説明

プロピルフェノキシエーテルの合成および送達剤としての使用

本発明は、プロピルフェノキシエーテル化合物および薬剤として許容されるその塩、前記のものおよび1種または複数の活性薬剤を含む組成物、ならびに活性薬剤を前記のものと共に投与する方法を提供する。本発明の送達剤は、動物に経口、結腸内、肺、および他の経路で投与するための活性薬剤と非共有結合の混合物を形成するのに十分適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
活性薬剤を送達するための従来の手段は、生物学的、化学的、および物理的なバリアによって大幅に制限されることが多い。典型的には、これらのバリアは、送達がそれを介して行われる環境、送達するための標的の環境、および/または標的それ自体によって課せられる。生物学的および化学的に活性な薬剤は、特にこのようなバリアに対して脆弱である。
【背景技術】
【0002】
生物学的に活性なおよび化学的に活性な薬理学的薬剤および治療薬の動物への送達において、バリアは身体によっても課せられる。物理的なバリアの例には、皮膚、脂質二重層および特定の活性薬剤に対して比較的不透過性であるが、循環系などの標的に到達する前に通り抜けなければならない様々な器官膜がある。化学的バリアには、限定するものではないが、胃腸(GI)管中のpH変化および分解酵素が含まれる。
【0003】
これらのバリアは、経口送達系の設計において特に重要である。多くの生物学的または化学的活性薬剤の経口送達は、生物学的、化学的、および物理的なバリアがなければ、動物に投与するための最適な経路となる。典型的には経口投与に適していない多数の薬剤中で、カルシトニンおよびインスリンなどの生物学的または化学的に活性なペプチド;多糖類、特に、限定するものではないが、ヘパリンを含むムコ多糖類;ヘパリン類似物質;抗生物質;および他の有機物質が挙げられる。これらの薬剤は、酸加水分解、酵素等によって、消化管中で急速に効果がなくなるかまたは破壊される可能性がある。さらに、巨大分子薬物のサイズおよび構造が、吸収を妨げる可能性がある。
【0004】
脆弱な薬理学的薬剤を経口投与するための初期の方法は、補助剤(例えば、レゾルシノールおよびポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn-ヘキサデシルポリエチレンエーテルなどの非イオン性界面活性剤)を同時投与して人為的に腸壁の透過性を増大させること、ならびに酵素阻害薬(例えば、膵臓のトリプシン阻害薬、ジイソプロピルフルオロホスフェート(DFF)およびTrasylol)を同時投与して酵素的分解を抑制することに頼ってきた。リポソームもインスリンおよびヘパリンのための薬物送達系として記載されてきた。しかし、このような薬物送達系の広範囲の使用は避けられている。なぜなら、(1)この系は、補助剤または阻害薬の有毒な量を必要とする;(2)適した低分子量カーゴ、即ち活性薬剤が入手できない;(3)この系は、安定性が劣り、有効期間が不十分である;(4)この系は、製造するのが困難である;(5)この系は、活性薬剤(カーゴ)を保護することができない;(6)この系は、活性薬剤を不利に変化させる;または(7)この系は、活性薬剤を吸収させることまたは吸収を促進することができないからである。
【0005】
プロテイノイド微粒子が、医薬品を送達するのに使用されている。例えば、米国特許第5401516号;同第5443841号;および米国再発行特許第35862号参照。さらに、特定の修飾されたアミノ酸が、医薬品を送達するのに使用されている。例えば、米国特許第5629020号;同第5643957号;同第5766633号;同第5776888号;および同第5866536号参照。
【0006】
ポリマーが、修飾アミノ酸またはその誘導体と連結基を介して結合されてポリマー送達剤を提供している。この修飾されたポリマーは、任意のポリマーであってもよいが、好ましいポリマーには、限定するものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)、およびその誘導体が含まれる。例えば、国際特許公開WO00/40203参照。
【0007】
国際特許公開WO01/32130およびWO01/32596には、活性薬剤を送達するための特定のフェニルアミンカルボン酸化合物およびフェノキシカルボン酸化合物が開示されている。国際公開WO00/50386には、アミン送達剤も開示されている。
【0008】
2002年11月13日に出願された、国際特許出願PCT/US02/36552(国際特許出願WO03/045306として公開された)には、活性薬剤を送達するためのフェノキシアミン化合物および組成物が開示されている。それぞれの上記出願を参照により本明細書に援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5401516号
【特許文献2】米国特許第5443841号
【特許文献3】米国再発光特許第35862号
【特許文献4】米国特許第5629020号
【特許文献5】米国特許第5643957号
【特許文献6】米国特許第5766633号
【特許文献7】米国特許第5776888号
【特許文献8】米国特許第5866536号
【特許文献9】WO00/40203
【特許文献10】WO01/32130
【特許文献11】WO01/32596
【特許文献12】WO00/50386
【特許文献13】PCT/US02/36552(WO03/045306として公開された)
【特許文献14】WO03/045331
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】The Physicians' Desk Reference (第58版、2004、Medical Economics Company, Inc.、Montvale、ニュージャージー州)
【非特許文献2】Fauci, ASら、Harrison's Principles of Internal Medicine (第14版、1998、McGraw-Hill Health Professions Division、ニューヨーク
【非特許文献3】Remington's、The Science and Practice of Pharmacy、(Gennaro、A.R.編、第19版、1995、Mack Pub. Co.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、容易に調製され、様々な経路によって広範囲の活性薬剤を送達することができる、単純で安価な送達系が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態は、活性薬剤の送達を促進する(以降「送達剤化合物」と呼ぶ)プロピルフェノキシエーテル化合物を提供する。送達剤化合物および1種または複数の活性薬剤(例えば、生物学的に活性な薬剤)を含む組成物、ならびに活性薬剤を本発明のプロピルフェノキシエーテル化合物と共に投与する方法も提供する。本発明の送達剤は、動物への投与の経口、結腸内、肺、および他の経路についての活性薬剤のバイオアベイラビリティを改良するのに十分に適している。
【0013】
本発明の送達剤化合物には、薬剤として許容されるその塩を含む、以下に挙げるものが含まれる:
【0014】
【表1】

【0015】
本発明の別の実施形態は、プロピルフェノキシ送達剤化合物を調製する方法であって、

【0016】
【化1】

【0017】
[式中、R6からR10は、独立に、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシル、またはニトロ基である]
のフェノールをアクリロニトリルと反応させて、ニトリル含有化合物を形成する段階と、ニトリル含有化合物を加水分解して、プロピルフェノキシ送達剤化合物を形成する段階とを含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
本明細書では、「送達剤」という用語は、その結晶性多形、非晶質形態、水和物、および無水物形態を含む、本発明のプロピルフェノキシエーテル化合物を指す。
【0019】
「薬物の有効量」とは、ある期間にわたって活性薬剤が投与された生物体の状態を治療または予防するのに有効な、例えば、所望の投与間隔中に治療効果を提供する活性薬剤(例えば、ヘパリン)の量である。有効な用量は、当業者には認識されているように、投与経路、賦形剤の使用、および状態を治療するための他の薬剤の共用の可能性に応じて変化する。
【0020】
「治療する」、「治療している」、または「治療した」という用語は、状態(例えば、疾患)、状態の兆候、状態に向かう素因を治癒する、回復する、緩和する、防止する、軽減する、変更する、治療する、寛解する、改善する、または作用する目的で活性薬剤を投与することを指す。
【0021】
「送達剤の有効量」とは、任意の経路(例えば、限定するものではないが、経口、経鼻、肺、経皮、経膣、直腸内および/または眼球の経路を含む本出願中で論じたもの)の投与を通して、活性薬剤の所望の量の吸収を促進する送達剤の量である。
【0022】
