プロセスカートリッジ及び画像形成装置
【課題】輸送時等の振動等によって電子写真感光体及び帯電ロールが追従回転し、この回転により発生する両者の剥離時の摩擦帯電によって、電子写真感光体表面に電荷が蓄積されて、印刷時における電子写真感光体の軸方向に平行なスジの発生を抑制する。
【解決手段】プロセスカートリッジは、電子写真感光体10と、電子写真感光体10の表面に接触して帯電させる帯電ロール12と、帯電ロール12に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝20と、螺旋状溝20と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、を有する。
【解決手段】プロセスカートリッジは、電子写真感光体10と、電子写真感光体10の表面に接触して帯電させる帯電ロール12と、帯電ロール12に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝20と、螺旋状溝20と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、まず像担持体である電子写真感光体(以下、単に「感光体」と呼ぶ場合がある)表面に帯電部材を用いて一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザ光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで静電濳像を現像して可視化したトナー像が形成される。そして、中間転写体を介して、あるいは直接、記録紙等の被転写材に該トナー像を静電的に転写し、被転写材に定着することにより所望の画像が得られる。
【0003】
近年、電子写真方式の画像形成装置では、被帯電体としての感光体表面を均一に帯電させる帯電部材として、帯電ロールが多用されている。帯電ロールは、電圧が印加された状態で感光体の表面に接触し、感光体との間の微小な間隙にて放電し感光体表面を帯電させる。
【0004】
このように感光体に接触する帯電ロールを用いた場合、感光体の周期で感光体の軸方向に平行なスジが画像上に発生することがある。この筋は感光体周期で感光体上の帯電ロールとの接触位置に対応した位置で発生する。この原因としては、帯電ロールと感光体とが接触しているため、プロセスカートリッジあるいは画像形成装置の輸送時等の振動等により接触した感光体及び帯電ロールが僅かに追従回転し、その回転時に発生する剥離時の摩擦帯電により感光体表面に電荷が蓄積される為に発生すると考えられる。
【0005】
このような問題に対して、輸送時等に感光体と帯電ロールとが接触しないようにする方法が考えられる。このような方法として、例えば、特許文献1に記載された画像形成装置では、製品出荷時にスペーサを用いて帯電ロールを感光体表面より離接させる方法が提案されている。
【0006】
また、特許文献2及び特許文献3では、感光体を逆回転させ、ワンウェイクラッチとカム等を利用して、感光体から帯電ロールを離隔させる機構が提案されている。
【0007】
また、特許文献4では、感光体と、帯電ローラと、帯電ローラをクリーニングするブラシクリーナーとを備え、感光体正転時には帯電ローラが感光体につれ廻り、さらにブラシクリーナーが帯電ローラにつれ廻り、感光体停止時には感光体が逆転する構成の画像形成装置において、感光体逆転時に、帯電ローラは感光体につれ廻り、ブラシクリーナーはつれ廻らない画像形成装置が提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開平2−39169号公報
【特許文献2】特開平7−152224号公報
【特許文献3】特開平8−54772号公報
【特許文献4】特開2003−280339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
使用者に負担をかけたり、複雑な機構を必要とせずに、輸送時等の振動等によるスジ状等の画像汚れの発生を抑制することができるプロセスカートリッジ、帯電ロール、電子写真感光体及び画像形成装置が求められている。
【0010】
本発明は、輸送時等の振動等によるスジ状等の画像汚れの発生を抑制することができるプロセスカートリッジ及び画像形成装置である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0012】
(1)電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、前記電子写真感光体の回転部分及び前記帯電ロールの回転部分のうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、を有するプロセスカートリッジである。
【0013】
(2)電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、前記電子写真感光体及び前記帯電ロールのうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、を有する画像形成装置である。
【0014】
(3)上記(1)に記載のプロセスカートリッジを使用する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
本願請求項1に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、輸送時等の振動等によって電子写真感光体及び帯電ロールが追従回転し、この回転により発生する両者の剥離時の摩擦帯電によって、電子写真感光体表面に電荷が蓄積されて、印刷時にスジ状等の画像汚れが発生してしまうことを抑制することが可能なプロセスカートリッジを提供する。
【0016】
本願請求項2に係る発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、上記同様、輸送時等の振動等によって電子写真感光体及び帯電ロールが追従回転し、この回転により発生する両者の剥離時の摩擦帯電によって、電子写真感光体表面に電荷が蓄積されて、印刷時にスジ状等の画像汚れが発生してしまうことを抑制することが可能な画像形成装置を提供する。
【0017】
本願請求項3に係る発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、上述同様、輸送時等の振動等によるスジ状等の画像汚れの発生を抑制することができる画像形成装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態について以下説明する。
【0019】
本発明者らが鋭意検討した結果、振動等によるスジ状の画像汚れの抑制方法を見出した。この振動等によるスジ状の画像汚れは、輸送時等による振動に起因した上述したような感光体と帯電ロールとの接触、剥離により起きる静電気により感光体表面に電荷が蓄積されたことが原因と推定される。そのため、感光体と帯電ロールとの接触位置が振動によりほとんど変わることなく、ほぼ同じ位置を保つことができればこのような振動等によるスジ状汚れの発生を抑制することが可能である。
【0020】
<プロセスカートリッジ>
本実施形態において、プロセスカートリッジは、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、前記電子写真感光体の回転部分及び前記帯電ロールの回転部分のうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段とを備えたものであり、上記螺旋状溝と回転防止手段とを有する回転防止機構を備えたカートリッジであれば、特に制限されるものではない。
【0021】
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。プロセスカートリッジ1は、静電潜像が形成される像担持体としての電子写真感光体(感光体ドラム)10と、電子写真感光体10の表面を接触帯電する接触帯電手段としての帯電ロール12と、電子写真感光体10の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する現像手段としての現像ロール14と、電子写真感光体10の表面に接触して、転写後に電子写真感光体10に残ったトナーをクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード18とが一体に支持されており、画像形成装置に着脱自在である。また、後述するように、螺旋状溝20が帯電ロール12のシャフト22に設けられ、一方螺旋状溝20の溝形状と合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段(図示せず)がカバーまたはカバー付近に別体に設けられている。画像形成装置に装着されたときには電子写真感光体10の周囲に、帯電ロール12、レーザ光あるいは原稿の反射光等により電子写真感光体10の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置26、現像ロール14、電子写真感光体10表面のトナー画像を被転写材である記録紙24に転写処理する転写手段としての転写ロール16、クリーニングブレード18がこの順序で配置されるようになっている。なお、図1では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、その記載を省略してある。
【0022】
本実施形態に係るプロセスカートリッジ1の動作について説明する。
【0023】
まず、電子写真感光体10表面に接触された帯電ロール12に対して電圧を高圧電源装置(図示せず)から給電することによって、電子写真感光体10の表面を一様に高電位に帯電する。このとき電子写真感光体10及び帯電ロール12は図1の矢印方向にそれぞれ回転する。帯電後、電子写真感光体10表面に露光装置26により画像情報に応じた画像光(露光)28が照射されると、照射された部分は電位が低下する。画像光28は画像の黒/白等に応じた光量の分布であるため、画像光28の照射によって電子写真感光体10表面に記録画像に対応する電位分布、すなわち静電潜像が形成される。静電潜像が形成された部分が、現像ロール14を通過すると、その電位の高低に応じてトナーが付着し、静電潜像を可視化したトナー画像が形成される。トナー画像が形成された部分に、所定のタイミングでレジストロール(図示せず)により記録紙24が搬送され、電子写真感光体10表面のトナー画像と重なる。このトナー画像が、転写ロール16によって記録紙24に転写された後、記録紙24は、電子写真感光体10から分離される。分離された記録紙24は搬送経路を通って搬送され、定着手段としての定着ユニット(図示せず)によって、加熱加圧定着されたあと、機外へ排出される。
