プログラム、TBS決定方法、及びTBS決定装置
【課題】HSDPAのCQIマッピングテーブルによって、高々30通りに標準化されているTBS(Transport Block Size)のサイズにバリエーションを持たせることである。また、TBSに含まれるMAC−d PDU(Medium Access Control−dedicated Protocol Data Unit)の数を、連続的に変化させることである。
【解決手段】以下の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムによって解決する。パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定するステップ。CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得するステップ。前記設定するステップの前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得するステップの前に、同時に、又は後に、BLER(BLock Error Rate)を設定するステップ。前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更するステップ。
【解決手段】以下の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムによって解決する。パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定するステップ。CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得するステップ。前記設定するステップの前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得するステップの前に、同時に、又は後に、BLER(BLock Error Rate)を設定するステップ。前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更するステップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、TBS決定方法、及びTBS決定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)は、標準化団体3GPP(Third Generation Partnership Project)によって開発されたパケット伝送の高速化技術の1つである。3GPPの「Release 5」以降で規格化されている。HSDPAでは、適応変調方式が採用されている。この適応変調方式では、変動する電波伝搬路の状態、すなわち空中の電波の伝わりやすさの変化を総合的に判断し、最良の変調方式を自動的に選択する。具体的には、電波の状態の悪いときには、安定性は高いが低速なQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)による変調方式に、電波の状態がいいときには、より高速な16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)による変調方式に、自動的に切り替える。
【0003】
図1に、HSDPAに準拠した通信システムを示す。図1において、UE(User Eqipment)10は、上り方向専用制御チャネルHS−DPCCH(High Speed−Dedicated Physical Control CHannel)を用いて、電波の受信状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)値を無線基地局11へ送信している。無線基地局11は、HS−DPCCH受信部12と、HS−PDSCH(High Speed−Physical Downlink Shared CHannel)送信部13と、無線基地局装置14とを有している。無線基地局装置14では、UE10から送信されるCQI値に基づいて、UE10と通信する際の変調方式・符号化方式等を決定する。この変調方式・符号化方式等に従って、無線基地局11は、下り方向共用チャネルHS−PDSCHを用いて、UE10へパケットを送信する。UE10は、下り方向共用チャネルHS−PDSCHから、自分宛のパケットを受信する。
【0004】
図1において、無線基地局11は、TTI(Transmission Time Interval)ごとに宛先UEをスケジューリングして、下り方向共用チャネルHS−PDSCHを用いて、パケットを送信している。UE10は、下り方向共用チャネルHS−PDSCHから、自分宛のパケットを受信したとき、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)に基づいて、パケットを復号化する。パケットを正常に復号化できた場合、UE10は、上り方向専用制御チャネルHS−DPCCHを用いて、ACK(ACKnowledgement)信号を送信する。パケットの復号化に失敗した場合、UE10は、上り方向専用制御チャネルHS−DPCCHを用いて、NACK(Negative ACKnowledgement)信号を送信する。無線基地局11では、少なくともUE10から受信するACK信号及びNACK信号に基づいて、パケットの再送制御を行う。電波状態等によっては、UE10は、ACK信号もNACK信号も返せない場合が起こり得る。この場合には、無線基地局11は、この状況を加味して、パケットの再送制御を行う。
【0005】
図2に、無線基地局装置のブロック構成例を示す。図2において、無線基地局装置14は、HS−DPCCH復号部20と、CQI受信部21と、スケジューリング決定部22と、ACK/NACK受信部23と、BLER(BLock Error Rate)計算部24と、リソース割当て部25とを有している。HS−DPCCH復号部20は、HS−DPCCH受信部12から受信した信号を復号化する。CQI受信部21は、復号化されたCQI値を受信する。ACK/NACK受信部23は、復号化されたACK信号及びNACK信号を受信する。スケジューリング決定部22は、CQI受信部21が受信したCQI値を参照し、所定のスケジューリングアルゴリズムに従って、TTIを単位に、そのTTIにおいてパケットを送信する一つ又は複数のUEを決定する。BLER計算部24は、少なくともACK/NACK受信部23によるACK信号及びNACK信号の受信結果から、BLERを計算する。BLER計算部24は、ACK/NACK受信部23がACK信号及びNACK信号を受信しているときには、これらのACK信号及びNACK信号からBLERを計算することができる。一方、BLER計算部24は、電波状態等により、ACK/NACK受信部23がACK信号もNACK信号も受信できていないときには、ACK信号及びNACK信号以外の情報を使用してBLERを計算することができる。リソース割当て部25は、CQI値に基づいて、TBS(Transport Block Size)を決定し、コード数(下り方向共用チャネルHS−PDSCHの数)を決定し、変調方式を決定したりして、通信リソースを割り当てる。
【0006】
図3に、無線基地局から送出されるパケットの説明図を示す。図3において、一つのパケットが例示されている。パケットの全長は、TBSで表される。単位は、ビット数である。図3のパケットは、21ビットのヘッダを有する。ヘッダには、キューID、MAC−d PDU(Medium Access Control−dedicated Protocol Data Unit)の長さや個数といった情報が含まれている。パケットには、MAC−d PDUが詰め込まれる。MAC−d PDUのサイズは、規格上、336ビット又は656ビットと決められている。ここでは、336ビットのMAC−d PDUを例示している。ヘッダ及びMAC−d PDUに続くパケットの残りは、パディング部分になる。
【0007】
図4に、CQIマッピングテーブルを示す。HSDPAでは、UEを複数のカテゴリーに分類して、カテゴリー別にCQIマッピングテーブルを用意している。図4のCQIマッピングテーブルは、カテゴリー”10”のUEに適用される。図4において、”CQI”欄の数値は、UEが上り方向専用制御チャネルHS−DPCCHを用いて送信するCQI値を示している。”1”〜”30”まで、30通りある。”TBS”欄の数値は、UEに送信するパケットのTBSを示している。TBSは、CQI値から一意に求められる。なお、CQI値”0”は、ノット・アベーラブルである。コード数欄の数値は、下り方向共用チャネルHS−PDSCHの数を示し、変調方式の欄は、パケットを送信するときの変調方式を示している。なお、CQI値”0”は、アウト・オブ・レンジである。
【0008】
図4に示すように、3GPPの標準化上、CQI値は”1”〜”30”の30通りの値として定義されている。よって、UEのカテゴリー別に、CQI値に対応するTBSは、高々30通りしかない。これでは、TBSに含まれるMAC−d PDUの数は必ずしも連続した値にならない。この傾向は、とりわけ、カテゴリー”10”のUEにおいて、高いCQI値の箇所で顕著である。例えば、図4において、CQI値”24”〜”30”を参照すると、TBSは、それぞれ、”11418(CQI=24)”、”14411(CQI=25)”、”17237(CQI=26)”、”21754(CQI=27)”、”23370(CQI=28)”、”24222(CQI=29)”、”25558(CQI=30)”となっている。MAC−d PDUの数は、サイズを336ビットとすると、”33(CQI=24)”、”42(CQI=25)”、”51(CQI=26)”、”64(CQI=27)”、”69(CQI=28)”、”72(CQI=29)”、”76(CQI=30)”になる(非特許文献1〜4参照)。
【0009】
【非特許文献1】3GPP TS25.214
【非特許文献2】3GPP TS25.308
【非特許文献3】3GPP TS25.321
【非特許文献4】3GPP TS25.858
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、HSDPAのCQIマッピングテーブルによって、高々30通りに標準化されているTBSのサイズにバリエーションを持たせることである。本発明の他の課題は、TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、連続的に変化させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一つのアスペクトによるプログラムは、以下の各ステップをコンピュータに実行させる。CQI値を設定するステップは、パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する。TBSを取得するステップは、CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する。BLERを設定するステップは、前記CQI値を設定するステップの前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得するステップの前に、同時に、又は後に、BLERを設定する。TBSを変更するステップは、前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する。
【0012】
本発明の別のアスペクトによるTBS決定方法においては、パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する。CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する。前記CQI値を設定することを行う前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得することを行う前に、同時に、又は後に、BLERを設定する。前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する。
【0013】
本発明の別のアスペクトによるTBS決定装置は、CQI値設定部と、TBS取得部と、BLER設定部と、TBS変更部とを具備する。CQI値設定部は、パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する。TBS取得部は、CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する。BLER設定部は、BLERを設定する。TBS変更部は、前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、HSDPAのCQIマッピングテーブルによって、高々30通りに規格化されているTBSのサイズにバリエーションを持たせることができる。また、TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、連続的に変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
〔実施例1〕
