説明

プロセスカートリッジ保護構造及びこれを用いた画像形成装置

【課題】少なくとも感光体を十分に保護し、画像形成装置筐体へのプロセスカートリッジの誤装着を有効に回避する。
【解決手段】保護カバー2が、画像形成装置筐体10に当接してプロセスカートリッジ1を移動可能に案内するカバー基体3と、画像形成装置筐体10側の正規位置に位置決め保持される位置決め保持部4と、画像形成装置筐体の正規位置への位置決めか否かを識別する識別部5とを備え、一方、画像形成装置筐体10が、プロセスカートリッジ1が挿入装着可能な種類である条件では前記保護カバー2の正規位置への位置決めを許容するように前記識別部5(5a)と不干渉な位置に配置され且つプロセスカートリッジ1が挿入装着不能な種類である条件では前記保護カバー2の正規位置への位置決めを禁止するように前記識別部5(5b)と干渉する位置に配置される装着判別部6を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジ保護構造及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1では、感光体が含まれるプロセスカートリッジに着脱自在な保護カバーを設け、この保護カバーにて感光体の感光層を保護すると共に、画像形成装置筐体らプロセスカートリッジを挿入装着する際に保護カバーを案内部材として利用し、画像形成装置筐体へのプロセスカートリッジの挿入動作に応じて、前記挿入方向とは反対方向にてプロセスカートリッジから保護カバーを分離する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−292706号公報(発明の実施の形態,図24〜図27)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、少なくとも感光体を十分に保護し、画像形成装置筐体へのプロセスカートリッジの誤装着を有効に回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、画像形成装置筐体に着脱自在に挿入装着され且つ少なくとも感光体を含むプロセスカートリッジに保護カバーを着脱自在に取り付け、プロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入装着前では保護カバーにて前記感光体の外部露呈部分を保護すると共に、プロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入装着に伴ってプロセスカートリッジから保護カバーを取り外すようにしたプロセスカートリッジ保護構造であって、前記保護カバーは、前記プロセスカートリッジの感光体の外部露呈部分を保護するように覆い且つ画像形成装置筐体へプロセスカートリッジを挿入する際に画像形成装置筐体に当接してプロセスカートリッジを移動可能に案内するカバー基体と、カバー基体のうちプロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入方向側に設けられ、プロセスカートリッジを装着する際に画像形成装置筐体の正規位置に位置決め保持される位置決め保持部と、前記カバー基体のうちプロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入方向側に設けられ、画像形成装置筐体の正規位置への位置決めか否かを識別する識別部とを備え、
一方、画像形成装置筐体は、プロセスカートリッジが挿入装着可能な種類である条件では前記保護カバーの正規位置への位置決めを許容するように前記識別部と不干渉な位置に配置され且つプロセスカートリッジが挿入装着不能な種類である条件では前記保護カバーの正規位置への位置決めを禁止するように前記識別部と干渉する位置に配置される装着判別部を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係るプロセスカートリッジ保護構造において、保護カバーは複数の識別部を備えていることを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係るプロセスカートリッジ保護構造において、保護カバーはプロセスカートリッジを挟んだ両側に夫々識別部を備え、各識別部を非対称配置したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造である。
請求項4に係る発明は、請求項1に係るプロセスカートリッジ保護構造において、プロセスカートリッジは画像形成装置筐体の正規位置への位置決めか否かを識別する識別部を有し、この識別部が、画像形成装置筐体の装着判別部に対しプロセスカートリッジが挿入装着可能な種類である条件で不干渉な位置に、挿入装着不能な種類である条件で干渉な位置に配置されることを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造である。
請求項5に係る発明は、請求項1に係るプロセスカートリッジ保護構造において、保護カバーはカバー基体に対して着脱自在な識別部を有することを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造である。
【0007】
請求項6に係る発明は、請求項4に係るプロセスカートリッジ保護構造において、装着判別部は、保護カバー及びプロセスカートリッジの両識別部の双方に対応して設けられる共通部品であることを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造である。
請求項7に係る発明は、請求項1に係るプロセスカートリッジ保護構造において、装着判別部は、画像形成装置筐体に対して着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造である。
請求項8に係る発明は、請求項1に係るプロセスカートリッジ保護構造において、装着判別部は、挿入装着可能なプロセスカートリッジである条件では保護カバーから画像形成装置筐体に挿入されるプロセスカートリッジを案内する案内部材を兼用することを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造である。
【0008】
請求項9に係る発明は、画像形成装置筐体に少なくとも感光体が組み込まれたプロセスカートリッジを着脱自在に挿入装着する画像形成装置であって、前記プロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入装着前では前記感光体の外部露呈部分が保護され、プロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入装着に伴ってプロセスカートリッジから取り外される保護カバーを有し、前記保護カバーは、前記プロセスカートリッジの感光体の外部露呈部分を保護するように覆い且つ画像形成装置筐体へプロセスカートリッジを挿入する際に画像形成装置筐体に当接してプロセスカートリッジを移動可能に案内するカバー基体と、カバー基体のうちプロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入方向側に設けられ、プロセスカートリッジを装着する際に画像形成装置筐体の正規位置に位置決め保持される位置決め保持部と、前記カバー基体のうちプロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入方向側に設けられ、画像形成装置筐体の正規位置への位置決めか否かを識別する識別部とを備え、一方、画像形成装置筐体は、プロセスカートリッジが挿入装着可能な種類である条件では前記保護カバーの正規位置への位置決めを許容するように前記識別部と不干渉な位置に配置され且つプロセスカートリッジが挿入装着不能な種類である条件では前記保護カバーの正規位置への位置決めを禁止するように前記識別部と干渉する位置に配置される装着判別部を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る画像形成装置のうち、画像形成装置筐体に複数の挿入口を設け、各挿入口に夫々プロセスカートリッジを挿入装着する態様において、画像形成装置筐体は各挿入口に対応して装着判別部を備え、隣接する挿入口間に位置する装着判別部は隣接する挿入口に対応する各プロセスカートリッジの保護カバーの識別部に対応して設けられていることを特徴とする画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、請求項9に係る画像形成装置において、前記位置決め保持部は弾性変形可能な弾性保持片を有し、前記画像形成装置筺体に形成された位置決め孔に掛け止め保持されるものであり、一方、前記画像形成装置筺体は前記プロセスカートリッジが挿入装着される複数の挿入口を備え、この挿入口両側に前記位置決め孔が形成されて、所定の挿入口の一方側の位置決め孔は隣接する挿入口の他方側の位置決め孔を兼用するものであることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、画像形成装置筐体へプロセスカートリッジを装着する作業にあたり、少なくとも感光体を十分に保護しながら、画像形成装置筐体へのプロセスカートリッジの誤装着を有効に回避することができる。