【0024】
本実施形態において、帯電ロール12が、画像形成時に回転する図1の矢印方向(画像形成方向)に回転することで緩む螺旋状溝20を備えることにより、プロセスカートリッジ1の輸送時には、上記帯電ロール12に設けられた螺旋状溝20とカバーに設けられた回転防止手段(図示せず)とが、図1に示す矢印方向とは反対方向に噛み合い、帯電ローラ12の回転が抑制されているため、プロセスカートリッジ1の輸送時等の振動等により接触した電子写真感光体10及び帯電ロール12が追従回転し、その回転時に発生する剥離時の摩擦帯電によって電子写真感光体10の表面に電荷が蓄積されることを抑制することができる。一方、プロセスカートリッジ1の輸送ののち画像形成する際に、シャフト22を回転させることによって、帯電ローラ12が図1の矢印方向(画像形成方向)に回転し、これにより、帯電ローラ12は固定状態から回転可能な状態に緩み、画像形成時に自動的に帯電ロールの回転防止が解除される。そのため、製品を使用する前にスペーサ等の離隔部材を抜き取るなどの手間をかける必要がなく、使用者に負担をかけることもない。また、カム等を用いて帯電ローラ12の回転防止機構を自動的に解除する必要もなく、機構が簡素であるため、最小限のコストアップで済む。すなわち、本実施の形態の機構によれば、特別な解除機構、及び、解除の動作が必要無い。
【0025】
螺旋状溝20の設け方は、画像形成時に回転する方向で緩むこと以外に特に制限はないが、例えば、図2のように帯電ロール12のシャフト22aの一端側の内部に設け、一方、回転防止手段として、カバー100を貫通して、シャフト22aの内部に設けられた螺旋状溝20と噛み合う螺旋溝92を有するボルト90を用いる構成が挙げられる。また、図3に示すように、帯電ロール12のシャフト22bの外側に螺旋状溝20を設け、一方、回転防止手段として、カバー100aの貫通孔に螺旋状溝20と噛み合い可能な溝形状を形成してもよく、また図4に示すように、シャフトの22cの一端側をカバー100の貫通孔より突出させてこの突出部の外側に螺旋状溝20を形成し、一方、回転防止手段として、シャフト22cの突出部外側の螺旋状溝20と噛み合う螺旋溝92を有するナット94を用いてもよい。すなわち、帯電ロール12の螺旋状溝20と嵌合する螺旋状の溝形状は、図3に示すように、カバー100と一体であってもよく、また図4に示すように、カバー100とは別体であって帯電ロール12のシャフト22cの突出部に設けて、それぞれカバー100へ帯電ロール12を固定してもよい。後者の方が、帯電ロールの軸方向への動きが小さくでき、また、製造時の組立が容易であり好ましい。
【0026】
また、上述した図2〜図4のプロセスカートリッジのいずれも、図示しないが、帯電ロール12は、回転によりシャフト22a,22b,22cがカバー100,100aから外れた場合にも保持可能なように、カバー100,100a以外のプロセスカートリッジの筐体に設けられた軸受け(ベアリング)により支持されている。
【0027】
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの他の例の概略を図5に示す。画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝40が電子写真感光体10のシャフト42に取り付けられている点で図1のプロセスカートリッジ1とは異なる。なお、画像形成時の動作は図1のプロセスカートリッジ1と同じである。
【0028】
本実施形態において、電子写真感光体10が、図5の矢印方向(画像形成方向)で緩む螺旋状溝40を有し、螺旋状溝40と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段とを備えることにより、プロセスカートリッジ2の輸送時等の振動等が生じたとしても、この振動等により電子写真感光体10及び帯電ロール12が接触して僅かに追従回転し、その回転時に発生する剥離時の摩擦帯電により感光体表面に電荷が蓄積されることを抑制することができる。また、画像形成時に回転する図5の矢印方向(画像形成方向)に回転することで緩むことから、画像形成時に自動的に電子写真感光体10の回転防止が解除される。そのため、製品を使用する前にスペーサ等の離隔部材を抜き取るなどの手間をかける必要がなく、使用者に負担をかけることもない。また、上述同様、カム等を用いて電子写真感光体10の回転防止機構を自動的に解除する必要もなく、機構が簡素であるため、最小限のコストアップで済む。すなわち、本実施の形態の機構によれば、特別な解除機構、及び、解除の動作が必要無い。
【0029】
螺旋状溝40の設け方は、画像形成時に回転する方向で緩むこと以外に特に制限はないが、例えば、図6のように、電子写真感光体10の一端側の内部に、螺旋状溝40を設け、一方、回転防止手段として、カバー100を貫通して、シャフト42の内部に設けられた螺旋状溝40と噛み合う螺旋溝92を有するボルト90を用いる構成が挙げられる。また、図7に示すように、電子写真感光体10と一体化した電子写真感光体のシャフト42aの一端側をカバー100aの貫通孔より突出させてこの突出部の外側に螺旋状溝40を形成し、一方、回転防止手段として、カバー100の貫通孔に螺旋状溝20と噛み合い可能な螺旋状の溝形状92を形成してもよく、また、図8に示すように、電子写真感光体10の一端側内部に螺旋状溝40を設け、一方、回転防止手段として、カバー100と一体化したシャフト42bに嵌合する螺旋状の溝形状96を設けてもよい。さらに、図9に示すように、電子写真感光体10の外側に螺旋状溝40を設け、回転防止手段として、カバー100側に設けられた突出部材104の電子写真感光体10と対峙する面に螺旋状の溝形状97を設けてもよい。また、図10に示すように、電子写真感光体10と一体化した電子写真感光体のシャフト42aの一端側をカバー100の貫通孔より突出させてこの突出部の外側に螺旋状溝40を形成し、一方、回転防止手段として、シャフト42aを固定するナット98とからなる構成をもちいてもよい。したがって、電子写真感光体10またはそのシャフト42に設けられた螺旋状溝40と嵌合する螺旋状の溝形状は、カバー100と一体であってもよく、カバー100とは別体であってもよいが、後者の方が、感光体の軸方向への動きが小さくでき、また、製造時の組立が容易であり好ましい。
【0030】
また、固定に使用するボルト、及び、ナットには脱落防止手段を設けることもできる。また、上述した図6〜図9のいずれも、図示しないが、電子写真感光体10は、回転によりカバー100,100aから外れた場合にも保持可能なように、カバー100,100a以外のプロセスカートリッジの筐体に設けられた軸受け(ベアリング)により支持している。その際、シャフト42,42a,42bがある図6〜図8および図10の構成では、上記軸受け(ベアリング)がシャフト42,42a,42bを支持し、シャフトのない図9の構成では、例えば、電子写真感光体10の外周面にベアリングが設けられ、これにより支持されている。
【0031】
図1及び図5に示すクリーニング手段については、電子写真感光体10表面上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはポリウレタン、ネオプレンゴム、シリコンゴム等が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、特にポリウレタンを用いることが好ましい。
【0032】
図1及び図5に示す電子写真感光体10は、少なくとも静電潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。電子写真感光体は、円筒状の導電性の基体外周面に必要に応じて下引き層と、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とがこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
【0033】
図1及び図5に示す帯電ロール12は、従来から使用されているものと同様に、電子写真感光体10の画像形成領域全体に対応させて長いものとして構成し、電子写真感光体10に対して帯電ロール12を両側の軸に配置したスプリング等の付勢手段(図示せず)を用いて、所定の押圧力で接触させ、電子写真感光体10の回転に追従させて、回転しながら電子写真感光体10の表面を帯電させるような動作を行う。帯電ロール12には、鉄やステンレス等の金属系材料で構成した軸部材の周囲に弾性体層を一体に所定の厚さで設けられており、この弾性体はカーボン等を分散したEPDMゴム(エチレンプロピレンゴム)等の導電性の材料を用いることができる。
【0034】
また、帯電ロール12は電子写真感光体10との接触の摩擦力のみで回転する方式でも良いが、ギア等により直接回転駆動力を伝達する機構を備えている方が、螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を確実に解除できることから好ましい。
【0035】
図1及び図5に示す露光装置26としては、特に制限はなく、例えば、電子写真感光体10表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光できるレーザ光学系、LEDアレイなどの光学系機器等が挙げられる。
【0036】
図1及び図5に示す現像手段は、電子写真感光体10上に形成された静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む一成分現像剤あるいは二成分現像剤により現像してトナー画像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、トナー層が電子写真感光体10に接触する方式のものでも、接触しない方式のものでもよい。例えば、図1のように静電荷像現像用トナーを現像ロール14を用いて電子写真感光体10に付着させる機能を有する現像器、あるいはブラシ等を用いてトナーを電子写真感光体10に付着させる機能を有する現像器等、公知の現像器等が挙げられる。現像剤担時体には、通常直流電圧が使用されるが、更に交流電圧を重畳させて使用してもよい。
