説明

プローブカード及び検査装置

【課題】被検査体と接続した場合に光源と被検査体との位置関係の調節が可能なプローブカードを提供する。
【解決手段】受光部W11と電極W12を備える被検査体W1とプローブカードを用いて電気的に接続して被検査体W1に関する検査処理を行う検査装置に関する。そして、プローブカードは、被検査体W1と電気的に接続するための接触子11が一方の板面上に配置された基板20と、被検査体W1に向けて光を照射することが可能な光源41とを、基板に取り付けるものであって、光源41を支持する複数の光源支持部52を有する取付部材とを備え、基板20の上記接触子11が配置されている板面と異なる板面30上には、それぞれの光源支持部52を支持するための支柱61が立設されており、それぞれの上記光源支持部52は、支柱61に沿って動作可能に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブカード及び検査装置に関し、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等を用いた固体撮像素子が形成された半導体装置の検査に適用し得る。
【背景技術】
【0002】
例えば、CCD等を用いた固体撮像素子が形成された半導体装置の製造工程では、固体撮像素子の光電変換特性等に関する試験を行う必要がある。半導体装置に対する光電変換特性に関する試験に用いられる従来のプローブカードとしては、特許文献1、2の記載技術がある。
【0003】
特許文献1の記載技術に記載されたプローブカードでは、プローブカードに貫通孔が形成され、その貫通孔の周辺にLED光源を位置決めするガイドが付けられている。そして、特許文献1の記載技術に記載されたプローブカードでは、ガイドにより固定されたLEDから発光された光が、その貫通孔を通って、披検査体を照射する構成となっている。
【0004】
特許文献2の記載技術に記載されたプローブカードでは、複数色の発光素子を備える面発光光源と、面発光光源から発光された光を集光する集光レンズが固定されており、集光レンズにより集光された光が、プローブカードに形成された貫通孔を通って、披検査体を照射する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−7166号公報
【特許文献2】特開2006−349522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたプローブカードでは、光源が、プローブカードの貫通孔の周辺(周囲)で、ガイドにより固定されているため、被検査体と接続時した場合の、光源と当該被検査体との位置関係の調節を行うことはできない。
【0007】
また、特許文献2に記載されたプローブカードでも、面発光光源と、集光レンズと、被検査体との位置関係は固定化されているため、同様に、被検査体と接続した場合の、光源と当該被検査体との位置関係の調節を行うことはできない。
【0008】
そのため、被検査体と接続した場合に光源と被検査体との位置関係の調節を行うことが可能なプローブカード及び検査装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明は、受光部と電極を備える被検査体と電気的に接続するプローブカードにおいて、(1)上記被検査体と電気的に接続するための接触子が一方の板面上に配置された基板と、(2)上記被検査体に向けて光を照射することが可能な光源と、(3)上記光源を、上記基板に取り付けるものであって、上記光源を支持する複数の光源支持部を有する取付部材とを備え、(4)上記基板の上記接触子が配置されている板面と異なる板面上には、それぞれの上記光源支持部を支持するための支柱が立設されており、(5)それぞれの上記光源支持部は、上記支柱に沿って動作可能に支持されていることを特徴とする。
【0010】
第2の本発明は、受光部と電極を備える被検査体とプローブカードを用いて電気的に接続して、上記被検査体に関する検査処理を行う検査装置において、上記プローブカードとして第1の本発明のプローブカードを適用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被検査体と接続した場合に光源と被検査体との位置関係の調節が可能なプローブカードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る検査装置の概略断面図である。
【図2】実施形態に係るプローブカードの平面図(上面から見た図)である。
【図3】実施形態に係るプローブカードの正面図(側面から見た図)である。
【図4】図2のA−A線での断面図である。
【図5】実施形態に係るプローブカードが備える光源取付金具の斜視図である。
【図6】実施形態に係るプローブカードについて半導体ウエハと電気的に接続した状態で示す断面図である。