請求項2に係る発明によれば、プロセスカートリッジより多くの種類に対応することができる。
請求項3に係る発明によれば、プロセスカートリッジの天地逆方向からの挿入を有効に防止することができる。
請求項4に係る発明によれば、保護カバー無しの状態でプロセスカートリッジを挿入装着する際にも、プロセスカートリッジが不適正な場合にプロセスカートリッジの誤装着を有効に防止することができる。
請求項5に係る発明によれば、保護カバーの共用化を実現することができる。
【0010】
請求項6に係る発明によれば、保護カバー、プロセスカートリッジの両方の識別部に対して一つの装着判別部で済み、装置構成を簡略化することができる。
請求項7に係る発明によれば、画像形成装置筐体の共用化を実現することができる。
請求項8に係る発明によれば、装着判別部を案内部材として兼用することで、プロセスカートリッジの挿入姿勢を安定させることができる。
請求項9に係る発明によれば、画像形成装置筐体へプロセスカートリッジを装着する作業にあたり、少なくとも感光体を十分に保護しながら、画像形成装置筐体へのプロセスカートリッジの誤装着を有効に回避することができる画像形成装置を提供することができる。
請求項10に係る発明によれば、装着判別部の共用化を図り、装置構成を簡略化することができる。
請求項11に係る発明によれば、画像形成装置筺体の挿入口が並ぶ方向への大きさを低減することができ、画像形成装置の小型化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
◎実施の形態の概要
先ず、本発明が適用される実施の形態の概要について説明する。
図1(a)(b)は本発明を具現化する実施の形態に係るプロセスカートリッジ保護構造の概要を模式的に示す。
同図において、本実施の形態に係るプロセスカートリッジ保護構造は、画像形成装置筐体10着脱自在に挿入装着され且つ少なくとも感光体1aを含むプロセスカートリッジ1に保護カバー2を着脱自在に取り付け、プロセスカートリッジ1の画像形成装置筐体10への挿入装着前では保護カバー2にて前記感光体1aの外部露呈部分を保護すると共に、プロセスカートリッジ1の画像形成装置筐体10への挿入装着に伴ってプロセスカートリッジ1から保護カバー2を取り外すようにしたプロセスカートリッジ保護構造であって、前記保護カバー2が、前記プロセスカートリッジ1の感光体1aの外部露呈部分を保護するように覆い且つ画像形成装置筐体10へプロセスカートリッジ1を挿入する際に画像形成装置筐体10に当接してプロセスカートリッジ1を移動可能に案内するカバー基体3と、カバー基体3のうちプロセスカートリッジ1の画像形成装置筐体10への挿入方向側に設けられ、プロセスカートリッジ1を装着する際に画像形成装置筐体10の正規位置に位置決め保持される位置決め保持部4と、前記カバー基体3のうちプロセスカートリッジ1の画像形成装置筐体10への挿入方向側に設けられ、画像形成装置筐体の正規位置への位置決めか否かを識別する識別部5(例えば5a,5b)とを備え、一方、画像形成装置筐体10が、プロセスカートリッジ1が挿入装着可能な種類である条件では前記保護カバー2の正規位置への位置決めを許容するように前記識別部5(例えば5a)と不干渉な位置に配置され且つプロセスカートリッジ1が挿入装着不能な種類である条件では前記保護カバー2の正規位置への位置決めを禁止するように前記識別部5(例えば5b)と干渉する位置に配置される装着判別部6を備えたものである。
尚、図1(a)は保護カバーの位置決めを許容する状態を示す模式図、(b)は保護カバーの位置決めを許容する状態を示す模式図である。また、図1中、符号7は保護カバー2からプロセスカートリッジ1を押し出し操作するための押出部材である。
【0012】
このような技術的手段において、プロセスカートリッジ1は、少なくとも感光体1aが含まれるユニットを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジ化されたユニットを画像形成装置筐体10に対して着脱自在としたものである。
また、保護カバー2は、主として感光体1aの劣化や損傷を保護するために、画像形成装置筐体10にプロセスカートリッジ1を挿入装着する前では少なくとも感光体1aの外部露呈部分を保護すると共に、プロセスカートリッジ1挿入装着完了後にプロセスカートリッジ1から取り外されるものであればよい。
ここで、「少なくとも感光体1aの外部露呈部分を保護する」とは、保護カバー2による保護対象として感光体1aの外部露呈部分を含んでいればよく、保護カバー2が感光体1aの外部露呈部分の全部を覆う態様は勿論、感光体1aの外部露呈部分の一部を覆い且つ保護カバー2に付設した保護部材(シートやフィルム等)にて感光体1aの外部露呈部分の残り部分を覆うものも含む。
【0013】
そしてまた、「プロセスカートリッジ1の画像形成装置筐体10への挿入装着前」とは、プロセスカートリッジ1を画像形成装置筐体10へ挿入装着完了する前の状態を広く含み、プロセスカートリッジ1を出荷搬送する場合や、プロセスカートリッジ1の挿入装着作業を行っている過程などが挙げられる。尚、「挿入装着」とは挿入した結果として装着されることを意味する。また、プロセスカートリッジ1に保護カバー2を装着する時点としては、プロセスカートリッジ1を出荷搬送するときから保護カバー2を装着している態様は勿論含まれるが、これに限られるものではなく、プロセスカートリッジ1出荷搬送時には保護カバー2と異なる保護シート等で保護しておき、画像形成装置筐体10への挿入装着直前に保護シート等を取り外し、保護カバー2を装着する態様も含む。
【0014】
更に、保護カバー2は、カバー基体3、位置決め保持部44及び識別部5を備えていればよい。
ここで、カバー基体3は、少なくとも感光体1aを覆い、かつ、画像形成装置筐体10にプロセスカートリッジ1を挿入する際に画像形成装置筐体10に当接してプロセスカートリッジ1を移動可能に案内するものであれば、プロセスカートリッジ1全体を取り囲む形態に限らず、適宜選定して差し支えない。
そして、プロセスカートリッジ1の案内部としては、プロセスカートリッジ1が相対移動可能に係合するものであればレール状の案内部材に限らず、カバー基体3の壁面を利用するなど適宜選定して差し支えない。
【0015】
また、画像形成装置筐体10に対して保護カバー2を正規位置に位置決め保持することが必要であるため、位置決め保持部4を必要とする。ここでいう位置決め保持部4は位置決め孔に対して位置決めピンが嵌合するものなど広く含むが、好ましくは、保護カバー2位置決め保持時には引き抜き不能で、プロセスカートリッジ1挿入装着完了時に引き抜き可能な構造が好ましい。
更に、識別部5はカバー基体3と一体でもよいし、別体でもよい。ここで、プロセスカートリッジの種類とは、仕様や仕向け先などを意味する。
更に、装着判別部6は画像形成装置筐体10と一体でもよいし、別体でもよい。
この装着判別部6において、‘不干渉’とは保護カバー2を正規位置に位置決めする上で装着判別部6が識別部5に対して邪魔にならない関係にあればよく、‘干渉する’とは両者が邪魔な位置関係にあることを意味する。
【0016】
更に、識別部5を設ける箇所は少なくても一箇所あればよいが、プロセスカートリッジ1のより多くの種類に対応するという簡単からすれば、複数設けることが好ましい。
ここで、プロセスカートリッジ1の天地逆方向からの挿入をより確実に防止するという観点からすれば、プロセスカートリッジ1を挟んだ両側に夫々識別部5を備え、各識別部5を非対称配置したものが挙げられる。
更に、識別部5は保護カバー2に設けられていればよいが、保護カバー2無しの状態でプロセスカートリッジ1の装着を可能にするという観点からすれば、画像形成装置筐体の正規位置への位置決めか否かを識別する識別部5を有し、この識別部5が、画像形成装置筐体10の装着判別部6に対しプロセスカートリッジ1が挿入装着可能な種類である条件で不干渉な位置に、挿入装着不能な種類である条件で干渉な位置に配置される態様が挙げられる。
【0017】