本明細書では、「約」という用語は、所与の値の10%以内、好ましくは5%以内、より好ましくは所与の値の1%以内を意味する。あるいは、「約」という用語は、値が、この種の値についての科学的に許容される誤差の範囲内であることができることを意味し、利用可能な手段がいかなる質の測定を施すかにより決まる。
【0023】
送達剤化合物
本発明の送達剤化合物は、
【0024】
【化2】

【0025】
から選択されるか、または薬剤として許容されるその塩であり、式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、独立に、H、ハロゲン、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルコキシル、非置換または置換ハロアルコキシル、ヒドロキシル、-C(O)R8、-NO2、-NR9R10、-N+R9R10R11(R12)、炭酸塩、ウレイド、-CX3、および-CNから選択され、ここで、
R8は、独立に、H、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、または-NH2であり;
R9、R10、R11、およびR12は、独立に、HまたはC1〜C10アルキルであり;
Xはハロゲン基である。
【0026】
一実施形態では、R1、R2、R3、R4およびR5は、独立に、水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルおよび窒素基から選択される。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4およびR5は、独立に、水素、メチル、および塩素基から選択される。
【0027】
本発明の送達剤化合物は、遊離の塩基または薬剤として許容されるその塩の形態であってもよい。適した塩には、限定するものではないが、有機および無機塩、例えばアンモニウム、酢酸塩、クエン酸塩、ハロゲン化物(好ましくは塩酸塩)、水酸化物、硫酸ナトリウム、硝酸塩、リン酸塩、アルコキシ、過塩素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、カルボン酸塩、メシレート、フマル酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、およびマレイン酸塩が含まれる。好ましい塩には、限定するものではないが、ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよびメシレート塩が含まれる。この塩は、エタノール溶媒和物を含む溶媒和物、および水和物であってもよい。この送達剤化合物は、二ナトリウム塩などの多価の塩であってもよい。
【0028】
本発明の送達剤化合物の塩は、当技術分野で既知の方法によって調製することができる。例えば、クエン酸塩およびメシレート塩は、エタノール、トルエンおよびクエン酸中で調製することができる。
【0029】
この送達剤化合物は、再結晶化によって、または単独かもしくはタンデムに連結された1種もしくは複数の固体クロマトグラフ支持体による分別で精製することができる。適した再結晶化溶媒系には、限定するものではないが、エタノール、水、ヘプタン、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン、メタノール、およびテトラヒドロフラン(THF)およびその混合物が含まれる。分別は、移動相としてメタノール/n-プロパノール混合物を用いた、アルミナなどの適したクロマトグラフ支持体;移動相としてトリフルオロ酢酸/アセトニトリル混合物を用いた逆相クロマトグラフィー;ならびに移動相として水または適当な緩衝剤を用いたイオン交換クロマトグラフィーにより実施してもよい。アニオン交換クロマトグラフィーを行う場合、好ましくは0〜500mM塩化ナトリウムの勾配が使用される。
【0030】
この送達剤は、例えば、国際公開WO03/045331に記載されたように(その全体を参照により本明細書に援用する)、それに結合されたポリマーを含んでいてもよい。例えば、この送達剤は、-NHC(O)NH-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-OOC-、-COO-、-NHC(O)O-、-OC(O)NH-、-CH2NH-、-NHCH2-、-CH2NHC(O)O-、-OC(O)NHCH2-、-CH2NHCOCH2O-、-OCH2C(O)NHCH2-、-NHC(O)CH2O-、-OCH2C(O)NH-、-NH-、-O-、および炭素-炭素結合から選択される連結基によってそれに結合したポリマーを含んでもよく、但し、このポリマー送達剤は、ポリペプチドまたはポリアミノ酸ではない。このポリマーは、限定するものではないが、交互コポリマー、ブロックコポリマーおよびランダムコポリマーを含む、哺乳動物に用いるのに安全な任意のポリマーであってもよい。好ましいポリマーには、限定するものではないが、ポリエチレン;ポリアクリレート;ポリメタクリレート;ポリ(オキシエチレン);ポリ(プロピレン);ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコール(PEG);およびその誘導体、ならびにその組合せが含まれる。このポリマーの分子量は、典型的には、約100〜約200000ダルトンの範囲である。このポリマーの分子量は、好ましくは約200〜約10000ダルトンの範囲である。一実施形態では、このポリマーの分子量は、約200〜約600ダルトンの範囲であり、より好ましくは約300〜約550ダルトンの範囲である。
【0031】
活性薬剤
本発明に使用するのに適した活性薬剤には、限定するものではないが、殺虫剤、薬理学的薬剤、および治療薬を含む生物学的活性薬剤および化学的活性薬剤が含まれる。適した活性薬剤には、胃腸管中で酸加水分解、酵素等によって、効果が低下され、効果がなくなり、または破壊されるものが含まれる。また、適した活性薬剤として挙げることができるものには、経口で投与した場合、その生理化学的特性、例えば、サイズ、構造または荷電が吸収を抑制するかまたは妨害する巨大分子の薬剤がある。
【0032】
例えば、本発明に使用するのに適した生物学的活性薬剤または化学的活性薬剤には、限定するものではないが、タンパク質;ポリペプチド;ペプチド;ホルモン;多糖類、および特にムコ多糖類の混合物;炭水化物;脂質;小さな極性有機分子(即ち、500ダルトン以下の分子量を有する極性有機分子);他の有機化合物;特に、それ自体胃腸粘膜を通過しない(または投与量の一部しか通過しない)および/または胃腸管中で酸および酵素によって化学的切断を受けやすい化合物;あるいはその任意の組合せが含まれる。
【0033】
他の例には、限定するものではないが、その合成、天然または組換え源を含む以下のものが含まれる:アミリンおよびアミリンアゴニスト;副腎皮質刺激ホルモン;抗原;抗生物質、抗菌物質および抗真菌薬を含む抗菌薬;(抗生物質の非限定的な例には、グラム陽性作用性、殺菌性、リポペプチドおよび環状ペプチドの抗生物質、例えば、ダプトマイシンおよびその類似体が含まれる);BIBM-4096BSおよび他のカルシトニン遺伝子関連タンパク質アンタゴニスト、スマトリプタンコハク酸塩などの抗片頭痛薬;アシクロビル、バラシクロビルを含む抗ウイルス薬;心房性ナトリウム利尿因子;アルガトロバン;アレンドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、ゾレドロネート、EB1053、およびYH529を含むビスホスホネート;スマトリプタン(例えば、スマトリプタンコハク酸塩)、アルモトリプタン(例えば、アルモトリプタンマレイン酸塩)、ナラトリプタン(例えば、ナラトリプタン塩酸塩)、リザトリプタン、ゾルミトリプタン、フロバトリプタン(例えば、フロバトリプタンコハク酸塩)、エレトリプタン(例えば、エレトリプタン臭化水素酸塩)、BIBN4096BS-(1-ピペリジンカルボキサミド、n-[2-[[5-アミノ-1-[[4-(4-ピリジニル)-1-ピペラジニル)カルボニル]ペンチル]アミノ]-1-[(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)メチル]-2-オキソエチル]-4(1,4-ジヒドロ-2-オキソ-3(2H)-キナゾリニル)-[R-(R*,S*)]-)を含む抗片頭痛薬;サケ、ウナギ、ブタのおよびヒトカルシトニンを含むカルシトニン;CCK-8を含むコレシストキニン(CCK)およびCCKアゴニスト;クロモリンナトリウム(クロモグリク酸ナトリウムまたはクロモグリク酸二ナトリウム);CPHPC;シクロスポリン;デスフェリオキサミン(DFO);エリスロポエチン;エキセンディン-3、エキセンディン-4を含むエキセンディンおよびエキセンディンアゴニスト;フィルグラスチム;卵胞刺激ホルモン(組換え型および天然の);硝酸ガリウム;グルカゴン;グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、グルカゴン、およびグルカゴン様ペプチド2(GLP-2);グルコセレブロシダーゼ;生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン;成長ホルモン放出因子;成長ホルモン放出ホルモン;ヒト成長ホルモン(hGH)、組換え型ヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、およびブタ成長ホルモンを含む成長ホルモン;未分画ヘパリン、ヘパリン類似物質、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリンおよびフォンダパリヌクスを含む合成ヘパリンを含むヘパリン;亜鉛、ナトリウム、カルシウムおよびアンモニウムを含む対イオンを場合により有する、ブタ、ウシ、ヒト、およびヒト組換え型を含むインスリン;IGF-1を含むインスリン様成長因子;α(例えば、インターフェロンアルファコン1(カリフォルニア州Brisbaneの、InterMune, Inc.