【0037】
図1及び図5に示す転写手段としては、紙等に直接転写する方式のものでも、中間転写体を介して転写する方式のものでもよい。例えば、図1に示すような記録紙24の表面に記録紙24を介して直接接触して転写する導電性又は半導電性のロール等を用いた転写ロール16及び転写ロール押圧装置(図示せず)を用いることができる。また、記録紙24の裏側からトナーとは逆極性の電荷を記録紙24に与え、静電気力によりトナー画像を記録紙24に転写するものを用いてもよい。転写ロール16には、電子写真感光体10に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよく、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロール16は、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定することができる。また、低コスト化のため、転写ロール16として単層の発泡ロール等が好適に用いられる。
【0038】
図1及び図5に示す定着手段としての定着ユニットとしては、記録紙24に転写されたトナー画像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであれば特に制限はない。
【0039】
図1及び図5に示すトナー画像を転写する記録媒体である記録紙24としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、転写材の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
【0040】
<画像形成装置>
本実施形態において、画像形成装置は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、前記電子写真感光体及び前記帯電ロールのうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、を有し、これらを備えた画像形成装置であれば、特に制限されるものではない。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上述したプロセスカートリッジを使用するものであってもよい。
【0041】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例の概略を図11に示し、その構成について説明する。画像形成装置5は、静電潜像が形成される像担持体としての電子写真感光体10と、電子写真感光体10の表面を接触帯電する接触帯電手段としての帯電ロール12と、レーザ光あるいは原稿の反射光等により電子写真感光体10の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置26と、電子写真感光体10の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する現像手段としての現像ロール14と、電子写真感光体10表面のトナー画像を被転写材である記録紙24に転写処理する転写手段としての転写ロール16と、電子写真感光体10の表面に接触して、転写後に電子写真感光体10に残ったトナーをクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード18とを備える。画像形成装置5において、電子写真感光体10の周囲に、帯電ロール12、露光装置26、現像ロール14、転写ロール16、クリーニングブレード18がこの順序で配置されている。また、上述同様、螺旋状溝20が帯電ロール12のシャフト22に設けられ、一方螺旋状溝20の溝形状と合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段(図示せず)がカバーまたはカバー付近に別体に設けられている。なお、図11では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、その記載を省略してある。画像形成装置5の各構成、画像形成時の動作は図1のプロセスカートリッジ1と同様である。また、帯電ロール12のシャフト22に設けられた螺旋状溝20と、螺旋状溝20の溝形状に合う螺旋状の溝形成を有する回転防止手段との例は、上述した図2から図4にて説明したものと同様であり、ここでの説明は省略する。
【0042】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の他の例の概略を図12に示す。回転防止のための螺旋状溝40が電子写真感光体10またはそのシャフト42に取り付けられている点で図11の画像形成装置5とは異なる。画像形成時の動作は図5のプロセスカートリッジ2と同様であり、画像形成装置6の各構成は図6のプロセスカートリッジ2と同様である。また、電子写真感光体10またはそのシャフト42に設けられた螺旋状溝40と、螺旋状溝40の溝形状に合う螺旋状の溝形成を有する回転防止手段との例は、上述した図6から図10にて説明したものと同様であり、ここでの説明は省略する。
【0043】
図11及び図12の画像形成装置5,6において、螺旋状溝20,40が帯電ロール12のシャフト22及び電子写真感光体10またはそのシャフト42の少なくとも一方に設けられ、さらに、回転防止手段が上記螺旋状溝20,40と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有するため、上記図1及び図5のプロセスカートリッジ1,2と同様の機構で、輸送時等に電子写真感光体10及び帯電ロール12が画像形成時に回転することを防止することができる。
【0044】
図13は本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示した図であり、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタを示している。図13に示す画像形成装置は、本体50に、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像形成部52、記録用紙(シート)を搬送するシート搬送系54、例えばパーソナルコンピュータや画像読み取り装置等に接続され、受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理装置56とを備えている。
【0045】
画像形成部52は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される複数のエンジンであるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット58Y,58M,58C,58K、この画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体10に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト60上に多重転写させる転写ユニット62、画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kに対してレーザ光を照射する光学系ユニット64を備えている。また本体50には、転写ユニット62によって二次転写された記録用紙(シート)上の画像を、熱および圧力を用いて記録用紙に定着させる定着器66を備えている。更に、画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kに対して各色のトナーを供給するためのトナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kが設けられている。
【0046】
転写ユニット62は、中間転写体である中間転写ベルト60を駆動する駆動ロール70、中間転写ベルト60に一定の張力を付与する張力付与ロール71、重畳された各色のトナー像を記録用紙に二次転写するためのバックアップロール72、中間転写ベルト60上に存在する残留トナー等を除去するクリーニング装置73を備えている。中間転写ベルト60は、この駆動ロール70と張力付与ロール71およびバックアップロール72との間に一定の張力で掛け回されており、定速性に優れた専用の駆動モータ(図示せず)によって回転駆動される駆動ロール70により、矢印方向に所定の速度で循環駆動される。この中間転写ベルト60は、例えば、電荷蓄積を起こさないベルト素材(ゴムまたは樹脂)にて抵抗調整されたものが使用されている。クリーニング装置73は、クリーニングブラシ73aおよびクリーニングブレード73bを備えており、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト60の表面から残留トナーや紙粉等を除去して、次の画像形成プロセスに備えるように構成されている。
【0047】
シート搬送系54は、画像が記録される記録用紙(シート)を積載して供給する給紙装置77、給紙装置77から1枚ずつに分離された記録用紙を画像転写部に向けて搬送する搬送路80を備えている。また、搬送路80を介して搬送された記録用紙に対し、二次転写位置に設けられバックアップロール72に圧接して記録用紙上に画像を二次転写する二次転写ロール82を備えている。更に、定着器66によってトナー画像が定着された記録用紙を本体50の機外に排出する排出ロール83、排出ロール83によって排出された記録紙を積載する排出受け84を有する。
【0048】
次に、図13に示す画像形成装置の動作について説明する。図示しない原稿読み取り装置によって読み取られた原稿の色材反射光像や、図示しないパーソナルコンピュータ等にて形成された色材画像データは、画像処理装置56に入力される。画像処理装置56では、入力されたデータに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のデータに変換され、光学系ユニット64に出力される。
【0049】
