説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】 より一層遊興性を高めたゲームを実現し、更に何らかのものを「取る」といった行為をゲーム内でより簡便に実現する。
【解決手段】衝突することなく通過可能なマーカオブジェクト(相手ビーコン12)を通過したキャラクタ(CP)を取得済のキャラクタとして識別記憶することで、ゲーム内で「取る」行為を容易に実現する。そして、取得済状態のキャラクタが対戦相手よりも先に運搬目標領域(AT)に到達した場合、当該キャラクタの側がゲームに勝利したと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車や戦闘機といった実機を模したキャラクタの運動や姿勢変化を、物理法則に則った計算、或いは物理法則に近時させた擬似計算によってシミュレーションしながらゲームをさせる、所謂実機シミュレーションゲーム(以下、単に「シミュレーションゲーム」という。)が知られている。
【0003】
例えば、プレーヤが、戦闘機などをモチーフとした飛行体キャラクタを操作して、ゲーム空間中に設定された攻撃目標を撃破したり、他の飛行体キャラクタと空中戦を楽しむシミュレーションゲームは、フライトシューティングゲームとも呼ばれている。フライトシューティングゲームでは、3次元仮想空間内に配置された飛行体キャラクタを操縦席やキャラクタの斜め後方から見た画像がゲーム画面として表示される。この際、飛行体キャラクタの運動や姿勢は、流体力学などの物理法則に則って演算されるので、プレーヤは、あたかも自身が飛行体に乗っている、或いは飛行体になったかのような浮揚感や飛翔感を感じながらリアリスティックなシューティングゲームを楽しむことができる。特に、実在する戦闘機をモデルにした飛行体キャラクタを用いるものは、攻撃兵器の設定のリアルさとあいまって、きわめてリアルな空中戦を楽しむことができるようになっている(特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−38851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、シミュレーションゲームには、リアル感を味わうことができるといった良い面がある一方で、リアルであるが故にとかくプレーに際してはとっつき難い感があった。そのため、仲間が集まって複数のプレーヤが楽しむ所謂パーティプレイにはやや遊興性に欠けていた。ゲームソフトの商品性の観点からすると、シミュレーションゲームをベースに、何らかの小ルールを設定してより一層の遊興性を高めることが求められている。
【0005】
本発明は、上述のような事情を鑑みて為されたものであり、より一層遊興性を高めたゲームを実現することを目的としている。尚、上述の課題の背景として説明したフライトシューティングゲームは説明を分かり易くするための一例であり、本発明は他の実機シミュレーションゲームや他のゲームにおける同様の課題の解決をも図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明は、コンピュータに、プレーヤの操作入力に従って自キャラクタのゲーム空間中の移動を制御して、相手キャラクタと対戦する対戦ゲームを実行させるためのプログラム(例えば、図6のゲームプログラム602)であって、通過又は接触することにより取得したと判定されるマーカオブジェクト(例えば、図2の自ビーコン10、相手ビーコン12)を前記ゲーム空間に配置するマーカオブジェクト配置手段(例えば、図6の処理部200、図16のステップS16、S30〜S34)、所定の運搬目標領域を前記ゲーム空間に設定する目標領域設定手段(例えば、図6の処理部200、図3の運搬目標領域範囲AT、図16のステップS8)、前記配置されたマーカオブジェクトを前記通過又は接触することにより取得したキャラクタを検出する検出手段(例えば、図6の処理部200、図18のステップS114)、前記複数のキャラクタそれぞれのうち、前記検出手段により検出されたキャラクタを取得済のキャラクタとして識別記憶する取得済キャラ識別記憶手段(例えば、図6の処理部200、図18のステップS144〜S150)、前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶され、且つ、前記設定された運搬目標領域に到達したキャラクタを検出する運搬キャラ検出手段(例えば、図6の処理部200、図20のステップS234)、前記対戦ゲームの勝敗を、少なくとも、前記運搬キャラ検出手段により検出されたキャラクタに基づいて判定する勝敗判定手段(例えば、図6の処理部200、図20のステップS234〜S238)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
また他の発明として、プレーヤの操作入力に従って自キャラクタのゲーム空間中の移動を制御して、相手キャラクタと対戦する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、衝突することなく通過可能なマーカオブジェクトを前記ゲーム空間に配置するマーカオブジェクト配置手段と、所定の運搬目標領域を前記ゲーム空間に設定する目標領域設定手段と、前記配置されたマーカオブジェクトを通過したキャラクタを検出する検出手段と、前記複数のキャラクタそれぞれのうち、前記検出手段により検出されたキャラクタを取得済のキャラクタとして識別記憶する取得済キャラ識別記憶手段と、前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶され、且つ、前記設定された運搬目標領域に到達したキャラクタを検出する運搬キャラ検出手段と、前記対戦ゲームの勝敗を、少なくとも、前記運搬キャラ検出手段により検出されたキャラクタに基づいて判定する勝敗判定手段と、を備えたゲーム装置(例えば、ゲーム装置1400、1400−2)である。
【0008】
第1の発明及び他の発明によれば、ゲーム空間に配置されたマーカオブジェクトを通過又は接触したキャラクタを、取得済のキャラクタとして識別し、取得済のキャラクタが運搬目標領域に先に到達したことを勝利判定の条件の一つとすることで、ゲームに新たな遊興性をもたらすことができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明のプログラムであって、前記各キャラクタは所定の攻撃方法により他方のキャラクタに攻撃が可能なキャラクタであり、攻撃を受けることにより可変される前記キャラクタそれぞれに設定されたダメージ量が、所定量に達したキャラクタを検出するダメージキャラ検出手段(例えば、処理部200、図19のステップS182)、前記ダメージキャラ検出手段により検出されたキャラクタが前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶されたキャラクタであった場合に、前記取得済キャラ識別記憶手段による当該キャラクタの取得済との識別記憶を解除する識別記憶解除手段(例えば、図6の処理部200、図19のステップS184〜S190)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0010】
第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するとともに、取得済キャラクタが攻撃を受けて所定量に達するダメージを受けた場合、取得済の認識を解除することができる。すなわち、取得済となった後に運搬目標領域に到達する前に、攻撃して取得済みの認識を解除するといった邪魔をすることで、不利であったゲーム状況を戻すことができることになる。よって、様々なゲーム展開が可能になり、より一層遊興性を高めることができる。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明のプログラムであって、前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶されているキャラクタに予め設定された移動能力、攻撃能力、防御能力のうち少なくとも1つを低減させる能力低減手段(例えば、図6の処理部200、図18のステップS150)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0012】
第3の発明によれば、第1又は第2の発明と同様の効果を奏するとともに、取得済のキャラクタの能力を低減させることができる。したがって、取得済と認識されたキャラクタの能力が他のキャラクタよりも優れている場合に、そのまま逃げ切る形で運搬目標領域に到達してゲームに勝利するといった事態が起きるのを防ぎ、より攻防が起き易くしてゲーム性を高めることができる。また、キャラクタが取得状態であることをキャラクタの能力の変化でプレーヤに認識させることができるのでプレーに集中し易くなる。
【0013】
第4の発明は、第1〜3の発明何れか一つの発明のプログラムであって、前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶されているキャラクタ以外のキャラクタに予め設定された移動能力、攻撃能力、防御能力のうち少なくとも1つを増加させる能力増加手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0014】
第4の発明によれば、第1〜3の発明何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、取得済と認識されているキャラクタ以外のキャラクタの能力を高めることができる。したがって、相手に取得を許してしまっても高まった能力で反撃しやすくなり、不利になったゲーム状況を変える可能性が高くなる。したがって、より一層攻防が起き易くなりゲーム性を高めることができる。
【0015】
第5の発明は、第3又は第4の発明のプログラムであって、前記取得済キャラ識別記憶手段により自キャラクタが取得済として識別記憶されている場合に、自プレーヤの所定の解除指示操作入力に応じて、前記取得済キャラ識別記憶手段による自キャラクタの取得済との識別記憶を解除する識別記憶プレーヤ解除手段(例えば、図6の処理部200、図19のステップS198〜S202)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0016】
第5の発明によれば、第3又は第4の発明と同様の効果を奏するとともに、取得済のキャラクタとそれ以外のキャラクタとの能力差が大きく、ゲーム展開上不利であるとプレーヤが判断した場合、意図的に取得済の状態を解除することができる。したがって、例えば一旦取得済を解除して、能力差を元に戻して対戦するといった戦略が取れるようになり、ゲーム性がより一層高まりゲームの魅力が増す。
【0017】
第6の発明は、第2又は第5の発明のプログラムであって、前記検出手段により検出されたマーカオブジェクトを消去するマーカオブジェクト消去手段(例えば、図6の処理部200、図18のステップS152)、前記取得済キャラ識別記憶手段による取得済との識別記憶が解除された場合に、当該解除時点の当該識別記憶していたキャラクタの位置に基づく前記ゲーム空間中の新たな位置に、前記マーカオブジェクトを新たに配置するマーカオブジェクト新規配置手段(例えば、図6の処理部200、図19のステップS204〜S214)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0018】
第6の発明は、第2又は第5の発明と同様の効果を奏するとともに、通過または接触が検出されたマーカオブジェクトを消去することで、あたかもマーカオブジェクトが同オブジェクトを通過または接触したキャラクタに持ち出され運搬されたかのように見せることができる。また、その反対に取得済との識別記憶が解除された場合に、キャラクタの位置に基づいて新たにマーカオブジェクトを配置することで、そこまで運搬されたかのように見せることができる。よって、より視覚的な分かり易さが増し、ゲームを分かり易くできる。
【0019】
第7の発明は、第2,5又は6の発明のプログラムであって、前記勝敗判定手段が、自キャラクタ及び相手キャラクタのうち一方のキャラクタが前記運搬キャラ検出手段により検出され、且つ、他方のキャラクタが前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶されていない場合に、当該一方のキャラクタを勝ちと判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0020】
第7の発明によれば、第2,5又は6の発明と同様の効果を奏するとともに、ゲームに勝利する条件がより複雑になる。したがって、より攻防が起き易くなりゲームの魅力を高めることができる。
【0021】
第8の発明は、第2及び5〜7の何れか一つの発明のプログラムであって、前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶されていた時間を前記キャラクタ毎に計時する取得時間計時手段(例えば、図6の処理部200、図17のステップS120〜S122)、前記対戦ゲーム開始からの時間を計時して所定の制限時間が経過したことを検出する制限時間経過検出手段(例えば、図6の処理部200、図16のステップS14、図20のステップS240)、として前記コンピュータを機能させ、前記勝敗判定手段が、前記制限時間経過検出手段による検出がなされた場合、前記取得時間計時手段により計時されている時間の長短に基づいて、前記対戦ゲームの勝敗を判定する制限時間経過時判定手段(例えば、図6の処理部200、図20のステップS240〜S244)を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0022】
