プロジェクタ機能付き画像処理装置およびプログラム
【課題】出力対象画像を光変換して投影画像として出力している状態において、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域内の画像部分を識別できるようにする。
【解決手段】プレゼンテーションシステムにおいてPC3は、出力対象画像がプロジェクタ1を介してスクリーン4に投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、メニュー項目内の「拡大」、「太線」が選択指定された場合に、デジタルカメラ2によって投影画像を撮影した撮影画像を取得し、この撮影画像を解析することによって指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する。そして、この出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能にするために当該画像部分に識別処理を施した後の出力対象画像を投影画像としてプロジェクタ1から出力させる。
【解決手段】プレゼンテーションシステムにおいてPC3は、出力対象画像がプロジェクタ1を介してスクリーン4に投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、メニュー項目内の「拡大」、「太線」が選択指定された場合に、デジタルカメラ2によって投影画像を撮影した撮影画像を取得し、この撮影画像を解析することによって指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する。そして、この出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能にするために当該画像部分に識別処理を施した後の出力対象画像を投影画像としてプロジェクタ1から出力させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、出力対象画像を光変換して投影画像として出力するプロジェクタ機能付き画像処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CRT(ブラウン管)あるいは液晶パネルなどを使用して、出力対象画像を光変換してスクリーン上に投影表示するプロジェクタは、高解像で鮮明なカラー投影を得ることができるようになり、また、パーソナルコンピュータ(PC)からの画像をスクリーン上に投影表示するようにしたプレゼンテーションシステムとしては、たとえば、PCから外部表示装置に対して送られた出力対象画像のうち、任意の領域をPC側から指定すると、この指定領域内の画像部分を抽出して外部表示装置に送り、この外部表示装置を介してスクリーン上に投影するようにした表示用画面の部分選択装置が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−181422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献の部分選択装置にあっては、指定領域内の画像部分を抽出して投影表示させるようにしているため、プレゼンテーションの参加者にあっては、その部分を注視することができるが、領域が指定される以前の画像全体までも知ることはできず、部分画像が表示されている状態では、画像全体に対して当該部分がどのような関係にあるかを把握することはできなかった。
【0004】
ところで、各種資料をスクリーン上に投影表示させているプレゼンテーション時において、発表者は、スクリーン上の資料に沿って説明を行うようにしているが、その際、発表内容と参考資料との対応関係を口述で説明しながら行うようにしている。この場合、参加者にあっては、スクリーン上に投影表示されている多くの資料の中から現在の説明内容に該当する参考資料を即座に見つけ出すことができなかったり、間違った資料を見てしまうことがあり、さらには、説明内容を聞き逃すことがあるなど、発表者と参加者との間に大きなギャップが生じることがあった。このことは、プレゼンテーションの進行が速くなればなる程、顕著なものとなる。
【0005】
第1の発明の課題は、出力対象画像を光変換して投影画像として出力している状態において、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域内の画像部分を識別できるようにすることである。
第2の発明の課題は、出力対象画像を光変換して投影画像として出力している状態において、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域に関する関連情報を出力できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明(第1の発明)は、出力対象画像を光変換して投影画像として出力するプロジェクタ機能付き画像処理装置において、出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域を指定する領域指定手段と、この領域指定手段によって領域指定されている状態において当該投影画像を撮影してデジタル変換する撮影手段と、この撮影手段からの撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する領域特定手段と、この領域特定手段によって特定された出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施す識別処理手段と、この識別処理手段によって識別処理が施された後の出力対象画像を投影画像として出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
さらに、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項11記載の発明)。
【0007】
なお、請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別するために予め用意されている複数の識別種の中から任意の種類を選択指定する識別種選択手段を設け、前記識別処理手段は、この識別種選択手段によって任意に選択された識別種に基づいて出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別処理する(請求項2記載の発明)。
【0008】
投影画像と共に識別種メニューが投影されている状態において、この識別種メニューの中から任意の種類が投影画像内で選択指定された際に、このときの撮影画像を解析することによって前記選択指定された識別種を特定する(請求項3記載の発明)。
【0009】
前記指定手段は、発光体を操作することによって投影画像内の任意の領域が照明された際に、この照明部分を領域指定する(請求項5記載の発明)。
この場合、前記領域特定手段は、発光体を操作することによって投影画像内の任意の照明ポイントが移動される毎に、撮影画像を順次取り込みながらその照明位置の移動軌跡を追随検出し、この照明ポイントの移動軌跡によって指示された領域を撮影画像内の対応領域として特定するようにしてもよい(請求項6記載の発明)。
【0010】
投影画像と共に処理メニューが投影されている状態において、この処理メニューの中から任意のメニュー項目が投影画像内で選択指定された際に、そのときの撮影画像を解析することによって前記選択指定されたメニュー項目を特定すると共に、このメニュー項目に対応する処理を実行する(請求項7記載の発明)。
【0011】
請求項4記載の発明(第2の発明)は、出力対象画像を光変換して投影画像として出力するプロジェクタ機能を備えた画像処理装置において、出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域を指定する領域指定手段と、この領域指定手段によって領域指定されている状態において当該投影画像を撮影してデジタル変換する撮影手段と、この撮影手段からの撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する領域特定手段と、この領域特定手段によって特定された出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得する取得手段と、この取得手段によって得られた関連情報を出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
さらに、コンピュータに対して、上述した請求項4記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項12記載の発明)。
【0012】
なお、請求項4記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記出力手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が音声情報であれば、この音声情報を合成出力する(請求項8記載の発明)。
【0013】
前記取得手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得する際に、当該対応領域内に含まれている文字列を文字認識すると共に、この認識結果を音声情報に変換することによって対応領域に関する関連情報を取得し、前記出力手段は、この取得手段によって得られた音声情報を合成出力する(請求項9記載の発明)。
【0014】
前記出力手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が登録画像であれば、この登録画像を投影画像として出力する(請求項10記載の発明)。
その他、請求項4記載の発明(第2の発明)にあっても、上述した請求項5〜請求項7記載の発明であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明(第1の発明)によれば、出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影した撮影画像を解析することによって指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定し、この出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施した後の出力対象画像を投影画像として出力するようにしたから、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域内の画像部分を識別することができ、たとえば、プレゼンテーションにおいて、スクリーン上に多くの資料が投影表示されている場合でも、説明内容と参考資料との対応関係を即座に確認することができず、対応する資料を探したり、間違った資料を見たり、説明内容を聞き逃すことを効果的に防止することが可能となる。
なお、識別処理としては、領域拡大処理、領域アウトラインの太線化処理、網掛け処理、着色処理、反転処理、輝度変化処理、点滅処理など任意である。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有する他、出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために予め用意されている複数の識別種の中から任意の種類が選択指定されると、選択された識別種に基づいて出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別処理するようにしたから、所望する領域識別を実現することができると共に、必要に応じて識別の仕方を変更することができるなど、より効果的なプレゼンテーションが可能となる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有する他、投影画像と共に識別種メニューが投影されている状態において、この識別種メニューの中から任意の種類が投影画像内で選択指定された際に、このときの撮影画像を解析することによって選択指定された識別種を特定するようにしたから、所望する識別種を投影画像内で選択指定することができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有する他、発光体を操作することによって投影画像内の任意の領域が照明された際に、この照明部分を領域指定するようにしたから、たとえば、レーザ発光ペンを使用して遠方から投影画像内の任意の領域を照明するだけで、この照明部分の領域を容易に指定することができる。
なお、発光ペンは、たとえば、赤色のレーザビームを発光するもので、その指向性によって遠方からでも所望する位置をポイント照明することができるものである。
この場合、発光体を操作することによって投影画像内の任意の照明ポイントが移動される毎に、撮影画像を順次取り込みながらその照明位置の移動軌跡を追随検出し、この照明ポイントの移動軌跡によって指示された領域を撮影画像内の対応領域として特定するようにすれば(請求項6記載の発明)、詳細な領域指定を実現することが可能となる。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有する他、投影画像と共に処理メニューが投影されている状態において、この処理メニューの中から任意のメニュー項目が投影画像内で選択指定された際に、そのときの撮影画像を解析することによって選択指定されたメニュー項目を特定すると共に、このメニュー項目に対応する処理を実行するようにしたから、たとえば、画像切り換えなどの各種の処理を投影画像内で選択指定することができる。
【0020】
