説明

プログラムダウンロード機能付ワイヤレス電話を用いた電子ショッピングシステム

【課題】ワイヤレス電話を使った購買取引を可能にする電子ショッピングシステムを提供する。
【解決手段】購買取引プログラムは販売者のサーバから購入者のワイヤレス電話へ購入者のワイヤレス電話内のプログラムローダを通してダウンロードされる。購買取引プログラムは購入者のワイヤレス電話のプログラムメモリに記憶される。購入者は、購買取引プログラムを使うと購入する商品を選択できるようになり、それに対する支払いもできるようになる。ワイヤレス電話に外付バーコードリーダを取り付けると購入する商品の選択を容易にできるようなる。バーコードリーダはダウンロードされた購入取引プログラムを通して制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体的に電子ショッピングシステムに関し、更に詳しくは、売り手のサーバから購買取引プログラムをダウンロードして買い手が購買取引を行えるようにした、プログラムダウンロード機能付ワイヤレス電話を用いた電子ショッピングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
買い手が必ずしも店まで出かけずに商品を購入することができる電子ショッピングシステムはよく知られている。現代の電子ショッピングシステムの一例は、商品がテレビで広告されるケーブルテレビ等でのショッピングチャンネルである。買い手はただテレビを見て、購入したい商品が表示されると、電話を使って売り手の代理店を呼び出し、商品を注文する。通常はクレジットカードの番号を電話で伝えて、購入品の支払いを行なう。そして、購入した商品が買い手に直接送られる。
【0003】
ケーブルテレビ・ショッピングをさらに改善したものとして、会話型、或いは二方向のケーブルシステムを用いて、買い手はテレビスクリーンから直接商品を選択することが出来る。これは、テレビの遠隔操作で制御されるメニュー駆動システムを使用することによって遂行可能である。この方法では、電話をかける必要が無い。テレビから直接買い物が出来ることのさらなる便宜は、このような広告に対する消費者の反応を高めるものとして期待される。
【0004】
ケーブルテレビショッピングに類似するものの一例は、自宅から買い物をするためのインターネットの利用である。多くの企業が現在、自社製品をインターネット上で売り出しており、こうした活動を行う企業の数も急速に増加しつつある。買い手は、必要な商品を扱っている企業のウエブページを探して、購入する商品を選び、商品の送付先の住所を伝え、そして購入品の代金を支払うためにクレジットカードの番号を伝えるだけで、ピザ、本、自動車など多種の商品を、個人宅ですぐに購入できる。
【0005】
しかしながら、こういった現代の電子ショッピングシステムの短所の一つに、同システムでは、潜在的な買い手が加入料金のかかるケーブルテレビ、またはインターネットサービスのいずれかへの加入を要求されることが挙げられる。さらに、このような現代の電子ショッピングシステムでは、買い手がテレビ、またはコンピュータのいずれかから購入することが必要とされるが、双方とも一般的には買い手の自宅に置かれており、通常これらは簡単には持ち運びが出来ない。従って、買い手はやむを得ず自宅からのショッピングを強いられる。
【0006】
現代社会は高度な移動性を帯びているので、家から離れた位置からでも電子ショッピングを行うことが出来るようにすることが望ましい。例えば、買い手は職場から、レストランで昼食をとりながら、旅行中に、あるいは買い手が自宅のテレビ、又はコンピュータにアクセスできないその他の多様な異なる環境において商品の注文をしたいと思うかもしれない。
【0007】
買い手がスキャナ内蔵小型端末を店内に持ち運ぶパーソナル・ショッピング・システム(PSS )を利用することも知られている。このようなショッピングシステムでは購入される商品のバーコードが小型スキャナで走査される。スキャナ内蔵小型端末のディスプレイには、商品の単価と、走査された商品の現在の合計購入額が表示される。走査された商品の支払いはチェックアウトカウンターで、従来通りに行う。
【0008】
しかし、今日のパーソナル・ショッピング・システムでは、小さなディスプレイ、数値キーパッド、及び内蔵バーコードスキャナを有する専用のパーソナル・ショッピング・システム用端末を使用する必要がある。勿論、このような専用の携帯用パーソナル・ショッピング・システムを使用するには、小売業者が携帯用パーソナル・ショッピング・システム用端末に相当の経済的な投資をする必要がある。
【0009】
現在ではセルラー電話機などのワイヤレス電話が大変普及している。そしてワイヤレス電話の価格と通話料金は低下し続けており、より多くの人々がワイヤレス電話を購入し、利用している。
ここで使われるワイヤレス電話という用語は、携帯電話、PHS、自動車電話、セルラー電話、衛星電話、及び他の配線接続を必要としないあらゆる他の電話、例えば、範囲が限定されているために、一般に家の近くで使用しなければならないコードレスの家庭用電話なども含めたものと定義される。
【0010】
ワイヤレス電話が低コストであり、広く普及していることを考慮すると、購入品の代金支払いは勿論、購入品の選択のために顧客自身のワイヤレス電話を利用した電子ショッピングを行うためのシステムを提供することが望ましい。専用のパーソナル・ショッピング・システム用端末を使用するよりも、電子ショッピングのために顧客自身のワイヤレス電話を利用することにより、専用のパーソナル・ショッピング・システム用端末の利用に関する実質的投資は除くことができる。
【0011】
本発明は特に、先行技術に関連する上記の諸問題に取り組み、解決するものである。さらに詳しくは、本発明はワイヤレス電話を介する購買取引を促進する電子ショッピングシステムを特徴とし、このワイヤレス電話にはプログラムのダウンロード機能、ダウンロードしたプログラムの実行機能、そして外部スキャナ接続のための入力/出力ポートが付加される。しかしながら、ワイヤレス電話に付加されるこの機能は小さいので、ワイヤレス電話は依然として安価な製品として製造できる。電子ショッピングシステムは、サーバと、サーバとの通信を行う少なくとも1つのワイヤレス電話とを含む。従って、本発明のある好ましい実施態様によれば、顧客は一旦店舗を訪れると、その店のパーソナル・ショッピング・システムサービスの番号を単にダイアルするだけでよい。次にパーソナル・ショッピング・システムのアプリケーションプログラムが、顧客の電話機に自動的にダウンロードされる。ダウンロードされたプログラムは自動的に実行され、パーソナル・ショッピング・システムの望ましい機能性を電話機に与える。電話機に接続されるバーコードスキャナは、購入された商品のバーコードの走査に使用される。従って、本発明は、必要なコスト投資を最小限に抑える一方で、小売業にパーソナル・ショッピング・システムの実行を可能ならしめる。
【0012】
さらに詳しくは、本発明によれば、店舗はサーバを有しており、買い手がワイヤレス電話を介して店舗のサーバに電話をかけると、買い手のワイヤレス電話にダウンロードできる購買取引プログラムを提供する。サーバからワイヤレス電話に購買取引プログラムをダウンロードした後、サーバはワイヤレス電話と通信して、ダウンロードされた購買取引プログラムを使用し、購入対象品の支払は勿論、商品の選択を容易にできるようにする。
【0013】
購買取引プログラムをワイヤレス電話に永久に保存しておくよりは、必要に応じてワイヤレス電話にダウンロードするほうが望ましい。なぜならば、あらゆる業者に単一の汎用的なプログラムの利用を求めるよりは、その度にダウンロードすることで、複数の異なる売り手が独自のプログラムを利用することが出来るからである。異なる売り手が異なるメッセージ、広告、メニュー等を独自の購買取引プログラムに組み込み、さらに独自の購買取引プログラムをあつらえて、販売されている特定の商品に対して調整できるよう望むことは、理解されよう。
【0014】
さらには、異なる機種のワイヤレス電話は異なるディスプレイ、キーパッド、入力/出力ポート等を備えている傾向にあるため、特定の機種のワイヤレス電話に対し、特別に調整された購買取引プログラムをダウンロードし、特定のワイヤレス電話の特徴を最大限に活かすことが望ましい。
サーバからワイヤレス電話に送られた購買取引プログラムは、ワイヤレス電話のプログラムローダを介してワイヤレス電話のプログラムメモリにロードされる。プログラムローダは、購買取引プログラムがサーバからワイヤレス電話へ送られる際に、プログラムメモリへ、購買取引プログラムのローディングを行う。ダウンロードされた購買取引プログラムは、ワイヤレス電話を介しての商品の選択(商品情報の入力/登録)と支払いを行なうための命令を含んでいる。このように、購買取引プログラムは、ワイヤレス電話を、ポイントオブパーチェス電子ショッピング端末に変換する。
