説明

プロジェクタ、およびカメラ

【課題】適切な画像サイズで投影するプロジェクタを提供する。
【解決手段】プロジェクタ10は、投影する像を生成するライトバルブ62と、振れ検出手段111と、振れ検出手段111からの検出信号に基づいて、ライトバルブ62に生成する像の位置を移動させる投影位置制御手段101と、プロジェクタ本体が静止しているか否かを判定する判定手段101と、判定手段101で静止が判定された場合に生成する像のサイズを、静止が判定されない場合に生成する像のサイズより大きくする投影サイズ制御手段101とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタ、およびプロジェクタを備えるカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタの液晶表示素子に形成する光像の位置を該液晶表示素子上で移動させることにより、該プロジェクタの揺動によって生じる投影像の揺れを軽減する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−189733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、最大投影サイズに比べて常に小さい画像サイズで投影させるため、大きな投影像が得られないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)請求項1に記載の発明によるプロジェクタは、投影する像を生成するライトバルブと、振れ検出手段と、振れ検出手段からの検出信号に基づいて、ライトバルブに生成する像の位置を移動させる投影位置制御手段と、振れ検出手段からの検出信号に応じて生成する像のサイズを異ならせる投影サイズ制御手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項1に記載のプロジェクタはさらに、振れ検出手段からの検出信号に基づいて、プロジェクタ本体の振れ安定度を演算する演算手段を備え、投影サイズ制御手段は、演算手段で演算された振れ安定度に応じて生成する像のサイズを異ならせることもできる。
(3)請求項2に記載のプロジェクタにおいて、投影サイズ制御手段は、振れ安定度が高いほど生成する像のサイズを大きくし、振れ安定度が低いほど生成する像のサイズを小さくすることもできる。
(4)請求項2に記載のプロジェクタにおいて、投影サイズ制御手段は、振れ安定度が第1判定閾値より高い場合に生成する像のサイズを最大にすることもできる。
(5)請求項4に記載のプロジェクタにおいて、振れ安定度が第1判定閾値より低い場合、投影サイズ制御手段は、生成する像のサイズを最大サイズより小さく縮小するとともに、投影位置制御手段は、ライトバルブに生成する像の位置の移動を行うことを特徴とする。
(6)請求項4に記載のプロジェクタにおいて、投影サイズ制御手段は、振れ安定度が第1判定閾値より低い第2判定閾値より低い場合に生成する像のサイズを最小にすることもできる。
(7)請求項2に記載のプロジェクタにおいて、投影サイズ制御手段は、演算手段で演算された振れ安定度に応じて生成する像のサイズを段階的に異ならせることもできる。
(8)請求項8に記載の発明によるプロジェクタは、投影する像を生成するライトバルブと、振れ検出手段と、振れ検出手段からの検出信号に基づいて、ライトバルブに生成する像の位置を移動させる投影位置制御手段と、プロジェクタ本体が静止しているか否かを判定する判定手段と、判定手段で静止が判定された場合に生成する像のサイズを、静止が判定されない場合に生成する像のサイズより大きくする投影サイズ制御手段とを備えることを特徴とする。
(9)請求項8に記載のプロジェクタにおいて、投影サイズ制御手段は、判定手段で静止が判定された場合に生成する像のサイズを最大にすることもできる。
(10)請求項8に記載のプロジェクタはさらに、操作部材を備えてもよい。この場合の制御手段は、操作部材からの操作信号に応じて、生成する像のサイズを最大にする、または最大サイズより小さく縮小するように投影サイズ制御手段を制御することもできる。
(11)請求項8に記載のプロジェクタにおいて、判定手段は、振れ検出手段からの検出信号に基づいて、プロジェクタ本体が静止しているか否かを判定してもよい。
(12)請求項8に記載のプロジェクタはさらに、三脚穴と、三脚穴への固定を検出する検出部材とをさらに備えてもよい。この場合の判定手段は、検出部材からの検出信号に基づいて、プロジェクタ本体が静止しているか否かを判定してもよい。
(13)請求項8に記載のプロジェクタにおいて、投影サイズ制御手段はさらに、静止が判定されていない場合にライトバルブに生成する像の位置を移動させることもできる。
(14)請求項8に記載のプロジェクタにおいて、静止が判定されていない場合に像を投影するフレームレートを、静止が判定された場合に像を投影するフレームレートより低くする制御手段を備えることを特徴とする。
(15)請求項15に記載の発明によるカメラは、請求項1〜14のいずれか一項に記載のプロジェクタを搭載することを特徴とする。
(16)請求項15に記載のカメラはさらに、撮像する被写体像ぶれを低減するための防振手段を備えてもよく、この場合の振れ検出手段は、防振手段に含まれる振れ検出手段を兼ねてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、適切な画像サイズで投影できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態によるプロジェクタ付き電子カメラ10の前面を含む斜視図である。図1において、電子カメラ10の前面には、撮影レンズ71と、プロジェクタの投影レンズ61と、フラッシュ光源部21とが配設されている。電子カメラ10の上面には、レリーズボタン12と、プロジェクタボタン14とが配設されている。レリーズボタン12は、電子カメラ10に撮影を指示するための操作部材である。プロジェクタボタン14は、電子カメラ10に投影モードへの切替、および投影モードにおける投影オン/オフを指示するための操作部材である。