請求項4記載の発明(第2の発明)によれば、出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影した撮影画像を解析することによって指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定し、この出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得して出力するようにしたから、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域に関する関連情報を出力することができ、たとえば、プレゼンテーションにおいて、スクリーン上に投影表示されている資料に関する補足説明などを出力することによって、より効果的なプレゼンテーションが可能となる。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、上述した請求項4記載の発明と同様の効果を有する他、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が音声情報であれば、この音声情報を合成出力するようにしたから、投影画像の補足説明として音声による説明が可能となる。
この場合、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得する際に、当該対応領域内に含まれている文字列を文字認識すると共に、この認識結果を音声情報に変換することによって音声情報を合成出力するようにしてもよい(請求項9記載の発明)。
【0022】
請求項10記載の発明によれば、上述した請求項4記載の発明と同様の効果を有する他、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が登録画像であれば、この登録画像を投影画像として出力するようにしたから、投影画像の補足説明として別画像による説明が可能となる。
なお、請求項4記載の発明(第2の発明)においても、上述した請求項5〜請求項7記載の発明と同様の効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図1〜図10を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、この実施例におけるプレゼンテーションシステムの全体構成の概要を示したブロック図である。
このプレゼンテーションシステムは、プロジェクタ機能付き画像処理装置を構成するもので、たとえば、会社等における商談会、報告会、審議会などのビジネスミーティング用として使用され、プロジェクタ1、デジタルカメラ2、パーソナルコンピュータ(PC)3、スクリーン4を有する構成となっている。
【0024】
プロジェクタ1は、たとえば、液晶パネルを使用した液晶プロジェクタであり、光源、プリズム、投影レンズのほか、CPU、通信インターフェイスなどを有する構成で、プロジェクタ1とPC3とは、無線あるいは有線によって接続され、PC3から送信されてきた画像を受信すると、液晶パネルを介してスクリーン4上に投影出力するようにしている。デジタルカメラ2は、CCD等の撮像素子、光学系、CPU、記録メディアなどを有し、PC3からの指示によって動作するもので、プレゼンテーションの開始が指示された際に、スクリーン4を被写体として投影画像の全体を動画撮影するビデオカメラあるいは動画撮影が可能なスチルカメラであり、プロジェクタ1に取り付けられている。
【0025】
この場合、プロジェクタ1の上面部には、デジタルカメラ2が取り付けられており、プロジェクタ1の投影レンズとデジタルカメラ2の撮影レンズとの光軸が上下相対するように極力接近させてある。なお、プロジェクタ1とデジタルカメラ2との間には、プロジェクタ1内の光源からの発熱がデジタルカメラ2に影響しないように断熱部材(図示せず)が設けられている。
レーザ発光ペン5は、プロジェクタ1からスクリーン4上に投影出力された投影画像内において、たとえば、任意の位置をポイント照明する赤色のレーザビームを発光する棒状の発光体であり、その指向性によって遠方からでも所望する位置をポイント照明することができるものである
【0026】
図2は、プロジェクタ1側において出力対象画像を光変換して投影画像として出力させた状態を示した図である。
この場合、PC3側の画面(PC画面)には、出力対象画像と共に、その下側にはメニュー項目が表示され、また、スクリーン4上には、この出力対象画像の投影画像とメニュー項目の投影画像が並列的に表示される。このようにPC画面の表示内容とスクリーン4上の投影内容とは対応付けられており、PC画面の表示内容がそのまま投影画像となる。ここの投影画像内において、発表者は、レーザ発光ペン5を使用することによって、投影画像内の任意の領域を指定したり、投影画像内のメニュー項目を任意に指定する。
【0027】
この場合、レーザ発光ペン5によって投影画像内の任意の位置がポイント照明されている状態において、デジタルカメラ2は、この投影画像の全体を撮影するようにしている。PC3は、この撮影画像を順次取り込みながら画像解析を行い、レーザ発光ペン5によってポイント照明されている位置の移動軌跡(発光照明軌跡)を追随検出し、この照明ポイントの移動軌跡によって指示された領域を特定するようにしている。ここで、PC3は、投影画像内の照明軌跡に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定し、この出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施すと共に、識別処理を施した後の出力対象画像を投影画像として再出力させるようにしている。また、PC3は、識別処理を施す以外に、出力対象画像内の対応領域に対応して登録されている関連情報を読み出し、この関連情報が音声であれば、この関連情報を音声出力させ、画像であれば、この関連情報を出力対象画像に合成して再出力させるようにしている。
【0028】
また、PC3は、照明ポイントの位置が投影画像内のメニュー項目上であれば、このメニュー項目対応の処理を実行するようにしている。メニュー項目は、「拡大」、「太線」、「音声」、「補足」、‥‥の各項目を有している。ここで、「拡大」のメニュー項目は、識別処理の1つで、指定領域内の画像部分を拡大すべきことを指示するためのメニュー項目である。「太線」のメニュー項目は、他の識別処理で、指定領域のアウトラインを特定すると共にこのアウトラインを太線で囲むべきことを指示するためのメニュー項目である。「音声」のメニュー項目は、指定領域内に含まれている文字列を文字認識すると共に、この認識結果を音声情報に変換して合成出力すべきことを指示するためのメニュー項目である。「補足」のメニュー項目は、指定領域に対応して予め登録されている関連情報を出力すべきこと指示するためのメニュー項目である。この場合、関連情報が音声情報であれば、この音声情報を合成出力し、関連情報が登録画像であれば、この登録画像を投影画像として当該指定領域に対応付けて出力する。
【0029】
図3は、PC3の基本的構成要素を示したブロック図である。
CPU31は、記憶部32内のオペレーティングシステム、各種アプリケーションソフトに応じてこのPC3の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部32は、プログラム領域とデータ領域とを有し、磁気的メモリ、光学的メモリ、半導体メモリ等の他、その駆動系を有する構成となっている。この記憶部32内のプログラム領域には、後述する図4〜図6に示す動作手順に応じて本実施例を実現するためのアプリケーションプログラムが格納されている。
【0030】
この記憶部32内のプログラム、データは、必要に応じてRAM(たとえば、スタティックRAM)33にロードされたり、このRAM33内のデータが記憶部32にセーブされる。なお、RAM33内の移動軌跡メモリ33−1は、上述した投影画像内の照明ポイントが順次セットされるもので、CPU31は、この移動軌跡メモリ33−1に基づいて照明ポイントの移動軌跡を解析し、この移動軌跡が閉曲線に近似したものであれば、この閉曲線を指定領域として特定するようにしている。なお、記録媒体34は、CD−ROM、フレキシブルディスク、RAMカード等である。
【0031】
CPU31には、その入出力周辺デバイスである通信I/F(インターフェイス)35、入力装置36、表示装置37、音声出力部38がバスラインを介して接続されており、入出力プログラムによってCPU31は、これらの入出力デバイスの動作制御を行う。
通信I/F35は、プロジェクタ1、デジタルカメラ2との間で画像データ等の送受信を行う有線/無線インターフェイスである。入力装置36は、キーボード、タッチパネルあるいはマウス、タッチ入力ペン等のポインティングデバイスを構成する操作部であり、文字列データ、各種コマンドの入力を行う。表示装置37は、フルカラー表示を行う液晶表示装置、CRT表示装置、プラズマ表示装置等である。音声出力部38は、スピーカ等を有し、たとえば、スクリーン4の両側などに配置されている。
【0032】
次ぎに、この実施例におけるプレゼンテーションシステムの動作概念を図4〜図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体の他に、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施例特有の動作を実行することもできる。
【0033】
図4は、プレゼンテーションの開始指示に応答して実行開始されるPC3の全体動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU31は、プレゼンテーションの開始指示に応答してプロジェクタ1およびデジタルカメラ2を起動させると共に(ステップA1)、図2に示したように「拡大」、「太線」、「音声」、「補足」、‥‥の各項目を有するメニュー項目画像を投影出力の対象画像として生成する(ステップA2)。そして、予め登録されている各種画像の一覧画面を表示出力させると共に、この一覧画面の中から複数の画像が投影出力の対象画像群として任意に選択指定されると(ステップA3)、この選択画像群の先頭から1画像データを読み出すと共に(ステップA4)、この読み出し画像をPC画面に表示出力させる(ステップA5)。この場合、PC画面には、図2で示したように、当該読み出し画像と共にメニュー項目画像が並列的に表示出力される。
【0034】
そして、この読み出し画像とメニュー項目画像との合成画像を生成して(ステップA6)、この合成画像をプロジェクタ1に送信する(ステップA7)。ここで、プロジェクタ1側では、この合成画像が液晶パネルに展開されて、プリズム、投影レンズなどを介してスクリーン4上に投影出力させる。この状態において、PC3側においては、その入力装置36に設けられている画像送りキー(図示せず)の操作有無をチェックし(ステップA8)、この画像送りキーが操作された際には、上述の選択画像群の中から次ぎの1画像データを読み出して(ステップA9)、次画像の有無をチェックする(ステップA10)。ここで、次画像が有れば、ステップA5に戻り、この読み出し画像をメニュー項目画像と共にPC画面に表示出力させる。最初は、先頭画像の投影を開始した場合であり、画像送りキーが操作されなければ(ステップA10でNO)、デジタルカメラ2から撮影画像を取得して(ステップA11)、後述する撮影画像解析処理を行うと共に(ステップA12)、解析結果対応処理を実行した後に(ステップA13)、画像送りキーの操作有無をチェックし(ステップA8)、以下、画像送りキーが操作されるまで撮影画像を取得しながら撮影画像解析処理(ステップA12)、解析結果対応処理(ステップA13)が繰り返し実行される。
【0035】
図5は、撮影画像解析処理を詳述するためのフローチャートである。
この撮影画像解析処理は、デジタルカメラ2から取得した撮影画像を解析し、この撮影画像内に含まれている照明ポイントを特定すると共に、この照明ポイントに対応する出力対象画像内の位置を特定するもので、先ず、CPU31は、撮影画像全体を解析しながら(ステップB1)、レーザ発光ペン5による照明ポイント(所定大の赤色部分)の有無を調べ(ステップB2)、撮影画像内に照明ポイントが含まれていなければ(ステップB2でNO)、移動軌跡メモリ33−1の内容をクリアして初期化するが(ステップB3)、撮影画像内に照明ポイントが含まれていれば、撮影画像内における照明ポイントの位置を特定し(ステップB4)、この照明ポイントの位置は、メニュー項目の表示上か否かを判別する(ステップB5)。いま、メニュー項目が発光照明されている場合には(ステップB5でYES)、当該照明位置に基づいて対応のメニュー項目として、「拡大」、「太線」、「音声」、「補足」、‥‥のうち、何れの項目が指定されたかを特定する(ステップB6)。
【0036】
一方、照明ポイントの位置がメニュー項目の表示上ではなければ(ステップB5でNO)、移動軌跡メモリ33−1から前回の照明位置を読み出し(ステップB7)、この前回の照明位置と今回特定した照明位置とを比較して(ステップB8)、今回の照明位置は前回の照明位置の近傍かを判別する(ステップB9)。ここで、今回の照明位置と前回の照明位置とが離れている場合には、新たな領域を指定するためにポイント指定されたものと判別するが、投影画像内の任意の領域を指定するために、発光ポイントの位置が連続的に変化しているような場合には、今回の照明位置は前回の照明位置の近傍であると判別する。
【0037】
図7は、今回の照明位置が前回の照明位置の近傍であるか否かを判別するための判別方法を説明するための図である。
