説明

プロジェクター

【課題】小型化が図られつつ、色合いやコントラスト等の画質を高めた画像光、および高輝度の画像光の投写が可能なプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクターは、光源と、光源から射出された光束を複数の光束に分割するレンズアレイと、レンズアレイから射出された光束の偏光方向を調整する偏光変換素子と、レンズアレイと偏光変換素子との間に配置され、光束が通過する開口部325A、および光束を遮蔽する遮蔽部325Bを有し、開口部325Aおよび遮蔽部325Bが光束の光軸Lに対して略直交する第1方向に交互に複数配置される遮光板325と、光束の少なくとも一部の波長領域の光量を減少させ、複数の開口部325Aを個別に開閉する複数の光学フィルター6と、偏光変換素子を通過した光束を変調する電気光学装置と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像光を投写するプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して投写するプロジェクターが知られている。プロジェクターは、企業内でのプレゼンテーションや、家庭内での映画鑑賞等の種々の用途に用いられている。そして、投写される環境等に適した画像光を投写するために、光学フィルターを備え、この光学フィルターを光路上に配置する状態、および光路上から離間させる状態が可能となるように構成されたプロジェクターが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のプロジェクターは、光学部品を収納する光学部品用筐体、光学フィルター、および光学フィルターを移動させる移動機構を備えている。光学フィルターは、所定のスペクトル成分を反射して投写画像の色合いを調整する。移動機構は、光学フィルターを移動自在に支持し、光学フィルターを光学部品用筐体の光路上に配置する状態と、光路上から離間させる状態が可能に構成されている。そして、プロジェクターは、光学フィルターが光路上に配置された状態においては、画像光の色合い等が調整され、光学フィルターが光路上から離間された状態においては、高輝度の画像光の投写が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−65496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、光学フィルターを光学部品用筐体の光路上から離間させるためにこの光学フィルターの大きさ以上のスペースが必要になり、光学系ひいてはプロジェクターが大きくなるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源と、前記光源から射出された光束を複数の光束に分割するレンズアレイと、前記レンズアレイから射出された光束の偏光方向を調整する偏光変換素子と、前記レンズアレイと前記偏光変換素子との間に配置され、前記光束が通過する開口部、および前記光束を遮蔽する遮蔽部を有し、前記開口部および前記遮蔽部が前記光束の光軸に対して略直交する第1方向に交互に複数配置される遮光板と、前記光束の少なくとも一部の波長領域の光量を減少させ、複数の前記開口部を個別に開閉する複数の光学フィルターと、前記偏光変換素子を通過した光束を変調する電気光学装置と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、プロジェクターは、光学フィルターが遮光板の開口部を開閉するように構成されているので、開口部が閉塞されて光束が光学フィルターを介して電気光学装置に入射する状態(以下、「フィルターオン状態」という)と、開口部が開放されて光束が光学フィルターを介さずに電気光学装置に入射する状態(以下、「フィルターオフ状態」という)とが可能となる。光学フィルターは、一部の波長領域の光量を減少させる機能を有しているので、プロジェクターは、フィルターオン状態とフィルターオフ状態とで輝度や画質の異なる画像光を投写することが可能となる。
また、光学フィルターは、複数の開口部を個別に開閉するように複数設けられているので、一体的に形成された光学フィルターで複数の開口部を一斉に開閉する構成に比べ、開口部を開閉する移動量を小さく設定できる。よって、光学フィルターの収納スペースを小さくできる。したがって、プロジェクターは、小型化が図られつつ、色合いやコントラスト等の画質を高めた画像光、および高輝度の画像光の投写が可能となる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記光学フィルターを回転させる回転機構部をさらに備え、前記光学フィルターは、前記光軸方向に投影した際に前記遮蔽部と重なり、前記光軸および前記第1方向に対して略直交する第2方向に延出する回転軸を中心軸として軸支される第1軸部を有していることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、光学フィルターは、回転機構部によって、第1軸部を支点として回転する。第1軸部は、第2方向が中心軸となるので光学フィルターは、第1方向に回転して開口部を開閉できる。このように、プロジェクターは、回転機構部を備え、光学フィルターには、第1軸部が設けられているので効率的に開口部を開閉できる。