【0015】
本発明の電子ショッピングシステムは、本明細書においては、商品の購入に使用されるものとして記載されているが、当業者であれば、電子ショッピングシステムが、購買サービス、またはその他の任意のいかなるサービスにも適していることがわかるであろう。従って、「商品」という用語は説明のためにのみ用いられており、本発明を限定するものではない。さらに、ここで用いられている「店舗」という用語は、小売業者、卸売業者、またはその他のいかなる売り手を含み、財やサービスを扱ういかなる売り手をも包括するものと定義される。
【0016】
サーバは、購買取引が行われる店舗の近く(好ましくは店舗内)、または購買取引が行われる店舗から離れた場所のいずれかに配置されてよい。遠隔サーバと買い手のワイヤレス電話との間の通信は、セルラー電話のネットワークを介して行うことが出来るので、遠隔サーバはどのような便利なところに位置していてもよい。典型的には、遠隔サーバは電話料金を最小限にするように配置されるであろう。
【0017】
サーバ、とりわけ店舗サーバは専用サーバであっても、または他の機能、例えば、在庫管理、計算、ワードプロセッサ、その他の任意のいかなるコンピュータ機能などをも実行してもよい。
無線内線PBX (構内交換機)などが、サーバと買い手のワイヤレス電話間の無線通信を行なうために利用されてよい。内線PBX は、店舗サーバが設置されている場合や、店舗内での電子ショッピングが望ましい場合に特に有効である。典型的には、内線PBX は店舗サーバとの電話線を介した通信を行う。このような内線PBX の使用は、通信業者による民間のセルラーサービスの必要性を無くすか、または減少させて、実質的にコストを減少させうる。
【0018】
本発明のプログラムをダウンロードすることができるワイヤレス電話は、さらにプログラムローダと交信するマイクロプロセッサを含み、マイクロプロセッサはプログラムローダにより記憶されたダウンロードプログラムを実行する。このように、ダウンロードプログラムを実行することにより、サーバからワイヤレス電話への購買取引プログラムのダウンロードが容易となる。
【0019】
マイクロプロセッサは、購買取引プログラムがダウンロードされるプログラムメモリとも通じており、マイクロプロセッサは購買取引プログラムを実行する。
プログラムローダは不揮発性ファームウェアメモリから構成されることが望ましい。当業者であれば、多種多様なメモリ(記憶装置)も適していると認めるだろう。例えば、プログラムローダは、リードオンリーメモリ(ROM )またはランダムアクセスメモリ(RAM)のいずれかから構成されうる。プログラムローダは、揮発性、または不揮発性メモリのいずれかを含むものであってよい。種々のその他のメモリを使用することができ、これらには、電子的にプログラム可能なリードオンリーメモリ(EPROM)、消去可能な電子的にプログラマブルであるメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ディスクやテープ装置のような磁気記憶装置、CD−ROMや磁気光学記憶装置などの光学メモリが含まれる。
【0020】
プログラムローダのファームウエアメモリは命令を含んでおり、例えば、ダウンロードプログラムは、サーバからワイヤレス電話に受け取られた購買取引プログラムのプログラムメモリに保存される。即ち、ファームウエアメモリは、サーバから購買取引プログラムをダウンロードする命令、そして購買取引プログラムをワイヤレス電話のプログラムメモリに保存する命令を含む。
【0021】
プログラムメモリは、好ましくは、パーソナルコンピュータで共通して使用されているような揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。しかしながら、フラッシュメモリ、磁気記憶装置、光学記憶装置、そして磁気光学記憶装置などの様々な他の種類の読取り/書込み記憶装置も適している。典型的には、ワイヤレス電話でサーバに電話をかける度に、新しい購買取引プログラムがダウンロードされる。
【0022】
好ましくは、本発明の電子ショッピングのワイヤレス電話は、マイクロプロセッサと通信する入力/出力ポートを含む。ワイヤレス電話の入力/出力ポートに接続されたバーコードスキャナにより、購入される商品を示すバーコードが走査される。
さらに、本発明のワイヤレス電話は、マイクロプロセッサと通信する内蔵ICカード読取り/書込み記憶装置などから成る。ICカード読取り/書込み記憶装置により、ICカードなどによる購入品の支払が行なわれる。
【0023】
バーコードスキャナをワイヤレス電話に接続する代わりに、内蔵されてもよい。この場合、バーコードスキャナは少なくとも部分的にワイヤレス電話のハウジング内に配置されて一つの完全なユニットを構成する。
このように、本発明によれば、顧客は自身の無線デジタル電話を小売店でパーソナルショッピング端末として使用することができる。顧客が店舗を訪れる時に、顧客のワイヤレス電話にスキャナが内蔵されていなければ、顧客のワイヤレス電話にバーコードスキャナが接続される。スキャナは小売店で用意するか、または顧客自身のスキャナを使用してもよい。スキャナをワイヤレス電話に付けなければならない場合、ケーブルを用いての接続、またはirDA接続などのコードレス接続のどちらかが使用される。
【0024】
顧客は店舗のパーソナルショッピングサービス用の所定の電話番号に電話をかける。通話には商業電話網または、店舗内内線網が使われる。規定の電話番号に電話をかけた後、顧客の電話が店舗のサーバ(または、店舗の外の遠隔地に設置されたサーバ)に接続される。どちらの場合においても、サーバは電話をかけた人の電話番号を認識し、顧客情報データベースを調べる。電話をかけた人の電話番号が顧客情報データベースに収録されていれば、サーバは認可された顧客が電話をかけていると仮定し、次に顧客情報データベースから電話の機種を得る。そして、サーバは購買取引プログラムを顧客のワイヤレス電話にダウンロードする。ダウンロードされる購買取引プログラムは、顧客が使用している電話の機種に基づいた、顧客のワイヤレス電話の使用に適したパーソナルショッピング・アプリケーションプログラムである。
【0025】
次に、サーバは、顧客にパスワードを入力するよう要請して、さらに顧客が購買取引を行う資格の照合を行う。
これに替えて、パスワード認証が購買取引プログラムのダウンロードに先行して行われてもよい。しかし、プログラムダウンロード後に、パスワード認証による購買取引を行うと、ダウンロードされた購買取引プログラムがパスワード入力プロセスを制御するため、パスワード入力プロセスにおいて、より一層融通性が得られる。このように、ダウンロードされた購買取引プログラムは、例えば、パスワード入力プロセスを手助けするガイダンスを与えることもできる。
【0026】
本発明の好ましい実施態様によれば、顧客がパーソナル・ショッピング・システムに登録する際には、電話番号、電話の機種、そしてパスワードが、顧客ID、顧客名、その他必要な顧客プロフィール情報に沿って予め登録される。顧客は、顧客IDカードよりはむしろ電話番号によって特定される。一度顧客のワイヤレス電話に適切な購買取引プログラムがダウンロードされると、ワイヤレス電話はパーソナルショッピング端末として機能する。顧客が商品のバーコードを走査すると、電話は走査されたバーコードの情報をサーバに送る。次に、サーバが商品の説明と価格情報を電話機に返送することが望ましい。この商品の説明と価格情報は電話のディスプレイに表示される。顧客がショッピングを終えると、顧客のワイヤレス電話を使って、自動支払が行われる。これは、店舗のチェックアウト端末で行ってもよい。店舗のチェックアウト端末でチェックアウトが行われる際には、電話機を使ってチェックアウト端末のバーコードを走査するか、または代わりに、チェックアウト端末に電話番号か顧客IDを伝えることで、電話によるやりとりとチェックアウト端末とを関連付けし、支払を行う。
【0027】
このように、本発明の好ましい実施態様によれば、顧客と電話の機種が顧客の電話番号によって特定される。異なる機種のワイヤレス電話は各々、マイクロプロセッサ、ディスプレイ、キーパッド、入力/出力ポート、その他のインターフェースが異なるので、異なるプログラムが機種の異なる電話毎に使用されることが望ましい。
【0028】