【0008】
図2は、図1の電子カメラの後面を含む斜視図である。図2において、電子カメラ10の背面には、液晶モニタ108と、ズームボタン11aおよび11bと、切替ボタン15と、モードボタン16と、メニューボタン17と、削除ボタン18と、OKボタン20およびダイヤル19とが設けられている。リング状に構成されたダイヤル19は、回転操作に応じた回転操作信号と、押下操作に応じた押下位置信号とを発生する。OKボタン20の配設位置は、ダイヤル19の中央部である。ダイヤル19およびOKボタン20は、電子カメラ10に各種設定を指示するための操作部材である。
【0009】
ズームスイッチ11a,11bは、電子カメラ10にズームダウンまたはズームアップを指示するための操作部材である。切替ボタン15は、撮影を行う撮影モードと、撮影画像の再生表示を行う再生モードとの切替を電子カメラ10に指示するための操作部材である。モードボタン16は、モード選択画面を液晶モニタ108に表示させるための操作部材である。メニューボタン17は、メニュー選択画面を液晶モニタ108に表示させるための操作部材である。削除ボタン18は、電子カメラ10に画像ファイルの削除を指示するための操作部材である。
【0010】
図3は、図1の電子カメラ10の回路構成を説明するブロック図である。図3において、電子カメラ10は、CPU101と、メモリ102と、マイク105と、外部インターフェース回路106と、電源回路107と、液晶モニタ108と、操作部材109と、スピーカー110と、プロジェクタモジュール60と、カメラモジュール70とを備え、着脱自在のバッテリー103およびメモリカード104が実装されている。
【0011】
プロジェクタモジュール60およびカメラモジュール70は、図1に示すように、投影光学系(投影レンズ61)と撮影光学系(撮影レンズ71)の開口とが共通の面に配設されている。
【0012】
CPU101は、制御プログラムに基づいて、電子カメラ10を構成する各部から入力される信号を用いて所定の演算を行うなどして、電子カメラ10の各部に対する制御信号を送出することにより、カメラ動作およびプロジェクタ動作をそれぞれ制御する。なお、制御プログラムは、CPU101内の不揮発性メモリ101aに格納されている。
【0013】
メモリ102はCPU101の作業用メモリとして使用される。メモリカード104は不揮発性メモリによって構成される。メモリカード104は、CPU101の指示により、たとえば、カメラモジュール70から出力される画像データや、外部インターフェース回路106を介して外部機器から入力される映像・音声データなどのデータの書き込み、保存および読み出しが可能である。
【0014】
マイク105は、集音した音声を電気信号に変換してCPU101へ送出する。音声信号は、録音時にメモリカード104に記録される。外部インターフェース回路106は、CPU101の指示により不図示のクレードル、もしくはクレードルに接続されている外部機器との間でデータを送受信する。送受信するデータは、映像・音声データや、電子カメラ10に対する制御信号である。外部インターフェース回路106には、電源ラインも含まれている。
【0015】
スピーカー110は、CPU101から出力された音声信号による音声を再生する。操作部材109は、上述した操作ボタンなどを含み、各操作ボタンに対応する操作信号をCPU101へ送出する。
【0016】
バッテリー103は充電可能な二次電池によって構成される。電源回路107はDC/DC変換回路、充電回路、および電圧検出回路を含み、バッテリー103の電圧を電子カメラ10内の各部で必要な電圧に変換する。電源回路107はさらに、バッテリー103の電圧が低く、残容量が低下している場合には外部インターフェース回路106を介して供給される充電用電流でバッテリー103を充電する。
【0017】
液晶モニタ108は、CPU101の指示により画像やテキストなどの情報を表示する。フラッシュ光源部21は、撮影モード時にCPU101からの指示に応じて所定光量の光を発する。振れセンサ111は、たとえば加速度センサによって構成される。振れセンサ111はピッチ方向およびヨー方向に生じた加速度を検出し、検出信号をCPU101へ送出する。
【0018】
<カメラモジュール>
カメラモジュール70は、撮影レンズ群(撮影光学系)71と、イメージセンサ72と、レンズ駆動回路73と、撮影制御回路74とを含む。イメージセンサ72には、CCDやCMOS撮像素子などが用いられる。撮影制御回路74は、CPU101からの指示によりイメージセンサ72およびレンズ駆動回路73を駆動制御するとともに、イメージセンサ72から出力される画像信号に対して所定の画像処理を行う。画像処理は、ホワイトバランス処理やガンマ処理などである。
【0019】
撮影レンズ群71は、ズーム調節用のズームレンズ、フォーカス調節用のフォーカスレンズ、および振れ補正用の防振レンズを含み、イメージセンサ72の撮像面上に被写体像を結像させる。図3においては、撮影レンズ群71を単レンズとして図示している。撮影制御回路74は、撮影開始指示に応じてイメージセンサ72に撮像を開始させ、撮像終了後にイメージセンサ72から画像信号を読出し、上記画像処理を施した上で画像データとしてCPU101へ送出する。
【0020】
(手ブレによる影響の抑制)
