ベルトの半径方向移動を防止するガイドを備えるカーブコンベヤ
カーブコンベヤが、歯付き無端ベルトと、ベルトの一部を支持するスライダベッドとを備える。スライダベッドは、スライダベッドに沿ってベルトの進行方向に延びるレールの形態の少なくとも1つのガイドを含むことができる。ベルトの歯はそれぞれ、不連続的であり、且つ少なくとも1つのガイドを受け入れるサイズの少なくとも1つのギャップを有するため、少なくとも1つのガイドがベルトの移動中のベルトの半径方向内方移動を防止する。コンベヤは、ベルトの半径方向移動を防止するためにセンターガイドホイール又はガイドポストをさらに備えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯付きの無端ベルトと、ベルトの半径方向移動を防止するガイドとを備えるカーブコンベヤに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2006年2月8日に出願された米国仮出願第60/743,253号の利益を主張し、当該出願の全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
コンベヤは、或る場所から別の場所へ物体を移動させるベルトを備える既知の装置であり、直線区間及び曲線区間を備えることができる。カーブコンベヤでは、ベルトの内縁(すなわち、半径が小さい方の縁)の速度は、ベルトの外縁(すなわち、半径が大きい方の縁)の速度よりも遅い。
【0004】
ベルトのタイプによっては、互いに対して移動させることによってこの速度の差を補償することができる複数の連動パネル又は連動モジュールを備えるものがある。例えば、空港の手荷物引き渡しコンベヤで利用される場合が多いもの等の連動パネルは、ベルトがコンベヤの曲線区間を移動するときにベルトの内縁において互いに重なることができる。モジュラーベルトは、互いに対して摺動するか又は他の方法で移動して互いの間の空間を有効に変えることができる連動モジュールを備える。モジュラーベルトがカーブを移動するとき、ベルトの内縁ではモジュール間の空間が小さくなるが、ベルトの外縁ではモジュール間の空間が大きくなる。チェーンベルトの挙動は、チェーンベルトのリンクが互いに対して移動することができるという点を除いて、モジュラーベルトと同様である。カーブでベルトにかかる張力は、ベルトを半径方向内方に押すことにより、カーブコンベヤに沿った移動中にベルトを内方に移動させる傾向がある。連動パネルで見られるような剛性ベルトは、本質的に内方移動に抵抗する傾向があり、通常は内側半径上のガイドによって移動に対するさらなる抵抗が与えられる。チェーンベルトの場合の内方移動に対する抵抗は、スプロケットがチェーンリンクと係合することによって与えられる。
【0005】
上記のコンベヤベルトは、カーブコンベヤベルトの旋回半径を補償して内方移動の問題に何らかの解決手段を与えるが、食品業界等の特定の業界での使用には最適ではない。食品業界では、衛生及び清潔さが重要であり、流体及び屑が連結パネル、リンク、チェーン等の接合部に詰まる可能性があり、これらは衛生的に除去するのが困難である。概ね連続した平滑な上面を有する無端の熱可塑性ベルトが、食品業界での使用に好ましい。
【0006】
無端ベルトを備える1つのタイプのコンベヤは、平滑な上面及び下面を有し且つ駆動プーリとテールピース(通常はプーリ又は固定棒)との間に延びる、張力がかかった平ベルトを備える。駆動プーリとベルトとの間の摩擦が前者から後者へのトルクの伝達を可能にすることにより、ベルトの運動を引き起こす。
【0007】
摩擦駆動無端ベルトは、所望される平滑な上面を有するが、カーブコンベヤの半径方向移動に関連する上述の問題は依然として存在する。半径方向内向きの力を克服するための従来技術の解決手段は、ベルトの外縁を支持して内向きの力に対抗する案内装置又は軌走(tracking)装置を含む。これらの装置は、カーブに沿って位置決めされ、ベルトの縁に沿って等、ベルトの半径方向外方に位置付けられる。
【0008】
これらの案内装置はベルトの半径方向移動を防止する機能を果たすが、摩擦駆動無端ベルトは依然として食品業界等の業界に最適ではない。ベルトにかかる張力は、ベルトを動かすのに必要な摩擦を維持するのに必要であるため、このタイプのコンベヤは、張力及び摩擦が弱まり得るような環境ではうまく機能しない。食品業界では、食品からグリース及び排水が導入されることが、摩擦の損失をもたらすことにより、コンベヤの性能に悪影響を与える可能性がある。
【0009】
代替的に、無端ベルトを備える別のコンベヤは、平坦な上面、及び下面上の歯を有する低摩擦直結駆動(direct drive)ベルトを備える。このタイプのコンベヤは、洗浄しやすい継目のない平坦な上面を有し、摩擦駆動平ベルトに関連する張力及び摩擦の問題を克服する。歯は、ベルトと駆動スプロケットとの間の摩擦もベルトの張力も必要とせずに、駆動スプロケットのシーブと係合してベルトにトルクを伝達する。このようなコンベヤは、本明細書に全体が参照により援用される米国特許出願第60/593,493号に開示されている。しかしながら、低張力直結駆動ベルトの或る程度の半径方向移動はなおも問題となっている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるカーブコンベヤは、内縁及び外縁を有する無端ベルトを備える。外縁は、カーブの半径上でのベルトの移動に対応するように内縁よりも長い。駆動プーリが回転するように取り付けられる。ベルト又は駆動プーリが歯を有し、他方がシーブを有し、ベルトがプーリに巻き付くときに少なくとも1つの歯がシーブと駆動係合する。固定ガイドがカーブでベルトと係合して、カーブの内方へのベルトの半径方向移動に抵抗する。
【0011】
一実施の形態では、ガイドはスライダベッドのレールを備える。別の実施の形態では、ガイドはセンターガイドホイールを含む。さらなる実施の形態では、ガイドは、ベルトの内縁に沿って位置決めされる少なくとも1つのガイドポストを含む。これらはそれぞれ、単独で又は互いに組み合わせて複数あってもよい。
【0012】
好ましくは、ベルトは熱可塑性物質から形成され、ベルトは歯を有し、駆動プーリはシーブを有する。この場合、駆動プーリは円錐形である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明によるカーブコンベヤは、無端歯付きコンベヤベルトと、ベルトの半径方向移動を防止するガイドとを提供する。次に図を参照すると、図1は、例示的な中央駆動(center drive)式の設置状態の無端歯付きベルト12を備えるコンベヤ10の第1の実施形態を示す。このような意味で、「無端」は、スプライスを有するか若しくは有しない、又は連続ループを形成するように何らかの方法で端同士が接合されたベルトを意味する。ベルト12は、駆動プーリ14及び2つのアイドラ又は従動プーリ16、18に巻き付き、プーリ14、16、18はそれぞれ、各自の中心軸20、22、24を中心に回転するように取り付けられている。図示の実施形態では、駆動プーリ14は複数の歯及びシーブを備えるスプロケットだが、アイドラプーリ16、18は歯もシーブも含まない。しかしながら、プーリ14、16、18がいくつかの異なる形状及びサイズのいずれかであることは本発明の範囲内にある。ベルト12のうちアイドラプーリ16、18間の部分は、ベルト12の荷重支承用スパン又は上側スパン28を画定し、この構成では、ベルト12が矢印30の方向に進むと上側スパン28が積載物を運ぶことができる。
【0014】
ベルト12は、内縁36及び外縁38に沿って接合される上面32並びに下面34を備える。上面32と下面34との間の距離がベルト12の厚さを画定する。上面32は、非常に平滑で不連続部がなく、通常はPebax(登録商標)樹脂、ポリエステル又はポリウレタン等の熱可塑性材料でできている。ベルト12の下面34の図である図2に示すように、ベルト12は、内縁36が曲率半径R1を有し、外縁38がR1よりも大きな曲率半径R2を有するように湾曲している。側縁36、38間の半径方向距離は、ベルト12の幅すなわちR2−R1を画定し、この場合、R1は0以上の任意の値であり得る。ベルト12の曲線形状により、ベルトが駆動プーリ14によって駆動されると、ベルト12の外縁38はベルト12の内縁36よりも速く移動する。
