠落が検知し易くなる。それによって、異常判定の精度を高めることができる。
【0027】
第6の発明は、第4又は5の発明であって、前記ゲームは、制限時間が設けられたゲームであり、前記特定状況は、前記制限時間とゲームの実行経過時間との関係に基づいて予め定められた状況であり、前記特定状況検出手段が、前記ゲームの実行時間経過に基づいて、前記特定状況であることを検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0028】
第6の発明によれば、第4又は5の発明と同様の効果を奏するとともに、制限時間とゲームの実行経過時間との関係に基づいて予め定められた特定の状況における操作入力に注視して操作入力信号の欠落を検出し、異常判定をすることができる。
【0029】
制限時間が残りあとどのくらいか、すなわち制限時間と実行経過時間との関係によっては、プレーヤは一所懸命にプレイする。結果、そのときの操作入力は、当該プレーヤの限界、時には人間の手指の動作の限界に近い状態で行われる。したがって、この時の操作入力に見られる傾向のバラつきは、極めて小さくなるので、更に操作入力手段が正常状態であることを表す基準状態を特定し易くなり、入力信号の欠落が検知し易くなる。結果、異常判定の精度を更に高めることができる。
【0030】
第7の発明は、第1〜6の何れかの発明であって、前記ゲームは、プレーヤキャラクタの種類及び/又は保有アイテム等の操作対象物によって前記操作入力手段の操作方法が異なるゲームであり、前記検出手段が、前記操作対象物それぞれに応じて予め定められた信号欠落のうち、現在実行中のゲームにおける操作対象物の信号欠落が生じていることを検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0031】
また、第18の発明は、第14〜17の何れかの発明のゲーム装置であって、前記ゲームは、プレーヤキャラクタの種類及び/又は保有アイテム等の操作対象物によって前記操作入力手段の操作方法が異なるゲームであり、前記検出手段が、前記操作対象物それぞれに応じて予め定められた信号欠落のうち、現在実行中のゲームにおける操作対象物の信号欠落が生じていることを検出することを特徴とするゲーム装置である。
【0032】
第7,18の発明によれば、操作対象物それぞれにおける信号欠落が定義し易くなるので、信号の欠落を精度よく判定することが可能になる。
操作対象物であるプレーヤキャラクタの種類や保有アイテムによって操作入力が異なる例としては、例えばキャラクタによって特別な技(攻撃方法)が設定されており、この特別な技を発動させるためにはある特定の入力操作手順が必要となる場合が該当する。また、キャラクタが保有するアイテムとしての武器の種類も同様であり、例えば連打することによって攻撃力を蓄積し、連打を止めた瞬間に発射・発動されるような武器や魔法などもこれに該当する。いずれも、操作対象物によって操作入力のパターンが限定されており、信号欠落に該当する事象も限定的になる。したがって、信号欠落なのかそれ以外なのかを精度よく判定することが可能になり、結果、異常判定の精度を向上させることができる。
【0033】
第8の発明は、第7の発明であって、前記検出履歴記憶手段が、前記検出手段による検出結果を、当該検出時の操作対象物と対応付けて記憶し、前記異常判定手段が、前記操作対象物それぞれに応じた操作方法に基づいて、前記操作入力手段の異常を判定する、ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0034】
第8の発明によれば、第7の発明と同様の効果を奏するとともに、操作対象物と検出結果との組み合わせに応じて異常判定できるので、より判定の精度を高めることができる。
【0035】
第9の発明は、第1〜6の何れかの発明であって、前記ゲームには、前記操作入力手段の操作方法が異なる複数のゲームステージが含まれており、前記検出手段が、前記ゲームステージそれぞれに応じて予め定められた信号欠落のうち、現在実行中のゲームステージに対応する信号欠落が生じていることを検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0036】
第19の発明は、第14〜18の何れかの発明のゲーム装置であって、前記ゲームには、前記操作入力手段の操作方法が異なる複数のゲームステージが含まれており、前記検出手段が、前記ゲームステージそれぞれに応じて予め定められた信号欠落のうち、現在実行中のゲームステージに対応する信号欠落が生じていることを検出することを特徴とするゲーム装置として構成されている。
【0037】
操作入力の傾向は、ゲームの内容によって影響を受ける。そして、近年の傾向として、全体として一つのゲームでも、さまざまな楽しみ方ができるように、操作方法が異なる複数のゲームステージが含まれるものが存在する。操作方法に特徴があれば、操作入力手段が異常である場合に現れる信号欠落にも当然に特徴がある。
第9,19の発明によれば、ゲームステージそれぞれに応じて信号欠落の定義をし、現在実行中のゲームステージに対応する信号欠落が生じていることを検出することができるので、操作入力手段の操作方法の異なる複数のゲームステージが含まれるゲームであっても、ゲームステージのゲーム内容に応じた適切かつ精度の高い異常判定を実現することができる。
【0038】
第10の発明は、第9の発明であって、前記検出履歴記憶手段が、前記検出手段による検出結果を、当該検出時のゲームステージと対応付けて記憶し、前記異常判定手段が、前記ゲームステージそれぞれに応じた操作方法に基づいて、前記操作入力手段の異常を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0039】
第10の発明によれば、第9の発明と同様の効果を奏するとともに、検出結果をゲームステージと対応付けて記憶し、これに基づいて異常判定をすることができる。したがって、ゲームステージ毎に異常を判定することができる。
【0040】
第11の発明は、第1〜10の何れかの発明であって、前記コンピュータを、更に、前記ゲームを終了する際に、今回のゲームプレイ結果に基づいてゲームプレイ履歴情報を更新するゲームプレイ履歴情報更新手段(例えば、図3のゲーム演算部110、ゲームプレイ履歴更新部160、図17のステップS124)、前記異常判定手段により異常と判定された場合に、前記ゲームプレイ履歴情報更新手段による更新をキャンセルする更新キャンセル処理手段(例えば、図3のゲーム演算部110、ゲームプレイ履歴更新部160、図17のステップS122)として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0041】
また、第20の発明は、第14〜19の何れかの発明のゲーム装置であって、更に、前記ゲームを終了する際に、今回のゲームプレイ結果に基づいてゲームプレイ履歴情報を更新するゲームプレイ履歴情報更新手段と、前記異常判定手段により異常と判定された場合に、前記ゲームプレイ履歴情報更新手段による更新をキャンセルする更新キャンセル処理手段とを備えることを特徴とするゲーム装置として構成されている。
【0042】
ゲームプレイ履歴情報には、プレーヤ毎に設けられる過去のゲーム結果履歴や、その結果として設定される各種のパラメータ(例えば、段位、所有するアイテム、仮想貨幣など)のデータが格納されている。ゲームに習熟した上級者であればある程、ゲームプレイの成果が格納されるゲームプレイ履歴情報は大切なものであり、不本意なゲーム結果を反映させることは望まない傾向にある。
【0043】
第11,20の発明によれば、操作入力手段の異常が判定された場合に、ゲームプレイ履歴情報の更新をキャンセルすることができる。したがって、前述のようにゲームプレイ履歴情報の内容を大切にするプレーヤの立場に立ってみれば、操作入力手段の異常によって十分に実力が発揮されなかった今回のゲームプレイをなかったことにすることができるので、ゲーム装置の不具合があったとしても納得してもらうことができる。プレーヤの立場に立った対応が取れることになるので、娯楽施設を運営する立場からすると極めてメリットが高い。
【0044】
第12の発明は、第1〜11の何れかの発明であって、前記報知手段が、前記ゲーム進行中に報知を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0045】
第12の発明によれば、第1〜11の何れかの発明と同様の効果を奏するとともに、ゲーム進行中に、異常が有ったことを報知できる。したがって、操作入力手段に不具合があるのを知らされずにゲームを一所懸命にプレイし続け、ゲーム終了時に今までのプレイは操作入力手段の不具合で十分に本来の実力を発揮したものでないことを知らされ、プレーヤに失望感を与えてしまうといったことを未然に防ぐことができる。
【0046】
第13の発明は、第1〜12の何れかに記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0047】
ここで「情報記憶媒体」とは、記憶されている情報をコンピュータが読み取り可能な、例えばハードディスクやMO、CD−ROM、DVD、メモリカード、ICメモリ等の記憶媒体である。従って、この第13の発明によれば、情報記憶媒体に記憶されている情報をコンピュータに読み取らせて演算処理を実行させることで、第1〜12の何れかの発明と同様の効果を奏することができる。
【0048】
