説明

ベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物およびその中間体の製造方法

本発明は、式(9)のベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物の製造方法ならびに該方法に使用するための式(6)の新規中間体に関する。さらに具体的には、本発明は2−メルカプト−ベンゾオキサゾールスルホンアミド中間体を使用する2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物の製造方法、さらに具体的には中間体1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル(2−メチルスルファニル−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル)カルバミン酸エステルを用いる方法、および工業規模への拡大に適する方法に関する。該ベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物は、HIVプロテアーゼ阻害剤として特に有用である。置換基は特許請求範囲中に定義されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物の製造方法ならびに該方法における使用のための新規中間体に関する。より具体的には、本発明は、2−メルカプト−ベンゾオキサゾールスルホンアミド中間体を利用する2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物の製造方法、さらに具体的には中間体1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルスルファニル−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸エステルを使用する方法、そして工業規模への拡大に適する方法に関する。該ベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物は、特にHIVプロテアーゼ阻害剤として有用である。
【背景技術】
【0002】
後天性免疫不全障害(AIDS)を引き起こすウイルスは、Tリンパ球ウイルスIII(HTLV−III)またはリンパ節症関連ウイルス(LAV)またはAIDS関連ウイルス(ARV)またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)を含むさまざまな名称で知られている。現在まで、2種の別個のファミリー、すなわちHIV−1とHIV−2が同定されている。以下では、HIVはこれらのウイルスを包括的に表すとして使用される。
【0003】
レトロウイルスの生活環における重要な経路の一つは、レトロウイルスプロテアーゼによるポリタンパク質前駆体のプロセシングである。例えば、HIVウイルスの複製サイクルの間に、gagおよびgag−pol遺伝子転写産物がタンパク質として翻訳され、それは引き続いてウイルスにコードされたプロテアーゼによりプロセシングされてウイルス酵素およびウイルスコアの構造タンパク質を産生する。最も一般的には、gag前駆タンパク質がコアタンパク質にプロセシングされそしてpol前駆タンパク質はウイルス酵素、例えば逆転写酵素およびレトロウイルスプロテアーゼにプロセシングされる。レトロウイルスプロテアーゼによる前駆タンパク質の正しいプロセシングは、感染性ビリオンの構築に必要であり、従ってレトロウイルスプロテアーゼの産生は抗ウイルス治療のための魅力的な標的である。特にHIV処置にとって、HIVプロテアーゼは魅力的な標的である。
【0004】
数種のプロテアーゼ阻害剤が上市または開発されている。ベンゾオキサゾールスルホンアミドHIVプロテアーゼ阻害剤、例えば2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドは、野生型および変異HIVウイルスに対して有利な薬理学的および薬物動態学的性質を有すると記載されている。特定のコア構造、2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドは、一般的に特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7中に記載されている方法に類似の方法を用いて製造できる。特に、2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドを製造する方法は、特許文献8に記載されている。しかし、かかる方法は一般に複雑であり、煩わしいハロスルホン化を経由し、そして商業的目的のためには不十分な収率を与えるに過ぎない。
【特許文献1】国際特許出願公開番号(WO)第95/06030号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開番号(WO)第96/22287号明細書
【特許文献3】国際特許出願公開番号(WO)第96/28418号明細書
【特許文献4】国際特許出願公開番号(WO)第96/28463号明細書
【特許文献5】国際特許出願公開番号(WO)第96/28464号明細書
【特許文献6】国際特許出願公開番号(WO)第96/28465号明細書
【特許文献7】国際特許出願公開番号(WO)第97/18205号明細書
【特許文献8】国際特許出願公開番号(WO)第02/092595号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、当該技術分野において上記の問題の少なくとも1部分を解決するような、2−アミノ ベンゾオキサゾールスルホンアミドプロテアーゼ阻害剤を製造する改善された方法への要求がある。
【0006】
本発明は、レトロウイルスウイルスプロテアーゼ阻害剤の製造、具体的には2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドの製造のための改善された方法を提供する。具体的には、本発明は、2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドの合成における前駆体として有用である式(6)の新規の中間体化合物、すなわち2−メルカプト−ベンゾオキサゾールスルホンアミドを提供する。
【0007】
【化1】

【0008】
中間体としての式(6)の化合物の使用は、2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドの広範で多岐にわたる範囲での製造を可能とし、従って、一種類の中間体から出発して広範囲のHIVプロテアーゼ阻害剤を提供する。また、以下に例示するように、本方法は好都合なスルホン化を提示しそしてその結果容易でコスト的に有利である。さらに、本発明の別の利益は、2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドプロテアーゼ阻害剤の商業的目的に受容できる収率が得られることである。本方法は、商業的に利用できる出発物質、例えば2−メルカプト−ベンゾオキサゾールを使用するという利点を有する。該方法にその外に使用される試薬は、安全でかつ大量に入手できる。さらに、該方法のそれぞれの工程は、所望の化合物を良好な収率で提供する。その上、該方法のそれぞれの工程は立体選択的に実施でき、それは、適合する場合に、光学的に純粋な出発物質および試薬を用いて該化合物の純粋な立体異性体形態の合成を可能とする。従って、本発明による方法は、工業的な規模拡大に適する。
【0009】
本発明の別の目的および利益は、記載の実施例と関連して下記の詳細説明から明らかになるであろう。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明は、式(6)
【0011】
【化2】

【0012】
〔式中、
PGは保護基を表し、
は水素またはC1−6アルキルであり、
はC3−7シクロアルキル、アリール、Het、Het、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリール、Het、もしくはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;ここでそれぞれのC3−7シクロアルキル、アリール、Het、およびHetは場合によりオキソ、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシルC1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニル、ハロゲンもしくはトリフルオロメチルから選択される1個もしくはそれより多くの基で置換されてもよく、ここでそれぞれのアミノはC1−6アルキルでモノ−もしくはジ置換されてもよく、
は水素、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、または場合によりそれぞれ独立して、アリール、Het、Het、C3−7シクロアルキル、C1−4キルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキル−S−(=O)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲンおよび場合により置換基がそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択されるモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノから選択される、1個もしくはそれより多くの置換基で置換されてもよいC1−6アルキルを含んでなる群から選択され、そしてtは0、1または2であり、
Eは求電子性部分を表す〕
の中間体およびそれらの塩、立体異性体形態、およびラセミ混合物を経由する2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドの合成のための方法を含む。
【0013】
式(6)の中間体は、式(2)
【0014】
【化3】

【0015】
〔式中、Eは上記のものと同様である〕
の化合物から出発して、式(2)の該中間体を式(3)
【0016】
【化4】

【0017】
〔式中、LGは離脱基を表す〕
のスルホニル誘導体に変換し、引き続いて該スルホニル誘導体を式(5)
【0018】
【化5】

【0019】
〔式中、PG、R、RおよびRは上記とものと同様である〕
の化合物と反応させて、式(6)
【0020】
【化6】

【0021】
の中間体化合物を得ることにより製造されてもよい。
【0022】
好ましい態様では、本発明は
a)求電子性部分(E)を式(1)
【0023】
【化7】

【0024】
の2−メルカプト−ベンゾオキサゾールとカップリングし、式(2)
【0025】
【化8】

【0026】
〔式中、Eは上記のものと同様である〕の化合物がもたらされ、
b)式(2)の該化合物をスルホン化試薬と反応させそして離脱基(LG)を導入して式(3)
【0027】
【化9】

【0028】
〔式中LGは上記のものと同様である〕の中間体がもたらされ、
c)式(3)の該中間体を式(5)
【0029】
【化10】

【0030】
〔式中、PG、R、RおよびRは上記のものと同様である〕
の化合物とカップリングして式(6)
【0031】
【化11】

【0032】
の化合物を得て、
d)次いで式(6)の化合物をアミノ化して式(7)
【0033】
【化12】

【0034】
〔式中、
は水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、Het1−6アルキル、Het1−6アルキル、アミノC1−6アルキル(ここで、アミノ基は場合によりC1−4アルキルでモノ−もしくはジ置換されてもよい)であり、
は水素、C1−6アルキル、または−A−Rであり、
AはC1−6アルカンジイル、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)−、C1−6アルカンジイル−C(=O)−、C1−6アルカンジイル−C(=S)−またはC1−6アルカンジイル−S(=O)−であり、ここで窒素原子への結合点は該基を含むそれらの部分内のC1−6アルカンジイル基であり、
はC1−6アルキルオキシ、Het、Hetオキシ、Het、Hetオキシ、アリール、アリールオキシ、C3−7シクロアルキル、または場合によりモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノであり、そして
−A−がC1−6アルカンジイル以外の場合には、RはC1−6アルキル、Het1−4アルキル、HetオキシC1−4アルキル、Het1−4アルキル、HetオキシC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アリールオキシC1−4アルキルまたはアミノ−C1−6アルキルであり;ここでRの定義におけるアミノ基のそれぞれは場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アリール、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、Het、Het、アリールC1−4アルキル、Het1−4アルキルもしくはHet1−4アルキルから選択される1個もしくはそれより多くの置換基で置換されていてもよく、そして
−A−RもヒドロキシC1−6アルキルであってもよく、そして
および−A−Rはそれらが結合している窒素原子と一緒になってHetまたはHetを形成してもよい〕
の化合物の2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドを得て、
e)式(7)の化合物を脱プロトン化して式(8)
【0035】
【化13】

【0036】
の化合物の2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドを得て、
f)式R−L−の基をカップリングして式(9)
【0037】
【化14】

【0038】
〔式中、Rは水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、アリール、Het、Het1−6アルキル、Het、Het1−6アルキルを含んでなる群から選択され;そしてRは式(10)
【0039】
【化15】

【0040】
の基であってもよく、
、R10aおよびR10bは、それぞれ独立して、水素、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは場合によりアリール、Het、Het、C3−7シクロアルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルS(O)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲンまたは場合によりモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノ(ここ
で置換基がそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択される)により置換されてもよいC1−4アルキルであり;ここでR、R10aおよびそれらが結合している炭素原子はC3−7シクロアルキル基を形成してもよく、
Lが−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−または−NR12−C1−6アルカンジイル−C(=O)−の場合には、Rはオキソであってもよく、
11aは水素、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、アリール、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノカルボニル、場合によりモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノC1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、Hetオキシカルボニル、Hetオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルC1−4アルキル、アリールC1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、C3−7シクロアルキルカルボニル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキルオキシカルボニル、C3−7シクロアルキルカルボニルオキシ、カルボキシC1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルカルボニルオキシ、アリールC1−4アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、Hetカルボニル、Hetカルボニルオキシ、Het1−4アルキルオキシカルボニル、Hetカルボニルオキシ、Het1−4アルキルオキシカルボニルオキシ、Het1−4アルキルオキシカルボニルオキシまたは場合によりアリール、アリールオキシ、Hetもしくはヒドロキシで置換されてもよいC1−4アルキルを含んでなる群から選択され、ここでアミノ基への置換基はそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択され、
11bは水素、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、アリール、Het、Hetまたは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルS(=O)、アリール、C3−7シクロアルキル、Het、Het、場合により置換基がそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択されるモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノ、により置換されてもよいC1−4アルキルを含んでなる群から選択され、
ここでR11bはスルホニル基を介して分子の残部と結合してもよく、
Lは−C(=O)−、−O−C(=O)−、−NR12−C(=O)−、−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−、−NR12−C1−6アルカンジイル−C(=O)−、−S(=O)−、−O−S(=O)−、−NR12−S(=O)−を含んでなる群から選択され、ここでC(=O)基もしくはS(=O)基のいずかがNR部分に結合し;ここでC1−6アルカンジイル部分は場合によりヒドロキシ、アリール、Het、およびHetから選択される置換基で置換されてもよく、そして
12は水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、アリール、Het、Het1−6アルキル、Het、Het1−6アルキルである〕
の相当する2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミド プロテアーゼ阻害剤を得る工程を含んでなる、式(9)の2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドの合成方法に関する。
【0041】
さらに好ましい態様では、本発明は、
a)式(1)
【0042】
【化16】

【0043】
の2−メルカプト−ベンゾオキサゾールをアルキル化して式(2)
【0044】
【化17】

【0045】
〔式中、EはC1−6アルキル、好ましくはメチルである〕
の2−アルキルチオ−ベンゾオキサゾールをもたらし、
b)式(2)の2−アルキルチオ−ベンゾオキサゾールをスルホン化剤と反応させそして離脱基(LG)を導入して式(3)
【0046】
【化18】

【0047】
の中間体をもたらし、
c)式(3)の該中間体を式(5’)
【0048】
【化19】

【0049】
〔式中、Rは水素、Rはベンジル、そしてRはイソブチルである〕
の化合物とカップリングして、式(6’)
【0050】
【化20】

【0051】
の中間体を得て
d)次いで式(6’)の化合物をアミノ化して式(7’)
【0052】
【化21】

【0053】
〔式中、RおよびRは上記のものと同様である〕
の化合物の2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドを得て、
e)式(7’)の化合物を脱保護して式(8’)
【0054】
【化22】

【0055】
の化合物の2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドを得て、
f)式(9’)
【0056】
【化23】

