説明

ペダル装置の支持構造

【課題】本発明は、効果的に良好なペダルフィーリングが得られるペダル装置の支持構造を提供する。
【解決手段】ペダル装置の支持構造は、ダッシュパネル30と、ペダル装置60と、リンフォース70と、ダッシュクロスメンバ50と、連結部材80と、を備える。ダッシュパネル30は、車室10aの内と外とを区画する。ペダル装置60は、運転者が踏み込むペダル61を備える。ペダル装置60は、ダッシュパネル30に固定される。リンフォース70は、ダッシュパネル30とペダル装置60との間に設けられる。ダッシュクロスメンバ50は、ペダル装置60よりも下方でダッシュパネル30に沿って延びる。リンフォース70は、連結部材80を介してダッシュクロスメンバ50に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダル装置を車体に支持させる支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
インストルメントの下側に配置されるペダル装置、特に吊り下げ式のブレーキ用のペダル装置は、車室内外を区画するダッシュパネルに固定されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところが、ダッシュパネルは、パネル状の部材から形成されているため、ダッシュパネルによっては、運転者がペダルを踏み込んだ際の、ペダルフィーリングが悪くなりやすい傾向にある。
【0004】
この点について、具体的に説明する。ダッシュパネルは、パネル状の部材から形成されることによって、広い面を有している。この面が、車室の内と外を区画している。そして、この面にペダル装置が固定されている。このため、運転者がペダルを踏み込むと、その踏み込み力によって、ダッシュパネルがたわむなど、変形することが考えられる。この変形によって、ペダルを踏み込んだ際のペダルフィーリングが悪くなる傾向にある。
【0005】
このため、一般に、ダッシュパネルとペダル装置との間に、例えばパネル状のリンフォースを設けることによって、ダッシュパネルにおいてペダル装置の近傍の剛性を高め、ペダル装置の支持剛性を高めることが行われている。
【0006】
一方、自動車は、衝突時の衝撃吸収構造として、前後方向に延びるサイドメンバにおいて車室より前方の部分がクラッシャブルゾーンとなっている。クラッシャブルゾーンは、衝突時に衝撃が入力されると、潰れる。このように、クラッシャブルゾーンは、潰れることによって、車両衝突時の衝撃を吸収している。
【0007】
しかし、自動車に求められる要求として、車室の拡大化がある。それゆえ、自動車は、デッキフォワード化がなされている。この結果、自動車は、サイドメンバにおいて、車室よりも前方の部分が短くなる傾向にある。つまり、クラッシャブルゾーンが短くなる傾向にある。
【0008】
クラッシャブルゾーンが短くなることによって、衝突の際の衝撃は、充分に吸収されることなく、車室に伝わってしまうことが考えられる。
【0009】
このため、衝突の際の衝撃を、車体側壁に逃すことによって、衝突による衝撃をサイドメンバに加えて車体側壁でも吸収する、自動車の車体前部構造が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
この種の自動車の車体前部構造は、サイドメンバと車体の側壁としてのフロントピラーとに連結されるクロスメンバを備えている。
【0011】
このクロスメンバは、車幅方向に一対配置されるサイドメンバ間に渡される基部と、基部の両端から屈曲されて延びる左、右端部を備えている。基部は、溶接用のブラケットを介して、サイドメンバ間に架設される。左、右端部は、それぞれ対応するフロントピラーに溶接されることによって固定される。クロスメンバは、一本のパイプ材を、折り曲げることによって、上記した形状に形成されている。
【0012】
クロスメンバは、上記のように配置されることによって、サイドメンバに加わった衝撃を、フロントピラーに伝える。この種の、クロスメンバは、ダッシュパネルに対して車室側において、ダッシュパネルに沿って配置されることがある。
【特許文献1】特開平11−49035号公報
【特許文献2】特開2004−74868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、上記のように、ダッシュパネルとペダル装置との間にパネル状のリンフォースを設けることによって、ダッシュパネルにおいてペダル装置近傍の剛性を向上し、ペダル装置の支持剛性を高めようとする場合、リンフォースは、ダッシュパネルの面の広範囲に亘って設けられなければならない。
【0014】
つまり、リンフォースの面が広くなるので、車体の重量が増加するとともに、取り付け作業の効率が悪くなる傾向にある。
【0015】