【0015】
図2を引き続き参照すると、ベルト12は、下面34上に互いに円周方向に離間した複数の半径方向の歯40を有する。隣接する歯40間の円周方向間隔は内縁36から外縁38に向かって広くなっており、所与の半径では歯40間のピッチ若しくは円周方向間隔が一定である。歯40はそれぞれ、ベルト12の幅の少なくとも一部に延びてギャップ44によって互いに離間している複数の歯部42を備える。さらに、歯40はそれぞれ、駆動面46及び反対側の非駆動面48を備える。理想的には、各歯40は放射状の形状となる、すなわち、各面46、48は、カーブの仮想半径上に配置される。この構成にすれば、円錐形の駆動プーリが、移動の方向に関係なくベルト12を有効に駆動することが可能になる。換言すれば、ベルト12は双方向型とみなされる。
【0016】
「上」及び「下」という用語は、ベルト12の対向する面を指し、積載物を載せて運ぶ面32と、歯40を有する面34とを区別するために用いられる。ベルト12のうちアイドラプーリ16、18の一方と駆動プーリ14との間の部分等では、荷重支承面32が必ずしも「上」面とは限らず、歯付き面34が必ずしも「下」面とは限らないことが図1において明らかである。しかしながら、上側スパン28では、荷重支承面32が普通は「上」面であり、歯付き面34が「下」面である。したがって、便宜上、「上」及び「下」という用語を用いて面32、34を説明する。
【0017】
図1を再び参照すると、ベルト12の下面34の下に位置付けられるスライダベッド50が、ベルト12の上側スパン28を少なくとも部分的に支持する。スライダベッド50の斜視図である図3に示すように、スライダベッド50は、ベルト12の少なくとも一部を支持する形状及びサイズの概ね平面状の本体52を備える。図示の実施形態では、スライダベッド50は内縁54から外縁56まで延びる。外縁56において、スライダベッド50は、上方且つ半径方向内方に延びるフランジ58の形態の停止部で終わる。フランジ58は、ベッド50にアクセスするために分離可能又は取り外し可能であり得る。
【0018】
本発明の一態様によれば、スライダベッド50は、本体52上に少なくとも1つのガイド60を備える。図示の実施形態では、スライダベッド50は複数のガイド60を備えており、ガイド60はそれぞれ、本体52から上方に突出して本体52に沿ってベルトの進行方向に延びる弓形レールである。ガイド60は、空間62によって互いに半径方向に分離されており、スライダベッド50の内縁54から外縁56まで漸増する曲率半径を有する。さらに、ガイド60及び空間62は、ベルト12のギャップ44及び歯部42それぞれと噛み合うようなサイズ及び配列になっている。図4の側断面図に示すように、ベルト12がスライダベッド50に載ると、フランジ58がベルトの外縁38を受け入れ、ベルト12のギャップ44がガイド60を受け入れ、ガイド60間の空間62が歯部42を受け入れる。
【0019】
好ましくは、ギャップ44及びガイド60がほぼ同じ厚さであるか、又は代替的に、ガイド60の厚さがギャップ44の厚さよりも厚くてもよい。その結果、図5の長手方向断面図に示すように、隣接する歯40間のガイド60の区間でも、ベルト12の下面34がガイド60に載る。一実施形態によれば、ギャップ44及びガイド60はそれぞれ、ベルト12の厚さとほぼ同じ厚さである。
【0020】
ガイド60は、本体52と一体形成されてもよく、又は接着剤、ファスナ、摩擦嵌め若しくは溶接等の接合プロセス等、任意の適当な取り付け手段又はプロセスを用いて本体52に取り付けられる別個の構成部品として作られてもよい。さらに、ガイド60は、本体52と同じ材料でできていても異なる材料でできていてもよい。例えば、ガイド60及び本体52の両方が金属製若しくはポリマー製であってもよく、又は本体52及びガイド60の一方が金属製で、本体52及びガイド60の他方がポリマー製であってもよい。ガイド60の製造に用いられる例示的な材料は、超高分子量(UHMW)ポリマーである。ベルト12とガイド60との間の抗力を最小化するために、ガイド60は、比較的低い摩擦係数を有する材料でできているか又はコーティングされ得る。例えば、ガイド60は、Teflon(登録商標)としても知られているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の減摩材でコーティングされ得る。さらに、ガイド60は、ベルト12との接触面積が最小になるように設計され得る。例えば、図6に示すように、ガイド60は、図4の実施形態の平坦な上面64とは対照的な湾曲した又は窪んだ上面64を有し得る。
【0021】
次に、アイドラプーリ16又は18の斜視図である図7を参照すると、アイドラプーリ16、18はそれぞれ、主ローラ70と、主ローラ70から半径方向に延びてベルト12の歯40に対応するように空間74によって分離されている複数の部分ローラ72とを備える。図示の実施形態によれば、主ローラ70は、内縁36と外縁38とでのベルト12の異なる速度に対応するように円錐台形である。部分ローラ72の数は歯部42間のギャップ44の数と等しく、これはガイド60の数と等しい。図8の側断面図に示すように、部分ローラ72及び空間74は、ベルト12のギャップ44及び歯部42それぞれと噛み合うようなサイズ及び配列になっている。したがって、部分ローラ72は、ガイド60間の間隔と等しい距離だけ互いに離間していることになる。好ましくは、部分ローラ72それぞれの半径方向の厚さ(すなわち、主ローラ70の半径と部分ローラ72の半径との差)は、ギャップ44の厚さとほぼ等しく、又は代替的に、部分ローラ72の半径方向の厚さがギャップ44の厚さよりも厚くてもよい。この構成の結果として、隣接する歯40間の部分ローラ72の区間でも、ベルト12の下面34が部分ローラ72に載る。アイドラプーリ16、18は平滑なものとして図示されているが、アイドラプーリ16、18がベルトの歯40と係合するようになっているシーブによって離間している複数の歯を備えることは本発明の範囲内にある。
【0022】
アイドラプーリの他の構成が本発明に適応し得ることは明らかであろう。例えば、図7Aにおいて、アイドラプーリ18Aは、それぞれが単一の軸70Aを中心に別個に回転可能であると共にそれぞれが同じ直径を有する複数の個別ローラ72Aでできていてもよい。したがって、ベルトの外縁に近いローラほど、ベルトの内縁に近いローラよりも速く回転する。このように、事実上円筒形のアイドラプーリを用いることができる。この構成の利点は、曲線部分と、隣接するコンベヤとの間で、より小さな直径のより均一な移送が達成されることができることである。
【0023】
コンベヤ10のベルト12が湾曲しているため、ベルト12の速度は内縁36から外縁38にかけて異なり、駆動プーリ14はこの速度の差に対応するように適合されなければならない。駆動プーリ14をいくつかの方法で適合させることができるが、その一例を図1のコンベヤ10の実施形態に関して示す。
【0024】
図1からの駆動プーリ14が、駆動プーリ14の側面図である図9においてより明確に示されている。図9で見られるように、駆動プーリ14は円錐台形であり、内縁80及び外縁82で終わっており、内縁80の直径は外縁82よりも小さい。円錐台形である結果として、駆動プーリ14が長手方向中心軸線84を中心に回転するとき、駆動プーリ14の表面における速度は内縁80から外縁82にかけて異なる。さらに、駆動プーリ14は、半径方向シーブ86によって離間している複数の半径方向の歯88を備える。歯88は、図9に示すように駆動プーリ14の幅にわたって連続していてもよく、又はベルト12の不連続な歯40のように不連続であってもよい。内縁80又は外縁82の一方から所与の半径又は半径方向距離で、歯88又はシーブ86のピッチ若しくは円周方向間隔は一定である。駆動プーリ14からベルト12にトルクを伝達するために、駆動プーリのシーブ86は、ベルト12が駆動プーリ14に巻き付くときにベルトの歯40を受け入れ、駆動プーリの歯88の少なくとも1つが、ベルトの歯40の対応する少なくとも1つの駆動面46に当接する。駆動プーリ14及びベルト12の相対ピッチ、並びに駆動プーリのシーブ86及びベルトの歯40の相対寸法等の因子を含む、駆動スプロケット14からベルト12にトルクを伝達する例示的な駆動機構の詳細は、本明細書に全体が参照により援用される米国特許出願第60/593,493号に記載されている。駆動プーリ14がベルト12の運動を引き起こし、駆動プーリ14が円錐台形であるため、駆動プーリ14の寸法は、駆動プーリ14の速度がベルト12の必要な速度差に見合うように駆動プーリ14の表面に沿って変わるように選択され得る。