CPU101は、振れセンサ111からの加速度検出信号に基づいて、電子カメラ10の揺動(いわゆる手ブレ)に起因して生じるイメージセンサ72上における被写体像の揺れを抑制するために必要な防振レンズの駆動量を演算し、その駆動量および駆動方向を示す防振レンズ駆動情報を撮影制御回路74へ送信する。
【0021】
レンズ駆動回路73は、撮影制御回路74が防振レンズ駆動情報に基づいて出力するレンズ駆動信号に応じて、撮影レンズ群71を構成する防振レンズを光軸と直交する方向に進退駆動する。レンズ駆動回路73によって防振レンズが駆動されることにより、イメージセンサ72上の被写体像の揺れが軽減される。
【0022】
(フォーカス調節、ズーム調節)
また、レンズ駆動回路73は、撮影制御回路74から出力されるフォーカス調節信号に基づいて、フォーカスレンズを光軸方向に進退駆動する。さらにまた、レンズ駆動回路73は、撮影制御回路74から出力されるズーム調節信号に基づいて、撮影レンズ群71を構成するズームレンズを光軸方向(テレ側もしくはワイド側)へ進退駆動する。フォーカス調節量およびズーム調節量は、CPU101から撮影制御回路74へ指示される。
【0023】
<プロジェクタモジュール>
プロジェクタモジュール60は、投影レンズ群(投影光学系)61と、液晶パネル62と、LED光源63と、投射制御回路64と、レンズ駆動回路65とを含む。投射制御回路64は、CPU101から出力される投影指示に応じてLED光源63に駆動電流を供給する。LED光源63は、供給された電流に応じた明るさで液晶パネル62を照明する。
【0024】
投射制御回路64はさらに、CPU101から送出される画像データに応じて液晶パネル駆動信号を生成し、生成した駆動信号で液晶パネル62を駆動する。具体的には、液晶層に対して画像データに応じた電圧を画素ごとに印加する。電圧が印加された液晶層は液晶分子の配列が変わり、当該液晶層の光の透過率が変化する。このように、画像データに応じてLED光源63からの光を変調することにより、液晶パネル62が光像を生成する。
【0025】
投影レンズ群61は、ズーム調節用のズームレンズ、およびフォーカス調節用のフォーカスレンズを含み、液晶パネル62から射出される光像をスクリーンなどへ向けて投射する。図3においては、投影レンズ群61を単レンズとして図示している。
【0026】
(フォーカス調節、ズーム調節)
レンズ駆動回路65は、投射制御回路64から出力されるフォーカス調節信号に基づいて、フォーカスレンズを光軸方向へ進退駆動する。レンズ駆動回路65はさらに、投射制御回路64から出力されるズーム調節信号に基づいて、ズームレンズを光軸方向へ進退駆動する。フォーカス調節量およびズーム調節量は、CPU101から投射制御回路64へ指示される。
【0027】
(手ブレによる影響の抑制)
CPU101は、振れセンサ111からの加速度検出信号に基づいて、電子カメラ10の揺動(いわゆる手ブレ)に起因して生じるスクリーン上における投影像の揺れを抑制するために必要な画像シフト量を演算する。CPU101は、演算したシフト量およびシフト方向を示す画像シフト情報に基づいて、投影像のデータをメモリ102上でシフトさせ、シフト処理後の画像データを投射制御回路64へ送出する。メモリ102上におけるシフト量およびシフト方向は、後述する液晶パネル62上における光像のシフト量、シフト方向に対応する。
【0028】
投射制御回路64がCPU101から新たに入力された画像データに基づいて液晶パネル62に光像を生成すると、上記メモリ102上においてなされたシフト量およびシフト方向に対応して液晶パネル62に生成される光像の位置がシフトする。これにより、揺動によって投影レンズ群61の光軸が変化(向きが変動)して生じる投射像の移動をキャンセルするように、スクリーン上に投影される画像や文字が移動し、投影像の揺れが軽減される。
【0029】
(投影像の歪み補正)
CPU101はさらに、投影像を台形状から長方形状に補正するために画像処理による電気的なキーストン補正を施す。CPU101内の不揮発性メモリ101aには、あらかじめ投影像を長方形状に補正するための補正情報が記憶されている。CPU101は、上記光軸の変化量に応じて不揮発性メモリ101aから補正情報を読み出し、読み出した補正情報に基づいて投影像のデータに対するキーストン補正処理をメモリ102上で施し、キーストン補正処理後の画像データを投射制御回路64へ送出する。CPU101は、光軸の変化量が小さい(たとえば、光軸がスクリーンの略中央へ向いている場合)ほどキーストン補正量を小さくし、光軸の変化量が大きい(たとえば、光軸がスクリーンの略中央から外れている場合)ほどキーストン補正量を大きくする。
【0030】
(投影ソース:source)
プロジェクタモジュール60は、再生モード時に、CPU101の指示により下記ソース1.またはソース2.のいずれかによるコンテンツを投影および再生する。CPU101は、操作部材109からソース切替え操作信号が入力されるごとに、投影画像をソース1.→2.→1.…の順に切替えるように、各画像に対応する画像データをプロジェクタモジュール60へ送出する。
【0031】
ソース1.メモリカード104から読出したデータによる再生画像
ソース2.外部インターフェース回路106から入力されたデータによる再生画像
【0032】
CPU101は、上記ソース1.に対応する画像を投影する場合、記録日時が最も新しい(記録されている画像データの中で最後に撮影されたもの)画像データをメモリカード104から順に読出し、読出した画像データをプロジェクタモジュール60へ送出する。また、上記コンテンツのデータとしてテキストデータが選択された場合は、テキスト画面を投影するためのデータをプロジェクタモジュール60へ送出する。
【0033】