また、光学フィルターは、第1軸部が光軸方向に投影された際に遮蔽部と重なるように形成されているので、フィルターオフ状態において開口部を確実に開放することが可能となる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記回転機構部は、前記第1方向に移動する移動部を備え、前記光学フィルターは、前記移動部に軸支される第2軸部を備えていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、光学フィルターは、移動部が移動されると、移動部に支持されている第2軸部が第1方向に移動し、第1軸部を中心として回転することとなる。これによって、移動部を第1方向に移動させるという簡素な構成で複数の光学フィルターを回転させて各開口部を開閉することができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記光学フィルターを前記第1方向に移動させるスライド機構部を備えていることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、光学フィルターは、スライド機構部によって移動されて第1方向に複数配置されている開口部を開閉する。これによって、光学フィルターは、光軸方向に移動することなく開口部を開閉できるので、光軸方向における光学系の小型化や、光軸方向における光束の乱反射等を低減し、光学系の外部への光漏れ等の抑制が図れる。
【0015】
[適用例5]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記複数の光学フィルターは、個別に異なる特性を有する部材で構成されていることが好ましい。
【0016】
各光学フィルターには、配置される位置によって光量や波長領域の異なる光束が入射することが考えられる。この構成によれば、複数の光学フィルターは、個別に異なる特性を有する部材で構成されているので、配置される位置に対応してより適性な部材で各光学フィルターを構成することが可能となる。例えば、光量が他より多くなる位置に配置される光学フィルターを他より高耐熱部材で構成して劣化を抑制したり、配置される位置によって減少させる光量の程度や波長領域が異なる部材で光学フィルターを構成し、投写画像の色むらを抑制したりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態のプロジェクターの外観を示す斜視図。
【図2】第1実施形態のプロジェクターの概略構成を示す模式図。
【図3】第1実施形態の光学ユニットの分解斜視図。
【図4】第1実施形態の偏光変換素子、遮光板および光学フィルターの断面図。
【図5】第1実施形態の光学フィルター装置の斜視図。
【図6】第1実施形態の光学フィルター装置の斜視図。
【図7】第2実施形態の光学フィルター装置の斜視図。
【図8】第2実施形態の遮光板および光学フィルターの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調してスクリーン等に投写する。
【0019】
〔プロジェクターの主な構成〕
図1は、本実施形態のプロジェクター1の外観を示す斜視図である。図2は、本実施形態のプロジェクター1の概略構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、図1、図2に示すように、外装を構成する外装筐体2、制御部(図示省略)、光源装置31を有する光学ユニット3、および光源装置31や制御部に電力を供給する電源装置4等を備えている。なお、具体的な図示は省略したが、外装筐体2内には、プロジェクター1の内部を冷却する冷却ファン等が配置されている。
【0020】
また、以下では、説明の便宜上、光源装置31から光束が射出される方向を+X方向、画像光が投写される方向を+Y方向(前方向)、X方向およびY方向に直交し、図1の図面視における上を+Z方向(上方向)として記載する。つまり、光源装置31から射出された光束の光軸L方向は、±X方向となる。また、±Y方向は、第1方向に相当し、±Z方向は、第2方向に相当する。
【0021】
外装筐体2は、合成樹脂製であり、図1に示すように、上部を構成するアッパーケース21、下部を構成するロアーケース22等を備えており、これらは、ネジ等により固定されている。
図1に示すように、アッパーケース21の前面21Fには、前方から見て矩形状の開口部(投写用開口部211)が形成されており、この投写用開口部211の内側には、光学ユニット3に備えられた投写レンズ36が配置されている。そして、投写レンズ36から射出された画像光は、この投写用開口部211を通過して前方に投写される。また、アッパーケース21の前面21Fには、図示しないリモコン(リモートコントローラー)よるプロジェクター1の操作を受け付けるリモコン受光部23が設置されている。
【0022】
アッパーケース21の上面21Tには、操作パネル20が配置されている。操作パネル20は、プロジェクター1の各種設定を行うためのメニュー画像の表示/非表示を切り替えるメニューキー、入力ソースを切り替えるソース切替えキー、および画像光のカラーモードを切替えるカラーモード切替えキー等、各種指示を行うための複数のキー等を備えている。なお、図示は省略するが、外装筐体2には、外気を取り込むための吸気口や、外装筐体2内の温まった空気を外部に排出するための排気口等が設けられている。
