説明

プロバイオティクスおよび単離されたβ−グルカンを含有する食物ならびにその使用方法

本発明は、プロバイオティクスおよび天然源から単離されたβ-グルカンを含む食品、該食品を投与することによる疾患または障害の処置方法、ならびに該食品の成分を別々に含むパッケージを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明はプロバイオティクス製品の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
プロバイオティクスは、有益な健康効果と関連する微生物であり、疾患の予防および処置のために使用することができる。例えば、ビフィズス菌および乳酸桿菌などの乳酸菌は、下痢、食物アレルギー、虫歯、および呼吸器感染などの症状の処置において有益なプロバイオティクスであり、ワクチンアジュバントとしての用途も見出される。
【0003】
体外から投与された場合、プロバイオティクスは、生存率は20〜40%に制限されるが、消化管の微生物代謝に影響を与えるのに十分な数で生存し得る。消化管内におけるプロバイオティクス生存に対する主な障害には、胃液酸度および胆汁酸塩の作用が挙げられる。体外から投与された特定の物質は、外因性および内因性の両方のプロバイオティクスの作用を促進し得る。例えば、人乳はインビトロにおいても乳幼児の小腸においても、ビフィズス菌の増殖を刺激し得るが、大腸において機能する可能性は低い。プレバイオティクスと呼ばれる、ラクツロースおよび特定のフルクトース含有化合物は、小腸内において消化されないが、これらがプロバイオティクスによって選択的に利用され得る大腸に未変化のまま送られる。したがって有益な効果は、プレバイオティクスと共に投与された場合に、体外から投与されたプロバイオティクスから生じ得る。しかしながら、オリゴフルクトースならびにオリゴキシラン、オリゴアラビノキシラン、およびラフィノースなどのその他の複合糖類は、特定のラクトバチルスによって代謝することが不可能であるため、これらのプレバイオティクスは上記の生物の増殖を助けることはできない。
【0004】
ラクトバチルスは、ヨーグルト、バターミルク、およびチーズを製造するために乳製品を発酵させるのに使用される乳酸菌の一種である。ラクトバチルスは、その健康効果からプロバイオティクスであると考えられており、一般に安全であると認められている(GRAS)。ラクトバチルスの健康効果に関する最初の系統的学術調査は100年前に行われた。ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)GG株(LGG; ATCCアクセッション番号53103)は、胃酸および胆汁中で生存し、無傷のまま腸に進むその能力から、最適なプロバイオティクス株である。LGGは、子供および成人における急性感染性下痢、抗生剤による下痢、旅行者下痢、乳幼児食物アレルギー、ワクチンアジュバント、虫歯、および急性呼吸器感染を含む多数の病状の処置において有益であることが示されている。
【0005】
オリゴフルクトースまたはインスリンなどのプレバイオティクスと細菌株を混合することは、ラクトバチルスプロバイオティクスの商業的生産において一般的な方法である。しかしながら、これらのプレバイオティクスはLGGによっては十分に代謝されないため、この生物の増殖を助けないことが、実験室での調査により明らかにされている。LGGは、オリゴキシラン、オリゴアラビノキシラン、およびラフィノースなどのその他の複合糖類を効果的に代謝することができないことも示されている。
【発明の開示】
【0006】
発明の概要
本発明は、プロバイオティクスおよび単離されたβ-グルカンを含む、食用組成物(すなわち、食物)、ならびに局所用クリーム、軟膏、カプセル、および丸剤、ならびに坐剤などの薬物を特徴とする。本発明の食物は、咀嚼可能な食物、飲料、錠剤、カプセル、および粉末を含む、経口摂取される健康促進物質を含む。
【0007】
好ましい態様において、食用組成物は乳製品(例えば、固体および液体ヨーグルト製品、カッテージチーズ、乳飲料、および粉乳製品)である。他の好ましい態様において、食用組成物は乳幼児食(例えば、特殊調製粉乳および乳幼児用シリアル)である。
【0008】