【0025】
コンベヤ10の動作中、駆動プーリ14は軸20を中心に回転し、駆動プーリのシーブ86は、上述のようにベルトの歯40と係合してベルト12にトルクを伝達する。ベルトの内縁36及び外縁38が駆動プーリの内縁80及び外縁82それぞれの近くにあるようにベルト12及び駆動プーリ14が配列されることで、駆動プーリ14の速度は、ベルト12の曲線形状に対応するように駆動プーリ14の表面に沿って変わる。駆動プーリ14がベルト12を矢印30の方向に移動させると、ベルト12はアイドラプーリ16、18に巻き付き、上側スパン28が一方のアイドラプーリ16から他方のアイドラプーリ18に向かって移動する。特に、アイドラプーリ16、18の部分ローラ72間の空間74がベルトの歯40の歯部42を受け入れ、ギャップ44が部分ローラ72を受け入れて、ベルト12がアイドラプーリ16、18に巻き付くときのベルトの半径方向内方移動を防止する。その結果、ベルト12は、アイドラプーリ16、18に滑らかに巻き付き、アイドラプーリ16、18は、ベルト12の移動がアイドラプーリ16、18の運動を引き起こせば軸22、24を中心に自由に回転できる。アイドラプーリ16、18の主ローラ70の円錐台形は、ベルト12の幅にわたるベルト12の速度差に対応する。部分ローラ72がスライダベッド50のガイド60と一致するため、ベルト12の上側スパン28が一方のアイドラプーリ16を離れると、ベルトの歯40の歯部42及びギャップ44がスライダベッド50の空間62及びガイド60それぞれと一致する。同様に、上側スパン28がスライダベッド50を離れて他方のアイドラプーリ18に近づくと、ベルトの歯40の歯部42及びギャップ44は、アイドラプーリ18の空間74及び部分ローラ72それぞれと一致する。ベルト12の上側スパン28がスライダベッド50に沿って進むと、ガイド60は、上側スパン28の移動の軌道を定めてベルト12の半径方向移動を防止する。換言すれば、ガイド60は、歯40の半径方向内方移動を阻止してベルト12を半径方向内方に引き込む力に対抗するバリケードとして有効に機能する。
【0026】
ベルト12の速度差に対応するようになっている駆動プーリ14の代替的な実施形態が、図10乃至図12に示されている。代替的な駆動プーリ90の側面図である図10の実施形態では、駆動プーリ90は、中心軸102と共に回転するように取り付けられる、直径が拡大していく複数の個別プーリ92、94、96、98、100を備える。駆動プーリ90は、任意の適当な数の個別プーリを含むことができ、図10では、例として5つの個別プーリ92、94、96、98、100を有するものとして示されている。個別プーリ92、94、96、98、100の直径が異なるため、個別プーリ92、94、96、98、100それぞれの表面は、中心軸102の回転時に異なる速度で移動し、最小の個別プーリ92は最低速度を有し、最大の個別プーリ100は最高速度を有する。したがって、駆動プーリ90及びベルト12は、個別プーリ92、94、96、98、100がベルト12の内縁36から外縁38まで最小から最大の順に配列されるような位置になっている。さらに、個別プーリ92、94、96、98、100はそれぞれ、個別プーリ92、94、96、98、100の回転軸線と概ね平行な向きの歯104及びシーブ106を備えるものとして示されている。代替的に、歯104及びシーブ106は、図9の実施形態の駆動プーリ14に関して示されるのと同様に半径方向に向いていてもよい。歯104及びシーブ106のサイズ、形状並びに向きは、個別プーリ92、94、96、98、100それぞれの幅等のサイズに基づいて決めることができる。例えば、カーブにおける互いの接触面積を最小にするように、各シーブ(又は歯)を湾曲させることができる。
【0027】
別の代替的な駆動プーリ110の側面図である図11Aの実施形態では、駆動プーリ110は、ほぼ同じ直径を有する複数の個別プーリを備える。駆動プーリ110は、任意の適当な数の個別プーリを含むことができ、図11Aでは、例として内側プーリ112及び外側プーリ114という2つの個別プーリを有するものとして示されている。内側プーリ112及び外側プーリ114はそれぞれ、各自の中心軸116、118と共に回転可能であり、シーブ122によって分離されている複数の歯120を備える。現実施形態では、歯120/シーブ122のピッチは、内側プーリ112及び外側プーリ114の両方でほぼ同じである。
【0028】
駆動プーリ110のこの実施形態では、コンベヤ10は、図11Bに示す代替的なベルト124を用い、この図はベルト124の下面図である。ベルト124は図2に示す実施形態のベルト12と同様であるが、図11Bのベルト124は歯の配列が異なる。ベルト12と同様に、ベルト124は不連続な複数の歯126を備えるが、歯126は駆動プーリ110に従って配列される。特に、歯126は歯126の組に分けて配列され、各組が個別プーリの一方に対応する。したがって、図示の実施形態では、歯126は、内側プーリ112に対応する内側組128及び外側プーリ114に対応する外側組130に分けて配列される。内側プーリ112のピッチが外側プーリ114のピッチとほぼ同じであるため、歯126の内側組128のピッチは、歯126の外側組130のピッチとほぼ同じである。ベルト124の曲率と、内側歯組128及び外側歯組130の等しいピッチに起因して、ベルト124の所与の長さでの内側組128の歯126は、外側組130の歯126よりも少ない。
【0029】
図11Aの駆動プーリ110及び図11Bのベルト124を備えるコンベヤ10の動作中、内側プーリ112及び外側プーリ114は、歯126の内側組128及び外側組130と一致する。外側プーリ114は、ベルト124の外縁の高速に対応するように内側プーリ112よりも高速で駆動される。内側プーリ112と外側プーリ114との速度の差は、これらの両方が同じピッチを有していても歯126の内側組128と外側組130とでの歯126の数に差があるため調整される。外側組130の歯126の方の数が多いことで、外側プーリ114の方が高速でベルトの外側を駆動することができる。
【0030】
内側プーリ112及び外側プーリ114はそれぞれ、内側プーリ112及び外側プーリ114の回転軸線と概ね平行な向きの歯120及びシーブ122を備えるものとして示されている。代替的に、歯120及びシーブ122は、図9の実施形態の駆動プーリ14に関して示されるのと同様に半径方向に向いていてもよい。歯120及びシーブ122のサイズ、形状及び向きは、内側プーリ112及び外側プーリ114それぞれの幅等のサイズに基づいて決めることができる。さらに、ベルト124は、図3の実施形態に関して示されるガイド60と共に利用することができる。ガイド60は、歯126のサイズ及び位置決めに対応するようなサイズ及びスライダベッド50上の配列になっている。
【0031】
別の代替的な駆動プーリ140の側面図である図12の実施形態では、駆動プーリ140は、同じ直径を有する複数の個別プーリを備える。図11Aの実施形態の駆動プーリ110の場合と同様に、駆動プーリ140は、任意の適当な数の個別プーリを含むことができ、図12では、例として内側プーリ142及び外側プーリ144という2つの個別プーリを有するものとして示されている。さらに、駆動プーリ110の場合と同様に、駆動プーリ140の内側プーリ142及び外側プーリ144はそれぞれ、各自の中心軸146、148と共に回転可能であり、シーブ152によって分離されている複数の歯150を備える。しかしながら、内側プーリ142のピッチと外側プーリ144のピッチとが異なるため、駆動プーリ140は駆動プーリ110とは異なる。現実施形態では、内側プーリ142の歯150のピッチが外側プーリ144の歯のピッチよりも小さい(すなわち、歯150間の間隔が狭い)。その結果、代替的なベルト124を用いるのではなく、ベルト12を駆動プーリ140と共に利用することができる。