たとえば、出力対象画像全体を「4×4」、「6×6」、「8×8」のようにマトリックス状に分割した場合において、今回の照明位置と前回の照明位置が同一の分割領域内に存在しているときには今回の照明位置は前回の照明位置の近傍であると判別され、また、今回の照明位置と前回の照明位置が異なる分割領域であっても、その距離が分割領域サイズ分以下のときにも今回の照明位置は前回の照明位置の近傍であると判別される。この場合、出力対象画像の複雑度合いに基づいて「4×4」、「6×6」、「8×8」の何れか一方で画像全体を分割するようにしている。なお、図7の例では、「4×4」で分割した場合を例示したもので、たとえば、図示のように今回の照明位置が存在する分割エリアが (3、3)の座標値で示されるエリアで、前回の照明位置が存在する分割エリアも (3、3) の座標値で示されるエリアであれば、今回の照明位置は前回の照明位置の近傍であると判別されるが、今回の照明位置が存在する分割エリアが (3、3)で、前回の照明位置が存在する分割エリアが (3、4)であり、その距離が分割領域サイズを超える場合には、今回の照明位置は前回の照明位置の近傍ではないと判別される。
【0038】
いま、今回の照明位置が前回の照明位置の近傍であれば(ステップB9でYES)、今回の照明位置データを移動軌跡メモリ33−1に追加記憶させた後(ステップB10)、移動軌跡メモリ33−1内の各位置データを全て読み出して解析し(ステップB11)、各位置によって特定される形状、つまり、発光ポイントの移動軌跡は、閉曲線に近似するか否かを調べる(ステップB12)。
図8は、発光ポイントの移動軌跡に応じて指定領域が特定される場合を例示した図であり、発光ポイントの移動軌跡は、投影画像内において任意に指定された領域を特定可能であればよく、略矩形、三角形などであってもく、また、完全な閉曲線を成す必要はなく、たとえば、略半円形であっても閉曲線に近似すると判別される。なお、移動軌跡の形状によってメニュー項目の種類を特定しても良い。例えば、移動軌跡の形状が三角あれば音声、四角であれば拡大、丸であれば太線、∞であれば補足のメニュー項目を特定するようにしても良い。
【0039】
ここで、移動軌跡メモリ33−1の内容を解析した結果、各位置によって特定された形状が閉曲線に近似する場合には(ステップB12でYES)、この発光ポイントの移動軌跡によって囲まれた領域は、投影画像内において任意に指定された領域であるとして、当該領域を照明指示領域として特定した後に(ステップB13)、移動軌跡メモリ33−1の内容を全てクリアして初期状態に戻すが(ステップB14)、閉曲線に近似せず、発光ポイントの移動軌跡が直線的であったり、半円形にも達していないような場合には(ステップB12でNO)、上述の各ステップB13およびB14をスキップすることによって発光ポイントの移動軌跡を追跡する処理を引き続いて行うようにしている。
一方、今回の照明位置が前回の照明位置の近傍ではなく、互いに離れている場合には(ステップB9でNO)、新たな領域を指定するためにポイント指定されたものと判別し、移動軌跡メモリ33−1の内容を全てクリアして初期状態に戻した後に(ステップB15)、今回の照明位置を始点位置として移動軌跡メモリ33−1に記憶させる(ステップB16)。
【0040】
図6は、撮影画像解析処理の終了後に実行開始される解析結果対応処理を詳述するためのフローチャートである。
先ず、CPU31は、上述した撮影画像解析処理によってメニュー項目が特定されたか否かをチェックする(ステップC1)。いま、投影画像内のメニュー項目の何れかの位置がレーザ発光ペン5によって照明されている場合には(ステップC1でYES)、この特定メニュー項目をアクティブメニュー項目としてセットすることによって当該メニュー処理を実行可能な状態にセットしておく(ステップC2)。なお、アクティブメニュー項目のデフォルト値は、「拡大」に設定されており、投影画像内のメニュー項目として、たとえば、「太線」の位置がポイント照明された際には、アクティブメニュー項目は、「太線」のメニュー項目に変更される。
【0041】
また、メニュー項目が特定されていない場合、つまり、投影画像内のメニュー項目がスポット照明されていない場合には(ステップC1でNO)、上述した撮影画像解析処理によって発光ポイントの移動軌跡によって囲まれた領域(照明指示領域)が特定されたか否かをチェックし(ステップC3)、照明指示領域が特定されなければ、この時点で当該フローから抜けるが、照明指示領域が特定されている場合には、現在のアクティブメニュー項目を判別する(ステップC4)。ここで、アクティブメニュー項目が「音声」であれば、音声認識プログラムを起動させて、照明指示領域内のデータ(文字列)を文字認識すると共に(ステップC5)、この認識結果を音声データに変換し(ステップC6)、この音声データを合成出力させる(ステップC7)。すなわち、これら(ステップC5〜7)による音声変換処理によって照明指示領域内のデータがそのまま読み上げられるので、参加者にあっては、照明指示領域内の文字列を読み取らなくても音声によってその内容を知ることができる。
【0042】
また、アクティブメニュー項目が「拡大」であれば、照明指示領域全体を所定倍率(たとえば、2倍)に拡大すると共に(ステップC8)、この拡大画像を元画像(出力対象画像)の対応位置に貼り付ける画像合成を行い(ステップC9)。そして、この合成画像にメニュー項目画像を合成した後(ステップC10)、この合成画像をプロジェクタ1に送信する(ステップC11)修飾処理がなされる。
図9は、発光ポイントの移動軌跡を追随することによって特定された照明指示領域に対して各種の処理を施した後の投影画像を例示した図で、図9(A)に示すように、照明指示領域が2行目〜3行目内の「いいい‥‥」、「ううう‥‥」であれば、この照明指示領域内の各データは、図9(B)に示すように2倍に拡大されて、プロジェクタ1から投影出力される。なお、修飾処理(ステップC8〜11)で施される修飾種としては、縮小処理、網掛け処理、着色処理、反転処理、輝度変化処理、ぼかし処理、するなどの修飾であってもよい。
【0043】
また、アクティブメニュー項目が「太線」であれば、照明指示領域のアウトラインを特定すると共に(ステップC12)、このアウトラインを太線に変換し(ステップC13)、この太線を元の出力対象画像の対応位置に貼り付けて画像合成する(ステップC14)。さらに、この合成画像にメニュー項目画像を合成した後(ステップC10)、この合成画像をプロジェクタ1に送信する(ステップC11)。この場合、図9(A)に示す照明指示領域は、図9(C)に示すような太線のアウトラインによって囲まれて、デジタルカメラ2から投影出力される。このように「太線」により文字列を囲んで、他の文字と区別可能にする以外に、点線、波線などによって文字列を囲んだり、図形を丸や四角で囲んだり、点滅処理、背景の色を変更するような強調処理であってもよい(ステップC12〜14)。
【0044】
また、アクティブメニュー項目が「補足」であれば、記憶部32に設けられている補足説明ファイル32−1をアクセスして、当該照明指示領域に対応する関連情報を読み出す(ステップC15)。
図10は、補足説明ファイル32−1の内容を示した図であり、この補足説明ファイル32−1は、出力対象画像毎に「構成要素」、「関連情報」、「種類」とを対応付けて記憶管理するもので、補足説明ファイル32−1の内容は、予め任意に登録されたものである。ここで、「構成要素」は、図表、写真、項目別文章などを示し、「関連情報」は、図表、写真、項目別文章などを補足説明するための音声データ、文字列・図表・写真などの画像データを示し、「種類」は、関連情報のデータ種を示し、音声データか画像データかを示している。
【0045】
この場合、CPU31は、照明指示領域に基づいて出力対象画像内の該当領域を特定すると共に、この領域内に含まれている「構成要素」を特定し、この「構成要素」に基づいて補足説明ファイル32−1を検索することによって「構成要素」に対応する「関連情報」、「種類」を読み出す(ステップC15)。そして、この「種類」は、音声データか画像データかを判別し(ステップC16)、音声であれば、登録されている音声データ「関連情報」を音声出力するが(ステップC17)、画像であれば、登録されている画像データ「関連情報」を出力対象画像の対応位置に貼り付ける画像合成を行うと共に(ステップC18)、この合成画像にメニュー項目画像を合成した後(ステップC10)、この合成画像をプロジェクタ1に送信する(ステップC11)。この場合、図9(A)に示す照明指示領域には、図9(D)に示すような関連情報「AA‥‥」、「BB‥‥」が補足説明として付加されて、プロジェクタ1から投影出力される。なお、ステップC17では、予め登録されている音声を出力する以外に、照明指示領域内のデータの内容に応じた楽曲を出力するような補足付加処理(ステップC16〜17)にしてもよい。また、ステップC18の合成画像は静止画であっても動画であってもよい。
【0046】
以上のように、この実施例のプレゼンテーションシステムにおいてPC3は、出力対象画像がプロジェクタ1を介して投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、メニュー項目内の「拡大」、「太線」が選択指定された場合に、デジタルカメラ2によって投影画像を撮影した撮影画像を取得し、この撮影画像を解析することによって指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定し、この出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施した後の出力対象画像を投影画像としてプロジェクタ1から出力させるようにしたから、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域内の画像部分を「拡大」、「太線」によって識別することができ、プレゼンテーションにおいて、スクリーン上に多くの資料が投影表示されている場合でも、説明内容と参考資料との対応関係を即座に確認することができず、対応する資料を探したり、間違った資料を見たり、説明内容を聞き逃すことを効果的に防止することが可能となる。
【0047】
この場合、PC3は、出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために予め用意されている複数の識別種「拡大」、「太線」の中から任意の種類が選択指定されると、選択された識別種に基づいて出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別処理するようにしたから、所望する領域識別を実現することができると共に、必要に応じて識別の仕方を変更することができるなど、より効果的なプレゼンテーションが可能となる。また、投影画像と共に識別種メニューが投影されている状態において、この識別種メニューの中から任意の種類が投影画像内で選択指定された際に、このときの撮影画像を解析することによって選択指定された識別種を特定するようにしたから、所望する識別種を投影画像内で選択指定することができる。
【0048】
PC3は、出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、メニュー項目内の「補足」が選択指定された場合には、当該投影画像を撮影した撮影画像を解析することによって指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定し、この出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得して出力するようにしたから、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域に関する関連情報を出力することができ、プレゼンテーションにおいて、スクリーンに投影表示されている資料に関する補足説明などを出力することによって、より効果的なプレゼンテーションが可能となる。
【0049】
この場合、関連情報が音声データであれば、補足説明ファイル32−1から音声データを取得して音声出力するようにしたから、投影画像の補足説明として音声による説明が可能となる。また、関連情報が画像データであれば、補足説明ファイル32−1から画像データを取得して投影画像として出力するようにしたから、投影画像の補足説明として別画像による説明が可能となる。この場合、元の出力対象画像と補足説明用の画像とを合成し、この合成画像を投影画像として出力させることができる。
【0050】
一方、メニュー項目内の「音声」が選択指定された場合、PC3は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を補足説明ファイル32−1から取得せず、当該対応領域内に含まれている文字列を文字認識すると共に、この認識結果を音声データに変換することによって音声データを合成出力するようにしたから、指定領域内のデータをそのまま読み上げることができ、参加者にあっては、照明指示領域内の文字列を読み取らなくても音声によってその内容を知ることができる。
【0051】
また、レーザ発光ペン5を操作することによって投影画像内の任意の領域が照明された際に、この照明部分を領域指定するようにしたから、遠方から投影画像内の任意の領域を照明するだけで、この照明部分の領域を容易に指定することができる。この場合、PC3は、レーザ発光ペン5を操作することによって投影画像内の任意の照明ポイントが移動される毎に、撮影画像を順次取り込みながらその照明位置の移動軌跡を追随検出し、この照明ポイントの移動軌跡によって指示された領域を撮影画像内の対応領域として特定するようにしたから、詳細な領域指定を実現することが可能となる。
【0052】
PC3は、投影画像と共にメニュー項目が投影されている状態において、このメニュー項目の中から任意のメニュー項目がレーザ発光ペン5を操作することによって投影画像内で選択指定された際に、そのときの撮影画像を解析することによって選択指定されたメニュー項目を特定すると共に、このメニュー項目に対応する処理を実行するようにしたから、たとえば、画像切り換えなどの各種の処理を投影画像内で選択指定することができる。