好ましいプロバイオティクスとしては、乳酸桿菌、特にラクトバチルス属に属するメンバーなどの消化管内でコロニーを形成する細菌が挙げられる。例示的なラクトバチルス属のメンバーには、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)(例えば、ラクトバチルス・ラムノーサスGG(Lactobacillus rhamnosus GG))、アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilus)、乳酸短桿菌(Lactobacillus brevis)、ブルガリア菌(Lactobacillus bulgaricus)、カゼイ菌(Lactobacillus casei)、カゼイ菌亜種カゼイ(Lactobacillus casei subsp. casei)、ラクトバチルス・カテナフォルメ(Lactobacillus catenaforme)、デルブリュック菌(Lactobacillus delbrueckii)、デルブリュック菌亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、発酵乳酸桿菌(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・ガゼリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・イネルス亜種新種(Lactobacillus iners subsp. nov)、イエンセン菌(Lactobacillus jensenii)、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ラクティス(Lactobacillus lactis)、ライヒマン菌(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、およびラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)が含まれる。
【0009】
β-グルカンは、食物中の乳酸桿菌、特にLGGの増殖率の増大を助けることができ、かつ、グルコースを使用する増殖の促進に伴い得る、時に望ましくない影響も無しに、それを助けることができる。β-グルカンは、例えば、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第6,835,558号に記載されているもののような、公知の技術により、様々な植物源から単離することができる。好ましい態様において、β-グルカンは、オートムギ、オオムギ、コムギ、ライムギ、トウモロコシ、キノア、ミレット(millet)、ソバ、イネ、ワイルドライス、またはスペルトコムギなどの穀類から単離される。別の好ましい態様において、β-グルカンは、酵母、キノコ、またはその他の菌類から単離される。本発明において使用するために天然源から単離されたβ-グルカンは単一精製されている必要は無く、天然に存在するものよりも純粋であればよい。好ましい態様において、天然源から単離されたβ-グルカンは、少なくとも10重量%、20重量%、30重量%、または40重量%の純度、より好ましくは少なくとも50重量%、60重量%、70重量%、または80重量%の純度、最も好ましくは90重量%、95重量%、または99重量%の純度である。
【0010】
β-グルカンは、1またはそれ以上のグルコース単位がβ結合によって結合している(ヒトにとって)消化の悪いグルコオリゴマーである。天然源から単離されたβ-グルカンは通常3個または4個のグルコース単位を有し、これらの形態はそれぞれGLC3およびGLC4と命名されている。別の好ましい態様において、実質的に発酵していないβ-グルカンをプロバイオティクスと混合し、本発明の食物を形成させる。別の好ましい態様において、本発明の食物は、消費前に実質的に発酵していないβ-グルカンを含む。
【0011】
上述したように、本発明の食品は固形食または液体食を含むことができる。例示的な食物には、限定するものではないが、ヨーグルト、バター、チーズ、特殊調製粉乳、またはアイスクリームなどの乳製品が含まれる。食用組成物は、液乳、濃縮乳、練乳、またはドライミルクの形態であることもできる。本発明の任意の組成物は、乳製品ではない液体食品または固形食品、ホエイタンパク質、香料またはフレーバーマスキング剤(flavor masking agent)、甘味料、およびビタミンまたは栄養補助食品を含むことができる。
【0012】
他の態様において、当該食品は室温よりも低い温度、好ましくは25℃よりも低い温度、より好ましくは16℃よりも低い温度、および最も好ましくは4℃以下の温度で保存される。
【0013】