製Infergen(登録商標)として入手可能)、アルファ、β、オメガおよびγを含むインターフェロン;インターロイキン-1;インターロイキン2;インターロイキン-11;インターロイキン21;黄体形成ホルモンおよび黄体形成ホルモン放出ホルモン;レプチン(OBタンパク質);メチフェニデート塩;リツキシン、tnf-α可溶性受容体を含むモノクローナル抗体;オキシトシン;PTH 1-34およびPTH 1-38を含む、その断片を含む副甲状腺ホルモン(PTH);PYYアゴニスト、断片3-36を含むペプチドYY(PYY);ジペプチジルペプチダーゼiv(DPP-4)阻害薬;プロスタグランジン;プロテアーゼ阻害薬;ソマトスタチン;トロンボポエチン;バンコマイシン;バソプレシン;ビタミン;限定するものではないが、炭疽菌またはペスト菌(y. pestis)、インフルエンザ、およびヘルペスに対するワクチンを含むワクチン。
【0034】
送達系
本発明の組成物は、1種または複数の本発明の送達剤化合物、および1種または複数の活性薬剤を含む。一実施形態では、1種または複数の送達剤化合物、またはこれらの化合物の塩、あるいはこれらの化合物または塩が、1つまたは複数のその単位を形成するポリアミノ酸またはペプチドを、投与に先立って活性薬剤と混合して、投与組成物を形成することによって送達剤として使用してもよい。
【0035】
この投与組成物は、液体の形態であってもよい。この溶液の媒質は、水(例えば、サケカルシトニン、副甲状腺ホルモン、およびエリスロポエチンに対して)、25%水性プロピレングリコール(例えば、ヘパリンに対して)およびホスフェート緩衝剤(例えば、rhGHに対して)であってもよい。他の投与ビヒクルには、ポリエチレングリコールが含まれる。投与溶液は、投与の直前に送達剤化合物の溶液と活性薬剤の溶液とを混合して調製してもよい。あるいは、この送達剤化合物(または活性薬剤)の溶液を固体の形態の活性薬剤(または送達剤化合物)と混合してもよい。この送達剤化合物および活性薬剤は、乾燥粉末として混合してもよい。この送達剤化合物および活性薬剤は、製造工程中で混合することもできる。
【0036】
この投与溶液は、ホスフェート緩衝剤塩、クエン酸、グリコール、または他の分散剤などの添加剤を場合により含んでもよい。安定化添加剤が、好ましくは約0.1から20%(重量/体積)の間の範囲の濃度でこの溶液に中に取り込まれていてもよい。
【0037】
あるいは、この投与組成物は、錠剤、カプセル剤または粉末もしくはサシェなどの粒子の形態であってもよい。固体剤形は、この化合物の固体の形態と活性薬剤の固体の形態とを混合することによって調製してもよい。あるいは、固体は、化合物および活性薬剤の溶液から、凍結乾燥(freeze-drying)(凍結乾燥(lyophilization))、沈殿、結晶化および固体分散などの当技術分野で既知の方法によって得ることもできる。
【0038】
本発明の投与組成物には、1種または複数の酵素阻害薬が含まれていてもよい。このような酵素阻害薬には、限定するものではないが、アクチノニンまたはエピアクチノニンおよびその誘導体などの化合物が含まれる。他の酵素阻害薬には、限定するものではないが、アプロチニン(Trasylol)およびボウマンバーク阻害薬が含まれる。
【0039】
本発明の投与組成物中に使用される活性薬剤の量は、標的適応症に対する特定の活性薬剤の目的を達成するのに有効な量である。この組成物中の活性薬剤の量は、典型的には、薬理学的、生物学的、治療的、または化学的に有効量である。しかし、この組成物が単位剤形で使用される場合は、投与単位剤形は、複数の送達剤化合物/活性薬剤組成物を含んでいるか、あるいは分割された薬理学的、生物学的、治療的、または化学的に有効量を含んでいてもよいので、この量は上記量未満であってもよい。したがって、この総有効量を、この活性薬剤の有効量を合計して含む累積の単位で投与してもよい。
【0040】
使用される活性薬剤の総量は、当業者には知られている方法によって決定することができる。しかし、本発明の組成物は、活性薬剤を単独で含む組成物より活性薬剤をより効率的に送達することができるので、従来の単位剤形または送達系に使用されるものより少ない量の生物学的または化学的活性薬剤を対象に投与し、一方、依然として同じ血中濃度および/または治療効果を達成することができる。
【0041】
本発明で開示する送達剤化合物は、生物学的活性薬剤および化学的活性薬剤の送達を特に、経口、鼻腔内、舌下、十二指腸内、皮下、頬側、結腸内、直腸内、経膣、粘膜、肺、経皮、皮内、非経口、静脈内、筋肉内および眼球系で促進し、血液脳関門を通り抜ける。
【0042】
単位剤形はまた、賦形剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、可塑剤、着色剤、香味料、味覚マスキング剤、糖、甘味料、塩、および限定するものではないが、水、1,2-プロパンジオール、エタノール、オリーブ油を含む投薬ビヒクル、またはその任意の組合せの任意1種または組合せを含むことができる。
【0043】
本発明の化合物および組成物は、限定するものではないが、ニワトリなどのトリ;げっ歯類、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、昆虫および霊長類、特にヒトなどの哺乳動物を含む任意の動物に、生物学的または化学的活性薬剤を投与するのに有用である。
【0044】
この系は、別の方法では、この活性薬剤が標的帯(即ち、この送達組成物の活性薬剤が放出される領域)およびこれらを投与した動物の身体内に到達する前に、遭遇した条件によって破壊されるか、または効果がより減少されることになる、化学的または生物学的活性薬剤を送達するのに特に有利である。特に、本発明の化合物および組成物は、活性薬剤、特に、通常経口で送達が不可能なものまたは送達の改良が望まれるものを経口投与するのに有用である。
【0045】
この化合物および活性薬剤を含む組成物は、選択される生物学的系への活性薬剤の送達に有用であり、この送達剤を有さない活性薬剤の投与に比較して、活性薬剤のバイオアベイラビリティを増大させるか改良するのに有用である。送達は、より活性な薬剤を長期間にわたって送達することによって、または活性薬剤を特定の期間で送達することで(例えば、より速いまたは遅延した送達を行う)、またはこの活性薬剤を特定の時間、もしくはある期間にわたって(持続性送達など)送達することで改良することができる。
【0046】
本発明の別の実施形態は、本発明の組成物を投与することによって、動物における、以下の表に挙げた疾患または状態の任意の1つなどの疾患を治療または予防するための、または所望の生理学的効果を達成するための方法である。好ましくは、所望の疾患の治療もしくは予防のための、または所望の生理学的効果を達成するためのこの組成物の有効量が投与される。活性薬剤についての具体的な適応症は、The Physicians' Desk Reference (第58版、2004、Medical Economics Company,Inc.、Montvale、ニュージャージー州)、およびFauci, ASら、Harrison's Principles of Internal Medicine (第14版、1998、McGraw-Hill Health Professions Division、ニューヨークに見られる。この参考文献を共に、その全体を参照により本明細書に援用する。以下の表中の活性薬剤には、その類似体、断片、模倣対、およびポリエチレングリコール修飾誘導体(例えば、Neulasta(登録商標)として販売されている顆粒球コロニー刺激因子のPEG化誘導体)が含まれる。
【0047】
【表2】




【0048】
例えば、本発明の一実施形態は、インスリンおよび少なくとも1種の本発明の送達剤化合物を投与することによって、糖尿病にかかったまたはかかり易い患者を治療する方法である。上記の表に非限定的な例として示したものを含む他の活性薬剤を本発明の送達剤と併用して使用することができる。
【0049】
投与に続いて、組成物または単位剤形中に存在する活性薬剤は、循環中に取り込まれる。この薬剤のバイオアベイラビリティは、血中の既知の薬理学的活性、例えば、ヘパリンに起因する血液凝固時間の増加、またはカルシトニンに起因する循環カルシウム濃度の減少を測定することによって容易に評価することができる。あるいは、活性薬剤それ自体の循環濃度を直接測定してもよい。
【0050】