【0057】
〔式中、RおよびLは上記のものと同様である〕
の相当する2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドプロテアーゼ阻害剤を得るために式R−L−の基をカップリングさせる
工程を含んでなる、式(9’)の2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドの合成方法に関する。
【0058】
さらに好ましい態様では、該RはHet、またはHet1−6アルキルであり、Lは−O−C(=O)−であり、そしてRは水素であり、下記の式(9”)
【0059】
【化24】

【0060】
に示すものである。
【0061】
式(1)の化合物
式(1)の化合物である2−メルカプト−ベンゾオキサゾールは市場で利用出来る供給先から直接購入してもよく、または当該技術分野で利用できる手順で製造してもよい。
【0062】
【化25】

【0063】
式(2)の化合物
2−メルカプトベンゾオキサゾール、すなわち式(1)の化合物は適切な試薬と反応させて求電子部分(E)を導入し、それを−S−原子と共にチオールに基づく離脱基(−S−E)を形成する。
【0064】
【化26】

【0065】
該試薬は、式(1)の化合物のチオール(またはメルカプトまたはスルフヒドリル)の硫黄原子と反応して新規の炭素−硫黄結合を形成しそれによりチオールエーテル結合を創成し、これによりチオールに基づく離脱基(−S−E)をもたらすことが可能な求電子部分(E)を反応物に提供できるあらゆる物質である。
【0066】
「離脱基」という用語は、適切な求核物質との反応の際に置換できる原子または原子の群である。かかる離脱基は、当該技術分野では周知である。「求電子部分」という用語は
、求電子試薬の電子不足中心を記述するために使用される。
【0067】
求電子部分を導入するために好ましい求電子試薬は、ハロゲン化C1−6アルキル、例えばヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化n−プロピル、ヨウ化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化n−プロピル、および臭化ペンチル;ハロゲン化シクロC3−7アルキル、例えば臭化シクロヘキシル、および臭化シクロペンチルメチル;ハロゲン化アリール−C1−4アルキル、例えば臭化2−ブロモベンジル、および塩化2−ブロモベンジルなど;硫酸ジ−C1−6アルキル、例えば硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、および硫酸ジ−n−プロピル;スルホン酸C1−6アルキル、例えばメタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸n−プロピルなど;スルホン酸アリール;トルエンスルホン酸C1−6アルキル、例えばp−トルエンスルホン酸メチル;などを含み、これらに限定はされないアルカル化試薬である。求電子試薬のその他の例には、酢酸無水物、塩化トリメチルアセチル、酪酸無水物、塩化メチルスクシノイル、塩化t−ブチルスクシノイル、二炭酸ジエチル、二炭酸ジメチル、塩化ベンゾイル、アセチルアセトキシ誘導体、ハロアセトアミド誘導体、などが含まれる。その他の求電子試薬には、エポキシド、オキセタン、アジリジン、アゼチオジン、エピスルフィド、マレイミド、2−オキサゾリン−5−オン、N−ヒドロキシスクシンイミド、メシラート、トシラート、ノシラート、ブロシラート(brosylate)、イソチオシアナート、電子不足芳香族環、例えばニトロ置換ピリミジン環などの誘導体が含まれる。最も好ましい求電子試薬は、C1−6アルキル化剤である。殊に好適なC1−6アルキル化剤は、慣用の溶剤に溶けるヨウ化メチルである。あるいはエチルトシラートをC1−6アルキル化剤として使用してもよい。
【0068】
さらに別の態様では、求電子試薬は、求電子試薬Sと例えば電子不足アルケンとの反応の際に、付加反応が起き、共有結合の形成に導く基、例えばα,β−不飽和カルボニル、ビニルスルホンであってもよい。
【0069】
求電子部分(E)の導入は、慣用の非求核性有機または無機塩基の存在下で実施される。それらには、例えば、アルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコラート、酢酸塩、炭酸塩もしくは炭酸水素塩、またはアルカリ金属水素化物、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウムもしくは水素化カルシウム、および金属アミド、例えばナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドもしくはカリウムヘキサメチルジシラジド、および金属アルカン、例えばナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウム−t−ブチラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、もしくは炭酸アンモニウム、および塩基性有機窒素化合物、例えばトリアルキルアミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−ベンジルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,4−ジアゾビシクロ〔2.2.2〕−オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−ノナ−5−エン(DBN)、もしくは18−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エン(DBU)、または過剰量の適当なピペリジン化合物を使用してもよい。塩基は、好ましくは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムC1−6アルコキシド(例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど)、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、水素化ナトリウム、トリエチルアミンなどである。
【0070】
求電子部分(E)の導入に使用される適切な溶剤には、反応を妨害しないあらゆるものが含まれ、例えば脂肪族、脂環式または芳香族で、場合によりハロゲン化されている炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタ
ン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、またはエチレングリコールジメチルエーテルまたはエチレングリコールジエチルエーテル;ケトン、例えばアセトン、ブタノン、またはメチルイソブチルケトン;ニトリル、例えばアセトニトリル、プロピオニトリルまたはベンゾニトリル;アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリドン、またはヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル、例えば酢酸メチルまたは酢酸エチル;スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド;アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−もしくはi−プロパノール、n−、i−、s−もしくはt−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル;またはそれら溶剤の混合物である。好ましくは、アルキル化反応は適切な非プロトン性溶剤、例えばジメチルホルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド;エーテル、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチル t−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン;またはエステル、例えば酢酸エチル、またはそれらの混合物中で実施される。
【0071】
一つの態様では、求電子性部分の導入は、C1−6アルキル化反応で例示され、それは約−30℃〜約180℃の範囲内の温度、好ましくは約10℃〜約70℃の温度、さらに好ましくは約10℃〜約55℃の温度、それよりさらに好ましくは約15℃〜約40℃の温度で好適に実施され、室温が最も好ましい。
【0072】
2−メルカプトベンゾオキサゾールとC1−6アルキル化剤との当量の比は、それぞれ1:1〜1:5の範囲であることができる。好ましくは、2−メルカプトベンゾオキサゾールとC1−6アルキル化剤との当量の比が1:1〜1:2であり、さらに好ましくは比がほぼ1:1.1である。2−メルカプトベンゾオキサゾールと塩基との当量の比は、1:1〜1:5の範囲であることができ、好ましくは、当量の比は1:1.1〜1:2の範囲であり、さらに好ましくは比がほぼ1.3である。
【0073】
本発明の一つの態様では、アルキル化反応はヨウ化メチル1.1当量、炭酸カリウム1.3当量および酢酸エチルの存在下、室温、そして約24時間攪拌して実施される。
【0074】
別のアルキル化反応はグリニャール試薬の使用を包含する。アルキル化反応は、さらにOrganic Synthesis,第31巻、90〜93ページ、John Wiley & Sons,Inc.,New York,New Yorkにさらに記載されている。
【0075】
式(3)の化合物
式(3)のスルホニル誘導体は、下記のスキームに示されるようにして製造される。
【0076】
【化27】

【0077】
式(2)の中間体のスルホン化は、いずれの慣用の既知方法により実施してもよい。本明
細書中に使用される場合に、「スルホン化」という用語は、スルホニル部分−SO−を分子内に導入する方法を意味する。
【0078】
典型的なスルホン化剤は、メタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、スルホニルクロリド、濃硫酸(約70%またはそれ以上の硫酸がさらに好ましい)、無水硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、スルホン化ピリジン塩、スルファミン酸、アミド硫酸、フルオロ硫酸、クロロ硫酸、三酸化硫黄、硫黄蒸気、硫酸、オリウム、および求電子芳香族置換に通常使用されるスルホン化剤であり、それらは単独または2種またはそれ以上の組み合わせで使用できる。
【0079】
スルホン化には、同時またはその後に離脱基(LG)の挿入がおこなわれ、LG−SO−部分が形成される。あるいは、スルホン化剤はすでに組み込まれた離脱基を有する。離脱基の挿入のための試薬は、ハロゲン化剤、例えば、三塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル、臭化リン、塩化アセチル、クロロギ酸メチル、メタンスルホニルオキシクロリドまたはオキシドである。
【0080】
適当な離脱基(LG)には、アルコキシカルボニル基、例えばエトキシカルボニル;ハロゲン、例えばヨウ素、臭素または塩素、フッ素;置換もしくは非置換で飽和もしくは不飽和のチオラート、例えばチオメチルもしくはチオフェニル;置換もしくは非置換で飽和または不飽和のセレニノ化合物、例えばセレン化フェニルまたはセレン化アルキル;または−OR(ここでRは置換もしくは非置換で飽和もしくは不飽和のアルキル基、例えばC1−6アルキルもしくはアルケニル基、例えばメチルである);置換もしくは非置換の脂肪族もしくは芳香族アシル基、例えばC1−6アルキル脂肪族アシル基、例えばアセチルおよび芳香族アシル基、例えばベンゾイル;置換もしくは非置換で飽和もしくは不飽和のアルコキシカルボニル基、例えばメチルカルボナートおよびフェニルカルボナート;置換もしくは非置換のスルホニルイミダゾリド;置換もしくは非置換のカルボニルイミダゾリド;置換もしくは非置換の脂肪族もしくは芳香族アミノカルボニル基、例えばカルバミン酸フェニル;置換もしくは非置換のアルキルイミダート基例えばトリクロロアセトアミダート;置換もしくは非置換で飽和もしくは不飽和のホスフィノイル、例えばジエチルホスフィノイル;置換もしくは非置換の脂肪族もしくは芳香族スルホニル基、例えばトシラートが含まれる。好ましい離脱基は、ハロゲン原子、例えばブロモ、フルオロおよびクロロ、さらに好ましくはクロロである。
【0081】
スルホン化剤を用いる式(2)の化合物の処理は、加熱(ほぼ25℃〜250℃の間、好ましくは70℃〜100℃の間)および攪拌の下で実施できる。スルホン化処理の後、かくして得られたスラリーから溶剤および残留するあらゆるスルホン化剤を除去する。この除去は、反復される水洗浄、限外濾過、逆浸透、遠心分離、および/または濾過などにより達成される。
【0082】
スルホン化ベンゾオキサゾールの製造に適用できるスルホン化操作は、「スルホン化および関連反応」(“Sulfonation and Related Reactions” by E.E.Gilbert,R.E.Krieger Publishing Co.Huntington,N.Y.(1977))、「芳香族スルホン化および脱スルホン化の機械学的観点」(“Mechanistic Aspects of Aromatic Sulfonation and Desulfonation” by H.Cerfontain, Interscience Publishers,NY(1968)、および米国特許(US)第6455738号明細書「芳香族化合物のスルホン化の方法」中にも見いだせ、これらはすべて引用することにより本明細書中に編入される。
【0083】
殊には、ハロスルホニルベンゾオキサゾールは、適切なグリニャールもしくはアルキルリチウム試薬と塩化スルフィリルとの反応、または二酸化硫黄との反応、引き続くハロゲン、好ましくは塩素を用いる酸化により製造できる。また、チオールは、注意して制御された条件下で水の存在下で塩素を用いて塩化スルホニルへ酸化してもよい。さらにスルホン酸は、PClのような試薬を用いてハロゲン化スルホニルに、また適切な脱水剤を用いて無水物に転換してもよい。ここで、スルホン酸は、当該技術分野で周知の方法を用いて製造してもよい。かかるスルホン酸は市場でも入手できる。
【0084】
あるいは、式(3)の2−アミノクロロスルホニルベンゾオキサゾール誘導体は、欧州特許(EP)第0445926号明細書中に記載の方法に従って製造してもよい。
【0085】
同様の方法は、4、5、6、および7位におけるベンゾオキサゾール誘導体のスルホン化に使用してもよい。しかし、式(2)のベンゾオキサゾール誘導体のC−6位上のスルホニル基の置換が好ましく、これを下記の式(3”’)に示す。
【0086】
【化28】

【0087】
好都合には、式(2)の化合物とスルホン化剤の間の当量の比は、それぞれ1:2〜1:8の範囲内にある。好ましくは、式(2)の化合物とスルホン化剤の間の当量の比は、1:3〜1:5であり、さらに好ましくは、比はほぼ1:4.3である。式(2)の化合物と適当な離脱基カップリング剤との間の当量の比は、それぞれ1:1〜1:5の範囲内にある。好ましくは、式(2)の化合物と適当な離脱基カップリング剤との間の当量の比は1:1.1〜1:3であり、さらに好ましくはほぼ1:1.2である。
【0088】
本発明の態様において、スルホン化反応は、クロロスルホン酸約4.27当量、塩化チオニル1.2当量および酢酸エチルの存在下で実施され、それは窒素下でクロロスルホン酸を攪拌し、温度60℃以下で式(2)の化合物を加え、約85℃で一晩攪拌し、65℃以下に冷却し、そして塩化チオニル1.2当量を加えそして一晩約65℃で攪拌する。
【0089】
一つの態様では、ハロゲン化剤は塩化スルホニルであり、式(3’)の塩化スルホニルがもたらされ、ここでEは上記に定義された基から選択される。
【0090】
【化29】