光学系ユニット64では、入力されたデータに応じて、半導体レーザ(図示せず)から出射されたレーザ光(LB−Y,LB−M,LB−C,LB−K)を、画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体10に照射している。画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体10では、帯電された表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0050】
画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体10上に形成されたトナー像は、中間転写体である中間転写ベルト60上に多重転写される。このとき、黒色のトナー像を形成する黒の画像形成ユニット58Kは、中間転写ベルト60の移動方向の最下流側に設けられ、黒色のトナー像は、中間転写ベルト60に対して最後に一次転写される。
【0051】
一方、シート搬送系54では、画像形成のタイミングに合わせて給紙装置77から所定サイズの記録用紙が供給される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト60の移動タイミングに合わせて、記録用紙は、バックアップロール72および二次転写ロール82によって形成される二次転写位置に搬送される。二次転写位置にて下方から上方に向けて搬送される記録用紙には、圧接力および所定の電界を用いて、4色が多重されているトナー像が副走査方向に順次、転写される。そして、各色のトナー像が転写された記録用紙は、定着器66によって熱および圧力で定着処理を受けた後、排出ロール83によって本体50の上部に設けられた排出受け84に排出される。
【実施例】
【0052】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0053】
<実施例1>
(プロセスカートリッジの作製)
図2のように帯電ロール12のシャフト22aの片側に螺旋状溝20を付けた帯電ロールを作製した。この帯電ロール12及び、前記帯電ロール12の螺旋状溝20と溝形状が噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を取り付けられるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状溝20は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール12及び電子写真感光体10にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて以下の試験を行った。
【0054】
(評価)
実施例1で作製したプロセスカートリッジを振動試験機(株式会社振研製、G−9223LS型)を用いて、輸送時の振動を模して、容器(直方体)に梱包し、梱包容器の互いに隣接する3つの面に垂直な方向それぞれについて25Hz各15分間の条件により振動試験を行った。その後、富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450を用いてA3用紙(富士ゼロックス(株)製、P紙)全面ハーフトーンの画質パターン(30%濃度の黒画像)の画質出力を20℃、50%RHの環境下で行い、1枚目の画質から感光体周期の筋状汚れの発生有無の確認を行った。結果を表1に示す。
【0055】
<実施例2>
図3のように帯電ロール12のシャフト22cの一方端の突出部外側に螺旋状溝20を設けた帯電ロールを作製した。この帯電ロール12及び、前記帯電ロール12の螺旋状溝20と嵌合する螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0056】
<実施例3>
図4のように帯電ロール12のシャフト22cの一方端の突出部外側に螺旋状溝20を設けた帯電ロールを作製した。この帯電ロール12及び、前記帯電ロール12の螺旋状溝20と嵌合する螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0057】
<実施例4>
図6のように電子写真感光体10のフランジの片側に螺旋状溝40を付けた電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体10及び、前記電子写真感光体10の螺旋状溝40と噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0058】
<実施例5>
図7のように電子写真感光体10と一体化したシャフトの片側に螺旋状溝40を付けた電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体10及び、前記電子写真感光体10の螺旋状溝40と噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0059】
<実施例6>
図8のように電子写真感光体10のフランジの片側に螺旋状溝40を付けた電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体10及び、前記電子写真感光体10の螺旋状溝40と噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0060】
<実施例7>
図9のように電子写真感光体10のフランジの片側に螺旋状溝40を付けた電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体10及び、前記電子写真感光体10の螺旋状溝40と噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0061】
<実施例8>
図10のように電子写真感光体10と一体化したシャフトの片側に螺旋状溝40を付けた電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体10及び、前記電子写真感光体10の螺旋状溝40と噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0062】
(比較例1)
螺旋状溝20が形成されていない従来の帯電ロール、及び、螺旋状溝40が形成されていない従来の電子写真感光体を用いた、富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを使用した。使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態で実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
その結果、比較例1の螺旋状溝及びこの螺旋状溝に噛み合う溝形状を有する回転防止手段とを有しないカートリッジでは、筋状汚れが発生したのに対して、帯電ロールに螺旋状溝20とこの螺旋状溝に噛み合う溝形状を有する回転防止手段とを備えたカートリッジを用いた実施例1から実施例3及び電子写真感光体に螺旋状溝40とこの螺旋状溝に噛み合う溝形状を有する回転防止手段とを備えたカートリッジを用いた実施例4から実施例8では、筋状汚れが未発生であった。
【0065】
この結果は、帯電ロール及び電子写真感光体の少なくとも一方の回転を防止することによって、輸送時の振動によって帯電ロールが感光体と剥離することがなく、画像に影響するような摩擦帯電現象がほとんど生じないことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの構成の一例の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する帯電ロールの構成の一例の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する帯電ロールの構成の他の例の概略を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する帯電ロールの構成の他の例の概略を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの構成の他の例の概略を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する電子写真感光体の構成の一例の概略を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する電子写真感光体の構成の他の例の概略を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する電子写真感光体の構成の他の一例の概略を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する電子写真感光体の構成の他の例の概略を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する電子写真感光体の構成の他の例の概略を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の他の例の概略を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の他の例の概略を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1 プロセスカートリッジ、10 電子写真感光体、12 帯電ロール、14 現像ロール、18 クリーニングブレード、20 螺旋状溝、22 シャフト、26 露光装置、28 画像光。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、まず像担持体である電子写真感光体(以下、単に「感光体」と呼ぶ場合がある)表面に帯電部材を用いて一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザ光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで静電濳像を現像して可視化したトナー像が形成される。そして、中間転写体を介して、あるいは直接、記録紙等の被転写材に該トナー像を静電的に転写し、被転写材に定着することにより所望の画像が得られる。
【0003】
