説明

ベンズイミダゾール誘導体を含有する安定した薬剤組成物およびその製造方法

本発明は貯蔵安定性が優れたベンズイミダゾール誘導体含有包接複合体およびその製造方法に関し、更に詳しくは、酸不安定化合物であるベンズイミダゾール誘導体を安定化させて製剤化するためにベンズイミダゾール誘導体、シクロデキストリンと水溶性高分子をアルカリ水溶液に混合し包接反応させて包接複合体を製造することで、既存の製剤より貯蔵安定性の優れたベンズイミダゾール誘導体が含有した包接複合体およびその製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貯蔵安定性が優れたベンズイミダゾール誘導体含有包接複合体およびその製造方法に関し、更に詳しくは、酸不安定化合物であるベンズイミダゾール誘導体を安定化させて製剤化するためにベンズイミダゾール誘導体、シクロデキストリンと水溶性高分子をアルカリ水溶液に混合し包接反応させて包接複合体を製造することで、既存の製剤より貯蔵安定性の優れたベンズイミダゾール誘導体を含有する包接複合体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、胃酸分泌抑制効果を有するベンズイミダゾール誘導体は酸性および中性条件下で非常に不安定であるため変色、分解しやすい。例えば、オメプラゾールは酸性条件下で半減期が10分以内であり、pH7では14時間、pH11のアルカリ性条件下では約300日である[Pilbrant A and Cederberg C, Scand J. Gastroenterology, Suppl. 108, 113-120(1985)]。従って、ベンズイミダゾール誘導体の経口投与用製剤において、胃で分解されず小腸まで到達するようにするためには胃液と接触しないようにしなければならず、貯蔵安定性を増加するために薬物を含有するコアにアルカリ性成分が含有されるようにしなければならない。
【0003】
酸不安定化合物を安定した状態で製剤化するためには剤形の安定性に加えて、化合物自体の安定性を確保することも重要であり、製剤化工程上の安定性と投与後の体内での安定性および小腸での迅速な吸収が必ず考慮されなければならない。
【0004】
大韓民国特許公告第87−9718号では、オメプラゾールをアルカリ性物質と混合してコアを形成し、ここに水溶性内被層を形成させた後、腸溶性被覆を形成させる技術が開示されている。
【0005】
また、大韓民国特許公告第91−4579号では、アルカリ反応化合物と混合したオメプラゾールまたはアルカリ反応化合物と容易に混合できるオメプラゾールのアルカリ塩を含有したコアを1個以上の不活性内被層で被覆した後、被覆コアを腸溶性被覆で追加被覆させて経口用製剤を製造している。
【0006】
しかし、前述した方法は被覆工程が非常に複雑である上、前記剤形である水溶性内被層は経口投与された後、胃内部から腸溶皮を通して拡散された胃液により部分溶解され、胃液がコアに浸透してアルカリ性物質を溶かし、溶解されたアルカリ性物質が腸溶皮を部分的に破壊し、結局製剤が胃に滞留する間にオメプラゾールを変色、分解させるという結果をもたらすため製剤の安定性が完全に確保されたと見ることができない。
【0007】
大韓民国特許公告第96−8231号では、酸不安定化合物をシクロデキストリンを使用して安定化させ、アルカリ性物質が存在しない包接複合体を使用して経口用薬剤を製造する方法が開示されている。
【0008】
国際特許公開第1998−40069号にはシクロデキストリンおよびアミノ酸を使用してベンズイミダゾール化合物を安定化させる方法が提示されているが、ベンズイミダゾール誘導体のうちオメプラゾールの場合のみ有用であり、ランソプラゾールを始めとする別のベンズイミダゾール誘導体にそのまま適用するには多くの限界がある。
【0009】
本発明の発明者は前記特許の諸法によりランソプラゾールの包接複合体の製造を試みたが、アルカリ性溶液内で減圧濃縮した後、冷却しても析出されなかった。包接がされてもpHによる溶解度の差異により析出されない場合を考慮し、弱酸で包接混合液を中和して冷却し、固体の析出を誘導してみた。しかし、このようにして得た固体は包接複合体ではなく、また安定性試験でも良い結果を示さなかった。これはベンズイミダゾール誘導体ごとに互いに異なる置換体を有し、全体的な構造が異なるため包接率も異なるためである。
【0010】
【特許文献1】大韓民国特許公告第87−9718号
【特許文献2】大韓民国特許公告第91−4579号
【特許文献3】大韓民国特許公告第96−8231号
【特許文献4】国際特許公開第1998−40069号
【非特許文献1】Pilbrant A and Cederberg C, Scand J. Gastroenterology, Suppl. 108, 113-120(1985)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、このような構造的差異から起因する問題点を解決するために溶液状で包接反応の効率を極大化させる方法を開発する必要がある。そこで、本発明の発明者は、構造的に包接複合体を形成しづらい構造を有する薬物、即ちベンズイミダゾール誘導体に対して包接反応を促進させる方法としてシクロデキストリン溶液に水溶性高分子を添加する新規の方法を開発し、本発明を完成させるに至った。従って、本発明の目的は、貯蔵安定性の優れたベンズイミダゾール誘導体を含有する包接複合体およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ベンズイミダゾール誘導体がシクロデキストリンに包接される際に水溶性高分子が添加された貯蔵安定性の優れた包接複合体、およびその製剤をその特徴とする。
【0013】
また、本発明は、
1)ベンズイミダゾール誘導体、シクロデキストリンおよび水溶性高分子をアルカリ性水溶液に混合する段階、
2)前記混合液を約20〜100℃で攪拌した後、pHを約7.0〜11.0に調節する段階、
3)前記混合液を約0〜30℃まで冷却し、ろ過、洗浄および乾燥させて包接複合体を収得する段階
を含む貯蔵安定性が優れたベンズイミダゾール誘導体を含有する包接複合体を製造する方法もまたその特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
このような本発明を詳細に説明すると下記の通りである。
【0015】
本発明はベンズイミダゾール誘導体をシクロデキストリンを使用して安定化させるものとして、ベンズイミダゾール誘導体を水溶性高分子が含有されたアルカリ性水溶液の中で反応させるが、最終的に得られる包接複合体にはアルカリ成分が含まれていないことにその特徴がある。