別の態様において、本発明は、区画の内容物が混合するのを防ぐ中間の隔壁またはシールにより互いに隔てられている、少なくとも第1および第2の区画を含むパッケージ化された食品を特徴とする。第1の区画はプロバイオティクスを含む組成物を含み、第2の区画は単離されたβ-グルカンを含む組成物を含む。パッケージは、例えば、混合された食品の消費前に消費者が、パッケージ内の2つの組成物を混合できるように作られる。パッケージは、パッケージの周囲を形成するシールよりも容易に破れるシール、すなわち、「バースト(burst)」シールにより隔てられた少なくとも2つの区画を有するチューブを含むことができる。消費者による購入後、消費者は、チューブに十分な圧力をかけて2つの区画を隔てているシールを破る。一旦シールが破れれば、消費者は別々の区画中の2つの組成物を混合することができる。好ましい態様において、β-グルカン含有組成物は、粉末形態などの乾燥状態で保存される。別の好ましい態様において、プロバイオティクス含有組成物は、液体食または半固形食である。他の好ましい態様において、プロバイオティクス含有組成物は、乳製品または非乳製品の食物である。さらに他の態様において、プロバイオティクス含有組成物は、ヨーグルト、バター、チーズ、特殊調製粉乳、またはアイスクリームである。
【0014】
本発明の食物は、一般的に、多くの病状の処置のために使用することができる。処置は、通常、健康効果をもたらすために十分な量の当該食物を単純に摂取することを含む。消化管障害は本発明の食物による処置に特に適している。例示的な消化管障害には、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、胃潰瘍、回腸嚢炎、下痢、およびピロリ菌(Heliobacter pylori)感染が含まれる。
【0015】
本発明の食物は、アトピー性湿疹、喘息、季節性または通年性のアレルギー性鼻炎、花粉症、ほこりアレルギー、またはカビアレルギー、および食物アレルギー(例えば、乳糖アレルギー)を含むアレルギー状態を低減させるために使用することもできる。
【0016】
本発明の食物は、病原菌による粘膜組織へのコロニー形成を低減させるためにも使用することができる。例示的な粘膜組織としては、胃腸管、呼吸器管、鼻腔、口腔、膣、直腸、尿道、または肺の内面に存在するものが挙げられる。
【0017】
本発明の食物は、消化管における細菌叢のより健康的なバランスを促進させるために使用することもできる。
【0018】
本発明の食物はワクチンに対する免疫応答を増大させるアジュバントとして使用することもできる。
【0019】
「穀類」とは、オートムギ、オオムギ、コムギ、ライムギ、トウモロコシ、キノア、ミレット、ソバ、イネ、ワイルドライス、またはスペルトコムギなどのイネ科植物の穀物を意味する。
【0020】
「消化管障害」とは、胃腸に苦痛を引き起こす任意の症状を意味する。症状には、成人もしくは乳幼児の下痢、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、回腸嚢炎、胃潰瘍、またはピロリ菌、ブドウ球菌(Staphylococcus)、腸球菌(Enterococcus)、もしくは任意のその他の細菌、真菌、ウィルス、もしくは寄生原虫類などの病原体による感染症が含まれる。下痢は、微生物性の腸病原体感染によっても引き起こされ得る。例示的な腸病原体としては、限定するものではないが、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)、大腸菌(Escherichia coli)、桿菌(Bacillus)、カンピロバクター(Campylobacter)、赤痢菌(Shigella)、サルモネラ菌(Salmonella)、コレラ菌(Vibrio cholera)、エルシニア(Yersinia)、ジアルジア(Giardia)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)、シクロスポラ(Cyclospora)、または胃腸管に入る任意のその他の細菌、ウィルス、原虫、もしくは寄生体が挙げられる。下痢は、抗生剤の投与、HIV感染、または放射線治療とも関連し得る。
【0021】
「実質的に発酵していないβ-グルカン」とは、糖から二酸化炭素およびアルコールへの嫌気的変換である発酵がなされているのが本発明の食物を調製するために使用されるβ−グルカンの10重量%未満であることを意味する。好ましい態様において、β-グルカンの5重量%未満、より好ましくは1重量%未満が発酵している。
【0022】
詳細な説明
本発明によれば、オートムギ、オオムギ、およびキノコなどの植物から単離されたβ-グルカンは、プロバイオティクスであるラクトバチルス・ラムノーサスGG株(LGG)の増殖を助けるために代謝され得る。LGGと混合したβ-グルカンは、飲料、チーズ、乳製品、粉ミルク、およびベビーシリアルなどの食物の形態、ならびに、カプセルまたは錠剤の形態の薬物として経口投与した場合に、LGGの腸管でのコロニー形成と腸内でのLGGの数を増大させ得る。したがって、病状の予防または処置および健康状態の向上におけるLGGの有効性は増大される。胃腸管内、ならびに、呼吸器管、生殖管、鼻腔、口腔、直腸、尿道、または肺などのその他の粘膜表面におけるLGGの増殖を促進させるために設計されたプロバイオティクスLGGとプレバイオティクスβ-グルカンとの組み合わせは、プロバイオティクス生物LGGの有効性および用途を向上させるための有効な組み合わせを提供する。