薬剤組成物
この薬剤組成物は、好ましくは固体の形態であり、固体剤形に成形されてもよい。固体剤形は、カプセル剤、錠剤または散剤もしくはサシェなどの粒子であってもよい。散剤は、液体と混合して投与するサシェの形態であってもよい。固体剤形は、軟膏、クリームまたは半固体などの局所送達系であってもよい。企図される固体剤形には、徐放性または放出制御系を含めてもよい。好ましくは、固体剤形は、経口投与用である。
【0051】
この散剤は、カプセル中に充填するか、または錠剤に圧縮するか、粉末の形態で使用するか、または軟膏、クリームもしくは半固体中に取り込まれていてもよい。固体剤形を成形する方法は、当技術分野でよく知られている。
【0052】
固体剤形中の送達剤の量は、送達有効量であり、任意の特定の化合物または生物学的もしくは化学的活性薬剤に対して、当業者には知られている方法によって決定することができる。一実施形態では、送達剤:活性薬剤の重量比は、約1:5または5:1〜約300:1または1:300の範囲である。より特に、送達剤:活性薬剤の比は、約10:1〜約200:1、または50:1〜約150:1の範囲であり得る。使用される送達剤の量は、活性薬剤、およびこの活性薬剤が投与される特定の適応症により変化する。
【0053】
活性薬剤がイバンドロネートである場合の実施形態では、送達剤:イバンドロネートの比は、約5:1〜約300:1、または約10:1〜約200:1、または50:1〜約150:1の範囲であり得る。
【0054】
投与に続いて、単位剤形中の活性薬剤は循環中に取り込まれる。この活性薬剤のバイオアベイラビリティは、血中の既知の薬理学的活性、例えば、ヘパリンに起因する血液凝固時間の増加、またはカルシトニンに起因する循環カルシウム濃度の減少を測定することによって容易に評価される。あるいは、活性薬剤それ自体の循環濃度を直接測定してもよい。
【0055】
固体剤形には、薬剤として許容される添加剤、例えば、賦形剤、担体、希釈剤、安定剤、可塑剤、結合剤、流動促進剤、崩壊剤、充填剤、滑沢剤、可塑剤、着色剤、被膜形成剤、香味料、防腐剤、投薬ビヒクル、界面活性剤、および前述のいずれかの任意の組合せを含めてもよい。好ましくは、これらの添加剤は、参照により本明細書に援用する、Remington's、The Science and Practice of Pharmacy、(Gennaro,A.R.編、第19版、1995、Mack Pub. Co.)に記載されているものなどの薬剤として許容される添加剤である。
【0056】
適した結合剤には、限定するものではないが、デンプン、ゼラチン、糖類(スクロース、糖蜜およびラクトースなど)、第二リン酸カルシウム二水和物、天然および合成ゴム(アラビアゴムなど)、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、およびワックスが含まれる。
【0057】
適した流動促進剤には、限定するものではないが、タルク、および二酸化ケイ素(シリカ)(例えば、ヒュームドシリカおよびコロイド二酸化ケイ素)が含まれる。
【0058】
適した崩壊剤には、限定するものではないが、デンプン、ナトリウムデンプングリコレート、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、粘土、セルロース(精製セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、アルギネート、アルファ化トウモロコシデンプン、およびゴム(などの寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤ、ペクチンおよびトラガカントゴム)が含まれる。好ましい崩壊剤は、ナトリウムデンプングリコレートである。
【0059】
適した充填剤には、限定するものではないが、デンプン(コメデンプンなど)、微結晶性セルロース、ラクトース(例えば、ラクトース一水和物)、スクロース、デキストロース、マンニトール、硫酸カルシウム、硫酸二カルシウム、および硫酸三カルシウムが含まれる。
【0060】
適した滑沢剤には、限定するものではないが、ステアリン酸、ステアレート(ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸マグネシウムなど)、タルク、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール、硬化綿実油、およびヒマシ油が含まれる。
【0061】
適した界面活性剤には、限定するものではないが、ラウリル硫酸ナトリウム、ヒドロキシ化ダイズレシチン、ポリソルベート、ならびにプロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマーが含まれる。
【0062】
(実施例)
以下の実施例は、本発明を例示するが、限定するものではない。すべての部は、別段の指示がなければ重量により示される。
【0063】
以下に挙げた化合物についてのプロトン核磁気共鳴(1H NMR)分析は、別段の指示がなければ溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO-d6)を用いて、300MHz Bruker分光計により実施した。
【0064】
本発明のプロピルフェノキシエーテル送達剤化合物は、t-BuOK(10%モル当量)の存在下、フェノールにアクリロニトリルを添加し、続いて、37%HCl中で加水分解することから調製してもよい。この概略的スキームを以下に示す。
【0065】
【化3】

【0066】
(実施例1)
化合物の調製
3-(2-クロロ-フェノキシ)-プロピオン酸(化合物1)の調製:
25℃の撹拌されたt-BuOKのTHF溶液(1M、6.0ml、6.0mmol)に、2-クロロフェノール(7.72g、60.0mmol)を添加し、続いてアクリロニトリル(20ml)を添加した。反応混合物を6時間加熱還流した後、過剰の溶媒を真空下で除去した。この反応残渣にNaOH水溶液(1N、60mL)を添加し、次いでEt2O(50ml×3)で抽出した。有機相を合わせ、NaOH水溶液(1N、10ml×3)および水(10ml×2)で別々に洗浄した。エーテル抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濃縮して、3-(2-クロロ-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.3g、34.7mmol)を無色の油として得て、これを直ちに加水分解に使用した。濃塩酸(20ml)中の3-(2-クロロ-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.3g、34.7mmol)混合物を8時間還流した。C9H9ClO3(200.62)に対する微量分析計算値:C 53.88、H 4.52;実測値:C 53.81、H 4.58.1H-NMR (d6-DMSO): 7.40 (dd, 1 芳香族 H); 7.29 (t類似, 1 芳香族 H); 7.16 (dd, 1 芳香族 H); 6.95 (td, 1 芳香族 H); 4.24 (t, -OCH2-); 2.72 (t, -OCH2CH2-)。
【0067】
3-(3,4-ジメチル-フェノキシ)-プロピオン酸(化合物2)の調製:
25℃の撹拌されたt-BuOKのTHF溶液(1M、6.0ml、6.0mmol)に、3,4-ジメチルフェノール(7.33g、60.0mmol)を添加し、続いてアクリロニトリル(20ml)を添加した。反応混合物を6時間加熱還流した後、過剰の溶媒を真空下で除去した。この反応残渣にNaOH水溶液(1N、60mL)を添加し、次いでEt2O(50ml×3)で抽出した。有機相を合わせ、NaOH水溶液(1N、10ml×3)、水(10ml×2)で別々に洗浄した。エーテル抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濃縮して、3-(3,4-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(5.65g、32.2mmol)を白色固体として得て、これを直ちに加水分解に使用した。
【0068】
濃塩酸(20ml)中の3-(3,4-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(5.65g、32.2mmol)混合物を8時間還流した。冷却後、得られた沈殿をろ過によって回収し、NaOH水溶液(1N、40ml)に溶解した。エーテル(20ml)で抽出後、この水溶液を6N塩酸水溶液で酸性化して、白色沈殿を生じさせ、ろ過によって回収して、純粋な生成物を白色粉末として得た(3.0g、25.7%)。融点137〜138℃。C11H14O3(194.23)に対する微量分析計算値:C 68.02、H 7.27;実測値:C 67.42、H 7.32。1H-NMR (300MHz, d6-DMSO): 7.01 (d, J(5,6)=8.3, H-C(5)); 6.72 (d, J(2,6)=2.5, H-C(2)); 6.63 (dd, J(5,6)=8.3, J(2,6)=2.5, H-C(6)); 4.10 (t, J=6.1, - OCH2-); 2.65 (t, J=6.1, -OCH2CH2-); 2.17, 2.13 (2s, 2 -CH3)。
