説明

プロジェクタ、プロジェクションシステムおよび光変調素子の位置調整方法

【課題】プロジェクタが元々有する構成要素に特別な加工を施すことなく光変調素子の位置ずれの検出が可能で、かつ、投射光を遮ることのない位置に位置ずれ検出のための検出部を設置可能とする。
【解決手段】合成光学系114から射出される合成画像光の偏光成分のうち投射に不要な不要偏光成分を分離する偏光分離手段115と、分離された不要偏光成分に対応する画像データを出力するイメージセンサ130と、異なる色成分に対応した複数の光変調素子の位置を各光変調素子ごとに調整可能な位置調整機構140R,140G,140Bと、イメージセンサ130から出力される画像データに基づき各光変調素子の位置ずれ方向および位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部151、算出された位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて位置調整機構140R,140G,140Bを制御する位置調整機構制御部152を有する光変調素子の位置調整制御装置150とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の色成分に対応した複数の光変調素子の位置調整を可能とするプロジェクタ、プロジェクションシステムおよび光変調素子の位置調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プロジェクタは、高解像度化、高輝度化される傾向にある。このようなプロジェクタにおいて、高解像度化するためには光変調素子(液晶パネルとする)の画素ピッチを狭くする必要がある。そのため、複数の色成分(RGBの3つの色成分とする)に対応した3枚の液晶パネルを用いたいわゆる3板式の液晶プロジェクタにおいては、各液晶パネルの画素を合わせるためには、各液晶パネルの位置調整をきわめて高精度に行う必要がある。さらに、高輝度化により光学系からの発熱が大きくなるため、各液晶パネルの位置調整が高精度になされていたとしても、温度変化によって各液晶パネルの位置がずれてしまう問題がある。
【0003】
そこで、複数の液晶パネルを用いたプロジェクタにおいて、複数の液晶パネルの位置ずれを補正するための位置調整技術は従来から種々提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
特許文献1に開示された技術(第1従来技術という)は、スクリーン上の投射画像を撮像装置で撮像して、その撮像画像データに基づいて、各液晶パネルの位置ずれ方向および位置ずれ量を検出し、圧電素子などの電気微動手段によって、液晶パネルの位置調整を行うことで、液晶パネルの位置ずれを補正するというものである。
【0005】
しかしながら、第1従来技術では、画像の投射中に各液晶パネルの位置ずれが生じた場合に、それをリアルタイムに調整することは検討されていない。これは、位置調整用のテスト画像ではない一般的な画像を撮像して得られた撮像データから各液晶パネルの位置ずれを検出することは困難であるためである。
一方、特許文献2に開示された技術(第2従来技術という)は、画像の投射中においてもリアルタイムに各液晶パネルの位置調整を可能としている。
【0006】
【特許文献1】特開平8−262565号公報
【特許文献2】特開平9−146062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
第2従来技術は、各液晶パネルにおける画像形成領域(有効画素領域)の外側の4隅に、光を透過可能な孔(検出用孔という)を4箇所設けるとともに、各検出用孔を透過した光を検出する光検出手段を投射レンズの直前に設け、各検出用孔を透過した光(プロジェクタの光源からの光)を光検出手段で検出し、その検出結果に基づいて、圧電素子などの電気微動手段により各液晶パネルの位置を微調整するというものである。なお、4箇所の各検出用孔に対応して設けられた各光検出手段は、それぞれ複数のフォトダイオードを有し、これら複数のフォトダイオードの出力の大きさから各液晶パネルの位置ずれ方向および位置ずれ量を求め、求められた位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて微調整を行う。
【0008】
このように、第2従来技術によれば、投射画像とは異なる光(プロジェクタの光源から
の光)を用いて各液晶パネルの位置ずれを検出しているので、画像の投射中においてもリアルタイムに各液晶パネルの位置調整が可能となる。
【0009】
しかしながら、第2従来技術においては、従来の液晶パネルには本来存在しない孔を検出用孔としてわざわざ設ける必要があるため、液晶パネルの製造時に余計な工程を追加しなければならず、結果として、生産コストの増加や歩留まり率の低下を招きかねない。また、光検出手段は、投射レンズの直前に設けるような構造であるため、光検出手段が投射光の光路に沿って存在することとなり、光検出手段が投射画像の一部を遮ってしまう可能性もあり得る。
【0010】
そこで本発明は、プロジェクタが元々有する構成要素に特別な加工を施すことなくリアルタイムな位置ずれ量の検出が可能で、かつ、投射光を遮ることのない位置に位置ずれ検出のための検出手段を設置することができるプロジェクタ、プロジェクションシステムおよび光変調素子の位置調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のプロジェクタは、それぞれ異なる色成分に対応した複数の光変調素子と、前記複数の光変調素子の各光変調素子から射出される各画像光を合成して合成画像光を射出する合成光学系と、前記合成画像光を投射面に投射する投射光学系とを有するプロジェクタであって、前記合成光学系から射出される合成画像光の偏光成分のうち投射に不要な不要偏光成分を分離する偏光分離手段と、前記分離された不要偏光成分を受光し、前記受光した不要偏光成分に対応する画像データを出力するイメージセンサと、前記各光変調素子の位置を各光変調素子ごとに調整可能な位置調整機構と、前記イメージセンサから出力される画像データに基づいて前記各光変調素子の位置ずれ方向および位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部、前記位置ずれ算出部により算出された位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて前記位置調整機構を制御する位置調整機構制御部を有する光変調素子の位置調整制御装置とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明のプロジェクタによれば、光変調素子に位置検出用の孔を設けるなどプロジェクタが元々有する光学的構成要素そのものに特別な加工を施す必要がなく、プロジェクタが元々有する光学的構成要素を最大限利用して光変調素子の位置調整機構を組み込むことができる。
【0013】
また、位置調整機構を制御する光変調素子の位置調整制御装置も、プロジェクタが元々有する画像処理装置に位置調整に必要な演算機能を追加するだけで実現することができる。また、イメージセンサは、偏光分離手段によって分離された不要偏光成分を検出するものであるため、投射画像の光路から外れた位置に設置することができる。これにより、位置ずれ検出のための検出部としてのイメージセンサが投射画像を遮ってしまうといった不具合を確実に防止することができる。
【0014】
また、本発明においては、合成光学系から射出される合成画像光の不要偏光成分を分離し、分離した不要偏光成分をイメージセンサで受光するような構成としている。このため、偏光分離手段およびイメージセンサはそれぞれ1つずつ設ければよいので、プロジェクタの光学系を簡素化することができる。