近年、電子写真方式の画像形成装置では、被帯電体としての感光体表面を均一に帯電させる帯電部材として、帯電ロールが多用されている。帯電ロールは、電圧が印加された状態で感光体の表面に接触し、感光体との間の微小な間隙にて放電し感光体表面を帯電させる。
【0004】
このように感光体に接触する帯電ロールを用いた場合、感光体の周期で感光体の軸方向に平行なスジが画像上に発生することがある。この筋は感光体周期で感光体上の帯電ロールとの接触位置に対応した位置で発生する。この原因としては、帯電ロールと感光体とが接触しているため、プロセスカートリッジあるいは画像形成装置の輸送時等の振動等により接触した感光体及び帯電ロールが僅かに追従回転し、その回転時に発生する剥離時の摩擦帯電により感光体表面に電荷が蓄積される為に発生すると考えられる。
【0005】
このような問題に対して、輸送時等に感光体と帯電ロールとが接触しないようにする方法が考えられる。このような方法として、例えば、特許文献1に記載された画像形成装置では、製品出荷時にスペーサを用いて帯電ロールを感光体表面より離接させる方法が提案されている。
【0006】
また、特許文献2及び特許文献3では、感光体を逆回転させ、ワンウェイクラッチとカム等を利用して、感光体から帯電ロールを離隔させる機構が提案されている。
【0007】
また、特許文献4では、感光体と、帯電ローラと、帯電ローラをクリーニングするブラシクリーナーとを備え、感光体正転時には帯電ローラが感光体につれ廻り、さらにブラシクリーナーが帯電ローラにつれ廻り、感光体停止時には感光体が逆転する構成の画像形成装置において、感光体逆転時に、帯電ローラは感光体につれ廻り、ブラシクリーナーはつれ廻らない画像形成装置が提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開平2−39169号公報
【特許文献2】特開平7−152224号公報
【特許文献3】特開平8−54772号公報
【特許文献4】特開2003−280339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
使用者に負担をかけたり、複雑な機構を必要とせずに、輸送時等の振動等によるスジ状等の画像汚れの発生を抑制することができるプロセスカートリッジ、帯電ロール、電子写真感光体及び画像形成装置が求められている。
【0010】
本発明は、輸送時等の振動等によるスジ状等の画像汚れの発生を抑制することができるプロセスカートリッジ及び画像形成装置である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0012】
(1)電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、前記電子写真感光体の回転部分及び前記帯電ロールの回転部分のうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、を有するプロセスカートリッジである。
【0013】
(2)電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、前記電子写真感光体及び前記帯電ロールのうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、を有する画像形成装置である。
【0014】
(3)上記(1)に記載のプロセスカートリッジを使用する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
本願請求項1に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、輸送時等の振動等によって電子写真感光体及び帯電ロールが追従回転し、この回転により発生する両者の剥離時の摩擦帯電によって、電子写真感光体表面に電荷が蓄積されて、印刷時にスジ状等の画像汚れが発生してしまうことを抑制することが可能なプロセスカートリッジを提供する。
【0016】
本願請求項2に係る発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、上記同様、輸送時等の振動等によって電子写真感光体及び帯電ロールが追従回転し、この回転により発生する両者の剥離時の摩擦帯電によって、電子写真感光体表面に電荷が蓄積されて、印刷時にスジ状等の画像汚れが発生してしまうことを抑制することが可能な画像形成装置を提供する。
【0017】
本願請求項3に係る発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、上述同様、輸送時等の振動等によるスジ状等の画像汚れの発生を抑制することができる画像形成装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態について以下説明する。
【0019】
本発明者らが鋭意検討した結果、振動等によるスジ状の画像汚れの抑制方法を見出した。この振動等によるスジ状の画像汚れは、輸送時等による振動に起因した上述したような感光体と帯電ロールとの接触、剥離により起きる静電気により感光体表面に電荷が蓄積されたことが原因と推定される。そのため、感光体と帯電ロールとの接触位置が振動によりほとんど変わることなく、ほぼ同じ位置を保つことができればこのような振動等によるスジ状汚れの発生を抑制することが可能である。
【0020】
<プロセスカートリッジ>
本実施形態において、プロセスカートリッジは、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、前記電子写真感光体の回転部分及び前記帯電ロールの回転部分のうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段とを備えたものであり、上記螺旋状溝と回転防止手段とを有する回転防止機構を備えたカートリッジであれば、特に制限されるものではない。
【0021】
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。プロセスカートリッジ1は、静電潜像が形成される像担持体としての電子写真感光体(感光体ドラム)10と、電子写真感光体10の表面を接触帯電する接触帯電手段としての帯電ロール12と、電子写真感光体10の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する現像手段としての現像ロール14と、電子写真感光体10の表面に接触して、転写後に電子写真感光体10に残ったトナーをクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード18とが一体に支持されており、画像形成装置に着脱自在である。また、後述するように、螺旋状溝20が帯電ロール12のシャフト22に設けられ、一方螺旋状溝20の溝形状と合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段(図示せず)がカバーまたはカバー付近に別体に設けられている。画像形成装置に装着されたときには電子写真感光体10の周囲に、帯電ロール12、レーザ光あるいは原稿の反射光等により電子写真感光体10の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置26、現像ロール14、電子写真感光体10表面のトナー画像を被転写材である記録紙24に転写処理する転写手段としての転写ロール16、クリーニングブレード18がこの順序で配置されるようになっている。なお、図1では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、その記載を省略してある。
【0022】
本実施形態に係るプロセスカートリッジ1の動作について説明する。
【0023】
まず、電子写真感光体10表面に接触された帯電ロール12に対して電圧を高圧電源装置(図示せず)から給電することによって、電子写真感光体10の表面を一様に高電位に帯電する。このとき電子写真感光体10及び帯電ロール12は図1の矢印方向にそれぞれ回転する。帯電後、電子写真感光体10表面に露光装置26により画像情報に応じた画像光(露光)28が照射されると、照射された部分は電位が低下する。画像光28は画像の黒/白等に応じた光量の分布であるため、画像光28の照射によって電子写真感光体10表面に記録画像に対応する電位分布、すなわち静電潜像が形成される。静電潜像が形成された部分が、現像ロール14を通過すると、その電位の高低に応じてトナーが付着し、静電潜像を可視化したトナー画像が形成される。トナー画像が形成された部分に、所定のタイミングでレジストロール(図示せず)により記録紙24が搬送され、電子写真感光体10表面のトナー画像と重なる。このトナー画像が、転写ロール16によって記録紙24に転写された後、記録紙24は、電子写真感光体10から分離される。分離された記録紙24は搬送経路を通って搬送され、定着手段としての定着ユニット(図示せず)によって、加熱加圧定着されたあと、機外へ排出される。
【0024】
本実施形態において、帯電ロール12が、画像形成時に回転する図1の矢印方向(画像形成方向)に回転することで緩む螺旋状溝20を備えることにより、プロセスカートリッジ1の輸送時には、上記帯電ロール12に設けられた螺旋状溝20とカバーに設けられた回転防止手段(図示せず)とが、図1に示す矢印方向とは反対方向に噛み合い、帯電ローラ12の回転が抑制されているため、プロセスカートリッジ1の輸送時等の振動等により接触した電子写真感光体10及び帯電ロール12が追従回転し、その回転時に発生する剥離時の摩擦帯電によって電子写真感光体10の表面に電荷が蓄積されることを抑制することができる。一方、プロセスカートリッジ1の輸送ののち画像形成する際に、シャフト22を回転させることによって、帯電ローラ12が図1の矢印方向(画像形成方向)に回転し、これにより、帯電ローラ12は固定状態から回転可能な状態に緩み、画像形成時に自動的に帯電ロールの回転防止が解除される。そのため、製品を使用する前にスペーサ等の離隔部材を抜き取るなどの手間をかける必要がなく、使用者に負担をかけることもない。また、カム等を用いて帯電ローラ12の回転防止機構を自動的に解除する必要もなく、機構が簡素であるため、最小限のコストアップで済む。すなわち、本実施の形態の機構によれば、特別な解除機構、及び、解除の動作が必要無い。
【0025】