【0016】
まず、本発明によるベンズイミダゾール含有包接複合体を製造する方法を詳しく説明する。
【0017】
第1段階はベンズイミダゾール誘導体、シクロデキストリンおよび水溶性高分子をアルカリ性水溶液に混合させる段階として、本発明の実施例ではランソプラゾールとオメプラゾールのみを使用しているが、その他にパントプラゾール、チモプラゾール(timoprazole)、ピコプラゾール(picoprazole)、ラベプラゾール(rabeprazole)なども本発明に含まれる。
【0018】
シクロデキストリン類は一般に、構造的に一定サイズの疎水性空洞を有しており、その空洞に疎水性化合物を包接させて外部環境から保護する機能を有する。シクロデキストリン類はその性質およびサイズによってα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンに分類されるが、本発明では前記3種類の他に数種類のシクロデキストリンが使用され、好ましくは空洞の直径が約6.0〜6.5Åであるβ−シクロデキストリン類またはその誘導体が適切である。シクロデキストリンはベンズイミダゾール誘導体1モルに対して約1.0〜5.0モル比を使用することが好ましく、更に好ましくは約2.0〜3.0モル比を使用するのが良い。万一、シクロデキストリンが1モル未満である場合、包接されない酸不安定化合物が残るという問題点があり、また、5モルを超過して使用すると反応せずに残っている過量のシクロデキストリンにより包接複合体の含量が低下するという問題点がある。
【0019】
また、本発明で使用する水溶性高分子は、反応溶液内で可溶性と安定性を増加させ、シクロデキストリンと作用して包接反応を促進させる役割を行うが、本発明で使用する水溶性高分子としてはポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリジノン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシメチルセルロース(HMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびヒドロキシプロピルエチルセルロース(HPEC)の中から選択された少なくとも1種が好ましい。また、前記水溶性高分子の含量はベンズイミダゾール誘導体100質量部に対して約0.1〜100質量部が好ましく、約1.0〜50質量部が更に好ましい。万一、水溶性高分子を0.1質量部未満で使用すると安定化効果を得られず、100質量部を超過して使用すると反応溶液の粘度が過度に上昇し包接反応が行われず、洗浄、ろ過が困難であり、包接複合体の収率が過度に低いという短所を持つ。
【0020】
また、本発明で使用するアルカリ性溶液としては、アルカリ金属類の水酸化物、無機酸または有機酸のアルカリ塩、アミン類および緩衝溶液の中から選択された1種の溶液または2種以上の混合物からなる水溶液を使用することができる。
【0021】
この時、前記アルカリ金属類の水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムまたは水酸化カルシウムを使用し、前記無機アルカリ塩はホウ酸、炭酸またはリン酸のナトリウム塩を使用し、前記有機アルカリ塩は酢酸ナトリウムまたはクエン酸ナトリウムを使用する。
【0022】
前記アミン類としてジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、イソブチルアミン、ジイソプロピルアミン、tert−ブチルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミンおよびジペンチルアミンの中から選択されたものを使用する。
【0023】
前記緩衝溶液としては炭酸塩緩衝液、リン酸塩緩衝液、アミン塩緩衝液またはホウ酸塩緩衝液を使用することが好ましい。
【0024】
第2段階は前記混合液を加熱、攪拌した後、pHを約7.0〜11.0に調節して包接複合体の析出を誘導する段階である。
【0025】
前記攪拌は約20〜100℃の範囲で行い、好ましくは40〜80℃で行う。この時、pHを約7.0〜11.0に調節するためにpKa約2.0〜10.0の領域に属する有機物質または無機物質の中から選択された1種以上を使用することが好ましく、更に好ましくはホウ酸、酢酸および塩化アンモニウムの中から選択された1種以上を使用する。もし、攪拌温度が20℃未満である場合、薬物とシクロデキストリンを溶かすために使用する溶媒の量が増え、100℃を超過すると薬物が分解するという結果をもたらすため好ましくない。
【0026】
第3段階は前記反応混合物を冷却、ろ過、洗浄および乾燥させて包接複合体を製造する段階として、前記冷却は約0〜30℃で行い、0〜10℃が好ましい。この時、冷却温度が0℃未満である場合、過剰冷却となり、包接複合体の他に不純物や包接されなかったシクロデキストリンが共に析出するという問題点があり、30℃を超過すると収得量が著しく落ちるという短所がある。また、ろ過して得られたろ過物を少量の冷水で数回洗浄し、アルカリ性成分を除去して乾燥させることで最終包接複合体を得ることができる。
【0027】
このように得られた包接複合体は原料自体の温度および湿度に対する卓越した貯蔵安定性を確保することで長期間の貯蔵が可能で、錠剤、カプセル剤などに製剤化が容易であり、生産工程中に発生し得る温度および湿度の影響にも分解されない。
【0028】
また、最終包接複合体にはアルカリ性成分が存在せず、アルカリ成分が反応媒体の役割のみを行うため、コア成分に存在する既存のアルカリ化剤とはその目的や作用自体が全く異なる。
【実施例】
【0029】
以下、本発明を下記実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0030】
(実施例1〜5)
ランソプラゾール(369mg、1mmol)とβ−シクロデキストリン(2.56g、2.2mmol)の混合物にヒドロキシプロピルメチルセルロースを下記表1のように各々20、50、100、150および200mgずつ加えた後、蒸留水30mLを加えた。この反応物に1M NaOH(1.2mL)を加えた後、50℃で6時間攪拌した。ホウ酸74mgを蒸留水2.22mLに溶かしたものを前記反応物に加えた後、50℃で10分間攪拌した。前記反応物を5℃まで冷却して18時間置いた後、生成された包接複合体を濾過して冷たい蒸留水で数回洗った。40℃で12時間真空乾燥して白色の包接複合体を各々得た。
【0031】
【表1】