【0015】
本発明のプロジェクタにおいて、前記偏光分離手段は、前記合成光学系と前記投射光学系との間に設けられることが好ましい。
このように、偏光分離手段を合成光学系と前記投射光学系との間に設けることにより、合成光学系から射出される合成画像光の偏光成分のうち投射に不要な不要偏光成分を分離させることができる。
【0016】
本発明のプロジェクタにおいて、前記偏光分離手段は、前記合成画像光の光軸に直交する方向に前記不要偏光成分を分離することが好ましい。
このような偏光分離手段を用いることによって、投射画像の光路から外れた位置にイメージセンサを設置することができ、イメージセンサが投射のための画像光の一部を遮ってしまうといった不具合を防止することができる。なお、偏光分離手段としては、偏光ビームスプリッタなどを例示することができる。
【0017】
本発明のプロジェクタにおいては、前記イメージセンサの受光面側には、前記不要偏光成分に含まれる前記複数の色成分を各色成分に分離可能な色成分分離手段が設けられることが好ましい。
このような色成分分離手段をイメージセンサの受光面側に設けることによって、イメージセンサでは、合成画像光から分離された不要偏光成分から各色成分に対応した画像光を受光することができ、それによって、各色成分に対応した画像データを出力することができる。
【0018】
本発明のプロジェクタにおいて、前記位置ずれ算出部は、前記位置ずれ方向および位置ずれ量を各光変調素子の相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量として算出し、前記位置調整機構制御部は、前記算出された相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量を補正するように前記位置調整機構を制御することが好ましい。
【0019】
このように、各光変調素子の位置ずれ方向および位置ずれ量を、各光変調素子の相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量として算出し、算出された相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量を補正するように前記位置調整機構を制御すればよいので、プロジェクタの製造段階における調整工程などで、各光変調素子の位置調整などを高精度に行う必要がなくなり、生産性の向上に寄与できる。
【0020】
本発明のプロジェクタにおいて、前記位置ずれ算出部は、前記イメージセンサから出力される画像データのうち、前記各光変調素子の画像形成領域の外側に存在する非画像形成領域に対応する画像データから前記非画像形成領域のエッジ位置を検出し、検出されたエッジ位置に基づいて前記位置ずれ方向および位置ずれ量を算出することが好ましい。
【0021】
このように、非画像形成領域のエッジ位置に基づいて位置ずれ方向および位置ずれ量を算出することにより、各光変調素子の位置ずれ方向および位置ずれ量を高精度に算出することができる。
【0022】
また、非画像形成領域に対応する画像データを用いて位置ずれ方向および位置ずれ量を算出することにより、画像の投射中においても投射画像に影響与えることなく各光変調素子の位置ずれ方向および位置ずれ量を検出することができ、検出された位置ずれ方向および位置ずれ量に対する位置ずれ補正を行うことができる。したがって、位置ずれ補正のためのテスト画像などを投射する必要がなくなり、画像の投射中に光変調素子の位置ずれが生じた場合であっても、リアルタイムに補正することができる。
【0023】
本発明のプロジェクタにおいて、前記イメージセンサは、前記非画像形成領域の全体を含む領域の不要偏光成分を受光可能となるように光検出素子が配置されていることが好ましい。
これにより、非画像形成領域全体に対応する画像データを得ることができ、このような画像データを用いて非画像形成領域のエッジ位置を算出することにより、非画像形成領域のエッジ位置をより高精度に算出することができる。
【0024】
本発明のプロジェクタにおいて、前記イメージセンサは、前記非画像形成領域の特定部分の不要偏光成分を受光可能となるように光検出素子が配置されていることもまた好ましい。
【0025】
イメージセンサをこのような構成とすることによっても、非画像形成領域のエッジ位置を適切に検出することは可能である。また、イメージセンサをこのような構成とすることにより、光検出素子の数量を大幅に削減することできるので、イメージセンサを安価なものとすることができる。また、出力される画像データのデータ量も削減されるので、非画像形成領域のエッジ位置の検出に必要な演算量の削減も可能となる。なお、非画像形成領域のうちの特定部分としては、例えば、非画像形成領域の「かど部」を含むその周辺の領域とすることが好ましい。
【0026】
本発明のプロジェクタにおいて、前記位置調整機構は、前記各光変調素子から出力される画像光の光軸に直交する平面上において縦方向および横方向へ当該光変調素子の移動を可能とするとともに前記平面上において前記画像光の光軸を中心に時計方向および反時計方向へ当該光変調素子の回転を可能とする機構を有することが好ましい。
【0027】
位置調整機構がこのような機構を有することにより、各光変調素子を光軸に直交する平面上において縦方向および横方向に所定量だけ移動させることができるとともに、当該平面上において画像光の光軸を中心に時計計方向および反時計方向に所定角度だけ回転させることができる。これにより、位置ずれ算出部で算出された位置ずれ方向および位置すれ量に基づいて各光変調素子の位置ずれを適切に補正することができる。
【0028】
本発明のプロジェクションシステムは、それぞれ異なる色成分に対応した複数の光変調素子と、前記複数の光変調素子の各光変調素子から射出される各画像光を合成して合成画像光を射出する合成光学系と、前記合成画像光を投射面に投射する投射光学系とを有するプロジェクタと、前記各光変調素子の位置調整制御を行う光変調素子の位置調整制御装置とを有するプロジェクションシステムであって、前記プロジェクタは、前記合成光学系から射出される合成画像光の偏光成分のうち投射に不要な不要偏光成分を分離する偏光分離手段と、前記分離された不要偏光成分を受光し、前記受光した不要偏光成分に対応する画像データを出力するイメージセンサと、前記各光変調素子の位置を各光変調素子ごとに調整可能な位置調整機構とを有し、前記光変調素子の位置調整制御装置は、前記イメージセンサから出力される画像データに基づいて前記各光変調素子の位置ずれ方向および位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部と、前記位置ずれ算出部により算出された位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて前記位置調整機構を制御する位置調整機構制御部とを有することを特徴する。
【0029】
これは、光変調素子の位置調整制御装置をプロジェクタとは別に設けた場合であり、光変調素子の位置調整制御装置が有する機能をパーソナルコンピュータなどの情報処理装置に組み込んだ場合などを例示することができる。このように、プロジェクタと光変調素子の位置調整制御装置とによってプロジェクションシステムを構成した場合であっても、本発明のプロジェクタと同様の効果を得ることができる。なお、本発明のプロジェクションシステムにおいても、前記本発明のプロジェクタが有するそれぞれの特徴を有することが好ましい。
【0030】
本発明の光変調素子の位置調整方法は、それぞれ異なる色成分に対応した複数の光変調素子と、前記複数の光変調素子の各光変調素子から射出される各画像光を合成して合成画像光を射出する合成光学系と、前記合成画像光を投射面に投射する投射光学系と、前記合成光学系から射出される合成画像光の偏光成分のうち投射に不要な不要偏光成分を分離する偏光分離手段と、前記分離された不要偏光成分を検出し、前記検出された不要偏光成分