また、保護カバー2を共用化するという観点からすれば、カバー基体3に対して着脱自在な識別部5を有することが好ましい。この場合における取り付け方法としては、ねじ止め、スナップフィットなど適宜選定可能である。
更に、装着判別部6の共用化を図るという観点からすれば、保護カバー2及びプロセスカートリッジの両識別部5の双方に対応して設けられる共通部品である態様が挙げられる。
更にまた、画像形成装置筐体10の共用化という観点からすれば、画像形成装置筐体10に対して着脱自在な装着判別部6を用いるようにすればよい。この場合の取り付け方法は前記識別部5と同様である。
また、装着判別部6の好ましい態様としては、挿入装着可能なプロセスカートリッジ1である条件では保護カバー2から画像形成装置筐体10に挿入されるプロセスカートリッジを案内する案内部材を兼用する態様が挙げられる。
【0018】
また、本実施の形態モデルでは、この種の保護構造を用いた画像形成装置が提供されるものである。
ここで、画像形成装置筐体10に複数の挿入口を設け、各挿入口に夫々プロセスカートリッジを挿入装着する態様において、装着判別部6を共用化するという観点からすれば、画像形成装置筐体10は各挿入口に対応して装着判別部6を備え、隣接する挿入口間に位置する装着判別部6は隣接する挿入口に対応する各プロセスカートリッジ1の保護カバー2の識別部5に対応して設けられるものが挙げられる。
更に、画像形成装置筺体10を小型化するという観点からすれば、前記位置決め保持部4は弾性変形可能な弾性保持片を有し、前記画像形成装置筺体10に形成された位置決め孔に掛け止め保持されるものであり、一方、前記画像形成装置筺体10は前記プロセスカートリッジ1が挿入装着される複数の挿入口を備え、この挿入口両側に前記位置決め孔が形成されて、所定の挿入口の一方側の位置決め孔は隣接する挿入口の他方側の位置決め孔を兼用するもの態様が挙げられる。
【0019】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
―画像形成装置全体の構成―
図2は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置は、画像形成装置筐体(以下装置筐体という)21内に四つの色(本実施の形態ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の画像形成部22(具体的には22a〜22d)を斜め上方に向かって僅かに傾斜した位置関係にて横方向に配列し、その上方に各画像形成部22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト23を配設する一方、装置筐体21の下方には記録材Pが供給可能に収容される記録材供給装置24を配設すると共に、装置筐体21の上部には画像形成済みの記録材が排出収容される記録材排出受け26を設け、前記記録材供給装置24からの記録材を鉛直方向に沿って延びる記録材搬送路25を介して前記記録材排出受け26に排出するようにしたものである。
【0020】
本実施の形態において、各画像形成部22(22a〜22d)は、図2及び図3(a)に示すように、中間転写ベルト23の循環方向上流側から順に、例えばブラック用、イエロ用、マゼンタ用、シアン用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、例えばドラム状に形成された感光体31と、この感光体31を予め帯電する帯電器32と、この帯電器32にて帯電された感光体31に静電潜像を書き込む露光器33と、感光体31上の静電潜像を各色トナーにて可視像化する現像器34と、感光体31上の残留トナーを清掃する清掃器35とを備えている。
ここで、露光器33は、各画像形成部22に対して共通するものであり、露光容器331内に各色成分の半導体レーザ(図示せず)などの光源からの光を偏向ミラー332で偏向走査し、図示外の結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体31上の露光位置に光像を導くようにしたものである。
【0021】
また、中間転写ベルト23は張架ロール41〜44に掛け渡されており、例えば張架ロール41を駆動ロールとして循環移動するようになっている。そして、各感光体31に対応した中間転写ベルト23の裏面には一次転写器51(例えば一次転写ロール)が配設され、この一次転写器51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体31上のトナー像を中間転写ベルト23側に静電的に転写するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の移動方向最下流に位置する画像形成部22dの下流側の張架ロール41に対応した部位には二次転写器52(例えば二次転写ロール)が配設されており、中間転写ベルト23上の一次転写像を記録材に二次転写(一括転写)するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の二次転写部位の下流側の張架ロール41に対応した部位には中間転写ベルト23上の残留トナーを清掃する中間清掃器53が設けられている。
ここで、中間転写ベルト23はポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂または各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものを用い、その体積抵抗率が10〜1014Ω・cmとなるように形成されている。
更に、本実施の形態では、記録材供給装置24のフィーダ61で送出された記録材は、記録材搬送路25中の適宜数の搬送ロール(図示せず)にて搬送され、位置合せロール62にて位置合せされた後に二次転写器52の二次転写部位を通過し、定着器66にて未定着トナー像を例えば加熱加圧定着した後、排出ロール67を介して記録材排出受け26に排出収容されるようになっている。
尚、図2中、符号38(38a〜38d)は各画像形成部22(22a〜22d)の現像器34に新しいトナーを補給するトナー補給器である。
【0022】
―画像形成部―
特に、本実施の形態では、感光体31は、図3(a)(b)に示すように、帯電器32及び清掃器35と一体化されたプロセスカートリッジ70として構成されており、このプロセスカートリッジ70が装置筐体21に対して着脱自在に装着され、夫々の色成分の画像形成部22の一部を構築するようになっている。
ここで、帯電器32は、感光体31に対向した部位が開口する帯電容器321を有し、この帯電容器321内に感光体31の表面に接触若しくは近接する帯電ロール322を配設したものである。
また、清掃器35は、感光体31に対向する部位が開口した清掃容器351を有し、この清掃容器351の長手方向に沿う開口一縁部には前記感光体31に接触する弾性掻き取り板352を設けると共に、前記清掃容器351の長手方向に沿う開口他縁部には前記感光体31に接触する弾性シール材353を設け、前記清掃容器351内には弾性掻き取り板352で掻き取ったトナー等の残留物を長手方向に沿って均す均し搬送部材354を配設したものである。
このため、本実施の形態では、プロセスカートリッジ70は、図3(b)に示すように、感光体31の周囲の一部が帯電器32及び清掃器35で覆われ、感光体31のそれ以外の周囲部分が露出部分Mとして直接露出する構造になっている。
【0023】
更に、本実施の形態において、現像器34は、装置筐体21側にプロセスカートリッジ70とは別に装着されており、感光体31に対向して開口し且つ少なくともトナーが含まれる現像剤が収容される現像容器341を有し、この現像容器341の開口部位には感光体31との対向部位に位置する現像域に向けて現像剤が搬送可能な現像剤保持体342を配設すると共に、この現像容器341の現像剤保持体342の背面側には現像剤が循環しながら撹拌搬送可能な一対の現像剤撹拌搬送部材343,344を配設し、現像剤保持体342とこの現像剤保持体342側に位置する現像剤撹拌搬送部材343との間には撹拌搬送された現像剤が現像剤保持体342側に供給可能な現像剤供給部材345を設け、更に、前記現像剤保持体342に供給された現像剤を層厚規制部材346にて所定層厚に規制した後に現像域に現像剤を供給するようにしたものである。
【0024】
―プロセスカートリッジ―
また、本実施の形態において、プロセスカートリッジ70は、図4及び図8に示すように、例えばABS樹脂などの合成樹脂等で成形されたカートリッジ枠体71を有し、このカートリッジ枠体71に感光体31、帯電器32及び清掃器35を一体的に組み込んだものである。