第8の発明によれば、第2及び5〜7の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、ゲームの制限時間に達したときに取得済の時間の長短に基づいて勝敗を決定することができる。したがって、制限時間に達しても運搬目標領域に到達した取得済状態のキャラクタが無く勝敗が決しない場合でも、勝敗を決めることができる。またそれ故に、プレーヤに積極的にキャラクタを取得済状態とするように仕向け、ゲームの展開を早め、スピーディな魅力あるゲームとすることができる。
【0023】
第9の発明は、第1〜7の何れか一つの発明のプログラムであって、前記各キャラクタは所定の攻撃方法により他方のキャラクタに攻撃が可能なキャラクタであり、前記キャラクタのうち、攻撃元のキャラクタと攻撃先のキャラクタとの相対的な位置関係が所定の攻撃命中可能関係にあることを検出する攻撃命中可能関係検出手段(例えば、図6の処理部200、図17のステップS104)、前記攻撃可能関係検出手段により検出された時間を、当該検出における攻撃元のキャラクタ毎に計時する攻撃可能関係時間計時手段(例えば、図6の処理部200、図17のステップS106)、前記対戦ゲーム開始からの時間を計時して所定の制限時間が経過したことを検出する制限時間経過検出手段(例えば、図6の処理部200、図16のステップS14、図17のステップS240)、として前記コンピュータを機能させ、前記勝敗判定手段が、前記制限時間経過検出手段による検出がなされた場合、前記攻撃可能関係時間計時手段により計時されている時間の長短に基づいて、前記対戦ゲームの勝敗を判定する制限時間経過時判定手段(例えば、図6の処理部200、図17のステップS242〜S246)を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0024】
第9の発明によれば、第1〜7の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、攻撃元のキャラクタが攻撃先のキャラクタを攻撃命中可能関係にある相対位置に捕捉した時間の長短に基づいてゲームの勝敗を判定することができる。したがって、制限時間に達しても運搬目標領域に到達した取得済状態のキャラクタが無いなどの理由で勝敗が決まらない場合でも、勝敗を判定することができる。また、攻撃元のキャラクタが攻撃先のキャラクタを攻撃命中可能関係にある相対位置にある状態とは、相手を攻撃し易くそれ故に勝利しやすい有利なゲーム展開にあるとも言える。したがって、プレーヤに積極的に攻撃を仕掛けるように仕向け、防御一辺倒になるような消極的なゲームの展開を防ぐことで、スピーディな魅力あるゲームとすることができる。
【0025】
第10の発明は、第1〜9の何れか一つの発明のプログラムであって、前記マーカオブジェクトの形態を可変するマーカ形態可変手段(例えば、図6のステップ200、図11のモーションデータ608e、図16のステップS30)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0026】
第10の発明は、第1〜9の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、マーカオブジェクトの形態を可変することができる。したがって、マーカオブジェクトを通過する難易度が変化させることが可能になり、ゲーム性をより高めることができる。
【0027】
第11の発明は、第10の発明のプログラムであって、前記キャラクタそれぞれに所定のレベル(例えば、図6の難易度設定データ632)が設定されており、前記マーカ形態可変手段が、前記キャラクタそれぞれに設定されたレベルに基づいて形態を可変するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0028】
第11の発明によれば、第10の発明と同様の効果を奏するとともに、キャラクタ毎に適用されるレベルを設定し、そのレベルに応じてマーカオブジェクトの形態を変えることで、マーカオブジェクトを通過する難易度を変えることができる。したがって、キャラクタ毎にマーカオブジェクトの形態の可変を違えることで、視覚的な変化を楽しませつつ、技量の異なるプレーヤが対戦する場合のハンディキャップを設けることが可能になる。
【0029】
第12の発明は、第1〜11の何れか一つの発明のプログラムであって、前記配置されたマーカオブジェクトを動かすマーカ運動制御手段(例えば、図6のステップ200、図11のモーションデータ608e、図16のステップS30)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0030】
第12の発明によれば、第1〜11の何れか一つの発明によれば、マーカオブジェクトを動かすことができる。キャラクタを通過させる対象が動くことで、キャラクタを取得済状態とするのがより難しくなる。よって、よりゲームの難易度を高めることができる。更に、仮想空間内における配置位置も移動するように動く構成とするならば、配置位置の変化によってより様々なゲーム展開が生まれ易くなり、ゲーム性をより一層高めることができる。
【0031】
第13の発明は、第12の発明のプログラムであって、前記キャラクタそれぞれに所定のレベルが設定されており、前記マーカ形態可変手段が、前記キャラクタそれぞれに設定されたレベルに基づいて前記マーカオブジェクトを動かすように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0032】
第13の発明によれば、第12の発明と同様の効果を奏するとともに、キャラクタ毎に適用されるレベルを設定し、そのレベルに応じてマーカオブジェクトの動きを変えることで、マーカオブジェクトを通過する難易度を変えることができる。したがって、キャラクタ毎にマーカオブジェクトの動きを違えることで、視覚的な変化を楽しませつつも、技量の異なるプレーヤが対戦する場合のハンディキャップを設けることが可能になる。
【0033】
第14の発明は、第1〜13の何れか一つの発明のプログラムであって、前記コンピュータは、相手キャラクタを操作する他機(例えば、図2の相手ゲーム装置1400−2)と通信する通信手段(例えば、図2の通信部500)を備えており、前記通信手段に前記他機との間で所定の通信を行わせて、前記対戦ゲームを進行させる通信制御手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0034】
第14の発明によれば、第1〜13の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、離れた場所にいる複数のプレーヤが、所謂対戦ゲームとしてゲーム楽しむことができる。
【0035】
第15の発明は、第1〜14の何れか一つの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0036】
第15の発明によれば、コンピュータで第1〜14の何れか一つの発明のプログラムを読み出して演算処理することによって、第1〜14の何れか一つの発明と同様の効果をコンピュータに実現させることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明よれば、ゲーム空間に配置されたマーカオブジェクトを通過したキャラクタを、取得済のキャラクタとして識別し、取得済のキャラクタが運搬目標領域に先に到達したことを勝利判定の条件の一つとすることで、ゲームに新たな遊興性をもたらすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明を適用した第1実施形態について説明する。本実施形態では、プレーヤが他プレーヤとともに、同一のゲーム空間で戦闘機型のキャラクタで1対1の空中戦を楽しむ通信対戦ゲーム形式のフライトシューティングゲームを実行する場合を例に挙げて説明する。
【0039】
通信対戦ゲームを実現するシステム構成としては、例えば、(1)家庭に設置してあるパソコンや家庭用ゲーム機、ゲームセンターやアミューズメント施設等に設置される業務用ゲーム機等のゲーム装置を、インターネット網や専用線網等の有線/無線の通信回線を介してゲームサーバと接続する構成、(2)ゲームサーバを用いることなく複数のゲーム装置が通信回線を介して接続される構成、(3)複数のゲーム装置が通信回線を介して接続されるが、その内の1台がゲームサーバ機能を有する構成、(4)複数のゲーム装置が物理的に結合した、全体として1台のシステム(例えば業務用ゲーム機)となっている構成等が有る。
【0040】
本発明は何れのシステム構成に対しても適用可能であるが、ここでは(2)の構成を例にとって説明する。尚ここで言う、通信回線とは、データ授受が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0041】
[1・ゲーム装置の外観]
図1は、本実施形態におけるゲーム装置1400の外観例を示す図である。ゲーム装置1400は、例えば、プレーヤが携帯して使用する携帯型のゲーム装置である。
ゲーム装置1400は、プレーヤがゲーム操作を入力するための方向キー1402およびボタンスイッチ1404と、ディスプレイ1410と、スピーカ1412と、無線通信モジュール1414と、制御ユニット1420とが、筐体本体1401と一体に備えられている。また、筐体本体1401には、メモリカード1440を着脱自在に装着するためのスロット1406が備えられている。その他、図示しない内臓バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0042】
この携帯型のゲーム装置1400は、ゲーム処理を実行するために必要なプログラムやデータ等をメモリカード1440から読み出す構成であるが、無線通信モジュール1414を介して通信回線Nに接続し、外部の装置から取得する構成としても良い。
【0043】
制御ユニット1420は、CPUやICメモリなどを備え、メモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出し、これに従ってゲームプレイに必要な種々の演算処理を実行して装置各部を制御する。
【0044】
例えば、制御ユニット1420は、無線通信モジュール1414を制御して、無線通信可能なエリア内に在る対戦相手となるプレーヤ(以下、「相手プレーヤ」とも言う。)が操作するゲーム装置1400−2(以下、適宜「相手ゲーム装置」とも言う。)との間で通信ネットワークを形成し、ゲームプレイに必要な各種データの交換を実現する。そして、方向キー1402やボタンスイッチ1404から入力される操作信号、無線通信モジュール1414によって対戦相手のゲーム装置1400−2から受信したデータ等に基づいて種々のゲーム処理を実行し、ゲーム画像の画像信号及びゲーム音の音信号を生成する。生成されたゲーム画像はディスプレイ1410に表示され、ゲーム音の音信号はスピーカ1412から音出力される。
プレーヤは、ディスプレイ1410に表示されるゲーム画像を見ながら方向キー1402やボタンスイッチ1404を操作し、相手プレーヤと対戦してゲームを楽しむことができる。
【0045】
[2・ゲーム概要の説明]
図2は、本実施形態におけるゲームの概要を説明するための概念図であって、仮想空間内に設けられたゲーム空間1の斜視図である。キャラクタなどの各種オブジェクトが配置されている。仮想空間内を所与の仮想カメラCMから見た画像が生成されてゲーム画面に用いられる。
【0046】
ゲーム空間1には、予め範囲が定められた地表2の上空にステージ空間4が設定されており、その内部にキャラクタなどの各種オブジェクトが配置されている。ステージ空間4は、テニスのコートや相撲の土俵に相当し、プレーヤキャラクタCPと相手キャラクタCOは、原則ステージ空間4の内部でゲームをする。そして、仮想空間内を所与の仮想カメラCMから見た画像を元にゲーム画面が表示される。
【0047】
地表2は、地形の凹凸、橋梁などの汎用的な構造物が表されたオブジェクトであり、その上にはプレーヤ側に属する自基地6と、相手側に属する相手基地8とがそれぞれ設定されている。基地は、それぞれが帰還すべき場所の目印の役割を果たす。建物であっても良いし空港や特定の地上に描かれた図柄(マーク)などであっても良い。
【0048】
自基地6の上面には、プレーヤ側に属する自ビーコン10が配置され、相手基地8の上面には、相手プレーヤ側に属する相手ビーコン12が配置されている。ビーコンは、プレーヤキャラクタCPや相手キャラクタCOが取得する対象を擬似的に表すオブジェクトである。本実施形態では、上空所定高度まで到達する光柱を表す円柱形のオブジェクトが設定されている。このオブジェクトは、衝突せずに通過可能なオブジェクトとして、視覚的な表現上、光柱としたものである。
【0049】
図3は、本実施形態におけるゲーム展開例の概要を説明するための概念図である。図2のゲーム空間1を側面から見た状態を表している。
本実施形態のフライトシューティングゲームでは、戦闘機を模したプレーヤキャラクタCPが、相手にはプレーヤキャラクタ側のビーコンを取得させない状態で且つ相手側のビーコンを自基地6に運搬し持ち帰ることで勝利する。相手側にとっても同様であり、相手キャラクタCOが、相手側のビーコンを取得させない状態で且つプレーヤ側のビーコンを相手基地8に運搬し持ち帰ることで相手側の勝利となる。すなわち、相手のビーコンを取得し、相手よりも先に基地に帰還することが勝利の重要な条件となる。
【0050】
プレーヤの立場からゲームの概要を説明すると次の様になる。