に対応する画像データを出力するイメージセンサと、前記各光変調素子の位置を各光変調素子ごとに調整可能な光変調素子の位置調整機構とを有するプロジェクタにおいて前記各光変調素子の位置調整を行う光変調素子の位置調整方法であって、前記イメージセンサから出力される画像データに基づいて前記各光変調素子の位置ずれ方向および位置ずれ量を算出するステップと、前記位置ずれ算出部により算出された位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて前記位置調整機構を制御するステップとを有することを特徴とする。
【0031】
このような位置調整方法によって各光変調素子の位置調整を行うことにより、各光変調素子の位置調整を適切かつ高精度に行うことができる。なお、本発明の光変調素子の位置調整方法においても、前記本発明のプロジェクタが有するそれぞれの特徴を有することが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0033】
[実施形態1]
図1は実施形態1に係るプロジェクタの構成を示す図である。実施形態1に係るプロジェクタ(プロジェクタPJ1とする)は、図1に示すように、光源101、インテグレータレンズ102、偏光変換素子103、レンズ104〜106、第1ダイクロイックミラー107、第2ダイクロイックミラー108、反射ミラー109〜111、一方の偏光方向(P偏光またはS偏光)の光を透過させて他方の偏光方向(S偏光又はP偏光)の光を吸収する偏光板112R,112G,112B、偏光方向をP偏光からS偏光またはS偏光からP偏光に変換する1/2λ板113R,113B,113G、合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム114、投射光学系としての投射レンズ116、クロスダイクロイックプリズム114と投射レンズ116との間に設けられた偏光分離手段としての偏光ビームスプリッタ(PBSという)115、PBS115とクロスダイクロイックプリズム114との間に設けられた1/2λ板118、PBS115で反射される不要偏光成分の光を受光するように設けられたイメージセンサ130、イメージセンサ130の受光面側に設けられた色成分分離手段としてのカラーフィルタ160、PBS115とイメージセンサ130との間に設けられたレンズ119、R(赤),G(緑),B(青)の各色成分に対応する光変調素子としての液晶パネル120R,120G,120B、各液晶パネル120R,120G,120Bの位置を微調整可能な位置調整機構140R,140G,140B、イメージセンサ130から出力される画像データに基づいて各液晶パネル120R,120G,120Bの位置調整制御を行う光変調素子の位置調整制御装置150を有している。
【0034】
なお、本発明の各実施形態の説明で用いる各図において、各偏光板に付された「(//P)」は、P偏光の光を透過させてS偏光の光を吸収することを意味し、「(//S)」は、S偏光の光を透過させてP偏光の光を吸収することを意味するものであるとする。
【0035】
光変調素子の位置調整制御装置150は、イメージセンサ130から出力される画像データに基づいて各液晶パネル120R,120G,120Bの相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部151、位置ずれ算出部で算出された相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて位置調整機構140R,140G,140Bを制御する位置調整機構制御部152、位置ずれ算出部151で算出された相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量など各種データを記憶する記憶部153などを有している。また、イメージセンサ130の動作および位置調整機構140R,140G,140Bの構造、さらには、位置ずれ算出部151、位置調整機構制御部152の具体的な動作などについては後述する。
【0036】
このような構成において、光源101から出た光は、インテグレータレンズ102により輝度分布がほぼ均等にされたのち、偏光変換素子103により偏光方向が合わせられ、所定の偏光方向(S偏光とする)の光が射出される。その後、第1ダイクロイックミラー107によりR色成分の光(R色光という)とG色成分の光(G色光という)およびB色成分の光(B色光という)とに分離される。
【0037】
そして、第1ダイクロイックミラー107で分離されたR色光は、反射ミラー109によって反射され、1/2λ板113R、偏光板112Rを透過して、液晶パネル120Rに入射される。液晶パネル120Rに入射されたR色光は、画像データに基づいて変調されて画像光(R画像光という)として出力されたのち、クロスダイクロイックプリズム114に入射される。
【0038】
また、第1ダイクロイックミラー107で分離されたG色光およびB色光は、第2ダイクロイックミラー108でG色光とB色光とに分離される。そして、第2ダイクロイックミラー108で分離されたG色光は、1/2λ板113G、偏光板112Gを透過して、液晶パネル120Gに入射される。液晶パネル120Gに入射されたG色光は、画像データに基づいて変調されて画像光(G画像光という)として出力されたのち、クロスダイクロイックプリズム114に入射される。
【0039】
また、第2ダイクロイックミラー108で分離されたB色光は、リレー光学系を構成するレンズ105、反射ミラー110、レンズ106を経て、反射ミラー111によって反射される。液晶パネル120Bに入射されたB色光は、1/2λ板113B、偏光板112Bを透過して、液晶パネル120Bに入射され、画像データに基づいて変調されて画像光(B画像光という)として出力されたのち、クロスダイクロイックプリズム114に入射される。
【0040】
このようにして、クロスダイクロイックプリズム114に入射されたRGBの各画像光は、クロスダイクロイックプリズム114によって合成され、合成画像光として射出され、投射レンズ116により投射面(図示せず)に投射される。
【0041】
ところで、クロスダイクロイックプリズム114は、例えば、画質を優先させるといった目的でRGBの各画像光をそれぞれ同じ偏光(S偏光とする)で入射するように設計されたものを使用することがある。RGBの各画像光の偏光方向をS偏光に合わせるために、RGBの各色光の光路上には、それぞれ1/2λ板113R,113G,113B、偏光板112R,112G,112Bが設置されている。このような構成とすることによって、図1においては、クロスダイクロイックプリズム114には、RGBの各画像光が同じ偏光方向で入射される。
【0042】
なお、クロスダイクロイックプリズムに対して、RGBの各画像光が同じ偏光で入射されるR光学系を有する従来の一般的なプロジェクタにおいては、RGBの各液晶パネル120R,120G,120Bの射出側に設けられた偏光板によって、RGBの各画像光が同じ偏光方向(例えばS偏光)でクロスダイクロイックプリズムに入射させるようにしているのが一般的である(図2参照)。
【0043】
図2はRGBの各画像光が同じ偏光でクロスダイクロイックプリズムに入射させるようにしたプロジェクタの光学系の構成例を示す図である。図2に示すプロジェクタ(プロジェクタPJ1’とする)は、液晶パネル120R,120G,120Bのそれぞれの射出側にはS偏光を透過させてP偏光を吸収する偏光板117R,117G,117Bが設けられている。なお、図2において図1と同一構成要素には同一符号が付されている。
【0044】