したがって、本発明の目的は、効果的に良好なペダルフィーリングが得られるペダル装置の支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のペダル装置の支持構造は、ダッシュパネルと、ペダル装置と、リンフォースと、クロスメンバと、を備える。ダッシュパネルは、車室の内と外とを区画する。ペダル装置は、運転者が踏み込むペダルを備える。ペダル装置は、ダッシュパネルに固定される。リンフォースは、ダッシュパネルとペダル装置との間に設けられる。クロスメンバは、ダッシュパネルにおけるペダル装置の固定部よりも下方でダッシュパネルに沿って延びる。リンフォースはクロスメンバに連結される。
【0017】
このように、リンフォースがクロスメンバに連結されることによって、リンフォースがクロスメンバによって支持されることになる。
【0018】
このため、クロスメンバがもつ高い剛性によって、ペダル装置の支持剛性が充分に確保されるので、乗員がペダルを踏み込んだ際に生じるダッシュパネルのたわみなどの変形が抑えられる。それゆえ、ペダル装置の支持剛性が高められるので、リンフォースを大きくする必要がない。
【0019】
本発明の好ましい形態では、リンフォースは、車両上下方向に延びるリブを有する。
【0020】
本発明の好ましい形態では、リンフォースを、リブの下方部でクロスメンバに連結する。
【0021】
本発明の好ましい形態では、リンフォースを、連結部材を介して、クロスメンバに連結する。
【発明の効果】
【0022】
本発明のペダル装置の支持構造では、リンフォースの面積を広くすることなく、ペダル装置の支持剛性が充分に確保されるので、効果的に、良好なペダルフィーリングが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明のペダル装置の支持構造の一実施形態を、図1から図4を参照して説明する。
【0024】
図1は、例えば自動車の車体10の前側を示している。図1に示すように、車体10は、一対のサイドメンバ11と、サイドストラクチャーの一例として一対のフロントピラー12と、フロアパネル20、ダッシュパネル30と、デッキクロスメンバ40と、ダッシュクロスメンバ50と、ペダル装置60(図2に示される)と、リンフォース70(図2に示される)と、連結部材80(図2に示される)と、を備えている。
【0025】
各サイドメンバ11は、車幅方向にお互いに離間し、車体前後方向に延びている。各サイドメンバ11の前部は、車体10に組み付く前輪を避けるために、一旦、上側へ傾斜させてから、水平に延びている。
【0026】
一方のフロントピラー12は、一方のサイドメンバ11の車幅方向外側に配置されている。他方のフロントピラー12は、他方のサイドメンバ11の車幅方向外側に配置されている。
【0027】
フロアパネル20は、各サイドメンバ11の上に配置されている。ダッシュパネル30は、フロアパネル20の前端部に接続されている。具体的に説明すると、ダッシュパネル30は、各サイドメンバ11の前部において傾斜している部分11aの近傍から上方に延びている。ダッシュパネル30は、車室10aの内側と外側とを区画している。つまり、ダッシュパネル30を境に、後側が車室10aとなっている。
【0028】
デッキクロスメンバ40は、車室10a内において、各フロントピラー12間に設けられている。デッキクロスメンバ40は、車幅方向に沿って延びている。デッキクロスメンバ40は、剛性の高い部材、例えば、パイプ材から形成されている。このため、デッキクロスメンバ40によって、車体10の車幅方向の剛性が確保されている。
【0029】
ダッシュクロスメンバ50は、車室10a内において、デッキクロスメンバ40の下方に設けられており、各サイドメンバ11と各フロントピラー12とに連結されている。ダッシュクロスメンバ50は、本発明で言う、クロスメンバの一例である。
【0030】
ダッシュクロスメンバ50は、基部51と、一対の立ち上がり部52と、を有している。基部51は、車幅方向に沿って延びる略棒状である。各立ち上がり部52は、基部51の両端に設けられている。各立ち上がり部52は、基部51に対して、上方に向かって延びている。
【0031】
ダッシュクロスメンバ50は、剛性の高い部材、例えば、一本のパイプ材から形成されている。つまり、基部51と各立ち上がり部52とは、一体に形成されている。各立ち上がり部52は、パイプ材を折り曲げることによって形成されている。
【0032】
ダッシュクロスメンバ50は、基部51が、ブラケット53によって各サイドメンバ11に固定され、かつ各立ち上がり部52が、対向するフロントピラー12において、デッキクロスメンバ40とフロントピラー12との接合箇所の近傍に接合されている。
【0033】