【0032】
(比較例1)
ヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用しない他は、前記実施例1と同様に実施した。
【0033】
(比較例2)
ランソプラゾール(369mg、1mmol)とβ−シクロデキストリン(2.56g、2.2mmol)の混合物にヒドロキシプロピルメチルセルロース(100mg、ランソプラゾール100質量部対比27.1質量部)を加えた後、乳鉢で擂りふるいをかけてろ過した後、40℃で12時間真空乾燥して白色の混合物を得た。
【0034】
(試験例1)ランソプラゾール含有包接複合体の貯蔵安定性試験
前記実施例1〜5の包接複合体、比較例1、2の包接複合体およびランソプラゾール原料自体に対する安定性に対する安定性比較実験を60℃、75%RH下で実施した後、時間経過による初期対比含量をHPLCを利用して測定した。
【0035】
【表2】

【0036】
前記表2に表した通り、本発明による実施例1〜5の包接複合体は、比較例の包接複合体とランソプラゾールに比べて貯蔵安定性が優れていることが確認された。
【0037】
(実施例6)
オメプラゾール(345mg、1mmol)とβ−シクロデキストリン(2.56g、2.2mmol)の混合物にヒドロキシプロピルメチルセルロース(50mg、オメプラゾール100質量部対比14.5質量部)を添加した後、蒸留水30mLを加えた。この反応物に1M NaOH(1.2mL)を加えた後50℃で1時間攪拌した。ホウ酸74mgを蒸留水2.22mLに溶かしたものを前記反応物に加えた後、50℃で10分間攪拌した。前記反応物を5℃まで冷却して18時間置いた後、生成された包接複合体をろ過して冷たい蒸留水で数回洗った。40℃で12時間真空乾燥して白色の包接複合体を得た。
【0038】
(試験例2)オメプラゾール含有包接複合体の貯蔵安定性試験
前記実施例6の包接複合体およびオメプラゾール原料自体に対する安定性の比較実験を60℃、75%RH下で実施した後、時間経過による初期対比含量をHPLCを利用して測定した。