(投影モードのメイン処理)
本実施形態は、投影モード時に行う動作に特徴を有するので、以下はこの点を中心に説明する。図4は、CPU101が行う投影処理の流れを説明するフローチャートである。CPU101は、撮影モード時または再生モード時に操作部材を構成するプロジェクタボタン14から操作信号が入力されると、プロジェクタモジュール60を起動させるとともに、図4の処理を行うプログラムを起動する。ユーザーは、電子カメラ10の投影レンズ61をスクリーン側へ向けて、電子カメラ10を手で持つ、あるいは机上などに載置する、または電子カメラ10の三脚穴(不図示)を用いて電子カメラ10を三脚に固定してプロジェクタボタン14を操作する。
【0034】
CPU101は、図4の処理を実行中に、図5に例示するブレ検出処理、および図7に例示する固定判定処理を並列して行うように構成されている。図4のステップS11において、CPU101は固定判定を行う。CPU101は、固定判定処理(図7)によって「固定判定」している場合はステップS11を肯定判定してステップS17へ進み、固定判定処理(図7)によって「非固定判定」している場合にはステップS11を否定判定し、ステップS12へ進む。固定判定処理の詳細については後述する。
【0035】
ステップS12において、CPU101は、非固定時用の画像サイズを設定してステップS13へ進む。具体的には、プロジェクタモジュール60による最大投影領域より小さく縮小した投影領域へ再生画像を投影するように画像サイズを設定する。図8は、電子カメラ10による投影場面を例示する図である。図8において、プロジェクタモジュール60がスクリーン210へ向けて画像などを投影する。プロジェクタモジュール60による最大投影領域200は、液晶パネル62の有効画素領域の全域を使用した場合の投影範囲に相当する。非固定時用の投影領域201は、液晶パネル62の有効画素領域から周囲の所定領域を除外して使用する場合の投影範囲に相当する。非固定時用の画像サイズは、たとえば、液晶パネル62の有効画素領域の周囲から縦、横それぞれ画素数の20%を除外したサイズ(縦、横それぞれ約0.8倍の画素数)とする。
【0036】
図4のステップS13において、CPU101はブレ補正処理(図6)を行ってステップS14へ進む。ブレ補正処理の詳細については後述する。ステップS14において、CPU101は、ブレ補正処理(図6)後の新たな画像データを投射制御回路64へ送り、画像の投影を指示してステップS15へ進む。投射制御回路64が新たな画像データに基づいて液晶パネル62に光像を形成することにより、スクリーン210上に投影される投影像の揺れが軽減される。
【0037】
ステップS15において、CPU101はオフ操作されたか否かを判定する。CPU101は、プロジェクタボタン14から操作信号が再度入力されると、ステップS15を肯定判定してステップS16へ進む。CPU101は、プロジェクタボタン14から操作信号が入力されない場合にはステップS15を否定判定し、ステップS11へ戻る。
【0038】
ステップS16において、CPU101は、プロジェクタモジュール60による投影を停止させて、図4の処理を終了する。
【0039】
ステップS11を肯定判定して進むステップS17において、CPU101は、固定時用の画像サイズを設定してステップS14へ進む。具体的には、プロジェクタモジュール60による最大投影領域で再生画像を投影するように画像サイズを設定する。
【0040】
(ブレ検出処理)
ブレ検出処理の詳細について、図5に例示するフローチャートを参照して説明する。図5のステップS21において、CPU101は、振れセンサ111から加速度検出信号を読み出してステップS22へ進む。ステップS22において、CPU101は、加速度検出信号に基づいて、プロジェクタモジュール60による投射光軸の変化量を算出してステップS21へ戻り、上記処理を繰り返す。
【0041】
(ブレ補正処理)
ブレ補正処理の詳細について、図6に例示するフローチャートを参照して説明する。図6のステップS41において、CPU101は、ブレ検出処理(図5)によって算出されている投射光軸の変化量に応じて、画像出力位置を補正するための画像シフト量およびシフト方向を演算してステップS42へ進む。
【0042】
図9は、液晶パネル62の有効画素領域200P(横800画素×縦600画素)と、非固定時用の画像サイズを設定した場合(ステップS12)に使用する画素領域201P(横640画素×縦480画素)とを説明する図である。図9において、点Oは投射光軸に対応する位置を表す。ブレ補正処理(図6)を行う前の点Oは、画素領域201Pの中央と合致する。画素領域201Pの外側の暗い部分は、手ブレによる影響を抑制するために、液晶パネル62上において光像をシフトするためのシフト代に対応する。つまり、ブレ補正処理(図6)を行う場合のCPU101は、液晶パネル62上において光像をシフトさせるため、有効画素領域200Pの範囲内で画素領域201をシフトする。上述したステップS22で算出する投射光軸の変化量は、画素領域201のシフト量に対応する。
【0043】
図10は、ブレ補正処理(図6)後の液晶パネル62の有効画素領域200P(横800画素×縦600画素)と、画素領域201Pとを説明する図である。図10において、点Oは投射光軸に対応する位置を表し、点Oはブレ補正処理(図6)後の画素領域201Pの中央位置を表す。図10の場合、投射光軸(すなわち、対応する点O)の左下方への変化量Δhをキャンセルするように、画素領域201Pが右上方へΔhシフトされる。これにより、スクリーン210上における投影像201の投影位置は、投射光軸が変化する前とほぼ同位置に制御される。
【0044】
