説明

ベルト式動力伝達装置の組み付け方法及び、その方法に用いられるベルト式動力伝達装置

【課題】音振動性能や耐久性能に優れ、組み付けの行い易いベルト式動力伝達装置の組み付け方法及び、その方法に用いられるベルト式動力伝達装置を提供する。
【解決手段】本発明である組み付け方法は、ポール6が設けられたケース5と、ケース5に合さるカバー7との間に、2つのプーリ1,2に掛け渡されたベルト3に、ポール6に通して固定されるガイド4が設けられたプーリアッシィPsを組み付ける方法であって、ガイド4をポール6に通してアッシィPsをケース5に組み付けた後、ポール先端6aに補助ポール8を装着するのに次いで、カバー7に形成された貫通孔H1から補助ポール8を挿入してカバー7をケース5に組み付け、更に、カバー7をケース5に組み付けた状態で貫通孔H1から突出する補助ポール8をポール先端6aから取り除いた後、貫通孔H1に閉塞部材9と共にシール部材10を組み付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ベルト式無段変速機の製造に際して用いられる、ベルト式動力伝達装置の組み付け方法及び、その方法に用いられるベルト式動力伝達装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベルト式動力伝達装置としては、例えば、2つのプーリに掛け渡された駆動ベルト(無終端バンド)に、当該無終端バンドの音振動等を抑制するためのガイド手段を設け、このガイド手段を収納空間に掛け渡した給油管(ポール)に通して当該ポールを固定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−121197号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術では、内側に凹部が形成されたケーシング側壁とそれに対向するケーシング側壁に、当該凹部と整列するように通孔(貫通孔)を形成し、当該凹部及び貫通孔にポールを嵌め込むことより、当該ポールを2つのケーシング側壁の相互間に掛け渡している。このように、ケーシングの内側に掛け渡したポールでガイド手段を保持すれば、ポールの振動も併せて抑えられるため、音振動に対する性能やポールの耐久性能に優れる。
【0005】
しかしながら、こうした構成では、ポールの先端を貫通孔から通して凹部に嵌め込まなければならないため、ポールを貫通孔に挿入した後は、ポールの先端を目視することができない。このため、ポールの先端を側壁の凹部に嵌め込む際の作業が煩雑になるという問題がある。また、実際に、ポールの先端が凹部に嵌め込まれたどうかを目視できないため、ポールの先端が誤った部分に嵌め込まれると変形や破損の虞も否定できない。
【0006】
本発明の目的とするところは、音振動性能や耐久性能に優れ、組み付けの行い易いベルト式動力伝達装置の組み付け方法及び、その方法に用いられるベルト式動力伝達装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明である、ベルト式動力伝達装置の組み付け方法は、ポールが設けられたケースと、当該ケースに合さるカバーとの間に、2つのプーリに掛け渡された無終端バンドに、ポールに通して固定されるガイド手段が設けられたプーリアッシィを組み付けるベルト式動力伝達装置の組み付け方法であって、
ガイド手段をポールに通してプーリアッシィをケースに組み付ける工程と、ガイド手段に通したポールの先端に補助ポールを装着する工程と、ケースと合さるカバーに形成された貫通孔に補助ポールを挿入しカバーをケースに組み付ける工程と、カバーをケースに組み付けた状態で前記貫通孔から突出する補助ポールをポールの先端から取り除く工程と、カバーをケースに組み付けた状態で補助ポールを取り除いた後、前記貫通孔に閉塞部材を組み付ける工程とを有することを特徴とする方法である。
【0008】
また、本発明である、ベルト式動力伝達装置は、ポールが設けられたケースと、2つのプーリに掛け渡された無終端バンドに、ポールに通して固定されるガイド手段が設けられたプーリアッシィと、ケースに合さって当該ケースとの間にプーリアッシィが配置されるカバーとを備え、