【0091】
ある好ましい態様では、中間体を50〜130℃の温度でジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどの有機溶剤中でまたは有機溶剤を用いないでクロロスルホン酸2.5〜5.0当量の存在下で反応させることによる式(2)の化合物のクロロスルホン化である。また。該反応において、E部分に依存して変化するけれども、2−置換スルホン酸は混合物の形で2−置換スルホニルクロリド(式3’)と共に製品として得られる。単離工程を経ないで、混合物は、好ましくはSOClの塩素化剤で処理されて2−置換スルホニルクロリド(式3’)のみが得られる。あるいは、混合物は、再結晶により単離されて純粋の2−置換スルホン酸が得られ、次いでそれはSOClの塩素化剤で処理されて2−置換フルホニルクロリド(式(3’))に変換される。
【0092】
一つの態様では、式(3)のスルホニル誘導体は式(3”’)の化合物であり、ここでEおよびLGは上記に定義された基から選択される。
【0093】
【化30】

【0094】
式(5)の化合物
式(5)の化合物は、式(4)のエポキシド含有化合物を適切な溶剤系の存在下でアミノ化して得てもよい。式(4)の化合物は、追加してアミノ部分を保護するための保護基部分(PG)を包含する。
【0095】
【化31】

【0096】
式(4)の化合物は、文献中で利用できる数種の方法、例えば国際特許出願公開(WO)第95/06030号明細書(引用することにより本明細書に編入される)中に記載のようにして製造されてもよい。
【0097】
本明細書中で使用される場合に「アミノ化」という用語は、アミノ基または置換されたアミノ基がある有機分子中に導入される過程を称する。エポキシドのアミノ化は、例えばMarch,Advanced Organic Chemistry 368−69(第三版,1985)およびMcManus et al.,3 Synth.Comm.177(1973)(引用することにより本明細書に編入される)中に記載されている。好適には、式(5)の化合物は、国際特許出願公開(WO)第97/18205号明細書中に記載の手順に従って製造されてもよい。
【0098】
反応に使用されるアミノ化剤には、アンモニア、アンモニア発生化合物または有機アミンが含まれる。アンモニア発生化合物は、その熱分解によりアンモニア気体を発生する無機化合物である。かかる無機化合物には、炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウムなどが含まれる。有機化合物には、第一級アミンまたは第二級アミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、ブチルアミン、エタノールアミン、ジアルキルアミン、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプピルアミン、ジエタノールアミン、メチルエチルアミン、シクロヘキシルアミン、アミノピリジン、アニリン、メチルアニリン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、イソプロピルアニリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジプロピルアニリン、メチルエチルアニリン、メチルプロピルアニリンなどが含まれる。第三級アミンは、強力な塩基性イオン交換基を導入するために同様に使用されてもよく、そして、例えば、トリアルキルアミン、例えばトリメチルアミンもしくはトリエチルアミン、またはトリエタノールアミンであってもよい。ジアミンも有用であり、例えばアルキレンジアミン、好ましくは1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンまたは1,6−ジアミノヘキサンである。好ましいアミノ化剤は、ポリアミンまたはオリゴアミン、例えばH−(NH−CH2−CH2)−NH2であり、ここでqは1〜10の数字である。別の好ましいアミノ化剤は、イソブチルアミンである。
【0099】
適切な溶剤系には、プロトン性、非プロトン性および二極性非プロトン性有機溶剤、例えば、溶剤がアルコールであるもの、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、など、エーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサンなど、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびそれらの混合物が含まれる。好ましい溶剤はイソプロパノールである。
【0100】
式(4)の化合物は、追加してアミノ保護基を含んでなる。本明細書中に使用される場合の「アミノ保護基」という用語は、合成操作の間の望ましくない副反応に対してアミノ官能性を遮断または保護するために通常使用されるアミノ基上の1個またはそれ以上の選択的に取外し可能な置換基を称し、すべての慣用的なアミノ保護基を含む。アミノ保護基の例には、ウレタン遮断基、例えばt−ブトキシ−カルボニル(“Boc”)、2−(4−ビフェニリル)プロピル(2)オキシカルボニル(“Bpoc”)、2−フェニルプロピル(2)オキシカルボニル(“Poc”)、2−(4−キセニル)イソプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、1,1−ジフェニルエチル(1)−オキシカルボニル、1,1−ジフェニルプロピル(1)オキシカルボニル、2−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピル(2)−オキシカルボニル(“Ddz”)、2−(p−5−トルイル)プロピル(2)オキシカルボニル、1−メチルシクロペンタニルオキシカルボニル、シクロヘキサニルオキシカルボニル、1−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−(4−トルイルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(メチルスルホニル)−エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスフィノ)−エトキシカルボニル、9−フルオロエニルメトキシカルボニ
ル(“Fmoc”),2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1−(トリメチルシリルメチル)プロプ−1−エニルオキシカルボニル、5−ベンゾイソキサリルメトキシカルボニル、4−アセトキシベンジルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、トリブロモエトキシカルボニル、2−エチニル(2)−プロポキシカルボニル、シクロプロピルメトキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、1−ピペリジルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(“Z”または“Cbz”)、4−フェニルベンジルオキシカルボニル、2−メチルベンジルオキシ−カルボニル、α−2,4,5−テトラメチルベンジルオキシカルボニル(“Tmz”)、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−フルオロベンジルオキシカルボニル、4−クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、ジクロロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、オルト−ブロモベンジルオキシカルボニル、3−ブロモベンジルオキシカルルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−シアノベンジルオキシカルボニル、4−(デシルオキシ)ベンジルオキシカルボニル、など;ベンゾイルメチルスルホニル基、ジチアスクシノイル(“Dts”)基、2−(ニトロ)フェニルスルフェニル基(“Nps”)、ジフェニルホスフィンオキシド基などが含まれる。使用されるアミノ保護基の種類は、誘導体化されたアミノ基が以後の反応の条件に対して安定でありそして化合物の残部を破壊することなく適当な点で取外しできる限り通常は重要ではない。
【0101】
アミノ保護基の追加の例には、フェニルアセチル、ホルミル(“For”)、トリチル(Trt)、アセチル、トリフルオロアセチル(TFA)、トリクロロアセチル、ジクロロアセチル、クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル、ベンゾイル、t−アミルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−(フェニルアゾ)ベンジルオキシカルボニル、2−フルフリルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、フタリルまたはフタルイミド、スクシニル、アラニル、ロイシル、および8−キノリルオキシカルボニル、ベンジル、ジフェニルメチル、2−ニトロフェニルチオ、2,4−ジニトロフェニルチオ、メタンスルホニル、パラトルエンスルホニル、N,N−ジメチルアミノメチレン、ベンジリデン、2−ヒドロキシベンジリデン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンジリデン、2−ヒドロキシ−1−ナフチルメチレン、3−ヒドロキシ−4−ピリジルメチレン、シクロヘキシリデン、2−エトキシカルボニルシクロヘキシリデン、2−エトキシカルボニルシクロペンチリデン、2−アセチルシクロヘキシリデン、3,3−ジメチル−5−オキシシクロヘキシリデン、ジフェニルホスホリル、ジベンジルホスホリル、5−メチル−2−オキソ−2H−1,3−ジオキソール−4−イル−メチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、2−(p−ビフェニル)−1−メチルエトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、トリフェニルメチル、トリメチルシラン、フェニルチオカルボニル、パラ−ニトロベンジルカルボニルが含まれる。
【0102】
その他のアミノ保護基には、2,7−ジ−t−ブチル−〔9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオ−キサンチル)〕メチルオキシカルボニル;2−トリメチルシリルエチルオキシカルボニル;2−フェニルエチルオキシカルボニル;1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルオキシカルボニル;1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルオキシカルボニル;p−ニトロベンジルオキシカルボニル;2−(p−トルエンスルホニル)−エチルオキシカルボニル;m−クロロ−p−アシルオキシベンジルオキシカルボニル;5−ベンジルイソオキサゾリルメチルオキシカルボニル;p−(ジヒドロキシボリル)−ベンジルオキシカルボニル;m−ニトロフェニルオキシカルボニル;o−ニトロベンジルオキシカルボニル;3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル;3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルオキシカルボニル;N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル;t−アミルオキシカルボニル;p−デシルオキシベンジ
ルオキシカルボニル;2,2−ジメトキシカルボニルビニルオキシカルボニル;ジ(2−ピリジル)メチルオキシカルボニル;2−フラニルメチルオキシカルボニル;ジチアスクシンイミド;2,5−ジメチルピロール;5−ジベンジルスベリル;および、メタンスルホンアミドが含まれる。好ましいアミノ保護基はBoc、Z/CbzおよびFmocである。
【0103】
アミノ保護基のさらなる例は、有機合成およびペプチド業界では周知でありそして、例えばT.W.Greene and P.G.M.Wuts「有機合成における保護基」(Protective Groups in Organic Synthesis)、第二版、John Wiley and Sons,New York,第7章、1991;M.Bodanzsky「ペプチド合成の原理」(Principles of Peptide Synthesis)、第一および第二改訂版、Springer−Verlag,New York,1984 and 1993;Stewart and
Young「固相ペプチド合成」(Solid Phase Peptide Synthesis)、第二版、Pierce Chemical Co.Rockford,IL 1984;L.Fieser and M.Fieser、「フィーザー、フィーザー有機合成試薬」(Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis)、John Wiley and Sons(1994);L Paquette編集「有機合成試薬百科事典」(Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis)、John Wiley and Sons(1995)に記載されている。適当なアミノ保護基は例えば国際特許出願公開(WO)第98/07685号明細書にも記載されている。
【0104】
一つの態様では、式(5)を有する中間体は、式(4)の中間体化合物を式HN−R(式中Rは上記の基から選択される)のアミンと反応させて製造できる。HN−Rに相当する例示的なアミンには、ベンジルアミン、イソブチルアミン、n−ブチルアミン、ペンチルアミン、イソアミルアミン、シクロヘキサンメチルアミン、ナフチレンメチルアミンなどが含まれる。
【0105】
【化32】

【0106】
上記のスキームにおいて、胸像異性体的に純粋の式(5)の化合物は、式(4)の化合物が胸像異性体的に純粋である場合にのみ得ることができる。式(4)の化合物が立体異性体の混合物の場合には、そのために(5)の化合物も立体異性体の混合物から成るであろう。
【0107】
好都合には、反応は広範囲の温度、例えば約−20℃〜約200℃で操作できるが、しかし好ましくは、しかし必須というわけではないが、溶剤が還流を開始する温度で操作される。
【0108】
好適には、式(4)の化合物とアミノ化剤との当量の比は、それぞれ1:1〜1:99
であってもよい。好ましくは、式(4)の化合物とアミノ化剤との当量の比は、1:10〜1:20であり、さらに好ましくはほぼ1:14である。
【0109】
本発明の一つの態様では、アミノ化反応は、イソブチルアミンの14当量の存在下、室温、および約65℃の温度での一夜の攪拌で実施される。
【0110】
式(6)の化合物
式(6)の化合物は、式(3)の中間体を式(5)の化合物とカップリングして得られ、ここで保護基(PG)、置換基R、R、R、離脱基(LG)、および求電子部分(E)は上記のものと同様である。
【0111】
【化33】

【0112】
式(6)の製造の別の経路は、式(3)の化合物をアミノ化して式(11)の化合物を得て、
【0113】
【化34】

【0114】
次いで式(4)の化合物のエポキシド炭素原子に対する式(11)を化合物のアミノ基による攻撃により式(6)の化合物を得ることから成る。
【0115】
【化35】

【0116】
化合物の特定の群は、下記の制限の1項またはそれ以上が適用される式(6)の化合物である:
が水素である。
【0117】
がアリールC1−4アルキル、特にはアリールメチル、さらに特にはフェニルメチルである。
【0118】
が非置換C1−6アルキルまたはアリール、Het、Het、C3−7シクロアルキルおよび場合により置換基がC1−4アルキル、アリールHetおよびHetから選択されるモノ−もしくはジ置換されるアミノから選択される1個もしくはそれより多くの置換基で置換されたC1−6アルキルである。
【0119】
式(6)の化合物の好ましい群は、スルホンアミド基が6位でベンゾオキサゾール基に結合している化合物であり、それは下記の式(6”)に示される。
【0120】
【化36】

【0121】
化合物の重要な群は、Rが上記に定義された基から選択され、RがC1−4アルキル、アリール、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、アリールC1−4アルキルからなる群から選択され、そしてRが水素またはC1−4アルキ
ルである式(6)の化合物である。
【0122】
化合物の適切な群は、Rが水素であり、RがアリールC1−4アルキルであり、そしてRがC1−4アルキルである式(6)の化合物である。特にはRが水素であり、Rがアリールメチルであり、そしてRがイソブチルである。
【0123】
化合物の適切な群は、塩としての式(6)の化合物であり、ここで塩はトリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、クロロ酢酸塩およびメタンスルホン酸塩から選択される。
【0124】
本発明による特に重要な化合物は、式(6”’)
【0125】
【化37】

【0126】
の化合物である。
【0127】
さらに好ましい態様では、式(3)のスルホニル誘導体は、式(3”)(式中、Xはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、好ましくはクロロである)のハロゲン化スルホニルであり;該ハロゲン化スルホニルを式(5’)の中間体(式中、Rが水素であり、Rがベンジルであり、そしてRがイソブチルである)と反応させ好ましい式(6”’)(式中PGは好ましくはBocであり、そしてEはメチルである)を有する本発明による化合物を生成させる。
【0128】
【化38】