第21の発明は、稼動回数を含む稼動履歴データを記憶する機能を有する複数のゲーム装置それぞれから、前記稼動履歴データを収集する稼動履歴データ収集手段と、前記稼働履歴データ収集手段によって収集されたゲーム装置間の稼働履歴データの相違に基づいて、異常の発生したゲーム装置を判定する異常装置判定手段と、を備えたゲーム装置管理装置である。
【0049】
操作入力手段に異常が有るゲーム装置は、プレーヤに避けられ他のゲーム装置に比べて稼動状況が劣る傾向がある。したがって、第21の発明は、稼動履歴データを収集し、ゲーム装置間で比較することによって、プレーヤに避けられ稼動率が他より劣るものを見つけだすことによって、異常が発生しているゲーム装置を判定することができる。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、容易に故障の判断がつく程度まで不具合が進行する前の段階でこれを検知し、操作入力手段の異常を判定することが可能になる。しかも、異常の判定のために、特段ハードウェア上の要素を付加することなくソフトウェア的に実現できるので、実施に当たってのコスト上昇を抑制するとともに、様々な仕様のゲーム装置について実施できる。
【0051】
娯楽施設を管理する立場からすると、通報を受けて施設管理者がテストしても再現性に乏しいような前兆段階の異常であっても的確に異常を把握し、早期に不具合に対処することができるようになる。この結果、ゲーム装置の稼動率低下、ひいては店舗からの客離れを未然に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態の一つとして第1実施形態について説明する。尚、以下では、娯楽施設等に配置される業務用ゲーム装置でビデオゲームを実行する場合を説明するが、本発明を適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
【0053】
[システム構成の概要]
図1は、本実施形態におけるシステム構成の概要を説明する図である。同図に示すように、本実施形態のシステム1は、「ゲームセンタ」「アミューズメント施設」などと呼ばれる娯楽施設内に設けられており、複数の業務用ゲーム装置1300−n(nは個別の装置を示す自然数。以下、単にゲーム装置1300とも言う。)が通信回線Nを介して、店舗管理用端末1400にデータ送受自在に接続されている。
ここで、通信回線Nとは、データ搬送が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0054】
[ゲーム装置の概要]
図2は、業務用ゲーム装置1300の一例を示す外観図である。業務用ゲーム装置1300は、ゲーム画面を表示するディスプレイ1302と、ゲームの効果音やBGMといった音を出力するスピーカ1304と、ゲーム操作を入力する手段であるスティック1309及びボタンスイッチ1310と、ゲームプレイ料であるコインを投入するコイン投入部1320とを備えている。
【0055】
ボタンスイッチ1310は、押すことによって通電するスイッチである。本実施形態では、Aボタン1312、Bボタン1314およびCボタン1316の複数が設けられており、それぞれハードウェアとして個別に認識可能である。ボタンスイッチ1310は、例えばプレーヤキャラクタから弾や技を出すタイミングを入力するのに用いられる。ボタンスイッチ1310の種類や数、形状は実行されるゲームに応じて適宜設定される。
【0056】
また、業務用ゲーム装置1300には、システム基板1340と、通信回線Nに接続して外部装置とデータ通信を可能にする通信装置1308と、データを不揮発に保存する外部メモリ1362を接続可能な外部メモリ接続装置1360とが設けられている。外部メモリ1362は、各プレーヤが所有しているメモリカードであり、自身のプレイ履歴を記録しておくために用いられる。
【0057】
システム基板1340は、マイクロプロセッサ1344や画像生成IC、音生成ICなどの情報処理に供される電子部品を備えている。システム基板1340は、メモリ1342から読み出したプログラムやデータ、外部メモリ1362から読み出したデータ、並びにスティック1309及びボタンスイッチ1310から入力される操作信号等に基づいてマイクロプロセッサ1344で演算処理等し、業務用ゲーム装置1300を制御しゲームを実行可能にする。
【0058】
プレーヤは、所定額のコインをコイン投入部1320に投入して支払い、ディスプレイ1302に表示されたゲーム画面を見ながら、スティック1309やボタンスイッチ1310を操作してゲーム操作を入力してゲームを楽しむことができる。
【0059】
なお、本実施形態におけるゲームは、制御データが異なることによってゲーム進行が多様に変化する単位ゲームを含んで構成されている。各単位ゲームは、ゲームの種類に応じて異なるが、例えばロールプレイングゲームでは物語の章やシーン、攻略すべきダンジョン等に該当する。シューティングゲームならば一つのステージ、格闘ゲームなら一つの対戦試合に相当する。単位ゲームをプレイすると、プレイ結果に応じて制御データ(例えば、攻略した単位ゲームのリスト、ヒットポイントやアイテムリスト、攻略した敵キャラクタの種類や数といったゲームの進行状態を示す各種パラメータがこれに該当する。)が変更され、制御データの状態に応じて次にプレイ可能な単位ゲームが変化する。
【0060】
本実施形態では、先ずシューティングゲーム型の複数のゲームステージを攻略して敵勢力の拠点基地に乗り込み、続く格闘ゲーム型のゲームステージで、敵の拠点基地に潜む敵キャラクタと格闘してこれを倒すことで目的を達するものとして説明するが、特にこれに限定するものではない。
【0061】
[業務用ゲーム装置の機能構成]
次に、業務用ゲーム装置1300の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態における業務用ゲーム装置1300の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。業務用ゲーム装置1300は、処理部100と、操作入力部200と、画像表示部202と、音出力部204と、通信部206と、記憶部300とを備える。
【0062】
処理部100は、記憶部300に記憶されているプログラムやデータ、並びに操作入力部200からの操作入力信号に基づいて、各機能部への指示やデータの送受信等の各種処理を行い業務用ゲーム装置1300全体を制御する。処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU,DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)等のハードウェアを用いることにより実現できる。図2のシステム基盤1340、特にマイクロプロセッサ1344がこれに該当する。
【0063】
操作入力部200は、プレーヤがゲームプレイに係る各種操作を入力する手段であり、操作されると入力信号を処理部100に出力する。例えば、プッシュスイッチ、レバー、ダイヤル、スティック、トラックボール、キーボード、マウス、タッチパネルなどによって実現できる。図2のボタンスイッチ1310がこれに該当する。
【0064】
画像表示部202は、処理部100から出力された指示やデータに従って画面を表示する装置であって、例えばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)、ELD(Electronic Luminescent Display)等で実現される。図2のディスプレイ1302がこれに該当する。
【0065】
音出力部204は、処理部100から出力された指示やデータに従って音を出力する手段であって、例えばヘッドフォンやスピーカなどによって実現できる。図2のスピーカ1304がこれに該当する。
【0066】
通信部206は、処理部100から出力された指示やデータに従って通信回線Nに接続して外部装置とデータ通信を実現する装置であって、例えば無線通信モジュール、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図2の通信装置1308がこれに該当する。
【0067】
記憶部300は、プログラムやデータを記憶する情報記憶装置であって、例えばICメモリ、ハードディスク、ICメモリカード、MO、CD−ROM、DVD−RAM、DVD−ROM等で実現される。図2のメモリ1342ならびに外部メモリ1362がこれに該当する。
【0068】
処理部100は、更に、ゲームの実行に係る処理を実行するゲーム演算部110と、画像表示部202に表示させる画像を生成する処理を行う画像生成部112と、音出力部204に各種効果音やシステム音を出力させる処理を行う音生成部114と、通信部206を介して外部装置(本実施形態では、店舗管理端末1400)とデータ通信させる処理を行う通信制御部116とを備える。
【0069】
この内ゲーム演算部110は更に、操作入力部200が故障したと容易に判断がつく程度まで不具合が進行する前に異常の兆候を検知する異常検知部120と、異常が検知された場合にプレーヤに異常を報知する処理を行う異常報知制御部140と、ゲーム装置1300の稼動履歴に関するデータを管理する稼動履歴データ管理部150と、ゲーム終了時に今回のゲームプレイの結果に基づいてプレーヤ毎のゲームプレイ履歴データを更新する処理を実行し、操作入力部200の異常が検知された場合にはゲームプレイ履歴データの更新をキャンセルすることをプレーヤに選択させることができるゲームプレイ履歴更新部160とを備える。