これによって、ダッシュクロスメンバ50と各フロントピラー12との間には、高い剛性をもたらす枠形部54が形成されている。この枠形部54は、略台形状である。枠形部54によって、衝突時、各サイドメンバ11の前端部から入力される衝撃力が、ダッシュクロスメンバ50を経て、各フロントピラー12に分散されるようになる。
【0034】
図2は、ダッシュパネル30を、車室10a側から見た状体を示している。なお、図2中では、ブラケット53は、省略されている。図2に示すように、ペダル装置60は、ダッシュパネル30の内面31に固定されている。
【0035】
ペダル装置60とのダッシュクロスメンバ50の基部51との位置関係は、基部51が、ダッシュパネル30におけるペダル装置60の固定部35よりも下方に位置するようになっている。つまり、ダッシュクロスメンバ50の基部51は、ダッシュパネル30において、乗員が操作しやすいように固定されたペダル装置60の固定部35よりも下方に位置するように配置されている。ペダル装置60は、例えば、一例として、ブレーキペダルに採用されている。
【0036】
ダッシュパネル30を挟んで、外側には、ペダル装置60と略重なるように、ブレーキブースター100が設けられている。
【0037】
ペダル装置60は、ペダル61と、ペダル61を支持するペダルブラケット62と、ペダル61の変位をブレーキブースター100に伝える伝達機構63と、を備えている。
【0038】
ペダルブラケット62は、内面31に固定される。なお、固定部35とは、ペダルブラケット62ダッシュパネル30との固定部となる。ペダルブラケット62は、枠部62aと、中継シャフト62bと、を備えている。枠部62aは、中継シャフト62bが車幅方向に沿うように、かつ中継シャフト62bを、中継シャフト62bの軸線方向回りに回動自由に支持する。
【0039】
ペダル61は、中継シャフト62bに固定されている。本実施形態では、ペダル61は、図中、中継シャフト62bの右端に固定されている。ペダル61が踏み込まれると、ペダル61の踏み込み量に応じて、中継シャフト62bが回転する。
【0040】
一方、ブレーキブースター100は、オペレーティングロッド101を備えている。オペレーティングロッド101は、ダッシュパネル30を貫通して、車室10a内に突出している。このとき、オペレーティングロッド101は、中継シャフト62bの近傍、本実施形態では、図中、中継シャフト62bの左端の下方に突出している。
【0041】
オペレーティングロッド101は、ブレーキブースター100側に押し込まれることによって、ブレーキブースター100を動作させる。
【0042】
伝達機構63は、中継シャフト62bにおいて、オペレーティングロッド101の近傍、つまり、本実施形態では、中継シャフト62bの左端に設けられている。伝達機構63は、レバー63aと、レバー連結部材63bと、を備えている。レバー63aは、中継シャフト62bに固定されている。レバー63aは、中継シャフト62bの回転に伴って、その位置を変化する。レバー63aは、オペレーティングロッド101の先端まで延びている。そして、レバー63aは、レバー連結部材63bによって、オペレーティングロッド101に回動自由に連結されている。このため、中継シャフト62bが回転すると、その回転変位に応じて、伝達機構63によって、オペレーティングロッド101が、押し込まれる。
【0043】
上記構造によって、乗員がペダル61を踏み込むと、ペダル61の変位が中継シャフト62bの回転変位に変換される。そして、中継シャフト62bの回転変位が伝達機構63と、オペレーティングロッド101を介して、ブレーキブースター100に伝えられる。これにより、ブレーキブースター100によって駆動される油圧シリンダー(図示せず)から、制動に必要な油圧が発生する。
【0044】
リンフォース70は、ダッシュパネル30と、ペダル装置60のペダルブラケット62との間に設けられている。リンフォース70は、ダッシュパネル30において、ペダル装置60近傍の剛性を向上する機能を有している。ダッシュパネル30において、ペダル装置60の近傍の剛性を高めることによって、ペダル装置60の支持剛性を高めている。
【0045】
リンフォース70は、パネル状であって、ペダルブラケット62よりも広い面積を有している。また、リンフォース70は、ブレーキブースター100をダッシュパネル30に固定する固定具、例えばボルト90とナット91とによって、ブレーキブースター100とともに、ダッシュパネル30に共締めされている。それゆえ、リンフォース70は、ボルト90が挿通される面積を有している。本実施形態では、リンフォース70の下端は、ダッシュクロスメンバ50の基部51よりも上方に位置している。
【0046】