【0069】
3-(3,5-ジメチル-フェノキシ)-プロピオン酸(化合物3)の調製
THF中でt-BuOK(1M、6.0ml、6.0mmol)の存在下、3,5-ジメチルフェノール(7.33g、60.0mmol)とアクリロニトリル(20ml)の反応を化合物1について記載した通りに実施して、3-(3,5-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.24g)を固体として得て、これを直ちに加水分解に使用した。
【0070】
3-(3,5-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.24g)の加水分解を化合物2について記載した通りに実施して、純粋な生成物を白色粉末として得た(2.08g、17.8%)。1H-NMR (300MHz, d6-DMSO): 6.57 (s, 1 芳香族 H); 6.53 (s, 2 芳香族 H); 4.11 (t, J=6.1, -OCH2-); 2.66 (t, J=6.1, -OCH2CH2-); 2.22 (s, 2 -CH3)。
【0071】
3-(2,5-ジメチル-フェノキシ)-プロピオン酸(化合物4)の調製:
THF中でt-BuOK(1M、6.0ml、6.0mmol)の存在下、2,5-ジメチルフェノール(7.33g、60.0mmol)とアクリロニトリル(20ml)の反応を化合物1について記載した通りに実施して、3-(2,5-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.60g、37.7mmol)を油として得て、これを直ちに加水分解に使用した。
【0072】
3-(2,5-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.60g、37.7mmol)の加水分解を化合物2について記載した通りに実施して、純粋な生成物を白色粉末として得た(6.1g、52.3%)。融点94〜95℃。C11H14O3(194.23)に対する微量分析計算値:C 68.02、H 7.27;実測値:C 67.69、H 7.56。1H-NMR (300MHz, d6-DMSO); 6.98、6.54 (AB, JAB=8.3, H-C(3)およびH-C(4)); 6.75 (s, H-C(6)); 4.14 (t, J=6.0, -OCH2-); 2.68 (t, J=6.0, -OCH2CH2-); 2.25、2.04 (2s, 2-CH3)。
【0073】
3-(2,3-ジメチル-フェノキシ)-プロピオン酸(化合物5)の調製:
THF中でt-BuOK(1M、6.0ml、6.0mmol)の存在下、2,3-ジメチルフェノール(7.33g、60.0mmol)とアクリロニトリル(20ml)の反応を化合物1について記載した通りに実施して、3-(2,3-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.00g)を油として得て、これを直ちに加水分解に使用した。
【0074】
3-(2,3-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.00g)の加水分解を化合物2について記載した通りに実施して、純粋な生成物を白色粉末として得た(4.8g、41.2%)。1H-NMR (400MHz, D2O): 6.89 (m, 1 芳香族 H); 6.58 (m, 2 芳香族 H); 4.00 ((t, J=6.4, -OCH2-); 2.52 (t, J=6.4, -OCH2CH2-); 2.06、1.89 (2s, 2 -CH3)。13C-NMR (100MHz, D2O): 172.35(-C=O); 156.17; 137.22; 125.88; 124.27; 122.16; 109.42; 64.06; 34.20; 19.67; 11.27。
【0075】
3-m-トリルオキシ-プロピオン酸(化合物6)の調製:
THF中でt-BuOK(1M、6.0ml、6.0mmol)の存在下、3-メチルフェノール(6.48g、60.0mmol)とアクリロニトリル(20ml)の反応を化合物1について記載した通りに実施して、3-(3-メチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.40g)を固体として得て、これを直ちに加水分解に使用した。
【0076】
3-(3-メチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.40g)の加水分解を化合物2について記載した通りに実施して、純粋な生成物を白色粉末として得た(5.94g、54.9%)。1H-NMR (400MHz, D2O): 7.00 (m, 1 芳香族 H); 6.58 (m, 3 芳香族 H); 4.00 ((t, J=6.4, -OCH2-); 2.55 (t, J=6.4, -OCH2CH2-); 2.13 (s, CH3)。13C-NMR (100MHz, D2O): 172.23(-C=O); 158.31; 138.96; 129.19; 121.35; 115.02; 111.38; 63.34; 34.20; 21.06。
【0077】
3-(2,6-ジメチル-フェノキシ)-プロピオン酸(化合物7)の調製:
THF中でt-BuOK(1M、6.0ml、6.0mmol)の存在下、2,6-ジメチルフェノール(7.33g、60.0mmol)とアクリロニトリル(20ml)の反応を化合物1について記載した通りに実施して、3-(2,6-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(4.00g、22.8mmol)を油として得て、これを直ちに加水分解に使用した。
【0078】
3-(2,6-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(4.00g、22.8mmol)の加水分解を化合物2について記載した通りに実施して、3-(2,6-ジメチル-フェノキシ)-プロピオン酸を油として得て(2.77g、14.3mmol)、次いで、これを1Mナトリウムトリメチルシラノレート(13.0ml、13.0mmol)で処理して、ナトリウム3-(2,6-ジメチル-フェノキシ)-プロピオネートを白色粉末として得た(2.47g、19.0%)。1H-NMR (400MHz, D2O): 6.98 (m, 2 芳香族 H); 6.90 (m, 1 芳香族 H); 3.95 (t, J=6.4, -OCH2-); 2.53 (t, J=6.4, -OCH2CH2-); 2.14 (s, 2 -CH3)。13C-NMR (100MHz, D2O): 179.96 (-C=O); 154.68; 131.63 (2 芳香族 C); 128.96 (2 芳香族 C); 124.66; 69.82; 38.29; 15.40 (2 -CH3)。
【0079】
3-o-トリルオキシ-プロピオン酸(化合物8)の調製:
THF中でt-BuOK(1M、6.0ml、6.0mmol)の存在下、2-メチルフェノール(6.48g、60.0mmol)とアクリロニトリル(20ml)の反応を化合物1について記載した通りに実施して、3-(2-メチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.50g)を固体として得て、これを直ちに加水分解に使用した。
【0080】
3-(2-メチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(6.50g)の加水分解を化合物2について記載した通りに実施して、純粋な生成物を白色粉末として得た(5.62g、52.0%)。1H-NMR (400MHz, D2O): 7.12 (m, 2 芳香族 H); 6.93 (m, 1 芳香族 H); 6.83 (m, 1 芳香族 H); 4.14 ((t, J=6.4, -OCH2-); 2.67 (t, J=6.4, -OCH2CH2-); 2.12 (s, CH3)。13C-NMR (100MHz, D2O): 172.45(-C=O); 156.55; 130.47; 127.05; 125.91; 120.45; 111.53; 63.89; 34.42; 15.89。
【0081】
3-(2,4-ジメチル-フェノキシ)-プロピオン酸(化合物9)の調製:
THF中でt-BuOK(1M、4.5ml、4.5mmol)の存在下、2,4-ジメチルフェノール(5.44g、44.5mmol)とアクリロニトリル(15ml)の反応を化合物1について記載した通りに実施して、3-(2,4-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(4.40g、25.1mmol)を固体として得て、これを直ちに加水分解に使用した。
【0082】