ゲーム開始とともに、プレーヤは相手ビーコン12を取得しに行く。より具体的には、同図(a)で示すように、ゲーム開始当初はプレーヤキャラクタCP、相手キャラクタCOとも各々の基地6,8の上空に配置され、各基地の上にそれぞれのビーコン10,12が配置されている。プレーヤは、プレーヤキャラクタCPを操作して相手ビーコン12を通過させる。キャラクタとビーコンは相互に衝突はせず、プレーヤキャラクタCPが相手ビーコン12を通過すると、「プレーヤキャラクタCPが相手ビーコン12を取得した」と判定される。同様に、相手キャラクタがプレーヤ側のビーコン(自ビーコン10)を通過すると、相手キャラクタがプレーヤ側のビーコンを取得したと判定される。すなわち、キャラクタの側に属していないビーコンは、当該キャラクタの取得対象であり、そのオブジェクトは取得するために通過する特定のマーカ領域を表している。
【0051】
同図(b)に示すように、プレーヤキャラクタCPが相手ビーコン12を通過すると、当該ビーコンは取得されたので非表示として画面上から消去される。プレーヤは、プレーヤキャラクタCPを自基地6に向けて帰還させる。ビーコンを取得すると、キャラクタの能力が低下する(図中ではジグザグ線で表示)。例えば、キャラクタの動作が鈍くなり、ビーコンを取得したことであたかも重い荷物を運搬しているかのような感じをプレーヤに与える。尚、図中では、ビーコン取得中であることを破線の円をプレーヤキャラクタCPに付記して表している。
【0052】
自基地6の上空所定範囲には、プレーヤキャラクタCPの帰還の判定をするための判定領域であり、ビーコンの運搬先を示す運搬目標領域ATが設定されている。相手キャラクタCOがプレーヤ側の自ビーコン10を相手基地8に運搬するよりも早く、プレーヤキャラクタCPが運搬目標領域ATに到達すれば、プレーヤ側の勝利となる。
【0053】
さて、相手より先にビーコンを基地に持ち帰れば勝利となるということは、相手に先にビーコンを運搬されなければ勝利の可能性が高まることになる。したがって相手の運搬を邪魔するといったゲーム戦略をとることも可能になる。この場合、例えば図4の様な展開となる。
【0054】
同図(a)に示すように、プレーヤキャラクタCPがビーコンを運搬中に、相手キャラクタCOがこれを撃墜することで使用不可状態・運搬不能にして、邪魔をする。プレーヤキャラクタCPに運搬されていた相手ビーコン12は落下する。落下する様子は、光球BFの落下として表される。
【0055】
同図(b)に示すように、光球BFが地表に着地すると、着地位置に相手ビーコン12が再び現れる。そして相手キャラクタCOが相手ビーコン12を通過すると、相手ビーコン12は初期配置位置である相手基地8の上に戻される。
したがって、ビーコンを取得しているキャラクタを攻撃・撃墜し、運搬されていたビーコンが再配置されたところを、当該ビーコンが属する側のキャラクタが通過することで当該ビーコンの位置を元にもどし、不利なゲーム展開を一掃することができる。
【0056】
更にここで、プレーヤは応戦することで、相手の邪魔を実力で排除することもできる。この場合、例えば図5の様な展開となる。
同図(a)に示すように、プレーヤキャラクタCPがビーコンを取得して運搬中に、相手キャラクタCOから攻撃を受けたならば、所定の操作をして意図的に取得しているビーコンを放出する。ビーコンを放出すると、同図(b)に示すように、ビーコンを取得していない状態にもどるので、プレーヤキャラクタCPの低下していた能力も回復する。元の能力にもどるので相手キャラクタCOと空中戦をしても勝機が増え、相手側からの邪魔を実力で排除できる。
【0057】
なお、放出したビーコンは、着地地点に相手ビーコン12として再配置される。同図(c)に示すように、相手キャラクタCPを撃墜した後、プレーヤキャラクタCPが、再配置された相手ビーコン12を通過すると、再び当該ビーコンを取得できる。そして、同図(d)に示すように、再取得して自基地6上空に設定された運搬目標領域ATに到達すれば、勝利することができる。
【0058】
このように、「相手のビーコンを相手より先に運搬目標領域に持ち帰る」ルールを設定することで、フライトシューティングゲームの浮揚感や飛翔感を楽しみつつも様々なゲーム展開を楽しむことが可能となり、リアルな中に遊興性をかもし出し、仲間内で気軽にプレーできるゲームを実現できる。
また、上空に向けて伸びたビーコンという特定のマーカ領域を通過するだけでビーコンを取得することができるので、戦闘機のような高速飛行する飛行体をキャラクタとして使用するゲームであっても、何かのものを「取る」といったルールを、簡単な処理でしかも高度な操作技術を要せずにゲームに取り入れることができる。
【0059】
[3・機能ブロックの説明]
次に、機能構成について説明する。
図6は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、ゲーム装置1400は、機能ブロックとして操作入力部100と、処理部200と、画像表示部300と、音出力部400と、通信部500と、記憶部600とを有している。
【0060】
操作入力部100は、ゲーム装置1400を操作するプレーヤが各種のゲーム操作を入力する。操作入力部100は、例えばボタンスイッチ、レバー、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサによって実現され、図1では、方向キー1402やボタンスイッチ1404がこれに該当する。操作入力部100から入力される操作信号は処理部200に出力される。
【0061】
処理部200は、ゲーム装置1400全体の制御および各機能部への指示、画像処理、音処理等の各種処理を行う。処理部200は、各種プロセッサ(CPU,DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)等のハードウェアによって、記憶部600に記憶されているシステムプログラムやゲームプログラム602、各種データに基づいて演算処理等することにより実現される。図1では、制御ユニット1420がこれに該当する。
【0062】
また、処理部200は、ゲーム演算部210と、画像生成部230と、音生成部250と、通信制御部270とを含み、1フレーム時間(1/60秒)で1枚の画像を生成して画像表示部300に表示出力させるとともに、適宜効果音やBGMを音出力部400に音出力させる。
【0063】
ゲーム演算部210は、操作入力部100から入力される操作信号、記憶部600から読み出したゲームプログラム602やデータ、或いは通信部500を介して通信接続される相手ゲーム装置1400−2から送信されるデータ等に基づいて、フライトシューティングゲームを実現するための種々のゲーム処理を実行し、処理結果を画像生成部230や音生成部250に出力する。ゲーム処理としては、例えばゲーム空間の設定処理、プレーヤキャラクタCPや相手キャラクタCO、ビーコンや基地といった配置物等のオブジェクトの配置処理、攻撃のヒットとそれに伴うダメージの算出処理、オブジェクトの接触判定処理、ゲーム結果の算出処理等が挙げられる。
【0064】
また、本実施形態のゲーム演算部210には、ゲームモード設定部211と、優勢ポイント算出部213と、ビーコン取得化処理部215と、ビーコン放出処理部217と、勝敗判定部219とが含まれる。
【0065】
ゲームモード設定部211は、ゲームの難易度の設定に係る処理を実行する。
【0066】
優勢ポイント算出部213は、プレーヤ側および相手側の夫々に設定された優勢ポイントを、キャラクタ間の攻撃によるダメージ計算にかかわらず、一方の側がゲームを優勢に展開していると判断される状況になったことに応じて、優勢側または劣勢側の少なくとも何れかのポイントを加点または減点する。具体的には、本実施形態はフライトシューティングゲームなので、射程範囲内に相手を捕捉している状態が発生している場合に、捕捉している側に加点し捕捉されている側を減点する。また、故意に敵前逃亡的な行為をする場合として、ステージ範囲630を逸脱した側を減点する。また、ビーコンをより長い時間取得しているほど加点する。
【0067】
ビーコン取得化処理部215は、キャラクタがビーコンを取得するのに係る処理を実行する。本実施形態では、一方が他方のビーコンを取得し自身の運搬目標領域に運搬する形態なので、キャラクタが他方側のビーコンを通過した場合に、これを取得したものと判定する。そして、キャラクタの状態をビーコン取得状態とし、取得されたビーコンをゲーム空間内から消去する。また、プレーヤキャラクタがプレーヤキャラクタ側のビーコンを通過した場合、或いは、相手キャラクタが相手キャラクタ側のビーコンを通過した場合には、当該ビーコンを初期配置位置に戻す処理をする。
【0068】
ビーコン放出処理部217は、取得されていたビーコンの放出に係る処理を実行する。例えば、所定のビーコン放出操作が入力された場合、或いはビーコンを取得・運搬しているキャラクタが撃墜された場合に、ビーコンを取得していたキャラクタの状態を被取得状態とし、取得され運搬されていたビーコンが放出されて落下する状態を表示させる。また、落下するビーコンが着地した場合、着地位置に新たにビーコンオブジェクトを配置する。
【0069】
勝敗判定部219は、ゲームの勝敗を判定する。具体的には、ゲームの制限時間内に、一方側のキャラクタが他方側のビーコンを取得して運搬目標領域に到達し、且つ一方側のビーコンは他方のキャラクタに取得されていない場合、一方側が勝利したと判定する。また、制限時間に達したにも拘らず何れの側も勝利していない場合には、各側の優勢ポイントに基づいて勝敗を決定する。
【0070】
画像生成部230は、例えば、CPUやDSP等のハードウェアやその制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部230は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像の画像信号を画像表示部300に出力する。
【0071】
音生成部250は、例えば、CPUやDSP等のハードウェアやその制御プログラムによって実現される。音生成部250は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて、ゲーム中に使用される効果音やBGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部400に出力する。
【0072】
画像表示部300は、画像生成部230から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管(CRT)、プロジェクターといった画像表示装置によって実現できる。図1ではディスプレイ1410がこれに該当する。プレーヤは、画像表示部300に表示されるゲーム画像を見ながら操作入力部100を操作してゲームを楽しむ。
【0073】
音出力部400は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力するための装置である。図1ではスピーカ1412がこれに該当する。
【0074】
通信部500は、外部(例えば、対戦相手のゲーム装置1400−2)とのデータ通信をする。通信部500の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1では無線通信モジュール1414がこれに該当する。
【0075】
記憶部600は、処理部200にゲーム装置1400を統合的に制御させるためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム602及び各種データを格納する。記憶部600の機能は、例えばICメモリやハードディスク、メモリカード、光ディスク、CD−ROM、DVD−RAM等により実現される。図1では、メモリカード1440、制御ユニット1420に搭載されるICメモリ等がこれに該当する。
【0076】
本実施形態の記憶部600は、予め設定され記憶されているデータとして、ゲームプログラム602、ゲーム空間設定データ604、キャラクタデータ606、ビーコンデータ608、情報表示物データ610、優勢ポイント換算テーブル612を記憶している。また、ゲームの進行に応じて生成・変更されるデータとしては、自プレーヤ操作データ620、相手プレーヤ操作データ622、キャラクタステータスデータ624、ビーコンステータスデータ626、優勢ポイントデータ630、難易度設定データ632を記憶する。
【0077】
図7は、本実施形態におけるゲーム空間設定データ604のデータ構成例を示す図である。ゲーム空間設定データ604は、ゲーム空間を定義する情報を格納しており、ステージ範囲630と、背景データ632と、地表データ634と、基地データ636とを含んでいる。
【0078】
ステージ範囲630は、本発明のゲームをするに当って利用可能な限定領域の範囲を定義するゲーム空間座標系の座標範囲が格納されている。したがって、ステージ範囲630は、テニスのコートや相撲の土俵に相当する範囲を定義する。本実施形態では、図2のステージ空間4の範囲を特定するための座標値を格納する。背景データ632は、ゲーム空間1の背景とする画像データである。本実施形態ではビーコンを光柱として表現するので、比較的薄暗い時刻の空を定義すると、ビーコンを視認し易いので好ましい。地表データ634は、地上の地形を定義するモデルデータであり、図2の地表2を定義するデータを格納する。尚、背景の一部として用いられるビル群などの構造物も地表データに適宜含むものとする。
【0079】