【0032】
駆動プーリ140を備えるコンベヤ10の動作中、内側プーリ142及び外側プーリ144は、内側プーリ142がベルトの内縁36に近く、外側プーリ144がベルトの外縁38に近い位置等、ベルト12に対して適当な位置で配列される。外側プーリ144は、ベルト12の速度差に対応するように内側プーリ142よりも高速で駆動される。内側プーリ142と外側プーリ144とのピッチの差に起因して、内側プーリ142と外側プーリ144との速度の差が可能であり、外側プーリ144のピッチの方が大きいことで、外側プーリ144の方が高速で駆動されることができる。
【0033】
内側プーリ142及び外側プーリ144はそれぞれ、内側プーリ142及び外側プーリ144の回転軸線と概ね平行な向きの歯150及びシーブ152を備えるものとして示されている。代替的に、歯150及びシーブ152は、図9の実施形態の駆動プーリ14に関して示されるのと同様に半径方向に向いていてもよい。歯150及びシーブ152のサイズ、形状及び向きは、内側プーリ142及び外側プーリ144それぞれの幅等のサイズに基づいて決めることができる。
【0034】
スライダベッド50のガイド60に加えて、又はその代替物として、コンベヤ10は、ベルト12の軌走を容易にするためにセンターホイールガイド160を備えることができる。例示的なセンターホイールガイド160は、ベルト12及びセンターホイールガイド160の概略上面図である図13に示されている。センターホイールガイド160は、ベルト12の内縁36に隣接して位置決めされる概ね円形、楕円形、弓形又は卵形の本体である。センターホイールガイド160があることで、ベルト12の半径方向内方移動が妨げられる。センターホイールガイド160は、ベルト12が移動するときに静止していてもよく、又は回転していてもよい。
【0035】
スライダベルト50のガイド60に加えて、又はその代替物として、コンベヤ10は、ベルト12の軌走を容易にするために1つ又は複数のガイドポスト170を備えることができる。例示的なガイドポスト170は、ベルト12及びガイドポスト170の概略上面図である図14に示されている。ガイドポスト170はそれぞれ、円筒体等の概ね垂直な本体を備える。ガイドポスト170は、長手方向軸172を中心に回転可能であってもよく、又は静止していてもよい。ガイドポスト170はそれぞれ、ガイドポスト170があることでベルト12の半径方向内方移動が妨げられるようにベルト12の内縁36に隣接して位置付けられる。用いられるガイドポスト170の数は、コンベヤ10の構成に応じて決まる。例えば、ベルト12が比較的大きなターン(すなわち、約100度よりも大きなターン)を有する場合、又は中央駆動コンベヤでは、図14に例として示す3つのガイドポスト170等、複数のガイドポストを用いることができる。別の例として、ターンが比較的小さい(すなわち、約100度よりも小さなターン)場合、ガイドポストは1つしか必要とされない場合があり、ガイドポストは、例えばアイドラプーリの近くに位置決めすることができる。
【0036】
図15は、ベルト212の歯の配列の代替的な一実施形態を示す。歯214は、内縁216から外縁218まで半径方向に延びる。しかしながら、各歯214は、頂点220及びそこから延びる2つのアーム222、224を備える「V字形」である。アーム間にはリリーフ区間226が画定され、各アームは、図10に示すもの等の駆動プーリのシーブと係合するようになっている駆動面228を有する。ベルト212を逆方向に移動させる場合、駆動面が逆になることが明らかであろう。ベルト212は完全に双方向型である。
【0037】
コンベヤ10は、一対のアイドラプーリ及び1つの駆動プーリを備える中央駆動コンベヤとして図示及び上述されているが、コンベヤ10が1つの駆動プーリ及び単一のアイドラプーリに巻き付くベルト等の他の構成を有することは本発明の範囲内にある。
【0038】
本発明のコンベヤ10は、ベルトの半径方向移動を防止することに加えていくつかの利点を提供する。例えば、ベルトの予張力に少なくとも或る程度起因する大きな半径方向内向きの力がコンベヤ10では大幅に低減され、その結果、コンベヤ10のフレームをはるかに単純且つ軽量にすることができる。
【0039】
本発明は、その特定の実施形態に関連して具体的に記載されているが、これは説明のためであって、限定のためではなく、添付の特許請求の範囲は従来技術で可能な限り広義に解釈すべきであることを理解されたい。例えば、歯を駆動プーリ(及び/又は必要であればアイドラプーリ)に位置付けてもよく、シーブ又は凹部がベルトにあってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態によるスライダベッドによって支持される歯付き無端ベルトを備える中央駆動カーブコンベヤの斜視図である。
【図2】図1に示すコンベヤからのベルトの下面図である。
【図3】図1に示すコンベヤからのガイドを有するスライダベッドの斜視図である。
【図4】図1の線4−4に沿った断面図である。
【図5】図4の線5−5に沿った断面図である。
【図6】ガイドの代替的な一実施形態を示す図4と同様の断面図である。
【図7】図1に示すコンベヤからのアイドラプーリの斜視図である。
【図7A】アイドラプーリの代替的な一実施形態の斜視図である。
【図8】図1の線8−8に沿った断面図である。
【図9】図1に示すコンベヤからの駆動プーリの側面図である。
【図10】図1のコンベヤの駆動プーリの代替的な一実施形態の側面図である。
【図11A】図1のコンベヤの駆動プーリの別の代替的な実施形態の側面図である。
【図11B】図11Aの駆動プーリと共に用いられる代替的なベルトの下面図である。
【図12】図1のコンベヤの駆動プーリの別の代替的な実施形態の側面図である。
【図13】本発明の一実施形態によるベルト及びセンターホイールガイドの概略上面図である。
【図14】本発明の一実施形態によるベルト及びガイドポストの概略上面図である。
【図15】歯パターンの代替的な一実施形態を示すベルトの一部の下面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯付きの無端ベルトと、ベルトの半径方向移動を防止するガイドとを備えるカーブコンベヤに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2006年2月8日に出願された米国仮出願第60/743,253号の利益を主張し、当該出願の全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
コンベヤは、或る場所から別の場所へ物体を移動させるベルトを備える既知の装置であり、直線区間及び曲線区間を備えることができる。カーブコンベヤでは、ベルトの内縁(すなわち、半径が小さい方の縁)の速度は、ベルトの外縁(すなわち、半径が大きい方の縁)の速度よりも遅い。
【0004】
ベルトのタイプによっては、互いに対して移動させることによってこの速度の差を補償することができる複数の連動パネル又は連動モジュールを備えるものがある。例えば、空港の手荷物引き渡しコンベヤで利用される場合が多いもの等の連動パネルは、ベルトがコンベヤの曲線区間を移動するときにベルトの内縁において互いに重なることができる。モジュラーベルトは、互いに対して摺動するか又は他の方法で移動して互いの間の空間を有効に変えることができる連動モジュールを備える。モジュラーベルトがカーブを移動するとき、ベルトの内縁ではモジュール間の空間が小さくなるが、ベルトの外縁ではモジュール間の空間が大きくなる。チェーンベルトの挙動は、チェーンベルトのリンクが互いに対して移動することができるという点を除いて、モジュラーベルトと同様である。カーブでベルトにかかる張力は、ベルトを半径方向内方に押すことにより、カーブコンベヤに沿った移動中にベルトを内方に移動させる傾向がある。連動パネルで見られるような剛性ベルトは、本質的に内方移動に抵抗する傾向があり、通常は内側半径上のガイドによって移動に対するさらなる抵抗が与えられる。チェーンベルトの場合の内方移動に対する抵抗は、スプロケットがチェーンリンクと係合することによって与えられる。
【0005】