【0129】
式(6)を有する本発明による現在の化合物は、式(3)のスルホニル誘導体を式(5)の適切な中間体と適切な溶剤内でアルカリ性条件下で反応させて製造される。適切なアルカリ性条件には、上記のもののような塩基および酸スカベンジャー、例えばトリエチルアミンおよびピリジンが含まれる。適切な溶剤も上記に例示したが、不活性溶剤、例えば酢酸エチル、塩化メチレン、ジクロロメタン、およびテトラヒドロフランが好ましい。
【0130】
式(4)の化合物と式(3)の化合物との間の当量の比は、それぞれ1:1〜1:8の範囲であってもよい。好ましくは、式(4)の化合物と式(3)の化合物との間の当量の比が1:1.1〜1:4であり、さらに好ましくはほぼ1:1.2である。
【0131】
本発明の一つの態様では、式(6)の化合物の製造は、式(5)の化合物の溶液を65℃以上の温度で攪拌し、塩基を加え、50℃に冷却しそして式(3)の化合物を加えて3時間、40〜50℃の反応温度に維持して実行される。別の態様では、式(6)の化合物の合成は、さらに低い温度、例えば−20℃〜150℃で行われるが、好ましくは室温付近である。
【0132】
式(6)の中間体はレトロウイルスプロテアーゼの活性阻害剤でもある。
【0133】
式(7)の化合物
式(7)の化合物は、アミノ化剤および溶剤の存在下で式(6)の化合物をアミノ化して得られる。
【0134】
【化39】

【0135】
適切なアミノ化剤は上記のものであり、メチルアミンが好ましい。適切な溶剤は上記のものであり、イソプロパノールおよびアセトニトリルが好ましい。
【0136】
部分−Rおよび−Rはアミノ化剤により直接導入されるか、またはアミノ基上の二次反応により引き続いて導入されてもよい。
【0137】
式(6)の化合物とアミノ化剤との間の当量の比は、それぞれ1:1.1〜1:99の範囲であってもよい。好ましくは、式(6)の化合物とアミノ化剤との間の当量の比は、ほぼ1:3.5である。
【0138】
一つの態様では、式(7)の化合物は完全に溶解するまで式(6)の化合物を溶剤中に懸濁して製造される。次いでアミノ化剤を加えそして得られた溶液を攪拌しそして1時間20℃〜180℃の間、好ましくは60℃の付近の温度で加熱する。
【0139】
式(8)の化合物
式(8)の化合物を得るためのアミノ保護基の取外しは、分子の残部に影響しない条件を用いて達成できる。それらの方法は当該技術分野では周知でありそして酸加水分解、水素分解などを含み、従って適切な溶剤中の通常公知の酸を用いる。
【0140】
アミノ保護基の取外しに使用される酸の例には、無機酸、例えば塩化水素、硝酸、塩酸、硫酸およびリン酸;有機酸、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸;ルイス酸、例えば三フッ化ホウ素;酸性カチオン性イオン交換樹脂、例えばDowex50WTMが含まれる。それらの酸の中で、無機酸および有機酸が好ましい。塩酸、硫酸、リン酸およびトリフルオロ酢酸がさらに好ましく、そして塩酸が最も好ましい。好ましくは、使用される酸は、塩化メチレン中の20%トリフルオロ酢酸もしくは塩酸のいずれかまたはジオキサン中の4M HClである。
【0141】
使用される溶剤は、それが反応に不利な影響を及ぼさずそして少なくともいくらかは出発物質を溶解するかぎり、特別に制限はされない。適切な溶剤は、脂肪族炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタンおよび石油エーテル;芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレンおよびメシチレン;ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素およびジクロロエタン;エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよび1,2−ジメトキシエタン;アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびブタノール;エステル、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチルおよびプロピオン酸エチル;ニトリル、例えばアセトニトリル;アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミド;スルホキシド、例えばジメチルスルホキシドおよびそれらの混合物である。芳香族炭化水素、アルコールおよびエステルが好ましい。アルコールおよびエステルがさらに好ましく、そしてイソプロパノール、エタノールよび酢酸エチルが特に好ましい。あるいはエタノールとジオキサンとの混合物も好ましい。
【0142】
使用される反応温度は、さまざまな因子、例えば出発物質、溶剤および酸の性質に依存する。しかし、通常は−20℃〜150℃の間、そして好ましくは10℃〜100℃の間である。使用される反応時間は、反応温度などに依存する。それは5分間〜24時間が典型的であり、好ましくは10分間〜10時間である。
【0143】
アミノ保護基からアミンを脱保護するための試薬および方法の例は、さらに「有機合成における保護基」(Protective Groups in Organic Synthesis by Theodora W.Greene,New York,John Wiley and Sons,Inc.1981)(引用することにより本明細書に編入される)に見いだされる。
【0144】
当該技術分野の熟練者は、プロセスの上記工程において使用されるアミン保護基の選択は、該アミノ保護基を取外す際に使用される試薬および操作を決定することを認めるであろう。
【0145】
溶剤内の式(7)の化合物と酸との当量の比は、それぞれ1:2〜1:50の範囲であってもよい。好ましくは、式(7)の化合物と酸との当量の比は1:2〜1:8であり、最も好ましくは比はほぼ1:4である。
【0146】
本発明の一つの態様において、式(8)の化合物を生成する式(7)の化合物のアミノ保護基の取外しは、式(7)の化合物の溶液を適切な溶剤中、約65℃の温度で攪拌し、そして30分間で溶剤中に酸を加えて実行される。好ましくは、式(7)の化合物の溶液の攪拌の前に、水の含有を除去するために共沸蒸留を適用する。
【0147】
好ましい方法には、保護基の取外し、例えば適切な溶剤系、例えばアルコール、酢酸などまたはそれらの混合物中の炭素担持パラジウムを用いる水素化分解によるカルボベンゾキシ基の取外しが含まれる。保護基がt−ブトキシカルボニル基の場合には、無機または有機酸、例えばHClまたはトリフルオロ酢酸を用い、適切な溶剤系、例えばジオキサンまたは塩化メチレン中で取外しできる。得られた製品は、アミン塩誘導体である。一般に、反応は約0℃〜約60℃の範囲で実行される。一般に、反応は約1〜24時間を要する。脱保護した式(8)の化合物は当該技術分野で周知の技術、例えば抽出、蒸発、クロマトグラフィーおよび再結晶により単離および精製してもよい。
【0148】
およびRの双方が水素である式(7)、(8)、および(9)の化合物を製造する別の方法は、適切なアミノ保護基によりRまたはRの一方を置換して実行できる。かかる場合に、脱保護は、分子の左側における窒素原子の脱保護と同時に起きて
【0149】
式(9)の化合物
式(8)の化合物を適切な試薬と反応して式R−L−の基とカップリングし、これにより相当する2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミド プロテアーゼ阻害剤を得てもよい。
【0150】
【化40】

【0151】
式R−L−の基のカップリングは、塩基、例えばトリメチルアミン(アルコールに対してカルバマートを生成する)の存在下および場合により1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸(EDC)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(カルボン酸に対してアミドを生成する)またはアルコール、例えばt−ブタノールの存在下で、そして適切な溶剤、例えばジクロロメタン中で操作してもよい。式R−L−の基の導入に適する試薬は、R−L−LG(式中、LGは離脱基である)のような試薬であり、本明細書中各所に記載されている。具体的には、式R−L−C(=O)−OHの試薬が式R−L−の基を式(8)の化合物内にカップリングするために適する。
【0152】
式(8)および(9)の化合物は、国際特許出願公開(WO)第95/06030号明細書、および米国特許第5,968,942号明細書(引用することにより本明細書に編入される)中に記載のようにして製造されてもよい。
【0153】
化合物の重要な群は、式(9)〔式中、
は式(10)
【0154】
【化41】

【0155】
の基であり、
、R10aおよびR10bは、それぞれ独立して、水素、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは場合によりアリール、Het、Het、C3−7シクロアルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)−アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルS(O)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲンまたは場合により置換基がC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択されるモノ−もしくはジ置換されているアミノにより置換されているC1−4
ルキルであり;ここでR、R10aおよびそれらが結合している炭素原子はC3−7シクロアルキル基を形成してもよく、
11bは水素、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、アリール、Het、Het、または場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルS(=O)、アリール、C3−7シクロアルキル、Het、Het、場合により置換基がC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択されるモノ−もしくはジ置換されているアミノにより置換されているC1−4アルキルであり、ここでR11bはスルホニル基を介して分子の残部と結合してもよく、
tは0、1または2であり、
Lは−C(=O)−、−O−C(=O)−、−NR12−C(=O)−、−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−、−NR12−C1−6アルカンジイル−C(=O)−、−S(=O)−、−O−S(=O)−、−NR12−S(=O)−であり、ここでC(=O)基もしくはS(=O)基のいずかがNR部分に結合し;
12は水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル、アリール、Het、Het1−6アルキル、Het、Het1−6アルキルであり、そして
は水素、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、または場合によりアリール、Het、Het、C3−7シクロアルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキル−S−(=O)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲンおよび場合により置換基がC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル−C1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択されるモノ−もしくはジ置換されているアミノから選択される1個もしくはそれより多くの置換基で置換されているC1−6アルキルである〕
の化合物である。
【0156】
化合物の特定の群は、下記:
が水素、Het、Het、アリール、Het1−6アルキル、Het1−6アルキル、アリールC1−6アルキルであり、さらに特定するとRが5〜8個の環メンバーを有する飽和もしくは部分不飽和単環式もしくは二環式複素環であり、それは窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個もしくはそれより多くのヘテロ原子環メンバーを含みそしてそれは場合により置換されており、または場合により1個もしくはそれより多くの置換基で置換されているフェニルである;
が水素である;
Lが−C(=O)−、−O−C(=O)−、−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−であり、さらに特定するとLが−C(=O)−または−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−であり、ここでいずれの場合にもC(=O)基はNR部分に結合する;
がアリールC1−6アルキル、特定すると、アリールメチル、さらに特定するとフェニルメチルである;
が場合により置換されているC1−6アルキル、特定すると非置換C1−6アルキルまたは場合によりアリール、Het、Het、C3−7シクロアルキルおよび場合により置換基がC1−4アルキル、アリール、HetおよびHetから選択されるモノ−もしくはジ置換されているアミノから選択される1個もしくはそれより多くの置換基で置換されるC1−6アルキルである;
が水素またはメチルである;および
が水素またはメチルである;
という制限の1個もしくはそれより多くが適用される式(9)の化合物である。
【0157】
化合物の特別の群は、式(9)
〔式中、
−LがHet−O−(C=O)、Het−C1−6アルカンジイル−O−(C=O)、アリール−O−C1−6アルカンジイル−O−(C=O)またはアリール−O−(C=O)である〕
の化合物である。
【0158】
化合物の特別の群は、式(9)
〔式中、
NRがアミノ、モノメチルアミノまたはジメチルアミノである〕
の化合物でもある。
【0159】
特に重要なのは、式(9)
〔式中、Rが水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、アリール、Het、Het1−6アルキル、Het、Het1−6アルキルであり、特には、Rが水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、アリール、Het、Het1−6アルキルである〕
の化合物である。
【0160】
化合物の重要な群は、式(9)〔式中、Rが水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキル、アリール、Het、Het1−6アルキル、Het、Het1−6アルキルであり、ここでHetが飽和もしくは部分的に不飽和の5もしくは6個の環メンバーを有する単環式複素環であって、それは窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個もしくはそれより多くのヘテロ原子環メンバーを含み、そしてそれは場合により1個もしくはそれより多くの炭素原子上で置換されている〕
の化合物である。
【0161】
化合物の別の重要な群は、式(9)〔式中、Lが−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−である〕の化合物である。
【0162】
化合物の好ましい群は、下記の式(9”’)
【0163】
【化42】