当該カバーは、ケースと合せたとき、ポールの先端が配置された状態で当該先端を目視可能な貫通孔を有し、当該貫通孔には、閉塞部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明装置によれば、閉塞部材とカバーとの間に、前記貫通孔を密閉するシール部材とを設けることが可能である。
【0010】
更に、本発明装置によれば、閉塞部材の先端には、前記貫通孔に装着したとき、補助棒の先端を保持する保持部を設けることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に従えば、カバーに形成された貫通孔からポール又はポールに装着された補助ポールを目視できるので、ポール又は補助ポールを貫通孔に挿入し易い。特に、ポールの先端に補助ポールを装着すれば、当該補助ポールがカバーをケースまで案内するため、ケースに対するカバーの取り付けも容易になる。
【0012】
更に、本発明に従えば、ケースにカバーを組み付けると、当該カバーの貫通孔にポールの先端が配置されるため、ポールが振動するような場合でも、ポールの先端がカバーの貫通孔に接触することによって当該ポールの振動は抑制される。これにより、音振動性能及び耐久性能は、ポールを片持ち支持した場合と比べて向上し、あたかもケースとカバーとの間にポールを掛け渡したときのように良好なものとなる。
【0013】
従って、本発明によれば、音振動性能や耐久性能に優れ、ベルト式動力伝達装置としての組み付けを比較的簡単に行うことができる。
【0014】
また、閉塞部材とカバーとの間に、前記貫通孔を密閉するシール部材を設ければ、密閉性能が要求されるベルト式動力伝達装置としての組み付けに有効である。
【0015】
更に、閉塞部材の先端に、当該閉塞部材を貫通孔に装着したとき、ポールの先端を保持する保持部を設ければ、ポールが貫通孔よりも小さいときも、結果的に、ポールはケースとカバーとの間に掛け渡されることになるので、ポールの振動を効率的に抑制することができる。
【0016】
更に、本発明である、プーリアッシィ収納体はそれぞれ、上述の効果を奏する各方法発明を実現するために適している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一形態であるベルト式無段変速機に採用されるプーリアッシィを模式的に示す側面図である。
【図2】本発明の方法に適したベルト式無段変速機の第1の形態を模式的に示す図1のX−X断面図である。
【図3】同形態を一部分解して示す図2の分解図である。
【図4】(a),(b)はそれぞれ、ポールの先端に補助ポールを装着するのにあたって採用される他の構造を模式的に示す拡大平面図及び、閉塞部材でポールの先端を保持するのにあたって採用される構造を模式的に示す拡大断面図である。
【図5】本発明の方法に適したベルト式無段変速機の第2の形態を模式的に示す図1のX−X断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の一形態である、ベルト式無段変速機の組み付け方法及び、その方法に用いられるベルト式無段変速機を詳細に説明する。
【0019】
1は、入力シャフトS1に一体に連結された駆動プーリである。駆動プーリ1は、入力シャフトS1の回転に応じて軸線O1周りを中心に回転する。また、駆動プーリ1は、図2に示すように、固定プーリ1aと可動プーリ1bとを有し、可動プーリ1bには、油圧アクチュエータユニット1cが接続されている。これにより、駆動プーリ1は、油圧アクチュエータユニット1cの供給油圧に応じて可動プーリ1bを入力シャフトS1に沿って移動させることで、そのプーリ幅を適宜変更させることができる。
【0020】
2は、出力シャフトS2に一体に連結された従動プーリである。従動プーリ2は、軸線O2周りを中心に回転することで出力シャフトS2を回転させる。また、従動プーリ2も、図2に示すように、固定プーリ2aと可動プーリ2bとを有し、可動プーリ2bにも、油圧アクチュエータユニット2cが接続されている。これにより、従動プーリ2も、油圧に応じて可動プーリ2bを出力シャフトS2に沿って移動させることで、そのプーリ幅を適宜変更させることができる。
【0021】
3は、無終端バンドとしてのチェーンベルトである。チェーンベルト3は、図1に示すように、駆動プーリ1と従動プーリ2との間に掛け渡されることで、駆動プーリ1と従動プーリ2とを駆動結合する。これにより、駆動プーリ1の回転は、チェーンベルト3を経て従動プーリ2に伝えられる。