【0023】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、コンピューターとして機能するものであり、プロジェクター1の動作の制御、例えば、画像の投写に関わる制御や、後述する光学フィルター装置5を駆動するための制御等を行う。
【0024】
光学ユニット3は、制御部による制御の下、光源装置31から射出された光束を光学的に処理し、画像情報に応じた画像光を投写する。
図2に示すように、光学ユニット3は、光源装置31に加え、照明光学装置32、光学フィルター装置5、色分離光学装置33、リレー光学装置34、電気光学装置35、投写レンズ36、およびこれらの光学部品を光路上の所定位置に配置する光学部品用筐体37を備える。
【0025】
光源装置31は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源311およびリフレクター312等を備える。そして、光源装置31は、光源311から射出された光束をリフレクター312によって射出方向を揃え、照明光学装置32に向けて射出する。
【0026】
照明光学装置32は、第1レンズアレイ321、第2レンズアレイ322、偏光変換素子323、重畳レンズ324および遮光板325を備える。
第1レンズアレイ321は、光軸L方向から見て外形形状が略矩形に形成され、マトリクス状に配列された小レンズを有して構成されており、光源装置31から射出された光束を複数の光束に分割する。第2レンズアレイ322は、第1レンズアレイ321と略同様の構成を有しており、重畳レンズ324とともに、光束を後述する液晶ライトバルブ351の表面に略重畳させる。
【0027】
偏光変換素子323は、第2レンズアレイ322から射出されたランダム偏光光を液晶ライトバルブ351で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。
【0028】
遮光板325は、第2レンズアレイ322と偏光変換素子323との間に配置され、第2レンズアレイ322から射出された光束が通過する複数の開口部325A(図3参照)を有している。なお、偏光変換素子323および遮光板325については、後で詳細に説明する。
【0029】
光学フィルター装置5は、光束の少なくとも一部の波長領域の光量を減少させる複数の光学フィルター6を備え、この複数の光学フィルター6が制御部の指示に応じて遮光板325の各開口部325Aを個別に開閉するように構成されている。なお、光学フィルター装置5については、後で詳細に説明する。
【0030】
色分離光学装置33は、2枚のダイクロイックミラー331,332、および反射ミラー333を備え、照明光学装置32から射出された光束を赤色光(以下「R光」という)、緑色光(以下「G光」という)、青色光(以下「B光」という)の3色の色光に分離する機能を有する。
【0031】
リレー光学装置34は、入射側レンズ341、リレーレンズ343、および反射ミラー342,344を備え、色分離光学装置33で分離されたR光をR光用の液晶ライトバルブ351Rまで導く機能を有する。なお、光学ユニット3は、リレー光学装置34がR光を導く構成としているが、これに限らず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
【0032】
電気光学装置35は、光変調装置としての液晶ライトバルブ351および色合成光学装置としてクロスダイクロイックプリズム352を備え、色分離光学装置33で分離された各色光を変調し、画像光として射出する。
【0033】
液晶ライトバルブ351は、3色の色光毎に備えられており(R光用の液晶ライトバルブを351R、G光用の液晶ライトバルブを351G、B光用の液晶ライトバルブを351Bとする)、それぞれ透過型の液晶パネルとその両面に配置された入射側偏光板、射出側偏光板を有している。
【0034】
液晶ライトバルブ351は、図示しない微小画素がマトリクス状に形成された矩形状の画素領域を有し、各画素を表示画像信号に応じた光透過率に設定して、画素領域内に表示画像を形成する。そして、色分離光学装置33で分離された各色光は、液晶ライトバルブ351にて変調された後、クロスダイクロイックプリズム352に射出される。
【0035】
クロスダイクロイックプリズム352は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。誘電体多層膜は、液晶ライトバルブ351R,351Bにて変調された色光を反射し、液晶ライトバルブ351Gにて変調された色光を透過する。そして、クロスダイクロイックプリズム352は、変調された各色光を合成して画像光として射出する。
【0036】
投写レンズ36は、複数のレンズを組み合わせた組レンズとして構成され、電気光学装置35から射出された画像光をスクリーン上に拡大投写する。
【0037】
光学部品用筐体37は、図2に示すように、X方向に長く延出して形成されており、+Z方向に開口部を有し、照明光学装置32や電気光学装置35等の光学部品を収納する下部筐体371(図3参照)と、この開口部を閉塞する図示しない上部筐体とを備えて構成されている。
【0038】
図3は、光学ユニット3の分解斜視図であり、光学フィルター装置5近傍を示す図である。