本発明の好ましい実施態様によれば、ダウンロードされた購買取引プログラムはユーザからのパスワードの入力を要請し、パスワード入力のガイダンスを表示して、パスワードのキーパッド入力を読み取る。パスワードは顧客照合のためにサーバに送られる。ダウンロードされた購買取引プログラムはサーバからパスワード認証の確認を受け取る。パスワード認証が済むと、ダウンロードされた購買取引プログラムが進行する。パスワード認証が承認されなければ、ダウンロードされた購買取引プログラムは正しいパスワード入力の要求を所定回数繰り返す。所定の限度を超えると、ダウンロードされた購買取引プログラムは終了する。ダウンロードされた購買取引プログラムは、必要なバーコードの走査を促し、サーバに走査されたバーコードを送る。ダウンロードされた購買取引プログラムはサーバからの応答を受け、適切であれば、応答を表示する。表示されるメッセージは走査された商品の説明と値段を示す。購入品が増えるにつれて、総計金額も示される。
【0029】
ダウンロードされた購買取引プログラムは、返却される商品をキーパッドを使うことによって指定させる、または返却品を再び走査し、返却品を示すキーパッドの所定のキーを押すことによって、事前に走査された商品の返却を円滑にするものであることが望ましい。返却品の値段は総計金額から差し引かれる。
ダウンロードされた購買取引プログラムは購入品の支払いを促進する。自動支払を行なう場合、顧客はワイヤレス電話のキーパッドのキーを予め定められた順序で押して、ダウンロードされた購買取引プログラムに、買い物が終了したことを知らせる。合計金額が表示され、顧客はキーパッドを介して合計金額を確認する。合計金額を確かめた後、ダウンロードされた購買取引プログラムは、望ましくはメニューを介して、支払方法の選択を顧客に問う。顧客は次にキーパッドを介して任意の支払方法を選ぶ。顧客は、予め登録されたクレジットカードのアカウントを利用して支払を行ってもよい。顧客が領収書を必要とする場合は、店舗内の領収書プリンタサーバが顧客に領収書を送る。
【0030】
これに替えて、支払をチェックアウトカウンターで行ってもよい。顧客は、例えば売場専用端末などのチェックアウト端末のところへ行き、チェックアウト端末のバーコードを走査するか、キーパッドからチェックアウト端末のIDを入力するか、または電話番号や顧客IDをチェックアウト端末に入力してワイヤレス電話とチェックアウト端末を関連付けする。チェックアウト端末は買い物情報をサーバから受取り(ワイヤレス電話からサーバに事前に伝えられている)、支払いは、例えば現金、クレジットカード、デビットカード、小切手などの現行の方法で行ってもよい。
【0031】
遠隔サーバが使用され、遠隔サーバが、同一の電話番号を使用している複数の小売店にサービスを提供する場合、顧客の電話は店舗の位置情報を送ることができるが、これは、例えばショッピングカートにある、店のバーコードを走査すると実行されうる。この店舗の位置情報は在庫管理に利用され、所定の店舗から購入された商品が、特定の店舗から購入されたものであることが確認される。
【0032】
本発明の好ましい実施態様によれば、サーバは顧客のワイヤレス電話からかかってくる呼び出しを受けて、顧客のワイヤレス電話に適切な購買取引プログラムをダウンロードする。サーバは、サーバ・パーソナルショッピング・アプリケーションを介して顧客の電話と情報をやりとりする。サーバが顧客の電話に呼び出されると、電話のインターフェイスが電話をかけた人の電話番号を得て、サーバの顧客情報データベースを調べ、顧客の電話の機種、顧客のID番号、顧客名を得る。この情報は、顧客がパーソナル・ショッピング・システムに登録する際に、サーバの顧客情報データベースに記憶されることが望ましい。次に、顧客の電話の機種情報に基づく適切なダウンロードプログラムが選択されて顧客のワイヤレス電話にダウンロードされる。顧客のID番号と名前は、顧客情報データベースから、サーバ・パーソナル・ショッピング・アプリケーションに伝えられる。
【0033】
買い物中は、顧客のワイヤレス電話からの各メッセージが、顧客のワイヤレス電話番号、顧客ID、及び/またはその他の適切な顧客のIDと関係している。顧客のワイヤレス電話からバーコードデータを受け取ると、サーバは商品の説明と価格を得るためにデータベースを調べる。次に商品の説明と価格の情報が顧客のワイヤレス電話に送られる。購入される商品のリストはサーバに管理されて、後の支払を円滑にする。
【0034】
必要であれば、サーバは販売促進情報、割引情報、個人的な挨拶情報などのその他の情報を加えて顧客のワイヤレス電話に送ってもよい。
オプションの内蔵ICカード読取り/書込み装置は、ICカード或いはスマートカードへの接続を容易にする。このようなICカードを利用することにより、ワイヤレス電話の安全性及びサービスが拡大するであろう。パスワード認証はICカードを介した自動認証に代替される。ICカードは、顧客とサーバの両者が確認できる双方向認証を提供する。さらに、ICカードは、電子キャッシュまたはクレジットカードのいずれかを介する支払に使用されてもよい。また、電子領収書をICカードの中に記憶してもよい。電子領収書はサーバを発端とし、ワイヤレス電話に送られてからICカードに記憶される。記憶された電子領収書は後に、顧客の自宅のパーソナルコンピュータの中の、パーソナル・ファイナンシャル・アプリケーションに入力されてもよい。電子領収書は自宅のパーソナルコンピュータに単に表示されてもよい。多数の電子的領収書をICカードに記憶することができ、顧客の買い物の履歴が明らかになる。
【0035】
本発明により改良されたワイヤレス電話は、その他の異なるアプリケーションで使用されてもよい。多種多様なサーバから多種のアプリケーションプログラムをダウンロードでき、ワイヤレス電話は所持者に持ち運ばれるため、現行のパーソナル・ショッピング・システムのように、小売店に設置される端末装置よりも多種多様な用途の具体化が可能である。従って、ユーザはワイヤレス電話のディスプレイやキーパッドで会話することにより、多種多様なトランザクションを行うことが出来る。
【0036】
音声/音ガイダンスと音声コマンド/照会は、操作を簡素化するために使用されてもよい。音声/音ガイダンスと音声コマンド/照会は、無声の操作と並行して、ダウンロードされた購買取引プログラム及び/またはサーバによって実行されることが望ましい。ダウンロードされた購買取引プログラムは、電話のディスプレイを介してメッセージガイダンスを表示すると同時に、ワイヤレス電話のスピーカからの音声によって、音声ガイダンス及び/またはエラーメッセージを提供できる。また、ダウンロードされた購買取引プログラムは、音声認識能力を備えていてよい。これにより、電話のキーパッドのキーを使ったり、内蔵スキャナでバーコードを走査することに加え、音声コマンド、音声によるメニュー選択、及び/または音声による購入商品の選択を行うことができる。
【0037】
サーバのアプリケーションプログラム及び/またはサーバ側の店舗の店員は、無声の操作と平行して、音声/音ガイダンスと音声コマンド/照会能力を提供してもよい。サーバのアプリケーションはワイヤレス電話に音声ガイダンスを送ることができ、サーバのアプリケーションプログラムに音声認識能力があれば、音声コマンド及び/または音声による購入品の選択も受け入れてよい。さらには、サーバ側の店員はワイヤレス電話からの音声照会を受け付け、ワイヤレス電話への応答を音声で行うこともできる。
【0038】
このようにして、商品が購入される店舗にいる間、または店舗から離れている間のいずれかにおいて、本発明は便利な買入手段を提供する。任意の商品を表すバーコードを走査するだけで、商品の選択が簡単かつ便利に行われる。購入品の支払はICカードなどで簡単に済まされる。本発明のパーソナル・ショッピング・システムは、例えばワイヤレス電話など、既存の製品の改良を含んでいるため、最小限の投資で実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に述べる添付の図面に関する詳細な説明は、現在の好ましい発明の実施例の説明であって、本発明が構成されるか、利用される唯一の形態を表すものではない。詳細な説明では、図示の実施態様に関連した発明を実施する過程は勿論、発明の構成と機能を述べる。しかしながら、本発明の意図及び特許請求の範囲内に含まれることを意図したこれと異なる実施態様によっても、同様のあるいは同等の機能が実行されること、が理解されるべきである。
【0040】
次に図1を参照すると、本発明によるショッピングシステムは全体的に、有線接続線12を介して、商業電話網14と交信する店舗サーバ10を有する。あるいは店舗サーバ10は、光ファイバーや、無線信号などの他の任意の手段を介して商業電話網14と通信してもよい。このような商業電話網は音声やデータを市内及び遠距離双方に送信するために共通して使用される。このような商業電話網の例として、NTT、パシフィック・ベル、ジェネラル・テレフォン、AT&T、MCI、そしてスプリントが挙げられる。
【0041】
商業電話網14は、電話網14と有線接続線16を介して通信しているセルラー電話網17を介して、店舗サーバ10がワイヤレス電話18に接続することを容易化する。このようなセルラー電話網の例として、L.A.セルラーとパシフィック・ベルが含まれる。また、有線接続線16は代わりに光ファイバーや無線、またはその他の通信手段から構成されてもよい。