上記のコンベヤベルトは、カーブコンベヤベルトの旋回半径を補償して内方移動の問題に何らかの解決手段を与えるが、食品業界等の特定の業界での使用には最適ではない。食品業界では、衛生及び清潔さが重要であり、流体及び屑が連結パネル、リンク、チェーン等の接合部に詰まる可能性があり、これらは衛生的に除去するのが困難である。概ね連続した平滑な上面を有する無端の熱可塑性ベルトが、食品業界での使用に好ましい。
【0006】
無端ベルトを備える1つのタイプのコンベヤは、平滑な上面及び下面を有し且つ駆動プーリとテールピース(通常はプーリ又は固定棒)との間に延びる、張力がかかった平ベルトを備える。駆動プーリとベルトとの間の摩擦が前者から後者へのトルクの伝達を可能にすることにより、ベルトの運動を引き起こす。
【0007】
摩擦駆動無端ベルトは、所望される平滑な上面を有するが、カーブコンベヤの半径方向移動に関連する上述の問題は依然として存在する。半径方向内向きの力を克服するための従来技術の解決手段は、ベルトの外縁を支持して内向きの力に対抗する案内装置又は軌走(tracking)装置を含む。これらの装置は、カーブに沿って位置決めされ、ベルトの縁に沿って等、ベルトの半径方向外方に位置付けられる。
【0008】
これらの案内装置はベルトの半径方向移動を防止する機能を果たすが、摩擦駆動無端ベルトは依然として食品業界等の業界に最適ではない。ベルトにかかる張力は、ベルトを動かすのに必要な摩擦を維持するのに必要であるため、このタイプのコンベヤは、張力及び摩擦が弱まり得るような環境ではうまく機能しない。食品業界では、食品からグリース及び排水が導入されることが、摩擦の損失をもたらすことにより、コンベヤの性能に悪影響を与える可能性がある。
【0009】
代替的に、無端ベルトを備える別のコンベヤは、平坦な上面、及び下面上の歯を有する低摩擦直結駆動(direct drive)ベルトを備える。このタイプのコンベヤは、洗浄しやすい継目のない平坦な上面を有し、摩擦駆動平ベルトに関連する張力及び摩擦の問題を克服する。歯は、ベルトと駆動スプロケットとの間の摩擦もベルトの張力も必要とせずに、駆動スプロケットのシーブと係合してベルトにトルクを伝達する。このようなコンベヤは、本明細書に全体が参照により援用される米国特許出願第60/593,493号に開示されている。しかしながら、低張力直結駆動ベルトの或る程度の半径方向移動はなおも問題となっている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるカーブコンベヤは、内縁及び外縁を有する無端ベルトを備える。外縁は、カーブの半径上でのベルトの移動に対応するように内縁よりも長い。駆動プーリが回転するように取り付けられる。ベルト又は駆動プーリが歯を有し、他方がシーブを有し、ベルトがプーリに巻き付くときに少なくとも1つの歯がシーブと駆動係合する。固定ガイドがカーブでベルトと係合して、カーブの内方へのベルトの半径方向移動に抵抗する。
【0011】
一実施の形態では、ガイドはスライダベッドのレールを備える。別の実施の形態では、ガイドはセンターガイドホイールを含む。さらなる実施の形態では、ガイドは、ベルトの内縁に沿って位置決めされる少なくとも1つのガイドポストを含む。これらはそれぞれ、単独で又は互いに組み合わせて複数あってもよい。
【0012】
好ましくは、ベルトは熱可塑性物質から形成され、ベルトは歯を有し、駆動プーリはシーブを有する。この場合、駆動プーリは円錐形である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明によるカーブコンベヤは、無端歯付きコンベヤベルトと、ベルトの半径方向移動を防止するガイドとを提供する。次に図を参照すると、図1は、例示的な中央駆動(center drive)式の設置状態の無端歯付きベルト12を備えるコンベヤ10の第1の実施形態を示す。このような意味で、「無端」は、スプライスを有するか若しくは有しない、又は連続ループを形成するように何らかの方法で端同士が接合されたベルトを意味する。ベルト12は、駆動プーリ14及び2つのアイドラ又は従動プーリ16、18に巻き付き、プーリ14、16、18はそれぞれ、各自の中心軸20、22、24を中心に回転するように取り付けられている。図示の実施形態では、駆動プーリ14は複数の歯及びシーブを備えるスプロケットだが、アイドラプーリ16、18は歯もシーブも含まない。しかしながら、プーリ14、16、18がいくつかの異なる形状及びサイズのいずれかであることは本発明の範囲内にある。ベルト12のうちアイドラプーリ16、18間の部分は、ベルト12の荷重支承用スパン又は上側スパン28を画定し、この構成では、ベルト12が矢印30の方向に進むと上側スパン28が積載物を運ぶことができる。
【0014】
ベルト12は、内縁36及び外縁38に沿って接合される上面32並びに下面34を備える。上面32と下面34との間の距離がベルト12の厚さを画定する。上面32は、非常に平滑で不連続部がなく、通常はPebax(登録商標)樹脂、ポリエステル又はポリウレタン等の熱可塑性材料でできている。ベルト12の下面34の図である図2に示すように、ベルト12は、内縁36が曲率半径R1を有し、外縁38がR1よりも大きな曲率半径R2を有するように湾曲している。側縁36、38間の半径方向距離は、ベルト12の幅すなわちR2−R1を画定し、この場合、R1は0以上の任意の値であり得る。ベルト12の曲線形状により、ベルトが駆動プーリ14によって駆動されると、ベルト12の外縁38はベルト12の内縁36よりも速く移動する。
【0015】
図2を引き続き参照すると、ベルト12は、下面34上に互いに円周方向に離間した複数の半径方向の歯40を有する。隣接する歯40間の円周方向間隔は内縁36から外縁38に向かって広くなっており、所与の半径では歯40間のピッチ若しくは円周方向間隔が一定である。歯40はそれぞれ、ベルト12の幅の少なくとも一部に延びてギャップ44によって互いに離間している複数の歯部42を備える。さらに、歯40はそれぞれ、駆動面46及び反対側の非駆動面48を備える。理想的には、各歯40は放射状の形状となる、すなわち、各面46、48は、カーブの仮想半径上に配置される。この構成にすれば、円錐形の駆動プーリが、移動の方向に関係なくベルト12を有効に駆動することが可能になる。換言すれば、ベルト12は双方向型とみなされる。
【0016】
「上」及び「下」という用語は、ベルト12の対向する面を指し、積載物を載せて運ぶ面32と、歯40を有する面34とを区別するために用いられる。ベルト12のうちアイドラプーリ16、18の一方と駆動プーリ14との間の部分等では、荷重支承面32が必ずしも「上」面とは限らず、歯付き面34が必ずしも「下」面とは限らないことが図1において明らかである。しかしながら、上側スパン28では、荷重支承面32が普通は「上」面であり、歯付き面34が「下」面である。したがって、便宜上、「上」及び「下」という用語を用いて面32、34を説明する。
【0017】
図1を再び参照すると、ベルト12の下面34の下に位置付けられるスライダベッド50が、ベルト12の上側スパン28を少なくとも部分的に支持する。スライダベッド50の斜視図である図3に示すように、スライダベッド50は、ベルト12の少なくとも一部を支持する形状及びサイズの概ね平面状の本体52を備える。図示の実施形態では、スライダベッド50は内縁54から外縁56まで延びる。外縁56において、スライダベッド50は、上方且つ半径方向内方に延びるフランジ58の形態の停止部で終わる。フランジ58は、ベッド50にアクセスするために分離可能又は取り外し可能であり得る。
【0018】
本発明の一態様によれば、スライダベッド50は、本体52上に少なくとも1つのガイド60を備える。図示の実施形態では、スライダベッド50は複数のガイド60を備えており、ガイド60はそれぞれ、本体52から上方に突出して本体52に沿ってベルトの進行方向に延びる弓形レールである。ガイド60は、空間62によって互いに半径方向に分離されており、スライダベッド50の内縁54から外縁56まで漸増する曲率半径を有する。さらに、ガイド60及び空間62は、ベルト12のギャップ44及び歯部42それぞれと噛み合うようなサイズ及び配列になっている。図4の側断面図に示すように、ベルト12がスライダベッド50に載ると、フランジ58がベルトの外縁38を受け入れ、ベルト12のギャップ44がガイド60を受け入れ、ガイド60間の空間62が歯部42を受け入れる。