一般に、図10に例示したように液晶パネル62上において光像をシフトさせるだけでは、その投影像が台形状に歪む。具体的には、投射光軸(すなわち、対応する点O)が下方へ変化した場合、投影像の上辺側の横方向の長さが下辺側の長さより短くなる。反対に、投射光軸(すなわち、対応する点O)が上方へ変化した場合、投影像の下辺側の横方向の長さが上辺側の長さより短くなる。
【0045】
そこでCPU101は、図6のステップS42において、ブレ検出処理(図5)によって算出されている投射光軸の変化量に応じて、画像の歪みを補正するための補正情報を不揮発性メモリ101aから読み出し、読み出した補正情報に基づいて投影像のデータに対するキーストン補正処理をメモリ102上で施してステップS41へ戻る。図10において画素領域201の上辺側の横方向の長さが下辺側より長いのは、キーストン補正を行ったためである。
【0046】
(固定判定処理)
固定判定処理の詳細について、図7に例示するフローチャートを参照して説明する。図7のステップS31において、CPU101は、ブレ検出処理(図5)によって算出されている投射光軸の変化量が所定値以上か否かを判定する。CPU101は、上記変化量が所定値以上の場合にステップS31を肯定判定してステップS34へ進み、「非固定判定」を行う。CPU101は、上記変化量が所定値未満の場合にはステップS31を否定判定してステップS32へ進み、「固定判定」を行う。
【0047】
ステップS33において、CPU101は、所定時間(たとえば2秒)待機してステップS31へ戻る。
【0048】
非固定時用の画像サイズを設定した場合のCPU101は、投影用の画像データを縮小処理して投射制御回路64へ送る。すなわち、元の画像データのサイズが横800画素×縦600画素構成である場合に、横640画素×縦480画素構成の画像データにリサイズ処理してから投射制御回路64へ送る。
【0049】
以上説明した第一の実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)固定判定した場合はブレ補正を行わないので、ブレ補正する場合に比べてCPU101の負担を軽減できる。
【0050】
(2)固定判定した場合は、ライトバルブとして用いる液晶パネル62の有効画素領域の全域を使用することによって、プロジェクタモジュール60による最大投影領域で再生画像を投影するので、大きな投影像が得られる。
【0051】
(3)非固定判定した場合はブレ補正を行うので、電子カメラ10の揺動で投影像が動くことによって観察者が抱く不快感を軽減できる。
【0052】
(4)非固定判定した場合は、液晶パネル62の有効画素領域から周囲の所定領域を除外して使用するようにした。これにより、手ブレによる影響を抑制するために液晶パネル62上において光像をシフトするためのシフト代を確保できる。
【0053】
(5)ブレ検出処理(図5)によって算出されている投射光軸の変化量に応じて、投影像のデータに対するキーストン補正処理を行うようにした。これにより、液晶パネル62上において光像をシフトさせることによって投影像が台形状に歪む場合でも、スクリーン上で方形状の投影像が得られるように補正できる。
【0054】
(6)カメラモジュール70側の防振レンズの駆動量を演算するために用いる振れセンサ111からの検出信号を用いて、プロジェクタモジュール60側で必要な光学像のシフト量を演算した。振れセンサを兼用することにより、振れセンサを二組備える場合に比べてコストを低減できる。
【0055】
(変形例1)
スイッチ設定に応じてステップ11の判定をしてもよい。たとえば、ブレ補正スイッチの設定がブレ補正オフ側である場合にCPU101がステップS11を肯定判定する。反対に、ブレ補正スイッチの設定がブレ補正オン側である場合にステップS11を否定判定する。スイッチ設定の代わりに、メニュー画面を用いたメニュー設定を行うものでもよい。
【0056】
(変形例2)
電子カメラ10の底部に配設されている三脚固定穴にマイクロスイッチ等の検出部材を設け、該検出部材からの検出信号に応じてステップS11の判定を行ってもよい。たとえば、三脚への固定を示す検出信号に応じてステップS11を肯定判定する。反対に、三脚への固定を示す検出信号が入力されない場合にはステップS11を否定判定する。
【0057】
(変形例3)
キーストン補正量の決定を、カメラモジュール70で取得された投影像の形状に応じて決定してもよい。この場合のカメラモジュール70は、スクリーン210上の投影範囲201を含む被写体像を撮像する。CPU101は、カメラモジュール70で取得された画像に含まれる投影範囲201の上辺と下辺との長さの比を略1:1にするように、キーストン補正量を決定する。
【0058】
(変形例4)
液晶パネル62上において光像をシフトさせるシフト量、シフト方向を、カメラモジュール70で取得された投影像の位置に応じて決定してもよい。この場合のカメラモジュール70は、スクリーン210上の投影範囲201を含む被写体像を撮像する。CPU101は、カメラモジュール70で取得された画像に含まれる投影範囲201が上方へ変化した場合、その変化量に応じたシフト量を決定し、シフト方向を上方に決定する。反対に、カメラモジュール70で取得された画像に含まれる投影範囲201が下方へ変化した場合、その変化量に応じたシフト量を決定し、シフト方向を下方に決定する。
【0059】
(変形例5)
上記の説明では、非固定判定した場合に、元の画像データのサイズ(横800画素×縦600画素構成)から、横640画素×縦480画素構成の画像データにリサイズ処理をした。CPU101の処理負担が重い場合には、投影するフレームレートを下げてもよい。たとえば、通常の投影時のフレームレートが60フレーム/毎秒である場合に、固定時用の画像サイズを設定した場合のフレームレートを30フレーム/毎秒にする。これにより、CPU101の処理負担を軽減できる。