図5に、本発明によるTBS決定方法の実施例を示す。このTBS決定方法は、図2に示したリソース割当て部25において使用することができる。図5において、パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する(S10)。CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する(S11)。前記設定する(S10)ことを行う前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得する(S11)ことを行う前に、同時に、又は後に、BLERを設定する(S12)。前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する(S13)。
【0016】
〔実施例2〕
図6に、本発明によるTBS決定装置の実施例を示す。TBS決定装置は、図2に示したリソース割当て部25に組み込むことができる。図6において、TBS決定装置30は、CQI値設定部31と、TBS取得部32と、BLER設定部33と、TBS変更部34とを具備している。CQI値設定部31は、パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する。TBS取得部32は、CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する。BLER設定部33は、BLERを設定する。TBS変更部34は、前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する。
【0017】
〔実施例3〕
実施例3では、CQIマッピングテーブルによって高々30通りに定まるTBSを、BLERを考慮して、変更する。TBSの変更は、BLERを考慮しながら、TBSに含まれるMAC−d PDUの数を増減させ、この増減に対応させて行う。しかし、TBSを変更するにあたり、MAC−d PDUの数が連続していない箇所でTBSの変更を行うと、MAC−d PDUの数を大きく変化させることになる。MAC−d PDUの数を大きく減らして、小さいTBSで送信を行ったとき、不必要なスループットの低下が起こる可能性がある。一方、MAC−d PDUの数を大きく増やして、大きいTBSで送信を行ったとき、BLERが上昇するといった問題が起こる可能性がある。
【0018】
そこで、実施例3では、MAC−d PDU数に関してオフセット値を持たせて、高いBLER、低いBLER全てに対応するTBSの最適化を行う。そして、不必要なスループットの低下及びBLERの上昇といった問題の解決を図る。また、MAC−d PDUの数の変化が、CQIマッピングテーブルにおいて、前後のCQI値におけるMAC−d PDUの数を越えないように、上限を定める。
【0019】
図7〜10は、本発明によるTBS決定方法のアルゴリズムを説明する流れ図である。このアルゴリズムは、図2のリソース割当て部25に実装することができる。リソース割当て部25は、CQI受信部21からCQI値を受信し、BLER計算部24から計算されたBLERを受信し、これらをメモリに設定している。
【0020】
図7において、”i”、”T”、”計算BLER”、”BLERtarget,upper”、”BLERtarget,lower”の各変数が使用されている。これらの意味は次の通りである。
”i”:MAC−d PDUの数を変化させるときに使う係数
”T”:BLERを測定・計算する周期時間
”計算BLER”:図2のBLER計算部24によって計算されるBLER
”BLERtarget,upper”:MAC−d PDUの数を減少させる際に基準となる目標BLER
”BLERtarget,lower”:MAC−d PDUの数を増加させる際に基準となる目標BLER
【0021】
図8において、”CQI値”、”TBS”、”MAC−d PDU数”、”Tmeas”の各変数が使用されている。これらの意味は次の通りである。
”CQI値”:図2のCQI受信部21によって受信されるCQI値
”TBS”:変更され得るTBS
”MAC−d PDU数”:増減され得るMAC−d PDU数
”Tmeas”:BLERを”T”だけ測るためのタイマー値
【0022】
図9において、”r_up”、”Cmac−d,up”、”j”の各変数が使用され、図10において、”r_down”、”Cmac−d,down”、”k”の各変数が使用されている。これらの意味は次の通りである。
”j”:”MAC−d PDU数”の増加分
”k”:”MAC−d PDU数”の減少分
”r_up”:”MAC−d PDU数”を増やす際の変化量
”r_down”:”MAC−d PDU数”を減らす際の変化量
”Cmac−d,up”:受信したCQI値に対応するMAC−d PDU数と、そのCQI値をCmaxだけ大きくした上方CQI値に対応するMAC−d PDU数との差分の絶対値
”Cmac−d,down”:受信したCQI値に対応するMAC−d PDU数と、そのCQI値をCmaxだけ小さくした下方CQI値に対応するMAC−d PDU数との差分の絶対値
ただし、”Cmax”:CQI値の変化量の最大値
【0023】
図7〜10の流れ図について詳述する。図7において、まず、”T”、”BLERtarget,upper”、”BLERtarget,lower”に、適当な値を代入する。実施例3では、次のような値を採用して説明する。
T=100ミリ秒
BLERtarget,upper=20%
BLERtarget,lower=5%
T=100ミリ秒としたので、図7の流れ図から図8の流れ図へジャンプした後、100ミリ秒が経過すると、再び、図7の流れ図に戻ってくる。図8の流れ図は、100ミリ秒の間だけ実行される。BLERtarget,upper=20%としたので、BLERが20%以上になる程にまで電波の受信状態が悪い場合に、”MAC−d PDU数”が減らされ得ることになる。BLERtarget,lower=5%としたので、BLERが5%以下になる程にまで電波の受信状態が良い場合に、”MAC−d PDU数”が増やされ得ることになる。
【0024】
図9及び図10において、”r_up”、”r_down”に、適当な値を代入する。実施例3では、次のような値を採用して説明する。
r_up=1
r_down=1
また、図9及び図10において、”Cmac−d,up”、”Cmac−d,down”に与える値は、CQI値に依存する。当例では、UEのカテゴリーを”10”とし、MAC−d PDUのサイズを336ビットとし、受信したCQI値が、”27”であったとした場合を前提として、次のような値を代入する。
Cmac−d,up=5(=69−64)
Cmac−d,down=13(=64−51)
ただし、当例では、Cmax=1としている。なお、背景技術の欄で説明したように、CQI値=26,27,28に対応するそれぞれのTBSに含まれるMAC−d PDUの数は、”51(CQI=26)”、”64(CQI=27)”、”69(CQI=28)”である。
【0025】
〔BLER良好の場合〕
まず、BLERが良好な場合について説明する。図7において、iの初期化とTの設定とが行われる(S1−1)。
i=0
T=100ミリ秒
計算されたBLERの設定が行われる(S1−2)。BLER計算部24が、BLERを2%と計算したとする。
計算BLER=2%
BLERtarget,upperとの比較が行われる(S1−3)。2%なので、ノーへ進む。
BLERtarget,lowerとの比較が行われる(S1−4)。2%なので、イエスへ進む。
係数iがインクリメントされる(S1−6)。図8へジャンプする。図8の処理に並行して、BLERの測定・計算が行われる。
【0026】
図8において、CQI値の設定、TBSの取得、MAC−d PDU数の計算が行われる(S2−1)。
CQI値=27
TBS=21754
MAC−d PDU数=64
Tmeasの初期化及びTmeasの計測開始が行われる(S2−2)。”i”が負で無いか否かが判断される(S2−3)。i=1なので、イエスへ進む。MAC−d PDUの数を増やす処理が行われる(S2−4)。MAC−d PDU数の増加に対応させて、TBSを変更する(S2−6)。タイマー値が、100ミリ秒以上をカウントしているか否かが判断される(S2−7)。100ミリ秒以上であれば、図7へ戻って、次の計算BLERを設定する(S1−2)。100ミリ秒未満であれば、戻って、再び、”i”が負で無いか否かが判断される(S2−3)。
【0027】
図9は、MAC−d PDUの数を増やす処理について説明する流れ図である。図9において、与えられたr_upを設定する(S2−41)。
r_up=1
次に、増加最大値Cmac−d,upを設定する(S2−42)。
Cmac−d,up=5(=69−64);ただし、Cmax=1
続いて、j=Min(r_up×i,(Cmac−d,up))を計算する(S2−43)。
1×1=1であり、5より小さいので、j=1が計算される。
最後に、MAC−d PDU数をj=1個だけ増やす(S2−44)。MAC−d PDU数の合計は、65個に増える。TBSは、MAC−d PDUの数の増加分に対応させて、21+336×65=21861ビットになる(S2−6)。
【0028】
〔BLER不良の場合〕
次に、BLERが不良な場合について説明する。図7において、iの初期化とTの設定とが行われる(S1−1)。
i=0
T=100ミリ秒
計算されたBLERの設定が行われる(S1−2)。BLER計算部24が、BLERを25%と計算したとする。
計算BLER=25%
BLERtarget,upperとの比較が行われる(S1−3)。25%なので、イエスへ進む。
係数iがデクリメントされる(S1−5)。図8へジャンプする。図8の処理に並行して、BLERの測定・計算が行われる。
【0029】
図8において、CQI値の設定、TBSの取得、MAC−d PDU数の計算が行われる(S2−1)。
CQI値=27
TBS=21754
MAC−d PDU数=64
Tmeasの初期化及びTmeasの計測開始が行われる(S2−2)。”i”が負で無いか否かが判断される(S2−3)。i=−1なので、ノーへ進む。MAC−d PDUの数を減らす処理が行われる(S2−5)。MAC−d PDU数の減少に対応させて、TBSを変更する(S2−6)。タイマー値が、100ミリ秒以上をカウントしているか否かが判断される(S2−7)。100ミリ秒以上であれば、図7へ戻って、次の計算BLERを設定する(S1−2)。100ミリ秒未満であれば、戻って、再び、”i”が負で無いか否かが判断される(S2−3)。
【0030】
図10は、MAC−d PDUの数を減らす処理について説明する流れ図である。図10において、与えられたr_downを設定する(S2−51)。
r_down=1
次に、減少最大値Cmac−d,downを設定する(S2−52)。
Cmac−d,down=13(=64−51);ただし、Cmax=1
続いて、k=Min(r_down×|i|,(Cmac−d,down))を計算する(S2−53)。
1×|−1|=1であり、13より小さいので、k=1が計算される。
最後に、MAC−d PDU数をk=1個だけ減らす(S2−54)。MAC−d PDU数の合計は、63個に減る。TBSは、MAC−d PDUの数の減少分に対応させて、21+336×63=21189ビットになる(S2−6)。
【0031】
以上、TBSを変更するアルゴリズムについて詳述した。図2のリソース割当て部25に、上記TBS変更方法を実施する機能を追加した場合、その機能は、オン/オフ切り替え可能なものとすることができる。また、基本的には、コード数、変調方式などは、CQIマッピングテーブルに従って、MAC−d PDU数の増減を行う前のものを引き継げばよい。しかしながら、増減されるTBSによっては、必要なコード数、変調方式は異なってくるため、その点を考慮した修正を行っても良い。
【0032】
〔実施例4〕
図7〜10の流れ図は、各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムにて実現することが可能である。パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定するステップと、CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得するステップと、前記CQI値を設定するステップの前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得するステップの前に、同時に、又は後に、前記UEより送信されるACK信号及びNACK信号から計算されるBLERを設定するステップと、計算された前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムによって、BLERに基づいたTBSの変更が可能になる。
【0033】
前記変更するステップは、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数を計算するステップと、前記BLERに基づいて、前記MAC−d PDUの数を増減するステップと、前記MAC−d PDUの数の増減に対応させて、前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップとを有することができる。
【0034】