螺旋状溝20の設け方は、画像形成時に回転する方向で緩むこと以外に特に制限はないが、例えば、図2のように帯電ロール12のシャフト22aの一端側の内部に設け、一方、回転防止手段として、カバー100を貫通して、シャフト22aの内部に設けられた螺旋状溝20と噛み合う螺旋溝92を有するボルト90を用いる構成が挙げられる。また、図3に示すように、帯電ロール12のシャフト22bの外側に螺旋状溝20を設け、一方、回転防止手段として、カバー100aの貫通孔に螺旋状溝20と噛み合い可能な溝形状を形成してもよく、また図4に示すように、シャフトの22cの一端側をカバー100の貫通孔より突出させてこの突出部の外側に螺旋状溝20を形成し、一方、回転防止手段として、シャフト22cの突出部外側の螺旋状溝20と噛み合う螺旋溝92を有するナット94を用いてもよい。すなわち、帯電ロール12の螺旋状溝20と嵌合する螺旋状の溝形状は、図3に示すように、カバー100と一体であってもよく、また図4に示すように、カバー100とは別体であって帯電ロール12のシャフト22cの突出部に設けて、それぞれカバー100へ帯電ロール12を固定してもよい。後者の方が、帯電ロールの軸方向への動きが小さくでき、また、製造時の組立が容易であり好ましい。
【0026】
また、上述した図2〜図4のプロセスカートリッジのいずれも、図示しないが、帯電ロール12は、回転によりシャフト22a,22b,22cがカバー100,100aから外れた場合にも保持可能なように、カバー100,100a以外のプロセスカートリッジの筐体に設けられた軸受け(ベアリング)により支持されている。
【0027】
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの他の例の概略を図5に示す。画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝40が電子写真感光体10のシャフト42に取り付けられている点で図1のプロセスカートリッジ1とは異なる。なお、画像形成時の動作は図1のプロセスカートリッジ1と同じである。
【0028】
本実施形態において、電子写真感光体10が、図5の矢印方向(画像形成方向)で緩む螺旋状溝40を有し、螺旋状溝40と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段とを備えることにより、プロセスカートリッジ2の輸送時等の振動等が生じたとしても、この振動等により電子写真感光体10及び帯電ロール12が接触して僅かに追従回転し、その回転時に発生する剥離時の摩擦帯電により感光体表面に電荷が蓄積されることを抑制することができる。また、画像形成時に回転する図5の矢印方向(画像形成方向)に回転することで緩むことから、画像形成時に自動的に電子写真感光体10の回転防止が解除される。そのため、製品を使用する前にスペーサ等の離隔部材を抜き取るなどの手間をかける必要がなく、使用者に負担をかけることもない。また、上述同様、カム等を用いて電子写真感光体10の回転防止機構を自動的に解除する必要もなく、機構が簡素であるため、最小限のコストアップで済む。すなわち、本実施の形態の機構によれば、特別な解除機構、及び、解除の動作が必要無い。
【0029】
螺旋状溝40の設け方は、画像形成時に回転する方向で緩むこと以外に特に制限はないが、例えば、図6のように、電子写真感光体10の一端側の内部に、螺旋状溝40を設け、一方、回転防止手段として、カバー100を貫通して、シャフト42の内部に設けられた螺旋状溝40と噛み合う螺旋溝92を有するボルト90を用いる構成が挙げられる。また、図7に示すように、電子写真感光体10と一体化した電子写真感光体のシャフト42aの一端側をカバー100aの貫通孔より突出させてこの突出部の外側に螺旋状溝40を形成し、一方、回転防止手段として、カバー100の貫通孔に螺旋状溝20と噛み合い可能な螺旋状の溝形状92を形成してもよく、また、図8に示すように、電子写真感光体10の一端側内部に螺旋状溝40を設け、一方、回転防止手段として、カバー100と一体化したシャフト42bに嵌合する螺旋状の溝形状96を設けてもよい。さらに、図9に示すように、電子写真感光体10の外側に螺旋状溝40を設け、回転防止手段として、カバー100側に設けられた突出部材104の電子写真感光体10と対峙する面に螺旋状の溝形状97を設けてもよい。また、図10に示すように、電子写真感光体10と一体化した電子写真感光体のシャフト42aの一端側をカバー100の貫通孔より突出させてこの突出部の外側に螺旋状溝40を形成し、一方、回転防止手段として、シャフト42aを固定するナット98とからなる構成をもちいてもよい。したがって、電子写真感光体10またはそのシャフト42に設けられた螺旋状溝40と嵌合する螺旋状の溝形状は、カバー100と一体であってもよく、カバー100とは別体であってもよいが、後者の方が、感光体の軸方向への動きが小さくでき、また、製造時の組立が容易であり好ましい。
【0030】
また、固定に使用するボルト、及び、ナットには脱落防止手段を設けることもできる。また、上述した図6〜図9のいずれも、図示しないが、電子写真感光体10は、回転によりカバー100,100aから外れた場合にも保持可能なように、カバー100,100a以外のプロセスカートリッジの筐体に設けられた軸受け(ベアリング)により支持している。その際、シャフト42,42a,42bがある図6〜図8および図10の構成では、上記軸受け(ベアリング)がシャフト42,42a,42bを支持し、シャフトのない図9の構成では、例えば、電子写真感光体10の外周面にベアリングが設けられ、これにより支持されている。
【0031】
図1及び図5に示すクリーニング手段については、電子写真感光体10表面上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはポリウレタン、ネオプレンゴム、シリコンゴム等が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、特にポリウレタンを用いることが好ましい。
【0032】
図1及び図5に示す電子写真感光体10は、少なくとも静電潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。電子写真感光体は、円筒状の導電性の基体外周面に必要に応じて下引き層と、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とがこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
【0033】
図1及び図5に示す帯電ロール12は、従来から使用されているものと同様に、電子写真感光体10の画像形成領域全体に対応させて長いものとして構成し、電子写真感光体10に対して帯電ロール12を両側の軸に配置したスプリング等の付勢手段(図示せず)を用いて、所定の押圧力で接触させ、電子写真感光体10の回転に追従させて、回転しながら電子写真感光体10の表面を帯電させるような動作を行う。帯電ロール12には、鉄やステンレス等の金属系材料で構成した軸部材の周囲に弾性体層を一体に所定の厚さで設けられており、この弾性体はカーボン等を分散したEPDMゴム(エチレンプロピレンゴム)等の導電性の材料を用いることができる。
【0034】
また、帯電ロール12は電子写真感光体10との接触の摩擦力のみで回転する方式でも良いが、ギア等により直接回転駆動力を伝達する機構を備えている方が、螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を確実に解除できることから好ましい。
【0035】
図1及び図5に示す露光装置26としては、特に制限はなく、例えば、電子写真感光体10表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光できるレーザ光学系、LEDアレイなどの光学系機器等が挙げられる。
【0036】
図1及び図5に示す現像手段は、電子写真感光体10上に形成された静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む一成分現像剤あるいは二成分現像剤により現像してトナー画像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、トナー層が電子写真感光体10に接触する方式のものでも、接触しない方式のものでもよい。例えば、図1のように静電荷像現像用トナーを現像ロール14を用いて電子写真感光体10に付着させる機能を有する現像器、あるいはブラシ等を用いてトナーを電子写真感光体10に付着させる機能を有する現像器等、公知の現像器等が挙げられる。現像剤担時体には、通常直流電圧が使用されるが、更に交流電圧を重畳させて使用してもよい。
【0037】
図1及び図5に示す転写手段としては、紙等に直接転写する方式のものでも、中間転写体を介して転写する方式のものでもよい。例えば、図1に示すような記録紙24の表面に記録紙24を介して直接接触して転写する導電性又は半導電性のロール等を用いた転写ロール16及び転写ロール押圧装置(図示せず)を用いることができる。また、記録紙24の裏側からトナーとは逆極性の電荷を記録紙24に与え、静電気力によりトナー画像を記録紙24に転写するものを用いてもよい。転写ロール16には、電子写真感光体10に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよく、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロール16は、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定することができる。また、低コスト化のため、転写ロール16として単層の発泡ロール等が好適に用いられる。
【0038】
図1及び図5に示す定着手段としての定着ユニットとしては、記録紙24に転写されたトナー画像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであれば特に制限はない。
【0039】
図1及び図5に示すトナー画像を転写する記録媒体である記録紙24としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、転写材の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