【0060】
(変形例6)
非固定時用の画像サイズを設定した場合に、リサイズ処理の代わりに必要な画像サイズのデータを切り出すようにしてもよい。たとえば、元の画像データのサイズ(横800画素×縦600画素構成)から、画面中央の横640画素×縦480画素構成の画像データを抽出して切り出す。画像を縮小するリサイズ処理に比べて、CPU101の処理負担を軽減できる。
【0061】
(第二の実施形態)
図11は、本発明の第二の実施形態によるCPU101が行う投影処理の流れを説明するフローチャートである。CPU101は、図4のフローチャートに代えて図11の処理を行うプログラムを起動する。図11において、図4の場合と同様の処理には同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0062】
CPU101は、図11の処理を実行中に、図5に例示するブレ検出処理、および図12に例示するブレ安定度判定処理を並列して行うように構成されている。図11のステップS12Bにおいて、CPU101は、後述するブレ安定度判定処理(図12)によって判定されている投射光軸の安定度に応じて、投影する画像サイズを設定してステップS13へ進む。
【0063】
図13は、投射光軸の安定度(ブレ安定度)と画像サイズとの関係を例示する図である。図13において、横軸はブレ安定度を表し、縦軸は画像サイズを表す。CPU101は、ブレ安定度が第1判定閾値S1より高い場合は、画像サイズとして横800画素×縦600画素を設定する。これは、第一の実施形態における固定時用の画像サイズと同じであり、プロジェクタモジュール60による最大投影領域で再生画像を投影する画像サイズである。
【0064】
CPU101は、ブレ安定度が第1判定閾値S1より低く、かつ第2判定閾値(第2判定閾値<第1判定閾値)より高い場合は、画像サイズとして横640画素×縦480画素を設定する。これは、第二の実施形態における非固定時用の画像サイズと同じであり、図9に例示した画像サイズである。
【0065】
CPU101は、ブレ安定度が第2判定閾値より低い場合は、画像サイズとして横400画素×縦300画素を設定する。図14は、液晶パネル62の有効画素領域200P(横800画素×縦600画素)と、画像サイズとして横400画素×縦300画素を設定した場合に使用する画素領域201Pとを説明する図である。図14において、点Oは投射光軸に対応する位置を表す。ブレ補正処理(図6)を行う前の点Oは、画素領域201Pの中央と合致する。画素領域201Pの外側の暗い部分は、手ブレによる影響を抑制するために、液晶パネル62上において光像をシフトするためのシフト代に対応する。
【0066】
図15は、図14に例示した画像サイズを設定した場合のブレ補正処理(図6)後の液晶パネル62の有効画素領域200P(横800画素×縦600画素)と、画素領域201Pとを説明する図である。図15において、点Oは投射光軸に対応する位置を表し、点Oはブレ補正処理(図6)後の画素領域201Pの中央位置を表す。図15の場合、投射光軸(すなわち、対応する点O)の右上方への変化量Δhをキャンセルするように、画素領域201Pが左下方へΔhシフトされる。これにより、スクリーン210上における投影像201の投影位置は、投射光軸が変化する前とほぼ同位置に制御される。
【0067】
なお、投影像のデータに対するキーストン補正処理を行う点は第一の実施形態と同様である。図15において画素領域201の上辺側の横方向の長さが下辺側より長いのは、キーストン補正を行ったためである。
【0068】
(ブレ安定度判定処理)
ブレ安定度判定処理の詳細について、図12に例示するフローチャートを参照して説明する。図12のステップS51において、CPU101は、ブレ検出処理(図5)によって算出されている投射光軸の変化量に基づいて、ブレ安定度を算出してステップS52へ進む。具体的には、直近に算出された所定数の変化量の平均値を算出する。
【0069】
ステップS52において、CPU101は、所定時間(たとえば1秒)待機してステップS51へ戻る。ブレ安定度判定処理では、突発的な投射光軸の変化を除外した変化量の平均を算出する。CPU101は、この算出結果をブレ安定度として扱う。
【0070】
なお、画像サイズとして横800画素×縦600画素以外の他の画像サイズを設定した場合のCPU101は、投影用の画像データを縮小処理して投射制御回路64へ送る。すなわち、元の画像データのサイズが横800画素×縦600画素構成である場合に、必要な画素構成の画像データにリサイズ処理してから投射制御回路64へ送る。
【0071】
以上説明した第二の実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ブレ安定度が判定閾値S1より高いと判定した場合は、液晶パネル62の有効画素領域の全域(画像サイズとして横800×縦600画素)を使用することによってプロジェクタモジュール60による最大投影領域で再生画像を投影するので、大きな投影像が得られる。
【0072】
(2)ブレ安定度が判定閾値S1より低く、かつ判定閾値S2より高いと判定した場合は、画像サイズとして横640画素×縦480画素を設定し、ブレ補正を行うようにした。これにより、電子カメラ10の揺動で投影像が動くことによって観察者が抱く不快感を軽減できる。
【0073】
(3)ブレ安定度が判定閾値S2より低いと判定した場合は、画像サイズとして横400画素×縦300画素を設定し、ブレ補正を行うようにした。これにより、手ブレによる影響を抑制するために液晶パネル62上において光像を大きくシフトできるようにシフト代を確保できる。
【0074】