【0164】
に示すような、スルホンアミド基がベンゾオキサゾール基に6位で結合している化合物で
ある。
【0165】
化合物の適切な群は、式(9)〔式中、RがアリールまたはアリールC1−6アルキルであり、特にはR定義のアリール部分がさらに1個もしくはそれより多くの環メンバー上で置換されており、その際、それぞれの置換基は、C1−4アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノ、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノC1−4アルキル、ニトロおよびシアノから独立して選択され;好ましくは置換基が、メチル、エチル、塩素、ヨウ素、臭素、ヒドロキシおよびシアノから選択され、特にはアリール部分が6〜12個の環メンバーを含み、さらに特にはRの定義におけるアリール部分が6個の環メンバーを含む〕の化合物である。
【0166】
化合物の適切な群は、式(9)〔式中、RがHetまたはHet1−6アルキルであり、ここでRの定義中のHetが窒素、酸素および硫黄からそれぞれ独立して選択される1個もしくはそれより多くのヘテロ原子を含み、特にはR定義のHet部分が、さらに1個もしくはそれより多くの環メンバー上で置換されており、ここでそれぞれの置換基は、C1−4アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノおよびシアノから独立して選択され;好ましくは置換基がメチル、エチル、塩素、ヨウ素、臭素、ヒドロキシ、アミノおよびシアノから選択される〕の化合物である。
【0167】
別の化合物の群は、式(9)〔式中、RがHetまたはHet1−6アルキルであり、Lが−C(=O)−、−O−C(=O)−、−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−であり;特にはRの定義中のHet部分が窒素、酸素もしくは/および硫黄からそれぞれ独立して選択される1個もしくはそれより多くのヘテロ原子環メンバーを含む5〜6個の環メンバーを有する芳香族複素環であり、さらに特にはHet部分が、窒素、酸素もしくは硫黄からそれぞれ独立して選択される2個またはそれ以上のヘテロ原子環メンバーを含む5〜6個の環メンバーを有する芳香族複素環である〕の化合物である。
【0168】
化合物の適切な群は、式(9)〔式中、RがHet1−6アルキル、Hetであり、ここでRの定義中の該Hetが5〜6個の環メンバーを有する単環であり、ここでHetが窒素、酸素および硫黄からそれぞれ独立して選択される1個もしくはそれより多くのヘテロ原子を含み、特にはR定義のHet部分が、さらに1個もしくはそれより多くの炭素原子上で置換されており、ここでそれぞれの置換基は、C1−4アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノおよびシアノから独立して選択され;好ましくは置換基がメチル、エチル、塩素、ヨウ素、臭素、ヒドロキシ、アミノおよびシアノから選択される〕の化合物である。
【0169】
化合物の適切な群は、式(9)〔式中、RがHetであり、ここで該Hetが8〜10個の環メンバーを有する二環式であり、ここでHetが窒素、酸素および硫黄からそれぞれ独立して選択される1個もしくはそれより多くのヘテロ原子を含み、特にはR定義のHet部分が、さらに1個もしくはそれより多くの炭素原子上で置換されており、ここでそれぞれの置換基は、C1−4アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノおよびシアノから独立して選択され;好ましくは置換基がメチル、エチル、塩素、ヨウ素、臭素、ヒドロキシ、アミノおよびシアノから選択され、特にはHet部分が窒素、酸素および硫黄から選択される2個またはそれ以上のヘテロ原子を含む〕の化合物である。
【0170】
化合物の適切な群は、式(9)〔式中、RがHetであり、ここで該Hetが5〜10個の環メンバーを有する飽和二環式基であり、ここでHetが窒素、酸素および
硫黄からそれぞれ独立して選択される1個もしくはそれより多くのヘテロ原子を含み、特にはR定義のHet部分が、さらに1個もしくはそれより多くの炭素原子上で置換されており、ここでそれぞれの置換基は、C1−4アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノおよびシアノから独立して選択され;好ましくは置換基がメチル、エチル、塩素、ヨウ素、臭素、ヒドロキシ、アミノおよびシアノから選択され;特にはHetが5〜8個の環メンバーを含み;特にはHetが6〜8個の環メンバーを有しここでHetは窒素、硫黄および酸素から選択される2個またはそれ以上のヘテロ原子を含む〕の化合物である。
【0171】
化合物の重要な群は、式(9)〔式中、RがHet、Het、Het1−6アルキル、またはHet1−6アルキルであり、ここでHetおよびHetはチアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ジオキサゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、イミダゾリノニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピロリル、ピラニル、ピリミジニル、フラニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、チオフェニル、テトラヒドロフロフラニル、テトラヒドロピラノフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、イミダゾロニル、オキサゾロニル、インドリジニル、トリアジニル、キノキサリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、ピラジニル、チエニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、β−カルボリニル、ジオキサニル、ジチアニル、オキソラニル、ジオキソラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピラニルから選択され;ここでHetおよびHetは場合によりベンゾ縮合され;ここでHetおよびHetは場合によりさらに1個もしくはそれより多くの環メンバー上で置換され;好ましくはHetが場合により1個もしくはそれより多くの環メンバー上で置換されているチアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、ピリジニルから選択される〕の化合物である。
【0172】
化合物の適切な群は、式(9)〔式中、Rが水素であり;Rがアリキルアリールであり;そしてRがC1−4アルキルであり;特にはRが水素であり;Rがメチルアリールであり;そしてRがイソブチルである〕の化合物である。
【0173】
化合物の適切な群は、塩としての式(9)の化合物であり、ここで塩はトリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、クロロ酢酸塩およびメタンスルホン酸塩から選択される。
【0174】
式(9)〔式中、RおよびRの双方が水素である〕の化合物を製造する好都合な経路は、スキームAに記載の手順に類似して製造でき、そしてここでRまたはRの1個は適切な保護基(PG)、例えばアセチルもしくはアルキルオキシカルボニル基、または上記のいずれかその他のものにより置換される。かかる場合に、脱保護は、分子の左手側の窒素原子の脱保護と同時に起きてもよい。
【0175】
特別の態様において、本発明のレトロウイルスプロテアーゼ阻害剤、および特には2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミド プロテアーゼ阻害剤の製造方法は、
・PG、R、R、RおよびEが上記の群から独立して選択される一般式(6)の化合物をアンモニウムと反応させて式(7)の中間体を生成し、
・得られた式(7)の中間体を脱保護し、そして
・脱保護した式(8)の中間体を適切な溶剤中で適切な式R−L−の基と反応させて、レトロウイルスプロテアーゼ阻害剤を生成する
工程を含んでなる。以下に記載の実施例2はこの方法による2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミド プロテアーゼ阻害剤の製造方法を例示する。
【0176】
別の特別の態様において、レトロウイルスプロテアーゼ阻害剤、および特には2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミド プロテアーゼ阻害剤の製造方法は、
・PG、R、R、RおよびEが上記の群から独立して選択される一般式(6)の化合物をメチルアミンと反応させて式(7)の中間体を生成し、
・得られた式(7)の中間体を脱保護し、そして
・脱保護した式(8)の中間体を適切な溶剤中で適切な式R−L−の基と反応させて、レトロウイルスプロテアーゼ阻害剤を生成する
工程を含んでなる。以下に記載の実施例3はこの方法による2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミド プロテアーゼ阻害剤の製造方法を例示する。
【0177】
3価窒素をそのN−オキシド形態に転換する当該技術分野では周知の手順に従って、式(6)、(7)、(8)および(9)の化合物を相当するN−オキシドに転換してもよい。該N−酸化反応は、一般に式(6)、(7)、(8)および(9)の出発物質を適切な有機または無機の過酸化物と反応させ実行してもよい。適切な無機過酸化物は、例えば、過酸化水素、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムを含んでなる;適切な有機過酸化物は、過酸、例えばベンゼンカルボ過酸、またはハロ置換ベンゼンカルボ過酸、例えば3−クロロ−ベンゼンカルボ過酸、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸、アルキルヒドロペルオキシド、例えばt−ブチルヒドロペルオキシドを含んでなってもよい。適切な溶剤は、例えば水、低級アルカノール、例えばエタノールなど、炭化水素、例えばトルエン、ケトン、例えば2−ブタノン、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、およびかかる溶剤の混合物である。
【0178】
上記の製造方法において、反応生成物を反応媒体から単離し、そして必要な場合には、当該技術分野で公知の技術、例えば抽出、結晶化、蒸留、トリチュレーションおよびクロマトグラフィーによりさらに精製してもよい。
【0179】
「置換される」という用語が本発明中で使用される場合にはいつでも、「置換される」を用いる表現中で指定される原子上の1個もしくはそれより多くの水素が、指定される群から選択されて置換されることを示すことを意味するが、ただし、指定された原子の通常の原子価は越えられず、そして該置換は化学的に安定な化合物、すなわち反応混合物から有用な程度の純度までの単離、および治療薬剤への製剤化を耐え抜くのに十分な堅固さである化合物をもたらすことを条件とする。
【0180】
本明細書中に使用される場合に、基としてまたは基の一部としての「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを総称する。
【0181】
単独または組み合わせでの「アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜8個の炭素原子、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状鎖の飽和炭化水素基を意味する。かかる基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、ペンチル、イソ−アミル、ヘキシル、3−メチルペンチル、オクチルなどを含む。
【0182】
基または基の一部としての「C1−4アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状鎖の飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよび2−メチル−プロピルを定義する。
【0183】
基または基の一部としての「C1−6アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状鎖の飽和炭化水素基、例えば、C1−4アルキルで定義される基およびペンチル、ヘキシル、2−メチルブチル、2−メチルペンチルなどを定義する。
【0184】
基または基の一部としての「C2−6アルケニル」という用語は、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状鎖で少なくとも1個の二重結合を含む炭化水素基、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルなどを定義する。
【0185】
基または基の一部としての「C2−6アルキニル」という用語は、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状鎖で少なくとも1個の三重結合を含む炭化水素基、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどを定義する。
【0186】
基または基の一部としての「C1−6アルカンジイル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する2価の直鎖状または分枝状鎖の飽和炭化水素基、例えば、メチレン、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ヘキサン−1,6−ジイル、2−メチルブタン−1,4−ジイル、3−メチルペンタン−1,5−ジイルなどを定義する。
【0187】
単独または組み合わせでの「シクロアルキル」という用語は、それぞれの環部分が約3〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは約3〜約7個の炭素原子を含む飽和または部分飽和の単環式、二環式または多環式アルキル基を意味する。単環式シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどを含む。多環式シクロアルキル基の例は、デカヒドロナフチル、ビシクロ〔5.4.0〕ウンデシル、アダマンチルなどを含む。
【0188】
基または基の一部としての「C3−7シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルの総称である。
【0189】
基または基の一部としての「アリール」という用語は、C1−6アルキル、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノ、ニトロ、シアノ、ハロC1−6アルキル、カルボキシル、C1−6アルコキシカルボニル、C3−7シクロアルキル、Het、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノカルボニル、メチルチオ、メチルスルホニル、およびC1−6アルキル、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノ、ニトロ、シアノ、ハロC1−6アルキル、カルボキシル、C1−6アルコキシカルボニル、C3−7シクロアルキル、Het、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノカルボニル、メチルチオおよびメチルスルホニルからそれぞれ独立して選択される1個もしくはそれより多くの置換基で場合により置換されていてもよいフェニルから独立して選択される1個もしくはそれより多くの置換基で場合により双方が置換されていてもよいフェニルおよびナフチルを含むことを意味し、その際、いかなるアミノ官能基上の任意の置換基も、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−D−、Het−D−、Het1−6アルキル、Het1−6アルキル−D−、Hetオキシ−D−、フェニルオキシC1−4アルキル−D−、フェニルC1−6アルキル−D−、C1−6アルキルオキシオキシカルボニル−アミノ−D−、Hetオキシ−C1−4アルキル−D−、フェニル−D−、フェニル−オキシ−D−、アミノ−D−、アミノC1−6アルキルおよびアミノC1−6アルキル−D−から独立して選択され、ここで、それぞれのアミノ基は、場合によりC1−4アルキルによりモノ−もしくは可能な場合にはジ置換されていてもよく、そしてここで、DはC1−6アルカンジイル、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)−、C1−6アルカンジイル−C(=O)−、C1−6アルカンジイル−C(=S)−またはC1−6アルカンジイル−S(=O)−として定義され、その際分子の残部へのDの結合点は、該基を含むそれらの部分中のC1−6アルカンジイル基である。
【0190】
基または基の一部としての「ハロC1−6アルキル」という用語は、1個もしくはそれより多くのハロゲン原子、好ましくはクロロまたはフルオロ原子、さらに好ましくはフルオロ原子で置換されているC1−6アルキルとして定義される。好ましいハロC1−6アルキル基には、例えばトリフルオロメチルおよびジフルオロメチルが含まれる。
【0191】
基または基の一部としての「ヒドロキシC1−6アルキル」という用語は、1個もしくはそれより多くのヒドロキシ基で置換されているC1−6アルキルとして定義される。
【0192】
基または基の一部としての「Het」という用語は、窒素、酸素もしくは硫黄からそれぞれ独立して選択される1個もしくはそれより多くのヘテロ原子環メンバーを含み、そして場合によりC1−6アルキルにより1個もしくはそれより多くの窒素環原子上で置換され、そして場合によりC1−6アルキル、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノ、ニトロ、シアノ、ハロC1−6アルキル、カルボキシル、C1−6アルコキシカルボニル、C3−7シクロアルキル、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノカルボニル、メチルチオ、メチルスルホニル、場合により置換されているフェニルにより1個もしくはそれより多くの炭素原子上で置換されている3〜14個の環メンバー、好ましくは5〜10個の環メンバー、そしてさらに好ましくは5〜8個の環メンバーを有する飽和もしくは部分不飽和の単環式、二環式または三環式複素環として定義され、ここでいかなるアミノ官能基上でも任意置換基はC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−D−、Het−D−、Het1−6アルキル、Het1−6アルキル−D−、Hetオキシ−D−、Hetオキシ−C1−4アルキル−D−、アリール−D−、アリールオキシ−D−、アリールオキシC1−4アルキル−D−、アリールC1−6アルキル−D−、C1−6アルキルオキシカルボニルアミノ−D−、アミノ−D−、アミノC1−6アルキルおよびアミノC1−6アルキル−D−から独立して選択され、その際、それぞれのアミノ基は、場合によりC1−4アルキルによりモノ−もしくは可能な場合にはジ置換されていてもよく、そしてその際、Dは上記に定義されている。
【0193】
基または基の一部としての「Het」という用語は、窒素、酸素もしくは硫黄からそれぞれ独立して選択される1個もしくはそれより多くのヘテロ原子環メンバーを含み、そして場合によりC1−6アルキルにより1個もしくはそれより多くの窒素環原子上で置換され、そして場合によりC1−6アルキル、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノ、ニトロ、シアノ、ハロC1−6アルキル、カルボキシル、C1−6アルコキシカルボニル、C3−7シクロアルキル、場合によりモノ−もしくはジ置換されているアミノカルボニル、メチルチオ、メチルスルホニル、フェニルにより1個もしくはそれより多くの炭素原子上で置換されている、5〜14個の環メンバー、好ましくは5〜10個の環メンバー、好ましくは5〜6個の環メンバーを有する芳香族の単環式、二環式または三環式複素環として定義され、ここでいかなるアミノ官能基上でも任意置換基はC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−D−、Het−D−、Het1−6アルキル、Het1−6アルキル−D−、Hetオキシ−D−、Hetオキシ−C1−4アルキル−D−、アリール−D−、アリールオキシ−D−、アリールオキシC1−4アルキル−D−、アリールC1−6アルキル−D−、C1−6アルキルオキシカルボニルアミノ−D−、アミノ−D−、アミノC1−6アルキルおよびアミノC1−6アルキル−D−から独立して選択され、その際、それぞれのアミノ基は、場合によりC1−4アルキルによりモノ−もしくは可能な場合にはジ置換されていてもよく、そしてその際、Dは上記に定義されている。
【0194】
単独または組み合わせとしての「アルコキシ」または「アルキルオキシ」という用語は、アルキルという用語が上記のように定義されるアルキルエーテル基を意味する。適切なアルキルエーテル基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、ヘキサノキシ(hexanoxy)などが含まれる。
【0195】
「アルキルチオ」という用語は、「アルキル」という用語が上記のように定義されるアルキルチオエーテル基を意味する。アルキルチオエーテル基の例には、メチルチオ(SCH)、エチルチオ(SCHCH)、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、t−ブチルチオ、n−ヘキシルチオなどが含まれる。
【0196】
本明細書中で使用される場合に(=O)という用語は、それが結合している炭素原子とカルボニル部分を形成する。(=O)という用語は、それが結合している硫黄原子とスルホキシドを形成する。(=O)という用語は、それが結合している硫黄原子とスルホニルを形成する。
【0197】
本明細書中で使用される場合に(=S)という用語は、それが結合している炭素原子とチオカルボニル部分を形成する。
【0198】
本明細書中でこれまで使用したように、「1個またはそれ以上」という用語は、好ましくは、適合する場合には、1個、2個または3個で置換されたすべての利用可能な原子の可能性を包含する。
【0199】
いかなる可変形(例えばハロゲンまたはC1−4アルキル)もいずれかの構成で一回を越えて現れる場合に、それぞれの定義は独立である。
【0200】
本発明中で使用されるいかなる場合でも、「本発明の化合物」もしくは「ベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物」または類似の用語は、一般式(3)、(6)、(7)、(8)、および(9)の化合物およびそれらのいずれかの下位群も含むことを意図する。この用語は、それらのN−オキシド、塩、立体異性体形態、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルおよび代謝物、ならびにそれらの第四級化された窒素類似体も対象とする。該化合物のN−オキシド形態は、1個または数個の窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化されている化合物を含んでなると意図する。
【0201】
治療に使用するために、本発明による化合物の塩は、対イオンが製薬学的もしくは薬理学的に許容できるものである。しかし、製薬学的に許容できない対イオンを有する塩でも、例えば本発明の製薬学的に許容できる化合物の製造または精製において使用を見いだすであろう。製薬学的に許容できるか否かを問わす、すべての塩は本発明の範囲内に含まれる。
【0202】
本発明による化合物の製薬学的に許容できる塩、すなわち水溶性、油溶性または分散可能な形の製品には、例えば無機または有機の酸または塩基から形成される通常の無毒性塩または第四級アンモニウム塩が含まれる。かかる付加塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭酸塩、ヨウ素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、
ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩が含まれる。塩基塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウムおよびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩、有機塩基との塩、例えばジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン、およびアミノ酸、例えばサルギニン、リシンなどとの塩が含まれる。さらに、塩基性窒素含有基は、ハロゲン化低級アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物で第四級化されてもよく;硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミル、長鎖ハロゲン化物、例えばデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物、ヨウ化物、ハロゲン化アラルキル、例えばベンジルおよびフェネチル−臭化物などであってもよい。その他の製薬学的に許容できる塩には、硫酸塩エタノラートおよび硫酸塩が含まれる。
【0203】
本発明による化合物は、互変異性体形態で存在してもよい。かかる形態は、上記の化合物中に明確には指定されていないけれども、本発明の範囲内に含まれると意図する。
【0204】
本明細書にこれまで使用した、本発明の化合物の立体化学的異性体形態という用語は、本発明の化合物が有しうる、結合の同一配列により結合された同一原子から成り立が、しかし互換不可能な異なる三次元構造を有するすべての可能な化合物を定義する。
【0205】
別途に記載または指定しない限り、化合物の化学名称は、該化合物が有し得るすべての可能な立体化学的異性体形態の混合物を包含する。該混合物は、該化合物の基本分子構造のすべてのジアステレオマーおよび/または胸像異性体を含みうる。純粋の形態または相互の混合物である双方の本発明の化合物のすべての立体化学的異性体形態が、本発明の範囲内に包含されることを意図する。
【0206】
本明細書中に記載する化合物および中間体の純粋な立体異性体形態は、該化合物また中間体の同一基本分子構造の他の胸像異性体またはジアステレオマー形態を本質的に含まない異性体として定義される。特に、「立体異性体的に純粋」という用語は、少なくとも80%の立体異性体過剰(すなわち最低90%の一種の立体異性体および最高10%の他の可能な立体異性体)から100%までの立体異性体過剰(すなわち100%の一種の立体異性体および他のものがないこと)を有する化合物または中間体に関し、さらに特定すると、90%から100%までの立体異性体過剰を有する化合物または中間体、その上さらに特定すると94%から100%までの立体異性体過剰、そして最も特定すると97%から100%までの立体異性体過剰を有する化合物または中間体である。「胸像異性体的に純粋」および「ジアステレオマー的に純粋」という用語は、同様の方式と理解されるべきであるが、しかし問題の混合物の胸像異性体過剰、ならびにジアステレオマー過剰に関するものである。
【0207】
本発明の化合物および中間体の純粋な立体異性体形態は、当該技術分野で公知の手順を応用して得られるであろう。例えば、胸像異性体は、光学的に活性な酸または塩基を用いるそれらのジアステレオマー塩の選択的結晶化により相互に分離できるであろう。その例は、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびショウノウスルホン酸である。あるいは、胸像異性体は、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー技術により分離できるであろう。かかる純粋な立体化学的異性体形態は、反応が立体特異的におきる限り、適当な出発物質の相当する純粋な立体化学的異性体形態からも誘導できるであろう。好ましくは、特定の立体異性体が望ましい場合には、該化合物は分離の立体化学的方法により合成される。それらの方法は、胸像異性体的に純粋な出発物質を用いると有利であろう。
【0208】
本発明の化合物および中間体のジアステレオマーラセミ化合物は、慣用の方法により分離して得ることができる。有利に利用できる適切な物理的分離方法は、例えば選択結晶化およびクロマトグラフィー、例えばカラムクロマトグラフィーである。
【0209】
本発明の化合物および中間体は、少なくとも2個の不斉中心を有し、従って異なる立体異性体形態で存在しうること当該技術分野の熟練者には明らかである。それらの不斉中心は、下記の図で星印(*)で示される。
【0210】
【化43】