【図7】実施形態の検査装置で検査対象となる半導体ウエハの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)主たる実施形態
以下、本発明によるプローブカード及び検査装置の一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0014】
(A−1)実施形態の構成及び動作
図1は、この実施形態に係る検査装置1の概略断面図である。
【0015】
検査装置1は、プローブカード10、テストヘッド2、及びプローバ3を有している。
【0016】
プローバ3は、被検査体としての半導体ウエハWの表面の複数のパッド(電極)に検査信号等を印加して検査するための装置である。このプローバ3は、筺体3aと、この筺体3a内に装着されたXYZθステージ3bと、このXYZθステージ3bに支持されたチャックトップ3cとを有している。そして、プローバ3に組み込まれたプローブカード10には、その下側面に複数のプローブピン11が設けられている。半導体ウエハW(シリコンウエハ)は、チャックトップ3cに支持され、その上側面の各電極が各プローブ1にそれぞれ電気的に接続(接触)される。
【0017】
この実施形態で用いられる半導体ウエハWは、図7に示す通り、半導体ウエハW上に、複数の半導体装置W1(CCDを用いた固体撮像素子)が形成された状態となっている。
【0018】
なお、図7(a)は、半導体ウエハWの全体の平面図である。また、図7(b)は図7(a)のハッチで示される領域に形成された4つの半導体装置W1の部分だけを拡大して示した平面図となっている。
【0019】
図7に示す通り、それぞれの半導体装置W1には、受光部W11(例えば、CCDを用いた固体撮像素子)と、複数のパッドW12が配置されている。そして図7に示す通り、半導体ウエハW上で、各半導体装置W1の領域はスクライブラインW2により、それぞれ四角形に区切られている。半導体ウエハWは、例えば、当該検査装置1の後の工程で、スクライブラインW2に沿って切断され、それぞれの半導体装置W1が一つのチップとして切り出されることになる。
【0020】
検査装置1を構成するテストヘッド2は、半導体ウエハWに検査信号を印加すると共に、検出信号を処理するための装置である。テストヘッド2は、信号処理部(図示せず)等を備え、その下側面に、プローブカード10と電気的に接触する接触部2aを備えている。
【0021】
すなわち、検査装置1では、図示しない信号処理部と接続されたテストヘッド2に、プローブカード10装着されている。そして、検査装置1では、テストヘッド2が、プローブカード10を介して、プローバ3に載置された半導体ウエハWと電気的に接続して、電気的処理(例えば、検査信号等を印加する処理)を伴う検査を行う。
【0022】
そして、このテストヘッド2は、回動可能に支持されており、プローブカード10の交換の際には、上方へ回動されて待機位置に移動される。
【0023】
このように構成された検査装置1では、半導体ウエハWがチャックトップ3cに載置されて、XYZθステージ3bで半導体ウエハWの位置が調整される。これにより、半導体ウエハWの表面の各パッドW12と、プローブカード10の各プローブピン11との位置が整合される。そして、XYZθステージ3bでチャックトップ3cが上昇されて、半導体ウエハWの各パッドW12とプローブカード10の各プローブピン11とが互いに接触される。
【0024】
次いで、テストヘッド2側から検査信号が、プローブピン11を介して半導体ウエハWの各電極に印加されて、半導体ウエハWの検査処理が行われる。このとき、半導体ウエハWは、常温で試験される以外に、高温に加熱されたり、低温に冷やされたりする場合もある。
【0025】
次に、プローブカード10の詳細構成について説明する。
【0026】
図2〜図4に示すように、プローブカード10は円形のメイン基板20を有している。そして、メイン基板20には、図3、図4に示すように、被検査体と電気的に接触する接触子としてのプローブピン11を支持するプローブ支持部21が固定されている。
【0027】
プローブピン11としては、プローブカードで用いられる種々のプローブピンを用いることができる。この実施形態では、例として、プローブピン11は、既存のプローブカードで用いられるカンチレバー式(片持ち梁式)のプローブピンであるものとして説明するが、垂直プローブピン(例えば、ポゴピン等)を適用するようにしても良い。
【0028】
なお、以下では、メイン基板20(プローブカード10)において、プローブ支持部21が配置されている側の面を、「下面」とも呼び、下面と反対の面を「上面」とも呼ぶものとする。また、以下では、メイン基板20(プローブカード10)から見て、上面の方向を「上方向」、下面の方向を「下方向」と呼ぶものとする。すなわち、図2は、プローブカード10の平面図(上面の側から見た場合の図)であり、図3は、プローブカード10の正面図(側面から見た場合の図)となっている。