前記増減するステップは、前記BLERが、所定の下限基準値を下回るか否かを判断するステップと、前記所定の下限基準値を下回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を増やすステップとを有することができる。また、前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップは、前記増やすステップによる前記MAC−d PDUの数の増加に対応させて、前記TBSを大きくするステップを有することができる。
【0035】
前記増やすステップは、前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上インクリメントした上方CQI値に対応する上方TBSを取得するステップと、前記上方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、上方MAC−d PDU数として設定するステップと、前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やすステップとを有することができる。
【0036】
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やすステップは、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記上方MAC−d PDU数との差分を計算するステップと、前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返すステップと、前記増やすことを繰り返すステップによって、MAC−d PDUの数の増加分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の増加分を前記差分とするステップとを有することができる。
【0037】
前記増減するステップは、前記BLERが、所定の上限基準値を上回るか否かを判断するステップと、前記所定の上限基準値を上回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を減らすステップとを有することができる。また、前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップは、前記減らすステップによる前記MAC−d PDUの数の減少に対応させて、前記TBSを小さくするステップを有することができる。
【0038】
前記減らすステップは、前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上デクリメントした下方CQI値に対応する下方TBSを取得するステップと、前記下方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、下方MAC−d PDU数として設定するステップと、前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らすステップとを有することができる。
【0039】
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らすステップは、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記下方MAC−d PDU数との差分を計算するステップと、前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返すステップと、前記減らすことを繰り返すステップによって、MAC−d PDUの数の減少分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の減少分を前記差分とするステップとを有することができる。
【0040】
予め決められた時間ごとに、前記BLERを設定するステップを実行することができ、また、前記予め決められた時間ごとに実行される一の前記BLERを設定するステップと、次の前記BLERを設定するステップとの間に、前記TBSを変更するステップを実行することができる。
【0041】
〔実施例5〕
また、このようなプログラムを実行するコンピュータは、TBS決定装置として動作し、次のような機能ブロックを有していると観念される。
CQI値設定部:パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する。
TBS取得部:CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する。
BLER設定部:前記UEから送信されるACK信号及びNACK信号から計算されるBLERを設定する。
TBS変更部:計算された前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する。
【0042】
前記TBS変更部は、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数を計算するPDU数計算部と、前記MAC−d PDUの数を増減するPDU数増減部と、前記MAC−d PDUの数の増減に対応させて、前記TBSを大きくし、又は、小さくするTBS大小化部とを有したものとすることができる。
【0043】
前記PDU数増減部は、前記BLERが、所定の下限基準値を下回るか否かを判断する下限基準値判断部と、前記所定の下限基準値を下回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を増やす良好条件MAC−d PDU数増大部とを有したものとすることができる。前記TBS大小化部は、前記良好条件MAC−d PDU数増大部によるMAC−d PDUの数の増加に対応させて、前記TBSを大きくするMAC−d PDU数増加対応TBS大化部を有したものとすることができる。
【0044】
前記良好条件MAC−d PDU数増大部は、前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上インクリメントした上方CQI値に対応する上方TBSを取得する上方TBS取得部と、前記上方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、上方MAC−d PDU数として設定する上方MAC−d PDU数設定部と、前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やす上方範囲制限付MAC−d PDU数増大部とを有したものとすることができる。
【0045】
前記上方範囲制限付MAC−d PDU数増大部は、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記上方MAC−d PDU数との差分を計算する上方差分計算部と、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返す増加繰返し部と、前記増加繰返し部がMAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の増加分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の増加分を前記差分とするMAC−d PDU数増加分制限部とを有したものとすることができる。
【0046】
前記PDU数増減部は、前記BLERが、所定の上限基準値を上回るか否かを判断する上限基準値判断部と、前記所定の上限基準値を上回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を減らす不良条件MAC−d PDU数減少部とを有する。前記TBS大小化部は、前記不良条件MAC−d PDU数減少部によるMAC−d PDUの数の減少に対応させて、前記TBSを小さくするMAC−d PDU数減少対応TBS小化部を有したものとすることができる。
【0047】
前記不良条件MAC−d PDU数減少部は、前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上デクリメントした下方CQI値に対応する下方TBSを取得する下方TBS取得部と、前記下方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、下方MAC−d PDU数として設定する下方MAC−d PDU数設定部と、前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らす下方範囲制限付MAC−d PDU数減少部とを有したものとすることができる。
【0048】
前記下方範囲制限付MAC−d PDU数減少部は、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記下方MAC−d PDU数との差分を計算する下方差分計算部と、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返す減少繰返し部と、前記減少繰返し部がMAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の減少分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の減少分を前記差分とするMAC−d PDU数減少分制限部とを有したものとすることができる。
【0049】
前記BLER設定部は、予め決められた時間ごとにBLERを設定するものとすることができる。前記TBS変更部は、前記BLER設定部が、一の前記BLERを設定してから、次の前記BLERを設定するまでに、前記TBSを変更するものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、HSDPAに準拠した通信システムを示す図である。
【図2】図2は、無線基地局装置のブロック構成例を示す図である。
【図3】図3は、無線基地局から送出されるパケットの説明図である。
【図4】図4は、CQIマッピングテーブルを示す図である。
【図5】図5は、本発明によるTBS決定方法の実施例を示す図である。
【図6】図6は、本発明によるTBS決定装置の実施例を示す図である。
【図7】図7は、周期時間Tごとに行われるTBS決定方法のアルゴリズムを説明する流れ図である。
【図8】図8は、周期時間T内に行われるTBS決定方法のアルゴリズムを説明する流れ図である。
【図9】図9は、MAC−d PDUの数を増やす処理について説明する流れ図である。
【図10】図10は、MAC−d PDUの数を減らす処理について説明する流れ図である。
【符号の説明】
【0051】
10 UE
11 無線基地局
12 HS−DPCCH受信部
13 HS−PDSCH送信部
14 無線基地局装置
20 HS−DPCCH復号部
21 CQI受信部
22 スケジューリング決定部
23 ACK/NACK受信部
24 BLER計算部
25 リソース割当て部
30 TBS決定装置
31 CQI値設定部
32 TBS取得部
33 BLER設定部
34 TBS変更部
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、TBS決定方法、及びTBS決定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)は、標準化団体3GPP(Third Generation Partnership Project)によって開発されたパケット伝送の高速化技術の1つである。3GPPの「Release 5」以降で規格化されている。HSDPAでは、適応変調方式が採用されている。この適応変調方式では、変動する電波伝搬路の状態、すなわち空中の電波の伝わりやすさの変化を総合的に判断し、最良の変調方式を自動的に選択する。具体的には、電波の状態の悪いときには、安定性は高いが低速なQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)による変調方式に、電波の状態がいいときには、より高速な16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)による変調方式に、自動的に切り替える。
【0003】
図1に、HSDPAに準拠した通信システムを示す。図1において、UE(User Eqipment)10は、上り方向専用制御チャネルHS−DPCCH(High Speed−Dedicated Physical Control CHannel)を用いて、電波の受信状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)値を無線基地局11へ送信している。無線基地局11は、HS−DPCCH受信部12と、HS−PDSCH(High Speed−Physical Downlink Shared CHannel)送信部13と、無線基地局装置14とを有している。無線基地局装置14では、UE10から送信されるCQI値に基づいて、UE10と通信する際の変調方式・符号化方式等を決定する。この変調方式・符号化方式等に従って、無線基地局11は、下り方向共用チャネルHS−PDSCHを用いて、UE10へパケットを送信する。UE10は、下り方向共用チャネルHS−PDSCHから、自分宛のパケットを受信する。
【0004】