【0023】
プレバイオティクス効果の発揮およびLGGの数の増加のために必要なβ-グルカンの1日あたりの摂取量は2〜8グラム/日である。このレベルのβ-グルカンは、オートムギまたはオオムギなどの天然の食物の摂取によっては達成され得ない。バルクでのβ-グルカンは、例えば、AHD International, NURTURE(登録商標), Inc.およびQUAKER(登録商標)Oats Companyから得ることができる。
【0024】
プロバイオティクスの健康効果を達成するために必要とされるLGGの数は、1日あたり摂取される細菌数で107〜1010個である。したがって、増大されたプロバイオティクス健康効果をもたらし得る有効量の食品には、1mlあたり約106〜108個のLGG菌または1グラムあたり約106〜108個のLGG菌を含有する、約10〜100 mlまたは10〜100グラムのヨーグルト、飲料、食物、チーズ、または粉ミルク、あるいは、1グラムあたり109〜1011個のLGGを含有する約10 mg〜100 mgの凍結乾燥LGG粉末を含有するカプセル、錠剤、もしくは坐剤、または1グラムあたり約109〜1011個のLGGを含有する約10 mg〜100 mgの凍結乾燥LGG粉末を含有する軟膏が含まれる。これらの任意の組成物は、約0.5〜8グラムの天然源から単離されたβ-グルカンをも含み得る。本発明の食物の成人消費者のためには、β-グルカンの量は、食品100 gあたり少なくとも約2グラムであってもよい。好ましくは、成人消費者のための食品中のβ-グルカンの量は、食品100gあたり約2〜8グラムである。乳幼児消費者のためには、β-グルカンの量は、食品100 gあたり少なくとも約0.5グラムであってもよい。好ましくは、乳幼児消費者のための食品中のβ-グルカン量は、食品100gあたり約0.5〜3グラムである。例えば、食品は、当該食品50 mlあたりまたは50 gあたり、少なくとも106個のプロバイオティクス生物(例えば、LGG菌)および天然源から単離された少なくとも0.5グラムのβ-グルカンを含むことができる。
【0025】
本明細書に記載した任意の調製物は1日あたり1回投与してもよい。あるいは、調製物は、1日あたり2回、1日あたり3回、または1日あたり最大5回投与してもよい。適当なカプセルの例は、オートムギまたはオオムギ源から単離された約0.5〜8グラムの部分精製されたβ-グルカンと共に、約10〜100 mgのLGG凍結乾燥粉末(108〜109個の細菌)、160 mgの微結晶セルロース、77.5 mgのゼラチン、および2.5 mgの飽和マグネシウムを含有する250 mgのゼラチンカプセルである。別の態様において、坐剤カートリッジは約0.5〜8グラムのβ-グルカンと混合された約10〜100 mgの純粋なLGG粉末を含み得る。LGGとβ-グルカンとの間の反応を防ぐために、個々の坐剤は乾燥している(水分0.1%未満)。本発明の軟膏は、処置のために通常使用される量の軟膏中(例えば、1 g〜100 g中)、約10〜100 mgのLGG凍結乾燥粉末(106〜109個の細菌)および約0.5〜8グラムのβ-グルカンを含有することができる。
【0026】
区画の内容物が混合するのを防ぐ中間の隔壁またはシールにより互いに隔てられた少なくとも第1および第2の区画を含むパッケージ化された食品も想定される。第1の区画はプロバイオティクスを含有する組成物を含むことができ、第2の区画は単離されたβ-グルカンを(前記の量で)含有する組成物を含むことができる。パッケージは、混合された食品の消費前に例えば消費者がパッケージ中の2つの組成物を混合できるように作られる。パッケージは、パッケージの周囲を形成するシールよりも容易に破れるシール、すなわち、「バースト」シールにより隔てられた少なくとも2つの区画を有するチューブを含むことができる。消費者による購入後、消費者は、チューブに十分な圧力をかけて2つの区画を隔てているシールを破る。一旦シールが破れれば、消費者は別々の区画中の2つの組成物を混合することができる。好ましくは、β-グルカン含有組成物は、粉末形態などの乾燥状態で保持され、プロバイオティクス含有組成物は、乳製品または非乳製品の食物(例えば、ヨーグルト、バター、チーズ、特殊調製粉乳、またはアイスクリーム)などの液体食または半固形食である。パッケージ化された食品は、それぞれが参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願第20020150658号および米国特許第4,874,618号に記載されているような当該技術において公知の技法に従って調製することができる。