【0022】
4は、チェーンベルト3の掛け渡し部分を案内・規制するガイド手段である。ガイド手段4は、図2に示すように、チェーンベルト3が貫通する開口部A1を有し、チェーンベルト3の動力伝達時における弦振動を防止する。
【0023】
プーリアッシィPsは、図1に示すように、駆動プーリ1と従動プーリ2との間に掛け渡されたチェーンベルト3にガイド手段4を組み付けることで構成される。本形態のガイド手段4は、チェーンベルト3を収納する凹部が形成された本体4aと、本体4aに固定されることで本体4aとの間に開口部A1を形成する外カバー4bからなる。これにより、ガイド手段4は、チェーンベルト3を収納した本体4aに外カバー4bをリベット接合等の方法で固定することで、チェーンベルト3に組み付けられる。
【0024】
なお、チェーンベルト3は、駆動プーリ1及び従動プーリ2をそれぞれ個別に組み付けた後、駆動プーリ1と従動プーリ2との間に掛け渡される。
【0025】
一方、図2に示す5は、プーリアッシィPsが組み付けられるケースである。ケース5の組み付け側には、ガイド手段4を保持するポール6が設けられている。7は、ケース5に組み付けられることで、このケース5との間にプーリアッシィPsの収納空間を形成するカバーである。ケース5とカバー7とは、同図に示すように、ボルトCによって一体に結合されている。
【0026】
またカバー7には、局所的に膨出させることで形作られる複数のボスBが設けられている。ボスBにはそれぞれ、後述の補助ポール8を案内にしてカバー7をケース5に組み付けたとき、ポール6の先端(以下、「ポール先端」)6aが配置される貫通孔H1が形成されている。これにより、ポール6が振動するような場合でも、ポール先端6aが貫通孔H1を形成する内周面に接触することによって、当該ポール6の振動は抑制される。
【0027】
また、図3に示す、8は、ポール先端6aに着脱可能に装着させることができる補助ポール(補助棒)である。補助ポール8は、同図に示すように、カバー7に形成した貫通孔H1を貫通させることができる。これにより、カバー7は、補助ポール8に案内されることで、ケース5に対して容易に合せることができる。また、補助ポール8の先端(以下、「補助ポール先端」)8aは、貫通孔H1を通して目視することができる。これにより、貫通孔H1に対する補助ポール8の挿入は容易なものとなる。
【0028】
9は、図2に示すように、貫通孔H1に装着され、当該貫通孔H1を塞ぐ閉塞部材である。閉塞部材9としては、例えば、本形態のように、貫通孔H1の内周面に着脱可能に締結されるボルトが挙げられる。また、10は、閉塞部材9のヘッドに形成された環状溝に嵌合すると共に、閉塞部材9とカバー7との間に配置されることで貫通孔H1を密閉するシール部材である。シール部材10としては、例えば、本形態のように、閉塞部材9を通すことができる環状のOリングが挙げられる。
【0029】
また、ポール先端6aは、補助ポール8の後端(以下、「補助ポール後端」)8bを保持する形状に形作られている。例えば、ポール先端6aを図3の領域Y1にて破線で示すように円錐状に突出させると共に、補助ポール後端8bもポール先端6aに合致するすり鉢状の窪みにする。或いは、ポール先端6aを図4(a)に示すように凸形状にすると共に、補助ポール後端8bもポール先端6aに合致する凹形状にすることができる。また、ポール先端6a及び補助ポール後端8bの関係は逆転させることができる。
【0030】
即ち、ポール先端6aで補助ポール後端8bを保持するための保持部の形状については、ポール先端6aに補助ポール後端8bを着脱可能に装着させることができるものである限り、様々な形状のものを採用することができる。
【0031】
ここで、図2,3を参照して、本発明の一形態である、ベルト式無段変速機の組み付け方法を説明する。
【0032】
本形態に係る方法では先ず、第1の工程として、図3に示すように、ケース5にポール6を組み付けて固定する。ポール6は、例えば、ケース5に凹部5nを形成し、この凹部5nに嵌合させたポール6の後端6bを圧入することにより固定する。次に、第2の工程として、ガイド手段4をポール6に通してプーリアッシィPsをケース5に組み付ける。
【0033】