【0053】
なお、上述した実施例においては、指定領域内のデータを拡大(修飾処理)した後、この拡大画像を元の画像に貼り付ける際に、この拡大画像の大きさ、拡大画像の貼り付け位置によっては元の画像に影響を及ぼすことも考えられるが、このような場合、図11に示すように画像の一部分をシフトするようにしていもよい。すなわち、図11(A)に示すように、2行目の文字列「BBBB‥‥」と、3行目の文字列「CCCC‥‥」のうち、その一部が領域指定された場合、つまり、各行の先頭から2文字を除く部分が領域指定された場合には、当該領域内の各文字を拡大した後、図11(B)に示すように、1行目、2行目の先頭2文字「BB」、「CC」を領域拡大に応じてシフトするようにしてもよい。図11(B)は、このような文字位置をシフトによってその一部が他の画像に重なり合った場合を示している。
【0054】
上述した実施例において、発光ポイントの移動軌跡を追随検出する際に、投影画像(出力対象画像)全体を「4×4」、「6×6」、「8×8」のようにマトリックス状に分割し、今回の照明位置と前回の照明位置が同一の分割領域内に存在しているか否かに基づいて今回の照明位置は前回の照明位置の近傍か否かを判別するようにしたが、時間的要素を加味することによって発光ポイントの移動軌跡を追随検出するようにしてもよい。たとえば、前回の照明から今回の照明までの経過時間を計測し、この計測時間が一定時間を経過した場合には、新たな領域が指定された場合であると判断し、一定時間以下の場合には、引き続いて移動軌跡を追随検出するようにしてもよい。
【0055】
また、上述した実施例においては、メニュー項目として、(「拡大」修飾処理)、(「太線」強調処理)、(「音声」音声変換処理)、(「補足」識別データ付加処理)を例示したが、これに限らず、たとえば、プレゼンテーションの開始/終了を指示するコマンド、次頁画像の切り換えを指示するコマンドなどを含むメニュー項目を投影画像として出力するようにしてもよい。
【0056】
また、上述した実施例においては、投影画像内にメニュー項目を一覧表示させたが、メニュー項目を一覧表示させる場合に限らず、たとえば、所定の操作に応じてプルダウン形式のメニューを投影画像内に表示させ、その中から所望するメニュー項目を選択指定するようにしてもよく、また、投影画像内に1つの項目を表示させ、この項目が発光指定されるごとに、サイクリックに「拡大」、「太線」、「音声」、「補足」のメニュー項目に切り換えるようにしてもよい。
【0057】
上述した実施例においては、レーザ発光ペン5を操作することによって投影画像内の任意のメニュー項目を選択指定したり、任意の領域を指定するようにしたが、レーザ発光ペンによって投影画像内の任意の位置をポイント指定する場合に限らず、たとえば、光の拡散を任意に可変可能な発光ペンを用いて、光の拡散している領域を指定領域として直接的に指定するようにしてもよい。例えば、光の拡散形状が丸であれば音声、四角であれば拡大、星であれば太線、∞であれば補足のメニュー項目を特定するようにしても良い。
また、発光ポイントの移動軌跡を追随検出し、その形が閉曲線に近似する場合には、この閉曲線で囲まれている領域を指定領域としたが、発光ポイントの移動軌跡が直線の場合には、この直線に対応する行を指定領域としてもよい。
【0058】
その他、会社等における商談会、報告会、審議会などのビジネスミーティング用に限らず、一般家庭用であってもよい。また、デスクトップ型のパーソナルコンピュータに限らず、携帯情報端末であってもよく、また、プロジェクタ1の中にデジタルカメラ2を一体的に組み込んだ構成であってもよく、また、プロジェクタ1、デジタルカメラ2、PC3をそれぞれ一体的に組み込んだ構成であってもよい。つまり、プレゼンテーションシステムに限らず、スタンドアロンタイプのプロジェクタ機能付き画像処理装置であってもよい。
【0059】
一方、コンピュータに対して、上述した各手段を実行させるためのプログラムコードをそれぞれ記録した記録媒体(たとえば、CD−ROM、フレキシブルディスク、RAMカード等)を提供するようにしてもよい。すなわち、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードを有する記録媒体であって、出力対象画像が光変換されて投影出力されいる投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影してデジタル変換する機能と、撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する機能と、特定された出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施す機能と、識別処理が施された後の出力対象画像を投影画像として出力する機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体を提供するようにしてもよい。
【0060】
また、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードを有する記録媒体であって、出力対象画像が光変換されて投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影してデジタル変換する機能と、撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する機能と、特定された出力対象画像内の対応領域に対応付けて予め登録されている関連情報を取得する機能と、取得した関連情報を出力する機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体を提供するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】プレゼンテーションシステムの全体構成の概要を示したブロック図。
【図2】プロジェクタ1側において出力対象画像を光変換して投影画像として出力させた状態を示した図。
【図3】PC3の基本的構成要素を示したブロック図。
【図4】プレゼンテーションの開始指示に応答して実行開始されるPC3の全体動作を示したフローチャート。
【図5】図4で示した撮影画像解析処理を詳述するためのフローチャート。
【図6】図4で示した撮影画像解析処理の終了後に実行開始される解析結果対応処理を詳述するためのフローチャート。
【図7】今回の照明位置が前回の照明位置の近傍であるか否かを判別するための判別方法を説明するための図。
【図8】発光ポイントの移動軌跡に応じて指定領域が特定される場合を例示した図。
【図9】発光軌跡を追随することによって特定された照明指示領域に対して各種の処理を施した後の投影画像で、(A)は特定された照明指示領域を示し、(B)は照明指示領域内のデータを拡大した状態、(C)は照明指示領域のアウトラインを太線化した状態、(D)は照明指示領域に対応する関連情報を付加した状態を示した図。
【図10】補足説明ファイル32−1の内容を示した図。
【図11】この実施例の変形応用例を説明するための図。
【符号の説明】
【0062】
1 プロジェクタ
2 デジタルカメラ
3 PC
4 スクリーン
5 レーザ発光ペン
31 CPU
32 記憶部
35 通信I/F
36 入力装置
37 表示装置
38 音声出力部
32−1 補足説明ファイル
33−1 移動軌跡メモリ
【技術分野】
【0001】
この発明は、出力対象画像を光変換して投影画像として出力するプロジェクタ機能付き画像処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CRT(ブラウン管)あるいは液晶パネルなどを使用して、出力対象画像を光変換してスクリーン上に投影表示するプロジェクタは、高解像で鮮明なカラー投影を得ることができるようになり、また、パーソナルコンピュータ(PC)からの画像をスクリーン上に投影表示するようにしたプレゼンテーションシステムとしては、たとえば、PCから外部表示装置に対して送られた出力対象画像のうち、任意の領域をPC側から指定すると、この指定領域内の画像部分を抽出して外部表示装置に送り、この外部表示装置を介してスクリーン上に投影するようにした表示用画面の部分選択装置が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−181422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献の部分選択装置にあっては、指定領域内の画像部分を抽出して投影表示させるようにしているため、プレゼンテーションの参加者にあっては、その部分を注視することができるが、領域が指定される以前の画像全体までも知ることはできず、部分画像が表示されている状態では、画像全体に対して当該部分がどのような関係にあるかを把握することはできなかった。
【0004】
ところで、各種資料をスクリーン上に投影表示させているプレゼンテーション時において、発表者は、スクリーン上の資料に沿って説明を行うようにしているが、その際、発表内容と参考資料との対応関係を口述で説明しながら行うようにしている。この場合、参加者にあっては、スクリーン上に投影表示されている多くの資料の中から現在の説明内容に該当する参考資料を即座に見つけ出すことができなかったり、間違った資料を見てしまうことがあり、さらには、説明内容を聞き逃すことがあるなど、発表者と参加者との間に大きなギャップが生じることがあった。このことは、プレゼンテーションの進行が速くなればなる程、顕著なものとなる。
【0005】
第1の発明の課題は、出力対象画像を光変換して投影画像として出力している状態において、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域内の画像部分を識別できるようにすることである。
第2の発明の課題は、出力対象画像を光変換して投影画像として出力している状態において、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域に関する関連情報を出力できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明(第1の発明)は、出力対象画像を光変換して投影画像として出力するプロジェクタ機能付き画像処理装置において、出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域を指定する領域指定手段と、この領域指定手段によって領域指定されている状態において当該投影画像を撮影してデジタル変換する撮影手段と、この撮影手段からの撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する領域特定手段と、この領域特定手段によって特定された出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施す識別処理手段と、この識別処理手段によって識別処理が施された後の出力対象画像を投影画像として出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
さらに、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項11記載の発明)。
【0007】
なお、請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別するために予め用意されている複数の識別種の中から任意の種類を選択指定する識別種選択手段を設け、前記識別処理手段は、この識別種選択手段によって任意に選択された識別種に基づいて出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別処理する(請求項2記載の発明)。
【0008】
投影画像と共に識別種メニューが投影されている状態において、この識別種メニューの中から任意の種類が投影画像内で選択指定された際に、このときの撮影画像を解析することによって前記選択指定された識別種を特定する(請求項3記載の発明)。
【0009】
前記指定手段は、発光体を操作することによって投影画像内の任意の領域が照明された際に、この照明部分を領域指定する(請求項5記載の発明)。
この場合、前記領域特定手段は、発光体を操作することによって投影画像内の任意の照明ポイントが移動される毎に、撮影画像を順次取り込みながらその照明位置の移動軌跡を追随検出し、この照明ポイントの移動軌跡によって指示された領域を撮影画像内の対応領域として特定するようにしてもよい(請求項6記載の発明)。
【0010】
投影画像と共に処理メニューが投影されている状態において、この処理メニューの中から任意のメニュー項目が投影画像内で選択指定された際に、そのときの撮影画像を解析することによって前記選択指定されたメニュー項目を特定すると共に、このメニュー項目に対応する処理を実行する(請求項7記載の発明)。
【0011】
請求項4記載の発明(第2の発明)は、出力対象画像を光変換して投影画像として出力するプロジェクタ機能を備えた画像処理装置において、出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域を指定する領域指定手段と、この領域指定手段によって領域指定されている状態において当該投影画像を撮影してデジタル変換する撮影手段と、この撮影手段からの撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する領域特定手段と、この領域特定手段によって特定された出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得する取得手段と、この取得手段によって得られた関連情報を出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