3-(2,4-ジメチル-フェノキシ)-プロピオニトリル(4.40g、25.1mmol)の加水分解を化合物2について記載した通りに実施して、純粋な生成物を白色粉末として得た(2.98g、34.5%)。1H-NMR (400MHz, d6-DMSO): 6.80 (m, 2 芳香族 H); 6.68 (m, 1 芳香族 H); 3.97 (t, J=6.4, -OCH2-); 2.55 (t, J=6.4, -OCH2CH2-); 2.07、1.95 (2s, 2 -CH3)。13C-NMR (100MHz, d6-DMSO): 172.35 (-C=O); 154.33; 131.09; 128.91; 127.03; 125.58; 111.51; 63.93; 34.20; 20.06; 15.71。
【0083】
(実施例2)
強制経口投与を介した絶食ラットへのインスリンのin vivo送達
インスリン(ヒト組換え型)をICN Biomedicals社(Aurora、オハイオ州)から、原末として入手した。原液を調製するために、インスリンを脱イオン水(pH約6.5)に溶解して、濃度15mg/mlとした。原液を使用するまで、1.0m1のアリコートで、-20℃に凍結しておいた。投与溶液については、送達剤を脱イオン水に溶解して、最終濃度200mg/mlとした。遊離酸の形態の送達剤は、1当量の水酸化ナトリウムを添加することによってナトリウム塩に変換した。溶液をボルテックスし、超音波処理し、加熱し、必要に応じて、追加の水酸化ナトリウムをμlの量で添加して、均一な溶解性を達成した。溶液を塩酸かあるいは水酸化ナトリウムの添加によってpH3.5〜8.5に調整した。次いで、インスリン原液(典型的には、66.7μl)を送達剤溶液に加えて、最終濃度0.5mg/mlを得た。可溶化および薬物添加の後、脱イオン水を加えることによって溶液を最終容積に合わせた。
【0084】
インスリンを雄性スプラーグドーリーラットに、単独で、あるいはEmisphere社製送達剤と組み合わせて強制経口投与(PO)によって投与した。ラットは、投与の前18〜24時間絶食させた。投与では、Rusch社製8フレンチカテーテルを長さ11cmに切断し、1mlシリンジに差し込んで適応させた。このシリンジに投与溶液を充填し、カテーテルから余分な溶液を拭き取って乾かした。カテーテルをラットの口中に挿入し、食道(10.0cm)に送り込んだ。ラットを立位で保持しつつ、シリンジのプランジャーを押して、投与溶液を送達した。
【0085】
試料回収および処理:インスリン
血液サンプリング期間中は、各サンプリング時点の直前に、ラットを虚脱するまで短時間(約10秒)二酸化炭素に曝露した。血液サンプリングについては、77mmキャピラリーチューブを後眼窩洞に挿入した。典型的には、血液試料を投与前(時間0)、投与後15、30、45、および60分で回収した。凝固促進剤を含むcapiject(登録商標)チューブ(テルモ株式会社、東京、日本)に試料を収集した(上部赤色の血清分離チューブ)。試料を4℃で約20分間凝固させておいた。凝固後、血清を分離するために、試料を6℃で4分間、10000rpmで遠心分離した。血清をeppendorfチューブ中に収集し、アッセイするまで-20℃で凍結した。
【0086】
試料回収および処理:全血糖値
薬力学的応答を決定するために、携帯型血統測定器(OneTouch Ultra、LifeScan(登録商標)(Johnson & Johnson社、New Brunswick、ニュージャージー州))を使用して、インスリンまたはインスリンと送達剤の投与後全血糖値を測定した。試料は、後眼窩洞から(試料回収および処理:インスリン参照)か、あるいは尾動脈(即ち、テールクリップ)から回収した。テールクリップについては、尾の先端部を外科用メスの刃を用いて先端からほぼ5mmを切断した。血液の最初の一滴を捨てた後、少量の試料(約5〜10μl)を血統測定器の試験ストリップ(OneTouch Ultra、LifeScan)に接触させ、血糖値の読みがメーターによって得られた。次のサンプリング時には、尾の先端部に形成された凝固を壊し、新鮮な試料を回収した。典型的には、試料を投与前(時間0)、投与後15、30、45、および60分で回収した。
【0087】
生理分析法およびデータ解析-インスリンアッセイ
インスリンの濃度をサンドイッチ型のELISA(キット;Diagnostic System Laboratories, Inc.、Webster、テキサス州)を用いて、ラット血清中で定量する。この較正されたアッセイ範囲は、12.5〜250.0μIU/mLであった。ラットからの血清は、在庫動物から内部的に得て、較正標準および低および高品質管理試料(LQC、HQC)を調製するために使用した。第2曲線に関する低および高品質管理試料を、それぞれ30および150μIU/mLで調製した。較正標準は毎日新たに調製し、品質管理試料は、公称温度-20℃で保管した。濃度値(試験試料)を検量線から読み取り、各時点(n=5)について平均化し、時間に対するインスリンの平均血清濃度(±標準誤差)としてプロットした。
【0088】
【表3】

【0089】
本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態によって範囲が限定されるものではない。実際、当業者には、前述の説明および付随の図面から、本明細書に記載のものに加えて本発明の様々な修正が明らかになるであろう。このような修正は、添付した特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。
【0090】
特許、特許出願、文献、製品の説明、およびプロトコルが、本出願全体にわたり引用されており、すべての目的において、これらの開示をその全体にわたり参照により本明細書に援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)活性薬剤;および
(B)式
【化1】

を有する少なくとも1種の送達剤化合物または薬剤として許容されるその塩[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、独立に、H、ハロゲン、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルコキシル、非置換または置換ハロアルコキシル、ヒドロキシル、-C(O)R8、-NO2、-NR9R10、-N+R9R10R11(R12)、炭酸塩、ウレイド、-CX3、および-CNから選択され、ここで、
R8は、独立に、H、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、または-NH2であり;
R9、R10、R11、およびR12は、独立に、HまたはC1〜C10アルキルであり;
Xはハロゲン基である]
を含む組成物。
【請求項2】
R1、R2、R3、R4およびR5が、独立に、水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルおよび窒素基から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
R1、R2、R3、R4およびR5が、独立に、水素、メチル、および塩素基から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
(A)活性薬剤;ならびに
(B)
【化2】

からなる群から選択される少なくとも1種の送達剤化合物および薬剤として許容されるその塩を含む組成物。
【請求項5】
化合物が、化合物1および薬剤として許容されるその塩から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
送達剤化合物が、化合物2および薬剤として許容されるその塩から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
送達剤化合物が、化合物3および薬剤として許容されるその塩から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
送達剤化合物が、化合物4および薬剤として許容されるその塩から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項9】
送達剤化合物が、化合物5および薬剤として許容されるその塩から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項10】
送達剤化合物が、化合物6および薬剤として許容されるその塩から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項11】
送達剤化合物が、化合物7および薬剤として許容されるその塩から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項12】
送達剤化合物が、化合物8および薬剤として許容されるその塩から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項13】
送達剤化合物が、化合物9および薬剤として許容されるその塩から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項14】