【0039】
【表3】

【0040】
前記表3に表した通り、本発明による実施例6の包接複合体の場合には貯蔵安定性が大きく向上したことが確認できた。
【0041】
(実施例7)
ランソプラゾール(369mg、1mmol)とβ−シクロデキストリン(2.56g、2.2mmol)の混合物にポリビニルピロリジノン(200mg、ランソプラゾール100質量部対比54.2質量部)を添加した後、蒸留水30mLを加えた。この反応物に1M NaOH(1.2mL)を加えた後50℃で6時間攪拌した。ホウ酸74mgを蒸留水2.22mLに溶かしたものを前記反応物に加えた後、50℃で10分間攪拌した。前記反応物を5℃まで冷却して18時間置いた後、生成された包接複合体をろ過して冷たい蒸留水で数回洗った。40℃で12時間真空乾燥して白色の包接複合体を得た。
【0042】
(実施例8)
ランソプラゾール(369mg、1mmol)とβ−シクロデキストリン(2.56g、2.2mmol)の混合物にカルボキシルメチルセルロース(50mg、ランソプラゾール100質量部対比13.6質量部)を添加した後、蒸留水30mLを加えた。この反応物に1M NaOH(1.2mL)を加えた後、50℃で6時間攪拌した。ホウ酸74mgを蒸留水2.22mLに溶かしたものを前記反応物に加えた後、50℃で10分間攪拌した。前記反応物を5℃まで冷却して18時間置いた後、生成された包接複合体をろ過して冷たい蒸留水で数回洗った。40℃で12時間真空乾燥して白色の包接複合体を得た。
【0043】
(試験例3)ランソプラゾール含有包接複合体の貯蔵安定性試験
前記実施例7、8の包接複合体およびランソプラゾール原料自体に対する安定性比較実験を60℃、75%RH下で実施した後、時間経過による初期対比含量をHPLCを利用して測定した。
【0044】
【表4】

【0045】
前記表4に表した通り、本発明による実施例7、8の包接複合体の場合には貯蔵安定性が大きく向上することが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上、前述した通り、本発明によるベンズイミダゾール誘導体含有包接複合体は原料自体の温度および湿度に対する卓越した貯蔵安定性を確保することで長期間の貯蔵が可能で、錠剤、カプセル剤などに製剤化が容易であり、生産工程中に発生し得る温度および湿度の影響にも分解されないという効果がある。また、最終包接複合体内にアルカリ性成分が存在せず、アルカリ成分が反応媒体の役割のみをするため、既存のアルカリ化剤がコア成分に存在するものとはその目的や作用自体が全く異なる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンズイミダゾール誘導体がシクロデキストリンに包接される時、水溶性高分子が添加されることを特徴とする貯蔵安定性が向上されたベンズイミダゾール含有包接複合体。
【請求項2】
前記ベンズイミダゾール誘導体が、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール(pantoprazole)、チモプラゾール(timoprazole)、ピコプラゾール(picoprazole)またはラベプラゾール(rabeprazole)の中から選択されることを特徴とする請求項1記載の包接複合体。
【請求項3】
前記ベンズイミダゾール誘導体1モルに対して約1〜5モルのシクロデキストリンを使用することを特徴とする請求項1記載の包接複合体。
【請求項4】
前記ベンズイミダゾール誘導体100質量部に対して約0.1〜100質量部の水溶性高分子を添加することを特徴とする請求項1記載の包接複合体。
【請求項5】
前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリンまたはその誘導体であることを特徴とする請求項1記載の包接複合体。
【請求項6】
前記水溶性高分子が、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリジノン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシメチルセルロース(HMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびヒドロキシプロピルエチルセルロース(HPEC)の中から選択された少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1記載の包接複合体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の包接複合体および薬剤学的に許容可能な成分が含有された製剤。
【請求項8】
錠剤またはカプセル剤の形態にあることを特徴とする請求項7記載の製剤。
【請求項9】
1)ベンズイミダゾール誘導体、シクロデキストリンおよび水溶性高分子をアルカリ性水溶液に混合する段階、
2)前記混合液を20〜100℃で攪拌した後、混合液のpHを約7.0〜11.0に調節する段階、および
3)前記混合液を約0〜30℃まで冷却し、ろ過、洗浄および乾燥させて包接複合体を製造する段階
を含むことを特徴とするベンズイミダゾール誘導体含有包接複合体の製造方法。
【請求項10】
前記アルカリ溶液が、アルカリ金属の水酸化物、無機酸または有機酸のアルカリ塩、アミン類および緩衝溶液の中から選択されることを特徴とする請求項9記載の製造方法。
【請求項11】
前記pHを、pKa約2.0〜10.0の領域に属する有機物質または無機物質の中から選択された少なくとも1種を使用して調節することを特徴とする請求項9記載の製造方法。

【公表番号】特表2007−535533(P2007−535533A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510620(P2007−510620)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001214
【国際公開番号】WO2005/110488
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(505053947)エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド (16)
【Fターム(参考)】