図2に示すプロジェクタPJ1’は、RGBの各画像光の光路においては、液晶パネル120R,120G,120Bの射出側に設けられた偏光板117R,117G,117BによってP偏光の光が不要偏光成分として吸収され、クロスダイクロイックプリズム114にはS偏光のRGBの各画像光が入射される。
【0045】
これに対して、本発明の実施形態1に係るプロジェクタPJ1では、図2に示すプロジェクタPJ1’に設けられている偏光板117R,117G,117Bを除去し、クロスダイクロイックプリズム114と投射レンズ116との間にPBS115を設けた構成としている(図1参照)。このような構成とすることで、本来、各液晶パネル120R,120G,120Bの射出側に設けられた偏光板117R,117G,117Bで吸収される不要偏光成分は、PBS115によって、投射画像(クロスダイクロイックプリズム114から射出される合成画像光)の光路に対して直交する方向に反射されるので、反射された不要偏光成分を投射画像から分離して取り出すことができる。
【0046】
なお、図1のプロジェクタPJ1においては、PBS115でS偏光の光が不要偏光成分として反射されるようにPBS115を設置しているので、本来、投射に用いるS偏光の光がPBS115で反射されてしまう。このため、クロスダイクロイックプリズム114とPBS115との間に1/2λ板118を設けて、S偏光とP偏光とを逆転させて、P偏光を投射に用い、S偏光を不要偏光成分とするようにしている。
【0047】
図1の例では、クロスダイクロイックプリズム114とPBS115との間に1/2λ板118を設けることによって、不要偏光成分(この場合、S偏光成分)をPBS115で分離させるようにしたが、例えば、投射レンズ116をPBS115の反射光の光路に配置するような構成とすれば、本来、投射に用いるS偏光の光をPBS115で反射させて投射レンズ116に入射させることができる。したがって、そのような構成とした場合には、1/2λ板118は不要となる。
【0048】
ところで、位置調整機構140R,140G,140Bは、光変調素子の位置調整制御装置150における位置調整機構制御部152によって、各液晶パネル120R,120G,120Bの位置を微調整可能とする機構である。なお、位置調整機構140R,140G,140Bの駆動部(アクチュエータ)としては、例えば、圧電素子のように電気信号で微動可能なものを用いることが、高精度な位置調整を行う上で望ましい。
【0049】
図3は位置調整機構の一例を示す図である。なお、図3においては、液晶パネル120Rの位置調整を行う位置調整機構140Rについて示しているが、他の液晶パネル120G,120Bの位置調整を行う位置調整機構140G,140Bも同様の構成を有している。
【0050】
位置調整機構140Rは、図3に示すように、液晶パネル120Rを囲むように設けられた枠体141と、枠体141の各辺と液晶パネル120Rの各辺との間に介在された4つの圧電素子142〜145と、枠体141の各辺と液晶パネル120Rの各辺との間に介在された4つの弾性部材(例えばコイルバネ)146〜149とを有している。なお、4つの圧電素子142〜145と4つの弾性部材146〜149とは、それぞれ対向する辺に設けられた圧電素子と弾性部材とで対をなしている。すなわち、圧電素子142と弾性部材148、圧電素子143と弾性部材149、圧電素子144と弾性部材146、圧電素子145と弾性部材147とでそれぞれ対をなしている。
【0051】
そして、それぞれ対をなす圧電素子と弾性部材は、液晶パネル120Rの対向する辺のそれぞれ端部に近い部分に配置される。例えば、圧電素子142と弾性部材148との対を例にとると、圧電素子142は液晶パネル120Rの縦方向右側の辺における上端部近
くに設けられ、弾性部材148は液晶パネル120Rの縦方向左側の辺における上端部近くに設けられる。また、圧電素子143と弾性部材149との対を例にとると、圧電素子143は液晶パネル120Rの横方向上側の辺における左端部近くに設けられ、弾性部材149は液晶パネル120Rの横方向下側の辺における左端部近くに設けられる。他の圧電素子と弾性部材との対も同様に、液晶パネル120Rの対向する辺のそれぞれ端部に近い部分に設けられる。
【0052】
このような構成の位置調整機構140Rを、液晶パネル120Rに図3のように取り付けることによって、液晶パネル120Rを、R画像光の光軸に直交する平面上において横方向(図3におけるx−x’方向)および縦方向(図3におけるy−y’方向)に所定量だけ移動させることができる。また、液晶パネル120Rの横方向および縦方向の移動だけでなく、液晶パネル120Rを、R画像光の光軸に直交する平面上において時計方向(図3におけるθ方向)および反時計方向(図3におけるθ’方向)に所定角度だけ回転させることもできる。
【0053】
例えば、圧電素子142によって液晶パネル120Rに対し所定の押圧力を与えるように当該圧電素子142を駆動させるとともに、圧電素子144によって液晶パネル120Rに所定の吸引力を与えるように当該圧電素子144を駆動させることによって、液晶パネル120Rを横(左)方向(図3におけるx’方向)に所定量だけ移動させることができる。
【0054】
また、圧電素子145によって液晶パネル120Rに対し所定の押圧力を与えるように当該圧電素子145を駆動させるとともに、圧電素子143によって液晶パネル120Rに対し所定の吸引力を与えるように当該圧電素子143を駆動させることによって、液晶パネル120Rを縦(上)方向(図3におけるy方向)に所定量だけ移動させることができる。
【0055】
また、4つの圧電素子142〜145によって液晶パネル120Rに対して同量の押圧力または吸引力を与えるように当該4つの圧電素子をそれぞれ駆動させることによって、液晶パネル120Rを所定角度だけ回転させることができる。例えば、4つの圧電素子142〜145によって液晶パネル120Rに対して同量の押圧力を与えるように当該圧電素子142〜145をそれぞれ駆動させれば、液晶パネル120Rを反時計方向(θ’方向)に回転させることができ、逆に、4つの圧電素子142〜145によって液晶パネル120Rに対して同量の吸引力を与えるように当該圧電素子142〜145をそれぞれ駆動させれば、液晶パネル120Rを時計方向(θ方向)に回転させることができる。
【0056】
図3においては液晶パネル120Rに対応する位置調整機構140Rについて説明したが、液晶パネル120G,120Bに対応する位置調整機構140G,140Bについても同様の動作が可能である。
【0057】
次にイメージセンサ130について説明する。イメージセンサ130は、CCDまたはCMOSなどの光検出素子が縦方向および横方向にマトリックス上に配列された構造となっていて、入射される光量に比例した電気信号(アナログ信号)を出力するものである。イメージセンサ130の出力側にはアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換回路(図示せず)が接続され、デジタル信号に変換されたイメージセンサ出力(画像データ)は、光変調素子の位置調整制御装置150に入力される。なお、イメージセンサ130の解像度は、各液晶パネル120R,120G,120Bの解像度よりも高いことが好ましい。
【0058】
また、イメージセンサ130の受光面側に設けられているカラーフィルタ160は、P
BS115で反射される不要偏光成分からRGBの各色を分離するものであり、たとえば、イメージセンサ130の各画素に対応してRGBの各フィルタが交互に並んだ構成となっている。これによって、RGBそれぞれに対応する画像光を縦方向および横方向において3画素おきに取得することができる。イメージセンサ130の受光面側にこのようなカラーフィルタ160を設けることによって、PBS115で反射される不要偏光成分からR画像光、G画像光およびB画像光に対応する画像データをそれぞれ出力することができる。