図1において、無線基地局11は、TTI(Transmission Time Interval)ごとに宛先UEをスケジューリングして、下り方向共用チャネルHS−PDSCHを用いて、パケットを送信している。UE10は、下り方向共用チャネルHS−PDSCHから、自分宛のパケットを受信したとき、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)に基づいて、パケットを復号化する。パケットを正常に復号化できた場合、UE10は、上り方向専用制御チャネルHS−DPCCHを用いて、ACK(ACKnowledgement)信号を送信する。パケットの復号化に失敗した場合、UE10は、上り方向専用制御チャネルHS−DPCCHを用いて、NACK(Negative ACKnowledgement)信号を送信する。無線基地局11では、少なくともUE10から受信するACK信号及びNACK信号に基づいて、パケットの再送制御を行う。電波状態等によっては、UE10は、ACK信号もNACK信号も返せない場合が起こり得る。この場合には、無線基地局11は、この状況を加味して、パケットの再送制御を行う。
【0005】
図2に、無線基地局装置のブロック構成例を示す。図2において、無線基地局装置14は、HS−DPCCH復号部20と、CQI受信部21と、スケジューリング決定部22と、ACK/NACK受信部23と、BLER(BLock Error Rate)計算部24と、リソース割当て部25とを有している。HS−DPCCH復号部20は、HS−DPCCH受信部12から受信した信号を復号化する。CQI受信部21は、復号化されたCQI値を受信する。ACK/NACK受信部23は、復号化されたACK信号及びNACK信号を受信する。スケジューリング決定部22は、CQI受信部21が受信したCQI値を参照し、所定のスケジューリングアルゴリズムに従って、TTIを単位に、そのTTIにおいてパケットを送信する一つ又は複数のUEを決定する。BLER計算部24は、少なくともACK/NACK受信部23によるACK信号及びNACK信号の受信結果から、BLERを計算する。BLER計算部24は、ACK/NACK受信部23がACK信号及びNACK信号を受信しているときには、これらのACK信号及びNACK信号からBLERを計算することができる。一方、BLER計算部24は、電波状態等により、ACK/NACK受信部23がACK信号もNACK信号も受信できていないときには、ACK信号及びNACK信号以外の情報を使用してBLERを計算することができる。リソース割当て部25は、CQI値に基づいて、TBS(Transport Block Size)を決定し、コード数(下り方向共用チャネルHS−PDSCHの数)を決定し、変調方式を決定したりして、通信リソースを割り当てる。
【0006】
図3に、無線基地局から送出されるパケットの説明図を示す。図3において、一つのパケットが例示されている。パケットの全長は、TBSで表される。単位は、ビット数である。図3のパケットは、21ビットのヘッダを有する。ヘッダには、キューID、MAC−d PDU(Medium Access Control−dedicated Protocol Data Unit)の長さや個数といった情報が含まれている。パケットには、MAC−d PDUが詰め込まれる。MAC−d PDUのサイズは、規格上、336ビット又は656ビットと決められている。ここでは、336ビットのMAC−d PDUを例示している。ヘッダ及びMAC−d PDUに続くパケットの残りは、パディング部分になる。
【0007】
図4に、CQIマッピングテーブルを示す。HSDPAでは、UEを複数のカテゴリーに分類して、カテゴリー別にCQIマッピングテーブルを用意している。図4のCQIマッピングテーブルは、カテゴリー”10”のUEに適用される。図4において、”CQI”欄の数値は、UEが上り方向専用制御チャネルHS−DPCCHを用いて送信するCQI値を示している。”1”〜”30”まで、30通りある。”TBS”欄の数値は、UEに送信するパケットのTBSを示している。TBSは、CQI値から一意に求められる。なお、CQI値”0”は、ノット・アベーラブルである。コード数欄の数値は、下り方向共用チャネルHS−PDSCHの数を示し、変調方式の欄は、パケットを送信するときの変調方式を示している。なお、CQI値”0”は、アウト・オブ・レンジである。
【0008】
図4に示すように、3GPPの標準化上、CQI値は”1”〜”30”の30通りの値として定義されている。よって、UEのカテゴリー別に、CQI値に対応するTBSは、高々30通りしかない。これでは、TBSに含まれるMAC−d PDUの数は必ずしも連続した値にならない。この傾向は、とりわけ、カテゴリー”10”のUEにおいて、高いCQI値の箇所で顕著である。例えば、図4において、CQI値”24”〜”30”を参照すると、TBSは、それぞれ、”11418(CQI=24)”、”14411(CQI=25)”、”17237(CQI=26)”、”21754(CQI=27)”、”23370(CQI=28)”、”24222(CQI=29)”、”25558(CQI=30)”となっている。MAC−d PDUの数は、サイズを336ビットとすると、”33(CQI=24)”、”42(CQI=25)”、”51(CQI=26)”、”64(CQI=27)”、”69(CQI=28)”、”72(CQI=29)”、”76(CQI=30)”になる(非特許文献1〜4参照)。
【0009】
【非特許文献1】3GPP TS25.214
【非特許文献2】3GPP TS25.308
【非特許文献3】3GPP TS25.321
【非特許文献4】3GPP TS25.858
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、HSDPAのCQIマッピングテーブルによって、高々30通りに標準化されているTBSのサイズにバリエーションを持たせることである。本発明の他の課題は、TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、連続的に変化させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一つのアスペクトによるプログラムは、以下の各ステップをコンピュータに実行させる。CQI値を設定するステップは、パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する。TBSを取得するステップは、CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する。BLERを設定するステップは、前記CQI値を設定するステップの前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得するステップの前に、同時に、又は後に、BLERを設定する。TBSを変更するステップは、前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する。
【0012】
本発明の別のアスペクトによるTBS決定方法においては、パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する。CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する。前記CQI値を設定することを行う前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得することを行う前に、同時に、又は後に、BLERを設定する。前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する。
【0013】
本発明の別のアスペクトによるTBS決定装置は、CQI値設定部と、TBS取得部と、BLER設定部と、TBS変更部とを具備する。CQI値設定部は、パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する。TBS取得部は、CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する。BLER設定部は、BLERを設定する。TBS変更部は、前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、HSDPAのCQIマッピングテーブルによって、高々30通りに規格化されているTBSのサイズにバリエーションを持たせることができる。また、TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、連続的に変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
〔実施例1〕
図5に、本発明によるTBS決定方法の実施例を示す。このTBS決定方法は、図2に示したリソース割当て部25において使用することができる。図5において、パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する(S10)。CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する(S11)。前記設定する(S10)ことを行う前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得する(S11)ことを行う前に、同時に、又は後に、BLERを設定する(S12)。前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する(S13)。
【0016】
〔実施例2〕
図6に、本発明によるTBS決定装置の実施例を示す。TBS決定装置は、図2に示したリソース割当て部25に組み込むことができる。図6において、TBS決定装置30は、CQI値設定部31と、TBS取得部32と、BLER設定部33と、TBS変更部34とを具備している。CQI値設定部31は、パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する。TBS取得部32は、CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する。BLER設定部33は、BLERを設定する。TBS変更部34は、前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する。
【0017】
〔実施例3〕
実施例3では、CQIマッピングテーブルによって高々30通りに定まるTBSを、BLERを考慮して、変更する。TBSの変更は、BLERを考慮しながら、TBSに含まれるMAC−d PDUの数を増減させ、この増減に対応させて行う。しかし、TBSを変更するにあたり、MAC−d PDUの数が連続していない箇所でTBSの変更を行うと、MAC−d PDUの数を大きく変化させることになる。MAC−d PDUの数を大きく減らして、小さいTBSで送信を行ったとき、不必要なスループットの低下が起こる可能性がある。一方、MAC−d PDUの数を大きく増やして、大きいTBSで送信を行ったとき、BLERが上昇するといった問題が起こる可能性がある。
【0018】
そこで、実施例3では、MAC−d PDU数に関してオフセット値を持たせて、高いBLER、低いBLER全てに対応するTBSの最適化を行う。そして、不必要なスループットの低下及びBLERの上昇といった問題の解決を図る。また、MAC−d PDUの数の変化が、CQIマッピングテーブルにおいて、前後のCQI値におけるMAC−d PDUの数を越えないように、上限を定める。
【0019】
図7〜10は、本発明によるTBS決定方法のアルゴリズムを説明する流れ図である。このアルゴリズムは、図2のリソース割当て部25に実装することができる。リソース割当て部25は、CQI受信部21からCQI値を受信し、BLER計算部24から計算されたBLERを受信し、これらをメモリに設定している。
【0020】
図7において、”i”、”T”、”計算BLER”、”BLERtarget,upper”、”BLERtarget,lower”の各変数が使用されている。これらの意味は次の通りである。
”i”:MAC−d PDUの数を変化させるときに使う係数
”T”:BLERを測定・計算する周期時間
”計算BLER”:図2のBLER計算部24によって計算されるBLER
”BLERtarget,upper”:MAC−d PDUの数を減少させる際に基準となる目標BLER
”BLERtarget,lower”:MAC−d PDUの数を増加させる際に基準となる目標BLER
【0021】
図8において、”CQI値”、”TBS”、”MAC−d PDU数”、”Tmeas”の各変数が使用されている。これらの意味は次の通りである。
”CQI値”:図2のCQI受信部21によって受信されるCQI値
”TBS”:変更され得るTBS
”MAC−d PDU数”:増減され得るMAC−d PDU数
”Tmeas”:BLERを”T”だけ測るためのタイマー値
【0022】
図9において、”r_up”、”Cmac−d,up”、”j”の各変数が使用され、図10において、”r_down”、”Cmac−d,down”、”k”の各変数が使用されている。これらの意味は次の通りである。
”j”:”MAC−d PDU数”の増加分
”k”:”MAC−d PDU数”の減少分