【0211】
本発明の化合物および中間体中に存在し得るそれぞれの不斉中心の絶対的な立体配置は、立体化学の記述子RおよびSにより表してもよく、このRおよびSの表記は、Pure
Appl.Chem.1976,45,11−30に記載の法則に対応する。
【0212】
本発明は、本化合物に存在する原子のすべての同位元素を含むことも意図する。同位元素には、同一の原子番号であるがしかし異なる質量数を有する原子が含まれる。共通の例示としてそして限定はしないで、水素の同位元素はトリチウムおよび重水素を含む。炭素の同位元素はC−13およびC−14を含む。
【0213】
本明細書を通じて使用される試薬および溶剤は、当該技術分野の専門家には公知のようにして機能的な代替物またはそれらの機能的な誘導物に代えることができる。反応条件、例えば攪拌時間、精製および温度も反応条件を最適化するために調整してもよい。同様に、反応生成物は媒体から単離しそして、必要な場合には当該技術分野の専門家には周知の方法、例えば抽出、結晶化、トリチュレーションおよびクロマトグラフィーによってさらに精製してもよい。先行する製造において使用される多数の中間体および出発物質は、公知化合物であり、一方その他のものは当該または類似の化合物を製造する当該技術分野では公知の方法に従って製造してもよい。
【0214】
記載する化学反応は、一般的に、本発明の化合物の製造に最も広範囲に適用されるように開示される。場合により、反応は、開示された範囲内に含まれるそれぞれの化合物について記載されるようにしては適用できない場合があるであろう。これが発生した化合物は、当該技術分野の専門家には直ちに認識できる。このようなあらゆる場合に、反応は、当該技術分野の専門家には公知の慣用の変更により、例えば妨害する基の適切な保護により、別の慣用の試薬に変更することにより、反応条件の通常の変更によるなどにより実行し
て成功するか、または本明細書中で開示するかまたはその他の慣用の別の反応が本発明の相当する化合物の製造に適用できる。すべての調製方法において、すべての出発物質は公知であるかまたは公知の出発物質から容易に製造できる。同様に、該プロセス中の上記の工程の順序は上記の順序と異なってもよい。
【0215】
式(6)の化合物は、薬剤の製造にそれらの特別の使用を見いだす。好ましい態様によると、式(6)の本化合物は、抗ウイルス薬、特定すると抗HIV薬、さらに特定するとHIVプロテアーゼ阻害剤の製造の前駆体として使用される。式(6)の化合物および立体異性体的に純粋な化合物の形成に導くすべての中間体は、国際特許出願公開(WO)第95/06030号、第96/22287号、第96/28418号、第96/28463号、第96/28464号、第96/28465号、第97/18205号、および第02/092595号の各明細書(すべて引用することにより本明細書に編入される)中に開示のHIVプロテアーゼ阻害剤として、および特には下記の式(9)のHIVプロテアーゼ阻害剤として、2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物の製造に特に重要である:
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−ピリジン−2−イルメチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル;
(3−〔(2−アセチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
(6−〔〔2−ヒドロキシ−4−フェニル−3−(チアゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)−ブチル〕−イソブチル−スルファモイル〕−ベンゾオキサゾール−2−イル)−カルバミン酸 エチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−((2−〔(6−ヒドロキシ−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔(ピリジン−3−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−ピロリジン−1−イル−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔メチル−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−{2−〔2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル−アセチルアミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル}−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔メチル−(5−オキソ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔メチル−(ピリジン−4−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔メチル−(ピリジン−3−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
1−ベンジル−3−((2−〔(フラン−3−カルボニル)−メチル−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル〕
−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔(1−メチル−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
(1S,2R)−3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 ピリジン−3−イルメチルエステル;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−(2,6−ジメチル−フェノキシ)アセトアミド;
3−アミノ−N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−メチル−ベンズアミド;
(3−〔(2−アセチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;
(1−ベンジル−3−(〔2−(2−ジメチルアミノ−エチルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル〕−イソブチル−アミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;
(6−(〔3−(ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル〕−イソブチル−スルファモイル)−ベンゾオキサゾール−2−イル)−カルバミン酸 エチルエステル;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;
(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−〔2−(2−ピロリジン−1−イル−エチルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル〕−アミノ)−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸 テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキ
サゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
N−(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−3−ヒドロキシ−2−メチル−ベンズアミド;
3−アミノ−N−(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−2−メチル−ベンズアミド;
N−(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−2−(2,6−ジメチル−フェノキシ)−アセトアミド;
〔6−((3−〔2−(2,6−ジメチル−フェノキシ)−アセチルアミノ〕−2−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−イソブチル−スルファモイル)−ベンゾオキサゾール−2−イル〕カルバミン酸 エチルエステル;
N−(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−2−(3,5−ジクロロ−ピリジン−4−イルオキシ)−アセトアミド;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−1,7−ジオキサ−4−アザ−インデン−3−イルエステル;
5−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−アミド;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔〔2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル〕−イソブチル−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;
N−(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−2−(2,6−ジメチル−4−ニトロ−フェノキシ)−アセトアミド;
2−(4−アミノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−N−(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−アセトアミド;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−1,7−ジオキサ−4−アザ−インデン−3−イルエステル;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−4−ブロモ−2−メチル−ベンズアミド;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−アセトアミド;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−(2−アミノ−4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イルオキシ)−アセトアミド;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−ピリジン−2−イルメチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−(2,6−ジメチル−ピリミジン−5−イルオキシ)−アセトアミド;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−(2−アミノ−チアゾール−4−イル)−アセトアミド;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−ピリジン−2−イルメチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 ピリジン−3−イルメチルエステル;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−ピリジン−2−イルメチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−ピリジン−2−イルメチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−(2,6−ジメチル−フェノキシ)−アセトアミド;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−ピリジン−2−イルメチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−3−ヒドロキシ−2−メチル−ベンズアミド;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 2,3−ジヒドロ−〔1,4〕ジオキシノ〔2,3−b〕ピリジン−3−イルメチルエステル;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 2,3−ジヒドロ−〔1,4〕ジオキシノ〔2,3−b〕ピリジン−2−イルメチルエステル;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−(3,4−ジアミノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−アセトアミド;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−(4,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルオキシ)−アセトアミド;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−(2,6−ジメチル−フェノキシ)−4−ヒドロキシ−ブチルアミド;
6−メチル−イミダゾ〔2,1−b〕チアゾール−5−カルボン酸(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−アミド;
N−(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−4−ブロモ−2−メチル−ベンズアミド;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 3H−イミダゾール−4−イルメチルエステル;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 2−ヒドロキシメチル−チアゾール−4−イルメチルエステル;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−(4−アミノメチル−2,6−ジメチル−フェノキシ)−アセトアミド;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔メチル−(3−ピロリジン−1−イル−プロピル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;
{3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕
−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル}−カルバミン酸 2−(3,5−ジメチル−ピリジン−4−イルオキシ)−エチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔メチル−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−1,7−ジオキサ−4−アザ−インデン−3−イルエステル;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−メチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−1,7−ジオキサ−4−アザ−インデン−3−イルエステル;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−2−(3,5−ジメチル−ピリジン−4−イルオキシ)−アセトアミド;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 3−オキソ−テトラヒドロ−3−ピロロ〔1,2−c〕オキサゾール−7−イルエステル;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−〔2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル〕−アミノ)−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−3−イルメチルエステル;
(1−ベンジル−3−〔(2−ジメチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 ヘキサヒドロ−フロ〔2,3−b〕フラン−3−イルエステル;
(6−(〔2−ヒドロキシ−4−フェノキシ−3−(チアゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)−ブチル〕−イソブチル−スルファモイル)−ベンゾオキサゾール−2−イル)−カルバミン酸 メチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔(5−オキソ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−3−((2−〔(フラン−3−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔(1−メチル−ピペリジン−4−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔(ピリジン−2−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 2−クロロ−チアゾール−5−イルメチルエステル;
(1−ベンジル−3−(〔2−(2−ジメチルアミノ−アセチルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル〕−イソブチル−アミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−ピペラジン−1−イル−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−ピペリジン−1−イル−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸 チアゾー
ル−5−イルメチルエステル;
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−〔イソブチル−(2−(2−〔メチル−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−アミノ〕−アセチルアミノ)−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ〕−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
(1−ベンジル−3−〔(2−ジメチルアミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 オキサゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔(ピリジン−4−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−(2−〔メチル−(ピリジン−2−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−{2−〔メチル−(1−メチル−ピペリジン−3−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル}−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−{2−〔メチル−(1−メチル−ピペリジン−4−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル}−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−3−((2−〔(2−クロロ−ピリジン−4−カルボニル)−メチル−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
〔1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(イソブチル−{2−〔メチル−(1−メチル−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ〕−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル}−アミノ)−プロピル〕−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ニトロ−ベンズアミド;
4−アミノ−N−(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−3−ヒドロキシ−2−メチル−ベンズアミド;
7−メチル−ベンゾオキサゾール−6−カルボン酸(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−アミド;
4−メチル−ベンゾ〔1,3〕ジオキソール−5−カルボン酸(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−アミド;
(3−〔(2−アミノ−ベンゾオキサゾール−6−スルホニル)−イソブチル−アミノ〕−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸 チアゾール−5−イルメチルエステル;
またはそれらのいずれかの立体異性体形態および製薬学的に許容できる付加塩。
【0216】
このように、本発明は、式(6)の化合物を中間体として使用して得られる、式(9)のHIVプロテアーゼ阻害剤またはそれらのあらゆる製薬学的に許容できる塩またはプロドラッグにも関し、ここで式(6)の化合物および式(9)のHIVプロテアーゼ阻害剤の双方は本発明中に記載のようにして製造される。
【0217】
下記の実施例は、本発明を例示することを意図する。それらの実施例は、本発明を例示するために提示されそして本発明の範囲を限定すると考えてはならない。
【0218】
実施例
実施例1は、スルホニルクロリドを式(5)に相当する中間体と反応させる式(6)に相当する本発明によるベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物の製造を例示する。実施例2および3は、本発明によるベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物を用いる2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドプロテアーゼ阻害剤の製造を例示する。
【実施例1】
【0219】
ベンゾオキサゾールスルホンアミド化合物の製造
スキームCに示される下記の化合物c−6により表されるベンゾオキサゾールスルホンアミドは、以下のようにして製造できる。
【0220】
中間体c−2は、20Lフラスコ中の酢酸エチル8500mlに2−メルカプトベンゾオキサゾール(c−1、これは上記の式(1)の化合物に等しい)(1200g、7.94mol)を加えて製造された。次いで炭酸カリウム1420g(10.29mol)を室温で加えた。内部温度を40℃以下に保ちながらヨードメタン(1243g、8.76mol)をこの反応混合物に滴下して加えた。この混合物を24時間攪拌し、その間に内部温度は20℃に低下した。次いで反応混合物を水4000mlおよびNHOH138gを用いて、室温で約20分間処理した。有機層を分離して濾過した。水層を酢酸エチル1200mlを用いて抽出した。有機層を集めそして水1500mlを用いて洗浄した。有機層を減圧下で最終体積約2000mlとなるまで蒸発させた。硫酸マグネシウムを加え混合物を濾過した。濾液を減圧下で蒸発させると中間体c−2の1288gが得られた(収率98%/HPLC純度99.6%)。
【0221】
中間体c−3を製造するために、クロロスルホン酸(3980g、33.3mol)を窒素下で攪拌した。次いで外部冷却により内部温度を60℃以下に保持しながら、中間体c−2(1288g、7.80mol)を少しずつ加えた。中間体b−2の添加が終了した後、反応混合物を85℃で一晩攪拌した。加熱を取り去りそして反応混合物を65℃まで冷却した。よく攪拌して気体の制御された発生を維持しながらSOClを滴下して加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌した。この反応混合物をEtOAc(6.9kg)および氷(9.2kg)の良く攪拌している混合物に加え、その間0℃以下の温度に維持した。有機層を単離した。水層をEtOAc(3.1kg)を用いて抽出した。一緒にした有機層を7.5%NaHCO(210g/2.8L水)を用いて洗浄した。この水層のpHはまだ1なので、さらにNaHCO125gを加えた。この混合物を1時間攪拌し、次いで相を分離した。有機層をNaCO(2.5kg)を用いて乾燥させた。濾過の後、中間体c−3の1935gが得られ(収率94%、HPLC純度94%)そして化合物c−6の製造に使用した。
【0222】
中間体c−5は、20Lフラスコ中で、中間体c−4の1595gを不活性条件下でイソプロパノール2400gと反応させて製造した。次いでイソブチルアミン6198gを室温で加えた。反応混合物を加熱しそして内部温度65℃で一晩攪拌した。85℃で蒸留して過剰のイソプロパノールを可能な限り除去した。次いでヘキサン3Lを加えそして90℃で共沸蒸留して溶剤を除去した。ヘキサンを用いる共沸蒸留を3回反復した。室温で一晩冷却の間に20Lフラスコ内の残留製品を結晶化させた。固体白色粗製品を65℃に加熱してEtOAcの3Lを加えて溶解させた。白色粗製品が完全に溶解した後、EtOAc1.5Lを蒸留した。中間体c−5を含んでなる残留溶液を内部温度65℃で攪拌しそしてそのまま化合物c−6の製造に使用した。
【0223】
化合物c−6製造のために、中間体c−5の溶液を65℃以上で攪拌しそしてトリエチルアミン(1400g)を加えた。次いで反応混合物を50℃に冷却しそして水冷により反応温度を40〜50℃に保持して、中間体c−3のEtOAc溶液を3時間で加えた。TLCは30分後に出発物質がないことを示したが、しかし反応物は内部温度を20℃に低下させて一晩攪拌した。混合物を45℃に加熱しそして水5L、水4.2Lと30%HClの800gの混合物および水4.5LとNaHCO250gの混合物を用いて洗浄した。有機層を分離しそして一晩攪拌したが、その間に温度は20℃に低下した。さらに0〜−5℃に冷却し、固体を濾過し、そして減圧下、40℃で乾燥すると、化合物c−1の2585gが得られた(収率76%、純度98.2%)。
【0224】
【化44】