基地データ636は、自プレーヤ側および相手プレーヤ側の基地6,8を示すオブジェクトのデータを格納する。具体的には、図8に示すように、基地識別情報636aに対応づけて、所属勢力情報636bと、基地オブジェクトデータ636cと、基地配置位置情報636dと、運搬目標領域範囲636eとが含まれている。
【0080】
所属勢力情報636bは、どの勢力の基地であるかを示している。本実施形態では、1対1の対戦ゲームなので、自プレーヤ側を示す「α」または相手プレーヤ側を示す「β」が格納される。基地オブジェクトデータ636cは、基地6,8のオブジェクトのモデルデータ、テクスチャデータなど表示に必要なデータを格納している。
基地配置位置情報636dは、当該基地を配置するゲーム空間座標系の座標値を格納する。
【0081】
運搬目標領域範囲636eは、ビーコンを取得したキャラクタが所属勢力の基地に戻ったことを判定するための領域を定義している。本実施形態では、基地オブジェクトデータ636cで定義された構造物の敷地上空の所定高度までの範囲を運搬目標領域ATとして定義している。したがって、プレーヤキャラクタCPが相手側(相手勢力)のビーコン12を取得した状態で所属勢力情報636bが合致する基地データ636の運搬目標領域範囲636eで定義された空間に到達すれば、勝利条件の一つを満たすことになる。
【0082】
図9は、本実施形態におけるキャラクタデータ606のデータ構成例を示す図である。本実施形態は1対1の空中戦を行うゲームなので、キャラクタデータ606が、プレーヤキャラクタCPと相手キャラクタCOそれぞれについて設定されている。
【0083】
キャラクタデータ606には、キャラクタ識別情報641に対応づけられて、所属勢力情報643、キャラクタオブジェクトデータ645、撃墜オブジェクトデータ646、初期能力値データ647、攻撃装備データ648及び初期配置位置座標659が格納されている。
【0084】
キャラクタオブジェクトデータ645は、初期状態で用いられるプレーヤキャラクタCPのオブジェクトデータである。撃墜オブジェクトデータ646は、当該キャラクタが許容量以上のダメージを受けて使用不可になった場合(撃墜された場合)に用いられるオブジェクトデータある。本実施形態では、キャラクタオブジェクトデータ645は戦闘機を模したオブジェクトであり、撃墜オブジェクトデータ646はその戦闘機が破壊されて墜落する状態を表すオブジェクトである。
【0085】
初期能力値データ647は、当該キャラクタがゲーム中に発揮する能力の初期値が格納されている。例えば、移動の最高速度や最高加速度、攻撃が当った場合に相手方に与えるダメージを示す攻撃能力値、ダメージの許容量を示す防御能力値などが定義されている。その他、適宜設定可能である。
【0086】
攻撃装備データ648は、当該キャラクタが装備する攻撃兵器に関する設定を格納している。例えば、図10に示すように、攻撃装備種類648aに対応付けて、当該攻撃兵器が当った場合に相手に与えるダメージ648bと、当該攻撃兵器の射程範囲648cが格納されている。射程範囲648cには、例えばキャラクタの位置座標をローカル座標原点とした座標範囲が設定されている。例えば、射程範囲STL1の場合は、キャラクタの前方に向かって拡開する円錐形の範囲が設定されている。射程範囲STL2はミサイル用なので、キャラクタの前方に例えば横断面が台形の角錐台の範囲が設定されている。
【0087】
初期配置位置座標649には、ゲームスタート時に当該キャラクタを配置するゲーム空間座標系の座標値が格納されている。本実施形態では、当該キャラクタの側の基地上空やその周辺が設定されている。
【0088】
図11は、ビーコンデータ608のデータ構成例を示す図である。ビーコンデータ608は、ビーコンを取得するためにキャラクタが通過するべきマーカ領域を設定し、画面に表示させるためのデータが格納されている。本実施形態では、自プレーヤ側と相手プレーヤ側の2勢力でゲームするので、それぞれに1つ設けられている。一つの側に複数のビーコンを設定する場合には、ビーコン毎に設定する。
【0089】
ビーコンデータ608には、ビーコン識別情報608aと対応付けて、所属勢力608bと、ビーコンオブジェクトデータ608cと、初期配置位置座標608dと、モーションデータ608eと、放出ビーコンオブジェクトデータ608fとが格納されている。
【0090】
所属勢力608bは、当該ビーコンがどの勢力に属すかを示している。本実施形態では、プレーヤは自勢力以外の勢力に属するビーコンを取得し、自身の運搬目標領域である所属勢力の基地まで持ち帰ることをゲームの骨子としている。したがって、キャラクタの所属勢力とビーコンの所属勢力608bとが異なるものは、当該キャラクタにとっての取得対象・運搬対象であり、同勢力に属するビーコンは相手勢力に取得・運搬されないように守備すべき守備対象となる。
【0091】
ビーコンオブジェクトデータ608cは、ビーコンを画像表示するためのオブジェクトデータを格納している。同時に、表示用のモデルでキャラクタがビーコンを取得したか否かを判定するためのマーカ領域の範囲を定義している。つまり、ビーコンのオブジェクトはマーカ領域を表すオブジェクト(マーカオブジェクト)と同義である。本実施形態では、ゲーム開始前にゲーム難易度を設定可能なるので、低難易度用のモデルMB1と高難易度用のモデルMB2とが設定されている。本実施形態では、ビーコンは地上から所定高度まで照射された光柱なので、表示用モデルは何れも円柱状を成している。そして、高難易度用のモデルMB2は、低難易度用のモデルMB1に比べて高さが低く(HB2<HB1)、円柱の半径も小さい。本実施形態では、キャラクタは戦闘機なので、低空ほど操縦に高度な技術が求められるためである。尚、本実施形態では、プレーヤ側のビーコンも相手側のビーコンも同じ形状のものが設定されているが、モデルの表示色が異なっている。
【0092】
初期配置位置座標608dは、当該ビーコンをゲーム開始時に配置するゲーム空間座標系の座標値を格納している。本実施形態では各勢力の基地6,8の上面に設定されている。
【0093】
モーションデータ608eは、ビーコンの動作を定義するデータである。本実施形態では、低難易度用と高難易度用のモーションがそれぞれ定義されている。前者の場合には「停止」が設定されており、ビーコンは初期位置座標点PBから垂直に立設されたままとなる。後者の場合には、初期位置座標点PBを支点としたすりこぎ運動をするとともに、時間とともに長さが長短に変化するように定義されている。そのほか、円柱モデルの半径も時間ともに大小変化するようにしても良い。変化が増えるほど難易度は高くなる。
【0094】
放出ビーコンオブジェクトデータ608fは、ビーコンを取得していたキャラクタが撃墜されて、取得されていたビーコンが落下する様子を示すために表示するオブジェクトのデータを格納している。例えば、きらきら光る光球のオブジェクトが設定されている。
【0095】
図12は、本実施形態における情報表示物データ610のデータ構成例を示す図である。情報表示物データ610は、ゲーム画面中にプレーヤキャラクタの状態や相手キャラクタの状態、射程圏内に入ったオブジェクトを知らせるための情報表示をするためのデータを格納している。例えば、プレーヤキャラクタの状態としては、飛行高度、対地速度、兵器の残弾数、ダメージの程度などを表示させる情報表示物や、レーダ画面と同画面内にキャラクタや基地の位置を表示させる表示物などが含まれる。
【0096】
本実施形態では、プレーヤキャラクタCPがビーコンを取得した状態にあることを示すビーコン取得状態表示物610aと、その他のキャラクタ(相手キャラクタCO)がビーコンを取得していることを示すビーコン取得機体表示物610bとが設定されている。前者は、例えば画面内に赤色で表示される。後者は、画面中の機影に付随して表示される方形のマークであって、ビーコンを取得していない状態に表示される標準機体表示物610cに比べて、左上部にターゲットを示す「TGT」の英大文字が追加されている。
【0097】
また、レーダ画面内に表示される表示物としては、ゲーム開始時点など標準状態において自基地6の位置を示す自基地標準表示物610dと、自ビーコン10が取得された状態又は自ビーコン10が初期配置位置以外の場所にあるといった特別な状態において自基地6の位置を示す自基地特別表示物610eとが含まれている。尚、相手基地8の位置を示す表示物も同様に標準時に表示される表示物と、特別状態時に表示される表示物とが設定されている。
【0098】
図13は、本実施形態における優勢ポイント換算テーブル612のデータ構成例を示す図である。優勢ポイント換算テーブル612は、一方の側がゲームを優勢に展開していると判断される状況が発生するのに応じて、優勢側・劣勢側の優勢ポイントをどの程度変更するかを定義している。例えば、適用種別612aに対応づけて、当該適用種別の状態が時間的に連続して維持された連続時間612bの区切りごとに加算ポイント612bや減点ポイント612cが定義されている。
【0099】
具体的には、適用種別612aとして「射程範囲への捕捉」「ステージ範囲の逸脱」「ビーコンの所持」が設定されている。「射程範囲への捕捉」は、攻撃兵器の射程範囲に他のキャラクタを捕捉した場合に適用され、射程に捕捉した側が優勢であるとして優勢ポイントが加点され、捕捉された側の優勢ポイントが減点される。適用種別612aが「ステージ範囲の逸脱」の場合は、ステージ空間4の外に出た場合に、これを負の優勢とみなし、キャラクタがステージ空間4外に位置する間、キャラクタの側の優勢ポイントを減点し続ける。適用種別612aが「ビーコンの所持」の場合は、ビーコンを取得したキャラクタの側に連続時間の長さに応じて加点する。上述の通り、優勢ポイントは負の数となる場合もある。
【0100】
自プレーヤ操作データ620は、自プレーヤによる操作入力に基づく操作入力信号を一時的に格納している。例えば、キャラクタの姿勢、加速・減速、攻撃目標の選択、攻撃兵器の種類選択、攻撃兵器の使用、ビーコンの放出操作など全てを記憶する。本実施形態では、通信対戦を行うので、自プレーヤ操作データ620は、所定時間サイクルで更新されて相手ゲーム装置1400−2に送信される。相手プレーヤ操作データ622は、相手ゲーム装置1400−2から受信したデータを格納している。相手プレーヤによる操作入力に基づく操作入力信号を格納しており、相手ゲーム装置1400−2における自プレーヤ操作データであるが、自プレーヤのゲーム装置1400で受信すると相手プレーヤ操作データ620として記憶される。
【0101】
図14は、本実施形態におけるキャラクタステータスデータ624のデータ構成例を示す図である。キャラクタステータスデータ624は、キャラクタ毎に設定され、キャラクタの位置や姿勢、各種の状態を示す情報を格納する。例えば、キャラクタデータ606に対応づけられたキャラクタ識別情報624a毎に、所属勢力情報624b、配置位置座標値624c、姿勢値624d、装備情報624e、ダメージ値624f、使用可能フラグ624g、取得フラグ624h、取得対象情報624j、適用能力値データ624k、連続捕捉時間624m、連続取得時間624nを対応付けて格納する。
【0102】
所属勢力情報624bは、当該キャラクタが何れの勢力に属するかを示している。本実施形態では、1対1の対戦を想定しているので「α(自プレーヤ側)」または「β(相手プレーヤ側)」が設定されている。
【0103】
配置位置座標値624cは、当該キャラクタの現在位置の座標値を格納している。姿勢値624dは、当該キャラクタの姿勢状態を示す値を格納している。本実施形態では、戦闘機のキャラクタを用いるので、例えばロール、ピッチ、ヨーの各値を格納している。
【0104】
装備情報624eは、攻撃兵器の残弾数など装備の状態に関する情報を格納する。ダメージ値624fは、当該キャラクタが攻撃を受けた損害量を表す値を格納する。
【0105】
使用可能フラグ624gは、ゲーム中で使用可能か否かを示すフラグである。初期状態は使用可能を示す「1」が格納されているが、当該キャラクタがゲームルール上、許容量以上のダメージを受けて使用不可能となった場合、すなわち撃墜された場合には「0」が格納される。
【0106】
取得フラグ624hは、当該キャラクタがゲーム中に当該キャラクタが含まれる勢力に設定されたビーコン(通過対象のマーカ領域)を通過してビーコンを取得した状態か否かを示す情報である。初期状態は未通過・未取得を示す「0」が格納されており、当該キャラクタがビーコン(通過対象マーカ領域)を通過した場合には通過済・取得中を示す「1」が格納される。尚、当該キャラクタが使用不可になった場合には「0」が格納される。
【0107】
取得対象情報624jには、当該キャラクタがゲーム中に当該キャラクタが含まれる勢力に設定されたビーコンを通過してビーコンを取得したのに合わせて、通過して取得したビーコンの識別情報が格納される。ビーコンを取得していない場合には「0」が格納される。
【0108】
適用能力値データ624kは、実際にゲーム中に適用される各種能力値を格納する。初期状態では、キャラクタデータ606の初期能力値データ647の値が格納されるが、ビーコンを取得した状態では自動的に50%減少した値に変更され、ビーコンを放出するなど非取得の状態となると初期値に戻される。
【0109】
連続捕捉時間624mは、当該キャラクタが当該キャラクタにとって相手のキャラクタに対して有利にゲームを運び得る状況が連続的に発生している時間の長さを格納する。
【0110】
連続取得時間624nは、当該キャラクタがビーコンを取得していた連続時間を格納する。
【0111】
図15は、本実施形態におけるビーコンステータスデータ626のデータ構成例を示す図である。同図に示すように、ビーコンステータスデータ626は、ビーコン毎の状態を示すデータを格納している。具体的には、ビーコン識別情報626aに対応づけて、所属勢力情報626b、状態フラグ626c、表示フラグ626d、落下フラグ626e、配置位置座標626fを格納している。