さらに、コンピュータに対して、上述した請求項4記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項12記載の発明)。
【0012】
なお、請求項4記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記出力手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が音声情報であれば、この音声情報を合成出力する(請求項8記載の発明)。
【0013】
前記取得手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得する際に、当該対応領域内に含まれている文字列を文字認識すると共に、この認識結果を音声情報に変換することによって対応領域に関する関連情報を取得し、前記出力手段は、この取得手段によって得られた音声情報を合成出力する(請求項9記載の発明)。
【0014】
前記出力手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が登録画像であれば、この登録画像を投影画像として出力する(請求項10記載の発明)。
その他、請求項4記載の発明(第2の発明)にあっても、上述した請求項5〜請求項7記載の発明であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明(第1の発明)によれば、出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影した撮影画像を解析することによって指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定し、この出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施した後の出力対象画像を投影画像として出力するようにしたから、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域内の画像部分を識別することができ、たとえば、プレゼンテーションにおいて、スクリーン上に多くの資料が投影表示されている場合でも、説明内容と参考資料との対応関係を即座に確認することができず、対応する資料を探したり、間違った資料を見たり、説明内容を聞き逃すことを効果的に防止することが可能となる。
なお、識別処理としては、領域拡大処理、領域アウトラインの太線化処理、網掛け処理、着色処理、反転処理、輝度変化処理、点滅処理など任意である。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有する他、出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために予め用意されている複数の識別種の中から任意の種類が選択指定されると、選択された識別種に基づいて出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別処理するようにしたから、所望する領域識別を実現することができると共に、必要に応じて識別の仕方を変更することができるなど、より効果的なプレゼンテーションが可能となる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有する他、投影画像と共に識別種メニューが投影されている状態において、この識別種メニューの中から任意の種類が投影画像内で選択指定された際に、このときの撮影画像を解析することによって選択指定された識別種を特定するようにしたから、所望する識別種を投影画像内で選択指定することができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有する他、発光体を操作することによって投影画像内の任意の領域が照明された際に、この照明部分を領域指定するようにしたから、たとえば、レーザ発光ペンを使用して遠方から投影画像内の任意の領域を照明するだけで、この照明部分の領域を容易に指定することができる。
なお、発光ペンは、たとえば、赤色のレーザビームを発光するもので、その指向性によって遠方からでも所望する位置をポイント照明することができるものである。
この場合、発光体を操作することによって投影画像内の任意の照明ポイントが移動される毎に、撮影画像を順次取り込みながらその照明位置の移動軌跡を追随検出し、この照明ポイントの移動軌跡によって指示された領域を撮影画像内の対応領域として特定するようにすれば(請求項6記載の発明)、詳細な領域指定を実現することが可能となる。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、上述した請求項1記載の発明と同様の効果を有する他、投影画像と共に処理メニューが投影されている状態において、この処理メニューの中から任意のメニュー項目が投影画像内で選択指定された際に、そのときの撮影画像を解析することによって選択指定されたメニュー項目を特定すると共に、このメニュー項目に対応する処理を実行するようにしたから、たとえば、画像切り換えなどの各種の処理を投影画像内で選択指定することができる。
【0020】
請求項4記載の発明(第2の発明)によれば、出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影した撮影画像を解析することによって指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定し、この出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得して出力するようにしたから、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域に関する関連情報を出力することができ、たとえば、プレゼンテーションにおいて、スクリーン上に投影表示されている資料に関する補足説明などを出力することによって、より効果的なプレゼンテーションが可能となる。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、上述した請求項4記載の発明と同様の効果を有する他、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が音声情報であれば、この音声情報を合成出力するようにしたから、投影画像の補足説明として音声による説明が可能となる。
この場合、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得する際に、当該対応領域内に含まれている文字列を文字認識すると共に、この認識結果を音声情報に変換することによって音声情報を合成出力するようにしてもよい(請求項9記載の発明)。
【0022】
請求項10記載の発明によれば、上述した請求項4記載の発明と同様の効果を有する他、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が登録画像であれば、この登録画像を投影画像として出力するようにしたから、投影画像の補足説明として別画像による説明が可能となる。
なお、請求項4記載の発明(第2の発明)においても、上述した請求項5〜請求項7記載の発明と同様の効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図1〜図10を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、この実施例におけるプレゼンテーションシステムの全体構成の概要を示したブロック図である。
このプレゼンテーションシステムは、プロジェクタ機能付き画像処理装置を構成するもので、たとえば、会社等における商談会、報告会、審議会などのビジネスミーティング用として使用され、プロジェクタ1、デジタルカメラ2、パーソナルコンピュータ(PC)3、スクリーン4を有する構成となっている。
【0024】
プロジェクタ1は、たとえば、液晶パネルを使用した液晶プロジェクタであり、光源、プリズム、投影レンズのほか、CPU、通信インターフェイスなどを有する構成で、プロジェクタ1とPC3とは、無線あるいは有線によって接続され、PC3から送信されてきた画像を受信すると、液晶パネルを介してスクリーン4上に投影出力するようにしている。デジタルカメラ2は、CCD等の撮像素子、光学系、CPU、記録メディアなどを有し、PC3からの指示によって動作するもので、プレゼンテーションの開始が指示された際に、スクリーン4を被写体として投影画像の全体を動画撮影するビデオカメラあるいは動画撮影が可能なスチルカメラであり、プロジェクタ1に取り付けられている。
【0025】
この場合、プロジェクタ1の上面部には、デジタルカメラ2が取り付けられており、プロジェクタ1の投影レンズとデジタルカメラ2の撮影レンズとの光軸が上下相対するように極力接近させてある。なお、プロジェクタ1とデジタルカメラ2との間には、プロジェクタ1内の光源からの発熱がデジタルカメラ2に影響しないように断熱部材(図示せず)が設けられている。
レーザ発光ペン5は、プロジェクタ1からスクリーン4上に投影出力された投影画像内において、たとえば、任意の位置をポイント照明する赤色のレーザビームを発光する棒状の発光体であり、その指向性によって遠方からでも所望する位置をポイント照明することができるものである
【0026】
図2は、プロジェクタ1側において出力対象画像を光変換して投影画像として出力させた状態を示した図である。
この場合、PC3側の画面(PC画面)には、出力対象画像と共に、その下側にはメニュー項目が表示され、また、スクリーン4上には、この出力対象画像の投影画像とメニュー項目の投影画像が並列的に表示される。このようにPC画面の表示内容とスクリーン4上の投影内容とは対応付けられており、PC画面の表示内容がそのまま投影画像となる。ここの投影画像内において、発表者は、レーザ発光ペン5を使用することによって、投影画像内の任意の領域を指定したり、投影画像内のメニュー項目を任意に指定する。
【0027】
この場合、レーザ発光ペン5によって投影画像内の任意の位置がポイント照明されている状態において、デジタルカメラ2は、この投影画像の全体を撮影するようにしている。PC3は、この撮影画像を順次取り込みながら画像解析を行い、レーザ発光ペン5によってポイント照明されている位置の移動軌跡(発光照明軌跡)を追随検出し、この照明ポイントの移動軌跡によって指示された領域を特定するようにしている。ここで、PC3は、投影画像内の照明軌跡に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定し、この出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施すと共に、識別処理を施した後の出力対象画像を投影画像として再出力させるようにしている。また、PC3は、識別処理を施す以外に、出力対象画像内の対応領域に対応して登録されている関連情報を読み出し、この関連情報が音声であれば、この関連情報を音声出力させ、画像であれば、この関連情報を出力対象画像に合成して再出力させるようにしている。
【0028】
また、PC3は、照明ポイントの位置が投影画像内のメニュー項目上であれば、このメニュー項目対応の処理を実行するようにしている。メニュー項目は、「拡大」、「太線」、「音声」、「補足」、‥‥の各項目を有している。ここで、「拡大」のメニュー項目は、識別処理の1つで、指定領域内の画像部分を拡大すべきことを指示するためのメニュー項目である。「太線」のメニュー項目は、他の識別処理で、指定領域のアウトラインを特定すると共にこのアウトラインを太線で囲むべきことを指示するためのメニュー項目である。「音声」のメニュー項目は、指定領域内に含まれている文字列を文字認識すると共に、この認識結果を音声情報に変換して合成出力すべきことを指示するためのメニュー項目である。「補足」のメニュー項目は、指定領域に対応して予め登録されている関連情報を出力すべきこと指示するためのメニュー項目である。この場合、関連情報が音声情報であれば、この音声情報を合成出力し、関連情報が登録画像であれば、この登録画像を投影画像として当該指定領域に対応付けて出力する。
【0029】
図3は、PC3の基本的構成要素を示したブロック図である。
CPU31は、記憶部32内のオペレーティングシステム、各種アプリケーションソフトに応じてこのPC3の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部32は、プログラム領域とデータ領域とを有し、磁気的メモリ、光学的メモリ、半導体メモリ等の他、その駆動系を有する構成となっている。この記憶部32内のプログラム領域には、後述する図4〜図6に示す動作手順に応じて本実施例を実現するためのアプリケーションプログラムが格納されている。
【0030】
この記憶部32内のプログラム、データは、必要に応じてRAM(たとえば、スタティックRAM)33にロードされたり、このRAM33内のデータが記憶部32にセーブされる。なお、RAM33内の移動軌跡メモリ33−1は、上述した投影画像内の照明ポイントが順次セットされるもので、CPU31は、この移動軌跡メモリ33−1に基づいて照明ポイントの移動軌跡を解析し、この移動軌跡が閉曲線に近似したものであれば、この閉曲線を指定領域として特定するようにしている。なお、記録媒体34は、CD−ROM、フレキシブルディスク、RAMカード等である。
【0031】