【0029】
メイン基板20の上面中央部分には、メイン基板20の強度を補強する四角形の補強板50が、プローブ支持部21と対向する位置に固定されている。なお、補強板50やメイン基板20の板面の形状は限定されないものである。なお、メイン基板20の強度を補強する必要がない場合は、補強板50を省略するようにしても良い。
【0030】
そして、メイン基板20の中央部分には、四角形の貫通孔22が形成されている。プローブ支持部21は、この四角形の貫通孔22と同じ形状の断面(外周の断面)の四角筒形状となっている。そして、図4に示すように、プローブ支持部21は、貫通孔22を貫通し、一方の端面(四角筒の一方の端面)は、補強板30の板面に当接する位置に固定されている。
【0031】
プローブ支持部21に用いる素材は限定されないものであるが、この実施形態のプローブ支持部21では、上面側(メイン基板20側)本体部21aの素材にセラミックを適用し、下面側の端部(四角筒の端部)に付けられたプローブ貫通部21bの素材に樹脂を適用している。
【0032】
図3、図4に示すように、この実施形態のプローブ支持部21では、本体部21aの端面(四角筒の端面)の2つの辺の部分(図4における右側の辺と左側の辺)に、それぞれプローブ貫通部21bが付けられている。そして、それぞれのプローブ貫通部21bには、カンチレバー式のプローブピン11が7本貫通している。言い換えると、それぞれのプローブピン11は、プローブ貫通部21bにより支持・固定されている。そして、それぞれのプローブピン11の先端の接触部11a(半導体ウエハWと接触する部分)が、プローブ支持部21の孔21cの下方向に配置されている。なお、プローブピン11の接触部11aの反対側は、図示しない配線によりメイン基板20に接続されている。また、プローブカード10に配置されるプローブピン11の数は限定されないものである。
【0033】
そして、補強板30には、プローブ支持部21の孔21c(四角筒の内側に形成される孔)と同じ形状の貫通孔31が形成されている。
【0034】
すなわち、図4に示すように、プローブカード10では、貫通孔31と孔21cにより、上面から下面まで貫通する孔が形成されることになる。図2、図4では、この貫通孔31と孔21cにより形成される孔を、「貫通孔12」と表わしている。なお、この実施形態では、貫通孔12は四角形の孔であるものとするが、形状は限定されないものである。
【0035】
なお、貫通孔12は、LED光源41から発光した光を、半導体ウエハW(半導体装置W1)に照射させるための導光路としても機能する。例えば、貫通孔12の下面の側の開口部に、透明色のカバー(例えば、アクリルの板)や、LED光源41から発光した光を拡散する拡散板等を配置するようにしても良い。
【0036】
そして、図4に示すように、この実施形態の例では、半導体ウエハWに光を照射する照明部40のLED光源41は、この貫通孔12の内部に配置されている。
【0037】
プローブカード10では、図4に示すように、光源取付部材としての光源取付金具50を用いて、照明部40のLED光源41を、貫通孔12の内部(又は、貫通孔12の上方向若しくは下方向)の位置となるように、メイン基板20(補強板30)に取り付けられている。なお、光源取付金具50の素材としては、アルミニウムや鉄等の金属の板を用いるようにしても良い。
【0038】
図5は、光源取付金具50の斜視図である。
【0039】
光源取付金具50には、板形状のLED光源収容部51が設けられている。そして、LED光源収容部51に設けられた貫通孔であるLED光源収容孔51aに、LED光源41の発光部分を上方向から嵌めこみ、下方向にLED光源41の光を照射可能な状態で固定(係止)することが可能となっている。そして、図4に示すように、LED光源41の発光部分とは逆方向(図4の上方向)には、LED配線42がのびており、このLED配線42は、図示しないメイン基板20上の照明制御部に接続されているものとする。すなわち、LED光源41は、上述の照明制御部からの制御(例えば、電源供給等)により駆動(発光)する。なお、検査装置1において、上述の照明制御部を配置する位置は限定されないものであり、プローブカード10でも良いし、検査装置1本体側(テストヘッド2)としても良い。すなわち、検査装置1では、図示しない信号処理部がテストヘッド2を介して照明部40(LED光源41)の照明制御を行うことが可能な構成となっている。
【0040】
このように、光源取付金具50のLED光源収容部51では、LED光源41が発光する光の照射する方向を下方向(半導体ウエハW)に向けつつ、LED配線42を上方向に伸ばした状態で、LED光源41を固定(係止)している。