【0070】
異常検知部120は、図4に示すように、操作入力部200からの操作入力に基づいて、操作入力部200が明らかに故障と判断できる状態に至る前に現れる前兆現象を検出し、検出程度に応じて一次的な異常判定をする一次異常判定部122と、一次異常判定結果の履歴を管理する一次異常判定履歴管理部130と、一次異常判定結果の履歴を参照して一次異常判定の経時的な傾向から異常の有無ならびに異常の程度を最終的に判定する二次異常判定部132とを備える。
【0071】
そして更に、一次異常判定部122は、単位ゲームの都度、単位ゲームのプレイ開始から終了までの間の操作入力の履歴データを記憶部300に記憶させ、適宜データの更新などの管理をする操作入力履歴管理部124と、ゲーム進行状況が異常判定するのに適した特定状況にあることを検出する特定状況検出部126と、操作入力部200の入力回数等を記憶部300に蓄積させていくことで、操作入力部200が正常に機能していることを示す基準となる正常状態基準データを統計的に作成・管理する正常状態基準データ管理部128とを備える。
【0072】
本実施形態では、操作入力部200としてプッシュスイッチを用いた場合を例に挙げている。したがって、本実施形態に即した不具合の事象は、入力されているのに操作入力部200から処理部100に入力信号が出力されていない入力信号の欠落(以下、信号欠落とも言う。)であり、これを前兆現象として検知する。入力信号の欠落が生じる故障は、スイッチ端子の接触部分に酸化皮膜が形成されたことによる接触不良や、半田付け部分の剥がれによる接触不良などを原因にして発生する。したがって、入力信号の欠落は、現れたとしても最初のうちはごく稀にしか現れず、使用回数や時間経過に従って、そのうちに出現率が高まり、ついには明らかに故障とわかる完全故障の状態に至る。稀にしか現れない入力信号の欠落を検知するために、本実施形態では、一次異常判定部122が、操作入力履歴管理部124によって単位ゲームをプレイする間の操作入力の履歴を取得する。入力信号の欠落が発生すれば、それは必ず操作入力履歴の中に記憶されているはずだからである。
【0073】
さて、ここで問題となるのは、業務用ゲーム装置1300のように不特定多数に利用される装置では、操作入力そのものにプレーヤ毎の個性が現れるため、操作入力の履歴をとったからといってもバラつきが大きく、履歴を単純比較して入力信号の欠落をみつけることは容易ではないという点である。
【0074】
そこで、本実施形態では、特定状況検出部126によってゲーム進行状況がプレーヤの個体差があっても操作入力に差が現れにくい特定状況になったことを検出し、ゲーム進行状況が特定状況に合致する場合に異常判定を実施することとした。そして、ゲーム進行状況が特定状況に合致する場合、正常状態基準データ管理部128によって、操作入力部200が正常な状態であることを判断するための基準となる正常状態基準データとして、操作入力回数等を蓄積的に記憶する。そして、一次異常判定部122は、正常状態基準データが統計的に十分な量になるまで蓄積されたならば、今回新たに単位ゲームを実行することによって記憶された操作入力の履歴をもとに正常状態基準データと比較可能な判定パラメータ値を算出し、算出した判定パラメータ値と正常状態基準データとの比較によって、異常の程度を判定する。つまりは故障の可能性の判定をする。
【0075】
そして更に、異常判定の確度を上げるために、一次異常判定履歴管理部130によって一次異常判定の履歴をとり、二次異常判定部132によって一次異常判定の履歴から一次判定の検出頻度の変化を判断し、これに基づいて最終的な異常の判定をする構成となっている。
【0076】
次に、図3を参照して、記憶部300に格納されているプログラムならびにデータについて説明する。尚、システムプログラムなどのゲーム装置1300の基本的な動作を実現するためのシステムプログラムやデータ等については、公知技術を適宜利用できるので説明を省略する。
【0077】
まず、プログラムとしては、ゲームプログラム302が格納されており、ゲームプログラム302には、異常検知プログラム304が含まれている。
【0078】
ゲームプログラム302は、マイクロプロセッサ1344に読み出されて実行されることによって、ゲーム演算部110の機能を実現させることができる。同様にして、異常検知プログラム304が実行されることによって、異常検知部120の機能を実現させることができる。そして、ゲームプログラム302を実行する際は、適宜、ゲーム設定データ310から各種設定データが読み出されながら所与のゲームが実行され、ゲーム進行状況を表す各種の制御データがプレイ結果データ312として格納される。
【0079】
ゲーム設定データ310は、例えば、図5に示すように、本実施形態では単位ゲーム毎に対応づけて設けられた個別データセット310−1、310−2…の集合体である。個別データセットでは、その単位ゲームでどういった内容でプレイさせるかゲーム製作者が意図したことが各種の設定として格納されている。シューティングゲーム型の単位ゲームに係る個別データセット310−1は、単位ゲームの識別情報であるステージID310aと、同ゲームステージでプレイ可能な制限時間310bと、使用できるプレーヤキャラクタの数を示す自機数310cを格納している。
【0080】
また、個別データセット310−1は、当該ゲームステージでの操作方法の設定として、プレーヤキャラクタの種類310d並びにその保有アイテム310eによって予め設定されている操作方法310fを対応づけて格納している。すなわち、プレーヤキャラクタの種類及び/又は保有アイテム等の操作対象物によって操作入力部200の操作方法が定義されている。
また、同ステージにおける主な攻略対象・攻撃対象に関する情報として、登場する敵キャラクタのモデルデータやモーションデータ、ヒットポイントなどの情報を定義する登場キャラクタ設定310gと、同登場キャラクタのヒットポイント310hと、同登場キャラクタが登場する時間を単位ゲーム開始からの実行経過時間で示した登場タイミング310jとが対応付けて格納されている。その他、ステージを構成するための背景モデルや効果音のデータの設定、同ゲームステージのクリア条件、クリアした場合にゲーム結果に応じて次に移動する先のゲームステージの設定、などが適宜格納されている。
【0081】
同図の例はシューティング型ゲームステージの例であるが、例えば本実施形態における格闘ゲーム型ゲームステージにかかる個別データセットでは、保有アイテム310eには使用する武器や特別な技を格納し、操作方法310fには保有アイテムごとに設定された特定の手順(例えば、スティック1309で上方向入力、Aボタン1312を2回、Bボタン1314を1回、Cボタン1316を1回の連続入力をする「組入力」「技入力」。)の定義が格納される。
【0082】
また、本実施形態のゲーム設定データ310には、個別データセット310−1のように、特定状況に該当するゲーム進行状況に至るような設定が成されたゲームステージが含まれるように設定されている。
【0083】
具体的には、ゲームステージで好成績を残すために、あるいはゲームオーバーにならずに次のゲームステージをプレイするために、操作入力部200から時間間隔の短い連続入力をすることが求められるように設定されている。即ち、意図的に、プレーヤに連続入力を促すような設定としている。
【0084】
例えば、本実施形態のゲームには、前半にシューティングゲーム型のゲームステージが複数含まれている。そして、これらシューティングゲーム型のゲームステージの幾つかに関する設定には、例えば、ステージそれぞれに使用可能な自機の数や、敵キャラクタのうち特に同ゲームステージをクリアするために撃破が必須のボスキャラクタの登場タイミング及び登場している時間、ボスキャラクタのヒットポイント(当然、敵キャラクタの中では高めに設定されている。)などが含まれている。つまり、このゲームステージで好成績を残して次のゲームステージに進むには、制限時間内にボスキャラクタを倒さなければならず、しかも、ボスキャラクタにはかなり多くの回数、自機からの攻撃をヒットさせて、ボスキャラクタに設定されているヒットポイントをゼロにしなければならない。すなわち、プレーヤにとってみれば、一所懸命に連続攻撃をして速やかにボスキャラクタを攻略しなければならないということになる。その意味においては、ボスキャラクタの設定に限らず、例えばボスキャラタの代わりに自機が進む先に配置された敵施設や壁などの障害物の設定としても同様の効果を得ることができる。
【0085】
また、意図的にプレーヤに連続入力を促すための設定は、シューティングゲーム型のゲームステージにおける制限時間の設定やボスキャラクタのヒットポイントの設定に限らない。
【0086】
例えば、本実施形態のゲームには、後半に格闘ゲーム型のゲームステージが複数含まれている。これら格闘ゲーム型のゲームステージの幾つかに関する設定では、防具などの特別なアイテムを所有する敵キャラクタの設定、標準より短い戦闘時間(試合時間)の設定、複数種類のボタンスイッチ1312,1314,1316(図2参照)から特定の入力手順で連続的に入力をすることによって、特定の技を繰り出す設定などが設けられる。つまり、プレーヤにとって見れば、敵キャラクタに攻撃されないように、速やかに短時間で特定の入力手順にしたがってボタンスイッチ1312〜1316を連続的に入力しなければならないことになる。また、格闘ゲーム型のゲームステージ以外でも、連続入力によって魔法の呪文を唱えて発動させるキャラクタが登場するといった、例えばロールプレイングゲームなどにおいても有効である。