”r_up”:”MAC−d PDU数”を増やす際の変化量
”r_down”:”MAC−d PDU数”を減らす際の変化量
”Cmac−d,up”:受信したCQI値に対応するMAC−d PDU数と、そのCQI値をCmaxだけ大きくした上方CQI値に対応するMAC−d PDU数との差分の絶対値
”Cmac−d,down”:受信したCQI値に対応するMAC−d PDU数と、そのCQI値をCmaxだけ小さくした下方CQI値に対応するMAC−d PDU数との差分の絶対値
ただし、”Cmax”:CQI値の変化量の最大値
【0023】
図7〜10の流れ図について詳述する。図7において、まず、”T”、”BLERtarget,upper”、”BLERtarget,lower”に、適当な値を代入する。実施例3では、次のような値を採用して説明する。
T=100ミリ秒
BLERtarget,upper=20%
BLERtarget,lower=5%
T=100ミリ秒としたので、図7の流れ図から図8の流れ図へジャンプした後、100ミリ秒が経過すると、再び、図7の流れ図に戻ってくる。図8の流れ図は、100ミリ秒の間だけ実行される。BLERtarget,upper=20%としたので、BLERが20%以上になる程にまで電波の受信状態が悪い場合に、”MAC−d PDU数”が減らされ得ることになる。BLERtarget,lower=5%としたので、BLERが5%以下になる程にまで電波の受信状態が良い場合に、”MAC−d PDU数”が増やされ得ることになる。
【0024】
図9及び図10において、”r_up”、”r_down”に、適当な値を代入する。実施例3では、次のような値を採用して説明する。
r_up=1
r_down=1
また、図9及び図10において、”Cmac−d,up”、”Cmac−d,down”に与える値は、CQI値に依存する。当例では、UEのカテゴリーを”10”とし、MAC−d PDUのサイズを336ビットとし、受信したCQI値が、”27”であったとした場合を前提として、次のような値を代入する。
Cmac−d,up=5(=69−64)
Cmac−d,down=13(=64−51)
ただし、当例では、Cmax=1としている。なお、背景技術の欄で説明したように、CQI値=26,27,28に対応するそれぞれのTBSに含まれるMAC−d PDUの数は、”51(CQI=26)”、”64(CQI=27)”、”69(CQI=28)”である。
【0025】
〔BLER良好の場合〕
まず、BLERが良好な場合について説明する。図7において、iの初期化とTの設定とが行われる(S1−1)。
i=0
T=100ミリ秒
計算されたBLERの設定が行われる(S1−2)。BLER計算部24が、BLERを2%と計算したとする。
計算BLER=2%
BLERtarget,upperとの比較が行われる(S1−3)。2%なので、ノーへ進む。
BLERtarget,lowerとの比較が行われる(S1−4)。2%なので、イエスへ進む。
係数iがインクリメントされる(S1−6)。図8へジャンプする。図8の処理に並行して、BLERの測定・計算が行われる。
【0026】
図8において、CQI値の設定、TBSの取得、MAC−d PDU数の計算が行われる(S2−1)。
CQI値=27
TBS=21754
MAC−d PDU数=64
Tmeasの初期化及びTmeasの計測開始が行われる(S2−2)。”i”が負で無いか否かが判断される(S2−3)。i=1なので、イエスへ進む。MAC−d PDUの数を増やす処理が行われる(S2−4)。MAC−d PDU数の増加に対応させて、TBSを変更する(S2−6)。タイマー値が、100ミリ秒以上をカウントしているか否かが判断される(S2−7)。100ミリ秒以上であれば、図7へ戻って、次の計算BLERを設定する(S1−2)。100ミリ秒未満であれば、戻って、再び、”i”が負で無いか否かが判断される(S2−3)。
【0027】
図9は、MAC−d PDUの数を増やす処理について説明する流れ図である。図9において、与えられたr_upを設定する(S2−41)。
r_up=1
次に、増加最大値Cmac−d,upを設定する(S2−42)。
Cmac−d,up=5(=69−64);ただし、Cmax=1
続いて、j=Min(r_up×i,(Cmac−d,up))を計算する(S2−43)。
1×1=1であり、5より小さいので、j=1が計算される。
最後に、MAC−d PDU数をj=1個だけ増やす(S2−44)。MAC−d PDU数の合計は、65個に増える。TBSは、MAC−d PDUの数の増加分に対応させて、21+336×65=21861ビットになる(S2−6)。
【0028】
〔BLER不良の場合〕
次に、BLERが不良な場合について説明する。図7において、iの初期化とTの設定とが行われる(S1−1)。
i=0
T=100ミリ秒
計算されたBLERの設定が行われる(S1−2)。BLER計算部24が、BLERを25%と計算したとする。
計算BLER=25%
BLERtarget,upperとの比較が行われる(S1−3)。25%なので、イエスへ進む。
係数iがデクリメントされる(S1−5)。図8へジャンプする。図8の処理に並行して、BLERの測定・計算が行われる。
【0029】
図8において、CQI値の設定、TBSの取得、MAC−d PDU数の計算が行われる(S2−1)。
CQI値=27
TBS=21754
MAC−d PDU数=64
Tmeasの初期化及びTmeasの計測開始が行われる(S2−2)。”i”が負で無いか否かが判断される(S2−3)。i=−1なので、ノーへ進む。MAC−d PDUの数を減らす処理が行われる(S2−5)。MAC−d PDU数の減少に対応させて、TBSを変更する(S2−6)。タイマー値が、100ミリ秒以上をカウントしているか否かが判断される(S2−7)。100ミリ秒以上であれば、図7へ戻って、次の計算BLERを設定する(S1−2)。100ミリ秒未満であれば、戻って、再び、”i”が負で無いか否かが判断される(S2−3)。
【0030】
図10は、MAC−d PDUの数を減らす処理について説明する流れ図である。図10において、与えられたr_downを設定する(S2−51)。
r_down=1
次に、減少最大値Cmac−d,downを設定する(S2−52)。
Cmac−d,down=13(=64−51);ただし、Cmax=1
続いて、k=Min(r_down×|i|,(Cmac−d,down))を計算する(S2−53)。
1×|−1|=1であり、13より小さいので、k=1が計算される。
最後に、MAC−d PDU数をk=1個だけ減らす(S2−54)。MAC−d PDU数の合計は、63個に減る。TBSは、MAC−d PDUの数の減少分に対応させて、21+336×63=21189ビットになる(S2−6)。
【0031】
以上、TBSを変更するアルゴリズムについて詳述した。図2のリソース割当て部25に、上記TBS変更方法を実施する機能を追加した場合、その機能は、オン/オフ切り替え可能なものとすることができる。また、基本的には、コード数、変調方式などは、CQIマッピングテーブルに従って、MAC−d PDU数の増減を行う前のものを引き継げばよい。しかしながら、増減されるTBSによっては、必要なコード数、変調方式は異なってくるため、その点を考慮した修正を行っても良い。
【0032】
〔実施例4〕
図7〜10の流れ図は、各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムにて実現することが可能である。パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定するステップと、CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得するステップと、前記CQI値を設定するステップの前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得するステップの前に、同時に、又は後に、前記UEより送信されるACK信号及びNACK信号から計算されるBLERを設定するステップと、計算された前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムによって、BLERに基づいたTBSの変更が可能になる。
【0033】
前記変更するステップは、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数を計算するステップと、前記BLERに基づいて、前記MAC−d PDUの数を増減するステップと、前記MAC−d PDUの数の増減に対応させて、前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップとを有することができる。
【0034】
前記増減するステップは、前記BLERが、所定の下限基準値を下回るか否かを判断するステップと、前記所定の下限基準値を下回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を増やすステップとを有することができる。また、前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップは、前記増やすステップによる前記MAC−d PDUの数の増加に対応させて、前記TBSを大きくするステップを有することができる。
【0035】
前記増やすステップは、前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上インクリメントした上方CQI値に対応する上方TBSを取得するステップと、前記上方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、上方MAC−d PDU数として設定するステップと、前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やすステップとを有することができる。
【0036】
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やすステップは、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記上方MAC−d PDU数との差分を計算するステップと、前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返すステップと、前記増やすことを繰り返すステップによって、MAC−d PDUの数の増加分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の増加分を前記差分とするステップとを有することができる。
【0037】
前記増減するステップは、前記BLERが、所定の上限基準値を上回るか否かを判断するステップと、前記所定の上限基準値を上回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を減らすステップとを有することができる。また、前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップは、前記減らすステップによる前記MAC−d PDUの数の減少に対応させて、前記TBSを小さくするステップを有することができる。
【0038】
前記減らすステップは、前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上デクリメントした下方CQI値に対応する下方TBSを取得するステップと、前記下方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、下方MAC−d PDU数として設定するステップと、前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らすステップとを有することができる。
【0039】
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らすステップは、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記下方MAC−d PDU数との差分を計算するステップと、前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返すステップと、前記減らすことを繰り返すステップによって、MAC−d PDUの数の減少分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の減少分を前記差分とするステップとを有することができる。
【0040】
予め決められた時間ごとに、前記BLERを設定するステップを実行することができ、また、前記予め決められた時間ごとに実行される一の前記BLERを設定するステップと、次の前記BLERを設定するステップとの間に、前記TBSを変更するステップを実行することができる。
【0041】
〔実施例5〕
また、このようなプログラムを実行するコンピュータは、TBS決定装置として動作し、次のような機能ブロックを有していると観念される。
CQI値設定部:パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定する。