下部筐体371は、BMC(Bulk Molding Compound)等の高耐熱材料で形成され、外装筐体2の底面に沿って配置される底面部と、底面部の端縁から起立する側面部とを有し、断面視略U字状に形成されている。この側面部の内面には、Z方向に沿って窪む複数の溝が形成されており、図3に示すように、第2レンズアレイ322は、−X側端部近傍に設けられた溝3711に側端部が挿入されて下部筐体371に配置される。また、溝3711の+X方向の側面部には、上面が窪む凹部3712が形成されている。
【0039】
〔偏光変換素子および遮光板の構成〕
ここで、偏光変換素子323および遮光板325について詳細に説明する。
先ず、偏光変換素子323について説明する。
図4は、偏光変換素子323、遮光板325および光学フィルター6の断面図であり、+Z方向から見た図である。偏光変換素子323は、図4に示すように、偏光変換素子アレイ3231と位相差板3232とを備えている。
【0040】
偏光変換素子アレイ3231は、断面が平行四辺形の柱状の透光性部材が±Y方向(第1方向)に複数貼り合わされた形状を有しており、界面には、偏光分離膜3231Bと反射膜3231Aとが交互に設けられている。偏光分離膜3231Bは、第1の直線偏光光としてのS偏光光を反射し、第2の直線偏光光としてのP偏光光を透過する。反射膜3231Aは、S偏光光を反射する。
【0041】
位相差板3232は、有機の延伸フィルムを有して構成されている。位相差板3232は、偏光変換素子アレイ3231の光束射出側に配置され、光束が偏光分離膜3231Bを通過する部位に接着などによって固定されている。位相差板3232は、直線偏光光の偏光方向を変える機能を有し、S偏光光をP偏光光に、P偏光光をS偏光光にそれぞれ変換する。
【0042】
偏光変換素子アレイ3231に入射した光束は、図4に示すように、偏光分離膜3231Bにて、S偏光光が反射され、P偏光光が透過して2つの直線偏光光に分離される。偏光分離膜3231Bにて分離されたS偏光光は、反射膜3231Aにて反射して偏光変換素子アレイ3231から射出される。一方、偏光分離膜3231Bを透過したP偏光光は、偏光変換素子アレイ3231を透過して位相差板3232に入射する。位相差板3232に入射したP偏光光は、位相差板3232にて、S偏光光に変換されて射出される。
【0043】
このように、偏光変換素子323は、第2レンズアレイ322から射出されたランダム偏光光である光束の偏光方向を調整し、S偏光光に揃えて射出する。なお、本実施形態では、偏光変換素子323が入射する光束をS偏光光に揃えるように構成されているが、P偏光光に揃えるように構成してもよい。
【0044】
次に、遮光板325について詳細に説明する。
遮光板325は、ステンレスやAl合金製等の板金で形成され、図3に示すように、入射側端面部325Fおよび上面部325Uを有している。入射側端面部325Fは、偏光変換素子323の光束入射側を覆う大きさに形成され、光束が通過する開口部325Aおよび光束を遮蔽する遮蔽部325Bが光軸Lに対して略直交する±Y方向(第1方向)に交互に複数形成されている。
【0045】
開口部325Aおよび遮蔽部325Bは、偏光分離膜3231Bおよび反射膜3231Aに対応して形成されている。具体的に、図4に示すように、開口部325Aは、偏光分離膜3231Bに光束が入射するように形成され、遮蔽部325Bは、反射膜3231Aに光束が入射しないように形成されている。そして、開口部325Aは、図3に示すように、±Y方向(第1方向)より±Z方向(第2方向)が長い矩形状に形成されている。
【0046】
上面部325Uは、図3に示すように、入射側端面部325Fの上端から+X方向に屈曲して形成されており、±Y方向の両端には、下部筐体371の凹部3712に係合する突起部325Pが設けられている。遮光板325は、偏光変換素子323と共に下部筐体371に組み込まれ、突起部325Pが凹部3712に係合されて下部筐体371に配置される。
【0047】
〔光学フィルター装置の構成〕
光学フィルター装置5について詳細に説明する。
光学フィルター装置5は、遮光板325の光路前段側に配置され、前述したように、制御部の指示に応じて複数の光学フィルター6が各開口部325Aを個別に開閉するように構成されている。そして、第2レンズアレイ322を透過した光束は、開口部325Aが開放された状態(フィルターオフ状態)においては、光学フィルター6を介さずに偏光変換素子323に入射し、開口部325Aが閉塞された状態(フィルターオン状態)においては、光学フィルター6を介して偏光変換素子323に入射する。
【0048】
図5は、光学フィルター装置5の斜視図であり、フィルターオフ状態を示す図である。
光学フィルター装置5は、図5に示すように、複数の光学フィルター6に加え、回転機構部7を備えている。
光学フィルター6は、フィルター本体61、フィルター保持部63、第1軸部62および第2軸部64を備えている。
【0049】
フィルター本体61は、光束の少なくとも一部の波長領域の光量を減少させるものであり、光束の所定のスペクトル成分を反射し、他のスペクトル成分を透過する。フィルター本体61は、図4、図5に示すように、遮光板325の開口部325Aを閉塞可能なサイズの±Z方向が長い矩形状の板ガラス上に、屈折率の異なる複数の薄膜が蒸着等により積層されて形成されている。
【0050】
そして、フィルター本体61は、採用される光源311のスペクトル特性に対応してR光,G光,B光の各色光の強度バランスが調整されるように形成される。例えば、フィルター本体61は、R光やG光の強度の高い光源311に対しては、R光やG光の透過率がB光の透過率よりも低くなるように設定されたものが使用される。