【0041】
LED光源収容部51(LED光源収容孔51a)で、LED光源41を固定(係止)する構成については限定されないものであるが、例えば接着剤やネジを用いて固定するようにしても良いし、LED光源41をLED光源収容孔51aの内壁により係止しただけの状態としても良い。接着剤を用いずに、LED光源収容孔51aの内壁でLED光源41を係止したり、ネジ留めする場合には、容易にLED光源収容部51からLED光源41の脱着が可能となる。
【0042】
そして、図4、図5に示すように、光源取付金具50では、LED光源収容部51を支持し、プローブカード10本体側(補強板30)で固定するための、カギ型に折り曲げられた板形状の支持部53(52−1〜52−3)が設けられている。また、図5に示す光源取付金具50では、LED光源収容部51、支持部52−1、及び支持部52−2について、1枚の板を折り曲げて形成し、別の板を折り曲げて形成した支持部52−3をLED光源収容部51に固定(例えば、溶接や接着剤等により固定)している。なお、光源取付金具50を形成する方式については、上述の図5の構成に限定されないものであり、例えば、LED光源収容部51及びそれぞれの支持部53を別々に形成して繋ぎ合わせるようにしても良い。また、LED光源収容部51を支持する支持部53の数も3つに限定されないものであり、2つや4つ以上とするようにしても良い。また、それぞれの支持部53の形状についても、板形状に限定されず棒形状等、その他の形状としても良い。
【0043】
一方、メイン基板20(補強板30)の上面には、光源取付金具50を支持するための支柱としての3つのネジ61(61−1〜61−3)が立設されている。すなわち、ネジ61−1〜61−3のそれぞれの一方の端部は補強板30の上面に固定されている。ネジ61−1〜61−3の端部を補強板30の上面に固定する方法については限定されないものであるが、例えば、半田や接着剤等により固定するようにしても良い。
【0044】
そして、光源取付金具50側では、支持部52(52−1〜52−3)のそれぞれに、上述のネジ61(61−1〜61−3)を貫通させるための貫通孔52aが形成されている。プローブカード10では、図2、図4に示すように、支持部52−1の貫通孔52aにはネジ61−1が貫通し、支持部52−2の貫通孔52aにはネジ61−2が貫通し、支持部52−3の貫通孔52aにはネジ61−3が貫通するように構成されている。すなわち、プローブカード10では、光源取付金具50を構成するそれぞれの支持部52の貫通孔52aに、対応するネジ61を貫通させることにより、光源取付金具50をメイン基板20(補強板30)に取り付けている。したがって、光源取付金具50を構成するそれぞれの支持部52の貫通孔52aに、対応するネジ61が貫通するように、光源取付金具50の形状及びネジ61の配置位置が調整されている必要がある。
【0045】
そして、それぞれのネジ61では、図4に示すように支持部52の上下を挟み込むように、ナット62、63及びワッシャ64、65が配置されている。図4に示すように、各ネジ61では、上方向からナット62、ワッシャ64、支持部52(貫通孔52aの部分)、ワッシャ65、ナット63の順に配置されている。すなわち、それぞれの支持部52は、2つのナット62、63により上下から締め付けられることにより、上下方向の位置が固定(規制)されている。
【0046】
以上のように、それぞれの支持部52は、ネジ61により横方向の位置が固定(規制)され、ナット62、63及びワッシャ64、65により上下方向の位置が固定(規制)されている。
【0047】
そして、支持部52(貫通孔52aの部分)の上下方向の位置は、ナット62、63及びワッシャ64、65によりそれぞれ別個に調整することができる。例えば、それぞれの支持部52(貫通孔52aの部分)について、上下方向の位置を異なる位置とすることも可能である。なお、全ての支持部52(貫通孔52aの部分)について、上下方向の位置が同一でない場合には、光源取付金具50を構成する板が湾曲する(歪む)ことになる。したがって、光源取付金具50について意図的に上述のような取付を行う場合には、光源取付金具50に用いる素材(板)としては、弾力性があるものを用いるようにしても良い。
【0048】
このように、プローブカード10では、光源取付金具50を構成するそれぞれの支持部52(貫通孔52aの部分)について、ネジ61及びナット62、63等を利用して、ネジ61に沿って動作可能に支持することにより、LED光源収容部51の配置位置や姿勢の調整(すなわちLED光源41の配置位置や姿勢の調整)を可能としている。
【0049】
図6は、プローブカード10が半導体ウエハWを構成する半導体装置W1に、電気的に接続した状態で示す断面図(図2のA−A線での断面図)である。
【0050】