TBS取得部:CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得する。
BLER設定部:前記UEから送信されるACK信号及びNACK信号から計算されるBLERを設定する。
TBS変更部:計算された前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する。
【0042】
前記TBS変更部は、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数を計算するPDU数計算部と、前記MAC−d PDUの数を増減するPDU数増減部と、前記MAC−d PDUの数の増減に対応させて、前記TBSを大きくし、又は、小さくするTBS大小化部とを有したものとすることができる。
【0043】
前記PDU数増減部は、前記BLERが、所定の下限基準値を下回るか否かを判断する下限基準値判断部と、前記所定の下限基準値を下回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を増やす良好条件MAC−d PDU数増大部とを有したものとすることができる。前記TBS大小化部は、前記良好条件MAC−d PDU数増大部によるMAC−d PDUの数の増加に対応させて、前記TBSを大きくするMAC−d PDU数増加対応TBS大化部を有したものとすることができる。
【0044】
前記良好条件MAC−d PDU数増大部は、前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上インクリメントした上方CQI値に対応する上方TBSを取得する上方TBS取得部と、前記上方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、上方MAC−d PDU数として設定する上方MAC−d PDU数設定部と、前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やす上方範囲制限付MAC−d PDU数増大部とを有したものとすることができる。
【0045】
前記上方範囲制限付MAC−d PDU数増大部は、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記上方MAC−d PDU数との差分を計算する上方差分計算部と、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返す増加繰返し部と、前記増加繰返し部がMAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の増加分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の増加分を前記差分とするMAC−d PDU数増加分制限部とを有したものとすることができる。
【0046】
前記PDU数増減部は、前記BLERが、所定の上限基準値を上回るか否かを判断する上限基準値判断部と、前記所定の上限基準値を上回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を減らす不良条件MAC−d PDU数減少部とを有する。前記TBS大小化部は、前記不良条件MAC−d PDU数減少部によるMAC−d PDUの数の減少に対応させて、前記TBSを小さくするMAC−d PDU数減少対応TBS小化部を有したものとすることができる。
【0047】
前記不良条件MAC−d PDU数減少部は、前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上デクリメントした下方CQI値に対応する下方TBSを取得する下方TBS取得部と、前記下方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、下方MAC−d PDU数として設定する下方MAC−d PDU数設定部と、前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らす下方範囲制限付MAC−d PDU数減少部とを有したものとすることができる。
【0048】
前記下方範囲制限付MAC−d PDU数減少部は、前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記下方MAC−d PDU数との差分を計算する下方差分計算部と、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返す減少繰返し部と、前記減少繰返し部がMAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の減少分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の減少分を前記差分とするMAC−d PDU数減少分制限部とを有したものとすることができる。
【0049】
前記BLER設定部は、予め決められた時間ごとにBLERを設定するものとすることができる。前記TBS変更部は、前記BLER設定部が、一の前記BLERを設定してから、次の前記BLERを設定するまでに、前記TBSを変更するものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、HSDPAに準拠した通信システムを示す図である。
【図2】図2は、無線基地局装置のブロック構成例を示す図である。
【図3】図3は、無線基地局から送出されるパケットの説明図である。
【図4】図4は、CQIマッピングテーブルを示す図である。
【図5】図5は、本発明によるTBS決定方法の実施例を示す図である。
【図6】図6は、本発明によるTBS決定装置の実施例を示す図である。
【図7】図7は、周期時間Tごとに行われるTBS決定方法のアルゴリズムを説明する流れ図である。
【図8】図8は、周期時間T内に行われるTBS決定方法のアルゴリズムを説明する流れ図である。
【図9】図9は、MAC−d PDUの数を増やす処理について説明する流れ図である。
【図10】図10は、MAC−d PDUの数を減らす処理について説明する流れ図である。
【符号の説明】
【0051】
10 UE
11 無線基地局
12 HS−DPCCH受信部
13 HS−PDSCH送信部
14 無線基地局装置
20 HS−DPCCH復号部
21 CQI受信部
22 スケジューリング決定部
23 ACK/NACK受信部
24 BLER計算部
25 リソース割当て部
30 TBS決定装置
31 CQI値設定部
32 TBS取得部
33 BLER設定部
34 TBS変更部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット通信規格HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)に準じて通信を行うUE(User Equipment)から送信されるCQI(Channel Quality Indicator)値を設定するステップと、
CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBS(Transport Block Size)を取得するステップと、
前記CQI値を設定するステップの前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得するステップの前に、同時に、又は後に、BLER(BLock Error Rate)を設定するステップと、
前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更するステップとをコンピュータに実行させるための
プログラム。
【請求項2】
前記変更するステップは、
前記TBSに含まれるMAC−d PDU(Medium Access Control−dedicated Protocol Data Unit)の数を計算するステップと、
前記BLERに基づいて、前記MAC−d PDUの数を増減するステップと、
前記MAC−d PDUの数の増減に対応させて、前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップとを有する
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記増減するステップは、
前記BLERが、所定の下限基準値を下回るか否かを判断するステップと、
前記所定の下限基準値を下回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を増やすステップとを有し、
前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップは、
前記増やすステップによる前記MAC−d PDUの数の増加に対応させて、前記TBSを大きくするステップを有する
請求項2記載のプログラム。
【請求項4】
前記増やすステップは、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上インクリメントした上方CQI値に対応する上方TBSを取得するステップと、
前記上方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、上方MAC−d PDU数として設定するステップと、
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やすステップとを有する
請求項3記載のプログラム。
【請求項5】
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やすステップは、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記上方MAC−d PDU数との差分を計算するステップと、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返すステップと、
前記増やすことを繰り返すステップによって、MAC−d PDUの数の増加分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の増加分を前記差分とするステップとを有する
請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
前記増減するステップは、
前記BLERが、所定の上限基準値を上回るか否かを判断するステップと、
前記所定の上限基準値を上回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を減らすステップとを有し、
前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップは、
前記減らすステップによる前記MAC−d PDUの数の減少に対応させて、前記TBSを小さくするステップを有する
請求項2〜5いずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記減らすステップは、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上デクリメントした下方CQI値に対応する下方TBSを取得するステップと、
前記下方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、下方MAC−d PDU数として設定するステップと、
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らすステップとを有する
請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らすステップは、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記下方MAC−d PDU数との差分を計算するステップと、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返すステップと、
前記減らすことを繰り返すステップによって、MAC−d PDUの数の減少分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の減少分を前記差分とするステップとを有する
請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記BLERを設定するステップは、
予め決められた時間ごとに実行され、
前記TBSを変更するステップは、
前記予め決められた時間ごとに実行される一の前記BLERを設定するステップと、次の前記BLERを設定するステップとの間に実行される
請求項1〜8いずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定し、
CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得し、
前記CQI値を設定することを行う前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得することを行う前に、同時に、又は後に、BLERを設定し、
前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する