【0087】
一方、プレイ結果データ312には、ゲーム進行状況を現す各種制御データが格納される。本実施形態では特に、特定状況検出部126が、現在のゲーム進行状況が特定状況に合致するか否かを判定するための制御データが格納される。具体的には、先のゲーム設定データ310でどのようなゲーム内容を設定するかによって、制御データの内容が変わるが、例えば、現在のゲームステージの識別情報、ゲーム開始からの実行経過時間、プレーヤが操作対象としているプレーヤキャラクタの種類ならびにヒットポイントやその保有アイテム、ステージ上に登場している敵キャラクタならびにそのヒットポイント、現在の得点、獲得したパラメータ、獲得したアイテム、各種フラグなどが適宜格納される。
【0088】
また、図3に示すように、記憶部300は、異常判定に係るデータとして、操作入力履歴データ314と、特定状況定義データ316と、正常状態基準データ318と、一次異常判定マップ320と、一次異常判定履歴データ322と、二次異常判定マップ324と、異常判定報知設定データ326とを記憶する。
【0089】
操作入力履歴データ314は、プレーヤが操作入力部200から入力した操作入力の履歴であって、操作入力履歴管理部124によって管理される。例えば図6に示すように、操作入力がされる都度、操作入力部200の識別情報314aと、操作入力がされた入力時間情報314bと、プレーヤが操作しているキャラクタと使用する保有アイテムに関する情報を含む操作対象情報314cと、プレイ結果データ312に記憶されている制御データの写しである制御データ314dとを対応づけて格納する。
【0090】
特定状況定義データ316は、図7に示すように、単位ゲーム毎に対応づけて設けられた個別データセット316−1、316−2…の集合体であって、個別データセットには、その単位ゲームで、異常判定を実行する条件となる特定のゲーム進行状況が設定されている。
【0091】
本実施形態では、ゲームステージごとに設定されており、例えばシューティングゲーム型のゲームステージに対応する個別データセット316−1では、図7の上部に示すように、条件ID316aと対応づけて、操作対象となるプレーヤキャラクタの種類や保有アイテムの種類(具体的には、フライトシミュレーションゲームで地上攻撃用の特定の兵装種類など)、登場する敵キャラクタの種類、自機の残数、制限時間の残り時間などが進行状況条件316bとして格納されている。すなわち、進行状況条件316は、好成績を残すためにはプレーヤが必死で連続入力をする必要のある状況を条件として定義している。
【0092】
また、例えば格闘ゲーム型のゲームステージに対応する個別データセット316−n設定では、図7の下部に示すように、進行状況条件316bとして、特別な技を繰り出すための特定操作入力(具体的には、スティック1309による下方向入力に続いてAボタン1312を連続二回入力ののち、続いてBボタン1304を一回、ついでCボタン1316を一回入力するといった所謂「技入力」。)や、プレーヤキャラクタと敵キャラクタとの組み合わせ、特定アイテムの使用、敵キャラクタが使用するアイテムの状態などが格納される。
【0093】
所謂「技入力」のように定められた入力手順で特定の操作入力をすることが決められている場合には、一般的に特定操作入力が有効と判定されるためには短時間の間に連続的に入力する必要が有り、プレーヤは必死にできる限り短時間で入力する必要に迫られる。あるいは、プレーヤキャラクタが一回の攻撃ではわずかな攻撃ポイントしか挙げられないアイテムしか所有していないのに、敵キャラクタが高い防御値を有するアイテムを所有している場合には、自ずから一発必中ではなく連続的な入力を繰り返して攻撃ポイントを稼がざるを得ないので、異常判定に好適で入力信号の欠落が検知しやすい連続入力が為される可能性が高い。
【0094】
次に、正常状態基準データ318は、図8に示すように、単位ゲーム毎に対応づけて設けられた個別データセット318−1、318−2…の集合体であって、個別データセットには、操作入力部200が正常な状態であることを示す基準となるデータが格納されている。例えばシューティング型ゲームステージに係る個別データセット318−1では、進行状況条件316bで定義されたゲーム進行状況の条件ID316aに対応する条件ID318a毎に、操作入力部200の種類(不図示)とその総入力回数318b、並びに連続入力されている状態や特定の入力手順で入力された状況における入力の部分的な欠落の回数すなわち信号欠落回数318cが格納されている。
【0095】
ここで言う“総入力回数”とは、進行状況定義データ316で定義された特定のゲーム進行状況においてプレーヤが攻略に要した総入力回数である。総入力回数318bには、対応する特定のゲーム進行状況になった時にプレーヤが入力した総入力回数の平均値や中央値などといった統計値が格納される。同様に、信号欠落回数318cにも、信号欠落回数の統計値が格納される。総入力回数318b及び信号欠落回数318cの統計値として何を用いるか(平均値とするか、中央値とするか、等)は、試作段階のテストプレイなどの実測に基づいて最も適当なものを選択すると良い。
【0096】
また、ここで言う“入力の部分的な欠落”とは、ボタンスイッチ1310に不具合が有る場合に出現する事象であって、連続入力されている途中で櫛の歯が欠けるようにして欠落する入力信号の欠落である。
【0097】
図9は、入力の部分的な欠落(信号欠落)の概念と判定原理を説明するための図である。同図は、操作入力の経時履歴を表しており、操作入力手段の種類毎に横軸を入力時間とし、入力があったタイミングに縦棒が記されている。
【0098】
図9(a)は、ある一つの操作入力部200から連続入力される場合に好適な判定原理を示している。信号欠落の判定は、先に述べたような“プレーヤが好成績を残すために必死で連続入力されることが予想される条件”では、必死に入力するがゆえに各入力の時間間隔のバラつきは、ある程度の幅に収まるという知見に基づいている。すなわち、各入力時間の間隔tnを計測し、予め定めた短時間条件ts(例えば0.3秒以下)を満たす間隔tnとなった入力が所定回数以上(例えば、3回以上)連続的に入力されている状況において、短時間条件tsのおおよそ2倍程度の時間間隔tmが検出され、ついで再び短時間条件tsを満たすように連続的な入力が続く場合、これを入力の部分的な欠落と判定することができる。反対に、短時間条件tsのおおよそ2倍を超える場合には、プレーヤが意図的に攻撃のタイミングをずらしたり、疲れて休みを入れた可能性が高いと考えられるので、信号欠落とは判定しない。
【0099】
尚、ここで言う“2倍程度”の時間は、操作入力部200が正常で、入力が欠落しなかったとするならば計測されたであろう欠落入力Pの前後2回分の時間間隔tm1とtm2、および欠落入力Pが欠落しなかった場合に入力されたであろうON時間tm3の総和を意味している。より現実的な数値としては、ボタンスイッチ1310の配置間隔やボタンスイッチのストローク設定など種々の諸元によって必ずしも一定とならない。そのため、試作段階におけるテストプレイでの実績等を基に設定するのが望ましい。
【0100】
図9(b)は、異なる操作入力手段によって連続的な入力が組み合わされた「技入力」のような連続入力の場合に好適な判定原理を示している。
所謂「技入力」などのように入力順番が予め定義されている場合、操作入力履歴から予め定義されている入力順番に類似する入力のパターンを検索し、定義されている入力順番に似ているものがある場合に、これを信号欠落としてカウントする。同図の例で言うと、期間W1では、予め定義された入力順番と同じ入力順番の入力パターンが検出されているが、期間W2では、Aボタンの入力が一つ足らない(符合L)。期間W2全体で見た場合、入力パターンは、予め定義された入力順番に類似しているが、一部異なっている。よって符号Lに当たるAボタンの入力信号を信号欠落とみなす。
【0101】
前者・後者いずれの判定原理を用いるかは、特定状況定義データ316の条件IDが同じ進行状況条件316bに応じて適宜設定すると良い。本実施形態では、同一の条件IDの進行状況条件316bに「特定操作入力」が設定されていれば後者、設定されていなければ前者を用いるものとする。
【0102】
尚、本実施形態では、ボタンスイッチ1310を操作入力部200として装備する場合を例としているので、入力の部分的な欠落を検出することとして説明しているが、異常判定する対象となる操作入力部200が例えばスティック1309、トラックボール、タッチパネルなどである場合には、それぞれのデバイスによって不具合時に出現する事象に合致した信号欠落のパターンを設定し、これを検知するものとする。例えば、入力の程度を操作量に応じた電圧値で出力するレバーなどの機械的なリンク機構を有するデバイスの場合、リンク機構のこじりから始まって半固着状態にいたる事象が出現するケースが見られるので、入力信号の電圧立ち上がりが、極端に急速に立ち上がる事象(こじりが出ているので、最初にしぶって動きにくいがある一定以上の荷重で一気に動き出す事象)では、急速な立ち上がり部分が正常に入力できない、あるいはゲーム処理上十分に追従できない場合があるので、これを“操作入力の欠落”とみなして検出する構成としても良い。
【0103】