【0027】
その他の態様
本明細書中に記載されている全ての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物または特許出願が参照により組み入れられるように具体的かつ個別に示されるのと同程度に、参照により本明細書に組み入れられる。
【0028】
本発明はその特定の態様と関連して記載されているが、さらなる改変が可能であり、また本出願は、一般的に本発明の原則に従い、本発明が属する技術の範囲内の公知のまたは慣行の範囲に属する本開示からの逸脱を含む、本発明の任意の変更、用途、または適合を包含することが意図され、本明細書中に前述された本質的な特徴に適用され得、特許請求の範囲に従うことが理解されると思われる。その他の態様は特許請求の範囲に記載される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形食100 gあたり、少なくとも106個のプロバイオティクス生物、および天然源から単離された少なくとも0.5グラムのβ-グルカンを含む、固形食。
【請求項2】
前記プロバイオティクス生物がラクトバチルス(Lactobacillus)属の種である、請求項1記載の固形食。
【請求項3】
前記ラクトバチルス属の種が、アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilus)、乳酸短桿菌(Lactobacillus brevis)、ブルガリア菌(Lactobacillus bulgaricus)、カゼイ菌(Lactobacillus casei)、カゼイ菌亜種カゼイ(Lactobacillus casei subsp. casei)、ラクトバチルス・カテナフォルメ(Lactobacillus catenaforme)、デルブリュック菌(Lactobacillus delbrueckii)、デルブリュック菌亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、発酵乳酸桿菌(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・ガゼリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・イネルス亜種新種(Lactobacillus iners subsp. nov)、イエンセン菌(Lactobacillus jensenii)、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ラクティス(Lactobacillus lactis)、ライヒマン菌(Lactobacillus leichmannii)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ラムノーサスGG(Lactobacillus rhamnosus GG)、またはラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)の一つから選択される、請求項2記載の食物。
【請求項4】
前記ラクトバチルス属の種がラクトバチルス・ラムノーサスGGである、請求項3記載の固形食。
【請求項5】
前記β-グルカンが植物から単離される、請求項1記載の固形食。
【請求項6】
前記植物が穀類である、請求項5記載の固形食。
【請求項7】
前記穀類が、オートムギ、オオムギ、コムギ、ライムギ、トウモロコシ、キノア、ミレット(millet)、ソバ、イネ、ワイルドライス、またはスペルトコムギである、請求項6記載の固形食。
【請求項8】
前記食物が乳製品である、請求項1記載の固形食。
【請求項9】
前記乳製品がドライミルクである、請求項8記載の固形食。
【請求項10】
前記乳製品が、ヨーグルト、バター、チーズ、または乾燥特殊調製粉乳である、請求項8記載の固形食。
【請求項11】
前記乳製品がヨーグルトである、請求項10記載の固形食。
【請求項12】
前記食物がホエイタンパク質を含む、請求項1記載の固形食。
【請求項13】
前記食物が非乳製食品である、請求項1記載の固形食。
【請求項14】
前記β-グルカンの10重量%未満が発酵したものである、請求項1記載の固形食。
【請求項15】
乳製品100 gあたり、少なくとも106個のプロバイオティクス生物、および天然源から単離された少なくとも0.5グラムのβ-グルカンを含む、乳製品。
【請求項16】
前記プロバイオティクス生物がラクトバチルス属の種である、請求項15記載の乳製品。
【請求項17】