TBS決定方法。
【請求項11】
前記変更するときには、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数を計算し、
前記BLERに基づいて、前記MAC−d PDUの数を増減し、
前記MAC−d PDUの数の増減に対応させて、前記TBSを大きくし、又は、小さくする
請求項10記載のTBS決定方法。
【請求項12】
前記増減するときには、
前記BLERが、所定の下限基準値を下回るか否かを判断し、
前記所定の下限基準値を下回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を増やし、
前記TBSを大きくし、又は、小さくするときには、
前記MAC−d PDUの数を増やすことによる前記MAC−d PDUの数の増加に対応させて、前記TBSを大きくする
請求項11記載のTBS決定方法。
【請求項13】
前記増やすときには、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上インクリメントした上方CQI値に対応する上方TBSを取得し、
前記上方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、上方MAC−d PDU数として設定し、
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やす
請求項12記載のTBS決定方法。
【請求項14】
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やすときには、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記上方MAC−d PDU数との差分を計算し、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返し、
前記増やすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の増加分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の増加分を前記差分とする
請求項13記載のTBS決定方法。
【請求項15】
前記増減するときには、
前記BLERが、所定の上限基準値を上回るか否かを判断し、
前記所定の上限基準値を上回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を減らし、
前記TBSを大きくし、又は、小さくするときには、
前記MAC−d PDUの数を減らすことによる前記MAC−d PDUの数の減少に対応させて、前記TBSを小さくする
請求項11〜14いずれか1項に記載のTBS決定方法。
【請求項16】
前記減らすときには、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上デクリメントした下方CQI値に対応する下方TBSを取得し、
前記下方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、下方MAC−d PDU数として設定し、
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らす
請求項15記載のTBS決定方法。
【請求項17】
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らすときには、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記下方MAC−d PDU数との差分を計算し、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返し、
前記減らすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の減少分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の減少分を前記差分とする
請求項16記載のTBS決定方法。
【請求項18】
前記BLERを設定することは、
予め決められた時間ごとに行われ、
前記TBSを変更することは、
前記予め決められた時間ごとに実行される一の前記BLERを設定することを行うときと、次の前記BLERを設定することを行うときとの間に行われる
請求項10〜17いずれか1項に記載のTBS決定方法。
【請求項19】
パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定するCQI値設定部と、
CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得するTBS取得部と、
BLERを設定するBLER設定部と、
前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更するTBS変更部とを具備する
TBS決定装置。
【請求項20】
前記TBS変更部は、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数を計算するPDU数計算部と、
前記BLERに基づいて、前記MAC−d PDUの数を増減するPDU数増減部と、
前記MAC−d PDUの数の増減に対応させて、前記TBSを大きくし、又は、小さくするTBS大小化部とを有する
請求項19記載のTBS決定装置。
【請求項21】
前記PDU数増減部は、
前記BLERが、所定の下限基準値を下回るか否かを判断する下限基準値判断部と、
前記所定の下限基準値を下回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を増やす良好条件MAC−d PDU数増大部とを有し、
前記TBS大小化部は、
前記良好条件MAC−d PDU数増大部によるMAC−d PDUの数の増加に対応させて、前記TBSを大きくするMAC−d PDU数増加対応TBS大化部を有する
請求項20記載のTBS決定装置。
【請求項22】
前記良好条件MAC−d PDU数増大部は、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上インクリメントした上方CQI値に対応する上方TBSを取得する上方TBS取得部と、
前記上方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、上方MAC−d PDU数として設定する上方MAC−d PDU数設定部と、
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やす上方範囲制限付MAC−d PDU数増大部とを有する
請求項21記載のTBS決定装置。
【請求項23】
前記上方範囲制限付MAC−d PDU数増大部は、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記上方MAC−d PDU数との差分を計算する上方差分計算部と、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返す増加繰返し部と、
前記増加繰返し部がMAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の増加分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の増加分を前記差分とするMAC−d PDU数増加分制限部とを有する
請求項22記載のTBS決定装置。
【請求項24】
前記PDU数増減部は、
前記BLERが、所定の上限基準値を上回るか否かを判断する上限基準値判断部と、
前記所定の上限基準値を上回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を減らす不良条件MAC−d PDU数減少部とを有し、
前記TBS大小化部は、
前記不良条件MAC−d PDU数減少部によるMAC−d PDUの数の減少に対応させて、前記TBSを小さくするMAC−d PDU数減少対応TBS小化部を有する
請求項20〜23いずれか1項に記載のTBS決定装置。
【請求項25】
前記不良条件MAC−d PDU数減少部は、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上デクリメントした下方CQI値に対応する下方TBSを取得する下方TBS取得部と、
前記下方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、下方MAC−d PDU数として設定する下方MAC−d PDU数設定部と、
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らす下方範囲制限付MAC−d PDU数減少部とを有する
請求項24記載のTBS決定装置。
【請求項26】
前記下方範囲制限付MAC−d PDU数減少部は、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記下方MAC−d PDU数との差分を計算する下方差分計算部と、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返す減少繰返し部と、
前記減少繰返し部がMAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の減少分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の減少分を前記差分とするMAC−d PDU数減少分制限部とを有する
請求項25記載のTBS決定装置。
【請求項27】
前記BLER設定部は、
予め決められた時間ごとにBLERを設定し、
前記TBS変更部は、
前記BLER設定部が、一の前記BLERを設定してから、次の前記BLERを設定するまでに、前記TBSを変更する
請求項19〜26いずれか1項に記載のTBS決定装置。
【請求項1】
パケット通信規格HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)に準じて通信を行うUE(User Equipment)から送信されるCQI(Channel Quality Indicator)値を設定するステップと、
CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBS(Transport Block Size)を取得するステップと、
前記CQI値を設定するステップの前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得するステップの前に、同時に、又は後に、BLER(BLock Error Rate)を設定するステップと、
前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更するステップとをコンピュータに実行させるための
プログラム。
【請求項2】
前記変更するステップは、
前記TBSに含まれるMAC−d PDU(Medium Access Control−dedicated Protocol Data Unit)の数を計算するステップと、
前記BLERに基づいて、前記MAC−d PDUの数を増減するステップと、
前記MAC−d PDUの数の増減に対応させて、前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップとを有する
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記増減するステップは、
前記BLERが、所定の下限基準値を下回るか否かを判断するステップと、
前記所定の下限基準値を下回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を増やすステップとを有し、
前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップは、
前記増やすステップによる前記MAC−d PDUの数の増加に対応させて、前記TBSを大きくするステップを有する
請求項2記載のプログラム。
【請求項4】
前記増やすステップは、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上インクリメントした上方CQI値に対応する上方TBSを取得するステップと、
前記上方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、上方MAC−d PDU数として設定するステップと、
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やすステップとを有する
請求項3記載のプログラム。
【請求項5】
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やすステップは、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記上方MAC−d PDU数との差分を計算するステップと、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返すステップと、