【0042】
セルラー電話網17は、よく知られた原理に従って、無線伝送を介してワイヤレス電話18と通信を行う。
店舗サーバ10のかわりに遠隔サーバ26が、好ましくは有線接続線28を介して、商業電話網14と通信を行ってもよい。有線接続線28は光ファイバーや無線、またはその他の通信手段から構成されてもよい。
【0043】
店舗サーバ10は、内線PBX(構内交換機)24などと、好ましくは有線接続線11を介して通信を行う。内線PBX24はワイヤレス電話18と通信をおこなう。
内部バーコードスキャナ20はワイヤレス電話18と有線接続線19を介して通信を行う。あるいは、バーコードスキャナ20は、赤外線、レーザー、無線、またはその他の望ましい手段を介してワイヤレス電話18と通信を行うことができる。
【0044】
あるいは、内蔵バーコードスキャナ25及び/または内蔵ICカード読取り/書込み装置27は、ワイヤレス電話18と一体的に形成されてもよい。店舗では、購入品33のバーコードが、ワイヤレス電話18に取り付けられたバーコードスキャナ20により走査される。
購入可能な商品のカタログ21は、このような各商品に対するバーコード22を含んでおり、各商品の説明13と写真15をも掲載していることが望ましい。購入者が商品が販売されている店舗にいない時、このようなカタログ21などを用いると、本発明の電子ショッピングシステムを介する商品の購入が促される。典型的には、各商品33にはバーコード31が貼られている。
【0045】
店舗サーバ10あるいは遠隔サーバ26は、ワイヤレス電話18にダウンロードされるべき購買取引プログラムを記憶する。店舗サーバ10と遠隔サーバ26もプログラム、即ち、サーバ・パーソナル・ショッピング・アプリケーション(図2 )を有し、これはワイヤレス電話18にダウンロードされた購買取引プログラムと協同して、以下に詳細を述べるように、購入される商品の選択と支払を含む購買取引を行う。
【0046】
ワイヤレス電話18が、店舗サーバが設置されている店舗内または店舗の近くで使われるとき、内線PBX24が店舗サーバ10とワイヤレス電話18との無線通信のために使われてもよく、これにより、セルラー電話網17を用いる必要性がなくなる。内線PBX24を使用すると、店舗サーバ10とワイヤレス電話18との信頼性のある通信が保証され、セルラー電話網17の使用にかかるコストが避けられる。当業者であれば、ワイヤレス電話18と店舗サーバ10との屋内無線通信を提供するその他の種々の適切な手段も同様に適していることがわかるであろう。
【0047】
購入者は、店舗サーバ10または遠隔サーバ26の電話番号に、ワイヤレス電話18でダイアルすればよい。店舗サーバ10または遠隔サーバ26にワイヤレス電話18が接続されると、購買取引プログラムが、店舗サーバ10または遠隔サーバ26からワイヤレス電話18にプログラムローダ32の命令により、ダウンロードされる(図2 )。
【0048】
さらに詳しくは、店舗サーバ10または遠隔サーバ26の電話インターフェースは、顧客からの電話の呼び出しの受信とワイヤレス電話18への適切な購買取引プログラムのダウンロードを行なう。サーバ・パーソナル・ショッピング・アプリケーションは、顧客のワイヤレス電話18と、店舗サーバ10または遠隔サーバ26との間の情報の送受信を行なう。店舗サーバ10または遠隔サーバ26に顧客のワイヤレス電話18から電話がかかると、電話インターフェースは顧客の電話番号を入手し、店舗サーバ10または遠隔サーバ26内の顧客情報データベースを調べて、以下の情報を得る。すなわち、顧客の電話番号、ダウンロードプログラムID、顧客ID、そして顧客名である。この情報は、顧客がパーソナル・ショッピング・アプリケーションに登録する際、店舗サーバ10または遠隔サーバ26に記憶される。顧客の電話番号はある程度の確実性を付与し、これにより顧客に購入する資格があることを示すために用いられる。
【0049】
ダウンロードプログラムIDに基づいて、適切なダウンロードプログラムが、店舗サーバ10または遠隔サーバ26からワイヤレス電話18にダウンロードされる。店舗サーバ10または遠隔サーバ26からワイヤレス電話18に送られる特定の購買取引プログラム(単一のIDを持つ)は、例えば、言語や、特別な興味などといった個人的な嗜好は勿論、電話の機種など、購入者のプロフィールと一致するように選択される。
【0050】
店舗サーバ10または遠隔サーバ26のパーソナル・ショッピング・アプリケーションは、購買取引を容易にする。ワイヤレス電話18から送られてくる各メッセージは、顧客の電話番号、顧客ID、またはその他幾つかの単一IDと関連している。店舗サーバ10または遠隔サーバ26が、顧客のワイヤレス電話18からバーコードデータを受け取ると、店舗サーバ10または遠隔サーバ26はデータベースを調べて、走査された商品の説明と価格を得る。商品の説明と価格は、次に顧客のワイヤレス電話18に送られ、好ましくは電話のディスプレイ42に表示される。顧客が購入しないと決め元の位置に戻された商品に関するデータを含む顧客のワイヤレス電話18から受け取ったあらゆるデータは、店舗サーバ10または遠隔サーバ26に記憶され、その後の支払手続きに利用される。
【0051】
店舗サーバ10または遠隔サーバ26はまた、顧客のワイヤレス電話18にその他の情報を送ることもできる。このような他の情報には、販売促進情報、割引情報、個人情報などを含んでもよい。
購買取引プログラムは、ダウンロードの後、ユーザにパスワードの入力を要求する。パスワードを使用することで、顧客の確認がより確実になる。特に盗まれたワイヤレス電話18を利用した不法な購買取引の防止には、パスワードの入力は有益である。購買取引プログラムは、キーパッドを利用してパスワードを入力するようにユーザに指示を表示するか、音声ガイダンスを提供することができる。パスワードの入力には音声認識も利用できる。好ましくは、ダウンロードプログラム、サーバまたは店員が、以下に説明するようにパスワード入力のガイダンスを行う。購買取引プログラムがパスワードの確認を行うこともできるが、確認のためサーバにパスワードを送信することもできる。パスワードが有効であることが確認された後、顧客は購入する商品のバーコードを走査する。パスワードが認証されない場合には、ユーザはパスワードを再入力する。
【0052】
パスワードが確認された後、購買取引プログラムにより、購入する商品の選択とその代金の支払いの双方のためにワイヤレス電話18が利用できるようになる。購入する商品の選択は、好ましくはワイヤレス電話18に接続されたバーコードスキャナ20もしくは内蔵バーコードスキャナ25によって、購入商品を表すバーコード31または22を走査することにより行われる。または、電話のキーパッドを通して、Universal Product Code(UPC)などのストックナンバーを入力して購入する商品を選択してもよい。
【0053】
希望の商品を選択した後、その代金の支払いは、好ましくは内蔵ICカード読取り/書込み装置27により実行される。
店内での商品購入にワイヤレス電話18を使用する場合、購入する商品上のもしくはカタログ中にある、商品やその商品を陳列する店舗棚に関するバーコードを走査することで、購入したい商品の選択が簡単に行われる。店舗から離れた場所にいる時にワイヤレス電話18を使用して購入を行う場合には、カタログ21などのバーコードが用いられる。
【0054】
各々のバーコードを読み取るたびに、購買取引プログラムはSKU(ストック・キーピング・ユニット)やUPCなどを表すバーコードデータをサーバに送信する。サーバは、好ましくは商品の説明や価格をワイヤレス電話18に送り返し、このような情報は、ディスプレイ42に表示されるのが望ましい。また、選択した商品の総額も表示できる。
【0055】
次に、ワイヤレス電話18と店舗又は遠隔サーバ10、26について更に詳しく説明した図2を参照する。一般的には、店舗サーバ10と遠隔サーバ26は同一のものと判断されるべきであるが、遠隔サーバ26は店舗から離れた場所に位置している。
ワイヤレス電話18は、ワイヤレス電話能用電子機器40に接続するマイクロプロセッサ38、ディスプレイ42、キーパッド44、入力/出力ポート36、そしてICカード読取り/書込み装置27をそなえる。これらマイクロプロセッサ38、ワイヤレス電話能用電子機器40、ディスプレイ42、キーパッド44、入力/出力ポート36、及びICカード読取り/書込み装置27は全て現在のワイヤレス電話の典型的な構成品である。
【0056】
当該発明を容易に実施するために、電子ショッピングセクション29が上記の典型的なワイヤレス電話に加えられている。電子ショッピングセクション29はプログラムローダ32とプログラムメモリ34で構成され、これらは全てマイクロプロセッサ38に接続される。