前記ラクトバチルス属の種が、アシドフィルス菌、乳酸短桿菌、ブルガリア菌、カゼイ菌、カゼイ菌亜種カゼイ、ラクトバチルス・カテナフォルメ、デルブリュック菌、デルブリュック菌亜種ブルガリクス、発酵乳酸桿菌、ラクトバチルス・ガゼリ、ラクトバチルス・イネルス亜種新種、イエンセン菌、ラクトバチルス・ジョンソニイ、ラクトバチルス・ラクティス、ライヒマン菌、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・ラムノーサスGG、またはラクトバチルス・サリバリウスの一つから選択される、請求項16記載の乳製品。
【請求項18】
前記ラクトバチルス属の種がラクトバチルス・ラムノーサスGGである、請求項17記載の乳製品。
【請求項19】
前記β-グルカンが植物から単離されたものである、請求項15記載の乳製品。
【請求項20】
前記植物が穀類である、請求項19記載の乳製品。
【請求項21】
前記穀類が、オートムギ、オオムギ、コムギ、ライムギ、トウモロコシ、キノア、ミレット、ソバ、イネ、ワイルドライス、またはスペルトコムギである、請求項20記載の乳製品。
【請求項22】
前記乳製品が、液乳、濃縮乳、練乳、またはドライミルクである、請求項15記載の乳製品。
【請求項23】
前記乳製品が、ヨーグルト、バター、チーズ、または乾燥特殊調製粉乳である、請求項15記載の乳製品。
【請求項24】
前記乳製品がヨーグルトである、請求項23記載の乳製品。
【請求項25】
前記食物がホエイタンパク質を含む、請求項15記載の乳製品。
【請求項26】
前記乳製品が飲料である、請求項15記載の乳製品。
【請求項27】
前記β-グルカンの10重量%未満が発酵したものである、請求項15記載の乳製品。
【請求項28】
請求項1〜14のいずれか一項記載の固形食品または請求項15〜27のいずれか一項記載の乳製品を治療的有効量でヒトに提供することを含む、ヒトにおける消化管障害の処置方法。
【請求項29】
前記消化管障害が過敏性腸症候群である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記消化管障害が炎症性腸疾患である、請求項28記載の方法。
【請求項31】
前記消化管障害が胃潰瘍である、請求項28記載の方法。
【請求項32】
前記消化管障害が回腸嚢炎である、請求項28記載の方法。
【請求項33】
前記消化管障害がピロリ菌(Heliobacter pyloli)感染である、請求項28記載の方法。
【請求項34】
前記消化管障害が下痢である、請求項28記載の方法。
【請求項35】
食物100 gあたり、少なくとも106個のプロバイオティクス生物、および天然源から単離された少なくとも0.5グラムのβ-グルカンを含む食物を治療的有効量でヒトに提供することを含む、ヒトにおけるアレルギー状態を処置する方法。
【請求項36】
前記アレルギー状態がアトピー性湿疹である、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記アレルギー状態が食物アレルギーである、請求項35記載の方法。
【請求項38】
前記アレルギー状態がミルクアレルギーである、請求項35記載の方法。
【請求項39】
前記アレルギー状態が喘息である、請求項35記載の方法。
【請求項40】
前記アレルギー状態がアレルギー性鼻炎である、請求項35記載の方法。
【請求項41】
前記プロバイオティクス生物がラクトバチルス属の種である、請求項35記載の方法。
【請求項42】
前記ラクトバチルス属の種が、アシドフィルス菌、乳酸短桿菌、ブルガリア菌、カゼイ菌、カゼイ菌亜種カゼイ、ラクトバチルス・カテナフォルメ、デルブリュック菌、デルブリュック菌亜種ブルガリクス、発酵乳酸桿菌、ラクトバチルス・ガゼリ、ラクトバチルス・イネルス亜種新種、イエンセン菌、ラクトバチルス・ジョンソニイ、ラクトバチルス・ラクティス、ライヒマン菌、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・ラムノーサスGG、またはラクトバチルス・サリバリウスの一つから選択される、請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記ラクトバチルス属の種がラクトバチルス・ラムノーサスGGである、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記β-グルカンが植物から単離されたものである、請求項41記載の方法。
【請求項45】
前記植物が穀類である、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記穀類が、オートムギ、オオムギ、コムギ、ライムギ、トウモロコシ、キノア、ミレット、ソバ、イネ、ワイルドライス、またはスペルトコムギである、請求項45記載の方法。
【請求項47】
前記β-グルカンの10重量%未満が発酵したものである、請求項41記載の方法。
【請求項48】