【0051】
フィルター保持部63は、図5に示すように、フィルター本体61の長辺側である+X側の端部を保持するように形成されている。具体的に、フィルター保持部63には、±Z方向に沿って形成された図示しないスリットが形成されており、フィルター本体61は、このスリットに+X側の端部が挿入されてフィルター保持部63に接着剤等で固定される。
【0052】
第1軸部62は、図5に示すように、フィルター保持部63の両端に、フィルター本体61より突出して設けられており、±Z方向(第2方向)に延出する回転軸6Jを中心軸として円柱状に形成されている。つまり、第1軸部62は、光軸Lおよび±Y方向(第1方向)に対して略直交する方向に延出する回転軸6Jを中心軸として形成されている。
【0053】
第2軸部64は、図5に示すように、フィルター本体61の+Z側の端部から+Z方向に突出する円柱状に形成されており、フィルター本体61の−X側端部近傍に接着剤等で固定されている。なお、フィルター本体61の外周を囲む枠状部材を設け、この枠状部材に第1軸部62および第2軸部64を形成してもよい。
【0054】
複数の光学フィルター6は、図5に示すように、互いが離間し、±Y方向(第1方向)に並列される。具体的に、各光学フィルター6は、第1軸部62およびフィルター保持部63が遮蔽部325Bの−X側に位置し、第1軸部62、第2軸部64が回転機構部7の後述する上部支持体71、移動部73にそれぞれ軸支されて配置される。そして、光学フィルター6は、図4、図5に示すように、第1軸部62およびフィルター保持部63が光軸L方向に投影された際に遮蔽部325Bと重なるように配置される。また、光学フィルター6は、図5に示すように、フィルターオフ状態において、光軸L方向から見て、遮光板325の入射側端面部325F内に位置するように配置される。
【0055】
また、複数の光学フルター6は、個別に異なる特性を有する部材で構成することが可能である。例えば、耐熱性が異なる複数の光学フィルター6を備え、遮光板325の端部側より中央部の開口部325Aに対して高耐熱の光学フィルター6で開閉するように構成することができる。また、光量を減少させる波長領域が異なる複数の光学フィルター6を、端部側の開口部325Aと中央部の開口部325Aとで区別して、開閉するように構成することもできる。
【0056】
回転機構部7は、上部支持体71、下部支持体72、移動部73、回転部74、および駆動部75を備え、光学フィルター6を回転させるように構成されている。
上部支持体71は、複数の光学フィルター6の+Z側を支持する部材である。上部支持体71は、板状に形成され、図5に示すように、+Z側の第1軸部62を軸支し、+X側が遮光板325の上面部325Uに積層配置されるように形成されている。そして、上部支持体71は、図示しないネジ孔や位置決めのための突起部によって位置決めされて遮光板325に固定される。
【0057】
下部支持体72は、複数の光学フィルター6の−Z側を支持する部材である。下部支持体72は、図5に示すように、平坦部721、および平坦部721の両端からL字状に屈曲された屈曲部722を有している。下部支持体72は、平坦部721が−Z側の第1軸部62を軸支し、屈曲部722が遮光板325の入射側端面部325Fに積層配置され、図示しないネジ孔や位置決めのための突起部によって位置決めされて遮光板325に固定される。このように、光学フィルター6は、回転軸6Jを中心軸として+Z側の第1軸部62が上部支持体71に軸支され、−Z側の第1軸部62が下部支持体72に軸支され、±Y方向(第1方向)に回転可能に配置される。
【0058】
移動部73は、複数の光学フィルター6と回転部74とを連結する部材であり、±Y方向に延出する長尺状に形成されている。移動部73は、図5に示すように、各第2軸部64が軸支されるように形成され、+Y側の端部近傍には、±Z方向を中心軸とする丸孔が形成されている。
【0059】
回転部74は、移動部73の+Y側端部近傍に配置され、±Z方向に延出する中心軸74Jを中心として回転可能に構成されている。回転部74は、上方から見て略円形に形成され、上面側の端部に移動部73の丸孔に回転可能に挿入される連結軸741が設けられ、下面側に図示しない歯型等の係合部が形成されている。移動部73は、回転部74が回転されると、±Y方向(第1方向)に移動する。回転部74は、図5に示すように、フィルターオフ状態において、連結軸741が−X側に位置するように配置される。
【0060】
駆動部75は、図示しないモーターや歯車等を有する輪列部を備え、この輪列部が回転部74の係合部と係合するように配置される。駆動部75は、図示しないケーブル等を介して制御部に接続され、制御部の指示に基づいて、モーターが回転することによって回転部74を回転させる。
【0061】
〔光学フィルター装置の動作〕
ここで、光学フィルター装置5の動作について、図4、図5に図6を加えて説明する。図6は、光学フィルター装置5の斜視図であり、フィルターオン状態を示す図である。
光学フィルター装置5は、操作パネル20やリモコンの操作によるカラーモード切替えキーに対応してフィルターオフ状態およびフィルターオン状態が切替えられる。
【0062】