【0059】
また、イメージセンサ130で受光される不要偏光成分は、クロスダイクロイックプリズム114に入射するRGBの各画像光のネガ画像である。したがって、各液晶パネル120R,120G,120Bから射出されるRGBの各画像光が例えば黒画像(最小輝度の画像)の画像光であるとすれば、イメージセンサ130では白画像(最大輝度の画像)として受光される。
【0060】
一般に、液晶パネル120R,120G,120Bは、投射画像を形成するための領域(画像形成領域)に対応する画素領域(有効画素領域という)の外側に、投射画像の形成のためには使用しない領域(非画像形成領域)に対応する画素領域(ダミー画素領域という)を有しており、ダミー画素領域に対応する投射画像は、常に黒画像(最低輝度の画像)での表示となるように画像処理されているのが一般的である。このため、イメージセンサ130においては、ダミー画素領域122に対応するネガ画像は、白画像(最大輝度の画像)として受光される
図4は液晶パネルが有するダミー画素領域について説明する図である。なお、図4においては、液晶パネル120Rについて示しているが、液晶パネル120G,120Bについても同様である。図4に示すように、液晶パネル120Rは、有効画素領域121の外側に、ダミー画素領域122を有している。
【0061】
ダミー画素領域122は、投射画像としては常に黒画像(最低輝度の画像)での表示となるように画像処理されているのが一般的であるので、イメージセンサ130においては、ダミー画素領域122に対応するネガ画像は、白画像(最大輝度の画像)として受光される。
【0062】
図5はイメージセンサで受光される画像の一例を示す図である。イメージセンサ130で受光される画像は、図5に示すように、各液晶パネル120R,120G,120Bの有効画素領域121に対応する投射すべき画像(投射画像という)131と、その外側のダミー画素領域122に対応する白画像132である。さらに、イメージセンサ130で受光可能な範囲が、各液晶パネル120R,120G,120Bから射出されるダミー画素領域122の外側の領域をも受光可能であれば、各液晶パネル120R,120G,120Bにおいてダミー画素領域122の外側の画素の存在しない領域に対応する黒画像133もイメージセンサ130によって受光される。
【0063】
イメージセンサ130において図5に示すような画像(投射画像131、白画像132および黒画像133)が受光されると、イメージセンサ130からは、受光した各画像に対応する画像データ(A/D変換後の画像データ)が出力され、その画像データは光変調素子の位置調整制御装置150に与えられる。なお、イメージセンサ130の受光面側にはカラーフィルタ160が設けられているため、イメージセンサ130からは、R画像光に対応する画像データ、G画像光に対応する画像データおよびB画像光に対応する画像データがそれぞれ出力される。
【0064】
光変調素子の位置調整制御装置150における位置ずれ算出部151は、イメージセンサ130から出力されるRGBの各画像に対応する画像データのうち、ダミー画素領域1
22の画像(白画像132)に対応する画像データを解析し、各液晶パネル120R,120G,120Bにおけるダミー画素領域122のエッジ(例えば、ダミー画素領域122の外側の枠122aとする)の位置を検出して、各液晶パネル120R,120G,120Bの相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量を算出する。なお、ダミー画素領域122の外側の枠122a(外枠122aという)の検出は、例えば、公知のエッジ検出技術を用いることにより可能である。
【0065】
光変調素子の位置調整制御装置150における位置調整機構制御部152は、位置ずれ算出部151によって算出された各液晶パネル120R,120G,120Bの相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて、各液晶パネル120R,120G,120Bの相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量を補正するように、補正すべき液晶パネルに対応する位置調整機構140R,140G,140Bを制御する。
【0066】
なお、各液晶パネル120R,120G,120Bの位置ずれ方向および位置ずれを補正する際、本発明の各実施形態においては、液晶パネル120Gを基準として液晶パネル120R,120Bの位置調整を行うものとする。したがって、まずは、液晶パネル120Gに対する液晶パネル120R,120Bの位置ずれ方向および位置ずれ量をそれぞれ算出して、算出された液晶パネル120R,120Bの位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて、液晶パネル120Gに対する液晶パネル120R,120Bの位置ずれを補正するように位置調整機構140R,140Bを制御する。
【0067】
例えば、位置ずれ算出部151によって算出された液晶パネル120Rの液晶パネル120Gに対する位置ずれが、図3における右方向(x方向)にd1、時計方向(θ方向)に角度α1であったとすれば、位置調整機構制御部152は、算出された位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて、液晶パネル120Rの液晶パネル120Gに対する位置ずれがなくなるように、当該液晶パネル120Rに対応する位置調整機構140Rを制御する。
【0068】
この場合、液晶パネル120Rを図3における反時計方向に角度α1だけ回転させるとともに、図3における左方向(x’方向)にd1だけ移動させるように位置調整機構140Rを制御する。これにより、液晶パネル120Rの液晶パネル120Gに対する位置ずれを補正することができ、それによって、液晶パネル120Rと液晶パネル120Gのそれぞれ対応する画素のずれをなくすことができる。
【0069】
また、位置ずれ算出部151によって算出された液晶パネル120Bの液晶パネル120Gに対する位置ずれが、図3における左方向(x’方向)にd2、反時計方向(θ’方向)に角度α2であったとすれば、位置調整機構制御部152は、算出された位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて、液晶パネル120Bの液晶パネル120Gに対する位置ずれがなくなるように、当該液晶パネル120Bに対応する位置調整機構140Bを制御する。
【0070】
この場合、液晶パネル120Bを図3における時計方向に角度α2だけ回転させるとともに、図3における右方向(x方向)にd2だけ移動させるように位置調整機構140Bを制御する。これにより、液晶パネル120Bの液晶パネル120Gに対する位置ずれを補正することができ、それによって、液晶パネル120Bと液晶パネル120Gのそれぞれ対応する画素のずれをなくすことができる。
【0071】
以上のような位置調整制御を行うことにより、各液晶パネルの相対的な位置ずれを補正することができ、それによって、各液晶パネル120R,120G,120Bのそれぞれ対応する画素のずれをなくすことができる。
【0072】
また、実施形態1に係るプロジェクタによれば、ダミー画素領域122に対応する白画像132に基づいて位置ずれ方向および位置ずれ量を算出するようにしているので、位置ずれ方向および位置すれ量を算出するための専用のテスト用画像などを投射することなく、通常の画像の投射中に、各液晶パネル120R,120G,120Bの相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量を算出することができる。このため、上記したような位置調整制御は、映像を普通に投射しながら、リアルタイムで行うことができる。