一次異常判定マップ320は、一次異常判定部122が正常状態基準データ318と、操作入力履歴データ314から求められる判定パラメータ値とを比較して異常判定を行う際の判定基準となるデータである。本実施形態では、図10に示すように、特定状況の条件ID320a毎に、「高」「中」「低」の3段階の異常レベルが定義される。異常レベルはこの3段階の中から決定され、総入力回数と、信号欠落回数とによって決定される。
【0104】
具体的に説明する。まず、条件ID320aと同じ条件ID318aに対応する総入力回数318b及び信号欠落回数318cを正常状態基準データ318から読み出す。また、操作入力履歴データ314に記録されている操作入力の履歴の中から、当該条件ID320aの進行状況条件316bに合致した状況の時の操作入力を検索し、その時の総入力回数及び信号欠落回数を求める。そして、先に読み出した総入力回数318bおよび信号欠落回数318cに対する、求めた総入力回数および信号欠落回数の偏差320bに応じて、「低」「中」「高」の3段階の異常レベル320cが決定される。
【0105】
一次異常判定履歴データ322は、一次異常判定履歴管理部130に管理され、一次異常判定の履歴を格納する。例えば、ゲームステージの識別情報と、判定時にプレーヤが操作していた操作対象のキャラクタの種類及びその保有アイテムに関する情報と、一次異常判定の結果である「低」「中」「高」の何れかの異常レベルと、判定を実施した日時とが対応付けられて格納される。
【0106】
二次異常判定マップ324は、二次異常判定部132が一次異常判定履歴データ322に格納された過去の一次判定の結果をもとに、二次異常判定(本実施形態での最終判定結果に相当。)をする基準が定義されたデータである。
【0107】
具体的には、二次異常判定マップ324は、ステージID及び条件ID毎に定義されており、二次判定結果である「異常無し」「注意」「警告」の3段階それぞれに対応づけて、今回の一次異常判定結果から遡って所定回数分(本実施形態では6回分)の一次異常判定の結果が定義されている。所定回数分の一次異常判定の結果としては、例えば、図11の上部の例に示すように、「高」「中」「低」という一次異常判定の結果の回数である場合や、図11の下部の例に示すように、過去6回分のうちの最も古い一次異常判定結果から、最新の一次異常判定結果がどのように変化したか、といったものが定義される。この、所定回数分の一次異常判定の結果は、ステージ及びゲーム進行状況に応じて異なるため、ステージID及び条件IDに応じて、様々に定義されるものである。
【0108】
尚、「異常無し」「注意」「警告」の3段階に定義されているがこれに限るものではなく、例えば故障している確立を表すパーセンテージ「0」「30」「80」といった具合に数値を対応付けても良い。尚、二次異常判定マップ324に従って決定された結果は、二次異常判定結果328として一時的に記憶される。
【0109】
異常判定報知設定データ326には、二次異常判定の結果に応じてプレーヤに報知する出力の形態が定義されている。本実施形態では、例えば図12に示すように、二次異常判定の結果に応じて、音出力部204から警告音を所定の音出力パターン326aで出力し、更に操作入力部200に備えられた発行素子(例えば、LEDなど)を特定の色やパターンで点灯パターン326bに従って点灯させる。
【0110】
異常判定の結果を報知する場合、特に効果的なのはゲーム画面中に特定の報知画像を表示する特別表示326cである。例えば、本実施形態では図13に示すように、二次異常判定が「注意」ならば画面中に文字M1を表示し、「警告」ならば機能が一部不全であることをイメージさせる特定表示物M2を、プレーヤキャラクタCPに付随させて表示する。
【0111】
この文字M1や特定表示M2は、見た目にも明確な訴求力があり、プレーヤに対して、操作入力部200が異常状態にあることを明確に知らせることができる。また、施設管理者にとっても、操作入力部200が異常状態にあることを明確に判断できる。このため、例えば、施設管理者は、プレーヤによる異常の通報を受けた場合、円滑に対応することができる。
【0112】
なお、本来、プレーヤにしてみれば操作入力部200の異常は歓迎すべからざる事態であるが、特定表示M2の表示の内容によっては異常の報知を受けたプレーヤの心境を和ませることもできる。具体的には、一部に巨大な絆創膏や包帯などのケガをイメージさせる表示物、“ちょんまげ”“鼻ひげ”など笑いを取れる表示物、コミカルなキャラクタを背負わせるといったものが好適である。
【0113】
ゲームプレイ履歴データ330は、プレーヤ毎に設けられる過去のゲーム結果履歴や、その結果として設定される各種のパラメータ(例えば、段位、所有するアイテム、仮想貨幣など)のデータが格納されている。ゲームに習熟した上級プレーヤであればある程、ゲームプレイの成果が格納されるゲームプレイ履歴データ330は大切なものであり、不本意なゲーム結果を反映させることは望まない傾向にある。このゲームプレイ履歴データ330は、外部メモリ1362に格納される。
【0114】
更新キャンセルフラグ332は、ゲーム終了時にプレイ結果データ312に格納されている今回のゲームの成績をもとに、ゲームプレイ履歴データ330を更新するか否かのプレーヤの選択結果が格納されている。
具体的には、二次異常判定の結果が「高」に達している場合に、ゲームプレイ履歴更新部160が、現在実行中の単位ゲーム終了時点でプレイ結果データ312に基づいてゲームプレイ履歴データ330を更新して良いか否か、換言すると今回のゲームプレイをなかったことにして更新をキャンセルするか否かをプレーヤに選択させる。更新キャンセルフラグ332には、その選択結果が格納される。本実施形態では、更新をキャンセルすることが選択された場合「1」を格納する。
【0115】
稼動履歴データ340は、稼動履歴データ管理部150に管理され、業務用ゲーム装置1300が稼動した履歴を格納する。本実施形態では、例えば図14に示すように、累積稼動回数340aが格納されるとともに、コインが投入された日時340bと曜日340cならびに1Pプレイが選択されたか2Pプレイが選択されたかのプレイモード340dが対応づけてられて時系列に格納されている。そしてゲームプレイ開始時点で更新される。その他、個体識別用の識別情報と、実行可能なゲームを識別するためのゲーム識別情報などを適宜含む、
【0116】
[処理の流れ]
図15は、本実施形態における操作入力部200の異常判定にかかる処理の流れを説明するためのフローチャートである。以下で説明する処理は、処理部100が異常検知プログラム304を読み出して実行することによって実現する。
【0117】
先ず、処理部100は、コイン投入部1320へ所定額のコインが投入され、1Pプレイあるいは2Pプレイの選択が入力されたことを検知したならば(ステップS2のYES)、稼動履歴データ340を更新する(ステップS4)。稼動履歴データ340の更新では、累積稼動回数340aに「1」加算し、ゲーム開始時刻としての日時340bおよび曜日340cと対応づけて、1Pプレイあるいは2Pプレイの選択結果をプレイモード340dに新たに格納する。次いでゲームを実行開始し(ステップS6)、これに伴い操作入力部200から操作入力されると、その都度操作入力履歴データ314として蓄積・記憶されてゆく。
【0118】
次に、処理部100は、先ず累積稼動回数340aが所定の基準値(例えば1000回)に達しているか否かを判定する(ステップS8)。所定回数に達していなければ(ステップS8のNO)、正常/異常を統計的に判定するためのデータが十分に蓄積されていないと判断して、正常状態基準データ取得処理を実行する(ステップS10)。
【0119】
図16に示すように、正常状態基準データ取得処理では、処理部100は現在実行中の単位ゲーム(ゲームステージ)が終了した場合に(ステップS102のYES)、今回記憶した操作入力履歴データ314を参照して、先ほどまで実行していたゲームステージに対応づけられている正常状態基準データ318を更新する(ステップS104)。
【0120】
具体的には、現在実行中のゲームステージに対応する特定状況定義データ316を参照して、当該ゲームステージの各進行状況条件316bそれぞれの状況における操作入力を、操作入力履歴データ314に格納されている制御データ314dから抽出する。そして、抽出した操作入力に関する総入力回数と入力信号欠落回数とを算出して、算出した各値と正常状態基準データ316に格納されていた値との平均値を、新たな基準値として正常状態基準データ316を更新する。
【0121】
次いで、ゲームオーバーか否かを判定する(ステップS106)。ゲームオーバーでなく次のゲームステージに進む場合には(ステップS106のNO)、ステップS102に戻る。一方、ゲームオーバーになった場合には(ステップS106のYES)、正常状態基準データ取得処理を終了する。以上で今回プレイした分の操作入力のデータが収集されたことになる。
【0122】
図15のフローに戻って、次に処理部100は、プレイ履歴更新処理を行う(ステップS12)。
プレイ履歴更新処理では、図17に示すように、先ずゲームプレイ履歴データの更新キャンセルフラグ332を参照し(ステップS120)、フラグが「1」か否かを判定する(ステップS122)。更新キャンセルフラグ332は、デフォルト値が「0」である。よって、この段階では更新キャンセルしない設定になっているので(ステップS122のNO)、プレイ結果データ312に基づいてゲームプレイ履歴データ330を更新し(ステップS124)、プレイ履歴更新処理を終了する。そして、図15のフローに戻りゲーム終了とともに一連の処理は終了する。