入力/出力ポート36により、マイクロプロセッサ38とバーコードスキャナ20は、RS232C、USB、IEEE1394、IrDAやその他適当なインターフェース19を介して通信できる。
【0057】
マイクロプロセッサ38は、現在のワイヤレス電話アプリケーション用の使用に適する、従来のマイクロプロセッサ及びデジタル・シグナル・プロセッサのいずれでもよい。ワイヤレス電話能用電子機器40は、電話番号メモリやダイヤリング、接続及び切断回路、デジタル暗号化(使用する場合)、無線周波数変調及び復調、電力増幅など、現在のワイヤレス電話機能に関連する電子回路で構成される。ディスプレイ42は一般的な液晶ディスプレイで、ダイヤル中の番号や、バッテリーの充電レベル、信号強度、個別の通話時間や通話時間総計などを表示する。キーパッド44は、数字やアルファベットの文字情報の入力に使用される。ICカード読取り/書込み装置27は、ICカードの読み取りと書き込みに使用される。ICカードはユーザーのアカウント情報を有し、顧客への料金請求を簡素化するために、複数の異なる互換性ワイヤレス電話とともに使用してもよい。このように、ある者が自分の個人ICカードを他の者の携帯電話で使用して、その通話が自分のプログラムに請求されることを確認できる。
【0058】
電子ショッピングセクション29は、本発明による電子ショッピングを容易にするために従来のワイヤレス電話に加えられた、本発明のいくつかの構成品で構成される。更に詳しくは、プログラムローダ32は、サーバ10、26から購買取引プログラムをダウンロードするための命令を記憶するファームウェアメモリを有する。プログラムローダ32のファームウェアメモリに格納された命令は、ワイヤレス電話18からサーバ10、26への呼び出しの後で、以下に説明するようにマイクロプロセッサ38によって実行される。
【0059】
プログラムローダ32はオプションで、購買取引プログラムをダウンロードし、向上させる回路も有する。また、プログラムローダはメモリではなく、アクティブな回路だけで構成されるものでもよい。このようなアクティブ回路は、ワイヤレス電話18とサーバ10、26が接続されると、メモリからの命令の読み出しを要求せずに自動的に購買取引プログラムのダウンロードを実行するように設定されている。
【0060】
プログラムローダ32は、命令と、ドライバと、及び/または選択及び/または支払い機能を促進し向上させる回路とを有する。例えば、プログラムローダ32は、スキャナ20及び/またはICカード読取り/書込み装置用のドライバを有する。
プログラムメモリ34は、ダウンロード後の購買取引プログラムを格納する。この購買取引プログラムは、商品を選択し購入した商品の支払いをするために購入者によって使用される。
【0061】
プログラムローダ32のファームウェアメモリは、格納する命令を変更することはあまりないため、不揮発性メモリで構成される。反対にプログラムメモリ34は、格納する購買取引プログラムは使用の度にダウンロードされるため、揮発性メモリで構成されることが望ましい。
オプションの入力/出力ポート36はオプションのバーコードスキャナとの通信を行い、購入者は従来のUPCバーコード22、31(図1)などを走査して商品を選ぶことができる。バーコードの読みとりは、カタログからでも、店内の棚や商品そのものや、その他所望の場所で行われる。
【0062】
オプションのICカード読取り/書込み装置27により、ICカードなどを利用して購入商品の支払いを行うことができる。
サーバ10、26は、顧客情報データベース50と接続する電話用インターフェース48と、少なくとも1つのダウンロード・プログラム・メモリ52とサーバ用パーソナル・ショッピング・アプリケーション54とを有する。
【0063】
サーバ10、26の電話用インターフェース48は、サーバ10、26と電話網とを接続し、モデムを有する。または、電話用インターフェース48は、ケーブルモデムやネットワークカードなど、その他商用電話システムとの接続を可能にする機器のいずれを有するものでもよい。
顧客情報データベースは、電子ショッピングへの参加のための各顧客の認証に関する情報を格納する。
【0064】
顧客情報データベース50は、図9に示すように、顧客の電話番号、電話の種類、パスワード、顧客ID、氏名など、その他所望の顧客プロフィール情報を有するのが好ましい。顧客プロフィール情報には、クレジットカード情報や、送付先住所、興味のある商品、及び/または以前の買い物履歴が含まれても良い。
サーバ10、26は、電話をかけた者の電話番号を顧客情報データベース50から検索し、ダウンロード・プログラム・メモリ52からその者の電話用に特別に適合させたダウンロードプログラムIDを決定する。
【0065】
サーバ10、26のダウンロード・プログラム・メモリ52から顧客のワイヤレス電話18にダウンロードされた購買取引プログラムは、購入する商品の選択とその支払いを可能にする命令を有する。購買取引プログラムは、全ての顧客向けに同一であっても、個々の購入者や購入者のクラスによって異なるものであってもよい。
【0066】
異なる顧客向けに異なる購買取引プログラムが使われる場合には、個々の顧客に正しいダウンロードプログラムを提供できるように、顧客情報データベースにおいて(図9)個々の顧客とダウンロードプログラムIDを関連づけることができる。
顧客毎に異なる購買取引プログラムを提供することが有益である。例えば、異なる購買取引プログラムは、異なる言語、メニュー、オプション、選択方法、及び/または購入の支払方法を備えることが可能である。さらに、異なる購買取引プログラムには、特定の顧客に対するメッセージや広告を持たせてもよい。例えば、スポーツに興味のある顧客は、スポーツに関するニュース及び/または広告を受け取ることができる。
【0067】
購買取引プログラムは、Java(登録商標)、HTML、C++などの適当なプログラム言語のいずれで書かれていてもよい。
全ての顧客が必ずしもバーコードスキャナ20やICカード読取り/書込み装置27を持っているとは限らないので、各々の購入者に適合した購買取引プログラムを提供し購入者個々の特定のワイヤレス電話18、バーコードスキャナ20、ICカード読取り/書込み装置27などの電子ショッピング用機器を適合させる。例えば、ある購入者がICカード読取り/書込み装置27を持っていない場合、購買取引プログラムのうち、ICカード読取り/書込み装置27の操作に関する部分は省略される。さらに、購入者がICカード読取り/書込み装置27を持っていないために、クレジットカードのアカウント番号や有効期限などの情報をキーパッド44を使って入力しなければならない場合には、購買商品の支払いのためにキーパッド44の使用を可能とする命令を購買取引プログラムに持たせることも可能である。このように、購買取引プログラムは特定の購入者に対して適合し、プログラムのサイズは、ある顧客には使用されないようなプログラム箇所を削除することにより最小化される。
【0068】
あるいは、購買取引プログラムは、ワイヤレス電話18とバーコードスキャナ20やICカード読取り/書込み装置27などの関連機器のあらゆる動作モードに対応する命令を有する。この場合、常に全ての購入者に対して、一つの同じ購買取引プログラムがダウンロードされ、これによりサーバ10、26の作業が単純化される。このようなオペレーションでは、ワイヤレス電話18に対してよりサイズの大きい購買取引プログラムをダウンロードしなければならない為、ワイヤレス電話18のメモリがより多く必要とされる点が不利である。このような包括的購買取引プログラムのダウンロードには、時間も長くかかる。
【0069】
サーバ用のパーソナル・ショッピング・アプリケーション54はサーバ10、26に格納されるプログラムであり、電子ショッピングを実行するためのサーバの動作を容易にする。サーバ用のパーソナル・ショッピング・アプリケーション54は、上記に説明したようにワイヤレス電話18がサーバ10、26を呼び出し接続が完了した後で、ワイヤレス電話18に購買取引プログラムをダウンロードする。サーバ用のパーソナル・ショッピング・アプリケーション54はまた、購入者が上述のようにワイヤレス電話を使って選択された商品の情報を受け取り、それを処理する。さらにサーバ用のパーソナル・ショッピング・アプリケーション54は、クレジットカードのアカウント番号や有効期限などの支払い情報を受け取り、格納する。また、ICカード読取り/書込み装置27が使用される場合は、購入者のICカード上の情報を読み取り更新する。
【0070】
サーバ用のパーソナル・ショッピング・アプリケーション54は請求機能を持ち、クレジットカード会社から購入者への請求を行なうために、クレジットカード会社に対し必要な通信や処理を行う。