【0073】
また、実施形態1に係るプロジェクタにおいては、位置調整を行うための画像光(不要偏光成分の画像光)は、各PBS115によって、投射画像の光路に直交する方向に分離されて、イメージセンサ130に入射される。このため、イメージセンサ130は、投射画像の光路に沿った位置に設置されないので、投射画像を遮ることがなく、投射面上に表示される画像に悪影響を及ぼすおそれがないといった効果も得られる。
【0074】
[実施形態2]
図6は実施形態2に係るプロジェクタの構成を示す図である。実施形態2に係るプロジェクタ(プロジェクタPJ2とする)が図1に示した実施形態1に係るプロジェクタPJ1と異なるのは、実施形態2に係るプロジェクタPJ2においては、クロスダイクロイックプリズム114に入射するRGBの各画像光の偏光方向を、R画像光およびB画光はS偏光、G画像光はP偏光とした点である。クロスダイクロイックプリズム114に入射する各画像光の偏光方向をこのようにするのは、クロスダイクロイックプリズム114は、R画像光の光路とB画像光の光路においては、S偏光に対して高反射特性をもたせられるが、透過光であるG画像光の光路においては、S偏光よりもP偏光の方が、透過帯域の幅が広い特性を持たすことができるため、輝度を上げるという面においては有利とされるからである。なお、図6において図1と同一構成要素には同一符号が付されている。
【0075】
図6に示す実施形態2に係るプロジェクタPJ2において、R画像光の光路とB画像光の光路の構成は、図1に実施形態1に係るプロジェクタPJ1と同様であるが、G画像光の光路においては、図1において存在していた1/2λ板113Gを除去した構成となっている。
【0076】
実施形態2に係るプロジェクタが図6に示すような光学系を有することで、クロスダイクロイックプリズム114に入射されるRGBの各画像光のうち、投射に寄与する偏光成分として、R画像光およびB画像光においてはS偏光、G画像光においてはP偏光を使用することができる。
【0077】
一方、クロスダイクロイックプリズム114と投射レンズ116との間には、実施形態1に係るプロジェクタPJ1と同様に、PBS115が設けられており、このPBS115によって、投射画像(クロスダイクロイックプリズム114から射出される合成画像光)から不要偏光成分(この場合、S偏光成分)を分離し、分離した不要偏光成分をイメージセンサ130に入射させるようにしているので、実施形態1に係るプロジェクタPJ1と同様(図1参照)、クロスダイクロイックプリズム114から射出されるRGB各画像光の合成画像光の偏光方向がP偏光に統一される必要がある。
【0078】
そこで、クロスダイクロイックプリズム114とPBS115との間に、特定波長域の光のみの偏光方向を90度回転(偏光方向をP偏光からS偏光またはS偏光からP偏光に変換)可能な光学要素としての波長選択偏光ローテータ170を設ける。この場合、波長選択偏光ローテータ170は、クロスダイクロイックプリズム114から射出された合成画像光のRGB各画像光のうち、R画像光とB画像光の偏光方向をそれぞれ90度回転させ、G画像光の偏光方向はそのまま保持するものであるとする。
【0079】
このような波長選択偏光ローテータ170を設けることによって、投射に寄与する光の偏光方向がP偏光に統一されるので、PBS115によって投射画像から不要偏光成分(S偏光成分)を分離し、イメージセンサ130に入射させることができる。
【0080】
そして、イメージセンサ130からは、RGBの各画像光に対応する画像データが光変調素子の位置調整制御装置150に出力され、光変調素子の位置調整制御装置150ではイメージセンサ130からの画像データに基づいて光変調素子の位置調整制御を行う。なお、イメージセンサ130からの画像データに基づく光変調素子の位置調整制御については、実施形態1に係るプロジェクタPJ1と同様に実施できるので、その説明は省略する。
【0081】
[実施形態3]
実施形態1および実施形態2においては、イメージセンサ130の受光面側に設けられる色成分分離手段として、RGBのカラーフィルタ160を用いた場合を例示したが、他の色成分分離手段を用いることも可能である。
【0082】
図7は実施形態3に係るプロジェクタの構成を示す図である。実施形態3に係るプロジェクタ(プロジェクタPJ3とする)は、図7に示すように、色成分分離手段としてカラーホイール180をイメージセンサ130の受光面側に設けている。なお、図7に示す実施形態3に係るプロジェクタPJ3の光学系は、図1に示した実施形態1に係るプロジェクタPJ1と同じ光学系を用いた例であり、図7において、図1と同一構成要素には同一符号が付されている。
【0083】
図7に示すように、カラーホイール180をイメージセンサ130の受光面側に設けることによって、イメージセンサ130に入射する不要偏光成分からRGBの画像光を時分割に取得することができ、取得したRGBの各画像光に対応する画像データを光変調素子の位置調整制御装置150に出力することができる。
【0084】
光変調素子の位置調整制御装置150ではイメージセンサ130からの画像データに基づいて光変調素子の位置調整制御を行う。イメージセンサ130から出力される画像データに基づく光変調素子の位置調整制御については、実施形態1に係るプロジェクタPJ1と同様に実施できるので、その説明は省略する。
【0085】
なお、実施形態3に係るプロジェクタPJ3のように、色成分分離手段としてカラーホイール180を用いることで、イメージセンサ130の有する解像度をそのまま有効利用できるという利点がある。
【0086】
また、図7に示す実施形態3に係るプロジェクタPJ3の光学系は、図1に示した実施形態1に係るプロジェクタPJ1と同じ光学系を用いた例であるが、実施形態2に係るプロジェクタPJ2の光学系であってもよい。
【0087】
[実施形態4]
実施形態1〜3に係るプロジェクタPJ1〜PJ3おいては、透過型の液晶パネルを用いたプロジェクタを例にとって説明したが、反射型の液晶パネルを用いたプロジェクタであってもよい。
【0088】
図8は実施形態4に係るプロジェクタの構成を示す図である。実施形態4に係るプロジェクタ(プロジェクタPJ4とする)は、液晶パネル120R,120G,12Bとして反射型の液晶パネルを用いたプロジェクタである。また、実施形態4に係るプロジェクタ
PJ4においては、実施形態1に係るプロジェクタPJ1と同様、イメージセンサ130に入射される不要偏光成分をRGBの各画像光に分離する色成分分離手段として、カラーフィルタ160を設けた例を示している。また、図8において、図1に示す実施形態1に係るプロジェクタPJ1と同一構成要素には同一符号が付されている。
【0089】
実施形態4に係るプロジェクタPJ4は、図8に示すように、光源101からの光は、インテグレータレンズ102、 偏光変換素子103、レンズ104を経て、PBS190(第2のPBS190という)に入射する。第2のPBS190に入射する光は偏光変換素子103で偏光変換後の偏光(S偏光とする)であるので、その殆どは、第2のPBS190で反射されてPBS115(第1のPBS115という)に入射する。第1のPBS115においても、S偏光の光は反射されてクロスダイクロイックプリズム114に入射し、クロスダイクロイックプリズム114でRGBの各色光に分離される。
【0090】
クロスダイクロイックプリズム114で分離されたRGBの各色光は、各色光に対応する反射型の液晶パネル120R,120G,120Bにて変調されて反射され、再びクロスダイクロイックプリズム114に入射されて合成され、合成画像光として射出される。クロスダイクロイックプリズム114から射出される合成画像光のうちP偏光の光は、第1のPBS115を透過して、投射レンズ116にて投射される。