【0123】
一方、累積稼動回数340aが所定の基準値(例えば1000回)に達した場合(ステップS8のYES)、操作入力部の正常/異常を判定するための操作入力データの蓄積が十分に行われていると判断し、異常判定処理を行う(ステップS20)。
【0124】
図18に示すように、異常判定処理では、先ず操作入力履歴データ314に格納されている制御データ314dのうち、現在実行中の単位ゲームに関する制御データ314dを読み出す。そして、現在実行中の単位ゲームの特定状況に合致する状況のデータを、特定状況定義データ316を参照して抽出する(ステップS130)。そして、抽出された操作入力履歴データ314を元に判定パラメータ値を算出する(ステップS132)。本実施形態では、判定パラメータ値として総入力回数と信号欠落回数を算出して、記憶部300に一時的に記憶させる。
【0125】
次に、処理部100は、現在実行中のゲームステージに対応する正常状態基準データ318を参照して、条件IDが合致する総入力回数318b及び信号欠落回数318cを読み出し、ステップS132で算出された判定パラメータ値である総入力回数及び信号欠落回数それぞれと比較する。そして、一時異常判定マップ320に従って、一次異常判定を実行する(ステップS134)。次いで、判定の結果を一次異常判定履歴データ322に追加更新する(ステップS136)。一次異常判定の結果を時系列に記憶しておくことで、一次異常判定の出現頻度、頻度の変化等を知ることが可能になる。
次に、一次異常判定履歴データ322をもとに、二次異常判定マップ324に従って二次異常判定を実行し(ステップS138)、その結果を二次異常判定結果328として記憶部300に記憶させて異常判定処理を終了する。
【0126】
図15のフローに戻って、処理部100は、異常判定報知設定データ326を参照し、先に判定された二次異常判定の結果に対応付けられた出力形態で異常をプレーヤに報知する(ステップS22)。単位ゲームが実行中であるならば(ステップS24のNO)、ステップS20に戻る。一方、単位ゲームの実行が終了したならば(ステップS24のYES)、プレイ履歴更新キャンセル設定処理を実行する(ステップS26)。
【0127】
図19に示すように、プレイ履歴更新キャンセル設定処理では、先ず処理部100は二次異常判定結果328を参照し、最終的な異常判定の結果が所定の基準レベル以上であるか否かを判定する。本実施形態では「警告」レベル以上であるか否かを判定する(ステップS140)。「警告」レベル未満の場合は(ステップS140のNO)、そのまま同処理を終了し元のフローに戻る。「警告」レベル以上の場合は(ステップS140のYES)、今回のプレイ結果をプレイ履歴に反映するか否かの選択画面を画像表示部202に表示させ(ステップS142)、選択の結果に従って更新キャンセルフラグ332を設定する(ステップS144)。本実施形態では、先の選択画面で反映しない旨の選択がなされた場合には、更新キャンセルフラグ332をデフォルトの「0(更新する)」から「1(更新しない)」に変更する。
更新キャンセルフラグ334の設定後、プレイ履歴更新キャンセル設定処理を終了する。
【0128】
図15のフローに戻って、処理部100は更に、二次異常判定の結果が「注意」レベル以上である場合には(ステップS28のYES)、画像表示部202にこのまま作業を続けるか中断するかの選択画面を表示させる(ステップS30)。
ここでプレーヤが中断を選択した場合(ステップS32のYES)、ループAを抜けてプレイ履歴更新処理を実行してゲームを終了する。プレーヤがゲームの中断を選択可能とすることによって、操作入力部200に不具合が発生しているのにプレーヤにゲームを続けさせることによって、お客の時間を無駄に消費させることがないようにする。
【0129】
一方、プレーヤが中断を選択しなければ(ステップS32のNO)、ゲームオーバーの判定を実行し(ステップS34)、ゲームオーバーでなければ(ステップS34のNO)ループAを繰り返し、次の単位ゲームについて異常判定処理を繰り返す。ゲームオーバーの場合には(ステップS34のYES)、プレイ履歴更新処理を実行して(ステップS12)、一連の処理を終了する。
【0130】
尚、図15の処理フローには明示されていないが、二次異常判定結果が所定基準(注意)以上のレベルに達している場合には、娯楽施設管理者が当該業務用ゲーム装置1300を点検し所定の解除手続き(例えば、特定の解除スイッチを操作するなど)を実行するまで異常報知が継続される。従って、操作入力部200に異常が発生したことを認知したプレーヤが娯楽施設管理者に通報しない場合であっても報知が続けられるので、娯楽施設管理者が見回る際に容易に異常を知り、速やかに対処することが可能になる。
【0131】
[ハードウェアの構成]
次に、業務用ゲーム装置1300を実現できるハードウェアの構成について説明する。図20は、本実施形態におけるハードウェア構成の一例を示す図である。業務用ゲーム装置1300は、CPU1000と、ROM1002と、RAM1004と、情報記憶媒体1006と、音生成IC1008と、画像生成IC1010と、I/Oポート1012及び1014とを有し、システムバス1016により相互にデータの入出力が可能に接続されている。
【0132】
CPU1000は、図3における処理部100に該当し、情報記憶媒体1006に格納されているプログラムやROM1002に格納されているシステムプログラム及びコントロール装置1022によって入力される操作入力信号等に従って、装置全体の制御や各種のデータ処理を行う。
ROM1002やRAM1004及び情報記憶媒体1006は、図3における記憶部300、図2のシステム基盤1340に実装されるメモリ1342、外部メモリ1362に該当し、本発明に係るプログラムやデータを記憶する。
情報記憶媒体1006は、ICメモリカードや着脱自在なハードディスクユニット、MOなどによって実現されROM1002に記憶される情報を記憶し、適宜読み出して利用する。
【0133】
音生成IC1008は、図3における音生成部114に該当し、ROM1002や情報記憶媒体1006に記憶されている情報に基づいて効果音やBGM等のゲーム音を生成する集積回路である。図2では、システム基盤1340に実装されている。生成された音信号はスピーカ1020によって出力される。なお、スピーカ1020は、図3における音出力部204、図2におけるスピーカ1304が該当する。
画像生成IC1010は、表示装置1018に画像を出力するための画素情報を生成する集積回路である。図3における画像生成部112がこれに該当する。表示装置1018は、図3の画像表示部202、図2におけるディスプレイ1302に該当する。
【0134】
I/Oポート1012には、コントロール装置1022が接続され、I/Oポート1014には、通信装置1024が接続されている。
コントロール装置1022は、図3の操作入力部200及び図2のスティック1309及びボタンスイッチ1310に相当するものであり、プレーヤが種々のゲーム操作を入力するための装置である。
通信装置1024は、ゲーム装置内部で利用される各種の情報を外部とやり取りするものであり、他のゲーム装置と接続されてゲームプログラムに応じた所与の情報を送受信したり、通信回線を介して、ゲームプログラム等の情報を送受信することなどに利用される。図3の通信部206及び図2の通信装置1308に該当する。
【0135】
尚、画像生成IC1010、音生成IC1008等で行われる処理はCPU1000、或いは汎用のDSP等によってソフトウェア的に実行する構成としても良い。
【0136】
また、本発明は、図2に示した業務用ゲーム装置1300だけでなく、図21に示すような家庭用ゲーム装置1200や携帯型ゲーム装置、多数のプレーヤが参加する大型アトラクション装置等の種々の装置にも同様に適用できる。
【0137】
家庭用ゲーム装置1200は、ゲームコントローラ1220と、本体装置1210とを備え、スピーカ1231を具備するディスプレイ1230に接続される。
【0138】
第1実施形態に係るプログラムやデータは、例えば、本体装置1210に着脱自在な情報記憶媒体であるCD−ROM1212、ICメモリ1213、メモリカード1214等に格納されている。或いは、ゲーム情報を本体装置1210に具備された通信装置1215を介して通信回線Nに接続し外部装置から取得する。
【0139】
本体装置1210は、例えばCPU等の演算処理装置やICメモリ、CD−ROM1212等の情報記憶媒体の読取装置を具備する。そして、CD−ROM1212などから読み出したゲーム情報とゲームコントローラ1220からの操作信号とに基づいて種々のゲーム処理を実行し、ディスプレイ1230にゲーム画面を表示させ、スピーカ1231からゲーム音を出力させる。
【0140】
プレーヤは、ディスプレイ1230に映し出されたゲーム画面を見ながら、ゲームコントローラ1220に備えられた方向キー1221や各種のボタン1222等を操作して、ゲームを楽しむことができる。
【0141】
[第2実施形態]
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態とともに実施することも可能である。その場合には、異常判定をより確かなものにできる。尚、第1実施形態と同様の構成要素にいては同じ符号を付与し、説明は省略する。
【0142】
[店舗管理用端末の構成]