【実施例2】
【0225】
2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミド(化合物d−5)の製造
本実施例は、2−アミノ ベンゾオキサゾール スルホンアミド プロテアーゼ阻害剤の製造を例示し、それは下記のスキームD中にd−5として示されている。
【0226】
このプロテアーゼ阻害剤を製造するために、中間体d−1を10Lシール付反応器中に充填しそして105℃まで加熱した。圧力は2.2バールまで上昇した。次いでNH気体(319g、18.7molNH気体)を圧力7.5〜8バールに達するまで加えた。この反応混合物を15時間、内部温度105〜110℃で攪拌した。次いで反応混合物を内部温度35℃まで冷却しそして注意して圧力を抜いた。反応混合物を10Lドラム中に集めた。この手順を3回反復して3個の異なるバッチとなった(バッチ1、2および
3)。HPLCによる純度は、3個の異なるバッチについて約75%であった。3個の異なるバッチを集め、プールしそしてビュキ(Buechi)装置で約6Lのイソプロパノールの最終体積となるまで蒸発を続けた。この残留物を75℃で攪拌および加熱した。水(4.5L)を加えそしてスラリーを30分間、75℃で攪拌した。次いで加熱を止めそして混合物を一晩室温で攪拌した。反応混合物を濾過しそしてイソプロパノール400mlを用いて洗浄した。製品を2日間、真空オーブン中、50℃で乾燥すると、中間体d−2の1514g(収率80%、HPLC純度97.04%)が得られた。
【0227】
引き続き、中間体d−2の1514gを酢酸エチル32L中で攪拌しそして60℃まで加熱した。2100mlHCl/イソプロパノール 5Nをゆっくりと加えると白色の沈殿物が形成されそしてCO気体が放出された。HCl/イソプロパノール5Nをすべて添加した後、反応混合物を3〜4時間、内部温度55〜60℃で攪拌した。次いで沈殿物を濾過し、そして酢酸エチル400mlを用いて洗浄した。湿った製品をビュキ装置で蒸発させ次いで真空オーブン中、50℃で一晩乾燥すると、中間体d−3の1265g(収率83%、HPLC純度98.58%)が得られた。
【0228】
次いで、d−5を得るためにトリエチルアミンおよびジクロロメタンの存在下で中間体d−3を中間体d−4とさらに反応させ、さらにエタノール抽出により精製するとd−5が得られた(>85%収率/HPLC純度97%)。
【0229】
【化45】

【実施例3】
【0230】
2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミド(化合物e−5)の製造
本実施例は、下記のスキームE中でe−5で表される2−アミノ−ベンゾオキサゾールスルホンアミドプロテアーゼ阻害剤の製造を例示する。
【0231】
イソプロパノール6000ml中の中間体e−1(1000g、1.77mol)の懸濁液を完全に溶解するまで加熱した(内部温度(Ti)75℃)。5分間でメチルアミン(4800g、HO中40%重量%、62mol)を加えた(添加後の内部温度65℃)。得られた溶液を1時間、攪拌および加熱(内部温度65℃)した。20L反応器フラスコを開けそして過剰のメチルアミンの大部分が除去されるまで激しく攪拌しながら加熱した(内部温度70℃以上)。70℃で、熱水7500mlを加え、その間内部温度は7
0℃以上に保持した。次いで、加熱を止めそして反応混合物を一晩で30℃まで冷却した。内部温度66℃で、中間体e−2のかさばった沈殿物が形成された。30℃で沈殿物を濾過した。沈殿物をイソプロパノール/水(1/1)2000mlを用いて洗浄しそして乾燥すると、中間体e−2の約1000gが得られた(収率90〜100%、HPLC純度:96.9%)。
【0232】
引き続いて、湿潤中間体e−2の16.6kgの懸濁液を150L反応器内に充填した。次いで、EtOAc150kgを加え、そして懸濁液を78℃で加熱しながら攪拌した。反応混合物中の水を共沸蒸留により除去した。蒸留は、反応混合物のKFが0.15%w/w水分以下を示した時点で停止した。共沸蒸留の後に、反応器は中間体e−2 TIC1662の約4800gを含んでいた(収率±95%)。残留した透明溶液(80LEtOAc中の中間体e−2 ±4800g)を65℃で攪拌しそしてHCl/イソプロパノール(イソプロパノール中5〜6N溶液)6.7Lを0.5時間で加えた。得られた混合物をさらに内部温度65℃で攪拌した。別のHCl/イソプロパノール(イソプロパノール中5〜6N溶液)1Lを65℃で加えた。この反応混合物を加熱しながらさらに一晩攪拌した。反応混合物を15℃に冷却し次いで濾過し、EtOAc5.2kgを用いて洗浄すると、湿潤中間体e−3の8.5kgが得られ、それを室温で窒素流中で乾燥すると、中間体e−3の3.376kgが得られた(収率74%、HPLC純度98.1%)。
【0233】
次いで、c−5を得るために中間体e−3をさらに中間体e−4とトリエチルアミンおよびEtOAcの存在下で反応させた(収率75%、純度98.8%)。
【0234】
【化46】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(6)
【化1】