【0091】
また、クロスダイクロイックプリズム114から射出される合成画像光のうちS偏光の光は第1のPBS115で反射され、再び、第2のPBS190に入射される。このとき、第2のPBS190に入射される光はS偏光なので、そのほとんどは第2のPBS190で反射されるが、わずかに透過される光がある(第2のPBS190の消光比が100:1であれば、1%が透過される)。したがって、第2のPBS190を透過する光を受光できるようにイメージセンサ130を配置しておくことで、イメージセンサ130では第2のPBS190を透過する光を受光することができ、イメージセンサ130からは、受光した光に対応する画像データを光変調素子の位置調整制御装置150に出力することができる。
【0092】
なお、イメージセンサ130から出力される画像データに基づく光変調素子の位置調整制御については、前述の各実施形態に係るプロジェクタと同様に実施できるので、その説明は省略する。
【0093】
また、第2PBS190の代わりに誘電体多層膜反射ミラー(45度入射仕様)を使用してもよい。これは、誘電体多層膜反射ミラーにおいてもわずかに透過する光があるからである。
【0094】
また、実施形態4に係るプロジェクタにおいては、イメージセンサ130に受光面側に設けられる色成分分離手段として、カラーフィルタ160を用いた例を示したが、実施形態3と同様に、カラーホイール180を用いるようにしてもよい。
【0095】
[実施形態5]
実施形態1〜4では、光変調素子の位置調整制御装置150は、プロジェクタPJ1〜PJ4に組み込まれている場合を例示したが、光変調素子の位置調整制御装置150をプロジェクタとは別の構成要素として設け、プロジェクタと光変調素子の位置調整制御装置150とによってプロジェクションシステムを構成することもできる。
【0096】
図9は実施形態5に係るプロジェクションシステムの構成を示す図である。実施形態5に係るプロジェクションシステムは、図9に示すように、プロジェクタ(プロジェクタPJ5とする)と、光変調素子の位置調整制御装置150と、プロジェクタPJ5と光変調
素子の位置調整制御装置150とを接続するケーブル200とを有する。
【0097】
プロジェクタPJ5は、実施形態1に係るプロジェクタPJ1(図1参照)と同様の光学系を有するものであるとし、実施形態1に係るプロジェクタPJ1と同一構成要素には、同一符号が付されている。
【0098】
また、図9に示すプロジェクションシステムにおける光変調素子の位置調整制御装置150は、実施形態1に係るプロジェクタPJ1(図1参照)に組み込まれた光変調素子の位置調整制御装置150であり、位置ずれ算出部151、位置調整機構制御部152、記憶部153を有している。このように構成されたプロジェクションシステムによっても、前述の実施形態1と同様の位置調整を行うことができる。なお、光変調素子の位置調整制御装置150は、情報処理装置(パーソナルコンピュータなど)にその機能を持たせることによって実現することができる。
【0099】
なお、図9に示すプロジェクションシステムにおいては、プロジェクタPJ5は、実施形態1に係るプロジェクタPJ1(図1参照)と同様の光学系を有する場合を例示したが、実施形態2に係るプロジェクタPJ2(図6参照)、実施形態3に係るプロジェクタPJ3(図7参照)および実施形態4に係るプロジェクタPJ4(図8参照)の光学系のいずれであてもよいことは勿論である。
【0100】
なお、本発明は前述の各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。例えば、イメージセンサ130は、前述の各実施形態においては、クロスダイクロイックプリズム114から射出される合成画像光全体の不要偏光成分を受光できるようにCCDまたはCMOSなどの光検出素子が配置されている場合を例示したが、各液晶パネル120R,120G,120Bにおけるダミー画素領域122の外枠122aの位置を高精度に検出できればよいので、各液晶パネル120R,120G,120Bにおけるダミー画素領域122のうちの特定部分のみに対応する不要偏光成分を検出できるようにCCDまたはCMOSなどの光検出素子を配置した構成であってもよい。
【0101】
図10はイメージセンサの変形例を示す図である。図10に示すイメージセンサ130は、各液晶パネル120R,120G,120Bのダミー画素領域122のうちの特定部分として、ダミー画素領域122の4つの「かど部」を含む周辺に対応する領域をセンサ領域S1〜S4として、このセンサ領域S1〜S4のみにCCDまたはCMOSなどの光検出素子が配置されている。なお、図10における四角の升目が個々の光検出素子を表している。図10に示すような構成のイメージセンサであっても、各液晶パネル120R,120G,120Bのダミー画素領域122の外枠122aの位置を高精度に検出することは十分可能である。
【0102】
また、位置調整機構140R,140G,140Bは、前述の各実施形態では、各液晶パネル120R,120G,120Bから射出される画像光の光軸と直交する平面上において縦方向および横方向の移動と、当該平面上において画像光の光軸を回転軸として時計方向および反時計方向に回転可能な機構としたが、これら縦方向および横方向の移動及び時計方向および反時計方向の回転に加えて、画像光の光軸(例えば図1における液晶パネル120Gの画像光の光軸とする)と直交する左右方向の軸(図1においてはx軸)を回転軸とする所定角度の回転、画像光の光軸と直交する図面に垂直方向の軸(図1においてはz軸とする)を回転軸とする所定角度の回転、画像光の光軸(図1においてはy軸)に沿った前後方向の移動などを可能とするような機構としてもよい。
【0103】
また、前述の各実施形態では、各液晶パネル120R,120G,120Bのダミー画
素領域122に対応する黒画像のネガ画像(白画像132)をイメージセンサ130で受光して、受光した白画像132に基づいてダミー画素領域122の外枠122aの位置を検出するようにしたが、各液晶パネル120R,120G,120Bにダミー画素領域が存在しない場合には、有効画素領域の最も外側の例えば1画素分を非画像形成領域に対応する画素領域すなわちダミー画素領域として用いることもできる。この場合、有効画素領域の最も外側の例えば1画素分を黒画像として表示するように表示制御を行い、1画素分の黒画像のネガ画像(白画像)をイメージセンサ130で受光すれば、前述の各実施形態と同様の位置検出が可能となる。
【0104】
また、前述の各実施形態において、イメージセンサの受光面側に設ける色成分分離手段として、カラーフィルタまたはカラーホイールを用いた例について説明したが、複数の色成分を含む画像光を各色成分に分離できる手段であれば他の色成分分離手段を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】実施形態1に係るプロジェクタの構成を示す図。
【図2】RGBの各画像光が同じ偏光でクロスダイクロイックプリズムに入射させるようにしたプロジェクタの光学系の構成例を示す図。
【図3】位置調整機構の一例を示す図。
【図4】液晶パネルが有するダミー画素領域について説明する図。
【図5】イメージセンサで取得される画像の一例を示す図。
【図6】実施形態2に係るプロジェクタの構成を示す図。
【図7】実施形態3に係るプロジェクタの構成を示す図。
【図8】実施形態4に係るプロジェクタの構成を示す図。
【図9】実施形態5に係るプロジェクションシステムの構成を示す図。
【図10】イメージセンサの変形例を示す図。
【符号の説明】
【0106】