次に図3を参照する。ワイヤレス電話18のレシーバ110は、アンテナ114と送受切替器112を介して購買取引プログラムを受け取り、プログラムローダ32(図2)のプログラム・ロード・ファンクション108に従って購買取引プログラムをプログラムメモリ34に渡す。ロードされた購買取引プログラム106は、マイクロプロセッサ38(図2、4)によって実行されるべくプログラムメモリ34に格納される。プログラム・ロード・ファンクション108は、ロードされた購買取引プログラム106に対し、ダウンロードが完了すると制御を行う。その後ロードされた購買取引プログラム106が実行される。ロードされた購買取引プログラム106の実行中に、レシーバ110はサーバ10、26(図1、2)から商品説明や価格などの情報を受け取り、トランスミッタ104がサーバ10、26に、UPCコード(Universal Product Code) や各品の受注個数などの情報を送信する。
【0071】
ワイヤレス電話18のマイクロフォン100とスピーカ102を、購入者の口頭での問い合わせと同時に購買取引を処理する、人または音声認識と合成によるサーバ10、26との通信のために使用してもよい。ワイヤレス電話機能用電子回路40は、ワイヤレス電話18がサーバ10、26と通信している時には、音声とデータが購買処理中に混合されるように設定されていることが好ましい。この方法では、サーバ10、26からワイヤレス電話18に、店舗の広告やコマーシャルを音声として送信することも可能である。
【0072】
次に図4を参照する。ワイヤレス電話18は、呼出処理ソフトウェア126と、RF合成器132と、ミキサー134と、固定発振器136と、送受切換器112とアンテナ114とを備えているが、これらは現在のワイヤレス電話において作動するものである。トランスミッタ104はアナログ・デジタルコンバータ120と、スピーチコーダ122と、変調器128と、無線周波増幅器130とを有しており、これらは公知の技術により作動するものである。更に、レシーバ110はアナログ・デジタルコンバータ140と、スピーチコーダ142と、チャネルデコーダ144と、等化器146と、復調器148と、無線周波受信/増幅器150とを有しており、これらも公知の技術により作動するものである。
【0073】
電子ショッピングセクション(図2中の29)は従来のワイヤレス電話に加えられたもので、プログラムローダ32と、ロードされたプログラム106(図2のプログラムメモリ34に格納されている)と、外部入力/出力ポートを介してワイヤレス電話18に接続するバーコードスキャナ20とを備える。これらの追加の構成品は、そのデータパスとともに図4中に太線で示される。
【0074】
チャネルデコーダ144からマイクロプロセッサ38へのデータパスは、購買取引プログラムのダウンロードや実行などに際し、サーバ10、26からワイヤレス電話18のマイクロプロセッサ38へのデータ通信を収容する。マイクロプロセッサ38からチャネルコーダ124へのデータチャネルは、購買取引プログラム106の実行中にマイクロプロセッサ38からサーバ10、26へのデータ通信を容易にする。
【0075】
アナログ・デジタルコンバータ120からマイクロプロセッサ38へのデータパスは、マイクロフォン100からロードされたプログラム106への音声データ、例えば音声コマンド、音声によるメニュー選択及び/または音声による購入品の選択などを収容する。ダウンロードされた購買取引プログラムは音声認識機能を有しており、音声データはキーパッド44や外部バーコードスキャナ20からの入力と並行して購買取引プログラムによって適切に認識される。マイクロプロセッサ38からアナログ・デジタルコンバータ140へのデータパスは、ロードされたプログラム106からスピーカ102への音声データ、例えば音声/音ガイダンスや音声によるエラーメッセージなどの通信を容易にする。ダウンロードされた購買取引プログラムは、メッセージをワイヤレス電話のディスプレイに表示すると同時に、ワイヤレス電話のスピーカを通して購入者に音声メッセージを提供する。また、ワイヤレス電話とサーバ間の音声データを、非音声データの送信やダウンロードされた購買取引プログラムの処理と並行して、マイクロフォン/送信機と受信機/スピーカによって送信することもできる。
【0076】
従来のデジタル無線電話通信と同様に、各メッセージスロットは制御信号とデータの両方で構成される。制御信号は制御の送受信のために使用される。従来の方法によれば、データは人がワイヤレス電話18に話した音声メッセージがデジタル化されたものである。しかし本発明では、データは音声データとともに購入品の選択、価格、個数などを表すデジタル情報を備えている。
【0077】
本発明によれば、アンテナ114は購買取引プログラムが含まれた無線周波信号を受信する。無線周波受信/増幅器150は、アンテナ114からの無線周波信号を受信し、無線周波信号を増幅する。復調器148は、増幅された無線周波信号を無線周波受信/増幅器150から受信し、増幅された無線周波信号を復調する。等化器146は、復調された信号を復調器148から受信し、信号のひずみを公知の方法に従って緩和するために復調された信号を等化する。チャネルデコーダ144は、等化器146から等化された信号を受信し、等化された信号から非音声信号を分離する。こうして、チャネルデコーダ144は等化された信号から購買取引プログラムを分離し、プログラムローダ32の指示に基づいて購買取引プログラムをプログラムメモリ34に送信する。
【0078】
図5〜8には、本発明の電子ショッピングシステムのオペレーションが詳しく説明されている。
特に図5を参照する。本発明の電子ショッピングシステムのオペレーションでは、ワイヤレス電話18とサーバ10、26間の通信を始めるために、ワイヤレス電話18を使用したサーバ10、26へ呼び出し51を行う。
【0079】
このような呼び出しを行う際には、購入者は単に、買い物をしたい会社のサーバ10、26の番号をダイヤルすればよい。一般的には、購入者には呼び出しているのが店舗サーバ10か遠隔サーバ26かは分からないが、購入者が呼び出すサーバが店舗サーバ10であっても遠隔サーバ26であっても、購入者が行う作業は全て同じである。
【0080】
ワイヤレス電話とサーバが接続されると、サーバからワイヤレス電話18へ購買取引プログラムのダウンロード53が行われる。ダウンロードされた購買取引プログラムによって、好ましくはパスワードが認証される。その後、所望の購買取引を実行するために、購買取引プログラムが使用される。
図6を参照すると、ワイヤレス電話18を使用したサーバ10、26の呼出ステップ51では、ワイヤレス電話を使ってサーバ10、26にダイヤルし、サーバ10、26が応答、ワイヤレス電話と通信するために電話用インターフェースを使用するステップ51b、電話用インターフェースがワイヤレス電話の番号を得るステップ51c、そして顧客の電話の種類、顧客ID、氏名を提供するために顧客情報データベースをサーチするステップ51dからなる。顧客IDと顧客氏名は、電話用インターフェースによってサーバ10、26のパーソナル・ショッピング・アプリケーションに提供される(51e)。
【0081】
認証番号やパスワードをキーパッド44などを介して手入力するために、顧客にガイダンスを電話のディスプレイ42を使用して提供しても、音声指示を使ってもよい。このガイダンスは、ロードされたプログラム106によって提供されるのが望ましい。またはガイダンスは、サーバ10、26や、音声の問い合わせにもキーボードの入力にも応答する店員によって提供されてもよい。パスワードの長さは任意でよい。
【0082】
本発明の好ましい実施態様によれば、顧客が許可を受けた顧客であることを確認するために、サーバ10、26は2種類のチェックを行う。まず初めに、ワイヤレス電話18が顧客データベースにあり、そのワイヤレス電話18の所有者が購買取引を行う許可を得ているかを確認するために、ワイヤレス電話18の電話番号をチェックする。正当な顧客であれば、電話番号は事前に登録されて顧客データベースにあることが望ましい。顧客の電話番号を確認することにより、許可を受けた顧客以外の者、例えば他の電話を使用している者などによる権限のない購買取引を防止する。
【0083】
購買取引プログラムがワイヤレス電話18にダウンロードされた後で、顧客に認証番号あるいはパスワードの入力を求める。電話番号と顧客が入力したパスワードの両方が正当なものでないと、購買取引は許可されない。このような認証番号やパスワードを要求することにより、盗まれたワイヤレス電話を使用した権限のない者による、権限のない購買取引を防止する。
【0084】