活性薬剤が、生物学的活性薬剤、化学的活性薬剤、およびその組合せからなる群から選択される、請求項1から13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
生物学的活性薬剤が、少なくとも1種のタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、多糖類、ムコ多糖類、炭水化物、小さな極性有機分子、または脂質を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
生物学的活性薬剤が、アミリンおよびアミリンアゴニスト;副腎皮質刺激ホルモン;抗原;抗菌薬、抗生物質、抗菌物質および抗真菌薬;グラム陽性作用性抗生物質、殺菌性抗生物質、リポペプチド抗生物質、環状ペプチド抗生物質、ダプトマイシンおよびその類似体;抗片頭痛薬;カルシトニン遺伝子関連タンパク質アンタゴニスト、スマトリプタンコハク酸塩;抗ウイルス薬、アシクロビル、バラシクロビル;心房性ナトリウム利尿因子;アルガトロバン;ビスホスホネート、アレンドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、ゾレドロネート、EB1053、およびYH529;BIBN4096BS-(1-ピペリジンカルボキサミド、n-[2-[[5-アミノ-1-[[4-(4-ピリジニル)-1-ピペラジニル)カルボニル]ペンチル]アミノ]-1-[(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)メチル]-2-オキソエチル]-4(1,4-ジヒドロ-2-オキソ-3(2H)-キナゾリニル)-[R-(R*,S*)]-);カルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、ブタカルシトニン、ヒトカルシトニン;コレシストキニン(CCK)およびCCKアゴニスト、CCK-8;クロモリンナトリウム(クロモグリク酸ナトリウムまたはクロモグリク酸二ナトリウム);CPHPC;シクロスポリン;デスフェリオキサミン(DFO);エリスロポエチン;エキセンディンおよびエキセンディンアゴニスト、エキセンディン-3、エキセンディン-4;フィルグラスチム;卵胞刺激ホルモン(組換え型および天然の);硝酸ガリウム;グルカゴン;グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、グルカゴン、およびグルカゴン様ペプチド2(GLP-2);グルコセレブロシダーゼ;生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン;成長ホルモン放出因子;成長ホルモン放出ホルモン;成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(hGH)、組換え型ヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン;ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリン類似物質、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、合成ヘパリン、フォンダパリヌクス;亜鉛、ナトリウム、カルシウムおよびアンモニウムを含む対イオンを場合により有する、インスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ヒトインスリン、ヒト組換え型インスリン;インスリン様成長因子、IGF-1;インターフェロン、αインターフェロン、βインターフェロン、ωインターフェロン、γインターフェロン;インターロイキン-1;インターロイキン-2;インターロイキン-11;インターロイキン-21;黄体形成ホルモンおよび黄体形成ホルモン放出ホルモン;レプチン(OBタンパク質);メチフェニデート塩;モノクローナル抗体、リツキシン、tnf-α可溶性受容体;オキシトシン;副甲状腺ホルモン(PTH)、PTH 1-34およびPTH 1-38、ならびに副甲状腺ホルモンの他の断片;ペプチドYY(PYY)、PYYアゴニスト、PYY3-36;ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-4)阻害薬;プロスタグランジン;プロテアーゼ阻害薬;ソマトスタチン;トロンボポエチン;バンコマイシン;バソプレシン;ビタミン;ワクチン、炭疽菌ワクチン、ペスト菌(y. pestis)ワクチン、インフルエンザワクチン、ヘルペスワクチン;免疫グロブリン;RNAi;APO1(FAS遺伝子);肝炎ワクチン;腸チフスワクチン、HIV侵入阻害薬;エンフビルチド;アルモトリプタン;ナラトリプタン、リザトリプタン、フロバトリプタン;エレトリプタン;ペラミビル;ザナミビル;オセルタミビル;BCX-1898;BCX-1827;BCX-1989;BCX 1923;A315625;MZ阻害薬、アマンタジン、リマンタジン;ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害薬、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬;プロテアーゼ阻害薬、融合阻害薬チオビル、チオホスホノホルメート、ホスカルネット;エンフビリチド、ジドブジン;ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、ラミブジン、エムトリシタビン、アバカビル、アジドチミジン、テノホビル、ジソプロキシル、デラブリジン、エファビレンツ、ネビラピン、リトナビル、ネルフィナビルメシレート、サキナビルメシレート、インジナビル硫酸塩、アンプレナビル、ロピナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、アタザナビル硫酸塩;凝固因子、任意の上記化合物の類似体、断片、模倣対およびポリエチレングリコール修飾誘導体、ならびにその任意の組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
生物学的活性薬剤が、インスリン、未分画ヘパリン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、エリスロポエチン、ダプトマイシン、ヒト成長ホルモン、これらの化合物の類似体、断片、模倣対およびポリエチレングリコール修飾誘導体、またはその任意の組合せを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
生物学的活性薬剤がインスリンを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
生物学的活性薬剤がヘパリンを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
生物学的活性薬剤がカルシトニンを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
生物学的活性薬剤が副甲状腺ホルモンを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項22】
生物学的活性薬剤がエリスロポエチンを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項23】
生物学的活性薬剤がダプトマイシンを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項24】
生物学的活性薬剤がヒト成長ホルモンを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項25】
生物学的活性薬剤がビスホスホネートを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項26】
(A)請求項14に記載の組成物;および
(B)(a)賦形剤、
(b)希釈剤、
(c)崩壊剤、
(d)滑沢剤、
(e)可塑剤、
(f)着色剤、
(g)投薬ビヒクル、または
(h)その任意の組合せ
を含む単位剤形。
【請求項27】
生物学的活性薬剤が、少なくとも1種のタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、多糖類、ムコ多糖類、小さな極性有機分子、炭水化物、または脂質を含む、請求項26に記載の単位剤形。
【請求項28】