112R,112,G,112B・・・偏光板、113R,113G,113B・・・1/2λ板、114・・・クロスダイクロイックプリズム、115,190・・・PBS(偏光分離手段)、117R,117,G,117B・・・偏光板、118・・・1/2λ板、120R,120G,120B・・・液晶パネル(光変調素子)、121・・・有効画素領域、122・・・ダミー画素領域、130・・・イメージセンサ、131・・・投射画像、132・・・白画像、133・・・黒画像、140R,140G,140B・・・位置調整機構、141・・・枠体、142〜145・・・駆動部(圧電素子)、146〜149・・・弾性部材、150・・・光変調素子の位置調整制御装置、151・・・位置ずれ算出部、152・・・位置調整機構制御部、153・・・記憶部、160・・・カラーフィルタ、170・・・波長選択偏光ローテータ、180・・・カラーホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる色成分に対応した複数の光変調素子と、前記複数の光変調素子の各光変調素子から射出される各画像光を合成して合成画像光を射出する合成光学系と、前記合成画像光を投射面に投射する投射光学系とを有するプロジェクタであって、
前記合成光学系から射出される合成画像光の偏光成分のうち投射に不要な不要偏光成分を分離する偏光分離手段と、
前記分離された不要偏光成分を受光し、前記受光した不要偏光成分に対応する画像データを出力するイメージセンサと、
前記各光変調素子の位置を各光変調素子ごとに調整可能な位置調整機構と、
前記イメージセンサから出力される画像データに基づいて前記各光変調素子の位置ずれ方向および位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部、前記位置ずれ算出部により算出された位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて前記位置調整機構を制御する位置調整機構制御部を有する光変調素子の位置調整制御装置と、
を有することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記偏光分離手段は、前記合成光学系と前記投射光学系との間に設けられることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロジェクタにおいて、
前記偏光分離手段は、前記合成画像光の光軸に直交する方向に前記不要偏光成分を分離することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記イメージセンサの受光面側には、前記不要偏光成分に含まれる前記複数の色成分を各色成分に分離可能な色成分分離手段が設けられることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記位置ずれ算出部は、前記位置ずれ方向および位置ずれ量を各光変調素子の相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量として算出し、
前記位置調整機構制御部は、前記算出された相対的な位置ずれ方向および位置ずれ量を補正するように前記位置調整機構を制御することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記位置ずれ算出部は、前記イメージセンサから出力される画像データのうち、前記各光変調素子の画像形成領域の外側に存在する非画像形成領域に対応する画像データから前記非画像形成領域のエッジ位置を検出し、検出されたエッジ位置に基づいて前記位置ずれ方向および位置ずれ量を算出することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項7】
請求項6に記載のプロジェクタにおいて、
前記イメージセンサは、前記非画像形成領域の全体を含む領域の不要偏光成分を受光可能となるように光検出素子が配置されていることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項8】
請求項6に記載のプロジェクタにおいて、
前記イメージセンサは、前記非画像形成領域の特定部分の不要偏光成分を受光可能となるように光検出素子が配置されていることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記位置調整機構は、前記各光変調素子から出力される画像光の光軸に直交する平面上
において縦方向および横方向へ当該光変調素子の移動を可能とするとともに前記平面上において前記画像光の光軸を中心に時計方向および反時計方向へ当該光変調素子の回転を可能とする機構を有することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項10】
それぞれ異なる色成分に対応した複数の光変調素子と、前記複数の光変調素子の各光変調素子から射出される各画像光を合成して合成画像光を射出する合成光学系と、前記合成画像光を投射面に投射する投射光学系とを有するプロジェクタと、前記各光変調素子の位置調整制御を行う光変調素子の位置調整制御装置とを有するプロジェクションシステムであって、
前記プロジェクタは、
前記合成光学系から射出される合成画像光の偏光成分のうち投射に不要な不要偏光成分を分離する偏光分離手段と、
前記分離された不要偏光成分を受光し、前記受光した不要偏光成分に対応する画像データを出力するイメージセンサと、
前記各光変調素子の位置を各光変調素子ごとに調整可能な位置調整機構と、
を有し、
前記光変調素子の位置調整制御装置は、
前記イメージセンサから出力される画像データに基づいて前記各光変調素子の位置ずれ方向および位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部と、
前記位置ずれ算出部により算出された位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて前記位置調整機構を制御する位置調整機構制御部と、
を有することを特徴するプロジェクションシステム。
【請求項11】
それぞれ異なる色成分に対応した複数の光変調素子と、前記複数の光変調素子の各光変調素子から射出される各画像光を合成して合成画像光を射出する合成光学系と、前記合成画像光を投射面に投射する投射光学系と、前記合成光学系から射出される合成画像光の偏光成分のうち投射に不要な不要偏光成分を分離する偏光分離手段と、前記分離された不要偏光成分を検出し、前記検出された不要偏光成分に対応する画像データを出力するイメージセンサと、前記各光変調素子の位置を各光変調素子ごとに調整可能な光変調素子の位置調整機構とを有するプロジェクタにおいて前記各光変調素子の位置調整を行う光変調素子の位置調整方法であって、
前記イメージセンサから出力される画像データに基づいて前記各光変調素子の位置ずれ方向および位置ずれ量を算出するステップと、
前記位置ずれ算出部により算出された位置ずれ方向および位置ずれ量に基づいて前記位置調整機構を制御するステップと、
を有することを特徴とする光変調素子の位置調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図4】
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【図5】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−14924(P2010−14924A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174263(P2008−174263)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】