【0040】
<画像形成装置>
本実施形態において、画像形成装置は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、前記電子写真感光体及び前記帯電ロールのうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、を有し、これらを備えた画像形成装置であれば、特に制限されるものではない。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上述したプロセスカートリッジを使用するものであってもよい。
【0041】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例の概略を図11に示し、その構成について説明する。画像形成装置5は、静電潜像が形成される像担持体としての電子写真感光体10と、電子写真感光体10の表面を接触帯電する接触帯電手段としての帯電ロール12と、レーザ光あるいは原稿の反射光等により電子写真感光体10の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置26と、電子写真感光体10の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する現像手段としての現像ロール14と、電子写真感光体10表面のトナー画像を被転写材である記録紙24に転写処理する転写手段としての転写ロール16と、電子写真感光体10の表面に接触して、転写後に電子写真感光体10に残ったトナーをクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード18とを備える。画像形成装置5において、電子写真感光体10の周囲に、帯電ロール12、露光装置26、現像ロール14、転写ロール16、クリーニングブレード18がこの順序で配置されている。また、上述同様、螺旋状溝20が帯電ロール12のシャフト22に設けられ、一方螺旋状溝20の溝形状と合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段(図示せず)がカバーまたはカバー付近に別体に設けられている。なお、図11では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、その記載を省略してある。画像形成装置5の各構成、画像形成時の動作は図1のプロセスカートリッジ1と同様である。また、帯電ロール12のシャフト22に設けられた螺旋状溝20と、螺旋状溝20の溝形状に合う螺旋状の溝形成を有する回転防止手段との例は、上述した図2から図4にて説明したものと同様であり、ここでの説明は省略する。
【0042】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の他の例の概略を図12に示す。回転防止のための螺旋状溝40が電子写真感光体10またはそのシャフト42に取り付けられている点で図11の画像形成装置5とは異なる。画像形成時の動作は図5のプロセスカートリッジ2と同様であり、画像形成装置6の各構成は図6のプロセスカートリッジ2と同様である。また、電子写真感光体10またはそのシャフト42に設けられた螺旋状溝40と、螺旋状溝40の溝形状に合う螺旋状の溝形成を有する回転防止手段との例は、上述した図6から図10にて説明したものと同様であり、ここでの説明は省略する。
【0043】
図11及び図12の画像形成装置5,6において、螺旋状溝20,40が帯電ロール12のシャフト22及び電子写真感光体10またはそのシャフト42の少なくとも一方に設けられ、さらに、回転防止手段が上記螺旋状溝20,40と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有するため、上記図1及び図5のプロセスカートリッジ1,2と同様の機構で、輸送時等に電子写真感光体10及び帯電ロール12が画像形成時に回転することを防止することができる。
【0044】
図13は本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示した図であり、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタを示している。図13に示す画像形成装置は、本体50に、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像形成部52、記録用紙(シート)を搬送するシート搬送系54、例えばパーソナルコンピュータや画像読み取り装置等に接続され、受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理装置56とを備えている。
【0045】
画像形成部52は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される複数のエンジンであるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット58Y,58M,58C,58K、この画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体10に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト60上に多重転写させる転写ユニット62、画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kに対してレーザ光を照射する光学系ユニット64を備えている。また本体50には、転写ユニット62によって二次転写された記録用紙(シート)上の画像を、熱および圧力を用いて記録用紙に定着させる定着器66を備えている。更に、画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kに対して各色のトナーを供給するためのトナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kが設けられている。
【0046】
転写ユニット62は、中間転写体である中間転写ベルト60を駆動する駆動ロール70、中間転写ベルト60に一定の張力を付与する張力付与ロール71、重畳された各色のトナー像を記録用紙に二次転写するためのバックアップロール72、中間転写ベルト60上に存在する残留トナー等を除去するクリーニング装置73を備えている。中間転写ベルト60は、この駆動ロール70と張力付与ロール71およびバックアップロール72との間に一定の張力で掛け回されており、定速性に優れた専用の駆動モータ(図示せず)によって回転駆動される駆動ロール70により、矢印方向に所定の速度で循環駆動される。この中間転写ベルト60は、例えば、電荷蓄積を起こさないベルト素材(ゴムまたは樹脂)にて抵抗調整されたものが使用されている。クリーニング装置73は、クリーニングブラシ73aおよびクリーニングブレード73bを備えており、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト60の表面から残留トナーや紙粉等を除去して、次の画像形成プロセスに備えるように構成されている。
【0047】
シート搬送系54は、画像が記録される記録用紙(シート)を積載して供給する給紙装置77、給紙装置77から1枚ずつに分離された記録用紙を画像転写部に向けて搬送する搬送路80を備えている。また、搬送路80を介して搬送された記録用紙に対し、二次転写位置に設けられバックアップロール72に圧接して記録用紙上に画像を二次転写する二次転写ロール82を備えている。更に、定着器66によってトナー画像が定着された記録用紙を本体50の機外に排出する排出ロール83、排出ロール83によって排出された記録紙を積載する排出受け84を有する。
【0048】
次に、図13に示す画像形成装置の動作について説明する。図示しない原稿読み取り装置によって読み取られた原稿の色材反射光像や、図示しないパーソナルコンピュータ等にて形成された色材画像データは、画像処理装置56に入力される。画像処理装置56では、入力されたデータに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のデータに変換され、光学系ユニット64に出力される。
【0049】
光学系ユニット64では、入力されたデータに応じて、半導体レーザ(図示せず)から出射されたレーザ光(LB−Y,LB−M,LB−C,LB−K)を、画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体10に照射している。画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体10では、帯電された表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0050】
画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体10上に形成されたトナー像は、中間転写体である中間転写ベルト60上に多重転写される。このとき、黒色のトナー像を形成する黒の画像形成ユニット58Kは、中間転写ベルト60の移動方向の最下流側に設けられ、黒色のトナー像は、中間転写ベルト60に対して最後に一次転写される。
【0051】
一方、シート搬送系54では、画像形成のタイミングに合わせて給紙装置77から所定サイズの記録用紙が供給される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト60の移動タイミングに合わせて、記録用紙は、バックアップロール72および二次転写ロール82によって形成される二次転写位置に搬送される。二次転写位置にて下方から上方に向けて搬送される記録用紙には、圧接力および所定の電界を用いて、4色が多重されているトナー像が副走査方向に順次、転写される。そして、各色のトナー像が転写された記録用紙は、定着器66によって熱および圧力で定着処理を受けた後、排出ロール83によって本体50の上部に設けられた排出受け84に排出される。
【実施例】
【0052】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0053】
<実施例1>
(プロセスカートリッジの作製)