【0112】
所属勢力情報626bは、当該ビーコンが何れの勢力に属するかを示している。本実施形態では、1対1の対戦を想定しているので「α(プレーヤ側)」または「β(相手側)」が設定される。
【0113】
状態フラグ626cは、現在何れかのキャラクタに取得されているか否かを示す情報を格納する。ゲーム開始の初期状態では、地上に固定されてビーコンが出ている状態、すなわち非取得状態を示す「0」が格納されている。当該ビーコンが取得されると、被取得状態・被運搬状態を示す「1」が格納される。
落下フラグ626eは、キャラクタに取得されていた状態から放出され、現在落下中であるか否かを示す情報を格納する。ゲーム開始の初期状態と何れかのキャラクタに取得されている状態では「0(非落下中)」が格納され、放出されて着地するまでの間は「1(落下中)」が格納される。
配置位置座標626fは、当該ビーコンの現在の配置位置座標点PBのゲーム空間座標系座標値を格納している。
【0114】
優勢ポイントデータ630は、各勢力毎の優勢ポイントを格納する。本実施形態では、プレーヤ側と相手側の双方の優勢ポイントデータを格納している。初期値は「0」である。
【0115】
難易度設定データ632は、ゲーム開始前にプレーヤが設定したゲーム難易度の設定を格納する。ここに格納された難易度に応じて、表示されるビーコンのオブジェクトのモデルやモーションが変更される。本実施形態では、ゲーム装置1400でプレーヤが選択した難易度を勢力αの難易度設定として記憶し、相手ゲーム装置1400−2で相手プレーヤが選択した難易度を勢力βの難易度設定として記憶する。
【0116】
[4・処理の流れの説明]
次に、ゲーム装置1400の動作について説明する。
図16は、本実施形態における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。ここで説明される処理は、ゲーム装置1400及び相手ゲーム装置1400−2のそれぞれの処理部200がゲームプログラム602を読み出して演算処理することによって実現され、ゲーム終了まで所定時間の処理サイクルで繰り返し実行される。
【0117】
まず、ゲーム装置1400の処理部200は、相手ゲーム装置1400−2と通信を確立する(ステップS2)。通信の確立は、適宜公知の技術を利用することで実現できる。
【0118】
次に、ゲーム装置1400および相手ゲーム装置1400−2のそれぞれで、どの勢力を操作対象とするかを選択し、選択結果を相互に送受信して交換する(ステップS4)。勢力の選択は、所謂「1CON(第1コントロール側の意)」「2CON(第2コントロール側の意)」の選択に該当する。本実施形態では、自プレーヤ側の勢力αを「1CON」、相手プレーヤ側の勢力βを「2CON」としている。
【0119】
次に、処理部200のゲームモード設定部211が、ゲームモード設定処理を実行して、これから実行するゲームの難易度設定のデータを相互に送受信して交換する(ステップS6)。
具体的には、例えば、ゲーム装置1400および相手ゲーム装置1400−2のそれぞれで「低難易度」と「高難易度」の何れかを選択可能に画面表示し、操作入力部100から選択操作と所定の決定操作とが入力されると、選択されている難易度を決定する。選択・決定された難易度は、それぞれ自身の勢力に対応する難易度設定データ632に格納するとともに互いに送受信してデータを交換する。受信した難易度設定のデータは、相手勢力に対応する難易度設定データ632に格納する。これによって、プレーヤ毎に難易度を設定できる。本実施形態では、自身の難易度設定の結果に応じてゲーム空間1に配置する自ビーコン10のオブジェクトのモデルおよびモーションの種類が決まる。例えば、「高難易度」を設定すれば、自ビーコン10の高さが低くなるので、対戦相手は自ビーコン10を取得し難くなり、ハンディキャップを負わせることができる。
【0120】
次に、処理部200は、ゲーム空間設定データ604を参照して、仮想空間内にゲーム空間を形成し(ステップS8)、ビーコンデータ608を参照して、難易度設定データ632で設定されている難易度に応じたビーコンのオブジェクトを仮想空間内の初期配置位置に配置する(ステップS10)。この際、ビーコンステータスデータ626を生成し、記憶部600に記憶させる。次いで、キャラクタデータ606を参照してキャラクタのオブジェクトを仮想空間内の初期配置位置に配置し、キャラクタステータスデータ624を生成し、記憶部600に記憶させる(ステップS12)。
【0121】
次に、処理部200は、ゲーム制限時間のカウントを開始して、ゲームをスタートさせ(ステップS14)、操作入力のデータを相互に送受信して交換する(ステップS16)。具体的は、ゲーム装置1400と相手ゲーム装置1400−2は、互いに操作入力部100からの操作入力のデータを自プレーヤ操作データ620に格納し相手に送信し、相手から受信した操作入力のデータを相手プレーヤ操作データ622に格納する。したがって、自プレーヤ操作データ620と相手プレーヤ操作データ622を参照することによって、互いの装置でプレーヤキャラクタCPおよび相手キャラクタCOがどのように操作されているかを求めることができる。
【0122】
次に、処理部200は、自プレーヤ操作データ620と相手プレーヤ操作データ622に基づいて各キャラクタのオブジェクトの移動を制御する(ステップS18)。この際、キャラクタオブジェクトの移動位置は、適用能力値データ624kに基づいて計算され、キャラクタステータスデータ624の配置位置情報624cや姿勢値624dを更新する。また、コンピュータ制御されるキャラクタが設定されている場合は、この段階で所定の思考ルーチンに従って移動制御される。
【0123】
次に、処理部200は、優勢ポイント算出処理を実行する(ステップS20)。図17は、本実施形態における優勢ポイント算出処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、処理部200は全キャラクタについてループB(ステップS102〜S128)を実行する。
【0124】
具体的には、処理部200は、先ずループBの処理対象となっているキャラクタのキャラクタデータ606の攻撃装備データ648で定義されている全ての攻撃装備についてその射程範囲848cに、相手側のキャラクタが存在するか否かを判定する(ステップS104)。
【0125】
肯定の場合は(ステップS104のYES)、射程範囲648cに連続して相手側のキャラクタが存在する連続捕捉時間624mをカウント(加算)する(ステップS106)。
【0126】
否定判定の場合で(ステップS104のNO)、且つ連続捕捉時間624mが「0」でなければ(ステップS108のYES)、対象キャラクタの攻撃装備の射程範囲に、相手側のキャラクタが存在しないにもかかわらず、連続捕捉時間が「0」なので、前回の処理タイミングまでは射程範囲に相手側のキャラクタを捕捉していたにもかかわらず、今回の処理タイミングでは射程範囲から外れている、すなわち連続して捕捉している状態が解除したと判断できる。そこで、処理部200は、ループBの処理対象キャラクタ側勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って加点する(ステップS110)。更に、射程圏内に捕捉されているキャラクタ側勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って減点する(ステップS112)。そして、当該対象キャラクタの連続捕捉時間を「0」にリセットする(ステップS114)。
【0127】
反対に、対象キャラクタの攻撃装備の射程範囲に、相手側のキャラクタが存在せず、且つ連続捕捉時間が「0」の場合(ステップS108のNO)、前回の処理タイミングでも今回の処理タイミングでも、相手側キャラクタを射程圏内に捉えていないと判断されるので、優勢ポイントの変更は行わない。
【0128】
優勢ポイント算出処理のここまでの処理によって、攻撃によって対戦相手にダメージを与えられたか否かにかかわらず攻撃に有利なポジションを取っているキャラクタが優勢な状況にあったと認め、攻撃元側の優勢ポイントを高め、攻撃先側の優勢ポイントを低くすることができる。
【0129】
次に、処理部200は、ループBの処理対象キャラクタが、ステージ範囲630で設定された範囲外に位置するか否かを判定する(ステップS116)。肯定の場合(ステップS116のYES)、当該キャラクタ側の勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って減点する(ステップS118)。否定の場合には(ステップS116のNO)、優勢ポイントの変更はしない。
【0130】
次に、処理部200は、処理対象キャラクタがビーコンを取得した状態であるか否かを判定する(ステップS120)。肯定の場合(ステップS120のYES)、ビーコンを取得しているのでゲームを優勢に運んでいると判断して、当該キャラクタの連続取得時間をカウント(加算)する(ステップS122)。一方、ステップS120で否定の場合で(ステップS120のNO)、且つ連続取得時間が「0」でない場合には(ステップS124のYES)、処理対象キャラクタ側の勢力の優勢ポイントを優勢ポイント換算テーブル612に従って加点する(ステップS126)。すなわち、ビーコンを取得している状態が長ければ長いほど優勢ポイントが高くなる。これによって、プレーヤに対して、より積極的にビーコンを取りに行かせるように強力に促すことができる。また、プレーヤによっては、わざと長時間取得して優勢ポイントを稼ぐために、できるだけ遠回りして運搬目標領域ATに向かうといった戦術も取りえるようになるのでゲーム性がより高くなる。さらに、そうしたケースでは、反対に対戦相手のキャラクタの攻撃が受け易くなるので、攻防がより発生し易くなる。すなわち、ゲーム性を高めよりゲームの魅力を高めることができる。
【0131】
全てのキャラクタについてループBの処理を実行したならば、優勢ポイント算出処理を終了して図16のフローに戻る。そして次に処理部200は、従来のフライトシューティングゲームと同様にして、各キャラクタのダメージを算出する(ステップS22)その結果、所定の許容量以上のダメージを受けたキャラクタが有る場合(ステップS24のYES)、当該キャラクタのキャラクタオブジェクトを、撃墜オブジェクトに差し換える(ステップS25)。つまり、撃墜された状態を表示させる。当然のことながら、許容量以上のダメージを受けたキャラクタへの操作は受け付けられない。
【0132】
そして、撃墜オブジェクトが地表2に達した場合、すなわち墜落した場合には(ステップS26のYES)、処理部200は、撃墜オブジェクトを消去する一方、当該キャラクタのキャラクタオブジェクト645を初期配置位置座標に再配置して、ゲームに復帰させる(ステップS28)。キャラクタオブジェクトが再配置されると、再び当該キャラクタの操作が可能になりゲームに復帰することができる。
【0133】
次に、処理部200は、モーションデータ608eに従ってビーコン移動処理を実行する(ステップS30)。この際、状態フラグ626cが「0」のビーコンについては、当該ビーコンの所属勢力の難易度設定が「低難易度」に設定さている場合には停止したままとし、「高難易度」に設定されている場合には“すりこぎ運動”等をするように制御する。状態フラグ626cが「1」のビーコンについては、キャラクタに取得されて運搬されている最中であると判断されるので、取得されているキャラクタ(プレーヤキャラクタCPまたは相手キャラクタCO)の現在の位置座標を配置位置座標626fに格納する。落下フラグ626eが「1(落下中)」のビーコンについては、取得された状態から放出されて落下状態にあるので、放出ビーコンオブジェクト(光球BF)を所定の落下軌跡を描くように移動させる。移動した位置は、逐次、配置位置座標626fに格納される。尚、落下軌跡はキャラクタの移動を考慮した放物線や、移動を考慮しない垂直落下など適宜設定して良い。前者の場合には、リアリティが増す効果が得られる。後者の場合には、演算処理の負荷を軽減できるので、本実施形態のような処理負荷が制限されやすい携帯型のゲーム装置向けのゲームに適している。
【0134】
次に、処理部200は、ビーコン取得化処理を実行する(ステップS32)。ビーコン取得化処理は、キャラクタがビーコンを通過したことで、あたかもキャラクタがマーカを取得し運搬するかのように扱う処理である。
【0135】
図18は、本実施形態におけるビーコン取得化処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、ビーコン取得化処理は、ループAで運搬中および落下中を除く全てのビーコンについて実行される(ステップS142〜S162)。
【0136】
より具体的には、先ず処理部200は、処理対象のビーコンオブジェクトとヒットしたキャラクタオブジェクトの有無を判定する(ステップS144)。すなわち、プレーヤキャラクタCPまたは相手キャラクタCOが当該ビーコンのオブジェクトのモデルデータで定義された領域に交差しているか否かを判定する。
【0137】
該当するキャラクタオブジェクトが有る場合(ステップS144のYES)、更に、当該キャラクタが対象のビーコンと同じ勢力に属するか否かを判定する(ステップS146)。具体的には、キャラクタステータスデータ624の所属勢力情報624bと、ビーコンステータスデータ626の所属勢力情報626bを比較する。
【0138】