ダッシュパネル30は、薄いパネル状である。それゆえ、リンフォース70がボルト90とナット91とともに共締めされることによって、リンフォース70は、ペダルブラケット62の補強材としてだけではなく、ダッシュパネル30においてボルト90が挿通する孔の近傍を補強する補強部材としての機能も有するようになる。
【0047】
リンフォース70は、リブ71を有している。リブ71は、例えばリンフォース70を形成するパネルが車室10a側に突出するように折り曲げられることによって形成されている。このため、リンフォース70は、断面凸状になっている。リブ71は、リンフォース70の上端から下端、つまり、上端からフロアパネル20に向かって延びている。
【0048】
連結部材80は、リンフォース70と、ダッシュクロスメンバ50とを連結している。図3は、図2に示されるF3−F3線に沿う断面図である。図3中では、ブレーキブースター100は、省略されている。図4は、連結部材80とリンフォース70との接続構造を示している。
【0049】
図4に示すように、連結部材80の上端部81は、リンフォース70のリブ71の下端部71a近傍に、例えば車室10a側から重ねられている。このため、連結部材80は、リブ71の下端部71aと重なるように、断面凸状のリブ82を有している。
【0050】
リブ82は、内側にリンフォース70のリブ71の下端部71aを収容できる大きさを有している。そして、連結部材80は、リブ82内にリンフォース70の下端部71aを収容するように、重ねられる。図中、リンフォース70のリブ71に2点鎖線で示されている部位は、連結部材80が重ねられる範囲である。連結部材80とリンフォース70とは、重なる範囲(2点鎖線で示めされる)が、例えば溶接されることによって、お互いに固定される。
【0051】
リブ82は、連結部材80において、リンフォース70側からダッシュクロスメンバ50側まで延びている。本実施形態では、リブ82は、連結部材80の上端から下端まで延びている。
【0052】
図3に示すように、連結部材80の下端部83は、ダッシュクロスメンバ50の基部51の下部に、例えば溶接されることによって、固定されている。このため、図4に示すように、連結部材80の下端部83は、ダッシュクロスメンバ50に沿うように、形成されている。すなわち、図に示すように、ダッシュクロスメンバ50の基部51の断面形状は、略円弧状であるので、下端部83は、円弧状に形成されている。ただし、これに限定されるものでは、ない。例えば、基部の断面形状が、略四角状であれば、下端部83は、これに沿うように形成される。
【0053】
なお、本実施形態では、リブ82の下端部が主に基部51に当接しているが、これに限定されるものではない。例えば、連結部材80の下端部83の大部分が基部51に当接するようになっていてもよい。この場合は、基部51との当接箇所に、リブ82を形成しないことが考えられる。
【0054】
このように、リンフォース70が連結部材80によって、ダッシュクロスメンバ50に固定されることによって、リンフォース70がダッシュクロスメンバ50によって支持されることになる。
【0055】
このため、ダッシュクロスメンバ50がもつ高い剛性によって、連結部材80を用いるだけで、ペダル装置60の支持剛性が、充分に確保される。
【0056】
つまり、ダッシュクロスメンバ50を、ペダル装置60の支持剛性を向上させる補強部材として利用することによって、リンフォース70の面積を大きくする必要がない。それゆえ、リンフォース70の軽量化、この軽量化に伴うコスト低減が図られる。そして、リンフォース70の小型化によって、リンフォース70の取り付け作業の作業効率が向上する。
【0057】
したがって、リンフォース70を大きくすることなく乗員がペダル61を踏み込んだ際に生じるダッシュパネル30のたわみなどの変形が抑えられるので、効果的に良好なペダルフィーリングが得られる。
【0058】
また、連結部材80を用いることによって、リンフォース70の形状を変更することなく、ペダル装置60の支持剛性を向上することができる。さらに、連結部材80を調整するだけで、リンフォース70とダッシュクロスメンバ50との連結構造を調整することができる。
【0059】
また、リンフォース70が連結部材80によってダッシュクロスメンバ50に固定されることによって、図3に示すように、ダッシュパネル30とダッシュクロスメンバ50との間に隙間Aが規定される場合であっても、衝突の際に乗員の足がペダル装置60と接触することが抑制される。
【0060】
この点について、具体的に説明する。自動車が前端から衝突すると、車体10には、前端から衝撃が入力される。この衝撃力によって、薄いパネル状のダッシュパネル30は、後側に向かって突出するように、変形することが考えられる。
【0061】
しかし、本発明では、リンフォース70が連結部材80によって、ダッシュクロスメンバ50に連結されている。
【0062】