食物100 gあたり、少なくとも106個のプロバイオティクス生物、および天然源から単離された少なくとも0.5グラムのβ-グルカンを含む食物を治療的有効量でヒトに提供することを含む、ヒトにおいて病原菌による粘膜組織におけるコロニー形成を低減する方法。
【請求項49】
前記粘膜組織が、胃腸管、呼吸器管、鼻腔、口腔、膣、直腸、尿道、または肺に位置する、請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記プロバイオティクス生物がラクトバチルス属の種である、請求項48記載の方法。
【請求項51】
前記ラクトバチルス属の種が、アシドフィルス菌、乳酸短桿菌、ブルガリア菌、カゼイ菌、カゼイ菌亜種カゼイ、ラクトバチルス・カテナフォルメ、デルブリュック菌、デルブリュック菌亜種ブルガリクス、発酵乳酸桿菌、ラクトバチルス・ガゼリ、ラクトバチルス・イネルス亜種新種、イエンセン菌、ラクトバチルス・ジョンソニイ、ラクトバチルス・ラクティス、ライヒマン菌、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・ラムノーサスGG、またはラクトバチルス・サリバリウスの一つから選択される、請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記ラクトバチルス属の種がラクトバチルス・ラムノーサスGGである、請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記β-グルカンが植物から単離されたものである、請求項48記載の方法。
【請求項54】
前記植物が穀類である、請求項53記載の方法。
【請求項55】
前記穀類が、オートムギ、オオムギ、コムギ、ライムギ、トウモロコシ、キノア、ミレット、ソバ、イネ、ワイルドライス、またはスペルトコムギである、請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記β-グルカンの10重量%未満が発酵したものである、請求項48記載の方法。
【請求項57】
食物100 gあたり、少なくとも106個のプロバイオティクス生物、および天然源から単離された少なくとも0.5グラムのβ-グルカンを含む食物を治療的有効量でヒトに提供することを含む、ヒトにおける乳糖不耐症の処置方法。
【請求項58】
前記プロバイオティクス生物がラクトバチルス属の種である、請求項57記載の方法。
【請求項59】
前記ラクトバチルス属の種が、アシドフィルス菌、乳酸短桿菌、ブルガリア菌、カゼイ菌、カゼイ菌亜種カゼイ、ラクトバチルス・カテナフォルメ、デルブリュック菌、デルブリュック菌亜種ブルガリクス、発酵乳酸桿菌、ラクトバチルス・ガゼリ、ラクトバチルス・イネルス亜種新種、イエンセン菌、ラクトバチルス・ジョンソニイ、ラクトバチルス・ラクティス、ライヒマン菌、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・ラムノーサスGG、またはラクトバチルス・サリバリウスの一つから選択される、請求項58記載の方法。
【請求項60】
前記ラクトバチルス属の種がラクトバチルス・ラムノーサスGGである、請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記β-グルカンが植物から単離される、請求項57記載の方法。
【請求項62】
前記植物が穀類である、請求項61記載の方法。
【請求項63】
前記穀類が、オートムギ、オオムギ、コムギ、ライムギ、トウモロコシ、キノア、ミレット、ソバ、イネ、ワイルドライス、またはスペルトコムギである、請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記β-グルカンの10重量%未満が発酵したものである、請求項57記載の方法。
【請求項65】
食物100 gあたり、少なくとも106個のプロバイオティクス生物、および天然源から単離された少なくとも0.5グラムのβ-グルカンを含む食物をヒトに治療的有効量で提供することを含む、ヒトにおける膣疾患の処置方法。
【請求項66】
前記プロバイオティクス生物がラクトバチルス属の種である、請求項65記載の方法。
【請求項67】
前記ラクトバチルス属の種が、アシドフィルス菌、乳酸短桿菌、ブルガリア菌、カゼイ菌、カゼイ菌亜種カゼイ、ラクトバチルス・カテナフォルメ、デルブリュック菌、デルブリュック菌亜種ブルガリクス、発酵乳酸桿菌、ラクトバチルス・ガゼリ、ラクトバチルス・イネルス亜種新種、イエンセン菌、ラクトバチルス・ジョンソニイ、ラクトバチルス・ラクティス、ライヒマン菌、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・ラムノーサスGG、またはラクトバチルス・サリバリウスの一つから選択される、請求項65記載の方法。