の化合物およびその塩、立体異性体形態、およびラセミ混合物の製造方法であって、式(2)
【化2】

〔式中、Eは求電子部分である〕
の化合物から出発し、式(2)の化合物を式(3)
【化3】

〔式中、LGは離脱基である〕
の化合物に変換し、そして式(3)の化合物を式(5)
【化4】

〔式中、
PGは保護基であり、
は水素またはC1−6アルキルであり、
はC3−7シクロアルキル、アリール、Het、Het、または場合によりC
−7シクロアルキル、アリール、Het、もしくはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;ここでそれぞれのC3−7シクロアルキル、アリール、Het、およびHetは場合によりオキソ、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニル、ハロゲンもしくはトリフルオロメチルから選択される1個もしくはそれより多くの基で置換されてもよく、ここでそれぞれのアミノはC1−6アルキルでモノ−もしくはジ置換されてもよく、
は水素、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、または場合によりそれぞれ独立して、アリール、Het、Het、C3−7シクロアルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキル−S−(=O)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲンおよび場合により置換基がそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択されるモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノから選択される、1個もしくはそれより多くの置換基で置換されてもよいC1−6アルキルを含んでなる群から選択され、そして
tは0、1または2である〕
の化合物と反応させることを特徴とする方法。
【請求項2】
方法が、式(1)
【化5】

の化合物をアルキル化して式(2)
【化6】

〔式中、EはC1−6アルキルである〕
の化合物をもたらし;式(2)の化合物をスルホン化剤と反応させて、式(3)
【化7】

〔式中、LGは離脱基である〕
の化合物をもたらし、そして式(3)の化合物を式(5)
【化8】

〔式中、PG保護基であり、そして
式中、R、RおよびRは請求項1に記載のものと同様である〕
の化合物とカップリングさせる工程を含んでなることを特徴とする、式(6)の化合物を製造する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(3)の化合物が式(3”’)
【化9】

の化合物であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
式(5)の化合物が式(4)のエポキシド含有化合物のアミノ化により得られ、そしてアミノ化剤がHN−R〔式中、Rは請求項1〜3のいずれか1項に記載のものと同様である〕であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【化10】

【請求項5】
式(5)の化合物が式(5’)
【化11】

の化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
PG、R、R、R、およびEが請求項1〜5のいずれか1項に定義されているものと同様であることを特徴とする、式(6)
【化12】

の化合物およびそれらの塩、立体異性体形態、およびラセミ混合物。
【請求項7】
が水素であり、
がアリールC1−4アルキル、アリールメチル、またはフェニルメチルであり、
が非置換C1−6アルキル、またはアリール、Het、Het、C3−7シクロアルキルおよび場合により置換基がC1−4アルキル、アリール、HetおよびHetから選択されるモノ−もしくはジ置換されているアミノから選択される1個もしくはそれより多くの置換基で置換されているC1−6アルキルである
ことを特徴とする、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
が水素であり、
がフェニルメチルであり、そして
がイソブチルである
こと特徴とする、請求項6〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
化合物が式(6”)
【化13】

を有すること特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
化合物が式(6”’)
【化14】

を有すること特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
該化合物が、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、クロロ酢酸塩およびメタンスルホン酸塩から選択される塩の形であることを特徴とする、請求項6〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
さらに、式(6)の化合物をアミノ化して式(7)
【化15】

〔式中、
は水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、Het1−6アルキル、Het1−6アルキル、アミノC1−6アルキル(ここで、アミノ基は場合によりC1−4アルキルでモノ−もしくはジ置換されてもよい)であり、
は水素、C1−6アルキル、または−A−Rであり、
AはC1−6アルカンジイル、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)−、C1−6アルカンジイル−C(=O)−、C1−6アルカンジイル−C(=S)−またはC1−6アルカンジイル−S(=O)−であり、ここで窒素原子への結合点は該基を含むそれらの部分内のC1−6アルカンジイル基であり、
はC1−6アルキルオキシ、Het、Hetオキシ、Het、Hetオキシ、アリール、アリールオキシ、C3−7シクロアルキル、または場合によりモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノであり、そして
−A−がC1−6アルカンジイル以外の場合には、RはC1−6アルキル、Het1−4アルキル、HetオキシC1−4アルキル、Het1−4アルキル、HetオキシC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アリールオキシC1−4アルキルまたはアミノ−C1−6アルキルであり;ここでRの定義におけるアミノ基のそれぞれは場合によりC1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アリール、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、Het、Het、アリールC1−4アルキル、Het1−4アルキルもしくはHet1−4アルキルから選択される1個もしくはそれより多くの置換基で置換されていてもよく、そして
−A−RがヒドロキシC1−6アルキルであってもよく、そして
および−A−Rはそれらが結合している窒素原子と一緒になってHetまたはHetを形成してもよい〕
の化合物を得て、式(7)の化合物を脱保護して式(8)
【化16】

の化合物を得て、式R−L−の基をカップリングして式(9)
【化17】

〔式中、
は水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、アリール、Het、Het1−6アルキル、Het、Het1−6アルキルを含んでなる群から選択され;そしてRは式(10)
【化18】

の基であってもよく、
、R10aおよびR10bは、それぞれ独立して、水素、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは場合によりアリール、Het、Het、C3−7シクロアルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)−アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルS(O)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲンまたは場合によりモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノ(ここで、置換基がそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択される)により置換されてもよいC1−4アルキルであり;ここでR、R10aおよびそれらが結合している炭素原子はC3−7シクロアルキル基を形成してもよく、
Lが−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−または−NR12−C1−6アルカンジイル−C(=O)−の場合には、Rはオキソであってもよく、
11aは水素、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、アリール、場合によりモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノカルボニル、場合によりモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノC1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、Hetオキシカルボニル、Hetオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルC1−4アルキル、アリールC1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、C3−7シクロアルキルカルボニル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキルオキシカルボニル、C3−7シクロアルキルカルボニルオキシ、カルボキシC1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルカルボニルオキシ、アリールC1−4アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、Hetカルボニル、Hetカルボニルオキシ、Het1−4アルキルオキシカルボニル、Hetカルボニルオキシ、Het1−4アルキルオキシカルボニルオキシ、Het1−4アルキルオキシカルボニルオキシまたは場合によりアリール、アリールオキシ、Hetもしくはヒドロキシで置換されてもよいC1−4アルキルを含んでなる群から選択され、ここでアミノ基上の置換基はそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択され、
11bは水素、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、アリール、Het、Het、または場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルS(=O)、アリール、C3−7シクロアルキル、Het、Het、場合により置換基がそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択されるモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノ、により置換されてもよいC1−4アルキルを含んでなる群から選択され、
ここでR11bはスルホニル基を介して分子の残部と結合してもよく、そして
Lは−C(=O)−、−O−C(=O)−、−NR12−C(=O)−、−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−、−NR12−C1−6アルカンジイル−C(=O)−、−S(=O)−、−O−S(=O)−、−NR12−S(=O)−を含んでなる群から選択され、ここでC(=O)基もしくはS(=O)基のいずかがNR部分に結合し;ここでC1−6アルカンジイル部分は場合によりヒドロキシ、アリール、Het、およびHetから選択される置換基で置換され、
12は水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、アリール、Het、Het1−6アルキル、Het、Het1−6アルキルであり、
は水素またはC1−6アルキルであり、
はC3−7シクロアルキル、アリール、Het、Het、または場合によりC3−7シクロアルキル、アリール、Het、もしくはHetで置換されてもよいC1−6アルキルであり;ここでそれぞれのC3−7シクロアルキル、アリール、HetおよびHetは場合によりオキソ、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニル、ハロゲンもしくはトリフルオロメチルから選択される1個もしくはそれより多くの基で置換されてもよく、ここでそれぞれのアミノはC1−6アルキルでモノ−もしくはジ置換されてもよく、
は水素、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、または場合によりそれぞれ独立してアリール、Het、Het、C3−7シクロアルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキル−S−(=O)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲンおよび場合によりモノもしくは置換されてもよいアミノ(ここで置換基がそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択される)から選択される置換基で置換されてもよいC1−6アルキルを含んでなる群から選択され、そして
tは0、1または2である〕
の化合物およびそのN−オキシド、塩、立体異性体形態、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルおよび代謝物を得ることを含んでなることを特徴とする、該方法が請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法を含んでなる、式(9)の化合物の製造方法。
【請求項13】
が式(10)
【化19】

の基であり、
、R10aおよびR10bは、それぞれ独立して、水素、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)ア
ミノカルボニル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは場合によりアリール、Het、Het、C3−7シクロアルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)−アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキルS(O)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲンまたは場合によりモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノ(ここで置換基がそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択される)により置換されているC1−4アルキルであり;
ここでR、R10aおよびそれらが結合している炭素原子はC3−7シクロアルキル基を形成してもよく、
11bは水素、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、アリール、Het、Het、または場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルS(=O)、アリール、C3−7シクロアルキル、Het、Het、モノ−もしくはジ置換されてもよいアミノ(ここで場合により置換基がそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択される)により置換されているC1−4アルキルを含んでなる群から選択され、
ここでR11bはスルホニル基を介して分子の残部と結合してもよく、
tは0、1または2であり、
Lは−C(=O)−、−O−C(=O)−、−NR12−C(=O)−、−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−、−NR12−C1−6アルカンジイル−C(=O)−、−S(=O)−、−O−S(=O)−、−NR12−S(=O)−であり、ここでC(=O)基もしくはS(=O)基のいずかがNR部分に結合し;ここでC1−6アルカンジイル部分は場合によりヒドロキシ、アリール、Het、およびHetから選択される置換基で置換され、
12は水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリールC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、アリール、Het、Het1−6アルキル、Het、Het1−6アルキルであり、そして
は水素、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、または場合によりここでアリール、Het、Het、C3−7シクロアルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1−4アルキル−S−(=O)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲンおよび場合によりモノ−もしくはジ置換されてもよいアミノ(ここで置換基がそれぞれ独立してC1−4アルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル−C1−4アルキル、Het、Het、Het1−4アルキルおよびHet1−4アルキルから選択される)から選択される1個もしくはそれより多くの置換基で置換されているC1−6アルキルである、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
下記:
が水素、Het、Het、アリール、Het1−6アルキル、Het1−6アルキル、アリールC1−6アルキルであり、さらに特定するとRが5〜8個の環メンバーを有する飽和もしくは部分不飽和単環式もしくは二環式複素環であり、それは窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個もしくはそれより多くのヘテロ原子環メンバーを含みそしてそれは場合により置換されており、または場合により1個もしくはそれより多くの置換基で置換されているフェニルである;
が水素である;
Lが−C(=O)−、−O−C(=O)−、−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−であり、さらに特定するとLが−C(=O)−または−O−C1−6アルカンジイル−C(=O)−であり、ここでいずれの場合にもC(=O)基はNR部分に結合する;
がアリールC1−6アルキル、特定すると、アリールメチル、さらに特定するとフェニルメチルである;
が場合により置換されているC1−6アルキル、特定すると非置換C1−6アルキルまたは場合によりアリール、Het、Het、C3−7シクロアルキルおよび場合により置換基がC1−4アルキル、アリール、HetおよびHetから選択されるモノ−もしくはジ置換されているアミノから選択される1個もしくはそれより多くの置換基で置換されているC1−6アルキルである;
が水素またはメチルである;および
が水素またはメチルである
という制限の1項またはそれ以上が適用される、請求項12または13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
−LがHet−O−(C=O)、Het−C1−6アルカンジイル−O−(C=O)、アリール−O−C1−6アルカンジイル−O−(C=O)またはアリール−(C=O)である、請求項12〜14いずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
がアミノ、モノメチルアミノまたはジメチルアミノである、請求項12〜15いずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
がHet、またはHet1−6アルキルであり、そして
Lが−O−(C=O)−であり、
が水素であり、
がフェニルメチルであり、
がイソブチルであり、
が水素であり、そして
が水素またはメチルである、
請求項12〜16いずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
化合物(9)が式(9”’)
【化20】

を有する、請求項12〜17いずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
式(9)の化合物が、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、クロロ酢酸塩およびメタンスルホン酸塩から選択される塩の形態であることを特徴とする、請求項12〜18いずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
式(9)のレトロウイルスプロテアーゼ阻害剤を製造するための中間体としての請求項7〜11のいずれかに記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−507468(P2007−507468A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530265(P2006−530265)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052382
【国際公開番号】WO2005/030739
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(504347371)テイボテク・フアーマシユーチカルズ・リミテツド (94)
【Fターム(参考)】