このため、上記したようにダッシュパネル30が変形しようとすると、ダッシュパネル30に加わる衝撃力が、連結部材80を介してダッシュクロスメンバ50に伝えられるので、ダッシュパネル30の下部の後方への変形は、ダッシュクロスメンバ50の基部51によって、抑制される。しかし、ダッシュパネル30の上部は、ダッシュパネル30に加わる衝撃力によって、後方へ変形しようとする。
【0063】
この結果、ダッシュパネル30の変形の軌跡は、図3に2点鎖線で示すように、ダッシュクロスメンバ50の基部51を支点として車室10a側に向かう略円弧状になる。ダッシュパネル30の変形の軌跡が略円弧状になることによって、ペダル装置60は、隙間Aに対応する長さ車室10a側に移動するのではなく、図2に2点鎖線で示すように、下方に向かって移動する。
【0064】
このため、自動車の衝突の際に、ペダル装置60が乗員の足に接触することが抑制される。
【0065】
また、リンフォース70にリブ71が形成され、かつ連結部材80にリブ71に連なるように、リブ82が形成されている。このため、リンフォース70と連結部材80との全体の剛性が向上するので、ペダル装置60の支持剛性が一層向上する。
【0066】
つぎに、本発明の第2の実施形態に係るペダル装置の支持構造を、図5を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様な機能を有する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
本実施形態では、リンフォース70に、ダッシュクロスメンバ50まで延びる延出部75が設けられている。リブ71は、延出部75を通るように設けられている。それゆえ、リブ71の下端部71aは、延出部75の下端部75aに位置している。そして、リブ71の下端部71aがダッシュクロスメンバ50に連結されている。この点が、第1の実施形態と異なる。なお、リブ71の下端部71aは、本発明で言う、リブ71の下方部の一例である。
【0068】
下端部75aおよびリブ71の下端部71aは、第1の実施形態に示された、連結部材80の下端部83と同様に、ダッシュクロスメンバ50の基部51の沿うように、略円弧状に形成されてもよい。
【0069】
本実施形態であっても、第1の実施形態と同様に、ペダル装置60の支持剛性は、充分に高められる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るペダル装置の支持構造を備える車体の前側を示す斜視図。
【図2】図1に示されたダッシュパネルの内面を示す斜視図。
【図3】図2に示されるF3−F3線に沿う断面図。
【図4】図1に示されたリンフォースと連結部材との接合を示す斜視図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るペダル装置の支持構造を備える車体のダッシュパネルを車室内側から見た斜視図。
【符号の説明】
【0071】
10a…車室、20…フロアパネル、30…ダッシュパネル、35…ダッシュパネルにおけるペダル装置の固定部、50…ダッシュクロスメンバ(クロスメンバ)、60…ペダル装置、61…ペダル、70…リンフォース、71…リブ、71a…下端部(下方部)、80…連結部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の内と外とを区画するダッシュパネルと、
運転者が踏み込むペダルを備え、前記ダッシュパネルに固定されるペダル装置と、
前記ダッシュパネルと前記ペダル装置との間に設けられるリンフォースと、
前記ダッシュパネルにおける前記ペダル装置の固定部よりも下方で前記ダッシュパネルに沿って延びるクロスメンバと、
を具備し、
前記リンフォースは、前記クロスメンバに連結されることを特徴とするペダル装置の支持構造。
【請求項2】
前記リンフォースは、車両上下方向に延びるリブを有することを特徴とする請求項1に記載のペダル装置の支持構造。
【請求項3】
前記リンフォースは、前記リブの下方部で前記クロスメンバに連結されることを特徴とする請求項2に記載のペダル装置の支持構造。
【請求項4】
前記リンフォースは、連結部材を介して、前記クロスメンバに連結されることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のペダル装置の支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−219021(P2006−219021A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34711(P2005−34711)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】