【0019】
好ましくは、ギャップ44及びガイド60がほぼ同じ厚さであるか、又は代替的に、ガイド60の厚さがギャップ44の厚さよりも厚くてもよい。その結果、図5の長手方向断面図に示すように、隣接する歯40間のガイド60の区間でも、ベルト12の下面34がガイド60に載る。一実施形態によれば、ギャップ44及びガイド60はそれぞれ、ベルト12の厚さとほぼ同じ厚さである。
【0020】
ガイド60は、本体52と一体形成されてもよく、又は接着剤、ファスナ、摩擦嵌め若しくは溶接等の接合プロセス等、任意の適当な取り付け手段又はプロセスを用いて本体52に取り付けられる別個の構成部品として作られてもよい。さらに、ガイド60は、本体52と同じ材料でできていても異なる材料でできていてもよい。例えば、ガイド60及び本体52の両方が金属製若しくはポリマー製であってもよく、又は本体52及びガイド60の一方が金属製で、本体52及びガイド60の他方がポリマー製であってもよい。ガイド60の製造に用いられる例示的な材料は、超高分子量(UHMW)ポリマーである。ベルト12とガイド60との間の抗力を最小化するために、ガイド60は、比較的低い摩擦係数を有する材料でできているか又はコーティングされ得る。例えば、ガイド60は、Teflon(登録商標)としても知られているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の減摩材でコーティングされ得る。さらに、ガイド60は、ベルト12との接触面積が最小になるように設計され得る。例えば、図6に示すように、ガイド60は、図4の実施形態の平坦な上面64とは対照的な湾曲した又は窪んだ上面64を有し得る。
【0021】
次に、アイドラプーリ16又は18の斜視図である図7を参照すると、アイドラプーリ16、18はそれぞれ、主ローラ70と、主ローラ70から半径方向に延びてベルト12の歯40に対応するように空間74によって分離されている複数の部分ローラ72とを備える。図示の実施形態によれば、主ローラ70は、内縁36と外縁38とでのベルト12の異なる速度に対応するように円錐台形である。部分ローラ72の数は歯部42間のギャップ44の数と等しく、これはガイド60の数と等しい。図8の側断面図に示すように、部分ローラ72及び空間74は、ベルト12のギャップ44及び歯部42それぞれと噛み合うようなサイズ及び配列になっている。したがって、部分ローラ72は、ガイド60間の間隔と等しい距離だけ互いに離間していることになる。好ましくは、部分ローラ72それぞれの半径方向の厚さ(すなわち、主ローラ70の半径と部分ローラ72の半径との差)は、ギャップ44の厚さとほぼ等しく、又は代替的に、部分ローラ72の半径方向の厚さがギャップ44の厚さよりも厚くてもよい。この構成の結果として、隣接する歯40間の部分ローラ72の区間でも、ベルト12の下面34が部分ローラ72に載る。アイドラプーリ16、18は平滑なものとして図示されているが、アイドラプーリ16、18がベルトの歯40と係合するようになっているシーブによって離間している複数の歯を備えることは本発明の範囲内にある。
【0022】
アイドラプーリの他の構成が本発明に適応し得ることは明らかであろう。例えば、図7Aにおいて、アイドラプーリ18Aは、それぞれが単一の軸70Aを中心に別個に回転可能であると共にそれぞれが同じ直径を有する複数の個別ローラ72Aでできていてもよい。したがって、ベルトの外縁に近いローラほど、ベルトの内縁に近いローラよりも速く回転する。このように、事実上円筒形のアイドラプーリを用いることができる。この構成の利点は、曲線部分と、隣接するコンベヤとの間で、より小さな直径のより均一な移送が達成されることができることである。
【0023】
コンベヤ10のベルト12が湾曲しているため、ベルト12の速度は内縁36から外縁38にかけて異なり、駆動プーリ14はこの速度の差に対応するように適合されなければならない。駆動プーリ14をいくつかの方法で適合させることができるが、その一例を図1のコンベヤ10の実施形態に関して示す。
【0024】
図1からの駆動プーリ14が、駆動プーリ14の側面図である図9においてより明確に示されている。図9で見られるように、駆動プーリ14は円錐台形であり、内縁80及び外縁82で終わっており、内縁80の直径は外縁82よりも小さい。円錐台形である結果として、駆動プーリ14が長手方向中心軸線84を中心に回転するとき、駆動プーリ14の表面における速度は内縁80から外縁82にかけて異なる。さらに、駆動プーリ14は、半径方向シーブ86によって離間している複数の半径方向の歯88を備える。歯88は、図9に示すように駆動プーリ14の幅にわたって連続していてもよく、又はベルト12の不連続な歯40のように不連続であってもよい。内縁80又は外縁82の一方から所与の半径又は半径方向距離で、歯88又はシーブ86のピッチ若しくは円周方向間隔は一定である。駆動プーリ14からベルト12にトルクを伝達するために、駆動プーリのシーブ86は、ベルト12が駆動プーリ14に巻き付くときにベルトの歯40を受け入れ、駆動プーリの歯88の少なくとも1つが、ベルトの歯40の対応する少なくとも1つの駆動面46に当接する。駆動プーリ14及びベルト12の相対ピッチ、並びに駆動プーリのシーブ86及びベルトの歯40の相対寸法等の因子を含む、駆動スプロケット14からベルト12にトルクを伝達する例示的な駆動機構の詳細は、本明細書に全体が参照により援用される米国特許出願第60/593,493号に記載されている。駆動プーリ14がベルト12の運動を引き起こし、駆動プーリ14が円錐台形であるため、駆動プーリ14の寸法は、駆動プーリ14の速度がベルト12の必要な速度差に見合うように駆動プーリ14の表面に沿って変わるように選択され得る。
【0025】
コンベヤ10の動作中、駆動プーリ14は軸20を中心に回転し、駆動プーリのシーブ86は、上述のようにベルトの歯40と係合してベルト12にトルクを伝達する。ベルトの内縁36及び外縁38が駆動プーリの内縁80及び外縁82それぞれの近くにあるようにベルト12及び駆動プーリ14が配列されることで、駆動プーリ14の速度は、ベルト12の曲線形状に対応するように駆動プーリ14の表面に沿って変わる。駆動プーリ14がベルト12を矢印30の方向に移動させると、ベルト12はアイドラプーリ16、18に巻き付き、上側スパン28が一方のアイドラプーリ16から他方のアイドラプーリ18に向かって移動する。特に、アイドラプーリ16、18の部分ローラ72間の空間74がベルトの歯40の歯部42を受け入れ、ギャップ44が部分ローラ72を受け入れて、ベルト12がアイドラプーリ16、18に巻き付くときのベルトの半径方向内方移動を防止する。その結果、ベルト12は、アイドラプーリ16、18に滑らかに巻き付き、アイドラプーリ16、18は、ベルト12の移動がアイドラプーリ16、18の運動を引き起こせば軸22、24を中心に自由に回転できる。アイドラプーリ16、18の主ローラ70の円錐台形は、ベルト12の幅にわたるベルト12の速度差に対応する。部分ローラ72がスライダベッド50のガイド60と一致するため、ベルト12の上側スパン28が一方のアイドラプーリ16を離れると、ベルトの歯40の歯部42及びギャップ44がスライダベッド50の空間62及びガイド60それぞれと一致する。同様に、上側スパン28がスライダベッド50を離れて他方のアイドラプーリ18に近づくと、ベルトの歯40の歯部42及びギャップ44は、アイドラプーリ18の空間74及び部分ローラ72それぞれと一致する。ベルト12の上側スパン28がスライダベッド50に沿って進むと、ガイド60は、上側スパン28の移動の軌道を定めてベルト12の半径方向移動を防止する。換言すれば、ガイド60は、歯40の半径方向内方移動を阻止してベルト12を半径方向内方に引き込む力に対抗するバリケードとして有効に機能する。
【0026】