CPU31には、その入出力周辺デバイスである通信I/F(インターフェイス)35、入力装置36、表示装置37、音声出力部38がバスラインを介して接続されており、入出力プログラムによってCPU31は、これらの入出力デバイスの動作制御を行う。
通信I/F35は、プロジェクタ1、デジタルカメラ2との間で画像データ等の送受信を行う有線/無線インターフェイスである。入力装置36は、キーボード、タッチパネルあるいはマウス、タッチ入力ペン等のポインティングデバイスを構成する操作部であり、文字列データ、各種コマンドの入力を行う。表示装置37は、フルカラー表示を行う液晶表示装置、CRT表示装置、プラズマ表示装置等である。音声出力部38は、スピーカ等を有し、たとえば、スクリーン4の両側などに配置されている。
【0032】
次ぎに、この実施例におけるプレゼンテーションシステムの動作概念を図4〜図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体の他に、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施例特有の動作を実行することもできる。
【0033】
図4は、プレゼンテーションの開始指示に応答して実行開始されるPC3の全体動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU31は、プレゼンテーションの開始指示に応答してプロジェクタ1およびデジタルカメラ2を起動させると共に(ステップA1)、図2に示したように「拡大」、「太線」、「音声」、「補足」、‥‥の各項目を有するメニュー項目画像を投影出力の対象画像として生成する(ステップA2)。そして、予め登録されている各種画像の一覧画面を表示出力させると共に、この一覧画面の中から複数の画像が投影出力の対象画像群として任意に選択指定されると(ステップA3)、この選択画像群の先頭から1画像データを読み出すと共に(ステップA4)、この読み出し画像をPC画面に表示出力させる(ステップA5)。この場合、PC画面には、図2で示したように、当該読み出し画像と共にメニュー項目画像が並列的に表示出力される。
【0034】
そして、この読み出し画像とメニュー項目画像との合成画像を生成して(ステップA6)、この合成画像をプロジェクタ1に送信する(ステップA7)。ここで、プロジェクタ1側では、この合成画像が液晶パネルに展開されて、プリズム、投影レンズなどを介してスクリーン4上に投影出力させる。この状態において、PC3側においては、その入力装置36に設けられている画像送りキー(図示せず)の操作有無をチェックし(ステップA8)、この画像送りキーが操作された際には、上述の選択画像群の中から次ぎの1画像データを読み出して(ステップA9)、次画像の有無をチェックする(ステップA10)。ここで、次画像が有れば、ステップA5に戻り、この読み出し画像をメニュー項目画像と共にPC画面に表示出力させる。最初は、先頭画像の投影を開始した場合であり、画像送りキーが操作されなければ(ステップA10でNO)、デジタルカメラ2から撮影画像を取得して(ステップA11)、後述する撮影画像解析処理を行うと共に(ステップA12)、解析結果対応処理を実行した後に(ステップA13)、画像送りキーの操作有無をチェックし(ステップA8)、以下、画像送りキーが操作されるまで撮影画像を取得しながら撮影画像解析処理(ステップA12)、解析結果対応処理(ステップA13)が繰り返し実行される。
【0035】
図5は、撮影画像解析処理を詳述するためのフローチャートである。
この撮影画像解析処理は、デジタルカメラ2から取得した撮影画像を解析し、この撮影画像内に含まれている照明ポイントを特定すると共に、この照明ポイントに対応する出力対象画像内の位置を特定するもので、先ず、CPU31は、撮影画像全体を解析しながら(ステップB1)、レーザ発光ペン5による照明ポイント(所定大の赤色部分)の有無を調べ(ステップB2)、撮影画像内に照明ポイントが含まれていなければ(ステップB2でNO)、移動軌跡メモリ33−1の内容をクリアして初期化するが(ステップB3)、撮影画像内に照明ポイントが含まれていれば、撮影画像内における照明ポイントの位置を特定し(ステップB4)、この照明ポイントの位置は、メニュー項目の表示上か否かを判別する(ステップB5)。いま、メニュー項目が発光照明されている場合には(ステップB5でYES)、当該照明位置に基づいて対応のメニュー項目として、「拡大」、「太線」、「音声」、「補足」、‥‥のうち、何れの項目が指定されたかを特定する(ステップB6)。
【0036】
一方、照明ポイントの位置がメニュー項目の表示上ではなければ(ステップB5でNO)、移動軌跡メモリ33−1から前回の照明位置を読み出し(ステップB7)、この前回の照明位置と今回特定した照明位置とを比較して(ステップB8)、今回の照明位置は前回の照明位置の近傍かを判別する(ステップB9)。ここで、今回の照明位置と前回の照明位置とが離れている場合には、新たな領域を指定するためにポイント指定されたものと判別するが、投影画像内の任意の領域を指定するために、発光ポイントの位置が連続的に変化しているような場合には、今回の照明位置は前回の照明位置の近傍であると判別する。
【0037】
図7は、今回の照明位置が前回の照明位置の近傍であるか否かを判別するための判別方法を説明するための図である。
たとえば、出力対象画像全体を「4×4」、「6×6」、「8×8」のようにマトリックス状に分割した場合において、今回の照明位置と前回の照明位置が同一の分割領域内に存在しているときには今回の照明位置は前回の照明位置の近傍であると判別され、また、今回の照明位置と前回の照明位置が異なる分割領域であっても、その距離が分割領域サイズ分以下のときにも今回の照明位置は前回の照明位置の近傍であると判別される。この場合、出力対象画像の複雑度合いに基づいて「4×4」、「6×6」、「8×8」の何れか一方で画像全体を分割するようにしている。なお、図7の例では、「4×4」で分割した場合を例示したもので、たとえば、図示のように今回の照明位置が存在する分割エリアが (3、3)の座標値で示されるエリアで、前回の照明位置が存在する分割エリアも (3、3) の座標値で示されるエリアであれば、今回の照明位置は前回の照明位置の近傍であると判別されるが、今回の照明位置が存在する分割エリアが (3、3)で、前回の照明位置が存在する分割エリアが (3、4)であり、その距離が分割領域サイズを超える場合には、今回の照明位置は前回の照明位置の近傍ではないと判別される。
【0038】
いま、今回の照明位置が前回の照明位置の近傍であれば(ステップB9でYES)、今回の照明位置データを移動軌跡メモリ33−1に追加記憶させた後(ステップB10)、移動軌跡メモリ33−1内の各位置データを全て読み出して解析し(ステップB11)、各位置によって特定される形状、つまり、発光ポイントの移動軌跡は、閉曲線に近似するか否かを調べる(ステップB12)。
図8は、発光ポイントの移動軌跡に応じて指定領域が特定される場合を例示した図であり、発光ポイントの移動軌跡は、投影画像内において任意に指定された領域を特定可能であればよく、略矩形、三角形などであってもく、また、完全な閉曲線を成す必要はなく、たとえば、略半円形であっても閉曲線に近似すると判別される。なお、移動軌跡の形状によってメニュー項目の種類を特定しても良い。例えば、移動軌跡の形状が三角あれば音声、四角であれば拡大、丸であれば太線、∞であれば補足のメニュー項目を特定するようにしても良い。
【0039】
ここで、移動軌跡メモリ33−1の内容を解析した結果、各位置によって特定された形状が閉曲線に近似する場合には(ステップB12でYES)、この発光ポイントの移動軌跡によって囲まれた領域は、投影画像内において任意に指定された領域であるとして、当該領域を照明指示領域として特定した後に(ステップB13)、移動軌跡メモリ33−1の内容を全てクリアして初期状態に戻すが(ステップB14)、閉曲線に近似せず、発光ポイントの移動軌跡が直線的であったり、半円形にも達していないような場合には(ステップB12でNO)、上述の各ステップB13およびB14をスキップすることによって発光ポイントの移動軌跡を追跡する処理を引き続いて行うようにしている。
一方、今回の照明位置が前回の照明位置の近傍ではなく、互いに離れている場合には(ステップB9でNO)、新たな領域を指定するためにポイント指定されたものと判別し、移動軌跡メモリ33−1の内容を全てクリアして初期状態に戻した後に(ステップB15)、今回の照明位置を始点位置として移動軌跡メモリ33−1に記憶させる(ステップB16)。
【0040】
図6は、撮影画像解析処理の終了後に実行開始される解析結果対応処理を詳述するためのフローチャートである。
先ず、CPU31は、上述した撮影画像解析処理によってメニュー項目が特定されたか否かをチェックする(ステップC1)。いま、投影画像内のメニュー項目の何れかの位置がレーザ発光ペン5によって照明されている場合には(ステップC1でYES)、この特定メニュー項目をアクティブメニュー項目としてセットすることによって当該メニュー処理を実行可能な状態にセットしておく(ステップC2)。なお、アクティブメニュー項目のデフォルト値は、「拡大」に設定されており、投影画像内のメニュー項目として、たとえば、「太線」の位置がポイント照明された際には、アクティブメニュー項目は、「太線」のメニュー項目に変更される。
【0041】
また、メニュー項目が特定されていない場合、つまり、投影画像内のメニュー項目がスポット照明されていない場合には(ステップC1でNO)、上述した撮影画像解析処理によって発光ポイントの移動軌跡によって囲まれた領域(照明指示領域)が特定されたか否かをチェックし(ステップC3)、照明指示領域が特定されなければ、この時点で当該フローから抜けるが、照明指示領域が特定されている場合には、現在のアクティブメニュー項目を判別する(ステップC4)。ここで、アクティブメニュー項目が「音声」であれば、音声認識プログラムを起動させて、照明指示領域内のデータ(文字列)を文字認識すると共に(ステップC5)、この認識結果を音声データに変換し(ステップC6)、この音声データを合成出力させる(ステップC7)。すなわち、これら(ステップC5〜7)による音声変換処理によって照明指示領域内のデータがそのまま読み上げられるので、参加者にあっては、照明指示領域内の文字列を読み取らなくても音声によってその内容を知ることができる。
【0042】
また、アクティブメニュー項目が「拡大」であれば、照明指示領域全体を所定倍率(たとえば、2倍)に拡大すると共に(ステップC8)、この拡大画像を元画像(出力対象画像)の対応位置に貼り付ける画像合成を行い(ステップC9)。そして、この合成画像にメニュー項目画像を合成した後(ステップC10)、この合成画像をプロジェクタ1に送信する(ステップC11)修飾処理がなされる。
図9は、発光ポイントの移動軌跡を追随することによって特定された照明指示領域に対して各種の処理を施した後の投影画像を例示した図で、図9(A)に示すように、照明指示領域が2行目〜3行目内の「いいい‥‥」、「ううう‥‥」であれば、この照明指示領域内の各データは、図9(B)に示すように2倍に拡大されて、プロジェクタ1から投影出力される。なお、修飾処理(ステップC8〜11)で施される修飾種としては、縮小処理、網掛け処理、着色処理、反転処理、輝度変化処理、ぼかし処理、するなどの修飾であってもよい。
【0043】
また、アクティブメニュー項目が「太線」であれば、照明指示領域のアウトラインを特定すると共に(ステップC12)、このアウトラインを太線に変換し(ステップC13)、この太線を元の出力対象画像の対応位置に貼り付けて画像合成する(ステップC14)。さらに、この合成画像にメニュー項目画像を合成した後(ステップC10)、この合成画像をプロジェクタ1に送信する(ステップC11)。この場合、図9(A)に示す照明指示領域は、図9(C)に示すような太線のアウトラインによって囲まれて、デジタルカメラ2から投影出力される。このように「太線」により文字列を囲んで、他の文字と区別可能にする以外に、点線、波線などによって文字列を囲んだり、図形を丸や四角で囲んだり、点滅処理、背景の色を変更するような強調処理であってもよい(ステップC12〜14)。
【0044】
また、アクティブメニュー項目が「補足」であれば、記憶部32に設けられている補足説明ファイル32−1をアクセスして、当該照明指示領域に対応する関連情報を読み出す(ステップC15)。
図10は、補足説明ファイル32−1の内容を示した図であり、この補足説明ファイル32−1は、出力対象画像毎に「構成要素」、「関連情報」、「種類」とを対応付けて記憶管理するもので、補足説明ファイル32−1の内容は、予め任意に登録されたものである。ここで、「構成要素」は、図表、写真、項目別文章などを示し、「関連情報」は、図表、写真、項目別文章などを補足説明するための音声データ、文字列・図表・写真などの画像データを示し、「種類」は、関連情報のデータ種を示し、音声データか画像データかを示している。
【0045】
この場合、CPU31は、照明指示領域に基づいて出力対象画像内の該当領域を特定すると共に、この領域内に含まれている「構成要素」を特定し、この「構成要素」に基づいて補足説明ファイル32−1を検索することによって「構成要素」に対応する「関連情報」、「種類」を読み出す(ステップC15)。そして、この「種類」は、音声データか画像データかを判別し(ステップC16)、音声であれば、登録されている音声データ「関連情報」を音声出力するが(ステップC17)、画像であれば、登録されている画像データ「関連情報」を出力対象画像の対応位置に貼り付ける画像合成を行うと共に(ステップC18)、この合成画像にメニュー項目画像を合成した後(ステップC10)、この合成画像をプロジェクタ1に送信する(ステップC11)。この場合、図9(A)に示す照明指示領域には、図9(D)に示すような関連情報「AA‥‥」、「BB‥‥」が補足説明として付加されて、プロジェクタ1から投影出力される。なお、ステップC17では、予め登録されている音声を出力する以外に、照明指示領域内のデータの内容に応じた楽曲を出力するような補足付加処理(ステップC16〜17)にしてもよい。また、ステップC18の合成画像は静止画であっても動画であってもよい。