比較の結果、同勢力のキャラクタオブジェクトが対象のビーコンオブジェクトにヒットしたのではない場合(ステップS144のNO)、ヒットしたと判定されたキャラクタが特定のマーカ領域を通過したと判定し、対象のビーコンを取得したとする。つまり、プレーヤキャラクタCPまたは相手キャラクタCOが対戦相手側のビーコンを取得したと判定されることになる。したがって、処理部200は、ヒットしたキャラクタに対応するキャラクタステータスデータ624のキャラクタ取得フラグ624hにビーコンを取得したことを示す「1」を格納し、取得対象情報624jにループAで処理対象となっているビーコンのビーコン識別情報626aを格納する(ステップS148)。
【0139】
次いで、処理部200は、ビーコンを取得したキャラクタの能力を制限する処理を実行する(ステップS150)。具体的にはヒットしたキャラクタに対応するキャラクタステータスデータ624の適用能力値データ624kの内、特定の能力値を、初期能力値データ647で設定されている値をダウンさせる。本実施形態では、最大速度および最大加速度の値を初期値の50%に変更するが、攻撃力や防御力などその他の能力値でも良く、少なくともどれか一つを変更すれば良い。最大速度および最大加速度の値を低下させる場合、性能の高い機体を使用している場合であっても、ビーコンを取得してそのまま他のキャラクタが追いつけないまま逃げ切って勝利するといったケースを未然に防いで、ゲームの面白みが削がれるのを防ぐことができる。
【0140】
或いは、ステップS150に代えて、ビーコンを取得したキャラクタ以外のキャラクタの能力を高めるとしても良い。これによって、ビーコンを取得したキャラクタに対して、それ以外のキャラクタの能力が相対的に大きくなるようにし、攻防を起き易くしてゲーム性を高めることができる。
【0141】
次に、処理部200は、処理対象ビーコンのビーコンステータスデータ626の状態フラグ626cを被取得状態・被運搬中を示す「1」、表示フラグ626dを「0(非表示)」に変更する(ステップS152)。そして、状態フラグ626cが「1」又は表示フラグ626dが「0(非表示)」となった対象のビーコンオブジェクトをゲーム空間内から削除して画面に表示されないようにする(ステップS154)。
【0142】
一方、ステップS146の比較の結果、同勢力のキャラクタオブジェクトが対象のビーコンオブジェクトにヒットした場合(ステップS146のYES)、つまり、プレーヤキャラクタCPが自ビーコン10を通過した場合、或いは相手キャラクタCOが相手ビーコン12を通過したと判断する。そして、対応するビーコンステータスデータ626の配置位置座標626fを、ビーコンデータ608の初期配置位置座標608dと同じ座標値に変更して、対象のビーコンオブジェクトをビーコンデータ608の初期配置位置座標626fの位置に再配置する(ステップS158)。次いで、対象ビーコンの状態フラグ626cを「0」、表示フラグ626dを「1」にそれぞれに設定する(ステップS160)。
【0143】
よって、ビーコン取得化処理によって、対戦相手の勢力に属するビーコンをキャラクタが通過すると、ビーコンは消えて、ビーコンの情報がキャラクタに取得され、運搬されているかのようになる。反対に同勢力のビーコンをキャラクタが通過すると、ビーコンをゲームスタート時の初期位置に戻すことができる。
全てのビーコンについてループAの処理を実行したならば、ビーコン取得化処理を終了する。
【0144】
図16のフローに戻って、次に、処理部200は、ビーコン放出処理を実行する(ステップS34)。ビーコン放出処理は、キャラクタに取得されていたビーコンを非取得状態に戻し、放出された場所に新たに設定する処理である。
【0145】
図19は、本実施形態における、ビーコン放出処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。ビーコン放出処理では、処理部200は、先ず許容値以上のダメージを受けて使用不可になったキャラクタ、つまり撃墜されたキャラクタを抽出する(ステップS182)。
抽出したキャラクタがビーコンを取得している場合(ステップS184のYES)、抽出したキャラクタのキャラクタ取得フラグ624hを「0(未取得)」に変更し、取得対象情報624jを「0」に変更する(ステップS186)。次いで、処理部200は、抽出したキャラクタの適用能力値データ624kの特定能力値を初期能力データ647で定義されている値に戻す(ステップS190)。これらの処理ステップによって、当該キャラクタがビーコンを取得していない状態にする。
【0146】
次に、処理部200は、取得されていたビーコン(抽出されたキャラクタに対応するキャラクタステータスデータ624の取得対象情報624jのビーコン)の状態フラグ626cを「0(非取得)」、表示フラグ626dを「1(表示)」に設定、落下フラグ626eを「1(落下中)」に変更する(ステップS192)。
【0147】
次に、処理部200は、放出ビーコンオブジェクトデータ608fに定義された放出されたビーコンのオブジェクトを、配置位置座標626fに配置する(ステップS194)。
【0148】
一方、ステップS184にて抽出したキャラクタがビーコンを取得していない場合、及びそもそもステップS182で許容値以上のダメージを受けて使用不可になったキャラクタが抽出されなかった場合には(ステップS184のNO)、処理部200は、プレーヤから所定のビーコン放出操作が入力されているか否かを判定する(ステップS198)。
【0149】
肯定の場合(ステップS198のYES)、プレーヤが操作するキャラクタが取得しているビーコンを放出する処理を実行する(ステップS200〜S206)。換言すると、ステップS198〜S206の処理によってプレーヤ自らが取得すべきビーコンの配置位置を設定することができるとも言える。
【0150】
ステップS198で否定の場合(ステップS198のNO)、ならびにステップS194及びS206を実行した後、処理部200は、放出ビーコンオブジェクトが着地しているか否かを判定する(ステップS210)。肯定の場合(ステップS210のYES)、当該ビーコンの落下フラグ626eを「0(非落下中」」に変更し(ステップS212)、当該ビーコンのビーコンオブジェクトを着地した位置座標に再配置して(ステップS214)、ビーコン放出処理を終了する。否定の場合は(ステップS210のNO)再配置はしないでビーコン放出処理を終了する。
【0151】
以上のビーコン放出処理によって、取得していたキャラクタの撃墜またはプレーヤによって放出操作された場合、取得されていたビーコンが光球状に落下し、着地するとそこから上空に向けて光柱状のビーコンが現れることになる。また、本実施形態ではビーコンを取得することによって、キャラクタの能力差が大きくなるように変更される。したがって、ビーコンを取得してみたものの対戦の観点から不利であると判断される場合には、プレーヤ自らがビーコンを一旦放出し、能力差を元に戻した上で対戦するといった戦略を取ることが可能になる。単にビーコンを取り合うだけでなく、より一層攻防が起き易くするようにして、ゲームの魅力を高めることができる。
【0152】
図16のフローに戻って、次に、処理部200は、ビーコン所在方向指示オブジェクトを配置する(ステップS36)。具体的には、所与の仮想カメラCMの視界前方所定位置に、プレーヤキャラクタCPを始点に同所属勢力に属するビーコン(自ビーコン10)の所在方向を指す矢印状の第1ビーコン所在方向指示オブジェクトOA1(図21参照。第1矢印40。)と、プレーヤキャラクタCPを始点に他の所属勢力に属するビーコン(相手ビーコン12)の所在方向を指す矢印状の第2ビーコン所在方向指示オブジェクトOA2(図21参照。第2矢印42。)を配置する。第1ビーコン所在方向指示オブジェクトOA1及び第2ビーコン所在方向指示オブジェクトOA2の指し示す方向は、プレーヤキャラクタCPに対応するキャラクタステータスデータ624の配置位置座標626fを始点とし、同勢力のビーコンに対応するビーコンステータスデータ626の配置位置座標626f、或いは他勢力のビーコンの配置位置座標626fを終点とする方向である。また、第1ビーコン所在方向指示オブジェクトOA1及び第2ビーコン所在方向指示オブジェクトOA2の色は、指し示すビーコンの表示色と同系色に設定されている。
【0153】
次に、処理部200は、仮想空間を所与の仮想カメラCMから見た画像を生成し(ステップS38)、生成した仮想空間画像上にゲームプレイに必要な様々な情報表示物を描画した最終的なゲーム画面の画像データを生成するための情報表示物描画処理を実行する(ステップS40)。具体的には、プレーヤキャラクタCPがビーコンを取得した状態である場合には、ビーコン取得状態表示物610aを仮想空間の画像上に描画し、その他のキャラクタがビーコンを取得した状態である場合には、その機影にビーコン取得機体表示物610bを描画する。
【0154】
次に処理部200は、ゲーム画面を画像表示部300に、仮想空間画像上に情報表示物が表示される画像を表示させる(ステップS42)。
次に、処理部200は勝敗判定処理を実行する(ステップS44)。
【0155】
図20は、本実施形態における勝敗判定処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、先ず処理部200は、何れかの側のキャラクタのみがビーコンを取得しているか否かを判定する(ステップS232)。
肯定の場合(ステップS232のYES)、ビーコンを取得したキャラクタで、当該キャラクタ側の勢力に設定された運搬目標領域に到達したキャラクタを抽出する(ステップS236)。本実施形態では、各勢力に設定された基地の上空が運搬目標領域に設定されているので、プレーヤキャラクタCPが相手ビーコン12を取得して自基地6上空の運搬目標領域ATに到達したか、或いは相手キャラクタCOが自ビーコン10を取得して相手基地8上空の運搬目標領域ATに到達したか否かを判定することになる。キャラクタと同勢力に属する基地(自基地6)の上空を通過した場合、すなわち先にビーコンを運搬目標領域ATに運搬した側が勝利となる。
【0156】
運搬目標領域に到達したキャラクタが1以上の場合には(ステップS236の「1」以上)、相手側に自側のビーコンを取得させない状態で、且つ先に相手側のビーコンを運搬目標領域ATに運搬したと判断され、抽出されたキャラクタ側が勝利したと判定する(ステップS238)。本実施形態におけるゲームの終了条件を満たすことになる。
【0157】
運搬目標領域に到達したキャラクタが「0」の場合(ステップS236の「0」)、およびステップS232で否定の場合(ステップS232のNO)、処理部200はゲームの制限時間に達しているか否かを判定する(ステップS240)。
制限時間に到達していなければ(ステップS240のNO)、勝敗は判定されないで勝敗判定処理を終了する。すなわち、本実施形態におけるゲームの終了条件を満たさないことになる。一方、制限時間に達している場合(ステップS240のYES)、更に各勢力の優勢ポイントを参照し、いずれか一方の優勢ポイントが多い場合には(ステップS242の「一方が多」)、優勢ポイントが多い勢力が勝利したと判定する(ステップS244)。本実施形態におけるゲームの終了条件を満たすことになる。一方、優勢ポイントが同じ場合には(ステップS242の「同ポイント」)、引き分けと判定する(ステップS246)。これ場合もまた、本実施形態におけるゲームの終了条件を満たすことになる。
【0158】
このように勝敗判定処理では、制限時間に達しても勝敗が決していない場合、優勢ポイントの比較で勝敗を決めることができる。したがって、プレーヤに対してより積極的に攻撃を仕掛けるように働きかけることとなり、その結果、相手の攻撃を受けにくいように互いに間合いを取り合ってゲームが進行しにくくなる状態を回避することができる。また、ビーコンを連続して取得している時間をポイントに換算して優勢ポイントに加算しているので、プレーヤにビーコンを積極的に取りに行かせることでもゲーム展開を早めて、スピーディな魅力あるゲームとすることができる。
【0159】
図16のフローに戻って、勝敗判定処理の結果、ゲーム終了条件を満たしていない場合には(ステップS46のNO)、ステップS16に戻る。ゲーム終了条件を満たしている場合には(ステップS46のYES)、勝敗判定処理の勝敗結果を画面に表示させてゲームを終了する(ステップS48)。
【0160】
[5・ゲーム画面例の説明]
図21は、本実施形態におけるゲーム画面例を示す図である。
同図(a)は、ゲーム開始当初のゲーム画面例を示している。画面中央に機体の横方向と進行方向を示す機体姿勢表示30が表示され、その右側には高度表示32、左側には対地速度表示34がそれぞれ表示されている。また、画面右端には攻撃兵器の残弾数を表示する残弾表示36、機体部位とその表示色でダメージの程度を表示するダメージ表示37が表示されている。画面左端には、ゲーム空間1の俯瞰図にあたるレーダ画面38が表示されている。レーダ画面38を参照すれば、現在の自分の位置や各基地の位置、他のキャラクタの位置などを大まかに知ることができる。
【0161】
第1矢印40は、第1ビーコン所在方向指示オブジェクトOA1の先頭部分が表示されたものであって、自基地6の方向を指している。第1ビーコン所在方向指示オブジェクトOA1は、機体姿勢表示30を始点とする矢印オブジェクトとして設定されており、高度表示32と対地速度表示34で囲まれたスペースの外側にその先頭が位置する場合にのみ表示されている。したがって、機体進行方向に自ビーコン10が有る場合には、第1ビーコン所在方向指示オブジェクトOA1が高度表示32と対地速度表示34で囲まれたスペース内に位置するので表示されないが、それ以外では、第1矢印40はプレーヤキャラクタCPの位置の変化に応じて該スペースの外側で自ビーコン10の方向を指し続ける。同様に、第2矢印42は、第2ビーコン所在方向指示オブジェクトOA2の先頭部分が表示されたものであって、相手ビーコン12の方向を指している。第1矢印40と第2矢印42は、それぞれ指し示す対象のビーコンの表示色と同系色で表示されている。また同様に、第3矢印46は、攻撃対象の方向を指し示している。