生物学的活性薬剤が、アミリンおよびアミリンアゴニスト;副腎皮質刺激ホルモン;抗原;抗菌薬、抗生物質、抗菌物質および抗真菌薬;グラム陽性作用性抗生物質、殺菌性抗生物質、リポペプチド抗生物質、環状ペプチド抗生物質、ダプトマイシンおよびその類似体;抗片頭痛薬;カルシトニン遺伝子関連タンパク質アンタゴニスト、スマトリプタンコハク酸塩;抗ウイルス薬、アシクロビル、バラシクロビル;心房性ナトリウム利尿因子;アルガトロバン;ビスホスホネート、アレンドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、ゾレドロネート、EB1053、およびYH529;BIBN4096BS-(1-ピペリジンカルボキサミド、n-[2-[[5-アミノ-1-[[4-(4-ピリジニル)-1-ピペラジニル)カルボニル]ペンチル]アミノ]-1-[(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)メチル]-2-オキソエチル]-4(1,4-ジヒドロ-2-オキソ-3(2H)-キナゾリニル)-[R-(R*,S*)]-);カルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、ブタカルシトニン、ヒトカルシトニン;コレシストキニン(CCK)およびCCKアゴニスト、CCK-8;クロモリンナトリウム(クロモグリク酸ナトリウムまたはクロモグリク酸二ナトリウム);CPHPC;シクロスポリン;デスフェリオキサミン(DFO);エリスロポエチン;エキセンディンおよびエキセンディンアゴニスト、エキセンディン-3、エキセンディン-4;フィルグラスチム;卵胞刺激ホルモン(組換え型および天然の);硝酸ガリウム;グルカゴン;グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、グルカゴン、およびグルカゴン様ペプチド2(GLP-2);グルコセレブロシダーゼ;生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン;成長ホルモン放出因子;成長ホルモン放出ホルモン;成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(hGH)、組換え型ヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン;ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリン類似物質、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、合成ヘパリン、フォンダパリヌクス;亜鉛、ナトリウム、カルシウムおよびアンモニウムを含む対イオンを場合により有する、インスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ヒトインスリン、ヒト組換え型インスリン;インスリン様成長因子、IGF-1;インターフェロン、αインターフェロン、βインターフェロン、ωインターフェロン、γインターフェロン;インターロイキン-1;インターロイキン-2;インターロイキン-11;インターロイキン-21;黄体形成ホルモンおよび黄体形成ホルモン放出ホルモン;レプチン(OBタンパク質);メチフェニデート塩;モノクローナル抗体、リツキシン、tnf-α可溶性受容体;オキシトシン;副甲状腺ホルモン(PTH)、PTH 1-34およびPTH 1-38、ならびに副甲状腺ホルモンの他の断片;ペプチドYY(PYY)、PYYアゴニスト、PYY3-36;ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-4)阻害薬;プロスタグランジン;プロテアーゼ阻害薬;ソマトスタチン;トロンボポエチン;バンコマイシン;バソプレシン;ビタミン;ワクチン、炭疽菌ワクチン、ペスト菌(y. pestis)ワクチン、インフルエンザワクチン、ヘルペスワクチン;任意の上記化合物の類似体、断片、模倣対およびポリエチレングリコール修飾誘導体、ならびにその任意の組合せからなる群から選択される、請求項26に記載の単位剤形。
生物学的活性薬剤が、インスリン、未分画ヘパリン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、エリスロポエチン、ヒト成長ホルモン、免疫グロブリン;RNAi;APO1(FAS遺伝子);肝炎ワクチン;腸チフスワクチン、HIV侵入阻害薬;エンフビルチド;アルモトリプタン;ナラトリプタン、リザトリプタン、フロバトリプタン;エレトリプタン;ペラミビル;ザナミビル;オセルタル;BCX-1898;BCX-1827;BCX-1989;BCX 1923;A315625;MZ阻害薬、アマンタジン、リマンタジン;ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害薬、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬;プロテアーゼ阻害薬、融合阻害薬チオビル、チオホスホノホルメート、ホスカルネット;エンフビリチド、ジドブジン;ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、ラミブジン、エムトリシタビン、アバカビル、アジドチミジン、テノホビル、ジソプロキシル、デラブリジン、エファビレンツ、ネビラピン、リトナビル、ネルフィナビルメシレート、サキナビルメシレート、インジナビル硫酸塩、アンプレナビル、ロピナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、アタザナビル硫酸塩;凝固因子、これらの化合物の類似体、断片、模倣対およびポリエチレングリコール修飾誘導体;またはその任意の組合せを含む、請求項25に記載の単位剤形。
【請求項29】
生物学的活性薬剤がインスリンを含む、請求項28に記載の単位剤形。
【請求項30】
生物学的活性薬剤がヘパリンを含む、請求項28に記載の単位剤形。
【請求項31】
生物学的活性薬剤がカルシトニンを含む、請求項28に記載の単位剤形。
【請求項32】
生物学的活性薬剤が副甲状腺ホルモンを含む、請求項28に記載の単位剤形。
【請求項33】
生物学的活性薬剤がエリスロポエチンを含む、請求項28に記載の単位剤形。
【請求項34】
生物学的活性薬剤がダプトマイシンを含む、請求項28に記載の単位剤形。
【請求項35】
生物学的活性薬剤がヒト成長ホルモンを含む、請求項28に記載の単位剤形。
【請求項36】
生物学的活性薬剤がビスホスホネートを含む、請求項28に記載の単位剤形。
【請求項37】
単位剤形が、錠剤、カプセル剤、散剤、または液剤を含む、請求項26に記載の単位剤形。
【請求項38】
薬剤を必要とする動物に活性薬剤を投与する方法であって、請求項1から37のいずれか一項に記載の組成物を動物に経口で投与する段階を含む方法。
【請求項39】
(A)少なくとも1種の活性薬剤;
(B)請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも1種の送達剤化合物;および
(C)場合により、投薬ビヒクル
を混合する段階を含む、組成物を調製する方法。
【請求項40】
プロピルフェノキシ送達剤化合物を調製する方法であって、

【化3】

[式中、R6からR10は、独立に、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシル、またはニトロ基である]
のフェノールをアクリロニトリルと反応させて、ニトリル含有化合物を形成する段階と、
ニトリル含有化合物を加水分解して、プロピルフェノキシ送達剤化合物を形成する段階とを含む方法。
【請求項41】
フェノールおよびアクリロニトリルを塩基性の条件下で反応させる、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
塩基およびフェノールが、アクリロニトリルとの反応の前に組み合わされる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
塩基がtert-ブトキシドである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
加水分解ステップが、酸の添加を含む、請求項40から43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
酸が塩酸である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
R6からR10が、独立に、水素、アルキル、またはハロ基である、請求項40から43のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
フェノールが、2-クロロフェノール、3-クロロフェノール、4-クロロフェノール、3-ブロモフェノール、および3-ヨードフェノールからなる群から選択される、請求項40から43のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
フェノールがアルキル置換フェノールである、請求項47に記載の方法。

【公表番号】特表2010−501489(P2010−501489A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524797(P2009−524797)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/076075
【国際公開番号】WO2008/022242
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(500139958)エミスフェアー・テクノロジーズ・インク (28)
【出願人】(509045793)
【Fターム(参考)】