先ず図1を参照して、店舗管理用端末1400について説明する。同図に示すように、店舗管理用端末1400は、通信回線Nを介して各業務用ゲーム装置1300と通信して各種のデータを取得し、取得したデータを情報処理することで管理者が業務用ゲーム装置1300の管理に供する装置であって、例えば一般的なパーソナルコンピュータ等を用いて実現される。したがって、店舗管理端末1400の標準的な装備としては、ディスプレイ1402と、マイクロプロセッサや通信回線Nに接続するための通信機、スピーカ等を搭載した本体1404と、操作入力手段としてのキーボード1406を備えている。
【0143】
図22は、本実施形態における店舗用管理端末1400の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。店舗用管理端末1400は、処理部600と、画像表示部610と、通信部620と、記憶部630と、操作入力部と、音出力部とを備える。
【0144】
処理部600は、更に通信部620によって接続された通信回線Nを介して、娯楽施設内に配置された複数の業務用ゲーム装置1300それぞれから稼動履歴データ340を取得して記憶・管理する稼動履歴取得部602と、取得した稼動履歴データ340に基づいて異常の発生した業務用ゲーム装置1300を判定する異常装置判定部604と、異常が有ると判定された装置を娯楽施設管理者に報知する異常装置報知部606と、通信部620を制御して通信回線Nに接続し、業務用ゲーム装置1300とデータ通信を可能にする通信制御部608とを備えている。
【0145】
稼動履歴取得部602は、通信部620を介して、定期的に各業務用ゲーム装置1300に接続してそれぞれの稼動履歴データ340を収集する処理を実行する。もちろん、業務用ゲーム装置1300には、店舗管理用端末1400からの要求信号に応じて自動的に稼動履歴データ340を送信する機能を適宜設けておく。
【0146】
収集されたデータは、業務用ゲーム装置別に、稼動履歴データベース634として記憶部630に記憶・管理される。例えば図23に示すように、本実施形態における稼動履歴データベース634には、業務用ゲーム装置1300の識別情報634aと対応付けて、収集した稼動履歴データ634bと、曜日別平均稼動情報634cとが格納されている。
曜日別平均稼動情報634cは、対応する業務用ゲーム装置1300が曜日別にどのような稼動傾向を有するかを示すデータである。一般的に、娯楽施設は、曜日によって売り上げの傾向が大きく異なる。そこで、曜日634dごとに、同曜日の平均稼動回数634eが対応づけられている。これらは、新しく稼動履歴データが収集される都度、処理部600によって更新される。
【0147】
異常装置判定部604は、受信した稼動履歴データ634bおよび曜日別平均稼動情報634cを、業務用ゲーム装置間で比較することによって、多数設置されている業務用ゲーム装置1300の中から異常発生の兆候が見られる装置を判定する。
【0148】
異常装置報知部606は、画像表示部610に特定の表示を行って娯楽施設管理者にその旨報知する。
【0149】
記憶部630には、マイクロプロセッサで読み出し実行することによって、稼動履歴取得部602、異常装置判定部604、異常装置報知部606それぞれの機能を実現させるためのプログラムとして、稼動履歴取得プログラム631、異常装置判定プログラム632、異常装置報知プログラム633が格納されている。
【0150】
[処理の流れ]
図24は、本実施形態における異常判定に係る処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、先ず処理部600が通信回線Nを介して各業務用ゲーム装置1300と接続し、予め定められた手順に従って自動的に稼動履歴データ340を収集し、稼動履歴データベース634を更新する(ステップS200)。
【0151】
次いで、ループCで、各業務用ゲーム装置1300について異常の有無を判定する一連の処理を実行する。具体的には、先ず新たに収集した稼動履歴データ340を参照し、収集日と同じ曜日の稼動履歴を抽出し、抽出した稼動履歴をカウントして収集日における「今回の稼動回数」を算出する。更に稼動履歴データベース634から同ゲーム装置に対応する同曜日の平均稼動情報634eを参照し、該平均稼動情報634eと先に算出した今回の稼動回数との偏差(第1偏差)を算出する(ステップS202)。
【0152】
次に、算出した第1偏差が基準値以下であるか否かを判定する(ステップS204)。基準値は、ゲームの種類によって適正値が異なるが、例えば「−20」を設定する。
そして、基準値以下である場合には(ステップS204YES)、現在判定対象としている業務用ゲーム装置1300は、従来に比べて極端に使用されなくなったことを表す。該ゲーム装置に何らかの異常が発生していてお客が該ゲーム装置を避けているために稼動回数が下がったと考えられる。
【0153】
そこで処理部600は、次にこの稼動回数の低下が、店舗全体として来客数が少ない結果なのか、装置個別の問題なのかを判断する。具体的には、同種ゲームを搭載した他の業務用ゲーム装置それぞれについて、同じように第1偏差を算出する(ステップS206)。そして、現在判定対象としている装置の第1偏差のみが他の装置の第1偏差と比べて乖離している場合(ステップS208のYES)、当該装置になんらかの異常が発生していると判定し(ステップS210)、画像表示部610に例えば異常が発生した装置の識別情報と警告を画面表示するなどの報知をする(ステップS212)。
【0154】
一方、算出した第1偏差が基準値以下にならなかった場合(ステップS204のNO)、処理部600は、次の業務用ゲーム装置を処理対象としてステップS202に処理を移行する。
【0155】
これらの処理によって、業務用ゲーム装置1300側で、第1実施形態の異常判定で異常を検知できなかった場合や、第1実施形態で述べた異常判定の機能そのものを設けることができなかった場合であっても、ゲーム装置の異常を判定して店舗管理者に報知することができる。
【0156】
[変形例の説明]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用形態がこれらに限定されるものではなく、適宜構成要素を追加・削除・変更することができる。
【0157】
例えば、第1実施形態では、操作入力手段を、プッシュスイッチに代表される入力のON−OFFが判別可能な操作入力機器としたが、プッシュ式に限らずトグル式、レバー式、タッチ式、タブレット式であっても良い。全体形状は、ボタン形状に限らず、モデルガンや剣といった武器形状、ギターや太鼓といった楽器、包丁などの用具でも良い。
【0158】
また、ゲーム装置にバイブレータなどの振動発生手段を設け、振動のパターンによって異常判定を報知する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】第1実施形態におけるシステム構成の概要を説明するシステム図。
【図2】第1実施形態における業務用ゲーム装置の一例を示す概観図。
【図3】第1実施形態における業務用ゲーム装置の機能構成の一例を示した機能ブロック図。
【図4】第1実施形態における異常検知部の更に詳細な機能構成の一例を示した機能ブロック図。
【図5】第1実施形態におけるゲーム設定データのデータ構成の一例を示した図。
【図6】第1実施形態における操作入力履歴データのデータ構成の一例を示した図。
【図7】第1実施形態における特定状況定義データのデータ構成の一例を示した図。
【図8】第1実施形態における正常状態基準データのデータ構成の一例を示した図。
【図9】入力の部分的な欠落の概念と判定原理を説明する図
【図10】第1実施形態における一次異常判定マップのデータ構成の一例を示した図。
【図11】第1実施形態における二次異常判定マップのデータ構成の一例を示した図。
【図12】第1実施形態における異常判定報知設定データのデータ構成の一例を示した図。
【図13】画面表示による異常判定報知の一例を示すゲーム画面のイメージ図。
【図14】第1実施形態における稼動履歴データのデータ構成の一例を示した図。
【図15】第1実施形態における操作入力手段の異常判定にかかる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図16】第1実施形態における正常状態基準データ取得処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図17】第1実施形態におけるプレイ履歴更新処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図18】第1実施形態における異常判定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図19】第1実施形態におけるプレイ履歴更新キャンセル設定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図20】第1実施形態におけるハードウェア構成の一例を示す図。
【図21】家庭用ゲーム装置の一例を示す概観図。
【図22】第2実施形態における店舗用管理端末の機能構成の一例を示した機能ブロック図。
【図23】第2実施形態における稼動履歴データベースのデータ構成の一例を示す図。
【図24】第2実施形態における本実施形態における異常判定に係る処理の流れを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0160】