【0162】
同図(b)は、プレーヤキャラクタCPが相手ビーコン12に向かっている状態を表している。画面中央の丘に相手基地8が有り、その上面から上空に向けて光柱状の相手ビーコン12が表示されている。これを通過すると相手ビーコン12を取得することができる。
【0163】
同図(c)は、プレーヤキャラクタCPが相手ビーコン12を取得し、更に相手キャラクタCOがプレーヤ側のビーコン(自ビーコン10)を取得した状態を表している。画面下部には、プレーヤキャラクタCPが相手ビーコン12を取得している状態を知らせるビーコン取得状態表示物610aが表示されている。更にその下部には、取得しているビーコンを意図的に放出するための押すべきボタンスイッチ1404の種類40が表示されている。
【0164】
また、画面中央の相手キャラクタCOの機影には、ビーコン取得機体表示物610bが表示されている。これによって、相手キャラクタCOが自ビーコン10を取得したことを知ることができるので、ビーコンを運搬中の相手キャラクタCOを攻撃し、上手く撃墜できれば相手を邪魔することができる。レーダ画面38においても、自基地6の位置を示す自基標準表示物610dが、自基地特別表示物610eに変更されているので、レーダ画面38からも自ビーコン10が相手側に取得されていることを知ることができる。
【0165】
[6・ハードウェアの構成]
図22を参照して、本実施形態におけるゲーム装置1400を実現するためのハードウェア構成の一例について説明する。ゲーム装置1400は、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、画像生成IC1010、音生成IC1008、I/Oポート1012,1014がシステムバス1016により相互にデータ入出力可能に接続されている。I/Oポート1012にはコントロール装置1022が、I/Oポート1014には通信装置1024が、それぞれ接続されている。
【0166】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、コントロール装置1022によって入力される信号等に従って、装置全体の制御や各種データ処理を行う。
【0167】
RAM1004は、CPU1000の作業領域等として用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002内の所与の内容、CPU1000の演算結果等が格納される。
【0168】
情報記憶媒体1006は、プログラム、画像データ、音データ、プレーデータ等が主に格納されるものであり、情報記憶媒体として、ROM等のメモリやハードディスクや、CD−ROM、DVD、ICカード、磁気ディスク、光ディスク等が用いられる。尚、この情報記憶媒体1006は、図6に示す記憶部600に相当するものである。
【0169】
また、この装置に設けられている画像生成IC1010と音生成IC1008により、音や画像の好適な出力が行えるようになっている。
【0170】
画像生成IC1010は、CPU1000の命令によって、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006等から送られる情報に基づいて画素情報を生成する集積回路であり、生成される表示信号は、表示装置1018に出力される。表示装置1018は、CRTやLCD、TV、プラズマディスプレイ、或いはプロジェクター等により実現され、図6に示す画像表示部300に相当する。
【0171】
また、音生成IC1008は、CPU1000の命令によって、情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報、RAM1004に格納される音データに応じた音信号を生成する集積回路であり、生成される音信号はスピーカ1020によって出力される。スピーカ1020は、図6に示す音出力部400に相当するものである。
【0172】
コントロール装置1022は、プレーヤがゲームに係る操作を入力するための装置であり、その機能は、レバー、ボタン、筐体等のハードウェアにより実現される。尚、このコントロール装置1022は、図6に示す操作入力部100に相当するものである。
【0173】
通信装置1024は装置内部で利用される情報を外部とやりとりするものであり、プログラムに応じた所与の情報を他の装置と送受すること等に利用される。尚、この通信装置1024は、図6に示す通信部500に相当するものである。
【0174】
そして、ゲーム処理等の上記した処理は、図6のゲームプログラム602等を格納した情報記憶媒体1006と、これらプログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1010、音生成IC1008等によって実現される。CPU1000、画像生成IC1010、及び音生成IC1008は、図6に示す処理部200に相当するものであり、主にCPU1000が図6に示すゲーム演算部210に、画像生成IC1010が図5に示す画像生成部230に、音生成IC1008が図6に示す音生成部250に相当する。
【0175】
尚、画像生成IC1010、音生成IC1008等で行われる処理は、CPU1000或いは汎用のDSP等によりソフトウェア的に行ってもよい。この場合には、CPU1000が、図6に示す処理部200に相当することとなる。
【0176】
以上、本実施形態で説明したように、本発明によれば、より一層遊興性を高めたゲームを実現することが可能になる。また、本発明をシミュレーションゲームに適用した場合には、シミュレーションゲーム本来のリアルなゲーム性を維持しつつ、より遊興性を高め、仲間内で集まった場合などに気軽にゲームを楽しめるようにゲームの魅力を高めることができる。
【0177】
また、ゲームに新たな遊興性をもたらすために、シミュレーションゲームをベースに何らかのものを「取る」といった行為を設定したわけであるが、通常、シミュレーションゲームでは、キャラクタが他のものと接触したか否かの判定もリアルになるため、「取る」といった行為を設定すると、計算負荷が大きくなる問題やプレーヤに求められ得る技量が高くなるといった問題が考えられる。しかし、本実施形態では、マーカオブジェクトをゲーム設定上では実体が無く衝突しないオブジェクトとしたことによって、通過するだけで取得済と認識できる。したがって、オブジェクトを「取る」といった行為を極めて少ない演算負荷でゲームに取り入れることが可能となった。比較的処理能力に制限がされ易い携帯型のゲーム装置向けに本願発明を適用する際、特に有益である。
【0178】
[第2実施形態]
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。尚、本実施形態は基本的に第1実施形態と同様の構成を有しており、同様の構成要素については同じ符号を付与し、説明は省略する。
【0179】
第1実施形態では、ビーコンを、ゲーム上プレーヤキャラクタCPや相手キャラクタCOと衝突しない実体の無い光柱として設定し、これを通過することによって当該ビーコンを取得したと判定した。しかし、本実施形態では、キャラクタと接触可能な実体の有る飛行船をビーコンとして設定し、通過ではなくオブジェクトとの接触によって取得したか否かを判定する点を特徴とする。
【0180】
図24は、本実施形態におけるキャラクタと衝突可能なビーコンを設定するビーコンデータ609のデータ構成例を示す図である。ビーコンデータ609は、第1実施形態のビーコンデータ608と併用または代用として記憶部600に予め記憶されている。併用する場合には、プレーヤがゲーム開始前に、ゲーム難易度設定とともに何れのデータを使用するかを選択可能とすると良い。
【0181】
ビーコンデータ609は、ビーコンデータ608と同様に、ビーコン識別情報608a、所属勢力608b、ビーコンモデルデータ609c、初期配置位置座標608d、モーションデータ609e、放出ビーコンオブジェクトデータ608fの各種データを含んでいる。
【0182】
ビーコンモデルデータ609cは、光柱のような物理的な衝突が起りえないものではなく、ゲーム空間内において実体があって通過不可・接触可能なオブジェクトである飛行船MB3、MB4が設定されている。飛行船MB3は低難易度用である。飛行船MB4は、高難易度用であって、背景と同化し易いテクスチャが設定されている。そして、飛行船MB3,MB4にはフックMfが設けられている。プレーヤキャラクタCPや相手キャラクタCOに引っ掛けられるフックのイメージである。
【0183】
モーションデータ609eでは、ゲーム設定が低難易度に設定されている場合には、飛行船が初期配置位置座標608dに滞空するように設定されている。また、ゲーム設定が高難易度に設定されている場合には、初期配置位置座標608dをスタート地点として、相対的に所定のコースを描くように移動するように、動作が設定されている。
【0184】
本実施形態におけるビーコン取得化処理は、基本的に図18に示した第1実施形態のビーコン取得化処理と同じ流れをする。ただし、第1実施形態では、実体の無い光柱を表すビーコンオブジェクトとキャラクタオブジェクトとがヒットした場合、つまり通過した場合に当該ビーコンを取得したと判定したが、本実施形態では、処理対象のビーコンが飛行船MB3,MB4である場合には、飛行船MB3,MB4のフックMfとプレーヤキャラクタCPまたは相手キャラクタCOが接触したか否かを判定する(図18のステップS144)。つまり、ゲーム上、プレーヤキャラクタCPまたは相手キャラクタCOが、フックMfに引っ掛けて飛行船MB3,MB4を持ち去ることができたか否かを判定することになる。
【0185】
尚、上記の第1および第2実施形態では、自プレーヤ側と相手プレーヤ側の2つの勢力が争う対戦ゲームとして説明したがこれに限るものではなく、一つのゲーム空間に3つ以上の勢力が参加する対戦ゲーム形式で実現しても良い。その場合、上記実施形態において勢力α、βそれぞれに設定していた各種データや夫々に実行していた処理は、参加する勢力の数に応じて増やすことによって実現することができる。
【0186】
また、上記実施形態では、プレーヤキャラクタCPと相手キャラクタCOの2つのキャラクタで1対1の空中戦を実施するとしたが、プレーヤ側と相手側の双方が、コンピュータ制御される僚機(味方キャラクタ)を従えたチームで対戦する形態であっても良い。この場合、プレーヤキャラクタCPと相手キャラクタCOそれぞれに設定されている各種データやそれぞれに行っていた処理を、僚機の分だけ増やし或いは繰り返して実行することによって対応することができる。
【0187】
また、上記実施形態では、プレーヤキャラクタCPと相手キャラクタCOが、互いに相手側の一つのビーコンを奪い合う形態としたがこれに限るものではない。例えば、ビーコンを全体で一つとしても良いし、双方の側がそれぞれ複数のビーコンを有する構成としても良い。例えば、ビーコンが一つの形態の場合には、二つあったビーコンの設定を一つにして、各キャラクタが各々の側のビーコンを通過又は接触した場合に当該ビーコンの位置を初期位置に戻すための関連処理(例えば、図18のステップS146、ステップS158〜S160)を省略すると良い。また、勝敗判定は、ビーコンを取得して運搬目標領域に先に到達した側を勝利と判定すれば良い。
【0188】
[変形例]
以上、本発明についての好適な実施形態について説明したが、本発明の適用形態は上記したものに限らず、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。
【0189】
例えば、上記の実施形態では、戦闘機型のキャラクタを用いたフライトシミュレーションゲームを例に挙げたがこれに限るものではない。例えば、キャラクタは自動車やオートバイ、戦車、船舶、宇宙船、ロボット、動物などその他の形態であっても良いのは勿論である。
【0190】
また例えば、上記の実施形態では、複数の携帯型のゲーム装置1400、1400−2を通信接続させて対戦ゲームを行うとしたが、例えば図23に示すように一台の家庭用ゲーム装置1200に接続された二つのコントローラ1220−1,1220−2を2人のプレーヤが夫々操作して対戦する、所謂「2CONプレイ」のゲームに適用することもできる。
【0191】
この場合、図6で示したゲームプログラム602などの予め設定されているプログラムやデータ類は、CD−ROM1212やメモリカード1213といった装置本体1210に着脱自在な情報記憶媒体に記憶しておき、制御ユニット1211で読み出し演算処理してゲームを実行する。プログラムやデータは、通信モジュール1215を介して通信回線Nに接続された外部装置からダウンロードする構成であっても良いのは勿論である。そして、制御ユニット1211は、各プレーヤ向けに生成した2種類のゲーム画像を、例えば左右二つの表示領域に分けてディスプレイ1230に表示させ、生成したゲーム音をスピーカ1231から出力させる。そして、プレーヤは、ゲーム画像を見ながらコントローラ1220の方向キー1222およびボタンスイッチ1224を操作してゲームを楽しむ。尚、家庭用ゲーム装置1200に本発明を適用する場合には、上記した実施形態における処理の内、データの送受信による交換は実行しなくて良い。
【0192】