尚、プロセスカートリッジ70の構成については、上述した態様に限られるものではなく、単色の画像を形成する態様にも好適に適用することができる。
また、プロセスカートリッジ70の態様としては、前述した態様のもの以外にも、例えば感光体31のみをカートリッジ化したもの、感光体31と帯電器32とを一体的にし、装置筐体21に着脱自在にするもの、感光体31と現像器34とを一体化的にカートリッジ化し、装置筐体21に着脱自在にするもの、感光体31と清掃器35とを一体的にカートリッジ化し、装置筐体21に着脱可能にするもの、更には感光体31と前記プロセスデバイスの2つ以上のものを組み合わせて一体的にカートリッジ化し、装置筐体21に着脱自在にするもの等がある。
【0025】
また、本実施の形態では、プロセスカートリッジ70は、感光体31の中心を含む水平線より重力方向下側に帯電器32及び清掃器35を配置している。このように、帯電器32は感光体31の下方に配置することで、カートリッジ枠体71の一部を、後述する保護カバー100に対して位置決めするための位置決め部又は装置筐体21への挿入時の案内とする案内部として用いることを可能とし、別途設ける位置決め要素や案内要素を削減することができ、近年要求が強くなっている省スペース化及び部品数削減を実現する上で有利となる。
更に、本実施の形態では、プロセスカートリッジ70は、図5に示すように、装置筐体21のカートリッジ受部211に挿入装着される際に、カートリッジ枠体71に形成された案内凸条(図示せず)や帯電器32の帯電容器321外壁を装置筐体21内に設置され案内部材(案内レールや案内壁など)に案内摺動させ、その挿入姿勢を所定姿勢に保つようになっている。
【0026】
−保護カバー−
また、本実施の形態では、プロセスカートリッジ70は、図4及び図8に示すように、装置筐体21への挿入装着前において保護カバー100を有している。
この保護カバー100は、プロセスカートリッジ70の感光体31の露出部分M(図3(b)参照)を保護し、装置筐体21へプロセスカートリッジ70を挿入装着後に取り外せるようにプロセスカートリッジ70に対して着脱自在に装着されている。
本実施の形態において、保護カバー100は、プロセスカートリッジ70全体を取り囲む略中空直方体状で且つ長手方向に延びるカバー基体101を有している。このカバー基体101は例えばABS樹脂等の合成樹脂にて一体的に製造される。
そして、このカバー基体101には前記カートリッジ枠体71の案内凸条73や帯電器32の帯電容器321外壁に対応した部位に案内部(案内レール102(図23参照)及び案内内壁103)が設けられている。つまり、本例では、案内レール102はカバー基体101の底壁内側に設けられてカートリッジ枠体71の案内凸条73を案内摺動させ、また、案内内壁103はカバー基体101の側壁内面に設けられて帯電器32の帯電容器321外壁を案内摺動させ、プロセスカートリッジ70の挿入姿勢を規制するようになっている。
【0027】
また、本実施の形態では、図4、図7及び図8に示すように、保護カバー100のカバー基体101の上壁にはカバー基体101の長手方向に沿って案内スリット110が設けられており、この案内スリット110はカバー基体101の装置筐体21側縁が開口する長尺なもので、この案内スリット110には保護カバー100内のプロセスカートリッジ70を押し出すための操作レバー120が摺動自在に移動するようになっている。
本実施の形態において、操作レバー120は案内スリット110に沿って摺動自在なレバー本体121(図10参照)を有し、このレバー本体121には案内スリット110の縁部に沿って摺動する鍔状のストッパ122を形成すると共に、このレバー本体121にはプロセスカートリッジ70のカートリッジ枠体71の連結受部72(例えば図11参照)に連結可能な連結片123(例えば図10参照)を形成したものである。
そして、案内スリット110の終端開口近傍には前記操作レバー120のストッパ122に当接する抜け止め段部111が形成されており、しかも、案内スリット110の終端開口幅は他の部分のスリット幅よりも狭く設定されている。
尚、本実施の形態では、操作レバー120の連結片123は、後述する拘束機構にて保護カバー100内にプロセスカートリッジ70が位置する際にはプロセスカートリッジ70を拘束保持し、装置筐体21のカートリッジ受部211にプロセスカートリッジ70を挿入装着した段階でプロセスカートリッジ70との拘束保持状態を解除するようになっている。
【0028】
更に、本実施の形態では、保護カバー100には案内スリット110としての隙間があるので、案内スリット110から光が保護カバー100内に入り感光体31を劣化させる虞れがある。そこで、本実施の形態では、保護カバー100に可撓性保護シート112を付加し、案内スリット110からの光の進入を防止することが可能である。また、本実施の形態のように、プロセスカートリッジとして接触帯電法を用いた帯電器(帯電ロール)32をユニット化している場合には、搬送中などに帯電ロール321によって感光体31が摩擦帯電してしまう虞れがある。この場合、可撓性保護シート112を帯電ロール321と感光体31との間に挟み接触帯電することを防止し、案内スリット110から可撓性保護シート112の少なくとも一部を保護カバー100の外部に出しておくことで、感光体31の劣化を低減し、帯電ロール322による感光体31の摩擦帯電を防止し、プロセスカートリッジ70挿入時には容易に可撓性保護シート112を取り外すことが可能となる。
【0029】
−位置決め保持機構−
更に、カバー基体101のうちプロセスカートリッジ70の装置筐体21への挿入方向側には位置決め保持機構130が設けられている。
この位置決め保持機構130は、プロセスカートリッジ70を挿入装着する際にカバー基体101が引き抜き不能に位置決め保持され、プロセスカートリッジ70挿入装着後に前記位置決め保持状態を解除するものである。
本実施の形態において、位置決め保持機構130は、図4、図7及び図8に示すように、カバー基体101の長手方向一端側の左右両側には一対の位置決め保持片131,132を設けたものである。この位置決め保持片131,132はカバー基体101の長手方向端部から装置筐体21側に突出する弾性変形可能な弾性突出片133を有し、この弾性突出片133の先端に鉤状の引っ掛け爪134を一体的に形成したものである。ここで、弾性突出片133はその厚さ方向(矢印A方向の弾性突出片133の厚さ)に肉厚の薄い板状に形成されており、その自由端部が略水平方向(矢印Aに該当)に首振り可能になっている。
【0030】
一方、図5に示すように、装置筐体21のカートリッジ受部211の開口周縁には一対の位置決め孔141,142が形成されている。特に本実施の形態では、装置筐体21は複数のカートリッジ受部211を有しており、所定のカートリッジ受部211の他方の位置決め孔142は隣接するカートリッジ受部211の一方の位置決め孔141を兼用する構造になっている。
そして、各カートリッジ受部211の位置決め孔141,142には保護カバー100の位置決め保持片131,132互いに離間する方向に弾性変形しながら挿入されて位置決めされると共に、位置決め孔141,142縁に位置決め保持片131,132の各引っ掛け爪134が引き抜き不能に保持されるようになっている。ここで弾性変形とは、保護カバー100の位置決め保持片131,132が、位置決め孔141,142に装着される際の装着力によって変形しうるような程度のものをいう。
更に、本実施の形態では、特に図7に示すように、前記案内スリット110のうち抜け止め段部111の手前には終端開口に向かって順次開口幅が狭まるテーパ部135が形成されている。このテーパ部135は、図7中矢印Bに示すように、操作レバー120が到達した場合に保護カバー100を案内スリット110を挟んで外側に押し広げ、後述するように、位置決め孔141,142と位置決め保持片131,132との保持状態を解除する働きをするものである。
【0031】
次に、位置決め保持機構130を用いたプロセスカートリッジ70の装着方法について説明する。
先ず、装置筐体21のカートリッジ受部211の開口縁部にある位置決め孔141,142に保護カバー100に設けられた位置決め保持片131,132を挿入する(図4乃至図6参照)。
このとき、図5及び図7に示すように、位置決め孔141,142に位置決め保持片131,132が矢印Aに示すように弾性変形しながら挿入された後に引っ掛け爪134を介して引っ掛かり、装置筐体21に対して保護カバー100及びプロセスカートリッジ70が引き抜き不能に位置決め保持される。