ベルト12の速度差に対応するようになっている駆動プーリ14の代替的な実施形態が、図10乃至図12に示されている。代替的な駆動プーリ90の側面図である図10の実施形態では、駆動プーリ90は、中心軸102と共に回転するように取り付けられる、直径が拡大していく複数の個別プーリ92、94、96、98、100を備える。駆動プーリ90は、任意の適当な数の個別プーリを含むことができ、図10では、例として5つの個別プーリ92、94、96、98、100を有するものとして示されている。個別プーリ92、94、96、98、100の直径が異なるため、個別プーリ92、94、96、98、100それぞれの表面は、中心軸102の回転時に異なる速度で移動し、最小の個別プーリ92は最低速度を有し、最大の個別プーリ100は最高速度を有する。したがって、駆動プーリ90及びベルト12は、個別プーリ92、94、96、98、100がベルト12の内縁36から外縁38まで最小から最大の順に配列されるような位置になっている。さらに、個別プーリ92、94、96、98、100はそれぞれ、個別プーリ92、94、96、98、100の回転軸線と概ね平行な向きの歯104及びシーブ106を備えるものとして示されている。代替的に、歯104及びシーブ106は、図9の実施形態の駆動プーリ14に関して示されるのと同様に半径方向に向いていてもよい。歯104及びシーブ106のサイズ、形状並びに向きは、個別プーリ92、94、96、98、100それぞれの幅等のサイズに基づいて決めることができる。例えば、カーブにおける互いの接触面積を最小にするように、各シーブ(又は歯)を湾曲させることができる。
【0027】
別の代替的な駆動プーリ110の側面図である図11Aの実施形態では、駆動プーリ110は、ほぼ同じ直径を有する複数の個別プーリを備える。駆動プーリ110は、任意の適当な数の個別プーリを含むことができ、図11Aでは、例として内側プーリ112及び外側プーリ114という2つの個別プーリを有するものとして示されている。内側プーリ112及び外側プーリ114はそれぞれ、各自の中心軸116、118と共に回転可能であり、シーブ122によって分離されている複数の歯120を備える。現実施形態では、歯120/シーブ122のピッチは、内側プーリ112及び外側プーリ114の両方でほぼ同じである。
【0028】
駆動プーリ110のこの実施形態では、コンベヤ10は、図11Bに示す代替的なベルト124を用い、この図はベルト124の下面図である。ベルト124は図2に示す実施形態のベルト12と同様であるが、図11Bのベルト124は歯の配列が異なる。ベルト12と同様に、ベルト124は不連続な複数の歯126を備えるが、歯126は駆動プーリ110に従って配列される。特に、歯126は歯126の組に分けて配列され、各組が個別プーリの一方に対応する。したがって、図示の実施形態では、歯126は、内側プーリ112に対応する内側組128及び外側プーリ114に対応する外側組130に分けて配列される。内側プーリ112のピッチが外側プーリ114のピッチとほぼ同じであるため、歯126の内側組128のピッチは、歯126の外側組130のピッチとほぼ同じである。ベルト124の曲率と、内側歯組128及び外側歯組130の等しいピッチに起因して、ベルト124の所与の長さでの内側組128の歯126は、外側組130の歯126よりも少ない。
【0029】
図11Aの駆動プーリ110及び図11Bのベルト124を備えるコンベヤ10の動作中、内側プーリ112及び外側プーリ114は、歯126の内側組128及び外側組130と一致する。外側プーリ114は、ベルト124の外縁の高速に対応するように内側プーリ112よりも高速で駆動される。内側プーリ112と外側プーリ114との速度の差は、これらの両方が同じピッチを有していても歯126の内側組128と外側組130とでの歯126の数に差があるため調整される。外側組130の歯126の方の数が多いことで、外側プーリ114の方が高速でベルトの外側を駆動することができる。
【0030】
内側プーリ112及び外側プーリ114はそれぞれ、内側プーリ112及び外側プーリ114の回転軸線と概ね平行な向きの歯120及びシーブ122を備えるものとして示されている。代替的に、歯120及びシーブ122は、図9の実施形態の駆動プーリ14に関して示されるのと同様に半径方向に向いていてもよい。歯120及びシーブ122のサイズ、形状及び向きは、内側プーリ112及び外側プーリ114それぞれの幅等のサイズに基づいて決めることができる。さらに、ベルト124は、図3の実施形態に関して示されるガイド60と共に利用することができる。ガイド60は、歯126のサイズ及び位置決めに対応するようなサイズ及びスライダベッド50上の配列になっている。
【0031】
別の代替的な駆動プーリ140の側面図である図12の実施形態では、駆動プーリ140は、同じ直径を有する複数の個別プーリを備える。図11Aの実施形態の駆動プーリ110の場合と同様に、駆動プーリ140は、任意の適当な数の個別プーリを含むことができ、図12では、例として内側プーリ142及び外側プーリ144という2つの個別プーリを有するものとして示されている。さらに、駆動プーリ110の場合と同様に、駆動プーリ140の内側プーリ142及び外側プーリ144はそれぞれ、各自の中心軸146、148と共に回転可能であり、シーブ152によって分離されている複数の歯150を備える。しかしながら、内側プーリ142のピッチと外側プーリ144のピッチとが異なるため、駆動プーリ140は駆動プーリ110とは異なる。現実施形態では、内側プーリ142の歯150のピッチが外側プーリ144の歯のピッチよりも小さい(すなわち、歯150間の間隔が狭い)。その結果、代替的なベルト124を用いるのではなく、ベルト12を駆動プーリ140と共に利用することができる。
【0032】
駆動プーリ140を備えるコンベヤ10の動作中、内側プーリ142及び外側プーリ144は、内側プーリ142がベルトの内縁36に近く、外側プーリ144がベルトの外縁38に近い位置等、ベルト12に対して適当な位置で配列される。外側プーリ144は、ベルト12の速度差に対応するように内側プーリ142よりも高速で駆動される。内側プーリ142と外側プーリ144とのピッチの差に起因して、内側プーリ142と外側プーリ144との速度の差が可能であり、外側プーリ144のピッチの方が大きいことで、外側プーリ144の方が高速で駆動されることができる。
【0033】
内側プーリ142及び外側プーリ144はそれぞれ、内側プーリ142及び外側プーリ144の回転軸線と概ね平行な向きの歯150及びシーブ152を備えるものとして示されている。代替的に、歯150及びシーブ152は、図9の実施形態の駆動プーリ14に関して示されるのと同様に半径方向に向いていてもよい。歯150及びシーブ152のサイズ、形状及び向きは、内側プーリ142及び外側プーリ144それぞれの幅等のサイズに基づいて決めることができる。
【0034】
スライダベッド50のガイド60に加えて、又はその代替物として、コンベヤ10は、ベルト12の軌走を容易にするためにセンターホイールガイド160を備えることができる。例示的なセンターホイールガイド160は、ベルト12及びセンターホイールガイド160の概略上面図である図13に示されている。センターホイールガイド160は、ベルト12の内縁36に隣接して位置決めされる概ね円形、楕円形、弓形又は卵形の本体である。センターホイールガイド160があることで、ベルト12の半径方向内方移動が妨げられる。センターホイールガイド160は、ベルト12が移動するときに静止していてもよく、又は回転していてもよい。
【0035】
スライダベルト50のガイド60に加えて、又はその代替物として、コンベヤ10は、ベルト12の軌走を容易にするために1つ又は複数のガイドポスト170を備えることができる。例示的なガイドポスト170は、ベルト12及びガイドポスト170の概略上面図である図14に示されている。ガイドポスト170はそれぞれ、円筒体等の概ね垂直な本体を備える。ガイドポスト170は、長手方向軸172を中心に回転可能であってもよく、又は静止していてもよい。ガイドポスト170はそれぞれ、ガイドポスト170があることでベルト12の半径方向内方移動が妨げられるようにベルト12の内縁36に隣接して位置付けられる。用いられるガイドポスト170の数は、コンベヤ10の構成に応じて決まる。例えば、ベルト12が比較的大きなターン(すなわち、約100度よりも大きなターン)を有する場合、又は中央駆動コンベヤでは、図14に例として示す3つのガイドポスト170等、複数のガイドポストを用いることができる。別の例として、ターンが比較的小さい(すなわち、約100度よりも小さなターン)場合、ガイドポストは1つしか必要とされない場合があり、ガイドポストは、例えばアイドラプーリの近くに位置決めすることができる。