本発明の好適な実施態様では、パスワードの認証は購買取引プログラムによって行われる。または、パスワードの認証はICカードかサーバ10、26によって行われる。ダウンロードされた購買取引プログラムをパスワード認証に使用すれば、ダウンロードされた購買取引プログラムを使用せずにサーバ10、26かワイヤレス電話18だけでパスワード認証を行う場合に比べて望ましい柔軟性や効力が得られる。例えば、購買取引プログラムがパスワード入力の際にその指示を行うように設定することができる。
【0085】
呼出は、ステップ51aでサーバの電話番号にダイヤルすることにより行われる。しかし、電話に付いているボタンを押すかキーパッドで所定のコードを入力することにより、ワイヤレス電話18をサーバの電話番号にダイヤルする前にプログラムダウンロードのモードに切りかえることもできる。または、ワイヤレス電話18はサーバ10,26に繋がると自動的に購買取引プログラムのダウンロードを始める。このような自動ダウンロードは、制御信号や、サーバ10,26によって与えられワイヤレス電話18のチャネルデコーダ144やマイクロプロセッサ38によって認識されるコード及び/またはヘッダーが、プログラムローダ32のファームウェアメモリに格納された命令に従って、ワイヤレス電話18にダウンロードした購買取引プログラムを受け取り格納させることにより行われる。
【0086】
プログラムのロードが開始されると、新たに受信した購買取引プログラムは、以前に受信してプログラムメモリ34に格納されている購買取引プログラムを上書きする。
プログラムのロードが終了すると、プログラムローダ32はロードされた購買取引プログラム(図3の106)に制御を受け渡す。ロードされた購買取引プログラム106が実行されると、購買取引プログラムは入力/出力ポート36、キーボード44、マイクロフォン100、及び/またはバーコードスキャナ20及び/またはICカード読取り/書込み装置27などの付属機器を制御する。また、購買取引プログラム106は、ワイヤレス電話のあらゆる送信/受信機能も制御する。本発明の好適な実施例では、購買取引プログラムの実行中に音声での問合せを処理できるように、プログラムデータと音声データが結合される。
【0087】
次に図7を参照する。サーバ10、26からワイヤレス電話へのプログラムのダウンロード処理53は、サーバ10、26が所望の購買取引プログラム(ユーザの電話番号に基づいて選択)をワイヤレス電話18に送信するステップ53aを有する。ワイヤレス電話18のマイクロプロセッサは、プログラムローダ・ファームウェアに格納された命令に従って購買取引プログラムのダウンロード53bを行う。ステップ53cによりダウンロードされた購買取引プログラムはプログラムメモリに格納される。その後ダウンロードされた購買取引プログラムは、ステップ53dでワイヤレス電話18からパスワードを要求する。ダウンロードされた購買取引プログラムは、好ましくはパスワード入力のためのガイダンスを提供し、認証を行う。または、ワイヤレス電話18はステップ53eでパスワードをサーバ10、26に送信し、ステップ53fでサーバ10、26はパスワードの認証を行う。
【0088】
次に図8を参照する。購買取引プログラムがダウンロードされてワイヤレス電話18のプログラムメモリ34に格納されると、購入者は購入する商品の選択68を行う。本発明の好ましい実施例では、この選択68は、バーコードスキャナ20でUPCバーコードなどを走査することで実行される。当業者であれば、その他いろいろなコードやマーク、テキストなどを様々な走査機器で走査して購入する商品を選択することも自明であろう。更に当業者にとっては、UPCバーコードの走査とは異なるその他様々な走査技術、例えば電子、磁気、光学技術なども商品の選択に利用できることは自明である。例えば、磁気のタグや電子トランスポンダーを商品や棚、カタログなどに配置し、それを同様に走査することで商品の選択を実行できる。
【0089】
または、UPCコードやストックコードなどを、キーパッド44を介してワイヤレス電話18に手入力することで商品の選択を行ってもよい。
本発明の好適な実施例では、各々の商品が選択される度に商品の説明と価格がワイヤレス電話18のディスプレイ42に表示される。この情報は購買取引プログラムの一部に含ませるか、またはサーバ10、26から送信されてもよい。
【0090】
本発明の好適な実施例では、購入者は選択の度に、その商品を購入するか購入リストから削除するかを確認する機会を与えられる。購入者はまた、選択が全て完了すると、支払いの前に商品を購入するか購入リストから削除するかを確認する機会を与えられる。
本発明の好適な実施例では、購入者は、キーパッド44の所定のキーを押すことにより所望の買い物が全て完了したことを示す。ワイヤレス電話18は全ての購入の総価格をディスプレイに表示し、また好ましくは上述のように購入品目をリストから削除する機会も提供する。
【0091】
購入品の選択68が全て完了した後で、購入者はICカードやクレジットカード、チェックカードなどで購入品の支払い70を行う。または、購入者はキーパッド44を介してクレジットカードのアカウント番号や有効期限などをワイヤレス電話18に手入力してもよい。
購入に際し自動的にクレジットカードのアカウント番号が適用されるように、顧客は販売者にクレジットカードを事前に登録しておくこともできる。これにより、購入商品の支払いのためにクレジットカードの情報を入力したりICカード等を使用する必要がなくなる。
【0092】
店舗内で買い物が完了する場合には、支払いは上述のようにワイヤレス電話18を介して行うこともでき、または店内のチェックアウトカウンターで行うことも可能である。支払いが店内のチェックアウトカウンターで行われる時は、完了した購買に関するワイヤレス電話18及び/またはサーバ10、26に格納された情報を利用して、チェックアウトカウンターの店員が個々の購買を入力する必要性を排除して支払いを簡易にする。
【0093】
または、店舗での利用の場合、購入者はチェックアウトカウンターでバーコードを走査して支払いを行うことも可能である。走査されたバーコードは、その購入者がいる特定のチェックアウトカウンターをサーバ10、26に知らせる。購入品目と価格のリストがその後サーバから購入者がいるチェックアウトカウンターに送信され、購入者は現金、小切手、クレジットカード、ICカードなど希望の方法で購入商品の支払いを行う。
【0094】
遠隔サーバ26を利用した買い物を店内で行う場合、ショッピングカートなどに付されたバーコードを購入者が走査することで、その客がどの店舗で買い物をしているかをサーバ26に知らせる。この店舗位置情報は、その商品の購入が行われた店舗における当該商品の在庫管理に利用される。
ICカード読取り/書込み装置27を使用する場合、購入した商品の電子領収書がICカードに記憶されるようにしてもよい。ICカードに記憶された電子領収書を利用して、購入者の自宅にあるパーソナルコンピュータに購入者の個人会計情報を送信し所望の記録保存に役立てることが可能である。購入者の買い物履歴がICカードに保持されるようにしてもよい。当業者であれば、このようなICカードを利用して更に双方向認証を行い、顧客の確認とサーバの確認の両方を提供することが可能である。
【0095】
また、ICカードを顧客プロフィール情報の保持に利用し、サーバ10、26とアクセスさせることもできる。
本発明の電子ショッピングシステムは、多様な商品やサービスの販売に利用することができ、卸売と小売のいずれの取引にも対応する。また、本発明は購買取引以外の様々な種類の取引にも利用できる。
【0096】
図9は顧客情報リストを示す。顧客情報リストはサーバにデータベースとして格納され、電話用インターフェース48とサーバ用パーソナル・ショッピング・アプリケーション54によってアクセスされる。本発明の好適な実施態様によれば、顧客情報リストは電話番号、電話の種類、ダウンロードプログラムID番号、パスワード、顧客ID番号、顧客氏名など、その他所望の顧客プロフィール情報を有する。
【0097】
ここで図示されている代表的な電子ショッピングシステムは、現時点での好ましい実施態様を表すにすぎず、本発明の意図及び範囲から逸脱しない限りこのような実施態様に修正や追加を行うことは可能である。例えば、当業者であれば本発明の実施には従来のセルラー電話以外でも様々な種類のセルラー電話を使用することは可能である。また、ワイヤレス電話とサーバ間の様々な無線通信方法(セルラー電話網以外)も予想される。
【0098】
更に、ダウンロードプログラムは必ずしも購買取引アプリケーションに限定されるものではない。プログラムローダによって、いかなる所望のプログラムも同様にワイヤレス電話にダウンロードが可能である。故にどのようなアプリケーションプログラムもワイヤレス電話で利用できる。例えば、本発明のワイヤレス電話は同様に、チケット予約、席の予約、食品の注文、テキスト/音声ガイダンス、情報照会などにも利用できる。
【0099】