また、上記の実施形態では、マーカオブジェクトとして円柱状のオブジェクトからなるビーコンを設定したが、形状はこれに限るものではなく、例えばドーナツ型や球型、人型などその他の形状であっても良い。ドーナツ型の場合には、輪をくぐると通過したと判定する構成すると難易度を高めるのに好適である。更に、ドーナツ型のオブジェクトの姿勢を変化させると更に難易度を高めることができる。人型とした場合には、通過した部位によって取得状態を維持する時間が決まっており、維持時間が経過すると自動的に取得状態が解除(上記実施形態におけるビーコンの放出に相当。)する構成とすると、より一層ゲーム性を高めることができる。また更には、マーカオブジェクトは固定された一形状であるに限らず、異なる形状を時間とともにメタモルフォーゼするとしても良い。
【0193】
また、上記の実施形態では、ビーコンオブジェクトはプレーヤによってゲーム開始前に選択されたゲームの難易度設定に応じて変更される構成としたが、これに限らない。例えば、自動的にビーコンオブジェクトの形態や動作を選択する構成としても良い。具体的は、ゲームプレイの履歴を記憶部600に所謂セーブデータとして記憶しておくことは一般的であるが、ゲーム開始前にゲーム装置1400及び相手ゲーム装置1400−2それぞれにおいて、各々のセーブデータを参照し互いに送受信し交換する。その結果、例えばセーブデータにプレーヤの技量に相関性の高い情報が有る場合には、これに応じて処理部200が相互の難易度設定をする。セーブデータに「段位」や「レベル」の情報が含まれる場合には、段位が高いほうの難易度設定を「低難易度」、段位が低いほうの難易度設定を「高難易度」に自動的に処理部200が設定すると良い。ゲームプレイの累積時間がセーブデータに含まれる場合には、累積時間が所定基準以上の場合には、累積時間が多い側の難易度設定を「低難易度」、少ない側の難易度を「高難易度」に自動的に処理部200が設定するとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】ゲーム装置1400の外観例を示す図。
【図2】ゲームの概要を説明するための概念図。
【図3】ゲーム展開例の概要を説明するための概念図。
【図4】ゲーム展開例の概要を説明するための概念図。
【図5】ゲーム展開例の概要を説明するための概念図。
【図6】機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図7】ゲーム空間設定データのデータ構成例を示す図。
【図8】地表データのデータ構成例を示す図。
【図9】キャラクタデータのデータ構成例を示す図。
【図10】攻撃装備データのデータ構成例を示す図。
【図11】ビーコンデータのデータ構成例を示す図。
【図12】情報表示物データのデータ構成例を示す図。
【図13】ポイント換算テーブルのデータ構成例を示す図。
【図14】キャラクタステータスデータのデータ構成例を示す図。
【図15】ビーコンステータスデータのデータ構成例を示す図。
【図16】処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図17】優勢ポイント算出処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図18】ビーコン取得化処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図19】ビーコン放出処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図20】勝敗判定処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図21】ゲーム画面例を示す図。
【図22】ゲーム装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【図23】ゲーム装置を家庭用ゲーム機に適用した場合の装置構成の一例を示す図。
【図24】第2実施形態におけるビーコンデータのデータ構成例を示す図。
【符号の説明】
【0195】
1 ゲーム空間
2 地表
4 ステージ空間
6 自基地
8 相手基地
10 自ビーコン
12 相手ビーコン
200 処理部
210 ゲーム演算部
213 優勢ポイント算出処理
215 ビーコン取得化処理部
217 ビーコン放出処理部
219 勝敗判定部
600 記憶部
602 ゲームプログラム
608 ビーコンデータ
612 優勢ポイント換算テーブル
626 ビーコンステータスデータ
630 優勢ポイントデータ
1400 ゲーム装置
AT 運搬対象領域
BF 落下オブジェクト
CM 仮想カメラ
CO 相手キャラクタ
CP プレーヤキャラクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、プレーヤの操作入力に従って自キャラクタのゲーム空間中の移動を制御して、相手キャラクタと対戦する対戦ゲームを実行させるためのプログラムであって、
通過又は接触することにより取得したと判定されるマーカオブジェクトを前記ゲーム空間に配置するマーカオブジェクト配置手段、
所定の運搬目標領域を前記ゲーム空間に設定する目標領域設定手段、
前記配置されたマーカオブジェクトを前記通過又は接触することにより取得したキャラクタを検出する検出手段、
前記複数のキャラクタそれぞれのうち、前記検出手段により検出されたキャラクタを取得済のキャラクタとして識別記憶する取得済キャラ識別記憶手段、
前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶され、且つ、前記設定された運搬目標領域に到達したキャラクタを検出する運搬キャラ検出手段、
前記対戦ゲームの勝敗を、少なくとも、前記運搬キャラ検出手段により検出されたキャラクタに基づいて判定する勝敗判定手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記各キャラクタは所定の攻撃方法により他方のキャラクタに攻撃が可能なキャラクタであり、
攻撃を受けることにより可変される前記キャラクタそれぞれに設定されたダメージ量が、所定量に達したキャラクタを検出するダメージキャラ検出手段、
前記ダメージキャラ検出手段により検出されたキャラクタが前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶されたキャラクタであった場合に、前記取得済キャラ識別記憶手段による当該キャラクタの取得済との識別記憶を解除する識別記憶解除手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶されているキャラクタに予め設定された移動能力、攻撃能力、防御能力のうち少なくとも1つを低減させる能力低減手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶されているキャラクタ以外のキャラクタに予め設定された移動能力、攻撃能力、防御能力のうち少なくとも1つを増加させる能力増加手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記取得済キャラ識別記憶手段により自キャラクタが取得済として識別記憶されている場合に、自プレーヤの所定の解除指示操作入力に応じて、前記取得済キャラ識別記憶手段による自キャラクタの取得済との識別記憶を解除する識別記憶プレーヤ解除手段として前記コンピュータを機能させるための請求項3又は4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記検出手段により検出されたマーカオブジェクトを消去するマーカオブジェクト消去手段、
前記取得済キャラ識別記憶手段による取得済との識別記憶が解除された場合に、当該解除時点の当該識別記憶していたキャラクタの位置に基づく前記ゲーム空間中の新たな位置に、前記マーカオブジェクトを新たに配置するマーカオブジェクト新規配置手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項2又は5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記勝敗判定手段が、自キャラクタ及び相手キャラクタのうち一方のキャラクタが前記運搬キャラ検出手段により検出され、且つ、他方のキャラクタが前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶されていない場合に、当該一方のキャラクタを勝ちと判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項2,5又は6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶されていた時間を前記キャラクタ毎に計時する取得時間計時手段、
前記対戦ゲーム開始からの時間を計時して所定の制限時間が経過したことを検出する制限時間経過検出手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記勝敗判定手段が、前記制限時間経過検出手段による検出がなされた場合、前記取得時間計時手段により計時されている時間の長短に基づいて、前記対戦ゲームの勝敗を判定する制限時間経過時判定手段を有するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項2及び5〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記各キャラクタは所定の攻撃方法により他方のキャラクタに攻撃が可能なキャラクタであり、
前記キャラクタのうち、攻撃元のキャラクタと攻撃先のキャラクタとの相対的な位置関係が所定の攻撃命中可能関係にあることを検出する攻撃命中可能関係検出手段、
前記攻撃可能関係検出手段により検出された時間を、当該検出における攻撃元のキャラクタ毎に計時する攻撃可能関係時間計時手段、
前記対戦ゲーム開始からの時間を計時して所定の制限時間が経過したことを検出する制限時間経過検出手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記勝敗判定手段が、前記制限時間経過検出手段による検出がなされた場合、前記攻撃可能関係時間計時手段により計時されている時間の長短に基づいて、前記対戦ゲームの勝敗を判定する制限時間経過時判定手段を有するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記マーカオブジェクトの形態を可変するマーカ形態可変手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記キャラクタそれぞれに所定のレベルが設定されており、
前記マーカ形態可変手段が、前記キャラクタそれぞれに設定されたレベルに基づいて形態を可変するように前記コンピュータを機能させるための請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記配置されたマーカオブジェクトを動かすマーカ運動制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜11の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記キャラクタそれぞれに所定のレベルが設定されており、
前記マーカ形態可変手段が、前記キャラクタそれぞれに設定されたレベルに基づいて前記マーカオブジェクトを動かすように前記コンピュータを機能させるための請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータは、相手キャラクタを操作する他機と通信する通信手段を備えており、
前記通信手段に前記他機との間で所定の通信を行わせて、前記対戦ゲームを進行させる通信制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜13の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項16】
プレーヤの操作入力に従って自キャラクタのゲーム空間中の移動を制御して、相手キャラクタと対戦する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、
通過又は接触することにより取得したと判定されるマーカオブジェクトを前記ゲーム空間に配置するマーカオブジェクト配置手段と、
所定の運搬目標領域を前記ゲーム空間に設定する目標領域設定手段と、
前記配置されたマーカオブジェクトを前記通過又は接触することにより取得したキャラクタを検出する検出手段と、
前記複数のキャラクタそれぞれのうち、前記検出手段により検出されたキャラクタを取得済のキャラクタとして識別記憶する取得済キャラ識別記憶手段と、
前記取得済キャラ識別記憶手段により取得済として識別記憶され、且つ、前記設定された運搬目標領域に到達したキャラクタを検出する運搬キャラ検出手段と、
前記対戦ゲームの勝敗を、少なくとも、前記運搬キャラ検出手段により検出されたキャラクタに基づいて判定する勝敗判定手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図2】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−301050(P2007−301050A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130853(P2006−130853)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】