【0036】
図15は、ベルト212の歯の配列の代替的な一実施形態を示す。歯214は、内縁216から外縁218まで半径方向に延びる。しかしながら、各歯214は、頂点220及びそこから延びる2つのアーム222、224を備える「V字形」である。アーム間にはリリーフ区間226が画定され、各アームは、図10に示すもの等の駆動プーリのシーブと係合するようになっている駆動面228を有する。ベルト212を逆方向に移動させる場合、駆動面が逆になることが明らかであろう。ベルト212は完全に双方向型である。
【0037】
コンベヤ10は、一対のアイドラプーリ及び1つの駆動プーリを備える中央駆動コンベヤとして図示及び上述されているが、コンベヤ10が1つの駆動プーリ及び単一のアイドラプーリに巻き付くベルト等の他の構成を有することは本発明の範囲内にある。
【0038】
本発明のコンベヤ10は、ベルトの半径方向移動を防止することに加えていくつかの利点を提供する。例えば、ベルトの予張力に少なくとも或る程度起因する大きな半径方向内向きの力がコンベヤ10では大幅に低減され、その結果、コンベヤ10のフレームをはるかに単純且つ軽量にすることができる。
【0039】
本発明は、その特定の実施形態に関連して具体的に記載されているが、これは説明のためであって、限定のためではなく、添付の特許請求の範囲は従来技術で可能な限り広義に解釈すべきであることを理解されたい。例えば、歯を駆動プーリ(及び/又は必要であればアイドラプーリ)に位置付けてもよく、シーブ又は凹部がベルトにあってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態によるスライダベッドによって支持される歯付き無端ベルトを備える中央駆動カーブコンベヤの斜視図である。
【図2】図1に示すコンベヤからのベルトの下面図である。
【図3】図1に示すコンベヤからのガイドを有するスライダベッドの斜視図である。
【図4】図1の線4−4に沿った断面図である。
【図5】図4の線5−5に沿った断面図である。
【図6】ガイドの代替的な一実施形態を示す図4と同様の断面図である。
【図7】図1に示すコンベヤからのアイドラプーリの斜視図である。
【図7A】アイドラプーリの代替的な一実施形態の斜視図である。
【図8】図1の線8−8に沿った断面図である。
【図9】図1に示すコンベヤからの駆動プーリの側面図である。
【図10】図1のコンベヤの駆動プーリの代替的な一実施形態の側面図である。
【図11A】図1のコンベヤの駆動プーリの別の代替的な実施形態の側面図である。
【図11B】図11Aの駆動プーリと共に用いられる代替的なベルトの下面図である。
【図12】図1のコンベヤの駆動プーリの別の代替的な実施形態の側面図である。
【図13】本発明の一実施形態によるベルト及びセンターホイールガイドの概略上面図である。
【図14】本発明の一実施形態によるベルト及びガイドポストの概略上面図である。
【図15】歯パターンの代替的な一実施形態を示すベルトの一部の下面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続面、内縁、及びカーブの半径上でのベルトの移動に対応するように前記内縁よりも長い外縁、を有する無端の実質的に無張力のベルトと、回転するように取り付けられる駆動プーリとを備え、前記ベルト及び前記駆動プーリの一方が歯を有し、該ベルト及び該駆動プーリの他方がシーブを有し、前記ベルトが前記プーリに巻き付くときに少なくとも1つの歯がシーブと駆動係合する、カーブコンベヤであって、前記カーブで前記ベルトと係合して、該カーブの内方への前記ベルトの半径方向移動に抵抗する固定ガイドを備えることを特徴とする、カーブコンベヤ。
【請求項2】
前記ガイドはスライダベッドのレールを含む、請求項1に記載のカーブコンベヤ。
【請求項3】
前記ガイドはセンターガイドホイールを含む、請求項1又は2に記載のカーブコンベヤ。
【請求項4】
前記ガイドは、前記ベルトの前記内縁に沿って位置決めされる少なくとも1つのガイドポストを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカーブコンベヤ。
【請求項5】
前記ベルトは熱可塑性物質から形成される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカーブコンベヤ。
【請求項6】
前記ベルトは前記歯を有し、前記駆動プーリは前記シーブを有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカーブコンベヤ。
【請求項7】
前記駆動プーリは円錐形である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカーブコンベヤ。
【請求項8】
複数のレール、ガイドホイール又はガイドポストを備えることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のカーブコンベヤ。
【請求項1】
連続面、内縁、及びカーブの半径上でのベルトの移動に対応するように前記内縁よりも長い外縁、を有する無端の実質的に無張力のベルトと、回転するように取り付けられる駆動プーリとを備え、前記ベルト及び前記駆動プーリの一方が歯を有し、該ベルト及び該駆動プーリの他方がシーブを有し、前記ベルトが前記プーリに巻き付くときに少なくとも1つの歯がシーブと駆動係合する、カーブコンベヤであって、前記カーブで前記ベルトと係合して、該カーブの内方への前記ベルトの半径方向移動に抵抗する固定ガイドを備えることを特徴とする、カーブコンベヤ。
【請求項2】
前記ガイドはスライダベッドのレールを含む、請求項1に記載のカーブコンベヤ。
【請求項3】
前記ガイドはセンターガイドホイールを含む、請求項1又は2に記載のカーブコンベヤ。
【請求項4】
前記ガイドは、前記ベルトの前記内縁に沿って位置決めされる少なくとも1つのガイドポストを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカーブコンベヤ。
【請求項5】
前記ベルトは熱可塑性物質から形成される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカーブコンベヤ。
【請求項6】
前記ベルトは前記歯を有し、前記駆動プーリは前記シーブを有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカーブコンベヤ。
【請求項7】
前記駆動プーリは円錐形である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカーブコンベヤ。
【請求項8】
複数のレール、ガイドホイール又はガイドポストを備えることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のカーブコンベヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2009−525935(P2009−525935A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554502(P2008−554502)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/061855
【国際公開番号】WO2007/092928
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(507244057)サーモドライヴ エルエルシー (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/061855
【国際公開番号】WO2007/092928
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(507244057)サーモドライヴ エルエルシー (7)
【Fターム(参考)】
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