このように、上述又はそれ以外の修正や追加は当業者にとっては自明であり、本発明を様々な異なるアプリケーションで使用するために適応されるものである。
本発明のこれらの、及びその他の特徴、性質、利点は、以下の詳細な説明、添付の請求の範囲、及び添付の図面について検討することにより、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の電子ショッピングシステムの概略図である。
【図2】ワイヤレス電話とサーバをさらに詳細に示すブロック図である。
【図3】本発明のワイヤレス電話の機能的ブロック図である。
【図4】本発明の構成要素(太線で表示)と現行のワイヤレス電話の構成要素との相互関係を示す、本発明のワイヤレス電話のブロック線図である。
【図5】本発明の電子ショッピングシステムの操作を表すフローチャートである。
【図6】図5によるワイヤレス電話でサーバに電話をかける過程をさらに詳しく示すフローチャートである。
【図7】図5によるサーバからワイヤレス電話にプログラムをダウンロードする過程をさらに詳しく示すフローチャートである。
【図8】図5による購買取引を行うプログラムを使用する過程をさらに詳細に示すフローチャートである。
【図9】顧客情報の一覧表である。
【符号の説明】
【0101】
10、26 サーバ
18 ワイヤレス電話
20 バーコードスキャナ
27 ICカード読取り/書込み装置
32 プログラムローダ
34 プログラムメモリ
38 マイクロプロセッサ
40 ワイヤレス電話機能用電子回路
42 ディスプレイ
44 キーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス電話を使った購買取引を行なう電子ショッピングシステムで、購買取引プログラムを記憶し電子購買取引を行なうサーバと、サーバと通信するための少なくとも一つのワイヤレス電話を備えており、前記ワイヤレス電話が、
購買取引プログラムを含む無線周波信号を受信するアンテナと、
受信機であって、
無線周波信号をアンテナから受信して、無線周波信号を増幅する無線周波受信/増幅器と、
前記無線周波受信/増幅器から増幅された無線周波信号を受信し、増幅無線周波信号を復調する復調器と、
復調器から復調された信号を受信し、購買取引プログラムを含む非音声デジタルデータを復調信号から切り離すチャネルデコーダを含む受信機と、
チャネルデコーダから購買取引プログラムを受信し、前記購買取引プログラムを記憶するプログラムメモリと、
サーバからプログラムメモリへ購買取引プログラムをダウンロードするプログラムローダとを備えていることを特徴とする電子ショッピングシステム。
【請求項2】
サーバが購買取引が行われる店舗内にある請求項1記載の電子ショッピングシステム。
【請求項3】
サーバが購買取引が行われる店舗から遠隔の場所にある請求項1記載の電子ショッピングシステム。
【請求項4】
サーバと通信して、サーバとワイヤレス電話との間の無線通信を行なう内線PBXを含む請求項1記載の電子ショッピングシステム。
【請求項5】
プログラムローダがファームウエアメモリを備え、前記ファームウエアメモリがワイヤレス電話が受信した購買取引プログラムをプログラムメモリに記憶させる命令を含む請求項1記載の電子ショッピングシステム。
【請求項6】
ワイヤレス電話がマイクロプロセッサを備え、マイクロプロセッサがプログラムローダとプログラムメモリと通信して、プログラムローダのファームウエアメモリ内に記憶されている命令を実行し、プログラムメモリ内に記憶されている購買取引プログラムを実行する請求項5記載の電子ショッピングシステム。
【請求項7】
少なくとも1台のワイヤレス電話がマイクロプロセッサと通信するICカード読取り/書込み装置を備える請求項6記載の電子ショッピングシステム。
【請求項8】
プログラムメモリとプログラムローダを設置するハウジングと、
実質的に前記ハウジング内に設置されるICカード読取り/書込み装置と
を備える請求項1記載の電子ショッピングシステム。
【請求項9】
プログラムをダウンロードできるワイヤレス電話であって、
購買取引プログラムを含む無線周波信号を受信するアンテナと、受信機とを備え、
前記受信機は、
無線周波信号をアンテナから受信して、無線周波信号を増幅する無線周波受信/増幅器と、
前記無線周波受信/増幅器から増幅された無線周波信号を受信し、増幅無線周波信号を復調する復調器と、
復調器から復調された信号を受信し、購買取引プログラムを含む非音声デジタルデータを復調信号から切り離すチャネルデコーダを含む受信機と、
チャネルデコーダから購買取引プログラムを受信し、前記購買取引プログラムを記憶するプログラムメモリと、
サーバからプログラムメモリへ購買取引プログラムをダウンロードするプログラムローダとを備えているプログラムダウンロード機能付ワイヤレス電話。
【請求項10】
プログラムローダがファームウエアメモリを備え、前記ファームウエアメモリが購買取引プログラムをプログラムメモリに記憶させる命令を含む請求項9記載のプログラムダウンロード機能付ワイヤレス電話。
【請求項11】
プログラムローダとプログラムメモリと通信して、プログラムローダのファームウエアメモリ内に記憶されている命令を実行し、プログラムメモリ内に記憶されている購買取引プログラムを実行するマイクロプロセッサを備える請求項10記載の、プログラムダウンロード機能付ワイヤレス電話。
【請求項12】
マイクロプロセッサと通信する入力/出力ポートを備え、バーコードスキャナを取り付けることができる請求項11記載のプログラムダウンロード機能付ワイヤレス電話。
【請求項13】
マイクロプロセッサと通信するICカード読取り/書込み装置を備える請求項11記載のプログラムダウンロード機能付ワイヤレス電話。
【請求項14】
プログラムメモリとプログラムローダを設置するハウジングと実質的に前記ハウジング内に設置されるバーコードスキャナとを備える請求項9記載のプログラムダウンロード機能付ワイヤレス電話。
【請求項15】
プログラムメモリとプログラムローダを設置するハウジングと実質的に前記ハウジング内に設置されるICカード読取り/書込み装置を備える請求項9記載のプログラムダウンロード機能付ワイヤレス電話。
【請求項16】
ワイヤレス電話を通して購買取引を行う方法であって、
該ワイヤレス電話でサーバを呼び出し、
購買取引プログラムを含む無線周波信号を前記ワイヤレス電話へ発信し、前記無線周波信号が前記ワイヤレス電話のアンテナによって受信され、
アンテナで受信された無線周波信号を増幅して増幅無線周波信号を供給し、
増幅無線周波信号を復調して復調信号を供給し、
購買取引プログラムを復調信号から切り離し、
購買取引プログラムを使って購買取引を行う、
というステップを含むワイヤレス電話を通して購買取引を行う方法。
【請求項17】
無線周波信号を発信するステップが、複数の異なるタイプのワイヤレス電話に互換性のある購買取引プログラムを伝送することを含む請求項16記載の方法。
【請求項18】
発呼者の電話番号に基づいたデータベースに問い合わせて購入者の電話タイプを決定するステップを更に含み、
無線周波信号を伝送するステップが、購入者の電話タイプに合わせた購買取引プログラムを伝送する請求項16記載の方法。
【請求項19】
発呼者の電話番号に基づいたデータベースに問い合わせてダウンロードする購買取引プログラムを決定するステップを更に含み、
無線周波信号を発信するステップが、購入者のプロフィールおよび/または言語や関心事等の好みに合わせた購買取引プログラムを伝送する請求項16記載の方法。
【請求項20】
サーバが、前記ワイヤレス電話の電話番号が認定済の既登録電話番号であることを認証することによって正当な顧客であるかどうかを判断し、その後電話番号が認定済の既登録電話番号である場合のみ購買取引を許可するステップを含む請求項16記載の方法。
【請求項21】
サーバが、顧客が前記ワイヤレス電話に入力したパスワードが正当なパスワードであるかを判断し、前記パスワードは購買取引プログラムの制御下で入力され、パスワード番号がその顧客に正当なパスワードであった場合にのみ購買取引を許可するステップを含む請求項20記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−294051(P2006−294051A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−135728(P2006−135728)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【分割の表示】特願平11−260193の分割
【原出願日】平成11年9月14日(1999.9.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】