図6では、それぞれのプローブピン11が、半導体装置W1のパッドW12に接触し、所定の押圧力で押圧された状態について示している。
【0051】
また、図6では、全ての支持部52(貫通孔52aの部分)について、上下方向の位置が同一に調整されており、LED光源41の下端から、現在プローブピン11が接触している半導体装置Wの受光部W11の受光面(上面)との距離(以下、「照射距離」と呼ぶ)が所定の距離(図6では「L1」)となるように調整された状態を示している。
【0052】
この実施形態では、上述の通り、各プローブピン11にカンチレバー式のピンを適用しているため、プローブカード10が半導体ウエハW上の半導体装置W1と電気的に接続した状態(図6に示す状態)では、各プローブピン11は、半導体ウエハWに押圧されアーム部11bが湾曲することになる。したがって、それぞれの支持部52の上下方向の位置は、プローブカード10が半導体ウエハW上の半導体装置W1と電気的に接続した状態(図6に示す状態)で、アーム部11bが湾曲する分を考慮して調整することが望ましい。
【0053】
そして、上述の通り、プローブカード10では、それぞれの支持部52(貫通孔52aの部分)の上下方向の位置を別個に調節することで、LED光源41の姿勢、すなわち、LED光源41が光を照射する方向(以下、「照射方向」と呼ぶ)を調節することができる。
【0054】
例えば、LED光源41の照射方向を、完全に半導体装置W1に対して垂直のとなる方向(図6の矢印S1の方向)とする必要があるにも関わらず、照射方向が、図6に示す角度θだけずれた方向(図6の矢印S2の方向)となっていた場合には、例えば、支持部52−1の上下方向の位置を上方向にずらす(及び又は、支持部52−2の上下方向の位置を下方向にずらす)ことにより、LED光源41の照射方向をS1の方向に調整(矯正)することができる。
【0055】
以上のように、プローブカード10(検査装置1)では、受光部W11の受光面の所定の領域に、所定の照度で光を照射することができる。受光部W11の受光面にLED光源41からの光が所定の条件で照射されるようにするためには、例えば、LED光源41の配置位置、姿勢、LED光源41に印加する電圧等により調整することができる。
【0056】
(A−2)実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0057】
(A−2−1)検査装置1では、LED光源41について、光源取付金具50を用いてプローブカード10本体(メイン基板20上の補強板30)に取り付けている。そして、LED光源41(LED光源収容部51)を支持する複数の支持部52は、ネジ61に沿って動作可能に支持されている。これにより、プローブカード10では、LED光源41の位置(すなわち、LED光源41から半導体装置W1に対する照射距離)の調整が可能となっている。
【0058】
また、光源取付金具50を構成するそれぞれ支持部52は、ネジ61に沿って別個に動作可能であるので、それぞれの支持部52の高さを調節することにより、LED光源41の姿勢(すなわち、半導体装置W1に対する照射角度)の調整が容易となっている。
【0059】
また、光源取付金具50を構成する支持部52は、ナット62、63等によりネジ61に固定されているたけであるので、脱着が容易となっている。これにより、プローブカード10のメンテナンス性が高まり、例えば、LED光源41の交換等が容易となる。
【0060】
(A−2−3)プローブカード10では、補強板30に光源取付金具50を取り付けることにより、光源取付金具50もメイン基板20を補強する機能を果たす(補強板30と同様の機能を果たす)ことになる。これにより、プローブカード10では、メイン基板20強度をさらに補強し、コンタクト時(プローブピン11を半導体装置W1に押圧したとき)の、プローブピン11の針圧の影響を少なくすることができる。例えば、コンタクト時プローブカード10では、コンタクト時のLED光源41の位置のずれを低減し、安定的にLED光源41による光照射を行うことができる。
【0061】
(B)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0062】
(B−1)上記の各実施形態では、本発明のプローブカードを、図1に示すようなプローバ及びテストヘッドを備える検査装置に搭載する例について説明したが、本発明のプローブカードを搭載する検査装置は図1のような検査装置に限定されないものである。例えば、上記の各実施形態の検査装置は、半導体ウエハ上の半導体装置を検査するものとなっているが、パッケージされた半導体装置を検査する検査装置に、本発明のプローブカードを適用するようにしてもよい。
【0063】