プーリアッシィPsは、ガイド手段4に設けた開口部A2にポール6を通すことで、このポール6を案内にして組み付けられる。なお、このときケース5には、カバー7が組み付けられていないため、ガイド4にポール6を挿入する際の作業並びに、プーリアッシィPsをケース5に組み付ける際の作業は全て目視することができる。
【0034】
プーリアッシィPsを組み付けた後は、第3の工程として、図3に示すように、ポール後端6bに補助ポール8を装着する。補助ポール8を装着した後は、第4の工程として、図3に示すように、カバー7をケース5に組み付ける。カバー5の組み付けは、カバー7の貫通孔H1から補助ポール8を目視しながら補助ポール8を貫通孔H1に貫通させることで行う。このため、補助ポール8に対してカバー5を組み付け易い。
【0035】
補助ポール8を貫通孔H1に通した後は、当該補助ポール8を案内に、カバー7をケース5に接近させることで、カバー7をケース5に合せることができる。このため、ケース5に対するカバー7の取り付けも容易になる。
【0036】
カバー7をケース5に合せた後は、ボルトCをカバー7に通してケース5にねじ付けることでカバー7をケース5に固定する。カバー7を固定した後は、第5の工程として、カバー7をケース5に組み付けた状態で貫通孔H1から突出する補助ポール8をポール先端6aから取り除く。これにより、ベルト式無段変速機としての基本的な組み付けが完了する。
【0037】
補助ポール8を取り除いたときには、ポール先端6aは、カバー7の貫通孔H1に配置される。これにより、ポール6はあたかもケース5とカバー7との間に掛け渡されたようになるため、ポール6が振動するような場合でも、ポール先端6a付近の外周面が貫通孔H1の内周面に接触することによって、ポール6の振動を抑制することができる。
【0038】
また、補助ポール8を取り除いたとき、貫通孔H1からは、ポール先端6aが貫通孔H1にあることを目視することができる。これにより、ポール先端6aが貫通孔H1に配置されたかどうかを確認することができる。
【0039】
なお、本発明に従えば、図2に示すように、ポール6の外径(以下、「ポール軸外径」)φ1を貫通孔H1の内径(以下、「貫通孔径」)φ2と等しくすれば、ポール6の振動を最も効率的に抑制することができる。
【0040】
加えて、本形態では、貫通孔Hを封止すべく、第6の工程として、図2に示すように、補助ポール8を取り除いた後、更に、貫通孔H1に閉塞部材9を介してシール部材10を組み付ける。これにより、密閉性能が要求されるベルト式無段変速機としての組み付けを行うことができる。
【0041】
なお、ポール軸外径φ1が貫通孔径φ2よりも小さいときは、図4(b)に示すように、閉塞部材9を用いることで、ポール6を保持することも可能である。即ち、図4(b)に示す閉塞部材9は、その先端9aに、閉塞部材9を貫通孔H1に装着したとき、ポール先端6aを保持する保持部が設けられている。これにより、ポール軸外径φ1が貫通孔径φ2よりも小さいときも、ポール6は結果的にケース5とカバー7との間に掛け渡されることになることから、ポール6の振動を最も効率的に抑制することができる。なお、保持部は、図4(b)に示すように、ポール先端6aに対応して互いに相補的に合さる形状であれば、様々な形状を採用できる。
【0042】
図5は、本発明の方法に適したベルト式無段変速機の第2の形態である。本形態は、2つのポール先端6aを共通化させることで、ケース5及びカバー7に対して2つのポール6を別個に組み付けることなく、1回の作業で組み付けできるようにしたものである。本形態では、1つのポール先端6aをカバー7の貫通孔H1に通すだけで、カバー7をケース5に組み付けることができ、閉塞部材9及びシール部材10の組み付けも1回で済む。
【0043】
本発明に従えば、上述したとおり、カバー7に形成された貫通孔H1からポール6又はポール6に装着された補助ポール8を目視できるので、ポール6又は補助ポール8を貫通孔H1に挿入し易い。特に、本形態の如く、ポール先端6aに補助ポール8を装着すれば、補助ポール8がカバー7をケース5まで案内するため、ケース5に対するカバー7の合わせも容易になる。
【0044】
更に、本発明に従えば、ケース5にカバー7を組み付けると、カバー7の貫通孔H1にポール先端6aが配置されるため、ポール6が振動するような場合でも、ポール先端6aがカバー7の貫通孔H1に接触することによって、ポール6の振動は抑制される。これにより、音振動性能及び耐久性能は、ポール6を片持ち支持した場合と比べて向上し、あたかもケース5とカバー7との間にポール6を掛け渡したときのように良好なものとなる。