光学フィルター6は、図4、図5に示すように、フィルターオフ状態において、フィルター本体61が±X方向に沿うように配置される。そして、第2レンズアレイ322を透過した光束は、図4に示すように、光学フィルター6を介さず、つまり光学フィルター6によって光量が減少されずに偏光変換素子323にてS偏光光に揃えられて射出される。そして、偏光変換素子323から射出された光束は、電気光学装置35にて高輝度の画像光として形成された後、投写レンズ36から射出される。つまり、プロジェクター1は、フィルターオフ状態において、高輝度の画像光の投写が可能となる。
【0063】
一方、フィルターオフ状態からフィルターオン状態となるように操作されると、制御部は、その操作信号に対応した駆動信号を駆動部75に出力する。駆動部75は、駆動信号に基づいて、モーターが回転し、駆動部75に係合されている回転部74を+Z方向から見て時計回り方向(図5におけるCW方向)に回転させる。回転部74がCW方向に回転されると、連結軸741は、−Y方向に移動し、連結軸741に係合されている移動部73は、−Y方向に移動する。
【0064】
移動部73が−Y方向に移動すると、第2軸部64が移動部73に軸支されている各光学フィルター6は、第1軸部62を中心に回転部74と同様に時計回り方向に回転し、図6に示すように、開口部325Aを閉塞してフィルターオン状態となる。また、光学フィルター6は、このフィルターオン状態においても、光軸L方向から見て、遮光板325の入射側端面部325F内に位置するように配置される。
【0065】
そして、第2レンズアレイ322を透過した光束は、図4に示すように、光学フィルター6を介して、つまり光学フィルター6によってR光,G光,B光の各色の強度バランスが調整された後、偏光変換素子323にてS偏光光に揃えられて射出される。そして、偏光変換素子323から射出された光束は、電気光学装置35にて色合いやコントラストが良好な画像光として形成された後、投写レンズ36から射出される。つまり、プロジェクター1は、フィルターオン状態において、映画の視聴に適した色調の画像光の投写が可能となる。
【0066】
同様に、フィルターオン状態からフルターオフ状態に切替えられると、制御部からの指示に基づいて回転部74が+Z方向から見て反時計回り方向(図5におけるCCW方向)に回転され、連結軸741に係合されている移動部73が+Y方向に移動する。移動部73が+Y方向に移動すると、第2軸部64が移動部73に軸支されている各光学フィルター6は、第1軸部62を中心に回転部74と同様に反時計回り方向に回転し、図5に示すように、開口部325Aを開放するフィルターオフ状態となる。
このように、光学フィルター装置5は、複数の光学フィルター6がそれぞれ回転することによって遮光板325の複数の開口部325Aを個別に開閉する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)プロジェクター1は、フィルターオン状態とフィルターオフ状態とで輝度や画質の異なる画像光を投写することができる。また、光学フィルター6は、フィルターオン状態およびフィルターオフ状態の双方において、光軸L方向から見て、遮光板325の入射側端面部325F内に位置するように配置される。つまり、プロジェクター1は、遮光板325の+Y方向および−Y方向にスペースを設けることなく光学フィルター6を収納することができる。したがって、プロジェクター1は、小型化が図られつつ、色合いやコントラスト等の画質を高めた画像光、および高輝度の画像光の投写が可能となる。
【0068】
(2)光学フィルター装置5は、回転機構部7を備え、光学フィルター6には、第1軸部62が設けられているので効率的に開口部325Aを開閉できる。また、光学フィルター6は、第1軸部62およびフィルター保持部63が光軸L方向に投影された際に遮蔽部325Bと重なるように形成されているので、フィルターオフ状態において開口部325Aを確実に開放することが可能となる。
【0069】
(3)回転機構部7は、移動部73を備え、光学フィルター6には、第2軸部64が設けられているので、移動部73を±Y方向(第1方向)に移動させるという簡素な構成で複数の光学フィルター6を回転させて各開口部325Aを開閉することができる。
【0070】
(4)複数の光学フルター6を個別に異なる特性を有する部材で構成することが可能なので、配置される位置に対応してより適性な部材で各光学フィルター6を構成することが可能となる。例えば、光量が他より多くなる位置に配置される光学フィルター6を他より高耐熱部材で構成して劣化を抑制したり、配置される位置によって減少させる光量の程度や波長領域が異なる部材で光学フィルター6を構成し、投写画像の色むらを抑制したりすることが可能となる。
【0071】
(5)各光学フィルター6は、それぞれが離間して配置されているので、一体的に形成された光学フィルターに比べ放熱性が高く、温度上昇の低減が可能となる。よって、光学フィルター6や光学フィルター6の近傍に配置されている部材の品質劣化の抑制が可能となる。
【0072】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るプロジェクター1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、第1実施形態のプロジェクター1と同様の構造および同様の部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態のプロジェクター1は、第1実施形態の光学フィルター装置5および光学フィルター6と、それぞれ構成の異なる光学フィルター装置15および光学フィルター16を備えている。そして、第1実施形態の光学フィルター装置5は、光学フィルター6が回転されることによって開口部325Aを開閉するように構成されているが、本実施形態の光学フィルター装置15は、光学フィルター16がスライド移動されることによって、開口部325Aを開閉するように構成されている。