この状態において、装置筐体21に対して保護カバー100は位置決めされるばかりでなく、プロセスカートリッジ70の挿入動作時に保護カバー100から手を離しても引き抜き不能に固定される。
【0032】
更に、本実施の形態では、位置決め保持片131,132が装置筐体21側の位置決め孔141,142に嵌合し、かつ、保護カバー100の端部と装置筐体21のカートリッジ受部211の開口縁部とが接触しているため、プロセスカートリッジ70の挿入時に保護カバー100から手を離したとしてもプロセスカートリッジ70が装置筐体21挿入時の挿入方向に対して傾きを軽減する。
この後、図6及び図8に示すように、保護カバー100に設けられた案内スリット110に沿って操作レバー120をプロセスカートリッジ70の挿入方向へ押し出すと、プロセスカートリッジ70に設けられた案内部(案内凸条、案内外壁)は、保護カバー100に設けられた案内レール102及び案内内壁103、及び、装置筐体21に設けられた案内部(案内レール、案内内壁)に案内されて装置筐体21内へと挿入される。
【0033】
そして、本実施の形態では、図7に示すように、案内スリット110は間隔を狭くした抜け止め段部111の手前にテーパ部135を有しており、操作レバー120が間隔の狭くなったテーパ部135位置まで押し出されると、図7にBで示すように、保護カバー100が案内スリット110を挟んで外側に押し広げられ、これに伴って、位置決め孔141,142に引っ掛けられている位置決め保持片131,132が図7中矢印Cに示すように外側に押し広げられることになり、プロセスカートリッジ70の挿入動作に伴って位置決め保持片131,132による引き抜き不能な位置決め保持状態が解除される。
特に、本実施の形態では、位置決め保持片131,132内側の引っ掛け爪134で装置筐体21に対する固定が行われているので、保護カバー100の固定が解除されて取り外しが可能となる。
このように、案内スリット110の装置筐体21側付近に位置決め保持片131,132の保持状態解除用のテーパ部135が設けられているため、図9に示すように、プロセスカートリッジ70が装置筐体21に挿入装着された後に、装置筐体21に対する保護カバー100の固定状態(位置決め状態)が解除されることになる。
これにより、プロセスカートリッジ70は保護カバー100の案内レール102及び案内内壁103に沿って長手方向に摺動案内され、装置筐体21内への挿入がなされる。
【0034】
―拘束機構―
本実施の形態では、保護カバー100内にプロセスカートリッジ70を拘束する拘束機構150(図10参照)が設けられている。
この拘束機構150は、カバー基体101内にプロセスカートリッジ70が位置する状態ではプロセスカートリッジ70がカバー基体101側に拘束され、プロセスカートリッジ70が装置筐体21に挿入装着された状態ではプロセスカートリッジ70がカバー基体101から解放されるものである。
以下、拘束機構150の代表的態様1〜5の夫々について説明する。
【0035】
<拘束機構の代表的態様1:図10乃至図13参照>
本態様において、操作レバー120は、図10(a)(b)に示すように、レバー本体121にストッパ122及び連結片123を有するものであり、一方、プロセスカートリッジ70のカートリッジ枠体71には、図11に示すように、前記連結片123が嵌合可能な凹状の連結受部72が設けられている。
ここで、本態様で用いられる拘束機構150は、操作レバー120が保護カバー100の初期位置に位置する状態で、プロセスカートリッジ70の連結受部72に操作レバー120の連結片123を嵌合連結させ、保護カバー100内にプロセスカートリッジ70を拘束するものである。
特に、本実施の形態では、操作レバー120は保護カバー100の案内スリット110に沿って摺動自在に設けられており、保護カバー100の案内スリット110の開口縁を案内面151として鍔状のストッパ122を摺動自在に案内するようになっている。
この案内面151はプロセスカートリッジ70の装置筐体21への挿入方向に向かって上向きの傾斜部152を有しており、この傾斜部152は操作レバー120の初期位置から押出完了位置までの押し込み距離Lに対して高さ寸法がhだけ変位するように角度θにて傾斜配置されている。
【0036】
本例では、上記高さ寸法h=L・tanθで表されるが、この高さ寸法hは操作レバー120の連結片123がプロセスカートリッジ70の連結受部72に対して引っ掛かる引っ掛かり量Dよりも大きく設定されている。
従って、本実施の形態では、拘束機構150は、図10及び図12に示すように、操作レバー120を初期位置から押出完了位置までLだけ移動させると、案内面151の傾斜部152によって操作レバー120のプロセスカートリッジ70に対する相対位置が変化し、図13に示すように、操作レバー120の連結片123がプロセスカートリッジ70の連結受部72から離脱し、両者の連結状態が解除される。
このため、図12に示すように、操作レバー120が押出完了位置に到達すると、拘束機構150による保護カバー100内でのプロセスカートリッジ70の拘束状態が解放されることになり、プロセスカートリッジ70は保護カバー100から取り外され、装置筐体21のカートリッジ受部211に挿入装着される。
【0037】
<拘束機構の代表的態様2:図14乃至図21参照>
本態様の拘束機構150は、図10に示す代表的態様1と略同様の構成を備えているが、更に、操作レバー120が初期位置に位置する際に操作レバー120の操作方向への移動が初期位置拘束機構160(図16参照)にて拘束されるようになっている。
この初期位置拘束機構160は、操作レバー120の初期位置に対応する保護カバー100の案内スリット110の両側に塞き止め用リブ161(図18参照)を設ける一方、この塞き止め用リブ161に対して操作レバー120の一部を引っ掛けて操作レバー120の移動を拘束するものである。
本態様で用いられる操作レバー120は、図14乃至図16に示すように、把持部124の下部に案内スリット110に嵌合する脚部125を形成すると共に、この脚部125の一部にはプロセスカートリッジ70の連結受部に嵌合する連結片123を形成したものである。
【0038】
そして、操作レバー120の脚部125は案内スリット110に嵌合する一対の弾性拘束片162を有している。この弾性拘束片162は下側が片持ち支点の弾性変形可能な板材にて構成され、この弾性拘束片162の上側自由端の外側には前記塞き止め用リブ161に接触して一対の弾性拘束片162を内倒れ可能に弾性変形させる鍔部163を設け、この鍔部163の前記塞き止め用リブ161との接触部位には少なくとも2段階の傾斜案内面164、165を形成したものである。
ここで、図18及び図21に示すように、操作レバー120の操作方向(押出方向)に対して最初の傾斜案内面164と塞き止め用リブ161との角度αは次の傾斜案内面165と塞き止め用リブ161との角度βよりも大きくなるように設定されている。
より具体的には、鍔部163の最初の傾斜案内面164の角度αは、弾性拘束片162の曲げ剛性を考慮し且つプロセスカートリッジ70の自重を支える程度の分力を受けとめるように設定されており、鍔部163の次の傾斜案内面165の角度βは前記αにおける分力よりも低減可能な分力方向になるように設定されている。
尚、本実施の形態において、操作レバー120は案内スリット110の初期位置に対して着脱自在になっており、弾性拘束片162の外側面には案内スリット110の初期位置に形成された案内溝部115に嵌合する案内突部166が形成されている。
【0039】
従って、本実施の形態では、例えば保護カバー110内にプロセスカートリッジ70を装填し、保護カバー100の開口を下向きにしたとしても、初期位置拘束機構160により、操作レバー120の鍔部163の最初の傾斜案内面164が塞き止め用リブ161に当接することから、操作レバー120が塞き止め用リブ161にて移動しないように拘束される。
更に、本実施の形態では、初期位置拘束機構160は、鍔部163に2段階の傾斜案内面164,165を形成したので、操作レバー120を押出操作する際に操作レバー120の押出操作力が低減される。
【0040】
更にまた、本例では、押出完了位置にて操作レバー120の位置を規制する位置規制機構170が設けられている。
この位置規制機構170は、例えば図19に示すように、保護カバー100の案内スリット110のテーパ部135の開口側に段差部171を設け、操作レバー120を押出完了位置まで押し込んだ際に、図19乃至図21に示すように、前記段差部171に操作レバー120の脚部125の一部に設けられた切欠段部172を引っ掛けるようにしたものである。