【請求項68】
前記ラクトバチルス属の種がラクトバチルス・ラムノーサスGGである、請求項67記載の方法。
【請求項69】
前記β-グルカンが植物から単離される、請求項65記載の方法。
【請求項70】
前記植物が穀類である、請求項69記載の方法。
【請求項71】
前記穀類が、オートムギ、オオムギ、コムギ、ライムギ、トウモロコシ、キノア、ミレット、ソバ、イネ、ワイルドライス、またはスペルトコムギである、請求項70記載の方法。
【請求項72】
前記β-グルカンの10重量%未満が発酵したものである、請求項65記載の方法。
【請求項73】
請求項1〜14のいずれか一項記載の固形食品または請求項15〜27のいずれか一項記載の乳製品を治療的有効量でヒトに提供することを含む、ヒトにおける消化管の細菌叢を有利に変化させる方法。
【請求項74】
食物100 gあたり、少なくとも106個のプロバイオティクス生物、および天然源から単離された少なくとも0.5グラムのβ-グルカンを含む食物をヒトに治療的有効量で提供することを含む、ヒトにおいてワクチンに対する免疫応答を増大させる方法。
【請求項75】
前記プロバイオティクス生物がラクトバチルス属の種である、請求項74記載の方法。
【請求項76】
前記ラクトバチルス属の種が、アシドフィルス菌、乳酸短桿菌、ブルガリア菌、カゼイ菌、カゼイ菌亜種カゼイ、ラクトバチルス・カテナフォルメ、デルブリュック菌、デルブリュック菌亜種ブルガリクス、発酵乳酸桿菌、ラクトバチルス・ガゼリ、ラクトバチルス・イネルス亜種新種、イエンセン菌、ラクトバチルス・ジョンソニイ、ラクトバチルス・ラクティス、ライヒマン菌、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・ラムノーサスGGまたはラクトバチルス・サリバリウスの一つから選択される、請求項75記載の方法。
【請求項77】
前記ラクトバチルス属の種がラクトバチルス・ラムノーサスGGである、請求項76記載の方法。
【請求項78】
前記β-グルカンが植物から単離される、請求項74記載の方法。
【請求項79】
前記植物が穀類である、請求項78記載の方法。
【請求項80】
前記穀類が、オートムギ、オオムギ、コムギ、ライムギ、トウモロコシ、キノア、ミレット、ソバ、イネ、ワイルドライス、またはスペルトコムギである、請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記β-グルカンの10重量%未満が発酵したものである、請求項74記載の方法。
【請求項82】
プロバイオティクスおよび天然源から単離されたβ-グルカンを含む局所用薬物。
【請求項83】
前記薬物がクリームまたは軟膏である、請求項82記載の局所用薬物。
【請求項84】
プロバイオティクスおよび天然源から単離されたβ-グルカンを含む坐剤。
【請求項85】
プロバイオティクスおよび天然源から単離されたβ-グルカンを含むワクチンアジュバント。
【請求項86】
固形食100 gあたり、少なくとも106個のプロバイオティクス生物、および天然源から単離された少なくとも0.5グラムのβ-グルカンを混合してプロバイオティクス混合物を形成させる工程と、該プロバイオティクス混合物を該固形食に添加してプロバイオティクス強化固形食を形成させる工程とを含む、プロバイオティクス強化固形食の調製方法。
【請求項87】
乳製品100 gあたり、少なくとも106個のプロバイオティクス生物および天然源から単離された少なくとも0.5グラムのβ-グルカンを混合してプロバイオティクス混合物を形成させる工程と、該プロバイオティクス混合物を該乳製品に添加してプロバイオティクス強化乳製品を形成させる工程とを含む、プロバイオティクス強化乳製品の調製方法。
【請求項88】
第1の区画がプロバイオティクス生物含有組成物を含み、第2の区画がβ-グルカン含有組成物を含み、該第1および第2区画は第1および第2区画が混合することを防ぐ隔壁によって互いに分かれている、2つの区画を有する容器を含むパッケージ化された食品。
【請求項89】
前記隔壁がバーストシール(burst seal)を含む、請求項88記載の食品。

【公表番号】特表2008−529535(P2008−529535A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555352(P2007−555352)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/005271
【国際公開番号】WO2006/088923
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(507252144)
【出願人】(507252133)
【Fターム(参考)】