【0073】
図7は、光学フィルター装置15の斜視図であり、フィルターオン状態を示す図である。光学フィルター装置15は、図7に示すように、複数の光学フィルター16、およびスライド機構部17を備えている。
【0074】
光学フィルター16は、第1実施形態のフィルター本体61と同一の部材で形成され、複数の光学フィルター16が±Y方向(第1方向)に2列並列して構成されている。具体的に、光学フィルター16は、図7に示すように、遮光板325に近接して配置される複数の光学フィルター16B、および光学フィルター16Bの光路前段側に配置される複数の光学フィルター16Fを備えている。
【0075】
光学フィルター16Bおよび光学フィルター16Fは、それぞれの±Y方向の寸法が第1実施形態のフィルター本体61の寸法より小さく形成されており、光学フィルター16Bおよび光学フィルター16Fの双方で開口部325Aを閉塞する寸法に設定されている。そして、光学フィルター16Bおよび光学フィルター16Fは、図7に示すように、フィルターオン状態において、光軸L方向から見て、遮光板325の入射側端面部325F内に位置するように配置される。
【0076】
スライド機構部17は、移動部171,172、下部支持体173,174、および駆動部175を備え、光学フィルター16を±Y方向(第1方向)に移動させるように構成されている。
移動部171,172は、複数の光学フィルター16B,16Fの+Z側の端部をそれぞれ保持すると共に、駆動部175が駆動されることによって、±Y方向に移動するように構成されている。
【0077】
移動部171は、±Y方向が長手方向となる長尺状に形成され、−Y側には、光学フィルター16Bの+Z側の端部が接着固定され、+Y側には、−X側の面171Aにラック(図示省略)が形成されている。
【0078】
移動部172は、移動部171と同様に、±Y方向が長手方向となる長尺状に形成され、−Y側には、光学フィルター16Fの+Z側の端部が接着固定され、+Y側には、+X側の面172Aにラック(図示省略)が形成されている。移動部171および移動部172は、面171Aと面172Aとが所定の寸法を有して対向するように配置される。
【0079】
下部支持体173,174は、複数の光学フィルター16B,16Fの−Z側の端部をそれぞれ保持する部材である。下部支持体173は、±Y方向が長手方向となる長尺状に形成され、光学フィルター16Bの−Z側の端部が接着固定される。下部支持体174は、下部支持体173と同様に、±Y方向が長手方向となる長尺状に形成され、光学フィルター16Fの−Z側の端部が接着固定される。
【0080】
駆動部175は、図7に示すように、図示しないモーターや歯車等を有する輪列部176およびピニオン177を有し、ピニオン177が±Z方向に延出する中心軸175Jを中心として回転可能に構成されている。駆動部175は、ピニオン177が移動部171,172のそれぞれのラックと噛合するように配置される。そして、駆動部175は、図示しないケーブル等を介して制御部に接続され、制御部の指示に基づいて、モーターが回転することによってピニオン177を回転させる。
【0081】
ここで、光学フィルター装置15の動作について、図7に図8を加えて説明する。
図8は、遮光板325および光学フィルター16を+Z方向から見た断面図であり、(a)は、フィルターオン状態を示す図、(b)は、フィルターオフ状態を示す図である。
光学フィルター装置15は、第1実施形態の光学フィルター5と同様に、操作パネル20やリモコンの操作によるカラーモード切替えキーに対応してフィルターオフ状態およびフィルターオン状態が切替えられる。
【0082】
光学フィルター16は、図7、図8(a)に示すように、フィルターオン状態において、光学フィルター16Bおよび光学フィルター16Fの双方で開口部325Aを閉塞するように配置される。そして、第2レンズアレイ322を透過した光束は、図8(a)に示すように、光学フィルター16を介して偏光変換素子323に射出される。
【0083】
一方、フィルターオン状態からフィルターオフ状態となるように操作されると、駆動部175が駆動され、ピニオン177が+Z方向から見て時計回り方向(図7におけるCW方向)に回転する。ピニオン177がCW方向に回転すると、ピニオン177に噛合している移動部171,172は、+Y方向、−Y方向にそれぞれ移動し、図8(b)に示すように、開口部325Aが開放されてフィルターオフ状態となる。そして、第2レンズアレイ322を透過した光束は、図8(b)に示すように、光学フィルター16を介さずに偏光変換素子323に射出される。
【0084】
また、光学フィルター16Bおよび光学フィルター16Fは、図示は省略するが、フィルターオフ状態においても、光軸L方向から見て、遮光板325の入射側端面部325F内に位置するように配置される。なお、移動部171,172は、図示しない部材で案内されて滑らかに移動するように構成されている。
【0085】