本実施の形態では、位置決め保持機構130は、操作レバー120が押出完了位置に到達すると、操作レバー120は案内スリット110のテーパ部135を押し広げながら移動することになるが、テーパ部135の押し広げ動作に伴って保護カバー100が弾性変形した場合に、弾性変形に伴う保護カバー100の反力により操作レバー120が押し戻される懸念がある。
このとき、操作レバー120が押出完了位置から戻されてしまうと、位置決め保持機構130による位置決め保持状態を解除することができなくなる虞れがある。
本態様では、位置規制機構170にて操作レバー120が押出完了位置に位置規制される。
【0041】
<拘束機構の代表的態様3:図22参照>
図22(a)において、拘束機構150は、保護カバー100の初期位置から押出完了位置まで操作レバー120を移動させ、押出完了位置にて保護カバー100から操作レバー120を離脱させるようにしたものである。
本態様では、保護カバー100から操作レバー120を離脱させるまでは操作レバー120にてプロセスカートリッジ70を拘束し、保護カバー100から操作レバー120を離脱することで、操作レバー120によるプロセスカートリッジ70の拘束状態を解放するようにすればよい。
また、本態様の変形形態としては図22(b)に示すものが挙げられる。この拘束機構150は、保護カバー100の初期位置から押出完了位置まで操作レバー120を移動させ、押出完了位置にて操作レバー120を離脱しない状態で上方に移動させ、操作レバー120によるプロセスカートリッジ70の拘束状態を解放するようにすればよい。
【0042】
<拘束機構の代表的態様4:図23乃至図29参照>
本態様の拘束機構150は保護カバー100のうちプロセスカートリッジ70の装置筐体21への挿入方向側に設けられる。
そして、拘束機構150は、図23乃至図27に示すように、保護カバー100内のプロセスカートリッジ70が当接して拘束される拘束位置に保持する弾性変形可能な弾性拘束部材としてのトーションスプリング180を有し、このトーションスプリング180には回転支点181に対してねじり力が付与された押さえ部182を設け、プロセスカートリッジ70のカートリッジ枠体71の一部に形成された掛け止め凹部74に前記押さえ部182を引っ掛け、この押さえ部182にて保護カバー100からプロセスカートリッジ70が脱落しないように押さえ込むものである。
一方、本例では、装置筐体21は、図23乃至図27に示すように、弾性拘束部材としてのトーションスプリング180に対向して設けられる拘束解除部材としての突出部材190を備えている。この突出部材190は装置筐体21へプロセスカートリッジ70を挿入する際に前記トーションスプリング180の押さえ部182に対向し、前記押さえ部182への当接時にねじり力に抗する方向に向かって押さえ部182を拘束位置から拘束解除位置に移動させるものであればよい。
【0043】
従って、本態様に係る拘束機構によれば、図28及び図29に示すように、装置筐体21へプロセスカートリッジ70を挿入装着する前では、トーションスプリング180の押さえ部182が保護カバー100内にプロセスカートリッジ70を抱き込んで拘束する。
一方、装置筐体21にプロセスカートリッジ70を挿入装着するにあたり、装置筐体21に対して保護カバー100を位置決め保持機構130にて位置決め保持しようとすると、前記突出部材190がトーションスプリング180の押さえ部182に当接して押さえ部182によるプロセスカートリッジ70の拘束状態を解除する。このため、操作レバー120を押出操作することにより、保護カバー100からプロセスカートリッジ70が押し出され、装置筐体21に挿入装着される。
【0044】
<拘束機構の代表的態様5:図30乃至図32参照>
本態様の拘束機構150は、保護カバー100のうちプロセスカートリッジ70の装置筐体21への挿入方向側に設けられる弾性拘束片200を有する。この弾性拘束片200は保護カバー100の一部に一端を支点として揺動する弾性片201を形成し、この弾性片201の先端にプロセスカートリッジ70が拘束される引っ掛け部202を形成したものである。
一方、装置筐体21側には拘束解除部材としての突出部材190が設けられ、この突出部材190は弾性拘束片200の引っ掛け部202に対向し、この引っ掛け部202への当接時に弾性片201を拘束位置から拘束解除位置に移動させるものである。
従って、本態様に係る拘束機構によれば、図31及び図32に示すように、装置筐体21へプロセスカートリッジ70を挿入装着する前では、弾性拘束片200の引っ掛け部202が保護カバー100内にプロセスカートリッジ70を抱き込んで拘束する。
一方、装置筐体21にプロセスカートリッジ70を挿入装着するにあたり、装置筐体21に対して保護カバー100を位置決め保持機構130にて位置決め保持しようとすると、前記突出部材190が弾性拘束片200の引っ掛け部202に当接して引っ掛け部202によるプロセスカートリッジ70の拘束状態を解除する。このため、操作レバー120を押出操作することにより、保護カバー100からプロセスカートリッジ70が押し出され、装置筐体21に挿入装着される。
尚、拘束機構150については複数の態様を適宜選定するようにしてもよく、複数の拘束機構150を採用した場合には保護カバー100内でのプロセスカートリッジ70の拘束性能をより強化することが可能である。
【0045】
―プロセスカートリッジ識別構造―
一般に、画像形成装置の種類に応じてプロセスカートリッジ70の種類(例えば仕様、仕向け先)も異なることから、画像形成装置に対して適正なプロセスカートリッジ70を挿入装着することが必要である。
本実施の形態では、画像形成装置の種類に応じて、保護カバー100で保護されたプロセスカートリッジ70を適正に装着する上で有効なプロセスカートリッジ識別構造を提供するものである。
以下、プロセスカートリッジ識別構造の代表的態様1,2について説明する。
【0046】
<プロセスカートリッジ識別構造の代表的態様1:図33乃至図36参照>
本態様では、保護カバー100のうちプロセスカートリッジ70の装置筐体21への挿入方向側に識別部品210が設けられている。この識別部品210は後述する装置筐体21に設けられた装着判別部品230との関係において、保護カバー100の正規位置への位置決めを許容するように識別部品210と装着判別部品230との不干渉、若しくは正規位置への位置決めを禁止するように識別部品210と装着判別部品230との干渉が起こるようなものであればその形状等は任意であり、保護カバー100と一体的に形成してもよいし、あるいは、別部品として取り付けるようにしてもよい。
本例では、識別部品210は、図33及び図34に示すように、保護カバー100のカバー基体101の両側に予め形成された例えば凹部からなる一対の部品受部220に着脱自在に取り付けられる。
ここで、識別部品210は、前記部品受部220に嵌合する部品本体212を有し、この部品本体212にはプロセスカートリッジ70の種類に応じて予め決められる識別用突起213を装置筐体21側に突出配置するようにしたものである。
特に、本例では、識別部品210は保護カバー100の両側にて非対称配置されており、プロセスカートリッジ70の挿入方向を一律に規制するようにしたものである。
また、本例では、プロセスカートリッジ70の装置筐体21への挿入方向側にもプロセスカートリッジ70の種類を識別する識別部品215が設けられている。この識別部品215は例えばカートリッジ枠体71の一部に一体的に形成されるか又は別部品として取り付けられている。
【0047】
更に、図34に示すように、装置筐体21側には保護カバー100及びプロセスカートリッジ70の識別部品210,215の適否について判別する装着判別部品230が設けられている。
この装着判別部品230は装置筐体21のカートリッジ受部211の両側に設けられるものであって、保護カバー100の一対の識別部品210及びプロセスカートリッジ70の識別部品215の合計3つの識別部品210,215の適否を判別するものである。
そして、この装着判別部品230は装置筐体21に一体的に設けてもよいが、本例では、装置筐体21に対して着脱自在な部品本体231を有し、この部品本体231に一対の判別用ブロック232,233を一体的に形成したものである。
装着判別部品230の判別用ブロック232,233は、適正なプロセスカートリッジ70である場合には、装置筐体21に対して保護カバー100を位置決め保持する際に識別部品210,215と不干渉配置される一方、不適正なプロセスカートリッジ70である場合には、装置筐体21に対して保護カバー100を位置決め保持する際に識別部品210,215と干渉配置されるようになっている。