【0046】
以上のように、この実施例のプレゼンテーションシステムにおいてPC3は、出力対象画像がプロジェクタ1を介して投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、メニュー項目内の「拡大」、「太線」が選択指定された場合に、デジタルカメラ2によって投影画像を撮影した撮影画像を取得し、この撮影画像を解析することによって指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定し、この出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施した後の出力対象画像を投影画像としてプロジェクタ1から出力させるようにしたから、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域内の画像部分を「拡大」、「太線」によって識別することができ、プレゼンテーションにおいて、スクリーン上に多くの資料が投影表示されている場合でも、説明内容と参考資料との対応関係を即座に確認することができず、対応する資料を探したり、間違った資料を見たり、説明内容を聞き逃すことを効果的に防止することが可能となる。
【0047】
この場合、PC3は、出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために予め用意されている複数の識別種「拡大」、「太線」の中から任意の種類が選択指定されると、選択された識別種に基づいて出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別処理するようにしたから、所望する領域識別を実現することができると共に、必要に応じて識別の仕方を変更することができるなど、より効果的なプレゼンテーションが可能となる。また、投影画像と共に識別種メニューが投影されている状態において、この識別種メニューの中から任意の種類が投影画像内で選択指定された際に、このときの撮影画像を解析することによって選択指定された識別種を特定するようにしたから、所望する識別種を投影画像内で選択指定することができる。
【0048】
PC3は、出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、メニュー項目内の「補足」が選択指定された場合には、当該投影画像を撮影した撮影画像を解析することによって指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定し、この出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得して出力するようにしたから、投影画像内の任意の領域が指定されると、この指定領域に関する関連情報を出力することができ、プレゼンテーションにおいて、スクリーンに投影表示されている資料に関する補足説明などを出力することによって、より効果的なプレゼンテーションが可能となる。
【0049】
この場合、関連情報が音声データであれば、補足説明ファイル32−1から音声データを取得して音声出力するようにしたから、投影画像の補足説明として音声による説明が可能となる。また、関連情報が画像データであれば、補足説明ファイル32−1から画像データを取得して投影画像として出力するようにしたから、投影画像の補足説明として別画像による説明が可能となる。この場合、元の出力対象画像と補足説明用の画像とを合成し、この合成画像を投影画像として出力させることができる。
【0050】
一方、メニュー項目内の「音声」が選択指定された場合、PC3は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を補足説明ファイル32−1から取得せず、当該対応領域内に含まれている文字列を文字認識すると共に、この認識結果を音声データに変換することによって音声データを合成出力するようにしたから、指定領域内のデータをそのまま読み上げることができ、参加者にあっては、照明指示領域内の文字列を読み取らなくても音声によってその内容を知ることができる。
【0051】
また、レーザ発光ペン5を操作することによって投影画像内の任意の領域が照明された際に、この照明部分を領域指定するようにしたから、遠方から投影画像内の任意の領域を照明するだけで、この照明部分の領域を容易に指定することができる。この場合、PC3は、レーザ発光ペン5を操作することによって投影画像内の任意の照明ポイントが移動される毎に、撮影画像を順次取り込みながらその照明位置の移動軌跡を追随検出し、この照明ポイントの移動軌跡によって指示された領域を撮影画像内の対応領域として特定するようにしたから、詳細な領域指定を実現することが可能となる。
【0052】
PC3は、投影画像と共にメニュー項目が投影されている状態において、このメニュー項目の中から任意のメニュー項目がレーザ発光ペン5を操作することによって投影画像内で選択指定された際に、そのときの撮影画像を解析することによって選択指定されたメニュー項目を特定すると共に、このメニュー項目に対応する処理を実行するようにしたから、たとえば、画像切り換えなどの各種の処理を投影画像内で選択指定することができる。
【0053】
なお、上述した実施例においては、指定領域内のデータを拡大(修飾処理)した後、この拡大画像を元の画像に貼り付ける際に、この拡大画像の大きさ、拡大画像の貼り付け位置によっては元の画像に影響を及ぼすことも考えられるが、このような場合、図11に示すように画像の一部分をシフトするようにしていもよい。すなわち、図11(A)に示すように、2行目の文字列「BBBB‥‥」と、3行目の文字列「CCCC‥‥」のうち、その一部が領域指定された場合、つまり、各行の先頭から2文字を除く部分が領域指定された場合には、当該領域内の各文字を拡大した後、図11(B)に示すように、1行目、2行目の先頭2文字「BB」、「CC」を領域拡大に応じてシフトするようにしてもよい。図11(B)は、このような文字位置をシフトによってその一部が他の画像に重なり合った場合を示している。
【0054】
上述した実施例において、発光ポイントの移動軌跡を追随検出する際に、投影画像(出力対象画像)全体を「4×4」、「6×6」、「8×8」のようにマトリックス状に分割し、今回の照明位置と前回の照明位置が同一の分割領域内に存在しているか否かに基づいて今回の照明位置は前回の照明位置の近傍か否かを判別するようにしたが、時間的要素を加味することによって発光ポイントの移動軌跡を追随検出するようにしてもよい。たとえば、前回の照明から今回の照明までの経過時間を計測し、この計測時間が一定時間を経過した場合には、新たな領域が指定された場合であると判断し、一定時間以下の場合には、引き続いて移動軌跡を追随検出するようにしてもよい。
【0055】
また、上述した実施例においては、メニュー項目として、(「拡大」修飾処理)、(「太線」強調処理)、(「音声」音声変換処理)、(「補足」識別データ付加処理)を例示したが、これに限らず、たとえば、プレゼンテーションの開始/終了を指示するコマンド、次頁画像の切り換えを指示するコマンドなどを含むメニュー項目を投影画像として出力するようにしてもよい。
【0056】
また、上述した実施例においては、投影画像内にメニュー項目を一覧表示させたが、メニュー項目を一覧表示させる場合に限らず、たとえば、所定の操作に応じてプルダウン形式のメニューを投影画像内に表示させ、その中から所望するメニュー項目を選択指定するようにしてもよく、また、投影画像内に1つの項目を表示させ、この項目が発光指定されるごとに、サイクリックに「拡大」、「太線」、「音声」、「補足」のメニュー項目に切り換えるようにしてもよい。
【0057】
上述した実施例においては、レーザ発光ペン5を操作することによって投影画像内の任意のメニュー項目を選択指定したり、任意の領域を指定するようにしたが、レーザ発光ペンによって投影画像内の任意の位置をポイント指定する場合に限らず、たとえば、光の拡散を任意に可変可能な発光ペンを用いて、光の拡散している領域を指定領域として直接的に指定するようにしてもよい。例えば、光の拡散形状が丸であれば音声、四角であれば拡大、星であれば太線、∞であれば補足のメニュー項目を特定するようにしても良い。
また、発光ポイントの移動軌跡を追随検出し、その形が閉曲線に近似する場合には、この閉曲線で囲まれている領域を指定領域としたが、発光ポイントの移動軌跡が直線の場合には、この直線に対応する行を指定領域としてもよい。
【0058】
その他、会社等における商談会、報告会、審議会などのビジネスミーティング用に限らず、一般家庭用であってもよい。また、デスクトップ型のパーソナルコンピュータに限らず、携帯情報端末であってもよく、また、プロジェクタ1の中にデジタルカメラ2を一体的に組み込んだ構成であってもよく、また、プロジェクタ1、デジタルカメラ2、PC3をそれぞれ一体的に組み込んだ構成であってもよい。つまり、プレゼンテーションシステムに限らず、スタンドアロンタイプのプロジェクタ機能付き画像処理装置であってもよい。
【0059】
一方、コンピュータに対して、上述した各手段を実行させるためのプログラムコードをそれぞれ記録した記録媒体(たとえば、CD−ROM、フレキシブルディスク、RAMカード等)を提供するようにしてもよい。すなわち、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードを有する記録媒体であって、出力対象画像が光変換されて投影出力されいる投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影してデジタル変換する機能と、撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する機能と、特定された出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施す機能と、識別処理が施された後の出力対象画像を投影画像として出力する機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体を提供するようにしてもよい。
【0060】
また、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードを有する記録媒体であって、出力対象画像が光変換されて投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影してデジタル変換する機能と、撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する機能と、特定された出力対象画像内の対応領域に対応付けて予め登録されている関連情報を取得する機能と、取得した関連情報を出力する機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体を提供するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】プレゼンテーションシステムの全体構成の概要を示したブロック図。
【図2】プロジェクタ1側において出力対象画像を光変換して投影画像として出力させた状態を示した図。
【図3】PC3の基本的構成要素を示したブロック図。
【図4】プレゼンテーションの開始指示に応答して実行開始されるPC3の全体動作を示したフローチャート。
【図5】図4で示した撮影画像解析処理を詳述するためのフローチャート。
【図6】図4で示した撮影画像解析処理の終了後に実行開始される解析結果対応処理を詳述するためのフローチャート。
【図7】今回の照明位置が前回の照明位置の近傍であるか否かを判別するための判別方法を説明するための図。
【図8】発光ポイントの移動軌跡に応じて指定領域が特定される場合を例示した図。
【図9】発光軌跡を追随することによって特定された照明指示領域に対して各種の処理を施した後の投影画像で、(A)は特定された照明指示領域を示し、(B)は照明指示領域内のデータを拡大した状態、(C)は照明指示領域のアウトラインを太線化した状態、(D)は照明指示領域に対応する関連情報を付加した状態を示した図。
【図10】補足説明ファイル32−1の内容を示した図。
【図11】この実施例の変形応用例を説明するための図。
【符号の説明】
【0062】
1 プロジェクタ
2 デジタルカメラ
3 PC
4 スクリーン
5 レーザ発光ペン
31 CPU
32 記憶部
35 通信I/F
36 入力装置
37 表示装置
38 音声出力部
32−1 補足説明ファイル
33−1 移動軌跡メモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力対象画像を光変換して投影画像として出力するプロジェクタ機能付き画像処理装置において、
出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域を指定する領域指定手段と、
この領域指定手段によって領域指定されている状態において当該投影画像を撮影してデジタル変換する撮影手段と、
この撮影手段からの撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する領域特定手段と、
この領域特定手段によって特定された出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施す識別処理手段と、