同様に、フィルターオフ状態からフルターオン状態に切替えられる際には、ピニオン177が+Z方向から見て反時計回り方向(図7におけるCCW方向)に回転する。ピニオン177がCCW方向に回転すると、ピニオン177に噛合している移動部171,172は、−Y方向、+Y方向にそれぞれ移動し、図7、図8(a)に示すように、開口部325Aが閉塞されてフィルターオン状態となる。
このように、光学フィルター16Bおよび光学フィルター16Fは、互いが異なる方向にそれぞれがスライド移動することによって、光軸L方向からみて重なる状態が変更して各開口部325Aを個別に開閉する。
【0086】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)光学フィルター16は、光軸L方向に移動することなく開口部325Aを開閉するので、光軸L方向における光学ユニット3の小型化や、光軸L方向における光束の乱反射等を低減し、光学ユニット3の外部への光漏れ等の抑制が図れる。
【0087】
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態の光学フィルター6,16は、遮光板325の光路前段側に配置されているが光路後段側に配置するように構成してもよい。
【0088】
前記実施形態の駆動部75,175は、モーター等を有する電動式で構成されているが、ダイヤルやレバー等を備え、手動による操作によって光学フィルター6,16が移動するように構成された手動式で構成してもよい。
【0089】
第2実施形態の光学フィルター装置15は、光学フィルター16B,16Fの2列で構成された光学フィルター16が開口部325Aを開閉するように構成されているが、1列で構成された光学フィルター16が開口部325Aを開閉するように構成してもよい。
【0090】
前記実施形態のプロジェクター1は、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブ351を用いているが、反射型液晶ライトバルブを利用したものであってもよい。
【0091】
前記実施形態の光源装置31は、放電型の光源311を採用しているが、レーザーダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子などの各種固体発光素子で構成してもよい。
【符号の説明】
【0092】
1…プロジェクター、2…外装筐体、3…光学ユニット、5,15…光学フィルター装置、6,16,16B,16F…光学フィルター、6J…回転軸、7…回転機構部、17…スライド機構部、31…光源装置、35…電気光学装置、37…光学部品用筐体、61…フィルター本体、62…第1軸部、63…フィルター保持部、64…第2軸部、71…上部支持体、72…下部支持体、73,171,172…移動部、74…回転部、75,175…駆動部、173,174…下部支持体、176…輪列部、177…ピニオン、311…光源、321…第1レンズアレイ、322…第2レンズアレイ、323…偏光変換素子、325…遮光板、325A…開口部、325B…遮蔽部、351,351B,351G,351R…液晶ライトバルブ、741…連結軸、3231…偏光変換素子アレイ、3231A…反射膜、3231B…偏光分離膜、3232…位相差板、L…光軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から射出された光束を複数の光束に分割するレンズアレイと、
前記レンズアレイから射出された光束の偏光方向を調整する偏光変換素子と、
前記レンズアレイと前記偏光変換素子との間に配置され、前記光束が通過する開口部、および前記光束を遮蔽する遮蔽部を有し、前記開口部および前記遮蔽部が前記光束の光軸に対して略直交する第1方向に交互に複数配置される遮光板と、
前記光束の少なくとも一部の波長領域の光量を減少させ、複数の前記開口部を個別に開閉する複数の光学フィルターと、
前記偏光変換素子を通過した光束を変調する電気光学装置と、
を備えていることを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記光学フィルターを回転させる回転機構部をさらに備え、
前記光学フィルターは、前記光軸方向に投影した際に前記遮蔽部と重なり、前記光軸および前記第1方向に対して略直交する第2方向に延出する回転軸を中心軸として軸支される第1軸部を有していることを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記回転機構部は、前記第1方向に移動する移動部を備え、
前記光学フィルターは、前記移動部に軸支される第2軸部を備えていることを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記光学フィルターを前記第1方向に移動させるスライド機構部を備えていることを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
前記複数の光学フィルターは、個別に異なる特性を有する部材で構成されていることを特徴とするプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−203287(P2011−203287A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67539(P2010−67539)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】