【0045】
従って、本発明によれば、音振動性能や耐久性能に優れ、ベルト式無段変速機としての組み付けを比較的簡単に行うことができる。
【0046】
また、本形態の如く、閉塞部材9とカバー7との間に、貫通孔H1を密閉するシール部材10を設ければ、密閉性能が要求されるベルト式無段変速機としての組み付けに有効である。
【0047】
更に、閉塞部材9の先端9aに、図4(b)に示すように、閉塞部材9を貫通孔H1に装着したとき、ポール先端6aを保持する保持部を設ければ、ポール6が貫通孔H1よりも小さいときも、結果的に、ポール6はケース5とカバー7との間に掛け渡されることになるので、ポール6の振動を効率的に抑制することができる。
【0048】
更に、上述したベルト式無段変速機はそれぞれ、上述の効果を奏する各方法発明を実現するために適している。
【0049】
上述したところは、本発明の好適な形態を示したものであるが、特許請求の範囲内において、種々の変更を加えることができる。例えば、本発明に従う無終端ベルトとしては、チェーンベルト以外に、複数の平面エレメントを連ねてなるもの等、種々のものを適用することができる。また、本発明に従えば、上述の各形態に採用された構成要素はそれぞれ、用途等に応じて適宜組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、変速を目的とした可変プーリのアッシィに限定されることなく、例えば、一定の動力伝達を行う固定プーリのアッシィを対象とした収納方法及び、その方法に適した収納体として適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 駆動プーリ
2 従動プーリ
3 チェーンベルト
4 ガイド
5 ケース
6 ポール
7 カバー
8 補助ポール
9 閉塞部材
10 シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポールが設けられたケースと、当該ケースに合さるカバーとの間に、2つのプーリに掛け渡された無終端バンドに、ポールに通して固定されるガイド手段が設けられたプーリアッシィを組み付けるベルト式動力伝達装置の組み付け方法であって、
ガイド手段をポールに通してプーリアッシィをケースに組み付ける工程と、ガイド手段に通したポールの先端に補助ポールを装着する工程と、ケースと合さるカバーに形成された貫通孔に補助ポールを挿入しカバーをケースに組み付ける工程と、カバーをケースに組み付けた状態で前記貫通孔から突出する補助ポールをポールの先端から取り除く工程と、カバーをケースに組み付けた状態で補助ポールを取り除いた後、前記貫通孔に閉塞部材を組み付ける工程とを有することを特徴とするベルト式動力伝達装置の組み付け方法。
【請求項2】
ポールが設けられたケースと、2つのプーリに掛け渡された無終端バンドに、ポールに通して固定されるガイド手段が設けられたプーリアッシィと、ケースに合さって当該ケースとの間にプーリアッシィが配置されるカバーとを備え、
当該カバーは、ケースと合せたとき、ポールの先端が配置された状態で当該先端を目視可能な貫通孔を有し、当該貫通孔には、閉塞部材が設けられていることを特徴とするベルト式動力伝達装置。
【請求項3】
請求項2において、閉塞部材とカバーとの間に、前記貫通孔を密閉するシール部材を備えることを特徴とするベルト式動力伝達装置。
【請求項4】
請求項3において、閉塞部材の先端には、前記貫通孔に装着したとき、ポールの先端を保持する保持部が設けられていることを特徴とするベルト式動力伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−236578(P2010−236578A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83141(P2009−83141)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000231350)ジヤトコ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】