図2のように帯電ロール12のシャフト22aの片側に螺旋状溝20を付けた帯電ロールを作製した。この帯電ロール12及び、前記帯電ロール12の螺旋状溝20と溝形状が噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を取り付けられるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状溝20は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール12及び電子写真感光体10にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて以下の試験を行った。
【0054】
(評価)
実施例1で作製したプロセスカートリッジを振動試験機(株式会社振研製、G−9223LS型)を用いて、輸送時の振動を模して、容器(直方体)に梱包し、梱包容器の互いに隣接する3つの面に垂直な方向それぞれについて25Hz各15分間の条件により振動試験を行った。その後、富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450を用いてA3用紙(富士ゼロックス(株)製、P紙)全面ハーフトーンの画質パターン(30%濃度の黒画像)の画質出力を20℃、50%RHの環境下で行い、1枚目の画質から感光体周期の筋状汚れの発生有無の確認を行った。結果を表1に示す。
【0055】
<実施例2>
図3のように帯電ロール12のシャフト22cの一方端の突出部外側に螺旋状溝20を設けた帯電ロールを作製した。この帯電ロール12及び、前記帯電ロール12の螺旋状溝20と嵌合する螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0056】
<実施例3>
図4のように帯電ロール12のシャフト22cの一方端の突出部外側に螺旋状溝20を設けた帯電ロールを作製した。この帯電ロール12及び、前記帯電ロール12の螺旋状溝20と嵌合する螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0057】
<実施例4>
図6のように電子写真感光体10のフランジの片側に螺旋状溝40を付けた電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体10及び、前記電子写真感光体10の螺旋状溝40と噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0058】
<実施例5>
図7のように電子写真感光体10と一体化したシャフトの片側に螺旋状溝40を付けた電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体10及び、前記電子写真感光体10の螺旋状溝40と噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0059】
<実施例6>
図8のように電子写真感光体10のフランジの片側に螺旋状溝40を付けた電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体10及び、前記電子写真感光体10の螺旋状溝40と噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0060】
<実施例7>
図9のように電子写真感光体10のフランジの片側に螺旋状溝40を付けた電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体10及び、前記電子写真感光体10の螺旋状溝40と噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0061】
<実施例8>
図10のように電子写真感光体10と一体化したシャフトの片側に螺旋状溝40を付けた電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体10及び、前記電子写真感光体10の螺旋状溝40と噛み合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段を設けるように改造を行った富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを作製した。螺旋状の溝形状は画像形成時に回転することで緩む方向とした。また、使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態でカートリッジ内に組み付けて実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0062】
(比較例1)
螺旋状溝20が形成されていない従来の帯電ロール、及び、螺旋状溝40が形成されていない従来の電子写真感光体を用いた、富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450用カートリッジを使用した。使用した帯電ロール及び電子写真感光体にはトナー等の付着物が無い状態で実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
その結果、比較例1の螺旋状溝及びこの螺旋状溝に噛み合う溝形状を有する回転防止手段とを有しないカートリッジでは、筋状汚れが発生したのに対して、帯電ロールに螺旋状溝20とこの螺旋状溝に噛み合う溝形状を有する回転防止手段とを備えたカートリッジを用いた実施例1から実施例3及び電子写真感光体に螺旋状溝40とこの螺旋状溝に噛み合う溝形状を有する回転防止手段とを備えたカートリッジを用いた実施例4から実施例8では、筋状汚れが未発生であった。
【0065】
この結果は、帯電ロール及び電子写真感光体の少なくとも一方の回転を防止することによって、輸送時の振動によって帯電ロールが感光体と剥離することがなく、画像に影響するような摩擦帯電現象がほとんど生じないことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの構成の一例の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する帯電ロールの構成の一例の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する帯電ロールの構成の他の例の概略を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する帯電ロールの構成の他の例の概略を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの構成の他の例の概略を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する電子写真感光体の構成の一例の概略を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する電子写真感光体の構成の他の例の概略を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する電子写真感光体の構成の他の一例の概略を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する電子写真感光体の構成の他の例の概略を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る回転防止機構を有する電子写真感光体の構成の他の例の概略を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の他の例の概略を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の他の例の概略を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1 プロセスカートリッジ、10 電子写真感光体、12 帯電ロール、14 現像ロール、18 クリーニングブレード、20 螺旋状溝、22 シャフト、26 露光装置、28 画像光。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、
前記電子写真感光体の回転部分及び前記帯電ロールの回転部分のうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、
前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、
前記電子写真感光体及び前記帯電ロールのうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、
前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスカートリッジを使用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、
前記電子写真感光体の回転部分及び前記帯電ロールの回転部分のうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、
前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触して帯電させる帯電ロールと、
前記電子写真感光体及び前記帯電ロールのうち少なくとも一方に形成され画像形成時に回転する方向で緩む螺旋状溝と、
前記螺旋状溝と溝形状が合う螺旋状の溝形状を有する回転防止手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスカートリッジを使用することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−151003(P2009−151003A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327506(P2007−327506)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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