この識別処理手段によって識別処理が施された後の出力対象画像を投影画像として出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とするプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項2】
前記出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別するために予め用意されている複数の識別種の中から任意の種類を選択指定する識別種選択手段を設け、
前記識別処理手段は、この識別種選択手段によって任意に選択された識別種に基づいて出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別処理する、
ようにしたことを特徴とする請求項1のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項3】
投影画像と共に識別種メニューが投影されている状態において、この識別種メニューの中から任意の種類が投影画像内で選択指定された際に、このときの撮影画像を解析することによって前記選択指定された識別種を特定する、
ようにしたことを特徴とする請求項2のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項4】
出力対象画像を光変換して投影画像として出力するプロジェクタ機能を備えた画像処理装置において、
出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域を指定する領域指定手段と、
この領域指定手段によって領域指定されている状態において当該投影画像を撮影してデジタル変換する撮影手段と、
この撮影手段からの撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する領域特定手段と、
この領域特定手段によって特定された出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得する取得手段と、
この取得手段によって得られた関連情報を出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とするプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項5】
前記指定手段は、発光体を操作することによって投影画像内の任意の領域が照明された際に、この照明部分を領域指定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項4記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項6】
前記領域特定手段は、発光体を操作することによって投影画像内の任意の照明ポイントが移動される毎に、撮影画像を順次取り込みながらその照明位置の移動軌跡を追随検出し、この照明ポイントの移動軌跡によって指示された領域を撮影画像内の対応領域として特定する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項7】
投影画像と共に処理メニューが投影されている状態において、この処理メニューの中から任意のメニュー項目が投影画像内で選択指定された際に、そのときの撮影画像を解析することによって前記選択指定されたメニュー項目を特定すると共に、このメニュー項目に対応する処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項4記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項8】
前記出力手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が音声情報であれば、この音声情報を合成出力する、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項9】
前記取得手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得する際に、当該対応領域内に含まれている文字列を文字認識すると共に、この認識結果を音声情報に変換することによって対応領域に関する関連情報を取得し、
前記出力手段は、この取得手段によって得られた音声情報を合成出力する、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項10】
前記出力手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が登録画像であれば、この登録画像を投影画像として出力する、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項11】
コンピュータに対して、
出力対象画像が光変換されて投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影してデジタル変換する機能と、
撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する機能と、
特定された出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施す機能と、
識別処理が施された後の出力対象画像を投影画像として出力する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータに対して、
出力対象画像が光変換されて投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影してデジタル変換する機能と、
撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する機能と、
特定された出力対象画像内の対応領域に対応付けて予め登録されている関連情報を取得する機能と、
取得した関連情報を出力する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
出力対象画像を光変換して投影画像として出力するプロジェクタ機能付き画像処理装置において、
出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域を指定する領域指定手段と、
この領域指定手段によって領域指定されている状態において当該投影画像を撮影してデジタル変換する撮影手段と、
この撮影手段からの撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する領域特定手段と、
この領域特定手段によって特定された出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施す識別処理手段と、
この識別処理手段によって識別処理が施された後の出力対象画像を投影画像として出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とするプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項2】
前記出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別するために予め用意されている複数の識別種の中から任意の種類を選択指定する識別種選択手段を設け、
前記識別処理手段は、この識別種選択手段によって任意に選択された識別種に基づいて出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別処理する、
ようにしたことを特徴とする請求項1のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項3】
投影画像と共に識別種メニューが投影されている状態において、この識別種メニューの中から任意の種類が投影画像内で選択指定された際に、このときの撮影画像を解析することによって前記選択指定された識別種を特定する、
ようにしたことを特徴とする請求項2のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項4】
出力対象画像を光変換して投影画像として出力するプロジェクタ機能を備えた画像処理装置において、
出力対象画像が投影出力されている投影画像内の任意の領域を指定する領域指定手段と、
この領域指定手段によって領域指定されている状態において当該投影画像を撮影してデジタル変換する撮影手段と、
この撮影手段からの撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する領域特定手段と、
この領域特定手段によって特定された出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得する取得手段と、
この取得手段によって得られた関連情報を出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とするプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項5】
前記指定手段は、発光体を操作することによって投影画像内の任意の領域が照明された際に、この照明部分を領域指定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項4記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項6】
前記領域特定手段は、発光体を操作することによって投影画像内の任意の照明ポイントが移動される毎に、撮影画像を順次取り込みながらその照明位置の移動軌跡を追随検出し、この照明ポイントの移動軌跡によって指示された領域を撮影画像内の対応領域として特定する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項7】
投影画像と共に処理メニューが投影されている状態において、この処理メニューの中から任意のメニュー項目が投影画像内で選択指定された際に、そのときの撮影画像を解析することによって前記選択指定されたメニュー項目を特定すると共に、このメニュー項目に対応する処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項4記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項8】
前記出力手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が音声情報であれば、この音声情報を合成出力する、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項9】
前記取得手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報を取得する際に、当該対応領域内に含まれている文字列を文字認識すると共に、この認識結果を音声情報に変換することによって対応領域に関する関連情報を取得し、
前記出力手段は、この取得手段によって得られた音声情報を合成出力する、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項10】
前記出力手段は、出力対象画像内の対応領域に関する関連情報が登録画像であれば、この登録画像を投影画像として出力する、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載のプロジェクタ機能付き画像処理装置。
【請求項11】
コンピュータに対して、
出力対象画像が光変換されて投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影してデジタル変換する機能と、
撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する機能と、
特定された出力対象画像内の対応領域の画像部分を識別可能とするために当該画像部分に識別処理を施す機能と、
識別処理が施された後の出力対象画像を投影画像として出力する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータに対して、
出力対象画像が光変換されて投影出力されている投影画像内の任意の領域が指定されている状態において、当該投影画像を撮影してデジタル変換する機能と、
撮影画像を解析することによって前記指定領域に対応する撮影画像内の対応領域を特定すると共に、この特定領域に対応する出力対象画像内の対応領域を特定する機能と、
特定された出力対象画像内の対応領域に対応付けて予め登録されている関連情報を取得する機能と、
取得した関連情報を出力する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−18374(P2006−18374A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192890(P2004−192890)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【出願人】(300015528)カシオソフト株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【出願人】(300015528)カシオソフト株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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