従って、本態様において、適正なプロセスカートリッジ70を挿入装着する場合には、図36に示すように、装置筐体21に対して保護カバー100を位置決め保持するにあたり、保護カバー100及びプロセスカートリッジ70側の識別部品210,215は装置筐体21側の装着判別部品230の判別用ブロック232,233と不干渉配置されるため、保護カバー100は装置筐体21に位置決め保持され、この状態で、プロセスカートリッジ70は装置筐体21に挿入装着される。
【0048】
<プロセスカートリッジ識別構造の代表的態様2:図37乃至図48参照>
本態様は、図37及び図38に示すように、代表的態様1と異なる装着判別部品230を用いたものである。
この装着判別部品230は部品本体231のうちカートリッジ受部211に面した側に略U字状の判別用ブロック234を形成したものであり、判別用ブロック234のU字状の凹部235をプロセスカートリッジ70を挿入する際の案内溝として利用するようになっている。
この装着判別部品230の取付構造は、例えば図39(a)〜(e)に示すように、部品本体231の背面に位置決めボス236及びねじ孔部237を形成し、装置筐体21にねじ止め固定するようにしたり、あるいは、図40(a)〜(e)に示すように、部品本体231の背面に位置決めボス238及び弾性変形可能な弾性取付片239を形成し、装置筐体21の図示外の取付孔に弾性取付片239を引っ掛け固定するようにすればよい。
また、図41は別のタイプの装着判別部品230を示す。
同図において、装着判別部品230は、部品本体231の下側領域に判別用ブロック240を設けたものであり、この判別用ブロック240のカートリッジ受部211に面した斜面部241をプロセスカートリッジ70を挿入する際の案内溝として利用するようにしたものである。
この装着判別部品230の取付構造も、図42(a)〜(e)に示すように、部品本体231の背面に位置決めボス236及びねじ孔部237を形成し、装置筐体21にねじ止め固定するようにしたり、あるいは、図43(a)〜(e)に示すように、部品本体231の背面に位置決めボス238及び弾性変形可能な弾性取付片239を形成し、装置筐体21の図示外の取付孔に弾性取付片239を引っ掛け固定するようにすればよい。
【0049】
ここで、図38に示す装置筐体21に対して適正なプロセスカートリッジ70を挿入装着する場合には、例えば図44に示すように、プロセスカートリッジ70自体の識別部品215が装着判別部品230と不干渉であるため、プロセスカートリッジ70が装置筐体21に挿入装着される。
このとき、装着判別部品230のU字状の凹部235は装置筐体21にプロセスカートリッジ70を挿入装着する際の案内溝として働く。
一方、図38に示す装置筐体21に対して不適正なプロセスカートリッジ70を挿入装着する場合には、例えば図45に示すように、プロセスカートリッジ70自体の識別部品215が装着判別部品230と干渉するため、プロセスカートリッジ70が装置筐体21に誤って挿入装着されることはない。
【0050】
また、図41に示す装置筐体21に対して適正なプロセスカートリッジ70を挿入装着する場合には、例えば図46に示すように、保護カバー100の識別部品210が装着判別部品230と不干渉であるため、保護カバー100は装置筐体21に対して位置決め保持され、プロセスカートリッジ70が装置筐体21に挿入装着される。
一方、図46に示す装置筐体21に対して不適正なプロセスカートリッジ70を挿入装着する場合には、例えば図47に示すように、保護カバー100の識別部品210が装着判別部品230と干渉するため、保護カバー100が装置筐体21に対して位置決め保持されない。
また、図48は装置筐体21の全てのカートリッジ受部211に適正なプロセスカートリッジ70を挿入装着する場合には、各カートリッジ受部211に対して順次プロセスカートリッジ70を挿入装着するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】(a)は本発明を具現化する実施の形態に係るプロセスカートリッジ保護構造の保護カバー位置決め許容時の状態を示す概要説明図、(b)は同プロセスカートリッジ保護構造の保護カバー位置決め禁止時の状態を示す概要説明図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】(a)は本実施の形態で用いられる各色成分の画像形成部の詳細を示す説明図、(b)は同プロセスカートリッジを示す説明図である。
【図4】本実施の形態で用いられる画像形成装置筐体への挿入装着前のプロセスカートリッジを示す説明図である。
【図5】本実施の形態で用いられる画像形成装置筐体の全体構成を示す説明図である。
【図6】画像形成装置筐体へのプロセスカートリッジの挿入装着操作開始時の保護カバーの位置決め保持状態を示す説明図である。
【図7】保護カバーの位置決め保持機構の詳細を示す説明図である。
【図8】プロセスカートリッジを保護カバーから挿入する際の状態を示す説明図である。
【図9】画像形成装置筐体へのプロセスカートリッジの挿入装着完了時の状態を示す説明図である。
【図10】(a)はプロセスカートリッジの拘束機構の一例を示す説明図、(b)は操作レバーの構成例を示す説明図である。
【図11】図10(a)において操作レバーとプロセスカートリッジとの関係を示す説明図である。
【図12】保護カバーの操作レバーを押込完了位置まで押し込んだ際の状態を示す説明図である。
【図13】図12において操作レバーとプロセスカートリッジとの関係を示す説明図である。
【図14】プロセスカートリッジの拘束機構の他の例を示す説明図である。
【図15】図14において保護カバーから操作レバーを分離した状態を示す説明図である。
【図16】図14の操作レバーの詳細を示す説明図である。
【図17】(a)はプロセスカートリッジ挿入装着操作開始時の保護カバー及び操作レバーの正面説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図である。
【図18】図14中XVIII−XVIII線断面説明図である。
【図19】図14の保護カバーにおける位置規制機構の一例を示す説明図である。
【図20】図14の操作レバーを押込完了位置に押し込んだ状態を示す説明図である。
【図21】操作レバーの要部詳細を示す説明図である。
【図22】(a)はプロセスカートリッジの拘束機構の更に他の例を示す正面模式図及び平面模式図、(b)は(a)の拘束機構の変形例を示す正面模式図及び平面模式図である。
【図23】プロセスカートリッジの拘束機構、拘束解除部材の更に別の例を示す説明図である。
【図24】図23で設けられる拘束解除部材の一例を示す説明図である。
【図25】図23に示す拘束機構及び拘束解除部材の要部を示す説明図である。
【図26】(a)は拘束機構としてのトーションスプリングを示す斜視図、(b)〜(d)は(a)中B方向、C方向及びD方向から見た矢視図である。
【図27】(a)は拘束機構としてのトーションスプリングと拘束解除部材との関係を示す説明図、(b)はトーションスプリングによるプロセスカートリッジの拘束状態を示す説明図である。
【図28】図23に示す拘束機構、拘束解除部材の相対位置関係を示す説明図である。
【図29】(a)〜(c)は図23に示す拘束機構による拘束動作状態、拘束解除部材による拘束解除動作過程を示す説明図である。
【図30】(a)はフロセスカートリッジの拘束機構の更に他の例を示す説明図、(b)は保護カバーに設けられた拘束機構の要部を示す説明図である。
【図31】図30に示す拘束機構、拘束解除機構の相対位置関係を示す説明図である。
【図32】(a)〜(c)は図30に示す拘束機構による拘束動作状態、拘束解除部材による拘束解除動作過程を示す説明図である。
【図33】本実施の形態において用いられるプロセスカートリッジの識別構造の一例を示す説明図である。
【図34】プロセスカートリッジ自体に設けられる識別部の一例を示す説明図である。
【図35】画像形成装置筐体側に設けられる装着判断部の一例を示す説明図である。
【図36】図33に示すプロセスカートリッジの識別構造の作用を示す説明図である。
【図37】本実施の形態において用いられるプロセスカートリッジの識別構造の他の例の装着判断部を示す説明図である。
【図38】図37に示すプロセスカートリッジの時別構造の装着判断部の詳細を示す説明図である。
【図39】(a)〜(e)は図37に示す装着判断部の構成部品例を示す平面部、斜め正面から見た斜視図、正面図、側面図、斜め背面から見た斜視図である。
【図40】(a)〜(e)は図37に示す装着判断部の別構成部品例を示す平面部、斜め正面から見た斜視図、正面図、側面図、斜め背面から見た斜視図である。