前記増やすことを繰り返すステップによって、MAC−d PDUの数の増加分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の増加分を前記差分とするステップとを有する
請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
前記増減するステップは、
前記BLERが、所定の上限基準値を上回るか否かを判断するステップと、
前記所定の上限基準値を上回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を減らすステップとを有し、
前記TBSを大きくし、又は、小さくするステップは、
前記減らすステップによる前記MAC−d PDUの数の減少に対応させて、前記TBSを小さくするステップを有する
請求項2〜5いずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記減らすステップは、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上デクリメントした下方CQI値に対応する下方TBSを取得するステップと、
前記下方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、下方MAC−d PDU数として設定するステップと、
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らすステップとを有する
請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らすステップは、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記下方MAC−d PDU数との差分を計算するステップと、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返すステップと、
前記減らすことを繰り返すステップによって、MAC−d PDUの数の減少分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の減少分を前記差分とするステップとを有する
請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記BLERを設定するステップは、
予め決められた時間ごとに実行され、
前記TBSを変更するステップは、
前記予め決められた時間ごとに実行される一の前記BLERを設定するステップと、次の前記BLERを設定するステップとの間に実行される
請求項1〜8いずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定し、
CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得し、
前記CQI値を設定することを行う前に、同時に、又は後に、かつ、前記取得することを行う前に、同時に、又は後に、BLERを設定し、
前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更する
TBS決定方法。
【請求項11】
前記変更するときには、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数を計算し、
前記BLERに基づいて、前記MAC−d PDUの数を増減し、
前記MAC−d PDUの数の増減に対応させて、前記TBSを大きくし、又は、小さくする
請求項10記載のTBS決定方法。
【請求項12】
前記増減するときには、
前記BLERが、所定の下限基準値を下回るか否かを判断し、
前記所定の下限基準値を下回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を増やし、
前記TBSを大きくし、又は、小さくするときには、
前記MAC−d PDUの数を増やすことによる前記MAC−d PDUの数の増加に対応させて、前記TBSを大きくする
請求項11記載のTBS決定方法。
【請求項13】
前記増やすときには、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上インクリメントした上方CQI値に対応する上方TBSを取得し、
前記上方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、上方MAC−d PDU数として設定し、
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やす
請求項12記載のTBS決定方法。
【請求項14】
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やすときには、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記上方MAC−d PDU数との差分を計算し、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返し、
前記増やすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の増加分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の増加分を前記差分とする
請求項13記載のTBS決定方法。
【請求項15】
前記増減するときには、
前記BLERが、所定の上限基準値を上回るか否かを判断し、
前記所定の上限基準値を上回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を減らし、
前記TBSを大きくし、又は、小さくするときには、
前記MAC−d PDUの数を減らすことによる前記MAC−d PDUの数の減少に対応させて、前記TBSを小さくする
請求項11〜14いずれか1項に記載のTBS決定方法。
【請求項16】
前記減らすときには、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上デクリメントした下方CQI値に対応する下方TBSを取得し、
前記下方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、下方MAC−d PDU数として設定し、
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らす
請求項15記載のTBS決定方法。
【請求項17】
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らすときには、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記下方MAC−d PDU数との差分を計算し、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返し、
前記減らすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の減少分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の減少分を前記差分とする
請求項16記載のTBS決定方法。
【請求項18】
前記BLERを設定することは、
予め決められた時間ごとに行われ、
前記TBSを変更することは、
前記予め決められた時間ごとに実行される一の前記BLERを設定することを行うときと、次の前記BLERを設定することを行うときとの間に行われる
請求項10〜17いずれか1項に記載のTBS決定方法。
【請求項19】
パケット通信規格HSDPAに準じて通信を行うUEから送信されるCQI値を設定するCQI値設定部と、
CQIマッピングテーブルを参照して、前記CQI値に対応するTBSを取得するTBS取得部と、
BLERを設定するBLER設定部と、
前記BLERに基づいて、取得された前記TBSを変更するTBS変更部とを具備する
TBS決定装置。
【請求項20】
前記TBS変更部は、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数を計算するPDU数計算部と、
前記BLERに基づいて、前記MAC−d PDUの数を増減するPDU数増減部と、
前記MAC−d PDUの数の増減に対応させて、前記TBSを大きくし、又は、小さくするTBS大小化部とを有する
請求項19記載のTBS決定装置。
【請求項21】
前記PDU数増減部は、
前記BLERが、所定の下限基準値を下回るか否かを判断する下限基準値判断部と、
前記所定の下限基準値を下回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を増やす良好条件MAC−d PDU数増大部とを有し、
前記TBS大小化部は、
前記良好条件MAC−d PDU数増大部によるMAC−d PDUの数の増加に対応させて、前記TBSを大きくするMAC−d PDU数増加対応TBS大化部を有する
請求項20記載のTBS決定装置。
【請求項22】
前記良好条件MAC−d PDU数増大部は、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上インクリメントした上方CQI値に対応する上方TBSを取得する上方TBS取得部と、
前記上方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、上方MAC−d PDU数として設定する上方MAC−d PDU数設定部と、
前記上方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を増やす上方範囲制限付MAC−d PDU数増大部とを有する
請求項21記載のTBS決定装置。
【請求項23】
前記上方範囲制限付MAC−d PDU数増大部は、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記上方MAC−d PDU数との差分を計算する上方差分計算部と、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返す増加繰返し部と、
前記増加繰返し部がMAC−d PDUの数を一つ又は二以上増やすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の増加分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の増加分を前記差分とするMAC−d PDU数増加分制限部とを有する
請求項22記載のTBS決定装置。
【請求項24】
前記PDU数増減部は、
前記BLERが、所定の上限基準値を上回るか否かを判断する上限基準値判断部と、
前記所定の上限基準値を上回っていると判断された場合に、前記MAC−d PDUの数を減らす不良条件MAC−d PDU数減少部とを有し、
前記TBS大小化部は、
前記不良条件MAC−d PDU数減少部によるMAC−d PDUの数の減少に対応させて、前記TBSを小さくするMAC−d PDU数減少対応TBS小化部を有する
請求項20〜23いずれか1項に記載のTBS決定装置。
【請求項25】
前記不良条件MAC−d PDU数減少部は、
前記CQIマッピングテーブルを参照し、前記CQI値を一又は二以上デクリメントした下方CQI値に対応する下方TBSを取得する下方TBS取得部と、
前記下方TBSに含まれるMAC−d PDUの数を、下方MAC−d PDU数として設定する下方MAC−d PDU数設定部と、
前記下方MAC−d PDU数を超えない範囲で、MAC−d PDUの数を減らす下方範囲制限付MAC−d PDU数減少部とを有する
請求項24記載のTBS決定装置。
【請求項26】
前記下方範囲制限付MAC−d PDU数減少部は、
前記TBSに含まれるMAC−d PDUの数と、前記下方MAC−d PDU数との差分を計算する下方差分計算部と、
前記BLERに基づいて、MAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返す減少繰返し部と、
前記減少繰返し部がMAC−d PDUの数を一つ又は二以上減らすことを繰り返すことによって、MAC−d PDUの数の減少分が、前記差分を超える場合には、MAC−d PDUの数の減少分を前記差分とするMAC−d PDU数減少分制限部とを有する
請求項25記載のTBS決定装置。
【請求項27】
前記BLER設定部は、
予め決められた時間ごとにBLERを設定し、
前記TBS変更部は、
前記BLER設定部が、一の前記BLERを設定してから、次の前記BLERを設定するまでに、前記TBSを変更する
請求項19〜26いずれか1項に記載のTBS決定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−17253(P2009−17253A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176958(P2007−176958)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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