(4)シフト代を多く確保する場合は、画像サイズを抑えるので投影像が小さくなる。本実施形態では、ブレ安定度に応じて画像サイズを段階的に切り替えるように構成したので、ブレ補正時のシフト代が不足したり、シフト代が多すぎて投影像が小さくなったりすることを防止し、適切な投影を行うことができる。
【0075】
(5)ブレ安定度の算出は、突発的な投射光軸の変化(電子カメラ10の急な振れ)を除外するようにしたので、電子カメラ10が振れた場合に直ちに画像サイズが変化することがない。これにより、投影像の大きさが頻繁に変わることによって観察者が不快感を抱くことを防止できる。
【0076】
(6)ブレ検出処理(図5)によって算出されている投射光軸の変化量に応じて、投影像のデータに対するキーストン補正処理を行うようにした。これにより、液晶パネル62上において光像をシフトさせることによって投影像が台形状に歪む場合でも、スクリーン上で方形状の投影像が得られるように補正できる。
【0077】
なお、第二の実施形態において、ブレ安定度を求めないで、振れセンサ111の検出信号、または、所定時間内の検出信号の平均値や積分値に応じて、画像サイズを変化させてもよい。
【0078】
(変形例7)
上述した説明では、ブレ安定度に応じて画像サイズを段階的に切り替える例を説明したが、ブレ安定度に応じて画像サイズを細かいステップで切り替えるように構成してもよい。図16は、投射光軸の安定度(ブレ安定度)と画像サイズとの関係を例示する図である。図16において、横軸はブレ安定度を表し、縦軸は画像サイズを表す。CPU101は、ブレ安定度が第1判定閾値S1より高い場合は、画像サイズとして横800画素×縦600画素を設定する。これは、プロジェクタモジュール60による最大投影領域で再生画像を投影する画像サイズである。
【0079】
CPU101は、ブレ安定度が第1判定閾値S1より低く、かつ第3判定閾値(第3判定閾値<第1判定閾値)より高い場合は、ブレ安定度に応じた画像サイズを設定する。すなわち、ブレ安定度が高いほど画像サイズを大きくし、ブレ安定度が小さいほど画像サイズを小さくする。画像サイズの変化ステップを小さくしてなだらかに変化させることにより、判定閾値を境に画像サイズが大きく変化することによって観察者が不快感を抱くことを軽減できる。
【0080】
CPU101は、ブレ安定度が第3判定閾値より低い場合は、画像サイズとして横400画素×縦300画素を設定する。これは、図14に例示した画像サイズである。
【0081】
(変形例8)
ブレ安定度の算出例として、ブレ検出処理(図5)によって直近に算出された所定数の変化量の平均値を算出するようにした。この代わりに、算出される変化量が所定値未満の状態が所定時間以上継続した場合に、ブレ安定度が第1判定閾値S1より高いという判定をしてもよい。
【0082】
(変形例9)
ライトバルブとして用いる液晶パネル62について、透過型液晶パネルを例に説明したが、反射型液晶パネルを用いて構成してもよい。
【0083】
(変形例10)
ライトバルブとして液晶パネルを用いる代わりに、画素に対応して複数の微小ミラーを有する光学素子を用いる場合にも本発明を適用できる。また、微小ミラーをMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて走査することによって光像を生成する走査型のミラー装置を用いる場合にも本発明を適用できる。
【0084】
(変形例11)
以上の説明では、カメラモジュール70およびプロジェクタモジュール60を備える電子カメラ10を例に説明したが、カメラモジュール70を有していないプロジェクタにも本発明を適用してよい。
【0085】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第一の実施形態によるプロジェクタ付き電子カメラの前面を含む斜視図である。
【図2】図1の電子カメラの後面を含む斜視図である。
【図3】電子カメラの回路構成を説明するブロック図である。
【図4】CPUが実行する投影処理の流れを説明するフローチャートである。
【図5】ブレ検出処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】ブレ補正処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】固定判定処理の流れを説明するフローチャートである。
【図8】電子カメラによる投影場面を例示する図である。
【図9】液晶パネルの有効画素領域と、使用する画素領域とを説明する図である。
【図10】ブレ補正処理後の液晶パネルの有効画素領域と、使用する画素領域とを説明する図である。
【図11】第二の実施形態によるCPUが実行する投影処理の流れを説明するフローチャートである。
【図12】ブレ安定度判定処理の流れを説明するフローチャートである。
【図13】ブレ安定度と画像サイズとの関係を例示する図である。
【図14】液晶パネルの有効画素領域と、使用する画素領域とを説明する図である。
【図15】ブレ補正処理後の液晶パネルの有効画素領域と、使用する画素領域とを説明する図である。
【図16】ブレ安定度と画像サイズとの関係を例示する図である。
【符号の説明】
【0087】
10…プロジェクタ付き電子カメラ
60…プロジェクタモジュール
62…液晶パネル
70…カメラモジュール
101…CPU
111…振れセンサ
108…液晶モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影する像を生成するライトバルブと、
振れ検出手段と、
前記振れ検出手段からの検出信号に基づいて、前記ライトバルブに生成する像の位置を移動させる投影位置制御手段と、