【図41】本実施の形態において他の種類のプロセスカートリッジに対応する装着判断部の一例を示す説明図である。
【図42】(a)〜(e)は図41に示す装着判断部の構成部品例を示す平面部、斜め正面から見た斜視図、正面図、側面図、斜め背面から見た斜視図である。
【図43】(a)〜(e)は図41に示す装着判断部の別構成部品例を示す平面部、斜め正面から見た斜視図、正面図、側面図、斜め背面から見た斜視図である。
【図44】図37に示すプロセスカートリッジ識別構造において、適正なプロセスカートリッジが装着される状態を示す説明図である。
【図45】図37に示すプロセスカートリッジ識別構造において、不適正なプロセスカートリッジが装着されない状態を示す説明図である。
【図46】図41に示すプロセスカートリッジ識別構造において、適正な保護カバーが装着される状態を示す説明図である。
【図47】図41に示すプロセスカートリッジ識別構造において、不適正な保護カバーが装着される状態を示す説明図である。
【図48】図37に示すプロセスカートリッジ識別構造において、適正なプロセスカートリッジが全て装着された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1…プロセスカートリッジ,1a…感光体,2…保護カバー,3…カバー基体,4…位置決め保持部,5(5a,5b)…識別部,6…装着判別部,7…押出部材,10…画像形成装置筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置筐体に着脱自在に挿入装着され且つ少なくとも感光体を含むプロセスカートリッジに保護カバーを着脱自在に取り付け、プロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入装着前では保護カバーにて前記感光体の外部露呈部分を保護すると共に、プロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入装着に伴ってプロセスカートリッジから保護カバーを取り外すようにしたプロセスカートリッジ保護構造であって、
前記保護カバーは、前記プロセスカートリッジの感光体の外部露呈部分を保護するように覆い且つ画像形成装置筐体へプロセスカートリッジを挿入する際に画像形成装置筐体に当接してプロセスカートリッジを移動可能に案内するカバー基体と、
カバー基体のうちプロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入方向側に設けられ、プロセスカートリッジを装着する際に画像形成装置筐体の正規位置に位置決め保持される位置決め保持部と、
前記カバー基体のうちプロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入方向側に設けられ、画像形成装置筐体の正規位置への位置決めか否かを識別する識別部とを備え、
一方、画像形成装置筐体は、プロセスカートリッジが挿入装着可能な種類である条件では前記保護カバーの正規位置への位置決めを許容するように前記識別部と不干渉な位置に配置され且つプロセスカートリッジが挿入装着不能な種類である条件では前記保護カバーの正規位置への位置決めを禁止するように前記識別部と干渉する位置に配置される装着判別部を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造。
【請求項2】
請求項1記載のプロセスカートリッジ保護構造において、
保護カバーは複数の識別部を備えていることを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造。
【請求項3】
請求項2記載のプロセスカートリッジ保護構造において、
保護カバーはプロセスカートリッジを挟んだ両側に夫々識別部を備え、各識別部を非対称配置したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造。
【請求項4】
請求項1記載のプロセスカートリッジ保護構造において、
プロセスカートリッジは画像形成装置筐体の正規位置への位置決めか否かを識別する識別部を有し、この識別部が、画像形成装置筐体の装着判別部に対しプロセスカートリッジが挿入装着可能な種類である条件で不干渉な位置に、挿入装着不能な種類である条件で干渉な位置に配置されることを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造。
【請求項5】
請求項1記載のプロセスカートリッジ保護構造において、
保護カバーはカバー基体に対して着脱自在な識別部を有することを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造。
【請求項6】
請求項4記載のプロセスカートリッジ保護構造において、
装着判別部は、保護カバー及びプロセスカートリッジの両識別部の双方に対応して設けられる共通部品であることを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造。
【請求項7】
請求項1記載のプロセスカートリッジ保護構造において、
装着判別部は、画像形成装置筐体に対して着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造。
【請求項8】
請求項1記載のプロセスカートリッジ保護構造において、
装着判別部は、挿入装着可能なプロセスカートリッジである条件では保護カバーから画像形成装置筐体に挿入されるプロセスカートリッジを案内する案内部材を兼用することを特徴とするプロセスカートリッジ保護構造。
【請求項9】
画像形成装置筐体に少なくとも感光体が組み込まれたプロセスカートリッジを着脱自在に挿入装着する画像形成装置であって、
前記プロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入装着前では前記感光体の外部露呈部分が保護され、プロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入装着に伴ってプロセスカートリッジから取り外される保護カバーを有し、
前記保護カバーは、前記プロセスカートリッジの感光体の外部露呈部分を保護するように覆い且つ画像形成装置筐体へプロセスカートリッジを挿入する際に画像形成装置筐体に当接してプロセスカートリッジを移動可能に案内するカバー基体と、
カバー基体のうちプロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入方向側に設けられ、プロセスカートリッジを装着する際に画像形成装置筐体の正規位置に位置決め保持される位置決め保持部と、
前記カバー基体のうちプロセスカートリッジの画像形成装置筐体への挿入方向側に設けられ、画像形成装置筐体の正規位置への位置決めか否かを識別する識別部とを備え、
一方、画像形成装置筐体は、プロセスカートリッジが挿入装着可能な種類である条件では前記保護カバーの正規位置への位置決めを許容するように前記識別部と不干渉な位置に配置され且つプロセスカートリッジが挿入装着不能な種類である条件では前記保護カバーの正規位置への位置決めを禁止するように前記識別部と干渉する位置に配置される装着判別部を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置のうち、画像形成装置筐体に複数の挿入口を設け、各挿入口に夫々プロセスカートリッジを挿入装着する態様において、
画像形成装置筐体は各挿入口に対応して装着判別部を備え、隣接する挿入口間に位置する装着判別部は隣接する挿入口に対応する各プロセスカートリッジの保護カバーの識別部に対応して設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項9記載の画像形成装置において、
前記位置決め保持部は弾性変形可能な弾性保持片を有し、前記画像形成装置筺体に形成された位置決め孔に掛け止め保持されるものであり、
一方、前記画像形成装置筺体は前記プロセスカートリッジが挿入装着される複数の挿入口を備え、この挿入口両側に前記位置決め孔が形成されて、所定の挿入口の一方側の位置決め孔は隣接する挿入口の他方側の位置決め孔を兼用するものであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate


【公開番号】特開2009−75274(P2009−75274A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243152(P2007−243152)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】