(B−2)上記の各実施形態では、照明部40には一つのLED光源41のみが搭載される例について説明したが、複数のLED光源41を搭載し、半導体装置に照射する光の条件を満足するようにしてもよい。例えば、照明部で搭載する光源の数や組み合わせにより、半導体装置に照射する光の照度や色を調整制御するようにしてもよい。
【0064】
また、光源取付金具50によりプローブカードに取り付けられる光源はLEDに限定されず、その他の種類の光源(例えば、蛍光ランプ等)を適用するようにしてもよい。
【0065】
(B−3)上記の実施形態の光源取付金具50では、各支持部52は、LED光源収容部51を介してLED光源41を支持しているが、支持部52を直接LED光源41に固定(例えば、接着剤やネジ等による固定)するようにしても良い。
【0066】
(B−4)上記の実施形態では、各支持部52について、支柱としてのネジ61に沿って動作可能に支持しる支持手段として、ナット62、63及びワッシャ64、65を用いているが、支持部52について支持する具体的な構成はこれに限定されないものである。
【0067】
例えば、上記の実施形態では、支持部52を2組のナット62、63及びワッシャ64、65により上下から挟み込んで支持(固定)しているが、上側のナット62及びワッシャ64については省略するようにしても良い。また、例えば、支柱(上記の実施形態ではネジ61)に横方向(メイン基板20の板面と水平となる方向)の孔を複数形成してピンを挿入し、当該孔から露出したピンにより、支持部52を上側及び又は下側から支持(固定)するようにしても良い。さらに、例えば、ナット及びワッシャの代わりに、支柱(上記の実施形態ではネジ61)を把持するクリップを、支持部52の上側及び又は下側に装着して、支持部52を上側及び又は下側から支持(固定)するようにしても良い。
【符号の説明】
【0068】
1…検査装置、2…テストヘッド、3…プローバ、3a…筺体、3b…XYZθステージ、3c…チャックトップ、10…プローブカード、11…プローブピン、11a…接触部、11b…アーム部、12…貫通孔、20…メイン基板、21…プローブ支持部、21a…本体部、21b…プローブ貫通部、21c…孔、22…貫通孔、30…補強板、31…貫通孔、40…照明部、41…LED光源、41a…発光部分、42…LED配線、50…光源取付金具、51…LED光源収,容部、…LED光源収容孔、52−1〜51−3、52…支持部52、52a…貫通孔、61、61−1〜61−3…ネジ、62、63…ナット、64、65…ワッシャ、W…半導体ウエハ、W1…半導体装置、W2…スクライブライン、W11…受光部、W12…パッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光部と電極を備える被検査体と電気的に接続するプローブカードにおいて、
上記被検査体と電気的に接続するための接触子が一方の板面上に配置された基板と、
上記被検査体に向けて光を照射することが可能な光源と、
上記光源を、上記基板に取り付けるものであって、上記光源を支持する複数の光源支持部を有する取付部材とを備え、
上記基板の上記接触子が配置されている板面と異なる板面上には、それぞれの上記光源支持部を支持するための支柱が立設されており、
それぞれの上記光源支持部は、上記支柱に沿って動作可能に支持されている
ことを特徴とするプローブカード。
【請求項2】
上記基板には、上記取付部材によって取り付けられた上記光源から発光した光を、上記受光部に照射するための導光路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
【請求項3】
上記光源支持部には、上記支柱を貫通させるための支柱貫通孔が形成されており、
それぞれの上記光源支持部は、上記支柱を上記支柱貫通孔に貫通させた状態で支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブカード。
【請求項4】
それぞれの上記光源支持部は、対応する上記支柱に付けられた2つのナットにより挟み込まれた状態で支持されていること
を特徴とする請求項3に記載のプローブカード。
【請求項5】
受光部と電極を備える被検査体とプローブカードを用いて電気的に接続して、上記被検査体に関する検査処理を行う検査装置において、
上記プローブカードとして請求項1〜4のいずれかに記載のプローブカードを適用したこと
を特徴とする検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−110367(P2013−110367A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256564(P2011−256564)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000153018)株式会社日本マイクロニクス (349)
【Fターム(参考)】