前記振れ検出手段からの検出信号に応じて生成する像のサイズを異ならせる投影サイズ制御手段とを備えることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記振れ検出手段からの検出信号に基づいて、プロジェクタ本体の振れ安定度を演算する演算手段を備え、
前記投影サイズ制御手段は、前記演算手段で演算された振れ安定度に応じて生成する像のサイズを異ならせることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記投影サイズ制御手段は、前記振れ安定度が高いほど生成する像のサイズを大きくし、前記振れ安定度が低いほど生成する像のサイズを小さくすることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項4】
請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記投影サイズ制御手段は、前記振れ安定度が第1判定閾値より高い場合に生成する像のサイズを最大にすることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項5】
請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
前記振れ安定度が前記第1判定閾値より低い場合、前記投影サイズ制御手段は、生成する像のサイズを最大サイズより小さく縮小するとともに、前記投影位置制御手段は、前記ライトバルブに生成する像の位置の移動を行うことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項6】
請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
前記投影サイズ制御手段は、前記振れ安定度が第1判定閾値より低い第2判定閾値より低い場合に生成する像のサイズを最小にすることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項7】
請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記投影サイズ制御手段は、前記演算手段で演算された振れ安定度に応じて生成する像のサイズを段階的に異ならせることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項8】
投影する像を生成するライトバルブと、
振れ検出手段と、
前記振れ検出手段からの検出信号に基づいて、前記ライトバルブに生成する像の位置を移動させる投影位置制御手段と、
プロジェクタ本体が静止しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で静止が判定された場合に生成する像のサイズを、前記静止が判定されない場合に生成する像のサイズより大きくする投影サイズ制御手段とを備えることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項9】
請求項8に記載のプロジェクタにおいて、
前記投影サイズ制御手段は、前記判定手段で静止が判定された場合に生成する像のサイズを最大にすることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項10】
請求項8に記載のプロジェクタにおいて、
操作部材をさらに備え、
前記投影サイズ制御手段は、前記操作部材からの操作信号に応じて、生成する像のサイズを最大にする、または前記最大サイズより小さく縮小することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項11】
請求項8に記載のプロジェクタにおいて、
前記判定手段は、前記振れ検出手段からの検出信号に基づいて、プロジェクタ本体が静止しているか否かを判定することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項12】
請求項8に記載のプロジェクタにおいて、
三脚穴と、
前記三脚穴への固定を検出する検出部材とをさらに備え、
前記判定手段は、前記検出部材からの検出信号に基づいて、プロジェクタ本体が静止しているか否かを判定することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項13】
請求項8に記載のプロジェクタにおいて、
前記投影サイズ制御手段はさらに、前記静止が判定されていない場合に前記ライトバルブに生成する像の位置を移動させることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項14】
請求項8に記載のプロジェクタにおいて、
前記静止が判定されていない場合に像を投影するフレームレートを、前記静止が判定された場合に像を投影するフレームレートより低くする制御手段を備えることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載のプロジェクタを搭載することを特徴とするカメラ。
【請求項16】
請求項15に記載のカメラにおいて、
撮像する被写体像ぶれを低減するための防振手段を備え、
前記振れ検出手段は、前記防振手段に含まれる振れ検出手段を兼ねることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−186646(P2009−186646A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24953(P2008−24953)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】