100 処理部
110 ゲーム演算部
120 異常検知部
122 一次異常判定部
124 操作入力履歴管理部
126 特定状況検出部
128 正常状態基準データ管理部
130 一次異常判定履歴管理部
132 二次異常判定部
140 異常報知制御部
160 ゲームプレイ履歴更新部
300 記憶部
302 ゲームプログラム
304 異常検知プログラム
314 操作入力履歴データ
316 特定状況定義データ
318 正常状態基準データ
320 一次異常判定マップ
322 一次異常判定履歴データ
324 二次異常判定マップ
326 異常判定報知設定データ
332 更新キャンセルフラグ
600 処理部(店舗管理用端末)
602 稼動履歴取得部
604 異常装置判定部
606 異常装置報知部
630 記憶部
631 稼動履歴取得プログラム
632 異常装置判定プログラム
634 稼動履歴データベース
634c 曜日別平均稼動情報
1300 業務用ゲーム装置
1310 プッシュボタン
1340 システム基盤
1400 店舗管理用端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力手段からの操作入力信号に応じて所与のゲームを実行可能なコンピュータを、
前記操作入力手段の不具合時に発生するとして予め定められた信号欠落が生じていることを前記操作入力手段からの操作入力信号をもとに検出する検出手段、
前記検出手段による検出の履歴を記憶する検出履歴記憶手段、
前記検出履歴記憶手段により記憶された検出履歴に基づいて、前記操作入力手段の異常を判定する異常判定手段、
前記異常判定手段による判定結果に基づいた報知を行う報知手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記異常判定手段が、前記検出手段による検出頻度の変化に基づいて異常度合を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記ゲームは、制御データが異なることによってゲーム進行が多様に変化する単位ゲームを、前記制御データを変えて実行可能なゲームであり、
前記異常判定手段が、実行された単位ゲーム毎の前記検出手段の検出結果の変化に基づいて異常度合を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記ゲームの進行状況が予め定められた特定状況であることを検出する特定状況検出手段として前記コンピュータを機能させ、
前記検出手段が、前記特定状況検出手段により検出がなされている際の操作入力信号をもとに、信号欠落の発生を検出するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のゲームプログラムであって、
前記特定状況検出手段が、前記操作入力手段から時間間隔の短い連続入力をすることによって好成績が望める状況を前記特定状況として検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のプログラムであって、
前記ゲームは、制限時間が設けられたゲームであり、
前記特定状況は、前記制限時間とゲームの実行経過時間との関係に基づいて予め定められた状況であり、
前記特定状況検出手段が、前記ゲームの実行時間経過に基づいて、前記特定状況であることを検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記ゲームは、プレーヤキャラクタの種類及び/又は保有アイテム等の操作対象物によって前記操作入力手段の操作方法が異なるゲームであり、
前記検出手段が、前記操作対象物それぞれに応じて予め定められた信号欠落のうち、現在実行中のゲームにおける操作対象物の信号欠落が生じていることを検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムであって、
前記検出履歴記憶手段が、前記検出手段による検出結果を、当該検出時の操作対象物と対応付けて記憶し、
前記異常判定手段が、前記操作対象物それぞれに応じた操作方法に基づいて、前記操作入力手段の異常を判定する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記ゲームには、前記操作入力手段の操作方法が異なる複数のゲームステージが含まれており、
前記検出手段が、前記ゲームステージそれぞれに応じて予め定められた信号欠落のうち、現在実行中のゲームステージに対応する信号欠落が生じていることを検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムであって、
前記検出履歴記憶手段が、前記検出手段による検出結果を、当該検出時のゲームステージと対応付けて記憶し、
前記異常判定手段が、前記ゲームステージそれぞれに応じた操作方法に基づいて、前記操作入力手段の異常を判定する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータを、更に、
前記ゲームを終了する際に、今回のゲームプレイ結果に基づいてゲームプレイ履歴情報を更新するゲームプレイ履歴情報更新手段、
前記異常判定手段により異常と判定された場合に、前記ゲームプレイ履歴情報更新手段による更新をキャンセルする更新キャンセル処理手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記報知手段が、前記ゲーム進行中に報知を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項14】
操作入力手段からの操作入力信号に応じてゲームを実行するゲーム装置であって、
前記操作入力手段の不具合時に発生するとして予め定められた信号欠落が生じていることを前記操作入力手段からの操作入力信号をもとに検出する検出手段と、
前記検出手段による検出の履歴を記憶する検出履歴記憶手段と、
前記検出履歴記憶手段により記憶された検出履歴に基づいて、前記操作入力手段の異常を判定する異常判定手段と、
前記異常判定手段による判定結果に基づいた報知を行う報知手段と、
を備えたゲーム装置。
【請求項15】
請求項14に記載のゲーム装置であって、
前記異常判定手段が、前記検出手段による検出頻度の変化に基づいて異常度合を判定する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項16】
請求項15に記載のゲーム装置であって、
前記ゲームは、制御データが異なることによってゲーム進行が多様に変化する単位ゲームを、前記制御データを変えて実行可能なゲームであり、
前記異常判定手段が、実行された単位ゲーム毎の前記検出手段の検出結果の変化に基づいて異常度合を判定する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項17】
請求項14〜16の何れか一項に記載のゲーム装置であって、
前記ゲームの進行状況が予め定められた特定状況であることを検出する特定状況検出手段を更に備え、
前記検出手段が、前記特定状況検出手段により検出がなされている際の操作入力信号をもとに、信号欠落の発生を検出する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項18】
請求項14〜17の何れか一項に記載のゲーム装置であって、
前記ゲームは、プレーヤキャラクタの種類及び/又は保有アイテム等の操作対象物によって前記操作入力手段の操作方法が異なるゲームであり、
前記検出手段が、前記操作対象物それぞれに応じて予め定められた信号欠落のうち、現在実行中のゲームにおける操作対象物の信号欠落が生じている
ことを検出することを特徴とするゲーム装置。
【請求項19】
請求項14〜18の何れか一項に記載のゲーム装置であって、
前記ゲームには、前記操作入力手段の操作方法が異なる複数のゲームステージが含まれており、
前記検出手段が、前記ゲームステージそれぞれに応じて予め定められた信号欠落のうち、現在実行中のゲームステージに対応する信号欠落が生じている
ことを検出することを特徴とするゲーム装置。
【請求項20】
請求項14〜19の何れか一項に記載のゲーム装置であって、
更に、
前記ゲームを終了する際に、今回のゲームプレイ結果に基づいてゲームプレイ履歴情報を更新するゲームプレイ履歴情報更新手段と、
前記異常判定手段により異常と判定された場合に、前記ゲームプレイ履歴情報更新手段による更新をキャンセルする更新キャンセル処理手段と
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項21】
稼動回数を含む稼動履歴データを記憶する機能を有する複数のゲーム装置それぞれから、前記稼動履歴データを収集する稼動履歴データ収集手段と、
前記稼働履歴データ収集手段によって収集されたゲーム装置間の稼働履歴データの相違に基づいて、異常の発生したゲーム装置を判定する異常装置判定手段と、
を備えたゲーム装置管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−267876(P2007−267876A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96073(P2006−96073)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】